JP5393186B2 - 歯科用接着キット - Google Patents

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Description

本発明は、プライマーと接着材とからなる歯科用接着キットに関する。詳しくは歯科医療分野における歯冠修復に際し、歯冠修復材料と歯質との高い接着力を得るために用いられるプライマーおよび接着材からなるキットに関する。
齲触や事故等により損傷を受けた歯質の修復には、コンポジットレジンや金属あるいはセラミックス等の歯冠修復材料を接着材により歯質に接着する方法が行われている。この接着材には光重合型接着材と化学重合型接着材があり、歯冠修復材料の種類に応じて使い分けられている。例えば、光硬化型コンポジットレジンを用いる修復では光硬化型接着材のボンディング材が、金属鋳造物やセラミックスを用いた修復、または修復窩洞が大きく光照射が難しい場合は、化学重合型接着材のセメント材やボンディング材が用いられている。
歯質と修復物の接着には、口腔内という過酷な環境下での長期使用による二次齲触や修復物の脱落等を起こさないようにするため、高接着力と確実性が求められる。したがって、接着材の確実な硬化を行うための、高活性な重合触媒が必要とされており、一般的に歯科の重合触媒として用いられるのは、カンファーキノンを代表とするα―ジケトン化合物/第三級アミン化合物系の光重合触媒や、過酸化ベンゾイルを代表とする過酸化物/第三級アミン化合物系の化学重合触媒である。
ここで、歯質と修復物とを接着材を用いて接着させるためには、歯質の表面を改質するための前処理が必要である。まず、歯質窩洞表面に付着しているスメアと言われる削りカスを酸で溶かし洗い流す脱灰処理を行う。次に、象牙質への接着材の浸透を促進するため、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)等の両親媒性単量体および有機溶媒を主成分とした浸透促進剤を塗布する。その後、改質された歯質表面に接着材を塗布し、歯質と修復物を接着させる。即ち、この方法では、歯質に対して良好な接着を得るためには、接着材を塗布する前に2段階の前処理が必要であり、操作が煩雑であった。そこで現在では、脱灰機能と浸透促進機能も併せ備えたセルフエッチングプライマーが開発されており、確実な接着力や操作の簡便さから主流となっている(例えば、特許文献1、特許文献2)。
このセルフエッチングプライマーは、酸性基含有重合性単量体、水、有機溶媒および両親媒性重合性単量体を主成分としており、塗布後、水や有機溶媒を除去するためエアブローを行う。そのため、該塗布面は、上記プライマー中の酸性基含有重合性単量体が残存した状態となり、代表的な化学重合触媒である過酸化物/第三級アミン化合物系触媒を含む接着材を用いた場合には、プライマーと接着材の接触した界面付近において、接着材中における過酸化物の助触媒である第三級アミン化合物が、プライマー中の残存した酸性基含有重合性単量体によって中和され、結果として過酸化物の重合活性が低下する。よって、プライマー層のみならず、プライマーに接触した接着材の重合が不十分になり、接着材とプライマーとの間の接着力は実臨床上からみると未だ十分なものではなく、さらに接着耐久性も劣る傾向があった。
このような重合阻害を改善するためには、プライマーの歯面処理面において、該プライマーの残存した酸を中和する塩基性物質を接着材中に添加することが考えられる。このような要件を満足したものになる接着材としては、例えば、特許文献3には、(a)酸性基を有するラジカル重合性単量体、(b)アルコール性水酸基を有するラジカル重合性単量体、(c)水、及び(d)スルフィン酸(塩)からなるプライマー組成物と、(e)ラジカル重合性単量体、(f)酸性基を有するラジカル重合性単量体、(g)アルコール性水酸基を有するラジカル重合性単量体、(h)光重合開始剤、(i)有機過酸化物および(j)第三級アミン化合物等の還元剤からなるボンディング組成物からなる接着剤システムが開示されており、該明細書中に塩基性無機フィラーとなるイオン溶出性フィラーを添加しても良いとの記載がある。しかし、こうしたイオン溶出性フィラーの添加理由としては、接着材の粘度調整や機械的強度の向上のためであり、上記塩基性物質としての効果を期待したものではない。また、上記ボンディング材組成物は、有機過酸化物と還元剤からなるレドックス系化学重合触媒を採用している。そのため、該ボンディング組成物は、2液で構成される。ここで、上記接着材中には、(f)酸性基を有するラジカル重合性単量体を含有させているため、たとえ接着材中に塩基性無機フィラーが存在したとしても、上記2液を混合する際に、接着材中の(f)酸性基を有するラジカル重合性単量体が塩基性無機フィラー、場合によっては(塩基性無機フィラーの含有量が少なめであったり、その塩基性度が低めの場合)還元剤をも中和してしまう。したがって、塩基性無機フィラーが、プライマーと接着材との接触界面付近において、プライマー中の残存した酸を中和させるという本発明の効果は十分に発揮されず、さらには接着材全体において還元剤の効果が低減することさえ生じ易い。なお、上記接着システムでは、過酸化物/第三級アミン化合物系の触媒に加え、プライマー中にスルフィン酸(塩)を添加することでプライマーと接着材界面での触媒活性を向上させ、高い接着力を得ているものと推測される。しかし、口腔内という過酷な環境下での長期使用を考慮すると、重合活性は未だ十分ではなく、安定した高い接着力や耐久性は得られていなかった。
特開平6−9327号公報 特開平6−24928号公報 特開平9−157126号公報
酸性基含有重合性単量体および水を含むプライマーと、重合性単量体および過酸化物/第三級アミン化合物系の化学重合触媒を含む接着材とからなる歯科用接着キットにおいて、プライマーの歯面処理面に接着材を塗布し硬化させる際に、該接着材が、残存するプライマーの酸(酸性基含有重合性単量体の酸性基)の影響を受けず、プライマーとの接触界面において十分な重合活性で高強度に硬化する歯科用接着キットを開発することが求められていた。
本発明者らは、上記技術課題を克服すべく鋭意検討を重ねてきた。その結果、上記組合せのプライマーと接着材とからなる接着キットにおいて、該接着材に配合される重合性単量体として酸性基非含有のものを用い、さらにその組成に塩基性無機フィラーを添加することで、プライマーと接着材との接触界面付近の重合阻害が良好に抑制され、安定した高い接着力が発現することを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち本発明は、(A)a)酸性基非含有重合性単量体、b)第三級アミン化合物、c)過酸化物、およびd)塩基性無機フィラーを含む接着材と、
(B)e)酸性基含有重合性単量体、およびf)水を含むプライマー
とからなることを特徴とする歯科用接着キットである。
本発明の歯科用接着キットに組み込まれている接着材は、重合触媒が過酸化物/第三級アミン化合物系であり、該接着材に配合される重合性単量体として酸性基非含有のものを用い、さらにその組成に塩基性無機フィラーが配合してある。このため、プライマー(酸性基含有重合性単量体および水を含む)で前処理した歯面に塗布して硬化させた際には、プライマー処理面に残存する酸の影響を受けることなく硬化させることができ、プライマーとの接触界面付近まで良好に硬化させることができる。
詳しくは、接着材中に含有される塩基性無機フィラーが、その優れたフィラー効果だけでなく、プライマー処理面との接触界面において、残存するプライマーの酸に対して、重合触媒の構成成分である第三級アミン化合物と競合、或いは優先して中和せしめる効果も発揮する。その結果、接着材における過酸化物/第三級アミン化合物系重合触媒の活性低下は抑制され、プライマーと接着材との接触界面付近の硬化反応は高度に進行する。特に、上記接着材中に含有される重合性単量体は、酸性基非含有のものであるため、該接着材の保存中において、第三級アミン化合物はもちろん、上記塩基性無機フィラーも何ら中和されることなくそのまま保持され、接着材の硬化時には、過酸化物/第三級アミン化合物系重合触媒は、前記プライマーとの接触界面付近も含めて接着材層全体で高活性になる。
本発明の実施の形態に係る歯科用接着キットは、大別すると、(A)接着材と(B)プライマーとを含む。(A)接着材には、酸性基非含有重合性単量体、第三級アミン、過酸化物および塩基性無機フィラーが含まれ、(B)プライマーには酸性基含有重合性単量体と水とが含まれる。
〔A)接着材について〕
まず、はじめに(A)接着材について詳細に説明する。
a)酸性基非含有重合性単量体
本発明の接着キットにおいて、接着材に配合される重合性単量体は、酸性基非含有のものである。このため、接着材の保存中において共存する第三級アミン化合物および塩基性無機フィラーが中和されることがなく、接着材は、プライマー処理面との接触界面まで、硬化反応が十分に進行する。これに対して、接着材中に酸性基含有重合性単量体が含有されている場合には、第三級アミン化合物および塩基性無機フィラーが中和されてしまうため、接着材の使用時において重合触媒の活性が十分に発現しなくなる。
酸性基非含有重合性単量体としては、該重合性単量体の分子中に酸性基を有さない化合物であれば何等制限なく使用することができる。具体的に酸性基とは、ホスフィニコ基、ホスホノ基、スルホ基あるいはカルボキシル基等の、pKaが5より小さく、活性プロトンを解離可能な官能基をいう。
このような酸性基非含有重合性単量体としては、重合性の良さ等から(メタ)アクリレート系のラジカル重合性単量体が主に用いられている。当該(メタ)アクリレート系の単量体を具体的に例示すると下記(1)〜(4)に示すものが挙げられる。
(1)単官能重合性単量体
単官能重合性単量体としては、例えば、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n―ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、n―ステアリル(メタ)アクリレートシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2―ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3―ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、若しくはグリシジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のアルキルエステル、1H,1H,3H―ヘキサフルオロブチルメタクリレート、1H,1H,5H―オクタフルオロペンチルメタクリレート、1H,1H,6H―デカフルオロヘキシルメタクリレート若しくは1H,1H,7H―ドデカフルオロヘプチルメタクリレート等の含フッ素(メタ)アクリレート、あるいは下記式(i)から(v)、(vi)〜(vii)で示される(メタ)アクリレート等が挙げられる。
Figure 0005393186
Figure 0005393186
なお、上記各式中のRは、水素原子またはメチル基である。また、上記各式中のR若しくはRは、それぞれ独立なアルキレン基である。また、上記各式中のRは、アルキル基である。上記各式中のmは、0もしくは1〜10の整数であり、nは1〜10の整数(但し、m+nは2〜10の整数である。)である。
(2)二官能重合性単量体
二官能重合性単量体としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3―ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4―ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6―へキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9―ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10―デカンジオールジ(メタ)アクリレート、2,2―ビス((メタ)アクリロキシフェニル)プロパン、2,2―ビス[4―(3―(メタ)アクリロキシエトキシ)―2―ヒドロキシプロポキシフェニル]プロパン、2,2―ビス(4―(メタ)アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2―ビス(4―(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2―ビス(4―(メタ)アクリロキシテトラエトキシフェニル)プロパン、2,2―ビス(4―(メタ)アクリロキシペンタエトキシフェニル)プロパン、2,2―ビス(4―(メタ)アクリロキシジプロポキシフェニルプロパン、2―(4―メタクリロキシエトキシフェニル)―2―(4―(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2―(4―(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)―2―(4―(メタ)アクリロキシトリエトキシフェニル)プロパン、2―(4―(メタ)アクリロキシ
ジプロポキシフェニル―2―(4―(メタ)アクリロキシトリエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4―(メタ)アクリロキシプロポキシフェニル)プロパン、あるいは2,2−ビス(4―(メタ)アクリロキシイソプロポキシフェニル)プロパン等が挙げられる。
(3)三官能重合性単量体
三官能重合性単量体としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエルスリトールトリ(メタ)アクリレートあるいはトリメチロールメタントリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(4)四官能重合性単量体
四官能重合性単量体としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、あるいはペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、上述の酸性基非含有重合性単量体の中でも、機会的強度の点から、二官能以上の重合性単量体が好ましい。
本発明においては、上述のような重合性単量体を単独で用いても良いし、あるいは、2種類以上の重合性単量体を併用しても良い。さらに、官能基数が異なる複数種の重合性単量体を組み合わせても良い。
b)第三級アミン化合物
本発明において、接着材には、b)第三級アミン化合物が配合される。後述の過酸化物に対し、助触媒としてb)第三級アミン化合物を組み合わせることにより、過酸化物の触媒活性を高めることができる。本発明においては、このような助触媒として作用するものであれば、公知のいかなる第三級アミン化合物を使用しても良い。このような第三級アミン化合物としては、一般に、窒素原子に芳香族基の結合した芳香族第三級アミン化合物と、脂肪族基しか結合していない脂肪族第三級アミン化合物に大別される。また、重合活性が高い観点から、芳香族第三級アミン化合物がより好ましい。
b1)芳香族第三級アミン化合物
本実施の形態において、代表的な芳香族第三級アミン化合物とは、アミノ基の窒素原子に少なくとも一つ以上の芳香族基と、多くとも2つ以下の脂肪族基が結合したアミン化合物である。本実施の形態において、代表的な芳香族第三級アミン化合物としては、公知のものを特に制限なく使用できるが、特に入手容易な点から好適には下記一般式(viii)で表されるものが挙げられる。
Figure 0005393186
式(viii)中、RおよびRは、各々独立に、アルキル基であり、Rは、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルコキシ基、シアノ基、カルボニル基、アミノカルボニル基、或いはアルキルオキシカルボニル基等である。また、nは、0〜5の整数を表す。nが2以上の場合は、複数のRは、互いに同一でも異なっていても良い。さらに、R同士が結合して環を形成していても良い。
上記R、RおよびRにおけるアルキル基としては、炭素数1〜6のものが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n―プロピル基、i―プロピル基、n―ブチル基、n―ヘキシル基等を挙げることができる。また、このアルキル基は、当然のことながら置換基を有している置換アルキル基であっても良く、このような置換アルキル基としては、フロロメチル基、2―フロロエチル基等のハロゲン置換アルキル基、あるいは2―ヒドロキシエチル基等の水酸基置換アルキル基等を例示することができる。
また、上記のRにおけるアリール基、アルケニル基、アルコキシ基、シアノ基、カルボニル基、アミノカルボニル基、あるいはアルキルオキシカルボニル基等の何れも置換基を有するものであっても良い。アリール基としては、フェニル基、p―メトキシフェニル基、p―メチルチオフェニル基、p―クロロフェニル基、4―ビフェニリル基等の炭素数6〜12のものを挙げることができる。アルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基、2―フェニルエテニル基等の炭素数2〜12のものを挙げることができる。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜10のもの等が例示され、カルボニル基としてはホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基等が挙げられ、アミノカルボニル基としてはアミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基等が挙げられ、アルキルオキシカルボニル基としてメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、アミルオキシカルボニル基、イソアミルオキシカルボニル基等のアルキルオキシ基部分の炭素数が1〜10のものが例示される。
上記一般式(viii)で示される芳香族第三級アミン化合物において、上記RおよびRとして、炭素数1〜6のアルキル基であることが好ましく、特に、炭素数1〜3の非置換のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、n―プロピル基)、あるいは2―ヒドロキシエチル基がより好適である。中でもメチル基がより好ましい。
また、n=1の場合は上記Rの結合位置がパラ位であることが好ましく、中でも該Rがアルキル基であることが好ましく、中でもメチル基がより好ましい。一方、Rが2〜3個結合している場合には、その結合位置はオルト位および/またはパラ位であることが好ましい。中でもn=1の場合がより好ましい。
上記一般式(viii)で示される芳香族第三級アミン化合物を具体的に例示すると、N,N―ジメチルアニリン、N,N―ジベンジルアニリン、N,N―ジメチル―p―トルイジン、N,N―ジエチル―p―トルイジン、N,N―ジ(β―ヒドロキシエチル)―p―トルイジン、N,N,2,4,6―ペンタメチルアニリン、N,N,2,4―テトラメチルアニリン、N,N―ジエチル―2,4,6―トリメチルアニリン、N,N―ジメチルアセトフェノン、N,N―ジメチルシアノベンゼン、p―ジメチルアミノ安息香酸、p―ジメチルアミノ安息香酸アミド、p―ジメチルアミノ安息香酸エチル等が挙げられる。中でも、N,N―ジ(β―ヒドロキシエチル)―p―トルイジンおよびN,N―ジメチル―p―トルイジンを用いるのが特に好ましい。
b2)脂肪族第三級アミン化合物
本発明において、これら脂肪族第三級アミン化合物を具体的に例示すると、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリアリルアミン、N,N―ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N―ジエチルアミノエチルメタクリレート、N―メチルジエタノールアミン、N―エチルジエタノールアミン、N―プロピルジエタノールアミン、N―エチルジアリルアミン、N―エチルジベンジルアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、ジプロピルエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリ(イソプロパノール)アミン、トリ(2―ヒドロキシブチル)アミン、トリベンジルアミン等の脂肪族第三級アミン化合物等が挙げられる。
上述の脂肪族第三級アミン化合物の中でも、入手または合成が容易であり、かつ化合物の化学的な安定性および重合性単量体への溶解性に優れること等の理由から、N,N―ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N―ジエチルアミノエチルメタクリレート、N―メチルジエタノールアミン、N―エチルジエタノールアミン、N―プロピルジエタノールアミン、N―エチルジアリルアミン、N―エチルジベンジルアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミンあるいはトリブチルアミン等を用いるのが好ましい、これらのうち、特にN,N―ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルエタノールアミンまたはトリエタノールアミンを用いるのがより好ましい。
なお、これら第三級アミン化合物は、必要に応じて1種で、あるいは2種以上の化合物を組み合わせて用いても良い。
本発明において、上述した第三級アミン化合物は、通常、使用する過酸化物の質量比で0.1〜10倍の範囲内で添加するのが一般的である。このうち第三級アミン化合物の配合量が多めであると、接着材硬化体の色調が低下するため、0.3〜5倍の範囲内が好ましく、さらには0.5〜3倍の範囲内で添加するのがより好ましい。本発明は、このように第三級アミン化合物の配合量が少なめでも、後述するd)塩基性無機フィラーの配合効果により、プライマー処理面との接触界面でも十分な重合活性を発揮させることができるため、接着力の高さと接着材の硬化層の色調の両立を可能にできる優位性を有する。
c)過酸化物
本発明において、接着材に含まれる過酸化物は特に制限されるものではなく、公知のものを使用することができる。代表的な過酸化物としては、ケトンパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシケタール、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート等がある。
ケトンパーオキサイドとしては、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルイソブチルケトンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド及びシクロヘキサノンパーオキサイド等が挙げられる。
ハイドロパーオキサイドとしては、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド及びt−ブチルハイドロパーオキサイド等が挙げられる。
ジアシルパーオキサイドとしては、アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド及びラウロイルパーオキサイド等が挙げられる。
ジアルキルパーオキサイドとしては、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン及び2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等が挙げられる。
パーオキシケタールとしては、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン及び4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレリックアシッド−n−ブチルエステル等が挙げられる。
パーオキシエステルとしては、α−クミルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート及びt−ブチルパーオキシピバレート、2,2,4−トリメチルペンチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタラート、t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート及びt−ブチルパーオキシマレリックアシッド等が挙げられる。
パーオキシジカーボネートとしては、ジ−3−メトキシパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート及びジアリルパーオキシジカーボネート等が挙げられる。
中でも安定性、毒性および触媒活性の点からジアシルパーオキサイドが好ましく、特にベンゾイルパーオキサイドを使用することが好ましい。
また、過酸化物の配合量は、特に限定されないが、硬化性の観点から接着材中の酸性基非含有重合性単量体100質量部に対して、0.01〜10質量部の範囲とするのが好ましく、0.1から5質量部の範囲とするのが特に好ましい。
d)塩基性無機フィラー
本発明において接着材には塩基性無機フィラーが含有される。これにより本発明の接着材は、歯質のプライマー処理面に塗布して硬化させた際に重合反応が高度に進行し、歯質との高い接着力が安定して発揮されるものになる。その原因は既に説明したとおりであるが、改めて説明すると次の機構によるものと推定される。すなわち、前述のとおり、接着材を歯質のプライマー処理面に塗布した場合において、その接触界面付近において、該塩基性無機フィラーがプライマー中の残存した酸を、重合触媒の構成成分である第三級アミン化合物と競合、或いは優先して中和させる。その結果、過酸化物/第三級アミン化合物系重合触媒の活性低下を効果的に抑制され、これがフィラー本来の機械的強度の向上効果と相乗的に作用して、接着材層はプライマーとの界面に至るまで高強度に硬化し、高い接着力が得られるものになると考えられる。
ここで、塩基性無機フィラーは、公知のものが制限なく使用できるが、b)成分である第三級アミン化合物の中和をより高度に抑制する観点からは、該第三級アミン化合物よりもできるたけ優先的にプライマーの酸と反応するのが好ましいため、塩基性度が高いものが好ましい。この意味で、以下の方法で測定した高い塩基性度を示すものが通常使用される。すなわち、底面積706.5mmのビーカー中で、蒸留水とエタノールを体積比1:1で混合した溶液に、リン酸を滴下し23℃においてpH2.50±0.03に調整した酸性溶液20gに、塩基性無機フィラーを1.0g添加し、Φ8mmで長さ20mmの攪拌子を用いて、23℃において回転数200rpmで2分間攪拌した直後のpHが、塩基性無機フィラーを含まないものと比べて、0.05以上、より好適には0.1以上高いpH差値を示すものである。なお、塩基性無機フィラーの塩基性度があまり高すぎると接着材の保存安定性が低下する虞もあるため、当該pH差値の好ましい上限は4.5であり、特に好ましい上限は2.0である。上記pH測定法は、塩化カリウム液を用いたガラス電極を用いて、pHメーターを、攪拌する溶液中に浸して測定すればよい。
また、塩基性無機フィラーの形状は特に限定されるものではなく、通常の粉砕により得られるような粉砕形粒子、あるいは球状粒子でもよく、必要に応じて板状、繊維状等の粒子を混ぜることもできる。その平均粒子径は、プライマー中の残存した酸の中和効果をより均一に発揮させる観点から、0.01〜20μmが好ましく、より好ましくは0.05〜15μm、さらに好ましくは0.1〜5μmがより好ましい。
本発明において、好適に使用できる塩基性無機フィラーを例示すると、酸化物としてはアルミナ、カルシア、マグネシア等が挙げられ、水酸化物としては水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化ストロンチウム等の水酸化物等が挙げられ、フッ化物としては、フッ化ナトリウム、フッ化カルシウム等が挙げられ、炭酸塩としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸ストロンチウム等が挙げられる。また、珪酸塩としては、カルシウムシリケート、アルミニウムシリケート、フルオロアルミノシリケートガラス、その他ケイ酸塩ガラス等が挙げられる。中でも、カルシウムイオン、アルミニウムイオン等の金属イオン溶出性塩基性無機フィラーも好適に用いることができる。特に、3価以上金属イオン溶出性塩基性無機フィラーが好ましく、中でもフルオロアルミノシリケートガラスを用いることが最も好ましい。該フルオロアルミノシリケートガラス等の金属イオン溶出性塩基性無機フィラーは、接着材を歯面のプライマー処理面に塗布した際には、処理面に存在する酸性基含有重合性単量体及び水(口腔内の水分やプライマーに含有され、エアブロー等の乾燥処理によっても残留する水分)の作用により金属イオンが溶出し、本発明の効果を発揮する。しかして、フルオロアルミノシリケートガラスから溶出する、アルミニウムイオンやその他、必要により組成に加えられている多価金属イオンは、酸性基を有するラジカル重合性単量体の重合物とイオン架橋することにより、歯質との接着性や硬化体の物性をさらに向上させることができるため、特に好ましい。
好適に使用できる上記のフルオロアルミノシリケートガラスは、歯科用セメント、例えば、グラスアイオノマーセメント用として使用される公知のものが使用できる。一般に知られているフルオロアルミノシリケートガラスの組成は、イオン質量パーセントで、珪素、10〜33;アルミニウム、4〜30;アルカリ土類金属、5〜36;アルカリ金属、0〜10;リン、0.2〜16;フッ素、2〜40および残量酸素のものが好適に使用される。より好ましい組成範囲を例示すると、珪素、15〜25;アルミニウム、7〜20;アルカリ土類金属、8〜28;アルカリ金属、0〜10;リン、0.5〜8;フッ素、4〜40および残量酸素である。上記カルシウムの一部または全部をマグネシウム、ストロンチウム、バリウムで置き換えたものも好ましい。また上記アルカリ金属はナトリウムが最も一般的であるが、その一部または全部をリチウム、カリウム等で置き換えたものも好適である。さらに必要に応じて、上記アルミニウムの一部をイットリウム、ジルコニウム、ハフニウム、タンタル、ランタン等で置き換えることも可能である。
これらのフルオロアルミノシリケートガラスは、その0.1gを、10重量%マレイン酸水溶液10ml中に温度23℃で24時間浸漬保持した時に溶出した多価金属イオンの量を誘導結合型プラズマ(ICP)発光分光分析や原子吸光分析等で測定した「24時間溶出イオン量」が、5.0〜500meq/g−フィラー、特に10〜100meq/g−フィラーであるものが、良好な塩基性度を示すものとして好適に使用できる。
上述の塩基性無機フィラーは、シランカップリング剤に代表される表面処理剤で処理することにより、重合性単量体との親和性、重合性単量体への分散性、硬化体の機械的強度および耐水性を向上できる。かかる表面処理剤および表面処理方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法が制限なく採用できる。塩基性無機フィラーの表面処理に用いられるシランカップリング剤としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β―メトキシエトキシ)シラン、γ―メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ―クロロプロピルトリメトキシシラン、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシランあるいはヘキサメチルジシラザン等が好適に用いられる。また、シランカップリング剤以外にも、チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤、ジルコーアルミネート系カップリング剤を用いる方法、あるいは、フィラー粒子表面に前記重合性単量体をグラフト重合させる方法により、塩基性無機フィラーの表面処理を行うことができる。
本発明において塩基性無機フィラーの配合量は、接着材に含まれるb)第三級アミン化合物に対して質量比で0.1倍以上、好ましくは0.3〜5倍、特に好ましくは0.5〜3倍含有することが好ましい。0.1倍以下の場合、接着材中の塩基性無機フィラーの量が少なく、助触媒である第三級アミン化合物も大量に中和されて消費されてしまうため、プライマーと接着材界面での触媒活性が低下し、接着力が低下する。
本発明で使用する接着材には、接着材の強度向上、接着耐久性向上および操作性向上のために、上記塩基性無機フィラー以外のフィラーを添加することも有用である。このようなその他のフィラーとしては、非晶質シリカ、シリカ―ジルコニア、シリカ―チタニア、シリカ―チタニア―酸化バリウム、シリカ―チタニア―ジルコニア、石英等の球形状粒子あるいは不定形状粒子が挙げられる。これら、その他のフィラーの配合量は、後述するように本発明の接着材が後述するボンディング材かセメント材で異なる。
また、接着材の物性調節等のために、過酸化物/第三級アミン化合物系以外の化学重合触媒および光重合触媒を配合することも有用である。また、保存安定性を向上させるために、重合禁止剤を配合しても良い。さらに、粘度を調節するために有機溶媒、増粘剤等をその性能を低下させない範囲で添加することが可能である。また、歯牙や歯肉の色調に合わせるため、顔料あるいは蛍光顔料等の着色材料を配合できる。
また、本発明の接着材は、コンポジットレジンの接着材(ボンディング材)や、歯冠修復材料の接着材(セメント材)等に好適に使用される。ボンディング材の場合、d)塩基性無機フィラーとその他のフィラーとを、通常、a)酸性基非含有重合性単量体100質量部に対して合計量で60質量部以内、好適には40質量部以内で配合した組成になる。他方、セメント材の場合、d)塩基性無機フィラーとその他のフィラーとを、通常、a)酸性基非含有重合性単量体100質量部に対して合計量で50〜500質量部、好適には150〜400質量部で配合した組成になる。
本発明における接着材の包装形態は、保存安定性を損なわないことを条件に、適宜決定することができる。例えば、酸性基非含有重合性単量体、第三級アミン化合物および塩基性無機フィラーを主成分とする液(ペースト)と、酸性基非含有重合性単量体と過酸化物を主成分とする液(ペースト)を別個に包装し、使用時に混合することも可能である。
〔(B)プライマーについて〕
次に、(B)プライマーについて詳細に説明する。
e)酸性基含有重合性単量体
本発明の歯科用接着キットにおいて、プライマーに含まれる酸性基含有重合性単量体は、1分子中に少なくとも1つの酸性基と1つの重合性不飽和基とを有する化合物であれば特に限定されず、公知の化合物を用いることができる。また、該酸性基としては、カルボキシル基、スルホ基、ホスホン基、リン酸モノエステル基あるいはリン酸ジエステル基等を挙げることができる。その中でも、歯質に対する接着性が高い酸性基として、カルボキシル基、リン酸モノエステル基あるいはリン酸ジエステル基がより好ましい。さらに、接着材とプライマーとの間の物質の移動を活発化させる目的で、接着材とプライマーとの間のpH勾配をより急勾配にするため、プライマーに含まれる酸性基含有重合性単量体の酸性基は、強酸性であることが最も好ましい。そのような強酸性の酸性基としては、リン酸モノエステル基あるいはリン酸ジエステル基が最も好ましい。
そのような酸性基含有ラジカル重合性単量体をより具体的に例示すると、2―(メタ)アクロイルオキシエチルハイドロジェンマレエート、2―(メタ)アクロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート、2―(メタ)アクロイルオキシエチルハイドロジェンフタレート、11―(メタ)アクロイルオキシエチル―(1,1―ウンデカンジカルボン酸、2―(メタ)アクロイルオキシエチル―3‘―メタクロイルオキシ―2’―(3,4―ジカルボキシベンゾイルオキシ)プロピルサクシネート、4―(2―(メタ)アクロイルオキシエチル)トリメリテートアンハイドライド、N―(メタ)アクロイルグリシン、N―(メタ)アクロイルアスパラギン酸等のカルボン酸酸性ラジカル重合性単量体類;2―(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルハイドロジェンホスフェート、ビス((メタ)アクリロイルオキシエチル)ハイドロジェンフォスフェート、(メタ)アクリロイルオキシエチルジハイドロジェンホスフェート、10―(メタ)アクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェート、6―(メタ)アクリロイルオキシヘキシルジハイドロジェンホスフェート等のリン酸酸性基含有ラジカル重合性単量体類;ビニルホスホン酸等のホスホン酸酸性基含有ラジカル重合性単量体類;スチレンスルホン酸、3―スルホプロパン(メタ)アクリレート、2―(メタ)アクリルアミド―2―メチルプロパンスルホン酸等のスルホン酸酸性基含有ラジカル重合性単量体類等が挙げられる。また、これら酸性基含有ラジカル重合性単量体は、必要に応じて2種以上のものを併用しても良い。
本発明のプライマーにおける重合性単量体成分は全てがe)酸性基含有重合性単量体であってもよいが、接着界面の強度および歯質に対する浸透性を調節し、より優れた接着強度や、接着耐久性を得るために、酸性基非含有重合性単量体を含むのが好適である。酸性基非含有重合性単量体としては、前述の(A)接着材で使用できる酸性基非含有重合性単量体が同様に使用できる。このような酸性基含有重合性単量体は、あまり少ないと歯質に対する脱灰機能や浸透促進機能が低下するため、プライマーに含まれる重合性単量体100質量部中に少なくとも30質量部含まれることが好ましい。他方で、このように酸性基含有重合性単量体の含有量が増加すると、前記したように接着材との接触界面で第三級アミン化合物の助触媒としての作用を低下させ接着力を顕著に低下させるようになるため、本発明の効果をより明確に発揮させるためには、酸性基含有重合性単量体の含有量は、プライマーに含まれる重合性単量体100質量部中に35質量部以上であるのがより好ましい。この酸性基含有重合性単量体の含有量の上限は、接着性特に象牙質への接着性を考慮すれば、プライマーに含まれる重合性単量体100質量部中90重量部以下であるのが好ましい。
f)水
歯科用接着キットのプライマーに含まれる水は、酸性基含有重合性単量体による歯質の脱灰を助ける働きを有する。該水としては、貯蔵安定性、生体適合性および接着性に有害な不純物を実質的に含まないことが好ましく、例として、脱イオン水、蒸留水等が挙げられる。水は、プライマーに含まれる重合性単量体100質量部に対して、3〜300質量部含まれることが好ましく、特に、プライマーに含まれる重合性単量体100質量部に対して5〜200質量部の水が含まれるのがより好ましい。水の添加量が3質量部未満では歯質の脱灰が不十分になる。また、300質量部より多い場合には、処理面に水が多く存在することによって十分な接着力が得られなくなる。
また、プライマーの浸透性向上や操作性をより向上させるために、プライマーは、流動性を有する親水性の有機溶媒を含んでいても良い。例えば、アセトン、エタノールあるいはイソプロピルアルコール、ターシャリーブタノール等の溶媒が含まれていても良い。特に、アセトン、エタノールあるいはイソプロピルアルコールのように、揮発性が高く、かつ毒性の低い溶剤は、後述の乾燥が容易になるため、好適に用いられる。有機溶媒の配合量は、通常、プライマーに含まれる重合性単量体100質量部に対して10〜300質量部、好適には50〜250質量部が好適である。
また、プライマーは、硬化したプライマー層の強度を上げるためにフィラーを含んでいても良い。例えば、前述のフルオロアルミノシリケートガラスやシリカ等の無機フィラー、有機フィラーあるいは無機―有機複合フィラー等を含んでいても良い。
さらに、プライマー中には、プライマーの重合を促進させるために、重合触媒を添加しても良く、公知重合触媒であれば制限なく用いることができる。さらに、保存安定性を向上させるために、重合禁止剤を配合することも好ましい。また、安定剤あるいは殺菌剤等を添加しても良い。ただし、プライマーとして機能を十分に発揮させ、さらに、本発明の効果をより顕著に発揮させる観点からは、e)酸性基含有重合性単量体の酸性基が該部材中ではできるだけ中和されずに維持されているのが好ましいため、アミン化合物を初めとして塩基性化合物は実質的に含有されていないのが理想であるが、上記機能が大きく阻害されない少量であれば配合することは許容できる。具体的には、酸性基含有重合性単量体が有する酸性基の酸の総価数に対して、塩基性化合物を、総イオン価数の割合が0.12以下、より好適には0.05以下に抑えるのが良好である。
本発明のプライマーの包装形態は、その保存安定性を考慮し、適宜決定することができる。
歯科用接着キットの使用方法は、特に制限されない。一般には、プライマーの流動性は、良好であるため、ハケ、ヘラ、筆、あるいはローラー等で窩洞に塗布、または窩洞に噴霧する方法を採用することができる。また、プライマーは複数回塗っても良い。また、エッチング剤を別途用いる必要がある場合には、プライマーを塗布する前に用いても良い。
プライマーを窩洞に塗布または噴霧した後には、好ましくは、余剰な水分および溶剤を蒸発させるために乾燥させる。乾燥の方法としては、例えば、自然乾燥、加熱乾燥、送風乾燥、減圧乾燥、あるいは、それらを組み合わせる乾燥方法があるが、口腔内で乾燥させることを考慮すると、乾燥空気を出す気銃を用いて送風乾燥することが好ましい。
次に、本発明の接着材の使用方法について説明すると、接着材がボンディング材の場合には、乾燥したプライマーの上に、ボンディング材を塗布した後、コンポジットレジンを盛り付けて窩洞を充填し、硬化させるのが一般的である。他方、接着材がセメント材の場合には、乾燥したプライマーの上あるいは修復物、若しくはその両方にセメント材をヘラ等で盛り付け修復物を窩洞にはめ込み、硬化させるのが一般的である。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。作製した接着材の組成を表2に、作製したプライマーの組成を表3にそれぞれ示す。また、各実施例および各比較例における歯科用接着キットの組成、接着試験結果を、それぞれ表4および表5に示す。
まず、実施例および比較例で使用した化合物とその略称、歯質と接着材との接着試験の測定方法、接着材の調製方法、およびプライマーの調製方法について説明する。
(1)使用した化合物とその略称
[酸性基非含有重合性単量体]
「D−2.6E」:2,2’―ビス(4―(メタクリロキシエトキシ)フェニル)プロパン
「BisGMA」:2.2’ ―ビス[4―(2―ヒドロキシ―3―メタクリルオキシプロポキシ)フェニル]プロパン
「3G」:トリエチレングリコールジメタクリレート
「UDMA」:1.6―ビス(メタクリルエチルオキシカルボニルアミノ)―2,2,4,―トリメチルヘキサン
「HEMA」:2―ヒドロキシエチルメタクリレート
[酸性基含有重合性単量体]
「SPM」:2―メタクリロイルオキシエチルジハイドロジェンフォスフェートおよびビス(2―メタクリロイルオキシエチル)ハイドロジェンフォスフェートを質量比2:1の割合で混合した混合物
[第三級アミン化合物]
「DMPT」:N,N―ジメチル―p―トルイジン
「DEPT」:N,N―ジ(β―ヒドロキシエチル)―p―トルイジン
[過酸化物]
「BPO」:ベンゾイルパーオキサイド
「HPO」:3,5,5―トリメチルヘキサノイルパーオキサイド
[塩基性無機フィラー]
「AO」:アルミナ粉末(平均粒径0.02μm)
「NaF」:フッ化ナトリウム(平均粒径4.0μm)
「CS」:カルシウムシリケート(平均粒径10.0μm)
「MF」:フルオロアルミノシリケートガラス粉末(トクソーアイオノマー、株式会杜トクヤマ製)を湿式の連続型ボールミル(ニューマイミル、三井鉱山株式会社製)を用いて、平均粒径0.5μmまで粉砕し、その後、粉砕粉末1gに対して20gの5.0N塩酸にてフィラー表面を20分間改質処理したもの。
(平均粒径0.5μm,24時間溶出イオン量:50meq/gフィラー ,溶出イオン種:Al3+およびLa3+
[その他成分]
「F1」:球状シリカ―ジルコニア(平均粒径0.4μm)をγ―メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランにより疎水化処理したものと、不定形シリカ―ジルコニア(平均粒径3μm)γ―メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランにより疎水化処理したものとを質量比40:60にて混合した混合物
「F2」:ヒュームドシリカ(平均粒径0.02μm)をメチルトリクロロシランにより表面処理したもの
[揮発性の水溶性有機溶媒]
「IPA」:イソプロピルアルコール
(2)ボンディング材の接着強度測定方法
牛を屠殺し、屠殺後24時間以内に牛前歯を抜去した。抜去した牛前歯を、注水下、#600のエメリーペーパーで研磨し、唇面に平行かつ平坦になるように、エナメル質および象牙質平面を削り出した。次に、削り出した平面に圧縮空気を約10秒間吹き付けて乾燥させた。次に、この平面に直径3mmの穴を有する両面テープを貼り付け、さらに、厚さ0.5mmおよび直径8mmの穴を有するパラフィンワックスを、先に貼り付けられた両面テープの穴の中心に、パラフィンワックスの穴の中心をあわせて固定することで、模擬窩洞を形成した。この模擬窩洞に、プライマーを塗布し、20秒間放置後、圧縮空気を約10秒間吹き付けて乾燥した。その上に接着材を塗布し、圧縮空気を5秒間吹きつけ接着表面を均一にした。5分後、さらにその上にコンポジットレジンを充填し、可視光線照射器(トクソーパワーライト、株式会社トクヤマ製)により可視光を30秒間照射して、接着試験片を作製した。
上述の接着試験片を37℃の水中に24時聞浸漬した後、ステンレス製アタッチメントを、瞬間接着材を用いて上記コンポジットレジンに接着させ、引張り試験機(オートグラフ、株式会社島津製作所製)を用いて、クロスヘッドスピード2mm/minにて引っ張り、歯質と接着材との引っ張り接着強度を測定した。歯質と接着材との引張接着強度の測定は、各実施例あるいは各比較例につき、各種試験片4本についてそれぞれ測定した。その4回の引張接着強度の平均値を、該当する実施例若しくは比較例の接着強度とした。
(3)セメント材の接着強度測定方法
ボンディング材の接着強度測定方法と同様に、牛歯を用意し研磨した後、牛歯平面に直径3mmの穴を有する両面テープを貼り付け、この穴に接着剤を塗布し、さらにその上にステンレス製アタッチメントを圧接することで、接着試験片を作製した。その後、ボンディング材の接着強度測定方法と同様に、引っ張り接着強度測定を行った。
(4)接着材の硬化体色調変化の評価方法
下記方法により、接着材の硬化直後と37℃1ヶ月水中保存後の硬化体の色調の変化を目視で確認した。即ち、接着材について直径15mm、厚さ1.0mmの硬化体を作製し、37℃1ヶ月保存後と硬化直後の硬化体を白い板の上に並べて置き、色変化を目視で確認した。以下に評価基準を示す。
◎:色調変化なし
○:硬化直後と並べてわずかに色調変化が確認される程度
△:目視で色調変化が確認できる
×:色調変化が明らか
(5)塩基性無機フィラーの塩基性度測定
蒸留水とエタノールを体積比1:1で混合した溶液に、リン酸を滴下し、23℃においてpHメーター(本体:イオンメーターIM20E、電極:GST―5721S、何れも東亜ディーケーケー株式会社製)測定によりpH2.50に調整し、測定用分散媒体とした。底面積706.5mmのビーカーに、該分散溶液を20gと塩基性無機フィラーを1g入れ、23℃において、Φ8mmで長さ20mmの攪拌子を用いて、回転数200rpmで2分間攪拌した。2分間攪拌直後の分散液のpHを液に浸したpHメーターで測定し、この時の分散液のpHから、分散媒体のpH値を差し引いた値をpH差とした。各種塩基性無機フィラーにおける測定値とpH差を表1に示す。
Figure 0005393186
(6)溶出イオンの測定法
上記分散液を、100mlのサンプル管に0.2gを計り取り、IPAを用いて1質量%に希釈したこの液をシリンジフィルターでろ過し、ろ液をICP発光分光分析を用いて、金属イオンの溶出の有無を確認し、表1に示した。
(7)接着材(ボンディング材)の調製
(a)成分として0.5gのBis−GMA、2.0gの3Gおよび2.5gのD−2.6Eを用い、(b)成分として0.4gのDEPTを用い、(d)成分として0.15gのMFを用い、これらを均一になるまで攪拌して、本発明の接着材(ボンディング材)A1−aを調整した。同様に、(a)成分として0.5gのBis−GMA、2.0gの3Gおよび2.5gのD−2.6Eを用い、(c)成分として0.4gのBPOを用い、(d)成分として0.15gのMFを用い、これらを均一になるまで攪拌して、本発明の接着材(ボンディング材)A1−bを調整した。使用直前に上記A1−aとA1−bを等量ずつ混合し、本発明の接着材A1とした。他の接着材(A2〜A12およびA14〜A18)も同様の手順で調製し、混合後の組成を表2に示した。
(8)接着材(セメント材)の調製
(a)成分として0.5gのBis−GMA、2.0gの3Gおよび2.5gのD−2.6Eを用い、(b)成分として0.4gのDEPTを用い、これらを均一になるまで攪拌し、マトリックス(I)とした。該マトリックス(I)と(d)成分として0.3gのMFおよび任意成分として15.0gのF1をメノウ乳鉢で混合し、真空下にて脱泡することにより、フィラー充填率73.7%の本発明の接着材(セメント材)A15−aを調製した。同様に(a)成分として0.5gのBis−GMA、2.0gの3Gおよび2.5gのD−2.6Eを用い、(c)成分として0.4gのBPOを用い、これらを均一になるまで攪拌し、マトリックス(II)とした。該マトリックス(II)と任意成分として15.0gのF1をメノウ乳鉢で混合し、真空下にて脱泡することにより、フィラー充填率73.5%の本発明の接着材(セメント材)A15−bを調製した。使用直前に上記A15−aとA15−bを等量ずつ混合し、本発明の接着材A15とした。
(9)プライマーの調製
(e)成分として3.0gのSPMを用い、その他の重合性単量体として2.5gのBis−GMA、1.5gの3Gおよび2.0gのHEMAを用い、(f)成分として3.0gの蒸留水、さらにその他の成分として15.0gのIPAを用い、これらを均一になるまで攪拌して、本発明のプライマーP1を調整した。他のプライマー(P2〜P6)も同様の手順で、表3に示す組成にて調製した。
Figure 0005393186
Figure 0005393186
実施例1〜30,比較例1〜4
表4および表5記載の接着材およびプライマーを用いて各実施例および比較例の歯科用接着キットとし、各実施例および比較例について接着試験を行った。その結果を表4および表5に示す。
Figure 0005393186
Figure 0005393186
実施例1〜30は各成分が本発明で示される構成を満足するように配合されたものであるが、いずれの場合においてもエナメル質、及び象牙質に対して良好な接着強度が得られた。また、接着材の硬化体色調においても、37℃水中保存1ヶ月後では、目視による色調変化は良好だった。ただし、実施例5、19および26のようにアミン量が比較的多い場合には、硬化直後の硬化体と比較して、臨床状問題になるレベルの変化ではないものの、わずかに色調変化が見られた。
それに対して、比較例1は、プライマー中に(e)成分である酸性基含有重合性単量体が配合されていない場合には、歯質脱灰力が低下すると共に、歯質と接着材およびプライマーとの相互作用が低下し、接着力が低下した。比較例2は、プライマー中に(f)成分である水を含まない場合であるが、歯質脱灰力が低下するため、接着力が低下した。比較例3は、接着材中に(d)成分である塩基性無機フィラーが配合されていない場合であるが、プライマーと接着材の界面において、プライマーの残存した酸によって、接着材中の第三級アミン化合物が中和されてしまい、重合阻害を起こすため、接着力が低下した。比較例4は、接着材中に酸性基含有重合性単量体を含む場合である。この場合、接着材がプライマーと接触する前に、接着材中において塩基性無機フィラーと酸性基含有重合性単量体との中和反応が起こるため、本発明の効果である、プライマー中に残存した酸の中和効果が低下してしまう。そのため、プライマーと接着材界面での重合阻害が起こり、接着力が低下した。

Claims (4)

  1. (A)a)酸性基非含有重合性単量体、b)第三級アミン化合物、c)過酸化物、および
    d)塩基性無機フィラーを含む接着材と、
    (B)e)リン酸モノエステル基あるいはリン酸ジエステル基含有重合性単量体、およびf)水を含むプライマー
    とからなることを特徴とする歯科用接着キット。
  2. 前記(A)接着材は、d)塩基性無機フィラーを、b)第三級アミン化合物に対して質量比で0.1倍以上含んでなることを特徴とする、請求項1に記載の歯科用接着キット。
  3. 前記b)第三級アミン化合物が、芳香族第三級アミン化合物であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の歯科用接着キット。
  4. 前記d)塩基性無機フィラーが、フルオロアルミノシリケートガラスであることを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の歯科用接着キット。
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