JP5386666B2 - リチウム二次電池用負極材、その製造方法およびリチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池用負極材、その製造方法およびリチウム二次電池 Download PDF

Info

Publication number
JP5386666B2
JP5386666B2 JP2008283589A JP2008283589A JP5386666B2 JP 5386666 B2 JP5386666 B2 JP 5386666B2 JP 2008283589 A JP2008283589 A JP 2008283589A JP 2008283589 A JP2008283589 A JP 2008283589A JP 5386666 B2 JP5386666 B2 JP 5386666B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lithium secondary
negative electrode
secondary battery
carbon
electrode material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008283589A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010113851A (ja
Inventor
俊哉 堀井
徳子 吉澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokai Carbon Co Ltd
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
Tokai Carbon Co Ltd
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokai Carbon Co Ltd, National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST filed Critical Tokai Carbon Co Ltd
Priority to JP2008283589A priority Critical patent/JP5386666B2/ja
Publication of JP2010113851A publication Critical patent/JP2010113851A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5386666B2 publication Critical patent/JP5386666B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Description

本発明は、リチウム二次電池用負極材、リチウム二次電池用負極材の製造方法およびリチウム二次電池に関する。
リチウム二次電池は軽量でエネルギー密度が高く、携帯用小型電子機器の電源をはじめ近年ではハイブリッドカーや電気自動車などの動力用電源として期待されている。当初、リチウム二次電池の負極材には金属リチウムが用いられていたが、充電時にリチウムイオンが負極面にデンドライト(樹枝)状に析出、成長し、脱落して容量低下をもたらしたり、ショートの原因となるため、このようなデンドライト状の析出を生じない炭素材が提案されてきた。
黒鉛材はリチウムイオンのドープ・アンドープ性(脱・挿入性)が優れていることから充放電の効率が高く、更に、充放電時の電位も金属リチウムとほぼ等しく、高電圧の電池が得られるなどの利点がある。
しかし、黒鉛化度が高く六角網面構造が高度に発達した黒鉛材は電解液と反応を生じて充放電効率が低下するなど電池出力が損なわれやすく、特に、低温環境下で作動させるために、例えば融点が−50℃と低いプロピレンカーボネート系(以下、PC系とも略記)の電解液を使用した場合に、分解し易いという特性を有している。これは、黒鉛化度の高い炭素材の結晶面(黒鉛層)間に、PC系電解液等の電解液で溶媒和されたリチウムイオンがインターカレーション(コインターカレーション )することにより、黒鉛層が剥離したり、分解する現象が生じるためとされている。
一方、黒鉛化度の低い非晶質炭素材はPC系電解液との反応性は低いが、リチウムイオンがドープするサイトが少ないために電池容量が極めて低くなってしまう。
このような状況下、本出願人は、PC系電解液中でも安定で、リチウムイオンのドープ・アンドープ速度が速く、また電池容量も高く、高密度充填が可能なリチウム二次電池用負極材を提案している(特許文献1参照)。
しかしながら、リチウム二次電池の更なる高性能化の要望から、PC系電解液中で安定であるとともに、リチウムイオンのドープ・アンドープ速度、電池容量、電池効率がより優れたリチウム二次電池用負極材が求められるようになっている。
特開2005−243410号公報
本発明は、このような事情のもとで、PC系電解液中で安定であり、かつ、リチウムイオンのドープ・アンドープ速度、電池容量、電池効率により優れたリチウム二次電池用負極材を提供するとともに、リチウム二次電池用負極材の製造方法およびリチウム二次電池を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、本発明者が鋭意検討したところ、複数の稜線状ひだ部が連続して伸長することにより多角形状開口部を有する凹部が表面に複数設けられてなり、ディスクセントリフュージ装置により測定したストークスモード粒子径Dstが500nm以上、Dstに対するX線回折法により測定した結晶子サイズLaの比La/Dstが0.04以上である炭素微小球からなるリチウム二次電池用負極材により、上記課題を解決し得ることを見出し、本知見に基いて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)複数の稜線状ひだ部が連続して伸長することにより多角形状開口部を有する凹部が表面に複数設けられてなり、
ディスクセントリフュージ装置により測定したストークスモード粒子径Dstが500nm以上、
前記Dstに対するX線回折法により測定した結晶子サイズLaの比La/Dstが0.04以上である炭素微小球
からなることを特徴とするリチウム二次電池用負極材、
(2)前記多角形状開口部を構成する角部の少なくとも一部が三本の稜線状ひだ部により構成されてなる上記(1)に記載のリチウム二次電池用負極材、
(3)前記凹部の最大深さが10〜200nmである上記(1)または(2)に記載のリチウム二次電池用負極材、
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載のリチウム二次電池用負極材の製造方法であって、
一次原料炭化水素ガスを熱分解して一次炭素球を析出させる一次炭素球析出工程と、
前記一次炭素球と二次原料炭化水素ガスとを接触させた状態で熱分解することにより複合炭素球を析出させる複合炭素球析出工程と、
前期複合炭素球を2000℃以上の温度で熱処理して炭素微小球を得る炭素微小球生成工程と
を含むことを特徴とするリチウム二次電池用負極材の製造方法、
(5)前記一次炭素球析出工程が、一次原料炭化水素のガス濃度30〜100vol%、一次原料炭化水素のガス供給線速度0.02〜4.0m/sec、雰囲気温度900〜1200℃の条件下で実施され、
前記複合炭素球析出工程が、雰囲気温度900〜1200℃、二次原料炭化水素ガスの滞留時間1〜20秒間となるように実施される
上記(4)に記載のリチウム二次電池用負極材の製造方法、および
(6)上記(1)〜(3)のいずれかに記載のリチウム二次電池用負極材からなる負極を有することを特徴とするリチウム二次電池
を提供するものである。
本発明によれば、リチウム二次電池用負極材を、特定の表面形状を有し、ディスクセントリフュージ装置により測定したストークスモード粒子径Dstが500nm以上で、Dstに対するX線回折法により測定した結晶子サイズLaの比La/Dstが0.04以上である炭素微小球により構成することにより、PC系電解液中で安定であり、かつ、リチウムイオンのドープ・アンドープ速度、電池容量、電池効率により優れたリチウム二次電池用負極材を提供することができる。また、本発明によれば、上記優れた特性を有するリチウム二次電池用負極材を製造する方法およびリチウム二次電池を提供することができる。
本発明のリチウム二次電池用負極材は、複数の稜線状ひだ部が連続して伸長することにより多角形状の開口部を有する凹部が表面に複数設けられてなり、ディスクセントリフュージ装置により測定したストークスモード粒子径Dstが500nm以上、前記Dstに対するX線回折法により測定した結晶子サイズLaの比La/Dstが0.04以上である炭素微小球からなることを特徴とするものである。
図1に例示するように、本発明のリチウム二次電池用負極材を構成する炭素微小球表面は、複数の稜線状ひだ部が連続して伸長することにより、多角形状の開口部を有する凹部が複数設けられてなる。
各稜線状ひだ部は、それぞれ10〜500nm程度の長さを有するものであり、50〜400nm程度の長さを有することがより適当であり、100〜150nm程度の長さを有するものがさらに適当である。
図1に示すように、この稜線状ひだ部が複数交差することによって、多角形状の開口部を形成する。開口部の形状は、特に限定されないが、例えば、三角形状、四角形状、五角形状、六角形状、七角形状等を挙げることができる。
上記多角形状開口部を構成する角部の少なくとも一部は、三本の稜線状ひだ部により構成されてなるものであることが適当であり、上記多角形状開口部を構成する角部の50〜100%が三本の稜線状ひだ部により構成されてなるものであることがより適当であり、上記多角形状開口部を構成する角部の全てが三本の稜線状ひだ部により構成されてなるものであることがさらに適当である。
また、上記凹部の最大深さは10〜200nmであることが好ましく、10〜150nmであることがより好ましく、10〜100nmであることがより好ましい。
上記開口部直径は、50〜600nmであることが好ましく、50〜500nmであることがより好ましく、150〜400nmであることがさらに好ましい。なお、本明細書において、開口部直径とは、開口部の最大径を意味する。
上記稜線状ひだ部の長さ、開口部形状、凹部の最大深さ、開口部直径等は、走査型電子顕微鏡(SEM)により確認することができる。
本発明のリチウム二次電池用負極材を構成する炭素微小球の表面基底部は、断面透過型電子顕微鏡観察したときに、1〜3000個の連続平行黒鉛層からなるものであることが適当であり、700〜1800個の連続平行黒鉛層からなるものであることがより好ましく、800〜1400個の連続平行黒鉛層からなるものであることがさらに好ましい。
本発明のリチウム二次電池用負極材を構成する炭素微小球は、その表面に上記複数の稜線状ひだ部からなる凹部を有するものであり、この稜線状ひだ部により構成される凹部は、黒鉛結晶格子歪により生ずるものと考えられる。そして、炭素微小球表面に形成されるこの凹部は、リチウムイオンの入出力が可能なものであることから、リチウムイオンの入出力サイトが増大して、充放電効率が向上すると考えられ、また、上記凹部が黒鉛結晶の格子歪により構成されることにより、PC系電解液への耐性(PC系電解液中における安定性)を向上することができると考えられる。
本発明のリチウム二次電池用負極材を構成する炭素微小球は、ディスクセントリフュージ装置により測定したストークスモード粒子径Dstが500nm以上であるものであり、上記Dstは、500〜1200nmであることが好ましく、600〜900nmであることがより好ましい。
本発明において、上記ストークスモード粒子径Dstは、ディスクセントリフュージ装置を用いて以下の方法により測定されるものである。
乾燥した炭素微小球を少量の界面活性剤を含む20容量%エタノール水溶液と混合して炭素濃度0.1kg/m3 の分散液を作成し、これを超音波で十分に分散して測定試料とする。この測定試料を回転数8〜166 s−1に設定したディスクセントリフュージ装置(英国JoyesLobel社製)に設置し、スピン液(2重量%グリセリン水溶液、25℃)を0.015dm加えた後、0.001dmのバッファー液(20容量%エタノール水溶液、25℃)を注入する。次いで、温度25℃の炭素分散液0.0005dmを注射器で加えた後、遠心沈降を開始し、同時に記録計を作動させて図2に示すような分布曲線(横軸;炭素分散液を注射器で加えてからの経過時間、縦軸;炭素試料の遠心沈降に伴い変化した特定点での吸光度)を作成する。そして、この分布曲線により各時間Tを読み取り、次式に代入して各時間に対応するストークス相当径を算出する。
(ただし、数1において、ηはスピン液の粘度(0.935×10−3Pa・S)、Nはディスク回転スピード(8〜166s−1)、rは分散液注入点の半径(0.0456m)、rは吸光度測定点までの半径(0.0482m)、ρCBは炭素の密度(kg/m)、ρはスピン液の密度(1.00178kg/m)である。)
このようにして得られたストークス相当径と吸光度の分布曲線(図2)における最大頻度のストークス相当径をストークスモード粒子径Dst(nm)とする。
ストークスモード粒子径Dstは、一次炭素球が凝集した凝集構造体の大きさを表す指標となるもので、この値が大きくなると凝集した一次炭素球の個数が多く、凝集体径が大きいことを示す。
後述するように、本発明のリチウム二次電池用負極材を構成する炭素微小球は、一次粒子炭素球が凝集してなる構造を有していると考えられ、このように炭素微小球が大粒径化することにより、比表面積を低減させて、クーロン効率を向上することができる。一般に、大粒径化した炭素微小球は、端面の減少によりリチウムイオンの入出力特性が低下したり、結晶の歪みが小さくなってPC系電解液への耐性が低下するが、上述したように、本発明のリチウム二次電池用負極材を構成する炭素微小球は、特有の表面構造を有するために、ストークスモード粒子径Dstが500nm以上と大粒径なものであっても、クーロン効率を向上させつつリチウムイオンの入出力特性およびPC系電解液への耐性も向上させることができる。
本発明のリチウム二次電池用負極材を構成する炭素微小球は、上記ストークスモード粒子径Dstに対するX線回折法により測定した結晶子サイズLaの比La/Dstが0.04以上であるものである。
本明細書において、X線回折法により測定した結晶子サイズLaは、グラファイトモノクロメータで単色化したCuKα線を用い、反射式ディフラクトメータ法によって広角X線回折曲線を測定し、学振法により求めることができる。
上記ストークスモード粒子径Dstに対する結晶子サイズLaの比La/Dstは、0.04〜0.09であることが好ましい。
ストークスモード粒子径Dstに対する結晶子サイズLaの比La/Dstは、リチウム二次電子用負極材を構成する炭素微小球粒子の単位径あたりの結晶子の大きさを表し、この数値が大きいほど、結晶子が発達していることを意味する。
ストークスモード粒子径Dstに対する結晶子サイズLaの比La/Dstが0.04以上であることにより、負極材におけるリチウムイオンのドープ・アンドープ性(脱・挿入性)を向上することができる。
本発明のリチウム二次電池用負極材を構成する炭素微小球は、上記特性に加えて、X線回折法により測定した結晶子格子面間隔(d002)が0.350nm以下であることが好ましい。すなわち、黒鉛結晶化度が高いものであることが好ましい。結晶子格子面間隔(d002)が0.350nmを越える場合には、黒鉛の結晶化度が低いためにリチウムイオンがドープされるサイトが少なくなり、電池容量が低下してしまう。
次に、本発明のリチウム二次電子用負極材の製造方法について説明する。
本発明のリチウム二次電池用負極材の製造方法は、本発明のリチウム二次電池用負極材を製造する方法に関するものであって、一次原料炭化水素ガスを熱分解して一次炭素球を析出させる一次炭素球析出工程と、前記一次炭素球と二次原料炭化水素ガスとを接触させた状態で熱分解することにより複合炭素球を析出させる複合炭素球析出工程と、前期複合炭素球を2000℃以上の温度で熱処理して炭素微小球を得る炭素微小球生成工程とを含むことを特徴とするものである。
以下、本発明のリチウム二次電子用負極材の製造方法を、適宜図面を用いつつ説明するものとする。
図3は、本発明のリチウム二次電子用負極材を構成する炭素微小球を製造する装置の一例を示す図である。
図3において、11は原料炭化水素ガスが充填されたガスボンベ、12はキャリアーガスが充填されたガスボンベであり、13は流量計を示している。また、14は一次原料炭化水素ガスを、例えば液状で貯蔵している一次原料タンクであり、15は液体炭化水素原料の予熱装置であり、予熱することで、液体原料ガスの気化の補助をしている。
本発明の方法において、一次原料炭化水素ガスとしては、メタンガス(天然ガス、都市ガス、LNG(液化天然ガス)等)、エタンガス、プロパン・ブタンガス(LPG(液化石油ガス)等)、エチレンガス、プロピレンガス、ブタジエンガス等の不飽和脂肪族炭化水素ガス、ベンゼンガス、トルエンガス、キシレンガス等の単環式芳香族炭化水素ガス、ナフタレンガス、アントラセンガス等の多環式芳香族炭化水素ガス、あるいはこれらの混合物を挙げることができる。また、常温で液体または固体の場合炭化水素を一次原料炭化水素ガスとして用いる場合には、その沸点以上の温度に加熱して気化させ、ガス状にすることにより用いることができる。
また、キャリアーガスとしては、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、ネオンガス、キセノンガス、クリプトンガスなどの不活性ガスや、空気などを挙げることができ、水素ガスは用いないことが好ましい。
そして、図3に示すガスボンベ11または一次原料タンク14等から一次原料炭化水素ガスを、単独でもしくはガスボンベ12等からキャリアーガスとともに、加熱炉17内に供給する。
加熱炉17は、原料である炭化水素ガスを熱分解して炭素微小球に転化するためのものであり、上流部(加熱炉17の下段部)に一次炭素球析出部、中流部(加熱炉17の中段部)に複合炭素球析出部、下流部(加熱炉17の上段部)に炭素微小球生成部を有するものであって、各部において、加熱温度を制御し得るものである。加熱炉17は、例えば内径145mm、長さ1500mmの不透明石英管からなり、混合ガスの流速を制御するために、加熱炉17内に、反応管径が異なるムライト管を内挿することが好ましいが、一次原料炭化水素ガスの流量や、キャリアーガスの流量を流量計13を用いて任意に変更することにより流速を制御してもよい。また、加熱炉17の内部は予め真空ポンプ23等により脱酸素しておくことが好ましい。
図3に示すように、加熱炉17の外側には、外熱加熱用の熱発生源18を設置して、加熱炉17内に所望の熱を供給することが好ましい。外熱方式としては、高周波誘導加熱方式や、電熱加熱方式、更には燃焼ガスを流通する方式を適用することができる。
本発明の方法においては、一次原料炭化水素ガスを、一次原料炭化水素ガス濃度が30〜100vol%、一次原料炭化水素ガスの供給線速度が0.02〜4.0m/sec、雰囲気温度が900〜1200℃になるように、加熱し、熱分解して、一次炭素球を析出させることが好ましい。
このとき、図3に示すように、加熱炉17の上流部である一次炭素球析出部に一次原料炭化水素ガスを導入し、熱分解して、一次炭素球を析出させることが好ましい。一次原料炭化水素ガス濃度は50〜100vol%であることが好ましく、70〜100%であることがより好ましい。一次原料炭化水素ガスの供給線速度は0.02〜2.0m/secであることが好ましく、0.02〜1.0m/secであることがより好ましい。また、一次原料炭化水素ガスを熱分解する雰囲気温度は950〜1100℃であることが好ましく、1000〜1100℃であることがより好ましい。
一次原料炭化水素ガス濃度30vol%を下回る場合には一次原料炭化水素ガスが不足する為に析出する炭素球が微粒化し易くなる。また、一次原料炭化水素ガス供給線速度が0.02m/secを下回ると、反応管壁への中間生成物の付着が顕著となって経路閉塞を引き起こし易くなり、4.0m/secを上回ると、一次原料ガスの充分な滞留時間が得られず、その結果熱分解物中の中間生成物量が多くなり、ガスの流れが不均一化して得られる一次炭素球の粒度分布もブロード化してしまう。さらに、一次原料炭化水素ガスを熱分解する雰囲気温度が900℃を下回る場合には一次原料炭化水素ガスの熱分解反応が充分に進行しないため一次炭素球が得られず、1200℃を上回ると熱分解反応の進行が速すぎるので、微粒化しやすくなる。
次いで、得られた一次炭素球と、二次原料炭化水素ガスとを接触させた状態で熱分解することにより複合炭素球を析出させる。
この際、雰囲気温度を900〜1200℃、二次原料炭化水素ガスの滞留時間が1〜20秒間になるように制御して実施することが好ましい。二次原料炭化水素ガスを熱分解する雰囲気温度は950〜1100℃であることがより好ましく、1000〜1100℃であることがより好ましい。二次原料炭化水素ガスの滞留時間は1.0〜8.0秒間であることが好ましく、2.0〜5.0秒間であることがより好ましい。
雰囲気温度が900℃を下回る場合は、二次原料炭化水素ガスの熱分解が充分に進まないので複合炭素球を析出させることが出来ず、1200℃を超えると熱分解反応の進行が早いので析出した炭素球が微粒化しやすくなる。
二次原料炭化水素ガスとしては、上述した一次原料炭化水素ガスと同様のものを挙げることができ、二次原料炭化水素ガスをキャリアーガスと共に供給することができる点、二次原料炭化水素ガスの供給濃度等についても一次原料炭化水素ガスを供給する場合と同様である。
図3に示すように、二次原料炭化水素ガスは、加熱炉17に設けられた二次原料ガス導入口19から、反応炉17の中流部である複合炭素球析出部に供給して、上流部で生成した一次炭素球と接触させ、熱分解して、複合炭素球を析出することが好ましい。このとき、加熱炉17内の温度は熱電対または放射温度計で検出して温度検出器20で所定温度に制御したり、加熱炉17内への二次原料炭化水素ガスの供給速度を変化させることにより、二次原料炭化水素ガスの滞留時間を調整することが好ましい。上記複合炭素球の生成条件を制御することにより、得られる炭素微小球のストークスモード粒子径Dstを制御することができる。
一次炭素球と、二次原料炭化水素ガスとを接触させ、熱分解することにより得られた複合炭素球は、2000℃以上の温度で熱処理することにより、炭素微小球を得ることができる。上記熱処理温度は2000〜3000℃であることが好ましく、2500〜3000℃であることがより好ましい。上記熱処理温度が2000℃を下回ると、炭素球表面の凹状化が十分に進行せず、所望効果を得ることができなくなる。
図3に示すように、加熱炉17の下流部に設けられた加熱域において、2000℃以上に加熱することにより、炭素微小球を得ることができる。上記加熱処理温度を制御することにより、結晶子サイズLaを制御することができる。すなわち、上記熱処理温度を上げると、アモルファス状態から黒鉛結晶化状態への状態変化が進み易くなって、結晶子サイズであるLa値が大きくなり、La/Dstを制御することも可能になる。
加熱炉17で得られた炭素微小球は、その他の分解ガスとともに冷却管21で冷却された後、捕集室24で分離捕集され、その他の分解ガスは水槽25を経由して燃焼装置26で完全燃焼された後、系外に排出される。
このように、本発明の方法においては、一次炭素球同士を接触、衝突させることにより、ストークスモード粒子径Dstが500nm以上である巨大粒子を得ることができ、衝突時に生じる格子歪により、得られる炭素微小球にPC系電解液中での安定性を付与することができる。また、一次粒子が接触、衝突してなる複合炭素球を2000℃以上の高温度で熱処理することにより、黒鉛化度を向上させてリチウム電池の充放電効率を向上することができる。
次に、本発明のリチウム二次電池について説明する。
本発明のリチウム二次電池は、本発明のリチウム二次電池用負極材からなる負極を有することを特徴とするものである。
本発明のリチウム二次電池は、上記負極材とともに、通常、正極及び電解液を有している。
上記正極は、通常、正極集電体上に正極活物質、導電剤及び極板成形用バインダーを含有する活物質層を形成してなるものであり、活物質層は、正極活物質、導電剤及び極板成形用バインダーを含有するスラリーを調製し、これを集電体上に塗布、乾燥することにより作製することができる。
正極活物質としては、例えば、リチウムコバルト酸化物、リチウムニッケル酸化物、リチウムマンガン酸化物等のリチウム遷移金属複合酸化物材料や、二酸化マンガン等の遷移金属酸化物材料や、フッ化黒鉛等の炭素質材料等、リチウムを吸蔵・放出可能な材料を使用することができる。
上記電解液としては、非水系溶媒に溶質を溶解した非水系電解液が好ましく、非水系電解液を構成する溶質としては、アルカリ金属塩や4級アンモニウム塩等を挙げることができ、具体的には、例えば、LiClO、LiPF、LiBF、LiCFSO、LiN(CFSO、LiN(CFCFSO、LiN(CFSO)(CSO)、LiC(CFSOから選ばれる1種以上を挙げることができる。また、非水系電解液を構成する非水系溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等の環状カーボネートや、γ−ブチロラクトン等の環状エステル化合物、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジメチルカーボネート等の鎖状カーボネートから選ばれる1種以上を挙げることができる。
電解液中の溶質の含有量は、0.2mol/L以上が好ましく、特に0.5mol/L以上が好ましく、2mol/L以下が好ましく、特に1.5mol/L以下であることが好ましい。
また、正極と負極との間には、通常、正極と負極が物理的に接触しないようにするためにセパレータが設けられる。セパレータはイオン透過性が高く、電気抵抗が低いものであるのが好ましい。セパレータの材質及び形状は、特に限定されないが、電解液に対して安定で、保液性が優れたものが好ましい。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンを原料とする多孔性シート又は不織布が挙げられる。
本発明のリチウム二次電池の形状は特に制限されず、例えば、シート電極及びセパレータをスパイラル状にしたシリンダー形状、ペレット電極 及びセパレータを組み合わせたインサイドアウト構造のシリンダー形状、ペレット電極及びセパレータを積層したコイン形状等を挙げることができる。
以下、本発明の実施例を比較例と対比して詳細に説明する。
(実施例1)リチウム二次電池用負極材の製造例
図3に示す装置構成を有する熱分解装置を用いてリチウム二次電池用負極材を作製した。
(一次炭素球析出工程)
先ず、ガスボンベ11から、一次原料炭化水素ガスであるプロパンガスを、一次原料炭化水素ガス濃度100vol%、ガス供給速度0.05m/secで加熱炉17の上流部(一次炭素球析出部)に供給した。
加熱炉17は、内径145mm、長さ1500mmの不透明石英管からなり、内部に、反応管径が異なるムライト管を内挿してなるものであり、予め内部を真空ポンプ23により脱酸素してなるものである。
図3に示すように、加熱炉17の外側に設けた外熱加熱用の熱発生源18により、加熱炉17の上流部(一次炭素球析出部)に供給した一次原料炭化水素ガス(プロパンガス)を1200℃の温度雰囲気下で加熱し、熱分解して、一次炭素球を析出させた。
(複合炭素球析出工程)
次いで、加熱炉17の中流部(複合炭素球析出部)に二次原料ガス導入口19を介して二次原料ガスであるプロパンガスを、二次原料ガス濃度100vol%、炉内における滞留時間が10秒間になるように供給し、1000℃の温度雰囲気下で一次炭素球と接触、衝突させることにより、複合炭素球を得た。
(炭素微小球生成工程)
得られた複合炭素球は、加熱炉17の下流部(炭素微小球生成部)において2800℃で加熱されることにより、所望の炭素微小球を得た。
加熱路17で得られた炭素微小球を、その他の分解ガスとともに冷却管21で冷却した後、捕集室24で分離捕集することにより、リチウム二次電池用負極材を得た。
得られた炭素微粒子のSEM写真を図4に示す。図4に示すように、得られた炭素微粒子は、表面に複数の稜線状ひだ部が伸長することにより、多角形状の開口部を有する凹部が形成されてなるものであった。この凹部の最大深さは100nm、開口部直径は400nmであった。
上記炭素微小球のストークスモード粒子径Dstおよび結晶子サイズLaを以下の方法で測定した。X線回折法により測定した結晶子格子面間隔(d002 )とともに、結果を表2に示す。
(ストークスモード粒子径Dstの測定方法)
得られた炭素微小球を乾燥させた後、少量の界面活性剤を含む20容量%エタノール水溶液と混合して炭素濃度0.1kg/m3 の分散液を作成し、これを超音波で十分に分散して測定試料とする。この測定試料を回転数100s−1に設定したディスクセントリフュージ装置(英国JoyesLobel社製)に設置し、スピン液(2重量%グリセリン水溶液、25℃)を0.015dm加えた後、0.001dmのバッファー液(20容量%エタノール水溶液、25℃)を注入した。次いで、温度25℃の炭素分散液0.0005dmを注射器で加えた後、遠心沈降を開始し、同時に記録計を作動させることにより分布曲線(横軸;炭素分散液を注射器で加えてからの経過時間、縦軸;炭素試料の遠心沈降に伴い変化した特定点での吸光度)を作成し、この分布曲線により各時間Tを取り、次式に代入して各時間に対応するストークス相当径を算出した。
(ただし、上式において、ηはスピン液の粘度(0.935×10−3Pa・S)、Nはディスク回転スピード(100s−1)、rは分散液注入点の半径(0.0456m)、rは吸光度測定点までの半径(0.0482m)、ρCBは炭素の密度(kg/m)、ρはスピン液の密度(1.00178kg/m)である。)
このようにして得られたストークス相当径と吸光度の分布曲線における最大頻度のストークス相当径をストークスモード粒子径Dst(nm)とした。
(結晶子サイズLaの測定方法)
得られた炭素微小球を、X線回折法により、グラファイトモノクロメータで単色化したCuKα線を用い、反射式ディフラクトメータ法によって広角X線回折曲線を測定し、学振法により求めた。
(実施例2〜実施例5)リチウム二次電池用負極材の製造例
一次炭素球析出工程における雰囲気温度、一次原料炭化水素ガス供給速度および一次原料炭化水素ガス濃度と、複合炭素析出工程における雰囲気温度および滞留時間と、炭素微小球生成工程における加熱処理温度を表1に記載の通り変更した以外は、実施例1と同様にして炭素微小球を作製し、リチウム二次電池用負極材とした。なお、実施例4においては、一次炭素球析出工程においてキャリアーガスとして窒素ガスを使用した。
得られた炭素微粒子をSEM写真で確認したところ、表面に複数の稜線状ひだ部が伸長することにより、多角形状の開口部を有する凹部が形成されてなるものであることを確認できた。実施例4で得られた炭素微粒子のSEM写真を図5に示す。
上記各炭素微小球のストークスモード粒子径Dstおよび結晶子サイズLaを実施例1と同様の方法により測定した。X線回折法により測定した結晶子格子面間隔(d002 )とともに、結果を表2に示す。
(比較例1)リチウム二次電池用負極材の比較製造例
図3に示した装置により、一次原料炭化水素ガスにプロパンガスを、キャリアーガスに窒素ガスを用いて、一次炭素球析出工程における雰囲気温度を1250℃に、原料ガス濃度を30vol%に、炉内を通過するプロパンガスの線速度を0.12m/secに設定して2時間熱分解して一次炭素微小球を作製した後、複合酸素析出工程を行わなかった以外は、実施例1と同様にして炭素微小球を作製した。
得られた炭素微小球の上記炭素微小球のストークスモード粒子径Dstおよび結晶子サイズLaを実施例1と同様の方法により測定した。X線回折法により測定した結晶子格子面間隔(d002)とともに、結果を表2に示す。
(比較例2)リチウム二次電池用負極材の比較製造例
市販の天然黒鉛(中越黒鉛工業所社製、BF10A)を粒度調整した粉末を用いて、ストークスモード粒子径Dstおよび結晶子サイズLaを実施例1と同様の方法により測定した。X線回折法により測定した結晶子格子面間隔(d002)とともに、結果を表2に示す。
(比較例3)リチウム二次電池用負極材の比較製造例
一次炭素球析出工程における雰囲気温度、複合炭素析出工程における雰囲気温度と滞留時間を表1に記載のとおり変更し、炭素微小球生成工程における加熱処理温度を本発明の方法の範囲外である1900℃に変更した以外は、実施例1と同様にして炭素微小球を作製し、リチウム二次電池用負極材とした。
作製した炭素微小球の上記炭素微小球のストークスモード粒子径Dstおよび結晶子サイズLaを実施例1と同様の方法により測定した。X線回折法により測定した結晶子格子面間隔(d002)とともに、結果を表2に示す。
(比較例4)リチウム二次電池用負極材の比較製造例
市販のカーボンブラック(東海カーボン社製、シーストTA)を2600℃で加熱処理し、粒度調整した粉末を用いて、ストークスモード粒子径Dstおよび結晶子サイズLaを実施例1と同様の方法により測定した。X線回折法により測定した結晶子格子面間隔(d002)とともに、結果を表2に示す。
(実施例6〜実施例10)リチウム二次電池の製造例
(1)負極の作製
実施例1〜実施例5で得られた各炭素微小球に対し、N−メチルー2−ピロリドンに溶解したポリフッ化ビニリデン(PVDF)を固形分で10重量%加え、混練して炭素ペーストを作成した。このペーストを厚さ18μmの圧延銅箔に塗布し、乾燥した後、ロールプレスでプレスした。このシートから直径約16mmの円形に切り出したものを負極電極とした。
(2)正極の作製
正極材としてコバルト酸リチウム(LiCoO)を用い、コバルト酸リチウム(LiCoO)粉末にポリフッ化ビニリデン粉末を5重量%、導電剤(ケッチェンブラックEC)を5重量%加え、N−メチルピロリドンを用いて混合してスラリーを調製し、アルミ箔の上に均一に塗布、乾燥することにより電極シートを作成した。このシートから直径約16mmの円形に切り出したものを正極電極とした。
(3)電池の作製
上記した負極電極および正極電極を用い、電解液としてエチレンカーボネートとジメチルカーボネートの混合溶媒(体積比1:1混合)にLiPF6 を1モル/リットルの濃度で溶解したものを用い、セパレーターとしてポリプロピレンの不織布を用いて簡易型コイン形状電池 を作成した。
(4)初期効率、可逆容量、レート特性の評価
上記(1)と同様にして作製した各負極を用いて、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートを1:1で混合したものを電解液溶媒とし、金属リチウムを正極としてリチウムイオン二次電池を作製し、充放電サイクル試験を実施して、以下の手法により、初期効率、放電容量、レート特性を測定した。結果を表2に示す。
<初期効率>
リチウム参照極に対して0.002Vまで一定電流で充電した後、1.2Vまで一定電流で放電させ、初回の充電電気量と放電電気量を測定して、下記式により求めた。
初期効率(%)=(初回の放電電気量/初回の充電電気量)×100
<放電容量>
同条件で充放電を繰り返し行い、3サイクル目の放電できた電気量から可逆容量を
可逆容量(mAh/g)=3サイクル目の放電電気量として算出して、これを放電容量とした。
<レート特性>
放電容量100mAh/gを下限として、二次電池としての充放電能力を維持できる最小の充放電サイクル時間でレート特性(min)を評価した。
(5)プロピレンカーボネート系電解液に対する耐性
上記(1)と同様にして作製した各負極を用いて、プロピレンカーボネート系電解液を電解液とし、金属リチウムを正極としてリチウムイオン二次電池を作製し、以下の手法により、プロピレンカーボネート系電解液に対する耐性を測定した。結果を表2に示す。
<三極式のテストセルの作製>
炭素微小球に、N−メチル−2−ピロリドンに溶解したポリフッ化ビニリデン(PVDF)を固形分で20重量%加え、混練して炭素ペーストを作製し、この炭素ペーストを厚さ18μmの圧延銅箔に塗布し、乾燥した後、ロールプレスでプレスした。このシートから直径約16mmの円形に切り出して負極とし、金属リチウムを正極および参照極、1M LiClO/プロピレンカーボネートを電解液とする三極式のテストセルを作製した。
この三極式テストセルでサイクリックボルタモグラムを測定して 安定した充放電サイクルが得られるかを評価することで、プロピレンカーボネート系電解液に対する耐久性を測定した。結果を表2に示す。
なお、表2においては、各実施例で用いた炭素微小球に対応するように、実施例6〜実施例10で得られた結果を、実施例1〜実施例5の欄に記載している。
(比較例5〜比較例8) 比較リチウム二次電池の製造例
比較例1〜比較例4で用いたものと同様の材料を用いて、実施例4〜実施例6と同様にして電池を作製し、初期効率、可逆容量、レート特性、プロピレンカーボネート系電解液に対する耐性を評価した。結果を表2に示す。
なお、表2においては、各比較例例で用いた炭素微小球に対応するように、比較例5〜比較例8で得られた結果を、比較例1〜比較例4の欄に記載している。
*安定な充放電サイクルが得られたものを「○」評価とし、充放電サイクルが安定せず、黒鉛層の剥離が観察されたものを「×」評価とした。
実施例1〜実施例10および比較例1〜比較例8の結果を対比することにより、本件発明においては、リチウム二次電池用負極材として、複数の稜線状ひだ部が連続して伸長して多角形状開口部を有する凹部が表面に複数設けられてなるという、特定の表面形状を有し、ディスクセントリフュージ装置により測定したストークスモード粒子径Dstが500nm以上で、Dstに対するX線回折法により測定した結晶子サイズLaの比La/Dstが0.04以上である炭素微小球により構成することにより、PC系電解液中で安定であり、かつ、放電効率、電池容量、リチウムイオンのドープ・アンドープ速度により優れたリチウム二次電池を提供し得ることが分かる。
本発明のリチウム二次電池用負極材を構成する炭素微小球の1例を示す図である。 ストークス相当径と吸光度の分布曲線を示す図である。 本発明のリチウム二次電池用負極材を構成する炭素微小球の製造方法を実施するための装置の全体構成を例示した図である。 本発明の実施例で得られた炭素微小球のSEM写真である。 本発明の実施例で得られた炭素微小球のSEM写真である。
符号の説明
11 原料ガスボンベ
12 キャリアガスボンベ
13 流量計
14 原料タンク
16 圧力計
17 加熱炉
15、18 ヒータ
20 温度調節器
21 冷却管
22 バルブ
24 捕集室
23 真空ポンプ
25 水槽
26 燃焼装置

Claims (6)

  1. 複数の稜線状ひだ部が連続して伸長することにより多角形状開口部を有する凹部が表面に複数設けられてなり、
    ディスクセントリフュージ装置により測定したストークスモード粒子径Dstが500nm以上、
    前記Dstに対するX線回折法により測定した結晶子サイズLaの比La/Dstが0.04以上である炭素微小球
    からなることを特徴とするリチウム二次電池用負極材。
  2. 前記多角形状開口部を構成する角部の少なくとも一部が三本の稜線状ひだ部により構成されてなる請求項1に記載のリチウム二次電池用負極材。
  3. 前記凹部の最大深さが10〜200nmである請求項1または請求項2に記載のリチウム二次電池用負極材。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載のリチウム二次電池用負極材の製造方法であって、
    一次原料炭化水素ガスを熱分解して一次炭素球を析出させる一次炭素球析出工程と、
    前記一次炭素球と二次原料炭化水素ガスとを接触させた状態で熱分解することにより複合炭素球を析出させる複合炭素球析出工程と、
    前記複合炭素球を2000℃以上の温度で熱処理して炭素微小球を得る炭素微小球生成工程と
    を含むことを特徴とするリチウム二次電池用負極材の製造方法。
  5. 前記一次炭素球析出工程が、一次原料炭化水素のガス濃度30〜100vol%、一次原料炭化水素のガス供給線速度0.02〜4.0m/sec、雰囲気温度900〜1200℃の条件下で実施され、
    前記複合炭素球析出工程が、雰囲気温度900〜1200℃、二次原料炭化水素ガスの滞留時間1〜20秒間となるように実施される
    請求項4に記載のリチウム二次電池用負極材の製造方法。
  6. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載のリチウム二次電池用負極材からなる負極を有することを特徴とするリチウム二次電池。
JP2008283589A 2008-11-04 2008-11-04 リチウム二次電池用負極材、その製造方法およびリチウム二次電池 Expired - Fee Related JP5386666B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008283589A JP5386666B2 (ja) 2008-11-04 2008-11-04 リチウム二次電池用負極材、その製造方法およびリチウム二次電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008283589A JP5386666B2 (ja) 2008-11-04 2008-11-04 リチウム二次電池用負極材、その製造方法およびリチウム二次電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010113851A JP2010113851A (ja) 2010-05-20
JP5386666B2 true JP5386666B2 (ja) 2014-01-15

Family

ID=42302273

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008283589A Expired - Fee Related JP5386666B2 (ja) 2008-11-04 2008-11-04 リチウム二次電池用負極材、その製造方法およびリチウム二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5386666B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6204004B2 (ja) * 2011-08-31 2017-09-27 株式会社半導体エネルギー研究所 二次電池の作製方法
CN112071663B (zh) * 2020-09-14 2021-12-17 湖南明正磊峰石墨有限公司 一种纳米碳球电极材料的制备方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2991884B2 (ja) * 1993-02-16 1999-12-20 シャープ株式会社 非水系二次電池
CA2324431A1 (fr) * 2000-10-25 2002-04-25 Hydro-Quebec Nouveau procede d'obtention de particule du graphite naturel sous forme spherique: modelisation et application
JP3635044B2 (ja) * 2001-06-08 2005-03-30 三井鉱山株式会社 リチウム二次電池用負極材料、その製造方法、及びリチウム二次電池
JP4518241B2 (ja) * 2004-02-26 2010-08-04 東海カーボン株式会社 リチウム二次電池用負極材およびその製造方法
JP2007220622A (ja) * 2006-02-20 2007-08-30 Kansai Coke & Chem Co Ltd リチウムイオン二次電池用負極材料およびその製造方法
JP5057267B2 (ja) * 2006-05-12 2012-10-24 東海カーボン株式会社 リチウム二次電池用負極材

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010113851A (ja) 2010-05-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6683213B2 (ja) リチウムイオン二次電池用負極材料、リチウムイオン二次電池用負極及びリチウムイオン二次電池
JP6466635B2 (ja) 非水電解質二次電池用負極の製造方法及び非水電解質二次電池の製造方法
JP6138960B2 (ja) 負極活物質及びこの製造方法
TWI430945B (zh) Graphite materials, battery electrodes with carbon materials and batteries
CN110612626B (zh) 锂离子二次电池用负极材料及其制造方法、锂离子二次电池用负极及锂离子二次电池
JP6256346B2 (ja) リチウムイオン二次電池用負極材料、リチウムイオン二次電池用負極及びリチウムイオン二次電池
EP2648249A1 (en) Negative active material, lithium battery including the material, and method for manufacturing the material
JPH06243867A (ja) 非水系二次電池
WO2007086603A1 (ja) リチウムイオン二次電池用負極材とその製造方法
KR20160128445A (ko) 리튬이온전지 음극소재 및 그 제조방법과 리튬이온전지
JP6615431B2 (ja) リチウムイオン二次電池用負極材料、リチウムイオン二次電池用負極及びリチウムイオン二次電池
JP5844048B2 (ja) 非水電解質二次電池
JP2015072809A (ja) 珪素含有材料並びに非水電解質二次電池用負極及び非水電解質二次電池並びにそれらの製造方法
WO2019220576A1 (ja) リチウムイオン二次電池用負極材、リチウムイオン二次電池用負極材の製造方法、リチウムイオン二次電池用負極及びリチウムイオン二次電池
KR20200110755A (ko) 리튬 이온 이차 전지용 음극 활물질, 리튬 이온 이차 전지용 음극 및 리튬 이온 이차 전지
JP2011060467A (ja) リチウムイオン二次電池用負極材料およびその製造方法
JP5386666B2 (ja) リチウム二次電池用負極材、その製造方法およびリチウム二次電池
CN108832183B (zh) 一种锂离子电池制备方法
JP5057267B2 (ja) リチウム二次電池用負極材
JP2009176603A (ja) リチウムイオン二次電池負極材用の炭素微小球粉末及びその製造方法
JP7159839B2 (ja) リチウムイオン二次電池用負極活物質、リチウムイオン二次電池用負極及びリチウムイオン二次電池
KR101377366B1 (ko) 리튬 2차 전지용 음극재
JP2005019096A (ja) 非水系2次電池
TWI398981B (zh) Lithium secondary battery anode material
JP2016181405A (ja) 非水電解質二次電池負極用複合難黒鉛化性炭素質材料及び非水電解質二次電池負極用複合難黒鉛化性炭素質材料の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111003

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130621

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130626

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130702

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5386666

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees