JP5382611B2 - 微粒子含有軟質塗膜及び積層塗膜 - Google Patents

微粒子含有軟質塗膜及び積層塗膜 Download PDF

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Description

本発明は、耐擦傷性や耐汚染性が要求される自動車のボディ等の塗装に適用できる微粒子含有軟質塗膜用塗料を用いて成る微粒子含有軟質塗膜及び積層塗膜に係り、更に詳細には、所定の粒径を有する微粒子を含む微粒子含有軟質塗膜用塗料を用いて成る微粒子含有軟質塗膜及び積層塗膜に関する。
近年、自動車車体の軽量化やデザイン自由度の拡大などを目的として、その外板部材の一部が金属からプラスチックに代替されつつある。このようなプラスチック部材には、通常、塗装が施されている。
例えば、シートモールディングコンパウンド(SMC)やポリマーアロイ等の硬質プラスチック製のフェンダー部材やバックドア部材などには、プライマー塗装後、金属部材と同様の中塗り塗装と上塗り塗装が施されている。一方、耐屈曲性や耐衝撃性が要求されるバンパー部材やサイドシルスポイラー部材などは、ポリプロピレンやウレタン等の軟質プラスチック製であり、プライマー塗装後、軟質の上塗り塗料による塗装が施されている。
最近では、これらの塗装の耐擦傷性を向上させるために、硬質クリヤー又は軟質クリヤーの適用が検討されており、一部の自動車の外板には施されている(例えば、特許文献1参照)。
なかでも硬質クリヤーについては、従来は塗膜にフロスト感を与えるために塗料に添加されていたシリカなどの微粒子フィラーを更に微細化し、硬質クリヤー用塗料に添加することで、硬質クリヤーの硬度を上げる試みがされている。これは、微粒子フィラーを含有することによって硬度が増した硬質クリヤーを適用することで、更に塗装の耐擦傷性を向上させるものである。
特公平6−29382号公報
しかしながら、内部応力が大きい硬質クリヤーは、厚膜化するとクラックが発生し易くなるため、その硬質化には限界があり、十分な耐擦傷性が得られないという問題点があった。
一方、軟質クリヤーは、軟質化に伴って鳥糞、花粉、虫、泥、水しみ等の汚れ、酸性雨及びガソリン、ワックス等の薬品に対する耐性が低下するので、軟質化に限界があるため、同様に十分な耐擦傷性が得られないという問題点があった。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、優れた耐擦傷性を有し、且つクラック等が発生しにくいという軟質塗膜の本来の特性は維持しつつ、優れた耐汚染性及び耐薬品性をも有する軟質塗膜用塗料を用いて成る軟質塗膜及び積層塗膜を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、水酸基、カルボキシル基及びアミノ基から成る群より選ばれた少なくとも1種の架橋基を有する樹脂と、メラミン樹脂、イソシアネート樹脂及びエポキシ樹脂から成る群から選ばれる少なくとも1種を含む硬化剤と、粒径1〜300nmのシリカ、アルミナのいずれか一方又は双方である微粒子とを含み、上記微粒子の含有量が、固形分の5〜30質量%であり、溶剤系塗料、水系塗料又は粉体塗料であり、且つ、常乾型、焼付け型、紫外線硬化型又は電子線硬化型である微粒子含有軟質塗膜用塗料を用いて成る微粒子含有軟質塗膜であって、セルロース系樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂及びABS樹脂から成る群から選ばれる少なくとも1種のポリマーと粒径1〜300nmの微粒子とを含み、伸び率が20〜100%、且つヤング率が5〜1000N/mm であり、ガラス転移点が−20〜75℃であり、架橋密度が0.005〜0.008mol/ccであり、上記微粒子の含有量が、5〜30質量%である構成とすることにより、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の微粒子含有軟質塗膜は水酸基、カルボキシル基及びアミノ基から成る群より選ばれた少なくとも1種の架橋基を有する樹脂と、メラミン樹脂、イソシアネート樹脂及びエポキシ樹脂から成る群から選ばれる少なくとも1種を含む硬化剤と、粒径1〜300nmのシリカ、アルミナのいずれか一方又は双方である微粒子とを含み、上記微粒子の含有量が、固形分の5〜30質量%であり、溶剤系塗料、水系塗料又は粉体塗料であり、且つ、常乾型、焼付け型、紫外線硬化型又は電子線硬化型である微粒子含有軟質塗膜用塗料を用いて成る微粒子含有軟質塗膜であって、セルロース系樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂及びABS樹脂から成る群から選ばれる少なくとも1種のポリマーと粒径1〜300nmの微粒子とを含み、伸び率が20〜100%、且つヤング率が5〜1000N/mm であり、ガラス転移点が−20〜75℃であり、架橋密度が0.005〜0.008mol/ccであり、上記微粒子の含有量が、5〜30質量%であることを特徴とする。
また、本発明の積層塗膜は、該軟質塗膜を備えることを特徴とする。
本発明によれば、水酸基、カルボキシル基及びアミノ基から成る群より選ばれた少なくとも1種の架橋基を有する樹脂と、メラミン樹脂、イソシアネート樹脂及びエポキシ樹脂から成る群から選ばれる少なくとも1種を含む硬化剤と、粒径1〜300nmのシリカ、アルミナのいずれか一方又は双方である微粒子とを含み、上記微粒子の含有量が、固形分の5〜30質量%であり、溶剤系塗料、水系塗料又は粉体塗料であり、且つ、常乾型、焼付け型、紫外線硬化型又は電子線硬化型である微粒子含有軟質塗膜用塗料を用いて成る微粒子含有軟質塗膜であって、セルロース系樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂及びABS樹脂から成る群から選ばれる少なくとも1種のポリマーと粒径1〜300nmの微粒子とを含み、伸び率が20〜100%、且つヤング率が5〜1000N/mm であり、ガラス転移点が−20〜75℃であり、架橋密度が0.005〜0.008mol/ccであり、上記微粒子の含有量が、5〜30質量%である構成としたため、優れた耐擦傷性を有し、且つクラック等が発生しにくいという軟質塗膜の本来の特性は維持しつつ、優れた耐汚染性及び耐薬品性をも有する軟質塗膜及び積層塗膜を提供することができる。
本発明の積層塗膜の一実施形態の概略断面図である。 本発明の積層塗膜の一実施形態の概略断面図である。
以下、本発明に用いる微粒子含有軟質塗膜用塗料、本発明の微粒子含有軟質塗膜及び積層塗膜につき詳細に説明する。なお、本明細書において、濃度及び含有量等についての「%」は特記しない限り質量百分率を表すものとする。
上述の如く、本発明に用いる微粒子含有軟質塗膜用塗料は、少なくとも1種の架橋基を有する樹脂と、メラミン樹脂、イソシアネート樹脂及びエポキシ樹脂から成る群より選ばれた少なくとも1種を含む硬化剤と、粒径1〜300nmの微粒子を含む。
ここで「微粒子を含む」とは、一次粒子、二次粒子、三次粒子のいずれの形態かを問わず、微粒子が分散されている状態をいう。
上記架橋基としては、例えば水酸基、カルボキシル基、アミノ基などの光架橋基を有する。上記樹脂はこれらの架橋基の1種又は複数種を有している。樹脂に含まれるこれらの架橋基が上記硬化剤と架橋反応することによって、該樹脂が造膜するものである。
上記微粒子は、シリカ及びアルミナである。これらの微粒子は、単独で又は複数種を組み合わせて用いられる。また、これらの微粒子は、硬化剤と反応する水酸基等の官能基を有していても良く、塗料への分散性を向上させるために、ポリシロキサン等の処理が行なわれていても良い。
上述のように該微粒子の粒径は1〜300nmであるが、好ましくは1〜100nm、より好ましくは1〜50nmであり、一次粒子、二次粒子及び三次粒子のいずれの状態であっても上記粒径範囲内にある。1nm未満では、塗膜を形成した際に耐汚染性や耐薬品性を向上させる効果が小さく、300nmを超えると形成した塗膜の透明性や、光沢、平滑性などの塗装外観が低下する。
塗膜中の微粒子により軟質塗膜自体の耐汚染性や耐薬品性が向上する作用機構は完全には明らかではないが、架橋反応による塗膜形成の際に、塗料に分散していたこれらの微粒子が架橋による編目構造の空間に入り込んで固定され、それらの微粒子によって、塗膜表面から進入する汚れや薬品の塗膜内部への浸透が遮断されることで実現していると考えることができる。
また塗膜上にクラックが発生した場合にも、上記微粒子の遮断効果によってクラックの進行を防止できる効果が期待される。
微粒子の塗料中の含有量は、塗料に含まれる固形分のうち、〜30%であり、好ましくは5〜20%であり、更に好ましくは10〜15%である。1%未満では耐汚染性や耐薬品性が低下する場合があり、30%を超えると塗膜の凝集力が低下し、耐傷付き性が低下したり、耐衝撃性の低下によって割れが生じたりする場合がある。
本発明に用いる軟質塗膜用塗料は、溶剤系塗料、水系塗料又は粉体塗料の形態である。また、樹脂、硬化剤及び微粒子の他に、溶剤、添加剤、顔料等が含まれていてもよい。例えば、透明クリヤー用塗料では、溶剤、添加剤が、濁りクリヤー用塗料では、溶剤、添加剤、若干の顔料(通常、塗料固形分に対して5%以下)が、エナメル塗料、ベースコート塗膜及び下塗り塗膜用塗料では、溶剤、添加剤、顔料を含むことができる。
上記溶剤の具体例としては、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等のエステル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類、トルエン、キシレン、ソルベッソ(登録商標)等の炭化水素溶剤などを用いることができる。これらは2種以上を適宜混合しても良い。
上記添加剤の具体例としては、分散剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、表面調整剤、ワキ防止剤などを用いることができる。これらは2種以上を適宜混合しても良い。
上記顔料の具体例としては、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、ペリレン系顔料等の有機系着色顔料や、カーボンブラック、二酸化チタン、ベンガラ等の無機系着色顔料を用いることができる。これらは2種以上を適宜混合しても良い。
本発明に用いる軟質塗膜用塗料の塗布方法としては、スプレー塗装やインモールドコーティング等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また塗膜形成方法としては、室温乾燥、焼付け乾燥、紫外線硬化、電子線硬化等を挙げることができる。
形成される軟質塗膜の種類としては、透明クリヤー塗膜、濁りクリヤー塗膜、エナメル塗膜、ベースコート塗膜等があり、それぞれの塗膜の膜厚は特に限定されるものではないが、例えばクリヤー塗膜の膜厚は20〜40μm程度、エナメル塗膜の膜厚は20〜40μm程度、ベースコート塗膜の膜厚は10〜20μm程度、下塗り塗膜の膜厚は、20〜40μm程度が好ましい。
本発明の微粒子含有軟質塗膜は、上述の如く本発明に用いる軟質塗膜用の塗料を用いて成るものであり、セルロース系樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂及びABS樹脂から成る群から選ばれる少なくとも1種のポリマーと粒径1〜300nmの微粒子とを含む。
塗膜中での微粒子の粒径は、塗料の場合と同様に1〜300nmであるが、好ましくは1〜100nm、より好ましくは1〜50nmであり、一次粒子、二次粒子及び三次粒子のいずれの状態であっても上記粒径範囲内にある。1nm未満では、耐汚染性や耐薬品性を向上させる効果が小さく、300nmを超えると形成した塗膜の透明性や塗装外観が低下する。なお、上記粒径は、大塚電子株式会社 ゼータ電位・粒径測定システムELSZ−2及び平板試料用セルを用いて測定した。
また、塗膜中の微粒子の含有量は、〜30%であり、好ましくは5〜20%であり、更に好ましくは10〜15%である。塗料についての説明でも詳述したように、1%未満では耐汚染性や耐薬品性が低下する場合があり、30%を超えると塗膜の凝集力が低下し、耐傷付き性が低下したり、耐衝撃性の低下によって割れが生じたりする場合があるからである。
微粒子含有軟質塗膜の物性は、その伸び率が20〜100%、且つヤング率が5〜1000N/mmであることが好ましく、伸び率が50〜100%、且つヤング率が100〜1000N/mmであることがより好ましく、伸び率が80〜100%、且つヤング率が500〜1000N/mmであることが更に好ましい。伸び率が20%未満であると耐傷付き性や耐衝撃性が低下することがあり、ヤング率が5N/mm未満であると耐汚染性や耐薬品性が低下することがある。また伸び率が100%を超えると耐汚染性や耐薬品性が低下することがあり、ヤング率が1000N/mmを超えると耐傷付き性や耐衝撃性が低下することがある。
なお、上記伸び率及びヤング率は、フリーフィルムを株式会社東洋ボールドウイン製のTENSILON UTM−4−200を用いて室温で測定した。フィルムの引っ張り速度は、4mm/minで行った。
また、微粒子含有軟質塗膜のガラス転移点は、好ましくは−20〜75℃、より好ましくは0〜75℃、更に好ましくは30〜75℃である。−20℃未満であると耐汚染性や耐薬品性に対する効果が小さくなる場合があり、75℃を超えると耐傷付き性や耐衝撃性が低下する場合がある。
なお、塗膜のガラス転移点は、フリーフィルムをセイコーインスツルメンツ株式会社製のDMS6100を用いて動的粘弾性を測定し、主分散の損失正接(tanδ)のピーク温度から求めた。
更に、微粒子含有軟質塗膜の架橋密度は、0.0050.008mol/ccである。
0.001mol/cc未満であると、塗膜中に含有される微粒子が十分に架橋の網目構造の空間に固定されないため、進入した汚れや薬品の浸透が十分に遮断されない可能性があり、また塗膜自体が造膜しない可能性がある。0.01mol/ccを超えると塗膜が硬くなりすぎて、軟質塗膜の特性である耐擦傷性等が低下する可能性がある。
上述のように本発明の微粒子含有軟質塗膜では、一定の粒径の微粒子を塗膜に分散することによって、耐汚染性や、耐薬品性を向上させているので、その軟質塗膜が本来有する伸び率、ヤング率、ガラス転移温度等の物性が大きく変化することはない。
従って、耐擦傷性や耐クラック性を損なうことなく、塗膜の軟質化によって低下するために軟質塗膜では期待されなかった耐汚染性や耐薬品性もが良好な軟質塗膜を得ることができる。
次に、本発明の積層塗膜について詳細に説明する。
本発明の積層塗膜は、本発明の微粒子含有軟質塗膜から成る塗膜層を1層以上備えるものであり、優れた耐擦傷性、耐クラック性、耐汚染性及び耐薬品性が要求される物品表面の被覆に好適に用いることができる。
積層塗膜としては、被塗物に下塗り塗膜、ベースコート塗膜及びクリヤー塗膜を順次形成して成るものや、被塗物に下塗り塗膜、その上にエナメル塗膜を形成して成るものを実施形態として挙げることができる。下塗り塗膜は被塗物とベースコート塗膜やエナメル塗膜との密着性を向上させ、またエナメル塗膜は積層塗膜の耐擦傷性、耐チッピング性及び表面の平滑性を向上させるものである。一般にクリヤー塗膜は、ベースコート塗膜上には施されるが、エナメル塗膜には施されない。
被塗物としては、代表的には鉄、アルミ、銅などの各種金属材、ポリプロピレン、ポリカーボネートなどの各種有機材、石英、セラミックス(炭化カルシウム他)などの各種無機材が挙げられる。具体的な物品としては、耐擦傷性などが要求される自動車のボディ、メッキ、蒸着、スパッタリング等の処理が施されたアルミホイールやドアミラー、屋内・屋外における樹脂製品、階段、床、家具等の木工製品などを挙げることができる。
このようにして得られる塗装物品としては、自動車、オートバイ、自転車、鉄道、その他の運輸機、建設機械、携帯電話、電化製品、光学機器、家具、建材、楽器、鞄、スポーツ用品、レジャー用品、キッチン用品、ペット用品、文房具などを挙げることができる。
ベースコート塗膜用、クリヤー塗膜用、エナメル塗膜用の塗料が溶剤系上塗り塗料である場合、これらの塗料を上述の被塗物に被覆する方法としては、公知慣用の方法、例えば、はけ塗り法、吹付け法、静電塗装法、電着塗装法、粉体塗装、スパッタ法等を用いることができる。また溶剤系上塗り塗料は、代表的には、加熱硬化(焼付け)処理により塗膜とすることができる。
なお、上記溶剤系上塗り塗料は、被塗物の全体又は一部に被覆できる。
図1及び図2に本発明の積層塗膜の実施形態の一例の概略断面図を示す。
図1に示す積層塗膜は、下塗り塗膜層10、ベースコート塗膜20及びクリヤー塗膜40から構成されている。クリヤー塗膜40を本発明の微粒子含有軟質塗膜とし、この塗膜を形成する本発明に用いる微粒子含有軟質塗膜用塗料は硬化型溶剤系塗料とした。
図2に示す積層塗膜は、下塗り塗膜層10及びエナメル塗膜30から構成されている。エナメル塗膜30を本発明の微粒子含有軟質塗膜とし、この塗膜を形成する本発明に用いる微粒子含有軟質塗膜用塗料は硬化型溶剤系塗料とした。
なお、図1及び図2に示した微粒子含有軟質塗膜は、単独層には限定されず、複数の層から形成されていてもよい。
以下、具体的な実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例により限定されるものではない。
参考例1)
1.微粒子含有軟質塗料の調製
旭化成ケミカルズ株式会社製のポリカーボネートジオールT5650J(水酸基価;140mgKOH/g)を酢酸ブチルで50%になるように溶解し、この溶液にHDI系イソシアネート(NCO:16.5%)を、上記ポリカーボネートジオールとイソシアネートとの割合が1.0/0.8となるように添加した溶液(A)と、日本ポリウレタン工業株式会社製ポリエステルジオール ニッポラン5711(水酸基価;55mgKOH/g)を酢酸ブチルで50%になるように溶解し、この溶液にHDI系イソシアネート(NCO:16.5%)を、上記ポリエステルジオールとイソシアネートとの割合が1.0/0.25となるように添加した溶液(B)とを割合が9/1となるように配合し、本例の軟質塗料とした。
次いで、ビックケミー・ジャパン株式会社製のナノ粒子(製品名:NANOBYK−3650)を上記調製した塗料に、塗膜形成成分全量を基準として、15%と成るように撹拌しながら添加した。
2.微粒子含有軟質塗膜の形成
リン酸亜鉛処理した厚み0.8mm、70mm×150mmのダル鋼板に、カチオン電着塗料(商品名「パワートップU600M」、日本ペイント株式会社製カチオン型電着塗料)を、乾燥膜厚が20μmとなるように電着塗装した後、160℃で30分間焼き付けた。
その後、BASFコーティングスジャパン株式会社製のグレーの下塗り(商品名:ハイエピコNo.500)を30μm塗装し、140℃で30分間焼き付けた。
次いで、BASFコーティングスジャパン株式会社製のベルコートNo.6010メタリック塗色を10μm塗装し、ウエットオンウエットで微粒子含有軟質塗料を30μm塗装し、140℃で30分間焼き付けた。
参考例2、実施例3、実施例4、参考例5、実施例6、実施例7、参考例8、実施例9、実施例10、比較例1〜5)
表1に示す仕様とした以外は、参考例1と同様の操作を繰返して、積層塗膜を形成した。
参考例2)
溶液(A)/溶液(B)=7/3とした以外は、参考例1と同様の操作を繰返して、積層塗膜を形成した。
(実施例3)
溶液(A)/溶液(B)=5/5とした以外は、参考例1と同様の操作を繰返して、積層塗膜を形成した。
(実施例4)
溶液(A)/溶液(B)=3/7とした以外は、参考例1と同様の操作を繰返して、積層塗膜を形成した。
参考例5)
溶液(A)/溶液(B)=1/9とした以外は、参考例1と同様の操作を繰返して、積層塗膜を形成した。
(比較例2)
溶液(A)/溶液(B)=10/0とした以外は、参考例1と同様の操作を繰返して、積層塗膜を形成した。
(比較例3)
溶液(A)/溶液(B)=0/10とした以外は、参考例1と同様の操作を繰返して、積層塗膜を形成した。
(評価)
参考例1、参考例2、実施例3、実施例4、参考例5、実施例6、実施例7、参考例8、実施例9、実施例10及び比較例1〜5の積層塗膜について、以下の(1)〜(5)の評価を行った。結果を表1及び表2に示す。
(1)耐汚染性
泥汚れ試験(泥成分含有汚染液塗布後、乾燥のサイクル試験後のスチーム洗浄)による明度差(ΔL)測定により、評価した。
◎:ΔL<5.0
○:ΔL<10.0
△:ΔL<15.0
×:ΔL<20.0
(2)耐薬品性
ガソリン試験(無鉛レギュラーガソリンを滴下し、乾燥させた後、塗面を布で拭き取る)による、塗膜の軟化・膨潤の有無を確認した。
◎:変化なし
○:若干、塗膜が軟化
△:塗膜が軟化
×:塗膜が軟化し、膨潤している。
(3)耐擦傷性
磨耗試験機の摺動子にダストネル(摩擦布)を両面テープで貼り付け、0.22g/cm2の荷重下、微粒子含有ポリロタキサン塗膜上を50回往復させ、傷の有無を目視評価した。
◎:傷がない。
○:殆ど傷がない。
△:少し傷がある。
×:目立つほど多くの傷がある。
(4)塗装外観
微粒子含有ポリロタキサン塗膜の平滑度合いを目視評価した。
◎:かなり平滑
○:若干、凹凸
△:凹凸
×:艶がない
Figure 0005382611
Figure 0005382611
表1及び表2の結果から明らかなように、本発明の実施例3、4、6、7、9、10は比較例1〜5と比較して各評価項目の結果のバランスが良い。即ち、各々の項目について×の評価がなく、且つ△の評価となった項目が2つ以下である。
これらの結果は、規定の粒径の微粒子を軟質塗膜層に含有させることによって、耐汚染性、耐薬品性及び耐擦傷性の性能と外観とが総合的に良好な塗膜が得られることを示す。
10 下塗り塗装
20 ベースコート塗装(メタリック塗装)
30 微粒子含有軟質塗膜(エナメル塗装)
40 微粒子含有軟質塗膜(クリヤー塗装)

Claims (4)

  1. 水酸基、カルボキシル基及びアミノ基から成る群より選ばれた少なくとも1種の架橋基を有する樹脂と、メラミン樹脂、イソシアネート樹脂及びエポキシ樹脂から成る群から選ばれる少なくとも1種を含む硬化剤と、粒径1〜300nmのシリカ、アルミナのいずれか一方又は双方である微粒子とを含み、
    上記微粒子の含有量が、固形分の5〜30質量%であり、
    溶剤系塗料、水系塗料又は粉体塗料であり、且つ、常乾型、焼付け型、紫外線硬化型又は電子線硬化型である微粒子含有軟質塗膜用塗料を用いて成る微粒子含有軟質塗膜であって、
    セルロース系樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂及びABS樹脂から成る群から選ばれる少なくとも1種のポリマーと粒径1〜300nmの微粒子とを含み、
    伸び率が20〜100%、且つヤング率が5〜1000N/mm であり、
    ガラス転移点が−20〜75℃であり、
    架橋密度が0.005〜0.008mol/ccであり、
    上記微粒子の含有量が、5〜30質量%である
    ことを特徴とする微粒子含有軟質塗膜
  2. 上記微粒子の粒径が1〜100nmであり、
    上記微粒子の含有量が、5〜20質量%である
    ことを特徴とする請求項1に記載の微粒子含有軟質塗膜。
  3. 透明クリヤー塗膜、濁りクリヤー塗膜、エナメル塗膜、ベースコート塗膜又は下塗り塗膜であることを特徴とする請求項1又は2に記載の微粒子含有軟質塗膜。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の微粒子含有軟質塗膜から成る塗膜層を備えることを特徴とする積層塗膜。
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