JP5370160B2 - 移動局、移動無線通信システム、移動無線通信方法および移動無線通信プログラム - Google Patents

移動局、移動無線通信システム、移動無線通信方法および移動無線通信プログラム Download PDF

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Description

この発明は、複数の基地局の間を移動する移動局と、これら基地局と移動局とを含む移動無線通信システムと、この移動無線通信システムにおける移動無線通信方法および移動無線通信プログラムに関する。
携帯電話通信システムのように、地上に固定された基地局と、基地局に対し相対的な速度を有する移動局との間で通信を行う移動無線通信システムでは、移動局は、基地局から当該移動局に向かう信号(下り信号)に重畳された基準クロックの周波数に、当該移動局が内蔵する基準クロック周波数を追従させる(周波数捕捉・周波数追従)。そして、移動局は、追従する基準クロックに基づいて、下り信号の信号処理を行う。また、同じ基準クロックを用いて、移動局は基地局に向かう信号(上り信号)を作成し、それを基地局へ送信する。
この種の移動無線通信システムで用いられる移動局としては、例えば、特開2001−157263号公報、特開2000−269881号公報、特開2004−104223号公報または特開2004−333403号公報等に記載のCDMA(Code Division Multiple Access)方式やWCDMA(Wideband Code Division Multiple Access)方式を採用する携帯電話装置が知られている(以下、簡単のため、CDMA方式携帯電話装置、WCDMA方式携帯電話装置ともいう)。
まず、第1の関連技術として、図10を参照して、特開2001−157263号公報等に記載のCDMA方式携帯電話装置について説明する。
CDMA方式携帯電話装置は、図10に示されるように、アンテナ1と、ローノイズアンプ2と、ヘテロダイン方式のダウンコンバータ3と、RXAGC(Receiver Automatic Gain Control)アンプ4とを備える。また、CDMA方式携帯電話装置は、直交復調器(DEM)5と、A/D(アナログ/デジタル)変換器6と、PLL(Phase Locked Loop)7と、基準クロック生成回路(TCXO(Temperature Compensated Crystal Oscillator))8とを備える。また、CDMA方式携帯電話装置は、遅延プロファイル検索回路9と、フィンガ回路10と、タイミング生成回路11と、周波数オフセット推定回路12と、RAKE回路13と、スピーチ演算回路14と、コーデック回路15と、スピーカ16と、アキュムレータ回路17とを備える。また、CDMA方式携帯電話装置は、マイク18と、チャンネルコーデック19と、D/A(デジタル/アナログ)変換器20と、直交変調器(MOD)21と、TXAGCアンプ22と、アップコンバータ23と、パワーアンプ24とを備える。
次に、各部について説明する。PLL7は、基準クロック生成回路8の出力を基準クロックとして、ダウンコンバータ3、アップコンバータ23、直交復調器5、及び直交変調器21のためのローカル信号を生成する。基地局からの下り信号として、アンテナ1で受信された受信信号は、ローノイズアンプ2で増幅された後、ダウンコンバータ3において中間周波数信号に変換される。変換された中間周波数信号は、RXAGCアンプ4にて利得制御された後、直交復調器5において準同期検波されて、受信アナログベースバンド信号に変換される。受信アナログベースバンド信号は、さらに、A/D変換器6にて受信デジタルベースバンド信号に変換され、変換された受信デジタルベースバンド信号は、遅延プロファイル検索回路9とフィンガ回路10とに入力される。ここで、受信デジタルベースバンド信号には、基地局からの基準クロックが重畳されている。
また、遅延プロファイル検索回路9は、タイミング生成回路11から与えられるフレームタイミング信号を基準として、逐次入力される受信デジタルベースバンド信号に対するフレームタイミング時間補正量を生成して、これをタイミング生成回路11へ出力する。タイミング生成回路11は、基準クロック生成回路8の出力を基準クロックとして、理想フレームタイミング信号を生成する。そして、タイミング生成回路11は、生成した理想フレームタイミング信号にフレームタイミング時間補正量を加算補正することにより、フレームタイミング信号を生成し、これを遅延プロファイル検索回路9とフィンガ回路10とに供給する。遅延プロファイル検索回路9は、フレームタイミング信号が新たに入力されると、タイミングのずれを算出し、これを新たなフレームタイミング時間補正量としてタイミング生成回路11に供給する。このような補正処理の繰返しにより、常に正確なフレームタイミング信号が、遅延プロファイル検索回路9とフィンガ回路10とに供給される。
フィンガ回路10は、分散・遅延した受信信号をマルチパス成分に分離するための複数のフィンガから構成される。フィンガ回路10は、入力されたフレームタイミング信号を基準にして、フィンガ毎に受信デジタルベースバンド信号を復調してこれをRAKE回路13へ出力する。また、フィンガ回路10は、その受信デジタルベースバンド信号に含まれるパイロットデータをフィンガ毎に周波数オフセット推定回路12へ出力する。周波数オフセット推定回路12は、フィンガ回路10からフィンガ毎に入力されるパイロットデータに基づいて、フィンガ毎に周波数オフセット量を算出し、それをRAKE回路13に出力する。RAKE回路13は、周波数オフセット推定回路12から入力されるフィンガ毎の周波数オフセット量に基づいて、フィンガ回路10からのフィンガ毎の出力信号を重み付け合成することによって、フェージングを軽減された受信復調データを生成する。生成された受信復調データは、スピーチ演算回路14に入力され、さらにそれはスピーチ演算回路14によってデコードされる。デコードされた出力はコーデック回路15に入力される。コーデック回路15はスピーチ演算回路14の出力をアナログ信号に復調し、それをスピーカ16から音声として出力する。
また、周波数オフセット推定回路12は、フィンガ回路10のフィンガ毎の周波数オフセット量を重み付け合成し、それを合成周波数オフセット量としてアキュムレータ回路17に出力する。アキュムレータ回路17は、入力された合成周波数オフセット量と現在の出力値とを加算し、加算結果を基準クロック生成回路8の周波数制御端子に出力する。基準クロック生成回路8は、周波数制御端子に入力されたアキュムレータ回路17の出力値に応じて発振周波数を変化させる。このようにして、基準クロック生成回路8の出力周波数は、受信信号に重畳された基地局からの基準クロック周波数に追従して変化する(周波数捕捉・周波数追従)。
一方、マイク18から入力された音声信号は、コーデック回路15によってデジタル信号に変換され、変換された信号はスピーチ演算回路14においてエンコードされて、エンコードされた信号は送信データとしてチャンネルコーデック19に入力される。送信データは、チャンネルコーデック19によって符号化された後、D/A変換器20によって送信アナログベースバンド信号に変換され、さらに、直交変調器21によって中間周波数信号に変調される。中間周波数信号は、TXAGC(Transmitter Automatic Gain Control)アンプ22で増幅された後、アップコンバータ23により送信周波数に変換される。変換された中間周波数信号は、さらに、パワーアンプ24により増幅された後、送信信号としてアンテナ1から送信される。
上記したように、直交変調器21に供給されるローカル信号もアップコンバータ23に供給されるローカル信号も、基準クロック生成回路8の出力を基準クロックとするPLL7により生成される。したがって、送信信号の周波数も、基準クロック生成回路8の出力周波数に応じて、換言すれば、受信信号に重畳された基地局からの基準クロック周波数に追従して変化することになる。
次に、第2の関連技術として、図11を参照して、ダイレクトコンバージョン方式によるWCDMA方式携帯電話装置について説明する。
WCDMA方式携帯電話装置は、図11に示すように、アンテナ201と、単一のアンテナ201を用いて同時送受信を行うためのデュープレクサ(DUP)202と、基準クロック生成回路(TCXO)203と、アキュムレータ回路204とを備える。また、WCDMA方式携帯電話装置は、周波数オフセット推定回路205と、遅延プロファイル検索回路206と、タイミング生成回路207と、ローノイズアンプ(LNA)211と、帯域フィルタ(BPF)212、222、215、225とを備える。また、WCDMA方式携帯電話装置は、直交復調器(DEM)213と、AGCアンプ214、224と、A/D変換器216と、PLL217、227と、フィンガ回路218と、RAKE回路219と、電力増幅器(PA)221と、直交変調器(MOD)223と、D/A変換器226とを備える。また、また、WCDMA方式携帯電話装置は、チャンネルコーデック228と、図示せぬスピーチ演算回路、コーデック回路、スピーカ、マイクとを備える。
ここで、ローノイズアンプ211と、帯域フィルタ212と、直交復調器213と、AGCアンプ214と、帯域フィルタ215と、A/D変換器216と、フィンガ回路218と、RAKE回路219と、周波数オフセット推定回路205とは、受信回路を構成する。また、遅延プロファイル検索回路206と、タイミング生成回路207と、アキュムレータ回路204と、基準クロック生成回路203と、PLL217とも、受信回路を構成する。
また、チャンネルコーデック228と、D/A変換器226と、帯域フィルタ225と、直交変調器223と、AGCアンプ224と、帯域フィルタ222と、電力増幅器221と、アキュムレータ回路204と、基準クロック生成回路203と、PLL227とが、送信回路を構成する。
まず、受信回路を構成する各部について説明する。PLL217は、図11に示すように、基準クロック生成回路203の出力を基準クロックとして、直交復調器213のためのローカル信号を生成する。基地局からの下り信号として、アンテナ201において受信された受信信号は、デュープレクサ202によって受信回路に導かれる。受信信号は受信回路において、ローノイズアンプ211により増幅される。そして、増幅された信号のうち、帯域フィルタ212により、必要な帯域の高周波信号のみが選択される。その後、通過された高周波信号は、直交復調器213において、PLL217から供給されるローカル信号により準同期検波されて受信アナログベースバンド信号に変換される。そして、変換された受信アナログベースバンド信号は、A/D変換器216において受信デジタルベースバンド(受信DBB)信号に変換される。変換された受信デジタルベースバンド信号は、遅延プロファイル検索回路206とフィンガ回路218とに入力される。ここで、受信デジタルベースバンド信号には、基地局からの基準クロックが重畳されている。
また、遅延プロファイル検索回路206は、タイミング生成回路207から与えられるフレームタイミング信号と、入力される受信デジタルベースバンド信号とを比較して、フレームタイミング時間補正量を生成して、それをタイミング生成回路207へ出力する。タイミング生成回路207は、基準クロック生成回路203からの出力を基準クロックとして、理想フレームタイミング信号を生成する。そして、タイミング生成回路207は、生成された理想フレームタイミング信号に、遅延プロファイル検索回路206から入力されるフレームタイミング時間補正量を加算することにより補正することによって、フレームタイミング信号を生成し、これを遅延プロファイル検索回路206とフィンガ回路218とに供給する。遅延プロファイル検索回路206は、フレームタイミング信号が新たに入力されると、タイミングのずれを算出し、それを新たなフレームタイミング時間補正量としてタイミング生成回路207に供給する。このような補正処理の繰返しにより、常に正確なフレームタイミング信号が、遅延プロファイル検索回路206とフィンガ回路218とに供給される。
フィンガ回路218は、分散および遅延した受信信号をマルチパス成分に分離するための複数のフィンガから構成される。フィンガ回路218は、補正されたフレームタイミング信号を基準として、フィンガ毎に受信デジタルベースバンド信号を復調して、それをRAKE回路219へ出力する。またフィンガ回路218は、受信デジタルベースバンド信号に含まれるパイロットデータをフィンガ毎に周波数オフセット推定回路205へ出力する。周波数オフセット推定回路205は、フィンガ回路218からフィンガ毎に入力されるパイロットデータに基づいて、フィンガ毎に周波数オフセット量を算出し、それをRAKE回路219に出力する。RAKE回路219は、周波数オフセット推定回路205から入力されるフィンガ毎の周波数オフセット量に基づいて、フィンガ回路218からのフィンガ毎の出力信号を重み付け合成することにより、受信復調データを生成する。これにより、フェージングを軽減された受信復調データが生成される。
また、周波数オフセット推定回路205は、フィンガ回路218のフィンガ毎の周波数オフセット量を重み付け合成し、それを合成周波数オフセット量としてアキュムレータ回路204に出力する。アキュムレータ回路204は、入力された合成周波数オフセット量と現在の出力値とを加算し、加算結果を基準クロック生成回路203の周波数制御端子に出力する。基準クロック生成回路203は、周波数制御端子に入力されたアキュムレータ回路204の出力値に応じて発振周波数を変化させる。このようにして、基準クロック生成回路203の出力周波数は、受信信号に重畳された基地局からの基準クロック周波数に追従して変化する(周波数捕捉・周波数追従)。
次に、送信回路を構成する各部について説明する。PLL227は、基準クロック生成回路203の出力を基準クロックとして、直交変調器223のためのローカル信号を生成する。送信データは、チャンネルコーデック228によって符号化された後、D/A変換器226によって送信アナログベースバンド信号に変換される。さらに、送信アナログベースバンド信号は、直交変調器223においてPLL227から供給されるローカル信号によって送信高周波信号に変換される。送信高周波信号はTXAGCアンプ224及び電力増幅器221で増幅された後、デュープレクサ202によりアンテナ201に導かれる。そして、送信高周波信号は、移動局から基地局に向かう上り信号(送信信号)としてアンテナ201から送信される。
上記構成によれば、直交変調器223に供給されるローカル信号は、基準クロック生成回路203の出力を基準クロックとするPLL227により生成されるので、上り信号(送信信号)の周波数も、基準クロック生成回路203の出力周波数に応じて変化する。それゆえ、上り信号(送信信号)の周波数は、受信高周波信号(下り信号)に重畳された基地局からの基準クロック周波数に追従できる。
移動無線通信システムでは、基地局、移動局ともに、受信信号は準同期検波される。そして、通信時、上記のように、移動局は、自局の基準クロックを基地局からの基準クロック周波数に追従させるので、基地局と移動局との間の双方向のデータ送受信における周波数のずれを抑圧できる。この結果、受信信号の準同期検波後における信号復調処理の高速化を達成でき、信号伝送スループットの向上を図ることもできる。
ここで、移動局の基準クロックを基地局からの受信(下り)信号周波数に追従させる構成としたのは、基地局内蔵の基準クロック生成回路の方が、移動局内蔵の基準クロック生成回路に比べて温度変化や振動に対し安定しているためである。移動局が、自局の基準クロックの周波数を、基地局の基準クロックに基づいて生成された受信(下り)信号周波数に追従させることによって、システム全体の周波数安定度の向上が図られている。
次に、移動無線通信システムのように移動局が高速で移動する場合に発生するドップラー効果とその影響について説明する。
まず、ドップラー効果の基本について説明する。電磁波源が観測者から見て角度θの方向に速さv[m/s]で運動している場合、観測者が観測する電磁波の周波数f[Hz]は、以下の式で表される。
Figure 0005370160
ここで、foは電磁波源が出す電磁波の周波数、vは観測者から見た電磁波源の移動速度、cは光速、θは観測者から見た電磁波源の進む角度である。
電磁波源が観測者に向かってくる場合をθ=0とする。このとき周波数fは、式(1)においてθ=0を代入し、
Figure 0005370160
となる。
ここで、v<<cのとき、
Figure 0005370160
のように近似することができる。すなわち、式(2)は、
Figure 0005370160
と近似することができる。
なお、以下の説明において、ドップラー効果の影響を、式(1)を用いて説明するか、あるいは簡単のために近似した式(4)を用いて説明する。
次に、移動無線通信システムに対するドップラー効果の影響について説明する。
例えば、3つの基地局901、902、903が、図12Aに示すように、図中左側から、この順序で1次元空間上に離隔されて配置されているとする。これらの基地局901、902、903は、全て同一の周波数fo[Hz]で下り信号を発信する基地局である。
図12Aに示すように、移動局904が、基地局901と基地局902との間に在って、速度v[m/s]で基地局901から高速に遠ざかり、かつ、基地局902、903には高速に近づいているとする。この場合、移動局904においては、各基地局901、902、903からの下り信号周波数fo[Hz]が、ドップラー効果の影響を受けて、図12Bに示すように変化しているように観測される。すなわち、基地局901からの下り信号周波数foは、遠ざかる移動局904から見れば、減少方向に変化しているように観測される。このとき、移動局904が観測する基地局901からの下り信号周波数fb[Hz]は、近似した式(4)を用いると、以下の式(5)及び図12Bにより表される。一方、基地局902からの下り信号周波数foは、基地局902に高速に近づく移動局904から見れば、増加方向に変化しているように観測される。このとき、移動局904が観測する基地局902からの下り信号周波数fd[Hz]は、同様に近似した式(4)を用いると、以下の式(6)及び図12Bのように表される。同様に、基地局903からの下り信号周波数foは、近づく移動局904から見れば、増加方向に変化しているように観測される。このとき、移動局904が観測する基地局903からの下り信号周波数fa[Hz]も、式(6)及び図12Bのように表される。
fb=(1−v/c)・fo (5)
fd=fa=(1+v/c)・fo (6)
ここで、cは光速である。
つまり、移動局が観測する基地局からの下り信号の周波数は、静止時に受信する下り信号の周波数と比べて、周波数比でv/c増加または減少する。この結果、移動局の基準クロック周波数を基地局の基準クロック周波数に追従させる上述した移動無線通信システムの構成では、移動局内部の基準クロック周波数も同じ周波数比でv/cだけ変化することになる。
なお、移動無線通信システムでは一般的に、上り信号、下り信号ともに同一の基地局を利用して送受信が行われる。このため、受信信号準同期検波方式のシステムの下では、下り信号に、ドップラー効果による周波数比v/cの周波数ずれが発生した場合、上り信号でもさらに同量の周波数ずれが基地局で観測される。このことを、図12Aを参照して、具体的に説明する。図12Aに示すように、高速v[m/s]で基地局902に近づいている移動局904が、基地局902からの下り信号を受信していたとする。このとき、移動局904内部の基準クロック周波数は、ドップラー効果の影響を受けて、静止時の基準クロック周波数の(1+v/c)倍に増加している。
この状態で、移動局904が上り信号を生成する。移動局側からの送信周波数は、基準クロック生成回路の出力周波数に応じて変化する。よって、送信周波数が、静止時の送信周波数に対し(1+v/c)倍に増加した上り信号が生成される。基地局902が、静止時の周波数に対し(1+v/c)倍に増加した周波数の上り信号を受信したとすると、上りでも、ドップラー効果の影響を受けるので、基地局902では、さらに、(1+v/c)倍に増加した周波数が観測されることになる。つまり、移動局904が、高速度(v[m/s])で基地局902に近づいているときは、移動局904が静止状態のときに基地局902で観測される周波数foの(1+v/c)倍の周波数が、基地局902で観測される。
さらに、移動局が高速で移動することによるドップラー効果による影響は次のような現象も引き起こす。すなわち、移動局904が基地局902を通り過ぎて、移動局904と基地局902との間の位置関係が、図12Aに示される位置方位関係から図13Aに示される位置方位関係に変化したとする。このとき、ドップラー効果による周波数ずれは、図12Aでは周波数の上昇変化であったものが、図13Aでは、下降変化に急速に変わる。移動局904が基地局902を通り過ぎたときの移動局904で観測される周波数fd’は、式(7)で与えられる。このとき、移動局904で観測される周波数変化量Δfdは、式(8)で与えられる。
fd’=fb=(1−v/c)・fo (7)
Δfd=−(2・v・fo)/c (8)
同様に、移動局904と基地局902との位置方位関係が、図12Aから図13Aへの関係に変化したとき、基地局902で観測される周波数は、(1+v/c)・foから、(1−v/c)・foに急速に変化する。したがって、基地局902で観測される周波数変化量は、(1+v/c)・foから(1−v/c)・foへの変化量に、移動局904で観測される周波数変化量−(2・v・fo)/cが加わるので、−(4・v・fo)/cとなる。
上述したように、移動局が複数の基地局の間を高速で移動する移動無線通信システムでは、移動局が基地局に対し近づく、又は遠ざかる方向に高速に移動しながら通信するときに、ドップラー効果の影響を受けて、基地局で観測される上り信号の周波数がずれてしまう。よって、通信品質を良好に保つためには、基地局は、この周波数ずれを補正する処理を行う必要がある。しかしながら、この周波数ずれを補正する処理は、演算量の増大およびそれに伴う消費電力や発熱量の増加を招くという問題があった。
この発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、移動局が基地局に対し近づく、又は遠ざかる方向に高速に移動しながら通信するときに、通信品質を良好に保つために、演算量の増大、およびそれに伴う消費電力や発熱量の増加が生じるという課題を解決する移動局、移動無線通信システム、移動無線通信方法および移動無線通信プログラムを提供することを目的としている。
本発明の第1の移動局は、複数の基地局との相対位置の変動を検出する検出手段と、上り信号を受信する上り信号受信基地局を選択すると共に、検出手段により検出された相対位置の変動に基づいて、自局との距離の増減が上り信号受信基地局と互いに逆になる基地局の一または複数を下り信号を送信する下り信号送信基地局として選択する選択手段とを備える。
本発明の第1の移動無線通信システムは、複数の基地局と、前記各基地局と通信する移動局を含み、移動局と複数の基地局との相対位置の変動を検出する検出手段と、上り信号を受信する上り信号受信基地局を選択すると共に、検出手段により検出された相対位置の変動に基づいて、移動局との距離の増減が上り信号受信基地局と互いに逆になる基地局の一または複数を下り信号を送信する下り信号送信基地局として選択する選択手段とを備える。
本発明の第1の移動無線通信方法は、複数の基地局と、前記各基地局と通信する移動局において、移動局と複数の基地局との相対位置の変動を検出し、上り信号を受信する上り信号受信基地局を選択すると共に、検出された相対位置の変動に基づいて、移動局との距離の増減が上り信号受信基地局と互いに逆になる基地局の一または複数を下り信号を送信する下り信号送信基地局として選択する。
本発明の第1の移動無線通信プログラムは、複数の基地局と、前記各基地局と通信する移動局とにおいて、移動局と複数の基地局との相対位置の変動を検出する処理と、上り信号を受信する上り信号受信基地局を選択すると共に、検出された相対位置の変動に基づいて、移動局との距離の増減が上り信号受信基地局と互いに逆になる基地局の一または複数を下り信号を送信する下り信号送信基地局として選択する処理とをコンピュータに実行させる。
この発明の構成によれば、移動局が基地局に対し近づく、又は遠ざかる方向に高速に移動しながら通信するときに、演算量の増大およびそれに伴う消費電力や発熱量の増加を生じることなく、良好な通信を実現できるという効果が得られる。
図1Aおよび図1Bは、この発明の第1の実施形態であるWCDMA通信システムの全体配置構成と、移動通信状況を説明する図である。
図2は、この発明の第1の実施形態に係る移動局の電気的構成を示すブロック図である。
図3Aおよび図3Bは、この発明の第2の実施形態であるWCDMA通信システムの全体配置構成と、移動通信状況を説明する図である。
図4は、この発明の第2の実施形態に係る移動局の電気的構成を詳細に示すブロック図である。
図5Aおよび図5Bは、この発明の第3の実施形態であるWCDMA通信システムの全体配置構成と、移動通信状況を説明する図である。
図6は、この発明の第3の実施形態に係る移動局の電気的構成を詳細に示すブロック図である。
図7は、この発明の第4の実施形態であるWCDMA通信システムの全体配置構成と、移動通信状況を説明する図である。
図8は、図7に示す移動状況で発生する、移動局から見たドップラー効果による下り信号周波数のずれを示す図である。
図9は、この発明の第5の実施形態に係る移動局の電気的構成を詳細に示すブロック図である。
図10は、従来のCDMA方式携帯電話装置の電気的構成を示すブロック図である。
図11は、従来のダイレクトコンバージョン方式によるWCDMA方式携帯電話装置の電気的構成を示すブロック図である。
図12Aおよび図12Bは、従来の技術を説明するための動作説明図である。
図13Aおよび図13Bは、従来の技術におけるドップラー効果による不都合を示す図である。
101、102、103、301、302、303、501、502、503、701、702、703 基地局
104、304、504、704、804 移動局
Sda、Sdd、Fda、Fdd、Hda、Hdd 下り信号
Sub、Sud、Fub、Fud、Hub、Hud 上り信号
201 アンテナ
202 デュープレクサ(DUP)
211 ローノイズアンプ(LNA)
212、222、215、225 帯域フィルタ(BPF)
213 直交復調器(DEM)
214、224 AGCアンプ
216 A/D変換器
217、227 PLL
218 フィンガ回路
219 RAKE回路
221 電力増幅器(PA)
223 直交変調器(MOD)
226 D/A変換器
203 基準クロック生成回路(TCXO)
204 アキュムレータ回路
205、401 周波数オフセット推定回路
206、404 遅延プロファイル検索回路
207 タイミング生成回路
208 遅延・周波数マップ回路
228 チャンネルコーデック
229 記憶回路
402 周波数マップ回路
403 ローカル周波数設定回路
201a 進路前方に指向性を有するアンテナ(第1のアンテナ)
201b 進路後方に指向性を有するアンテナ(第2のアンテナ)
805 検出手段
806 選択手段
まず、この発明の実施形態による移動無線通信システムについて概略説明する。移動局は、進路(進行方向)前方にあって、相対的に近づいてくる基地局を、下り信号送信基地局として選択する。そして、移動局は、当該下り信号送信基地局からの下り信号を受信し、これを復調する。一方、移動局は、進路後方にあって、相対的に遠ざかる基地局を上り信号受信基地局に指定する。そして、移動局は、当該上り信号受信基地局のみが識別できる上り信号を送信する。
実施形態1.
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について詳細に説明する。
図1A、図1Bは、この発明の第1の実施形態であるWCDMA移動無線通信システム(以下、簡単のため、WCDMA通信システムともいう)の全体配置構成と、移動通信状況を説明する図である。この実施形態では、説明の都合上、図1A、図1Bに示すように、基地局101、102、103が、図中左側から、この順序で、1次元空間上に離隔配置されているとする。図1Aは、図中右側に向かう移動局104が、経路途中に在る基地局102を通過する前の移動通信状況を示す。図1Bは、移動局104が基地局102を通過した後の移動通信状況を示す。
まず、図1Aに示す位置方位関係における移動通信状況を説明する。
この場面では、移動局104が、基地局101と基地局102との間を、速度v[m/s]で、図中右側に向かって移動している。つまり、移動局104は、速度vで基地局101から高速に遠ざかっているのに対して、基地局102及び基地局103へは高速に近づいている。
この場面で、移動局104が基地局から下り信号を受信するときの動作の概要を説明する(詳細は後述する)。この実施形態1では、移動局104は、進路前方にある基地局からの下り信号を、受信すべき下り信号として選択すると仮定する。
WCDMA通信システムでは、セル周辺での通信の瞬断を防止する等のために、移動局104が、近隣周辺の複数の基地局と、同時に無線リンクを接続してソフトハンドオーバ通信が実施される。このため、図1Aの場面では、進路前方に在る最寄りの基地局102が、周波数fo[Hz]の下り信号Sddを生成して、近づいてくる移動局104へ送信すると共に、同じく進路前方に在る基地局103も、周波数foの下り信号Sdaを生成して、近づいてくる移動局104へ送信する。
移動局104は、最寄りの基地局102からの下り信号Sddを受信すると共に、周辺近傍の基地局103からの下り信号Sdaを受信する。移動局104の受信回路は、ソフトハンドオーバ時には、下り信号の送信に適した基地局として、基地局102、103の双方を選択することができる。また、移動局104の受信回路は、下り信号の送信に適した基地局を、受信品質のより良好な下り信号を送信する基地局として、以下の方法で選択してもよい。すなわち、移動局は、下り信号の抽出および選択を、例えば、受信レベルの強弱に基づいて行ってもよい。すなわち、移動局は、受信レベルの強弱を比較することにより、最寄りの基地局又は電波障害の少ない基地局を推定し、推定した基地局からの下り信号を復調すべき信号として抽出してもよい。この場合、図1Aの場面では、移動局104は、(建築物や地形上の障害がある場合は別として)最寄りの基地局102からの下り信号Sddを、受信レベルの良好な下り信号であると判断する。この結果、移動局104は、基地局102を、受信すべき下り信号を送信してきた基地局として選択する。そして、移動局104は、基地局102からの下り信号Sddを抽出し、それを復調する。
移動局104は、また、上記以外の方法を用いて下り信号を抽出および選択してもよい。例えば、移動局104がエラーの検出頻度を比較することによって、下り信号を抽出および選択しても良い。あるいは、移動局104は、ネットワークを経由して(近隣周辺の)基地局101、102、103の位置関係情報を予め保持し、取得した基地局との位置関係情報と、ドップラー効果による受信信号の周波数の変化とに基づいて、自機がどの基地局の前を通り過ぎ、どの基地局に向かっているか(最も近づいているか)等を把握することにより、接続すべき基地局を時々刻々と決定するようにしてもよい。
次に、図1Aの場面で、移動局104が基地局に向けて上り信号を送信するときの動作の概要を説明する(詳細は後述する)。この実施形態1では、移動局104は、上り信号を送信するときは、自局の進路後方にあって、相対的に遠ざかる基地局を識別し、その基地局に向けて上り信号を送信する。移動局104は、どの基地局が上り信号を送信すべき基地局であるかを、以下の手順で識別する。
図1Aの場面では、移動局104に近づく基地局102、103から移動局104に向けて周波数foの下り信号が送信されると共に、図示しないが、移動局104から遠ざかる基地局101からも、移動局104に向けて(基地局102、103の送信周波数と同一の)周波数foの下り信号が送信されている。移動局104は、基地局101からの下り信号を受信すると、この下り信号はドップラー効果による周波数の下方ずれが生じていることを認識する。この認識に基づいて、移動局104は、基地局101が自局から遠ざかっていることを認識する(相対位置変動の認識)。
基地局101からの下り信号は、ドップラー効果による周波数の下方ずれが生じているので、通常動作としては、選択および復調の対象とはされない。しかし、移動局104は、基地局101から受信した下り信号の周波数が下方ずれしているか否かを検出することによって、上り信号の受信に適した基地局(上り信号受信基地局)か否かを判断する。つまり、図1Aに示される場面では、基地局101から受信した下り信号の周波数が下方ずれしているので、移動局104は、基地局101を上り信号受信基地局として指定する。そして、移動局104は、基地局101に向けて、上り信号Subを送信する。基地局101は、移動局104からの(ドップラー効果による周波数の下方ずれが生じている)上り信号Subを受信する。
移動局104は、また、上記以外の方法を用いて上り信号受信基地局を識別してもよい。例えば、移動局104は、ネットワークを経由して周辺基地局(複数)との位置関係情報を記憶回路229に予め保持し、与えられた基地局との位置関係情報に基づいて、自機がどの基地局から遠ざかっているか等を把握することにより、接続すべき基地局を時々刻々と特定するようにしても良い。
次に、位置方位関係が図1Aに示す状態から図1Bに示す状態に変わったときの、移動通信状況を説明する。このとき、移動局104と基地局102との関係は、互いに近づく関係から互いに遠ざかる関係に移行する。かくして、図1Bの場面では、移動局104は、基地局103に向かって、速度v[m/s]で、なおも、高速に近づいていく。一方、移動局104は、基地局101及び基地局102からは、速度v[m/s]で高速に遠ざかる。
まず、位置方位関係および移動通信状況が図1Aに示す状態から図1Bに示す状態に変化したときの、移動局による下り信号の受信動作について説明する。
位置方位関係および移動通信状況が、図1Aに示す状態から図1Bに示す状態に変化すると、移動局104側から見て、受信される下り信号のうち、周波数の上方ずれが生じている信号は、基地局103から送信されてくる下り信号Sdaだけとなる。この結果、図1Aの場面から図1Bの場面に移ると、移動局104が選択および復調する下り信号は、基地局102が発信する下り信号Sddから基地局103が発信する下り信号Sdaに切替えられる。
次に、図1Bの場面において、移動局104が基地局に向けて上り信号を送信する動作について説明する。
移動局104は、上り信号を送信するときは、自局の進路後方にあって、相対的に遠ざかる基地局を識別し、その基地局に向けて上り信号を送信する。移動局104は、どの基地局が上り信号を送信すべき基地局であるかを、以下の手順で識別する。
図1Bの場面では、移動局104に近づく基地局103から移動局104に向けて周波数foの下り信号が送信されると共に、図示しないが、移動局104から遠ざかる基地局101、102からも、移動局104に向けて(基地局103の送信周波数と同一の)周波数foの下り信号が送信されている。移動局104は、基地局101、102からの下り信号を受信すると、これらの下り信号はドップラー効果による周波数の下方ずれが生じていることを認識する。この認識に基づいて、移動局104は、基地局101、102が自局から遠ざかっていることを認識する。そして、移動局104は、複数の基地局101、102の中から、受信品質のより良好な下り信号を送信する基地局を、上り信号を送信すべき基地局として指定する。
移動局104は、ソフトハンドオーバ時には、複数の上り信号受信基地局101、102を選択することもできる。また、移動局104は、上り信号受信基地局を以下の方法で指定してもよい。例えば、移動局104が、(ドップラー効果による周波数の下方ずれが生じている)下り信号の互いの受信レベルの強弱を比較することにより、最寄りの基地局又は電波障害の少ない基地局を推定する。そして、移動局104は、最寄りの基地局又は電波障害の少ない基地局と推定した基地局を、上り信号を送信すべき基地局に指定してもよい。この場合、図1Bの場面では、移動局104は、(建築物や地形上の障害がある場合は別として)移動局により近い基地局102を、上り信号を送信すべき基地局として指定する。そして、移動局104は、基地局102に向けて、上り信号Sudを送信する。移動局104によって指定された基地局102は、移動局104からの上り信号Sudを受信する。
移動局104は、また、上記以外の方法を用いて上り信号受信基地局を識別してもよい。例えば、移動局104がエラーの検出頻度を比較することによって、上り信号を送信すべき基地局を識別してもよい。あるいは、移動局104は、ネットワークを経由して周辺の複数の基地局との位置関係情報を記憶回路229に予め保持し、与えられた基地局との位置関係情報と、ドップラー効果による受信信号の周波数の下方ずれとに基づいて、上り信号を送信すべき基地局を識別するようにしてもよい。
次に、移動局の動作について詳細に説明する。
図2は、図1に示す移動局104の電気的構成を詳細に示すブロック図である。この実施形態による移動局104が、図11に示す従来の構成と異なるところは、遅延・周波数マップ回路208を備えることである。遅延・周波数マップ回路208は、移動通信時、進路前方の基地局の中から、下り信号を受信することが適当である基地局を判断して選択すると共に、進路後方の基地局の中から、上り信号を送信することが適当である基地局を判断して指定する。
図2を参照して、移動局104の各部の動作について説明する。図2に示す移動局104において、基準クロック生成回路(TCXO)203は基準クロックを生成し、それを受信回路側のPLL217及び送信回路側のPLL227へ出力すると共に、タイミング生成回路207に対しても供給する。受信回路側のPLL217は、基準クロック生成回路203の出力を基準クロックとして、直交復調器(DEM)213に入力されるローカル信号を生成する。また、送信回路側のPLL227は、基準クロック生成回路203の出力を基準クロックとして、直交変調器(MOD)223に入力されるローカル信号を生成する。
まず、移動局104の受信動作について説明する。
基地局101、102、103から送信される下り信号(受信信号)は、アンテナ(デュプレックスアンテナ)201で受信され、デュープレクサ(DUP)202により受信回路に導かれる。受信回路に導かれた下り信号は、ローノイズアンプ(LNA)211において増幅され、帯域フィルタ(BPF)212により、必要な帯域の高周波信号のみが選択された後、直交復調器(DEM)213に入力される。直交復調器(DEM)213に入力された高周波信号は、PLL217から供給されるローカル信号により準同期検波され、さらにそれは受信アナログベースバンド信号に変換される。変換された受信アナログベースバンド信号は、さらに、A/D変換器216において受信デジタルベースバンド(受信DBB)信号に変換される。変換された受信デジタルベースバンド信号は、遅延プロファイル検索回路206とフィンガ回路218とに入力される。ここで、逐次入力される受信デジタルベースバンド信号には、送信元の基地局からの基準クロックが重畳されている。この基準クロックは、移動局104が基地局に対して高速移動しているときは、ドップラー効果による周波数ずれが生じている。
遅延プロファイル検索回路206は、タイミング生成回路207から与えられるフレームタイミング信号と、入力される受信デジタルベースバンド信号とを比較して、フレームタイミング時間補正量を生成し、遅延・周波数マップ回路208へ出力する。
ここで、遅延プロファイル検索回路206から出力されるフレームタイミング時間補正量の中には、固有の基地局識別符号として、受信した基地局毎に割り当てられているスクランブル符号等の基地局情報が含まれている。
遅延・周波数マップ回路208は、入力されるフレームタイミング時間補正量に含まれる基地局情報(スクランブル符号)と、周波数オフセット推定回路205から入力される(受信した)基地局毎の周波数オフセット量とを比較する。これにより、遅延・周波数マップ回路208は、下り信号の送信基地局が使用するスクランブル符号を識別し、当該スクランブル符号を使用する基地局が、自局の進路前方に在るか、あるいは、進路後方に在るかを判断する。この判断結果を基に、遅延・周波数マップ回路208は、遅延プロファイル検索回路206から逐次入力されるフレームタイミング時間補正量の中から、どの基地局からの受信デジタルベースバンド信号が受信および復調するのに適当であるかを判断する。判断の結果、「受信および復調することが適当である」とされた基地局からの受信デジタルベースバンド信号を選択するフレームタイミング時間補正量を、遅延・周波数マップ回路208は、タイミング生成回路207へ出力する。
また、遅延・周波数マップ回路208は、どの基地局に上り信号を送信するのが適当であるかも判断する。判断の結果、遅延・周波数マップ回路208は、「上り信号の受信に適当である」と判断された基地局(上り信号受信基地局)のみが認識できる符号を示すスクランブル符号選択信号、チャンネル符号選択信号を生成して、これをチャンネルコーデック228に供給する。
タイミング生成回路207は、基準クロック生成回路203から供給される基準クロックを基にして理想フレームタイミング信号を生成する。そして、タイミング生成回路207は、生成した理想フレームタイミング信号に、遅延・周波数マップ回路208から供給される、「選択」されたフレームタイミング時間補正量を加算することによりフレームタイミング信号を生成し、これをフィンガ回路218と遅延プロファイル検索回路206とに供給する。
フィンガ回路218は、受信信号をマルチパス成分に分離するための複数のフィンガから構成される。フィンガ回路218は、タイミング生成回路207から供給される(補正された)フレームタイミング信号を基準として受信デジタルベースバンド信号を復調して、これを各フィンガからRAKE回路219へ出力すると共に、各フィンガからの出力であるパイロットデータを周波数オフセット推定回路205へ出力する。
周波数オフセット推定回路205は、フィンガ回路218を構成する各フィンガからの出力であるパイロットデータ(受信デジタルベースバンド信号に重畳された基地局からの基準クロック)に基づいて、各フィンガの周波数オフセット量を算出し、これをRAKE回路219に出力する。また、周波数オフセット推定回路205は、受信した基地局毎の周波数オフセット量を算出し、これを遅延・周波数マップ回路208へ出力する。周波数オフセット推定回路205は、さらに、フィンガ回路218のフィンガ毎の周波数オフセット量を重み付け合成する。周波数オフセット推定回路205は、重み付け合成が済んだ周波数オフセット量をアキュムレータ回路204に出力する。
RAKE回路219は、周波数オフセット推定回路205において算出された各フィンガの周波数オフセット量に基づいて、フィンガ回路218における各フィンガの出力データを重み付け合成することにより、フェージングを軽減された受信データを生成する。
アキュムレータ回路204は、周波数オフセット推定回路205から供給された重み付け合成済みの合成周波数オフセット量と現在の出力値とを加算する。アキュムレータ回路204は、この加算結果を基準クロック生成回路203の周波数制御端子に出力する。
基準クロック生成回路203は、周波数制御端子に入力されたアキュムレータ回路204の出力値に応じて発振周波数を変化させることにより基準クロックを生成する。基準クロック生成回路203は、生成した基準クロックを、受信回路側のPLL217及び送信回路側のPLL227へ出力すると共に、上記したように、タイミング生成回路207に対しても供給する。このようにして、基準クロック生成回路203の出力周波数(基準クロック周波数)は、受信デジタルベースバンド信号に重畳された基地局からの基準クロック周波数に追従して変化する。
次に、移動局104の送信動作について説明する。
チャンネルコーデック228は、入力される送信データに、遅延・周波数マップ回路208から入力されるスクランブル符号選択信号、チャンネル符号選択信号(遅延・周波数マップ回路208によって「送信先として適当である」と判断された基地局のみが認識できる符号を示す信号)で指定された符号を重畳することにより、送信デジタルベースバンド信号(送信DBB信号)を生成する。
送信デジタルベースバンド信号は、D/A変換器226によって送信アナログベースバンド信号に変換される。送信アナログベースバンド信号は、さらに、直交変調器(MOD)223においてPLL227から供給されるローカル信号を用いて送信高周波信号に変換される。送信高周波信号は、TXAGCアンプ224、バンドパスフィルタ(BPF)222及び電力増幅器(PA)221において、所定の伝送帯域幅の信号のみが通過され、通過された信号はさらに増幅される。その後、送信高周波信号は、デュープレクサ(DUP)202においてアンテナ201に導かれ、送信信号(上り信号)としてアンテナ201から送信される。
以上のように、移動局104は、受信動作および送信動作を行う。
次に、図1を参照して、この例の移動無線通信システムの動作について説明する。
図1Aに示すように、基地局101と基地局102との間に在る移動局104が、基地局101から遠ざかり、基地局102に向かう通信状況について説明する。
このとき、移動局104の遅延・周波数マップ回路208は、遅延プロファイル検索回路206からフレームタイミング時間補正量に含まれる基地局情報(スクランブル符号)を受け取る。また、遅延・周波数マップ回路208は、周波数オフセット推定回路205から(受信した)基地局毎の周波数オフセット量を受け取る。そして、遅延・周波数マップ回路208は、基地局情報(スクランブル符号)と周波数オフセット量とに基づいて、基地局102と基地局103とが、移動局104の進路前方に在ると認識する。それとともに、遅延・周波数マップ回路208は、基地局101が移動局104の進路後方に在ると認識する(相対位置変動の認識)。
受信および復調時には、移動局104は、スクランブル符号によって、移動局104の進路前方に在る基地局102、103からの下り信号Sdd、Sdaを識別する。これは、周波数オフセット推定回路205、アキュムレータ回路204、基準クロック生成回路203、遅延プロファイル検索回路206、遅延・周波数マップ回路208、タイミング生成回路207、フィンガ回路218、及びRAKE回路219等の働きにより実現できる。また、移動局104は、識別した下り信号Sdd、Sdaのうち、例えば、受信強度の高い方の下り信号を、必要に応じて、ソフトハンドオーバして、逐次選択して復調する。
この結果、移動局104は、進路前方の基地局102からの下り信号又は基地局103からの下り信号のみを選択して復調する。そして、周波数オフセット推定回路205、アキュムレータ回路204、基準クロック生成回路203、及びPLL217の働きにより、移動局104は、基準クロックの周波数を、基地局102、103からの下り信号(受信高周波信号)の周波数に追従させる。このため、基準クロックの周波数は、ドップラー効果の影響を受けて、上方にずれる。すなわち、基準クロックの周波数は、式(2)により表される値となる(ここで、vは移動局104の移動速度、cは光速である)。
一方、送信時には、遅延・周波数マップ回路208及びチャンネルコーデック228等の働きにより、移動局104は、移動局104の進路後方に在る基地局101のみが識別できる、スクランブル符号化を行った上り信号Subを生成して、これを送信する。上り信号(送信高周波信号)の送信タイミングおよび周波数は、周波数オフセット推定回路205、アキュムレータ回路204、基準クロック生成回路203、及びPLL227の働きにより、受信高周波信号(下り信号)の周波数に追従する基準クロックを基に生成される。よって上り信号の周波数は、基準クロックと同様に、上方にずれる。すなわち、上り信号の周波数は、式(2)により表される値となる。移動局104から送信された上り信号Subは、スクランブル符号化によって基地局101のみによって受信される。
基地局101は、移動局104の進路後方に存在する。このため、基地局101が受信する信号、すなわち移動局104から送信されてきた上り信号Subの周波数は、下方にずれる。具体的には、上り信号Subの周波数は、式(2)において、vに(−v)を代入した式で表される値となる。
この結果、基地局101で観測される周波数fは、
Figure 0005370160
となる。すなわち、下り信号Sdd、Sdaと上り信号Subとに対して各々発生するドップラー効果による周波数ずれは、互いにキャンセルされる。基地局101は、このようにずれがキャンセルされた上り信号Subを受信する。
次に、図1Bに示すように、移動局104が、基地局102を通過して、基地局102と基地局103との間に移ったときの動作について説明する。このとき、遅延・周波数マップ回路208は、基地局情報(スクランブル符号)と、(受信した)基地局毎の周波数オフセット量とに基づいて、基地局103が移動局104の進路前方に在ると認識する。これと共に、基地局101と基地局102とが移動局104の進路後方に在ると認識する。つまり、移動局104は、基地局102が、自局の進路前方から進路後方に移ったことを認識する。ここで、基地局情報(スクランブル符号)は、遅延プロファイル検索回路206から供給されるフレームタイミング時間補正量に含まれる。また、基地局毎の周波数オフセット量は、周波数オフセット推定回路205から入力される。
この認識に基づいて、移動局104は、受信および復調時には、スクランブル符号に基づいて、自局の進路前方に在る基地局103からの下り信号Sdaを識別する。これは、周波数オフセット推定回路205、アキュムレータ回路204、基準クロック生成回路203、遅延プロファイル検索回路206、遅延・周波数マップ回路208、タイミング生成回路207、フィンガ回路218、及びRAKE回路219等の働きにより実現できる。そして、移動局104は、下り信号送信基地局を基地局102から基地局103へソフトハンドオーバする。そして、移動局104は、基地局103からの下り信号Sdaのみを選択し、それを復調する。
一方、送信時には、遅延・周波数マップ回路208及びチャンネルコーデック228等の働きにより、移動局104は、自局の進路後方に在る基地局101、102に対して、基地局101、102が識別できる、スクランブル符号化を行った上り信号Sub、Sudを生成して、それを送信する。移動局104から送信された上り信号Subは、スクランブル符号化によって基地局101のみによって受信される。一方、移動局104から送信された上り信号Sudは、スクランブル符号化によって基地局102のみによって受信される。
基地局101、102は、移動局104の進路後方に存在する。このため、基地局101、102において、移動局104から送信されてきた上り信号Sub、Sudの周波数は、それぞれ、ドップラー効果の影響を受けて、下方にずれる。具体的には、上り信号Sub、Sudは、式(2)において、vに(−v)を代入した式で表される周波数の信号として、基地局101、102において観測される。この結果、基地局101、102は、下り信号Sdaと上り信号Sub、Sudとに対して各々発生するドップラー効果による周波数ずれがキャンセルされた上り信号Sub、Sudを受信する。また、上述した構成により、WCDMA通信システムでは、移動状況が図1Aの状態から図1Bの状態に移ると、主たる上り信号受信基地局を、基地局101から、移動局104により近い基地局102へソフトハンドオーバさせることができる。なお、基地局103は、スクランブル符号に基づいて、これらの上り信号Sub、Sudが自局宛てではないことを認識する。
以上のように、この実施形態1によれば、移動局が、進路前方にある基地局から下り信号を受信し、進路後方にある基地局へ上り信号を送信するので、基地局はドップラー効果による周波数ずれがキャンセルされた上り信号を受信する。この構成により、基地局が周波数のずれを補正する処理を行う必要がないので、補正処理のための演算量の増大およびそれにより生じる消費電力や発熱量の増加を生じることなく、良好な通信を実現できるという効果が得られる。また、上記補正処理が不要となるため、信号処理のスループットが低下しないという効果が得られる。
ここで、移動局が、一般に行うように、上り信号、下り信号ともに同一の基地局を利用して送受信を行う場合、移動局が当該基地局を通り過ぎたときに、周波数のドップラー効果によるずれが上方ずれから下方ずれに急速に変化する。この急速なずれに対して、オフセット推定機能が追随できないと、信号誤り率の増加など信号品質の劣化が生じてしまうという問題があった。
これに対して、本発明では、移動局が、ドップラー効果により周波数が上方にずれた信号のみ、または下方にずれた信号のみを、常に下り信号として選択するので、ドップラー効果による周波数ずれの極性が反転することに起因する信号品質の劣化を防ぐことができるという効果が得られる。
実施形態2.
図3A、図3Bは、この発明の第2の実施形態であるWCDMA通信システムの全体配置構成と、移動通信状況を説明する図である。この実施形態2では、説明の都合上、図3A、図3Bに示すように、基地局301、302、303が、図中左側から、この順序で、1次元空間上に離隔配置されているとする。図3Aは、図中右側に向かう移動局304が、経路途中に在る基地局302を通過する前の移動通信状況を示す。図3Bは、移動局304が基地局302を通過した後の移動通信状況を示す。
この第2の実施形態では、基地局301、302、303が、互いに異なる送受信周波数を用いている。移動局304は、ドップラー効果による周波数ずれを検出することによって、基地局301、302、303の位置方位を認識する。この認識に基づいて、移動局304は、周波数を選択および指定することにより、移動局304への下り信号の送信に適した下り信号送信基地局及び移動局304からの上り信号の受信に適した上り信号受信基地局を選択する。
まず、図3Aに示す位置方位関係での移動通信状況について説明する。
この移動状況では、移動局304が、基地局301と基地局302との間を、速度v[m/s]で、図中右側に向かって移動している。移動局304は、ドップラー効果による周波数ずれを検出することにより、基地局301から遠ざかっていること、基地局302、基地局303へは近づいていることを認識する。
まず、移動局304が下り信号を受信する動作について説明する。
移動局304は、基地局302から送信されてくる周波数F2の下り信号Fdd、及び基地局303から送信されてくる周波数F3の下り信号Fdaを、PLL217のローカル(LO)周波数設定を切り替えることにより、受信する。また、図示しないが、移動局304は、基地局301から送信されてくる周波数F1の下り信号も受信する。図3Aの状況では、移動局304は、受信する下り信号の中から、進路前方の基地局の下り信号を選択し、これを復調する。進路前方の基地局が複数あるときは、移動局304は、例えば受信強度の高い下り信号、ここでは、最寄りの基地局302から送信されてきた周波数F2の下り信号Fdを選択し、これを復調する。
一方、移動局304は、上り信号を送信するときは、遠ざかる基地局301のみが受信できる周波数F1の上り信号Fubを生成し、それを送信する。移動局304から送信される周波数F1の上り信号Fubは、基地局301のみによって受信される。
次に、図3Bに示すように、移動局304が基地局302を通過したときの移動局304の動作について説明する。
まず、移動局304が下り信号を受信する動作について説明する。
移動局304は、受信している信号のドップラー効果による周波数ずれを検出することによって、自局が基地局301、302から遠ざかっていること、および基地局303へ近づいていることを認識する。移動局304は、下り信号送信基地局として選択していた基地局を、基地局302から基地局303へ切り替える。そして、移動局304は、受信した下り信号の中から、唯一、進路前方に在る基地局303から送信されてきた周波数F3の下り信号Fdaを選択し、これを復調する。
一方、送信時には、移動局304は、自局の進路後方に在る基地局301、302が受信できる周波数F1、F2の上り信号Fub、Fudを生成し、それらを送信する。移動局304から送信されてきた周波数F1の上り信号Fubは、基地局301のみによって受信される。移動局304から送信されてきた周波数F2の上り信号Fudは、基地局302のみによって受信される。上記構成により、WCDMA通信システムでは、主たる上り信号受信基地局を、基地局301から、移動局104により近い基地局302へ切替えることができる。
図4は、図3に示す移動局304の電気的構成を詳細に示すブロック図である。図4を参照して、この実施形態2に係る移動局304の動作について説明する。
遅延プロファイル検索回路404は、タイミング生成回路207から与えられるフレームタイミング信号と、入力される受信デジタルベースバンド信号とを比較して、フレームタイミング時間補正量を生成し、それをタイミング生成回路207へ出力する。
周波数オフセット推定回路401は、フィンガ回路218を構成する各フィンガからの出力であるパイロットデータ(受信デジタルベースバンド信号に重畳された基地局からの基準クロック)に基づいて、各フィンガの周波数オフセット量を算出し、それをRAKE回路219に出力する。また、周波数オフセット推定回路401は、受信した基地局毎の周波数オフセット量を算出し、それを周波数マップ回路402へ出力する。
周波数マップ回路402は、入力される基地局毎の周波数オフセット量に基づいて、ローカル(LO)周波数情報信号を生成して、それをローカル周波数設定回路403へ出力する。ローカル周波数設定回路403は、入力されるローカル周波数情報信号に基づいて、受信用のローカル周波数設定信号を生成する。ローカル周波数設定回路403は、生成した受信用のローカル周波数設定信号を、受信回路側のPLL217へ出力することによって、PLL217の受信周波数設定を行う。また、ローカル周波数設定回路403は、送信用のローカル周波数設定信号も生成する。ローカル周波数設定回路403は、生成した送信用のローカル周波数設定信号を送信回路側のPLL227へ出力することによって、PLL227の送信周波数設定を行う。
ローカル周波数設定回路403は、PLL217の受信周波数を基地局が存在する可能性がある周波数に順次設定していく。これにより、移動局304は周辺近傍に存在する基地局301、302、303からの下り信号を受信することができる。この結果、周波数マップ回路402は、基地局301、302、303の存在する周波数と、ドップラー効果による周波数ずれとを考慮することにより、その位置方位(相対位置変動)を認識することができる。なお、図4において、図2の構成部分と同一の構成部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。
以上のように、この実施形態2によれば、移動局は、互いに異なる送受信周波数を用いる複数の基地局のうち、進路前方にある基地局からの下り信号を、ローカル周波数設定を切替えることによって受信する。また、移動局は、進路後方にある基地局が受信できる周波数の上り信号を生成して、それを該基地局に送信する。この構成により、基地局はドップラー効果による周波数ずれがキャンセルされた上り信号を受信するので、基地局が周波数のずれを補正する処理を行う必要がない。したがって、補正処理のための演算量の増大およびそれにより生じる消費電力や発熱量の増加を生じることなく、良好な通信を実現できるという効果が得られる。また、上記補正処理が不要となるため、信号処理のスループットが低下しないという効果が得られる。
また、上記実施形態1で述べたように、移動局が、ドップラー効果により周波数が上方にずれた信号のみ、または下方にずれた信号のみを、常に下り信号として選択するので、ドップラー効果による周波数ずれの極性が反転することに起因する信号品質の劣化を防ぐことができるという効果が得られる。
実施形態3.
図5A、図5Bは、この発明の第3の実施形態であるWCDMA通信システムの全体配置構成と、移動通信状況を説明する図である。また、図6は、図5に示す移動局504の電気的構成を詳細に示すブロック図である。この実施形態3では、説明の都合上、図5A、図5Bに示すように、基地局501、502、503が、図中左側から、この順序で、1次元空間上に離隔配置されている。図5Aは、図中右側に向かう移動局(例えば、車載移動局)504が、経路途中に在る基地局502を通過する前の移動通信状況を示す。また、図5Bは、移動局504が基地局502を通過した後の移動通信状況を示す。
この実施形態3では、移動局504が、単一の無指向性アンテナ(デュプレックスアンテナ)201に代えて、互いに逆方向の指向性を有する2つのアンテナを備える。すなわち、移動局504は、進路前方に指向性を有するアンテナ201aと、進路後方に指向性を有するアンテナ201bとを備える。これに伴い、この移動局504は、図6に示すように、図2に示したDUP202を備えていない。なお、この実施形態3では、基地局501、502、503は、共に同一の送受信周波数を用いている。
まず、図5Aに示す位置方位関係での移動通信状況について説明する。この移動状況では、移動局504が、基地局501と基地局502との間を、図中右側に向かって移動している。ここで、移動局504は、ネットワークを経由して(近隣周辺の)基地局501、502、503の位置関係情報を予め保持する。移動局504は、前方指向性アンテナ201aを介して、進路前方に在る基地局502、503から送信されてくる下り信号Hdd、Hdaを受信することに基づいて、基地局502、基地局503が進路前方に在ることを認識する。また、移動局504は、基地局501からの下り信号を受信できないことに基づいて、基地局501が進路後方に在ることを認識する。この認識に基づいて、移動局504は、進路前方の基地局502、503から受信される下り信号Hdd、Hdaのみを選択して、それらを復調する。また、移動局504は、後方指向性アンテナ201bを介して、進路後方の基地局501のみに、上り信号Hubを送信する。
次に、図5Bに示すように、移動局504が基地局502を通過したときの移動状況について説明する。移動局504は、前方指向性アンテナ201aを介して、進路前方に在る基地局503から送信されてくる下り信号Hdaを受信することに基づいて、基地局503が進路前方に在ることを認識する。また、移動局504は、基地局501、502からの下り信号を受信できないことに基づいて、基地局502が進路前方から進路後方に位置するように変化したことを認識する。これにより、移動局504は、進路前方の基地局503からの下り信号Hdaのみを選択して、これを復調する。また、移動局504は、後方指向性アンテナ201bを介して、進路後方の基地局501、502のみに上り信号Hud、Hubを送信する。
以上のように、この実施形態3によれば、移動局504は、前方指向性アンテナ201aと後方指向性アンテナ201bとで受信する下り信号に基づいて、基地局が進路前方または後方にあることを認識する。そして、移動局504は、前方指向性アンテナ201aを介して、進路前方にある基地局から送信される下り信号のみを選択して、それを復調する。また、移動局504は、後方指向性アンテナ201bを介して、進路後方の基地局に、上り信号を送信する。この構成により、基地局はドップラー効果による周波数ずれがキャンセルされた上り信号を受信するので、基地局が周波数のずれを補正する処理を行う必要がない。したがって、補正処理のための演算量の増大およびそれにより生じる消費電力や発熱量の増加を生じることなく、良好な通信を実現できるという効果が得られる。また、上記補正処理が不要となるため、信号処理のスループットが低下しないという効果が得られる。
また、上記実施形態1で述べたように、移動局が、ドップラー効果により周波数が上方にずれた信号のみ、または下方にずれた信号のみを、常に下り信号として選択するので、ドップラー効果による周波数ずれの極性が反転することに起因する信号品質の劣化を防ぐことができるという効果が得られる。
実施形態4.
図7は、この発明の第4の実施形態であるWCDMA通信システムの全体配置構成と、移動通信状況を説明する図である。
上述の第1、第2、第3の実施形態では、複数の基地局が1次元上に離隔配置されている場合について述べたが、この第4の実施形態では、図7に示すように、複数の基地局701、702、703が、2次元空間に配置されている場合について述べる。
この2次元配置構成では、移動局704と基地局701、702、703との相対速度は、移動局704の速度ベクトルと移動局704から基地局701、702、703に向かう単位ベクトルの内積に基づいて求められる。つまり、移動局704が、図中右側(X軸方向)に速度v[m/s]で移動しているとすると、移動局704と基地局701との相対速度V1は、V1=v・cos(b)である。また、移動局704と基地局702との相対速度V2は、V2=v・cos(d)である。また、移動局704と基地局703との相対速度V3は、V3=v・cos(a)である。ここで、bは、移動局704の速度ベクトルと、移動局704が基地局701に向かう単位ベクトルとのなす角度である。dは、同速度ベクトルと、移動局704が基地局702に向かう単位ベクトルとのなす角度である。また、aは、同速度ベクトルと、移動局704が基地局703に向かう単位ベクトルとのなす角度である。
図8は、図7の移動状況で発生する、移動局から見たドップラー効果による下り信号の周波数ずれを示すグラフである。図7の移動状況では、図8に示すように、基地局701からの下り信号の周波数foは、移動局704では、
fb={1+v・cos(b)/c}fo (10)
として受信される。
同様に、基地局702からの下り信号の周波数foは、移動局704では、
fd={1+v・cos(d)/c}fo (11)
として受信される。
さらに、基地局703からの下り信号の周波数foは、移動局704では、
fa={1+v・cos(a)/c}fo (12)
として受信される。
ここで、cは光速である。foは、基地局701、702、703からの下り信号送信周波数であり、静止状態の移動局704によって受信される、基地局701、702、703からの下り信号受信周波数でもある。また、ここではドップラー効果の影響を、近似式を用いて示している。すなわち、v<<cのとき、式(1)に式(3)を適用すると、
Figure 0005370160
が成り立つ。さらに式(13)は、v<<cのとき、
Figure 0005370160
が成り立つ。上記式(10)、(11)、(12)では、式(14)を用いてドップラー効果の影響による周波数ずれを説明している。
図8から明らかなように、下り信号送信周波数foに対して、基地局701からの下り信号受信周波数fbと基地局703からの下り信号受信周波数faの周波数のずれ量の絶対値が近似しており、かつ増減が逆である。また、この実施形態4のWCDMA通信システムでは、移動局704は、相対的に接近する基地局703を下り信号送信基地局として選択し、相対的に遠ざかる基地局701を上り信号受信基地局として指定する構成とする。これにより、基地局701と移動局704との通信、および基地局703と移動局704との通信において、それぞれ生じるドップラー効果の影響は、互いに打ち消される方向に働く。したがって、この実施形態4のWCDMA通信システムでは、ドップラー効果の影響を、十分に低減できるといえる。
なお、この実施形態4では、移動局704の速度ベクトルと、移動局704から基地局701、702、703に向かう単位ベクトルとのなす角度によっては、ドップラー効果の影響が残存する。しかしながら、ここで残存するドップラー効果の影響は、0.01ppm(parts per million)、つまり、10の8乗分の1オーダーの値である。この値は、基地局が受信する周波数に対して非常に小さい値であるため、許容範囲と考えてよい。
また、移動局704は、相対的に遠ざかる基地局701を下り信号送信基地局として選択し、相対的に接近する基地局703を上り信号受信基地局として指定する構成にしても、上記した構成と同様に、基地局701、703と移動局704との通信においてそれぞれ生じるドップラー効果の影響を、許容範囲内に十分に低減できる。
以上のように、この実施形態4によれば、複数の基地局が2次元に配置された構成のWCDMA通信システムでも、移動局704と各基地局701、702および703との相対速度に基づいて、移動局704は、自局に相対的に接近する基地局を下り信号送信基地局として選択し、相対的に遠ざかる基地局を上り信号送信基地局として選択する。この構成により、ドップラー効果による周波数ずれを許容範囲内に十分に低減できるので、基地局が周波数のずれを補正する処理を行う必要がない。したがって、補正処理のための演算量の増大およびそれにより生じる消費電力や発熱量の増加を生じることなく、良好な通信を実現できるという効果が得られる。また、上記補正処理が不要となるため、信号処理のスループットが低下しないという効果が得られる。
また、上記実施形態1で述べたように、移動局が、ドップラー効果により周波数が上方にずれた信号のみ、または下方にずれた信号のみを、常に下り信号として選択するので、ドップラー効果による周波数ずれの極性が反転することに起因する信号品質の劣化を防ぐことができるという効果が得られる。
実施形態5.
図9は、この発明の第5の実施形態に係る移動局804の構成を示す図である。この図を参照して、実施形態5の移動局804の動作について説明する。
移動局804は、検出手段805と、選択手段806とを備える。検出手段805は、複数の基地局との相対位置の変動を検出する。選択手段806は、検出手段805により検出された相対位置に基づいて、複数の基地局の中から、移動局804への下り信号の送信に適した下り信号送信基地局を選択すると共に、移動局804からの上り信号の受信に適した上り信号受信基地局を選択する。
以上のように、この実施形態5によれば、移動局804の検出手段805が、複数の基地局との相対位置の変動を検出し、選択手段806は、検出手段805により検出された相対位置に基づいて、複数の基地局の中から、下り信号を送信する下り信号送信基地局を選択すると共に、上り信号を受信する上り信号受信基地局を選択する。この構成により、基地局が周波数のずれを補正する処理を行う必要がないので、補正処理のための演算量の増大およびそれにより生じる消費電力や発熱量の増加を生じることなく、良好な通信を実現できるという効果が得られる。また、上記補正処理が不要となるため、信号処理のスループットが低下しないという効果が得られる。
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれる。例えば、上述の各実施形態では、移動局は、当該移動局の進路前方に在る基地局からの下り信号を受信し、後方に在る基地局へ上り信号を送信するようにした場合について述べたが、これに限らない。移動局は、移動局の進路後方に在る基地局からの下り信号を受信し、前方に在る基地局へ上り信号を送信するようにしても、上述の各実施形態で述べたと同様に、ドップラー効果による周波数ずれをキャンセルできる。
また、上述の各実施形態では、例えば、移動局が、ドップラー効果による受信周波数ずれを検出し、あるいは、移動局が、複数の指向性アンテナを用いることにより、相対位置の変動を検出している。そして、この検出結果に基づいて、移動局が、複数の基地局の中から、下り信号を送信する下り信号送信基地局を選択すると共に、上り信号を受信する上り信号受信基地局を指定するようにしたが、これに限らない。例えば、移動局が、各基地局との相対速度を検出することにより、相対位置の変動を検出するようにしても良い。また、移動局に代えて、基地局ネットワークが、例えば、ドップラー効果による受信周波数ずれを検出し、あるいは、移動局と各基地局との相対速度を検出することにより、相対位置の変動を検出し、この検出結果に基づいて、複数の基地局の中から、下り信号を送信する下り信号送信基地局を選択すると共に、上り信号を受信する上り信号受信基地局を指定するようにしても良い。
この発明の移動無線通信システムは、携帯電話や自動車無線等に適用できる。
この出願は、2008年2月8日に出願された日本出願特願2008−029605を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。

Claims (40)

  1. 複数の基地局との相対位置の変動を検出する検出手段と、
    上り信号を受信する上り信号受信基地局を選択すると共に、前記検出手段により検出された相対位置の変動に基づいて、自局との距離の増減が前記上り信号受信基地局と互いに逆になる基地局の一または複数を下り信号を送信する下り信号送信基地局として選択する選択手段とを備えたことを特徴とする移動局。
  2. 前記選択手段は、自局が接近している前記基地局の中から、前記下り信号送信基地局を選択すると共に、自局が遠ざかっている前記基地局の中から、前記上り信号受信基地局を選択することを特徴とする請求の範囲第1項記載の移動局。
  3. 前記選択手段は、自局が遠ざかっている前記基地局の中から、前記下り信号送信基地局を選択すると共に、自局が接近している前記基地局の中から、前記上り信号受信基地局を選択することを特徴とする請求の範囲第1項記載の移動局。
  4. 前記複数の基地局の位置関係情報を予め保持する記憶手段をさらに備え、
    前記検出手段は、前記記憶手段が保持する位置関係情報に基づいて前記複数の基地局との相対位置の変動を検出することを特徴とする請求の範囲第1項記載の移動局。
  5. 前記検出手段は、前記各基地局から受信する下り信号に生じる周波数のずれを検出し、当該周波数のずれに基づいて、相対位置の変動を検出することを特徴とする請求の範囲第1項記載の移動局。
  6. 進行方向前方に指向性を有する第1のアンテナと、進行方向後方に指向性を有する第2のアンテナとを備え、
    前記検出手段は、前記第1のアンテナおよび前記第2のアンテナが受信する信号に基づいて、前記複数の基地局との相対位置の変動を検出することを特徴とする請求の範囲第1項記載の移動局。
  7. 前記選択手段は、受信する下り信号の周波数において増加方向のずれを引き起こしている前記基地局の中から前記下り信号送信基地局を選択すると共に、受信する下り信号の周波数において減少方向のずれを引き起こしている前記基地局の中から前記上り信号受信基地局を選択することを特徴とする請求の範囲第5項記載の移動局。
  8. 前記選択手段は、受信する下り信号の周波数において減少方向のずれを引き起こしている前記基地局の中から前記下り信号送信基地局を選択すると共に、受信する下り信号の周波数において増加方向のずれを引き起こしている前記基地局の中から前記上り信号受信基地局を選択することを特徴とする請求の範囲第5項記載の移動局。
  9. 前記選択した下り信号送信基地局が使用する周波数の下り信号を受信するとともに、前記選択した上り信号受信基地局が使用する周波数の上り信号を送信するように、受信周波数および送信周波数を設定する周波数設定手段をさらに備えることを特徴とする請求の範囲第7項または第8項記載の移動局。
  10. 前記選択した下り信号送信基地局が使用する符号で符号化された下り信号を受信するとともに、前記選択した上り信号受信基地局が使用する符号で符号化された上り信号を送信するように、受信符号および送信符号を設定する符号設定手段をさらに備えることを特徴とする請求の範囲第7項または第8項記載の移動局。
  11. 複数の基地局と、前記各基地局と通信する移動局とを含む移動無線通信システムであって、
    前記移動局と前記複数の基地局との相対位置の変動を検出する検出手段と、
    上り信号を受信する上り信号受信基地局を選択すると共に、前記検出手段により検出された相対位置の変動に基づいて、前記移動局との距離の増減が前記上り信号受信基地局と互いに逆になる基地局の一または複数を下り信号を送信する下り信号送信基地局として選択する選択手段と
    を備えたことを特徴とする移動無線通信システム。
  12. 前記選択手段は、前記移動局が接近している前記基地局の中から、前記下り信号送信基地局を選択すると共に、前記移動局が遠ざかっている前記基地局の中から、前記上り信号受信基地局を選択することを特徴とする請求の範囲第11項記載の移動無線通信システム。
  13. 前記選択手段は、前記移動局が遠ざかっている前記基地局の中から、前記下り信号送信基地局を選択すると共に、前記移動局が接近している前記基地局の中から、前記上り信号受信基地局を選択することを特徴とする請求の範囲第11項記載の移動無線通信システム。
  14. 前記複数の基地局の位置関係情報を予め保持する記憶手段をさらに備え、
    前記検出手段は、前記記憶手段が保持する位置関係情報に基づいて前記複数の基地局との相対位置の変動を検出することを特徴とする請求の範囲第11項記載の移動無線通信システム。
  15. 前記検出手段は、前記各基地局から受信する下り信号に生じる周波数のずれを検出し、当該周波数のずれに基づいて、相対位置の変動を検出することを特徴とする請求の範囲第11項記載の移動無線通信システム。
  16. 前記移動局が、進行方向前方に指向性を有する第1のアンテナと、進行方向後方に指向性を有する第2のアンテナとを備え、
    前記検出手段は、前記第1のアンテナおよび前記第2のアンテナが受信する信号に基づいて、前記複数の基地局との相対位置の変動を検出することを特徴とする請求の範囲第11項記載の移動無線通信システム。
  17. 前記選択手段は、受信する下り信号の周波数において増加方向のずれを引き起こしている前記基地局の中から前記下り信号送信基地局を選択すると共に、受信する下り信号の周波数において減少方向のずれを引き起こしている前記基地局の中から前記上り信号受信基地局を選択することを特徴とする請求の範囲第15項記載の移動無線通信システム。
  18. 前記選択手段は、受信する下り信号の周波数において減少方向のずれを引き起こしている前記基地局の中から前記下り信号送信基地局を選択すると共に、受信する下り信号の周波数において増加方向のずれを引き起こしている前記基地局の中から前記上り信号受信基地局を選択することを特徴とする請求の範囲第15項記載の移動無線通信システム。
  19. 前記移動局が、前記選択した下り信号送信基地局が使用する周波数の下り信号を受信するとともに、前記選択した上り信号受信基地局が使用する周波数の上り信号を送信するように、受信周波数および送信周波数を設定する周波数設定手段をさらに備えることを特徴とする請求の範囲第17項または第18項記載の移動無線通信システム。
  20. 前記移動局が、前記選択した下り信号送信基地局が使用する符号で符号化された下り信号を受信するとともに、前記選択した上り信号受信基地局が使用する符号で符号化された上り信号を送信するように、受信符号および送信符号を設定する符号設定手段をさらに備えることを特徴とする請求の範囲第17項または第18項記載の移動無線通信システム。
  21. 複数の基地局と、前記各基地局と通信する移動局とを含む移動無線通信方法であって、
    前記移動局と前記複数の基地局との相対位置の変動を検出し、
    上り信号を受信する上り信号受信基地局を選択すると共に、前記検出された相対位置の変動に基づいて、前記移動局との距離の増減が前記上り信号受信基地局と互いに逆になる基地局の一または複数を下り信号を送信する下り信号送信基地局として選択することを特徴とする移動無線通信方法。
  22. 前記移動局が接近している前記基地局の中から、前記下り信号送信基地局を選択すると共に、前記移動局が遠ざかっている前記基地局の中から、前記上り信号受信基地局を選択することを特徴とする請求の範囲第21項記載の移動無線通信方法。
  23. 前記移動局が遠ざかっている前記基地局の中から、前記下り信号送信基地局を選択すると共に、前記移動局が接近している前記基地局の中から、前記上り信号受信基地局を選択することを特徴とする請求の範囲第21項記載の移動無線通信方法。
  24. 前記複数の基地局の位置関係情報を予め保持し、
    前記保持する位置関係情報に基づいて前記複数の基地局との相対位置の変動を検出することを特徴とする請求の範囲第21項記載の移動無線通信方法。
  25. 前記各基地局から受信する下り信号に生じる周波数のずれを検出し、当該周波数のずれに基づいて、相対位置の変動を検出することを特徴とする請求の範囲第21項記載の移動無線通信方法。
  26. 進行方向前方に指向性を有する第1のアンテナと、進行方向後方に指向性を有する第2のアンテナとが受信する信号に基づいて、前記複数の基地局との相対位置の変動を検出することを特徴とする請求の範囲第21項記載の移動無線通信方法。
  27. 受信する下り信号の周波数において増加方向のずれを引き起こしている前記基地局の中から前記下り信号送信基地局を選択すると共に、受信する下り信号の周波数において減少方向のずれを引き起こしている前記基地局の中から前記上り信号受信基地局を選択することを特徴とする請求の範囲第25項記載の移動無線通信方法。
  28. 受信する下り信号の周波数において減少方向のずれを引き起こしている前記基地局の中から前記下り信号送信基地局を選択すると共に、受信する下り信号の周波数において増加方向のずれを引き起こしている前記基地局の中から前記上り信号受信基地局を選択することを特徴とする請求の範囲第25項記載の移動無線通信方法。
  29. 前記選択した下り信号送信基地局が使用する周波数の下り信号を受信するとともに、前記選択した上り信号受信基地局が使用する周波数の上り信号を送信するように、受信周波数および送信周波数を設定することを特徴とする請求の範囲第27項または第28項記載の移動無線通信方法。
  30. 前記選択した下り信号送信基地局が使用する符号で符号化された下り信号を受信するとともに、前記選択した上り信号受信基地局が使用する符号で符号化された上り信号を送信するように、受信符号および送信符号を設定することを特徴とする請求の範囲第27項または第28項記載の移動無線通信方法。
  31. 複数の基地局と、前記各基地局と通信する移動局とにおける移動無線通信プログラムであって、
    前記移動局と前記複数の基地局との相対位置の変動を検出する処理と、
    上り信号を受信する上り信号受信基地局を選択すると共に、前記検出された相対位置の変動に基づいて、前記移動局との距離の増減が前記上り信号受信基地局と互いに逆になる基地局の一または複数を下り信号を送信する下り信号送信基地局として選択する処理と
    をコンピュータに実行させることを特徴とする移動無線通信プログラム。
  32. 前記移動局が接近している前記基地局の中から、前記下り信号送信基地局を選択すると共に、前記移動局が遠ざかっている前記基地局の中から、前記上り信号受信基地局を選択する処理を含むことを特徴とする請求の範囲第31項記載の移動無線通信プログラム。
  33. 前記移動局が遠ざかっている前記基地局の中から、前記下り信号送信基地局を選択すると共に、前記移動局が接近している前記基地局の中から、前記上り信号受信基地局を選択する処理を含むことを特徴とする請求の範囲第31項記載の移動無線通信プログラム。
  34. 前記複数の基地局の位置関係情報を予め保持し、
    前記保持する位置関係情報に基づいて前記複数の基地局との相対位置の変動を検出する処理を含むことを特徴とする請求の範囲第31項記載の移動無線通信プログラム。
  35. 前記各基地局から受信する下り信号に生じる周波数のずれを検出し、当該周波数のずれに基づいて、相対位置の変動を検出する処理を含むことを特徴とする請求の範囲第31項記載の移動無線通信プログラム。
  36. 進行方向前方に指向性を有する第1のアンテナと、進行方向後方に指向性を有する第2のアンテナとが受信する信号に基づいて、前記複数の基地局との相対位置の変動を検出する処理を含むことを特徴とする請求の範囲第31項記載の移動無線通信プログラム。
  37. 受信する下り信号の周波数において増加方向のずれを引き起こしている前記基地局の中から前記下り信号送信基地局を選択すると共に、受信する下り信号の周波数において減少方向のずれを引き起こしている前記基地局の中から前記上り信号受信基地局を選択する処理を含むことを特徴とする請求の範囲第35項記載の移動無線通信プログラム。
  38. 受信する下り信号の周波数において減少方向のずれを引き起こしている前記基地局の中から前記下り信号送信基地局を選択すると共に、受信する下り信号の周波数において増加方向のずれを引き起こしている前記基地局の中から前記上り信号受信基地局を選択する処理を含むことを特徴とする請求の範囲第35項記載の移動無線通信プログラム。
  39. 前記選択した下り信号送信基地局が使用する周波数の下り信号を受信するとともに、前記選択した上り信号受信基地局が使用する周波数の上り信号を送信するように、受信周波数および送信周波数を設定する処理を含むことを特徴とする請求の範囲第37項または第38項記載の移動無線通信プログラム。
  40. 前記選択した下り信号送信基地局が使用する符号で符号化された下り信号を受信するとともに、前記選択した上り信号受信基地局が使用する符号で符号化された上り信号を送信するように、受信符号および送信符号を設定する処理を含むことを特徴とする請求の範囲第37項または第38項記載の移動無線通信プログラム。
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