JP4889600B2 - 作業車両の変速装置 - Google Patents

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Description

本発明は、油圧ポンプと油圧モータのいずれか一方を固定容量型とし、他方を可変容量型とした静油圧式無段変速機構を備えた作業車両の変速装置に関する。
従来、同期噛合式ではなく歯車選択式の副変速機構を備えるトラクタ等の作業車両の変速装置では、該副変速機構と主クラッチとの配置関係から、車両を停止させなければ、当該副変速機構を高速側から低速側に、もしくは、低速側から高速側に変速させることができなかった。一方、油圧式の副変速機構を備える変速装置では、該副変速機構を静油圧式無段変速装置で構成して、車両が走行中であっても、当該副変速機構を変速させることができ、またこの変速切換時に発生する変速ショックを抑制することができるようになっていた(例えば、特許文献1参照。)。
特開2007−92951号公報
しかし、特許文献1のような変速装置では、静油圧式無段変速装置に備える油圧ポンプと油圧モータとを可変容量型として副変速機構を構成していたため、コストが高くなるという問題があった。また、油圧式無段変速装置の油圧ポンプと油圧モータのいずれか一方を可変容量型ではなく、コストの低減を図れる固定容量型とする場合には、変速切換時の変速ショックを抑制する必要があった。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、油圧ポンプと油圧モータとを有する静油圧式無段変速機構と、該静油圧式無段変速機構を変速させる変速アクチュエータと、複数の変速段を備える副変速機構と、該副変速機構を変速させる副変速アクチュエータと、該副変速機構の変速段を切換操作する副変速操作手段と、前後進状態を切り換える前後進切換機構と、該前後進切換機構を切り換える前後進切換アクチュエータと、走行速度を検出する走行速度検出手段と、これらを制御する制御手段とを備える作業車両の変速装置であって、前記副変速操作手段が操作されると、走行速度を走行速度検出手段により検出し、前記前後進切換機構を前進状態または後進状態から中立状態に切り換えて、前記静油圧式無段変速機構を前記副変速機構の変速後の変速段における走行速度が前記検出された走行速度と一致するように変速した後に、前記副変速機構を変速し、前記前後進切換機構を中立状態から前進状態または後進状態に切り換えるように構成したものである。
請求項2においては、前記副変速機構を高速側から低速側に変速する際に、前記検出された走行速度が副変速機構の低速段での変速領域を上回っている場合には、前記静油圧式無段変速機構を低速側に変速して、走行速度が副変速機構の低速段における最高走行速度に達すると、前記前後進切換機構を前進状態または後進状態から中立状態に切り換えて、前記副変速機構を低速段に変速し、前記前後進切換機構を中立状態から前進状態または後進状態に切り換えるように構成したものである。
請求項3においては、前記副変速機構の変速は、前記副変速操作手段が一定時間以上操作されると、自動的に行われるように構成したものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、作業車両を走行中でも停止させることなく、副変速機構を低速側から高速側に変速することが可能となり、この変速切換時に発生する変速ショックも抑制することができる。そして、静油圧式無段変速機構の油圧ポンプと油圧モータのいずれか一方を固定容量型とするため、コストを低減することができる。
請求項2においては、作業車両を停止させることなく、副変速機構を高速側から低速側に変速することが可能となり、この変速切換時に発生する変速ショックも抑制することができる。そして、静油圧式無段変速機構の油圧ポンプと油圧モータのいずれか一方を固定容量型とするため、コストを低減することができる。
請求項3においては、副変速操作手段の誤操作を防止することができる。
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の一実施例に係る変速装置を備える作業車両の全体的な構成を示した側面図、図2は変速装置の動力伝達機構の構成を示した図、図3は制御機構の構成を示したブロック図、図4は副変速機構を低速側から高速側に変速する場合における制御の態様を示したフローチャート図、図5は副変速機構を低速側から高速側に変速する場合における斜板制御の構成を示した図、図6は副変速機構を高速側から低速側に変速する場合における制御の態様を示した制御方法を示すフローチャート図、図7は副変速機構を高速側から低速側に変速する場合における斜板制御の構成を示した図である。
まず、本発明の一実施例に係る作業車両を作業機を装着可能とするトラクタとして、該作業車両およびその変速装置の構成について説明する。
図1、図2に示すように、作業車両1においては、車両フレーム2が前後方向に延設されており、その前部にフロントアクスルケースが揺動自在に設けられ、該フロントアクスルケースに前輪3が軸支されている。一方、車両フレーム2の後部に変速装置4が設けられ、該変速装置4の左右両側にリヤアクスルケースが配設されて、該リヤアクスルケースに後輪5が軸支されている。
また、車両フレーム2の前後中途部にエンジン6が支持され、該エンジン6にフライホイール7と伝動機構8が順に連結されている。この伝動機構8が前記変速装置4と伝動軸9で連動連結されて、前記エンジン6からの動力がフライホイール7と、伝動機構8と、伝動軸9とを介して変速装置4に伝達可能とされている。
前記変速装置4には、走行系伝動経路とPTO駆動経路とが備えられ、前記エンジン6から伝動軸9などを介して入力された動力が、走行系伝動経路で駆動輪に伝達可能とされるとともに、PTO駆動経路で当該作業車両1に装着される作業機などに出力可能とされている。
走行系伝動経路には、走行系主伝動経路と走行系副伝動経路とが含まれており、前記エンジン6からの動力が、走行系主伝動経路により主駆動輪として作用する前記後輪5へ伝達可能とされ、走行系副伝動経路により副駆動輪として作用する前記前輪3へ伝達可能とされている。
走行系伝動経路のうち、一方の走行系主伝動経路は、走行速度を調節する静油圧式無段変速機構10や、遊星ギヤ機構20や、主ディファレンシャルギヤ機構40などで形成されている。他方の走行系副伝動経路は、副駆動輪用切換機構50や、走行系副出力軸60などで形成されている。
また、PTO系駆動経路は、PTOクラッチ機構70や、PTO多段変速機構80などで形成されている。
前記走行系主伝動経路において、静油圧式無段変速機構(HST)10は、主変速装置として作用するものであり、油圧ポンプ11と油圧モータ12とを備えて構成されている。この静油圧式無段変速機構10では、油圧ポンプ11がHST入力軸13に相対回転不能に支持され、油圧モータ12がHST出力軸14に相対回転不能に支持されている。この油圧ポンプ11と油圧モータ12とは流体接続されている。
前記油圧ポンプ11と油圧モータ12の一方は固定容量型とされ、他方は可変容量型とされている。本実施の形態においては、油圧モータ12が固定容量型とされ、油圧ポンプ11が可変容量型とされており、該油圧ポンプ11に出力調整部材が設けられている。なお、油圧モータ12を可変容量型とし、油圧ポンプ11を固定容量型としてもよい。
前記出力調整部材は可動斜板15や、該可動斜板15を傾倒させる制御軸などを備えて構成されている。そして、運転席近傍に備えられる主変速レバーや変速スイッチ等の操作手段の操作に応じて作動する油圧シリンダ等の変速アクチュエータ111により、制御軸を軸線回りに回動させ、その回動に基づいて可動斜板15を傾倒させて、油圧ポンプ11の吐出量を変更するようになっている。
前記HST入力軸13は前後方向に延設されており、その前端部に前記エンジン6が伝動軸9などを介して連動連結され、その後端部にて当該エンジン6からの動力が出力可能とされている。同様に、HST出力軸14も前後方向に延設されており、その後端部から前記出力調整部材の可動斜板15の斜板位置に基づく油圧ポンプ11および油圧モータ12による変速動力が出力可能とされている。
前記HST入力軸13には定速出力軸16が同軸上で軸線回りに相対回転不能に連結される一方、前記HST出力軸14には変速出力軸17が同軸上で軸線回りに相対回転不能に連結されている。そして、前記遊星ギヤ機構20に、定速出力軸16を介してエンジン6からの定速動力が入力され、且つ、変速出力軸17を介して静油圧式無段変速機構10からの変速動力が入力可能とされている。
遊星ギヤ機構20は、サンギヤ21と、インターナルギヤ22と、遊星ギヤ23と、合成出力部材24とを備えて構成されている。この遊星ギヤ機構20で、サンギヤ21は変速出力軸17に相対回転不能に支持され、インターナルギヤ22は変速出力軸17に相対回転自在に支持されて、定速ギヤ18と噛合されている。定速ギヤ18は定速出力軸16に相対回転不能に支持されている。
前記遊星ギヤ23はサンギヤ21及びインターナルギヤ22の内歯と噛合されている。合成出力部材24は変速出力軸17に相対回転自在に支持されて、遊星ギヤ23のサンギヤ21回りの公転成分を取り出し、定速動力および変速動力の合成回転を出力するようになっている。また、合成出力部材24は合成入力ギヤ25と連動連結されている。この合成入力ギヤ25は走行系伝動軸26に相対回転不能に支持されている。
前記走行系伝動軸26は前後方向に延設され、その後部に油圧多板式の前後進切換機構30が後続されて、前記遊星ギヤ機構20からの合成出力が当該前後進切換機構30に伝達されるようになっている。そしてこの前後進切換機構30によって、走行系伝動軸26から主ディファレンシャルギヤ機構40への伝動状態が切換可能、すなわち主駆動輪である後輪5への伝動方向が切換可能とされている。
前記前後進切換機構30は走行系伝動軸26に支持されており、ハウジング31と、前進側駆動部材32Fと、前進側駆動ギヤ33Fと、後進側駆動部材32Rと、後進側駆動ギヤ33Rと、更に図示しない前進側摩擦板群と、後進側摩擦板群とを備えて構成されている。
この前後進切換機構30では、ハウジング31が走行系伝動軸26に相対回転不能に支持され、前進側駆動部材32Fと後進側駆動部材32Rとが当該ハウジング31の前後両側でそれぞれ走行系伝動軸26に相対回転自在に支持されている。前進側駆動ギヤ33Fが前進側駆動部材32Fに相対回転不能に支持され、後進側駆動ギヤ33Rが後進側駆動部材32Rに相対回転不能に支持されている。
そして、運転席近傍に備えられる前後進切換スイッチまたは前後進切換レバー等の操作手段の操作に応じて作動する前進側摩擦板群と後進側摩擦板郡とからなる油圧クラッチである前後進切換アクチュエータ112によって、ハウジング31から前進側駆動部材32Fへの動力伝達が選択的に係合または解除可能とされるとともに、ハウジング31から後進側駆動部材32Rへの動力伝達が選択的に係合または解除可能とされて、前進側駆動部材32Fまたは後進側駆動部材32Rが走行系伝動軸26に連動連結可能とされている。
また、前記走行系伝動軸26と略平行に配置された主駆動輪出力軸35が前後方向に延設されて、その後端部にディファレンシャルギヤ機構40のリングギヤ41が連動連結され、その前後中途部に前進側従動ギヤ36Fと後進側従動ギヤ36Rとが相対回転不能に支持されている。
この前進側従動ギヤ36Fが前進側駆動ギヤ33Fと噛合され、後進側従動ギヤ36Rが伝動ギヤ49を介して後進側駆動ギヤ33Rと噛合されて、前進側駆動部材32Fおよび後進側駆動部材32Rが主駆動輪出力軸35を介して主ディファレンシャルギヤ機構40に連動連結されている。伝動ギヤ49は走行系副伝動経路を形成する副駆動輪伝動軸48に相対回転不能に支持されている。
なお、後進側従動ギヤ36Rにはゼロ点検出ギヤ34が噛合され、該ゼロ点検出ギヤ34により作業車両1の走行速度がゼロか否かが検出されるようになっている。
ここで、前記前進側駆動部材32Fと主駆動輪出力軸35との間においては、歯車噛合式の副変速機構37によって、本実施の形態では、高低二段の変速が行えるように構成されている。但し、三段以上の変速が行えるように構成することも可能である。
副変速機構37は、前記前進側駆動ギヤ33Fとして作用する前進側駆動高速ギヤ33F(H)および前進側駆動低速ギヤ33F(L)と、前記前進側従動ギヤ36Fとして作用する前進側従動高速ギヤ36F(H)および前進側従動低速ギヤ36F(L)と、走行系シフタ38とを備えて構成されている。
この副変速機構37では、前進側駆動高速ギヤ33F(H)と前進側従動高速ギヤ36F(H)とが噛合され、前進側駆動低速ギヤ33F(L)と前進側従動低速ギヤ36F(L)とが噛合され、走行系シフタ38により前進側従動高速ギヤ36F(H)と前進側従動低速ギヤ36F(L)とが主駆動輪出力軸35に選択的に係合可能とされている。
そして、運転席近傍に備えられる副変速レバーまたは副変速スイッチ等の副変速操作手段104の操作による制御もしくは後述の制御に応じて作動するシリンダやモータ等の副変速アクチュエータ113により走行系シフタ38が操作可能とされ、その操作にて副変速機構37の変速段が高速段と低速段とに切り換えられるように構成されている。
すなわち、副変速操作手段104の操作による制御もしくは後述の制御に基づく副変速アクチュエータ113の作動により走行系シフタ38が摺動され、主駆動輪出力軸35に前進側従動高速ギヤ36F(H)が係合されると、高速側に変速され、前進側従動低速ギヤ36F(L)が係合されると、低速側に変速され、その変速動力が主駆動輪出力軸35に出力されるようになっている。
また、前記主駆動輪出力軸35に連動連結する主ディファレンシャルギヤ機構40の左右の出力軸42はそれぞれ後輪5の車軸43と伝動ギヤ列を介して連動連結されている。主ディファレンシャルギヤ機構40の左右の出力軸42にはそれぞれ走行系ブレーキ機構45が設けられ、該走行系ブレーキ機構45により各出力軸42に独立して制動力を付加し得るようになっている。
このような構成によって、前後進切換機構30において、前記操作手段の操作に応じた前後進切換アクチュエータ112の作動により、ハウジング31から前進側駆動部材32Fへの動力伝達が係合されると、当該前後進切換機構30が前進状態となり、前記前進側駆動部材32Fが前記ハウジング31を介して前記走行系伝動軸26とともに回転されて、その回転が副変速機構37にて変速された上で主駆動輪出力軸35へ伝達され、その後、主ディファレンシャルギヤ機構40の出力軸42から車軸43へ伝達されて、作業車両1が前進方向へ走行するように後輪5が回転されるようになっている。
逆に、前記操作手段の操作に応じた前後進切換アクチュエータ112の作動より、ハウジング31から後進側駆動部材32Rへの動力伝達が係合されると、前後進切換機構30が後進状態となり、後進側駆動部材32Rがハウジング31を介して前記走行系伝動軸26とともに回転されて、その回転が後進側駆動ギヤ33Rと、伝動ギヤ49と、後進側従動ギヤ36Rを介して主駆動輪出力軸35へ伝達され、その後、主ディファレンシャルギヤ機構40の出力軸42から車軸43へ伝達されて、作業車両1が後進方向へ走行するように後輪5が回転されるようになっている。
また、前記操作手段の操作に応じた前後進切換アクチュエータ112の作動より、ハウジング31から前進側駆動部材32Fへの動力伝達が解除され、且つ、ハウジング31から後進側駆動部材32Rへの動力伝達が解除されると、前後進切換機構30が中立状態となり、前記走行系伝動軸26の回転が車軸43へ伝達されず、作業車両1が停止するようになっている。
前記走行系副伝動経路においては、前記走行系伝動軸26と略平行に配置された副駆動輪伝動軸48が前後方向に延設されて、前記副駆動輪用切換機構50に連動連結されている。そしてこの副駆動輪用切換機構50によって、後輪二駆状態と、前後輪等速四駆状態と、前輪増速四駆状態とが選択的に切換可能とされている。
前記副駆動輪用切換機構50は走行系副出力軸60に支持されており、ハウジング51と、等速伝動部材52(L)と、等速側従動ギヤ53(L)と、増速伝動部材52(H)と、増速側従動ギヤ53(H)と、更に図示しない等速側摩擦板群と、増速側摩擦板群とを備えて構成されている。
この副駆動輪用切換機構50では、ハウジング51が走行系副出力軸60に相対回転不能に支持され、等速伝動部材52(L)と増速伝動部材52(H)とがハウジング51の前後両側でそれぞれ走行系副出力軸60に回転自在に支持されている。等速側従動ギヤ53(L)が等速伝動部材52(L)に相対回転不能に支持され、増速側従動ギヤ53(H)が増速伝動部材52(H)に相対回転不能に支持されている。
そして、運転席近傍に備えられる操作手段の操作に応じて作動する等速側摩擦板群と増速側摩擦板群とからなる油圧クラッチであるアクチュエータによって、等速伝動部材52(L)からハウジング51への動力伝達が選択的に係合または解除可能とされるとともに、増速伝動部材52(H)からハウジング51への動力伝達が選択的に係合または解除可能とされて、等速伝動部材52(L)または増速伝動部材52(H)が走行系副出力軸60に連動連結可能とされている。
また、前記副駆動輪伝動軸48は走行系副出力軸60と略平行に配置されており、その後端部に前記伝動ギヤ49が相対回転不能に支持され、その前後中途部に等速側駆動ギヤ55(L)と増速側駆動ギヤ55(H)とが相対回転不能に支持されている。
この前記等速側駆動ギヤ55(L)が等速側従動ギヤ53(L)と噛合され、増速側駆動ギヤ55(H)が増速側従動ギヤ53(H)とが噛合されて、等速伝動部材52(L)および増速伝動部材52(H)が副駆動輪伝動軸48に連動連結されている。
また、前記走行系副出力軸60は、伝動軸61などを介してフロントアクスルケース内の副ディファレンシャルギヤ機構65に連動連結されている。副ディファレンシャルギヤ機構65の左右の出力軸66にはそれぞれ前輪3の車軸67が連動連結されている。
このような構成によって、前記作業車両1が前進方向へ走行している場合には、前述のように前後進切換機構30により前進側駆動部材32Fから副変速機構37を介して主駆動輪出力軸35へ伝達された変速動力が、前記後進側従動ギヤ36R及び前記伝動ギヤ49を介して前記副駆動輪伝動軸48へ伝達される。
逆に、前記作業車両1が後進方向へ走行している場合には、前述のように前後進切換機構30により後進側駆動部材32Rに伝達された回転が、前記後進側駆動ギヤ33Rと前記伝動ギヤ49とを介して前記副駆動輪伝動軸48へ伝達される。
そして、副駆動輪用切換機構50で、等速伝動部材52(L)からハウジング51への動力伝達が解除されるとともに、増速伝動部材52(H)からハウジング51への動力伝達が解除されるときには、前記副駆動輪伝動軸48から前記走行系副出力軸60への動力伝達が断たれ、作業車両1が2駆状態となるようになっている。
等速伝動部材52(L)からハウジング51への動力伝達がアクチュエータの作動により係合されるとともに、増速伝動部材52(H)からハウジング51への動力伝達が解除されるときには、前記走行系副出力軸60が前記主駆動輸出力軸35に同期回転させられ、作業車両1が等速四駆状態となるようになっている。
等速伝動部材52(L)からハウジング51への動力伝達が解除されるとともに、増速伝動部材52(H)からハウジング51への動力伝達がアクチュエータの作動により係合される場合、前記走行系副出力軸60が前記主駆動輸出力軸35よりも増速回転させられ、作業車両1が増速四駆状態となるようになっている。
また、前記PTO系伝動経路においては、PTOクラッチ機構70によりエンジン6からPTO軸88への動力伝達が選択的に係合または遮断可能とされている。このPTOクラッチ機構70はPTOクラッチ軸75に支持されており、PTO駆動側部材71と、クラッチハウジング72と、さらに図示しないPTO摩擦板群とを備えて構成されている。
前記PTOクラッチ機構70では、PTO駆動側部材71がPTOクラッチ軸75に相対回転自在に支持され、クラッチハウジング72がPTOクラッチ軸75に相対回転不能に支持されている。そして、運転席近傍に備えられる操作手段の操作に応じて作動するPTO摩擦板群からなる油圧クラッチであるアクチュエータによって、PTO駆動側部材71からクラッチハウジング72への動力伝達が選択的に係合または解除可能とされている。
前記定速出力軸16と略平行に配置されたPTOクラッチ軸75は前後方向に延設されており、該PTOクラッチ軸75上のPTO駆動側部材71が前記定速ギヤ18と噛合されて、エンジン6に連動連結されている。さらに、PTOクラッチ機構70にはこれと背反的に作動するPTOブレーキ機構73が設けられている。
そして、前記PTOクラッチ軸75にPTO伝動軸78が同軸上で軸線回りに相対回転不能に連結されるとともに、該PTO伝動軸78と略平行にPTO変速軸79が配置されて前後方向に延設されている。このPTO伝動軸78とPTO変速軸79との間において、PTO多段変速機構80により、多段変速が可能とされている。
前記PTO多段変速機構80は、複数のPTO駆動側変速ギヤ81と、複数のPTO従動側変速ギヤ82と、PTO変速シフタ83とを備えて構成されている。このPTO多段変速機構80では、複数のPTO駆動側変速ギヤ81がPTO伝動軸78に相対回転不能に支持され、複数のPTO従動側変速ギヤ82がPTO変速軸79に相対回転相対回転自在に支持されている。
そして、複数のPTO駆動側変速ギヤ81と複数のPTO従動側変速ギヤ82とがそれぞれ直接または間接的に噛合され、PTO変速シフタ83により複数のPTO従動側変速ギヤ82がPTO変速軸79に選択的に係合可能とされている。
本実施の形態においては、前記PTO多段変速機構80により、正転側4段および逆転側1段の合計5段の変速が可能とされている。このPTO多段変速機構80は、前記複数のPTO駆動側変速ギヤ81として作用する正転側第1〜第4段駆動ギヤ81F(1)〜81F(4)および逆転側駆動ギヤ81Rと、前記複数のPTO従動側変速ギヤ82として作用する正転側第1〜第4段従動ギヤ82F(1)〜82F(4)および逆転側従動ギヤ82Rと、PTO変速シフタ83として作用する第1/第4段用シフタ83F(1−4)、第2/第3段用シフタ83F(2−3)、逆転用シフタ83Rとを備えて構成されている。
前記PTO多段変速機構80では、正転側第1〜第4段従動ギヤ82F(1)〜82F(4)がそれぞれPTO変速軸79に相対回転自在に支持されたうえで、前記正転側第1段従動ギヤ82F(1)と前記正転側第4段従動ギヤ82F(4)とが対向配置され、前記正転側第2段従動ギヤ82F(2)と前記正転側第3段従動ギヤ82F(3)とが対向配置されている。
これらの正転側第1〜第4段従動ギヤ82F(1)〜82F(4)はそれぞれPTO伝動軸78に相対回転不能に支持された前記正転側第1〜第4段駆動ギヤ81F(1)〜81F(4)と噛合されている。前記逆転側駆動ギヤ81Rはアイドルギヤ84を介して前記逆転側従動ギヤ82Rと噛合されている。
前記第1/第4段用シフタ83F(1−4)は前記正転側第1段従動ギヤ82F(1)と前記正転側第4段従動ギヤ82F(4)の間に配置され、前記第2/第3段用シフタ83F(2−3)は前記正転側第2段従動ギヤ82F(2)と前記正転側第3段従動ギヤ82F(3)との間に配置されている。
この第1/第4段用シフタ83F(1−4)により正転側第1段従動ギヤ82F(1)または前記正転側第4段従動ギヤ82F(4)が選択的に前記PTO変速軸79に係合可能とされる。第2/第3段用シフタ83F(2−3)により前記正転側第2段従動ギヤ82F(2)または前記正転側第3段従動ギヤ82F(3)が選択的に前記PTO変速軸79に係合可能とされる。さらに、逆転用シフタ83Rにより前記逆転側従動ギヤ82Rが選択的に前記PTO変速軸79に係合可能とされる。
そして、運転席近傍に備えられるPTO変速レバー等の操作手段の操作に応じて前記第1/第4段用シフタ83F(1−4)と、第2/第3段用シフタ83F(2−3)と、逆転用シフタ83Rとが操作可能とされ、その操作によりPTO変速軸79に正転側第1〜第4段従動ギヤ82F(1)〜82F(4)および逆転側従動ギヤ82Rのいずれかが係合されると、これに応じた変速が行われ、その変速動力が伝動軸85に出力されるようになっている。
前記伝動軸85はPTO変速軸79と同軸上で軸線回りに相対回転可能に連結されており、該伝動軸85にPTO軸88が伝動ギヤ列を介して連動連結されて、変速動力が作業車両1に装着される作業機などに出力可能とされている。
次に、前記副変速機構37の変速切換時における変速装置4の制御について説明する。
図3に示すように、前記作業車両1またはその変速装置4には、静油圧式無段変速機構10の油圧ポンプ11に備えた出力調整部材の可動斜板15の傾倒角度を検出する傾倒角度検出手段101や、副変速機構37の変速段を切換操作する副変速操作手段104や、該副変速操作手段104の操作により切り換えられた副変速機構37の変速段を検出する副変速検出手段103や、走行速度を検出する走行速度検出手段102などが設けられ、これらが制御手段100に接続されている。
さらに、前記作業車両1またはその変速装置4には、前記静油圧式無段変速機構10の油圧ポンプ11に備えた出力調整部材の可動斜板15を傾倒させて制御する変速アクチュエータ111や、前後進切換機構30を切り換える前後進切換アクチュエータ112や、副変速機構37の走行系シフタ38を作動させて、該副変速機構37を変速させる副変速アクチュエータ113などが設けられ、これらが制御手段100に接続されている。なお、制御手段100はCPUやRAMやROM等を備えており、このROMには制御プログラムが記憶されている。
本実施の形態においては、前記傾倒角度検出手段101は、静油圧式無段変速機構10で油圧ポンプ11に備えた出力調整部材の制御軸の回動角度をポテンショメータやロータリエンコーダ等により検出することで、当該制御軸を回動軸とする可動斜板15の傾倒角度を検出するように構成されている。
副変速操作手段104は、スイッチで構成され、この変速スイッチを押し操作することで、その操作に対応した変速段となるように副変速アクチュエータ113を作動させて、副変速機構37の変速段を切り換えることができるように構成されている。
副変速検出手段103は、副変速操作手段104の操作を検出することで、副変速機構37の変速段、ここでは高低二段のいずれの変速段であるかを検出するように構成されている。なお、副変速操作手段104がレバーで構成された場合には、この副変速レバーの操作位置をその基部に配設したポテンショメータ等により検出することで、その位置から副変速機構37の変速段を検出するように構成される。
変速アクチュエータ111は、油圧シリンダ等で構成され、主変速レバーの操作位置に対応して制御手段100から出力される制御信号に基づいて切り換えられる電磁弁により作動され、出力調整部材の可動斜板15を傾倒させて、静油圧式無段変速機構10を変速可能とするようになっている。この変速時には前記傾倒角度検出手段101で検出される傾倒角度が制御手段100で設定された傾倒角度となるように制御される。
副変速アクチュエータ113は、油圧シリンダ等で構成され、副変速スイッチの操作に対応して制御手段100から出力される制御信号に基づいて切り換えられる電磁弁により作動され、副変速機構37で走行系シフタ38を摺動させて、主駆動輪出力軸35と前進側従動高速ギヤ36F(H)または前進側従動低速ギヤ36F(L)との動力伝達状態を係合または解除して、副変速機構37の変速段を低速段から高速段に、もしくは、高速段から低速段に切り換えて、当該副変速機構37を高低二段のいずれか一方に変速可能とするようになっている。
前後進切換アクチュエータ112は、油圧クラッチで構成され、前後進切換スイッチの操作位置に対応して制御手段100から出力される制御信号に基づいて切り換えられる電磁弁により作動され、前後進切換機構30でハウジング31と前進側駆動部材32Fまたは後進側駆動部材32Rとの動力伝達を係合または解除し、前進状態と後進状態と中立状態とを切り換えることができるようになっている。
但し、前記アクチュエータは油圧シリンダや油圧クラッチに限定するものではなく、電動モータや電動シリンダや電磁クラッチ等で構成することも可能であり、限定するものではない。
このような構成において、制御手段100により次のような制御が行われる。
副変速機構37の変速段が低速段とされた状態で、作業車両1が前進走行している場合では、図4に示すように、高速段側に副変速操作手段104が操作される(ステップS11)と、当該副変速機構37の変速段を低速段から高速段に切り換えるための切換指示信号が制御手段100に入力されて、この副変速操作手段104の操作時点における走行速度が走行速度検出手段102により検出される(ステップS12)。
つづいて、前後進切換アクチュエータ112が作動され、前後進切換機構30において、ハウジング31と前進側駆動部材32Fおよび後進側駆動部材32Rとが相対回転自在とされ、該前後進切換機構30が作業車両1を前進走行させる前進状態から走行駆動を停止させる、つまり、前後進切換機構30において動力伝達を断つ中立状態に切り換えられる(ステップS13)。
前後進切換機構30が中立状態に切り換えられると、変速アクチュエータ111が作動され、静油圧式無段変速機構10において、出力調整部材の可動斜板15が、図5に示すように、副変速機構37による変速切換前後で走行速度が任意速度V1で一致するように、現在の斜板位置A1から斜板位置B1に傾倒される。つまり、前記走行速度検出手段102で検出された走行速度と、副変速機構37の変速段が低速段から高速段に切り換えられた状態での車軸43の出力による走行速度とが同等となるように、当該静油圧式無段変速機構10の変速比が変更される(ステップS14)。
そして、副変速アクチュエータ113が作動され、副変速機構37において、走行系シフタ38により主駆動輪出力軸35と前進側従動低速ギヤ36F(L)が相対回転自在とされる一方、前進側従動高速ギヤ36F(H)が相対回転不能とされて、該主駆動輪出力軸35と前進側従動高速ギヤ36F(H)との動力伝達が係合され、当該副変速機構37の変速段が低速段から高速段に切り換えられる(ステップS15)。
その後、前後進切換アクチュエータ112が作動され、前後進切換機構30において、ハウジング31と前進側駆動部材32Fまたは後進側駆動部材32Rとが相対回転不能とされ、当該前後進切換機構30が中立状態から前進状態に切り換えられる(ステップS16)。こうして、作業車両1の前進走行中に、副変速機構37の低速側から高速側への変速が、その前後での走行速度が略一定に維持されながら行われる。その後、副変速段が高速段に切換えられた状態において、主変速レバー等の操作手段により指示する変速比になるまで、変速する(高速段と低速段でそれぞれの走行速度が設定できる)。なお、主変速レバー等の操作手段の操作によって目標変速比が決定され、それにあわすように前記出力調整部材の可動斜板15が回動される。
これに対し、副変速機構37の変速段が高速段とされた状態で、作業車両1が前進走行している場合では、図6に示すように、低速段側に副変速操作手段104が操作される(ステップS21)と、当該副変速機構37の変速段を高速段から低速段に切り換えるための切換指示信号が制御手段100に入力されて、この副変速操作手段104の操作時点における走行速度が走行速度検出手段102により検出される(ステップS22)。
つづいて、前記走行速度検出手段102により検出された走行速度が、副変速機構37の変速段が低速段の状態における最高走行速度V2以下(変速領域内)であるか否か、すなわち、副変速機構37の変速段が高速段から低速段に切り換えられた場合でも、静油圧式無段変速機構10の変速領域内で維持可能な速度であるか否かの判断が行われる(ステップS23)。前記走行速度が最高走行速度V2以下であれば、制御が後述のステップS25に継続される。
一方、前記走行速度が最高走行速度V2よりも速ければ、変速アクチュエータ111が作動され、静油圧式無段変速機構10において、出力調整部材の可動斜板15が、図7に示すように、走行速度が任意速度V3から副変速機構37が低速段の状態における最高走行速度V2を上回らないように、現在の斜板位置A3から斜板位置A2に傾倒されて、静油圧式無段変速機構10の変速比が変更される(ステップS24)。つまり、作業車両1が減速される。走行速度が最高走行速度V2となるまでの間は、ステップS22・S23が繰り返される。
走行速度検出手段102で検出される走行速度が副変速機構37が低速段の状態における最高走行速度V2以下の場合には、前後進切換アクチュエータ112が作動され、前後進切換機構30において、ハウジング31と前進側駆動部材32Fおよび後進側駆動部材32Rとが相対回転自在とされ、該前後進切換機構30が作業車両1を前進走行させる前進状態から動力伝達を断つ中立状態に切り換えられる(ステップS25)。
前後進切換機構30が中立状態に切り換えられると、変速アクチュエータ111が作動され、静油圧式無段変速機構10において、出力調整部材の可動斜板15が、図7に示すように、副変速機構37による変速切換前後で走行速度が前記最高走行速度V2もしくはこれ以下の速度で一致するように、現在の斜板位置A2から斜板位置B2に傾倒される。つまり、前記走行速度検出手段102で検出された前記走行速度と、副変速機構37の変速段が高速段から低速段に切り換えられた状態での車軸43の出力による走行速度とが略同等となるように、当該静油圧式無段変速機構10の変速比が変更される(ステップS26)。
そして、副変速アクチュエータ113が作動され、副変速機構37において、走行系シフタ38により主駆動輪出力軸35と前進側従動低速ギヤ36F(L)が相対回転不能とされる一方、前進側従動高速ギヤ36F(H)が相対回転自在とされて、該主駆動輪出力軸35と前進側従動低速ギヤ36F(H)との動力伝達が係合され、当該副変速機構37の変速段が高速段から低速段に切り換えられる(ステップS27)。
その後、前後進切換アクチュエータ112が作動され、前後進切換機構30において、ハウジング31と前進側駆動部材32Fまたは後進側駆動部材32Rとが相対回転不能とされ、当該前後進切換機構30が中立状態から前進状態に切り換えられる(ステップS28)。こうして、作業車両1の前進走行中に、副変速機構37の高速側から低速側への変速が、その前後での走行速度が略一定に維持されるように行われる。その後、副変速段が低速段に切り換った状態において、主変速レバー等の操作手段により指示する変速比になるまで変速する。主変速レバー等の操作手段の操作によって目標変速比が決定され、それにあわすように前記出力調整部材の可動斜板15が回動される。
さらに、前述のような副変速機構37の変速段の切換は、副変速操作手段104が一定時間(例えば、0.16秒)以上操作されて、副変速機構37の変速段を低速段から高速段に、もしくは、高速段から低速段に切り換えるための切換指示信号が制御手段100に入力された場合に、自動的に行われる。言い換えれば、副変速操作手段104が一定時間(例えば、0.16秒)以上操作されない場合には、副変速操作手段104の誤操作の可能性もあるため、行われない。
以上のように、油圧ポンプ11と油圧モータ12とを有する静油圧式無段変速機構10と、該静油圧式無段変速機構10を変速させる変速アクチュエータ111と、複数の変速段を備える副変速機構37と、該副変速機構37を変速させる副変速アクチュエータ113と、該副変速機構37の変速段を切換操作する副変速操作手段104と、前後進状態を切り換える前後進切換機構30と、該前後進切換機構30を切り換える前後進切換アクチュエータ112と、走行速度を検出する走行速度検出手段102と、これらを制御する制御手段100とを備える作業車両1の変速装置4において、前記副変速操作手段104が操作されると、走行速度を走行速度検出手段102により検出し、前記前後進切換機構30を前後進切換アクチュエータ112により前進状態または後進状態から中立状態に切り換えて、前記静油圧式無段変速機構10を変速アクチュエータ111により前記副変速機構37の変速後の変速段における走行速度が前記検出された走行速度と一致するように変速した後に、前記副変速機構37を副変速アクチュエータ113により変速し、前記前後進切換機構30を前後進切換アクチュエータ112により中立状態から前進状態または後進状態に切り換えるように構成したことにより、作業車両1を走行中でも停止させることなく、副変速機構37を低速側から高速側に変速することが可能となり、この変速切換時に発生する変速ショックも抑制することができる。そして、静油圧式無段変速機構10の油圧ポンプ11と油圧モータ12のいずれか一方を固定容量型とするため、コストを低減することができる。
また、前記作業車両1の変速装置4において、前記副変速機構37を高速側から低速側に変速する際に、前記検出された走行速度が副変速機構37の低速段での変速領域を上回っている場合には、前記静油圧式無段変速機構10を変速アクチュエータ111により低速側に変速して、走行速度が副変速機構37の低速段における最高走行速度に達すると、前記前後進切換機構30を前後進切換アクチュエータ112により前進状態または後進状態から中立状態に切り換えて、前記副変速機構37を副変速アクチュエータ113により低速段に変速し、前記前後進切換機構30を前後進切換アクチュエータ112により中立状態から前進状態または後進状態に切り換えるように構成したことにより、作業車両1を走行中でも停止させることなく、副変速機構37を高速側から低速側に変速することが可能となり、この変速切換時に発生する変速ショックも抑制することができる。
また、前記作業車両1の変速装置4において、前記副変速機構37の変速段の切換は、副変速操作手段104が一定時間以上操作されると、自動的に行われるように構成したことにより、該副変速操作手段104の誤操作を防止することができる。
本発明の一実施例に係る変速装置を備える作業車両の全体的な構成を示した側面図。 変速装置の動力伝達機構の構成を示した図。 制御機構の構成を示したブロック図。 副変速機構を低速側から高速側に変速する場合における制御の態様を示したフローチャート図。 副変速機構を低速側から高速側に変速する場合における斜板制御の構成を示した図。 副変速機構を高速側から低速側に変速する場合における制御の態様を示した制御方法を示すフローチャート図。 副変速機構を高速側から低速側に変速する場合における斜板制御の構成を示した図。
符号の説明
1 作業車両
4 変速装置
10 静油圧式無段変速機構
11 油圧ポンプ
12 油圧モータ
30 前後進切換機構
37 副変速切換機構
100 制御手段
102 走行速度検出手段
104 副変速操作手段
111 変速アクチュエータ
112 前後進切換アクチュエータ
113 副変速アクチュエータ

Claims (3)

  1. 油圧ポンプと油圧モータとを有する静油圧式無段変速機構と、該静油圧式無段変速機構を変速させる変速アクチュエータと、複数の変速段を備える副変速機構と、該副変速機構を変速させる副変速アクチュエータと、該副変速機構の変速段を切換操作する副変速操作手段と、前後進状態を切り換える前後進切換機構と、該前後進切換機構を切り換える前後進切換アクチュエータと、走行速度を検出する走行速度検出手段と、これらを制御する制御手段とを備える作業車両の変速装置であって、
    前記副変速操作手段が操作されると、走行速度を走行速度検出手段により検出し、前記前後進切換機構を前進状態または後進状態から中立状態に切り換えて、前記静油圧式無段変速機構を前記副変速機構の変速後の変速段における走行速度が前記検出された走行速度と一致するように変速した後に、前記副変速機構を変速し、前記前後進切換機構を中立状態から前進状態または後進状態に切り換えるように構成したことを特徴とする作業車両の変速装置。
  2. 前記副変速機構を高速側から低速側に変速する際に、前記検出された走行速度が副変速機構の低速段での変速領域を上回っている場合には、前記静油圧式無段変速機構を低速側に変速して、走行速度が副変速機構の低速段における最高走行速度に達すると、前記前後進切換機構を前進状態または後進状態から中立状態に切り換えて、前記副変速機構を低速段に変速し、前記前後進切換機構を中立状態から前進状態または後進状態に切り換えるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の作業車両の変速装置。
  3. 前記副変速機構の変速は、前記副変速操作手段が一定時間以上操作されると、自動的に行われるように構成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の作業車両の変速装置。
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