JP5384016B2 - 密閉式スクロール圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、密閉容器内に固定スクロールと揺動スクロールを有する圧縮要素を備えた密閉式スクロール圧縮機に関するものである。
従来よりこの種スクロール圧縮機は、密閉容器内に固定スクロールと揺動スクロールとを有する圧縮要素と、揺動スクロールを旋回駆動する電動要素を備える。固定スクロールは渦巻状のラップが端面に突設されることにより、渦巻状の溝部が形成されている。揺動スクロールも同様に端面に突設された渦巻状のラップを有し、このラップが固定スクロールの溝部内に位置した状態で、その内周側と外周側に複数の圧縮室が形成されている。
そして、揺動スクロールが旋回駆動によって圧縮室を中心に移動させて、その容積を減少して冷媒の圧縮を行うものであった。
このようなスクロール圧縮機では、揺動スクロールと固定スクロールとで形成される各圧縮室内からの冷媒の漏洩を防止して高効率な運転を実現するために、固定スクロールと揺動スクロール間の隙間を低減することが重要である。このため、揺動スクロールの背面にスラストリングを設け、圧縮要素の駆動時にスラストリング背面空間に圧縮過程の冷媒を導入して揺動スクロールを固定スクロールに押しつけて、両スクロール間の冷媒の漏れを抑制していた(例えば、特許文献1参照)。
米国特許第6146119号
しかしながら、揺動スクロールを固定スクロールに押し付けるスラストリングの押付力
が強すぎて摩耗したり、スラストリングと揺動スクロール間の摺動ロスが増大する問題が生じていた。
本発明は、係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、固定スクロールと揺動スクロールとの間からの冷媒の漏洩を防止しながら、スラストリングと揺動スクロール間の摺動ロスを低減して、密閉式スクロール圧縮機の効率を改善することを目的とする。
本発明の密閉式スクロール圧縮機は、密閉容器内に、固定スクロール及び揺動スクロールを有した圧縮要素と、揺動スクロールを旋回駆動する電動要素とを備え、この電動要素が、冷媒導入管により密閉容器内に冷媒が導入される空間に位置し、揺動スクロールを固定スクロールに向けて軸方向に移動自在に支持すると共に、揺動スクロールの背面にスラストリングを設け、圧縮要素の駆動時には、スラストリングの背面空間に圧縮過程の冷媒を導入し、当該スラストリングを介して、揺動スクロールを固定スクロールに押し付ける機能を具備したものであって、スラストリングを支持する支持部材と、この支持部材に形成されてスラストリングを受け入れるリング溝と、スラストリングの内周縁及び外周縁に設けられ、このスラストリングとリング溝間をシールする背面側シール部材と、スラストリングの揺動スクロール側の面の内周側及び外周側に設けられ、当該スラストリングと揺動スクロールの背面間をシールする正面側シール部材とを備え、揺動スクロールの背面とスラストリングとの間に位置する当該スラストリングの正面空間に圧縮過程の冷媒を導入し、且つ、当該スラストリングの正面空間からスラストリングに加わる作用力F1と、背面空間からスラストリングに加わる作用力F2の関係を、F1<F2とすると共に、スラストリングの背面空間に対応する背面側シール部材間のスラストリングの表面積A1と、スラストリングの正面空間に対応する正面側シール部材間のスラストリングの表面積A2の関係を、A1>A2としたことを特徴とする。
請求項2の発明の密閉式スクロール圧縮機は、請求項1に記載の発明においてスラストリングの正面空間からスラストリングに加わる作用力F1と、背面空間からスラストリングに加わる作用力F2の関係が、F1<F2となる範囲内で、スラストリングの正面空間に、背面空間に導入する圧縮過程の冷媒よりも高い圧力の圧縮過程の冷媒を導入することを特徴とする。
本発明によれば、密閉容器内に、固定スクロール及び揺動スクロールを有した圧縮要素と、揺動スクロールを旋回駆動する電動要素とを備え、この電動要素が、冷媒導入管により密閉容器内に冷媒が導入される空間に位置し、揺動スクロールを固定スクロールに向けて軸方向に移動自在に支持すると共に、揺動スクロールの背面にスラストリングを設け、圧縮要素の駆動時には、スラストリングの背面空間に圧縮過程の冷媒を導入し、当該スラストリングを介して、揺動スクロールを固定スクロールに押し付ける機能を具備した密閉式スクロール圧縮機において、揺動スクロールの背面とスラストリングとの間に位置する当該スラストリングの正面空間に圧縮過程の冷媒を導入し、且つ、当該スラストリングの正面空間からスラストリングに加わる作用力F1と、背面空間からスラストリングに加わる作用力F2の関係を、F1<F2としたので、揺動スクロールを固定スクロールに押し付ける力を十分に確保しながら、スラストリングが揺動スクロール間に必要以上に強く押しつけられる不都合を抑制することができるようになる。
これにより、固定スクロールと揺動スクロールとの間からの冷媒の漏洩を防止しながら、スラストリングと揺動スクロール間の摺動ロスを軽減することができる。
特に、スラストリングを支持する支持部材と、この支持部材に形成されてスラストリングを受け入れるリング溝と、スラストリングの内周縁及び外周縁に設けられ、このスラストリングとリング溝間をシールする背面側シール部材と、スラストリングの揺動スクロール側の面の内周側及び外周側に設けられ、当該スラストリングと揺動スクロールの背面間をシールする正面側シール部材とを備え、スラストリングの背面空間に対応する背面側シール部材間のスラストリングの表面積A1と、スラストリングの正面空間に対応する正面側シール部材間のスラストリングの表面積A2の関係を、A1>A2としたので、スラストリングの正面空間とスラストリングの背面空間に同一の圧縮過程の冷媒を導入するだけで、スラストリングの正面空間からスラストリングに加わる作用力F1と、背面空間からスラストリングに加わる作用力F2の関係を、F1<F2とすることができる。
これにより、圧力導入のための構造を簡素化することができるようになる。
また、請求項2の発明の如くスラストリングの正面空間からスラストリングに加わる作用力F1と、背面空間からスラストリングに加わる作用力F2の関係が、F1<F2となる範囲内で、スラストリングの正面空間に、背面空間に導入する圧縮過程の冷媒よりも高い圧力の圧縮過程の冷媒を導入するものとすれば、正面空間からスラストリングに加わる作用力F1を背面空間からスラストリングに加わる作用力F2に近づけることができるようになる。
これにより、揺動スクロールを固定スクロールに押し付ける機能を支障無く担保しながら、スラストリングと揺動スクロール間の摺動ロスを最小限に抑制することができるようになる。
総じて、密閉式スクロール圧縮機の効率を改善することができるようになる。
本発明は、密閉式スクロール圧縮機において揺動スクロールを固定スクロールに押し付けるために、揺動スクロールの背面にスラストリングを設け、このスラストリングの背面空間に圧縮過程の冷媒を導入して揺動スクロールを固定スクロールに押しつけることで、両スクロール間の冷媒の漏れを抑制する場合に、スラストリングから揺動スクロールを固定スクロールに押し付ける方向に働く力が強すぎて、スラストリングと揺動スクロール間の摺動ロスが増大する不都合を解消するために成されたものである。このように、固定スクロールと揺動スクロールとの間からの冷媒の漏洩を防止しながら、スラストリングと揺動スクロール間の摺動ロスを低減するという目的を、揺動スクロールの背面とスラストリングとの間に位置する当該スラストリングの正面空間に圧縮過程の冷媒を導入し、且つ、当該スラストリングの正面空間からスラストリングに加わる作用力F1と、背面空間からスラストリングに加わる作用力F2の関係を、F1<F2とすることにより実現した。以下、図面に基づき本発明の実施の形態を詳述する。
図1は、本発明を適用した密閉式スクロール圧縮機の一実施例の縦断側面図、図2は図1の一部拡大図をそれぞれ示している。各図において、1は密閉容器である。この密閉容器1は、縦長円筒状を呈する容器本体1Aと、この容器本体1Aの両端(上下両端)にそれぞれ溶接固定された略椀状を呈するエンドキャップ1B及びボトムキャップ1Cとから構成されている。
そして、この密閉容器1内の上方には当該密閉容器1内の空間を上下に仕切る仕切板10が設けられている。即ち、密閉容器1の内部は、仕切板10にて上側の空間11と、下側の空間12とに仕切られている。
上記密閉容器1内の下側の空間12には、上側に圧縮要素2、下側にこの圧縮要素2を駆動するための駆動手段としての電動要素3がそれぞれ収納されている。また、空間12の底部(即ち、ボトムキャップ1Cの内面)65は圧縮要素2等を潤滑する潤滑油が貯留される油溜めとされている。この圧縮要素2と電動要素3間の密閉容器1内には、支持フレーム4が収納されており、この支持フレーム4には中央に軸受部6とボス収容部22とが形成されている。この軸受部6は、回転軸5の先端(上端)側を軸支するためのものであり、当該支持フレーム4の一方の面(下側の面)の中央から下方に突出して形成されている。また、ボス収容部22は後述する揺動スクロール8のボス24を収容するためのものであり、支持フレーム4の他方の面(上側の面)の中央を下方に凹陥することにより形成されている。
また、前記回転軸5の先端(上端)には、偏心軸23が形成されている。この偏心軸23は、中心が回転軸5の軸心と偏心して設けられると共に、スライドブッシュ27及び旋回軸受け28を介して、ボス24に旋回駆動可能に挿入されている。
前記圧縮要素2は、固定スクロール7と揺動スクロール8とで構成されている。固定スクロール7は、円板状の鏡板14と、この鏡板14の一方の面(下側の表面)に立設されたインボリュート状、又は、これに近似した曲線からなる渦巻状のラップ15と、このラップ15の周囲を取り囲むように立設された周壁16と、この周壁16の周囲に設けられ、外周縁が密閉容器1の容器本体1Aの内面に焼き嵌めされたフランジ17とで構成されている。固定スクロール7の鏡板14の中央部には、前記仕切板10にて仕切られた上側の密閉容器1内の空間11に連通する吐出孔18が形成されている。そして、固定スクロール7はラップ15の突出方向を下方とされている。
本実施例の構成では、固定スクロール7の鏡板14は、当該鏡板14の他方の面(上側の面)に突出すると共に、吐出孔18を有する円筒状の突出部30を備える。そして、この突出部30は、前記仕切板10に形成された保持孔10Aに嵌合し、当該突出部30の上側の面30Aが仕切板10の上側の空間11に臨むよう構成されている。この突出部30の上面30Aには、吐出孔18を開閉する吐出弁32と、この吐出弁32に隣接して複数のリリース弁34とが設けられている。当該リリース弁34は、冷媒の過圧縮を防止するために設けられたものであり、図示しないリリースポートを介して圧縮過程の後述する圧縮空間25と連通されている。
具体的に、圧縮過程の冷媒圧力が吐出孔18に至る以前に吐出圧力に達すると、リリース弁34が開放されて、圧縮空間25内の冷媒がリリースポートを介して外部に吐出されることとなる。
一方、前記揺動スクロール8は、円板状の鏡板20と、この鏡板20の一方の面(上側の表面)に立設されたインボリュート状、又は、これに近似した曲線からなる渦巻状のラップ21と、鏡板20の他方の面(下側の面)の中央に突出形成された前述したボス24とで構成されている。そして、揺動スクロール8はラップ21の突出方向を上方として、このラップ21が固定スクロール7のラップ15に180度回し、向かい合って噛み合うように配置され、内部のラップ15、21間に複数の圧縮空間25が形成されている。
即ち、揺動スクロール8のラップ21は、固定スクロール7のラップ15と対向し、両ラップ21、15の先端面が相手の底面に接するように噛み合い、且つ、揺動スクロール8は回転軸5の軸心から偏心して設けられた偏心軸23に嵌合されているため、2つの渦巻状のラップ21、15は、互いに偏心して、その偏心方向の線上で接して閉じこめられた複数の空間25を作り、この空間25の各々が圧縮室となる。
前記固定スクロール7は、その周壁16の周囲に設けられたフランジ17が複数のボルト37を介して支持フレーム4に固定されている。また、揺動スクロール8は、オルダムリング40を介して支持フレーム4に支持されている。このオルダムリング40は、揺動スクロール8を固定スクロール7に対して自転しないように円軌道上を公転させるためのものであり、相対向する位置に上側に突出して形成された一対のオルダムキー41、41を備える。
これらオルダムキー41、41は、固定スクロール7の下面に形成されたキー溝42、に摺動自在に係合する。この場合、オルダムリング40は、揺動スクロールの旋回に伴い固定スクロール7と支持フレーム4との間に形成された摺動スペース43内をオルダムキー41の延出方向に沿って摺動する。
更に、揺動スクロール8は、固定スクロール7に対して偏心して公転するため、2つの渦巻状のラップの偏心方向と接触位置は回転しながら移動し、前記圧縮室は外側から内側の圧縮空間25に向かって移りながら縮小していく。最初、外側の圧縮空間25から入り込んで閉じこめられた低圧の冷媒ガスは、断熱圧縮されながら内側に移動し、最後に中央部に到達するときには、高温高圧の冷媒ガスとなる。この冷媒ガスは、当該中央部に設けられた吐出孔18を介して空間11に送り出される。
一方、前記電動要素3は、密閉容器1に固定されたステータ50と、このステータ50の内側に配置され、ステータ50内で回転するロータ52とから構成されており、このロータ52の中心に回転軸5が嵌合されている。回転軸5の末端(下端)は、密閉容器1の底部に配置された軸受け9に軸支されている。
また、回転軸5の内部には当該回転軸5の軸方向に沿って油路60が形成されている。この油路60は、回転軸5の下端に位置する吸込口61と、この吸込口61の上方に形成されたパドル63とを備える。回転軸5の下端は、油溜め65に貯留された潤滑油に浸漬されて、当該油路60の吸込口61が潤滑油内にて開口している。また、油路60には各軸受けに対応する位置に潤滑を給油する給油口64が形成されている。係る構成により、回転軸5が回転すると、油溜め65に貯留された潤滑油が回転軸5の吸込口61から油路60に入り、この油路60のパドル63に沿って上方に汲み上げられる。そして、汲み上げられた潤滑油は各給油口64等を介して各軸受けや圧縮要素2の摺動部に供給されることとなる。
他方、前記密閉容器1には、当該密閉容器1内の下側の空間12内に冷媒を導入するための冷媒導入管67と、圧縮要素2にて圧縮され、前記吐出孔16を介して密閉容器1内の上側の空間11に吐出された冷媒を外部に吐出するための冷媒吐出管68とが設けられている。本実施例では、冷媒導入管67は密閉容器1の容器本体1Aの側面に溶接固定され、冷媒吐出管68はエンドキャップ1Bの側面に溶接固定されている。
図2は、圧縮要素2周辺部の拡大図である。図2に示すように、支持フレーム4の上面には、ボス収容部22の周囲に環状のリング溝70が形成され、このリング溝70には、鉄系の焼結部材にて形成されたスラストリング72が配置されている。このスラストリング72は、揺動スクロール8の鏡板20を支持し、この揺動スクロール8の旋回時において揺動スクロール8と支持フレーム4との摺動抵抗を軽減させるためのものである。このスラストリング72の下面には、位置決めピン73が突設され、この位置決めピン73はリング溝70に設けられた係合穴74に挿入されている。このため、揺動スクロール8がスラストリング72上を旋回した場合であっても、スラストリング72は、位置決めピン73により、スラストリング72の回転が阻止された状態で支持フレーム4に位置決めされる。
また、本実施例の構成では、揺動スクロール8は固定スクロール7に向けて軸方向に移動自在に支持されており、圧縮要素2の駆動時に、スラストリング72の下面(背面)に圧縮要素2による圧縮過程の冷媒を導入することにより、スラストリング72を介して、揺動スクロール8を固定スクロール7に押し付け可能な構成とされている。
具体的に、スラストリング72と支持フレーム4との間には、上記圧縮過程の冷媒が導入される背面空間75が形成されている。また、スラストリング72の内周縁及び外周縁には、背面空間75の気密性を確保するためにそれぞれOリング(背面側シール部材)76、77が配置されている。また、揺動スクロール20及びスラストリング72には、圧縮空間25と背面空間75とを連通する連通孔78が設けられている。この連通孔78は、揺動スクロール8に形成された第1連通孔79と、スラストリング72に形成された第2連通孔80とから構成されている。
第1連通孔79は、揺動スクロール8の鏡板20の半径方向に延出するように形成され、この鏡板20の上面(ラップ面)に上面口79A、鏡板20の下面(背面)に下面口79Bを備える。上面口79Aは、中間圧力の圧縮空間25に連通する位置に設けられ、この中間圧力は吸込圧力により近い値に設定されている。
一方、第2連通孔80は、スラストリング72を軸心方向(上下方向)に貫通する貫通孔であり、このスラストリング72の上面に形成された上面口80Aと、当該スラストリング72の下面に形成され、背面空間75に連通した下開口80Bとを備える。本実施例の構成では、揺動スクロール8が旋回駆動する際に、この揺動スクロール8に形成された第1連通孔79の下面口79Bがスラストリング72に形成された第2連通孔80の上面口80Aと常時連通するように、この第2連通孔80の上面口80Aは、下面口79Bの旋回軌跡を含む位置に形成されている。従って、圧縮要素2の駆動時に圧縮空間25の中間圧力を背面空間75に常時導入でき、スラストリング72を介して揺動スクロール8を固定スクロール7に安定して押し付けることができる。
また、万一、圧縮空間25内に塵埃等が生じて、この塵埃等が冷媒と共に第1連通孔79に導入された場合であっても、この第1連通孔79の下面口79Bは、第2連通口80の上面口80Aの内側に存在するため、塵埃等がスラストリング72と揺動スクロール8途の摺動面内に侵入することはない。このため、揺動スクロール8の旋回時における揺動スクロール8とスラストリング72との摺動抵抗の増加、若しくは、上記塵埃等により摺動面が損傷する不都合を防止できる。
また、スラストリング72の上面には、図3に示すように第2連通孔80の上面口80Aの外周側と内周側にそれぞれ環状の溝81A、81B形成されており、各溝81A、81Bにそれぞれ耐摩耗性に優れたシール部材(正面側シール部材)82A、82B(図2)が配置されている。各シール部材82A、82Bは、圧縮空間25から第1連通孔79に導入された冷媒がスラストリング72と揺動スクロール8との摺動面を通じて、背面空間75以外の他の空間(例えば、ボス収容部22)へ流出することを防止するものである。
これにより、揺動スクロール8の旋回時にこの揺動スクロール8を反転させようとする力が生じた場合であっても、シール部材82A、82Bにより圧縮空間25から第1連通孔79に流入した冷媒がスラストリング72と揺動スクロール8との摺動面を通じて、ボス収容部22に流入することを防止できる。従って、ボス収容部22に流入した中間圧力の冷媒が油路60に流れ込んで、潤滑油の供給が阻害される不都合を防止できる。
一方、スラストリング72の内周縁及び外周縁には、それぞれ前述したOリング76、77が設けられ、これらOリング76、77を介してスラストリング72と支持フレーム4のリング溝70との気密性が確保されている。本実施例では、スラストリング72の内周縁に設けられたOリング76は、外周縁に設けられたOリング77よりも高い位置に配置されている。具体的に、図4に示すようにスラストリング72の内周縁には、下段部85と、この下段部85よりも内方に突出した上段部86が形成され、この上段部86にOリング76を取り付けるためのリング状の溝76Aが形成されており、この溝76AにOリング76が配置される。これに対して、スラストリング72の外周縁の下部にはOリング77を取り付けるためのリング状の溝77Aが形成され、該溝77AにOリング77が配置される。
更に、スラストリング72の外周縁の上部は、図2に示すようにリング溝70から上方に突出するように構成されており、この上部がオルダムリング40の摺動スペース43の内壁として機能する。このように、スラストリング72の内周縁に設けたOリング76を外周縁に設けたOリング77よりも高い位置に配置することで、その外周縁の上部をオルダムリング40の摺動スペース43の内壁として利用することができ、スペースの有効活用を図ることができる。これにより、装置の小型化を図ることができるようになる。
ところで、一般にOリングを介して気密性を確保する場合、スラストリングの内周縁及び外周縁と、リング溝の内壁及び外壁との間には、それぞれOリングを潰して介装するだけの隙間を設ける必要がある。しかしながら、この隙間の分、スラストリングとリング溝との間にガタが生じて、スラストリングがリング溝内で傾くため、揺動スクロールに一様の押しつけ力が作用しなくなってしまう。このように揺動スクロールが傾くことで、揺動スクロールと固定スクロールとの間の圧縮空間から冷媒が漏れて、密閉型スクロール圧縮機の冷却効率の低下を招く恐れがあった。
これを防止するために、支持フレーム4のリング溝70にスラストリング72を配置した場合、このリング溝70の内壁には、スラストリング72の内周縁の上段部86にOリング66を介して対向するシール面(シール部)90と、このスラストリング72の下段部85とインロー(例えば、すきま嵌め)に嵌合するガイド面(ガイド部)91とが形成されている。
そして、スラストリング72の内周縁の上段部86と、リング溝70の内壁のシール面90との間には、小許隙間が形成されており、この隙間にOリング76が介装されている。一方、スラストリング72の内周縁の下段部85は、リング溝70の内壁のガイド面91のインローに嵌合し、スラストリング72は、ガイド面91に沿ってリング溝70内を摺動自在に設けられている。
このように、スラストリング72の内周縁の下段部85は、リング溝70の内壁のガイド面91のインローに嵌合しているため、これら下段部85とガイド面91との間に、ガタが生じることはない。従って、背面空間75に冷媒を導入して、スラストリング72をリング溝70のガイド面91に沿って上下方向に摺動させることにより、このスラストリング72がリング溝70内で傾くことが防止される。このため、スラストリング72を介して揺動スクロール8に一様な押し付け力を作用させることにより、この揺動スクロール8の傾きが防止されるため、これら揺動スクロール8と固定スクロール7とが密接する。これにより、揺動スクロール8と固定スクロール7間に形成される圧縮空間25からの冷媒漏れが抑制され、密閉型スクロール圧縮機Cの冷却効率の向上を図ることができる。
ここで、スラストリング72を傾かせることなく、ガイド溝に沿って摺動させる構成として、ガイド溝にガイドピンを立設し、このガイドピンをスラストリングに貫通させる構成も考えられる。しなしながら、このような構成では、立設するガイドピンの位置精度が要求されるため、加工が困難になるといった問題がある。これに対して、上述した本実施例の構成ではリング溝70の内壁の下段部85がスラストリング72の内周縁とインローに嵌合する精度を備えるだけで良い。特に、周面加工においては、高い加工精度を発揮することが比較的容易であるため、ガイドピンを立設するものに比べて、容易に加工することができるといった効果を奏する。
更にまた、スラストリング72を配置するリング溝70に、ガイド面91の上方にOリング76と当接するシール面90を備えるので、スラストリング52とリング溝70との気密性を十分に確保することができると共に、スラストリング72を安定して上下方向に移動させることができる。また、本実施形態では、スラストリング72は、鉄系の焼結部材で形成されるため、無垢の鉄系材料を切削加工するものに比べて加工が容易となる。
ところで、このような揺動スクロールの背面にスラストリングを設けて、スラストリングの背面空間に圧縮過程の冷媒を導入し、当該スラストリングを介して、揺動スクロールを固定スクロールに押し付ける機能を具備したスクロール圧縮機では、揺動スクロールを固定スクロールに押し付けるスラストリングの押付力が強すぎて摩耗したり、スラストリングと揺動スクロール間の摺動ロスが増大する問題が生じていた。
そこで、本発明では揺動スクロール8の背面とスラストリング72との間に位置する当該スラストリング72の正面空間に圧縮過程の冷媒を導入するものとする。具体的に、本実施例では、図3に示すようにスラストリング72の上面(正面)に、背面空間75に圧縮過程の冷媒を導入するための前記連通孔78と連通する環状の溝95を形成し、そこからスラストリング72の正面空間96に背面空間75に導入される圧縮過程の冷媒の一部を導入可能に構成している。この溝95は、前述したシール部材82A、82Bを挿入するための外側の溝81Aと内側の溝81Bの間であって、且つ、連通孔78の第2連通孔80と連通する位置に形成されている。係る構成により、圧縮要素2の駆動時に圧縮空間25の中間圧力が連通孔78を介して、背面空間75に導入される際に、当該溝95を介してスラストリング72の上面(正面)にも同様に中間圧力が導入されることとなる。このため、スラストリング72の正面空間96に中間圧力を導入することができる。
この場合、スラストリング72の正面空間96からスラストリング72に加わる作用力F1と、背面空間75からスラストリング72に加わる作用力F2の関係が、F1<F2となるように設定されている。本実施例では、スラストリング72の背面空間75に対応する背面側のOリング76、77間の表面積A1と、スラストリング72の正面空間に対応する正面側のシール部材82A、82B間の表面積A2との関係が、A1>A2となるように構成されている。即ち、スラストリング72のOリング76とOリング77の背面側に相当するスラストリング72の表面積A1が、スラストリング72のシール部材82Aの内周側からシール部材82Bの外周側に相当する表面積A2より大きくなるよう構成されている。
このように、スラストリング72の背面空間75に対応する背面側のOリング76、77間の表面積A1を、スラストリング72の正面空間96に対応する正面側のシール部材82A、82B間の表面積A2より大きくすることで、両空間75、96に同じ圧力の冷媒が導入された場合であっても、背面空間75からスラストリング72に加わる作用力F2をスラストリング72の正面空間96からスラストリング72に加わる作用力F1より大きくすることができる。
即ち、本実施例の如く背面空間75と正面空間96に同じ中間圧の冷媒を導入した場合であっても、背面空間75からスラストリング72に加わる作用力F2をスラストリング72の正面空間96からスラストリング72に加わる作用力F1より大きくすることが可能となる。
このように、揺動スクロール8の背面とスラストリング72との間に位置する当該スラストリング72の正面空間96に圧縮過程の冷媒を導入すると共に、スラストリングの正面空間からスラストリング72に加わる作用力F1と、背面空間75からスラストリング72に加わる作用力F2の関係を、F1<F2とすることで、スラストリング72が揺動スクロール8に必要以上に強く押しつけられる不都合を抑制しながら、スラストリング72を介して、揺動スクロール8を固定スクロール7に安定して押し付けることができる。これにより、固定スクロール7と揺動スクロール8との間からの冷媒の漏洩を防止しながら、スラストリング72と揺動スクロール8間の摺動ロスを軽減することができる。
特に、スラストリング72の背面空間75に対応する背面側のOリング76、77間の表面積A1を、スラストリング72の正面空間96に対応する正面側のシール部材82A、82B間の表面積A2より大きくすることで、スラストリング72の正面空間96とスラストリングの背面空間75に同一の圧縮過程の冷媒を導入するだけで、スラストリング72の正面空間96からスラストリング72に加わる作用力F1と、背面空間75からスラストリング72に加わる作用力F2の関係を、F1<F2とすることができる。
即ち、スラストリング72の背面空間75に圧縮過程の冷媒を導入するための連通孔78を利用してスラストリング72の正面空間96に圧縮過程の冷媒を導入して、スラストリング72が揺動スクロール8に必要以上に強く押しつけられる不都合を抑制しながら、揺動スクロール8を固定スクロール7に安定して押し付けることができるようになる。これにより、スラストリング72の背面空間75に圧縮過程の冷媒を導入するための通路と、スラストリング72の正面空間96に圧縮過程の冷媒を導入するための通路とを兼用することができるので、圧力導入のための構造を簡素化することができる。総じて、密閉式スクロール圧縮機Cの効率を改善することができるようになる。
尚、上記実施例1では、スラストリング72の背面空間75に圧縮過程の冷媒を導入するための連通孔78を利用してスラストリング72の正面空間96に圧縮過程の冷媒を導入する、即ち、スラストリング72の正面空間96とスラストリングの背面空間75に同一の中間圧力を導入するものとしたが、本発明はこれに限定されるものでなく、スラストリングの正面空間からスラストリングに加わる作用力F1と、背面空間からスラストリングに加わる作用力F2の関係が、F1<F2を満たすように、スラストリングの正面空間と背面空間の両空間に圧縮過程の冷媒を導入可能に構成されたものであれば、本発明は有効である。
例えば、スラストリングの正面空間からスラストリングに加わる作用力F1と、背面空間からスラストリングに加わる作用力F2の関係が、F1<F2となる範囲内で、スラストリングの正面空間に、背面空間に導入する圧縮過程の冷媒よりも高い圧力の圧縮過程の冷媒を導入するものとしても差し支えない。ここで、上記の如くスラストリングの正面空間に、背面空間に導入する圧縮過程の冷媒よりも高い圧力の圧縮過程の冷媒を導入可能に構成した密閉式スクロール圧縮機の一例を図5乃至図8を用いて説明する。尚、図5乃至図8において、前記各図1乃至図4と同一の符号が付されているものは、同様、或いは、類似の効果、若しくは、作用を奏するものであるため、ここでは説明を省略し、本実施例では上記実施例1と異なる点のみを説明する。
本実施例の密閉式スクロール圧縮機Cでは、スラストリング72の背面空間75に圧縮過程の冷媒を導入するための通路と、スラストリング72の正面空間96に圧縮過程の冷媒を導入するための通路とが別々に形成されている。具体的に、揺動スクロール20及びスラストリング72に、圧縮空間25と背面空間75とを連通する連通孔100が設けられ、当該連通孔100がスラストリング72の背面空間75に圧縮過程の冷媒を導入するための通路とされている。
この連通孔100は、揺動スクロール8に形成された第1連通孔101と、スラストリング72に形成された第2連通孔102とから構成されている。 第1連通孔101は、揺動スクロール8の鏡板20の半径方向に延出するように形成され、この鏡板20の上面(ラップ面)に上面口101A、鏡板20の下面(背面)に下面口101Bを備える。上面口101Aは、中間圧力の圧縮空間25に連通する位置に設けられ、この中間圧力は吸込圧力により近い値に設定されている。
一方、第2連通孔102は、スラストリング72を軸心方向(上下方向)に貫通する貫通孔であり、このスラストリング72の上面に形成された上面口102Aと、当該スラストリング72の下面に形成され、背面空間75に連通した下開口102Bとを備える。本実施例の構成では、揺動スクロール8が旋回駆動する際に、この揺動スクロール8に形成された第1連通孔101の下面口101Bがスラストリング72に形成された第2連通孔102の上面口102Aと常時連通するように、この第2連通孔102の上面口102Aは、下面口101Bの旋回軌跡を含む位置に形成されている。従って、圧縮要素2の駆動時に圧縮空間25の中間圧力を背面空間75に常時導入して、スラストリング72を介して揺動スクロール8を固定スクロール7に安定して押し付けることができる。また、スラストリング72の上面(正面)の上記上面口102Aの周囲にはリング状の溝105が形成され、該溝105には耐摩耗性に優れたシール部材107が設けられている(図6)。これにより、連通孔100を介して背面空間75に導入される中間圧力がスラストリング72の上面(正面空間96)に侵入する不都合を防ぐことができる。
更に、揺動スクロール8及びスラストリング72の上面(正面)には、圧縮空間25とスラストリング72の正面空間96とを連通する連通部110が設けられ、当該連通部110がスラストリング72の正面空間96に圧縮過程の冷媒を導入するための通路とされている。
この連通部110は、揺動スクロール8に形成された連通孔111と、スラストリング72の上面(正面)に形成された溝112とから構成されている。連通孔111は、揺動スクロール8の鏡板20の半径方向に延出するように形成され、この鏡板20の上面(ラップ面)に上面口111A、鏡板20の下面(背面)に下面口111Bを備える。上面口111Aは、中間圧力の圧縮空間25に連通する位置に設けらている。更に、上面口111Aは、スラストリング72の正面空間96からスラストリング72に加わる作用力F1と、背面空間75からスラストリング72に加わる作用力F2の関係が、F1<F2となる範囲内で、高い圧力の圧縮過程の冷媒圧力がスラストリング72の正面空間96に導入されるように前記連通孔100の上面口101Aより圧力の高い圧縮空間25と連通する位置に設けられている。
また、溝112は、図7に示すようにスラストリング72の上面(正面)に設けられている。この溝112は、前述したシール部材82A、82Bを挿入するための外側の溝81Aと内側の溝81Bの間であって、且つ、連通孔100の第2連通孔102と連通しないようにC字状に形成されている。
本実施例の構成では、揺動スクロール8が旋回駆動する際に、この揺動スクロール8に形成された連通孔111の下面口111Bがスラストリング72に形成された溝112と常時連通するように、溝112は、下面口111Bの旋回軌跡を含む位置に形成されている。従って、圧縮要素2の駆動時に圧縮空間25の中間圧力を正面空間96に常時導入することができる。
このように、前記実施例同様にスラストリング72の正面空間96からスラストリング72に加わる作用力F1と、背面空間75からスラストリング96に加わる作用力F2の関係を、F1<F2としたので、揺動スクロール8を固定スクロール7に押し付ける力を十分に確保しながら、スラストリング72が揺動スクロール8間に必要以上に強く押しつけられる不都合を抑制することができるようになる。これにより、固定スクロール7と揺動スクロール8との間からの冷媒の漏洩を防止しながら、スラストリング72と揺動スクロール8間の摺動ロスを軽減することができる。
特に、本実施例ではスラストリング72の正面空間96からスラストリング72に加わる作用力F1と、背面空間75からスラストリング72に加わる作用力F2の関係が、F1<F2となる範囲内で、スラストリング72の正面空間96に、背面空間96に導入する圧縮過程の冷媒よりも高い圧力の圧縮過程の冷媒が導入可能に構成されているので、正面空間96からスラストリング72に加わる作用力F1を背面空間75からスラストリング72に加わる作用力F2に近づけることができるようになる。
これにより、揺動スクロール8を固定スクロール7に押し付ける機能を支障無く担保しながら、スラストリング72と揺動スクロール8間の摺動ロスを最小限に抑制することができる。これにより、密閉式スクロール圧縮機Cの効率をより一層改善することができるようになる。
本発明を適用した密閉式スクロール圧縮機の一実施例の縦断側面図である(実施例1)。 図1の密閉式スクロール圧縮機の圧縮要素周辺部の拡大図である。 図1の密閉式スクロール圧縮機のスラストリングの平面図である。 図3のスラストリングの縦断側面図である。 本発明を適用した他の実施例の密閉式スクロール圧縮機の縦断側面図である(実施例2)。 図5の密閉式スクロール圧縮機の圧縮要素周辺部の拡大図である。 図5の密閉式スクロール圧縮機のスラストリングの平面図である。 図7のスラストリングの縦断側面図である。
C 密閉式スクロール圧縮機
1 密閉容器
1A 容器本体
1B エンドキャップ
1C ボトムキャップ
2 圧縮要素
3 電動要素
4 支持フレーム
5 回転軸
6 軸受部
7 固定スクロール
8 揺動スクロール
9 軸受け
10 仕切板
10A 保持孔
11 上側空間
12 下側空間
14、20 鏡板
15、21 ラップ
16 周壁
17 フランジ
18 吐出孔
22 ボス収容部
23 偏心軸
24 ボス
25 圧縮空間
27 スライドブッシュ
30 突出部
30A 上面
32 吐出弁
34 リリース弁
37 ボルト
40 オルダムリング
41 オルダムキー
42 キー溝
43 摺動スペース
50 ステータ
52 ロータ
60 油路
61 吸込口
63 パドル
64 給油口
65 油溜め
67 冷媒導入管
68 冷媒吐出管
70 リング溝
72 スラストリング
73 位置決めピン
74 係合穴
75 背面空間
76、77 Oリング(背面側シール部材)
76A、77B Oリング用の溝
78 連通孔
79 第1連通孔
79A、80A 上面口
79B、80B 下面口
80 第2連通孔
81A、81B 溝
82A、82B シール部材(正面側シール部材)
85 下段部
86 上段部
87 通気溝
90 シール面
91 ガイド面
95 溝
96 正面空間
100 連通孔
101 第1連通孔
102 第2連通孔
101A、102A 上面口
101B、102B 下面口
107 シール部材
110 連通部
111 連通孔
111A 上面口
111B 下面口
112 溝
115 リング溝

Claims (2)

  1. 密閉容器内に、固定スクロール及び揺動スクロールを有した圧縮要素と、前記揺動スクロールを旋回駆動する電動要素とを備え、該電動要素が、冷媒導入管により前記密閉容器内に冷媒が導入される空間に位置し、前記揺動スクロールを前記固定スクロールに向けて軸方向に移動自在に支持すると共に、前記揺動スクロールの背面にスラストリングを設け、前記圧縮要素の駆動時には、前記スラストリングの背面空間に圧縮過程の冷媒を導入し、当該スラストリングを介して、前記揺動スクロールを前記固定スクロールに押し付ける機能を具備した密閉型スクロール圧縮機において、
    前記スラストリングを支持する支持部材と、該支持部材に形成されて前記スラストリングを受け入れるリング溝と、前記スラストリングの内周縁及び外周縁に設けられ、該スラストリングと前記リング溝間をシールする背面側シール部材と、前記スラストリングの前記揺動スクロール側の面の内周側及び外周側に設けられ、当該スラストリングと前記揺動スクロールの背面間をシールする正面側シール部材とを備え、
    前記揺動スクロールの背面と前記スラストリングとの間に位置する当該スラストリングの正面空間に圧縮過程の冷媒を導入し、且つ、当該スラストリングの正面空間からスラストリングに加わる作用力F1と、前記背面空間からスラストリングに加わる作用力F2の関係を、F1<F2とすると共に、
    前記スラストリングの背面空間に対応する前記背面側シール部材間の前記スラストリングの表面積A1と、前記スラストリングの正面空間に対応する前記正面側シール部材間の前記スラストリングの表面積A2の関係を、A1>A2としたことを特徴とする密閉式スクロール圧縮機。
  2. 前記スラストリングの正面空間からスラストリングに加わる作用力F1と、前記背面空間からスラストリングに加わる作用力F2の関係が、F1<F2となる範囲内で、前記スラストリングの正面空間に、前記背面空間に導入する圧縮過程の冷媒よりも高い圧力の圧縮過程の冷媒を導入することを特徴とする請求項1に記載の密閉式スクロール圧縮機。
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