JP5373459B2 - 燃料タンクシステムの制御装置 - Google Patents

燃料タンクシステムの制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5373459B2
JP5373459B2 JP2009095474A JP2009095474A JP5373459B2 JP 5373459 B2 JP5373459 B2 JP 5373459B2 JP 2009095474 A JP2009095474 A JP 2009095474A JP 2009095474 A JP2009095474 A JP 2009095474A JP 5373459 B2 JP5373459 B2 JP 5373459B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel
fuel tank
purge
valve
canister
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009095474A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010242723A (ja
Inventor
直也 高木
浩司 高松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisan Industry Co Ltd
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Aisan Industry Co Ltd
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisan Industry Co Ltd, Toyota Motor Corp filed Critical Aisan Industry Co Ltd
Priority to JP2009095474A priority Critical patent/JP5373459B2/ja
Publication of JP2010242723A publication Critical patent/JP2010242723A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5373459B2 publication Critical patent/JP5373459B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Supplying Secondary Fuel Or The Like To Fuel, Air Or Fuel-Air Mixtures (AREA)

Description

本発明は、蒸発燃料処理装置を含む燃料タンクシステムを制御する燃料タンクシステムの制御装置の技術分野に関する。
この種の装置として、密閉燃料タンクシステムを制御するものがある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示された密閉燃料タンクシステムの制御装置によれば、蒸発燃料のパージ時にスロットル開度を減少補正することによって、蒸発燃料の処理能力を向上させることが可能であるとされている。
尚、密閉燃料タンクシステムにおいて、封鎖弁の開弁圧力の閾値をキャニスタ吸着量に応じて変化させるものも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、密閉燃料タンクシステムにおいて、パージ時においてキャニスタ大気開放弁を燃料タンク内圧に応じて開閉制御するものも提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2005−105896号公報 特開2007−64154号公報 特開2004−308483号公報
上記特許文献1乃至3に開示される如き、封鎖弁により燃料タンク内を密閉可能な密閉燃料タンクシステムが採用される場合、封鎖弁によりキャニスタと燃料タンクとを選択的に切り離すことが可能となるため、封鎖弁を、例えば燃料給油時等に限定して開弁させること等によって、キャニスタにおける蒸発燃料の吸着をある程度抑制することは可能である。
一方、ハイブリッド車両のように、回転電機の動力のみを使用した所謂EV走行が可能な車両においては、内燃機関の始動頻度は低下する傾向にあり、とりわけPHV(Plug-in Hybrid Vehicle)のように、EV走行が主たる走行モードとなり得る車両においてはその傾向はより顕著である。このような車両においては、蒸発燃料の吸気通路へのパージ(以下、適宜「メインパージ」と称する)が可能となる期間が減少するため、場合によっては、内燃機関を単にメインパージを実行するために始動させる必要に迫られることがあり、燃費の悪化を招く可能性がある。
即ち、密閉燃料タンクシステムを、このような内燃機関の始動頻度が低い車両への適用する場合まで考えると、より積極的にキャニスタへの蒸発燃料の吸着を抑制する必要がある。然るに、上記各種先行技術においては、このような観点に立った工夫はなく、未だ改善の余地がある。
本発明は、係る点に鑑みてなされたものであり、密閉燃料タンクシステムにおいて、キャニスタへの蒸発燃料の吸着を好適に抑制し得る燃料タンクシステムの制御装置を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するため、本発明に係る燃料タンクシステムの制御装置は、車両に搭載され、内燃機関の燃料を貯留する燃料タンクと、前記燃料タンクの内部で生じる蒸発燃料を吸着可能なキャニスタと、該キャニスタ及び前記燃料タンクを連通させる蒸発燃料通路と、前記蒸発燃料通路に設置され、前記蒸発燃料通路を開放及び閉鎖可能な封鎖弁と、前記内燃機関の吸気通路と前記キャニスタとを連通させるパージ通路と、前記パージ通路に設置され、前記パージ通路を開放及び閉鎖可能なパージ制御弁とを備えた燃料タンクシステムの制御装置であって、前記燃料タンクの内圧を特定する特定手段と、該特定された内圧が負圧である場合に前記封鎖弁を開弁させる制御手段とを具備し、前記制御手段は、前記吸着された蒸発燃料の脱離効率の低下が許容範囲に収まるように前記封鎖弁を開弁させることを特徴とする。
本発明に係る車両は、動力源としての内燃機関と、蒸発燃料の処理機能を有する燃料タンクシステムとを備える。本発明に係る車両の制御装置は、このような本発明に係る車両を制御する装置であって、例えば、一又は複数のCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、各種プロセッサ又は各種コントローラ、或いは更にROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、バッファメモリ又はフラッシュメモリ等の各種記憶手段等を適宜に含み得る、単体の或いは複数のECU(Electronic Controlled Unit)等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る。
本発明に係る内燃機関は、燃料の燃焼を機械的動力に変換可能な機関を意味するものであって、例えば燃料種別(例えばガソリン、軽油、アルコール、アルコール混合燃料或いは天然ガス等)、燃料の供給態様、燃料の燃焼態様、吸排気系の構成及び気筒配列等、物理的、機械的又は電気的な構成は特に限定されない。
本発明に係る燃料タンクシステムは、燃料タンクと、キャニスタと、蒸発燃料通路と、封鎖弁と、パージ通路とパージ制御弁とを少なくとも備えた装置であって、蒸発燃料通路に設置された封鎖弁により燃料タンクを密閉可能に構成された、所謂密閉燃料タンクシステムである。
本発明に係る燃料タンクシステムにおける、上記各構成要素及び上記各構成要素以外に備わり得る他の構成要素の物理的、機械的及び電気的構成、構造並びにその配置態様等は、燃料タンクシステムの機能として、(1)キャニスタによる蒸発燃料の吸着、(2)吸着された蒸発燃料の吸気通路へのパージ(即ち、メインパージ)及び(3)封鎖弁による蒸発燃料通路の選択的な封鎖が夫々可能である限りにおいて如何様にも限定されない趣旨である。
本発明に係る燃料タンクシステムの制御装置によれば、その動作時には、特定手段により燃料タンクの内圧(以下、適宜「タンク内圧」と称する)が特定される。尚、本発明に係る「特定」とは、検出、算出、推定、同定、導出、選択及び取得等、最終的に制御上参照し得る情報として真偽の程度はともかく確定させることを包括する概念であって、そのためのプロセスは、如何様にも限定されない趣旨である。例えば、特定手段は、圧力センサ等の各種検出手段であってもよいし、当該各種検出手段から検出結果としてタンク内圧を電気信号等として取得し得る手段であってもよいし、予めタンク内圧との対応関係が実験的に、経験的に、理論的に又はシミュレーション等に基づいて既知である他の指標値、物理量或いは制御量に基づいて、例えばマップ等から該当する値を選択することにより或いは例えば各種演算処理を施すこと等により推定する手段であってもよい。
本発明に係る燃料タンクシステムの制御装置によれば、この特定されたタンク内圧が負圧である場合に、制御手段により封鎖弁が開弁される。
この種の密閉燃料タンクシステムにおいては、燃料噴射装置への燃料供給等に起因する燃料タンク内の燃料量の減少(一義的に、燃料の液面高の変化)や、燃料温度の低下等によって、タンク内圧が負圧領域の値まで低下することがある。一方、封鎖弁を介して燃料タンクと適宜選択的に連通するキャニスタは、例えば大気連通口、大気連通路及び切り替え弁等によって、外界空間と適宜連通可能な構成を有するのが一般的であり、またメインパージの円滑な進行を促進する点からも、その内圧は、定常的に見れば大気圧又はその近傍の圧力領域に維持される。
従って、タンク内圧が負圧である場合に封鎖弁を開弁すると、キャニスタ側から燃料タンク側への気流が生じ、キャニスタに吸着された蒸発燃料は、再び燃料タンク側へ戻される(尚、これ以降、このような処理を適宜「バックパージ」と称することとする)。その結果、キャニスタにおける蒸発燃料の吸着量は従前の値から減少する。
上述したメインパージは、例えば好適な一形態として、キャニスタにおける蒸発燃料の吸着量がキャニスタの吸着限界に達した又は近づいた時点、或いは一定量に達した時点等に生じ得るパージ要求に応じて実行されるから、蒸発燃料のバックパージにより吸着量を減少させることによって、メインパージの実行頻度は低下する。
ここで、係るメインパージは、吸気通路に負圧が形成される内燃機関の稼動時であれば常時その実行が可能であるが、冷間始動期間等を含む、燃焼状態が良好でない一部の稼動期間においては、蒸発燃料のパージ量の制御精度が燃料の噴***度よりも低いことに起因して、燃焼状態をより悪化させ易い。ところが、キャニスタにおける蒸発燃料の吸着量は、内燃機関の状態とは無関係に推移し得るから、場合によっては、燃焼状態が良好でない期間において、メインパージが必要とされ、メインパージが実行された結果、燃焼状態の悪化に伴うエミッションやドライバビリティの悪化が生じることがある。
この点、本発明に係る燃料タンクシステムの制御装置によれば、メインパージと異なるプロセスであるバックパージによりキャニスタにおける蒸発燃料の吸着量を減少側に推移させ、メインパージの実行頻度を低下させることが可能であり(通常、吸着された蒸発燃料は、メインパージ以外では減少しない)、内燃機関のエミッション及びドライバビリティを好適に担保し得るといった、本発明に特有の実践上有益なる効果が奏される。
ここで特に、本発明に係る燃料タンクシステムの制御装置は、制御手段が、吸着された蒸発燃料の脱離効率の低下が許容範囲に収まるように封鎖弁を開弁させる構成となっている。
キャニスタから燃料タンクへ蒸発燃料がバックパージされるにあたっては、吸着材である活性炭から蒸発燃料が脱離する際に生じる気化潜熱の影響により、活性炭の温度が低下して、蒸発燃料の脱離効率が低下することがある。
しかしながら、本発明に係る燃料タンクシステムの制御装置によれば、制御手段は、この脱離効率の低下が許容範囲に収まるように封鎖弁を開弁させるため、燃料タンク内に戻される蒸発燃料の量(即ち、バックパージ量)を好適に維持することが可能となる。
尚、バックパージされた蒸発燃料は、燃料タンクの設置環境にもよるものの、少なからず液化され、正規の燃料として燃料噴射装置を介して消費され得る。このため、本発明に係るバックパージは、燃料の有効利用の観点からも好適である。
補足すると、バックパージされる蒸発燃料は、再度キャニスタに吸着される可能性もあるが、そのような再度の吸着が生じたとして、バックパージがなされない場合と比較してメインパージの実行頻度が少なくとも増加側に変化することはなく、実践上何らの問題も生じることはない。
また、本発明に係る燃料タンクシステムの制御装置に特有の効果は、このようなエミッション及びドライバビリティの担保に限定されない。即ち、一般的に、燃料タンク内を大気圧未満の負圧に維持することは、燃料タンクの品質維持の面から得策でない。例えば、正圧又は大気圧と負圧との間で、タンク内圧が繰り返し変化する場合、燃料タンクの物理的耐久性、密閉性或いは断熱性等が少なからず低下する可能性がある。即ち、タンク内圧も、少なくとも定常的には、大気圧又はその近傍の圧力に維持されるのが望ましいのである。そのような事情に鑑みれば、タンク内圧が負圧であることをもって封鎖弁が開弁されるにあたって、キャニスタが蒸発燃料をどの程度吸着しているかは実践上問題とはならず、タンク内圧をより大気圧に近付けることのみによっても、極めて高い実践上の利益が提供されるのである。
尚、本発明に係る燃料タンクシステムの制御装置に特有の効果は、内燃機関の稼動頻度が相対的に低いハイブリッド車両、とりわけEV走行が主たる走行モードとなり得るPHV等においては顕著である。即ち、ハイブリッド車両においては、EV走行により内燃機関の始動頻度が低下し得るため、上述したようなエミッションやドライバビリティの悪化といった問題に加え、メインパージを実行することのみを目的とした内燃機関の始動要求が生じるといった、新規な問題が発生し得る。無論、このような内燃機関の始動は、燃費の悪化に直結する無駄な始動であり、回避されるべきである。その点、本発明に係る燃料タンクシステムの制御装置が適用された場合には、キャニスタにおける蒸発燃料の吸着を抑制することによって、パージ要求の発生頻度を低下させることができ、このような燃費の悪化を回避することもまた可能となる。
本発明に係る燃料タンクシステムの制御装置の一の態様では、前記内燃機関の稼動時に前記吸気通路の負圧を前記燃料タンクに導入する負圧導入手段を更に具備する。
この態様によれば、内燃機関の稼動時に、負圧導入手段により吸気通路の負圧が燃料タンクに導入され、上述した蒸発燃料のバックパージの実行機会が半ば強制的に設けられる。このため、キャニスタにおける蒸発燃料の吸着を、より積極的に抑制することが可能となる。
尚、この態様では、前記負圧導入手段は、前記内燃機関の稼動時に前記吸気通路の負圧が前記燃料タンクに導入されるように前記パージ制御弁及び前記封鎖弁を開弁させてもよい。
吸気通路は、パージ通路を介してキャニスタと連通しており、キャニスタは、蒸発燃料通路を介して燃料タンクと連通している。従って、これらの通路に設置されたパージ制御弁及び封鎖弁を開弁させることにより、吸気通路の負圧を燃料タンクに導入することが簡便にして可能となる。また、このように既存の構成要素を利用した場合、例えば吸気通路と燃料タンクとの間に新規に負圧導入用の通路を構築する必要はなく、コスト及び車両搭載性の面からも明らかに有利である。但し、本発明に係る負圧導入手段とは、必ずしもこのような既存の構成要素を制御する制御手段である必要はなく、上述した如き負圧導入用に特化された新規な通路を含んでいてもよい。
本発明に係る燃料タンクシステムの制御装置の他の態様では、前記制御手段は、前記内燃機関において燃料供給が停止されている期間において前記封鎖弁を開弁させる。
この態様によれば、制御手段が、フューエルカット中や、エンジン停止中(ハイブリッド車両であれば、EV走行等により車両自体は走行状態を採り得る)等、燃料供給が停止されている期間を利用して封鎖弁を開弁させる。
燃料供給が停止されている期間では、吸気管に負圧が形成されないため、或いはモータリング等により内燃機関の物理的な運動は生じているにせよパージされた燃料を燃焼させることができないため、メインパージを実行することは難しい。
この態様によれば、このようなメインパージが実質的に不可能となる期間においてバックパージが行われることによって、より効果的にキャニスタにおける蒸発燃料の吸着抑制に係る利益を享受することが可能となる。
尚、この態様では、前記制御手段は、前記封鎖弁の開度が最小開度となるように前記封鎖弁を制御してもよい。
封鎖弁の最小開度とは、物理的、機械的若しくは電気的な各種の制約又は制御上の制約等により規定される、実質的な最小の開度であり、例えば、封鎖弁がデューティ駆動される電磁弁等である場合には、理論的な又は実質的な最小のデューティ比に対応する開度であってもよい。この場合、気化潜熱による脱離効率の低下は最低限度に抑制され、一方で、キャニスタの内圧とタンク内圧との圧力差によって一義に規定され得るバックパージの実行可能期間は最大限に拡大されるから、バックパージ量を可及的に多く確保することが可能となり実践上極めて有益である。
本発明に係る燃料タンクシステムの制御装置の他の態様では、前記車両は、前記内燃機関と共に動力源として機能する少なくとも一つの回転電機を備えたハイブリッド車両である。
先に述べたように、動力源として内燃機関の他にモータジェネレータ等の回転電機を備えたハイブリッド車両では、少なくとも動力源として内燃機関のみを有する車両と較べて内燃機関の始動頻度は低下する。このため、メインパージを比較的良好に実行し得る機会(即ち、燃焼状態が十分に安定した状態でメインパージを実行する機会)は減少し、相対的に、メインパージを、内燃機関の始動時や或いは内燃機関の停止時にわざわざ内燃機関を始動させることによって実行する必要が生じる機会が増加する。
このように、メインパージの実行要求に応じて内燃機関を始動させた場合、必然的に燃焼状態が良好でない稼動期間においてメインパージが実行される可能性が高くなり、ドライバビリティ及びエミッションの悪化が避け難い。また、車両走行上必要とされないタイミングで内燃機関を始動させることになるから燃費の悪化もまた回避され難い。これらの点に鑑みれば、本発明に係る燃料タンクシステムの制御装置は、この種のハイブリッド車両に適用された場合において、極めて高い実践上の利益を提供し得る。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
本発明の第1実施形態に係るハイブリッド車両の構成を概念的に表してなる模式的なブロック図である。 図1のハイブリッド車両に備わるエンジン及び燃料供給システムの構成を概念的に表す概略構成図である。 図1のハイブリッド車両においてECUにより実行されるバックパージ制御のフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る、バックパージ補助制御のフローチャートである。 本発明の第3実施形態に係る、バックパージ制御のフローチャートである。 本発明の第4実施形態に係るバックパージ制御のフローチャートである。 本発明の第5実施形態に係るパージ制御のフローチャートである。 本発明の第6実施形態に係るパージ制御のフローチャートである。
<発明の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
<実施形態の構成>
始めに、図1を参照して、本発明の第1実施形態に係るハイブリッド車両10の構成について説明する。ここに、図1は、ハイブリッド車両10の構成を概念的に表してなる模式的なブロック図である。
図1において、ハイブリッド車両10は、減速機構11及び車輪12、並びにECU100、エンジン200、モータジェネレータMG1(以下、適宜「MG1」と略称する)、モータジェネレータMG2(以下、適宜「MG2」と略称する)、動力分割機構300、PCU400、バッテリ500、充電プラグ600、リレー回路700及び燃料タンクシステム800を備えた、本発明に係る「車両」の一例たるハイブリッド車両である。
減速機構11は、デファレンシャルギア(不図示)及びプラネタリギアを含んでなるギア機構であり、動力分割機構300の動力出力軸である駆動軸(符号省略)の回転速度を所定の減速比に従って駆動輪12に連結された車軸に伝達可能に構成されている。尚、減速機構の構成は、減速機構11のものに限定されず、各種態様を採ることが可能である。例えば、減速機構は、複数のクラッチ及びブレーキ並びに遊星歯車機構により複数の変速段を実現可能な変速機構としての機能を有していてもよい。
ECU100は、CPU、ROM及びRAM等を備え、ハイブリッド車両10の動作全体を制御可能に構成された電子制御ユニットであり、本発明に係る「燃料供給システムの制御装置」の一例である。ECU100は、ROMに格納された制御プログラムに従って、後述する各種制御を実行可能に構成されている。
尚、ECU100は、本発明に係る「特定手段」及び「制御手段」の夫々一例として機能するように構成された一体の電子制御ユニットであり、これら各手段に係る動作は、全てECU100によって実行されるように構成されている。但し、本発明に係るこれら各手段の物理的、機械的及び電気的な構成はこれに限定されるものではなく、例えばこれら各手段は、複数のECU、各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等として構成されていてもよい。
エンジン200は、ハイブリッド車両10の動力源の一つとして機能するように構成された、本発明に係る「内燃機関」の一例たるガソリンエンジンである。エンジン200の詳細な構成は、後に図2を参照する形で詳述する。
モータジェネレータMG1は、バッテリ500を充電するための或いはモータジェネレータMG2に電力を供給するための発電機として、更にはエンジン200の動力をアシストする電動機として機能するように構成された、本発明に係る「回転電機」の一例たる電動発電機である。
モータジェネレータMG2は、本発明に係る「回転電機」の他の一例たる電動発電機であり、エンジン200と共にハイブリッド車両10の動力源の一つとなる電動機として、或いはバッテリ500を充電するための発電機として機能するように構成されている。
尚、これらモータジェネレータMG1及びモータジェネレータMG2は、例えば同期電動発電機として構成され、外周面に複数個の永久磁石を有するロータと、回転磁界を形成する三相コイルが巻回されたステータとを備える。但し、他の形式のモータジェネレータであっても構わない。
動力分割機構300は、エンジン200の出力動力たるエンジントルクTeを、MG1及び駆動軸へ分配することが可能に構成された遊星歯車機構である。尚、動力分割機構300の構成は公知の各種態様を採り得るため、ここではその詳細な説明を省略するが、簡略的に説明すると、動力分割機構300は、中心部に設けられたサンギアと、サンギアの外周に同心円状に設けられたリングギアと、サンギアとリングギアとの間に配置されてサンギアの外周を自転しつつ公転する複数のピニオンギアと、クランクシャフト205の端部に結合され、各ピニオンギアの回転軸を軸支するプラネタリキャリアとを備える。
このサンギアは、サンギア軸を介してMG1のロータ(符合は省略)に結合され、リングギアは、駆動軸及び減速機構11を介してMG2の不図示のロータに結合されている。駆動軸は、先述したように車軸と連結されており、MG2から供給されるモータトルクは、駆動軸及び減速機構11を介して車軸へと伝達され、同様に車軸を介して伝達される車輪12からの駆動力は、減速機構11及び駆動軸を介してこのMG2に入力される。係る構成の下、動力分割機構300により、エンジントルクTeは、プラネタリキャリアとピニオンギアとによってサンギア及びリングギアに伝達され、エンジントルクTeが2系統に分割される。
この際、MG1は、例えばサンギアに伝達されるエンジントルクTeと釣り合うようにその出力トルクが制御されることにより、反力要素として機能し得る。このため、動力分割機構300によれば、MG1の回転速度を制御することにより、エンジン200の回転速度を自由に制御することが可能となる。この特性を利用して、ハイブリッド車両10では、MG1がエンジン200の回転速度制御装置として利用され、エンジン200の動作点が、例えば最適燃費動作点に維持され、またエンジン200の始動時におけるクランキングなどが実行される。
一方、MG2は、エンジン200からのエンジントルクTeの供給とは独立して、駆動軸に対しそのモータトルクを供給可能である。従って、ハイブリッド車両10は、MG2の動力のみを使用したEV走行が可能である。EV走行の実行期間では、エンジン200における燃料供給は停止され、またモータジェネレータMG1も停止されるが、エンジン200は、そのフリクションによって回転速度は殆どゼロとなり、MG1は、駆動軸の回転速度とエンジン200の回転速度とに応じて一義的に定まる回転速度で空転する。即ち、EV走行中は、エンジン200は、基本的にその物理運動が停止する。
PCU400は、バッテリ500から取り出した直流電力を交流電力に変換して、モータジェネレータMG1及びモータジェネレータMG2に供給すると共に、モータジェネレータMG1及びモータジェネレータMG2によって発電された交流電力を直流電力に変換してバッテリ500に供給することが可能に構成された不図示のインバータ等を含み、バッテリ500と各モータジェネレータとの間の電力の入出力を、或いは各モータジェネレータ相互間の電力の入出力(即ち、この場合、バッテリ500を介さずに各モータジェネレータ相互間で電力の授受が行われる)を制御することが可能に構成された電力制御ユニットである。PCU400は、ECU100と電気的に接続されており、ECU100によってその動作が制御される構成となっている。
バッテリ500は、モータジェネレータMG1及びモータジェネレータMG2を駆動するための電力に係る電源として機能することが可能に構成された充電可能な蓄電池である。ここで、バッテリ500は、ハイブリッド車両10の車外に設置される外部電源20により、適宜充電可能に構成されている。即ち、バッテリ500は、各モータジェネレータの発電作用により生じる電力の他に、外部電源20からの電力供給によっても充電される構成となっており、ハイブリッド車両10は、所謂PHVとして構成されている。
充電プラグ600は、リレー回路700の入力端子と電気的に接続されており、且つ外部電源20との電気的な接続を可能とする金属製のプラグである。尚、外部電源20は、例えば家庭用の100V電源であってもよいし、市街地や郊外の然るべきインフラ施設(例えば、ガソリンスタンドやサービスステーション)等にインフラ設備として設置されるものであってもよく、その物理的、機械的、機構的、電気的又は化学的態様は何ら限定されない趣旨である。
リレー回路700は、充電プラグ600側の入力端子と、バッテリ500側の出力端子との間の電気的な接続状態を二値的に且つ選択的に切り替え可能なスイッチング回路である(図1では接続されていない状態が示されている)。リレー回路700は、ECU100と電気的に接続されており、当該接続状態は、ECU100により制御される構成となっている。尚、入力端子と出力端子とが電気的に接続された状態において、バッテリ500は充電プラグ600と電気的に接続された状態となり、充電プラグ600が外部電源20と接続されている場合には、半ば自動的にバッテリ500への通電がなされ、充電が開始される構成となっており、入力端子と出力端子とが接続されていない状態において、バッテリ500は充電プラグ600から解放され、充電プラグ600が外部電源20と接続されている又はいないに関係なく、バッテリ500への通電が停止される構成となっている。
燃料タンクシステム800は、エンジン200に対し、燃料たるガソリンを供給可能に構成された装置である。ここで、図2を参照し、エンジン200及び燃料タンクシステム800の詳細な構成について説明する。ここに、図2は、エンジン200及び燃料タンクシステム800の構成を概念的に表してなる概略構成図である。
図2において、エンジン200は、気筒201内において燃焼室に点火プラグ(符号省略)の一部が露出してなる点火装置202による点火動作を介して混合気を燃焼せしめると共に、係る燃焼による爆発力に応じて生じるピストン203の往復運動を、コネクティングロッド204を介してクランクシャフト205の回転運動に変換することが可能に構成されている。また、クランクシャフト205の近傍には、クランクシャフト205の回転位置(即ち、クランク角)を検出するクランクポジションセンサ206が設置されている。尚、エンジン200は、紙面と垂直な方向に4本の気筒201が直列に配されてなる直列4気筒エンジンであるが、個々の気筒201の構成は相互に等しいため、図2においては一の気筒201についてのみ説明を行うこととする。
尚、本発明に係る「内燃機関」とは、ガソリンエンジンに限らず、軽油を燃料とするディーゼルエンジン又はアルコールとガソリンとの混合燃料を使用可能なエンジン等であってもよい。
エンジン200において、外部から吸入された空気は吸気管207を通過し、吸気ポート210において、インジェクタ212から噴射された燃料と混合されて前述の混合気となる。この際、燃料は、燃料タンクシステム800によりインジェクタ212に供給される構成となっている。尚、燃料を噴射する噴射手段の形態は、図示するような所謂吸気ポート噴射型インジェクタの構成を採らずともよく、例えば、フィードポンプ或いは他の低圧ポンプにより圧送される燃料の圧力を更に高圧ポンプによって昇圧せしめ、高温高圧の気筒201内部へ燃料を直接噴射することが可能に構成された、所謂直噴インジェクタ等の形態を有していてもよい。
気筒201内部と吸気管207とは、吸気バルブ211の開閉によってその連通状態が制御されている。気筒201内部で燃焼した混合気は排気となり吸気バルブ211の開閉に連動して開閉する排気バルブ213の開弁時に排気ポート214を介して排気管215に導かれる。
この排気管215には、三元触媒216が設置されている。三元触媒216は、アルミナ等の塩基性担体に白金等の貴金属を担持すると共に排気管215の径方向に沿った断面がハニカム状をなし、排気中のNOx(窒素酸化物)の還元反応と、排気中のCO(一酸化炭素)及びHC(炭化水素)の酸化反応とを略同時に進行させることにより排気を浄化可能に構成された排気浄化装置である。
また、排気管215には、エンジン200の排気空燃比を検出することが可能に構成された空燃比センサ217が設置されている。更に、気筒201を収容するシリンダブロックに設置されたウォータジャケットには、エンジン200を冷却するために循環供給される冷却水(LLC)に係る冷却水温を検出するための水温センサ218が配設されている。
吸気管207における、吸気ポート210の上流側には、図示せぬクリーナを経て導かれた吸入空気に係る吸入空気量を調節するスロットルバルブ208が配設されている。このスロットルバルブ208は、ECU100と電気的に接続されたスロットルバルブモータ209によってその駆動状態が制御される構成となっている。尚、スロットルバルブモータ209は、基本的にはドライバの意思を反映したアクセル開度Taに応じたスロットル開度が得られるように、ECU100により駆動制御されるが、その駆動制御に際してドライバの意思が介在する必要は必ずしもなく(無論、ドライバの意思に反することのない範囲である)、言わば自動的にスロットル開度を調整することも可能である。即ち、スロットルバルブ208は、一種の電子制御式スロットルバルブとして構成されている。
一方、図2において、燃料タンクシステム800は、燃料タンク801を有する。燃料タンク801は、樹脂材料で形成された外郭体の内部空間である貯留空間Aに、燃料FL(即ち、ここではガソリンである)を貯留可能に構成された貯留手段である。この樹脂製の外郭体は、不図示の断熱材で覆われており、貯留空間Aと燃料タンク801の外部空間との間の熱交換が極力排除される構成となっている。また、燃料タンク801の下部には、不図示のプロテクタが付設されており、外部からの衝撃により燃料タンク801が破損しようないように配慮されている。
燃料タンク801の内部に形成された貯留空間Aには、燃料タンク801内部の圧力たるタンク内圧Ptkを検出可能に構成された圧力センサ802が設置されている。圧力センサ802は、ECU100と電気的に接続されており、検出されたタンク内圧Piは、ECU100により一定又は不定の周期で参照される構成となっている。
燃料タンク801内部には、フューエルポンプ803が配設されている。フューエルポンプ803は、燃料タンク801の貯留空間Aから燃料FLを吸い上げることが可能に構成されたポンプ装置であり、吸い上げられた燃料FLは、フューエルポンプ803に接続されたフィードパイプ804を介して、先述したインジェクタ212の燃料噴射弁に圧送供給される構成となっている。
燃料タンク801には、給油管805が接続されており、その内部において燃料タンク801の貯留空間Aに連通している。給油時には、この給油管805の先端部分に取り付けられたフューエルキャップ816が取り外され、燃料たるガソリンが給油管805を介して貯留空間Aに供給される構成となっている。
貯留空間Aの下部には、燃料FLの温度たる燃料温度Tfを検出可能に構成された温度センサ806の検出端子が露出している。温度センサ806は、ECU100と電気的に接続されており、検出された燃料温度Tfは、ECU100により一定又は不定の周期で参照される構成となっている。
貯留空間Aと後述するキャニスタ811との間には、エバポ通路810(即ち、本発明に係る「蒸発燃料通路」の一例)が配設されている。このエバポ通路810には更に、貯留空間Aとキャニスタ811とを適宜に連通させることが可能に構成された封鎖弁809が備わる。
封鎖弁809は、デューティ制御される電磁アクチュエータをその駆動手段とする電磁弁であり、その開度が、エバポ通路810を開放する全開開度(例えば、100%)と、エバポ通路810を閉鎖する全閉開度(例えば、0%)との間で、電磁アクチュエータの駆動デューティ比に応じて段階的に制御される構成となっている。尚、これ以降適宜、全開開度及び全閉開度に対応する状態を夫々全開状態及び全閉状態等と表現することとする。
また、封鎖弁809は、非通電時に全閉状態を採る常時閉弁タイプの電磁弁である。即ち、通常、燃料タンク801は、封鎖弁809によって後述するキャニスタ811との連通が遮断されている。尚、封鎖弁809を駆動する駆動手段は、上述したPCU400と電気的に接続されており、上記駆動デューティ比の制御を含む駆動制御は、PCU400を介してECU100によりなされる構成となっている。
封鎖弁809は、ROV(Roll Over Valve)807及びCOV(Cut Off Valve)808を介して貯留空間Aと連通する構成となっている。
ROV807は、貯留空間Aにおける燃料FLの液面が、給油時等において所定位置を超えた場合に閉弁するように構成された弁装置であり、閉弁状態においてエバポ通路810と燃料タンク801との連通を遮断可能に構成されている。ROV807の作用によって、車両転倒時等にエバポ通路810と燃料タンク801とが連通することが防止されるため、燃料タンクシステム800においては、エバポ通路810を介して燃料FLが外部に漏洩することはない。
COV808は、ROV807と並列配置されており、ROV807と同様に燃料FLの液面位置に応じてエバポ通路810と燃料タンク801との連通を遮断可能に構成されている。COV808は、給油時の液面上昇に際しては、ROV807の閉弁後も開弁状態を維持するが、車両旋回による液面の動揺等により液面がCOV808まで到達するような場合には閉弁し、エバポ通路810と燃料タンク801との連通を遮断するように構成されており、エバポ通路810を介して燃料FLが外部に漏洩しない構成となっている。
キャニスタ811は、内部に、蒸発燃料を吸着保持可能な、活性炭で形成された吸着材812を備えた、蒸発燃料の吸着手段である。キャニスタ811は、先述したエバポ通路810、大気連通管813及びパージ用配管814の三種類の配管に接続されている。
大気連通管813は、ハイブリッド車両10の車外空間と連通する管状部材である。この大気連通管813には、大気開放弁817が設置されている。大気開放弁817は、開弁時にキャニスタ811と車外空間とを連通させ、閉弁時にキャニスタ811を車外空間から切り離すことが可能な弁体を有する弁装置である。この弁体の駆動装置は、ECU100と電気的に接続されており、大気開放弁817は、ECU100によりその駆動状態が制御される構成となっている。
パージ用配管814は、一端部がキャニスタ811の下方に接続され、他端部が吸気管207のスロットルバルブ208下流側(気筒側)に接続された、本発明に係る「パージ通路」の一例たるメインパージガスの通路である。
ここで、「メインパージガス」とは、大気開放弁817の開弁時に大気連通管813を介して適宜導かれる外気と吸着材812に吸着保持された蒸発燃料との混合体(蒸発燃料の吸着量がゼロであれば、即ち外気そのもの)であり、係るメインパージガスは、エンジン200の稼動期間の一部において、パージ用配管814を介して吸気管207に供給され、メインパージ(即ち、蒸発燃料を吸気管207へ戻す処理)がなされる構成となっている。
パージコントロールバルブ815は、パージ用配管814上に設置された、本発明に係る「パージ制御弁」の一例たる電磁弁である。パージコントロールバルブ815は、図示せぬ電磁アクチュエータにより、パージ用配管814を開放する全開開度と、パージ用配管814を閉鎖する全閉開度との間で、その開度が連続的に制御される構成となっている。この電磁アクチュエータを駆動する不図示の駆動装置は、ECU100と電気的に接続された状態にあり、ECU100による制御に従って駆動される。即ち、パージコントロールバルブ815は、ECU100によりその開閉状態が制御される構成となっている。
<実施形態の動作>
<燃料タンクシステム800の基本制御>
燃料タンクシステム800は、燃料FLを貯留する機能の他に、蒸発燃料を処理する蒸発燃料処理装置としての機能を有している。以下に、燃料タンクシステム800の基本的な制御態様について説明する。
<燃料給油時>
ハイブリッド車両10のドライバ等により、車室内に備えられたフューエルリッドスイッチが操作されると、図2におけるフューエルキャップ816の更に外側に位置するフューエルリッドのロックが解除され、フューエルリッドが開いてフューエルキャップ816が現れる。フューエルキャップ816は手動で取り外し可能に構成されており、取り外されることにより給油管805を介した給油が可能となる。
ここで、燃料タンク801の貯留空間Aの圧力たるタンク内圧Ptkが大気圧以上の正圧(尚、本実施形態においては、タンク内圧Ptkを、大気圧を基準とするゲージ圧によって表すこととする。即ち、大気圧未満の圧力は負圧であり、大気圧より高い圧力は正圧である。但し、「大気圧」とは、必ずしも厳密な意味での大気圧である必要はなく、外界の気圧に略等しい圧力であってよい)である場合、何らの対策も講じられないと、フューエルキャップ816が取り外された場合に、貯留空間Aから外界へ蒸発燃料が放出されてしまう。
そこで、ECU100は、上記フューエルリッドスイッチの操作がなされたことを電気信号として受け取ると、PCU400を介して封鎖弁809に通電し、封鎖弁809を全開状態に制御する。また、それと同時に、大気開放弁817を開弁制御し、キャニスタ811の内部を大気に連通させる。
このような弁制御がなされると、タンク内圧Ptkが蒸発燃料によって正圧であるならば、貯留空間Aの蒸発燃料は、エバポ通路810を介してキャニスタ811に導かれ、吸着材812に吸着保持される。蒸発燃料が全て吸着材812に吸着された、キャニスタ811を通過した後の清浄な空気は、開弁状態にある大気開放弁817を介して大気連通管813から車外へ排出される。その結果、タンク内圧Ptkは略大気圧まで低下する。
ECU100は、貯留空間Aが大気圧付近まで低下したことを圧力センサ802のセンサ値により確認した後に、フューエルリッドのロックを解除する。このような制御ロジックにより、給油時の蒸発燃料の車外放出が防止される。
給油継続中は、燃料の液面上昇に伴ってタンク内圧Ptkが上昇するため、封鎖弁809は開弁状態に維持される。給油が終了し、フューエルキャップ816が取り付けられ、フューエルリッドが閉じられると、ECU100は、フューエルリッドをロックした後に、封鎖弁809への通電を停止する。またそれと連動して大気開放弁817もまた閉弁される。
<メインパージ実行時>
キャニスタ811における蒸発燃料の吸着量(吸着材812の吸着量)が一定以上となると、メインパージの実行要求が発生する。
ここで、封鎖弁809の開弁時にキャニスタ811に導かれた蒸発燃料が全てキャニスタ811の吸着材812に吸着されるとすれば、タンク内圧Ptkと燃料温度Tfとに基づいて、係る蒸発燃料の吸着量を推定することが可能となる。本実施形態では、予めROMに、係るタンク内圧Ptk及び燃料温度Tfと蒸発燃料の吸着速度とを対応付けた吸着速度マップが格納されており、ECU100は、圧力センサ802により検出されるタンク内圧Ptkと温度センサ806により検出される燃料温度Tfとに基づいて、蒸発燃料の吸着速度を一定周期で取得すると共に、封鎖弁809の開弁期間において係る取得された吸着速度を積算することにより、キャニスタ811における蒸発燃料の吸着量を推定する。
尚、このような吸着量の推定態様は一例に過ぎず、吸着量を推定するにあたっては、公知の各種態様を採用することができる。例えば、キャニスタ811における蒸発燃料の吸着量を直接検出し得るように構成された検出手段がキャニスタ811に付設され、その検出結果がECU100により一定又は不定の周期で参照可能に構成されていてもよい。
メインパージの実行要求は、このように推定される吸着量が、吸着材812の飽和状態に対応する吸着量未満の範囲で設定される基準値に到達した場合に生じる。メインパージの実行要求が生じると、エンジン200が稼働中であれば、ECU100は、封鎖弁809を全閉状態に、大気開放弁817を全開状態に夫々制御すると共に、パージコントロールバルブ815を所定の開度で開弁状態に制御する。
一方、エンジン200が稼動状態にある場合、吸気管207におけるスロットルバルブ208下流側には、主として吸気行程において負圧が形成される。従って、エンジン200が稼動状態にある場合、パージコントロールバルブ815を開弁状態に維持することによって、エンジン負圧により大気連通管813を介してキャニスタ811に外気が導かれ、係る外気が、パージ用配管814へ到達する途上において吸着材812に保持された蒸発燃料と適宜混合されることによって、上述したメインパージガスとしてパージ用配管814を介して吸気管207へ供給される。即ち、メインパージが実行されるのである。
尚、メインパージの実行要求が生じた場合に、エンジン200が非稼動状態であれば、ECU100は、メインパージを実行するためにエンジン200を始動させ、上記のようにメインパージを実行する。但し、燃料タンクシステム800においては、先に述べたように基本的に給油時以外は封鎖弁809が閉弁状態に維持され、燃料タンク801は密閉される。このため、キャニスタ811への蒸発燃料の吸着は著しく制限されており、キャニスタ811における蒸発燃料の吸着量が上記基準値に到達する頻度は高くない。
<バックパージ制御の詳細>
燃料タンクシステム800は、所謂密閉燃料タンクシステムであり、上述したようにキャニスタ811における蒸発燃料の吸着は好適に抑制されるが、本実施形態においては、ECU100により実行されるバックパージ制御によって、係る蒸発燃料の吸着が更に好適に抑制される。蒸発燃料の吸着が更に抑制されるということは、メインパージの実行要求が生じる頻度が更に低下することを意味し、必然的に、燃焼状態の良くない冷間始動時のメインパージや、メインパージのためのエンジン始動等が抑制されることを意味する。即ち、ドライバビリティ、エミッション及び燃費の各々の悪化を抑制し得る、実践上極めて有益なる効果が奏される。
ここで、図3を参照し、バックパージ制御の詳細について説明する。ここに、図3は、バックパージ制御のフローチャートである。
図3において、ECU100は、燃料タンク801の内部(即ち、貯留空間A)の圧力たるタンク内圧Ptkが負圧であるか否かを判別する(ステップS101)。
燃料タンクシステム800は、燃料タンク801が断熱材に覆われた密閉燃料タンクシステムであるため、例えば、燃料量が一定のまま燃料温度Tfが低下すると、タンク内圧Ptkは低下する。また、インジェクタ212を介した燃料供給により燃料FLの貯留量が低下すると、必然的にタンク内圧Ptkは低下する。即ち、タンク内圧Ptkは、少なくない頻度で負圧となる。
タンク内圧Ptkが大気圧或いは正圧である場合(ステップS101:NO)、ECU100は、ステップS101に係る処理を繰り返す。一方で、タンク内圧Ptkが負圧である場合(ステップS101:YES)、ECU100は、封鎖弁809を開弁させる(ステップS102)。尚、この際、パージコントロールバルブ815は閉弁状態とされ、大気開放弁817は開弁状態とされる。
このように各弁が制御されると、大気連通路813、キャニスタ811及びエバポ通路810を介して貯留空間Aに吸着された蒸発燃料と外気との混合ガスであるバックパージガス(先に述べたメインパージガスと実質的に等しい)が供給され、蒸発燃料のバックパージが実現される。即ち、元々貯留空間Aに存在した蒸発燃料が、再び貯留空間Aに戻されるのである。
封鎖弁809を開弁すると、ECU100は、タンク内圧Ptkが大気圧に到達したか否かを判別する(ステップS103)。タンク内圧Ptkが未だ負圧であれば(ステップS102:NO)、ECU100は、封鎖弁809を開弁状態に維持し、タンク内圧Ptkが大気圧に到達すると(ステップS102:YES)、ECU100は、封鎖弁809を閉弁させる(ステップS104)。
また、封鎖弁809の閉弁と同時に、大気開放弁817も閉弁される。ステップS104が実行されると、処理は再びステップS101に戻され、一連の処理が繰り返される。バックパージ制御は以上のようにして行われる。
このように、バックパージ制御によれば、タンク内圧Ptkが負圧であれば、係る負圧を利用して吸着材812から蒸発燃料を脱離させることが可能となる。このため、キャニスタ811における蒸発燃料の吸着量の増大を抑制することが可能となり、メインパージの実行要求が生じる頻度を低下させることが可能となる。また、この際、燃料タンク801に戻された蒸発燃料の一部は、液化して正規の燃料噴射に供され得るため、バックパージにより一時的にキャニスタ811の負荷を軽減するのみならず、キャニスタ811の絶対的な負荷を軽減することが可能となる。
また、貯留空間Aを負圧に維持する、或いは、タンク内圧Ptkが正圧と負圧との間で揺動するといった現象は、燃料タンク801の耐久性や信頼性を担保する点からは少なくとも望ましくない。
その点、本実施形態に係るバックパージによれば、キャニスタ811における蒸発燃料の吸着抑制を図ると同時に、貯留空間Aを概ね大気圧以上の圧力状態に維持することによって、燃料タンク801の耐久性及び信頼性の向上を図ることが可能となり実践上有益である。
尚、本実施形態では、バックパージ時に大気開放弁817は開弁状態とされたが、キャニスタ811は基本的に常時大気圧近傍の圧力状態に維持されており、大気開放弁817が閉弁状態とされていてもバックパージの実行は阻害されない。この点に鑑みれば、バックパージの実行時において大気開放弁817は閉弁状態に維持されてもよい。
尚、燃料タンク801にバックパージされる蒸発燃料の量は、キャニスタ811を大気圧とすれば、タンク内圧Ptk(即ち、バックパージガスの流量に相関する)と、吸着材812における蒸発燃料の脱離効率と、バックパージの実行時間とにより推定され得る。ECU100は、この推定されたバックパージ量を、先に述べたキャニスタ811における蒸発燃料の吸着量から減じることによって、当該吸着量を適宜更新する。その結果、メインパージの実行要求の発生頻度が低下するのである。
<第2実施形態>
第1実施形態に係るバックパージ制御において、キャニスタ811から蒸発燃料をバックパージするためには、タンク内圧Ptkが負圧である必要がある。先に述べたように、燃料タンクシステム800において、燃料タンク801内部が負圧状態になる可能性は低くないが、より積極的に燃料タンク801内部を負圧とすることもできる。ここで、図4を参照し、このような趣旨に基づいた本発明の第2実施形態に係るバックパージ補助制御について説明する。ここに、図4は、バックパージ補助制御のフローチャートである。
図4において、ECU100は、先に述べたメインパージが実行されているか否かを判別する(ステップS201)。メインパージが実行されていない場合(ステップS201:NO)、バックパージ補助制御は終了する。
メインパージが実行されている場合(ステップS201:YES)、ECU100は、タンク内圧Ptkが正圧領域で設定される基準値Ptk1未満であるか否かを判別する(ステップS202)。尚、基準値Ptk1は、予め実験的に得られる適合値であり、負圧領域にある吸気管207との圧力差が過度に大きくならないように(即ち、パージ用配管214を介して吸気管207に導かれるガス量が、燃焼状態の悪化を顕在化させない範囲に収まるように)決定される。タンク内圧Ptkが基準値Ptk1以上である場合(ステップS202:NO)、ECU100は、燃焼状態の不安定化を回避する目的からバックパージ補助制御を終了する。
タンク内圧Ptkが基準値Ptk1未満である場合(ステップS202:YES)、ECU100は、大気開放弁817を閉弁させ(ステップS203)、且つ封鎖弁809を開弁させる(ステップS204)と共に、パージコントロールバルブ815を強制的に開弁させる(ステップS205)。その結果、燃料タンク801内部に吸気管207の負圧が導入される。
貯留空間Aに負圧が導入されると、ECU100は、タンク内圧Ptkが基準値Ptk2(Ptk2<Ptk1)未満であるか否かを判別する(ステップS206)。尚、基準値Ptk2は、例えば、−5kPa程度の負圧領域の値である。ECU100は、タンク内圧Ptkが基準値Ptk2以上である間は(ステップS206:NO)、貯留空間Aへの負圧の導入を継続し、タンク内圧Ptkが基準値Ptk2未満となった場合に(ステップS206:YES)、封鎖弁809を閉弁させる(ステップS207)。また、封鎖弁809の閉弁制御と同時に、大気開放弁817が開弁され(ステップS208)、パージコントロールバルブ815を通常の駆動状態に復帰させる(ステップS209)。バックパージ補助制御は、以上のように実行される。
このように、バックパージ補助制御によれば、燃料温度Tfの低下や燃料量の減少等、受動的に生じるタンク内圧Ptkの低下に加え、メインパージ実行時の吸気管負圧を貯留空間Aに導くことによって貯留空間Aを能動的に負圧に移行させることができる(即ち、本実施形態において、ECU100は、本発明に係る「負圧導入手段」の一例としても機能する)。
このため、第1実施形態に示したバックパージ制御におけるステップS101の判別処理が「YES」側に分岐する機会が増加し、蒸発燃料のバックパージがより高頻度に実行される。即ち、キャニスタ811における蒸発燃料の吸着をより抑制することが可能となるのである。
<第3実施形態>
次に、図5を参照し、本発明の第3実施形態として、第1実施形態と異なるバックパージ制御について説明する。ここに、図5は、第3実施形態に係るバックパージ制御のフローチャートである。尚、同図において、図3と重複する箇所には同一の符合を付してその説明を省略することとする。また、第3実施形態に係る車両の構成は、第1実施形態と等しいものとする。
図5において、ECU100は、タンク内圧Ptkが負圧である場合(ステップS101:YES)、エンジン200がフューエルカット状態にあるか否かを判別する(ステップS301)。エンジン200がフューエルカット状態にない場合(ステップS301:NO)、ECU100は更に、ハイブリッド車両10がモータジェネレータMG2から供給されるモータトルクのみを使用したEV走行中であるか、又はエンジン200が間欠停止中であるか否かを判別する(ステップS302)。ハイブリッド車両10がEV走行中でなく、且つエンジン200が間欠停止中でもない場合(ステップS302:NO)、ECU100は更に、ハイブリッド車両10がソーク状態にあるか否かを判別する(ステップS303)。尚、「ソーク状態」とは、ハイブリッド車両10の始動入力が生じていないレディオフ状態(即ち、動力源が全て停止した状態)を指し、例えば、長時間の駐車状態等がこれに該当し得る。ハイブリッド車両10がソーク状態にない場合(ステップS303:NO)、ECU100は、処理をステップS101に戻す。
一方、エンジン200がフューエルカット状態であるか(ステップS301:YES)、ハイブリッド車両10がEV走行状態にある若しくはエンジン200が間欠停止中であるか(ステップS302:YES)、又はハイブリッド車両10がソーク状態にある場合(ステップS303:YES)、ECU100は、封鎖弁809を開弁させ、第1実施形態と同様に蒸発燃料のバックパージを実行する(ステップS102)。第3実施形態に係るバックパージ制御は、以上のように実行される。
このように、第3実施形態に係るバックパージ制御によれば、蒸発燃料のバックパージが、メインパージが実行されない期間において実行されるため、メインパージとバックパージとの間で実行期間が重複せず効率的である。
<第4実施形態>
次に、図6を参照し、本発明の第4実施形態として、第1及び第3実施形態と異なるバックパージ制御について説明する。ここに、図6は、第4実施形態に係るバックパージ制御のフローチャートである。尚、同図において、図3と重複する箇所には同一の符合を付してその説明を省略することとする。また、第4実施形態に係る車両の構成は、第1実施形態と等しいものとする。
図5において、タンク内圧Ptkが負圧である場合(ステップS101:YES)、ECU100は、封鎖弁809を駆動する電磁アクチュエータの駆動デューティ比を最小値に制御し、封鎖弁809を最小デューティ比で駆動する(ステップS401)。その結果、封鎖弁809は、現実的な制約の範囲で最小の開度に維持される。
本実施形態によれば、バックパージ実行時の封鎖弁809の開度が最小開度に維持されるため、バックパージガスの単位時間当たりの流量を最小限に抑制することができる。このようにバックパージの進行が緩慢化されることによって、単位時間当たりの吸着材812からの蒸発燃料の脱離量を一定量以下に抑制し、気化潜熱による吸着材812の温度低下が、蒸発燃料の脱離効率を低下させることによるバックパージの非効率化を防ぐことが可能となる。
この際、封鎖弁809の開度を最小開度とすることによって、バックパージの実行時間は相対的に長くなり得るが、元よりバックパージを実行するにあたって時間的な制約は殆どなく、このように実行時間が長くなることによる実践上の不利益は殆ど生じない。即ち、キャニスタ811における蒸発燃料の吸着量を最大限に低下させる旨の実践上の利益のみが享受されるのである。
尚、本実施形態においては、吸着材812における蒸発燃料の脱離効率の低下を抑制するにあたって、封鎖弁809の電磁アクチュエータが最小駆動デューティ比で駆動されることにより、封鎖弁809が実質的な最小開度に制御されるが、吸着材812における蒸発燃料の脱離効率の低下を許容範囲内に収め得る封鎖弁809の開度は、必ずしも最小開度に限定されない。
<第5実施形態>
バックパージとメインパージとは、ハイブリッド車両10の運転条件に応じて適宜優先順位を付与することにより、相互に協調して実行することも可能である。ここで、図7を参照し、本発明の第5実施形態として、これらを強調的に実行するためのパージ制御について説明する。ここに、図7は、パージ制御のフローチャートである。尚、同図において、図3と重複する箇所には同一の符合を付してその説明を省略することとする。また、第5実施形態に係る車両の構成は、第1実施形態と等しいものとする。
図7において、タンク内圧Ptkが負圧でない場合(ステップS101:NO)、ECU100は、メインパージの実行要求が有るか否かを判別する(ステップS503)。メインパージの実行要求が無い場合(ステップS503:NO)、処理はステップS101に戻される。一方、メインパージ要求が有る場合(ステップS503:YES)、ECU100は、メインパージを実行する。即ち、タンク内圧Ptkが大気圧或いは正圧である場合には、通常のメインパージが実行される。
一方、タンク内圧Ptkが負圧である場合(ステップS101:YES)、ECU100は、ステップS503と同様にメインパージの実行要求が有るか否かを判別する(ステップS501)。メインパージの実行要求が無い場合(ステップS501:NO)、ECU100は、封鎖弁809を開弁させ、バックパージを実行する(ステップS102)。
ここで、メインパージの実行要求が有る場合(ステップS501:YES)、ECU100は、エンジン200が冷間状態にあるか否かを判別する(ステップS502)。エンジン200が温間状態にあれば(ステップS502:NO)、ECU100は、バックパージに優先してメインパージを実行し(ステップS504)、エンジン200が冷間状態にあれば(ステップS502:YES)、ECU100は、メインパージに優先してバックパージを実行する(ステップS102)。
このように、本実施形態に係るパージ制御によれば、バックパージが可能な状況においてメインパージの実行要求がある場合に、エンジン200が冷間状態にあればバックパージが、エンジン200が温間状態にあればメインパージが夫々一方のパージに優先して実行される。このため、燃焼状態が良くない冷間状態におけるメインパージが確実に回避され、実践上問題無く蒸発燃料を燃焼処理できる状況においては、蒸発燃料が確実に処理される。即ち、ドライバビリティ、エミッション及び燃費の悪化を抑制しつつ、蒸発燃料を好適に処理することが可能となるのである。
<第6実施形態>
次に、図8を参照し、本発明の第6実施形態として、第5実施形態とは異なる優先順位の付与態様について説明する。ここに、図8は、第6実施形態に係るパージ制御のフローチャートである。尚、同図において、図7と重複する箇所には同一の符合を付してその説明を省略することとする。また、第6実施形態に係る車両の構成は、第1実施形態と等しいものとする。
図8において、ECU100は、ステップS501において、メインパージの実行要求が有る場合(ステップS501:YES)、燃料タンク801が、給油直後であり且つ燃料残量が多いか否かを判別する(ステップS601)。
尚、「給油直後」とは、給油後(フューエルリッドのロック後)の経過時間が予め設定された基準値未満であることを指す。また、「燃料残量が多い」とは、燃料残量が、満タン給油時の残量を100として、例えば90〜100程度であること等を指し、貯留空間Aの空間容積が、蒸発燃料がバックパージされた場合に蒸発燃料の液化が促進され得る程度に小さい状態に相当する。尚、燃料残量は、図2には不図示のフロート式の液面検出センサ等により検出され、ECU100が適宜参照するものとする。
給油直後でないか、又は燃料残量が多くない場合(ステップS601:NO)、ECU100は、処理をステップS504に進め、メインパージを実行すると共に、給油直後且つ燃料残量が多い場合(ステップS601:YES)、貯留空間Aの空間容積が小さく、負圧の形成が容易であり、またバックパージされた蒸発燃料の液化が促進され得るものとして、ECU100は、封鎖弁809を開弁してバックパージを実行する(ステップS102)。
このように、本実施形態に係るパージ制御によれば、メインパージの実行要求が生じていても、バックパージが効果的になされ得る条件(負圧が形成され易く、且つ液化が進行し易い条件)が満たされた場合にはバックパージが優先される。このため、バックパージによる、キャニスタ811における蒸発燃料の吸着抑制効果が、極めて効率的に発揮される。尚、第6実施形態に係るパージ制御と第5実施形態に係るパージ制御とは相容れないものではなく、無論両者が複合的に運用されてもよい。
尚、第1乃至第6実施形態においては、一貫して、本発明に係る燃料タンクシステムの制御装置がハイブリッド車両に適用された例が示されるが、本発明に係る燃料タンクシステムの制御装置を適用可能な車両は、ハイブリッド車両に限定されるものではなく、例えば、エンジン200のみを動力源として備える車両であってもよい。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う燃料タンクシステムの制御装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
本発明は、例えば密閉燃料タンクシステムを備えた車両に適用可能である。
10…ハイブリッド車両、100…ECU、200…エンジン、201…気筒、203…ピストン、205…クランクシャフト、300…動力分割機構、400…PCU、500…バッテリ、600…充電プラグ、700…リレー回路、800…燃料供給システム、801…燃料タンク、802…圧力センサ、806…温度センサ、809…封鎖弁、810…エバポ通路、811…キャニスタ、812…吸着材、813…大気連通管、814…パージ用配管、815…パージコントロールバルブ。

Claims (12)

  1. 車両に搭載され、
    内燃機関の燃料を貯留する燃料タンクと、
    前記燃料タンクの内部で生じる蒸発燃料を吸着可能なキャニスタと、
    該キャニスタ及び前記燃料タンクを連通させる蒸発燃料通路と、
    前記蒸発燃料通路に設置され、前記蒸発燃料通路を開放及び閉鎖可能な封鎖弁と、
    前記内燃機関の吸気通路と前記キャニスタとを連通させるパージ通路と、
    前記パージ通路に設置され、前記パージ通路を開放及び閉鎖可能なパージ制御弁と
    を備えた燃料タンクシステムの制御装置であって、
    前記燃料タンクの内圧を特定する特定手段と、
    該特定された内圧が負圧である場合に前記封鎖弁を開弁させる制御手段と
    を具備し、
    前記制御手段は、前記吸着された蒸発燃料の脱離効率の低下が許容範囲に収まるように前記封鎖弁を開弁させる
    ことを特徴とする燃料タンクシステムの制御装置。
  2. 前記内燃機関の稼動時に前記吸気通路の負圧を前記燃料タンクに導入する負圧導入手段を更に具備する
    ことを特徴とする請求項1に記載の燃料タンクシステムの制御装置。
  3. 前記負圧導入手段は、前記内燃機関の稼動時に前記吸気通路の負圧が前記燃料タンクに導入されるように前記パージ制御弁及び前記封鎖弁を開弁させる
    ことを特徴とする請求項2に記載の燃料タンクシステムの制御装置。
  4. 前記制御手段は、前記内燃機関において燃料供給が停止されている期間において前記封鎖弁を開弁させる
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の燃料タンクシステムの制御装置。
  5. 前記制御手段は、前記封鎖弁の開度が最小開度となるように前記封鎖弁を制御する
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の燃料タンクシステムの制御装置。
  6. 前記車両は、前記内燃機関と共に動力源として機能する少なくとも一つの回転電機を備えたハイブリッド車両である
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の燃料タンクシステムの制御装置。
  7. 車両に搭載され、
    内燃機関の燃料を貯留する燃料タンクと、
    前記燃料タンクの内部で生じる蒸発燃料を吸着可能なキャニスタと、
    該キャニスタ及び前記燃料タンクを連通させる蒸発燃料通路と、
    前記蒸発燃料通路に設置され、前記蒸発燃料通路を開放及び閉鎖可能な封鎖弁と、
    前記内燃機関の吸気通路と前記キャニスタとを連通させるパージ通路と、
    前記パージ通路に設置され、前記パージ通路を開放及び閉鎖可能なパージ制御弁と
    を備えた燃料タンクシステムの制御装置であって、
    前記燃料タンクの内圧を特定する特定手段と、
    該特定された内圧が負圧である場合に前記封鎖弁を開弁させる制御手段と、
    前記内燃機関の稼動時に前記燃料タンクの内部の負圧が所定値未満となるように前記吸気通路の負圧を前記燃料タンクに導入する負圧導入手段と
    を具備することを特徴とする燃料タンクシステムの制御装置。
  8. 前記負圧導入手段は、前記内燃機関の稼動時に前記吸気通路の負圧が前記燃料タンクに
    導入されるように前記パージ制御弁及び前記封鎖弁を開弁させる
    ことを特徴とする請求項7に記載の燃料タンクシステムの制御装置。
  9. 前記制御手段は、前記内燃機関において燃料供給が停止されている期間において前記封鎖弁を開弁させる
    ことを特徴とする請求項7又は8に記載の燃料タンクシステムの制御装置。
  10. 前記制御手段は、前記吸着された蒸発燃料の脱離効率の低下が許容範囲に収まるように前記封鎖弁を開弁させる。
    ことを特徴とする請求項7から9のいずれか一項に記載の燃料タンクシステムの制御装置。
  11. 前記制御手段は、前記封鎖弁の開度が最小開度となるように前記封鎖弁を制御する
    ことを特徴とする請求項10に記載の燃料タンクシステムの制御装置。
  12. 前記車両は、前記内燃機関と共に動力源として機能する少なくとも一つの回転電機を備えたハイブリッド車両である
    ことを特徴とする請求項7から11のいずれか一項に記載の燃料タンクシステムの制御装置。
JP2009095474A 2009-04-10 2009-04-10 燃料タンクシステムの制御装置 Active JP5373459B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009095474A JP5373459B2 (ja) 2009-04-10 2009-04-10 燃料タンクシステムの制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009095474A JP5373459B2 (ja) 2009-04-10 2009-04-10 燃料タンクシステムの制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010242723A JP2010242723A (ja) 2010-10-28
JP5373459B2 true JP5373459B2 (ja) 2013-12-18

Family

ID=43095973

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009095474A Active JP5373459B2 (ja) 2009-04-10 2009-04-10 燃料タンクシステムの制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5373459B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106662044A (zh) * 2014-09-01 2017-05-10 爱三工业株式会社 蒸发燃料处理装置
US10138847B2 (en) 2015-06-23 2018-11-27 Nissan Motor Co., Ltd. Evaporated fuel processing device

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5725376B2 (ja) * 2012-09-06 2015-05-27 株式会社デンソー 電磁弁制御装置、および、電磁弁制御方法
EP3037294B1 (en) 2014-12-25 2019-05-01 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Pressure control apparatus of fuel tank for vehicle
JP6337806B2 (ja) 2015-03-10 2018-06-06 トヨタ自動車株式会社 蒸発燃料処理装置
JP6641972B2 (ja) * 2015-12-16 2020-02-05 三菱自動車工業株式会社 蒸発燃料処理装置

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10259765A (ja) * 1997-01-17 1998-09-29 Nippon Soken Inc 燃料タンクの内圧制御装置及びタンク内圧制御弁
JPH11264349A (ja) * 1998-03-19 1999-09-28 Denso Corp 蒸発燃料の蒸散抑止装置
JP4066926B2 (ja) * 2003-09-29 2008-03-26 トヨタ自動車株式会社 密閉燃料タンクシステムの制御装置
JP4877170B2 (ja) * 2007-09-19 2012-02-15 トヨタ自動車株式会社 燃料蒸気処理装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106662044A (zh) * 2014-09-01 2017-05-10 爱三工业株式会社 蒸发燃料处理装置
US10138847B2 (en) 2015-06-23 2018-11-27 Nissan Motor Co., Ltd. Evaporated fuel processing device

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010242723A (ja) 2010-10-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10363925B2 (en) Method for detecting leaks in an intake manifold
JP5185059B2 (ja) ハイブリッド車両の制御装置
JP5373459B2 (ja) 燃料タンクシステムの制御装置
US9163571B2 (en) Method for purging of air intake system hydrocarbon trap
JP4396756B2 (ja) 動力出力装置およびこれを備える車両ならびに動力出力装置の制御方法
JP2010270652A (ja) 蒸発燃料処理装置
JP2009281330A (ja) ハイブリッド車両
US9376969B2 (en) Air intake system hydrocarbon trap purging
JP2009085036A (ja) 蒸発燃料処理装置
JP5704109B2 (ja) ハイブリッド車両
JP2008105639A (ja) ハイブリッド車両の制御装置
EP2799677B1 (en) Exhaust control apparatus for internal combustion engine
JP2010242724A (ja) 車両の制御装置
JP2010208576A (ja) ハイブリッド車両の異常検出装置
JP4967898B2 (ja) ハイブリッド車両の制御装置
JP2008296630A (ja) 車両の制御装置
JP2007125920A (ja) ハイブリッド車両の制御装置及びハイブリッド車両
JP2013184621A (ja) ハイブリッド車両の蒸発燃料処理装置
JP2009083541A (ja) ハイブリッド車両の制御装置
JP2011105040A (ja) ハイブリッド車両の制御装置
JP2014213787A (ja) ハイブリッド車両の制御装置
JP6160645B2 (ja) ハイブリッド自動車
JP2009024638A (ja) 制振制御装置
JP2010242512A (ja) 燃料貯留システム
JP2010138813A (ja) 燃料貯留システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111221

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130207

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130212

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130412

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130903

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130919

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5373459

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250