JP5370691B2 - フューエル・デリバリパイプ、排出ガス再循環チャンバー、及びそれらの製造方法 - Google Patents

フューエル・デリバリパイプ、排出ガス再循環チャンバー、及びそれらの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、液体燃料や排気ガス等の流体を送り出すためのデリバリパイプ、特に、エンジンのシリンダヘッド部に取り付けられる燃料供給パイプ(フューエル・デリバリパイプや、排出ガス再循環(EGR:Exhaust Gas Recirculation)チャンバーに取り付けられる排気ガスの流通パイプに関するものである。
自動車用フューエル・デリバリパイプは点火プラグが取り付けられるインジェクター等のシリンダヘッド部に燃料を供給するための燃料通路であり、一般にアルミダイカスト合金や鉄(SUS)パイプ等が用いられる。近年実用化されている直噴エンジンのような高い燃焼圧を要するエンジンでは、フューエル・デリバリパイプの肉厚を大きくすることで燃焼圧と振動に耐えうる構造としている。しかし、肉厚を大きくするほど重くなるため、却って燃費が低下するなどの悪影響が問題となっていた。
特許文献1では、デリバリパイプの肉厚を抑えるとともに、エンジン部に対する組付性を向上させる、吸気管とデリバリパイプを組み合わせた「インテークマニホールド」が提案されている。
特開平9−217661号公報
デリバリパイプは、肉厚が大きくなるほど重量が増し、コストの増加、作業性の低下、燃費の増大や振動対策が必要となるなどの問題を引き起こす原因ともなる。また、近年ガソリンの代替燃料として用いられる、アルコール濃度の高い「バイオ燃料」は、デリバリパイプに用いられるアルミニウムや鉄を腐食させる原因となっている。
デリバリパイプはパイプ部材をアルミダイカスト合金等で鋳込むことで軽量化でき、かつ高い圧力にも耐えうる構造とすることができるが、腐食性物質に対する防食効果を備えたものは知られていない。
本発明は、アルコール濃度の高い燃料に対して優れた防食性を備え、低コストで流体の流通経路を柔軟に設計できるフューエル・デリバリパイプとその製造方法を提供することを主たる技術的課題とする。
本発明に係るフューエル・デリバリパイプは、鉄を主成分として含む一つ又は複数のパイプ部材と、前記パイプ部材にロウ付け接続された一つ又は複数の流体出口部と、前記パイプ部材にロウ付け接続された流体入口部とを備えるインサートパイプが成形された状態でダイカスト合金に鋳込まれており、取付ボスが設けられ、前記インサートパイプの内面及び外面に、ニッケル−リンメッキ層を含む金属のメッキ層を有すると共に、前記流体出口部がインジェクターケースであって、前記流体入口部が燃料流入口であることを特徴とする。
上記構成によれば、流体の通路はダイカスト合金の内部に鋳込まれたシール性の高いパイプ内部に確保される。このため、鋳造のみによって流体の通路を確保する場合と比べて、製造工程が単純化され、かつ鋳巣による流体の漏れが生じない。さらに、鋳込む前のインサートパイプは形状の加工が容易なため、複雑な形状に加工することができる。そして、流体の通路となるインサートパイプの内面に予めパイプ内部を流通する流体に対する防食効果の高い金属メッキ層又は塗料の塗膜を形成しておくことで、例えば高濃度のアルコールや腐食性の高い物質に対する防食性を高めることができる。
本発明に係るデリバリパイプは、流体出口部をインジェクターケース、流体入口部を燃料流入口とすることで、エンジンのシリンダヘッドに取り付けられるフューエル・デリバリパイプに適用することもできる。
また、流体出口部を吸気管接続ケース、流体入口部を排出ガス流入口とすることで、エンジンからの排気ガスを再循環させる排出ガス再循環(EGR、Exhaust Gas Recirculation)チャンバーに適用することもできる。この意味において、流体とは、例えば、ガソリンやバイオ燃料等のエンジンの燃料やその他の液体と、排出ガス等の気体との両方を含む。なお、EGRチャンバーは、排出ガスを再びエンジンの吸気に戻すためのシステムであり、窒素酸化物(NOx)の排出量を減らし、さらに燃費も向上させる。
さらに、上記デリバリパイプは、そのインサートパイプの外面に、金属のメッキ層を、そのデリバリパイプの外面に、塗料の塗膜を少なくともどちらか一方を有することが好ましい。これにより、そのインサートパイプの外的腐食要因に対しても防食性を高め、総合的にそのインサートパイプの防食性を高めることができる。例えば、雨水や道路の凍結防止のために散布される塩化カルシウムなどのハロゲン化合物はいずれもアルミニウムを主成分として含むダイカスト合金を浸食するが、この時、肉厚が薄い箇所や鋳巣のある箇所では浸食がデリバリパイプの外面に達する問題がある。このような場合でも、インサートパイプの外面に金属のメッキ層やデリバリパイプの外面に塗料の塗膜を有していれば、デリバリパイプの浸食を防止することができる。
インサートパイプの内面や外面に形成される金属のメッキ層は、ニッケル−リンメッキ層が好ましい。ニッケル−リンメッキはアルコールを含む物質等に対する防食性を有するだけでなく、ハロゲン化合物に対する防食性を有する。このため、インサートパイプの内面及び外面に同時にニッケル−リンメッキを施すことでアルコールとハロゲンの両方に対する防食性を有する。
インサートパイプの内面やデリバリパイプの外面に使用される塗料は、クロムを含まない防錆表面処理剤が好ましい。この防錆表面処理剤は、環境問題を有するクロムを使用せず、犠牲防食効果を有する亜鉛等を含む金属に処理することによりさらに優れた防錆効果を得る。さらに、添加する材料や予め施された表面処理との組み合わせにより、より一層の耐アルコール性等の防食性を備えることができる。
犠牲防食効果とは、酸化還元電位の高い材料と低い材料を組み合わせた場合、低い材料の優先腐食によって高い材料を守る効果をいう。インサートパイプの主成分が鉄であるため、鉄より電位の低い材料として亜鉛、クロム、マンガン、ジルコニウム、アルミニウム、チタン及びマグネシウム等が挙げられる。ここで、酸化還元電位とは、対象物質の電子の放出しやすさ、あるいは受け取りやすさを定量的に評価する尺度である。
本発明に係るデリバリパイプの製造方法は、成形された一つ又は複数のパイプ部材1と成形された流体出口部2とをロウ付け接続する工程と、前記パイプ部材1と成形された流体入口部3とをロウ付け接続する工程と、前記パイプ部材1の少なくとも内面側の表面に、金属のメッキ層7を形成する工程とを含むインサートパイプ4の形成工程と、
前記インサートパイプ4を溶融したダイカスト合金5の内部に鋳込む工程とを備えることを特徴とする。
上記構成によれば、本体の肉厚を増すことなく強度を確保でき、製造も容易となるため製造コストを下げることができる。
上記構成において、インサートパイプに金属メッキ層を形成する工程は、無電解メッキ法によることが好ましい。例えば、ニッケル−リンメッキの場合、次亜リン酸塩等の還元剤の入ったメッキ液中にインサートパイプを浸漬し、還元剤の酸化によって、メッキ液中の金属イオンをインサートパイプの表面に金属層として析出させることができる。無電解メッキ法によれば、インサートパイプの表面の面粗度を十分に小さくすることができる。そのため、鋳込んだ際の密着性が高められるだけでなく、Oリング等による耐圧シール性の必要な製品に適用する場合には気密性を高めることもできる。
本発明に係るデリバリパイプの製造方法は、成形された一つ又は複数のパイプ部材1と成形された流体出口部2とをロウ付け接続する工程と、前記パイプ部材1と成形された流体入口部3とをロウ付け接続する工程とを含むインサートパイプ4の形成工程と、前記インサートパイプ4を溶融したアルミニウムを主成分として含むダイカスト合金5の内部に鋳込む工程と、前記パイプ部材1の少なくとも内面側の表面に、塗料の塗膜8を形成する工程とを備えることを特徴とする。
上記構成によれば、本体の肉厚を増すことなく強度を確保でき、製造も容易となるため製造コストを下げることができる。
本発明に係るデリバリパイプは、少なくとも内面に金属メッキによる表面処理を施したパイプ部材等が母材となるダイカスト合金に鋳込まれてなるため、又はパイプ部材等が母材となるダイカスト合金に鋳込まれ、少なくともインサートパイプの内面に塗装を施しているため、腐食性の高い流体に対する防食性に優れるだけでなく、強度とシール性を保持したまま母材の軽量化が可能となるため燃費効率も向上する。また製造方法においては、インサートパイプの成形後にその表面処理を施して、又は何も処理をしない状態でそのインサートパイプを母材となるダイカスト合金に鋳込むことにより、形状の加工容易性を失うことなく母材との密着性及び気密性を確保できる。
図1(a)は、本発明に係るデリバリパイプの基本構成を示した概略図であり、図1(b)は、図1(a)のインサートパイプの概略図である。 図2(a)は、従来の鋳造からドリル加工により成形されたデリバリパイプの断面図であって、図1(a)のA−Aの断面に相当する概略図であり、図2(b)は、インサートパイプの表面に金属のメッキ層を形成した場合であって、図1(a)のA−Aの矢視断面の概略図である。 図3(a)は、従来の鋳造からドリル加工により成形されたデリバリパイプの断面図であって、図1(a)のA−Aの断面に相当する概略図であり、図3(b)は、デリバリパイプの表面に塗膜を形成した場合であって、図1(a)のA−Aの矢視断面の概略図であり、図3(c)は、図1(a)のA−Aの矢視断面の概略図であって、犠牲防食効果を有する層上にクロムを含まない防錆表面処理剤の塗膜を形成した実施例である。 図4は、フューエル・デリバリパイプを適用したエンジン部の概略図であり、燃料をシリンダに供給するまでを説明する図である。 図5(a)は、インジェクターケースのインジェクターへの接続部を正面にしてフューエル・デリバリパイプ全体を示した基本構成図であり、図5(b)は、インジェクターケースのインジェクターへの接続部を側面にしてフューエル・デリバリパイプ全体を示した基本構成図であり、図5(c)は、インジェクターケースのインジェクターへの接続部を後面にしてフューエル・デリバリパイプ全体を示した基本構成図である。 図6は、本発明に係るデリバリパイプの製造手順であって、金属のメッキ処理を施す場合の手順をあらわす図である。図6(a)は、インサートパイプの製造手順をあらわす図であり、図6(b)は、図6(a)により製造されたインサートパイプを用いたデリバリパイプの製造手順をあらわす図である。 図7は、本発明に係るデリバリパイプの製造手順であって、塗装を施す場合の手順をあらわす図である。図7(a)は、インサートパイプの製造手順をあらわす図であり、図7(b)は、図7(a)により製造されたインサートパイプを用いたデリバリパイプの製造手順をあらわす図である。 図8は、EGRチャンバーを模式的に示し、そのEGRチャンバーを適用したエンジン部の概略をあらわす図である。
(第1の実施形態)
図1(a)は、本発明に係るデリバリパイプの基本構成を示した概略図であり、図1(b)は、図1(a)のデリバティブパイプに内挿されるインサートパイプを示した図である。
図1(a)に示されるデリバリパイプ10は、インサートパイプ4をアルミダイカスト5の内部に鋳込んで構成されている。インサートパイプ4の内面には、金属のメッキ層7又は塗料の塗膜8のいすれかを有している。このアルミダイカスト5は、アルミニウムを主成分として含むダイカスト合金であれば特に限定されるものではないが、特に、機械的性質や鋳造性に優れたAl−Si−Cu系合金(ADC12)、機械的性質や切削性に優れたAl−Si−Cu系合金(ADC10)等を使用することが好ましい。また、鋳造性や耐食性に優れたAl−Si系合金(ADC1)、ADC1よりさらに機械的性質に優れたAl−Si−Mg系合金(ADC3)、耐食性に優れたAl−Mg系合金(ADC5)、鋳造性や耐食性に優れたAl−Mg系合金(ADC6)、耐磨耗性に優れたAl−Si−Cu系合金(ADC14)を使用することもできる。また、アルミダイカストを例示したが、アルミダイカストに代えて、亜鉛ダイカストやマグネシウム等の他のダイカスト材料としてもよい。
図1(b)に示されるインサートパイプ4は、流体入口部3にパイプ部材1と流体出口部2が交互に3つずつ接続された構成を示している。パイプ部材1、流体出口部2及び流体入口部3は、いずれも鉄を主成分としており、クロム鋼、マンガン鋼、ニッケルクロム鋼、ニッケルクロムモリブデン鋼及びその他ステンレス鋼等を含む合金鋼や炭素鋼等種類は問わない。
このインサートパイプ4は、アルミダイカスト5の内部に鋳込む前に、予め必要な大きさや形状に、特に流体の流通経路と外面の形状を簡単に成形できる利点がある。これにより、例えば、或る部分のパイプ部材を湾曲等させることにより、本発明に係るデリバリパイプの強度を維持しつつ、アルミダイカストの鋳造による形状をきめ細かく成形し、小型・軽量化を図ることが可能となる。よって、パイプ部材1、流体出口部2及び流体入口部3の材質は、低コストで加工性に優れたものが好ましい。
このインサートパイプ4の表面は、金属のメッキ層を、特に、無電解メッキ法によって形成されたニッケル−リンメッキ層を有することが好ましい。ニッケル−リンメッキ層はアルコール等に対する防食性が高いという利点がある。
メッキの方法には、従来からの電解メッキや無電解メッキ等があり、電解メッキでは、メッキ液中に母材(インサートパイプ)をマイナス(陰)極として入れて通電し、メッキ液中の金属イオンを母材表面に金属の層として析出させる。
電解メッキでは、光沢の有無の選択が可能であったり、メッキ後の曲げやハンダ付け等の加工も他のメッキよりも優れているが、メッキ対象の母材を導電性材料等とする必要があり、その母材の形状によっては均一にメッキ層を生成することがきない。
これに対し、無電解メッキは、次亜リン酸塩等の還元剤の入ったメッキ液中にメッキ対象の母材を入れ、その還元剤の酸化によって、メッキ液中の金属イオンを母材表面に金属の層として析出させる。
無電解メッキでは、メッキ対象の母材をプラスチック等の非導電性材料にも適用でき、電解メッキよりも対象母材に対する金属膜の密着性は優れ、対象母材の形状に関わりなく均一に金属膜を生成できる利点があり、さらに、電解メッキよりも作業工程が少なく、金属膜の生成も速く、設備的にも大量に処理できるため、電解メッキよりも低コストで大量処理に適している。
無電解ニッケル−リン(Ni−P)メッキとは、次亜リン酸塩の還元剤を使用し、ニッケル−リン合金をメッキ対象の母材上に還元析出させて皮膜を形成するメッキ方法であり、メッキの膜厚が均一に形成される。ニッケル−リンメッキ層は、リン(P)を含むため、有機物、ハロゲンを含む塩類、有機溶剤及び苛性アルカリ等に対してリンを含まない「ニッケルメッキ層」よりも優れた防食性を有し、さらに、ニッケルメッキ層よりも高硬度であり、耐摩耗性にも優れる利点がある。
無電解ニッケル−リンメッキはアルミニウムダイカストとの密着性にも優れており、複雑な形状や寸法精度を得ることが可能となる。このような特性から、インサートパイプのように耐圧シール性が求められる部分の表面処理として、無電解ニッケル−リンメッキが適している。
よって、この無電解ニッケル−リンメッキ層により、このデリバリパイプは、高濃度のアルコール等の使用時でも品質・性能の劣化を抑え、長寿命化を図ることできる。
ここで、ニッケル−リンメッキ層の溶融点が約890度(℃)であり、アルミダイカストの主成分であるアルミニウムの溶融点が約660度(℃)であり、パイプ部材の主成分である鉄の溶融点が約1500度(℃)であるため、ニッケル−リンメッキ層を表面全体(内面と外面)に有したインサートパイプをアルミダイカストで鋳込むことは可能であり、このデリバリパイプでは、そのインサートパイプの表面全体にニッケル−リンメッキ層を有することが好ましい。これにより、内面と外面から総合的にそのインサートパイプの防食性を高めることができる。
また、このインサートパイプ4の内面は、塗料の塗膜を、特に、シリケート化合物等を含むが、クロムを含まない防錆表面処理剤(例えば、ZEC−888等)の塗膜を有することが好ましい。その防錆表面処理剤は環境問題を有するクロムを使用せず、犠牲防食効果のある亜鉛メッキ等への処理により特に防錆性を向上させる。また、その防錆表面処理剤等を含む塗料に耐腐食性、耐アルコール性及び耐薬品性の優れた材料、例えば、フッ素樹脂及びジルコニウム化合物等を添加することにより、より一層の防食効果を得る。
塗料とは、対象母材を保護、美装及び独自な機能を付与するために、その母材表面に塗り付ける材料のことをいう。塗料は一般的に液状であり、溶剤の揮発、乾燥によって対象母材の表面に塗膜を形成させたり、対象母材の内部に塗料成分を浸透させたりすることにより、対象母材を保護したり、その美観を整えたりする。本発明に使用する塗料は、防食、防腐、防カビ、防蟻、防汚、防水、殺菌、耐薬品、耐火及び電磁波の遮蔽等の用途に応じて、油性塗料、天然樹脂塗料、フッ素樹脂塗料等を含む合成樹脂塗料、エマルション塗料及びそれらの複合した塗料やそれらの複合層等を使用することもできる。
塗装とは、塗料を対象母材に塗り付けることをいう。塗装方法は、ハケ塗り、ローラー塗り、吹付塗装、エアレススプレー、ロールコーター、ディップ&スピン、焼付け塗装、浸漬塗り、電着塗装、静電塗装、粉体塗装、紫外線硬化塗装等種々存在し、塗料や対象母材の材質、大きさ及び形状等により適宜変更することができる。クロムを含まない防錆表面処理剤、例えば、ZEC−888の塗装方法として、ディップ&スピンを適用することができる。ディップ&スピンとは、バケット等に入れた被塗物を塗料浴槽中にバケットごと浸漬させ、その後そのバケットを引き揚げて回転させ、余分な塗料を遠心力で吹き飛ばし均一塗膜を得る塗装方法である。
ここで、クロムを含まない防錆表面処理剤の塗膜の溶融点が約230度(℃)であり、アルミダイカストの主成分であるアルミニウムの溶融点が約660度(℃)であり、パイプ部材の主成分である鉄の溶融点が約1500度(℃)であるため、インサートパイプをアルミダイカストで鋳込んだ後に必要部分に塗装することが必要であり、このデリバリパイプでは表面全体に、つまり、インサートパイプの内面とデリバリパイプの外面にその防錆表面処理剤の塗膜を有することが好ましい。これにより、内面と外面から総合的にそのデリバリパイプの防食性を高めることができる。
図2(a)は、従来の鋳造からドリル加工により成形されたデリバリパイプの断面図であって、図1(a)のA−Aの断面に相当する概略図であり、図2(b)は、インサートパイプの表面に、金属のメッキ層7を形成した場合であって、図1(a)のA−Aの矢視断面の概略図である。
図2(a)と図2(b)は同じアルミダイカストを用いた概略図であり、それらを比較すると、本発明に係るデリバリパイプの方が全体的に小型となっていることがわかる。
図3(a)は、従来の鋳造からドリル加工により成形されたデリバリパイプの断面図であって、図1(a)のA−Aの断面に相当する概略図であり、図3(b)は、デリバリパイプの表面に、塗料の塗膜8を形成した場合であって、図1(a)のA−Aの矢視断面の概略図であり、図3(c)は、図1(a)のA−Aの矢視断面の概略図であって、犠牲防食効果を有する層6a,6b上に、塗料の塗膜8を形成した実施例である。
図3(a)、図3(b)及び図3(c)は同じアルミダイカストを用いた概略図であり、それらを比較すると、本発明に係るデリバリパイプの方が全体的に小型となっていることがわかる。
従来のデリバリパイプでは、耐高圧性を得るために、流体の流通経路(内面)周りの肉厚をある一定の基準以上に厚くする必要があったが、本発明に係るデリバリパイプでは、耐高圧用パイプ等を予め準備し、そのパイプを鋳込むことにより、流体の流通経路周りの肉厚を従来のデリバリパイプよりも薄くでき、軽量化及び省スペース化できる。
図3(c)では、亜鉛めっき等を含む犠牲防食効果を有する層上にクロムを含まない防錆表面処理剤の塗膜を形成している。これにより、インサートパイプの内面やデリバリパイプの外面からの錆の原因となる水分等の侵入を防ぐと共に、その犠牲防食効果を有する層の溶出を抑え、犠牲防食効果を長時間安定的に保って錆による腐食を防ぐことができる。
(第2の実施形態)
本発明に係るデリバリパイプは、特に、エンジンのシリンダヘッド部に取り付けられる燃料供給パイプ(フューエル・デリバリパイプ)として適用できる。よって、まずこの利用形態を説明する。
図4は、第1の実施形態で説明したデリバリパイプを、フューエル・デリバリパイプに適用した際の概略図である。この図に示すように、フューエル・デリバリパイプ20とフューエルタンク25とはパイプ29(29a〜29e)によって環状に接続され、燃料を送り出すフューエルポンプ23、プレッシャー・レギュレーター26などが接続されている。また、プレッシャー・レギュレーター26は、パイプ29fを介してインテークマニホールド33とも接続されている。
フューエル・デリバリパイプ20には、3つのインジェクター21が接続されているが各インジェクター21は、それぞれのインジェクターに対応する1つのインテークマニホールド33に接続されていると共に、電線を介してエンジンコンピューター28とも接続されている。
図4において、フューエルタンク25の燃料は、フューエルポンプ23によって、フューエルフィルター22を介してフューエル・デリバリパイプ20の各インジェクター21に供給され、エンジンコンピューター28の信号により、そのインジェクター21からインテークマニホールド33を介してシリンダ(ヘッド部)に噴射される。
プレッシャー・レギュレーター26は、インジェクター21のガソリン噴射圧を一定にコントロールするための装置であり、フューエル・デリバリパイプ20内の燃料をフューエルタンク25に戻すことにより、インテークマニホールド33の気圧とフューエル・デリバリパイプ20の燃圧の差を一定に保っている。
図5(a)〜図5(c)は、図4に示すフューエル・デリバリパイプ20の基本構成を示す図である。図5(a)はインジェクターケースのインジェクターへの接続部を正面として図示した正面図を、図5(b)は側面図を、図5(c)は背面図をそれぞれ示している。なお、図5(a)及び図5(b)に示す破線は内挿されるインサートパイプ4の外形を示している。
上述のように、フューエル・デリバリパイプ20はインサートパイプ4をアルミダイカスト5の内部に鋳込むことで構成される。インサートパイプ4の内面には、金属のメッキ層7又は塗料の塗膜8のいすれかを有している。アルミダイカスト5の表面には内部のインサートパイプに接続するための複数の貫通孔が設けられ、フューエル・デリバリパイプ20内に燃料を流入させる燃料流入口13と、インジェクター21に燃料を送出させるインジェクターケース12を構成する。また、フューエル・デリバリパイプ20の本体をエンジン部に取り付けるためのねじ穴となる取付ボス16が設けられている。燃料流入口13はフューエルフィルター22やフューエルポンプ23に接続され、インジェクターケース12はインジェクター21に接続される。
このように、内部にパイプ部材が鋳込まれた構造を有することで直噴エンジン等の燃焼圧の高いエンジンのシリンダヘッド部に取付けられるフューエル・デリバリパイプとしても十分に必要な強度を確保できる。
フューエルポンプ23によって供給される燃料は、燃料流入口13から内部のパイプ部材1及びインジェクターケース12を通り、各々のインジェクターケース12へと送られる。
このフューエル・デリバリパイプ20の製造方法については後述するが、アルミダイカスト5によって鋳込まれる前の状態で予め燃料の流通経路を柔軟に成形できる利点がある。このため、様々な形状のエンジンに適用できる利点がある。また、従来の鋳造によるデリバリパイプよりも軽量化できる利点もあり、エンジンの燃費の向上も期待される。
また、内部のインサートパイプは、ニッケル−リンメッキ等の表面処理やクロム含まない防錆表面処理剤等の塗装によってアルコールなどに対する防食性にも優れている。このため、高濃度のアルコール燃料を使用しても、その寿命の劣化が抑えられる。
以上のように、本発明に係るデリバリパイプはフューエル・デリバリパイプに適用することができる。
(第3の実施形態)
図6は、本発明に係るデリバリパイプの製造手順であって、金属のメッキ処理を施す場合の手順をあらわす図である。図6(a)は、インサートパイプの製造手順をあらわす図であり、図6(b)は、図6(a)により製造されたインサートパイプを用いたデリバリパイプの製造手順をあらわす図である。
インサートパイプの製造手順として、まず、パイプ部材1、流体入口部3及び流体出口部2を販売品の使用や板材等から必要な大きさ、形状に成形する(ステップS11)。このとき、パイプ部材1、流体入口部3の穴の径及び流体出口部2の側孔(穴)の径は同じに揃えておくことが好ましい。
その後、その成形されたパイプ部材1とその成形された流体出口部2を交互に必要な数だけロウ付け接続(溶接)する(ステップS12)。このとき、パイプ部材の一方の穴(接続部)に流体出口部2の側孔(接続部)を合致させて隙間無く接続し、さらにその流体出口部2の別の側孔(接続部)にパイプ部材の穴(接続部)を、さらにそのパイプ部材の他方の穴(接続部)に流体出口部2の側孔(接続部)をといった様に必要な数だけ交互に接続する。このとき、流体出口部2で分岐するようにパイプ部材1を接続することも可能である。
その後、そのパイプ部材1の穴(接続部)に流体入口部3の穴(接続部)を合致させてロウ付けにより隙間無く接続し(ステップS13)、さらに、必要な部分に金属メッキの表面処理を施し(ステップS14)、インサートパイプ4が完成する。
従来のデリバリパイプでは、燃料流通経路の形成にはデリバリパイプの鋳造物にドリル加工を施して内部に流通通路を形成していたが、流通通路の形成は複雑な工程が必要であった。しかし、本発明に係るデリバリパイプの製造方法では、予めインサートパイプを製造してこれを鋳込んでいるため、流通通路の形成にドリル工程が不要である。なお、流体出口部にパイプ部材を貫通するための穴を設けることにより、いわゆる串刺し状態にして通路を確保し必要な箇所をろう付け接続しても良い。
金属メッキの表面処理は、流通通路となるインサートパイプの少なくとも内面に施す。アルコールなどに対する防食性を高めるため、ニッケル−リンメッキを用いることが好ましい。この場合、無電解メッキ法を用いると、インサートパイプの内面と外面の両方に均一にメッキ層を形成することが出来る。
適用用途によってニッケル−リンメッキに代えて、ニッケルメッキ、クロムメッキ、亜鉛メッキ、カドミウムメッキ、カドミウムチタンメッキ、その他のメッキ及びアルテックアルファ(アルミナイズα)、アルキャスト、アルテックミクロン処理を含む相互拡散現象による表面処理等を施しても良い。また必要であればインサートパイプの内面と外面とで異なる種類の表面処理を施しても良い。またインサートパイプの表面処理では、必要な部分に種々の効果を有する塗装を施したり、前記の表面処理とその塗装を複合して施しても良い。
本発明に係るデリバリパイプの製造方法では、その表面処理されたインサートパイプ4をそのデリバリパイプの鋳型の内部に固定し、そのインサートパイプ4を、アルミニウムを主成分として含むダイカスト合金で鋳込む(ステップS15)。その後、不要部の切削、取付ボスの成形及びその他細部の成形を行って、洗浄し、さらに、外観や漏れ等の検査を行って完成する(ステップS16〜S18)。
以上のようなデリバリパイプの製造方法によれば、本体の肉厚を増すことなく強度を確保でき、製造も容易となるため製造コストを下げることができる。また、インサートパイプの表面処理によって鋳込んだ際の密着性が高められるだけでなく、Oリング等による耐圧シール性の必要な製品に適用する場合には気密性を高めることもできる。
(第4の実施形態)
図7は、本発明に係るデリバリパイプの製造手順であって、塗装を施す場合の手順をあらわす図である。図7(a)は、インサートパイプの製造手順をあらわす図であり、図7(b)は、図7(a)により製造されたインサートパイプを用いたデリバリパイプの製造手順をあらわす図である。
インサートパイプの製造手順として、まず、パイプ部材1、流体入口部3及び流体出口部2を販売品の使用や板材等から必要な大きさ、形状に成形する(ステップS21)。このとき、パイプ部材1、流体入口部3の穴の径及び流体出口部2の側孔(穴)の径は同じに揃えておくことが好ましい。
その後、その成形されたパイプ部材1とその成形された流体出口部2を交互に必要な数だけロウ付け接続(溶接)する(ステップS22)。このとき、パイプ部材の一方の穴(接続部)に流体出口部2の側孔(接続部)を合致させて隙間無く接続し、さらにその流体出口部2の別の側孔(接続部)にパイプ部材の穴(接続部)を、さらにそのパイプ部材の他方の穴(接続部)に流体出口部2の側孔(接続部)をといった様に必要な数だけ交互に接続する。このとき、流体出口部2で分岐するようにパイプ部材1を接続することも可能である。
その後、そのパイプ部材1の穴(接続部)に流体入口部3の穴(接続部)を合致させてロウ付けにより隙間無く接続し(ステップS23)、インサートパイプ4が完成する。
本発明に係るデリバリパイプの製造方法では、第3の実施形態と同様に、予めインサートパイプを製造して、そのインサートパイプを鋳込んでいるため、流通通路の形成にドリル工程が不要である。なお、流体出口部にパイプ部材を貫通するための穴を設けることにより、いわゆる串刺し状態にして通路を確保し必要な箇所をろう付け接続しても良い。
本発明に係るデリバリパイプの製造方法では、そのインサートパイプ4をそのデリバリパイプの鋳型の内部に固定し、そのインサートパイプ4をアルミニウムを主成分として含むダイカスト合金で鋳込む(ステップS24)。その後、不要部の切削、取付ボスの成形及びその他細部の成形を行う(ステップS25)。
その後、流通通路となるインサートパイプの少なくとも内面に塗装を施し、必要部分に焼き付け等を行って(ステップS26)、洗浄し(ステップS27)、さらに、外観や漏れ等の検査を行って(ステップS28)、デリバリパイプ10が完成する。ここで、その塗装は、アルコールなどに対する防食性を高めるため、耐アルコール性を有するクロムを含まない防錆表面処理剤を用いることが好ましい。
適用用途によってクロムを含まない防錆表面処理剤に代えて、種々の塗料を使用したり、それらの複合層としてもよい。また、予めニッケルメッキ、クロムメッキ、亜鉛メッキ、カドミウムメッキ、カドミウムチタンメッキ、ニッケル−リンメッキ、その他のメッキ及びアルテックアルファ(アルミナイズα)、アルキャスト、アルテックミクロン処理などの相互拡散現象による表面処理等を施して、その後その表面に塗装を施しても良い。また必要であればインサートパイプの内面とデリバリパイプの外面とで異なる種類の塗装及び表面処理を施しても良い。またその塗装及び表面処理では、必要な部分にだけ施しても良い。
以上のようなデリバリパイプの製造方法によれば、本体の肉厚を増すことなく強度を確保でき、製造も容易となるため製造コストを下げることができる。また、インサートパイプの表面処理によって鋳込んだ際の密着性が高められるだけでなく、Oリング等による耐圧シール性の必要な製品に適用する場合には気密性を高めることもできる。
(第5の実施形態)
本発明に係るデリバリパイプの構造は、排出ガスをインテークマニホールドに供給するEGRチャンバーとして適用することもできる。
図8は、EGRチャンバーを模式的に示し、そのEGRチャンバーを適用したエンジン部の概略をあらわす図である。図8において、EGRチャンバー50は、3つのEGRバルブ51とパイプ53を介して排出ガス集積部52と接続されている。ここで、EGRバルブ51の一つは、パイプ54を介してインテークマニホールド33に接続されているが、一般的にEGRバルブとインテークマニホールドは一対であり、その他のEGRバルブは各インテークマニホールドに同様の形態で接続されている。また、各EGRバルブは、電線を介してエンジンコンピューター28とも接続されている。
図8において、シリンダヘッド部より排出されたガスの一部は、排出ガス集積部52を介してEGRチャンバー50の各EGRバルブ51に供給され、エンジンコンピューター28の信号により、EGRバルブ51からインテークマニホールド33に供給される。
EGRチャンバー50は、排出ガスの流通経路を柔軟に成形でき、さらに、鋳造物にドリル加工で流通通路を形成して製造した従来のものよりも必要な肉厚を薄くすることで軽量化できるため、低コストで様々な形状のエンジンに適用でき、これを利用するエンジンの燃費の向上も期待できる。また、EGRチャンバー50は、耐アルコールや塩化カルシウム等の防食性も優れているため、高濃度のアルコール燃料の使用時や凍結防止剤の塩化カルシウムを散布された環境下において、その寿命の劣化を抑えることができ、ひいてはエンジン部の性能劣化を抑えることができる。EGRチャンバーとして利用する場合、高濃度のアルコール耐性はそれほど求められないので、パイプ部材の表面処理は、金属メッキに代えて、アルキャスト処理など相互拡散現象による表面処理を施すことで鋳込み材との密着性を高めても良い。
本発明に係るデリバリパイプでは、アルミダイカストに鋳込むインサートパイプを予め必要な要件(材質、大きさ、形状等)で成形し、そのインサートパイプをアルミダイカストに鋳込むことにより、従来よりも小型、軽量及び低コスト化できる。さらに、用途に応じて、そのインサートパイプの表面に金属メッキ、アルキャスト処理や塗装等を施すことにより、防食性を高めることができる。従って、本発明が実施された場合の産業上の利用可能性は極めて大きい。
1 パイプ部材
2 流体の出口部
3 流体の入口部
4 インサートパイプ
5 アルミダイカスト
6a、6b 犠牲防食効果を有する層
7 金属のメッキ層
8 塗料の塗膜
10 デリバリパイプ
12 インジェクターケース
13 燃料流入口
16 取付ボス(取付ねじ穴)
20 フューエル・デリバリパイプ
21 インジェクター
22 フューエルフィルター
23 フューエルポンプ
24 フューエルポンプコントローラ
25 フューエルタンク
26 プレッシャー・レギュレーター
27 各種センサ
28 エンジンコンピューター
29a、29b、29c、29d、29e、29f パイプ
31 エアクリーナー
32 エアフローメーター
33 インテークマニホールド
41 シリンダ
42 ピストン
43 ピストンアーム
44 弁
45 点火プラグ
50 EGRチャンバー
51 EGRバルブ
52 排出ガス集積部
53、54 パイプ

Claims (7)

  1. 鉄を主成分として含む一つ又は複数のパイプ部材と、
    前記パイプ部材にロウ付け接続された一つ又は複数の流体出口部と、
    前記パイプ部材にロウ付け接続された流体入口部と
    を備えるインサートパイプが成形された状態でダイカスト合金に鋳込まれており、
    取付ボスが設けられ、前記インサートパイプの内面及び外面に、ニッケル−リンメッキ層
    を含む金属のメッキ層を有すると共に、
    前記流体出口部がインジェクターケースであって、
    前記流体入口部が燃料流入口である
    ことを特徴とするフューエル・デリバリパイプ。
  2. 前記インサートパイプの少なくとも内面側の表面に、塗料の塗膜を有する
    ことを特徴とする請求項1記載フューエル・デリバリパイプ。
  3. 前記塗料の塗膜クロムを含まない防錆表面処理剤を含む
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のフューエル・デリバリパイプ。
  4. 鉄を主成分として含む成形された一つ又は複数のパイプ部材(1)とインジェクターケースとをロウ付け接続する工程と、
    前記パイプ部材(1)と成形された燃料入口部とをロウ付け接続する工程と、
    前記パイプ部材(1)の少なくとも内面側の表面に、金属のメッキ層(7)を形成する工程と
    を含むインサートパイプ(4)の形成工程と、
    前記インサートパイプの内面及び外面にニッケル−リンメッキ層を含む金属のメッキ層を形成する工程と
    前記インサートパイプ(4)を溶融したダイカスト合金(5)の内部に鋳込む工程と
    取付ボスを設ける工程と備える
    ことを特徴とするフューエル・デリバリパイプの製造方法。
  5. 前記インサートパイプの少なくとも内面側の表面に、塗料の塗膜を形成する工程をさらに含むことを特徴とする請求項4記載のフューエル・デリバリパイプの製造方法
  6. 鉄を主成分として含む一つ又は複数のパイプ部材と、
    前記パイプ部材にロウ付け接続された一つ又は複数の流体出口部と、
    前記パイプ部材にロウ付け接続された流体入口部と
    を備えるインサートパイプが成形された状態でダイカスト合金に鋳込まれており、
    取付ボスが設けられ、前記インサートパイプの内面及び外面に、ニッケル−リンメッキ層
    を含む金属のメッキ層を有すると共に、
    前記流体出口部が吸気管接続ケースであって、
    前記流体入口部が排出ガス流入口である
    構成を含むことを特徴とする排出ガス再循環チャンバー。
  7. 鉄を主成分として含む成形された一つ又は複数のパイプ部材(1)とインジェクターケースとをロウ付け接続する工程と、
    前記パイプ部材(1)と成形された燃料入口部とをロウ付け接続する工程と、
    前記パイプ部材(1)の少なくとも内面側の表面に、金属のメッキ層(7)を形成する工程と
    を含むインサートパイプ(4)の形成工程と、
    前記インサートパイプの内面及び外面にニッケル−リンメッキ層を含む金属のメッキ層を形成する工程と
    前記インサートパイプ(4)を溶融したダイカスト合金(5)の内部に鋳込む工程と、
    取付ボスを設ける工程と備える
    ことを特徴とする排出ガス再循環チャンバーの製造方法。
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