以下、添付した図面を参照して、本発明の一実施形態に係る画像投影システムおよびプログラムについて説明する。図1は、画像投影システムSYのシステム構成図である。同図に示すように、画像投影システムSYは、投射光を照射することによってスクリーンSC上に投影画像Gを投影するプロジェクタ10と、当該プロジェクタ10とネットワーク回線NWを介して接続されたコンピュータPCと、から成る。
プロジェクタ10は、リモコン40を用いた遠隔操作が可能であると共に、画像データ等を格納するためのメモリカード41が搭載されている。リモコン40には、上下左右キーや電源キーなどのキー群(図示省略)が設けられており、当該キー群を用いて各種画像補正機能を操作できるようになっている。特に、キーストーン歪補正を行う場合は、上下左右キーにより歪補正する箇所や補正量を指定可能である。また、プロジェクタ本体には、投影画像Gを撮像するためのCCDカメラ42が設けられており、当該CCDカメラ42の光軸は、投射光学系360(図2参照)の光軸と略平行となるように設定されている。
一方、コンピュータPCは、一般的なパーソナルコンピュータを適用可能であり、装置本体50と、ディスプレイ51と、情報入力装置52と、を備えている。装置本体50の背面には、ネットワーク接続するためのネットワーク・インターフェース69が設けられていると共に、装置本体内部には、制御部60が組み込まれている。制御部60は、CPU(Central Processing Unit)61、ROM(Read Only Memory)62、RAM(Random Access Memory)63およびHDD(Hard Disk Drive)64を有している。また、情報入力装置52としては、キーボード66およびマウス67が設けられている。
上記の構成により、プロジェクタ10は、コンピュータPCに、投影画像Gの画像補正を行うための設定画面D(図5ないし図10参照)を含むウェブページ情報を、ネットワーク回線NWを介して配信する。コンピュータPCは、ディスプレイ51上に設定画面Dを表示し、ユーザが情報入力装置52を操作することによって入力した入力結果に基づく補正情報をプロジェクタ10に送信する。プロジェクタ10は、当該補正情報を受信して、投影画像Gの画像補正を行い、その補正結果(CCDカメラ42による撮像結果など)に基づく更新情報をプロジェクタ10に返信する。プロジェクタ10は、必要に応じて、当該更新情報を設定画面Dに反映させる。
次に、図2を参照し、プロジェクタ10の制御構成について説明する。プロジェクタ10は、主としてウェブサーバとして機能するウェブサーバ部20と、主として従来のプロジェクタ機能を果たす画像投影部30と、から成る。
ウェブサーバ部20は、ビュワーアプリケーションを始めとする種々のプログラムの演算処理を実行する第1CPU200と、第1CPU200が実行する各アプリケーションおよびプログラムを格納する第1ROM202と、第1CPU200の演算結果およびデータを一時的に格納する第1RAM204と、を有している。第1CPU200と第1ROM202とは単方向または双方向通信可能に接続されており、第1CPU200と第1RAM204とは双方向通信可能に接続されている。
第1ROM202には、上記のビュワーアプリケーションの他、コンピュータPCにウェブページ情報を配信するためのウェブアプリケーションが含まれている。第1CPU200は、ウェブクライアントとして機能するコンピュータPCからのウェブページ情報配信指令に従って、第1ROM202からウェブアプリケーションを読み出して起動し、コンピュータPC(ウェブブラウザ)に対して、指定されたウェブページ情報を配信する。
ウェブサーバ部20は、第1CPU200からの描画指令に基づいて画像データを生成するグラフィックスコントローラ210をさらに有している。グラフィックスコントローラ210は、第1CPU200と双方向通信可能に接続され、画像を生成するためのLSIチップ211および生成した画像を記憶するためのビデオメモリ(VRAM)212を備えている。
ウェブサーバ部20は、プロジェクタ10と外部装置との間でコマンドやデータを送受信するためのインターフェースとして、ネットワーク・インターフェース・コントローラ220、I/Oポート230、PCMCIA・インターフェース・コントローラ240およびUSBコントローラ250を有している。
ネットワーク・インターフェース・コントローラ220は、例えば、イーサネット(登録商標)規格に準拠したコントローラであり、ウェブサーバ部20からネットワーク回線NWへ送信するコマンドやデータをネットワーク通信のプロトコルに従って適切な形式に変換すると共に、ネットワーク回線NWから受信した信号をウェブサーバ部20での処理に適した形式に変換する。I/Oポート230は、一般的な入出力ポートであり、識別回路232を介して無線入力装置234と接続されていると共に、画像投影部30の第2CPU300と接続されている。無線入力装置234は、リモコン40などの無線装置から送信された入力データを受信するための入力装置であり、識別回路232は無線入力装置234が受信した入力データが自身(プロジェクタ10)に向けて送信された入力データであるか否かを識別する。
PCMCIA・インターフェース・コントローラ240は、PCMCIA規格に従ってウェブサーバ部20からメモリカード41へデータを転送し、メモリカード41からウェブサーバ部20へデータを転送するコントローラである。メモリカード41には、データ供給装置(コンピュータPCや、後述する外部入力装置43など)から転送された画像データを格納する。USBコントローラ250は、USB規格に従ってウェブサーバ部20と外部入力装置43との間でデータを転送するコントローラであり、例えば、USBHUB252を介して外部入力装置43と接続される。
ウェブサーバ部20は、この他に絶対時間を供給するリアルタイムクロック260と、第1CPU200からの指令に基づいてサウンドデータを生成する音源262と、を有している。なお、ウェブサーバ部20における第1CPU200と、各コントローラ210,220,240,250等は、データおよびコマンドを伝達するバスを介して相互に接続されている。
一方、画像投影部30は、所定のプログラムを実行して画像投影部30の各回路を制御する第2CPU300と、第2CPU300にて実行するプログラムを格納する第2ROM302と、第2CPU300の演算結果およびデータを一時的に格納する第2RAM304と、を有している。第2CPU300と第2ROM302とは単方向または双方向通信可能に接続されており、第2CPU300と第2RAM304とは双方向通信可能に接続されている。また、第2CPU300と第1CPU200とはI/Oポート230を介して双方向通信可能に接続されており、第1CPU200と第2CPU300との間でデータやコマンドの送受信が可能となっている。
画像投影部30は、さらに、映像信号変換回路310、音声制御回路320、液晶(LCD)駆動回路330、光源駆動回路340、冷却ファン制御回路350、投射光学系360およびCCD制御回路370を有している。
映像信号変換回路310は、アナログ−ディジタル変換機能、デコード機能、同期信号分離機能および画像処理機能(キーストーン歪補正処理等の画像補正機能)を実現する。具体的には、外部映像信号入力端子312から入力されたアナログ映像信号をディジタル画像データに変換し、変換したディジタル画像データを同期信号に同期して映像信号変換回路310内のフレームメモリ(図示省略)に書き込むと共に、フレームメモリに書き込まれたディジタル画像データをフレームメモリから読み出す。アナログ映像信号としては、例えば、コンピュータPC等から出力されたRGB信号、不図示のビデオテープレコーダ等から出力されたコンポジット映像信号が入力される。アナログ映像信号がコンポジット映像信号の場合には、映像信号変換回路310は、コンポジット映像信号を復調すると共にRGBの3色の色信号で構成されるコンポーネント映像信号および同期信号に分離し、コンポーネント映像信号をディジタル画像データに変換する。アナログ映像信号がRGB信号の場合には、元々コンポーネント映像信号として入力されると共に同期信号も分離して入力されるので分離処理は不要であり、映像信号変換回路310は、コンポーネント映像信号をディジタル画像データに変換する。また、映像信号変換回路310には、ウェブサーバ部20のグラフィックスコントローラ210から送信されたディジタル映像信号も入力される。かかる場合には、元々ディジタル映像信号として入力されると共に同期信号が分離して供給されるのでアナログ−ディジタル変換処理および分離処理は不要である。
音声制御回路320は、外部音声信号入力端子322、スピーカ324、第2CPU300およびウェブサーバ部20の音源262と接続されている。音声制御回路320は、第2CPU300からの指令に従い、外部音声信号入力端子322または音源262から伝送された音声信号またはサウンドデータに基づいて生成した駆動信号によってスピーカ324を駆動する。
LCD駆動回路330は、映像信号変換回路310によって処理された画像データを受け取り、受け取った画像データに応じてLCD332を駆動して光源342から照射された照明光を変調する。LCD332によって変調された照明光はレンズを含む投射光学系360を介して被投射面であるスクリーンSC上に投射される。光源駆動回路340は、第2CPU300からの指令に従って光源342のON/OFFを制御する。光源342の背面には光源342に対して冷却風を送るための冷却ファン352が配置されている。冷却ファン352には冷却ファン制御回路350が接続されており、冷却ファン制御回路350は、第2CPU300からの指令に従って冷却ファン352の回転速度等を制御する。
CCD制御回路370は、撮像カメラであるCCDカメラ42の撮像画像を生成して出力する。当該撮像画像は、第2CPU300により、I/Oポート230を介してウェブサーバ部20(第1CPU200)に出力され、ウェブサーバ部20からコンピュータPCに、ウェブページ情報の一部(更新情報)として送信される。なお、撮像カメラは、CCDカメラ42ではなく、他の撮像デバイスを用いても良い。
また、CCD制御回路370により生成された撮像画像は、キーストーン歪補正処理を自動実行する際にも用いられる。例えば、プロジェクタ10があおり投射を行なう場合、LCD332に歪のない画像が形成されると、スクリーンSC上の投影画像Gが略台形状に歪んでしまう。そこで、略台形状に歪んだ撮像画像を生成した場合、LCD332に略台形状に歪んだ画像(スクリーンSC上に投影される投影画像Gの逆画像)を形成すれば、スクリーンSC上に歪のない画像(正しいアスペクト比を有する長方形画像)を投影させることができる。すなわち、上記の映像信号変換回路310は、画像処理機能の一つとして、この補正済みの画像データを生成する処理(自動キーストーン歪補正処理)を行う。なお、映像信号変換回路310は、CCDカメラ42の撮像結果だけでなく、加速度センサによるプロジェクタ10の仰角変化を検出し、当該検出結果に基づいてキーストーン歪補正処理を自動実行するようにしても良い。また、映像信号変換回路310は、上記の通り、コンピュータPCによる設定画面Dへの情報入力やリモコン40の手動操作に基づくキーストーン歪補正処理も実行可能である。
図2に示した構成から理解できるように、本実施形態のプロジェクタ10は、ウェブサーバ部20が存在しない(装着されていない)状態においても、外部から供給された映像信号に応じて投影画像Gを投影可能である。つまり、ウェブサーバ部20は、プロジェクタ10に任意に着脱できるように構成されている。この場合、ウェブサーバ部20は、1枚のプリント基板上に実装された形態を有することが好ましい。このように、ウェブサーバ部20をプロジェクタ10に着脱可能とすることで、ウェブサーバ部20の機能を有するプロジェクタと、ウェブサーバ部20の機能を有さないプロジェクタとで大部分を共通化することができ、装置の低廉化を図ることができる。
ここで、上記構成を有するプロジェクタ10の基本的な動作について説明する。ネットワーク回線NWを介してプロジェクタ10に入力された信号は、ウェブサーバ部20のネットワーク・インターフェース・コントローラ220によってウェブサーバ部20に適した形式に変換され、第1CPU200へデータおよびコマンドとして転送される。第1CPU200は、転送されたデータを第1RAM204に一時的に格納し、転送されたコマンドがウェブサーバ部20に対するコマンドであるか画像投影部30に対するコマンドであるかを判別する。転送されたコマンドが画像投影部30に対するコマンドの場合には、第1CPU200はI/Oポート230を介して画像投影部30の第2CPU300に対してコマンドを転送する。
一方、転送されたコマンドがウェブサーバ部20に対するコマンド(ウェブページ情報を指定するコマンドなど)の場合には、第1CPU200は、転送されたコマンドに基づいた演算処理を実行する。第1CPU200は、例えば、データの再生要求(投射表示要求)がリモコン40等により入力された場合には、メモリカード41または第1RAM204に格納されたデータを読み出す(再生する)ために、適切なビュワーアプリケーションを第1ROM202から読み出して起動し、格納されているデータのユーザインターフェースデータを生成して描画コマンドと共に、グラフィックスコントローラ210に対して転送する。
グラフィックスコントローラ210は、受信した描画コマンドに従いユーザインターフェースデータ、あるいは、表示画面データに基づいて表示すべきユーザインターフェース画像データ(以下、単に「画像データ」と称する)を生成し、グラフィックスコントローラ210内のVRAM212中に格納する。また、グラフィックスコントローラ210は、第1CPU200からの指令に従って、所定のタイミングにてグラフィックスコントローラ210のVRAM212に格納されている画像データを読み出し、画像投影部30の映像信号変換回路310に転送する。第1CPU200は、USBHUB252およびUSBコントローラ250を介して外部入力装置43からコマンドまたはデータを受け取る。第1CPU200は、外部入力装置43またはネットワーク回線NWを介して受信したコマンドに従って、第1RAM204内に格納されているデータ、または、PCMCIA・インターフェース・コントローラ240を介してグラフィックスコントローラ210のVRAM212中に格納されている画像データをメモリカード41に格納する。
映像信号変換回路310は、グラフィックスコントローラ210から画像データを受け取ると、既述の処理を実行してLCD駆動回路330に処理済みの画像データを転送する。LCD駆動回路330は、受け取った画像データに応じてLCD332を駆動制御して所望の画像データをスクリーンSC上に投射させる。
第2CPU300は、例えば、ネットワーク回線NWからI/Oポート230を介して転送されたコマンドが光源342のオンを指示する場合には、光源駆動回路340を介して光源342をオンする。第2CPU300は、冷却ファン制御回路350を介して光源342の温度に応じて冷却ファン352の作動状態(回転速度、回転タイミング等)を制御する。また、プロジェクタ10からネットワーク回線NWへのデータ送信は、第1CPU200の指令に従ってネットワーク・インターフェース・コントローラ220を介して実行される。
次に、図3を参照し、プロジェクタ10およびコンピュータPCの機能構成について説明する。プロジェクタ10のウェブサーバ部20は、主な機能構成として、ページ情報記憶部121、ページ情報配信部122、補正情報取得部123、制御信号生成部124および制御信号供給部125を備えている。また、プロジェクタ10の画像投影部30は、主な機能構成として、撮像部126および画像補正部127を備えている。
ページ情報記憶部121は、ネットワーク回線NWを介してコンピュータPCに配信するためのウェブページ情報を記憶するものであり、第1ROM202を主要構成要素とする。当該ウェブページ情報には、投影画像Gの画像補正を行うための設定画面Dの他、設定画面DにCCDカメラ42の撮像結果を表示したりエラー表示したりするための更新情報が含まれる。
ページ情報配信部122は、コンピュータPCに、ネットワーク回線NWを介してページ情報記憶部121から読み出したウェブページ情報を配信するものであり、第1CPU200およびネットワーク・インターフェース・コントローラ220を主要構成要素とする。ページ情報配信部122は、画像投影部30からCCDカメラ42の撮像結果(撮像画像)が入力された場合、当該撮像結果を設定画面Dに反映させるための更新情報を生成すると共に、画像投影部30から画像補正を実行できない旨の補正不能信号が入力された場合、その旨を示すエラー情報を生成し、これらを前記ウェブページ情報の一部として、コンピュータPCに送信する。
補正情報取得部123は、コンピュータPCから、設定画面Dへの入力結果である補正情報を取得するものであり、ネットワーク・インターフェース・コントローラ220を主要構成要素とする。
制御信号生成部124は、補正情報取得部123により取得した補正情報に基づいて、画像投影部30を制御するための制御信号を生成するものであり、第1CPU200およびグラフィックスコントローラ210を主要構成要素とする。制御信号生成部124は、補正情報を画像投影部30が解析可能なデータ列に変換するコマンド変換部と、必要に応じて補正値(補正量)を算出する補正値演算部と、を含むものである。
制御信号供給部125は、制御信号生成部124が生成した制御信号を画像投影部30の第2CPU300に供給するものであり、第1CPU200およびI/Oポート230を主要構成要素とする。
撮像部126は、スクリーンSC上に投影された投影画像Gを撮像すると共にその撮像結果をウェブサーバ部20に出力するものであり、第2CPU300、CCDカメラ42およびCCD制御回路370を主要構成要素とする。
画像補正部127は、ウェブサーバ部20から供給された制御信号に基づいて、投影画像Gの画像補正を行うものであり、第2CPU300および映像信号変換回路310を主要構成要素とする。画像補正部127は、供給された制御信号に基づく画像補正が実行不能である場合、補正不能信号をウェブサーバ部20に出力する。例えば、キーストーン歪補正において、上下方向にプラスマイナス20°、左右方向にプラスマイナス20°の制限がある場合、これらを超えた歪補正を指示する制御信号がウェブサーバ部20から供給されると、これに対して補正不能信号を出力する。
一方、コンピュータPCは、主な機能構成として、ページ情報受信部71、表示部72、入力部73および補正情報送信部74を備えている。
ページ情報受信部71は、プロジェクタ10からウェブページ情報(更新情報を含む)を受信するものであり、ネットワーク・インターフェース69(図1参照)を主要構成要素とする。
表示部72は、ページ情報受信部71により受信したウェブページ情報に基づいて、設定画面Dを表示(更新)するものであり、制御部60およびディスプレイ51を主要構成要素とする。
入力部73は、設定画面Dに情報入力を行うものであり、情報入力装置52を主要構成要素とする。前記補正情報は、当該入力部73の入力結果である。例えば、プロジェクタ10にキーストーン歪補正(手動)を実行させる場合、入力部73は、投影画像Gを模した画像イメージGA(図8参照)を構成する各辺または各角に対するドラッグ操作によって、画像イメージGAの形状を変形させることにより、投影画像Gのキーストーン歪補正操作を行う。
補正情報送信部74は、入力部73の入力結果である補正情報を、プロジェクタ10に送信するものであり、制御部60およびネットワーク・インターフェース69を主要構成要素とする。なお、補正情報の送信は、表示部72に設定画面Dが表示されている間、定期的に行っても良いし、入力部73による所定情報の入力をトリガとして行っても良い。また、画像補正の補正量が所定量を超えた場合に、当該所定量に対応する補正情報を随時送信するようにしても良い。
次に、図4のフローチャートを参照し、コンピュータPCを用いたキーストーン歪補正操作について説明する。当該キーストーン歪補正操作は、ユーザ操作に基づいてプロジェクタ10に実行させる、所謂「手動」のものであり、プロジェクタ10が「自動」で実行するキーストーン歪補正処理(CCDカメラ42の撮像結果やプロジェクタ10の仰角変化の検出結果等に基づいて自動的に実行するキーストーン歪補正処理)とは異なる。なお、図中、破線枠はユーザ操作に基づく工程を指し、実線枠はコンピュータ動作に基づく工程を指す。
まず、ユーザが、ウェブサーバ部20に対応するURL(Uniform Resource Locator)をコンピュータPCに入力すると(S01)、コンピュータPCは、対応するウェブページ情報をウェブサーバ部20から取得し(S02)、ホームページ(メインメニュー)画面D1を表示する(S03,図5参照)。ユーザが、当該ホームページ画面D1上に表示された複数の選択アイコンの中から「プロジェクタ設定」アイコンIAを選択すると(S04)、コンピュータPCは、プロジェクタ設定メニュー画面D2を表示する(S05,図6参照)。なお、ユーザによるアイコンの選択によって、各アイコンに割り当てられたURLを指定し、ウェブサーバ部20から対応するウェブページ情報を取得することとなるが、以下、選択項目の選択からウェブページ情報取得までの処理についての言及を省略する。
続いて、ユーザが、当該プロジェクタ設定メニュー画面D2に表示された複数の選択ボタンの中から「高度設定」ボタンB3を選択すると(S06)、コンピュータPCは、高度設定メニュー画面D3を表示する(S07,図7参照)。さらに、ユーザが、当該高度設定メニュー画面D3に表示された複数の選択ボタンの中から「キーストーン歪補正」ボタンB31を選択すると(S08)、コンピュータPCは、キーストーン歪補正設定画面D4を表示する(S09,図8参照)。
ここで、ユーザが、キーストーン歪補正設定画面D4上の「撮像結果反映」ボタンBAを押下すると(S10)、コンピュータPCは、プロジェクタ10(ウェブサーバ部20)から投影画像Gの撮像結果に基づく更新情報を取得し(S11)、キーストーン歪補正設定画面D4上に投影画像Gを模した画像イメージGAを表示する(S12,図9参照)。ここで、ユーザが、画像イメージGAに対する形状変更操作を行った場合(S13:Yes)、コンピュータPCは、プロジェクタ10(ウェブサーバ部20)に対し、当該形状変更操作に基づく補正情報を送信する(S14)。ここでは、画像イメージGAの補正量が所定量を超えた場合に、形状変更操作があったものと判定する。また、ユーザが、キーストーン歪補正設定画面D4上の「終了」ボタンBEを押下すると(S15:Yes)、キーストーン歪補正操作を終了する。
次に、図5ないし図10を参照し、コンピュータPCのディスプレイ51に表示される設定画面Dの具体例について説明する。図5は、ホームページ(メインメニュー)画面D1の一例を示す図である。同図に示すように、ホームページ画面D1では、選択項目として、「プロジェクタ設定」アイコンIA、「ファイルユーティリティ」アイコンIB、「マーカ起動」アイコンICおよび「シナリオ再生起動」アイコンIDを表示する。つまり、コンピュータPCは、各アイコンの選択によって、各機能(プロジェクタ設定、ファイルユーティリティの設定、マーカ設定およびシナリオ再生)を実現可能であるが、ここでは「プロジェクタ設定」以外の機能についての詳細な説明を省略する。
図6は、図5に示したホームページ画面D1において、「プロジェクタ設定」アイコンIAが選択された場合に遷移するプロジェクタ設定メニュー画面D2の一例を示す図である。プロジェクタ設定メニュー画面D2では、選択項目として、「映像」ボタンB1、「音声」ボタンB2、「高度設定」ボタンB3、「情報」ボタンB4および「全初期化」ボタンB5を表示する。ここでは、「高度設定」ボタンB3が選択され、高度設定メニュー画面D3(図7参照)に遷移するものとする。
なお、特に図示しないが、プロジェクタ設定メニュー画面D2において、「映像」ボタンB1が選択された場合は、映像設定画面を表示し、「輝度(明るさ)」、「コントラスト」、「シャープネス」、「ガンマ補正」、「画質」、「各色の濃度」および「アスペクト比」等についての設定が可能となっている。また、「音声」ボタンB2が選択された場合は、音声設定画面を表示し、「音量」、「高音の強さ」、「低音の強さ」等についての設定が可能となっている。また、「情報」ボタンB4が選択された場合は、情報設定画面を表示し、「ランプ点灯時間」、「映像の種類」、「解像度」等についての設定が可能となっている。さらに、「全初期化」ボタンB5が選択された場合は、プロジェクタ10の動作状態を初期状態とするための初期化設定画面を表示する。なお、これらの設定内容は、補正情報としてウェブサーバ部20に送信され、画像投影部30の制御に反映される。
図7は、高度設定メニュー画面D3の一例を示す図である。高度設定メニュー画面D3では、選択項目として、「キーストーン歪補正」ボタンB31、「テレワイド」ボタンB32、「レンズシフト」ボタンB33および「E−Zoom」ボタンB34を表示する。ここでは、「キーストーン歪補正」ボタンB31が選択され、キーストーン歪補正設定画面D4(図8参照)に遷移するものとする。
なお、特に図示しないが、高度設定メニュー画面D3において、「テレワイド」ボタンB32が選択された場合は、テレワイド設定画面を表示し、投影画像Gの全体を拡大/縮小する操作を実行可能である。また、「E−Zoom」ボタンB34が選択された場合は、E−Zoom設定画面を表示し、投影画像Gの一部を拡大/縮小する操作を実行可能である。これら「テレワイド」ボタンB32または「E−Zoom」ボタンB34が選択された場合は、補正情報および更新情報として、投影画像Gの一部または全体の画像サイズに関する情報を、コンピュータPCとプロジェクタ10間で送受信する。さらに、高度設定メニュー画面D3において、「レンズシフト」ボタンB33が選択された場合は、レンズシフト設定画面を表示し、投影画像Gの位置を移動する操作を実行可能である。この場合は、補正情報および更新情報として、投影画像Gの位置に関する情報を、コンピュータPCとプロジェクタ10間で送受信する。
なお、高度設定メニュー画面D3における選択項目として、「設置環境設定(天吊りか否か、リア投写か否か)」、「言語設定」、「動作設定」、「ネットワーク設定」等を追加しても良い。
図8は、キーストーン歪補正設定画面D4の一例を示す図である。キーストーン歪補正設定画面D4では、上段に「撮像結果反映」ボタンBAと、「終了」ボタンBEと、を表示すると共に、下段にCCDカメラ42の撮像結果を表示するための撮像結果表示領域80を表示する。撮像結果表示領域80には、投影画像Gの形状を模した画像イメージGAを表示する。図8に示す例では、「撮像結果反映」ボタンBAが押下される前の状態であるため、デフォルト設定された長方形の画像イメージGAを表示する。
画像イメージGAは、左辺LL、下辺LD、右辺LRおよび上辺LUの4辺で、その枠が構成され、4つの角部には、二重丸の頂点マーク(ハンドルマーク)81,82,83,84が表示されている。詳細については後述するが、各辺または各角に対してドラッグ操作を行うことにより、画像イメージGAの形状を変更でき、その形状変化に基づく補正情報がプロジェクタ10に送信される。
なお、上記の通り、図8は、「撮像結果反映」ボタンBAが押下される前の状態を示しているため、実際にスクリーンSCに表示されている投影画像Gの形状と、撮像結果表示領域80に表示されている画像イメージGAの形状とが一致していないが、例えば画像イメージGA左上角部の頂点マーク81が外側(斜め45°上方向)にドラッグされた場合、その補正情報に基づいて、投影画像Gの左上角部が外側(斜め45°上方向)に向かって移動することとなる(画像投影部30により、そのような画像補正が行われる)。
一方、図9は、「撮像結果反映」ボタンBAが押下され、投影画像Gの撮像結果に基づく更新情報を撮像結果表示領域80に反映させた場合を示している。この場合の画像イメージGAは、ユーザがスクリーンSC上の投影画像Gを視認したものと略同一の形状となるように画像処理される。つまり、長方形の投影画像GがスクリーンSC上に投影されている場合でも、その投影画像Gを撮像した撮像画像は、長方形とはならず、わずかに台形状に歪んでしまう。これは、CCDカメラ42のレンズの光軸と、投射光学系360(図2参照)の光軸とが、ほぼ平行となるように設定されているものの、厳密には平行となっていないためである。したがって、ユーザが違和感なく画像イメージGAの形状変更操作を行い得るように(画像イメージGAの形状と投影画像Gの形状とが略同一となるように)、CCD制御回路370により生成された撮像画像に対して座標変換や射影変換を行った後、画像イメージGAを表示する。なお、座標変換および射影変換は、プロジェクタ10側で行っても良いし、コンピュータPC側で行っても良い。
ここで、図11および図12を参照し、画像イメージGAの形状変更操作について説明する。図11(a)に示すように、マウス67の操作によってカーソル(矢印)Kを右下角部の頂点マーク83に合わせ、図示点線矢印の方向にドラッグすると、ドラッグ終了位置に頂点マーク83を移動させることができる(頂点マーク83a参照)。また、これに伴い、下辺LDおよび右辺LRの配置角度および長さが変更される(下辺LDaおよび右辺LRa参照)。このように、直感的且つ容易な操作により、台形状を長方形に補正するキーストーン歪補正を実現できる。
また、頂点マーク81,82,83,84を操作するのではなく、各辺LU,LD,LR,LUを操作しても良い。図11(b)に示すように、カーソルKを下辺LDの右寄りの位置に合わせ、図示点線矢印の方向(下辺LDに対して直角且つ画像イメージGAの外側)にドラッグすると、頂点マーク82を左端とし、当該頂点マーク82とドラッグ終了位置とを結ぶ線と右辺LRの延長線との交点を右端とする下辺LDaに変更させることができる。また、これに伴い、頂点マーク83の位置および右辺LRの長さが変更される(頂点マーク83a,右辺LRa参照)。なお、図11に示した画像イメージGAの形状変更操作を行う場合であって、各辺LU,LD,LR,LUを操作する場合は、投影画像Gのキーストーン歪補正を行うために(画像イメージGAを長方形とするために)、下辺LDと右辺LRの2辺の操作が必要となる。
一方、図12(a)に示すように、カーソルKを下辺LDの左寄りの位置に合わせ、図示点線矢印の方向(下辺LDに対して直角且つ画像イメージGAの外側)にドラッグすると、頂点マーク83を右端とし、当該頂点マーク83とドラッグ終了位置とを結ぶ線と左辺LLの延長線との交点を右端とする下辺LDaに変更させることができる。また、これに伴い、頂点マーク82の位置および左辺LLの長さが変更される(頂点マーク82a,左辺LLa参照)。
さらに、図12(b)に示すように、カーソルKを下辺LDの中央付近の位置に合わせ、図示点線矢印の方向(下辺LDに対して直角且つ画像イメージGAの外側)にドラッグすると、ドラッグ終了位置まで下辺LDを平行移動させることができる。また、これに伴い、頂点マーク82および頂点マーク83の位置、並びに左辺LLおよび右辺LRの長さが変更される(頂点マーク82a,頂点マーク83a,左辺LLa,右辺LRa参照)。
このように、カーソルKを合わせる辺と、ドラッグさせる方向と、に応じて、当該辺の配置位置や長さを変更することができる。また、カーソルKを辺に合わせる位置(右寄り、左寄り、中央付近)に応じて、変更対象となる辺を指定することができる。
なお、図11および図12では、下辺LDに合わせたカーソルKを直角方向に移動させる場合のみ示したが、他の辺を操作しても良いし、ドラッグ方向も任意である。ドラッグ方向については、頂点マーク81,82,83,84と同様に、角度に応じて辺の配置位置および長さが変更できるようにしても良いし、画像イメージGAの内側に向かってドラッグされたか外側に向かってドラッグされたかのみを判別し、外側に向かってドラッグされた場合は、移動角度に関わらず(辺に対して直角方向に移動されない場合でも)、図11(b)ないし図12(b)の結果となるように、ドラッグ方向(角度)を無視するようにしても良い。
このように、本実施形態では、各辺または各角に対するドラッグ操作によって、画像イメージGAの形状を変更でき、その操作結果を補正情報として、プロジェクタ10に送信する。プロジェクタ10は、ウェブサーバ部20で補正情報を受信し、これを画像投影部30が解析可能な制御信号に変換して画像投影部30に供給する。ここで、画像投影部30が、制御信号に基づく画像補正が実行不能であると判定すると、画像投影部30は、補正不能信号をウェブサーバ部20に出力し、ウェブサーバ部20は、その旨を示すエラー情報をコンピュータPCに送信する。
ここで、図10を参照し、エラー情報に基づく表示について説明する。同図に示すように、ウェブサーバ部20からエラー情報が送信されると、コンピュータPCは、指令した画像補正に対してこれ以上の調整が不可能である旨を示すエラー表示ボックスBOを、設定画面D上の撮像結果表示領域80に重畳して表示する。
エラー表示ボックスBOには、「元に戻す」ボタン91と、「確認」ボタン92と、が設けられており、「元に戻す」ボタン91が押下された場合は、画像イメージGAの形状を変更する前の状態に戻す。つまり、例えば図11(a)に示したように、カーソルKを点線矢印に沿ってドラッグする操作(カーソルKを頂点マーク83から頂点マーク83aに移動させる操作)が行われ、当該操作に対するエラー情報がウェブサーバ部20から送信された場合、画像イメージGAの表示を、カーソルKが頂点マーク83に位置する状態(図11(a)の実線で示す状態)に戻す。一方、「確認」ボタン92が押下された場合は、エラー表示される直前の状態を表示する。つまり、図11(a)に示した例の場合、カーソルKが頂点マーク83aに位置している状態を表示する。但し、この場合の補正操作は無効(投影画像Gに反映されない)ため、画像イメージGAを点滅表示するなどして、ユーザに報知することが好ましい。
このように、エラー表示ボックスBOを表示することにより、コンピュータPCを操作するユーザは、入力した内容に基づく画像補正が実行できないことを把握することができる。これにより、画像補正が実行されない(投影画像Gに反映されない)ことにより何度も情報入力を繰り返すなどの無駄な操作を無くすことができ、利便性が良い。なお、キーストーン歪補正設定画面D4において、ユーザにより「終了」ボタンBEが押下された場合は、図7に示した高度設定メニュー画面D3に遷移する。
以上説明したとおり、本実施形態の画像投影システムSYは、コンピュータPCに表示された設定画面Dに情報入力を行うことによって、プロジェクタ10が投影する投影画像Gの画像補正を行う構成であるため、リモコン40等を用いる場合と比較して、操作性が良い。また、プロジェクタ10はウェブサーバとして機能し、ウェブクライアントとして機能するコンピュータPCに対して、設定画面Dを表示させるためのウェブページ情報を配信するため、コンピュータPCに画像補正を行うためのアプリケーションを予めインストールしておくなどの煩わしさを解消することができると共に、コンピュータPCがインターネット接続不可能な状態であっても、支障なく操作を行うことができる。
また、投影画像Gの撮像結果を設定画面Dに反映できるため、プロジェクタ10とコンピュータPCが位置的に離れている場合でも(実際の投影画像Gを確認できない状態でも)支障なくコンピュータPC側で画像補正を行うことができると共に、画像補正操作の操作性をより向上できる。特に、キーストーン歪補正を行う場合、上下左右の矢印キーの操作では、どのキー操作によってどのように投影画像Gの形状が変化するかが分かりづらいが、実際に表示されている投影画像Gの形状を模した画像イメージGAが設定画面D上に表示されるため、直感的且つ容易に操作可能である。
なお、上記の実施形態で示した各画像補正機能(キーストーン歪補正、テレワイド、レンズシフト、E−Zoomなど)の設定を行う場合、補正情報としては、投影画像Gの補正値そのものを送信しても良いし、設定画面D上における情報入力によって変化する変化量を送信して、ウェブサーバ部20で補正値に変換して制御信号を生成しても良い。つまり、キーストーン歪補正の場合は、補正情報として、補正値(上方向にX°、右方向にY°など)を送信しても良いし、変化量(4つの角部の座標変化)を送信しても良い。但し、補正情報として補正値そのものを送信する場合は、投影画像Gの撮像結果を画像イメージGAに反映させること(「撮像結果反映」ボタンBAの押下)が条件となる。
また、上記の実施形態に示した設定画面Dの画面構成、選択項目、画面遷移の仕方、並びに画像補正方法は一例であり、これに限定されるものではない。例えば、キーストーン歪補正設定画面D4に遷移した直後に(「撮像結果反映」ボタンBAの押下を必要とすることなく)、撮像結果表示領域80に撮像画像を反映させるようにしても良いし、各辺または各角に対するドラッグ操作ではなく、画像イメージGA上に所望の画像を直接描画し、補正情報として4つの頂点の座標ずれ量をプロジェクタ10に送信するようにしても良い。
また、上記の実施形態に示したプロジェクタ10およびコンピュータPCの各構成要素をプログラムとして提供することが可能である。また、そのプログラムを各種記録媒体(CD−ROM、フラッシュメモリ等)に格納して提供することも可能である。すなわち、コンピュータを、プロジェクタ10およびコンピュータPCの各手段として機能させるためのプログラム、およびそれを記録した記録媒体も、本発明の権利範囲に含まれる。
また、上記の実施形態のプロジェクタ10は、液晶表示方式を採用しているが、CRT表示方式やライトスイッチ表示方式(マイクロミラーデバイス方式)など、表示原理は問わない。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
10…プロジェクタ 40…リモコン 42…CCDカメラ 52…情報入力装置 67…マウス 81,82,83,84…頂点マーク D…設定画面 G…投影画像 GA…画像イメージ K…カーソル LL,LD,LR,LU…画像イメージの辺 NW…ネットワーク回線 PC…コンピュータ SC…スクリーン SY…画像投影システム