JP5374878B2 - ハーネス配線経路算出方法、ハーネス配線経路設計支援装置及びプログラム - Google Patents
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図1はハーネス配線経路設計支援装置ブロック構成を示す図である。ハーネス設計支援システムと連携して配線経路の算出を行う。
1)3次元モデル入力部11
ハーネス設計支援システム2で生成した設計対象の3次元モデルのデータを入力するインタフェースである。3次元モデル、その表現例は図3で説明する。
2)ハーネス条件入力部12
ハーネス設計支援システム2で生成した3次元モデル上で接続を行うハーネスの条件を入力するインタフェースである。ハーネス条件、その表現例は図4で説明する。
3)配線経路探索空間条件入力部13
ハーネスと部品間の干渉やハーネスの長さ、曲げ具合、余長、熱源やノイズ源との距離の制限から経路空間上での経路の禁止情報を入力するインタフェースである。配線経路探索空間については図5で説明する。
4)経路探索部14
3次元モデルで表現された配線経路探索空間でのハーネス配線経路をハーネス条件、経路探索空間条件を基にハーネス配線経路を算出する。算出方法、手順については図7、図8、図9で説明する。
5)経路データ出力部15
経路探索部14で算出した配線経路データを出力するインタフェースである。
6)メモリ16
経路探索部14で経路算出に必要なデータを保持する。データとしては入力した3次元モデルデータ、ハーネス条件、配線経路探索空間条件の情報がある。
1)配線経路探索空間設定
ハーネス設計配線を行う設計対象を包含した直方体で表現し、その内部を配線経路探索空間とする。空間をSmin(Xmin,Ymin,Zmin)とSmax(Xmax,Ymax,Zmax)で指定する。Sminは設定したXYZの基本座標系の原点に一番近い位置であり、Smaxは一番遠い位置である。
2)配線経路探索空間表現
SminとSmaxで規定した配線経路探索空間を分割して空間内に格子点を設定して、配線経路探索空間を以下で表現する。
ア.空間分割数:各軸を各々Nx、Ny、Nzに分割する。
イ.空間格子点の数:上記より格子点数はNx×Ny×Nzとなる。
ウ.各格子点の位置:座標(Px,Py,Pz)で表わす。
エ.各格子点の表現:Pijk(i=0〜Nx,j=0〜Ny,k=0〜Nz)で表わす。
ア.直方体の例:頂点位置をVi0(Xi0,Yi0,Zi0)、Vi1(Xi1,Yi1,Zi1)、Vi2(Xi2,Yi2,Zi2) (i=1〜L)で表す。直方体の場合の三角形の数は12となる。
イ.円柱の例:頂点位置をVi0(Xi0,Yi0,Zi0)、Vi1(Xi1,Yi1,Zi1)、Vi2(Xi2,Yi2,Zi2)(i=1〜L)で表す。
配線経路探索空間内の経路算出に必要なデータとして以下の3つの条件を設定し入力する。
ア.ハーネスの両端の位置:始点Hs(Xs,Ys,Zs)、終点He(Xe,Ye,Ze)
イ.ハーネスの最小曲率半径:HSR
ウ.ハーネスの断面形状外接円半径:CR
なお、ハーネスの断面が円の場合はハーネスの断面半径をCRに設定する。
1)禁止領域の基本設定
部品内部の格子点を黒の円で、部品外部の格子点を白の円で示す。格子点が部品の内側か
外側の何れに存在するかにより経路設定の可否を判断する。図6では実線で示す領域の内側が経路線禁止領域であり、外側が経路許容領域である。部品の内外判定は、計算幾何学で内外判定法として幾つかの方法が提案されているので、その手法で行う。説明は省略する。
2)禁止領域の拡張設定
ハーネス断面形状外接円半径の考慮、あるいは熱を発生する部品等の隣接領域はハーネスの配線経路を該当の部品より所定距離離して設定する場合が発生する。この場合、1)で述べた禁止領域を所定距離拡張した領域を設定する。図の点線で示す領域が拡張した禁止領域を示している。この拡張方法は、画像処理における領域膨張手法を適用できる。説明は省略する。
ア.Qjkに対し、格子点Qjkの隣接格子点の中から経路許容領域(部品外部)の格子点を経路格子点候補として選択する。
イ.選択した経路格子点候補の内、現在の格子点Qjkから見て終点の方向に最も近い格子点を配線経路格子点Qjk+1として選定する。
1)経路格子点候補列の抽出
選択済み経路格子点をQk0とし、Qk0を始点に順次、図7で示した探索の方法でM個の経路格子点候補Qj(j=(k0+1)〜(k0+M))を抽出する。
2)経路格子点(Qk0)とM個の格子点より曲率半径RXを算出する。RXの算出は例えば、これらの対象となる格子点を含む直方体を作り、その長い方の辺の長さを曲率半径RXとする。
3)算出曲率半径RXとハーネス最小曲率半径HSRを比較し、RX>HSRの場合抽出したM個の経路格子点候補を経路格子点とする。算出曲率半径RXが最小曲率半径HSRより小さいことは、ハーネスの曲がりが厳しいことを意味している。例えば、算出曲率半径が「0」である経路を選択した場合はハーネスが折れてしまうことになる。
4)RX<HSRの場合、最後尾の経路格子点候補QK0+Mを経路格子点として除外し、QjK0+(M−1)の隣接格子点として、QK0+Mを除いた隣接格子点を選択して2)、3)を行う。
5)QjK0+(M−1)の隣接点全てが条件を満たさない場合は、QjK0+(M−1)を経路格子点候補から除外し、さらに1つ前の経路格子点候補の隣接格子点を探索する。(すなわち、1)、2)、3)の手順を行う。)
ここでは図7の経路格子点探索のベースに経路格子点の選択を選択済み経路格子点の最後尾の経路格子点とそれに続くM個の格子点で行う方法を述べた。個数Mは例えば、M=2×HSR/Dで算出する。ここで、Dは経路探索空間の最小格子間隔である。算出値が整数でない場合は切り上げて整数とする。この(M+1)個の格子点より曲率の半径の算出は2)で説明した方法等により算出できる。
S1:経路空間データを生成し、下記データを設定する。
ア.始点:Hs、終点:He
イ.ハーネス最小曲率半径:HSR
ウ.ハーネス断面形状外接円半径:CR
エ.最小格子間隔:D
オ.部品領域、熱対策等による経路禁止領域
S2:選択した格子点間の曲率半径を算出する格子点数M=2×HSR/Dで算出する。整数でない場合は切り上げて整数とする。
S3:始点、終点に最も近い格子点を各々抽出し各々Hsn、Hen、ハーネス経路格子点列の始点Qjを(jの初期値j=0)Hsnとする。なお、始点Hs、終点Heが格子点に一致する場合はHsn=Hs、Hen=Heとなる。
S4:i=1、j=j+1
S5:以下の格子点を除いた格子点を経路格子点候補として抽出する。
ア.禁止領域の格子点
イ.算出した曲率半径RXが最小曲率半径HSRより小さくなるため経路格子点候補から除外した格子点(S10の判定結果)
S6:抽出した経路格子点候補から経路格子点候補Qjとして、「現在の経路格子点Q(j−1)から隣接格子点への方向と経路終点Hen方向への角度が最小となる隣接格子点」を選択とする。(図7、8参照)
S7:i=i+1、j=j+1
S8:i≦Mか否か確認し、iがMを超えている場合はS9に進み、そうでないなら、S5に戻る。
S9:選択済み経路格子点Q(j−(M+1))と経路格子点候補Qk(k=(j−M)〜(j−1))を使い曲率半径RXを算出する。(図8参照)
S10:算出曲率半径RXが最小曲率半径HSRより大きいか確認し、大きい場合はS12に進み、そうでない場合はS11に進む。
S11:Qjを経路格子点候補から外す。また、j=j−1、i=i−1とする。
S12:選択した格子点候補Qk(k=(j−M)〜(j−1))を経路格子点Qk(k=(j−M)〜(j−1))として選択する。(図8)なお、選択した経路格子点のQjは現在の経路格子点の中で経路終点Henに最も近い格子点となる。
S13:Q(j−1)は経路終点Henか確認し、経路終点の場合は終了し、そうでない場合は次の経路格子点選択のため、S14を経てS4に戻る。
S14:i=0、j=j−1
なお、図9の手順では経路格子点候補の抽出と選択を図8の手順で示したが、最初の(M+1)個の格子点を格子始点及び図8の手順で選択し、それ以降は図7で示した探索の基本の方法で1点毎に順次選択する方法も考えられる。
(付記1)
装置の3次元モデルとハーネス条件及びハーネス配線経路探索空間条件の情報を基にハーネス配線経路を算出するハーネス配線経路算出方法であって、
前記3次元モデルよりハーネスの配線経路を探索する配線経路探索空間を設定し、
前記配線経路探索空間を分割して複数の格子点を算出し、
前記ハーネス配線経路探索空間条件より前記ハーネス配線経路の各々始点及び終点を設定し、
前記ハーネス配線経路探索空間条件より前記配線経路点として設定不可の配線経路禁止領域を設定し、
前記ハーネス条件より最小曲率半径を算出し、
前記始点を起点に前記始点から前記終点までを結ぶ配線経路格子点として、前記配線経路禁止領域以外の前記複数格子点の中から前記終点への方向に一番近い格子点を所定数順次抽出し、
前記抽出した所定数の格子点より曲率半径を算出し、
前記算出曲率半径の大きさが前記ハーネス最小曲率半径より大きい場合、前記抽出した格子点を配線経路格子点として選択することを特徴とするハーネス配線経路算出方法。
(付記2)
付記1記載の配線経路禁止領域の設定はハーネスの断面形状半径より前記配線経路探索空間の部品と干渉しない領域を配線経路禁止領域として設定することを特徴とする付記1記載のハーネス配線経路算出方法。
(付記3)
付記1記載の配線経路禁止領域の設定は前記配線経路空間部品の占有領域及び前記部品毎に指定する所定距離離して前記配線経路禁止領域を設定することを特徴とする付記1記載のハーネス配線経路算出方法。
(付記4)
装置の3次元モデルとハーネス条件及びハーネス配線経路探索空間条件の情報を基にハーネス配線経路を算出するハーネス配線経路設計支援装置であって、
前記3次元モデルを入力する3次元モデル入力部と、
前記ハーネス条件を入力するハーネス条件入力部と、
前記ハーネス配線経路探索空間条件を入力するハーネス配線経路探索空間条件入力部と、
前記3次元モデルと前記ハーネス条件と前記ハーネス配線経路探索空間条件の情報より、ハーネス配線経路を探索し決定する経路探索部とで構成し、
前記経路探索部は、
前記配線経路探索空間を分割して複数の格子点を算出する手段と、
前記ハーネス配線経路空間条件より前記ハーネス配線経路の各々始点及び終点を設定する手段と、
前記ハーネス配線経路探索空間条件より前記ハーネス配線経路点として設定不可の配線経路禁止領域を設定する手段と、
前記ハーネス条件より最小曲率半径を算出する手段と、
前記始点を起点に前記始点から前記終点までを結ぶ配線経路格子点として、前記配線経路禁止領域以外の前記複数格子点の中から前記終点への方向に一番近い格子点を所定数順次抽出する手段と、
前記抽出した所定数の格子点より曲率半径を算出する手段と、
前記算出曲率半径の大きさが前記ハーネス最小曲率半径より大きい場合、前記抽出した格子点を配線経路格子点として選択する手段と、
で構成することを特徴とするハーネス配線経路設計支援装置。
(付記5)
装置の3次元モデルとハーネス条件及びハーネス配線経路探索空間条件の情報を基にハーネス配線経路を算出するハーネス配線経路設計支援装置に備えたコンピュータのプログラムによりハーネス配線経路の算出を実行させるハーネス配線経路算出プログラムであって、
前記ハーネス配線経路算出プログラムは、
前記配線経路探索空間を分割して複数の格子点を算出させる手順と、
前記ハーネス配線経路空間条件より前記ハーネス配線経路の各々始点及び終点を設定させる手順と、
前記ハーネス配線経路探索空間条件より前記ハーネス配線経路点として設定不可の配線経路禁止領域を設定させる手順と、
前記ハーネス条件より最小曲率半径を算出する手順と、
前記始点を起点に前記始点から前記終点までを結ぶ配線経路格子点として、前記配線経路禁止領域以外の前記複数格子点の中から前記終点への方向に一番近い格子点を所定数順次抽出させる手順と、
前記抽出した所定数の格子点より曲率半径を算出させる手順と、
前記算出曲率半径の大きさが前記ハーネス最小曲率半径より大きい場合、前記抽出した格子点を配線経路格子点として選択させる手順と、
を実現させることを特徴とするハーネス配線経路算出プログラム。
(付記6)
付記1記載の所定数抽出格子点から算出する算出曲率半径が前記最小曲率半径より小さい場合は、前記抽出した所定数の格子点を順次1個毎格子点から外し、
前記外した格子点の次に前記終点方向に近い格子点を配線経路格子点として順次選択することを特徴とする付記1記載のハーネス配線経路算出方法。
(付記7)
付記2記載の前記3次元モデル上の部品と干渉しない領域は、前記ハーネス断面形状半径の大きさだけ前記部品及び配線経路禁止領域を膨らませて設定することを特徴とする付記2記載のハーネス配線経路算出方法。
2 ハーネス設計支援システム
11 3次元モデル入力部
12 ハーネス条件入力部
13 配線経路探索空間の条件入力部
14 経路探索部
15 配線経路データ出力部
16 メモリ
17 部品a
18 部品b
Claims (5)
- 装置の3次元モデルとハーネス条件及びハーネス配線経路探索空間条件の情報を基にハーネス配線経路を算出するハーネス配線経路算出方法であって、
前記3次元モデルよりハーネスの配線経路を探索する配線経路探索空間を設定し、
前記配線経路探索空間を分割して複数の格子点を算出し、
前記ハーネス配線経路探索空間条件より前記ハーネス配線経路の各々始点及び終点を設定し、
前記ハーネス配線経路探索空間条件よりハーネス配線経路点として設定不可の配線経路禁止領域を設定し、
前記ハーネス条件より最小曲率半径を算出し、
前記始点を起点に前記始点から前記終点までを結ぶ配線経路格子点として、前記配線経路禁止領域以外の前記複数格子点の中から前記終点への方向に一番近い格子点を所定数順
次抽出し、
前記抽出した所定数の格子点より曲率半径を算出し、
算出した前記曲率半径の大きさが前記最小曲率半径より大きい場合、前記抽出した格子点を配線経路格子点として選択し、
算出した前記曲率半径の大きさが前記最小曲率半径より小さい場合は、前記抽出した所定数の格子点を順次1個毎格子点から外し、前記外した格子点の次に前記終点方向に近い格子点を配線経路格子点として順次選択することを特徴とするハーネス配線経路算出方法。 - 請求項1記載の配線経路禁止領域の設定はハーネスの断面形状半径より前記配線経路探索空間の部品と干渉しない領域を配線経路禁止領域として設定することを特徴とする請求
項1記載のハーネス配線経路算出方法。 - 請求項1記載の配線経路禁止領域の設定は前記配線経路空間部品の占有領域及び前記部品毎に指定する所定距離離して前記配線経路禁止領域を設定することを特徴とする請求項
1記載のハーネス配線経路算出方法。 - 装置の3次元モデルとハーネス条件及びハーネス配線経路探索空間条件の情報を基にハーネス配線経路を算出するハーネス配線経路設計支援装置であって、
前記3次元モデルを入力する3次元モデル入力部と、
前記ハーネス条件を入力するハーネス条件入力部と、
前記ハーネス配線経路探索空間条件を入力するハーネス配線経路探索空間条件入力部と、
前記3次元モデルと前記ハーネス条件と前記ハーネス配線経路探索空間条件の情報より、ハーネス配線経路を探索し決定する経路探索部とで構成し、
前記経路探索部は、
前記配線経路探索空間を分割して複数の格子点を算出する手段と、
前記ハーネス配線経路探索空間条件よりハーネス配線経路の各々始点及び終点を設定する手段と、
前記ハーネス配線経路探索空間条件より前記ハーネス配線経路点として設定不可の配線経路禁止領域を設定する手段と、
前記ハーネス条件より最小曲率半径を算出する手段と、
前記始点を起点に前記始点から前記終点までを結ぶ配線経路格子点として、前記配線経路禁止領域以外の前記複数格子点の中から前記終点への方向に一番近い格子点を所定数順
次抽出する手段と、
前記抽出した所定数の格子点より曲率半径を算出する手段と、
算出した前記曲率半径の大きさが前記最小曲率半径より大きい場合、前記抽出した格子点を配線経路格子点として選択する手段と、
算出した前記曲率半径の大きさが前記最小曲率半径より小さい場合は、前記抽出した所定数の格子点を順次1個毎格子点から外し、前記外した格子点の次に前記終点方向に
近い格子点を配線経路格子点として順次選択する手段と、
で構成することを特徴とするハーネス配線経路設計支援装置。 - 装置の3次元モデルとハーネス条件及びハーネス配線経路探索空間条件の情報を基にハーネス配線経路を算出するハーネス配線経路設計支援装置に備えたコンピュータのプログラムによりハーネス配線経路の算出を実行させるハーネス配線経路算出プログラムであって、
前記ハーネス配線経路算出プログラムは、
前記配線経路探索空間を分割して複数の格子点を算出させる手順と、
前記ハーネス配線経路探索空間条件より前記ハーネス配線経路の各々始点及び終点を設定させる手順と、
前記ハーネス配線経路探索空間条件よりハーネス配線経路点として設定不可の配線経路禁止領域を設定させる手順と、
前記ハーネス条件より最小曲率半径を算出する手順と、
前記始点を起点に前記始点から前記終点までを結ぶ配線経路格子点として、前記配線経路禁止領域以外の前記複数格子点の中から前記終点への方向に一番近い格子点を所定数順次抽出させる手順と、
前記抽出した所定数の格子点より曲率半径を算出させる手順と、
算出した前記出曲率半径の大きさが前記最小曲率半径より大きい場合、前記抽出した格子点を配線経路格子点として選択させる手順と、
算出した前記曲率半径の大きさが前記最小曲率半径より小さい場合、前記抽出した所定数の格子点を順次1個毎格子点から外し、前記外した格子点の次に前記終点方向に近い格子点を配線経路格子点として順次選択させる手順と、
を実現させることを特徴とするハーネス配線経路算出プログラム。
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