本発明は、プリンタ、複写機、ファクシミリ、及びこれらの機能を複合したデジタル複
合機などの画像形成装置に係り、特に両面に画像を形成する機能を有する画像形成装置、
及び用紙搬送方法に関する。
両面に画像を形成する両面機能を有する画像形成装置として例えば、特許文献1ないし3に記載された発明が知られている。このうち、特許文献1には、複数枚の転写材の両面画像形成の生産性の向上を図るため、画像データを記憶し、この記憶された画像データに基づいて、1枚目の転写材の表面の画像形成から裏面の画像形成までの間に、他の2枚以上の転写材の表面の画像形成を行うインターリーフ制御に関する発明が記載されている。
また、特許文献2には、画像形成部へ転写紙を良好に給送することができるようにするため、レジストローラにより先行する転写紙を給送してから次の後行の転写紙を給送するまでに必要な最小給送時間間隔をTとし、先行する転写紙2の後端を給紙センサが検知したタイミングで後行の転写紙をピックアップローラ及びフィードローラにより繰り出し、後行の転写紙の先端を給紙センサが検知したタイミングでフィードローラを停止し、後行の転写紙を搬送するためにフィードローラの駆動を開始した時点から後行の転写紙の先端を給紙センサが検知するまでの時間T1を計測し、フィードローラを停止した時点から(T−T1)経過した後にフィードローラ5を再駆動する発明が記載されている。
さらに特許文献3には、反転時の用紙端部のカール量によってジャムの発生の確率が左右されることから、カラー量が小さい転写材が通過経路を通過する際には、搬送ローラと転写材とが非接触となるようにした発明が開示されている。
特開平11−143138号公報
特開2002−116590号公報
特許第3544297号公報
ところで前記特許文献に記載されているような画像形成装置では、省スペース化を目的として、定着後の用紙搬送経路を急にターンさせているものがある。このような急ターン部は、両面機能を有する画像形成装置に多く見られる。すなわち、両面機能を有する画像形成装置では、片面の定着を終えた後、両面搬送部に搬送する必要がある。その際、省スペース化を考慮すると、両面搬送部は作像部と同一投影位置、例えば下方に配置されることが多く、用紙は90度以上180度程度までターンして両面搬送部に送られる。
しかし、定着後の搬送経路のターン角度が急なもの(大きいもの)では、搬送される用紙の状態にバラツキがあるとターン部でジャムが発生する可能性がある。特にインターリーフ制御を行って画像形成効率を上げているものでは、搬送経路内に複数の用紙が存在し、滞留あるいは移動するので、用紙搬送路でジャムが発生すると、用紙の搬送順のこともあり、ジャム処理が面倒なものとなる。
そこで、本発明が解決すべき課題は反転経路から両面搬送路にかけての用紙ジャムの発生を抑制することにある。
前記課題を解決するため、本発明は、所定の間隔で用紙を搬送する搬送部と、前記搬送部から搬送されてくる用紙に画像を転写形成する画像形成手段と、前記画像形成手段によって画像が形成された用紙上の画像を定着する定着手段と、前記定着手段により画像が定着された用紙を反転させる反転手段と、前記反転手段の下流側に配置され、用紙を180度ターンさせるターンローラと、前記ターンローラの下流側にあって前記反転手段で反転され、前記ターンローラによって搬送される用紙を前記搬送部に送り込む給紙手段と、を有する画像形成装置において、用紙が前記定着手段よりも上流側で待機することができない場合、または前記定着手段よりも下流側で待機時間が発生するかどうか判別できない場合には、用紙の少なくとも先端部は前記ターンローラを通過させておき、用紙サイズが前記画像形成手段の用紙への画像転写位置と前記定着手段間の距離よりも短尺な場合、用紙を前記定着手段の前で待機させ、前記反転手段の位置には待機させないように制御する制御手段を備えていることを特徴とする。
なお、後述の実施形態では、画像形成手段は画像形成部2に、定着手段は定着手段4に、湾曲部は用紙ターン部10あるいは両面ターンローラ部15、レジストローラは符号12に、感光体は感光体2K,2C,2M,2Yに、中間転写ベルトは符号2−1に、2次転写手段は2次転写ローラ2−2に、制御手段はCPU20に、それぞれ対応し、前記各制御はCPU20によって実行される。
本発明によれば、後行紙が冷えた状態で湾曲部に搬送されることによる用紙ジャムを未然に防止することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施形態に係る画像形成装置の内部構成の概略を示す図である。同図において、画像形成装置1は画像形成部2、給紙部3、定着部4、給紙搬送部5、反転部6、両面給紙部7、排紙部8、反転排紙経路部9、及び用紙ターン部10から基本的に構成されている。
このような構成要素を備えた画像形成装置1では、片面に画像形成するとき、給紙部3に積載された用紙Pは給紙搬送部5の縦搬送路11を通ってレジストローラ(対)12によって画像形成部2で形成された画像の先端部とタイミングをとって画像形成部2に給紙される。本実施形態に係る画像形成装置は、所謂間接転写方式のタンデム形カラー画像形成装置である。間接転写方式のタンデム形カラー画像形成装置は、Y,M,C,K各色のトナー画像が形成される4本の感光体ドラム2Y,2M,2C,2Kと、各感光体ドラム2Y,2M,2C,2K上に形成されたトナー画像が各色毎に重畳される中間転写ベルト2−1と、中間転写ベルト2−1上で重畳されたフルカラー画像を用紙Pに転写する2次転写ローラ2−2と、画像が転写された用紙Pを定着部4まで搬送する搬送ベルト2−3とを備えている。なお、本明細書では用紙と称しているが、ここでいう用紙は、両面に画像形成可能なシート状記録媒体全般を含む。
そこで、前述のように画像形成部2に給紙された用紙Pは中間転写ベルト2−1と転写ローラ2−2とのニップに導かれ、両者間を通過するときに中間転写ベルト2−1から用紙P上にカラー画像が転写される。複数(ここでは4色)のカラー画像が重畳された用紙は、用紙上のカラー画像が定着部4で定着され、反転排紙経路部9を通って反転部6(定着部4より下流であってターンローラ15によって反転される前までの部分−以下、同様)に放出される。反転部6に放出された用紙は、反転部6でスイッチバックして反転され、排紙部8を通って排紙される。
両面に画像形成するときには、給紙部3に積載された用紙Pは垂直に延びる給紙搬送部5から画像形成部2に給紙される。給紙された用紙Pは、画像形成部2で片面に画像が転写され、転写された画像は定着部4で定着される。その後、用紙Pは反転部6に搬送され、反転部6でスイッチバックによる反転が行われる。
反転した用紙Pは、搬送方向が逆(反転部6に進入するとき先端であったものが、反転部6から搬出されるときは後端)となって両面給紙部7に送られ、両面給紙部7から給紙搬送部5を経て画像形成部2に再び送り込まれる。画像形成部2では、前述のように中間転写ベルト2−1上の画像が用紙Pの裏面に転写され、転写された画像は定着部4で定着される。両面に画像が形成された用紙Pは排紙部8を通って排紙される。
図2は本発明の実施形態に係る画像形成装置の用紙搬送制御系の主要構成を示すブロック図である。同図において、用紙検知センサ(用紙検知装置)18、駆動モータ21、用紙サイズ検知センサ19は複数図示しているが、その個数は設計条件に応じて変化するので、ここでは総括して適宜の個数で代表している。本実施形態における制御構成は、操作部16、環境温度検知センサ17、第1ないし第nの用紙検知センサ18−1,18−2,18−3・・・18−n、第1及び第2の紙サイズ検知センサ19−1,19−2、CPU20、RAM20−1、ROM20−2、画像形成部2における感光体ドラム2Y,2M,2C,2K駆動用のモータ、中間転写ベルト2−1駆動用のモータ、現像装置における現像剤撹拌用のモータ、定着部4における定着ローラ駆動用のモータなどの種々のモータM1,M2,M3・・・(21−1,21−2,21−3)、これらのモータのドライバ22−1,22−2,22−3、定着ヒータ23、及び表示部24等を備えている。ここで、CPU20は、ROM20−2に格納されたプログラムを、ラム20−1をワークエリアとして使用しながら実行する。その際、制御条件は、操作部16,環境温度検知センサ17、第1ないし第nの用紙検知センサ18−1,18−2,18−3・・・18−n、第1及び第2の紙サイズ検知センサ19−1,19−2等から入力され、これらからの入力データに基づいて、モータM1,M2,M3・・・(21−1,21−2,21−3)、定着ヒータ23、表示部24等を制御する。なお、用紙検知センサは図1に18−1〜10に示すようにこの例では10個例示している。
図3は反転部とその周辺の主要構成を示す図である。画像が転写され、定着された用紙Pは、反転部6に搬送される。反転部6では、反転入口ローラ6−1と反転搬送爪6−2の対が用紙Pを反転テーブル6−3上へ導く。さらに、反転テーブル6−3上には用紙Pの位置や姿勢を整えるジョガーフェンス対6−4が設けられている。反転テーブル6−3上に搬入された用紙Pは、用紙Pを受入れるため用紙幅より広い位置で待機していたジョガーフェンス対6−4によってジョギング動作により搬送方向と直交する方向が揃えられ、用紙をガイドする位置まで移動する。ジョガーフェンス6−4が用紙Pをガイドした状態で、上方に解除していた逆転従動コロ6−5が降下し、逆転する逆転駆動ローラ6−6に用紙Pを圧接させる。これにより用紙Pはスイッチバックする。用紙Pはターン部10(ターンローラ15)へと搬送される。その後、逆転従動コロ13は上昇し、圧接を解除する。
ここで、片面に画像を形成するものでは、両面分岐爪6−7が図示時計方向に回動して両面給紙部7側の搬送路を閉鎖し、排紙部8側の搬送路を開放することから、用紙Pは反転して(ここでは、画像形成面を下にして)、ターンローラ15によって排紙部8に搬送され、排紙部8からフェースダウンで排紙される。
一方、両面に画像を形成するものでは、両面分岐爪6−7が図示反時計方向に回動して排紙部8側の搬送路を閉鎖し、両面給紙部7側の搬送路を開放する。これにより、用紙Pは両面ターンローラ15によって両面給紙部7へと搬送される。その後、逆転従動コロ6−5は上昇し、逆転駆動ローラ6−6に対する圧接は解除される。両面給紙部7では用紙を中継ローラ7−2へと搬送し、画像形成部2へ再給紙する。
この過程で、反転入口ローラ6−1と反転搬送爪6−2の対が用紙Pを反転テーブル6−3上へ放出した状態で待機した後、用紙Pがターンローラ15へ搬送されたとき、ターンローラ15で180度急ターンするが、その際、ジャムが発生することがある。ジャムは搬送タイミングの調整行う際に、位置関係がずれて発生する。すなわち、搬送される用紙P間の間隔(紙間)はレジストローラ対(以下、単にレジストローラと称す)12以降一定に制御されている。そこで、定着してからターン部10に早く到達するような場合、一時停止して待機する。そのため、定着してから急ターンするまでの時間が長くなり用紙の状態が変化してジャムが発生する。
ここでいう急ターン部とは、定着後にジャムの発生確率が最も高いターン部である。ターン部のジャムの発生確率は、用紙の状態(カールや変形)、用紙の温度、ターンの曲率半径、ターン部の搬送ガイドの三次元的形状などによって変化する。図1においては、用紙Pがスイッチバック反転後に再給紙部7へ向かうターンローラ15が位置する部分の用紙ターン部10を急ターン部としている。このため、ジャム発生の確率を減らすためには、定着部4から用紙ターン部10までの用紙Pの搬送時間のバラツキを少なくすること、その他、用紙Pの状態をジャムが発生しにくい状態、例えばカールや変形を生じないように、あるいは生じにくくすることによって対処する。
図4は、本実施形態における搬送システムの主要機能を概念的に示す図である。
図4に示す搬送システムの主要機能は、用紙の位置を判定する用紙位置演算部31、用紙検知センサ群18、許容最大待機時間調整部32、紙間演算部33、許容最大紙間テーブル34、搬送遅延条件判定部35、用紙搬送制御部36、駆動モータ群21、及び定着温度制御部37からなり、前記用紙位置演算部31には別途クロック38が入力される。
用紙の位置を判定する用紙位置演算部31は、用紙の搬送経路に設けられた用紙の有無を検知する用紙検知センサ群18からの情報とクロック38の情報に基づいて、あらかじめ持っている用紙の速度データなどと合せて演算することにより現在の用紙位置を推定する。その値から用紙と用紙の間隔(紙間)を算出する紙間演算部25は、あらかじめデータとして持っているジョブ中の用紙毎に許容できる紙間の最大値を記憶した許容最大紙間テーブル34より得られた許容最大紙間以内の範囲で、用紙が急ターン部17に到達する時間を遅延させる。この遅延方法を、本実施形態では搬送遅延制御(一連のシステムが搬送遅延制御を行うことを搬送遅延システム)と呼ぶ。遅延させる方法として、定着前の所定の単数または複数の個所に停止させる方法がある。この方法では、用紙サイズによって停止位置は最適化できる。このようにして、現在行っているジョブと各用紙の位置から画像形成システムの状態を監視し、用紙が定着から急ターン部までの間で待機することが予測される場合、用紙の給紙動作を遅延、または用紙を定着前の所定の位置で待機するため一時停止させる。レジストローラ(対)12の前で停止させる場合は、レジストローラ(対)12に用紙のたるみを作る前の状態(たるみを形成しない状態)で停止させ、急ターン部通過前の用紙に余分なストレスがかからないようにする。
各モードのジョブ内の各用紙に必要な用紙搬送制御上許容できる最大の紙間は、あらかじめ記録された許容最大紙間テーブル34の紙間データによって決まる。この許容最大紙間テーブル34に記録された紙間データと実際に用紙検知センサ群18が用紙を検知し、クロック38による時間計測と合せて用紙の位置を算出する用紙位置演算部31が各用紙間の距離(紙間)を算出する。この紙間の値に基づいて用紙搬送制御部36が用紙搬送を制御する。
ターン部10までに到達しなければならない時間のリミットは許容最大紙間テーブル34に格納されており、用紙の停止パターンと先行紙との紙間データによって決まる許容最大紙間テーブル34の値から、用紙が待機できる許容最大待機時間が算出できる。許容最大待機時間は許容最大待機時間調整手段33により調整可能である。通常設定では、許容最大紙間テーブル34の値から算出された許容最大待機時間と同等である。生産性優先の設定では、許容最大待機時間を短く設定して画像形成速度の効率を上げる。用紙搬送品質が良いと分かっている種類の用紙を使用するときに適した設定である。また、ジャム回避設定では、許容最大待機時間を長めに設定して、画像形成速度(生産性)の効率を下げるがジャムに対する余裕度を広げる。用紙搬送品質が悪いと分かっている用紙などを使用するときに適した設定である。
また、用紙の厚さ(紙厚)、用紙のサイズ(紙サイズ)に応じて、用紙搬送制御部36が搬送遅延制御を行うか否かを自動的に判定する搬送遅延条件判定部35を有する。搬送遅延条件判定部35は、ジャムの発生及び用紙サイズに応じて搬送遅延制御を行うか否かを判定する。さらに搬送遅延条件判定部35は、各条件に応じて、許容最大待機時間の調整も行う。これによって、より最適な搬送条件を選定できる。
以下、本実施形態における各実施例について詳細に説明する。
本実施例は、大サイズの用紙の2枚インターリーフ制御の例である。インターリーフ制御におけるインターリーフ枚数には、種々の定義があるが、本実施形態では、最初に画像形成装置の用紙搬送路に搬送させる枚数をインターリーフ枚数という。例えばn枚インターリーフでは最初にn枚の用紙Pを用紙搬送路内に送り込み、n+1枚目から給紙部と両面搬送部からの交互給紙となる。すなわち、2枚インターリーフでは最初に2枚搬送し、1枚目の用紙の第2面(裏面)を画像形成部に送り出した後、給紙部から3枚目の用紙を給紙する。その後、2枚目を画像形成部に送り出した後、給紙部から4枚目の用紙を給紙するというように両面給紙部7からの給紙と給紙部3から給紙が交互に繰り返され、両面給紙部7から給紙された用紙には裏面に、給紙部3から給紙された用紙には第1面(表面)にそれぞれ画像が形成される。3枚インターリーフでは最初に3枚搬送し、1枚目の用紙の裏面を画像形成部に送り出した後、給紙部から4枚目の用紙を給紙する。その後、2枚目を画像形成部に送り出した後、給紙部から5枚目の用紙を給紙するというように両面給紙部7からの給紙と給紙部3から給紙が交互に繰り返され、両面給紙部7から給紙された用紙には裏面に、給紙部3から給紙された用紙には表面にそれぞれ画像が形成される。その後、各用紙の間に次の用紙を入れて搬送するという動作を繰り返す。
図5ないし図9は本実施例に係る大サイズの用紙の2枚インターリーフ制御の動作を示す説明図である。なお、以下の説明において、画像が形成された面にはトナーが乗っていることを示す黒の突起状のものを描き、画像形成面と非画像形成面とを区別している。画像形成装置1自体は、図1に示した画像形成装置そのものなので、同等な各部には同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
図5は始めの2枚が画像形成装置1の搬送路内に位置している状態を示す図である。同図において、1枚目の用紙P1の表面に画像が形成され、2枚目の用紙P2が給紙され、レジストローラ12位置で待機している。1枚目の用紙P1は先端が定着部4に進入し、表面に形成された画像が定着され、後端が中間転写ベルト2−1と転写ローラ2−2とのニップ(転写部)を通過し、画像転写が終了した状態である。
図6は1枚目の用紙P1の先端部が反転部6の反転入口ローラ6−1から逆転駆動ローラ6−6位置まで進み、後端部が定着部4に位置している状態を示す。この状態では、まだ、2枚目の用紙P2はレジストローラ12位置で待機したままである。なお、本実施形態でいう大サイズは相対的なものであるが、用紙先端が定着部4に位置したとき、用紙後端がまだ転写ローラ2−2位置(転写部)に位置するようなサイズの用紙を意図している。
図7は図6の状態から1枚目の用紙P1がさらに反転部2の反転テーブル6−3の奥側に搬送され、2枚目の用紙P2がレジストローラ12から開放されて画像形成位置に進入する状態を示す図である。この状態では、1枚目の用紙P1の後端は定着部4から抜け、用紙P1の表面に形成された画像の定着が完了し、反転テーブル6−3で用紙P1を反転させるために搬送が継続されている。
反転テーブル6−3に一旦収納された1枚目の用紙P1は、逆転駆動ローラ6−6が回転することにより直ちに反転し、ターン部10を通って図8に示すように両面給紙部7に搬送され、両面給紙部7で画像形成部への搬送開始まで待機する。この間、2枚目の用紙P2の表面に画像が形成され、2枚目の用紙は定着部4直前で待機し、待機状態が解除されると、図9に示すように定着部4を経て、反転部6に搬送される。この搬送の進行に応じて、画像形成部では1枚目の用紙P1の裏面に形成される画像が中間転写ベルト2−1上に形成される。これに伴って、両面給紙部7から1枚目の用紙P1が送り出され、1枚目の用紙P1の裏面に画像が形成される。
3枚目の用紙P3は、この時点で給紙部3からレジストローラ12位置まで搬送され、レジストローラ12位置で待機する。その後、裏面に画像が形成され、定着も完了した1枚目の用紙P1が反転部6に搬入される。この両面に画像が形成された用紙P1は逆転駆動ローラ6−6の回転により反転排紙経路9に搬送され、排紙部8から排紙トレイに排紙される。
この間、3枚目の用紙P3が画像形成部2に送られて画像が転写され、2枚目の用紙P2が3枚面の用紙P3の後に両面給紙部7から送り出され、レジストローラ12位置で3枚目の用紙P3の第1目の画像形成の終了を待つ。以下、1枚目と同様の動作を繰り返し、4枚目以降も交互給紙が行われて画像が形成される。
最初に2枚送り込んだことから、最後の2枚は交互給紙ではなくなり、最後から2枚目と1枚目の用紙Pが用紙搬送路内に存在する形となる。この状態で最後から2枚目と1枚目の用紙の裏面にこの順で画像が形成され、反転部6から排紙部8に送り出され、排紙部8から排紙される。
本実施例の特徴は、最初の2枚を給紙した後、1枚目の用紙P1が反転部6で停止(待機)することなく、両面給紙部7まで搬送され、両面給紙部7で待機することである。これにより、定着部4で加熱された用紙P1の温度が反転部6で待機している間に低下し、ターン部10を通過するときに交互給紙の場合と用紙の温度条件が異なることがなくなり、ジャムの発生を低減させることが可能となる。
一方、この実施例おいては、図8に示すように2枚目の用紙は定着部4直前で待機しているが、定着部4よりも上流側で待機することができない場合、または定着部4よりも下流側で待機時間が発生するかどうか判別できない場合などには、定着部4よりも上流側で待機することなく定着部4を通過する。しかし、仮に反転部6の中で用紙を待機させると、定着後に用紙の持つ水分の変化や熱の変化などによって、待機させている間に用紙のコシとカールが変化し始め、時間がたつと用紙のカールの状態が変化したり、冷えて用紙が硬くなりコシが出てしまったりする虞がある。そのような状態で用紙が急ターン部(湾曲部−ここでは、両面ターンローラ15)を通過した場合、用紙はジャムを起こす確立が高くなる。
そこで、少なくとも用紙の先端が両面ターンローラ15を通過した状態にしておくことによってジャムを防ぐことができる。具体的には、カール増大によって用紙が折れて両面ターンローラ15を通過してジャムを起こしたり、用紙が冷えて硬くなりコシが増すことにより両面ターンローラ15を曲りづらくなったりする前に、少なくとも先端部が両面ターンローラ15を通過させておく。これにより、用紙のその後の部分も継続して搬送されるので、ジャムを起こす確率を低下させることができる。この状態を図37に示す。図37において、P1は1枚目の用紙、P2は2枚目の用紙であって、ともに表面への画像形成は終了している。
なお、従前から実施されているインターリーフ制御の例を比較例として以下に示す。
[比較例1]
図10ないし図14は実施例1と同様に大サイズの用紙の2枚インターリーフ制御の例である。図10は始めの2枚が画像形成装置1の搬送路内に位置している状態を示す図である。同図において、1枚目の用紙P1の表面に画像が形成され、2枚目の用紙P2が給紙され、レジストローラ12位置からさらに搬送され、画像転写直前の状態となっている。1枚目の用紙P1は先端が定着部4に進入し、表面に形成された画像が定着され、後端が中間転写ベルト2−1と転写ローラ2−2とのニップ(転写部)を通過し、画像転写が終了した状態である。
図11は1枚目の用紙P1が両面給紙部7から搬送され、先端部がレジストローラ12のニップで停止するとともに、2枚目の用紙P2が反転部6の反転トレイ6−6上で待機している状態である。図11の状態では、1枚目及び2枚目の用紙P1,P2の表面にそれぞれ画像が形成され、定着されている。この状態から図12に示すように1枚目の用紙P1が搬送され、裏面へ画像が形成される。並行して給紙部3から3枚目の用紙P3が給紙され、レジストローラ12位置で待機し、2枚目の用紙P2は両面給紙部7で待機している。
図12の状態で1枚目の用紙P1の裏面に画像が形成され、1枚目の用紙P1の両面に画像が形成されると、定着部4を経て1枚目の用紙の表面が下向き(フェースダウン)の状態で排紙部8に送られ、排紙部8から排紙される。この動作と並行して図13に示すように3枚目の用紙P3の表面に画像が形成され、2枚目の用紙P2が両面給紙部7からレジストローラ12位置まで送り出され、レジストローラ12位置で待機する。この状態で給紙部3からの給紙と両面給紙部7からの給紙が交互に行われ、給紙部3から給紙される用紙には表面に、両面給紙部7から給紙される用紙には裏面にそれぞれ画像が形成される。
この交互給紙は部の最後の2枚の用紙Pm−1、Pmまで継続される。最後の2枚になると、図14に示すように給紙部3から給紙が停止され、最後から2枚目の用紙Pm−1がレジストローラ12位置で待機し、最後の用紙Pmの表面に画像が形成されるまで待機している。最後の用紙Pmの表面に画像が形成され、定着部4側に搬送されると、最後から2枚目の用紙Pm−1が転写部に搬送され、裏面に画像が形成され、定着部4及び排紙部8を経て排紙される。その間、最後の用紙Pmは反転部6及び両面給紙部7内を移動し、レジストローラ12位置でレジスト調整とスキュー補正を行った後、裏面に画像を形成すべく転写部に搬送される。そして、裏面への画像転写が終了すると、定着部4及び排紙部8を経て排紙される。
このように比較例1では、図11に示すように2枚目の用紙P2が反転部6の反転トレイ6−6上で1枚明の用紙P1の搬送を待つようになっている。そのため、定着部4で加熱された状態から連続的にターン部15を通過するわけではなく、反転トレイ6−6で所定のタイミング待機し、その後、ターン部15を通過することになる。その結果、用紙P2が連続的に送る場合に比べて冷えた状態でターン部15を通過することになる。ターン部15は図11を見ても分かるように、直径も小さく(例えばφ40mm程度)、曲率も大きいので用紙先端の状態が変わるとジャムを生じやすくなることは前述の通りである。
このように比較例で示したように用紙を反転部6で待機させると、ターン部15を通過するときには、用紙の温度が低下し、交互給紙の場合と温度条件が異なってくる。そこで、本発明では、前記実施例1のようにインターリーフ制御において交互給紙に入るまでは、反転部6で用紙が待機することのないようにした。そのため、用紙を待機させる必要がある場合には、図8に示すように定着部4の上流側で待機させ、定着部4を通過した後、ターン部15を通過するまでの時間がほぼ等しくなるようにした。
このように待機状態、交互給紙状態で紙間が異なってくるので、紙間演算手段33は許容最大紙間テーブル34を参照し、前述の許容最大待機時間調整手段32及び用紙位置演算手段31からの時間及び位置情報に基づいて紙間を演算し、用紙搬送制御手段36に出力する。用紙搬送制御手段36は入力された紙間情報と搬送遅延条件判定手段からの判定情報とに基づいて用紙搬送制御を実行し、搬送ローラを駆動する駆動モータ群21を制御する。これによりインターリーフ制御における用紙搬送制御が実行される。
本実施例は、中サイズの用紙の2枚インターリーフ制御の例である。本実施例でいう中サイズは相対的なものであるが、用紙先端が定着部4に位置したとき、用紙後端が完全に転写ローラ2−2位置(転写部)から抜けているようなサイズの用紙を意図している。
図15ないし図18は本実施例に係る中サイズの用紙の2枚インターリーフ制御の動作を示す説明図である。画像形成装置1自体は、図1に示した画像形成装置そのものなので、同等な各部には同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
図15は始めの2枚が画像形成装置1の搬送路内に位置している状態を示す図である。同図において、1枚目の用紙P1の表面に画像が形成され、両面給紙部7で待機し、2枚目の用紙P2も表面に画像が形成され、用紙先端が定着部4に至る直前で待機している状態である。この状態では、2枚目の用紙P2の後端は転写ローラ2−2と中間転写ベルト2−1とのニップから抜けている。
図15の待機位置から搬送が開始されると、図16に示すように1枚目の用紙P1はレジストローラ12位置まで搬送され、レジストローラ12位置で待機し、2枚目の用紙P2は反転部6に進入する。この状態から搬送が進むと、図17に示すように1枚目の用紙P1の裏面に画像が形成され、定着部4直前まで搬送され、3枚目の用紙P3がレジストローラ12位置まで搬送されてレジスト調整及びスキュー補正のために停止し、2枚目の用紙P2は両面給紙部7を搬送中の状態となる。この状態から交互給紙が開始される。
図17の状態からさらに動作が進行すると、図18に示すように1枚目の用紙P1は両面に画像が形成されて定着部4から排紙部8に至る搬送路上に位置し、3枚目の用紙P3はレジストローラ12位置から画像形成位置に搬送され、2枚目の用紙P2は両面給紙部7で待機し、1枚目の用紙P1の排紙と3枚目の用紙P3の処理を待っている。そして、3枚目の用紙P3の表面への画像形成が行われているときに2枚目の用紙P2がレジストローラ12位置まで搬送され、3枚目の用紙P3の表面への画像形成が完了すると、2枚目の用紙P2の裏面への画像形成のために2枚目の用紙P2が転写部に送り込まれる。これと並行して4枚目の用紙P4が給紙部3から送り込まれ、交互給紙が行われて用紙Pの両面に画像が形成される。
最後の2枚は図14の比較例で示したように、最初に2枚送り込んだことから、最後の2枚は交互給紙ではなくなり、最後から2枚目と1枚目の用紙Pが用紙搬送路内に存在する形となる。この状態で最後から2枚目と1枚目の用紙の裏面にこの順で画像が形成され、反転部6から排紙部8に送り出され、排紙部8から排紙される。
本実施例では、図15に示すように2枚目の用紙P2が定着部4の前で待機し、反転部6では待機しないようになっている。その際、用紙サイズが転写部と定着部4間の距離よりも短尺なので、画像形成に何の影響もなく待機し、反転部6において用紙温度が低下することもない。これにより、定着部4で加熱された用紙P1の温度が反転部6で待機している間に低下し、ターン部10を通過するときに交互給紙の場合と用紙の温度条件が異なることがなくなり、ジャムの発生を低減させることが可能となる。
本実施例は、小サイズの用紙の3枚インターリーフ制御の例である。本実施例でいう小サイズは相対的なものであるが、用紙が両面給紙路7に2枚収まるサイズの用紙を意図している。
図19ないし図30は本実施例に係る小サイズの用紙の3枚インターリーフ制御の動作を示す説明図である。画像形成装置1自体は、図1に示した画像形成装置そのものなので、同等な各部には同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
図19は始めの2枚が画像形成装置1の搬送路内に位置している状態を示す図である。同図において、1枚目の用紙P1の表面に画像が形成され、2枚目の用紙P2が給紙され、レジストローラ12位置で待機している。1枚目の用紙P1は先端が定着部4に進入し、表面に形成された画像が定着され、後端が中間転写ベルト2−1と転写ローラ2−2とのニップ(転写部)を通過し、画像転写が終了し、さらに所定距離搬送された状態である。
図20は1枚目の用紙P1の先端部が反転部6の反転入口ローラ6−1から逆転駆動ローラ6−6位置まで進み、後端部が搬送ローラ対6−10,11を抜けた位置にある状態を示す。この状態では、まだ、2枚目の用紙P2はレジストローラ12位置で待機したままである。
図21は図20の状態から1枚目の用紙P1がさらに反転部2の反転テーブル6−3の奥側に搬送され、2枚目の用紙P2がレジストローラ12から開放されて画像形成位置に進入する状態を示す図である。反転テーブル6−3に一旦収納された1枚目の用紙P1は、逆転駆動ローラ6−6が回転することにより直ちに反転し、ターン部10を通って図22に示すように両面給紙部7に搬送され、両面給紙部7で画像形成部への搬送開始まで待機する。この間、2枚目の用紙P2の表面に画像が形成され、定着部4前に位置し、3枚目の用紙P3が給紙部3から送り出されてレジストローラ12位置で待機している。
図23は2枚目の用紙P2が定着を終え、反転テーブル6内に進入し、3枚目の用紙P3が表面に画像が形成されて定着前の位置で待機し、1枚目の用紙P1が裏面に画像を形成するためにレジストローラ12の位置で待機している状態を示す図である。このとき3枚目の用紙P3の先端は定着前センサSN3によって検知され、定着部4の定着ローラと加熱ローラのニップに至る前の熱の影響を受けない位置で停止している。
この状態から交互給紙が開始される。交互給紙では、図24に示すように2枚目の用紙P2が両面給紙部7の最下流位置の搬送ローラのニップ位置で待機し、3枚目の用紙P3の後端が両面給紙部7の入口部を過ぎたところで待機し、1枚目の用紙P1の裏面に画像が形成され、4枚目の用紙P4が給紙部3から給紙されてレジストローラ12に位置で待機するという状態になっている。なお、2枚目の用紙P2の待機位置(もしくは待機タイミング)は両面給紙部出口センサ18−9によって用紙先端を検知することにより設定され、3枚目の用紙P3の待機位置(もしくは待機タイミング)は両面給紙部入口センサ18−7によって、あるいは両面給紙部待機位置設定センサ18−8によって用紙先端を検知することにより設定される。
図24の待機位置では2枚目の用紙P2と3枚目の用紙P3との間にはスペースがあるが、用紙サイズが大きくなれば2枚目の用紙P2の後端と3枚目の用紙P3の先端が重なり、あるいは衝突する場合も生じうる。そこで、そのような状態が発生しうる用紙サイズであれば、2枚目の用紙P2の先端は両面給紙部7最下流の搬送ローラから突出させ、3枚目の用紙P3の後端は両面給紙部7最上流の搬送ローラから突出させて、2枚目の用紙P2の後端と3枚目の用紙P3の先端が重なったり、衝突しないようにする。この突出量は両面給紙部7の搬送路長と用紙の搬送路長とに基づいて設定される。
図25の状態から交互給紙が進行し、1枚目の用紙P1は裏面に画像が形成されて定着部4の前に至り、4枚目の用紙の表面には画像が形成(転写)され、2枚面の用紙P2はレジストローラ12位置まで進行してレジストローラ12位置で待機し、5枚目の用紙P5は2枚目の用紙の後にレジストローラ12位置まで進行するために待機し、3枚目の用紙P3は両面給紙部出口センサ18−9位置で待機している。いずれにしても反転テーブル6内には用紙は存在しない。
図26の状態になると、1枚目の用紙P1は裏面の画像が定着部4で定着されて排紙され、4枚目の用紙P4は表面に画像が形成された状態で、定着部4前で待機し、2枚面の用紙の裏面に画像が形成され、5枚目の用紙P5がレジストローラ12位置で待機し、3枚目の用紙P3は図24の状態のまま待機している。
図27の状態では、4枚目の用紙P4が定着部4を抜けて反転テーブル6に向かう搬送路上にあり、裏面に画像が形成された2枚目の用紙は定着部4直前に至り、5枚目の用紙P5の表面に画像が形成され、3枚目の用紙P3がレジストローラ12位置で待機し、6枚目の用紙が3枚目の用紙P3の後に給紙されるべく待機している。
その後、図28に示すように、用紙が1枚ずつ給紙部3側と両面給紙部7側から交互に給紙される。図28は図26の状態と同じ状態で1枚処理が進行した状態を、図29は図27と同じ状態で1枚処理が進行した状態を、図30は図28と同じ状態で1枚処理が進行した状態を、それぞれ示す。このようにして交互給紙が繰り返され、用紙の表面、裏面に交互に画像を形成し、両面に画像が形成された用紙を排紙するという動作が繰り返される。このとき、搬送経路内には同時に5枚の用紙が存在する。
このように本実施例では、用紙は反転テーブル6上で待機することはなく、定着部4を通過してからターンローラ15を通過する時間を一定とすることができる。これにより、用紙ジャムの発生を最小限に抑えることができる。
本実施例は、実施例3と同様に小サイズの用紙の3枚インターリーフ制御の例である。
図31ないし図31は本実施例に係る小サイズの用紙の3枚インターリーフ制御の動作を示す説明図である。画像形成装置1自体は、図1に示した画像形成装置そのものなので、同等な各部には同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
図31は始めの3枚が画像形成装置1の搬送路内に位置している状態を示す図である。同図において、1枚目の用紙P1の表面に画像が形成され、2枚目の用紙P2が給紙され、表面に画像が形成されて定着部4の前で待機し、3枚目の用紙P3はレジストローラ12の位置にある。
図32は図31の状態から2枚目の用紙P2は定着が終了し、先端部が逆転駆動ローラ6−6の位置を若干越えた位置にあり、1枚目の用紙P1の先端部が両面給紙部7から若干突出した状態を示している。
図33は交互給紙開始直前の状態を示す図であり、実施例3の図23に示した状態と同じ状態となっている。この状態から交互給紙が開始され、図24ないし図29と同じサイクルでインターリーフ制御が実施され、用紙の両面に画像が形成される。
その他、特に説明しない各部及び動作や実施例3で説明した通りである。
このように本実施例でも、用紙は反転テーブル6上で待機することはなく、定着部4を通過してから両面ターンローラ15を通過する時間を一定とすることができる。これにより、用紙ジャムの発生を最小限に抑えることができる。
[比較例2]
実施例3及び4は小サイズの用紙の3枚インターリーフ制御の例であり、前者はレジストローラ12に位置での待機、後者は定着部4の直前での待機が基準となって、他の用紙の動作が設定されている。そこで、これまでに実施されている例を比較例2として図34ないし図38に示す。
図34は3枚インターリーフ制御制御の最初の3枚が供給されたときの状態を示す図である。この例では、1枚目の用紙P1は表面に画像が形成され、先端が定着部4に搬送され、定着されているときに、2枚目の用紙P2の表面に画像が形成され、3枚目の用紙P3が給紙部3から給紙されてはいるが、まだ、レジストローラ12に位置に至っていないという状態である。
図35は図34の状態から2枚目の用紙P2と3枚目の用紙P3の表面に画像が形成され、3枚目の用紙P3が反転テーブル6−3上で待機している状態である。この状態では、1枚目の用紙P1と2枚目の用紙P2は両面搬送路7内に位置し、1枚目がレジストローラ12側に搬送されようとしており、同時に4枚目の用紙P4が1枚目の用紙P1の後に続いて搬送されるために、縦搬送内で待機している。
図36は図35の状態から1枚目の用紙P1がレジストローラ12位置まで進行し、2枚目の用紙P2が両面給紙部7の最下流位置の搬送ローラのニップ位置で待機し、3枚目の用紙P3は、後端が両面給紙部7の入口部を過ぎたところで待機し、4枚目の用紙P4が循環搬送路に入る手前で待機している状態を示している。この状態が交互給紙開始直前の状態である。そして、この状態から交互給紙に入り、前述の図24ないし図30に示したように用紙の表面、裏面に交互に画像を形成し、両面に画像が形成された用紙を排紙するという動作を繰り返す。
この比較例では、図35に示すように3枚目の用紙P3が反転テーブル6−3上で待機することから、他の用紙と定着部4を通過した後の時間が長くなり、用紙の温度条件が他の用紙と異なってしまうことが分かる。これにより比較例では、温度条件の相違により用紙条件が変化し、用紙ジャムが生じやすくなることが理解できる。
図1に示すように、画像形成装置1は、定着部4より下流に、ローラの外周に沿って用紙の搬送方向を反転させるターンローラ15を備える。このような画像形成装置1で、複数枚の用紙を両面印刷する場合、先行の用紙がターンローラ15より下流であって画像形成部2より上流側で待機する場合は、後行の用紙は、定着部4より下流であってターンローラ15によって反転される前までの間で待機時間が発生しないようにCPU20によって制御される。先行の用紙がターンローラ15より下流であって画像形成部4より上流側で待機する場合、または待機することが検知部等によって予測される場合、後行の用紙が用紙の間隔を詰めるために反転部6(定着部4より下流であってターンローラ15によって反転される前の間)まで進んでしまうと、下流に用紙が待機しているために、反転部6で後行の用紙が待機することになる。
このように反転部6の中で用紙を待機させる場合、定着後に用紙の持つ水分の変化や熱の変化などによって、待機させている間に用紙のコシとカールが変化し始める。用紙のコシとカールの変化が起こった状態で、急ターン部であるターンローラ15を通過させると、ジャムが発生したり用紙が折れた状態で搬送されたりする可能性がある。
具体的には用紙が冷えることでコシがつき、ターンを曲りきれなくなってジャムを発生させる、または用紙のカール量が変化して曲ったままターンに突入することで用紙の折ってしまう、等の可能性がある。
そこで、反転部6の中で後行の用紙を待機させないようにCPU20(制御部)で搬送制御を実行する。後行の用紙を前記反転部6の中で待機させないようにするため、具体的には、CPU20は後行の用紙を定着よりも上流、具体的にはレジストローラ12位置で待機させ、または、CPU20は後行の用紙の少なくとも先端をターンローラ15に搬送させるように制御する。
なお、本発明は、定着後に用紙を反転可能な画像形成装置や、定着後に用紙を大きくターンすることのある画像形成装置であれば何れにも適用可能である。
本発明の実施形態に係る画像形成装置の内部構成の概略を示す図である。
本発明の実施形態に係る画像形成装置の用紙搬送制御系の主要構成を示すブロック図である。
本実施形態における反転部とその周辺の主要構成を示す図である。
本実施形態における搬送システムの主要機能を概念的に示す図である。
実施例1における大サイズの用紙の2枚インターリーフ制御の動作を示す説明図で、始めの2枚が画像形成装置の搬送路内に位置している状態を示す図である。
実施例1における1枚目の用紙の先端部が反転部の反転入口ローラから逆転駆動ローラ位置まで進み、後端部が定着部に位置している状態を示す図である。
図6の状態から1枚目の用紙が反転テーブルの奥側に搬送され、2枚目の用紙がレジストローラから開放されて画像形成位置に進入する状態を示す図である。
反転テーブルに一旦収納された1枚目の用紙が反転し、ターン部を通って両面給紙部で画像形成部への搬送開始まで待機する状態を示す図である。
図8の状態で待機しているとき、2枚目の用紙の表面に画像が形成され、定着部を経て反転部に搬送される状態を示す図である。
比較例における始めの2枚が画像形成装置の搬送路内に位置している状態を示す図である。
1枚目の用紙が両面給紙部から搬送され、先端部がレジストローラのニップで停止するとともに、2枚目の用紙が反転部の反転トレイ上で待機している状態を示す図である。
図11の状態から1枚目の用紙P1が搬送され、裏面へ画像形成されるときの状態を示す図である。
3枚目の用紙の表面に画像が形成され、2枚目の用紙が両面給紙部からレジストローラ位置まで送り出され、レジストローラ位置で待機する状態を示す図である。
最後の2枚になったときの搬送状態を示す図である。
実施例2における始めの2枚が画像形成装置の搬送路内に位置している状態を示す図である。
1枚目の用紙はレジストローラ位置まで搬送され、レジストローラ位置で待機し、2枚目の用紙が反転部に進入する状態を示す図である。
1枚目の用紙の裏面に画像が形成されて定着部直前まで搬送され、3枚目の用紙がレジストローラ位置まで搬送されている状態を示す図である。
1枚目の用紙は両面に画像が形成されて定着部から排紙部8に至る搬送路上に位置し、3枚目の用紙はレジストローラ位置から画像形成位置に搬送され、2枚目の用紙は両面給紙部で待機した交互給紙開始時の状態を示す図である。
実施例3における始めの2枚が画像形成装置の搬送路内に位置している状態を示す図である。
1枚目の用紙の先端部が逆転駆動ローラ位置まで進み、後端部が搬送ローラ対を抜けた位置にある状態を示す図である。
図20の状態から1枚目の用紙がさらに反転テーブルの奥側に搬送され、2枚目の用紙がレジストローラから開放されて画像形成位置に進入する状態を示す図である。
図21の状態から1枚目の用紙が反転し、ターン部を通って両面給紙部に搬送され、両面給紙部で画像形成部への搬送開始まで待機する状態を示す図である。
2枚目の用紙が定着を終え、反転テーブル内に進入し、3枚目の用紙が表面に画像が形成されて定着前の位置で待機し、1枚目の用紙が裏面に画像を形成するためにレジストローラの位置で待機している状態を示す図である。
交互給紙開始時の状態を示す図である。
交互給紙が進行し、1枚目の用紙は裏面に画像が形成されて定着部の前に至り、4枚目の用紙の表面に画像が形成(転写)される状態を示す図である。
1枚目の用紙は裏面の画像が定着部で定着されて排紙され、4枚目の用紙は表面に画像が形成された状態で、定着部4前で待機し、5枚目の用紙がレジストローラ位置で待機している状態を示す図である。
4枚目の用紙が定着部を抜けて反転テーブルに向かう搬送路上にあり、6枚目の用紙が3枚目の用紙の後に給紙されるべく待機している状態を示す図である。
図26の状態と同じ状態で1枚処理が進行した状態を示す図である。
図27と同じ状態で1枚処理が進行した状態を示す図である。
図28と同じ状態で1枚処理が進行した状態を示す図である。
実施例4における始めの3枚が画像形成装置の搬送路内に位置している状態を示す図である。
図31の状態から2枚目の用紙が反転テーブル側に向かう搬送路に位置している状態を示す図である。
実施例3の図23に示した状態と同じ状態の交互給紙開始直前の状態を示す図である。
比較例2の3枚インターリーフ制御制御の最初の3枚が供給されたときの状態を示す図である。
図34の状態から2枚目の用紙と3枚目の用紙の表面に画像が形成され、3枚目の用紙が反転テーブル上で待機している状態を示す図である。
図35の状態から1枚目の用紙がレジストローラ位置まで進行し、2枚目の用紙が両面給紙部の最下流位置の搬送ローラのニップ位置で待機し、3枚目の用紙は、後端が両面給紙部の入口部を過ぎたところで待機し、4枚目の用紙が循環搬送路に入る手前で待機している状態を示す図である。
実施例1の図8に示した状態とは異なる待機状態を示す図で、2枚目の用紙の先端が両面ターンローラ15を通過した直後で待機している状態を示す。
符号の説明
1 画像形成装置
2 画像形成部
2K,2C,2M,2Y 感光体ドラム
2−1 中間転写ベルト
4 定着部
10 用紙ターン部
12 レジストローラ(対)
15 両面ターンローラ部
20 CPU