JP5382108B2 - フィルムコンデンサ用誘電体樹脂組成物およびその製造方法、ならびにフィルムコンデンサ - Google Patents

フィルムコンデンサ用誘電体樹脂組成物およびその製造方法、ならびにフィルムコンデンサ Download PDF

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Description

この発明は、フィルムコンデンサ用誘電体樹脂組成物およびその製造方法、ならびに上記フィルムコンデンサ用誘電体樹脂組成物を用いて構成されるフィルムコンデンサに関するもので、特に、フィルムコンデンサの耐熱性を向上させるための改良に関するものである。
コンデンサの一種として、可撓性のある樹脂フィルムを誘電体として用いながら、樹脂フィルムを挟んで互いに対向する第1および第2の対向電極となる金属膜を樹脂フィルムの両主面上に形成してなる、フィルムコンデンサがある。フィルムコンデンサは、通常、上述の誘電体樹脂フィルムを巻回してなる円柱状の形態をなしており、当該円柱の互いに対向する第1および第2の端面上には、それぞれ、第1および第2の外部端子電極が形成されている。そして、前述した第1の対向電極は第1の外部端子電極と電気的に接続され、第2の対向電極は第2の外部端子電極と電気的に接続されている。
上述のフィルムコンデンサにおいて、誘電体樹脂フィルムとしては、電気的特性、成形性、取り扱い性を考慮して、たとえば特開平10‐119127号公報(特許文献1)に記載されるように、ポリプロピレンを主成分とするものを用いることが一般的である。
しかしながら、ポリプロピレンのような熱可塑性樹脂を誘電体樹脂フィルムの主成分として用いた場合、どうしても耐熱性が課題となるため、高温下で使用される用途、たとえば自動車のエンジンルーム内での使用には適さないという問題があった。
また、近年の市場からの小型化の要求を満たすためには、誘電体樹脂フィルムの1層あたりの薄層化が必要であるが、ポリプロピレンを主成分とするフィルムは、熱溶融させて延伸しながらシート化するといった工程を経て製造されることから、たとえば厚み2.5μm未満の領域になってくると、技術的な難度が高くなり、安定した厚みでのシート化が困難であるという問題もある。
そこで、誘電体樹脂フィルムの主成分を、上述したポリプロピレンに代えて、ポリイソシアネートにより架橋されたポリビニルアセタールを用いるとともに、誘電率の向上を目的とした誘電体フィラーを添加したものが、たとえば国際公開第2006/100833号パンフレット(特許文献2)に開示されている。ポリビニルアセタールは熱硬化性の特性を有しており、溶剤に溶解させることができるので、ポリプロピレンのように熱溶融させて延伸するというような方法を用いずに薄層シートを成形することができる。
しかしながら、上記特許文献2に開示されているような誘電体樹脂フィルムは、同じフィルム内での特性ばらつきが比較的大きくなりやすい。したがって、特許文献2に開示されているような誘電体樹脂フィルムを用いたとしても、結局、ロット内で保証できる耐熱性、すなわち特定温度における耐電圧強度が低くなってしまうという問題がある。
特開平10−119127号公報 国際公開第2006/100833号パンフレット
そこで、この発明の目的は、上述したような問題を解決し得るフィルムコンデンサ用誘電体樹脂組成物およびその製造方法を提供しようとすることである。
この発明の他の目的は、上述したフィルムコンデンサ用誘電体樹脂組成物を用いて構成されるフィルムコンデンサを提供しようとすることである。
この発明は、フィルムコンデンサ用誘電体樹脂組成物にまず向けられるものであって、上述した技術的課題を解決するため、次のような構成を備えることを特徴としている。
すなわち、この発明に係るフィルムコンデンサ用誘電体樹脂組成物は、各々が互いに反応する官能基を有する、少なくとも第1および第2の有機材料を含む2種類以上の有機材料を混合し、かつ互いに架橋させることによって、硬化物が得られるものであって、少なくとも第1の有機材料の直鎖方向の炭素繰り返し数が2400以上であり、第1の有機材料が水酸基を10〜38重量%持つポリビニルアセタールであり、第2の有機材料がイソシアネート基を1〜50重量%持つポリイソシアネートであり、上記硬化物は、ポリビニルアセタールを20〜90重量%含み、硬化物のガラス転移点が130℃以上であり、硬化物の絶縁破壊強度が350V/μm以上であることを特徴としている。
この発明に係るフィルムコンデンサ用誘電体樹脂組成物は、上述したように、各々が互いに反応する官能基を有する、少なくとも第1および第2の有機材料を含む2種類以上の有機材料を混合し、かつ互いに架橋させることによって、硬化物が得られるものであって、少なくとも第1の有機材料の直鎖方向の炭素繰り返し数が2400以上であり、第1の有機材料が水酸基を10〜38重量%持つポリビニルアセタールであり、第2の有機材料がイソシアネート基を1〜50重量%持つポリイソシアネートであり、上記硬化物は、ポリビニルアセタールを20〜90重量%含むが、この発明の別の局面では、走査型プローブ顕微鏡の位相差測定モードにて測定した際の、相分離領域の最大長さの平均値が100nm以下であることを特徴としている。
この発明に係るフィルムコンデンサ用誘電体樹脂組成物において、好ましくは、ポリビニルアセタールが、ポリビニルアセトアセタールであり、イソシアネートが、トリレンジイソシアネートである。
この発明に係るフィルムコンデンサ用誘電体樹脂組成物は、好ましくは、硬化物についての軟化点の分布が、標準偏差で50℃以下である。
この発明に係るフィルムコンデンサ用誘電体樹脂組成物は、硬化物の誘電率の±10以内の誘電率を有するフィラーを30体積%以下さらに含有してもよい。
この発明は、また、上述したフィルムコンデンサ用誘電体樹脂組成物を用いて構成されるフィルムコンデンサにも向けられる。この発明に係るフィルムコンデンサは、上述したフィルムコンデンサ用誘電体樹脂組成物を硬化させてなる誘電体樹脂フィルムと、誘電体樹脂フィルムを挟んで互いに対向する第1および第2の対向電極とを備えることを特徴としている。
さらに、この発明は、フィルムコンデンサ用誘電体樹脂組成物の製造方法にも向けられる。
この発明に係る誘電体樹脂組成物の製造方法は、所定の官能基を有しかつ炭素繰り返し数が2400以上である第1の有機材料を用意する工程と、第1の有機材料の官能基と反応する官能基を有する第2の有機材料を用意する工程と、少なくとも第1の有機材料に、直径0.125mmおよび長さ5mmの経路を通すときの圧力が50MPa以上となるようなせん断力が加わる高圧分散処理を施す工程と、少なくとも第1の有機材料と第2の有機材料とを混合した混合液を得る工程とを備え、第1の有機材料が水酸基を10〜38重量%持つポリビニルアセタールであり、第2の有機材料がイソシアネート基を1〜50重量%持つポリイソシアネートであることを特徴としている。フィルムコンデンサのための誘電体樹脂フィルムを得るためには、上記混合液をフィルム状に成形し、次いで硬化させる工程がさらに実施される。得られた硬化物は、ポリビニルアセタールを20〜90重量%含む。
この発明に係るフィルムコンデンサ用誘電体樹脂組成物によれば、ガラス転移点が130℃以上の硬化物を得ることができるので、誘電体樹脂フィルムの耐熱性が高くなり、これをもって構成されたフィルムコンデンサとしての保証温度を高くすることができる。また、上述のように誘電体樹脂フィルムの耐熱性が高くなるので、これを用いてフィルムコンデンサを製造するため、対向電極を蒸着により形成しようとするとき、誘電体樹脂フィルムを特に冷却しなくても、蒸着工程を進めることができる。
また、この発明に係るフィルムコンデンサ用誘電体樹脂組成物によれば、その硬化物の絶縁破壊強度が350V/μm以上であるので、これを用いて構成された誘電体樹脂フィルムの絶縁破壊強度を高くすることができる。そのため、所定の絶縁破壊強度を維持しながら、誘電体樹脂フィルムの厚みを薄くすることができ、その結果、フィルムコンデンサの小型化を図ることができる。
また、この発明に係るフィルムコンデンサ用誘電体樹脂組成物によれば、第1の有機材料の直鎖方向の炭素繰り返し数が2400以上であるので、これから得られた誘電体樹脂フィルムに十分な可撓性を与えることができ、そのため、巻回型のフィルムコンデンサに備える誘電体樹脂フィルムとして好適に用いることができる。
また、この発明に係るフィルムコンデンサ用誘電体樹脂組成物によれば、第1の有機材料がポリビニルアセタールであり、硬化物が、ポリビニルアセタールを20重量%以上含み、第2の有機材料がイソシアネート基をもつポリイソシアネートであるので、特に絶縁破壊強度を高くすることができ、そのため、フィルムコンデンサにおける誘電体樹脂フィルムを薄くすることができ、フィルムコンデンサの小型化を有利に進めることができる。
さらに、この発明に係るフィルムコンデンサ用誘電体樹脂組成物によれば、上述のポリビニルアセタールが水酸基を10〜38重量%持ち、上述のポリイソシアネートがイソシアネート基を1〜50重量%持ち、硬化物が、ポリビニルアセタールを20〜90重量%含むので、硬化物の架橋密度が高まり、その結果、誘電体樹脂フィルムの絶縁破壊強度をより高くすることができる。
この発明に係るフィルムコンデンサ用誘電体樹脂組成物がフィラーをさらに含有する場合において、このフィラーが仮に高誘電率である場合には、得られた誘電体樹脂フィルムに電界を印加したとき、樹脂部分にばかり電界がかかるため、樹脂部分が破壊されやすく、その結果、絶縁破壊強度が低下することがある。これに対して、フィラーの誘電率を樹脂部分すなわち硬化物の誘電率の±10以内にし、かつフィラーの含有率を30体積%以下とすることにより、電界の集中を避けることができ、硬化物単独の場合と同等の絶縁破壊強度を与えることができる。また、誘電体樹脂フィルムの表面に凹凸を形成することができ、その表面での滑り性を良好なものとすることができ、巻回型のフィルムコンデンサの作製のための誘電体樹脂フィルムの巻回作業を円滑に行なうことができる。
この発明に係る誘電体樹脂組成物の製造方法によれば、炭素繰り返し数が2400以上である第1の有機材料に対して所定のせん断力が加わる高圧分散処理が施されるので、この第1の有機材料の溶解性が高まり、第1および第2の有機材料を含む2種類以上の有機材料間の相互溶解性が向上するため、硬化反応が均質に進む。その結果、得られた誘電体樹脂フィルムの絶縁破壊強度を向上させることができる。
この発明に係る誘電体樹脂組成物を用いて構成されるフィルムコンデンサの一例を示す縦断面図である。 実験例4において求めた相分離領域の最大長さの決定方法を説明するための図である。
図1を参照して、この発明に係る誘電体樹脂組成物を用いて構成されるフィルムコンデンサについて説明する。
図1に示したフィルムコンデンサ1は、巻回型のものであり、簡単に言えば、巻回軸2のまわりに巻回される第1および第2の誘電体樹脂フィルム3および4と、第1または第2の誘電体樹脂フィルム3または4を挟んで互いに対向する第1および第2の対向電極5および6とを備えるとともに、第1および第2の対向電極5および6にそれぞれ電気的に接続される第1および第2の外部端子電極7および8を備えている。
より詳細には、第1の誘電体樹脂フィルム3上に第1の対向電極5が形成され、第2の誘電体樹脂フィルム4上に第2の対向電極6が形成される。このとき、第1の対向電極5は、第1の誘電体樹脂フィルム3の一方側縁にまで届くが、他方側縁にまで届かないように形成される。他方、第2の対向電極6は、第2の誘電体樹脂フィルム4の一方側縁にまで届かないように形成されるが、他方側縁にまで届くように形成される。
上述の第1および第2の誘電体樹脂フィルム3および4は、巻回軸2のまわりでの巻回にあたって、積み重ねた状態とされる。このとき、図1からわかるように、第1の対向電極5における第1の誘電体樹脂フィルム3の側縁にまで届いている側の端部および第2の対向電極6における第2の誘電体樹脂フィルム4の側縁にまで届いている側の端部がともに露出するように、第1の誘電体樹脂フィルム3と第2の誘電体樹脂フィルム4とが互いに幅方向にずらされる。そして、上述のようにして、第1および第2の樹脂フィルム3および4が巻回軸2のまわりに巻回されることによって、実質的に円柱状のコンデンサ本体9が得られる。
なお、図1に示したフィルムコンデンサ1では、第2の誘電体樹脂フィルム4が第1の誘電体樹脂フィルム3の外側になるように、かつ第1および第2の誘電体樹脂フィルム3および4の各々について、第1および第2の対向電極5および6の各々が内方に向くように巻回されている。
第1および第2の外部端子電極7および8は、上述のようにして得られた実質的に円柱状のコンデンサ本体9の各端面上にたとえば亜鉛を溶射することによって形成される。第1の外部端子電極7は、第1の対向電極5の露出端部と接触し、それによって第1の対向電極5と電気的に接続される。他方、第2の外部端子電極8は、第2の対向電極6の露出端部と接触し、それによって第2の対向電極6と電気的に接続される。
このようなフィルムコンデンサ1に備える誘電体樹脂フィルム3および4が、この発明に係る誘電体樹脂組成物を硬化させて得られたフィルムから構成される。
フィルムコンデンサ用誘電体樹脂組成物は、各々が互いに反応する官能基を有する、少なくとも第1および第2の有機材料を含む2種類以上の有機材料を混合し、かつ互いに架橋させることによって、硬化物が得られるものである。ここで、少なくとも第1の有機材料については、その直鎖方向の炭素繰り返し数が2400以上とされる。そして、この誘電体樹脂組成物の硬化物は、ガラス転移点が130℃以上であるという条件と、絶縁破壊強度が350V/μm以上であるという条件との双方を満たす。
このような誘電体樹脂組成物は、次のようにして製造される。
まず、上述の第1および第2の有機材料がそれぞれ用意される。この場合、必要に応じて、他の有機材料がさらに用意されてもよい。
次いで、少なくとも第1の有機材料に対して、直径0.125mmおよび長さ5mmの経路を通すときの圧力が50MPa以上となるようなせん断力が加わる高圧分散処理が施される。
その後、少なくとも第1の有機材料と第2の有機材料とを混合した混合液が作製される。このとき、少なくとも第1の有機材料は、高圧分散処理が施されているので、その溶解性が高められていて、その結果、第1の有機材料と第2の有機材料とを含む2種類以上の有機材料間の相互溶解性が向上する。
前述したフィルムコンデンサ1のための誘電体樹脂フィルム3および4を得るため、上述の混合液はフィルム状に成形され、次いで硬化される。このとき、第1および第2の有機材料を含む2種類以上の有機材料間の相互溶解性が高められているので、硬化反応を均質に進めることができ、その結果、得られた誘電体樹脂フィルム3および4の絶縁破壊強度を向上させることができる。
上述した説明では、混合液を得る前に、第1の有機材料に対して高圧分散処理を施したが、混合液を得た後に、第2の有機材料をも含めた状態で高圧分散処理を施してもよい。後者の場合の方が、高圧分散処理による効果がより高くなるものと推測される。
ところで、2種以上の有機材料を混合した場合、それらの有機材料の相互溶解性に応じて、ナノメートルないしミクロンレベルのミクロな相分離構造を形成することが一般的に知られている。
この発明に係るフィルムコンデンサ用誘電体樹脂組成物についても、2種以上の有機材料を混合して得られたものであるので、上述したような相分離構造を形成している。特に、この発明に係る誘電体樹脂組成物では、ロット内平均に比べてかなり硬い相とかなり柔らかい相というように、物性の異なる少なくとも2つの相への分離が生じていることがわかった。
そこで、本件発明者は、この発明に係るフィルムコンデンサ用誘電体樹脂組成物の外延を規定する手段として、前述したような硬化物のガラス転移点および絶縁破壊強度といった特性を採用するのではなく、上述の相分離構造を採用できないかと考え、実験(後述する実験例4参照)を試みたところ、次のようなことがわかった。
前述のように、この発明に係るフィルムコンデンサ用誘電体樹脂組成物を製造するにあたっては、少なくとも第1の有機材料に高圧分散処理が施される。このような高圧分散処理を施して得られた硬化前の誘電体樹脂組成物について、ロット内平均に比べてかなり硬い相とかなり柔らかい相というように、性質の異なる少なくとも2つの相への分離が生じている「相分離領域」の最大長さの平均値を求めると、これが100nm以下となることを見出した。よって、この相分離領域の最大長さの平均値が100nm以下であるという条件をもってしても、この発明に係る誘電体樹脂組成物を規定することができる。
この発明に係る誘電体樹脂組成物において、第1の有機材料としてポリビニルアセタールが用いられ、第2の有機材料としてイソシアネート基を持つポリイソシアネートが用いられる。また、この誘電体樹脂組成物の硬化物は、ポリビニルアセタールを20重量%以上含むことが好ましい。
より特定的には、ポリビニルアセタールは水酸基を10〜38重量%持ち、ポリイソシアネートはイソシアネート基を1〜50重量%持ち、硬化物は、ポリビニルアセタールを20〜90重量%含む。
上述のように、ポリビニルアセタールを20〜90重量%含むという条件の下で、水酸基やイソシアネート基と反応する官能基を持ち、硬化物の架橋構造の一部を形成する有機材料をさらに配合してもよい。このような有機材料としては、たとえば、エポキシ基、シラノール基またはカルボキシル基をもつ樹脂が挙げられる。
また、ポリビニルアセタールの硬化物中の含有率は、好ましくは30〜80重量%であり、より好ましくは40〜70重量%である。特に、ポリビニルアセタールの含有率が40〜70重量%であると、得られた誘電体樹脂フィルムの引っ張り試験での降伏応力が60MPa以上となり、破断伸度が20%以上となるといった特性が得られるので、巻回型のフィルムコンデンサを作製する際の誘電体樹脂フィルムの搬送・取扱いが容易になり、生産性が向上する。
これに対して、ポリビニルアセタールの含有率が20重量%以上かつ40重量%未満では、破断伸度が20%未満となり、脆性が出る。他方、ポリビニルアセタールの含有率が70重量%を超えかつ90重量%以下では、ポリビニルアセタールが持つ水酸基の中で、架橋反応せずに余るものが出るため、得られた誘電体樹脂フィルムの絶縁破壊強度が350V/μm以上ではあるが、400V/μm以下となり、後述する実験例において得られた最高値である475V/μmに比べるとやや劣る。
上述のポリビニルアセタールとしては、たとえばポリビニルアセトアセタールが用いられ、イソシアネートとしては、たとえばトリレンジイソシアネートが用いられる。
この発明に係るフィルムコンデンサ用誘電体樹脂組成物は、硬化後において、軟化点の分布が標準偏差で50℃以下であることが好ましい。この軟化点の分布を標準偏差で表わしたものは、2種類以上の有機材料が均一に分散されていることを評価する指標となる。たとえば、この発明に係るフィルムコンデンサ用誘電体樹脂組成物を熱硬化させて得られた試験フィルムについて、一定間隔ごとに極細の探針を押し当て、急昇温させて探針の変位を測定することにより、フィルムの軟化による探針の急激な変動が生じた温度、すなわち軟化点を知ることができる。そして、各測定箇所間での軟化点のばらつきを標準偏差で表わせば、この標準偏差をもって、誘電体樹脂フィルムにおける「むら」を規定することができる。
また、この発明に係る誘電体樹脂組成物は、硬化物の誘電率の±10以内の誘電率を有するフィラーを30体積%以下さらに含有していてもよい。
次に、この発明による効果を確認するために実施した実験例について説明する。
[実験例1]
表1に示す炭素繰り返し数および水酸基量を有する有機材料1と酢酸エチルとを混合して攪拌し、有機材料1の濃度が7重量%となる樹脂溶液を作製した。
次に、この樹脂溶液を、高圧分散機において、直径0.125mmおよび長さ5mmのオリフィスと呼ばれる部分に、150MPaの圧力で1回通すことによって、樹脂溶液にせん断力を加えた。次に、この高圧分散処理された樹脂溶液を、細孔径0.45μmのフィルタに5回通し、異物を除去した。
次に、上記のように異物を除去した後の有機材料1を含む樹脂溶液に対して、固形分濃度が表1の「硬化物に対する有機材料1の配合量」となるように、表1に示すNCO基(イソシアネート基)量を有する有機材料2を加えて混合し、混合液が均質となるように攪拌した。
なお、表1の有機材料2において、「TDI」は、メチルエチルケトン(MEK)オキシムのブロック型トリメチルプロパノール(TMP)アダクトタイプのトリレンジイソシアネートであり、「MDI」はジフェニルメタン‐4,4´‐ジイソシアネートであり、「HDI」はヘキサメチレンジイソシアネートである。
上記のようにして得られた混合液を、細孔径0.45μmのフィルタに3回通し、異物を除去した。
次に、コーターを用いて、ポリエチレンテレフタレート(PET)シート上に上記混合液を塗工し、乾燥して、厚さ4μmのフィルムを成形した。次いで、この成形したフィルムを、熱風式オーブンに入れ、180℃の温度で1時間硬化処理した。
このようにして得られた硬化物としてのフィルムについて、表1に示すように、ガラス転移点、絶縁破壊強度、誘電率および誘電損失を評価した。ガラス転移点については、示差型熱量分析装置を用いて測定した。また、絶縁破壊強度については、上述のフィルムの両面に蒸着電極を形成したものを評価用の試料とした。そして、電界強度25V/μm刻みで、各電界強度を10分間保持する電界印加方法の下で、フィルムの破壊によって静電容量が低下して初期値の0%となった電界強度を絶縁破壊強度と定義した。この測定では、各試料について試料数を5個とし、ワイブル分布で故障頻度50%となる値を絶縁破壊強度の平均値として採用した。
Figure 0005382108
表1において、試料1〜10は、有機材料1、水酸基量、NCO基量、および硬化物に対する有機材料1の配合量の各点において、この発明の範囲内に入るものである。これら試料1〜10によれば、ガラス転移点が130℃以上となり、絶縁破壊強度が350V/μm以上となった。なお、試料11は、有機材料1がポリビニルアセトアセタール以外のエポキシである点で、この発明の範囲外である。
これらに対し、試料12では、有機材料1の炭素繰り返し数が2400未満であるため、成形時に細切れに破断が生じ、フィルムに成形することができなかった。
試料13では、水酸基量が10重量%未満であるため、ガラス転移点が130℃未満となり、絶縁破壊強度が350V/μm未満となった。
試料14では、水酸基量が38重量%を超えたため、有機材料1が有機溶剤に溶けず、フィルムを作製できなかった。
試料15では、NCO基量が1重量%未満であるため、ガラス転移点が130℃未満となり、絶縁破壊強度が350V/μm未満となった。
試料16では、NCO基量が50重量%を超えたため、HDIの自己反応が速すぎて、ポリビニルアセトアセタールとHDIとの混合直後にゲル化し、フィルムに成形できなかった。
試料17では、硬化物に対する有機材料1の配合量が20重量%未満であるため、成形時に細切れに破断が生じ、フィルムに成形することができなかった。
試料18では、硬化物に対する有機材料1の配合量が90重量%を超えるため、ガラス転移点が130℃未満となり、絶縁破壊強度が350V/μm未満となった。
[実験例2]
実験例1における試料1の場合と同様の混合液を用意した。
他方、トルエンおよびエタノールを重量比1:1で配合した溶剤中に、平均粒径0.2μmのシリカ粒子(誘電率4)とシランカップリング剤とを入れ、ボールミルで8時間攪拌し、シランカップリング剤で表面処理されたシリカ粒子を分散させたシリカ粒子分散液を作製した。
次に、前述の混合液と上記シリカ粒子分散液とを、シリカの体積濃度が30体積%となるように配合し、この配合液を高圧分散機に通し、直径0.125mmおよび長さ5mmのオリフィスと呼ばれる部分に、150MPaの圧力で1回通し、この配合液に対してもせん断力を加えた。
次に、上記配合液に対して、実験例1の場合と同様の操作を経て、硬化物としてのフィルムを得るとともに、そのガラス転移点および絶縁破壊強度を評価した。その結果、ガラス転移点は160℃であり、絶縁破壊強度は475V/μmであった。これらは、実験例1における試料1と同じ値である。
また、この実験例2において得られたフィルムを、直径4インチの紙管に巻き付けたところフィルム表面の滑り性が良好であり、問題なく巻き付けることができた。
[実験例3]
実験例3では、炭素繰り返し数が2400以上の有機材料に対して施される高圧分散処理での好ましい条件を求め
より具体的には、実験例1における試料1については、有機材料1としてのポリビニルアセトアセタール溶液に対して施された高圧分散処理において、直径0.125mmおよび長さ5mmのオリフィスに、150MPaの圧力で1回通すといった条件が選ばれたが、圧力および回数を以下の表2に示すように変え、得られたフィルムの絶縁破壊強度のばらつきおよび絶縁破壊強度の平均値を比較した。
Figure 0005382108
表2からわかるように、圧力が150MPaと十分に高い場合には、通過回数を1回にしても十分な分散能力を得ることができ、その結果、絶縁破壊強度のばらつきが小さく、また、絶縁破壊強度の平均値が大きくなっている。
また、圧力が50MPaの場合には、通過回数を多くしさえすれば、所望の分散状態を得ることができ、絶縁破壊強度のばらつきが小さく、また、絶縁破壊強度の平均値が大きくできることがわかる。
これらに対して、圧力が25MPaでは、通過回数を多くしても、絶対的な圧力が不足しているため、絶縁破壊強度のばらつきの低減や絶縁破壊強度の平均値の向上は望めない。
[実験例4]
実験例4では、高圧分散処理を経て得られた誘電体樹脂組成物において生じる相分離構造および硬化後の軟化点を評価し、絶縁破壊強度との関係を求めた。
より具体的には、実験例1における試料1については、有機材料1としてのポリビニルアセトアセタール溶液に対して施された高圧分散処理において、直径0.125mmおよび長さ5mmのオリフィスに、150MPaの圧力で1回通すといった条件が選ばれたが、高圧分散処理での圧力および処理回数を以下の表3の「高圧分散機でかける圧力」および「回数」にそれぞれ示すように変え、得られた硬化前のフィルムの相分離構造、特に、相分離領域の最大長さの平均値を求め、また、硬化後のフィルム面内の軟化点を求めるとともに、絶縁破壊強度を求めた。なお、表1には、実験例1において作製した試料1についてのデータも示されている。
表3に示した相分離領域の最大長さの平均値は、次のようにして求めた。
まず、相分離構造を、たとえば特許第4029356号に報告されているように、走査型プローブ顕微鏡(SPM)を用いた位相遅れ測定モードにより評価した。
ここで、位相遅れ測定モードは、通常、表面形態観察と同時に行なわれるものであり、これによって、表面の局所的粘弾性を評価することができる。SPMによる位相像では、位相遅れが大きいほど明るく、逆に位相遅れが小さいほど暗く表現される。位相遅れが小さいということは他の相に比べ硬く、一方、位相遅れが大きいということは他の相に比べ柔らかいことを表わしている。よって、物性の異なる複数の樹脂相が表面に存在する場合において、本測定法により相分離構造の評価が可能となる。
上述の位相遅れ測定モードで測定された位相像から、下記の基準にて相分離領域を決定した。相分離領域とは、位相遅れが特に大きい領域、および位相遅れが特に小さい領域のことを意味する。実際には、位相遅れの最大値と位相遅れの最小値とを計測した。次いで、これら最大値と最小値との平均値を基準(ゼロ)とし、また、最大値を+100%、最小値を−100%としたとき、位相差が+75%〜+100%となる領域および位相差が−75%〜−100%となる領域をともに相分離領域とみなした。
そして、上記の相分離領域を解析するにあたって、図2に示すように、相分離領域11を連続構造とみなした際の、最大長さ12を測定し、その平均値を算出した。これが表3に示されている。
表3に示したフィルム面内の軟化点については、局所熱分析システム(株式会社日本サーマル・コンサルティング製のVESTAシステム)にて測定した。測定は、先端径30nmの探針を使用し、2μm×2μmの領域について500nm間隔の25点について行なった。測定に際しては、探針の先端を試料表面に接触させ、探針の先端の圧力を一定にした状態で、先端温度を一定速度で昇温し、フィルムに接触させた探針の変位を測定するものとし、探針の変位が最大を示した温度をフィルム面内の軟化点とした。そして、表3に示すように、この軟化点の最低値および最高値を求めるとともに、各測定点における軟化点の分布の標準偏差を算出した。
表3に示した絶縁破壊強度については、実験例1において求めた絶縁破壊強度の平均値と同様にして求めた。
Figure 0005382108
表3からわかるように、高圧分散機でかける圧力を高くするほど、相分離領域の最大長さがより小さくなり、フィルム面内の軟化点の標準偏差がより小さくなり、また、絶縁破壊強度がより高くなっている。このことから、高圧分散機でかける圧力を高くするほど、有機材料の溶解性がより高まり、有機材料同士の相互溶解性が向上し、よって反応が均質となり、その結果、絶縁破壊強度がより高くなったことが推測される。
試料22、23および1では、相分離領域の最大長さが100nm以下であり、フィルム面内の軟化点の標準偏差が50℃以下であり、絶縁破壊強度が350V/μm以上と高くなっている。
これらに対して、試料21では、高圧分散機でかける圧力が25MPaと低いため、20回の高圧分散処理を行なっても、高圧分散処理の効果が小さく、相分離領域の最大長さが100nmを超え、フィルム面内の軟化点の標準偏差が50℃を超え、絶縁破壊強度が350V/μm未満と低くなっている。
上記試料21からわかるように、高圧分散の圧力が低い場合には、所望の分散状態を得ることができず、結果として硬化状態が不均質となり、軟化点の標準偏差が大きくなった。このような不均質な硬化状態では、フィルム全体として高い絶縁破壊強度を実現することができなかった。
1 フィルムコンデンサ
3,4 誘電体樹脂フィルム
5,6 対向電極
11 相分離領域
12 最大長さ

Claims (7)

  1. 各々が互いに反応する官能基を有する、少なくとも第1および第2の有機材料を含む2種類以上の有機材料を混合し、かつ互いに架橋させることによって、硬化物が得られるものであって、少なくとも前記第1の有機材料の直鎖方向の炭素繰り返し数が2400以上であり、前記第1の有機材料が水酸基を10〜38重量%持つポリビニルアセタールであり、前記第2の有機材料がイソシアネート基を1〜50重量%持つポリイソシアネートであり、前記硬化物は、前記ポリビニルアセタールを20〜90重量%含み、前記硬化物のガラス転移点が130℃以上であり、前記硬化物の絶縁破壊強度が350V/μm以上である、フィルムコンデンサ用誘電体樹脂組成物。
  2. 各々が互いに反応する官能基を有する、少なくとも第1および第2の有機材料を含む2種類以上の有機材料を混合し、かつ互いに架橋させることによって、硬化物が得られるものであって、少なくとも前記第1の有機材料の直鎖方向の炭素繰り返し数が2400以上であり、前記第1の有機材料が水酸基を10〜38重量%持つポリビニルアセタールであり、前記第2の有機材料がイソシアネート基を1〜50重量%持つポリイソシアネートであり、前記硬化物は、前記ポリビニルアセタールを20〜90重量%含み、走査型プローブ顕微鏡の位相差測定モードにて測定した際の、相分離領域の最大長さの平均値が100nm以下である、フィルムコンデンサ用誘電体樹脂組成物。
  3. 前記ポリビニルアセタールが、ポリビニルアセトアセタールであり、前記イソシアネートが、トリレンジイソシアネートである、請求項またはに記載のフィルムコンデンサ用誘電体樹脂組成物。
  4. 前記硬化物についての軟化点の分布が、標準偏差で50℃以下である、請求項1ないしのいずれかに記載のフィルムコンデンサ用誘電体樹脂組成物。
  5. 前記硬化物の誘電率の±10以内の誘電率を有するフィラーを30体積%以下さらに含有する、請求項1ないしのいずれかに記載のフィルムコンデンサ用誘電体樹脂組成物。
  6. 請求項1ないしのいずれかに記載のフィルムコンデンサ用誘電体樹脂組成物を硬化させてなる誘電体樹脂フィルムと、
    前記誘電体樹脂フィルムを挟んで互いに対向する第1および第2の対向電極と
    を備える、フィルムコンデンサ。
  7. 所定の官能基を有しかつ炭素繰り返し数が2400以上である第1の有機材料を用意する工程と、
    前記第1の有機材料の官能基と反応する官能基を有する第2の有機材料を用意する工程と、
    少なくとも前記第1の有機材料に、直径0.125mmおよび長さ5mmの経路を通すときの圧力が50MPa以上となるようなせん断力が加わる高圧分散処理を施す工程と、
    少なくとも前記第1の有機材料と前記第2の有機材料とを混合した混合液を得る工程と
    を備え、
    前記第1の有機材料が水酸基を10〜38重量%持つポリビニルアセタールであり、前記第2の有機材料がイソシアネート基を1〜50重量%持つポリイソシアネートである、
    フィルムコンデンサ用誘電体樹脂組成物の製造方法。
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