JP5372479B2 - 木造家屋の耐震又は風圧強度測定方法および装置 - Google Patents

木造家屋の耐震又は風圧強度測定方法および装置 Download PDF

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本発明は一般に木造家屋の耐震又は風圧強度測定方法に関するものであり、より特定的には、専門技術を必要とせず、継続的に安価で正確な耐震診断を行なうことができる耐震又は風圧強度測定方法に関する。この発明はまた、そのような測定方法を実現できる木造家屋の耐震又は風圧強度測定装置に関する。
図9を参照して、例えば地震時の建物は、下の階に対して上の階が水平移動して変形する。この変形(移動)の量を階高で割った値を層間変形角という。例えば、階高3m(h=300)で10cm横移動(δ=10)すれば、θ=10/300=1/30 rad となる。一般の木造住宅は、層間変形角が1/30 radになれば非常に危険である。これは、台風などの風圧による水平荷重がかかる場合にも同様である。
従来の木造住宅の耐震精密診断は、耐震知識を持つ専門技術者が現地調査を行い、平面計画、地盤、老朽度を考慮し、「木造住宅の耐震精密診断と補強方法」の指標に基く机上検討で、水平耐力を算出し、想定される地震に対する耐震強度を算出するものである。
特許文献1には、地震時の加速度、構造変位を、加速度センサージャイロによる電子機器を用いて診断する方法が開示されている。この診断方法は、加速度センサーとジャイロセンサーとを備えた地震計を用い、加速度センサーの出力から、建築構造物の並進変位成分を求めると共に、ジャイロセンサーの出力から建築構造物のロッキング成分及び/又はねじれ成分を求め、上記並進変位成分からロッキング成分及び/又はねじれ成分の影響を除去して、上記建築構造物の歪みを評価するものである。
また、特許文献2は、処理装置と記憶装置を有するコンピュータにより実行される簡易耐震診断処理方法を開示する。これは、処理装置と記憶装置とを有するコンピュータにより実行される簡易耐震診断処理方法であって、前記処理装置により、評価階以上の床面積と壁長とから第1のパラメータを算出し、前記記憶装置に格納する第1パラメータ算出ステップと、前記処理装置により、整形性に関する指標値と辺長比に関する指標値と地下室に関する指標値と平面剛性に関する指標値とから形状指標値を特定し、前記記憶装置に格納する形状指標値特定ステップと、前記処理装置により、前記記憶装置に格納された前記第1のパラメータと、予め定められた少なくとも上限値関数と下限値関数とから、第2のパラメータの上限値及び下限値を算出し、前記記憶装置に格納するステップと、前記処理装置により、経年に関する指標値と前記記憶装置に格納された前記形状指標値及び前記第2のパラメータの上限値及び下限値とから、構造耐震指標の上限値及び下限値を算出し、前記記憶装置に格納する構造耐震指標算出ステップと、を含む簡易耐震診断処理方法を開示する。
特開2008−39507号公報 特開2006−275854号公報(特許請求の範囲)
しかしながら、以上の従来技術による調査方法では、建物の施工性や積載状態、経年変化による劣化は考慮されず、簡易ではあるが建物使用状況に合致した正確な耐震診断が困難である。
また、電子機器による測定は、装置の取り付け、及び測定による数値の処理に専門的技術を要する。また地震時における電力の供給に対して脆弱であり、さらに設置に係る費用負担が大きい。
同じくコンピュータを処理装置、記憶装置に利用した診断方法も前記同様高価であり、専門技術を要し且つ容易に確認できない。また電力に備える必要性が求められる。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、専門技術を必要とせず、継続的に安価で正確な耐震又は風圧強度に関する診断を行なうことができる木造家屋の耐震又は風圧強度測定方法を提供することを目的とする。
この発明の他の目的は、そのような耐震又は風圧強度測定方法を実現できる、木造家屋の耐震又は風圧強度測定装置を提供することにある。
本発明に係る木造家屋の耐震強度又は風圧強度を測定する装置は、窓枠の 上桟と縦桟の交点に取付けられる、木造家屋の耐震強度又は風圧強度を測定する装置であって、横支持部材と、上記窓枠の上記 縦桟 に固定するための縦支持部材とが一体の連続的に連なったL字状部材と、上記L字状部材の上記横支持部材に取付けられ、水平荷重時における層間変形角を直接測定して表示する層間変形角測定手段と、を備える。上記層間変形角測定手段は、上記水平荷重時において、予め定められた位置における、上記L字状部材の横支持部材と上記窓枠の 上桟との離隔の距離の変化を測定する手段と、 上記L字状部材の横支持部材と上記窓枠の 上桟との離隔の距離の変化を増幅して角度の変形量として変換する手段と、上記角度の変形量の最大を、一点を固定点として、時計回り又は反時計回りに回転して示す第1の針と第2の針と、上記第1及び第2の針の回転角度を上記 層間変形角に換算して表示する表示部とを含む。
この発明の好ましい実施態様によれば、上記表示部には、中央から時計回りに右方向注意ゾーン、右方向警戒ゾーン、右方向危険ゾーンが順に表示され、中央から反時計回りに左方向注意ゾーン、左方向警戒ゾーン、左方向危険ゾーンが順に表示されている。
上記第1及び第2の針に加えて、上記木造家屋の現状変形角を表示させる第3の針をさらに備えてもよい。
さらに好ましくは、上記第1又は第2の針が、危険ゾーンに入った場合に、警告音を鳴らせる警告音発生手段をさらに備える。
本発明の他の局面に従う発明は、木造家屋の耐震強度又は風圧強度の測定方法に係る。まず、上記特徴を有する装置を準備する工程と、上記L字状部材の上記縦支持部材を上記窓枠の 縦桟 に固定する工程とを備える。そして、水平荷重時に、予め定められた位置における、上記L字状部材の横支持部材と上記窓枠の 上桟との離隔の距離の変化を測定し、上記L字状部材の横支持部材と上記窓枠の 上桟との離隔の距離の変化を増幅して角度の変形量に変換し、上記角度の変形量の最大を、上記水平荷重時における層間変形角に換算して表示部に表示させる。
この方法のさらに好ましい実施態様によれば、方角の一をX方向として、それに直交する方向をY方向としたとき、上記横架材の延びている方角がX方向の場所及び上記横架材の延びている方角がY方向の場所の少なくとも2つの場所において、それぞれ、上記測定方法を実行する。
さらに好ましくは、複数階を有する家屋では、各階で、それぞれ、上記測定方法を実行する。
本発明に係る方法によれば、従来の机上検討では予測できなかった施工性、積載考慮、経年変化を含めた個々の建物の耐力が測定でき、適切な補強が可能となる。また層間変形角を測定することによって、水平移動による内部損傷の状態を知ることが可能となり、的確な耐震補強が可能となる。また、本発明によれば、専門知識を必要とせず、建物の微小な変位を測定でき、層間変形角から水平荷重に対する建物の耐震力を即時に知ることができる。
また、本発明に係る木造家屋の耐震又は風圧強度測定装置によれば、既存建物にも簡単に取付ける事ができる。すなわち、取り付けから、測定、耐震診断まで専門家を必要としない。
さらに、当該耐震又は風圧強度測定装置を場所を選んで、複数配置することにより、家屋の部分的な変形を測定することが可能となり、各部の変形の差により、建物の回転方向を知ることができ、倒壊方向の予測が可能となる。
専門技術を必要とせず、継続的に安価で正確な耐震又は風圧強度に関する診断を行なうことができる耐震又は風圧強度測定方法を提供するという目的を、本発明に係る木造家屋の耐震強度又は風圧強度測定装置を、窓枠の上桟と縦桟の交差点に取付けることによって実現した。以下、この発明の実施の形態を、図を用いて説明する。
図1(A)を参照して、建物は鉛直面1,2と水平面3,4,5で構成されている。
図1(B)を参照して、地震又は風圧により、水平方向に荷重が加わったとき(水平荷重時という)、それに伴って、木造家屋の鉛直面1及び鉛直面2が傾く。水平荷重に直交する鉛直面1,2は変形し、家屋に付随する窓6,7も同様の変形が起こる。1階回転角度に対応して窓も図のように変形する。2階回転角度に対応して窓も図のように変形する。本発明では、窓6,7の変形を耐震又は風圧強度測定装置8で測定し、層間変形角を求めるのである。変形は、1階部分と2階部分で、それぞれ異なった値となり、また同一階でも互いに直交するX方向、Y方向(後述する)で異なる値となる。併せて測定位置によりX方向、Y方向の値も違ってくる。同一階のXn方向、Yn方向(Xn:東西南北、北東、北西等種々の方角を意味している)を変えて、層間変形角を求めると、建物の回転ベクトルが得られる。
図1(C)を参照して、各階の層間変形角と同階のイ、ロ層間変形角の差により、建物の水平回転角が求められる。
窓6,7は、ガラスをはめ込む枠である上桟と下桟と縦桟を有し、本発明に係る耐震強度又は風圧強度測定装置を取付ける、横架材と鉛直材の例として代表的なものである。
図2(A)を参照して、実施の形態に係る耐震又は風圧強度測定装置8(その構成の一例を実施例1で詳述する)は、平常時に、窓枠の上桟21と縦桟22に接して取り付けられる。耐震又は風圧強度測定装置8は、横支持部材8aと縦支持部材8bとからなるL字状部材を含む。この取り付け操作は簡単であり、既存の建物の測定を容易にし、専門知識を要しない。実施例に係る耐震又は風圧強度測定装置8は、測定ピン25と表示部33を備え、水平荷重時に、予め定められた位置、すなわち測定ピン25の位置において、L字状部材の横支持部材8aと上桟21との離隔の距離の変化を測定する。詳細は後述するが、図2(B)に示すように、窓枠が地震時A方向に歪むと(回転角A)、L字状部材の横支持部材8aと上桟21との離隔の距離は図のように広がる。一方、図2(C)に示すように、窓枠が地震時B方向に歪むと(回転角B)、測定ピン25の位置において、L字状部材の横支持部材8aと上桟21との離隔の距離は図のように縮まる。
このL字状部材の横支持部材と前記横架材との離隔の距離の変化を増幅して角度の変形量に変換し、この角度の変形量の最大を、前記水平荷重時における層間変形角に換算して表示部33に表示させる。
すなわち、図2(B)に示すように、地震時A方向に回転角Aで窓枠が傾いた時、針Aが動いて、変形量が角度の変形量として表示される。針Aは、動いた位置に留まるように構成されており、変形量を履歴として目視できる。図2(C)に示すように、地震時B方向に回転角Bで窓枠が傾いた時、針Bが動いて、変形量が角度の変形量として表示される。針Bは、動いた位置に留まっており、変形量を履歴として目視できる。いずれの場合も、指針は最大変形角を表示し、建物の復元に追随しない。
図3は、表示部33の正面図である。表示部33には、指針の位置により層間変形の状態をわかりやすくするために、中央(平常時の針の位置)から時計回りに右方向注意ゾーン、右方向警戒ゾーン、右方向危険ゾーンが順に表示され、中央から反時計回りに左方向注意ゾーン、左方向警戒ゾーン、左方向危険ゾーンが順に表示されている。これらは、建物変位の計算から、層間変形角を求めたものを表示している。図中、1/240位置、1/120位置は、計算で求めた層間変形角を表している。すなわち、表示部33では、上記角度の変形量の最大が、水平荷重時における層間変形角に換算して表示される。
図4を参照して、方角の一をX方向として、それに直交する方向をY方向としたとき、横架材の延びている方角がX方向の場所及び横架材の延びている方角がY方向の場所の少なくとも2つの場所において、横架材と鉛直材の交差点付近に、横支持部材と縦支持部材とからなるL字状部材を取り付けて、それぞれ、上記測定方法を実行する。これにより、水平変位の大きな部分は、耐震力が小さく補強を必要とすることが容易に診断できる。各測定位置の水平変位の差により建物の回転角を導き出す。これにより、その回転方向に建物が倒壊することが診断できる。複数階を有する家屋では、各階でそれぞれ、上記測定方法を実行する。
耐震又は風圧強度測定装置8の取り付けは、横架材と鉛直材であれば、窓枠の上桟と縦桟の組み合わせ以外にも、土台、梁と柱の組み合わせでも可能である。
実施の形態に係る耐震又は風圧強度測定装置8の使用方法をさらに詳しく説明する。
図1,2,3を再び参照して、水平荷重時(地震や台風で建物が揺れた時)、まず、装置の表示部33の表示を確認する。これにより、即時に水平荷重による建物への影響が確認できる。危険ゾーンに針A,針Bが止まっていれば、次の水平荷重時に倒壊することの可能性が高く、建物外への非難を検討する。同針が警戒ゾーンや注意ゾーンに停止しても、わずかな水平荷重で針A又はBが動くならば、建物の耐力が小さく、耐震補強を必要とする。また、後述する図7で説明する針Cが中央に復帰しない場合は、水平荷重による影響が弾性変形を超える変形があったことが確認できる。災害後建物使用に関する調査が専門員によって行なわれるが、現地で確認できるのは災害後の層間変形角だけであるが、この装置の表示には災害時の最大層間変形角の記録が残り、より正確な使用測定が容易にできる。
上記の測定により耐震補強を行なう場合、各部装置の針を読み取り、建物の脆弱な部分を想定する。大きく針が動いた方向に補強を要するのが安易に理解できる。また、各部の測定の値の比較で、建物の構造的バランスを導くのが容易である。また、目視できない部分の損傷も層間変形角と壁材との関係から容易に想定できる。例えば、モルタル塗りの外壁は層間変形角が1/30radを越えても、表面損傷が見受けられないが、下地は層間変形角が1/120radを超える変形で、すでに内部は損傷が始まっている。
階別の層間変形角をもとに、階別の耐震補強が可能であり、的確な補強は工事費の低減につながる。また測定器の取り付け位置が自由なため、建物平面が複雑で水平構造面が複数存在する、又は不確定な建物の正確な耐震診断ができるのも、本耐震又は風圧強度測定装置の特徴である。
なお、図4は、2階建ての建物の例示であるが、平屋建て、3階建て等の複数階を有する建物にも同じく使用することができる。また増築や複雑な平面を有する(例凹型)の構造的に一体と扱えない建物の測定も可能である。測定装置は横架材と鉛直材で挟まれる角度の変化を記録できるものであればよく、その一具体例を実施例1で説明する。
図5(A)は、実施例1に係る耐震又は風圧強度測定装置8を窓枠の上桟21と縦桟22に接するように取付けたときの概念図である。図6は、実施例1に係る耐震又は風圧強度測定装置8の突起部31付近の拡大図である。
実施例1に係る耐震又は風圧強度測定装置8は、横支持部材8aと縦支持部材8bとからなるL字状部材を備える。L字状部材に、水平荷重時における層間変形角を直接測定して表示する層間変形角測定手段が設けられる。層間変形角測定手段は、測定ピン25と、測定ピン25の位置における、横支持部材8aと上桟21との離隔の距離の変化を測定し、これを増幅して角度の変形量として変換する手段(第1のアーム24,第2のアーム29,第3のアーム30,突起物31)と、上記角度の変形量を一点を固定点として、時計回り又は反時計回りに回転して示す第1の針Aと第2の針Bと、これらの針A,Bの回転角度を表示する表示部33を備える。表示部33は、第1及び第2の針A,Bの後方に設けられる。
さらに詳細に説明すると、L字状部材の縦支持部材8bは、窓枠の縦桟22にビス28で固定される。第1のアーム24の一方端は、横支持部材8aに回動点24aで回動可能に取付けられている。第1のアーム24から枝分かれするように、ピン支持部材26が設けられている。ピン支持部材26には測定ピン25が回動可能に取付けられている。測定ピン25は窓枠が、水平荷重時に変形するとき、上桟21の上面を変位に追従し転動する。
図5(A)と図6を参照して、第1のアーム24の他方端には、第2のアーム29の一方端が回動可能に取付けられている。第2のアーム29の他方端は、第3のアーム30の一方端に回動可能に取付けられている。第3のアーム30の他方端は、横支持部材8aに回動点30aで回動可能に取付けられている。
第2のアーム29の他方端の近傍には、突起部31が設けられている。突起部31は、針Aの根元から側方に延びる針延長部aに下から接触し、かつ、針Bの根元から側方に延びる針延長部bに上から接触する。突起部31が回転すると、針A又はBを回転中心32を中心に回転させる。針A,Bの後方には表示部33が設けられている。表示部33には突起部31が通過する、円弧状の通路33aが、彫り抜かれている。突起部31が、円弧状の通路33aに沿って、反時計回りに移動すると、突起部31は、針Bの針延長部bを押し上げ、これにより針Bは回転中心32を中心にして、反時計方向に回転する。突起部31が、円弧状の通路33aに沿って、下方向(矢印)に移動すると、突起部31は、針Aの針延長部aを押し下げ、これにより針Aは、回転中心32を中心にして、時計方向に回転する。
次に、水平荷重時に、予め定められた位置における、L字状部材の横支持部材と、窓の上桟との離隔の距離の変化を、角度の変形量に変換する動作について説明する。
図5(A)、図6、図2(B)を参照して、地震時、窓枠がA方向に変形したとする。このとき、測定ピン25の位置において、L字状部材の横支持部材8aと窓枠の上桟21との離隔の距離は広がる。これにつれて、測定ピン25は窓枠の上桟21の上面を転動する。すると第1のアーム24の他方端は下方向に押し下げられ、第2アーム29の他方端は下方向に押し下げられ、突起部31は、通路33aに沿って下方向に移動し、針Aの針延長部aを押し下げ、これにより針Aは回転中心32を中心にして、時計方向に回転する。
一方窓枠が、逆に変形した場合、即ち、窓枠がB方向に、すなわち図2(C)に示すように変形したとする。このとき、測定ピン25の位置において、L字状部材の横支持部材8aと窓枠の上桟21との離隔の距離は縮まり、測定ピン25は窓枠の上桟21の上面を転動する。すると第1のアーム24の他方端は上方向に押し上げられ、第2アーム29の他方端は上方向に押し上げられ、突起部31は、通路33aに沿って上方向に移動し、針Bの針延長部bを押し上げ、これにより針Bは回転中心32を中心にして、反時計方向に回転する。
針A、針Bは、建物の復元に基いて窓枠の変形が復元しても、それに追随せず、動いた位置(最大変形角の位置)で留まっており、変形量を履歴として目視できる。
なお、図5(B)を参照して、第1アーム24のL1とL2の長さの比を調節することにより、テコの原理により、横支持部材と上桟との離隔の距離の変化を、角度の変形量に変換する際の、増幅度を調節することができる。
図7を参照して、本実施例は、実施例1の変形例に係る。針A、針Bは、上述のとおり、動いた位置で留まっており、最大変形角を表示する。一方、家屋の変形はその後弾性力により回復するが、その回復後の状態の現状変形角は針A、針Bだけでは表示できない。そこで、実施例2では、図7に示すように、針A、針Bに加えて、現状変形角を表示させる針Cを設ける。針Cの針延長部cは2つに分枝し、突起物31を挟むようになっている。針A、針B、針Cのうち、針Cは最背位に配置させる。地震時、針Cは、突起物31の押圧により、針A又は針Bと同じ変位まで、回転する。さて、突起物31は、家屋の変形が弾性力によりある程度回復する(この回復した時の家屋の変形角を現状変形角という)と、現状変形角の位置まで戻る。すると針Cの延長部cは、延長部cが挟んでいる突起物31とともに、突起物31が戻る位置まで押し戻される。これによって、針Cは、現状変形角を表示することになる。
本実施例は、実施例1のさらなる変形例に係る。本実施例では、図6又は図7の構成に加えて、針A,Bが危険ゾーンに入ったときに警告音が鳴るように構成する。例えば針A,Bが危険ゾーンに入った時に、上記針延長部a,bが、例えばブザーのスイッチ(図示せず)を押す構成にすると、ブザーが鳴り続ける。これは、次回の地震時には倒壊することの警告となる。
本実施例は、実施例1のさらなる変形例に係る。図8(A)は、実施例4に係る、ラックアンドピニオン構造を有する耐震又は風圧強度測定装置を窓に取付けたときの概念図である。実施例4に係る、耐震又は風圧強度測定装置は、図5実施例と以下の点を除いて、同一であるので、同一又は相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明を繰り返さない。図8(B)はラックアンドピニオン構造部を抜き出して示した分解図であり、図8(C)は表示部33を抜き出して、説明の便宜上拡大して示した分解図である。
これらの図を参照して、実施例1と異なる点は、予め定められた位置における、L字状部材の横支持部材8aと窓枠の上桟21との離隔の距離の変化を増幅して角度の変形量として変換する機構が、ラックギア41とピニオンギア42を含むラックアンドピニオン構造で構成している点である。
ピニオンギア42の回転中心42aと、突起物31がその他方端に固定されたアーム30の一方端は、回転中心30aで回動可能に、連結部材43で連結されている。アーム30が回転中心30aを中心に回転すると、突起部31は、円弧状の通路33aに沿って上下方向に動く。突起部31が、円弧状の通路33aに沿って、上方向に移動すると、突起部31は、針Bの針延長部bを押し上げ、これにより針Bは回転中心30aを中心にして、反時計方向に回転する。突起部31が、円弧状の通路33aに沿って、下方向(矢印)に移動すると、突起部31は、針Aの針延長部aを押し下げ、これにより針Aは、回転中心30aを中心にして、時計方向に回転する。
次に動作について説明する。図8(A)(B)(C)と図2(B)を参照して、地震時、窓枠がA方向に、変形したとする。このとき、ラックギア41が存在する位置における、L字状部材の横支持部8aと窓枠の上桟21との離隔の距離は広がる。これにつれて、ラックギア41は下方向に降りる。するとピニオンギア42が回転中心42aを中心に時計方向に回転し、連結部材43が時計方向に回転する。すると、アーム30の他方端は下方向に押し下げられ、突起部31は、通路33aに沿って下方向に移動し、針Aの針延長部aを押し下げ、これにより針Aは回転中心30aを中心にして、時計方向に回転する。
一方、図8(A)(B)(C)と図2(C)を参照して、地震時、窓枠が上とは逆方向に、変形したとする。このとき、L字状部材の横支持部材と窓枠の上桟21との離隔の距離は縮まる。これにつれて、ラックギア41は上方向に昇る。するとピニオンギア42が回転中心42aを中心に反時計方向に回転し、連結部材43が反時計方向に回転する。すると、アーム30の他方端は上方向に押し上げられ、突起部31は、通路33aに沿って上方向に移動し、針Bの針延長部bを押し上げ、これにより針Bは回転中心30aを中心にして反時計方向に回転する。
今回開示された実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明によれば、専門技術を必要とせず、木造家屋の、継続的に安価で正確な耐震又は風圧強度に関する診断を行なうことができる。
(A) 平常時の木造家屋の状態を示す概念図である。 (B) 水平方向に荷重が加わった時の木造家屋の状態を示す概念図である。 (C) 1階と2階を上から見た概念図である。 (A) 平常時に、実施の形態に係る耐震又は風圧強度測定装置を窓枠に取付けた様子を示す概念図である。 (B) 窓枠がA方向に変形した時の概念図である。 (C) 窓枠がB方向に変形した時の概念図である。 表示部の正面図である。 複数の耐震又は風圧強度測定装置を取付ける様子を示した図である。 (A) 実施例1に係る耐震又は風圧強度測定装置を窓に取付けたときの概念図である。 (B) 増幅の原理を説明する図である。 実施例1に係る耐震又は風圧強度測定装置の突起部付近の拡大図である。 実施例2にかかる耐震又は風圧強度測定装置の部分拡大図である。 (A) 実施例4に係る、耐震又は風圧強度測定装置を窓に取付けたときの概念図である。 (B) 実施例4に係る、耐震又は風圧強度測定装置のラックアンドピニオン構造部を抜き出し示した分解図である。 (C) 実施例4に係る、耐震又は風圧強度測定装置の表示部を抜き出して、拡大して示した分解図である。 層間変形角を説明する図である。
符号の説明
1,2 鉛直面
3,4,5 水平面
6,7 窓
8 木造家屋の耐震又は風圧強度測定装置
8a 横支持部材
8b 縦支持部材
21 窓の上桟
22 窓の縦桟
23 窓の下桟
24 第1のアーム
24a 回動点
25 測定ピン
26 ピン支持部材
28 ビス
29 第2のアーム
30 第3のアーム
30a 回動点
31 突起部
32 回転中心
33 表示部
33a 通路
41 ラックギア
42 ピニオンギア
43 連結部材
a 針Aの延長部
b 針Bの延長部
c 針Cの延長部

Claims (9)

  1. 窓枠の 上桟と縦桟の交点に取付けられ、木造家屋の耐震強度又は風圧強度を測定する装置であって、
    横支持部材と、前記窓枠の前記 縦桟 に固定するための縦支持部材とが一体の連続的に連なったL字状部材と、
    前記L字状部材の前記横支持部材に取付けられ、水平荷重時における層間変形角を直接測定して表示する層間変形角測定手段と、を備え、
    前記層間変形角測定手段は、
    前記水平荷重時において、予め定められた位置における、前記L字状部材の横支持部材と前記窓枠の 上桟との離隔の距離の変化を測定する手段と、
    前記L字状部材の横支持部材と前記窓枠の 上桟との離隔の距離の変化を増幅して角度の変形量として変換する手段と、
    前記角度の変形量の最大を、一点を固定点として、時計回り又は反時計回りに回転して示す第1の針と第2の針と、
    前記第1及び第2の針の回転角度を前記 層間変形角に換算して表示する表示部とを含む、木造家屋の耐震強度又は風圧強度測定装置。
  2. 前記表示部には、中央から時計回りに右方向注意ゾーン、右方向警戒ゾーン、右方向危険ゾーンが順に表示され、中央から反時計回りに左方向注意ゾーン、左方向警戒ゾーン、左方向危険ゾーンが順に表示されている、請求項に記載の木造家屋の耐震又は風圧強度測定装置。
  3. 前記木造家屋の現状の層間変形角を表示させる第3の針をさらに備える、請求項1又は2に記載の木造家屋の耐震又は風圧強度測定装置。
  4. 前記第1又は第2の針が、前記右方向又は左方向危険ゾーンに入った場合に、警告音を鳴らせる警告音発生手段をさらに備える、請求項に記載の木造家屋の耐震又は風圧強度測定装置。
  5. 請求項1に記載の装置を準備する工程と、
    前記L字状部材の前記縦支持部材を前記窓枠の 縦桟 に固定する工程と、を備え、
    水平荷重時に、予め定められた位置における、前記L字状部材の横支持部材と前記窓枠の 上桟との離隔の距離の変化を測定し、
    前記L字状部材の横支持部材と前記窓枠の 上桟との離隔の距離の変化を増幅して角度の変形量に変換し、
    前記角度の変形量の最大を、前記水平荷重時における層間変形角に換算して表示部に表示させることを特徴とする、木造家屋の耐震強度又は風圧強度の測定方法。
  6. 記L字状部材を前記窓枠の上桟と縦桟に接するように取付けることを特徴とする、請求項に記載の木造家屋の耐震又は風圧強度測定装置の測定方法。
  7. 方角の一をX方向として、それに直交する方向をY方向としたとき、
    前記窓枠の 上桟の延びている方角がX方向の場所及び前記窓枠の 上桟の延びている方角がY方向の場所の少なくとも2つの場所において、それぞれ、前記測定方法を実行することを特徴とする、請求項5又は6に記載の、木造家屋の耐震強度又は風圧強度の測定方法。
  8. 複数階を有する家屋では、各階でそれぞれ、前記測定方法を実行することを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の、木造家屋の耐震強度又は風圧強度の測定方法。
  9. 前記L字状部材の前記縦支持部材を前記窓枠の 縦桟 に固定する工程は、前記L字状部材の前記縦支持部材を、前記窓枠の 縦桟 に、少なくとも2箇所、ビスで固定することにより行う、請求項5に記載の木造家屋の耐震強度又は風圧強度の測定方法。
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