JP5370724B2 - 安全停止回路を備えたモータ制御装置 - Google Patents
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この一般的な技術課題を解決するために、第1の従来技術におけるモータ制御装置は、「機械の動力源に使用されるインバータ制御モータの安全装置に係り、特に、確実にモータの暴走を抑止できるインバータ制御モータの安全装置に関するもの」であって、「モータとそのモータに供給する電力を制御するインバータとの間にコンタクタを設け、前記モータをロックアウトするときに、このコンタクタを開放にして前記モータへの電力供給を遮断するコンタクタ制御手段を設けたことを特徴と」している(例えば、特許文献1)。
また、第2の従来技術におけるモータ制御装置は、「ロボット、工作機械、各種産業機械等におけるモータの非常停止装置に関し、特に、何らかの故障によって非常停止スイッチの接点間が短絡しても、またスイッチ、リレー等を結ぶケーブルに断線が発生した場合でも、モータの非常停止を確実に行う非常停止装置に関するもの」であって、「何らかの故障によって非常停止スイッチの接点間が短絡しても、また、スイッチ、リレー等を結ぶケーブルに断線が発生した場合でも、モータの非常停止が確実に行われ、故障等の異常が発生した場合は、二度と電源電圧がモータに印加されることがなく、さらには異常箇所をユーザに特定させることが可能なモータの非常停止装置を得ることを目的と」している(例えば、特許文献2)。
モータ111とインバータ100の間にコンタクタ110が挿入されて、ロックアウトイッチからコンタクタへの開放要求があると、副インバータオンオフ要求信号をオフにして、インバータオンオフ要求信号をオフに変化させてインバータ100をオフする。その後、コンタクタ駆動コイル駆動信号をオフにしてコンタクタ駆動コイル118を介してコンタクタ110を開きモータ電流を遮断し、フリーラン停止させている。
請求項1に記載の発明は、外部の上位装置からのモータ駆動指令に応じて直流を交流に変換するインバータ部を駆動するゲート駆動回路と、前記ゲート駆動回路に与えるPWM信号を生成するPWM発生回路と、前記ゲート駆動回路と前記PWM発生回路の間に介在させる安全停止回路を備えたモータ制御装置であって、前記安全停止回路が、外部の複数のモータ停止スイッチと、前記複数のモータ停止スイッチと連動して前記PWM信号を遮断する複数の3ステートバッファと、前記上位装置が前記安全装置自体の異常を1つの出力信号で判断できるように構成した監視回路と、を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明における前記監視回路が、前記複数の3ステートバッファそれぞれの、少なくとも1つの出力信号を入力する1つの論理回路と、前記1つの論理回路の出力信号を入力して該出力信号に基づいてオンオフ動作する1つの半導体素子と、を備え、前記上位装置が、モータ制御装置を駆動する前に、前記1つの半導体素子の1つの出力信号に基づいて前記安全装置自体の異常を判断できるようにしたことを特徴とするものである。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1記載の発明における前記上位装置が、前記複数のモータ停止スイッチのオンオフ状態と、前記監視回路の1つの出力信号のオンオフ状態との組み合わせに基づいて、前記安全装置自体の異常を判断できるようにしたことを特徴とするものである。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1記載の発明における前記安全停止回路が、前記複数のモータ停止スイッチが開になった状態を保持できることを特徴とするものである。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1記載の発明における前記安全停止回路が、前記3ステートバッファを2個直列と、前記モータ停止スイッチを2個とを備え、前記3ステートバッファと前記モータ停止スイッチとをそれぞれ接続して、前記モータ停止スイッチが共に閉状態の場合、前記PWM信号を通過させることを特徴とするものである。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1記載の発明における前記安全停止回路が、前記モータ停止スイッチが開の場合、当該モータ停止スイッチに連動する前記3ステートバッファのイネーブル端子をHighとして出力状態をハイインピーダンスとし、前記PWM信号を遮断することを特徴とするものである。
このような問題点に鑑みて、本出願人は、コンタクタを省略できるとともに省スペース化を実現し、システムトータルコスト削減を図ることができる安全停止回路を備えたモータ制御装置を提供することを目的とした提案を行なった(出願番号:PCT/JP2008/056881)。本出願人の提案(以下、第3の従来技術におけるモータ制御装置という)は、「直流を交流に変換するインバータ部を駆動するゲート駆動回路と該ゲート駆動回路に与えるPWM信号を生成するPWM発生回路との間に介在される安全停止回路を備えた電力変換装置において、外部電力遮断用端子と該外部電力遮断用端子と連動して前記PWM信号を遮断するPWM信号遮断回路とで構成し、前記外部電力遮断用端子が開状態のときに前記PWM信号遮断回路が遮断することで前記ゲート駆動回路へのPWM信号を遮断することを特徴とする電力変換装置。」であって、ソフトウェアを介さずにハードウェアにて外部端子からインバータへのゲート駆動信号を遮断できるような安全停止回路を備えた構成としているものである。(例えば、特許文献3参照)。
なお、モータ停止スイッチ7,8は、モータ制御装置外部に設けられるものであり、また互いに連動して開閉動作するものである。
PWM発生回路1は図示しない搬送波信号であるキャリヤとの比較等により、モータ駆動用PWM信号a(2)が生成され出力される。PWM発生回路1とゲート駆動回路11との間に2つの3ステートバッファ5、6が設けられている。この3ステートバッファ5、6はそれぞれ2つのイネーブル端子51と52、および61と62を持っており、両端子51と52、および61と62の信号レベルが共にロウ(L)のときにのみ、入力されたPWM信号a(2)を出力できるようになっている。この2つの3ステートバッファ5、6のゲートの開閉はモータ停止スイッチ7、8と連動して構成されている。なお、第3の従来技術におけるモータ制御装置が第1または2の従来技術におけるモータ制御装置と異なる部分は、電力変換装置の外部にコンタクタを装備しなくてもモータ動力源を電力変換装置ソフトウェアを介在させずに遮断することを可能とした、入力PWM信号をモータ停止スイッチ7、8からの開閉信号を制御信号としてスイッチング出力するロジックで動作する2重3ステートバッファ5、6と、それぞれフォトトランジスタ9、10を介して開閉信号を、3ステートバッファ5、6に入力するモータ停止スイッチ7、8によるスイッチングハードウェア回路と、その状態を保持できる回路を備えた部分である。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、安全停止回路を備えたモータ制御装置において、モータ制御装置を駆動する前に、安全停止回路自体の異常状態をモータ制御装置外部の上位装置がより早く確実に検出することができ、安全性を高めることができる安全停止回路を備えたモータ制御装置を提供することを目的とする。
本発明の一の観点によるモータ制御装置は、外部の上位装置からのモータ駆動指令に応じて直流を交流に変換するインバータ部を駆動するゲート駆動回路と、前記ゲート駆動回路に与えるPWM信号を生成するPWM発生回路と、前記ゲート駆動回路と前記PWM発生回路の間に介在させる安全停止回路を備えたモータ制御装置であって、
前記安全停止回路が、外部のモータ停止スイッチと、前記モータ停止スイッチと連動して前記PWM信号を遮断する複数の3ステートバッファと、前記上位装置が前記安全装置自体の異常を判断できるように構成した監視回路と、を備えたモータ制御装置が適用される。
本発明が図3における第3の従来技術のモータ制御装置と異なる部分は、論理回路152とフォトトランジスタ151とを備え、3ステートバッファ5、6の使用していない端子53、63を使用すると共に、その出力信号を論理回路152を介してフォトトランジスタ151をオンオフさせ、フォトトランジスタ151の出力をモータ制御装置の外部に出力するようにした部分である。その他の部分は、第3の従来技術のモータ制御装置と同様な回路動作を行ない、それに伴う同一の作用効果を有するものである。
モータ停止スイッチ7および8が開(OPEN)の状態の場合、安全停止回路150が定常状態(正常)であれば、フォトトランジスタ9および10からの信号が切れ、3ステートバッファ5および6のイネーブル端子(Enable)51および61がハイ(High)となり、ゲートが閉じて3ステートバッファ5および6の出力状態がハイインピーダンスとなり、PWM発生回路1からの入力されたPWM信号a(2)、および3ステートバッッファ5から入力されたPWM信号b(3)を遮断することが出来る。この場合、3ステートバッファ5の端子53及び3ステートバッファ6の端子63の出力は共にハイ(High)出力となり、論理回路152の出力はハイ(High)出力となり、フォトトランジスタ151がオン状態、すなわち、後述する動作表に基づき、モータ制御装置外部の上位装置は、安全停止回路150が定常状態(正常)であることを検知することができる。
なお、モータ通電状態信号は、モータ制御装置が従来もつものであって、別途設けられた構成により、モータ制御装置がモータに通電できる状態であることを上位装置に示す信号である。具体的には、主回路(パワー部)の電源がオンであって、何らエラー出力がされていない場合、モータ制御装置はモータに通電できる状態とするものである。
先ず、モータ制御装置を駆動する前に、モータ停止スイッチ7および8を開状態(OPEN,ON)にした場合、フォトトランジスタ151のオンオフ状態をモータ制御装置外部の上位装置が監視することで、図2に示した通りのフォトトランジスタ151がオン状態であれば、安全停止回路が定常状態(正常)、すなわちフォトトランジスタ9および10が正常状態、あるいはフォトトランジスタ151がオフ状態であれば、安全停止回路が異常状態、すなわちフォトトランジスタ9または10がshort状態での異常状態、であることをモータ制御装置外部の上位装置は検知することができるのである。
2 PWM信号a
3 PWM信号b
4 PWM信号c
5 PWM信号aを遮断するための3ステートバッファ
6 PWM信号bを遮断するための3ステートバッファ
7、8 モータ停止スイッチ
9、10、151 フォトトランジスタ
11 ゲート駆動回路
12 インバータ部(3相インバータ回路)
152 論理回路
16 安全回路異常検出信号
51、52 3ステートバッファ5のイネーブル端子
53 3ステートバッファ5で使用していない信号
61、62 3ステートバッファ6のイネーブル端子
63 3ステートバッファ6で使用していない信号
150 安全停止回路
IP5 5V電源
IP24 24V電源
Claims (6)
- 外部の上位装置からのモータ駆動指令に応じて直流を交流に変換するインバータ部を駆動するゲート駆動回路と、前記ゲート駆動回路に与えるPWM信号を生成するPWM発生回路と、前記ゲート駆動回路と前記PWM発生回路の間に介在させる安全停止回路を備えたモータ制御装置であって、
前記安全停止回路が、外部の複数のモータ停止スイッチと、前記複数のモータ停止スイッチと連動して前記PWM信号を遮断する複数の3ステートバッファと、前記上位装置が前記安全装置自体の異常を1つの出力信号で判断できるように構成した監視回路と、を備えたことを特徴とする安全停止回路を備えたモータ制御装置。 - 前記監視回路が、前記複数の3ステートバッファそれぞれの、少なくとも1つの出力信号を入力する1つの論理回路と、前記1つの論理回路の出力信号を入力して該出力信号に基づいてオンオフ動作する1つの半導体素子と、を備え、
前記上位装置が、モータ制御装置を駆動する前に、前記1つの半導体素子の1つの出力信号に基づいて前記安全装置自体の異常を判断できるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の安全停止回路を備えたモータ制御装置。 - 前記上位装置が、前記複数のモータ停止スイッチのオンオフ状態と、前記監視回路の1つの出力信号のオンオフ状態との組み合わせに基づいて、前記安全装置自体の異常を判断できるようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載の安全停止回路を備えたモータ制御装置。
- 前記安全停止回路が、前記複数のモータ停止スイッチが開になった状態を保持できることを特徴とする請求項1−3のいずれか1項に記載の安全停止回路を備えたモータ制御装置。
- 前記安全停止回路が、前記3ステートバッファを2個直列と、前記モータ停止スイッチを2個とを備え、前記3ステートバッファと前記モータ停止スイッチとをそれぞれ接続して、前記モータ停止スイッチが共に閉状態の場合、前記PWM信号を通過させることを特徴とする請求項1−4のいずれか1項に記載の安全停止回路を備えたモータ制御装置。
- 前記安全停止回路が、前記モータ停止スイッチが開の場合、当該モータ停止スイッチに連動する前記3ステートバッファのイネーブル端子をHighとして出力状態をハイインピーダンスとし、前記PWM信号を遮断することを特徴とする請求項1−5のいずれか1項に記載の安全停止回路を備えたモータ制御装置。
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