JP5377864B2 - 作業車輌 - Google Patents
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Description
具体的には、前記エンジンによって充電されるバッテリの電力によって駆動可能な左右一対の旋回用電動モータを有し、走行HSTの回転出力に加える前記左右一対の旋回用電動モータの駆動力を左右で異ならせることにより、左右一対の走行部への駆動力を異ならせ、除雪機を左又は右旋回させる。
このような作業車輌においては、旋回側の旋回用電動モータの回転数を最大にすることにより、旋回側の走行部を停止状態にして旋回側とは反対側の走行部の駆動力を用いて旋回するブレーキターンを行うことができ、旋回半径を小さくすることができる。
このため、所定の車速以上(走行HSTの出力回転数が所定回転数以上)においては、旋回用電動モータの回転数を最大にしても走行部の速度が0にならなかった。
即ち、所定の車速以上において旋回側の旋回用電動モータの回転数を最大にしてもブレーキターンが行えず、旋回半径が大きくなってしまう問題があった。
ここで、前記走行HSTが前記旋回モータの最大出力によっても対応する走行部を停止状態とさせることができない高速出力状態の場合に前記旋回操作部材が操作されると、制御装置は、ブレーキターン制御に移行する。
ブレーキターン制御において、前記左右一対の旋回操作部材の一方が操作されると、制御装置は、前記旋回操作部材の操作直前における前記走行HSTの出力回転数と前記旋回操作部材が最大操作位置へ操作された際の前記旋回モータの最大出力によって対応する走行部の回転数が0以下となるように設定された前記走行HSTの基準回転数とに基づいて、前記旋回操作部材の操作量に対する前記走行HSTの目標出力回転数に関する旋回制御関数を算出し、前記走行HSTが前記旋回制御関数及び前記旋回操作部材の操作量に基づいて算出される目標出力回転数となるように前記走行HSTを減速制御する。その上で、制御装置は、前記旋回操作部材の操作量に応じて旋回モータの出力を制御する。
その上で、制御装置は、前記第1、第2及び第3目標回転数のうち最も小さい回転数を制御すべき走行HSTの目標回転数に設定し、走行HSTの出力回転数を当該目標回転数となるように制御する。さらに、制御装置は、左右一対の旋回操作部材のそれぞれの操作量に応じて対応する旋回モータの出力を制御する。
このように、複数の制御関数を用いて複数の目標回転数から走行HSTの目標回転数を選択することにより、入力された左右一対の旋回操作部材の操作量に応じてブレーキターン制御及び制動制御間の移行を滑らかに行うことができる。さらに、何れか一方の旋回操作部材が最大量操作された場合には確実にブレーキターンを行わせることができる。
このように、旋回操作部材の双方が最大操作された場合には旋回モータを最大出力とする代わりに走行HSTの出力回転数を減少させるように制御することにより、旋回モータへの駆動電流の増大を防止しつつ、有効な制動制御を行うことができる。
このように、旋回操作部材の双方が最大操作された場合には旋回モータを最大出力とする代わりに走行HSTの出力回転数を減少させるように制御することにより、旋回モータへの駆動電流の増大を防止しつつ、有効な制動制御を行うことができる。
図1及び図2は、本発明に係る作業車輌の一例である歩行型除雪機1の概略側面図及び概略平面図である。また、図3は、図1及び図2に示す歩行型除雪機1における伝動模式図である。
具体的には、前記作業部20は、機体フレーム10の機体前後方向(図1の矢印x参照)前方x1において該機体フレーム10に支持されており、雪の掻き込みを行う掻込オーガ21と、前記掻込オーガ21を覆うオーガハウジング22と、前記オーガハウジング22の機体前後方向x後方x2に配設されたブロアハウジング23と、前記ブロアハウジング23に内装されたブロア24と、前記ブロア24の上方に配設されたシュータ25とを備えている。
前記掻込オーガ21は、ここでは、外周面に螺旋状の突起が設けられた略円柱形状の部材を備えており、軸心方向が機体左右方向yに沿うように且つ地面に近接するように配設されている。
そして、前記掻込オーガ21は、両端部が前記オーガハウジング22に軸心回り回転可能に軸支されており、前記エンジン31からの駆動力により回転駆動されるようになっている。
前記ブロアハウジング23は、前記ブロア24を内設する筐体とされており、前記オーガハウジング22を支持する構造体としての機構を兼ね備えたものされている。
前記シュータ25は、ここでは、筒状の部材とされており、前記ブロアハウジング23の水平面に対して上下方向に沿った旋回軸回り旋回可能とされているとともに、先端部が水平方向に沿った回動軸回り上下回動可能とされている。
前記HST102は、前記駆動部30の下方に配設されたトランスミッション100に備えられている。
前記作業駆動力伝達手段12は、ここでは、ベルトプーリ式のものであり、前記エンジン31の前記出力軸31aから動力が伝達される駆動プーリ131aと、前記作業部20の入力軸20aに設けられた従動プーリ133aと、前記駆動プーリ131a及び前記従動プーリ133aに巻回されたベルト134aとを備えている。
前記トランスミッション100は、前記HST102に加えて、ミッションケース101を備えており、該ミッションケース101から入力軸104が前向きに突出されている。前記入力軸104は、前端部が前記ブラケット11に軸支されている。
前記走行駆動力伝達手段13は、ここでは、ベルトプーリ式のものであり、前記エンジン31の前記出力軸31aに設けられた駆動プーリ131bと、前記トランスミッション100の前記入力軸104に設けられた従動プーリ133bと、前記プーリ131b及び前記プーリ133bに巻回されたベルト134bとを備えている。
なお、本実施形態において、前記発電機260は、後述するように、前記エンジン31の出力回転数を検出する負荷検出センサとしても機能する。
前記駆動部30は、前記エンジン31によって前記発電機260を回転駆動することにより電力を発生させ、当該発電機2600で発生した電力がバッテリ32に充電されるようになっている。
そして、前記駆動部30は、充電された前記バッテリ32(及び前記発電機260)によって、前記旋回機構330の左旋回用電動モータ33L及び右旋回用電動モータ33Rの駆動回路にそれぞれ電力を供給し、該駆動回路によって、該旋回用電動モータ33L,33Rの回転数を制御しつつ該旋回用電動モータ33L,33Rを駆動し得るように構成されている。
かかる構成において、前記差動機構103L,103Rに前記走行機構120からの走行回転動力及び前記旋回機構330からの制動回転動力を入力することにより、前記歩行型除雪機1は、右旋回又は左旋回し得るようになっている。
前記モータ本体106は、一対の作動油ライン109を介して前記ポンプ本体105に流体的に接続されており、前記モータ軸107は、前記モータ本体106によって軸線回りに回転されるように構成されている。
そして、前記出力調整部材108は、前記ポンプ本体105又は前記モータ本体106の少なくとも一方(ここでは、前記ポンプ本体105)の給排油量を変更させ得るように構成されている。
また、前記ポンプ本体105は、容量可変型ピストンポンプとされており、前記出力調整部材108は、可動斜板を含んでいる。
前記可動斜板は、前記ポンプ軸104の軸線方向に対する傾倒角度が調節されることにより、前記ポンプ軸104が一回転する間に前記ポンプ本体105から前記一対の作動油ライン109を介して前記モータ本体106に搬送される圧油の量、即ち、前記モータ軸107の回転速度を調整できるようになっている。
前記トランスミッション100は、さらに、第1及び第2伝動軸136,115並びに前記左右一対の差動機構103L,103Rを備えている。
前記第1伝動軸136には、ベベルギヤ137及びスプロケット139が外嵌固定されており、前記第2伝動軸115には、スプロケット140が外嵌固定されている。なお、前記エンジン31から前記走行部40L,40Rへ至る走行系伝動経路に制動機構が介挿されていてもよい。例えば、本実施形態においては、前記第1伝動軸136に、該第1伝動軸136の回転を制動し得るブレーキ138が設けられている。
かかる構成を備えることにより、前記トランスミッション100は、前記HST102から前記ベベルギヤ135及び前記ベベルギヤ137を介して前記第1伝動軸136に伝達される駆動力を前記スプロケット139、前記チェーン141及び前記スプロケット140を介して前記第2伝動軸115に伝達し得るようになっている。
前記走行駆動軸113L(113R)の反対側に位置する前記キャリア112L(112R)の盤面には、複数の回転軸114L(114R)が突設され、該複数の回転軸114L(114R)にそれぞれ前記複数の遊星ギヤ111L(111R)が回転可能に軸支されている。
リングギア116L(116R)は、内周面と外周面に歯車部が形成され略リング状のギヤとされており、内周面側の歯車部と前記複数の遊星ギヤ111L(111R)とが互いに噛合するようになっている。
そして、前記左旋回用電動モータ33Lの前記出力軸117Lには、ウォームアップギヤ118Lが外嵌固定されており、該ウォームアップギヤ118Lと、前記左差動機構103Lの前記リングギア116Lの外周面側の歯車部とが互いに噛合している。
同様に、前記右電動モータ33Rの前記出力軸117Rには、ウォームアップギヤ118Rが外嵌固定されており、該ウォームアップギヤ118Rと、前記右差動機構103Rの前記リングギア116Rの外周面側の歯車部とが互いに噛合している。
具体的には、前記走行部40L,40Rは、それぞれ、クローラ式のものとされており、前記機体フレーム10の機体左右方向(y方向)両側に略左右対称に配設されている(図2参照)。
なお、前記走行部40L,40Rは、ホイル式とされてもよい。
このような構成により、走行機構120のHST102から入力される走行回転動力及び旋回機構330の前記左旋回用電動モータ33Lから入力される左制動回転動力の合力が前記左差動機構103Lを介して前記左走行駆動軸113Lに伝達される。同様に、走行機構120のHST102から入力される走行回転動力及び旋回機構330の前記右旋回用電動モータ33Rから入力される右制動回転動力の合力が前記右差動機構103Rを介して前記右走行駆動軸113Rに伝達される。
そして、前記トラックフレーム41L,41Rの外側の前記走行駆動軸113L,113Rの外端部には、駆動スプロケット42L,42Rが固設されている。
そして、前記トラックフレーム41L,41Rの外側の前記従動軸45の両端部には、従動スプロケット43L,43Rが固設されており、前記駆動スプロケット42L,42R及び前記従動スプロケット43L,43Rには、それぞれ、クローラベルト44L,44Rが巻掛けられている。
より具体的には、前記走行操作部材53は、前記HST102を変速操作するための人為操作可能な走行変速レバーであり、前記旋回操作部材56L,56Rは、左右一対の旋回用電動モータ33L,33Rの出力をそれぞれ変更操作するための人為操作可能な左右一対の旋回操作レバーである。
前記作業部20では、前記エンジン31からの駆動力によって、前記掻込オーガ21及び前記ブロア24が駆動される。
また、前記差動機構103Rに伝達された駆動力は、前記サンギヤ110R、前記プラネタリギヤ111R、前記回転軸114R、前記キャリア112R及び前記出力軸113Rを経て前記走行部40Rの前記駆動スプロケット42Rに伝達される。
このようにして、前記エンジン31からの駆動力は前記左右一対の走行部40L,40Rに伝達され、該走行部40L,40Rが回転駆動される。
本実施形態において、前記作業クラッチ機構132aは、前記作業駆動力伝達手段12における前記プーリ131aに配設されている。
前記作業クラッチ機構132aは、クラッチが係合されるクラッチ係合位置と、クラッチの係合が遮断されるクラッチ遮断位置とを切替可能とされている。
前記作業クラッチ機構132aは、前記クラッチ係合位置と、前記クラッチ遮断位置とが切り替えられることにより、前記エンジン31から前記作業部20へ動力が伝達される動力伝達状態(ここでは、前記プーリ131aが前記出力軸31aに相対回転不能に支持された状態、即ち、前記エンジン31からの動力を伝達可能なクラッチ係合状態)と、前記エンジン31から前記作業部20への動力が遮断される動力遮断状態(ここでは、前記プーリ131aが前記出力軸31aに軸線回り相対回転自在に支持された状態、即ち、前記エンジン31からの動力を遮断したクラッチ遮断状態)とをとり得るように構成されている。
なお、前記作業クラッチ操作部材54には、当該作業クラッチ操作部材54が動力伝達状態(ON状態)の際に点灯し、動力遮断状態(OFF状態)の際に消灯する車速制御スイッチ54aが設けられており、目視により前記作業クラッチ操作部材54の状態が容易に確認可能となっている。
前記ハンドル部51は、平面視で略U字型に形成されており(図2参照)、両端部に一対の支持杆51a,51aが設けられている。前記一対の支持杆51a,51aは、それぞれ、前方下向きに延びており(図1参照)、前記左右一対のブラケット14L,14Rに連結されている。
前記走行操作部材53及び前記作業クラッチ操作部材54は、前記操作ボックス55に設けられている。
前記走行操作部材53は、少なくとも、歩行型除雪機1が停止状態となる中立位置、歩行型除雪機1の車速が前進側に最大となる前進側最高速位置、当該前進側最高速位置より遅い所定の前進側最高作業速位置、作業車速1の車速が後進側に最大となる後進側最高速位置及び当該後進側最高速位置より遅い所定の後進側最高作業速位置に位置可能に構成されている。具体的には、シフトゲートを階段状に構成し、当該シフトゲートの両端部に前進側及び後進側最高速位置が位置し、且つシフトゲートの角部(即ち、操作方向が変わる箇所)に前進側及び後進側最高作業速位置が位置するように走行操作部材53を構成することにより、前記各操作位置に容易に位置させることができる。
また、前記左右一対の旋回操作部材56L,56Rは、それぞれ独立操作可能な左右一対の旋回操作レバーとされており、前端部が前記ハンドル部51に軸支された状態で前記ハンドル部51の左右両側下方に設けられ、且つ、付勢部材(図示せず)により前記ハンドル部51に対して離間する方向(下方)に付勢されている。
なお、前記一対の支持杆51a,51aの間には、バッテリ台57が架設されている。
図4は、本実施形態における歩行型除雪機1の制御機構200の概略構成を示すシステムブロック図である。
なお、前記負荷検出センサ260は、前記発電機の代わりに、前記作業部20を動作させる作動油の作動油圧を検出する作動油圧検出センサを適用することとしてもよい。
前記HST出力センサ220は、前記HST102における前記モータ軸(出力軸)107の回転状態を検出するHST出力回転数センサとされており、前記モータ軸107の回転速度を検出するHST回転速度センサ及び前記モータ軸107の回転方向を検出するHST回転方向センサを含んでいる。
また、HST出力センサ220は、第1HST出力センサ221及び第2HST出力センサ222を有している。即ち、1つのHST102に対して2つのHST出力センサ221,22が設けられており、HST102の出力回転数を二重検知することにより安全性を高めている。
即ち、前記走行アクチュエータ210は、前記作動位置センサ280により検出された前記走行操作部材53の操作量に応じて前記制御装置270から送信された制御信号に基づいて、前記HST102における前記出力調整部材108の位置調整(可動斜板角度調整)を行うように構成されている。
さらに、前記制御装置270は、通常制御モードにおいて、前記旋回操作部材56L,56Rの操作量に応じて所定のモータ駆動ドライバ(図示せず)を介して前記旋回用電動モータ33L,33Rの出力制御を行うように構成されている。
なお、本実施形態においては、前記旋回用電動モータ33L,33Rにおいて作動不良等の故障状態になった場合に作業者に点灯報知するための一対のパイロットランプ58L,58Rが前記操作ボックス55に設けられている。
前記走行クラッチ操作部材52は、歩行型除雪機1を走行させる車輌走行状態と歩行型除雪機1を停止させる車輌停止状態とを切り替える切替信号が前記制御装置270に送信されるように構成されている。
前記走行クラッチ操作部材52は、車輌停止状態側に付勢されたデッドマンクラッチレバーとされている。前記走行クラッチ操作部材52は、図1及び図2に示すように、前記運転操作部50に設けられている。
また、前記歩行型除雪機1は、前記走行クラッチ操作部材52が車輌走行状態に人為操作された後で、前記作業クラッチ操作部材54がクラッチ係合位置に人為操作された場合は、前記作業クラッチ操作部材54は、前記走行クラッチ操作部材52が車輌停止状態に人為操作されるまでは、クラッチ係合位置の状態を保持するように構成されている。
さらに、前記歩行型除雪機1において、前記走行クラッチ操作部材52が車輌停止状態に人為操作された状態でも、前記作業クラッチ操作部材54は、クラッチ係合位置に人為操作され続けている間は、当該クラッチ係合位置の状態を保持するように構成されている。
本実施形態において、前記制御装置270は、複数の制御モードを有しており(記憶部271に記憶しており)、前記制御モードに応じて、各センサからの受信信号に基づいて前記走行アクチュエータ210、前記旋回用電動モータ33L,33R、前記走行クラッチ機構140、前記作業クラッチ機構132a等に制御信号を送信する。
前記制御装置270は、前記負荷検出センサ260により検出される走行負荷が所定値以上となった場合(即ち、エンジン31の出力回転数が所定値以下となった場合)、前記通常制御モードから負荷制御モードに移行し、車速を落とすことにより走行負荷が減少するように前記HST102の出力回転数を減速制御する。ここでは、制御装置270は、前記走行操作部材53の操作量に応じた基準出力に対して前記負荷検出センサ260の検出結果に基づく減速率を乗算させた出力を前記HST102の目標回転出力として前記出力調整部材108の作動制御を行う。
なお、本実施形態においては、前記負荷制御への移行を自動的に行うか否かを切り換える車速制御スイッチ59が前記操作ボックス55に設けられている。即ち、前記車速制御スイッチ59をON状態にすることにより負荷制御モードへの移行を許可し、OFF状態にすることにより、前記走行負荷が所定値以上となっても負荷制御モードへの移行を許可しない。
前記車速制御スイッチ59には、車速制御スイッチ59がON状態の際に点灯し、OFF状態の際に消灯する車速制御スイッチ59aが設けられており、目視により前記車速制御スイッチ59の状態が容易に確認可能となっている。
図5及び図6に、本実施形態の歩行型除雪機のブレーキターン制御モード及び制動制御モードにおいて使用する旋回制御関数f1及び制動制御関数f2のグラフを示す。図5及び図6は、旋回操作部材56L,56Rの操作量に対する目標車速のグラフとして表されている。なお、図5及び図6において旋回操作部材56L,56Rの操作量は、旋回操作部材(旋回操作レバー)56L,56Rの最大操作量を100%としたときの比率で表されている。
即ち、前記HST102の出力回転数が前記前進側最高作業速Smを超えた状態において、前記旋回操作部材56L,56Rが操作されると、制御装置270は、ブレーキターン制御モードに移行する。
なお、本実施形態においては、前進時においてブレーキターン制御を実行した場合を例示するが、後進時においても同様にブレーキターン制御を行うことができる。
例えば、前記高速出力状態において左旋回操作部材56Lを操作した場合、制御装置270は、ブレーキターン制御モードに移行し、前記左旋回操作部材56Lが非操作位置から最大操作位置へ操作された際に前記HST102の出力回転数が前記左旋回用電動モータ33Lの最大出力によって対応する走行部40Lの回転数を0以下とさせ得る基準回転数(即ち、前記前進側最高作業速Sm)となるように減速制御する。
即ち、
S2−Sm=(S1−Sm)(1−UL/100)
さらに、前記制御装置270は、前記HST102の出力回転数が目標出力回転数S2となるように、走行アクチュエータ210を介して前記出力調整部材108を作動制御する。
本実施形態においては、前記制御装置270は、減速率c=S2/S1を算出し、前記出力調整部材108が前記減速率cとなるような位置に走行アクチュエータ210を作動制御する。
なお、前記右旋回操作部材56Rのみを操作した場合も同様の制御を行う。
本実施形態において、前記左右一対の旋回操作部材56L,56Rの双方が操作されると、まず、前記制御装置270は、前記旋回操作部材56L,56Rの操作量に対する前記HST102の出力回転数減少量に関する線形の前記旋回制御関数f1であって、前記HST102の出力回転数を前記旋回用電動モータ33L,33Rの最大出力によって対応する走行部40L,40Rの回転数を0以下とさせ得る基準回転数Smまで減速させるような前記旋回制御関数f1(図5)と、前記旋回操作部材56L,56Rの操作量に対する前記HST102の出力回転数減少量に関する線形の制動制御関数f2であって、前記左右一対の旋回操作部材56L,56Rが何れも最大操作された時に前記HST102の出力回転数が前記一対の走行部40L,40Rを停止させる出力となるような制動制御関数f2(図6)とを算出する。そして、前記旋回制御関数f1に基づいて前記左右一対の旋回操作部材56L,56Rの操作量UL,URのそれぞれにおける前記HST102の第1及び第2目標回転数S2L,S2Rを算出するとともに、前記制動制御関数f2に基づいて前記左右一対の旋回操作部材56L,56Rの操作量のうち小さい方の操作量Vにおける前記HST102の第3目標回転数T2を算出し、前記第1、第2及び第3目標回転数S2L,S2R,T2のうち最も小さい回転数を目標回転数として当該目標回転数となるように前記HST102の出力回転数を制御するとともに、前記左右一対の旋回操作部材56L,56Rのそれぞれの操作量に応じて前記左右一対の旋回用電動モータ33L又は33Rの出力制御を行う。
図7に、本実施形態において旋回操作部材の双方を操作した場合の制御態様を説明するために図5及び図6を対比した図を示す。
まず、前記制御装置270は、前記旋回制御関数f1を算出するとともに、前記旋回操作部材56L,56Rの操作直前における(非操作位置における)HST102の出力回転数T1(=S1)と前記旋回操作部材56L、56Rの最大操作位置においてHST102の出力回転数が前記走行部40L,40Rを停止させる出力(ここでは、出力回転数0)との間を線形補間した制動制御関数f2を算出する。また、前記左旋回操作位置検出センサ250Lにより前記左旋回操作部材56Lの操作量UL(%)を検出し、前記右旋回操作位置検出センサ250Rにより前記右旋回操作部材56Rの操作量UR(%)を検出する。
なお、図7においては、右旋回操作部材56Rの操作量URに比べて左旋回操作部材56Lの操作量ULの方が操作量が小さい例を示している。即ち、左右一対の旋回操作部材56L,56Rの操作量のうち小さい方の操作量Vは、前記左旋回操作部材56Lの操作量ULに等しい。
図7の例においては、第2目標回転数S2Rが目標回転数として採用される。
このとき、双方の操作量がともに最大操作位置への操作量(100%)である場合、前記制御装置270は、旋回用電動モータ33L,33Rに対する出力制御の代わりに、前記HST102の出力回転数を前記一対の走行部40L,40Rを停止させるような出力(出力回転数0)に制御する。即ち、この場合には、旋回用電動モータ33L,33Rは、作動しない。
また、複数の制御関数f1,f2を用いて複数の目標回転数S2L,S2R,T2からHST102の目標回転数を選択することにより、入力された左右一対の旋回操作部材56L,56Rの操作量に応じてブレーキターン制御及び制動制御間の移行を滑らかに行うことができる。
さらに、何れか一方の旋回操作部材56L,56Rが最大量操作された場合には確実にブレーキターンを行わせることができる。
ここで、何らかの故障により、前記HST出力センサ220が検出できない場合には、前記出力調整部材108の作動位置を検出する前記作動位置センサ280からの検出値に基づいて前記HST102の出力回転数を推定する。
これにより、HST出力センサ220が故障した場合であっても前記ブレーキターン制御モード及び制動制御モードの実行に支障が生じるのを防止することができる。
これにより、旋回操作終了時における急加速を防止することができる。
これにより、複数の制御モードへの移行条件が同時に成立した場合において、ブレーキターンができなかったり、負荷制御ができなかったりする不都合を防止することができる。
このとき、双方の操作量がともに最大操作位置への操作量(100%)である場合、前記制御装置270は、旋回用電動モータ33L,33Rに対する出力制御の代わりに、前記HST102の出力回転数を前記一対の走行部40L,40Rを停止させるような出力(出力回転数0)に制御する。
例えば、上記実施形態においては、旋回モータとして左右一対の旋回用電動モータ33L,33Rが備えられた構成を例に説明したが、本発明はかかる構成に限定されるものではない。
即ち、単一の旋回モータを備え、前記単一の旋回モータからの旋回回転動力を前記左右一対の差動機構103L,103Rに回転方向が逆となるように伝達させることも可能である。
もしくは、前記単一の旋回モータから前記左右一対の差動機構103L,103Rへの伝動経路にそれぞれクラッチ機構を設け、前記旋回操作部材56L,56Rの操作に応じた一方の差動機構103L,103Rへのみ旋回回転動力を入力させ、他方の差動機構103R,103Lへは旋回回転動力が入力されない(一方の差動機構103R,103Lを固定する)ように構成することも可能である。
33L,33R 旋回用電動モータ(旋回モータ)
40L,40R 走行部
53 走行操作部材
56L,56R 旋回操作部材
102 HST(走行HST)
103L,103R 差動機構
120 走行機構
200 制御機構
270 制御装置
330L,330R 旋回機構
f1 旋回制御関数
f2 制動制御関数
Sm 基準回転数
S2L 第1目標回転数
S2R 第2目標回転数
T2 第3目標回転数
Claims (2)
- 左右一対の差動機構が走行HSTを含む走行機構から入力される走行回転動力及び左右一対の旋回モータを含む旋回機構から入力される制動回転動力を合成して左右一対の走行部に向けてそれぞれ出力するように構成されるとともに、制御機構の制御装置が、通常制御モードにおいて、走行操作部材及び左右一対の旋回操作部材の操作量に応じて前記走行HST及び左右一対の旋回モータの出力制御を行うように構成された作業車輌であって、
前記制御装置は、前記走行HSTが前記旋回モータの最大出力によっても対応する走行部を停止状態とさせることができない高速出力状態の場合に前記旋回操作部材が操作されると、前記通常制御モードに代えて、ブレーキターン制御を実行するように構成され、
前記ブレーキターン制御は、前記左右一対の旋回操作部材の一方が操作されると、前記旋回操作部材の操作直前における前記走行HSTの出力回転数と前記旋回操作部材が最大操作位置へ操作された際の前記旋回モータの最大出力によって対応する走行部の回転数が0以下となるように設定された前記走行HSTの基準回転数とに基づいて、前記旋回操作部材の操作量に対する前記走行HSTの目標出力回転数に関する旋回制御関数を算出し、前記走行HSTが前記旋回制御関数及び前記旋回操作部材の操作量に基づいて算出される目標出力回転数となるように前記走行HSTの減速制御を行うとともに、前記旋回操作部材の操作量に応じて前記旋回モータの出力制御を行い、且つ、前記左右一対の旋回操作部材の双方が操作されると、前記旋回制御関数に加えて、前記旋回操作部材の操作直前における前記走行HSTの出力回転数と前記一対の走行部を停止させる前記走行HSTの出力回転数とに基づいて、前記旋回操作部材の操作量に対する前記走行HSTの目標出力回転数に関する制動制御関数を算出し、前記旋回制御関数に基づいて前記左右一対の旋回操作部材の操作量のそれぞれに対応した前記走行HSTの第1及び第2目標回転数を算出するとともに、前記制動制御関数に基づいて前記左右一対の旋回操作部材の操作量のうち小さい方の操作量に対応した前記走行HSTの第3目標回転数を算出し、前記第1、第2及び第3目標回転数のうち最も小さい回転数を目標回転数として当該目標回転数となるように前記走行HSTの出力回転数を制御するとともに、前記左右一対の旋回操作部材のそれぞれの操作量に応じて前記旋回モータの出力制御を行い、
前記左右一対の旋回操作部材の双方が最大操作位置へ操作されると、前記制御装置は、前記通常制御モード及び前記ブレーキターン制御に代えて、前記走行HSTの出力回転数を前記一対の走行部を停止させるような出力に制御することを特徴とする作業車輌。 - 前記制御装置は、前記走行HSTの出力回転数が前記基準回転数以下である場合において、前記左右一対の旋回操作部材のうち何れか一方のみが操作されると、前記通常制御モードを実行し、前記左右一対の旋回操作部材の双方が最大操作位置へ操作されると、前記通常制御モード及び前記ブレーキターン制御に代えて、前記走行HSTの出力回転数を前記一対の走行部を停止させるような出力に制御することを特徴とする請求項1に記載の作業車輌。
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