JP2016041409A - 中空糸膜モジュール - Google Patents

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昌浩 熊澤
Masahiro Kumazawa
昌浩 熊澤
中松 修
Osamu Nakamatsu
修 中松
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Abstract

【課題】処理液入口ポートや処理液出口ポート、筒状の胴部、拡径端部から構成されるケーシング筒を成形するための金型構造を簡略化し、射出成形金型における成形品取り数を増やすことができ、環状弾性体が無くともシール性を確保した状態で組み立てられる、低コストなケーシング筒を備えた中空糸膜モジュールを提供する。【解決手段】ケーシング筒を筒状の胴部と処理液ポートを備えた拡径端部に分離し、拡径端部には糸束ガイド部を備えておき、筒状の胴部品と、拡径端部品とを液密に接合して中空糸膜モジュールを構成する。筒状の胴部品や拡径端部品、ヘッダー部材など液密に接合する手段としては、超音波溶着等の熱溶着手段を用いる。【選択図】 図1

Description

本発明は、人工透析、血液濾過に必要な血液処理器、浄水器、ガス分離膜等に用いられる中空糸膜モジュールおよびこれに用いられるケーシング筒に関するものである。
処理液を用いて、被処理液について物質の濾過、透析等を行う中空糸膜モジュールは、単位容積当たりの有効膜面積を大きくとれるため、これまで精密濾過、限外濾過等の水処理関係や、窒素、酸素、水素等のガス分離関係、薬品関係、バイオ関係等、多くの分野で使用されており、とりわけ、血液透析、血液濾過、血液透析濾過等の血液処理器(以下、ダイアライザーと称する)として好適に利用されている。以下、ダイアライザーを中心に詳しく説明する。
例えば図1に示すように、ダイアライザー1は、ケーシング筒2と、このケーシング筒2に内挿された中空糸膜束3と、この中空糸膜束3を各端部においてケーシング筒2の内壁に固定している隔壁4,5とを備え、ヘッダー部材6,7が、隔壁4,5の外側表面に形成された中空糸膜束3の中空部開口面8,9を包囲するように、ケーシング筒2の両端にそれぞれ取り付けられている。該ケーシング筒2は、筒状の胴部10と、一端部に処理液入口ポート11を備えた拡径端部12と、他端部に処理液出口ポート13を備えた拡径端部14とから構成されている。上述のヘッダー部材6には被処理液入口ポート15が備えられ、他端のヘッダー部材7には被処理液出口ポート16が備えられている。中空糸膜モジュールをダイアライザーとして用いる場合は、被処理液は血液であり、処理液は透析液である。
上述したようなダイアライザーに用いられるケーシング筒2は、筒状の胴部10と、一端部に処理液入口ポート11を備えた拡径端部12と、他端部に処理液出口ポート13を備えた拡径端部14とを射出成形によって一体で形成することが一般的であり、古くから広く知られている(例:特許文献1)。
ここで、ダイアライザーの製造工程において、中空糸膜束3をケーシング筒2に装填する際に、中空糸膜束3が乱れないように規制して案内する糸束ガイド部材(図示せず)を別に必要とする場合が多い。これを解消するために、ケーシング筒2の口元に糸束ガイド部材を接合して、ケーシング筒とする実施形態も知られている(例:特許文献2、特許文献3)。
また、特殊な構造の例として、ヘッダー部材に処理液ポートを設けて、両者を一体で射出成形し、それを筒状の胴部と拡径端部とを備えたケーシング筒に接合して中空糸膜モジュールとする実施形態も知られている(例:特許文献4、特許文献5)。
特開平10−305218号公報 特開平10−165777号公報 USP6830685B2号公報 特開平10−211421号公報 特開2005−161305号公報
特許文献1の中空糸膜モジュールにおいて、この形状の筒型ケーシングを成形する金型は、各処理液ポートを成形するための金型構造が複雑になり、特にスライド機構と呼ばれる金型構造が金型におけるスペースを必要とするため、金型全体が大きくなり、通常の生産効率の良い小型〜中型の射出成型機を用いるためには金型の大きさの関係から成形品の取り数が制限され、せいぜい2個取りにするのが限界であることが良く知られている。また、金型構造が複雑になるがゆえに、射出成形時の金型温度ムラ、樹脂温度ムラ、樹脂充填速度の設定不良等によっては、局所的な残留応力が発生して寸法形状や強度が不安定になったり、筒状の胴部や各処理液ポートに気泡やヒケなどの成形不良を引き起こしたりする懸念があることが知られている。
特許文献2,3の中空糸膜モジュールにおいても、筒型ケーシングを形成する金型は、前記特許文献1の中空糸膜モジュールの筒型ケーシングと同じであり、各処理液ポートを成形するためのスライド構造が必要であることに変わりなく、金型構造の複雑化に伴って、射出成形金型における成形品の取り数が制限されることになる。
これに対し、特許文献4,5の中空糸膜モジュールにおけるケーシング筒は、処理液ポートが無いために金型構造が簡素化され、成形品の取り数を4個取りとした射出成形金型としても金型の大型化を招くことなく、生産効率の良い小型〜中型の射出成型機を用いて成形を行うことができる。しかしながら、ヘッダー部材の金型構造がより複雑になり、コストアップにつながるとともに、この中空糸膜モジュールの構造の欠点は、被処理液ポートを備えるヘッダー部材に被処理液ポートのみでなく処理液ポートをも設けているので、必ず被処理液と処理液とを区分するための環状弾性体(シール用のOリング)のような部材が必要になることである。環状弾性体としては一般的にゴムを用いることから材料コストが比較的高く、加えて、ヘッダー部材とケーシング筒とを接合する際に、シール性が発現するように環状弾性体をしっかり押し潰して取り付けなければならないことから、組み立ての難易度が高くなり、組み立てるための設備費用や作業コストも高くなっていた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、処理液入口ポートや処理液出口ポート、筒状の胴部、拡径端部から構成されるケーシング筒を成形するための金型構造を簡略化し、射出成形金型における成形品取り数を増やすことができ、環状弾性体が無くともシール性を確保した状態で組み立てられる、低コストなケーシング筒を備えた中空糸膜モジュールを提供することである。
本発明者らは、上記の問題に鑑みて検討を重ねた結果、ケーシング筒を筒状の胴部と拡径端部に分離し、拡径端部には糸束ガイド部を備えておくことで、射出成形金型における成形品取り数を増やせるなど多くの効果が発現することを見出し、本発明を得るに至った。
すなわち、本発明は、以下のいずれかの構成を特徴とするものである。
1. 複数本の中空糸膜を引揃えた中空糸膜束と、
前記中空糸膜束を装填し、該中空糸膜束の外表面に連通するポートを有する、ケーシング筒と、
前記中空糸膜の中空部が開口するように前記中空糸膜束の両端部が前記ケーシング筒の内壁に固定されている隔壁と、
前記中空糸膜束の開孔端面を包囲し、前記ケーシング筒の両端部に液密に取り付けられ、前記中空糸膜束の内表面に連通するポートを有する、ヘッダー部材と、
を備え、
前記ケーシング筒は、筒状の胴部品と、処理液ポートを有する複数の拡径部品と、から構成され、
前記拡径部品の端部の一方は、前記胴部品の端部に液密に接合され、
前記中空糸膜を介して処理液と被処理液との間で物質交換を行う、中空糸膜モジュール。
ここで、通常、1個の筒状の胴部品に対し、2個の拡径部品が、その両側に接合される。
2. 前記拡径部品における前記胴部品に接合されない一方の端部は、糸束ガイド部である、上記1に記載の中空糸膜モジュール。
ここで、糸束ガイド部の内径は、糸束の断面の内径に略等しいものであるから、拡径部の内径よりは小さいものとなる。従来は、別途糸束ガイド部材を準備して、ケーシング筒に挿入、除去または溶着する必要があったが、本発明では、拡径部の先端をより小さな内径の、糸束断面の内径に略等しい程度のものとすることで、拡径部品の一部となしても、金型コアを引き抜きできるため、成形可能である。
3. 前記胴部品は、両端部において最も内径が拡径されており、
前記拡径部品は、一方の端部において最も内径が拡径されており、
前記胴部品の端部と、前記拡径部品の最大拡径された方の端部と、が接合されている、上記1又は2に記載の中空糸膜モジュール。
4. 前記糸束ガイド部は、前記拡径部品の拡径部分の内径より小さな内径を有し、
前記ヘッダー部材の端部と、前記糸束ガイド部を含む拡径部品端部と、が接合されている、上記1〜3のいずれかに記載の中空糸膜モジュール
5. ダイアライザーに用いられる、上記1〜4のいずれかに記載の中空糸膜モジュール。
上記発明によれば、ケーシング筒を筒状の胴部品と両サイドの拡径部品とに分離して成形した後に、それぞれを液密に接合して構成するので、筒状の胴部品自体には処理液ポートを設ける必要が無くなり、金型構造が簡素化され、筒状の胴部品の成形品の取り数を4個取りとした射出成形金型としても、金型の大型化を招くことなく、生産効率の良い射出成型機を用いて成形を行うことができる。なお、拡径部品は胴部品と同じく筒状であるが、側面の任意の位置に処理液ポートが設けられる。処理液ポートを有する比較的複雑な形状であっても、小型の部品であるが故に、拡径部品の成形品の取り数を8個取りとした射出成形金型とした場合に金型の大型化を招くことなく、生産効率の良い射出成型機を用いて成形を行うことができる。また、各々の拡径部品は、胴部品に接合されない一方の端部を、拡径部を構成する拡径部分の内径よりも小さな内径を有する糸束ガイド部として備えることができる。すなわち、糸束ガイド部を拡径部品の一部として一体成形することができるので、糸束ガイド部材を別途準備して取り付ける必要がない。その結果、糸束を真円に保持して透析性能の向上を図ることができ、加えて、当該小さな内径を有する端部(糸束ガイド部)にヘッダー部材の端部を接合することが可能であるから、被処理液ポートを備えるヘッダー部材の外径の小型化を図ることができる。これらの構成から、被処理液と処理液とを区分するための環状弾性体(シール用のOリング)はなくてもよく、確実な血液シール構造を低コストで製造できることに加えて、ヘッダー部材とケーシング筒との接合は、環状弾性体等を押し潰すような難易度の高い組み立てを必要とせず、超音波溶着等で比較的容易に組み立てることができるので、組み立て設備費用や作業コストも低く抑えることができる。
本発明の中空糸膜モジュールの縦方向の断面を示す模式図である。 従来の中空糸膜モジュールのケーシング筒を成形するための射出成形金型の縦方向の断面を示す模式図である。 本発明の中空糸膜モジュールのケーシング筒を構成する部品のひとつである筒状の胴部品を成形するための射出成形金型の縦方向の断面を示す模式図である。 本発明の中空糸膜モジュールのケーシング筒を構成するもうひとつの部品である処理液ポートを備えた拡径端部品を成形するための射出成形金型の縦方向の断面を示す模式図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、代表的な中空糸膜モジュールであるダイアライザーを例に挙げて説明する。なお、寸法や形状等をはじめとして以下の説明はあくまで例示であり、本発明はそれらに限定されるものではない。
図1は、本発明の中空糸膜モジュールにおいて、縦方向の断面を示す模式図である。この図1に示されるように、中空糸膜モジュール1は、複数本の中空糸膜を引揃えた中空糸膜束と、中空糸膜束を装填し中空糸膜束の外表面に連通するポートを有するケーシング筒と、中空糸膜束の両端部をケーシング筒の内壁に中空糸膜の中空部が開口するように固定している隔壁と、中空糸膜束の開孔端面を包囲し、ケーシング筒の両端部に超音波溶着で液密に取り付けられ、中空糸膜束の内表面に連通するポートを備えたヘッダー部材とを備え、前記ケーシング筒は、筒状の胴部品と、処理液ポートを備えた複数の拡径部品(通常は1個の胴部品に対し2個)とを超音波溶着で液密に接合して構成されている。また、拡径部品には糸束ガイド部が備えられている。すなわち、胴部とその両側の拡径部を一体に成形する場合、両端に糸束ガイド部を備えたものを一体で成形するとなると、糸束ガイド部の機能を発揮するために、その内径を、拡径部分の内径よりも小さくする必要があり、ケース内側に挿入される金型(コアの部分)を引き抜くことが難しくなるため、実質上不可能である。しかしながら、本発明においては、各拡径部に内径の小さい糸束ガイド部を設けても、胴部品とは別個に成形するため、上記成形上の問題がない。その結果、製造工程において糸束ガイド部を別途準備してケーシング筒に挿入、除去または溶着等行うステップが必要ない。さらに、小さな内径を有する端部である糸束ガイド部にヘッダー部材の端部を接合することが可能であるから、被処理液ポートを備えるヘッダー部材の外径の小型化を図ることができる。
本発明において、胴部品内径をD、拡径部品の最も拡張されている内径をD’とすると、D’/D=1.1〜1.5が好ましい。1.1未満では、処理液の流動性が低下することがあり、1.5を超えると、処理液ポートから液体を流す場合に処理液の容量が多く必要になってしまう可能性があるためである。
図2は、従来の中空糸膜モジュールのケーシング筒を成形するための射出成形金型の縦方向の断面を示す模式図である。図2において、ハッチングしている部分はすべてスライドコアおよびスライドコアを駆動するためのスライド機構部品が組み込まれているエリアである。スライドコアとは、成形品のアンダーカット部分をスムーズに金型から取出すための機構で、金型の開閉を利用してピン、カム、スプリングなどで作動させたり、油圧シリンダーやエアーシリンダーで作動させる場合もあるが、図2のように、金型内で大きなスペースを必要とする場合が多い。
図3は、本発明の中空糸膜モジュールのケーシング筒を構成する部品のひとつである筒状の胴部品を成形するための射出成形金型の縦方向の断面を示す模式図である。図3において、筒状の胴部品には処理液ポートを備えていないために処理液ポート用のスライド機構を金型内に備える必要が無く、そのスペースをうまく利用して、図2の従来のケーシング筒を2個成形する金型とほぼ同じ大きさで4個の筒状の胴部品を成形できる金型が得られる。
図4は、本発明の中空糸膜モジュールのケーシング筒を構成するもうひとつの部品である処理液ポートを備えた拡径部品を成形するための射出成形金型の縦方向の断面を示す模式図である。図4において拡径部品は、小型の部品であるが故に成形品の取り数を8個取りとした射出成形金型としても金型の大型化を招かず、生産効率の良い射出成型機を用いて成形できる金型が得られる。
ここで、図1を用いながら本発明の中空糸膜モジュールについてさらに詳細に説明すると、中空糸膜束3は、複数本の中空糸膜を束ねたものである。本実施形態の中空糸膜束3は、内径が200マイクロメートル、膜厚が40マイクロメートル程度の中空糸膜を約9600本引き揃えて束ね、所定の長さに糸束両端を切断したものであり、ポリスルホン系樹脂を主たる膜素材として、親水化処理を施した多孔質中空糸膜を用いたものであり、中空糸膜を介して処理液と被処理液との間で物質交換を行うことが可能である。なお、この中空糸膜は適宜選択されるものであり、内径や膜厚は特に制限されるものではなく、一般的に内径は100〜300マイクロメートル、膜厚は20〜60マイクロメートル程度の中空糸膜が適用されており、中空糸膜の本数は必要とされる膜面積に応じて、例えばダイアライザーでは3000本〜15000本程度の製品が多い。中空糸膜の材質は上記の他に例えば、セルロース、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリスルホン系高分子、ポリアミド、ポリエステルなど様々な高分子材料が用いられるが、ダイアライザーの場合はJIS T 0993−1に従って生物学的安全性が確認された材質であることが求められている。
ケーシング筒2は、筒状の胴部品10と、処理液ポート11を備えた拡径部品12と、処理液ポート13を備えた拡径部品14と構成され、それぞれの拡径部品は一方の端部が胴部品のそれぞれの端部に超音波溶着により液密に接合している。
この態様においては、筒状の胴部品は両端部において最も内径が大きく、拡径部品12,14は、前記筒状の胴部品10の端部と接合される端部において最も内径が拡張されている。かかる形状とすることにより、金型のコアを内径が最大の部分から引き抜くことが可能となるため、筒状の胴部品10,拡径部品12,14の射出成形金型におけるスライド機構が不要となり筒状の胴部品10の成形品の取り数を4個取りとした射出成形金型としても金型の大型化を招くことなく、生産効率の良い射出成型機を用いて成形を行うことができる。なお、拡径部品12,14には処理液ポートを設けているため、形状が比較的複雑であるが、小型の部品であるため、前記拡径部品の成形品の取り数を8個取りとした射出成形金型としても金型の大型化を招くことなく、生産効率の良い射出成型機を用いて成形を行うことができ、コストダウンが可能となる。
本実施形態のケーシング筒2の材質は、比較的安価で溶出物が少なく透明性を有するランダム系のポリプロピレン樹脂によって作製されている。ケーシング筒の材質は上記の他に例えば、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリスルホン系高分子、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリ塩化ビニール、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂などが用いられるが、ダイアライザーの場合は中空糸膜と同様、JIS T 0993−1に従って生物学的安全性が確認された材質であることが求められている。
また、本実施形態のケーシング筒2を構成する筒状の胴部品10の内径は30mm〜50mm程度に設定されている。この筒状の胴部品10の内径は装填する中空糸膜束3の充填率から決まってくるもので、例えば、良好な透析液流れが得られる充填率が58%であれば、中空糸膜1本の外径が280マイクロメートル、中空糸膜本数9600本を装填するとしたとき、筒状の胴部品10の内径D(mm)は、以下の式で計算できる。
Figure 2016041409
上記は一例であり、これに限定されるものでは無く、筒状の胴部品10の内径Dは、除去性能の評価、実験等で使用する中空糸膜の性状に見合った最適な充填率を求めたうえで、上記のような計算方法を用いて適宜設定されるものである。
ここで、筒状の胴部品10の両端に拡径部品12,14をそれぞれ接合するための接合手段としては、本実施形態では、作業が容易で作業時間が短いなど工業的に優れていてかつ液密なシール状態が容易に得られる超音波溶着を採用している。なお、この接合手段は適宜選択されるものであり、超音波溶着以外に、例えば、溶剤による接着、スピン溶着、振動溶着、オービタル溶着、誘導加熱溶着、高周波溶着、レーザー溶着、熱融着等が採用できるが、いずれにしても液密にシールできる接合手段とすることが重要である。
処理液入口ポート11および処理液出口ポート13は、中空糸膜束3の外側に連通していて、処理液を流入、流出させるための通路であり、例えば本実施例のダイアライザーでは、処理液とは透析液のことである。ダイアライザーの処理液ポート11,13の外観形状はISO_8637やJIS_T_3250で定められており、液密にシールするためにも寸法精度が厳しく求められる部分である。
糸束ガイド部17,18は、ケーシング筒2の端部に設けられていて、中空糸膜束3をケーシング筒2に装填する際に、中空糸膜束3が乱れないように規制して案内するためのものである。本実施形態では、糸束ガイド部17,18の糸束ガイド径は、筒状の胴部の内径よりも2mm大きい内径としたが、筒状の胴部の内径とほぼ同じ寸法にするのが一般的で、少し小さめであっても特に支障は無い。なお、中空糸膜を傷つけたりしないように、糸束ガイド部の口元には適切なR加工を施しておくことが好ましい。
隔壁4,5は、中空糸膜束3がケーシング筒2に装填された状態で、ケーシング筒の両端部にポッティング材を充填して硬化させたものである。ポッティング材としては、本実施形態では比較的生体適合性の良いウレタン系接着剤を用いたが、エポキシ系接着剤やシリコーン系接着剤など、他の樹脂を用いることも可能である。
ここで、ケーシング筒の両端部にポッティング材を充填する方法としては、例えば、特開昭55−104606号公報に記載されているような方法や特開2009−131746号公報に記載されているような方法で実施することができる。すなわち、ケーシング筒内に多数本の中空糸膜を束ねて挿入し、中空糸膜束の両端を切り揃えて、接着剤や熱溶融等により個々の中空糸膜の目止めを行った後、その中空糸膜束の両端に注型用のキャップを取り付け、その後、キャップを取り付けたケーシング筒の処理液ポートに注入用タンクを接続し、ケーシング筒、注入用タンクの中心軸を回転軸として回転させ、注入用タンクから投入されたポッティング材をケーシング筒の両端部に供給する。この時、ポッティング材には、ケーシング筒、注入用タンクが回転することで遠心力が働くので、密集して束ねられた中空糸膜の間に該ポッティング材が隙間なく充填されることになる。そして、ポッティング材が硬化することで隔壁を得た後、中空糸膜モジュールの両端部(隔壁の端部)を切断することにより、中空糸膜と中空糸膜との間を封止しつつも各中空糸膜の端部を開口することができる。
このようにして得られた中空糸膜の開口端には、被処理液ポートを備えたヘッダー部材が液密に取り付けられる。
ヘッダー部材6,7の材質は、本実施形態では、ケーシング筒2と同じランダム系のポリプロピレン樹脂としている。ヘッダー部材の材質は、上記の他、例えば、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリスルホン系高分子、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリ塩化ビニール、ABS樹脂などが用いられるが、ダイアライザーの場合はケーシング筒と同様、JIS T 0993−1に従って生物学的安全性が確認された材質であることが求められている。
ヘッダー部材6,7をケーシング筒2のそれぞれの端部に液密に取り付ける手段としては、本実施形態では、作業が容易で作業時間が短いなど工業的に優れていてかつ液密なシール状態が容易に得られる超音波溶着を採用している。なお、この接合手段は適宜選択されるものであり、超音波溶着以外に例えば、溶剤による接着、スピン溶着、振動溶着、オービタル溶着、誘導加熱溶着、高周波溶着、レーザー溶着、熱融着等が採用できるが、いずれにしても、筒状の胴部品10の両端に拡径部品12,14をそれぞれ接合するための接合手段と同様、液密にシールできる接合手段とすることが重要である。具体的には、特許第4941035号公報に示されているような方法で実施することができる。
本発明に係る中空糸膜モジュールまたはこれに用いられるケーシング部材は、上述したように血液浄化用途に用いられ、特に人工透析用のダイアライザーとして好適に用いられるが、この他にも、下排水の浄化や、飲料水の製造、燃料電池の加湿装置等に用いられる中空糸膜モジュール等の構造にも応用することが可能である。
1:ダイアライザー
2:ケーシング筒
3:中空糸膜束
4:隔壁
5:隔壁
6:ヘッダー部材
7:ヘッダー部材
8:中空糸膜開孔面
9:中空糸膜開孔面
10:筒状の胴部
11:処理液入口ポート
12:拡径部品
13:処理液出口ポート
14:拡径部品
15:被処理液入口ポート
16:被処理液出口ポート
17:糸束ガイド部
18:糸束ガイド部

Claims (5)

  1. 複数本の中空糸膜を引揃えた中空糸膜束と、
    前記中空糸膜束を装填し、該中空糸膜束の外表面に連通するポートを有する、ケーシング筒と、
    前記中空糸膜の中空部が開口するように前記中空糸膜束の両端部が前記ケーシング筒の内壁に固定されている隔壁と、
    前記中空糸膜束の開孔端面を包囲し、前記ケーシング筒の両端部に液密に取り付けられ、前記中空糸膜束の内表面に連通するポートを有する、ヘッダー部材と、
    を備え、
    前記ケーシング筒は、筒状の胴部品と、処理液ポートを有する複数の拡径部品と、から構成され、
    前記拡径部品の端部の一方は、前記胴部品の端部に液密に接合され、
    前記中空糸膜を介して処理液と被処理液との間で物質交換を行う、中空糸膜モジュール。
  2. 前記拡径部品における前記胴部品に接合されない一方の端部は、糸束ガイド部である、請求項1記載の中空糸膜モジュール。
  3. 前記胴部品は、両端部において最も内径が拡径されており、
    前記拡径部品は、一方の端部において最も内径が拡径されており、
    前記胴部品の端部と、前記拡径部品の最大拡径された方の端部と、が接合されている、請求項1又は2記載の中空糸膜モジュール。
  4. 前記糸束ガイド部は、前記拡径部品の拡径部分の内径より小さな内径を有し、
    前記ヘッダー部材の端部と、前記糸束ガイド部を含む拡径部品端部と、が接合されている、請求項1〜3のいずれか一項記載の中空糸膜モジュール。
  5. ダイアライザーに用いられる、請求項1〜4のいずれか一項記載の中空糸膜モジュール。
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