JP5379106B2 - 自動変速機 - Google Patents

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Description

変速機ケース内に回転自在に軸支されると共に駆動源からの動力が伝達されて回転する入力軸を備え、入力軸の回転を複数段に変速して出力部材から出力する自動変速機に関する。
従来、入力用の第1遊星歯車機構と変速用の第2と第3の2つの遊星歯車機構と6つの係合機構とを用いて、前進8段の変速を行うことができるようにした自動変速機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1のものでは、入力用の第1遊星歯車機構を、第1サンギヤと、第1リングギヤと、互いに噛合すると共に一方が第1サンギヤに噛合し他方が第1リングギヤに噛合する一対の第1ピニオンを自転及び公転自在に軸支する第1キャリアとからなる所謂ダブルピニオン型の遊星歯車機構で構成している。
第1遊星歯車機構は、第1サンギヤが変速機ケースに固定される固定要素、第1キャリアが入力軸に連結される入力要素、第1リングギヤが入力要素たる第1キャリアの回転速度を減速して出力する出力要素とされている。
又、変速用の2つの遊星歯車機構は、第2サンギヤと、第3サンギヤと、第3リングギヤと一体化された第2リングギヤと、互いに噛合すると共に一方が第2サンギヤ及び第2リングギヤに噛合し他方が第3サンギヤに噛合する一対の第2ピニオンを自転及び公転自在に軸支する第2キャリアとからなるラビニヨ型の遊星歯車機構で構成されている。
このラビニヨ型の遊星歯車機構は、共線図(各回転要素の相対回転速度の比を直線で表すことができる図)においてギヤ比に対応する間隔を存して順に、第1回転要素、第2回転要素、第3回転要素及び第4回転要素とすると、第1回転要素は第2サンギヤ、第2回転要素は第3キャリアと一体化された第2キャリア、第3回転要素は第3リングギヤと一体化された第2リングギヤ、第4回転要素は第3サンギヤとなる。
又、係合機構として、第1遊星歯車機構の出力要素たる第1リングギヤと第3サンギヤから成る第4回転要素とを解除自在に連結する第1湿式多板クラッチと、入力軸と第2キャリアから成る第2回転要素とを解除自在に連結する第2湿式多板クラッチと、出力要素たる第1リングギヤと第2サンギヤから成る第1回転要素とを解除自在に連結する第3湿式多板クラッチと、入力要素たる第1キャリアと第2サンギヤから成る第1回転要素とを解除自在に連結する第4湿式多板クラッチと、第2サンギヤから成る第1回転要素を変速機ケースに解除自在に固定する第1ブレーキと、第2キャリアから成る第2回転要素を変速機ケースに解除自在に固定する第2ブレーキとを備える。
以上の構成によれば、第1湿式多板クラッチと第2ブレーキとを係合することで1速段が確立され、第1湿式多板クラッチと第1ブレーキとを係合することで2速段が確立され、第1湿式多板クラッチと第3湿式多板クラッチとを係合することで3速段が確立され、第1湿式多板クラッチと第4湿式多板クラッチとを係合することで4速段が確立される。
又、第1湿式多板クラッチと第2湿式多板クラッチとを係合することで5速段が確立され、第2湿式多板クラッチと第4湿式多板クラッチとを係合することで6速段が確立され、第2湿式多板クラッチと第3湿式多板クラッチとを係合することで7速段が確立され、第2湿式多板クラッチと第1ブレーキとを係合することで8速段が確立される。
特開2005−273768号公報
上記従来例のものでは、各変速段において係合する係合機構の数が2つになる。そのため、開放している残りの4つの係合機構の引き摺りによるフリクションロスが大きくなり、自動変速機の効率が悪化する不具合がある。
本発明は、以上の点に鑑み、フリクションロスを低減できる自動変速機を提供することを目的とする。
[1]本発明は、変速機ケース内に回転自在に軸支されると共に駆動源からの動力が伝達されて回転する入力軸を備え、入力軸の回転を複数段に変速して出力部材から出力する自動変速機であって、サンギヤ、キャリア及びリングギヤからなる3つの要素を夫々備える第1から第4の4つの遊星歯車機構が設けられ、第1遊星歯車機構の3つの要素を、相対回転速度比を直線で表すことができる共線図におけるギヤ比に対応する間隔での並び順に夫々第1要素、第2要素及び第3要素とし、第2遊星歯車機構の3つの要素を、共線図におけるギヤ比に対応する間隔での並び順に夫々第4要素、第5要素及び第6要素とし、第3遊星歯車機構の3つの要素を、共線図におけるギヤ比に対応する間隔での並び順に夫々第7要素、第8要素及び第9要素とし、第4遊星歯車機構の3つの要素を、共線図におけるギヤ比に対応する間隔での並び順に夫々第10要素、第11要素及び第12要素として、第2要素と第6要素とを連結して第1連結体が構成され、第3要素と第8要素とを連結して第2連結体が構成され、第5要素と第11要素とを連結して第3連結体が構成され、第7要素と第12要素とを連結して第4連結体が構成され、第1要素が入力軸に連結され、第10要素が出力部材に連結され、係合機構として、第4要素を変速機ケースに固定自在な第1ブレーキと、第9要素を変速機ケースに固定自在な第2ブレーキと、第2連結体を変速機ケースに固定自在な第3ブレーキと、第3連結体を変速機ケースに固定自在な第4ブレーキと、第1要素と第3連結体とを連結自在な第1クラッチと、第1連結体と第4連結体とを連結自在な第2クラッチとを備え、第1から第4の4つのブレーキと、第1及び第2の2つのクラッチとの合計6つの係合機構のうち、少なくとも3つの係合機構を連結状態又は固定状態とすることにより、各変速段を確立することを特徴とする。
本発明によれば、後述する実施形態の説明から明らかなように、4つのブレーキと2つのクラッチの合計6つの係合機構のうち、各変速段において3つの係合機構が係合して連結状態又は固定状態となる。そのため、各変速段で開放している係合機構の数は3となり、従来のように各変速段で4つの係合機構が開放されるものに比べ、開放している係合機構によるフリクションロスを低減できる。
[2]本発明においては、第7要素を第3遊星歯車機構のリングギヤとし、第12要素を第4遊星歯車機構のサンギヤとし、第4遊星歯車機構を第3遊星歯車機構の径方向外方に配置し、第3遊星歯車機構のリングギヤと第4遊星歯車機構のサンギヤとを一体に構成することが好ましい。
これによれば、第4遊星歯車機構が第3遊星歯車機構の径方向外方に配置されるため、自動変速機の軸長を短縮することができ、車両、特にFF(フロントエンジン・フロントドライブ)式の車両への搭載性を向上させることができる。
[3]本発明においては、第1ブレーキを噛合機構で構成することが好ましい。これによれば、第1ブレーキが開放状態となる変速段において、第1ブレーキたる噛合機構でのフリクションロスを抑制させることができる。このため、自動変速機全体として、フリクションロスをより低減させることができる。
[4]本発明においては、第4ブレーキを噛合機構で構成することが好ましい。これによれば、第4ブレーキが開放状態となる変速段において、第4ブレーキたる噛合機構でのフリクションロスを抑制させることができる。このため、自動変速機全体として、フリクションロスをより低減させることができる。
[5]本発明において、第4ブレーキは、第3連結体を変速機ケースに固定する固定状態と、第3連結体の正転を許容し逆転を阻止する逆転阻止状態とに切換自在な2ウェイクラッチで構成することもできる。これによっても、フリクションロスをより低減できると共に、変速制御性を向上させることができる。
[6]本発明においては、4つの遊星歯車機構は、サンギヤと、リングギヤと、サンギヤ及びリングギヤに噛合するピニオンを自転及び公転自在に軸支するキャリアとからなる所謂シングルピニオン型の遊星歯車機構であることが好ましい。
これによれば、遊星歯車機構を、サンギヤと、リングギヤと、互いに噛合すると共に一方がサンギヤに噛合し他方がリングギヤに噛合する一対のピニオンを自転及び公転自在に軸支するキャリアとからなる所謂ダブルピニオン型の遊星歯車機構で構成した場合に比べ、入力軸から出力部材までの動力伝達経路におけるギヤの噛合回数を減少させることができ、伝達効率を向上させることができる。
[7]本発明においては、駆動源の動力を入力軸に伝達自在な発進クラッチを設けてもよい。
[8]本発明においては、駆動源の動力を、トルクコンバータを介して入力軸に伝達させるように構成してもよい。
本発明の自動変速機の実施形態のスケルトン図。 実施形態の遊星歯車機構の共線図。 (a)は実施形態の各変速段における係合機構の状態を纏めて示す説明図。(b)は実施形態の各変速段のギヤレシオの一例を示す説明図。(c)は実施形態の各変速段の公比の一例を示す説明図。(d)は実施形態の各遊星歯車機構のギヤ比及び自動変速機のレシオレンジの一例を示す説明図。 2ウェイクラッチの一例を示す断面図。
図1は、本発明の実施形態の自動変速機の上半分を示している。本実施形態の自動変速機は、変速機ケース1内に回転自在に軸支した入力軸2と、入力軸2と同心に配置された出力ギヤからなる出力部材3とを備えている。出力部材3の回転は、図外のデファレンシャルギヤやプロペラシャフトを介して車両の左右の駆動輪に伝達される。
入力軸2は、駆動源としてのエンジンENGの動力がトルクコンバータTCを介して伝達されて回転する。
トルクコンバータTCは、動力の伝達媒体として流体を用いる流体式トルクコンバータであり、エンジンENGから入力軸2へ直接動力を伝達自在なロックアップクラッチLCを備える。ロックアップクラッチLCを締結しているときには、エンジンENGのトルク変動が入力軸2に伝達されてしまう。このため、ねじりダンパ装置DAを設け、このねじりダンパ装置DAの弾性力によってエンジンENGのトルク変動を吸収できるようにしている。
又、変速機ケース1内には、第1遊星歯車機構PGS1と第2遊星歯車機構PGS2と第3遊星歯車機構PGS3と第4遊星歯車機構PGS4とが入力軸2と同心に配置されている。
第1遊星歯車機構PGS1は、サンギヤSaと、リングギヤRaと、サンギヤSaとリングギヤRaとに噛合するピニオンPaを自転及び公転自在に軸支するキャリアCaとから成る所謂シングルピニオン型の遊星歯車機構で構成されている。
図2の最上段に示す第1遊星歯車機構PGS1の共線図(各要素の相対回転速度の比を直線で表すことができる図)を参照して、第1遊星歯車機構PGS1の3つの要素Sa,Ca,Raを、共線図におけるギヤ比に対応する間隔での並び順に左側から夫々第1要素、第2要素及び第3要素とすると、第1要素はサンギヤSa、第2要素はキャリアCa、第3要素はリングギヤRaになる。
ここで、サンギヤSaとキャリアCa間の間隔とキャリアCaとリングギヤRa間の間隔との比は、第1遊星歯車機構PGS1のギヤ比(リングギヤの歯数/サンギヤの歯数)をhとして、h:1に設定される。尚、共線図において、下の横線と上の横線は夫々回転速度が「0」と「1」(入力軸2と同じ回転速度)であることを示している。
第2遊星歯車機構PGS2は、第1遊星歯車PGS1と同様に、サンギヤSbと、リングギヤRbと、サンギヤSbとリングギヤRbとに噛合するピニオンPbを自転及び公転自在に軸支するキャリアCbとから成る所謂シングルピニオン型の遊星歯車機構で構成されている。
図2の上から2段目に示す第2遊星歯車機構PGS2の共線図を参照して、第2遊星歯車機構PGS2の3つの要素Sb,Cb,Rbを、共線図におけるギヤ比に対応する間隔での並び順に左側から夫々第4要素、第5要素及び第6要素とすると、第4要素はサンギヤSb、第5要素はキャリアCb、第6要素はリングギヤRbになる。サンギヤSbとキャリアCb間の間隔とキャリアCbとリングギヤRb間の間隔との比は、第2遊星歯車機構PGS2のギヤ比をiとして、i:1に設定される。
第3遊星歯車機構PGS3は、第1及び第2遊星歯車機構PGS1,PGS2と同様に、サンギヤScと、リングギヤRcと、サンギヤScとリングギヤRcとに噛合するピニオンPcを自転及び公転自在に軸支するキャリアCcとから成る所謂シングルピニオン型の遊星歯車機構で構成されている。
図2の上から3段目に示す第3遊星歯車機構PGS3の共線図を参照して、第3遊星歯車機構PGS3の3つの要素Sc,Cc,Rcを、共線図におけるギヤ比に対応する間隔での並び順に左側から夫々第7要素、第8要素及び第9要素とすると、第7要素はリングギヤRc、第8要素はキャリアCc、第9要素はサンギヤScになる。サンギヤScとキャリアCc間の間隔とキャリアCcとリングギヤRc間の間隔との比は、第3遊星歯車機構PGS3のギヤ比をjとして、j:1に設定される。
第4遊星歯車機構PGS4は、第1〜第3遊星歯車機構PGS1〜PGS3と同様に、サンギヤSdと、リングギヤRdと、サンギヤSdとリングギヤRdとに噛合するピニオンPdを自転及び公転自在に軸支するキャリアCdとから成る所謂シングルピニオン型の遊星歯車機構で構成されている。
図2の最下段(上から4段目)に示す第4遊星歯車機構PGS4の共線図を参照して、第4遊星歯車機構PGS4の3つの要素Sd,Cd,Rdを、共線図におけるギヤ比に対応する間隔での並び順に左側から夫々第10要素、第11要素及び第12要素とすると、第10要素はリングギヤRd、第11要素はキャリアCd、第12要素はサンギヤSdになる。サンギヤSdとキャリアCd間の間隔とキャリアCdとリングギヤRd間の間隔との比は、第4遊星歯車機構PGS4のギヤ比をkとして、k:1に設定される。
第1遊星歯車機構PGS1のキャリアCa(第2要素)と第2遊星歯車機構PGS2のリングギヤRb(第6要素)とが連結されて、第1連結体Ca−Rbが構成されている。又、第1遊星歯車機構PGS1のリングギヤRa(第3要素)と第3遊星歯車機構PGS3のキャリアCc(第8要素)とが連結されて、第2連結体Ra−Ccが構成されている。
又、第2遊星歯車機構PGS2のキャリアCb(第5要素)と第4遊星歯車機構PGS4のキャリアCd(第11要素)とが連結されて、第3連結体Cb−Cdが構成されている。又、第3遊星歯車機構PGS3のリングギヤRc(第7要素)と第4遊星歯車機構PGS4のサンギヤSd(第12要素)とが連結されて、第4連結体Rc−Sdが構成されている。第1遊星歯車機構PGS1のサンギヤSa(第1要素)は入力軸2に連結されている。第4遊星歯車機構PGS4のリングギヤRd(第10要素)は出力部材3に連結されている。
又、本実施形態の自動変速機は、係合機構として、第1から第4の4つのブレーキB1〜B4と、第1と第2の2つのクラッチC1,C2とを備える。
第1ブレーキB1及び第4ブレーキB4は噛合機構としてのドグクラッチで構成され、第2ブレーキB2及び第3ブレーキB3は湿式多板ブレーキで構成されている。又、第1クラッチC1及び第2クラッチC2は湿式多板クラッチで構成されている。
第1ブレーキB1は、第2遊星歯車機構PGS2のサンギヤSb(第4要素)を変速機ケース1に固定する固定状態と、この固定を解除する開放状態とに切換自在に構成されている。第2ブレーキB2は、第3遊星歯車機構PGS3のサンギヤSc(第9要素)を変速機ケース1に固定する固定状態と、この固定を解除する開放状態とに切換自在に構成されている。
第3ブレーキB3は、第2連結体Ra−Ccを変速機ケース1に固定する固定状態と、この固定を解除する開放状態とに切換自在に構成されている。第4ブレーキB4は、第3連結体Cb−Cdを変速機ケース1に固定する固定状態と、この固定を解除する開放状態とに切換自在に構成されている。
第1クラッチC1は、第1遊星歯車機構PGS1のサンギヤSa(第1要素)と第3連結体Cb−Cdとを連結する連結状態と、この連結を断つ開放状態とに切換自在に構成されている。第2クラッチC2は、第1連結体Ca−Rbと第4連結体Rc−Sdとを連結する連結状態と、この連結を断つ開放状態とに切換自在に構成されている。
各係合機構B1〜B4,C1,C2は、図外のトランスミッション・コントロール・ユニットにより状態が切り換えられる。
変速機ケース1内には、入力軸2の軸線上に、エンジンENG及びトルクコンバータTC側から、第1ブレーキB1、第2遊星歯車機構PGS2、第1クラッチC1、第1遊星歯車機構PGS1、第2クラッチC2、第3遊星歯車機構PGS3、出力部材3、第3ブレーキB3、第2ブレーキB2の順番で配置されている。
又、第4遊星歯車機構PGS4は、第3遊星歯車機構PGS3の径方向外方に配置されており、第3遊星歯車機構PGS3のリングギヤRc(第7要素)と第4遊星歯車機構PGS4のサンギヤSd(第12要素)とが一体に形成されて第4連結体Rc−Sdを構成している。これにより、第3遊星歯車機構PGS3と第4遊星歯車機構PGS4とが径方向に重なり合うため、第3遊星歯車機構PGS3と第4遊星歯車機構PGS4とを軸方向に並べて配置した場合に比べ、自動変速機の軸長の短縮化を図ることができ、車両、特に所謂FF式の車両への搭載性を向上させることができる。
尚、第3遊星歯車機構PGS3と第4遊星歯車機構PGS4とは、径方向で少なくとも一部が重なり合っていればよく、これによって軸長の短縮化を図ることができるが、両者が完全に径方向で重なり合っていれば、最も軸長を短くすることができる。
又、上記の構成により、第1〜第3の3つのブレーキB1〜B3が変速機ケース1内において入力軸2の軸線上の両端部に配置されることとなり、遊星歯車機構やクラッチが邪魔とならず、ブレーキ用の油路の設計自由度が向上される。
変速機ケース1内には、出力部材3と第3ブレーキB3との間に位置させて、径方向内方に延びる側壁1aが設けられている。この側壁1aには、出力部材3の径方向内方に向かって延びる筒状部1bが設けられている。出力部材3は、この筒状部1bにベアリングを介して軸支されている。このように構成することにより、変速機ケース1に連なる機械的強度の高い筒状部1bで出力部材3をしっかりと軸支させることができる。
本実施形態の自動変速機では、1速段を確立する場合には、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2及び第4ブレーキB4を固定状態にする。第1ブレーキB1を固定状態にすることで、第2遊星歯車機構PGS2のサンギヤSb(第4要素)の回転速度が「0」となる。又、第4ブレーキB4を固定状態にすることで、第3連結体Cb−Cdの回転速度が「0」となる。
従って、第2遊星歯車機構PGS2のサンギヤSb(第4要素)と第2遊星歯車機構PGS2のキャリアCb(第5要素)との回転速度が共に「0」となるため、第2遊星歯車機構PGS2の第4〜第6の3つの要素Sb,Cb,Rbが相対回転不能なロック状態となり、第4〜第6要素Sb,Cb,Rbの回転速度が「0」となる。そして、第1連結体Ca−Rbの回転速度も「0」となる。
そして、入力軸2に連結された第1遊星歯車機構PGS1のサンギヤSa(第1要素)の回転速度は「1」であるため、第2連結体Ra−Ccの回転速度が「−1/h」となる(尚、マイナスは逆転方向の回転であることを示している)。
又、第2ブレーキB2を固定状態にすることで、第3遊星歯車機構PGS3のサンギヤSc(第9要素)の回転速度が「0」となり、第4連結体Rc−Sdの回転速度が「−(j+1)/(hj)」となる。
従って、出力部材3に連結された第4遊星歯車機構PGS4のリングギヤRd(第10要素)の回転速度が「(j+1)/(hjk)」となって、1速段が確立される。
2速段を確立する場合には、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2及び第3ブレーキB3を固定状態にする。第3ブレーキB3を固定状態にすることで、第2連結体Ra−Ccの回転速度が「0」となる。入力軸2に連結された第1遊星歯車機構PGS1のサンギヤSa(第1要素)の回転速度は「1」であるため、第1連結体Ca−Rbの回転速度が「1/(h+1)」となる。
そして、第1ブレーキB1を固定状態にすることで、第2遊星歯車機構PGS2のサンギヤSb(第4要素)の回転速度が「0」となり、第3連結体Cb−Cdの回転速度が「i/{(h+1)・(i+1)}」となる。
又、第2ブレーキB2を固定状態にすることで、第3遊星歯車機構PGS3のサンギヤSc(第9要素)の回転速度が「0」となり、第3遊星歯車機構PGS3のキャリアCc(第8要素)と第3遊星歯車機構PGS3のサンギヤSc(第9要素)との回転速度が共に「0」となるため、第3遊星歯車機構PGS3の第7〜第9の3つの要素Rc,Cc,Scが相対回転不能なロック状態となり、第7〜第9要素Rc,Cc,Scの回転速度が「0」となる。そして、第4連結体Rc−Sdの回転速度も「0」となる。
従って、出力部材3に連結された第4遊星歯車機構PGS4のリングギヤRd(第10要素)の回転速度が「i・(k+1)/{(h+1)・(i+1)・k}」となって、2速段が確立される。
3速段を確立する場合には、第1ブレーキB1及び第2ブレーキB2を固定状態にすると共に、第2クラッチC2を連結状態にする。第2クラッチC2を連結状態にすることで、第1連結体Ca−Rbと第4連結体Rc−Sdの回転速度が同一になる。
この場合には、第1遊星歯車機構PGS1のサンギヤSa(第1要素)を第1回転要素Y1、第1連結体Ca−Rb及び第4連結体Rc−Sdを第2回転要素Y2、第2連結体Ra−Ccを第3回転要素Y3、第3遊星歯車機構PGS3のサンギヤSc(第9要素)を第4回転要素Y4とすると、Y1〜Y4の4つの回転要素の回転速度の比を共線図上において直線で表すことができる。
このとき、第1回転要素Y1と第2回転要素Y2間の間隔、第2回転要素Y2と第3回転要素Y3間の間隔、及び第3回転要素Y3と第4回転要素Y4間の間隔は、「h:1:j」で表される。
そして、第2ブレーキB2を固定状態にすることで、第3遊星歯車機構PGS3のサンギヤSc(第9要素)の回転速度が「0」となる。入力軸2に連結された第1遊星歯車機構PGS1のサンギヤSa(第1要素)の回転速度は「1」であるため、第1連結体Ca−Rb及び第4連結体Rc−Sdの回転速度が「(j+1)/(h+j+1)」となる。
そして、第1ブレーキB1を固定状態にすることで、第2遊星歯車機構PGS2のサンギヤSb(第4要素)の回転速度が「0」となり、第3連結体Cb−Cdの回転速度が「i・(j+1)/{(i+1)・(h+j+1)}」となる。従って、出力部材3に連結された第4遊星歯車機構PGS4のリングギヤRd(第10要素)の回転速度が「{(ik−1)・(j+1)}/{(i+1)・(h+j+1)・k}」となって、3速段が確立される。
4速段を確立する場合には、第1ブレーキB1及び第2ブレーキB2を固定状態にすると共に、第1クラッチC1を連結状態にする。第1ブレーキB1を固定状態にすることで、第2遊星歯車機構PGS2のサンギヤSb(第4要素)の回転速度が「0」となる。又、第1クラッチC1を連結状態にすることで、第3連結体Cb−Cdの回転速度が「1」となる。このため、第1連結体Ca−Rbの回転速度が「(i+1)/i」となる。
そして、入力軸2に連結された第1遊星歯車機構PGS1のサンギヤSa(第1要素)の回転速度は「1」であるため、第2連結体Ra−Ccの回転速度が「(hi+h+1)/(hi)」となる。そして、第2ブレーキB2を固定状態にすることで、第3遊星歯車機構PGS3のサンギヤSc(第9要素)の回転速度が「0」となる。このため、第4連結体Rc−Sdの回転速度が「{(j+1)・(hi+h+1)}/(hij)」となる。
従って、出力部材3に連結された第4遊星歯車機構PGS4のリングギヤRd(第10要素)の回転速度が「{hijk−(hi+hj+h+j+1)}/(hijk)」となって、4速段が確立される。
5速段を確立する場合には、第1ブレーキB1を固定状態にすると共に、第1クラッチC1及び第2クラッチC2を連結状態にする。第1ブレーキB1を固定状態にすることで、第2遊星歯車機構PGS2のサンギヤSb(第4要素)の回転速度が「0」となる。そして、第1クラッチC1を連結状態にすることで、第3連結体Cb−Cdの回転速度が「1」となる。このため、第1連結体Ca−Rbの回転速度が「(i+1)/i」となる。
第2クラッチC2を連結状態にすることで、第4連結体Rc−Sdが第1連結体Ca−Rbと同一速度で回転する。従って、出力部材3に連結された第4遊星歯車機構PGS4のリングギヤRd(第10要素)の回転速度が「{i・(k+1)−(i+1)}/(ik)」となって、5速段が確立される。
6速段を確立する場合には、第2ブレーキB2を固定状態にすると共に、第1クラッチC1及び第2クラッチC2を連結状態にする。3速段を確立する場合と同様に、第2ブレーキB2を固定状態にして、第2クラッチC2を連結状態にすることで、第1連結体Ca−Rb及び第4連結体Rc−Sdの回転速度が「(j+1)/(h+j+1)」となる。
又、第1クラッチC1を連結状態にすることで、第3連結体Cb−Cdの回転速度が「1」となる。従って、出力部材3に連結された第4遊星歯車機構PGS4のリングギヤRd(第10要素)の回転速度が「{h・(k+1)+k・(j+1)}/{k・(h+j+1)}」となって、6速段が確立される。
7速段を確立する場合には、第3ブレーキB3を固定状態にすると共に、第1クラッチC1及び第2クラッチC2を連結状態にする。第3ブレーキB3を固定状態にすることで、第2連結体Ra−Ccの回転速度が「0」となる。そして、入力軸2に連結された第1遊星歯車機構PGS1のサンギヤSa(第1要素)の回転速度は「1」であるため、第1連結体Ca−Rbの回転速度が「1/(h+1)」となる。
そして、第1クラッチC1を連結状態にすることで、第3連結体Cb−Cdの回転速度が「1」となり、第2クラッチC2を連結状態にすることで、第4連結体Rc−Sdが第1連結体Ca−Rbと同一速度で回転する。従って、出力部材3に連結された第4遊星歯車機構PGS4のリングギヤRd(第10要素)の回転速度が「{h・(k+1)+k}/{(h+1)・k}」となって、7速段が確立される。
8速段を確立する場合には、第2ブレーキB2及び第3ブレーキB3を固定状態にすると共に、第1クラッチC1を連結状態にする。第2ブレーキB2を固定状態にすることで、第3遊星歯車機構PGS3のサンギヤSc(第9要素)の回転速度が「0」となる。又、第3ブレーキB3を固定状態にすることで、第3遊星歯車機構PGS3のキャリアCc(第8要素)の回転速度が「0」となる。
このため、第3遊星歯車機構PGS3のキャリアCc(第8要素)と第3遊星歯車機構PGS3のサンギヤSc(第9要素)との回転速度が共に「0」となるため、第3遊星歯車機構PGS3の第7〜第9の3つの要素Rc,Cc,Scが相対回転不能なロック状態となり、第7〜第9要素Rc,Cc,Scの回転速度が「0」となる。そして、第4連結体Rc−Sdの回転速度も「0」となる。
又、第1クラッチC1を連結状態にすることで、第3連結体Cb−Cdの回転速度が「1」となる。従って、出力部材3に連結された第4遊星歯車機構PGS4のリングギヤRd(第10要素)の回転速度が「(k+1)/k」となって、8速段が確立される。
後進段を確立する場合には、第2ブレーキB2及び第4ブレーキB4を固定状態にすると共に、第2クラッチC2を連結状態にする。第2ブレーキB2を固定状態にして、第2クラッチC2を連結状態にすることで、3速段及び6速段を確立する場合と同様に、第1連結体Ca−Rb及び第4連結体Rc−Sdの回転速度が「(j+1)/(h+j+1)」となる。
そして、第4ブレーキB4を固定状態にすることで、第3連結体Cb−Cdの回転速度が「0」となる。従って、出力部材3に連結された第4遊星歯車機構PGS4のリングギヤRd(第10要素)の回転速度が「−(j+1)/{k・(h+j+1)}」となって、後進段が確立される。
尚、図2中の点線で示す速度線は、4つの遊星歯車機構PGS1〜PGS4のうち動力伝達する遊星歯車機構に追従して他の遊星歯車機構の各要素が回転することを表している。
図3(a)は、上述した各変速段における第1〜第4の4つのブレーキB1〜B4、第1と第2の2つのクラッチC1,C2の状態を纏めて表示した図であり、第1〜第4の4つのブレーキB1〜B4及び第1と第2の2つのクラッチC1,C2の欄の「○」は固定状態又は連結状態であることを表している。
又、図3(b)は、図3(d)に示すように、第1遊星歯車機構PGS1のギヤ比hを2.876、第2遊星歯車機構PGS2のギヤ比iを3.684、第3遊星歯車機構PGS3のギヤ比jを3.655、第4遊星歯車機構PGS4のギヤ比kを2.321とした場合の各変速段のギヤレシオ(入力軸2の回転速度/出力部材3の回転速度)を示す。これによれば、図3(c)に示される公比(各変速段間のギヤレシオの比)が適切になると共に、図3(d)に示すレシオレンジ(1速段のギヤレシオ/8速段のギヤレシオ)も適切になる。
本実施形態の自動変速機によれば、前進8段及び後進1段の変速を行うことができる。又、各変速段でフリクションロスが発生する係合機構の数は3つになり、従来のように各変速段で4つの係合機構がフリクションロスを発生させるものに比べ、開放している係合機構によるフリクションロスを低減でき、自動変速機の伝達効率が向上する。
又、本実施形態では、本発明の第1ブレーキB1を噛合機構たるドグクラッチで構成しているため、第1ブレーキB1を湿式多板ブレーキで構成する場合に比べ、第1ブレーキB1が開放状態となる6速段から8速段及び後進段において、第1ブレーキB1たるドグクラッチでのフリクションロスが発生しない。このため、自動変速機全体として、フリクションロスをより低減させることができる。
又、本実施形態では、本発明の第4ブレーキB4を噛合機構たるドグクラッチで構成しているため、第4ブレーキB4を湿式多板ブレーキで構成する場合に比べ、第4ブレーキB4がフリクションロスが発生する開放状態となる2速段から8速段において、第4ブレーキB4としてのドグクラッチでのフリクションロスが発生しない。このため、自動変速機全体として、フリクションロスをより低減させることができる。
又、本実施形態においては、第1〜第4の4つの遊星歯車機構PGS1〜PGS4を所謂シングルピニオン型の遊星歯車機構で構成している。このため、第1〜第4の4つの遊星歯車機構PGS1〜PGS4を、サンギヤと、リングギヤと、互いに噛合すると共に一方がサンギヤに噛合し他方がリングギヤに噛合する一対のピニオンを自転及び公転自在に軸支するキャリアとからなる所謂ダブルピニオン型の遊星歯車機構で構成したものに比べ、ギヤの噛合回数を減少させることができ、伝達効率を向上させることができる。
尚、本実施形態においては、第1ブレーキB1又は第4ブレーキB4として、ドグクラッチを用いたが、これに限らず、第1ブレーキB1又は第4ブレーキB4を同期機能を有する噛合機構たるシンクロメッシュ機構で構成してもよい。これによっても、湿式多板ブレーキで構成した場合に比べ、フリクションロスを抑えることができる。
又、第1ブレーキB1又は第4ブレーキB4を湿式多板クラッチで構成しても、各変速段における開放数を3つ以下にできるという本発明の効果を得ることができる。
又、本実施形態では、第4遊星歯車機構PGS4を第3遊星歯車機構PGS3の径方向外方に配置しているがこれに限らず第3遊星歯車機構PGS3と第4遊星歯車機構PGS4とを軸方向に並べて配置してもよい。
又、第1実施形態では、第4ブレーキB4を、第3連結体Cb−Cdを変速機ケース1に固定する固定状態と、第3連結体Cb−Cdの正転を許容し逆転を阻止する逆転阻止状態とに切換自在な2ウェイクラッチで構成してもよい。この2ウェイクラッチの一例を図4に示して具体的に説明する。
図4の第4ブレーキB4としての2ウェイクラッチTWは、第3連結体Cb−Cdに連結されるインナーリングTW1と、インナーリングTW1の径方向外方に間隔を存して配置されると共に変速機ケース1に連結されるアウターリングTW2と、インナーリングTW1とアウターリングTW2との間に配置される保持リングTW3とを備える。
インナーリングTW1には、外周面に複数のカム面TW1aが形成されている。保持リングTW3には、カム面TW1aに対応させて複数の切欠孔TW3aが設けられている。この切欠孔TW3aには、ローラTW4が収容されている。又、2ウェイクラッチTWは、図示省略した第1の電磁クラッチ及び第2の電磁クラッチを備える。
第1の電磁クラッチは、通電されることによりアウターリングTW2と保持リングTW3とを連結するように構成されている。第1の電磁クラッチが通電されていない場合には、保持リングTW3は、インナーリングTW1及びアウターリングTW2に対して相対回転自在となるように構成されている。
又、第2の電磁クラッチは、図4(b)に示すように切欠孔TW3aがカム面TW1aの一方の端部に位置する状態で保持リングTW3をインナーリングTW1に連結させる第1の状態と、図4(c)に示すように切欠孔TW3aがカム面TW1aの他方の端部に位置する状態で保持リングTW3をインナーリングTW1に連結させる第2の状態と、保持リングTW3とインナーリングTW1との連結を断つ第3の状態とに切換自在となるように構成される。
又、ローラTW4の径は、図4(a)に示すように、ローラTW4がカム面TW1aの中央部に存するときは隙間Aが開き、図4(b)及び(c)に示すように、ローラTW4がカム面TW1aの端部に存するときにはインナーリングTW1及びアウターリングTW2に接触するように、設定されている。
第1の電磁クラッチが通電されている場合には、保持リングTW3は、アウターリングTW2を介して変速機ケース1に固定されることとなる。この場合、インナーリングTW1が正転及び逆転のどちらに回転しようとしても、図4(b)及び(c)に示すように、保持リングTW3が固定されているため、ローラTW4がカム面TW1aの端部に位置することとなる。このとき、ローラTW4がカム面TW1aとアウターリングTW2の内周面とに挟まれて、インナーリングTW1の回転が阻止される。即ち、2ウェイクラッチTWは固定状態となる。
第1の電磁クラッチが通電されていない場合には、保持リングTW3が自由に回転することができるため、図4(a)に示すように、ローラTW4はカム面TW1aの中央部に位置し続けることができる。従って、第1の電磁クラッチが通電されていない場合には、インナーリングTW1が自由に回転することができる状態となる。図4における時計回り方向を逆転方向とすると、この2ウェイクラッチTWは、第1の電磁クラッチを通電させず、アウターリングTW2と保持リングTW3との連結を断ち、インナーリングTW1が自由に回転することができる状態とし、第2の電磁クラッチを第1の状態とすることにより、逆転阻止状態とすることができる。
以上の如く、固定状態と逆転阻止状態とに切換自在な2ウェイクラッチTWを構成することができる。
このような2ウェイクラッチTWで第4ブレーキB4を構成した場合には、2ウェイクラッチTWを、1速段から8速段までの前進段では逆転阻止状態とし、後進段では固定状態とすることにより、各変速段を確立できる。更に、1速段でエンジンブレーキを効かせる場合には固定状態とすることもできる。
又、第4ブレーキB4を2ウェイクラッチTWで構成することにより、2ウェイクラッチTWの働きにより、1速段から2速段へアップシフトする際には、第3ブレーキB3を固定状態に切り換えるだけでよく、又、2速段から1速段へダウンシフトする際には、第3ブレーキB3を開放状態に切り換えるだけでよい。
従って、1速段と2速段との間の変速の際に、第4ブレーキB4としてドグクラッチで構成した自動変速機において第3及び第4の2つのブレーキB3,B4の状態を切り換える必要があるものに比べ、第4ブレーキB4として2ウェイクラッチTWで構成した自動変速機において第3ブレーキB3のみの状態を切り換えるだけでよく、1速段と2速段との間の変速の制御性を向上させることができる。
上述した2ウェイクラッチTWで第4ブレーキB4を構成すれば、摩擦係合型のブレーキで第4ブレーキB4を構成する場合とは異なり、第4ブレーキB4でのフリクションロスは発生しない。従って、第4ブレーキB4を噛合機構で構成した場合と同様に、自動変速機全体として、フリクションロスを抑制させることができる。
更には、第4ブレーキB4としての2ウェイクラッチTWは、上述した固定状態と逆転阻止状態とに加えて、第3連結体Cb−Cdの正転を許容し逆転を阻止する逆転阻止状態と、第3連結体Cb−Cdの正転を阻止し逆転を許容する正転阻止状態とにも切換自在に構成してもよい。上述した2ウェイクラッチTWにおいて、第1の電磁クラッチを通電させず、インナーリングTW1が自由に回転することができる状態とし、第2の電磁クラッチを第2の状態とすることにより、正転阻止状態となる。
又、本実施形態の自動変速機では、前進8段及び後進1段の変速段を確立可能にしているが、例えば、2速段及び7速段を省略して、前進6段及び後進1段の変速段を確立可能な自動変速機としてもよい。この場合にも、各変速段における開放数を3つ以下にできるという本発明の効果を得ることができる。
又、本実施形態では、エンジンENGの動力をトルクコンバータTCを介して入力軸2に伝達しているが、トルクコンバータTCに代えて、摩擦板による係合によって動力を伝達自在な単板型又は多板型の発進クラッチを用いてもよい。
1…変速機ケース、2…入力軸、3…出力部材、ENG…エンジン(駆動源)、TC…トルクコンバータ、DA…ねじりダンパ装置、LC…ロックアップクラッチ、PGS1…第1遊星歯車機構、Sa…サンギヤ(第1要素)、Ca…キャリア(第2要素)、Ra…リングギヤ(第3要素)、Pa…ピニオン、PGS2…第2遊星歯車機構、Sb…サンギヤ(第4要素)、Cb…キャリア(第5要素)、Rb…リングギヤ(第6要素)、Pb…ピニオン、PGS3…第3遊星歯車機構、Sc…サンギヤ(第9要素)、Cc…キャリア(第8要素)、Rc…リングギヤ(第7要素)、Pc…ピニオン、PGS4…第4遊星歯車機構、Sd…サンギヤ(第12要素)、Cd…キャリア(第11要素)、Rd…リングギヤ(第10要素)、Pd…ピニオン、B1〜B4…第1〜第4ブレーキ、C1,C2…第1,第2クラッチ、TW…2ウェイクラッチ。

Claims (8)

  1. 変速機ケース内に回転自在に軸支されると共に駆動源からの動力が伝達されて回転する入力軸を備え、該入力軸の回転を複数段に変速して出力部材から出力する自動変速機であって、
    サンギヤ、キャリア及びリングギヤからなる3つの要素を夫々備える第1から第4の4つの遊星歯車機構が設けられ、
    前記第1遊星歯車機構の3つの要素を、相対回転速度比を直線で表すことができる共線図におけるギヤ比に対応する間隔での並び順に夫々第1要素、第2要素及び第3要素とし、
    前記第2遊星歯車機構の3つの要素を、共線図におけるギヤ比に対応する間隔での並び順に夫々第4要素、第5要素及び第6要素とし、
    前記第3遊星歯車機構の3つの要素を、共線図におけるギヤ比に対応する間隔での並び順に夫々第7要素、第8要素及び第9要素とし、
    前記第4遊星歯車機構の3つの要素を、共線図におけるギヤ比に対応する間隔での並び順に夫々第10要素、第11要素及び第12要素として、
    前記第2要素と前記第6要素とを連結して第1連結体が構成され、前記第3要素と前記第8要素とを連結して第2連結体が構成され、前記第5要素と前記第11要素とを連結して第3連結体が構成され、前記第7要素と前記第12要素とを連結して第4連結体が構成され、
    前記第1要素が前記入力軸に連結され、前記第10要素が前記出力部材に連結され、
    係合機構として、
    前記第4要素を前記変速機ケースに固定自在な第1ブレーキと、
    前記第9要素を前記変速機ケースに固定自在な第2ブレーキと、
    前記第2連結体を前記変速機ケースに固定自在な第3ブレーキと、
    前記第3連結体を前記変速機ケースに固定自在な第4ブレーキと、
    前記第1要素と前記第3連結体とを連結自在な第1クラッチと、
    前記第1連結体と前記第4連結体とを連結自在な第2クラッチとを備え、
    前記第1から第4の4つのブレーキと、前記第1及び第2の2つのクラッチとの合計6つの係合機構のうち、少なくとも3つの係合機構を連結状態又は固定状態とすることにより、各変速段を確立することを特徴とする自動変速機。
  2. 請求項1に記載の自動変速機において、前記第7要素は前記第3遊星歯車機構のリングギヤであり、前記第12要素は前記第4遊星歯車機構のサンギヤであり、
    前記第4遊星歯車機構は、前記第3遊星歯車機構の径方向外方に配置され、前記第3遊星歯車機構のリングギヤと前記第4遊星歯車機構のサンギヤとが一体に構成されることを特徴とする自動変速機。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の自動変速機において、前記第1ブレーキは、噛合機構で構成されていることを特徴とする自動変速機。
  4. 請求項1から請求項3の何れか1項に記載の自動変速機において、前記第4ブレーキは、噛合機構で構成されていることを特徴とする自動変速機。
  5. 請求項1から請求項3の何れか1項に記載の自動変速機において、前記第4ブレーキは、前記第3連結体を変速機ケースに固定する固定状態と、前記第3連結体の正転を許容し逆転を阻止する逆転阻止状態とに切換自在な2ウェイクラッチで構成されていることを特徴とする自動変速機。
  6. 請求項1から請求項5の何れか1項に記載の自動変速機において、前記4つの遊星歯車機構は、サンギヤと、リングギヤと、該サンギヤ及び該リングギヤに噛合するピニオンを自転及び公転自在に軸支するキャリアとからなるシングルピニオン型の遊星歯車機構であることを特徴とする自動変速機。
  7. 請求項1から請求項6の何れか1項に記載の自動変速機において、前記駆動源の動力を前記入力軸に伝達自在な発進クラッチを備えることを特徴とする自動変速機。
  8. 請求項1から請求項6の何れか1項に記載の自動変速機において、前記駆動源の動力は、トルクコンバータを介して前記入力軸に伝達されることを特徴とする自動変速機。
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