JP5376768B2 - 脈波測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、使用者の運動中等に連続的かつ高精度に脈拍数を測定し、表示等の報知手段によって使用者に自己の脈拍数を監視可能とさせる脈拍測定装置に関し、特に運動ノイズやその他のノイズを除去する技術により精度の高い脈拍数を得る技術に関する。
従来、運動トレーニングにおいて、過不足のない運動トレーニングを実現する方法の1つとして、運動強度から算出される心拍数を運動トレーニング指標として用い、運動量を調整する方法が知られている。
運動強度とは、運動の強さや身体にかかる負荷を指し示す指標であり、最大酸素摂取量を100%としてその何%で運動するかを示すものである。
心拍数を用いた運動量の調整では、運動強度を用いて運動トレーニングなどを行おうとする際に、目標とする運動強度である目標運動強度を設定し、この目標運動強度に相当する心拍数を目標心拍数として運動中の心拍数を測定し、測定した心拍数を運動トレーニング指標として運動量を管理する。
このような運動強度は、運動強度の数値が大きいほどエネルギー消費量が増え、身体にかかる負荷が大きくなる。このとき、高い運動強度では、肝臓や筋肉に蓄積している糖質をエネルギー源として用い、低い運動強度では脂質をエネルギー源として用いている。
これらを鑑みて、糖質と脂質とのどちらをエネルギー源とするかについて多くの議論がなされている。この考え方を、身体の筋力アップやダイエット、生活習慣病の予防などに適用しようという提案も多い。
ところで、運動強度は、運動の種別によってその数値が特定されているものではなく、また、同じ運動であっても個人によってその数値は異なる。運動によるエネルギー消費量の測定は、長時間運動の場合にはエネルギー消費量は酸素摂取量と概ね比例することが知られているので、運動中の酸素摂取量を計測することで求めることができる。しかしながら、運動中の酸素摂取量を計測するには大掛かりな装置と専門的な知識とが必要であるため、一般に酸素摂取量からエネルギー消費量の数値を知ることは難しい。
そのため、近年では、運動中の酸素摂取量を計測する代わりに、酸素摂取量と概ね比例する心臓の心拍数を基に数値化を行い、身体にかかる負荷状態を心拍数によって把握することが行われている。
心拍数の測定にあっては、簡易的には、指を手首の内側や首に当て、心臓の鼓動に応じて振動する皮膚をその指先の触覚によって測ることができる。目標心拍数を自分なりに設定して心拍数を運動トレーニング指標とすることが盛んに行われるようになってくると、運動中やトレーニング直後においても心拍数を測りたいという要望が高まり、このような状況においての簡便に心拍数を測定できる心拍計が求められるようになってきた。このような事情から、近年、多くの電子心拍計の提案がなされている。
このような電子心拍計としては、一般に心電位検出方式が広く知られており。この心電位検出方式では、例えば、指や胸部に脈波を検出する電極を設けたベルト状の脈波検出部を装着し、この脈波検出部で検出した信号を、脈波検出部と独立した表示部に有線または無線で情報を送信して表示させるものがある。表示部は腕などに装着し、脈波検出部が検出した脈波の周期から心拍数を求めて表示する。また、脈波検出部と表示部を一体化したものも知られている。
脈波検出部として、上述したような電極を用いた電極式の他に、血流の変化を光で捕らえる光学式や、血圧の変化を静電式圧力センサを用いて圧力で測定する圧力式などもある。発光素子から身体に光を照射し、その反射光または透過光を受光素子で検出し、受光信号を脈拍信号に変換して脈拍を測定する心拍計が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
このような電子心拍計において、運動中やトレーニング直後であっても心拍数を測定することができるようにするために、脈波を測定するための脈波測定用センサなどを搭載した手首装着型の生体測定装置が提案されている(例えば、特許文献2。)。
脈波測定では、身体の動きに伴って検出信号に浸入する体動ノイズの問題があり、この体動ノイズの影響を除去するために、複数点の圧力測定値から血管位置を決定し、血管上と血管以外の圧力信号の差分を求める提案がされている(例えば、特許文献3参照。)。また、アレイセンサの加重平均信号をセンサ毎の脈波検出信号から差し引いてノイズを除去する提案もされている(例えば、特許文献4参照。)。
また、本発明の出願人は、検出信号に含まれるノイズに対して脈拍数を安定して表示する心拍検出技術として、特許文献5,6を出願している。これらは、検出信号に含まれる歪み検出して、脈波を正確に検出する技術に係わるものである。
特公昭61−29730号公報 特開昭53−32765号公報 特許3819877号 特許3029912号 特願2005−268717号(2005年9月15日出願) 特願2005−280398号(2005年9月27日出願)
人体の手首などに装着し脈拍を測定する装置では、運動ノイズなどの外乱が生じる状況下で脈拍を連続的に測定するには脈波検出に使用するセンサに対して、高度なノイズ除去手段が必要となる。複数の感圧素子等のセンサをアレイ状に配置したアレイセンサを用いて脈拍を検出する場合、すべてのセンサに対してそれぞれノイズ除去手段を配置すると、センサ個数に比例してノイズ除去手段が必要となる。
アレイセンサのセンサ数が増大するとノイズ除去手段もセンサ数に比例して増加することになる。そのため、回路構成が複雑化したり、消費電力が増大したり、ハイスペックな演算装置やメモリが必要になるなど種々の問題が発生する。
例えば、上述した特許文献3では、アレイセンサの血管上の位置とそうでない位置の信号の差分をとってノイズを除去するために血管位置決定手段が必要であり、また、血管位置とそうでない位置でのセンサ値の差分を求める処理を、すべてのセンサについて時分割で行う構成であるため、処理負荷が大きくハイスペックな装置が必要である。
また、上述した特許文献4では、差分演算を行うために加重平均信号算出手段を必要とし、測定時にアレイセンサのすべてのセンサを駆動するため消費電力が大きくなったり、処理複雑になって、ハイスペックな装置が必要になる。
図30は、脈波測定装置の感圧素子のセンサとノイズ除去部との関係を説明するための図である。図30において、感圧素子アレイ12は複数の感圧素子11a〜11nを備え、測定対象90に接触させることによって身体の圧力を検出する。感圧素子アレイ12の検出信号はノイズ除去部160でノイズ分が除かれた後、演算部170で脈波測定に係わる種々の演算処理が施され、報知部400で表示あるいは報知され、また、記憶部600に記憶される。
また、脈波測定装置は入力部500を備え、操作切り替え等の入力を行う。感圧素子アレイ12が備える各感圧素子11a〜11nは、ノイズ除去部160が備えるノイズ除去回路160a〜160nにそれぞれ接続される。そのため、感圧素子アレイ12の感圧素子と同数のノイズ除去回路が必要となる。
そこで、本発明は従来の問題を解決し、脈波測定装置において、感圧素子の総個数にかかわらず、センサのノイズ除去回路の個数を所定数に抑制することを目的とする。
また、センサのノイズ除去回路の個数を所定数に抑制することによって、ノイズ除去部の回路構成の複雑化や、消費電力やメモリサイズや信号処理負担を増大化させることなく、良好で信頼性の高い脈波測定を行うことを目的とする。
本発明は人体の手首などに装着し脈拍を測定する脈波測定装置であって、特に感圧素子センサ等をマトリクス状に配置した感圧素子アレイを備えるものにおいて、運動等によるノイズの発生が少ない使用者の安静時に、良好に脈波を検知している所定個数のセンサを、高度なノイズ除去手段を用いない簡易的な方法で選択し、選択した所定個数のセンサの検出信号のみに対して高度なノイズ除去手段を用いて測定することによって、センサの総数に関わらずノイズ除去手段を所定の個数とすることができ、回路構成の複雑度、消費電力、メモリサイズ、処理負荷等を増大させずに、良好で信頼性の高い脈拍測定を可能とする。この構成により、特に、運動中などのノイズが発生する環境下において、回路構成を複雑化させることなく、簡易な構成で高精度な脈拍測定を行うことが可能となる。
本発明の脈波測定装置は、複数の感圧素子を配列してなる感圧素子アレイと、これら複数の感圧素子の出力信号に基づいて、感圧素子アレイを構成する全感圧素子の中から、全感圧素子の個数よりも少ない所定個数の感圧素子を選出し、感圧素子アレイを構成する全感圧素子の出力信号から選出した感圧素子の出力信号のみを選択して出力する選択部と、この選択部で選択した出力信号を用いて脈波を測定するための信号処理を行う信号処理部とを備えることを特徴とする。
本発明の脈波測定装置が備える選択部は、複数種の判定部による態様、およびこれら判定部を組み合わせた態様とすることができる。
本発明の選択部は、特徴値判定部を中核の判定部として備える他、この特徴値判定部に加えて、押圧判定部、偏差判定部、順位付け判定部の各判定部を備える態様とすることができる。
本発明の選択部の第1の態様は、特徴値判定部を備える。この第1の態様の選択部は、出力信号の少なくとも脈拍の1拍の期間より長い期間の脈波形から脈波形の特徴値を抽出し、抽出した特徴値と予め用意しておいた脈波特徴判定値とを比較し、この比較結果に基づいて感圧素子を選出する。
本発明の選択部の第2の態様は、特徴値判定部に加えて押圧判定部を備える態様である。この第2の態様の選択部は、全感圧素子の中から段階的に感圧素子を選出する複数の判定部を有し、この判定部は押圧判定部と特徴値判定部とを含んでいる。
押圧判定部は、感圧素子アレイを構成する全感圧素子を、脈拍の1拍の期間よりも十分に短い期間で瞬時的に押圧して検出される出力信号と予め用意した押圧判定値とを比較し、この比較結果に基づいて全感圧素子の中から感圧素子を選出する。
さらに、特徴値判定部は、押圧判定部で選出した感圧素子の出力信号から少なくとも脈拍の1拍の期間より長い期間の脈波形から特徴値を抽出し、抽出した特徴値と予め用意しておいた脈波特徴判定値とを比較し、この比較結果に基づいて感圧素子を選出する。
本発明の選択部の第3の態様は、特徴値判定部に加えて偏差判定部を備える態様である。この第3の態様の選択部は、全感圧素子の中から段階的に感圧素子を選出する複数の判定部を有し、この判定部は、偏差判定部と特徴値判定部とを含んでいる。
特徴値判定部は、感圧素子の出力信号から、少なくとも脈拍の1拍の期間より長い期間の脈波形から特徴値を抽出し、抽出した特徴値と予め用意しておいた脈波特徴判定値とを比較し、この比較結果に基づいて感圧素子を選出する。
さらに、偏差判定部は、特徴値判定部で選出した感圧素子の脈波形の特徴値の平均値を算出し、算出した平均値と脈波形の特徴値との差分に基づいて感圧素子を選出する。
本発明の選択部の第4の態様は、特徴値判定部に加えて順位付け判定部を備える態様である。この第4の態様の選択部は、全感圧素子の中から段階的に感圧素子を選出する複数の判定部を有し、この判定部は特徴値判定部と順位付け判定部とを含んでいる。
特徴値判定部は、感圧素子の出力信号から、少なくとも脈拍の1拍の期間より長い期間の脈波形から特徴値を抽出し、抽出した特徴値と予め用意しておいた脈波特徴判定値とを比較し、この比較結果に基づいて感圧素子を選出する。
さらに、順位付け判定部は、特徴値判定部で選出した感圧素子の脈波形の特徴値に基づいて順位付けを行い、この順位付けに基づいて感圧素子を選出する。
本発明の選択部の第5の態様は、特徴値判定部に加えて、押圧判定部、偏差判定部、および順位付け判定部を備える態様である。この第5の態様の選択部は、全感圧素子の中から段階的に感圧素子を選出する複数の判定部を有し、この判定部は押圧判定部、特徴値判定部、偏差判定部、および順位付け判定部を含んでいる。
押圧判定部は、感圧素子アレイを構成する全感圧素子を瞬時的に押圧することで検出される出力信号と予め用意しておいた押圧判定値とを比較し、この比較結果に基づいて全感圧素子の中からの感圧素子を選出する。
さらに、特徴値判定部は、押圧判定部で選出した感圧素子の出力信号から、少なくとも脈拍の1拍の期間より長い期間の脈波形の特徴値を抽出し、抽出した特徴値と予め用意しておいた脈波特徴判定値とを比較し、この比較結果に基づいて感圧素子を選出する。
さらに、偏差判定部は、特徴値判定部で選出した感圧素子の脈波形の特徴値の平均値を算出し、算出した平均値と脈波形の特徴値との差分に基づいて感圧素子を選出する。
さらに、順位付け判定部は、偏差判定部で選出した感圧素子の脈波形の特徴値に基づいて順位付けを行い、この順位付けに基づいて感圧素子を選出する。
また、本発明の選択部は、上述した各判定部の判定結果を記憶する感圧素子情報記憶部を有する。感圧素子情報記憶部は、押圧判定部で選出した感圧素子を登録する。また、特徴値判定部の選出で選外とされた感圧素子を登録した感圧素子から除外し、特徴値判定部で抽出した脈波形の特徴値を記憶する。また、偏差判定部の選出で選外とされた感圧素子を登録感圧素子から除外し、順位付け判定部で選出した感圧素子を記憶する。
また、本発明が備える信号処理部はノイズ除去部を有する。ノイズ除去部は、選択部が備える順位付け判定部で順位付けした順位において、上位から順に選出された所定個数の感圧素子と接続して、ノイズ除去処理を行う。
本発明の押圧判定部は、瞬時的押圧時に検出される感圧素子の信号を所定周期でサンプリングして得られる複数のサンプリング値の平均値を感圧素子の出力信号とする。
また、押圧判定部は、全感圧素子の出力信号について順に押圧判定値と比較し、この比較によって選出した感圧素子の個数が所定個数に達した時点で処理を終了する。
本発明の押圧判定部は、複数の判定態様とすることができる。
押圧判定部の第1の判定態様は、感圧素子アレイに予め分散させて分布させて設定した所定個数の感圧素子について出力信号を押圧判定値と比較し、この比較で選出した感圧素子の周囲に分布する感圧素子について出力信号を押圧判定値と比較する。
第2の判定態様の押圧判定部は、面状に配列された感圧素子アレイの外周から内周に向かって、又は内周から外周に向かって渦巻き状に出力信号を選び、順に押圧判定値と比較する。
押圧判定部の第2の判定態様は、格子状に配列された感圧素子アレイの行又は列について、任意の行順または列順で、列方向又は行方向に順に押圧判定値と比較する。
本発明の特徴値判定部が抽出する脈波形の特徴値は、脈波形の連続する3つの極限点を抽出し、第1の極限点と第2の極限点間および第2の極限点と第3の極限点間とにおける、周期、波高値の高低差、スロープの傾きのうち、少なくとも何れか1つである。
特徴値判定部は、前記した脈波形の特徴値において、第1の極限点の値と第3の極限点の値との平均値を用いて、第1の極限点の値と第3の極限点の値との差分を補償する。
本発明の特徴値判定部による判定では、複数の判定条件を設定することができ、脈波形中の3つの極限点の有無、3つの極限点から得られる周期、波高値の高低差、スロープの傾きのうち、少なくとも何れか1つを判定条件とする。
特徴値判定部は、判定結果の履歴に基づいて判定条件の値を変更することができる。
また、特徴値判定部は、第1の極限点と第2の極限点間と、第2の極限点と第3の極限点間と、の周期比率を判定条件として、正位相の脈波形であるか逆位相の脈波形であるかを判定することができる。
さらに、特徴値判定部は、選出した感圧素子の個数が予め設定した個数以下の場合には報知することができる。
本発明の選択部は選択した感圧素子を記憶する記憶部を有し、特徴値判定部は、感圧素子の再選択時に、感圧素子アレイを構成する全感圧素子の中から、記憶部に記憶される感圧素子の近傍に存在する感圧素子について選出を行う。
本発明の偏差判定部は、第1の極限点と第2の極限点間周期と、第2の極限点と第3の極限点間周期とのうちの少なくとも何れか1つの周期の平均値を算出し、算出した平均値から許容範囲内の出力信号を出力する感圧素子を選出する。
本発明の順位付け判定部は、脈波形の連続する3つの極限点を抽出し、第1の極限点と第2の極限点間周期、第2の極限点と第3の極限点間周期、各極限点間の波高値の高低差、各極限点間のスロープの傾きのうち、少なくとも何れか1つに基づいて順位付けを行う。
本発明の偏差判定部は、選出した感圧素子の個数が予め設定した個数以下の場合には報知することができる。
本発明の偏差判定部は、選出した感圧素子の出力信号の極限点間の周期から脈拍数を算出することができる。
本発明の特徴値判定部は、選出した感圧素子の出力信号の極限点間の周期から脈拍数を算出することができる。
本発明の脈波測定装置の態様によれば、良好に脈波を検出しているセンサのみを効率的に測定に使用でき、高信頼性、低消費電力、低コスト化に寄与することができる。
また、本発明の脈波測定装置によれば、感圧素子アレイの全センサ数に比例した個数のノイズ除去手段を備える必要がなく、また、外乱の生じる状況下で信頼性の高い脈拍測定が可能である。
本発明の脈波測定装置の態様によれば、安静時に脈波検出が良好でないセンサを除き、測定に採用しないため測定の信頼性を向上させることができる。
本発明の脈波測定装置のノイズ除去部をハードウェアで実装する場合には、回路構成を簡略化することができ、また、消費電力やコストを削減することができる。
一方、本発明の脈波測定装置のノイズ除去部をソフトウエアで実装する場合には、ハイスペックなCPUやメモリを備えることなく、外乱の生じる状況下で信頼性の高い脈拍測定が可能となり、コストを削減することができ、また、処理負荷を削減でき、応答性を向上させることができる。
本発明の脈波測定装置によれば、感圧素子の総個数にかかわらず、センサのノイズ除去回路の個数を所定数に抑制することができる。
また、センサのノイズ除去回路の個数を所定数に抑制することによって、ノイズ除去部の回路構成の複雑化や、消費電力やメモリサイズや信号処理負担を増大化させることなく、良好で信頼性の高い脈波測定を行うことができる。
以下、本発明の脈波測定装置について図を用いて詳細に説明する。
以下、本発明の脈波測定装置に用いる各構成の概略を図1〜図4を用いて説明し、本発明の脈波測定装置が行う選択の概要について図5〜9を用いて説明し、本発明の脈波測定装置の全体の概要構成について図10,11を用いて説明し、本発明の脈波測定装置の押圧判定について図12〜図18を用いて説明し、本発明の脈波測定装置の特徴値判定について図19〜図24を用いて説明し、本発明の脈波測定装置の偏差判定、順位付け判定について図25〜図27を用いて説明し、本発明の脈波測定装置の再選択について図28,29を用いて説明する。
[装置概略説明:図1〜4]
はじめに、本発明の脈波測定装置に用いる感圧素子および脈波測定装置の概略を図1〜図4を用いて説明する。
図1は本発明に適用する脈波測定装置1の概略構成を説明するための図である。脈波測定装置1は、圧力を検出する圧力検出部10と、測定対象90と接触して測定対象90の脈動による脈波を圧力検出部10に伝える圧力伝達部30と、圧力検出部10を測定対象方向に押圧する押圧部20とを備える。押圧部20と圧力伝達部30との間に圧力検出部10を挟持し、押圧部20は圧力検出部10を圧力伝達部30の方向に圧接する。圧接された圧力伝達部30は、測定対象90の動脈91の脈動による脈波の圧力変化を、圧力伝達部30を構成する構成部材を介して直接に伝達する。
圧力検出部10は圧力伝達部30を介して伝達された圧力変化を検出して検出信号を脈波測定部50に出力する。脈波測定部50は圧力検出部10の検出信号を受け、信号処理によってノイズ分を除去し脈波を検出する。
押圧部20は、圧力検出部10を圧力伝達部30に押圧することによって、圧力検出部10と圧力伝達部30との間の隙間を無くして密着性を高めて、圧力伝達部30から圧力検出部10への圧力の伝達効率を向上させる。また、圧力伝達部30と測定対象90との間の隙間についても密着性が高まるため、測定対象90から圧力伝達部30への圧力の伝達効率についても向上させる。押圧部20による押圧力は、脈波測定装置1を測定対象90に取り付け部材6で取り付ける際の締め付け力等によって生じさせることもできる。
脈波測定部50は、圧力検出部10で検出した検出信号から脈波信号を抽出する。脈波測定部50で抽出した脈波信号は心拍(脈拍)数の測定や血圧測定に利用することができる。心拍(脈拍)数の測定は脈波測定部50で抽出した脈波信号を用いて脈拍数を計数し、血圧測定は脈波測定部50で抽出した脈波信号を用いて脈波を監視しながら圧力値を測定する。
脈波測定部50は、所定の周波数特性を付加する信号処理を行うことによって、周波数成分の信号強度を増幅させた脈波信号を形成する。この周波数成分の信号強度の増幅では、脈波形の主成分を増加させ、ノイズ成分を低減させる。
脈波測定部50は、検出信号を信号増幅する信号増幅回路50aと、検出信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路50bと信号処理部を備える。信号処理部は、検出信号をバンドパスフィルタや2階微分特性等によってノイズ除去や2倍高調波の信号増幅を行う狭帯域信号処理回路50c、狭帯域信号処理回路50cで生成された信号の波形歪みを形成して心拍を検出する波形歪検出回路(スロープ検出回路)50dを備える。
信号処理部の一構成例では、脈波形の周波数成分を信号増幅する信号増幅部を有し、この信号増幅部は、脈波形の低域側の周波数成分を低増幅率で増幅し、脈波形の高域側の周波数成分を高増幅率で増幅する信号増幅特性とすることによって、脈波形に所定の周波数特性を付加し、脈波形の主成分を増加させ、ノイズ成分を低減させる。この信号処理としては、例えば、脈波形の周波数成分を微分特性で信号増幅する。
また、信号処理部は帯域通過のフィルタ処理を含むことができ、これによって脈波形の所定狭帯域の信号に対して信号処理を行い、脈波形の主成分以外の周波数帯域にあるノイズ成分を除去する。この信号処理部で行うノイズ成分の除去および信号強度の増幅の信号処理は、脈波信号に波形歪みを付加する。この波形歪みは、脈波形の主成分を増加し、ノイズ成分を低減する。これにより、波形歪みは脈波と強い相関で関係付けられる。したがって、波形歪みは脈波情報を良好なS/N比で備えることになる。
心拍計60において、心拍数計数回路60aは脈波測定部50で求めた脈波から心拍数を計数し、心拍数報知部60bは心拍数計数回路60aで計数した心拍数を報知する。なお、報知は、心拍数の表示、記憶、送信等を含むものである。
また、血圧計70において、血圧測定回路70aは脈波測定部50で求めた脈波と圧力値から血圧値を測定し、血圧値報知部70bは血圧測定回路70aで測定した血圧値を報知する。なお、報知は、血圧値の表示、記憶、送信等を含むものである。
[センサ部分の概略断面の説明:図2]
次に、脈波測定装置のセンサ部分の概略断面を説明する。図2は概略断面図である。脈波測定装置1のセンサ部分は、圧力伝達部30、圧力検出部10、および押圧部20を順に配置してなり、図2(a)に示す構成ではこれらを順に積層させた三層構造の例を示している。なお、圧力伝達部30、圧力検出部10、および押圧部20はこの三層構造に限らず、押圧部および圧力伝達部の内部に圧力検出部を収納した一体構造等、他の構成としてもよい。図2(b)は、圧力伝達部30を測定対象90側に接触させ、押圧部20によって圧力検出部10を測定対象90側に押圧した状態を示している。
圧力検出部10は複数の感圧素子11を備え、圧力伝達部30を介して測定対象90から伝達される脈波を検出し、検出信号として出力する。
圧力伝達部30の測定対象90と接触する面には、保護部材40が着脱自在に設けられる。この保護部材40は、圧力伝達部30の外表面に取り付けられるシート状の部材であって、圧力伝達部30の外表面を保護するとともに、測定対象90からの脈波を圧力伝達材30に伝える。保護部材40は、脈波を圧力伝達材30に伝えるに十分な薄さを有し、脈波測定装置1を測定対象90に取り付けた際に、測定対象90との密着性が良好となるに十分な柔軟性を備える。
[装置の態様の説明:図3]
図3は本発明の脈波測定装置の各形態と測定対象に取り付ける態様とを説明するための図である。
図3(a)、(b)は本発明の脈波測定装置の一形態と取り付け態様とを説明するための図である。この第1の形態において、脈波測定装置1は、外部ケースを構成する枠体4内に、圧力伝達部30、圧力検出部10、および押圧部21を順に積層して備えるとともに、圧力検出部10で検出した検出信号から脈波を抽出する信号処理や、表示部3に測定結果等の種々の表示内容を表示させる処理等を行う回路を搭載した回路基板2を内蔵する。表示部3は、枠体4に設けた開口部を通してディスプレイ面に表示内容を表示する。図示はしないが、これらに電力を供給する電池などの電源手段、操作を行うスイッチなどの入力手段も備えられている。
枠体4には係止部5が設けられ、脈波測定装置1を測定対象90に取り付けるための取り付け部材6が取り付けられる。取り付け部材6は、脈波測定装置1を測定対象90に取り付けるとともに、取り付ける際の取り付ける力の作用によって押圧部21を測定対象90側に押し、これによって圧力検出部10を圧力伝達部30に押圧する。
取り付け部材6は、脈波測定装置1を測定対象90に取り付け、押圧部21を測定対象90側に押す機能を奏するものであれば任意の構成とすることができるが、一例として、弾性作用を奏するベルト状体とすることができる。このベルト状体としては、例えば、通常の止め具材(図示していない)の開閉によって内径を変更自在とする帯体あるいは紐体、あるいは、それ自体が弾性を備えた帯体あるいは紐体とすることができる。取り付け部材6の端部は、係止部5によって枠体4に取り付けられる。係止部5は、枠体4に設けた部材により構成する他、枠体4を形成する際に取り付け部材6の端部を埋め込んだ状態で形成する構成としてもよい。
また、取り付け部材6および係止部5は上記した構成に限られるものではない。例えば、取り付け部材6と係止部5とは着脱自在な構成としてもよい。図3(b)はこの一構成を示している。この構成では、取り付け部材6に係止部5を掛けるための被係止部6aを設け、この被係止部6aに係止部5を掛けることによって装着させる。この被係止部6aとしては、例えば、取り付け部材6に設けた孔を用いることができる。係止部5の一端をこの孔に掛けることで装着させる。この際、押圧部21に押圧力が作用するように、被係止部6aの位置を選択する。なお、この構成では、取り付け部材6には、取り付けた脈波測定装置1の圧力伝達部30の接触面が外部に露出するように開口部分が設けられている。
図3(c)は本発明の脈波測定装置の他の形態と取り付け態様を説明するための図である。
この形態の脈波測定装置1は、押圧部22は、脈波測定装置を覆う外部ケースである枠体4において押圧部20を外側から覆う部分を兼ねる構成であり、枠体4内に、圧力伝達部30および圧力検出部10を順に積層して備える。ここで、外部ケースを構成する枠体4と押圧部22とを一体で形成してもよい。
また、図3(a),(b)で示した第1の態様と同様に、回路基板2を枠体4内に内蔵し、表示部3を枠体4に設けた開口部を通してディスプレイ面が露出するように設け、このディスプレイ面に表示内容を表示する。
この第2の形態の取り付け態様においても、第1の形態の取り付け態様と同様に、枠体4に係止部5を設けられ、この係止部5と取り付け部材6とによって脈波測定装置1を測定対象90に取り付けられる。取り付け部材6は、脈波測定装置1を測定対象90に取り付けるとともに、取り付ける際の取り付ける力の作用によって押圧部22を測定対象90側に押し、これによって圧力検出部10を圧力伝達部30に押圧する。係止部5と取り付け部材6との構成は、第1の形態と同様であるため、ここでの説明は省略する。
図3(d)は本発明の脈波測定装置のさらに別の形態と取り付け態様を説明するための図である。
この形態の脈波測定装置1は、前述の枠体4を用いない構成例であり、押圧部23自体を取り付け部材6によって測定対象に取り付ける構成である。この第3の形態では、取り付け部材6が押圧部23を押圧するとともに測定対象90への取り付けを行う。
図3(d)では、回路基板2および表示部3は、圧力検出部10から分離する構成を示しているが、取り付け部材6に回路基板2と表示部3とを搭載した構成としてもよく、また、回路基板2および表示部3を搭載した取り付け部材6と、圧力検出部10、押圧部20および圧力伝達部30を搭載した取り付け部材6とを別に設ける構成としてもよい。
[手首装着状態の説明:図4]
図4は、本発明の脈波測定装置1を身体の手首に装着する状態(図4(a))と、感圧素子アレイ(図4(b))とを示している。この装着例では、取り付け部材6を手首92の周囲に取り付け、この取り付け部材6に脈波測定装置1を装着する。この取り付けにおいて、脈波測定装置1の圧力伝達部(図4には示していない)が手首の脈動がより良好に検出できる位置に位置合わせして取り付けを行う。
図4(b)は、脈波測定装置1の上部を外して圧力検出部10の感圧素子アレイ12を示している。身体の手首において脈波を検出するために、感圧素子アレイ12は動脈の近傍に配置される。図4では、手首92の内側の動脈に感圧素子アレイ12が配置されるように取り付けられる。なお、ここでは、手首92の内側は手首92の掌94側を意味している。
本発明の脈波測定装置1は、手首92の内側の動脈の近傍に配置する1つの感圧素子アレイ12によって脈波検出による心拍数測定と、脈波測定装置の操作を制御する操作入力とを行う。
なお、本発明の脈波測定装置は、測定部位として手首に限られるものではなく指等の脈波が得られると共に、身体部位の変形が可能な箇所であれば、任意の位置に取り付けて使用することができる。
次に、図5〜図9を用いて本発明の脈波測定装置で行う選択の概要について説明する。
[選択の概要説明:図5]
図5は、本発明の脈波測定装置によって、感圧素子アレイが備える全感圧素子の中から測定に用いる感圧素子の選択状態を示している。なお、図5中の左方は安静時の状態を示し、図5中の右方は運動時の状態を示し、図5中の上方から下方に向かって感圧素子を選択し、センサ個数が低減する状態を示している。
図5(a),(b)は、感圧素子アレイ12の全感圧素子11から得られる各検出信号に対してノイズ除去等の信号処理を施す状態を、安静時と運動時とについて示している。この場合には、全感圧素子11と同数のノイズ除去回路が必要となる。
感圧素子アレイ12が備える複数の感圧素子11は、測定対象との接触状態や感圧素子自体の良/不良によって全てが良好に動作するとは限らず、十分な検出信号強度が得られない不良素子11Bも存在する。この不良素子11Bから得られる検出信号を排除し、良好素子11Aから得られる検出信号のみについて信号処理を施すことで、必要とするノイズ除去回路の個数を減らし、消費電力や処理負担を低減することができる。
図5(c),(d)はこの良好な感圧素子のみを利用する状態を示している。安静時(図5(c))において全感圧素子11から良好感圧素子11Aと不良感圧素子11Bとを判定し、運動時(図5(d))において良好感圧素子11Aから得られた検出信号に対してのみノイズ除去処理等の信号処理を施すことで、ノイズ除去回路の個数を減らし、消費電力や処理負担を低減する。
さらに、良好な感圧素子の中から所定数の感圧素子を選択し、選択した良好素子11Aから得られる検出信号のみについて信号処理を施すことで、感圧素子アレイが備える感圧素子の個数に係わらず、所定数のノイズ除去回路により良好な脈波測定を行うことができる。
図5(e),(f)はこの選択した感圧素子のみを利用する状態を示している。安静時(図5(e))において良好感圧素子11Aの中から所定個数の感圧素子11Cを選択、運動時(図5(f))において選択した選択感圧素子11Cから得られた検出信号に対してのみノイズ除去処理等の信号処理を施すことで、所定数のノイズ除去回路により良好な脈波測定を行う。
[選択の概要説明:図6]
図6は、感圧素子アレイ12を人体の手首などに装着した状態を示している。感圧素子アレイ12は、複数の感圧素子11をマトリクス状に配置して備える。図6では5行5列に25個の感圧素子11を備える例を示している。
運動等によるノイズの発生が少ない使用者の安静時に、複数の感圧素子11の中から良好に脈波を検知している所定個数のセンサを、高度なノイズ除去回路を用いることなく簡易的な方法で選択する。図6では、測定対象90の動脈91の近傍に配置された良好感圧素子11A(図6中の6〜15の番号を付した感圧素子)を抽出し、さらに、この抽出した良好感圧素子11Aの中から所定個数の感圧素子11C(図6中の13の番号を付した感圧素子)を選択する。この選択した感圧素子11Cから得られる検出信号に対して高度なノイズ除去回路によりノイズ除去を行う。特に運動中などのノイズが発生する環境下であっても、ノイズ除去を行う信号数を低減することによって高速かつ高精度な脈拍測定を可能とする。なお、図6では、説明を簡易とするために、図6中の13の番号を付した1個の感圧素子のみを選択する例を示しているが、選択する感圧素子数はノイズ除去回路数等に応じて任意に設定することができる。
[選択動作の説明:図7,8]
図7,8は本発明の脈波測定装置による選択動作を説明するための図である。
図7において、使用者が運動を開始する前の安静時に、感圧素子アレイ12の各感圧素子11a〜11nで脈波を検出する。脈波検出部200は、この検出信号に基づいて良好な脈波の有無を判定する。脈波の判定は、信号強度や脈波に特徴的な波形の有無によって行うことができ、例えば、検出信号としきい値とを比較する比較回路等の簡易な回路構成とすることができる。選択部100は、脈波検出部200の判定結果に基づいて、良好な脈波が得られる感圧素子を選択する。なお、選択部100中の○印は良好な感圧素子の場合を示し、この良好な感圧素子からの検出信号を採用する。一方、選択部100中の×印は不良な感圧素子の場合を示し、この不良感圧素子の検出信号は採用しない。
図8は選択部とノイズ除去部との接続状態を説明する図である。信号処理部300は、ノイズ除去部160と演算部170とを備え、ノイズ除去部160は所定個数のノイズ除去回路160a〜160mを備える。
ノイズ除去回路160a〜160mの回路数mは、選択部100で選択される感圧素子11の個数と必ずしも一致するわけではなく、選択部100で選択される感圧素子11の個数はノイズ除去回路160a〜160mの回路数mよりも上回る場合がある。
選択部100は、脈波検出部200で判定された良好な感圧素子の中から、ノイズ除去部160が備える所定の回路数(図ではm個)を選択し、選択した感圧素子をノイズ除去回路160a〜160mに接続する。この選択部100によるノイズ除去160との接続は、ハードウェアによる回路構成で行う他、ソフトウエアを用いたCPUによる制御で行うことができる。
この構成によって、感圧素子アレイ12が備える複数の感圧素子11のうちで、良好な感圧素子であって所定数の感圧素子のみがノイズ除去部の各ノイズ除去回路と接続される。一方、感圧素子アレイ12が備える複数の感圧素子11のうちで、不良な感圧素子は測定に使用されず、また、良好な感圧素子であっても、感圧素子の所定数を越える分についても測定には使用されない。
このノイズ除去部に接続する感圧素子の選択は、毎運動を開始する直前の安静時に行い、運動中においては選択された感圧素子に信号のみを用いて脈波を検出して脈拍測定を行う。
[感圧素子の選択による判定動作の説明:図9]
図9は、本発明の脈波測定装置による感圧素子の選択による判定動作の概略を説明するための図である。
図9において、安静時に感圧素子アレイが備える全感圧素子についてサンプリングを行った検出信号を取得する。ここでは、感圧素子アレイが備える全感圧素子の個数をA個とし、得られた検出信号に基づいて良好な感圧素子を抽出し、さらにこの抽出した感圧素子の中から所定個数(ここではB個とする)の感圧素子を選択する。抽出した感圧素子のなかから所定個数の感圧素子の選択は、検出波形から抽出する特徴値に基づいて行うことができる。この特徴値による選択については後述する。なお、このとき抽出された特徴値は感圧素子情報記録部150に記録される。選択した感圧素子は、ノイズ除去部160に接続して、ノイズ除去処理を行う。
次に、本発明の脈波測定装置の選択動作は、押圧判定、特徴値判定、偏差判定、順位付け判定の複数の判定動作を含み、上記した特徴値による判定動作のみの他に、押圧判定、偏差判定、順位付け判定を組み合わせた判定動作を行う態様とすることができる。
[複数の選択動作の概略構成:図10,図11]
図10は本発明の脈波測定装置による複数の選択動作の概略構成を説明するための概略図であり、図11は本発明の脈波測定装置による複数の選択動作を説明するためのフローチャートである。
図10において、使用者の安静時において、感圧素子アレイ12が備える全感圧素子11から検出信号を取得し、選択部100によって運動時において脈波測定に用いる感圧素子を選択する。運動時には、全感圧素子11のなかから選択部100で選択した感圧素子をノイズ除去部160に接続し、脈波測定を行う。
選択部100は、押圧判定部110、特徴値判定部120、偏差判定部130、および順位付け判定部140の各判定手段を備える。なお、図10では、偏差判定部130と順位付け判定部140とをまとめて示している。
押圧判定部110は、感圧素子アレイ12のすべての感圧素子11について瞬時的な押圧をチェックし、全感圧素子11の中から脈波を検出することができる良好な感圧素子と、脈波を検出することができない不良な感圧素子とを判定する。ここで、感圧素子の良/不良は、検出部で検出した検出信号強度が予め定めておいた許容範囲に収まるか否かによって判定することができる。この許容範囲は、良好な感圧素子を用いて予め定めておくことができる。
図10において、押圧判定部110は、感圧素子11の全個数aについて検出信号の値が良好許容範囲内であるか否かの比較処理によって選択、非選択を判定する。なお、図10では、押圧判定によってb個(a>b)を選択した状態を示している。この選択した感圧素子は感圧素子情報記憶部150に記憶しておく。なお、ここで言う検出信号とは、押圧に比例して変化する信号であればよく、例えばアナログ電圧値や、デジタル数値であるとする。以下では押圧の大/小と検出信号の値の大/小は同義であるとする。
次に、特徴値判定部120は、押圧判定部110で選択した感圧素子の中からさらに所定個数の感圧素子を選択する。特徴値判定部120は、押圧判定部110で感圧素子情報記憶部150に登録された感圧素子の押圧を少なくとも脈拍1拍の期間より長い期間監視し、脈波形の特徴値を抽出することによって、良好に脈波を検出している感圧素子を選択し、選択されなかった感圧素子については感圧素子情報記憶部150から除外する。またこのとき選択した感圧素子の脈波形の特徴を感圧素子情報記憶部150に記憶しておく。
図10において、特徴値判定部120は、前記押圧判定部110で選択したb個の感圧素子11の特徴値に基づいて判定する。図10では、特徴値判定によってc個(b>c)を選択した状態を示している。この選択した感圧素子は、特徴値とともに感圧素子情報記憶部150に記憶しておく。
次に、偏差判定部130は、前記した特徴値判定部120で選択した感圧素子の脈波形の特徴値の平均値を算出し、算出した平均値からかけ離れた特徴値を持つ感圧素子を感圧素子情報記憶部150から除外する。さらに、順位付け判定部140は、感圧素子情報記憶部150に情報が残った感圧素子をそれぞれの特徴値に基づいて脈波検出状態が良好な順に順位付けを行い、上位の順位から所定個数の感圧素子を脈波測定に採用し、ノイズ除去部160と接続する。
図10において、偏差判定部130は、特徴値判定部120で選択したc個の感圧素子11について統計的な偏りに基づいて判定し、偏りがある感圧素子について排除する。また、順位付け判定部140は、偏差判定部130で選択した感圧素子の個数を所定個数に絞り込むために順位付けを行い、上位にある感圧素子から順に所定個数を満たすまで選択する。
図10では、偏差判定によってd個(c>d)を選択し、このd個の感圧素子に順位付けした状態を示している。この選択したd個の感圧素子は、感圧素子を特定する番号と順位を感圧素子情報記憶部150に記憶しておく。
選択したd個の感圧素子11とノイズ除去部160との接続は、感圧素子情報記憶部150に記憶された感圧素子を特定する番号と順位とに基づいて、上位に順位付けされた感圧素子から順に行い、所定個数のノイズ除去回路と接続することで終了する。なお、偏差判定によって選択される感圧素子の個数dは、必ずしも所定個数のノイズ除去回路と同数となる訳ではなく、所定個数を越える場合あるいは少ない場合もある。選択された感圧素子の個数が所定個数を越える場合には、順位順にノイズ除去回路と接続し、所定個数より下位に順位付けされた感圧素子は接続されずに残る。一方、選択された感圧素子の個数が所定個数よりも少ない場合には、脈波測定に要するデータ数が不足する場合があるため、脈波測定装置の装着状態を再確認して、選択操作を繰り返してもよい。
本発明の脈波測定装置による複数の選択動作を、図11のフローチャートにおいて説明する。はじめに、表示部によって使用者に対して安静にするように指示/報知し(S1)、使用者の安静状態において、測定対象に感圧素子アレイ12を脈波測定に好適と思われる位置および押圧状態で取り付け、感圧素子アレイ12のすべての感圧素子11について瞬時的な検出信号をもとに押圧判定し、主に接触状態や感圧素子自体の欠陥等に基づく感圧素子の良/不良を判定し、良好感圧素子を選択し、感圧素子情報記憶部に登録する(S2)。
押圧判定によって良好感圧素子の選択が完了した後(S3:Yes)、特徴値判定を行う。特徴値判定では、感圧素子情報記憶部150に登録された感圧素子について、少なくとも脈拍1拍の期間より長い期間の押圧変化を監視し、脈波形の特徴値を抽出することによって、良好に脈波を検出している感圧素子を選択し、選択されなかった感圧素子については感圧素子情報記憶部150から除外する(S4)。
特徴値判定によって良好感圧素子の選択が完了した後(S5:Yes)、偏差判定および順位付け判定を行う。偏差判定では、特徴値判定で選択した感圧素子の脈波形の特徴値の平均値を算出し、算出した平均値からかけ離れた特徴値を持つ感圧素子を感圧素子情報記憶部150から除外し、さらに、順位付け判定では、偏差判定で残った感圧素子の特徴値に基づいて脈波検出状態が良好な順に順位付けする(S6)。そして、上位の順位から所定個数の感圧素子をノイズ除去部160と接続する(S7:Yes)。
前記判定が不調であった場合(S3:No、S5:No)、あるいは、S6の偏差判定および順位付け判定で所定個数の感圧素子が残らなかった場合(S7:No)には、脈波測定装置の装着状態を改善するために、表示部等によって装着状態の改善を指示/報知し(S8)、リトライカウンタに“1”を加算し(S9)、前記した各工程を再度実行する(S10:No)。
なお、リトライカウンタの計数値が所定の上限回数を超えた場合には(S10:Yes)、感圧素子の選択が失敗したことを表示部に表示し、測定を終了する(S11)。
次に、本発明の脈波測定装置における押圧判定について、図12〜図18を用いて詳細に説明する。
[押圧判定のフローチャート:図12]
図12は押圧判定の動作を説明するためのフローチャートである。押圧判定は、感圧素子アレイ中の全感圧素子から測定対象である身体の皮膚と良好な接触状態にある感圧素子を選び出し、十分な検出信号強度が得られない感圧素子を排除する工程である。
はじめに、使用者の安静状態において、感圧素子アレイを測定対象に脈波測定に好適と思われる位置および押圧状態で取り付け、全感圧素子の瞬時的な押圧を、検出信号として検出し、この検出信号の値を少なくとも上限値か下限値のいずれか一方のしきい値と比較し(S11)、測定対象との密着性が良好と判定される押圧範囲にある感圧素子を選択し(S12)、選択した感圧素子を感圧素子情報記憶部に記憶する(S13)。
このとき、感圧素子アレイが備える全感圧素子の瞬時的な押圧のチェックは、各感圧素子を走査することで検出信号を取得することができる。
[感圧素子の走査順を説明する図:図13]
図13は、感圧素子の走査順の一例を説明するための図である。なお、ここでは、説明を簡易化するために感圧素子アレイが備える全感圧素子の個数が25個の場合について示し、1〜25の番号を付している。図13では、感圧素子の番号を列方向(図中の縦方向)に付すとともに、行方向(図中の横方向)に順にずらしながら付している。記号Sはスタートを示し、記号Eはエンド(終わり)を示している。走査は、この感圧素子に付した番号順に行うことができる。なお、この番号および走査順は一例であって、この例に限られるものではなく、任意に設定することができる。
[押圧判定の信号処理を説明する図:図14]
図14は、検出信号に基づいて押圧判定を行う際の信号処理を説明するための図であり、横軸は時間を示し、縦軸は検出信号の値で取得される押圧強度を示している。
押圧判定では、各感圧素子と測定対象との接触状態を判定し、例えば接触不良の場合には、検出信号の値が非常に小さく検出され、また、例えば測定対象の骨の突出部分上に接触している場合には、非常に大きな検出信号の値が検出される。また、感圧素子に欠陥が生じたような場合には、非常に大きな検出信号の値になったり、非常に小さな検出信号の値になったりする。このような状況の感圧素子を脈波測定に採用することは信頼性の高い脈波測定を行なう上では好ましくない。そこで、良好な押圧状態に対応する検出信号の値の範囲を予め求め、走査によって得られた各感圧素子の検出信号の値が良好な押圧状態に対応する範囲内にあるかを信号比較によって判定する。以下では良好な押圧状態に対応する検出信号の値の範囲を適正押圧範囲とする。
図14では、センサ1〜5の場合について示し、センサ1とセンサ4,5は適正押圧範囲外にあり、センサ2,3は適正押圧範囲内にある。押圧判定では、適正押圧範囲内にあるセンサ2,3を選択し、センサ1,4,5は排除する。
なお、簡易的なノイズ対策のために、押圧の瞬時値は1つのセンサにつき所定の周期(例えば30msec)で複数回(例えば2回)サンプリングして平均値を採用することが好ましい。図14において、所定時間間隔(例えば30msec間隔)の各押圧サンプリング・ポイントP1,P2,…において、感圧素子1〜25のセンサを走査して全ての感圧素子の検出信号を取得し、この検出信号の平均値を算出して検出値とする。
この押圧判定では、脈波形の監視を行なわず瞬時的に押圧のチェックを行うのでハイスペックな演算処理や記憶手段を必要とせずに、高速に全感圧素子から良好な感圧素子のセンサを選択することができる。
また、この押圧判定では、種々の形態を用いて行うことができる。
1つの形態では、感圧素子アレイの全ての感圧素子について押圧の瞬時値をチェックすることなく、体表面との密着性が良好な押圧範囲にある感圧素子が所定個数見つかった時点で、押圧による走査を完了としても良い。
[感圧素子の走査を説明する図:図15]
図15は、感圧素子の走査を途中で終了させる場合の例を説明するための図である。図15において、感圧素子に付した番号順に走査し、各感圧素子で得られる信号強度が適正押圧範囲内にあるかを判定して、体表面との密着性や感圧素子の良/不良を判定する。ここで、仮に、全感圧素子の中から5個の良好な感圧素子を選択する場合には、5番目の良好な感圧素子11aが見つかった時点で走査を完了し、以後の走査を行わずに押圧判定を終了する。これによって、高速に処理を完了し、さらには信号処理の負荷を削減することができる。図15において、7,8,9,12,13の番号が付された感圧素子が良好である場合には、1の番号の感圧素子から順に走査し、13の番号が付された感圧素子が良好であると判定した時点で、良好な感圧素子の個数が5個となるため、この時点で走査による良好な感圧素子の選択を終了する。
[感圧素子の他の走査順を説明する図:図16,17]
前記した図13では、感圧素子アレイのマトリックスの端部から走査を開始しているが、感圧素子アレイ上の走査の開始位置は任意の場所に設定してもよく、走査順序も任意の順番としても良い。
図16(a)は感圧素子アレイのマトリックスの中心を開始点とし、中心から外側に向かって走査を行う例であり、図16(b)は感圧素子アレイのマトリックスの外側端を開始点とし、外側から中心に向かって走査を行う例である。また、図16(c)は感圧素子アレイの行単位あるいは列単位で走査するとともに、走査を行う行あるいは列の順を飛び飛びに行う例である。
また、図17は、感圧素子アレイのマトリックス内を任意の間隔で分散させて走査し、良好と判定された感圧素子が見つかった場合には、その感圧素子の周囲にある感圧素子を走査する例である。図17に示す例では、感圧素子アレイのマトリックス内に任意の間隔で感圧素子(番号A〜Iを付している)を設定し、これらの感圧素子A〜Iを任意の順で走査する。つまり、感圧素子アレイに予め分かれ散らばるように分布させた所定個数の感圧素子について、それらを任意の順で走査するのである。
この走査において、例えば、番号Fが付された感圧素子の検出信号の値が良好な範囲と判定された場合には、この番号Fの周囲にある感圧素子(図中の斜線を付した感圧素子)について走査しチェックを行う。また、番号Fの感圧素子の周囲にある全感圧素子をチェックしても良好な感圧状態にある感圧素子の個数が所定個数に満たない場合は、番号A〜Iの感圧素子を番号Fの感圧素子を除いて再度走査し、検出信号の値が良好な感圧素子を検出し、その周囲の感圧素子を走査しチェックを行っても良い。
上記した各走査順から適切なものを選択することで押圧判定の処理速度を速めることができる。
[押圧判定における動作を説明するフローチャート:図18]
また、装着状態が不良である場合には、感圧素子アレイの全感圧素子を走査しても、良好と判定される感圧素子の個数が所定の個数以下である場合がある。このような場合には、装着状態を改善するように指示してもよい。
この動作は、例えば、図18のフローチャートにおいて、感圧素子アレイの全感圧素子を走査して押圧判定し(S21)、この押圧判定で選択された感圧素子の個数が、予め設定した所定の個数(例えば5個)に満たない場合(S22:No)は、判定が失敗したとして装着状態を改善するように表示や音声、発光等の報知手段で使用者に報知する(S23)。
次に、本発明の脈波測定装置における特徴値判定について、図19〜図24を用いて詳細に説明する。
[特徴値判定のフローチャート、説明図:図19〜21]
図19は特徴値判定の動作を説明するためのフローチャートであり、図20,21はその動作を説明するためのデータ図である。
はじめに、押圧判定で選択されたすべての感圧素子について、一般的な脈拍の一拍より十分短い周期(例えば30msec)で押圧値を連続的にサンプリングし、押圧値の極限点を監視する。ここで言う極限点とは、例えば図21(a)に示すP1〜P3を指す。図20(c)には心臓の拍動によって生じる人体の電気的変化を模式的にグラフ化した心電図波形を示す。
一般的に心電図波形は、P〜Uで示される複数の特徴点をもつため、1回の心臓の拍動に対して複数の極限点をもつ。しかし、手首等の動脈付近の部分において感圧素子を用いて皮膚と感圧素子との間での押圧変化として心臓の拍動(脈拍)を検知する場合には、心臓の拍動にともなった血流の変動が、血管、筋肉、骨、脂肪等の体組織の緩衝効果により、感圧素子が検出する押圧変化が、三角波に近い波形として検出されるのである。
このとき、押圧変化の波形の連続した3つの極限点を結ぶ曲線が脈拍1拍分の周期に対応した検出信号の波形となる。なお、一般的に感圧素子が検出する検出信号の波形は図20(a)で示されるような単純な三角波に近い波形と、微小振動等による高周波ノイズが合成された波形である。図20(a)のような高周波ノイズと合成された波形に対して、所定期間の押圧変化を監視することによって極限点を発見することもできるが、簡易的なノイズ対策のために、取得したサンプリングデータの押圧値について、所定回数(例えば平均数10)の移動平均処理を行い、この移動平均後のデータを用いて極限点を監視することが好ましいが、移動平均は必須の処理ではない。
図20(b)は、サンプリングデータから算出した移動平均値を示している。極限点の検出は、移動平均後のデータについて極点を求める一般的なアルゴリズムを適用することができる(S31)。
極限点の監視(S32:No)にはタイムアウト(例えば1秒)を設ける(S37:Yes)。タイムアウトした感圧素子11は脈波の検出状態が不良であるとして、感圧素子情報記憶部150から情報(例えば、感圧素子を特定する番号)を削除し、押圧判定で選択した感圧素子から外す(S38)。また、極限点を3回検出したが、脈波形特徴値が異常と判定(S36:No)されたものについても感圧素子情報記憶部150から情報を削除する(S38)。
サンプリングデータから極限点が検出できた場合には(S32:Yes)、その極限点の押圧値を脈波形特徴値として感圧素子情報記憶部150に記憶する(S33)。
連続する3つの極限点を検出するまでS31〜S33の工程を行い(S34)、連続する3つの極限点の1つめの極限点から2つめの極限点までの期間と、2つめの極限点から3つめの極限点までの期間と、各極限点の押圧値を脈波形特徴値として、感圧素子情報記憶部150に記憶する。図21(a)中において、P1,P2,P3は連続する3つの極限点の例を示している(S33)。
次に、連続する3つの極限点について求めた脈波形特徴値を用いて、感圧素子の判定を行う。ここでは、感圧素子情報記憶部150に記憶した脈波形特徴値から3つの極限点を読み出し、隣り合う極限点間を直線で繋いだものを、脈波特徴スロープとしてモデル化する。この脈波特徴スロープは、脈波を特徴付ける特徴値となる。
図21(a)では、1つめの極限点と2つめの極限点とを繋ぐ直線によって第1の脈波特徴スロープS1が得られ、2つめの極限点と3つめの極限点とを繋ぐ直線によって第2の脈波特徴スロープS2が得られる。
特徴値判定では、これらの脈波形特徴値に対して所定の判定条件と比較し(S35)、判定条件に合致する感圧素子を脈波を良好に検出している感圧素子として選択し(S36:Yes)、判定条件に合致しない感圧素子は脈波の検出状態が不良であるとして(S36:No)、感圧素子状態記憶部150から情報(例えば、感圧素子を特定する番号)を削除する(S38)。
S35の工程で判定に使用する所定の判定項目として、例えば極限点間の周期、極限点間の極限値の高低差、脈波特徴スロープの傾き等を設定することができ、判定条件として、これらの周期、高低差、傾きの判定に用いるしきい値を設定することができる。
図21(b)は、判定の一例を示している。図中においてData1で示すサンプリングデータ例では、S32,S37の工程において、極限値を見つけることなくタイムアウトとなった例である。この感圧素子は、不良感圧素子として感圧素子状態記憶部150から感圧素子番号を削除する。
図中においてData2,Data3で示すサンプリングデータ例では、周期、振幅、傾き等の判定条件を満たさないために不良感圧素子と判定され、感圧素子状態記憶部150から感圧素子番号を削除する。
一方、図中においてData4,Data5で示すサンプリングデータ例では、周期、振幅、傾き等の判定条件を満たしているために良好感圧素子と判定される。
なお、この感圧素子の判定は、感圧素子毎に判定処理を行う他に、複数の感圧素子を同時に並行して監視してもよい。
本発明の特徴値判定では、種々の態様を適用することができる。
第1の形態は、特徴値判定において判定条件を変更自在とし、判定条件に学習機能を持たせることで、個人差に関わらず高精度の判定を行うものである。この形態を実施するために判定条件変更手段を設け、設定する判定条件を自動的に変更可能な構成とする。
判定条件変更手段は、それぞれの感圧素子についてスロープ検出を複数回(例えば2回)繰り返し行い、その際に1回目の判定には一般的な脈波形であれば略選択されるような比較的条件の緩いデフォルト判定条件で判定し、判定に合格して選択された感圧素子の脈波形特徴値の平均値をもとに使用者固有の学習後判定条件を算出して判定条件を変更し、2回目の判定において学習後判定条件を用いて判定を行う。
一般に、個人によって、脈波の振幅や、極限点間の周期の比率は相違するが、自動的に判定条件を学習することにより個人差に関わらず高精度に特徴値判定を実施することができる。
表1は、判定条件のデフォルト値と学習値の一例を示している。学習値は、複数回判定を繰り返すことにより得られた値を使用者固有の判定条件としてデフォルト値に代えて自動設定する。
[脈波特徴スロープの傾き補正を説明する図:図22]
第2の形態は、脈波特徴スロープの算出における極限点の押圧値のばらつきを解消して、スロープの傾きを補正するものであり、これによって、脈拍周期より周期の長い押圧変化等によるノイズを除去する。
脈波特徴スロープの傾きを計算する際、押圧変化において拍脈周期よりも長い周期のノイズが存在すると、このノイズ分によって、前述の1つめの極限点と2つめの極限点とを繋ぐ直線によって得られる第1の脈波特徴スロープS1の傾き、および2つめの極限点と3つめの極限点とを繋ぐ直線によって得られる第2の脈波特徴スロープS2の傾きに誤差が生じる。
図22はこのノイズにより生じる脈波特徴スロープの傾きの誤差と、脈波特徴スロープの傾き補正とを説明するための図である。図22(a)において、破線は脈拍周期より周期の長い押圧変化等によるノイズ分を示している。通常1つめの極限点の押圧値LIM1と3つめの極限点の押圧値LIM3は等しい値であるが、このノイズ分によって、3つの連続する極限点において、例えば1つめの極限点の押圧値LIM1と3つめの極限点の押圧値LIM3との間には(LIM3−LIM1)の誤差が発生する。なお、ここでは、ノイズ分は脈拍周期より長い周期を想定しているため、直線的な変化で現れるものと仮定している。また、図22では登り勾配の押圧変化等によるノイズ分を仮定している。
図22(b)において、登り勾配の押圧変化等によるノイズ分を補正するために、(LIM3−LIM1)の誤差の半分((LIM3−LIM1)/2)を補正値とし、1つめの極限点の押圧値LIM1に補正値を加算し、一方、3つめの極限点の押圧値LIM3から補正値を減算する。
図22(c)は補正後の3つの連続する極限値を示し、1つめの極限点と3つめの極限点との押圧値をそれぞれ補正することによって、極限点1と極限点3との押圧値の差をキャンセルしてノイズ分の影響を除きスロープの傾きを補正する。
[選択する感圧素子数が不足する場合のフローチャート:図23]
第3の形態は、選択する感圧素子数が不足する場合の対処を指示するものであり、これによって脈波測定に必要な感圧素子の個数を確保することができる。
図23のフローチャートにおいて、特徴値を用いた判定を行い(S41)、その判定で選択された感圧素子の個数が所定の個数(例えば3個)以下の場合は(S42:No)、判定が失敗したものとして装着状態を改善するように表示や音声、発光等の報知手段によって使用者に報知する(S43)。
[正位相と逆位相の判定を説明する図:図24]
第4の形態は、脈波形特徴値から検出された脈波形が正位相であるか、あるいは逆位相であるかを判定することができ、これによって、感圧素子と動脈との位置関係の把握や、脈波形の形状把握による脈拍測定の測定精度の向上に役立てることができる。
1つめの極限点と2つめの極限点との間の周期をT1とし、2つめの極限点と3つめの極限点との間の周期をT2としたとき、図24(a)は上に凸の波形形状においてT1<T2を示し、この周期の関係は、脈波形が正位相であることを示している。
一方、図24(b)は上に凸の波形形状においてT2<T1を示し、この周期の関係は、脈波形が逆位相であることを示している。
このように、特徴値判定で選択されたセンサの脈波形特徴値のうち、1つめと2つめの極限点間の周期と2つめと3つめの極限点間の周期との比率から、脈波形が正位相であるか逆位相であるかを判定する。正位相または逆位相の脈波を良好に検出している感圧素子のみを選択して偏差判定および順位付け判定に進んでも良い。
個人によって、正位相、逆位相のどちらか一方の脈波しか安定して検出できない場合があり、脈波形が正位相であるか、あるいは逆位相であるかを判定することにより、脈波形の位相関係を把握し、以後の脈波測定において逆の位相関係が検出された場合には、検出異常と判定するなどに適用して測定の精度向上に寄与させることができる。
また、一般に、正位相の脈波形は動脈上で検出され、逆位相の脈波形は動脈の周囲で検出されため、脈波形の正位相/逆位相に判定から、感圧素子と動脈との位置関係の把握に利用することができる。
次に、本発明の脈波測定装置における偏差判定、順位付け判定について、図25〜図27を用いて詳細に説明する。
[偏差判定、順位付け判定のフローチャート:図25]
図25は偏差判定、順位付け判定の動作を説明するためのフローチャートである。偏差判定は、特徴値判定で選択した感圧素子について統計的な偏りに基づいて判定を行って、偏りがある感圧素子について排除し、ほぼ同様の特徴値を備える感圧素子を選択する。さらに、順位付け判定は、偏差判定で選択した感圧素子の個数を所定個数に絞り込み、順位付けに従って所定個数の感圧素子を選択する。以下、S51〜S55の工程で偏差判定を行い、S56〜S58の工程で順位付け判定を行う。
はじめに偏差判定を行う。偏差判定では、特徴値判定で選択されたすべての感圧素子の脈波形特徴値を用いて第1の代表値を算出する。この第1の代表値は、偏差判定を行うためのしきい値を求めるための値であり、ノイズの影響がなければすべての感圧素子で略同一の値となる値である。第1の代表値は、例えば2つの極限点間周期のうち長い方の値とすることができる(S51)。偏差判定に用いるしきい値は、この第1の代表値の平均値を算出することで求める(S52)。
比較手段によって求めた第1の代表値の平均値と、個々の感圧素子のそれぞれの第1の代表値とを比較する(S53)。平均値から所定の許容誤差以上ずれている感圧素子は、ノイズ分を含むものとして(S54:Yes)、感圧素子情報記憶部150から情報(例えば、感圧素子を特定する番号)を削除する(S55)。
表2は、偏差判定を説明するための一例である。
表2中の(a)は第1の代表値の一例である。ここでは、番号1〜5の感圧素子について、各感圧素子の極限点間周期の中で長い方の値を第1の代表値としている。
また、表2(b)は第1の代表値の平均値を95とし許容誤差を10%としたときの判定結果を示している。この時の有効範囲は85.5〜104.5となる。表2では、番号4の感圧素子の第1の代表値78が有効範囲(85.5〜104.5)を外れるため、除外される。
次に、順位付け判定を行う。順位付け判定では、感圧素子情報記憶手段150に情報が記憶されている感圧素子について、脈波検出の良好さを示す第2の代表値を指標として順位付けを行う。この第2の代表値としては、例えば、特徴値として脈波形の傾きを用い、この傾きが緩い方のスロープの傾きとすることができる(S56,S57)。
表3は、順位付け判定を説明するための一例である。
表3(a)は、偏差判定で選択した番号1〜3,5の感圧素子について、各感圧素子の傾斜が緩い方のスロープの傾きを第2の代表値としている。
また、表3(b)は第2の代表値に基づいて降順に順位付けした結果を示している。これにより、番号1,3,5,2の順で順位付けされる。
順位付けの上位から順に所定の個数の感圧素子を、脈波測定に用いる感圧素子として選択し、ノイズ除去部160と接続する(S58)。全てのノイズ除去部160に対して感圧素子を接続することで完了する(S59)。
本発明の偏差判定、順位付け判定では、種々の態様を適用することができる。
第1の形態は、選択される感圧素子の個数が所定個数に満たない場合に、装着状態の改善を促すものである。
[装着状態の改善を促すフローチャート:図26]
偏差判定、順位付け判定を行い(S61)、この判定で選択された感圧素子の個数が所定の個数(例えば3個)以下の場合は(S62:No)、判定失敗として装着状態を改善するように表示や音声、発光等の報知手段で使用者に報知する(S63)。
第2の形態は、極限点間の周期をもとにして使用者の非運動時の心拍数を算出するものである。
[心拍数の算出を説明する図:図27]
感圧素子情報記憶部150に記憶されている、特徴値判定、偏差判定、順位付け判定で選択された感圧素子の特徴値のうちで、極限点間の周期を元にして使用者の非運動時の心拍数を算出することができる。
図27は心拍数の算出を説明するための図であり、感圧素子11が検出した脈波特徴スロープを図示したものである。図27において、T1は1つめの極限点と2つめの極限点との間の周期を示し、T2は2つめの極限点と3つめの極限点との間の周期を示している。例えば、T1=300msec、T2=700msecの場合には、脈拍周期はT1+T2=1secであり、脈拍は60/1=60bpmと算出することができる。
この算出で得られた脈拍は、表示や音声によって使用者に報知したり、脈波測定装置に記録しておき、使用者に適正な運動時心拍数の算出に使用したり、消費カロリーの計算に使用することができる。
さらに、本発明の脈波測定装置は、感圧素子を再選択する形態を備えることができる。
[感圧素子の再選択を説明するフローチャート、図:図28、29]
本発明の脈波測定装置は、装置が異常を検出したときや運動中断時に、感圧素子の選択を再度行っても良い。
図28は、本発明の脈波測定装置による感圧素子の再選択のフローチャートである。上述した判定処理によって選択した感圧素子を用いて測定を行い(S71,S72)。その測定中に異常あるいは運動を中断した場合には(S73:Yes)、測定を終了して良いかの判定を行い(S74)、測定を再開したい場合にはS71の感圧素子の選択工程に戻って感圧素子を再選択する(S74:No)。そうでない場合には測定を終了する(S74:Yes)。
また、感圧素子の再選択は、前回の選択と同様に押圧判定から繰り返す手順で行う形態の他に、押圧判定を省略する形態としてもよい。
図29は、再選択を選択するための図である。この再選択では、前回の感圧素子の選択で測定に採用した感圧素子を記録しておき、その感圧素子の近傍に位置する感圧素子を所定個数使用し、押圧判定を実施せずに直接特徴値判定を実施しても良い。
図29において、例えば前回の選択において、番号12が付された感圧素子が選択された場合には、再選択においてこの番号12の周囲にある番号6〜8,11,13,16〜18の感圧素子について、押圧判定を省略して特徴値判定から実行する。これによって、再選択を高速化することができる。本発明の脈波測定装置の実施態様において、運動後等の感圧素子アレイ12と測定対象90との接触位置ずれが微小である場合には特に効果的である。
本発明の脈波測定装置は、心拍計や血圧計に適用する他、脈波を用いる身体機能測定装置に適応することができる。
また、本発明の脈波測定装置は、人体の脈波測定に限らず、動物の脈波測定に適用することができる。
本発明に適用する脈波測定装置1の概略構成を説明するための図である。 本発明の脈波測定装置のセンサ部分の概略断面を説明する図である。 本発明の脈波測定装置の各形態と測定対象に取り付ける態様とを説明するための図である。 本発明の脈波測定装置の手首装着状態を説明するための図である。 本発明の脈波測定装置の感圧素子の選択を説明するための図である。 感圧素子アレイの装着した状態を示す図である。 本発明の脈波測定装置による選択動作を説明するための図である。 本発明の脈波測定装置による選択動作を説明するための図である。 本発明の脈波測定装置による感圧素子の選択による判定動作の概略を説明するための図である。 本発明の脈波測定装置による複数の選択動作の概略構成を説明するための概略図である。 本発明の脈波測定装置による複数の選択動作を説明するためのフローチャートである。 本発明の脈波測定装置の押圧判定の動作を説明するためのフローチャートである。 本発明の脈波測定装置の感圧素子の走査順の一例を説明するための図である。 本発明の脈波測定装置の検出信号に基づいて押圧判定を行う際の信号処理を説明するための図である。 本発明の脈波測定装置の感圧素子の走査を途中で終了させる場合の例を説明するための図である。 本発明の脈波測定装置の感圧素子の他の走査順を説明する図である。 本発明の脈波測定装置の感圧素子の他の走査順を説明する図である。 本発明の脈波測定装置の押圧判定における動作を説明するフローチャートである。 本発明の脈波測定装置の特徴値判定の動作を説明するためのフローチャートである。 本発明の脈波測定装置の特徴値判定の動作を説明するためのデータ図である。 本発明の脈波測定装置の特徴値判定の動作を説明するためのデータ図である。 本発明の脈波測定装置の脈波特徴スロープの傾きと傾き補正を説明するための図である。 本発明の脈波測定装置の選択する感圧素子数が不足する場合のフローチャートである。 本発明の脈波測定装置の正位相と逆位相の判定を説明するための図である。 本発明の脈波測定装置の偏差判定、順位付け判定の動作を説明するためのフローチャートである。 本発明の脈波測定装置の装着状態の改善を促すフローチャートである。 本発明の脈波測定装置の心拍数の算出を説明するための図である。 本発明の脈波測定装置による感圧素子の再選択のフローチャートである。 本発明の脈波測定装置の再選択を説明するための図である。 脈波測定装置の感圧素子のセンサとノイズ除去部との関係を説明するための図である。
符号の説明
1 脈波測定装置
2 回路基板
3 表示部
4 枠体
5 係止部
6 取り付け部材
6a 被係止部
10 圧力検出部
11,11a〜11n,11A 感圧素子
12 感圧素子アレイ
20〜23 押圧部
30 圧力伝達部
40 保護部材
50 脈波測定部
50a 信号増幅回路
50b A/D変換回路
50c 狭帯域信号処理回路
50d 波形歪検出回路(スロープ検出回路)
60 心拍計
60a 心拍数計数回路
60b 心拍数報知部
70 血圧計
70a 血圧測定回路
70b 血圧値報知部
90 測定対象
91 動脈
92 手首
93 皮膚
94 掌
95 腕
100 選択部
110 押圧判定部
120 特徴値判定部
130 偏差判定/順位付け判定部
150 感圧素子情報記憶部
160 ノイズ除去部
170 演算部
200 脈波検出部
300 信号処理部
400 報知部
500 入力部
600 記憶部

Claims (22)

  1. 複数の感圧素子を配列してなる感圧素子アレイと、
    前記複数の感圧素子の出力信号に基づいて、前記感圧素子アレイを構成する全感圧素子の中から、当該全感圧素子の個数よりも少ない所定個数の感圧素子を選出し、前記感圧素子アレイを構成する全感圧素子の出力信号から当該選出した感圧素子の出力信号のみを選択して出力する選択部と、
    前記選択部で選択した出力信号を用いて脈波を測定するための信号処理を行う信号処理部とを備え、
    前記選択部は、前記出力信号の、少なくとも脈拍の1拍の期間より長い期間の脈波形から脈波形の特徴値を抽出し、当該特徴値と脈波特徴判定値との比較結果に基づいて、感圧素子を選出する特徴値判定部を備え、
    前記選択部は、全感圧素子の中から段階的に感圧素子を選出する複数の判定部を有し、
    当該判定部は特徴値判定部と順位付け判定部とを含み、
    前記特徴値判定部は、感圧素子の出力信号から脈波形の特徴値を抽出し、
    該脈波形は、少なくとも脈拍の1拍の期間より長い期間とし、
    前記特徴値と脈波特徴判定値との比較結果に基づいて感圧素子を選出し、
    前記順位付け判定部は、前記特徴値判定部で選出した感圧素子について、前記特徴値判定部で抽出した脈波形の特徴値に基づいて順位付けを行い、当該順位付けに基づいて感圧素子を選出することを特徴とする脈波測定装置。
  2. 複数の感圧素子を配列してなる感圧素子アレイと、
    前記複数の感圧素子の出力信号に基づいて、前記感圧素子アレイを構成する全感圧素子の中から、当該全感圧素子の個数よりも少ない所定個数の感圧素子を選出し、前記感圧素子アレイを構成する全感圧素子の出力信号から当該選出した感圧素子の出力信号のみを選択して出力する選択部と、
    前記選択部で選択した出力信号を用いて脈波を測定するための信号処理を行う信号処理部とを備え、
    前記選択部は、前記出力信号の、少なくとも脈拍の1拍の期間より長い期間の脈波形から脈波形の特徴値を抽出し、当該特徴値と脈波特徴判定値との比較結果に基づいて、感圧素子を選出する特徴値判定部を備え、
    前記選択部は、全感圧素子の中から段階的に感圧素子を選出する複数の判定部を有し、
    当該判定部は押圧判定部、特徴値判定部、偏差判定部、および順位付け判定部を含み、
    前記押圧判定部は、前記感圧素子アレイを構成する全感圧素子を瞬時的に押圧することで検出される出力信号と押圧判定値との比較結果に基づいて全感圧素子の中からの感圧素子を選出し、
    前記特徴値判定部は、前記第1の押圧判定部で選出した感圧素子の出力信号から脈波形の特徴値を抽出し、
    該脈波形は、少なくとも脈拍の1拍の期間より長い期間とし、
    前記特徴値と脈波特徴判定値との比較結果に基づいて感圧素子を選出し、
    前記偏差判定部は、前記特徴値判定部で選出した感圧素子について、前記特徴値判定部で抽出した脈波形の特徴値の平均値を算出し、当該平均値と脈波形の特徴値との差分に基づいて感圧素子を選出し、
    前記順位付け判定部は、前記偏差判定部で選出した感圧素子の脈波形の特徴値に基づいて順位付けを行い、当該順位付けに基づいて感圧素子を選出することを特徴とする脈波測定装置。
  3. 前記選択部は、前記各判定部の判定結果を記憶する感圧素子情報記憶部を有し、
    当該感圧素子情報記憶部は、
    前記押圧判定部で選出した感圧素子を登録し、
    前記特徴値判定部の選出で選外とされた感圧素子を登録した感圧素子から除外し、前記特徴値判定部で抽出した脈波形の特徴値を記憶し、
    前記偏差判定部の選出で選外とされた感圧素子を前記登録感圧素子から除外し、前記順位付け判定部で選出した感圧素子を記憶することを特徴とする、請求項記載の脈波測定装置。
  4. 前記信号処理部はノイズ除去部を有し、前記順位付け判定部の順位付けの上位から順に選出された所定個数の感圧素子をノイズ除去部に接続することを特徴とする、請求項1又は2に記載の脈波測定装置。
  5. 前記押圧判定部は、前記瞬時的押圧時に検出される感圧素子の信号を所定周期でサンプリングして得られる複数のサンプリング値の平均値を感圧素子の出力信号とすることを特徴とする、請求項2又は3に記載の脈波測定装置。
  6. 前記押圧判定部は、全感圧素子の出力信号について順に押圧判定値と比較し、当該比較によって選出した感圧素子の個数が所定個数に達した時点で処理を終了することを特徴とする、請求項2,3,5の何れか1つに記載の脈波測定装置。
  7. 複数の感圧素子を配列してなる感圧素子アレイと、
    前記複数の感圧素子の出力信号に基づいて、前記感圧素子アレイを構成する全感圧素子の中から、当該全感圧素子の個数よりも少ない所定個数の感圧素子を選出し、前記感圧素子アレイを構成する全感圧素子の出力信号から当該選出した感圧素子の出力信号のみを選択して出力する選択部と、
    前記選択部で選択した出力信号を用いて脈波を測定するための信号処理を行う信号処理部とを備え、
    前記選択部は、全感圧素子の中から段階的に感圧素子を選出する複数の判定部を有し、
    当該判定部は、押圧判定部と特徴値判定部とを含み、
    前記押圧判定部は、前記感圧素子アレイを構成する全感圧素子を脈拍の1拍の期間よりも十分に短い期間で瞬時的に押圧して検出される全感圧素子の出力信号について順に押圧判定値と比較し、当該比較によって選出した感圧素子の個数が所定個数に達した時点で処理を終了し、
    前記特徴値判定部は、前記押圧判定部で選出した感圧素子の出力信号の、少なくとも脈拍の1拍の期間より長い期間の脈波形から脈波形の特徴値を抽出し、当該特徴値と脈波特徴判定値との比較結果に基づいて、感圧素子を選出することを特徴とする脈波測定装置。
  8. 前記押圧判定部は、感圧素子アレイに予め分散させて分布させて設定した所定個数の感圧素子について出力信号を押圧判定値と比較し、当該比較で選出した感圧素子の周囲に分布する感圧素子について出力信号を押圧判定値と比較することを特徴とする、請求項6又は7に記載の脈波測定装置。
  9. 前記押圧判定部は、面状に配列された感圧素子アレイの外周から内周に向かって、又は内周から外周に向かって渦巻き状に出力信号を選び、順に押圧判定値と比較することを特徴とする請求項6又は7に記載の脈波測定装置。
  10. 前記押圧判定部は、格子状に配列された感圧素子アレイの行又は列について、任意の行順または列順で、列方向又は行方向に順に押圧判定値と比較することを特徴とする請求項6又は7に記載の脈波測定装置。
  11. 前記特徴値判定部が抽出する脈波形の特徴値は、脈波形の連続する3つの極限点を抽出し、第1の極限点と第2の極限点間および第2の極限点と第3の極限点間とにおける、周期、波高値の高低差、スロープの傾きのうち、少なくとも何れか1つであることを特徴とする、請求項1からの何れか1つに記載の脈波測定装置。
  12. 前記特徴値判定部は、第1の極限点の値と第3の極限点の値との平均値を用いて、第1の極限点の値と第3の極限点の値との差分を補償することを特徴とする、請求項11に記載の脈波測定装置。
  13. 前記特徴値判定部は、前記3つの極限点の有無、前記3つの極限点から得られる周期、波高値の高低差、スロープの傾きのうち、少なくとも何れか1つを判定条件とすることを特徴とする、請求項11又は12に記載の脈波測定装置。
  14. 前記特徴値判定部は、判定結果の履歴に基づいて前記判定条件の値を変更することを特徴とする、請求項11から13の何れか1つに記載の脈波測定装置。
  15. 前記特徴値判定部は、第1の極限点と第2の極限点間と、第2の極限点と第3の極限点間と、の周期比率を判定条件として、正位相の脈波形であるか逆位相の脈波形であるかを判定することを特徴とする、請求項11から14の何れか1つに記載の脈波測定装置。
  16. 前記特徴値判定部は、選出した感圧素子の個数が予め設定した個数以下の場合には報知することを特徴とする、請求項1からの何れか1つに記載の脈波測定装置。
  17. 前記選択部は、選択した感圧素子を記憶する記憶部を有し、
    前記特徴値判定部は、感圧素子の再選択時に、前記感圧素子アレイを構成する全感圧素子の中から、記憶部に記憶される感圧素子の近傍に存在する感圧素子について選出を行うことを特徴とする、請求項1から16の何れか1つに記載の脈波測定装置。
  18. 前記偏差判定部は、第1の極限点と第2の極限点間周期と、第2の極限点と第3の極限点間周期とのうちの少なくとも何れか1つの周期の平均値を算出し、当該平均値から許容範囲内の出力信号を出力する感圧素子を選出することを特徴とする、請求項に記載の脈波測定装置。
  19. 前記順位付け判定部は、脈波形の連続する3つの極限点を抽出し、第1の極限点と第2の極限点間周期、第2の極限点と第3の極限点間周期、各極限点間の波高値の高低差、各極限点間のスロープの傾きのうち、少なくとも何れか1つに基づいて順位付けを行うことを特徴とする、請求項1又は2に記載の脈波測定装置。
  20. 前記偏差判定部は、選出した感圧素子の個数が予め設定した個数以下の場合には報知することを特徴とする、請求項に記載の脈波測定装置。
  21. 前記偏差判定部は、選出した感圧素子の出力信号の極限点間の周期から脈拍数を算出することを特徴とする、請求項18に記載の脈波測定装置。
  22. 前記特徴値判定部は、選出した感圧素子の出力信号の極限点間の周期から脈拍数を算出することを特徴とする、請求項11から15の何れか1つに記載の脈波測定装置。
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