JP5385523B2 - 分離膜モジュールの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、分離膜モジュールの製造方法に関し、詳細には、上下水、電子工業、食品工業、飲料工業、医薬品工業、発酵工業、光学工業、医療、精密工業等で使用される流体に対して行われる逆浸透、限外濾過、精密濾過、気体分離等の流体処理に適した分離膜モジュールの製造方法に関する。
上述したような用途で使用される分離膜モジュールとして、中空糸膜を数十本〜数万本束ねた中空糸膜束が筒状ケースに収納され、この中空糸膜の少なくとも一端が固定用樹脂でケースに固定されているものがある。
このような中空糸膜モジュールの製造方法としては、例えば、筒状ケースに中空糸膜束を収納した後、筒状ケースの端部にキャップ状の注型を装着し、注型内に固定用樹脂を注入して中空糸膜束端部を接着固定する製造方法が知られている(特許文献1参照)。
しかし、このような製造方法では、注型は筒状ケースに単に嵌め合わされているだけであり、注型は筒状ケースにしっかりと押圧固定されていなかった。そのため、固定用樹脂の注入時に、樹脂圧等で筒状ケースがぐらついて不安定となり、筒状ケースと注型の接合面のシール性が損なわれ、その結果、固定用樹脂が、筒状ケースと注型の接続部分から漏れ出すなどの不具合が生じていた。
一方、注型の内側に、固定用樹脂に対して離型性を有する材料からなるカップ状容器を装着しておき、このカップ状容器に固定用樹脂を注入して硬化させ、硬化後に前記注型を取り外す工程を含むことを特徴とする中空糸膜モジュールの製造方法が開示されている(特許文献2参照)。この方法では、Vバンドやボルトなどを用いて、注型が筒状ケースに固定される。
特開平06−55041号公報 特開2007−144389号公報
しかしながら、特許文献2の方法では、注型キャップの離型性は改善されているものの、筒状ケース、注型等の接合面のシール性が十分とは言えず、これらの接合面から固定用樹脂が漏れ出すなどの不具合は解消されていなかった。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、固定樹脂が接合面から漏れ出す不具合を解消することができる分離膜モジュールの製造方法を提供することを目的とする。
本発明によれば、
複数の分離膜が束ねられた分離膜束を備えた分離膜モジュールの製造方法であって、
前記分離膜束を筒状ケースに収容するステップ、
前記筒状ケースの一端部に弾性素材からなるカップ状の注型を配置するステップと、
前記注型を前記筒状ケースの一端部に押圧固定するステップと、
前記注型を前記筒状ケースの一端部に押圧固定した状態で、前記注型内に前記固定用樹脂を前記注型の側壁に形成された樹脂注入口から樹脂流入部に注入し、さらに、前記固定用樹脂を樹脂流入部の下流に設けられた枝分かれした樹脂流路を通して分散させ、前記分離膜束の一端部と前記筒状ケースの一端部を接着固定するステップと、を備えている、
前記筒状ケースの一端部の外周に第1のねじ部が設けられ、
前記注型に段部が設けられ、
前記押圧固定が、一端側内周に前記第1のねじ部に螺合可能な第2のねじ部を有するとともに他端側に前記段部に係合可能な突出部が設けられた筒状の押圧固定部材を、前記突出部を前記注型の段部に係合させた状態で前記第2のねじ部を前記筒状ケースの第1のねじ部にねじ込んで、前記注型を筒状ケースに押圧することによって行われる、
ことを特徴とする分離膜モジュールの製造方法が提供される。
このような構成によれば、固定用樹脂の注入時には、筒状ケースの一端が弾性素材からなる注型に押圧固定されているので、筒状ケースと注型との接合面でのシールが確実に行われ、接合面から樹脂が漏れ出すことがない。
本発明の他の好ましい態様によれば、前記弾性素材が、ポリプロピレン、ポリエチレン、またはシリコ−ンゴムであり、前記固定用樹脂が、エポキシ樹脂、又はウレタン樹脂である。
本発明の他の好ましい態様によれば、前記固定用樹脂の注入手段が、遠心方法である。
本発明によれば、固定樹脂が接合面から漏れ出す不具合を解消することができる分離膜モジュールの製造方法を提供することできる。
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態の分離膜モジュールおよびその製造方法を詳細に説明する。
図1は本発明の好ましい実施形態の分離膜モジュール1の製造方法を説明する模式的な断面図である。図1では、複数回ループ状に折り返えされた中空糸からなる分離膜2が多数本(数十から数万本)束ねられた分離膜束4が、筒状ケース6に収容されている。
本実施形態の製造方法で製造される分離膜モジュール1では、分離膜束4は、中空糸膜の開口した一端側(下側)部分が固定用樹脂Rで筒状ケース6の一端側に保持固定され、分離膜のループ状に折り返された他端側が自由状態となるように、筒状ケース6に収容される。
その他の中空糸膜モジュール形状としては、両端部が固定用樹脂Rでケースに固定保持され、中空糸膜の一方が開口部を有する形状のモジュールや、両端部が固定用樹脂Rでケースに固定保持され、かつ中空糸膜の両端が開口部を有する形状のモジュールがある。
中空糸膜を開口する手段としては、予め端部が開口した中空糸膜を固定用樹脂Rにて固定保持する方法、端部をループ状に折り返したり、開口した端部から固定用樹脂Rが中空内に流入しないように封止したりした状態で固定用樹脂にて固定保持した後に、硬化した固定用樹脂Rを中空糸膜ごと切断して端部を開口させる方法等がある。
本実施形態では、分離膜2として中空糸が使用されるが、本発明においては、分離膜2の形状は特に限定されるものではなく、平膜、チューブ状膜など種々の公知の分離膜を適用することができる。分離膜2は、分離膜として使用可能なものであれば、その孔径、空孔率、膜厚、外形等に、特に制限はなく、これら寸法等は分離の対象となる物質によって適宜選択される。
分離膜(中空糸)2の材質は、特に限定されるものではないが、ポリスルフォン系樹脂、ポリアクリロニトリル、セルロース誘導体、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリフッ化ビニリデンやポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系樹脂、ポリアミド、ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリアクリレートなどが挙げられる。また、これらの樹脂の共重合体や一部に置換基を導入したものであっても良い。さらに、2種以上の樹脂からなるものであっても良い。
本発明では、分離膜束4は、両端が開口した直線状の分離膜1を複数本の束ねたものや、直線状の分離膜1を中間位置でU字状に折り返して結束したもの、折り返した分離膜1を折り返し部が分離膜束4の中心から外方へ放射状に延びるよう配置し断面噴水状のループを成すように結束したものなど、用途に応じて他の形態を採ることができる。
本実施形態では、筒状ケース6は、一端部の外周に雄螺子部8が形成された円筒形状を有している。しかしながら、筒状ケース6は、固定用樹脂を介して分離膜束4を固定し得るものであれば良く、例えば、他の断面(例えば矩形)形状の筒体であってもよい。また、必要に応じて、筒状ケース6には、突出部、貫通孔、螺子部、濾過水を集合するための集水管などが付設されていても良い。
筒状ケース6の材質としては、機械的強度および耐久性を有するものであればよく、例えばポリカーボネート、ポリスルフォン、ポリオレフィン、PVC(ポリ塩化ビニル)、アクリル樹脂、ABS樹脂、変性PPE(ポリフェニレンエーテル)等を用いることができるが、固定用樹脂との接着性が高いものが好ましい。なお、固定用樹脂との接着性が低い場合には、プライマー処理を施して使用することが好ましい。
筒状ケース6の一端には、固定用樹脂を筒状ケース6に導入し、固定用樹脂を成型硬化させる際の型としても機能する注型10が取付けられる。注型10は、筒状ケース6の一端側の開口を閉鎖が可能な、一端が閉鎖された円筒形状(カップ形状)を有している。本実施形態では、注型10は、環状の開口端面12が筒状ケース6の一端側の環状の開口端面14に当接し、筒状ケース6と注型10の内部空間を連通させて一体的な空間とし、この当接部が筒状ケース6との接合面となるような寸法形状を有している。また、この接合面での、シール性を向上させるため、注型10の開口端面12と、筒状ケース6の開口端面14とは平面形状とされている。
注型10は、弾性素材で形成されている。具体的には、注型6を構成する弾性素材は、固定用樹脂に対する離型性等を考慮して選択され、例えば、固定用樹脂がエポキシ樹脂、又はウレタン樹脂である場合には、ポリプロピレン、ポリエチレン、シリコ−ンゴム等が選択される。
注型10の弾性素材は、やわらかいほどシール性を発現し易いが、やわらかすぎると使用圧力範囲で変形して成型精度を損なう恐れがある。このため、注型10を構成する弾性素材の硬さは、想定される使用範囲において、デュロメータタイプAによる硬さA10〜90以下が好ましく、さらにA30〜70の範囲であることがさらに好ましい。
注型10は、開口端面12の軸線方向内方位置に、外方に向かって延びる環状フランジ部16を備え、環状フランジ部16が、軸線方向内方側面16aを有し径方向外方に延びる段部を形成している。
また、注型10には、筒状ケース6内に固定用樹脂を導入する樹脂注入路18が形成されている。樹脂注入路18は、注型10の側壁に形成され樹脂注入口として機能する開口20を備え、注型10の内部空間を外部に連通させている。
樹脂注入路18の開口20の位置は、固定用樹脂が注型6に注入される時、注入の妨げとならない範囲で適宜、選択されるが、本実施形態では、樹脂注入配管の取り回しを考慮し、注型10の側壁とされている。
また、樹脂流入路18から注入された固定用樹脂を、筒状ケース6の断面方向に均一に分散させるため、樹脂流入部18の下流に十字状、放射状、枝岐状などに枝分かれした樹脂流路22が設けられている。
本実施形態では、分離膜モジュール1の製造時には、注型10が、筒状の押圧固定部材24によって、筒状ケース6の一端に押圧固定される。押圧固定部材24は、一端側の内周面に、筒状ケース6の雄螺子部8に螺合可能な雌螺子部26が形成されている。また、押圧固定部材24の他端側には、中方10の環状フランジ部16によって構成される径方向外方に延びる段部の軸線方向内方側面16aに軸線方向に係合可能な、内方に向かって延びる環状フランジ28が形成されている。
押圧固定部材24は、製造中に固定用樹脂と接触することが無いため、押圧固定部材24の材料は離型性の良い素材である必要は無く、機械的強度および耐久性を有するものであれば良い。例えば、ポリカーボネート、ポリスルフォン、ポリオレフィン、PVC(ポリ塩化ビニル)、アクリル樹脂、ABS樹脂、変性PPE(ポリフェニレンエーテル)等が用いられる。
押圧固定部材24の外周面には、グリップ加工、若しくはローレット加工などの滑り止め加工を施すのが好ましい。
図1は、このような構成を有する押圧固定部材24を、環状フランジ28を注型10の段部16に軸線方向外方から係合させた状態で、雌螺子部26を筒状ケース6の雄螺子部8にねじ込み、押圧固定部材24の環状フランジ28によって注型10の段部16aを筒状ケース6の開口端方向に押圧している状態を示している。
上述したように、本実施形態では、注型10は、開口端面12が筒状ケース6の一端側の開口端面14に当接し、筒状ケース6との接合面をするような寸法形状を有し、さらに、注型10の開口端面12と、筒状ケース6の開口端面14とは、平坦面とされているので、押圧固定部材24を筒状ケース6にねじ込んで注型10を筒状ケース6の開口端に押圧することによって、筒状ケース6と注型10の接合面に均一かつ十分な接合応力をかけられ、この接合面において確実にシール性を得ることができる。
尚、本実施形態では、筒状ケース6の外周の雄螺子部8は、製造された分離膜モジュールを組立体として使用する際に固定用の螺子部として利用される。
本実施形態の分離膜モジュールの製造方法においては、このように押圧固定部材24によって、弾性素材で形成された注型10を筒状ケース6の開口端に押圧固定した状態で、固定用樹脂Rを注型10の樹脂注入口20から筒状ケース6の内部空間の一端側に注入し、束ねられた分離膜2を相互に、また分離膜束4と筒状ケース6とを接着固定する。
ここで押圧固定とは、筒状ケース6と弾性素材からなる注型10が、接合面でシール性を有して相互に固定されている状態をいう。
固定用樹脂Rは、分離膜束4を筒状ケース6に固定するとともに、処理原水と濾過液を液密に仕切る部材としても機能するので、被処理液に対する耐久性が必要とされる。たとえば、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、エポキシアクリレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコン樹脂等から適宜選定される。特に、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂が、分離膜束を封止する観点からは好ましい。
また、硬化前の固定用樹脂Rの粘度も、特に限定はされない。しかしながら、複数の分離膜間への含浸し易さから、硬化前の固定用樹脂Rの粘度は、基本的には低いことが好ましいが、粘度が低すぎると、分離膜内部へ浸透し内部閉塞を引き起こす可能性があるため、200〜5000mPa・s程度が好ましく、500〜3000mPa・s程度がより好ましい。
固定用樹脂Rにガラスファイバ、カーボンフィバー等の繊維状物、カーボンブラック、アルミナ、シリカ等の微粉体を含有させ、固定用樹脂Rの硬化収縮や強度を改善してもよい。
次に、本発明の好ましい実施形態の分離膜モジュールの製造方法を具体的に説明する。
先ず、中空糸膜からなる分離膜2をU字状に折り返して束ねて分離膜束4を形成し、この中空糸を筒状ケース6に収容する。
分離膜束4は、単に分離膜2を一定の膜長に加工して引き揃えて束ねたものでも良いが、中空糸膜からなる分離膜を複数回折り返して束ねて、折り返し部分を経糸にて結束し、シート状の中空糸膜編織物を用いることが好ましい。
このシート状の中空糸膜編織物を丸めて筒状ケースに挿入することで、中空糸膜の取扱い性が良く、筒状ケース内に中空糸膜を高密度に、かつ均一に保持することが出来る。また、経糸により中空糸膜が一体のシート状の編織物となっているため、筒状ケース内部において、中空糸膜の繊維軸方向にばらつきが生じることが無く、注型10の底部に樹脂流路22を設けた場合でも、均一に樹脂固定することが出来る。
次いで、押圧固定部材24を、環状フランジ28を注型10の段部16に軸線方向外方から係合させた状態で、筒状ケース6の一端側に配置し、次いで、雌螺子部26を筒状ケース6の雄螺子部8に所定量、ねじ込み、押圧固定部材24の環状フランジ28によって注型10の段部16aを筒状ケース6の開口端に押しつけ、注型10を筒状ケース6の開口端に所定の力(接合応力)で押圧固定する。この接合応力は、固定用樹脂10の注入条件下において、筒状ケース6と注型10の間のシール性を保持可能な強さとされる。
さらに、注型10を筒状ケース6の開口端に押圧固定した状態で、樹脂注入路18を通して注型10、さらに筒状ケース6の一端側部分内に固定用樹脂Rを注入し、分離膜束4の一端部と筒状ケース6の一端部を接着固定する。
固定用樹脂Rの注入手段は、樹脂の自重を利用して注入する方法、固定用樹脂Rに遠心力を付与して注入する遠心注入法、ギアポンプ等を用いて固定用樹脂Rを加圧注入する加圧注入法等から適宜選択される。
固定用樹脂Rが硬化した後は、必要に応じて、固定保持された中空糸膜を含む固定用樹脂Rを中空糸膜の繊維軸方向に直角に切断し、中空糸膜が開口させる。中空糸膜を開口する必要が無い場合は、注型10の樹脂成型部分の形状を変えることによって好みの形状に固定用樹脂Rを成型硬化させても良いし、固定用樹脂Rの硬化後に任意の形状に切断・加工しても良い。この時、固定用樹脂Rの硬度が高いと切断が困難になるため、完全硬化前に切断したり、完全硬化した樹脂を加温したりして樹脂硬度を低下させて切断することが好ましい。
注型10を、例えば金属や硬質のプラスチック素材で構成すると、十分なシール性が得られるだけの平面度を得るためには高度な加工精度が要求され、さらに、傷、変形、異物の付着を防止するため、注型10の管理に多大な労力が必要となる。また、金属や硬質のプラスチック素材からなる注型10では、筒状ケースとの接合面において十分なシール性を発揮する接合応力を加えることは通常困難であり、固定用樹脂Rの漏洩が常に問題であった。
しかしながら、上記実施形態では、注型10を弾性素材とすることで、注型10自身が筒状ケース6との接合面でシール材として機能するため、別途パッキン等の部材を使用する必要が無く、余分な接続面を増やすことなく筒状ケース6との接合面において容易に樹脂の漏洩を防ぐことが出来る。
また、弾性素材からなる注型10は、その弾性変形可能な範囲内で、固定用樹脂Rの硬化後に変形して離型が可能なことから、樹脂硬化後の形状にアンダーカット構造を採用することが可能であるという利点がある。
本発明の前記実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範囲内で種々の変更、変形が可能である。
上記実施形態では、押圧固定部材24は筒状の部材であったが、締結バンド、ボルト等を押圧固定部材として用いても良い。
本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
ポリエチレン多孔質中空糸膜(三菱レイヨン・エンジニアリング(株)製)をU字状に折り返して、結束し中空糸膜束を作製した。
次いで、外周部に螺子部を有するポリカーボネートからなる筒状ケースと、デュロメータタイプAによる硬さA40のシリコーンゴムにより作製した注型とを、前記螺子部と螺合する螺子部を有するポリカーボネートからなる押圧固定部材を用いて押圧固定した組立体を作製した。
その後、前述の編束を組立体に挿入し、注型の樹脂注入口に樹脂注入用チューブと樹脂ポットを連結して、該連結体を遠心ポッティング装置に設置した。樹脂注入ポットに固定用樹脂であるウレタン樹脂35gを装填し、遠心荷重30G、遠心温度45℃、遠心時間60分で注型へのウレタン樹脂の注入を行い、分離膜モジュールの製造を行った。
結果、筒状ケースと注型との接合面への樹脂漏れは一切無く分離膜モジュールを製造することが可能であった。また、ウレタン樹脂硬化後の注型の脱着作業も容易に行うことができた。
固定用ウレタン樹脂が硬化した後は、固定保持された中空糸膜を含む余分なウレタン樹脂硬化部を中空糸膜の繊維軸方向に直角に切断し、中空糸膜が開口させて、中空糸膜モジュールを得た。
(比較例1)
デュロメータタイプAによる硬さA40のシリコーンゴムからなる注型を、筒状ケースに単に嵌め合わせた点を除き、上記実施例と同一条件で分離膜モジュールの製造を行った。
この結果、筒状ケースと注型との接合面に固定用樹脂が漏れて付着しており、付着した樹脂を除去する作業が必要であった。
(比較例2)
デュロメータタイプDによる硬さD60のポリプロピレンからなる螺子部を有する注型を、筒状ケースに螺着する固定方法にした点を除き、上記実施例と同一条件で、分離膜モジュールの製造を行った。
結果、遠心による樹脂注入して硬化した後に、筒状ケースと注型との接合面に樹脂が漏れて付着しており、付着した樹脂を除去する必要があった。また、螺着したポリプロピレンからなる注型の内壁部に固定用樹脂が付着硬化しており、注型を取り外すことが極めて困難であった。
前述した実施例と比較例からも明らかなように、本発明を用いた分離膜モジュールの製造方法では、固定樹脂が接合面から漏れ出す不具合が一切無く、分離膜モジュールを製造することが可能であった。
また、注型の押圧固定方法として、筒状ケースに押圧固定部材をねじ込む構成を用いることで、螺子部への樹脂付着が無く、内面にシリコングリースやフッ素系離型剤を塗布する必要無く、固定用樹脂が硬化した後の注型の取り外しを極めて容易に行うことが可能であった。
本発明の好ましい実施形態の分離膜モジュール1の製造方法を説明する模式的な断面図である。
符号の説明
1:分離膜モジュール
2:分離膜
4:分離膜束
6:筒状ケース
8:雄螺子部
10:注型
12:(注型10)の開口端面
14:(筒状ケース6の)開口端面
16:環状フランジ部
24:押圧固定部材
26:雌螺子部
28:環状フランジ

Claims (3)

  1. 複数の分離膜が束ねられた分離膜束を備えた分離膜モジュールの製造方法であって、
    前記分離膜束を筒状ケースに収容するステップ、
    前記筒状ケースの一端部に弾性素材からなるカップ状の注型を配置するステップと、
    前記注型を前記筒状ケースの一端部に押圧固定するステップと、
    前記注型を前記筒状ケースの一端部に押圧固定した状態で、前記注型内に前記固定用樹脂を前記注型の側壁に形成された樹脂注入口から樹脂流入部に注入し、さらに、前記固定用樹脂を樹脂流入部の下流に設けられた枝分かれした樹脂流路を通して分散させ、前記分離膜束の一端部と前記筒状ケースの一端部を接着固定するステップと、を備えている、
    前記筒状ケースの一端部の外周に第1のねじ部が設けられ、
    前記注型に段部が設けられ、
    前記押圧固定が、一端側内周に前記第1のねじ部に螺合可能な第2のねじ部を有するとともに他端側に前記段部に係合可能な突出部が設けられた筒状の押圧固定部材を、前記突出部を前記注型の段部に係合させた状態で前記第2のねじ部を前記筒状ケースの第1のねじ部にねじ込んで、前記注型を筒状ケースに押圧することによって行われる、
    ことを特徴とする分離膜モジュールの製造方法。
  2. 前記弾性素材が、ポリプロピレン、ポリエチレン、またはシリコ−ンゴムであり、
    前記固定用樹脂が、エポキシ樹脂、又はウレタン樹脂である、
    請求項に記載の分離膜モジュールの製造方法。
  3. 前記固定用樹脂の注入手段が、遠心方法である、
    請求項1または2に記載の分離膜モジュールの製造方法。
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