JP5381140B2 - トレーラー用冷凍装置 - Google Patents
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Description
冷媒が循環する蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う冷媒回路(20)を備えて、トレーラーの冷凍庫(C)内を冷却するトレーラー用冷凍装置であって、
前記冷媒を圧縮する電動圧縮機(21)と、
発電機(32)と、
前記発電機(32)を駆動する発電機用エンジン(31)と、
前記発電機(32)の発電電力を直流電力に変換するとともに、該直流電力を平滑コンデンサ(C1)で平滑して出力するコンバータ回路(41)と、
前記平滑コンデンサ(C1)が平滑化した直流電力を所定の交流電力に変換し、前記電動圧縮機(21)その他の負荷に該交流電力を供給するインバータ回路(42,43)と、
前記負荷及び前記発電機(32)の正常・異常の検知を行う検知手段(61)と、
前記検知手段(61)が異常を検知した場合に、前記平滑コンデンサ(C1)に蓄積されている電荷を、前記検知手段(61)が正常と検知した箇所に放電させる放電手段(62,63)と、
を備えたことを特徴とする。
前記コンバータ回路(41)は、インバータ回路としても動作可能であり、
前記放電手段(62,63)は、前記平滑コンデンサ(C1)に蓄積されている電荷を前記発電機(32)に放電させる場合には、前記コンバータ回路(41)をインバータ回路として動作させることを特徴とする。
以下、本発明に係る冷凍装置の実施形態として、冷凍食品や生鮮食品等を陸上輸送する冷凍車に用いられる冷凍装置の例を説明する。図1は、本発明の実施形態に係る冷凍装置であるトレーラー用冷凍装置(10)の構成と、このトレーラー用冷凍装置(10)が搭載される冷凍車の関係を模式的に示す図である。図1に示す冷凍車は、運転室や走行用エンジンが設けられた運転車両(トレーラーヘッド)と、冷凍庫(C)が設けられた荷台車両(トレーラー)とが切り離し自在に連結されている。そして、このトレーラー用冷凍装置(10)は、トレーラーの前方側に設けられ、冷凍庫(C)内を冷却する。
図1や図2に示すように、トレーラー用冷凍装置(10)は、冷媒回路(20)、電源装置(30)、電力変換回路(40)、及び制御回路(50)を備えている。また、これらの図には表れていないが、トレーラー用冷凍装置(10)は、異常時に、平滑コンデンサを放電させる放電部(60)も備えている。
冷媒回路(20)は、図2に示すように、電動圧縮機(21)、冷凍庫(C)外に設置される凝縮器(22)、電子膨張弁(23)、及び冷凍庫(C)内に設置される蒸発器(24)が順に配管接続されている。凝縮器(22)の近傍には凝縮器ファン(25)が設けられ、蒸発器(24)の近傍には蒸発器ファン(26)がそれぞれ設けられている。
電源装置(30)は、発電機用エンジン(31)、発電機(32)、切換スイッチ(33)、及び充電回路(35)を備えている。
図3は、図1のブロック図を詳細に記載したものである。図3に示すように、電力変換回路(40)は、三相コンバータ回路(41)、電動圧縮機用インバータ回路(42)、及び2つの電動ファン用インバータ回路(43)を備えている。
三相コンバータ回路(41)は、電源装置(30)と電気的に接続され、電源装置(30)の発電機(32)が発電した交流電力、又は商用電源から供給された交流電力を、直流電力に変換する。図4は、本実施形態にかかる三相コンバータ回路(41)の構成を模式的に示す図である。
電動圧縮機用インバータ回路(42)と、2つの電動ファン用インバータ回路(43)は、三相コンバータ回路(41)に対して並列に電気的に接続され、該三相コンバータ回路(41)の直流電力を、所望の電圧と周波数を有した交流電力に変換する。この例では、電動圧縮機用インバータ回路(42)は、電動圧縮機(21)のモータに交流電力を出力し、該電動圧縮機(21)を駆動する。また、電動ファン用インバータ回路(43)は、凝縮器ファン(25)のモータ、及び蒸発器ファン(26)のモータに交流電力を出力して、それぞれの電動ファン(25,26)を駆動する。電動圧縮機用インバータ回路(42)が供給する電力の大きさは、ネットワーク(70)を介してシステム制御部(51)(後述)によって制御される。
制御回路(50)は、システム制御部(51)、エンジン・電力制御部(52)、コンバータ制御部(53)、及びインバータ制御部(54)の各部で構成されている。これらの各部は、後述の回路基板(81,…85)間を接続するネットワーク(70)を介して、それぞれの状態を示すステータス信号や、他の部位に対する命令信号を互いにやり取りするようになっている。以下、制御回路(50)の各部について説明する。
システム制御部(51)は、冷凍庫(C)内の温度(庫内温度)が入力され、その庫内温度と目標温度とに基づき必要冷凍能力を設定するように構成されている。そして、システム制御部(51)は、必要冷凍能力に基づいて、各インバータ回路(42,43)の出力電力を個別に制御すると共に、電子膨張弁(23)の開度を制御するように構成されている。つまり、システム制御部(51)は、電動圧縮機(21)及び電動ファン(25,26)のそれぞれが最適効率で駆動するように個別に能力制御する。
エンジン・電力制御部(52)は、電動圧縮機(21)や各電動ファン(25,26)が消費している電力に対して最も効率よく電力供給できる発電機用エンジン(31)の回転数を算出する。エンジン回転数の算出は、三相コンバータ回路(41)の入力電流、電圧、或いは電力に基づいて、発電機用エンジン(31)の燃料消費量が小さく、且つ発電機(32)が高効率となるエンジン回転数を求める。そして、エンジン・電力制御部(52)は、算出した回転数で発電機用エンジン(31)が駆動するように、電子ガバナ制御によって発電機用エンジン(31)の燃料供給量を調節する。
コンバータ制御部(53)は、三相コンバータ回路(41)の出力電圧を制御するようになっている。また、インバータ制御部(54)は、電動圧縮機用インバータ回路(42)の出力電力を制御するようになっている。具体的には、このインバータ制御部(54)は、三相コンバータ回路(41)の6つのスイッチング素子(Tr1,…Tr6)のオンオフ状態の制御を行う。
本実施形態の電力変換回路(40)、及び制御回路(50)は、その構成部品が回路基板上に実装されている。具体的には、上記のシステム制御部(51)、エンジン・電力制御部(52)、コンバータ制御部(53)、及びインバータ制御部(54)の各部は、それぞれ、システム制御基板(81)、エンジン・電力制御基板(82)、コンバータ制御基板(83)、及び圧縮機用インバータ制御基板(84)上に実装されている。また、電動ファン用インバータ回路(43)は、ファン用インバータ制御基板(85)上に実装されている。すなわち、このトレーラー用冷凍装置(10)は、5つの回路基板を有している。なお、電動圧縮機用インバータ回路(42)は、圧縮機用インバータ制御基板(84)上に実装されている。また、各回路基板(81,…85)には、各制御部の機能を実現するために、マイクロコンピュータ(M1,…M5)がそれぞれ設けられている。
放電部(60)は、図5に示すように、異常検知部(61)、システム側放電制御部(62)、及び負荷側放電制御部(63)を備えている。また、これらの各部は、回路基板(81,…85)上に配置されている。具体的には、負荷側放電制御部(63)は、コンバータ制御基板(83)、圧縮機用インバータ制御基板(84)、及びファン用インバータ制御基板(85)の3つの回路基板にそれぞれ設けられている。一方、異常検知部(61)、及びシステム側放電制御部(62)は、何れも、システム制御基板(81)のみに設けられている。そして、これらの各部は、前記回路基板(81,…85)上の信号線やネットワーク(70)を介して、それぞれの状態を示すステータス信号や、他の部位に対する命令信号を互いにやり取りするようになっている。以下、放電部(60)の各部について説明する。
異常検知部(61)は、エンジン・電力制御基板(82)、コンバータ制御基板(83)、圧縮機用インバータ制御基板(84)、及びファン用インバータ制御基板(85)の正常・異常を判定する。この異常検知部(61)は、本発明の検知手段の一例である。
システム側放電制御部(62)は、各インバータ回路(42,43)に接続された負荷(圧縮機等)や発電機(32)に異常があった場合、若しくは車両事故の場合に、平滑コンデンサ(C1)の放電動作を統括する。このシステム側放電制御部(62)もマイクロコンピュータ(M1)によって実現する。
負荷側放電制御部(63)は、平滑コンデンサ(C1)の放電動作を制御する。これらの負荷側放電制御部(63)は、それぞれの回路基板のマイクロコンピュータ(M3,…M5)を利用して実現できる。
次に、本実施形態のトレーラー用冷凍装置(10)の運転動作について説明する。
このトレーラー用冷凍装置(10)では、インバータ回路に接続された負荷(圧縮機等)や発電機に異常があった場合、若しくは車両事故の場合に、放電部(60)は平滑コンデンサ(C1)を放電させる。以下の説明では、電動圧縮機(21)が故障している場合を例にして平滑コンデンサ(C1)の放電動作を説明する
〈システム制御部(51)が正常な場合〉
電動圧縮機(21)が故障した場合には、システム制御部(51)の異常検知部(61)は、圧縮機用インバータ制御基板(84)から正常なステータス信号を受信できない。そのため、異常検知部(61)は、圧縮機用インバータ制御基板(84)が異常であると判定する。すなわち、この場合には、平滑コンデンサ(C1)の電荷を電動圧縮機(21)に放電させることができない。
システム制御部(51)が正常でない場合には、正常な回路基板の負荷側放電制御部(63)は、自立モードで動作する。
以上のように、本実施形態によれば、異常検知部(61)で正常な負荷等を検知し、見つかった正常な負荷に対して平滑コンデンサ(C1)の電荷を放電させるようにした。これらの負荷等は、一般的には、放電用抵抗よりも抵抗値が小さいので、放電用抵抗を平滑コンデンサ(C1)に設けた場合に比べ、異常時における平滑コンデンサ(C1)の放電時間の短縮を図ることが可能になる。しかも、負荷の正常・異常を判断するので、安全に平滑コンデンサ(C1)の放電を行わせることが可能になる。また、通常の運転状態では、余分な電流が平滑コンデンサ(C1)から流れないので消費電力の増加も少ない。
上記のトレーラー用冷凍装置(10)には、放電回路を追加してもよい。放電回路は、異常時に、平滑コンデンサ(C1)の端子を短絡させて平滑コンデンサ(C1)を放電させる回路である。以下にその回路例を説明する。
図6は、回路例1である放電回路(90)の構成を示すブロック図である。この放電回路(90)は、コンバータ制御基板(83)上に設けられ、そのマイクロコンピュータ(M3)が壊れた場合に、平滑コンデンサ(C1)を放電させることができる。放電回路(90)は、同図に示すように、トランジスタ(Tr7)、フォトカプラ(P1)、3つの抵抗(R1,R2,R3)、フリップフロップ(91)(図中ではF/Fと略記)、及びタイマ(92)を備えている。タイマ(92)は、入力信号が与えられてから所定の時間(例えば1秒)遅れて信号を出力する回路である。このタイマ(92)とフリップフロップ(91)とは、マイクロコンピュータ(M3)のポートに接続されている。
図7は、回路例2である放電回路(95)の構成を示すブロック図である。この放電回路(95)は、例えばコンバータ制御基板(83)上に設けることができる。放電回路(95)は、同図に示すように、6つの抵抗(R4,…R9)、2つのトランジスタ(Tr8,Tr9)、整流用ダイオード(D7)、ツェナーダイオード(D8)、及びトランス(T1)を備えている。
なお、上記の例では、異常時に発電機用エンジン(31)を停止させるようにしたが、発電機用エンジン(31)と発電機(32)とを例えばクラッチで切り離すようにしてもよい。また、発電機用エンジン(31)を停止させる代わりに、発電機(32)を三相コンバータ回路(41)から電気的に切り離す手段を設けてもよい。この電気的に切り離す手段は、例えば前記切換スイッチ(33)を利用したり、あるいは専用のリレーで構成したスイッチを設けること等で実現できる。勿論、前記クラッチ、電気的に切り離す手段、及び発電機用エンジン(31)を停止させる制御機構を2つ以上併設し、異常の状態に応じて使い分けるようにしてもよい。
20 冷媒回路
21 電動圧縮機
31 発電機用エンジン
32 発電機
41 三相コンバータ回路(コンバータ回路)
61 異常検知部(検知手段)
62 システム側放電制御部(放電手段)
63 負荷側放電制御部(放電手段)
C1 平滑コンデンサ
Claims (1)
- 冷媒が循環する蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う冷媒回路(20)を備えて、トレーラーの冷凍庫(C)内を冷却するトレーラー用冷凍装置であって、
前記冷媒を圧縮する電動圧縮機(21)と、
発電機(32)と、
前記発電機(32)を駆動する発電機用エンジン(31)と、
前記発電機(32)の発電電力を直流電力に変換するとともに、該直流電力を平滑コンデンサ(C1)で平滑して出力するコンバータ回路(41)と、
前記平滑コンデンサ(C1)が平滑化した直流電力を所定の交流電力に変換し、前記電動圧縮機(21)その他の負荷に該交流電力を供給するインバータ回路(42,43)と、
前記負荷及び前記発電機(32)の正常・異常の検知を行う検知手段(61)と、
前記検知手段(61)が異常を検知した場合に、前記平滑コンデンサ(C1)に蓄積されている電荷を、前記検知手段(61)が正常と検知した箇所に放電させる放電手段(62,63)と、を備え、
前記コンバータ回路(41)は、インバータ回路としても動作可能であり、
前記放電手段(62,63)は、前記平滑コンデンサ(C1)に蓄積されている電荷を前記発電機(32)に放電させる場合には、前記コンバータ回路(41)をインバータ回路として動作させることを特徴とするトレーラー用冷凍装置。
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