以下、本発明の一実施の形態の構成を図1ないし図5を参照して説明する。
図5において、11はいわゆるキャニスタ型の電気掃除機を示し、この電気掃除機11は、管部12と、この管部12が着脱可能に接続される掃除機本体13とを有している。
管部12は、掃除機本体13に接続される接続管部15と、この接続管部15の先端側に連通する可撓性を有するホース体16と、このホース体16の先端側に設けられた手元操作部17と、この手元操作部17の先端側に着脱可能に接続される延長管18と、この延長管18の先端側に着脱可能に接続される吸込口体としての床ブラシ19とを備えている。
手元操作部17には、把持部21がホース体16側へと突出し、この把持部21には、操作用の設定ボタン22が複数設けられている。
また、掃除機本体13は、図1に示すように、本体ケース25を備え、この本体ケース25の内部に形成された隔壁26の後側に、電動送風機27を収容する電動送風機室28、および、図示しない電源コードを巻回したコードリールを収容する図示しないコードリール室とが区画されているとともに、隔壁26の前側に、この隔壁26に設けられた連通口31を介して電動送風機27の吸込側に連通する本体集塵室35が区画され、この本体集塵室35に、集塵装置としての集塵カップ36が着脱可能に設けられている。
本体ケース25は、例えば剛性を有する合成樹脂などにより形成され、上側が開口した下ケース38と、この下ケース38の上側後部である電動送風機室28およびコードリール室を覆う上ケース39と、この上ケース39あるいは下ケース38に対して上下方向に回動可能に軸支され本体集塵室35を開閉可能とする本体蓋40と、電動送風機室28およびコードリール室の後部を覆う後部パネル41とを備えている。
下ケース38の前側には、本体集塵室35に連通し接続管部15を連通接続可能な本体吸込口43が開口形成されている。さらに、下ケース38の両側部には、掃除機本体13を被掃除面である床面上で走行可能にする径大の走行輪44(図5)が回転自在に取り付けられている。そして、下ケース38の下部には、掃除機本体13に旋回性を付与してこの掃除機本体13の走行性を向上するための旋回輪ユニット45が旋回自在に取り付けられている。
また、上ケース39には、掃除機本体13を持ち運ぶためのハンドル体47が取り付けられている。このハンドル体47は、電源コードのコードリールへの巻き取り用のボタンとしても機能するように構成されている。
また、後部パネル41には、電動送風機室28およびコードリール室と本体ケース25(掃除機本体13)の外部とを連通する本体排気孔49が上下方向および左右方向に複数形成されている。
そして、集塵カップ36は、図1ないし図4に示すように、例えば剛性を有する合成樹脂などにより形成されたケース体51と、このケース体51の後部に着脱可能に配置された排気側フィルタであるフィルタ体52と、ケース体51の下部に回動可能に軸支された蓋体53と、ケース体51の上部に形成されたハンドル54とを備えている。
ケース体51は、吸い込んだ塵埃の大部分(主に粗塵)を実質的に収容する塵埃収容部56および吸気風が通過する一方および他方の風路57,58を区画するケース本体部61と、このケース本体部61の下流側である後部に連続しフィルタ体52を着脱するためのフィルタ体取付部62と、ケース本体部61の下部に連続する拡開部63とを一体に有している。
ケース本体部61は、上流側面部である正面視四角形状の前面部65と、この前面部65の上部から後方へと連続する上面部66と、前面部65および上面部66の両側部に連続する側面部67,67とを備えている。また、ケース本体部61の内部には、第1フィルタ部68と塵埃排出部材としての第2フィルタ部69とがそれぞれ回動可能に取り付けられている。
前面部65には、上下方向の略中央部に、前後方向に沿って開口方向(軸方向)を有する円形状の吸気口71が水平状に形成されている。なお、この吸気口71は、本実施の形態において、ケース体51の外側と内側とで開口方向が略等しいため、以下、ケース体51の内側での吸気口71の開口方向とケース体51の外側での吸気口71の開口方向を区別せず、いずれも吸気口71の開口方向というものとする。
また、前面部65の前部には、蓋体53をケース体51に係止するための係止体72,72を動作させるための図示しない係止体駆動機構を収容する収容部を区画するための収容部区画体73が取り付けられている。さらに、前面部65の下端部は、拡開部63の上部に連続している。
収容部区画体73は、吸気口71の上側から両側下部に亘ってアーチ状に形成されており、複数の図示しないねじにより前面部65に固定されている。また、この収容部区画体73の中央部には、吸気口71の開口方向に沿って軸方向を有する円筒状の導風部76が形成され、この導風部76が吸気口71の上流側に同軸状に配置されている。そして、この導風部76は、本体吸込口43の下流側である後部に取り付けられた可撓性(弾性)を有する円筒状のシール部材77の後端部に対して、前端部が集塵カップ36を本体集塵室35に取り付けた状態で圧接されることにより、吸気口71と本体吸込口43とを気密に接続するように構成されている。
各係止体72は、収容部区画体73の両側の下部に上端部が軸支されて前後方向に回動可能となっている。また、各係止体72の下端部は、拡開部63よりも下方に突出しており、この下端部の後部には、蓋体53を係止するための図示しない爪部が形成されている。さらに、各係止体72は、例えば係止体駆動機構の一部をなすばねなどの付勢手段などにより、下端側が後方へと回動するように付勢されている。
また、上面部66は、上側へと円弧状に湾曲して形成され、前側(上流側)から後側(下流側)へと上方に傾斜している。さらに、この上面部66の前端部には、前面部65の上端部との間に、第2フィルタ部69の回動範囲を規制する段差状の第1ストッパ部としての上流側(回動終止側)ストッパ部である前側ストッパ部79が形成されている。
各側面部67は、前面部65に対してそれぞれ上側から下側へと徐々に拡開状に形成されている。また、各側面部67の下端部は、拡開部63の上部に連続している。
第1フィルタ部68は、剛性を有する合成樹脂などにより枠状に形成された第1フィルタ枠部81と、この第1フィルタ枠部81に取り付けられたメッシュ状の(一方の)一次フィルタとしての濾過フィルタである平面状の第1フィルタとしての下部フィルタ82とを有している。また、この第1フィルタ部68は、第2フィルタ部69に対して、蓋体53側である下側に位置している。
第1フィルタ枠部81は、前側に位置する前側(上流側)第1フィルタ枠部84と、後側に位置する後側(下流側)第1フィルタ枠部85とを一体に備えて屈曲状に形成され、下部フィルタ82が取り付けられる第1傾斜面86を形成している。さらに、この第1フィルタ枠部81は、外周縁がケース本体部61の内面に隙間なく密着している。そして、この第1フィルタ枠部81は、前側から後側へと、上方に向けて傾斜状に配置されている。
前側第1フィルタ枠部84は、下部フィルタ82の上流側と下流側とを連通する一方の風路57を構成するための通気開口としての前側(上流側)第1通気開口84a(図3)を複数備えた格子状に形成され、平板状となっている。また、前側第1フィルタ枠部84の前端部である下端部には、枠部シール部材84bが取り付けられており、この枠部シール部材84bの上部が吸気口71の下側でケース本体部61の前面部65の下方に位置する拡開部63の内面に接触している。さらに、前側第1フィルタ枠部84は、吸気口71のケース本体部61の内面側の開口方向である水平方向に対して、側面視で45°以下の所定角度で傾斜している。そして、前側第1フィルタ枠部84の下端部は、蓋体53の前端側の上部に当接してこの蓋体53により支持されている。
後側第1フィルタ枠部85は、下部フィルタ82の上流側と下流側とを連通する一方の風路57を構成するための通気開口としての後側(下流側)第1通気開口85a(図3)を複数備えた格子状に形成され、平板状となっている。また、この後側第1フィルタ枠部85の後側の上部には、第2フィルタ部69側と当接する伝達部としての側面視三角形状の第1リブ部85bが、後側第1通気開口85a(図3)の間の位置に突出して形成されている。さらに、後側第1フィルタ枠部85は、前側第1フィルタ枠部84に対して、上方へと屈曲するように形成されている。また、後側第1フィルタ枠部85の後端部である上端部は、ケース本体部61の側面部67,67間に左右幅方向に亘って壁状に連続する区画壁部87の下側の位置で、ケース本体部61の側面部67,67に回動可能に軸支された回動軸85cとなっている。したがって、第1フィルタ部68がケース本体部61に対して上下方向に回動可能となっている。また、後側第1フィルタ枠部85は、吸気口71のケース本体部61の内面側の開口方向である水平方向に対して、側面視で45°以下の所定角度で、かつ、前側第1フィルタ枠部84よりも大きい角度で傾斜している。したがって、第1傾斜面86は、全体が吸気口71のケース本体部61の内面側の開口方向である水平方向に対して側面視で45°以下の所定角度で交差している。なお、第1傾斜面86が吸気口71のケース本体部61の内面側の開口方向に対して側面視で45°以下の所定角度で交差している状態とは、例えば第1傾斜面86を構成する第1フィルタ枠部81あるいは下部フィルタ82が円弧状に下側に湾曲している場合に、第1フィルタ枠部81の前端側と後端側とを含む平面、あるいは湾曲部分の接線(接平面)が吸気口71のケース本体部61の内面側の開口方向に対して側面視で45°以下の所定角度で交差している状態なども含むものとする。
第1リブ部85bは、塵埃が引っ掛かりやすい尖った部分が形成されないように、各角部が湾曲して形成されている。
下部フィルタ82は、前側第1通気開口84a(図3)と、後側第1通気開口85a(図3)とのそれぞれを閉塞して配置されている。なお、図3においては、便宜的に、下部フィルタ82を省略している。
区画壁部87は、拡開部63の後部上側で、かつ、フィルタ体取付部62の前側に位置している。また、この区画壁部87は、前側が上方に向けて屈曲した側面視L字状に形成されている。
また、第2フィルタ部69は、剛性を有する合成樹脂などにより板状に形成された第2フィルタ枠部88と、この第2フィルタ枠部88に取り付けられたメッシュ状の(他方の)一次フィルタとしての濾過フィルタである平面状のフィルタとしての第2フィルタである上部フィルタ89とを有している。そして、この第2フィルタ部69と上記第1フィルタ部68との間に、塵埃収容部56が区画されている。
第2フィルタ枠部88は、上部フィルタ89が取り付けられる第2傾斜面91を形成している。また、この第2フィルタ枠部88は、外周縁がケース本体部61の内面に隙間なく密着している。さらに、この第2フィルタ枠部88は、上部フィルタ89の上流側と下流側とを連通する他方の風路58を構成するための通気開口としての第2通気開口88a(図3)を複数備えた格子状に形成され、平板状となっている。また、この第2フィルタ枠部88の上縁部には、上面部66の内面と摺接する清掃部材としての毛ブラシ部88bが取り付けられている。さらに、この第2フィルタ枠部88(第2傾斜面91)の下端部は、区画壁部87の前側、すなわち第1フィルタ部68の回動軸85cよりも前方でかつ上方の位置でケース本体部61の側面部67,67に回動可能に軸支された回動軸88cとなっており、第1フィルタ枠部81(第1傾斜面86)に対して交差状で、かつ、蓋体53を閉じた状態で上下方向に沿って配置され、この第1フィルタ枠部81(第1傾斜面86)の後部と隣接している。また、この第2フィルタ枠部88の後部は、毛ブラシ部88b側が、上面部66の下部から下方に突出した壁状の第2ストッパ部としての下流側(回動開始側)ストッパ部である後側ストッパ部92と当接することで後方への回動が規制されている。したがって、第2フィルタ枠部88(第2フィルタ部69)は、ケース本体部61に対して、ストッパ部79,92間で前後方向に回動可能となっている。さらに、この第2フィルタ枠部88は、例えばトーションばねなどの図示しない回動付勢手段により、回動方向に沿って前方向へと付勢されている。このため、第2フィルタ部69は、ストッパ部79,92間が回動範囲となっており、後側ストッパ部92側が回動開始位置、前側ストッパ部79側が回動終止位置となっている。そして、この第2フィルタ枠部88の下側の前部には、第1フィルタ枠部81の第1リブ部85bと当接する突起部としての側面視三角形状の第2リブ部88dが、第2通気開口88a(図3)の間の位置に突出して形成されている。
回動軸88cは、ケース体51の後側、すなわち下流側の位置に軸支されている。
第2リブ部88dは、塵埃が引っ掛かりやすい尖った部分が形成されないように、各角部が湾曲して形成されている。
上部フィルタ89は、第2通気開口88a(図3)を閉塞して配置されている。このため、上部フィルタ89は、吸気口71の下流側に対向して位置している。なお、図3においては、便宜的に、上部フィルタ89を省略している。
また、フィルタ体取付部62は、四角形枠状に形成されており、上面部66、側面部67,67および拡開部63の後部に段差状に拡開されている。すなわち、このフィルタ体取付部62は、ケース本体部61の内部を介して吸気口71の下流側に連通する排気口93を、ケース体51の後部に四角形状に区画している。この排気口93は、吸気口71に対向する位置に開口形成されている。
また、拡開部63は、枠状に形成されており、前面部65および側面部67,67の下部に段差状に拡開されている。すなわち、この拡開部63は、ケース本体部61の内部に連通する塵埃廃棄用の塵埃排出口95をケース体51の下部に区画している。また、この拡開部63の後部には、フィルタ体取付部62の前側に対向する位置に、区画壁部87の下部に連続し左右幅方向に沿う壁部63aが形成されており、この壁部63aには、フィルタ体取付部62側と拡開部63内とを連通する開口63bが形成されている。さらに、拡開部63は、後側が前側よりも下方に突出している。したがって、塵埃排出口95は、吸気口71の開口方向に対して直交する垂直上下方向に対して傾斜する方向に開口方向を有し、前側下方に向けて開口している。このため、塵埃排出口95は、垂直上下方向に開口する場合と比較して、開口面積を大きく取ることができる。
また、フィルタ体52は、排気口93全体を閉塞するようにフィルタ体取付部62の後部に取り付け可能である。すなわち、このフィルタ体52は、各フィルタ82,89の下流側に位置し、風路57,58を介して吸気口71側と連通している。このフィルタ体52は、四角形枠状のフィルタ枠97と、このフィルタ枠97に保持されたメイン(二次)フィルタとしての表面集塵フィルタであるプリーツフィルタ98と、プリーツフィルタ98に捕集した塵埃を除去するための図示しない除塵手段とを備えている。
フィルタ枠97は、フィルタ体52を排気口93に取り付けた状態でこの排気口93の縁部との隙間を気密に閉塞するように構成されている。
プリーツフィルタ98は、前側に突出する前側突出部と後側に突出する後側突出部とが左右幅方向に交互に連続したプリーツ形状をなしている。
除塵手段は、例えばプリーツフィルタ98の下流側に位置し、このプリーツフィルタ98に対して左右幅方向に移動可能に配置されており、この移動によりプリーツフィルタ98の後側突出部の先端部を順次乗り越えることによってプリーツフィルタ98を弾いてこのプリーツフィルタ98に振動を付与し、このプリーツフィルタ98に捕集した塵埃を除去するように構成されている。なお、この除塵手段は、手動で動作させる構成でもよいし、電動送風機27の停止時、あるいは電動送風機27の動作開始直前などの所定のタイミングで自動的に動作させる構成でもよい。
また、蓋体53は、上側が開放された皿状の蓋体本体53aと、この蓋体本体53aの底部の前後方向の中心近傍から上方に突出する突出部53bと、この突出部53bの後方に位置する回動軸53cとを有している。
蓋体本体53aは、塵埃排出口95を開閉可能な大きさに形成されており、第1フィルタ部68の下方に位置している。また、この蓋体本体53aの上側の周縁部には、蓋体53を閉じた状態で拡開部63の下端部に圧接されて塵埃排出口95を気密に閉塞するための可撓性(弾性)を有する集塵シール部材101が取り付けられている。さらに、この蓋体本体53aの前端部には、係止体72,72の下端側の爪部が係合される被係合部102,102がそれぞれ形成されている。
また、突出部53bは、前側から後側へと上方に傾斜した壁状の傾斜部53dと、この傾斜部53dの後部の上側から上下方向に沿って形成された壁状の対向部53eとを備えている。そして、傾斜部53dに、複数の第1通気開口部53fが左右幅方向に並んで形成されており、対向部53eに、複数の第2通気開口部53gが左右幅方向に並んで形成されている。さらに、傾斜部53dの第1通気開口部53f,53f間には、上方に向けて突出する突起部としての支持突出部53hが一体に形成されている。また、傾斜部53dの後部と対向部53eの前部との間には、通気開口部53f,53gを連通する筒状の連通風路部53iが前後方向に沿って直線状に形成されている。
図3に示すように、第1通気開口部53fは、蓋体53を閉じた状態で後側第1通気開口85aの下側に対向している。
支持突出部53hは、蓋体53を閉じた状態で第1フィルタ部68(第1フィルタ枠部81)の下側に当接することによりこの第1フィルタ部68(第1フィルタ枠部81)を上方へと最大に回動させた位置で下側から支持する部分である。
また、図1ないし図3に示すように、回動軸53cは、フィルタ体取付部62の下部、すなわち各フィルタ部68,69の回動軸85c,88cよりも外方(後方)の位置に回動可能に軸支されており、ケース体51の下流側に位置している。このため、蓋体53は、回動により塵埃排出口95を開閉可能である。
また、ハンドル54は、ケース体51の前後方向に沿って形成されており、係止体72,72を動作させるための上記係止体駆動機構の一部が内部に配置されている。そして、このハンドル54の上部には、係止体駆動機構を操作するための操作ボタン104を外部に露出させるための開口部105が後側寄りの位置に形成されている。
また、一方の風路57は、図3に示すように、吸気口71から各第1通気開口84a,85a(図1に示す下部フィルタ82)、第1通気開口部53f、連通風路部53i、第2通気開口部53g、開口63bおよびフィルタ体52(プリーツフィルタ98)を介して排気口93へと流れる風路である。他方の風路58は、吸気口71から第2通気開口88a(図1に示す上部フィルタ89)およびフィルタ体52(プリーツフィルタ98)を介して排気口93へと流れる風路である。
また、図1ないし図3に示すように、電動送風機27は、例えば合成樹脂などにより形成された略円筒状の電動送風機カバー107により少なくとも一部が覆われた状態で、電動送風機室28に前後方向に沿って配置されている。さらに、電動送風機27は、本体ケース25(掃除機本体13)内に収容された図示しない制御手段である本体制御部により、設定ボタン22(図5)で設定された動作モードで駆動するように制御される。
また、電動送風機カバー107の前部には、隔壁26の連通口31の下流側である後部に、上流側である前側から下流側である後側へと徐々に縮径された略円筒状の整流体であるインデューサ108の下流端である後端が挿入されるカバー吸込口109が開口形成され、このカバー吸込口109に挿入されたインデューサ108の下流端が、電動送風機27の吸込側に気密に接続されている。そして、電動送風機カバー107の後側の下部には、電動送風機27からの排気を排出するためのカバー排気口110が開口形成されている。
なお、電動送風機カバー107は、例えば上下、あるいは前後などに複数に分割されていてもよく、電動送風機27を図示しない懸架手段などを介して内部に弾性的に懸架する構成としてもよい。さらに、電動送風機カバー107自体も本体ケース25の下ケース38などに弾性的に支持されていてもよい。
次に、上記一実施の形態の作用を説明する。
まず、図1に示すように、掃除機本体13の本体集塵室35内に集塵カップ36を取り付ける。このとき、第1フィルタ部68は、蓋体53の支持突出部53hによって下側から支持され、第1フィルタ枠部81の前端部が吸気口71の下側でケース本体部61の前面部65の下方に位置する拡開部63の内面に接触した状態のまま保持されており、第2フィルタ部69は、第1フィルタ部68の第1リブ部85bが第2リブ部88dに当接することにより、第2フィルタ枠部88の上端側の後部が後側ストッパ部92に当接した状態のままで保持されて回動が阻止されている。したがって、第2フィルタ部69は、塵埃排出口95側へと回動可能な位置、ここでは第2フィルタ部69の回動可能な範囲中で塵埃排出口95側と反対側の端部側、すなわち回動開始位置側で蓋体53によって付勢に抗して回動が阻止されている。この状態で、第2フィルタ部69は、後部、すなわち下流側の周縁が後側ストッパ部92に対して密着することにより、ケース体51の内面と周囲との間で空気漏れが生じない状態となっている。
この後、図5に示すように、掃除機本体13の本体吸込口43に対して管部12の接続管部15を接続し、ホース体16、延長管18および床ブラシ19を順次連通接続した状態で、床ブラシ19を床面上に載置して、把持部21を把持し、所望の設定ボタン22を操作することで、本体制御部が電動送風機27を所望の動作モードで動作させる。そして、作業者は、把持部21により、延長管18を介して床ブラシ19を床面上で前後に走行させる。
電動送風機27の駆動により生じる負圧は、インデューサ108、連通口31、集塵カップ36、本体吸込口43、ホース体16および延長管18を介して床ブラシ19に作用し、床面上の塵埃を空気とともに吸い込む。
この吸い込まれた空気は、吸気風となり、塵埃とともに床ブラシ19から延長管18、ホース体16および本体吸込口43を介して、図1に示す集塵カップ36の吸気口71から集塵カップ36内に吸い込まれる。
この吸気風は、大部分が直進して第1フィルタ部68の下部フィルタ82の上流面に沿って流れて第2フィルタ部69の上部フィルタ89に吹き付けられ、一部が第1フィルタ部68の下部フィルタ82を通過する。下部フィルタ82を吸気風が通過してこの下部フィルタ82に捕集された塵埃は、吸気風の力により下部フィルタ82から剥がされて吸気口71から離れる方向へと吹き飛ばされるため、塵埃の大部分(綿ごみなどの粗塵D(図2))が第2フィルタ部69の上部フィルタ89により捕集され、第1フィルタ部68の下部フィルタ82は吸気風によって塵埃が剥がされて吹き飛ばされ、目詰まりが抑制された状態に維持される。したがって、電動送風機27の駆動による吸気風は、上部フィルタ89が経時的に目詰まりした際でも、目詰まりが抑制された状態に維持される下部フィルタ82側にバイパスされるので、電動送風機27の吸込力が持続する。すなわち、下部フィルタ82は主として吸込力の持続用のフィルタとして作用し、上部フィルタ89は主として塵埃の捕集用のフィルタとして作用する。
下部フィルタ82を通過した一部の吸気風(一方の風路57側)は、連通風路部53iを介して、開口63bからプリーツフィルタ98側へと通過する。また、上部フィルタ89を通過した吸気風(他方の風路58側)は、そのままプリーツフィルタ98側へと通過する。そして、これらがプリーツフィルタ98を通過する際に、このプリーツフィルタ98により、各フィルタ82,89により捕集しきれなかった細塵(微細塵)が表面集塵される。
この後、吸気風は、排気口93から集塵カップ36の下流側(外側)へと排気され、図1に示す連通口31およびインデューサ108を介して電動送風機27の吸込側へと吸い込まれ、この電動送風機27を冷却しつつ通過して排気風となり、電動送風機カバー107のカバー排気口110から排気された後、電動送風機室28およびコードリール室から本体排気孔49を介して掃除機本体13(本体ケース25)の外部へと排気される。
掃除が終了すると、作業者は図5に示す設定ボタン22を操作して、電動送風機27を停止させる。
集塵カップ36内に一定量以上の粗塵が溜まった際には、作業者は本体ケース25の本体蓋40を開いて集塵カップ36を本体集塵室35から取り外し、ハンドル54を把持して集塵カップ36をごみ箱などの廃棄部上へと持ち運ぶ。そして、作業者が操作ボタン104を操作することにより、係止体72,72が被係合部102,102から外れて、蓋体53の前端側が回動軸53cを中心として自重により下方へと回動し、塵埃排出口95が開く。
このとき、図2に示すように、蓋体53の支持突出部53hにより下側から支持されていた第1フィルタ部68は、蓋体53が下方へと開くことによって下側からの支持を失い、自重により前端側が下方へと回動する。同時に、第1フィルタ部68の第1リブ部85bが第2フィルタ部69の第2リブ部88dから離間されることで、第2フィルタ部69は回動付勢手段の付勢力によって前方へと勢いよく回動する。このため、第1フィルタ部68の上側と第2フィルタ部69の下側との間の塵埃収容部56に溜められていた粗塵Dが、第2フィルタ部69の回動および自重により塵埃排出口95から集塵カップ36の外部の廃棄部へと押し出されるように排出される。
さらに、第2フィルタ部69の回動に伴い、この第2フィルタ部69の毛ブラシ部88bがケース体51の上面部66の内面である下面に沿って摺動することにより、この上面部66の下面に付着していた塵埃を掻き取り、粗塵Dとともに塵埃排出口95から集塵カップ36の外部へと排出される。
なお、第2フィルタ部69は、上端側が吸気口71の上部に位置する前側ストッパ部79に上側から勢いよく当接することにより回動が停止するとともに、この当接の際の衝撃によって、上部フィルタ89に付着した塵埃の一部が振り落とされる。また、第2フィルタ部69は、上端側が前側ストッパ部79に当接した状態で、上流面が塵埃排出口95側へと対向し、この塵埃排出口95の開口方向に対して例えば45°以下の所定角度で傾斜する。
塵埃を廃棄した後は、作業者が蓋体53を上方へと回動させると、この蓋体53の支持突出部53hが第1フィルタ部68の下側に当接して第1フィルタ部68も上方へと回動し、この第1フィルタ部68の上方への回動によりこの第1フィルタ部68の第1リブ部85bが第2フィルタ部69の第2リブ部88dに当接して第2フィルタ部69を回動付勢手段の付勢に抗して上方へと押し上げる。そして、蓋体53の蓋体本体53aにより塵埃排出口95を完全に閉塞した状態で係止体72,72が蓋体53の被係合部102,102に係合することで、蓋体53がケース体51に係止されることにより、第1フィルタ部68は、第1フィルタ枠部81の前端部が吸気口71の下側でケース本体部61の前面部65の下方に位置する拡開部63の内面に接触した状態のまま保持され、第2フィルタ部69は、第2フィルタ枠部88の上端側の後部が後側ストッパ部92に当接した状態のまま保持される。そして、このように塵埃を廃棄することにより、集塵カップ36は繰り返し使用できる。
上述したように、上記一実施の形態によれば、第2フィルタ部69の上縁部の一部に、この第2フィルタ部69の回動によりケース体51の上面部66の内面と摺接する毛ブラシ部88bを取り付けることにより、第2フィルタ部69の回動によってケース体51内に収容した塵埃(粗塵D(図2))を塵埃排出口95から排出する際に、ケース体51の内面に付着した塵埃(細塵)および第2フィルタ部69の縁部とケース体51の内面との隙間に溜まった塵埃をも毛ブラシ部88bが掻き取るので、ケース体51内に収容した塵埃を塵埃排出口95から効果的に排出できる。
特に、第2フィルタ部69に取り付けた毛ブラシ部88bがケース体51内の上側、すなわち塵埃排出口95に対向する位置(塵埃排出口95から最も遠い位置)、すなわちケース体51内で作業者が最も掃除をしにくい位置に付着した塵埃(細塵)を掻き取るので、集塵カップ36のメンテナンス性が向上する。
しかも、第2フィルタ部69の回動によって塵埃を排出するので、例えば塵埃排出部材を塵埃排出口95の開口方向に沿って移動させて塵埃を押し出す構成と比較して、第2フィルタ部69の回動範囲が小さくても塵埃を確実に排出できる。
また、第2フィルタ部69を塵埃排出口95側へと付勢し、蓋体53によりこの塵埃排出口95を閉塞した状態で第2フィルタ部69の回動を、この第2フィルタ部69が塵埃排出口95側へと回動可能な位置で付勢に抗して蓋体53が阻止していることで、蓋体53を開いた際に、第2フィルタ部69が塵埃排出口95側へと勢いよく回動するので、塵埃収容部56に収容された塵埃(粗塵D(図2))および毛ブラシ部88bにより掻き取った塵埃を、塵埃排出口95から、より効果的に排出できる。
さらに、吸気口71に対向する上部フィルタ89を備えることにより、吸気風の通過によって塵埃の大部分が上部フィルタ89により捕集されるため、この第2フィルタ部69を吸気口71側へと回動する塵埃排出部材として用いることにより、塵埃収容部56内の塵埃を効果的に排出できるとともに、塵埃の排出が容易になる。
そして、第2フィルタ部69を吸気口71の上部の位置まで回動可能とすることにより、第2フィルタ部69を回動させた際に、第2フィルタ部69(上部フィルタ89)の下流側(後側)に塵埃が回り込みにくくなるので、塵埃が塵埃排出口95から排出されずにケース体51に内部に残留することを抑制できる。
特に、第2フィルタ部69は、塵埃排出口95の開口方向に対して45°以下の所定角度の位置まで回動可能であるため、毛ブラシ部88bにより掻き取った塵埃(細塵)を、塵埃排出口95からより効果的に排出できる。
また、第2フィルタ部69および蓋体53を、それぞれ回動可能とし、かつ、これらの回動軸88c,53cを、ケース体51の下流側の位置に軸支することにより、第2フィルタ部69および蓋体53を回動させて塵埃排出口95から塵埃を排出する構成を容易に形成できる。
さらに、蓋体53の回動軸53cを、第2フィルタ部69の回動軸88cよりも外方に配置することにより、第2フィルタ部69の回動によって排出される塵埃が蓋体53の回動軸53cに付着しにくくなる。
そして、第2フィルタ部69と蓋体53とのそれぞれに、第2フィルタ部69の回動を、この第2フィルタ部69が塵埃排出口95側へと回動可能な位置で付勢に抗して阻止する第2リブ部88dと支持突出部53hとを形成することにより、蓋体53を閉じるだけで第2フィルタ部69の回動を塵埃排出口95側へと回動可能な位置で付勢に抗して阻止した状態で第2フィルタ部69を保持できる。
しかも、各フィルタ部68,69のそれぞれにリブ部88d,85bを形成し、これらリブ部88d,85bを当接させることで第2フィルタ部69の回動を塵埃排出口95側へと回動可能な位置で付勢に抗して阻止しているので、いずれか一方のみに形成する場合と比較して、これらリブ部88d,85bのそれぞれの突出量を抑制できるため、塵埃排出口95から塵埃を排出する際に、粗塵D(図2)などの塵埃がリブ部88d,85bに引っ掛かりにくくなり、塵埃をより効果的に排出できる。また、各リブ部88d,85bは、各角部を湾曲させているため、塵埃がリブ部88d,85bに、より引っ掛かりにくくなる。
なお、上記一実施の形態において、突起部は、蓋体53から突出させてもよいし、蓋体53と第2フィルタ部69とのそれぞれに突出させてもよい。
また、第2フィルタ部69は、蓋体53により、回動可能な位置で付勢に抗して回動が阻止されていれば、その阻止された位置は、必ずしも回動開始位置でなくてもよい。この場合には、例えばこの回動が阻止された位置で第2フィルタ部69の周縁部とケース体51の内面との間で下流側へと空気が漏れないようにシール性が確保されている構成であったり、例えば電動送風機27の駆動による負圧によって第2フィルタ部69が回動開始位置側へと回動することにより後側ストッパ部92などと密着してシール性が確保されたりする構成であれば、上記一実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
そして、第2フィルタ部69は、回動付勢手段により回動方向に付勢されておらず、例えば自重などにより塵埃排出口95側へと回動する構成としてもよい。
さらに、塵埃排出部材としては、フィルタを設けていないものを用いることができる。
そして、清掃部材としては、毛ブラシ部だけでなく、例えば可撓性を有する部材により形成したブレードなどでもよい。
さらに、蓋体53は、回動以外の移動によって塵埃排出口95を開閉する構成としてもよい。
さらに、コードリール室、電源コードおよびコードリールなどは、必須の構成ではない。すなわち、電気掃除機11は、二次電池などの電池により電動送風機27などに給電する構成でもよい。
そして、電気掃除機11としては、例えば床ブラシ19を掃除機本体13の下部に接続したアップライト型、あるいはハンディ型など任意のものを用いることができ、掃除機本体13内の細部は、上記構成に限定されるものではない。