JP5374257B2 - 配管補修方法 - Google Patents

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Description

本発明は、配管を流れる流体の漏洩を生じさせる欠陥を封止して配管を補修する配管補修方法に関する。
従来から発電プラントや化学プラント等の施設では、流体を配管内に流通させることにより熱や物質を輸送する技術が多用されている。配管には、長期使用に伴って局所的なクラックやピット等の欠陥を生じることがある。欠陥の発生は、配管が流体の圧力変動等により繰返し応力を受けることや、配管が流体に腐食されること等に起因している。欠陥はやがて配管の内壁を貫通するほどに進展し、流体が欠陥を通って漏洩してしまう。
流体の漏洩を止める従来の配管補修方法としては、例えば以下のような方法がある。配管内の流体を抜き取り、欠陥箇所を乾燥させる。そして、欠陥を覆って接着剤を盛りつけた後に、接着剤を硬化させることにより欠陥を塞ぐ。従来の配管補修方法では、配管内の流体を抜き取る際に施設の一部又は全部の運転を停止する必要があり、施設の稼働率が低下してしまう。運転時に施工可能な補修方法の1つとして、特許文献1に開示されている技術が挙げられる。
特許文献1の補修方法では、漏洩箇所(欠陥箇所)を容器状の補修器具で覆っている。補修器具と配管との間には、充填材や水中接着剤が収容されている。補修器具に荷重をかけることにより、充填材や水中接着剤を配管に押圧している。充填材が弾性反発力で欠陥を押し塞ぐことや、水中接着剤が欠陥に埋め込まれて硬化することにより、流体の漏洩を応急的に止めることができる。
ところで、プラント等の施設では定期的にメンテナンスが行われることが多い。欠陥を生じた配管の交換等を定期メンテナンス時に集中的に行えば、施設の稼働率がほとんど低下しない。このような観点で、補修の効果を定期メンテナンス等の配管交換機会まで持続させることが望まれる。補修の効果を持続させるには、補修した部分に追加の補修を行って補修を強固にすることや、補修後に漏洩が再発した場合に再度の補修を行うことが有効である。
特開2003−4195号公報
従来の補修方法にあっては、流体の漏洩を止めることは可能であるが、補修した部分を加工することが容易でなく、追加の補修や再度の補修を行うことが容易でない。
例えば欠陥に接着剤を盛り付ける方法では、補修した部分ごとに硬化後の接着剤の形状や寸法がばらついてしまう。追加の補修や再度の補修を行うには、硬化後の接着剤の凹凸をなくすために、あるいは硬化後の接着剤を所定の寸法や形状に成型するために、複雑な加工が必要になる。
特許文献1の技術において、欠陥箇所に充填材が押圧された部分に追加の補修を行うには、補修器具を取り外す必要がある。補修器具を取り外すと、欠陥箇所から充填材が外れてしまうので、結局のところ最初から補修をやり直すことになる。
水中接着剤を欠陥内に埋め込む方法では、欠陥内の水中接着剤の分布を制御することが難しく、水中接着剤の充填度が相対的に低い部分に流体の漏洩経路(リークパス)が形成されることがある。漏洩経路は、欠陥よりも内径が小さいのでここに水中接着剤を充填することは難しい。漏洩経路を生じている水中接着剤を除去して水中接着剤を再度充填するには、複雑な加工が必要になる。
本発明は、前記事情に鑑み成されたものであって、施設の運転中に流体の漏洩を簡便に止めることができ、しかも補修した部分を加工することが容易である配管補修方法を提供することを目的の1つとする。
本発明では、前記目的を達成するために以下の手段を採用している。
本発明の配管補修方法は、配管を流れる流体の漏洩を生じさせる欠陥を封止する配管補修方法であって、配管の外周面に欠陥を包囲するように枠体を配置する工程と、前記配管の周方向に沿う部分の前記枠体の開口縁部を前記配管に押圧する第1治具を取り付ける工程と、前記配管の軸方向に沿う部分の前記枠体の開口縁部を前記配管に押圧する第2治具を取り付ける工程と、前記第1治具及び前記第2治具が取り付けられた状態で、前記枠体の開口に硬化型の封止剤を充填する工程と、前記封止剤が充填された前記枠体の開口を蓋で塞ぐ工程と、前記蓋で塞ぐ工程の後に前記封止剤を硬化させる工程と、前記封止剤を硬化させる工程の後に前記枠体及び前記蓋を取り外す工程と、を有することを特徴とする。
第1治具及び第2治具を取り付けると枠体が配管に固定されるので、枠体を押圧する人手が不要になる。したがって、配管が狭隘な場所に設置されている場合でも作業性を確保することができ、簡便に配管を補修することができる。
第1治具及び第2治具を取り付けると、配管の周方向及び軸方向における枠体の開口縁部が配管に押圧されるので、開口縁部が配管の外周面から浮き上がることが防止される。したがって、開口内に充填された封止剤が枠体と配管の外周面との隙間に漏れ出すことが防止され、封止に必要な量の封止剤を開口内に留めることができる。
封止剤が充填された枠体の開口を蓋で塞ぐので、蓋と枠体と配管の外周面とに囲まれる空間に、封止剤が欠陥から漏洩する流体の圧力に抗して緻密に充填される。これにより、硬化後の封止剤に隙間を生じることが防止され、硬化後の封止剤が欠陥を隙間なく被覆するので、流体の漏洩を止めることができる。
封止剤の硬化前に開口を蓋で塞いでいるので、硬化後の封止剤の形状や寸法が高精度に制御される。また、枠体及び蓋を取り外すので、硬化後の封止剤を容易に加工することができる。
本発明に係る配管補修方法は、代表的な態様として以下のような態様をとりえる。
前記第2治具は、前記配管の周方向に前記開口を挟む一対の開口縁部の一方に当接する第1当接部と他方に当接する第2当接部とを有しており、該第2治具が前記配管に取り付けられた状態で前記第1当接部と前記第2当接部とが前記配管の外周面に向かう方向に付勢されるとよい。
このようにすれば、第1当接部と第2当接部とが付勢力により枠体を押圧するので、枠体が配管の外周面から浮き上がることが防止される。
前記封止剤を充填する工程では、前記開口の外周から前記欠陥に向かって前記封止剤を塗布するとよい。この場合には、前記封止剤を充填する工程では、前記欠陥から漏洩する流体を吸引しつつ前記封止剤を塗布することが好ましい。
開口の外周から欠陥に向かって封止剤を塗布すれば、欠陥から漏洩する流体が外周側における封止剤に混入することが低減される。欠陥から漏洩する流体を吸引すれば、流体が配管の外周面から除去されるので、漏洩した流体が封止剤に混入することが低減される。
このように外周側における封止剤に流体が混入しなくなるので、外周側における封止剤に流体の混入による隙間を生じることが防止される。したがって、仮に欠陥近傍において隙間を生じたとしても、外周側における封止剤にて流体の漏洩を止めることができる。
前記封止剤を充填する工程では、前記開口に充填された封止剤の前記開口の外周側での硬化度が前記欠陥近傍での硬化度よりも高くなるように、前記封止剤の硬化度を管理するとよい。
このようにすれば、外周側において欠陥近傍よりも封止剤の硬化度が相対的に高くなるので、外周側における封止剤に流体が混入しにくくなる。欠陥近傍における封止剤に流体の混入による隙間を生じた場合でも、この隙間を通り封止剤の外側に向かう流体を外周側における封止剤で止めることができ、流体の漏洩を防止することができる。
前記蓋で塞ぐ工程では、前記蓋における前記欠陥を覆う部分に硬化型の第2の封止剤を配置し、該第2の封止剤を前記欠陥から漏洩する流体と混じり合わない硬化度まで硬化させた後に前記開口を該蓋で塞ぐとよい。
このようにすれば、第2の封止剤が欠陥から漏洩する流体と混じり合わないので、硬化後の第2の封止剤に隙間を生じることが防止され、欠陥を覆う部分において流体の漏洩を防止することができる。
前記第2の封止剤が、前記封止剤と化学的に結合するものであるとよい。
このようにすれば、封止剤と第2の封止剤の間に界面ができにくくなり、界面に隙間を生じることが防止される。
前記封止剤が反応硬化型であるとよい。
このようにすれば、封止剤に溶媒の揮発ガスによる隙間を生じることが防止される。
前記枠体は、該枠体を平板状に展開した状態で前記開口が略矩形であるとよい。
このようにすれば、矩形の一辺に対応する開口縁部を配管の周方向に沿わせるとともに、矩形の他辺に対応する開口縁部を配管の軸方向に沿わせることができる。したがって、一辺に対応する開口縁部を第1治具で押圧するとともに、他辺に対応する開口縁部を第2治具で押圧することができる。よって、外周面の形状に対応させて枠体を押圧することができ、枠体が配管の外周面から浮き上がることが防止される。
前記枠体がシリコーンゴムにより構成されているとよい。
枠体がシリコーンゴムを主体として構成されていれば、枠体を配管の外周面に追従させることが容易になる。また、シリコーンゴムは、通常の接着剤に対して易剥離性を有するので、枠体を除去することが容易になる。
前記蓋で塞ぐ工程では、前記開口を前記蓋で覆った後に、該蓋を前記配管の外周面に向かう方向に押圧する第3治具を取り付けるとよい。
このようにすれば、封止剤が蓋を介して加圧され、封止剤に間隙を生じることが防止される。また、硬化完了前の封止剤が占める空間を高精度に規制することができ、硬化後の封止剤の形状及び寸法を高精度に制御することができる。
前記配管が屈曲部を有しており、前記欠陥が該屈曲部近傍に生じている場合に、前記第3治具としてベルトを用いるとともに、前記配管に対して所定の位置にアンカーを固定した後に前記ベルトを前記アンカーに引っ掛けて該ベルトに張力を発現させ、前記屈曲部における前記蓋を該ベルトにより押圧するとよい。
このようにすれば、アンカーの固定位置によりベルトが蓋を押圧する方向を制御することができ、蓋を配管の屈曲部に沿わせて押圧することが可能になる。
前記配管が屈曲部を有しており、前記欠陥が該屈曲部近傍に生じている場合に、前記枠体の少なくとも開口縁部が前記屈曲部の表面に沿うように該枠体の形状を選択するとよい。この場合には、前記枠体の前記開口と反対側の外周部に切欠が設けられているとよい。
このようにすれば、枠体の少なくとも開口縁部が屈曲部の表面に沿うので、枠体と配管との間に封止剤が漏れ出すことが防止される。また、枠体の開口と反対側の外周部に切欠が設けられていれば、枠体の歪みを切欠により緩和することができ、枠体を屈曲部の表面に沿わせることが容易になる。
本発明にあっては、流体が配管内を流通している状態で欠陥を封止剤で簡便に封止することができ、配管が設置された施設の一部又は全部の運転を停止することなく、配管の機能を正常化することができる。また、欠陥を封止している封止剤が高精度な形状や寸法に形成されているので、硬化後の封止剤を容易に加工することができる。したがって、追加の補修や再度の補修等を容易に行うことができ、長期間にわたって配管を正常に機能させることができる。以上のように、本発明によれば配管が設置された施設を効率よく稼動させることが可能になる。
直管型配管の一例を示す斜視図、側断面図、軸断面図である。 第1実施形態の配管補修方法の工程を示すフローチャートである。 枠体配置工程を示す斜視図、側断面図、軸断面図である。 枠体固定工程を示す斜視図、側断面図、軸断面図である。 封止剤充填工程を示す斜視図、側断面図、軸断面図である。 閉蓋工程を示す斜視図、側断面図、軸断面図である。 枠体除去工程を示す斜視図、側断面図、軸断面図である。 第1実施形態における第2治具の概略構成を示す斜視図である。 第2実施形態の枠体配置工程を示す斜視図である。 屈曲型配管の一例を示す斜視図、側断面図、軸断面図である。 第2実施形態の枠体配置工程を示す斜視図である。 第2実施形態の枠体固定工程を示す斜視図である。 第2実施形態の閉蓋工程を示す斜視図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明する。説明に用いる図面において、特徴的な部分を分かりやすく示すために、図面中の構造の寸法や縮尺を実際の構造に対して異ならせている場合がある。実施形態において同様の構成要素については、同じ符号を付して図示し、その詳細な説明を省略する場合がある。
[第1実施形態]
図1(a)は、欠陥10を生じている配管1を模式的に示す斜視図、図1(b)は、欠陥10と配管1の中心軸とを含んだ側断面A1において欠陥10付近を拡大して示す図、図1(c)は、欠陥10を含み配管1の中心軸に直交する軸断面A2において欠陥10付近を拡大して示す図である。
図1(a)〜(c)に示すように、第1実施形態で対象とする配管1は直管型である。配管1内には、例えば水等の流体Fが流通している。配管1は円筒型であり、軸方向D1と直交する面内における配管1の断面形状が略円環になっている。周方向D2は、この円環の外周に沿う方向である。なお、本発明の配管補修方法は、円筒直管型の配管の他に任意の断面形状の配管、T字型やL字型等の屈曲型の配管にも適用可能である。屈曲型の配管を対象とする配管補修方法については、第2実施形態で説明する。
欠陥10は、配管1の壁面を貫通しており、外周面11に開口を有している。欠陥10は、例えば配管1が流体Fの圧力変動等により繰返し応力を受けて疲労することにより生じたクラック、配管1が流体Fに腐食されることにより生じたピット等である。欠陥10を生じている状態で流体Fが配管1内を流通すると、流体Fの一部が欠陥10を通って配管1の外部に漏洩してしまう。本発明では、漏洩を止めるべく欠陥10を封止して配管を補修する。なお、図1(a)〜(c)では欠陥10を誇張して図示している。欠陥10が微小口径であって、欠陥10から流体Fが噴出しない段階で配管の補修を行うとよい。
図2は、第1実施形態の配管補修方法の工程を示すフローチャート、図3〜図8は、配管補修方法の各工程を示す工程図、図9(a)、(b)は、第2治具の概略構成を示す図である。図3〜図7の各図において、(a)は斜視図、(b)は側断面図、(c)は軸断面図である。以下の説明において、配管1に関する方向については図1を、枠体2の部分名称については図3を、適宜参照されたい。
図2に示すように、第1実施形態の配管補修方法は、枠体配置工程S1、枠体固定工程S2、封止剤充填工程S3、閉蓋工程S4、封止剤硬化工程S5、枠体・蓋除去工程S6を含んでいる。第1実施形態では、概略すると以下のようにして配管1の欠陥10を封止する。枠体配置工程S1、枠体固定工程S2で配管1に枠体を固定し、封止剤充填工程S3で枠体の開口内に硬化型の封止剤を塗布する。そして、閉蓋工程S4で枠体の開口を蓋で塞いだ後に封止剤硬化工程S5で封止剤を硬化させ、次いで枠体・蓋除去工程S6で蓋と枠体を取り外す。以下、各工程について詳しく説明する。
図3に示すように、枠体配置工程S1では、配管1の外周面11に欠陥10を包囲するように枠体2を配置する。枠体2は、例えば軟質樹脂やゴム等のエラストマーからなり、人力等で容易に変形可能なものである。ここでは、シリコーンゴムを主材とする枠体2を採用している。枠体としては、シリコーンゴムに硬化剤等の添加物を添加して、枠体の弾性(ヤング率)、耐食性、耐熱性、耐久性等の特性を調整したものであってもよい。
枠体2は、開口20を有している。開口20の内寸は、外周面11における封止剤の被覆面積に応じて選択される。被覆面積を大きくするほど、配管1と硬化後の封止剤との界面に隙間を生じた場合に、隙間が封止剤の外側まで通じてリークパスになる確率が低くなる。被覆面積を小さくするほど、施工が容易になる。このような観点で、開口20の内寸としては、枠体2を外周面11上に密着させた状態における欠陥10から開口20の端までの距離Lが、10mm以上100mm以下となるように選択するとよく、特に距離Lが25mm以上50mm以下となるように選択するとさらによい。開口20の形状としては、枠体2を平板に展開した状態で多角形や楕円形、これらを組み合わせた形状のいずれでもよいが、ここでは略矩形を採用している。
枠体2を配置するには、開口20内に欠陥10が位置するように枠体2を配管1に対して位置合わせするとともに、枠体2が外周面11に追従するように枠体2を変形させて外周面11に密着させる。開口20が略矩形であるので、開口20の一辺を軸方向D1に沿わせると、開口20の他辺が周方向D2に沿う。外周面11上に配置された枠体2において、開口20の近傍に位置する部分(開口縁部21)は、周方向D2に延在する第1延在部21aと、軸方向D1に延在する第2延在部21bとを含んでいる。開口縁部21は、例えば枠体2の外周と、開口20の外周との中心線よりも開口20側に位置する部分である。
図4に示すように、枠体固定工程S2では、配管1に第1治具3a、3b、第2治具4を取り付けて枠体2を配管1に押圧して固定する。
第1治具3a、3bは、周方向D2に沿う部分の枠体2の開口縁部21を押圧する治具であり、例えばベルト等からなる。第1治具3aを取り付けるには、まず、開口20を軸方向D1に挟む一対の第1延在部21aの一方に対し、第1延在部21a上と外周面11上とにわたって、配管1の周方向D2に第1治具3aを巻回す。そして、第1治具3aを閉環して締め上げ、結束すること(以下、締結と称することがある)により第1治具3aを取り付ける。また、第1延在部21aの他方に対して、第1治具3aと同様にして第1治具3bを取り付ける。これにより、開口20を軸方向D1に挟む両側の開口縁部21が、周方向D2における略全幅にわたって配管1に押圧される。
第2治具4は、軸方向D1に沿う部分の枠体2の開口縁部21を押圧する治具である。図9(a)に示すように第2治具4は、第1当接部41、第2当接部42、支持部43を含んでいる。第1当接部41、第2当接部42は、それぞれ、開口20を挟む一対の第2延在部21bの一方、他方と当接する部分である。支持部43は、第1当接部41、第2当接部42を支持するともに付勢する部分である。
本実施形態の第2治具4は、金属等の弾性材料からなる針金を曲げ加工して形成したものであり、第1当接部41と第2当接部42支持部43とが一体になっている。支持部43の形状は、概略すると、一部が開環した円環状になっている。第1当接部41は、支持部43の円環の一端と連続しており、第2当接部42は他端と連続している。第1当接部41、第2当接部42は、支持部43の円環が延在する面方向の法線方向に延びている。第1当接部41、第2当接部42の長さは、軸方向D1に対応する開口20の寸法と同程度になっている。
第2治具4を取り付けるには、支持部43の内径が広がる方向に第1当接部41、第2当接部42を互いに離間させる。そして、支持部43が開口20を覆わないように支持部43が開環した部分と開口20とを対応させ、配管1を囲んで第2治具4を配置する。そして、開口20を周方向に挟む一対の第2延在部21bの一方に第1当接部41を当接させるとともに、他方に第2当接部42を当接させる。第1当接部41、第2当接部42を離間させる力を取り除くと、支持部43が縮径する方向に弾性反発力が発現し、弾性反発力により第1当接部41、第2当接部42が付勢される。この付勢力により、開口20を周方向D2に挟む両側の開口縁部21が、軸方向D1における略全幅にわたって配管1に押圧される。
このように軸方向D1と周方向D2とで独立して開口縁部21を押圧するので、曲面である外周面11に対して外周面11に向かう方向に開口縁部21を押圧することができ、開口縁部21が外周面11から浮き上がることが防止される。
第1治具3a、3b、第2治具4が、開口20を塞がないように取り付けられているので、後の工程で開口20内を対象として作業を行うことが容易になる。
第1当接部41、第2当接部42は、針金からなり円柱状であるので、外周面11に沿う形状の接触面を有するものと比較して枠体2との接触面積が小さくなる。したがって、枠体2を押圧する応力が大きくなり、開口縁部21が外周面11から浮き上がることが防止される。
なお、第2治具としては、開口20の少なくとも一部が露出する状態で、軸方向D1に延在する部分の開口縁部を押圧するものであれば、その構成について適宜変更可能である。例えば、図9(b)に示す第2治具4Bを用いてもよい。第2治具4Bは、略はさみ形状のものである。第2治具4Bは、第1当接部41Bを含んだアーム45と、第2当接部42Bを含んだアーム46とを有している。アーム45、46は、接合部43Bにてピン等で互いに接合されており、接合部43Bを支点として回動(開閉)可能になっている。接合部43Bと第1当接部41Bとの間、及び接合部43Bと第2当接部42Bとの間は全体として、一部が開環した円環状になっている。第2治具4Bは、開環した部分を枠体2の開口と対応させて、円環が配管1を囲むように配置される。アーム45において接合部43Bに対して第1当接部41Bと反対の端部と、アーム46において接合部43Bに対して第2当接部42Bと反対の端部は、それぞれバネ等の付勢部44Bに接続されている。これら端部は、付勢部44Bによって互いに離れる方向に付勢されている。このような構成により、第1当接部41B、第2当接部42Bは、配管1に取り付けられた状態でアーム45、46の円環部の内径が縮む方向に付勢される。
また、第2治具4、4Bと異なり、開口20の一部を覆う第2治具を用いることも可能である。例えば、第2治具として、ベルトやワイヤー等の帯と当て板を用いる。軸方向D1に延在する部分の開口縁部に当て板を当接させる。そして、当て板上と配管1上とにわたって、周方向D2に帯を巻回して締結する。これにより、帯が開口の一部を覆って当て板を押圧し、当て板が枠体の開口縁部を押圧する。開口内に封止剤を塗布可能な程度に開口を露出させるように帯の幅を選択することにより、次に説明する封止剤充填工程S3で支障をきたすことがなくなる。
図5に示すように、封止剤充填工程S3では枠体2の開口20に硬化型の封止剤Q1を充填する。
硬化型の封止剤としては、流体Fに対して耐食性を示す材質のものを適宜選択して用いることができ、組成物が反応することにより硬化する反応硬化型の封止剤を用いるとよい。反応硬化型の封止剤としては、例えば2液反応型接着剤、熱硬化型樹脂、光硬化型樹脂等が挙げられる。このような硬化型の封止剤であれば、溶媒の揮発ガスがほとんど発生しないので、封止剤中に揮発ガスによる間隙を生じることが防止される。
本実施形態では、反応硬化型の封止剤Q1としてエポキシ系の2液反応型接着剤を用いる。2液反応型接着剤は、2液混合後の時間経過とともに重合度が高くなり硬化度が高くなる。したがって、硬化度を時間管理により制御することができ、また硬化させるための器具等が不要であるので、簡便に施工することができる。
封止剤Q1を塗布するには、欠陥10から漏洩した流体Fをポンプ90等により吸引して外周面11上の流体Fを除去する。また、流体Fを除去しつつ、開口20内にディスペンサー91等により封止剤Q1を塗布する。ここでは、塗布方向D3に沿って、すなわち開口20の外周から欠陥10に向かって渦巻状に封止剤Q1を塗布する。開口20が外部に露出しているので、塗布された封止剤Q1の状態等を確認しつつ作業することができ、開口20に良好に封止剤Q1を充填することができる。これにより、封止剤Q1をムラなく塗布することができ、閉じた空間に封止剤を充填する場合と比較して、封止剤Q1において充填度が相対的に低い部分を生じにくくなる。
枠体2の開口縁部21が、開口20のほぼ全周にわたって押圧されており、開口縁部21が外周面11から浮き上がることが防止されている。したがって、枠体2と外周面11との間に封止剤Q1が漏れ出すことが防止され、開口20内に封止に必要な量の封止剤Q1を留めることができる。
外周面11上から流体Fを除去するので、塗布された封止剤Q1に流体Fが混入することが低減される。開口20の外周から欠陥10に向かって塗布するので、欠陥10から離れた位置に塗布された封止剤Q1であるほど流体Fと遭遇する確率が低くなり、特に開口20の外周部にて封止剤Q1に流体Fが混入することが格段に低減される。
このように、塗布された封止剤Q1に流体Fが混入することが低減されるので、混入した流体Fにより隙間が形成されることが低減される。特に、開口20の外周側にて封止剤Q1に流体Fが混入することが格段に低減されており、封止剤Q1の外周部に隙間を生じることが防止される。仮に欠陥10付近に隙間を生じていても、この隙間を通る流体Fは封止剤Q1の外周部に遮られるので、流体Fが外周面11の面方向に沿って封止剤Q1の外側に漏洩することが防止される。
また、特に外周部の封止剤Q1において流体の混入を防止するには、外周部での硬化度が欠陥近傍での硬化度よりも高くなるように、封止剤の硬化度を管理する手法も有効である。外周部での封止剤の硬化度を相対的に高くする方法としては、例えば以下の4つの方法が挙げられる。
1つ目の方法では、2液混合のタイミングを異ならせること等により、硬化開始時刻が異なる2つの2液反応型接着剤を用意する。そして、硬化開始時刻が相対的に早い方を開口内の外周側に塗布し、硬化開始時刻が相対的に遅い方を欠陥上、及び欠陥近傍に塗布する。
2つ目の方法では、硬化速度が異なる2つの2液反応型接着剤を用意する。そして、硬化速度が相対的に速い方を開口内の外周側に塗布し、硬化開始時刻が相対的に遅い方を欠陥上、及び欠陥近傍に塗布する。
3つ目の方法では、2液反応型接着剤を開口内の外周側に塗布した後、塗布された2液反応型接着剤を加熱すること等により、この部分の硬化反応を促進させる。そして、液反応型接着剤を欠陥上、及び欠陥近傍に塗布する。
4つ目の方法では、1〜3つ目の方法のうちの2以上を適宜組み合わせて、硬化度を管理する。
図6に示すように、閉蓋工程S4では、封止剤Q1が充填された枠体2の開口20を蓋5で塞ぐとともに蓋5を配管1に押圧して固定する。
開口20を蓋5で塞ぐには、閉蓋工程S4中に又は閉蓋工程S4よりも前に、蓋5を準備する。蓋5は、例えば枠体2と同様の材質からなり、変形可能なものである。蓋5は、開口20全体を塞ぐことが可能な寸法のものである。ここでは、軸方向D1に対応する蓋5の寸法が、配管1に取り付けられた第1治具3a、3bの軸方向D1における間隔以下になっている。
蓋5を枠体2に取り付ける前に、蓋5の一方の面に硬化型の第2の封止剤Q2を設ける。第2の封止剤としては、封止剤Q1と同様に、流体Fに対して耐食性を示す材質のものを適宜選択して用いることができる。また、第2の封止剤としては、隙間の形成を防止する観点で反応硬化型の封止剤を用いるとよく、特に封止剤Q1と共重合反応を含む反応等により化学的に結合するものを用いるとよい。第2の封止剤Q2は、封止剤Q1と同一の組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。
ここでは、第2の封止剤Q2として、適宜選択される反応硬化型の接着剤を蓋5の一方の面にシート状に設ける。蓋5を枠体2に取り付ける段階で第2の封止剤Q2の硬化度が、流体Fと混ざり合わない硬化度となり、かつ硬化完了時の硬化度未満になるように、第2の封止剤Q2の硬化度を調整する。例えば、第2の封止剤Q2の硬化度を、開口20内に充填された封止剤Q1の硬化度の最大値以上にすればよい。硬化度を調整するには、第2の封止剤Q2が硬化を開始してからの時間を管理すること等により可能である。
第2の封止剤として封止剤Q1と同一の2液反応型接着剤を用いると、第2の封止剤が封止剤Q1と反応して実質的に一体となり、硬化後の第2の封止剤と封止剤Q1との間に接着界面が形成されにくくなる。
以上のような第2の封止剤Q2が設けられた蓋5を用意し、第2治具4を取り外した後、速やかに蓋5を枠体2に取り付ける。第2の封止剤Q2が欠陥10を被覆するように、また蓋5が第1治具3a、3bの間に収まるように、蓋5を取り付ける。開口20内における封止剤Q1の外周部の硬化度を相対的に高くすると、第2治具4を取り外した状態でも、封止剤Q1が枠体2と外周面11との間に漏れ出しにくい。
なお、第1治具3a、3bと重なるように蓋を取り付けてもよい。この場合には、第1治具3a、3bと重なる部分の蓋を、第1治具3a、3bの厚み以上だけ薄厚化しておき、この部分を第1治具3a、3bの逃げ部にするとよい。また、第2治具4が取り付けられた状態で蓋5を取り付けることも可能である。この場合には、第2治具4と重ならないように蓋を取り付けるか、あるいは第2治具4と重なる部分の蓋に第2治具4の逃げ部を設けておくとよい。いずれの場合であっても、外周面11に向かい合う蓋の面と外周面11とのギャップを管理可能になっていればよい。
図7に示すように本実施形態の閉蓋工程S4では、蓋5を枠体2に取り付けた後に、蓋5を配管1に押圧する第3治具6a、6bを取り付ける。第3治具6a、6bは、例えば第1治具3a、3bと同様のベルト等からなる。蓋5上と枠体2上と外周面11上とにわたって、配管1の周方向D2に第3治具6a、6bを巻回した後に、第3治具6a、6bをそれぞれ締結することにより第3治具6a、6bを取り付ける。これにより、外周面11と枠体2と蓋5とに囲まれる部分に充填された封止剤Q3(封止剤Q1及び第2の封止剤Q2)が加圧され、封止剤Q3は欠陥10から漏洩する流体Fに抗して充填される。第3治具を取り付ける上で第2治具が妨げになるようであれば、本実施形態のように第3治具6a、6bを取り付ける前に第2治具4を取り外すとよい。
封止剤硬化工程S5では、外周面11と枠体2と蓋5とに囲まれる部分に充填された封止剤Q3を硬化させる。一般に、2液性接着剤は溶媒型接着剤等よりも硬化時間が短いので、硬化過程の封止剤Q3に流体Fが混入することが低減され、流体Fの混入によるパスの形成が低減される。
蓋5を取り付けた段階で第2の封止剤Q2が流体Fと混ざり合わない程度に硬化しているので、第2の封止剤Q2に流体Fの混入による隙間を生じることが防止される。したがって、仮に欠陥10近傍で流体Fが封止剤Q1に混入して隙間が形成されたとしても、第2の封止剤Q2が封止剤Q1よりも蓋5側に配置されているので、第2の封止剤Q2により流体Fの漏洩を止めることができる。
また、蓋5が押圧されていることにより、封止剤Q3が緻密に充填されるので、硬化後の封止剤Q3に隙間を生じることが防止される。
開口20を蓋5で塞いでいるので、充填された封止剤Q3の厚み(封止剤Q1と第2の封止剤Q2の総厚)が、蓋5と外周面11とのギャップ、又は枠体2の厚みにより規制される。したがって、硬化後の封止剤Q3の厚みを高精度に制御することができる。
硬化後の封止剤Q3において蓋5に当接する表面の形状は、蓋5の表面形状に規制される。したがって、硬化後の封止剤Q3の表面形状を高精度に制御することができ、硬化後の封止剤Q3の表面の凹凸を低減すること等が可能である。
図8(a)に示すように、枠体・蓋除去工程S6では、枠体2及び蓋5を除去して配管1から取り外す。具体的には、第1治具3a、3b、第3治具6a、6bを取り外した後、蓋5を取り外す。そして、硬化した封止剤Q3のうち、欠陥10を被覆する所定の部分を封止部Q5として、封止部Q5の外側の余剰部Q4と枠体2とを除去する。ここでは、配管1を傷つけないように超音波カッター92等により、余剰部Q4を枠体2とともに切り取って外周面11上から除去する。枠体2と蓋5との間には、封止に必要な量を超えた分の封止剤Q1、Q2が溢れ出す場合がある。溢れ出した封止剤Q1、Q2が硬化した部分は、余剰部Q4に含まれている。余剰部Q4を除去するので、封止部Q5の外形を高精度に制御することができる。
以上のようにして、図8(b)に示すように、配管1の欠陥10を封止する封止部Q5を形成することができ、封止部Q5により欠陥10からの流体Fの漏洩を止めることができる。
第1実施形態の配管補修方法にあっては、枠体固定工程S2で軸方向D1と周方向D2とに分けて枠体2を押圧するので、外周面11の形状に対応させて枠体2を押圧することができ、枠体2の開口縁部21が外周面11から浮き上がることが防止される。したがって、封止剤充填工程S3で枠体2と外周面11との間に封止剤Q1が漏れ出すことが防止され、封止に必要な量の封止剤Q1を開口20内に留めることができる。
封止剤充填工程S3では、流体Fが封止剤Q1、第2の封止剤Q2に混入することが防止されている。また、閉蓋工程S4では、開口20を蓋5で塞ぐとともに蓋5を押圧して封止剤Q3を加圧している。これにより、封止剤Q3に隙間を生じることが防止され、封止剤硬化工程S5で硬化させた封止剤Q3により欠陥10を封止することができる。蓋5により封止剤Q3の厚みが高精度に規定され、また封止剤Q3の表面に凹凸を生じることが格段に低減される。したがって、硬化後の封止剤Q3の厚みを所望の値にすることや、硬化後の封止剤Q3の表面形状を所望の形状にすることができる。
枠体・蓋除去工程S6で枠体2及び蓋5を除去するので、硬化後の封止剤Q3が外部に露出し、封止剤Q3を容易に加工することができる。封止剤Q3の表面形状や厚みが高精度に制御されているので、封止剤Q3を容易に加工することができる。特に、封止剤Q3のうちの余剰部Q4を除去すれば、封止部Q5の外形を所望の形状にすることもできる。これにより、例えば封止部Q5の外形や寸法を規格化することが可能になり、配管1に追加の補修や再度の補修を行う際に規格化された治具や工法を用いることが可能になる。
第1実施形態の配管補修方法によれば、流体Fが配管1内を流通している状態で欠陥10を封止部Q5で簡便に封止することができる。したがって、配管1が設置された施設の一部又は全部の運転を停止することなく、配管1の機能を正常化することができる。欠陥10を封止している封止部Q5が高精度な形状や寸法に形成されているので、配管1に対して追加の補修や再度の補修等を容易に行うことができる。よって、長期間にわたって配管1を正常に機能させることが可能になり、配管1が設置された施設を効率よく稼動させることが可能になる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態の配管補修方法を説明する。第2実施形態が第1実施形態と異なる点は、T字型の配管を補修する点である。
図10(a)は、第2実施形態で補修対象とする配管7を示す斜視図であり、図10(b)は配管7の側面図である。
図10(a)、(b)に示すように、配管7は、第1円筒部71、第2円筒部72、及び屈曲部73を含んでいる。第1円筒部71は、軸方向D4に延在する直管円筒状のものである。第1円筒部71の外周面74は、周方向D5に沿う曲面になっている。第2円筒部72は、軸方向D6に延在する直管円筒状のものである。第2円筒部72の外周面75は、周方向D7に沿う曲面になっている。ここでは、軸方向D4が軸方向D6と略直交している。第1円筒部71及び第2円筒部72は、屈曲部73にて接続されている。
屈曲部73の近傍に、ピットやクラック等の欠陥70が生じている。欠陥70が屈曲部73の近傍に位置している場合に、欠陥70を良好に封止すべく封止剤による被覆面積を決定すると、第1円筒部71と第2円筒部72とにわたって封止剤を設ける必要が生じることがある。第2実施形態では、屈曲部73をまたいで封止剤を設ける場合について説明する。なお、屈曲部を含んだ配管において、直管部分のみに封止剤を設ければよい場合には、第1実施形態の配管補修方法を採用すればよい。
図11〜図13は、第2実施形態の配管補修方法を概略して示す工程図である。図11(a)は枠体配置工程S1を示す側面図であり、図11(b)は枠体の一例を示す平面図である。図12は、枠体固定工程S2を示す側面図である。図13は、閉蓋工程S4を示す側面図である。なお、図11(a)、図12、図13は、軸方向D4、D6を含んだ面の法線方向から配管7を見た平面図であり、図10(a)に示すXYZ直交座標系のX正方向からYZ面を見た平面図に相当する。配管7は、第1円筒部71の中心軸と第2円筒部72の中心軸とを含んだ面(YZ面)に対して略面対称になっている。配管7をX負方向から見た平面図は、図11(a)、図12、図13と同様である。以下の説明において、配管7に関する方向については図10を、枠体2Bの部分名称については図11を適宜参照されたい。
図11(b)に示す枠体2Bは、例えば第1実施形態と同様にシリコーンゴムを主材とした変形可能なものである。枠体2Bは、第1延在部22、24、第2延在部23、25、湾曲部26を含んでいる。第1延在部22、24、第2延在部23、25、湾曲部26が連続して環状体になっており、この環状体に囲まれる部分が開口20Bになっている。開口20Bの形状は、枠体2Bを配管7に密着させた状態で少なくとも開口端部が配管7と密着するように、設定されている。
図11(a)に示すように、第1延在部22は第1円筒部71の周方向D5に延在する部分であり、第2延在部23は第1円筒部71の軸方向D4に延在する部分である。第1延在部24は第2円筒部72の周方向D7に延在する部分であり、第2延在部25は第2円筒部72の軸方向D6に延在する部分である。湾曲部26は、第2延在部23と連続し、かつ第2延在部25と連続した部分である。湾曲部26において開口20Bと反対の端部である外周部には、切欠27が設けられている。
枠体2Bを配管7に取り付けるには、枠体2Bが欠陥70を包囲するように位置合わせし、枠体2Bを変形させつつ配管7に密着させる。枠体2Bの表面全体を配管7の表面に追従させることが難しい場合には、枠体2Bの少なくとも開口端部が配管7の表面に追従するように枠体2Bを変形させる。枠体が、例えば第1実施形態の枠体2のような形状であると、枠体の外周部が歪んでしまうことがある。枠体2Bにあっては、開口縁部が配管7の表面に追従する形状になっており、しかも外周部の歪みを切欠27に吸収させることができる。したがって、開口20Bの形状が歪むことや枠体2Bの一部が配管7の表面から浮き上がることが防止される。
図12に示すように枠体固定工程S2では、第1治具3a、3bと第2治具4Cとを取り付け、枠体2Bを配管7に押圧して固定する。第1治具3a、3bは第1実施形態と同様のものである。第1治具3aを取り付けるには、外周面74上と第1延在部22上とにわたって第1円筒部71の周方向D5に第1治具3aを巻回して締結する。第1治具3bを取り付けるには、外周面75上と第1延在部24上とにわたって第2円筒部72の周方向D7に第1治具3bを巻回して締結する。
第2治具4Cは、押さえ板40C、支持部41C、42C、43Cを含んでいる。押さえ板40Cは、例えば金属板からなり、開口20Bの近傍で配管7の表面に沿う表面形状に加工されている。支持部41C、42C、43Cは、第1実施形態における第2治具4の支持部43(図9(a)参照)のように、弾性材料からなり一部が開環した円環状のものである。
第2治具4Cを取り付けるには、開口20の開口縁部における第2延在部23、25及び湾曲部26に当接させて押さえ板40Cを配置する。図12では、配管7の片側について図示しているが、配管7の図示しない片側についても押さえ板40Cを配置する。そして、支持部41Cの内径が広がるように力を加えた状態で、第1円筒部71の周方向D5で開口20Bを覆わない部分に、支持部41Cの端部を押さえ板40Cに当接させて支持部41Cを配置する。ここでは、第2延在部23上に支持部41Cの端部が位置するように支持部41Cを取り付けた後、支持部41Cに加えた力を取り除く。同様にして、第2延在部25上に支持部42Cの端部が位置するように支持部42Cを取り付け、湾曲部26上に支持部43Cの端部が位置するように支持部43Cを取り付ける。支持部41C、42C、43Cには、内径が縮む方向に弾性反発力が発現し、押さえ板40Cが弾性反発力により付勢されて枠体2Bを配管7に押圧する。
以上のように枠体2Bを取り付けた後、第1実施形態と同様に封止剤充填工程S3を行って開口20B内に硬化型の封止剤を塗布する。
図13に示すように閉蓋工程S4では、蓋5Bにより開口20Bを塞ぐとともに、蓋5Bを配管7に押圧して固定する。蓋5Bを取り付ける前に、第1実施形態と同様に、蓋5Bの片面に硬化型の第2の封止剤を設けておく。第2実施形態で用いる蓋5Bは、湾曲部26と当接する部分の外周部に、枠体2Bと同様の切欠が設けられている。蓋5Bは、開口20Bを塞いで取り付けた状態で、外周部の歪を切欠で緩和するようになっている。
蓋5Bを取り付けた後、蓋5Bを配管7に押圧する第3治具6a、6b、6cを取り付ける。第3治具6a、6b、6cは、例えば第1実施形態と同様のベルト等からなる。蓋5B上と外周面74上とにわたって、第1円筒部71の周方向D5に第3治具6aを巻回して締結することにより第3治具6aを取り付ける。同様に、蓋5B上と外周面75上とにわたって、第2円筒部72の周方向D7に第3治具6bを巻回して締結することにより第3治具6bを取り付ける。
また、配管7に対する相対位置を固定してアンカー60を固定し、アンカー60を経由させて第3治具6cを取り付け、屈曲部73における蓋5Bを第3治具6cにより配管7の表面に向かう方向に押圧する。アンカー60は、例えば金属等からなり、所定の方向に配列された複数の突起部61を含んでいる。本実施形態では、第1円筒部71の軸方向D4と略直交する方向に突起部61が並ぶように、アンカー60を固定する。そして、第3治具6cを突起部61の間を通すとともに、第3治具6cを屈曲部73における蓋5Bと当接させる。そして、第3治具6cを締結して第3治具6cに張力を発現させる。これにより、屈曲部73における蓋5Bが第3治具6cにより押圧される。アンカー60の固定位置を調整することや、第3治具6cをいずれの突起部61間に通すかを選択することにより、第3治具6cが屈曲部73を押圧する力の向きを調整することができる。
閉蓋工程S4を行った後に、第1実施形態と同様にして封止剤硬化工程S5、及び枠体・蓋除去工程S6を行うことにより、配管7の欠陥70を封止することができる。
以上のような第2実施形態の配管補修方法にあっては、第1実施形態と同様に、施設の一部又は全部の運転を停止することなく配管7の機能を正常化することができる。
また、枠体2Bを屈曲部73の表面に追従させて固定するので、枠体2Bと配管7の表面との管に封止剤が漏れ出すことが防止される。蓋5Bを屈曲部73の表面に追従させて押圧するので、蓋5Bにより封止剤を良好に加圧することができる。このようにして硬化後の封止剤が高精度な形状や寸法に形成されるので、硬化後の封止剤を容易に加工することができる。以上のように、第2実施形態の配管補修方法によれば、屈曲部73を有する配管7に対して良好に補修を行うことができる。
なお、屈曲部を有する配管としては、T字型の他にL字型の配管や2つの軸方向が直交しない配管に対しても本発明を適用して補修を行うことができる。アンカーとしては、バンドを引っ掛けることによりバンドの位置を調整可能なものであればよく、吸着パッド等を用いることもできる。
1・・・配管、2・・・枠体、2B・・・枠体、3a、3b・・・第1治具、
4、4B、4C・・・第2治具、5、5B・・・蓋、6a、6b、6c・・・第3治具、10・・・欠陥、11・・・外周面、20、20B・・・開口、21・・・開口縁部、
7・・・配管、21a、22、24・・・第1延在部、21b、23、25・・・第2延在部、
26・・・湾曲部、27・・・切欠、40C・・・押さえ板、
41、41B・・・第1当接部、41C、42C、43、43C・・・支持部、
42、42B・・・第2当接部、43B・・・接合部、44B・・・付勢部、
45、46・・・アーム、60・・・アンカー、61・・・突起部、70・・・欠陥、
71・・・第1円筒部、72・・・第2円筒部、73・・・屈曲部、
74、75・・・外周面、90・・・ポンプ、91・・・ディスペンサー、
92・・・超音波カッター、A1・・・側断面、A2・・・軸断面、
D1・・・軸方向、D2・・・周方向、D3・・・塗布方向、D4・・・軸方向、
D5・・・周方向、D6・・・軸方向、D7・・・周方向、F・・・流体、
L・・・距離、Q1・・・封止剤、Q2・・・第2の封止剤、Q3・・・封止剤、
Q4・・・余剰部、Q5・・・封止部、S1・・・枠体配置工程、
S2・・・枠体固定工程、S3・・・封止剤充填工程、S4・・・閉蓋工程、
S5・・・封止剤硬化工程、S6・・・蓋除去工程

Claims (14)

  1. 配管を流れる流体の漏洩を生じさせる欠陥を封止する配管補修方法であって、
    配管の外周面に欠陥を包囲するように枠体を配置する工程と、
    前記配管の周方向に沿う部分の前記枠体の開口縁部を前記配管に押圧する第1治具を取り付ける工程と、
    前記配管の軸方向に沿う部分の前記枠体の開口縁部を前記配管に押圧する第2治具を取り付ける工程と、
    前記第1治具及び前記第2治具が取り付けられた状態で、前記枠体の開口に硬化型の封止剤を充填する工程と、
    前記封止剤が充填された前記枠体の開口を蓋で塞ぐ工程と、
    前記蓋で塞ぐ工程の後に前記封止剤を硬化させる工程と、
    前記封止剤を硬化させる工程の後に前記枠体及び前記蓋を取り外す工程と、を有することを特徴とすることを特徴とする配管補修方法。
  2. 前記第2治具は、前記配管の周方向に前記開口を挟む一対の開口縁部の一方に当接する第1当接部と他方に当接する第2当接部とを有しており、該第2治具が前記配管に取り付けられた状態で前記第1当接部と前記第2当接部とが前記配管の外周面に向かう方向に付勢されることを特徴とする請求項1に記載の配管補修方法。
  3. 前記封止剤を充填する工程では、前記開口の外周から前記欠陥に向かって前記封止剤を塗布することを特徴とする請求項1又は2に記載の配管補修方法。
  4. 前記封止剤を充填する工程では、前記欠陥から漏洩する流体を吸引しつつ前記封止剤を塗布することを特徴とする請求項3に記載の配管補修方法。
  5. 前記封止剤を充填する工程では、前記開口に充填された封止剤の前記開口の外周側での硬化度が前記欠陥近傍での硬化度よりも高くなるように、前記封止剤の硬化度を管理することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に配管補修方法。
  6. 前記蓋で塞ぐ工程では、前記蓋における前記欠陥を覆う部分に硬化型の第2の封止剤を配置し、該第2の封止剤を前記欠陥から漏洩する流体と混じり合わない硬化度まで硬化させた後に前記開口を該蓋で塞ぐことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の配管補修方法。
  7. 前記第2の封止剤が、前記封止剤と化学的に結合するものであることを特徴とする請求項6に記載の配管補修方法。
  8. 前記封止剤が反応硬化型であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の配管補修方法。
  9. 前記枠体は、該枠体を平板状に展開した状態で前記開口が略矩形であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の配管補修方法。
  10. 前記枠体がシリコーンゴムにより構成されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の配管補修方法。
  11. 前記蓋で塞ぐ工程では、前記開口を前記蓋で覆った後に、該蓋を前記配管の外周面に向かう方向に押圧する第3治具を取り付けることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の配管補修方法。
  12. 前記配管が屈曲部を有しており、前記欠陥が該屈曲部近傍に生じている場合に、
    前記第3治具としてベルトを用いるとともに、前記配管に対して所定の位置にアンカーを固定した後に前記ベルトを前記アンカーに引っ掛けて該ベルトに張力を発現させ、前記屈曲部における前記蓋を該ベルトにより押圧することを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の配管補修方法。
  13. 前記配管が屈曲部を有しており、前記欠陥が該屈曲部近傍に生じている場合に、
    前記枠体の少なくとも開口縁部が前記屈曲部の表面に沿うように該枠体の形状を選択することを特徴とする請求項1〜8、10〜12のいずれか一項に記載の配管補修方法。
  14. 前記枠体の前記開口と反対側の外周部に切欠が設けられていることを特徴とする請求項13に記載の配管補修方法。
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