JP5369470B2 - 車両用シート装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用シート装置に関する。
車両用シートに関しては、疲労度の少ない安楽な着座姿勢、或いは揺れの少ない安定な着座姿勢、眠気を催し難い着座姿勢など、乗員に相応しい着座姿勢を提供することができるように、種々の工夫がなされている。そのような車両用シート装置の一例が特許文献1に記載されている。それは、シートクッション、シートバック上部及びシートバック下部の各々に荷重センサを配置し、それら各部に作用する乗員の荷重を検出し、この各部の荷重値に基いて、乗員の着座姿勢が安楽になるように、シートバック上部及びシートバック下部のリクライニング角度を調節するというものである。
特開2005−82043号公報
しかし、従来のシート各部に荷重センサを配置し、それら各部に作用する乗員の荷重を検出する手法では、多くの荷重センサを必要としコスト高になる。また、乗員からシート各部に加わる荷重を検出する手法では、必ずしも高い精度で着座姿勢を判定できるとは言い難い。
そこで、本発明は、多くの荷重センサを必要とせずに、乗員の着座姿勢を精度良く判定してシート状態を変更することにより、乗員が適切な着座姿勢をとることができるようにする。
本発明は、このような課題を解決するために、シートに着座した乗員の足裏からフロアにどのような荷重が加わっているかが乗員の着座姿勢に大きな影響を与える点に着目し、この乗員の足裏からフロアに加わる足裏荷重を利用して、乗員が目標着座姿勢をとっているか否かを判定するようにした。
請求項1に係る発明は、車両の後席シートの状態を検出するシート状態検出手段と、
上記後席シートの状態を変更するシート状態変更手段と、
上記車両の前席シートを前後方向に移動させる前席シート移動手段と、
上記車両のフロアに設けられ、上記後席シートに着座した乗員の足裏がフロアから受けるフロア反力を検出するフロア反力検出手段と、
上記乗員の体格に関連する情報を得る体格情報取得手段と、
上記後席シートの状態と上記フロア反力と上記体格関連情報とに基いて、着座した乗員身体の複数の部位が当該後席シートから受けるシート反力を求めるシート反力算出手段と
上記身体各部位が受けるシート反力の分布に基いて上記乗員が所定の目標着座姿勢となっているか否かを判定する着座姿勢判定手段と、
上記乗員が目標着座姿勢になっていないときに、該目標着座姿勢となるように上記シート状態変更手段の作動を制御するシート状態制御手段とを備え、
上記シート状態変更手段は、上記後席シートの少なくとも座面角度を変更するものであり、
上記シート状態制御手段は、上記後席シートの座面角度の変更によっては上記目標着座姿勢を得ることができないときに、上記前席シートを前方に移動させることを特徴とする車両用シート装置である。
すなわち、乗員の体格及び後席シートの状態が定まれば、その後席シートに着座した乗員の足裏が受けるフロア反力、乗員の身体各部位が受けるシート反力は、その乗員の着座姿勢に依存して定まる。従って、上述の後席シートの状態と足裏のフロア反力と体格関連情報とに基いて、着座した乗員身体の各部位が受けるシート反力を求めることができる。そして、乗員の身体各部位のシート反力分布と目標着座姿勢でのシート反力分布との比較によって、乗員が目標着座姿勢になっているか否かを判定することができ、この判定結果に応じて上記後席シートの状態を変更すれば、乗員を目標着座姿勢にすることができる。
ここに、乗員の大腿と座面との隙間があるときに、後席シートの座面角度が大きくなる(座面前端が高くなる)ようにすれば、大腿が後席シートの座面に支えられる範囲が広くなる。そのことにより、乗員の荷重が座面に広く分散されるようになり、尻(臀部)に加わる圧力は小さくなる。つまり、後席シートの座面角度如何によって、乗員の尻に加わる圧力が大きく異なる。そこで、本発明では、このように尻に加わる圧力に大きな影響を与えるシート座面角度を変更して目標着座姿勢を得るようにした。さらに、上記後席シートの座面角度の変更によっては上記目標着座姿勢を得ることができないときに、上記前席シートを前方に移動させるようにした。これにより、後席乗員の足許のスペースが広くなり、乗員は所望の着座姿勢をとり易くなる。
請求項2に係る発明は、請求項1において、
上記着座姿勢判定手段は、上記シート状態変更手段の作動頻度が所定値以上であるときに、上記目標着座姿勢の判定基準を高くなる方向に変更することを特徴とする。
すなわち、シート状態変更手段の作動頻度が所定値以上であるということは、乗員がその着座姿勢を度々変更している、例えば、車両の走行が長時間に及び、乗員の疲労度が高くなっている、或いはシートへの落ち着きが悪いと感じていると推測することができる。よって、その場合は目標着座姿勢の判定基準を高め(例えば安楽な着座姿勢を目標とするときは、安楽度がさらに高い着座姿勢となるように判定基準を変更し)、高い目標値をもってシート状態を変更するものである。
請求項3に係る発明は、請求項1において、
上記シート状態変更手段の作動頻度が所定値以上であるときに、そのことを乗員に知らせる報知手段を備えていることを特徴とする。
上述の如く、シート状態変更手段の作動頻度が所定値以上であるということは、乗員がその着座姿勢を度々変更している、つまり、車両の走行が長時間に及んでいると推測できるため、安全運転や乗員の健康の確保の観点から、注意を喚起する(車両を停車させて休憩することを促す)ものである。
以上のように、請求項1に係る発明によれば、後席シートの状態とこの後席シートに着座した乗員の足裏が受けるフロア反力と乗員の体格関連情報とに基いて、乗員の身体各部位が受けるシート反力を求めて乗員が目標着座姿勢になっているか否かを判定するようにし、乗員が目標着座姿勢になっていないときに、後席シートの少なくとも座面角度を変更し、この座面角度の変更によっては上記目標着座姿勢を得ることができないときに、前席シートを前方に移動させるようにしたから、多数のセンサを用いることなく、乗員の着座姿勢を精度良く判定することができるとともに、乗員を目標着座姿勢にすることが容易になり、さらに、目標着座姿勢を得ることができないときの前席シートの前方移動により、乗員は所望の着座姿勢をとり易くなる。
請求項2に係る発明によれば、シート状態変更手段の作動頻度が所定値以上であるときに、目標着座姿勢の判定基準を高くなる方向に変更するから、乗員をその疲労度等に応じた適切な着座姿勢にすることができる。
請求項3に係る発明によれば、シート状態変更手段の作動頻度が所定値以上であるときに、そのことを乗員に知らせるようにしたから、安全運転や乗員の健康の確保に関して乗員の注意を喚起することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1に示す車両1において、2は前席シート、3は後席シートである。前席シート2側には、前席シート2の車両前後方向における位置を検出するシート位置センサ4と、該シート2を車両前後方向に移動させるアクチュエータ(前席シート移動手段)5とが設けられている。後席シート3側には、後席シート3の座面角(座面角度)を検出する座面角センサ(シート状態検出手段)6と、その座面角を変化させるアクチュエータ(シート状態変更手段)7とが設けられているとともに、フロア8には後席シート3に着座する乗員Mの足裏荷重を検出する6軸センサ9が設けられている。前席シート移動用のアクチュエータ5及び座面角変更用のアクチュエータ7の作動は、シート位置センサ4、座面角センサ6及び6軸センサ9の信号に基いて、CPU,RAMおよびROMを一体化したECU11によって制御される。
6軸センサ8は、1点に作用する外力を互いに直交する各軸方向の力3成分と各軸周りのモーメント3成分を電気信号に変換し、同時に且つ個別に検出できる機能を持つセンサであり、後席シート3に着座した乗員Mの足裏がフロア8から受けるフロア反力を検出するフロア反力検出手段として働き、また、乗員Mの体格に関連する情報を得る体格情報取得手段として働く。
実施形態の説明の用語について説明すると、図2に示すように、フロア反力としては、上下方向のフロア反力WLと前後方向のフロア反力TLとが用いられる。座面角θは水平線に対するシートクッション3aの座面の上向き傾斜角度である。シートバック角ηは垂直線に対するシートバック3bの後傾角度である。ヒップポイント高さHはフロア面から乗員6のヒップポイントまでの高さである。この座面角θ、シートバック角η及びヒップポイント高さHはいずれも、シート状態を規定する要素であるが、本実施形態では座面角θ及びヒップポイント高さHがシート状態を規定する要素として重要になる。
図3は乗員の着座姿勢を規定する関節角度の説明図である。着座姿勢は、垂直線に対する胴体中心線Bの後傾角度であるトルソー角、水平線に対する大腿の上向き傾斜角度であるサイ角、大腿Tと下腿Lとのなす角度である膝角、下腿Lと足Fとのなす角度である足首角、及び水平線に対する足Fの角度である靴角によって規定することができる。
<実施形態1>
この実施形態は、後席シート3に着座する乗員の体格を推定して、乗員が安楽な着座姿勢になるようにシート状態を変更する。そのために、ECU11は、乗員の体格判定手段、乗員の着座姿勢検出手段、シート反力算出手段、乗員の着座姿勢判定手段、並びに上記アクチュエータ5,7の作動を制御するシート状態制御手段として働く。また、ECU11には上記着座姿勢検出、シート反力算出、着座姿勢判定等のための各種のデータベースが設けられている。
以下、ECU11による処理の流れを示す図4のフローチャートに従って具体的に説明する。
スタート後、シート位置センサ4、座面角センサ6及び6軸センサ9の各信号が読み込まれ、ステップA1で乗員の体格判定が行われる。この体格判定について図5に具体的に示されている。まず、ステップB1において後席シートのアクチュエータ7を作動させてその座面角θを最小minにする。続くステップB2において6軸センサ9による足裏荷重Wfwの計測値を読み込む。なお、この足裏荷重Wfwは上下方向のフロア反力WLに相当する。続くステップB3において足裏荷重Wfwが所定の荷重範囲(WfwminからWfwmaxの範囲)内の値か否かを判定する。これは乗員が後席シートに着座したか否かの判定であり、乗員着座状態での足裏荷重として想定される最小値Wfwminと最大値Wfwmaxを予め設定しておく。
足裏荷重Wfwが所定の荷重範囲であれば、乗員が着座したとしてステップB4に進み、当該足裏荷重Wfwを初期足裏荷重Wfwiniとして設定する。続くステップB5において座面角θをΔθだけ増大させ、ステップB6において足裏荷重Wfwを計測し、ステップB7において足裏荷重計測値Wfwが初期足裏荷重Wfwiniよりも小さくなったか(Wfw−Wfwini<0)を判定する。足裏荷重計測値Wfwが初期足裏荷重Wfwiniよりも小さくなるまで、ステップB5の座面角θの増大及びステップB6の足裏荷重Wfwの計測を繰り返し、足裏荷重計測値Wfwが初期足裏荷重Wfwiniよりも小さくなると、乗員の大腿と座面との間に隙間がなくなった(踵がフロアから少し浮いた状態になった)として、ステップB8に進む。
ステップB8では座面角θをΔθ/2減少させる。これにより、乗員を足のつま先側だけでなく踵もフロアに着いた正規着座状態とするものである。この状態での座面角θ、及びヒップポイント高さHpiniを続くステップB9において取得し、続くステップB10で足裏荷重Wfwを計測し、ステップB11で6軸センサ9の計測値に基いて足裏の重心位置(前後方向における位置)Gを算出する。続くステップB12において、先のステップB9の座面角θ及びヒップポイント高さHpini、ステップB10の足裏荷重Wfw、並びにステップB11の足裏重心位置Gに基いて、当該乗員の体格を決定する。すなわち、θ、Hpini、G及びWfwから体格を推定する関数fを予め設定しておき、この関数fにより、当該乗員の体格を決定する。座面角θ及びヒップポイント高さHpiniが定まれば、そのシートに正規着座状態(正規着座姿勢)で着座した乗員の足裏重心位置G及び足裏荷重Wfwは、その乗員の体格(身長及び体重)に応じた値になることを利用するものである。なお、昇降機構を備えていない本実施形態の後席シートの場合、上記ヒップポイント高さHpiniは固定値Hとなる。
図4に戻って、ステップA2では、6軸センサ9から得られるフロア反力、ステップA1で決定された乗員体格、並びにヒップポイント高さH(シート状態)に基いて、後席乗員の着座姿勢を検出する。この検出には、フロア反力−関節角度データベースを利用する。このデータベースは、図6に示す上下方向のフロア反力WLとヒップポイント高さHと関節角度(サイ角など)との関係を表すデータを各体格毎に予め作成して集積したものである。図6はある体格でのフロア反力曲面(データ)iを図示している。ヒップポイント高さHが定まれば、乗員が様々の着座姿勢(様々の関節角度)でシートに着座しているときのフロア反力WLは乗員の体格に応じた値になることを利用するものである。
従って、フロア反力WLとヒップポイント高さHとに基いて、ステップA1で決定された当該乗員の体格のデータを用いてサイ角などの関節角度を算出することができる。すなわち、ECU11は、サイ角と同じく、トルソー角や膝角等についても、各体格毎にシート状態との関係でフロア反力の大きさを規定したデータベースを備えており、このデータベースを用いて当該乗員のサイ角、その他の関節角度を算出する(乗員の着座姿勢検出)。なお、フロア反力WLに代えて、フロア反力TLを採用するようにしてもよい。
続くステップA3では、関節角度−シート反力データベースを用い、乗員の着座姿勢(関節角度)に基いて、着座した乗員の身体各部位が当該シートから受けるシート反力を算出する。図7はシート反力を求める乗員のシート接触点についての説明図であり、大腿下部接触点1、大腿中間部接触点2、尻接触点3、上体下部接触点4及び上体上部接触点5がシート反力を求める代表的な身体部位となる。関節角度−シート反力データベースは、図8に示すように、接触点1〜5について、2種類の関節角とシート反力との関係を表すデータを各体格毎に予め作成して集積したものである。図8はある体格での各接触点のシート反力曲面(データ)を図示している。例えば、乗員のサイ角とトルソー角とが定まれば、尻接触点3でのシート反力はその乗員の体格に応じた値になることを利用するものである。
続くステップA4,A5では、安楽着座時のシート反力データベースを用いて乗員が安楽な着座姿勢をとっているか否かの安楽着座判定を行い、安楽着座でなければ、ステップA6に進んで乗員の着座姿勢が安楽になるようにシート状態変更処理を行なう。ステップA4,A5の安楽着座判定の具体的な内容については図9に示されている。
すなわち、ステップA3で各接触点のシート反力が算出されると、図9のステップC1に進み、乗車後最初の安楽着座判定であるか否かが判定される。この判定はフラグ処理によって行なうことができる。すなわち、スタート後のイニシャライズにおいて安楽着座判定フラグを「0」とし、安楽判定があったときにそのフラグを「1」とする処理を行なうようにし、そのフラグが「0」か「1」によって乗車後最初の安楽判定であるか否かを判定すればよい。最初の安楽着座判定であるときはステップC2に進んで、乗員の大腿体圧荷重Piniを零にする。なお、用語「大腿体圧荷重」は身体の重みによって大腿に加わる荷重の意味で使用しており、ここでは、図7の接触点1でのシート反力と同義である。
続くステップC3では、安楽着座判定基準値R0=大腿体圧荷重/尻体圧荷重を設定する。「尻体圧荷重」は身体の重みによって尻に加わる荷重の意味で使用しており、ここでは、図7の接触点3でのシート反力と同義である。すなわち、本実施形態では、尻体圧荷重に対する大腿体圧荷重の比の大きさによって安楽着座姿勢か否かを判定するようにしている。大腿体圧荷重が大きくなるほど、身体の重みが尻から大腿全体にわたって広く分散され、身体に局部的な痛みを感じなくなるから、安楽着座状態であるとしている。
図10は標準体格において、種々の座面角θ及びヒップポイント高さHをとったときの、足裏、大腿(接触点1)及び尻(接触点3)の体圧荷重(シート反力)の変化を示す。大腿体圧荷重と尻体圧荷重とが略等しい特性ラインEは、最も安楽度が高い脱力状態であり、座面角θ又はヒップポイント高さHの減少により大腿体圧荷重が大きくなるに従って(大腿体圧荷重/尻体圧荷重比が小さくなるに従って)、安楽度が低くなる。但し、大腿体圧荷重が上記脱力状態での値から35%程度低くなっても、乗員の主観的な安楽感は殆ど変わらないことを実験により確認しており、従って、例えば大腿体圧荷重が上記脱力状態での値から35%程度低くなったときの大腿体圧荷重/尻体圧荷重比を安楽着座判定基準値R0として定めることができる。
続くステップC4では、ステップA3で算出されたシート反力に基いて、乗員の実際の大腿体圧荷重/尻体圧荷重比Rを算出する。続くステップC5において、安楽着座判定のための閾値αを設定し、続くステップC6において、乗員が安楽着座姿勢をとっているか否かの判定(R0−α<R<R0+α?)を行なう。乗員が安楽着座姿勢をとっているときはステップC7に進んで、そのときの大腿体圧荷重をPiniとし、続くステップC8で「安楽姿勢=YES」とする。すなわち、図4のステップA5の判定を「Yes」とする。ステップC6において、乗員が安楽着座姿勢をとっていないと判定されたときは、ステップC9に進んで「安楽姿勢=NO」とする。すなわち、図4のステップA5の判定を「No」とする。
ステップC1において、乗車後最初の安楽判定ではないと判定されたときは、ステップC10に進み、大腿体圧荷重Piniが零か否かを判定する。「Pini=0」であるときは、前回の安楽着座判定において、ステップC9の「安楽姿勢=NO」に進み、後述のシート状態変更処理が行われたケースであり、この場合は既に安楽着座判定基準値R0が設定されているから、ステップC4以降に進み、当該シート状態変更処理によって安楽着座姿勢になっているか否かの判定処理が行われる。
ステップC10において「Pini=0」でないと判定されたときは、前回の安楽着座判定において、ステップC7からステップC8の「安楽姿勢=YES」に進んだケースである。つまり、一旦は乗員が大腿体圧荷重/尻体圧荷重比Rに基づく安楽着座姿勢をとっていたことを意味する。そのような比Rに基づく安楽着座姿勢がとられた後は、ステップC11に進み、前回の大腿体圧荷重Piniに対する今回の大腿体圧荷重の比R1を算出し、続くステップC12において当該比R1に関する閾値β(安楽着座判定基準値)を取得する。続くステップC13において、R1が閾値βよりも大きいか否かを判定し、R1が閾値βよりも大きいときはステップC14に進んで「安楽姿勢=YES」とする。R1が閾値βよりも大きくないときはステップC15に進んで「安楽姿勢=NO」とする。
すなわち、乗員が大腿体圧荷重/尻体圧荷重比Rに基づく安楽着座姿勢をとった後は、大腿体圧荷重/尻体圧荷重比Rではなく、大腿体圧荷重比R1にて安楽着座判定を行なって乗員の着座姿勢制御を行なうものである。閾値βには最初は予め定められた値が与えられ、乗員の着座疲労が高くなったときには、この閾値βが逐次増大される。この点は後述する。
図4のフローに戻って説明を続けると、ステップA5で乗員の着座姿勢が安楽ではないと判定されたときはステップA6に進み、目標値とのずれ量(大腿体圧荷重/尻体圧荷重比Rの安楽着座判定基準値R0からのずれ量、又は大腿体圧荷重比R1の閾値βからのずれ量)に基いて、目標座面角θtを算出する。この目標座面角θtは、予め当該ずれ量と座面角補正量との関係を設定してデータとして電子的に記憶しておき、その記憶データから座面角補正量を算出し、この座面角補正量を現在の座面角に加算することによって求める。この場合、ずれ量が大きくなるほど座面角補正量は大きくなる。
続くステップA7において、目標座面角θtは所定の下限値θminと上限値θmaxとの範囲内の値であるか否かを判定する。この下限値θmin及び上限値θmaxはとりうる座面角の限界値である。目標座面角θtが当該範囲内の値であるときはステップA8に進み、目標座面角θtになるように、座面角変更用のアクチュエータ7を作動させ、続くステップA9において、座面角変更制御回数値Nをインクリメントする。この座面角の変更制御により、乗員を安楽着座姿勢にすることができる。
ステップA7において目標座面角θtが上記範囲内の値でないときは、ステップA10に進み、シート位置センサ4によって検出される前席シート2の位置に基いて該前席シート2を前方へ移動させることができるか否かを判定する。前方移動可であるときはステップA11に進み、図11に示すように、アクチュエータ5によって前席シート2を前方へ所定量移動させる。
ステップA5において乗員の着座姿勢が安楽姿勢になっていると判定されたときはステップA12に進み、座面角変更制御の制御回数値Nが所定値Noを越えているか否かが判定される。この制御回数値Nが所定値Noを越えているときはステップA13に進み、閾値β(安楽着座判定基準値)を変更するとともに、警報を出す。
すなわち、制御回数値Nが所定値Noを越えているときは、安楽着座姿勢が得られるように座面角の変更制御を繰り返しても、乗員が自ら着座姿勢を変更すべく身体を動かしてしまう、つまり、乗員の着座疲労度が高くなった状態と考えられる。そこで、閾値βを所定量増大させ、安楽度がさらに高い座面角制御を行なうことができるようにするとともに、乗員の疲労度が高くなっていることを報知することにより、車両1を停車させて休憩をとることを促すものである。閾値βは、制御回数値Nが所定値Noを越えていると判定される度に逐次増大させていく。
本実施形態の場合、ステップA1が乗員の体格判定手段を、ステップA2が乗員の着座姿勢検出手段を、ステップA3がシート反力算出手段を、ステップA4及びA5が乗員の着座姿勢判定手段を、ステップA6〜A8,A10,A11がシート状態制御手段を、ステップA12及びA13が着座姿勢判定基準の変更手段及び報知手段を、それぞれ構成している。
<実施形態2>
本実施形態については、ECU11による処理の流れを示す図12のフローチャートに従って説明する。先の実施形態1では、座面角θ、ヒップポイント高さH、足裏荷重Wfw及び足裏重心位置Gに基いて、当該乗員の体格を求めたが、本実施形態では2種類のフロア反力WL,TLを利用して当該乗員の体格及び着座姿勢を検出する。
すなわち、図12のフローにおいて、スタート後、シート位置センサ4、座面角センサ6及び6軸センサ9の各信号が読み込まれ、ステップD1において、フロア反力−関節角度データベースを用いて、乗員の体格と共にその着座姿勢を検出する。
図13は、ある体格での上下方向のフロア反力WLとヒップポイント高さHと関節角度(サイ角など)との関係を表すデータ(フロア反力曲面i)を図示している。図14は、同じくある体格での前後方向のフロア反力TLとヒップポイント高さHと関節角度(サイ角など)との関係を表すデータ(フロア反力曲面i)を図示している。当該データベースはこのようなデータを各体格毎に予め作成して集積したものである。
ヒップポイント高さHが定まれば、図13及び図14に示すように、ある体格iに対応するフロア反力曲面iから曲線PQi、曲線RSiが切り取られる。曲線PQi、曲線RSiは、フロア反力と関節角度との関係を示す曲線である。図15及び図16は、様々な体格に対応する曲線PQ、曲線RSを図示したものである。
ステップD1では、フロア反力WL,TL(6軸センサ9の測定値)各々について、ヒップポイント高さH(本実施形態では固定値)に基づき、フロア反力−関節角度データベースから、サイ角などの関節角度を体格別に算出する。図15及び図16は、フロア反力WL,TLの各測定値を与えたときの、各体格におけるフロア反力WLに対応するサイ角などの関節角度θ i+1,θ ,θ i−1,θ i−2,各体格におけるフロア反力TLに対応するサイ角などの関節角度θ i+1,θ ,θ i−1,θ i−2を示す。
そうして、得られた関節角度θと関節角度θとを同一体格毎に比較(例えば、体格i+1の関節角度θ i+1と関節角度θ i+1とを比較)し、関節角度θと関節角度θとの差が最も小さい体格を当該乗員の体格として決定するとともに、その差が最も小さい関節角度θと関節角度θとの平均値を当該乗員の関節角度とする。当該乗員の着座状態での関節角度に応じてフロア反力WL及びフロア反力TLが定まるのであるから、フロア反力WLから求まる関節角度θとフロア反力TLから求まる関節角度θとは本来は同じ角度になるということを利用している。つまり、本来は同じ角度になるはずであるから、データベースから求まる関節角度θと関節角度θとの差が最も小さい体格が当該乗員の体格として妥当するという理屈である。
以上により、当該乗員の体格と着座姿勢(各部の関節角度)を検出した後、ステップD2以降に進む。このステップD2以降の各ステップは実施形態1に係る図4のステップA3以降の各ステップと同じであり、その説明は重複するため省略する。この実施形態の場合、ステップD1が乗員の体格判定手段と乗員の着座姿勢(関節角度)検出手段を構成している。また、フロア反力WL及びフロア反力TLは乗員の体格を判定するための体格関連情報となっている。
本実施形態によれば、実施形態1とは違って、乗員を体格判定のための正規着座状態にする必要がないから、つまり、乗員の脚の上げ下げの必要がないから、乗員に違和感を与える懸念がない。
なお、上記実施形態1,2は後席シート3の乗員を安楽着座姿勢にするケースであるが、本発明は、安楽着座に限らず、例えば、乗員を着座姿勢の安定化など他の目的で着座姿勢制御を行なうこともできる。
また、上記実施形態1,2では、座面角を変更することによって乗員の着座姿勢制御を行なうようにしたが、シートを昇降させる手段を設け、ヒップポイント高さを変更するようにしてもよく、或いは座面角及びヒップポイント高さの変更に加えて、シートバック角度を変更するようにしてもよい。
本発明の実施形態に係る車両用シート装置の構成図である。 フロア反力及びシート状態の説明図である。 乗員の着座姿勢(関節角度)の説明図である。 実施形態1に係る制御の流れを示すフローチャート図である。 実施形態1に係る乗員の体格判定制御の流れを示すフローチャート図である。 フロア反力−関節角度データベースに含まれる乗員のある体格のフロア反力曲面(データ)を示す図である。 乗員のシート接触点についての説明図である。 乗員のある体格の各接触点のシート反力曲面(データ)を示す図である。 安楽着座判定の流れを示すフローチャート図である。 様々な座面角及びヒップポイント高さでの乗員の各部位の体圧荷重を示すグラフ図である。 前席シートを前方に移動させる様子を示す側面図である。 実施形態2に係る制御の流れを示すフローチャート図である。 フロア反力−関節角度データベースに含まれる乗員のある体格の上下方向のフロア反力曲面(データ)を示す図である。 フロア反力−関節角度データベースに含まれる乗員のある体格の前後方向のフロア反力曲面(データ)を示す図である。 あるヒップポイント高さにおける上下方向のフロア反力と様々な体格での関節角度(サイ角など)との関係を示すグラフ図である。 あるヒップポイント高さにおける前後方向のフロア反力と様々な体格での関節角度(サイ角など)との関係を示すグラフ図である。
1 車両
2 前席シート
3 後席シート
4 前席シート位置センサ
5 アクチュエータ(前席シート移動手段)
6 座面角センサ(シート状態検出手段)
7 アクチュエータ(シート状態変更手段)
8 フロア
9 6軸センサ(フロア反力検出手段)
11 ECU

Claims (3)

  1. 車両の後席シートの状態を検出するシート状態検出手段と、
    上記後席シートの状態を変更するシート状態変更手段と、
    上記車両の前席シートを前後方向に移動させる前席シート移動手段と、
    上記車両のフロアに設けられ、上記後席シートに着座した乗員の足裏がフロアから受けるフロア反力を検出するフロア反力検出手段と、
    上記乗員の体格に関連する情報を得る体格情報取得手段と、
    上記後席シートの状態と上記フロア反力と上記体格関連情報とに基いて、着座した乗員身体の複数の部位が当該後席シートから受けるシート反力を求めるシート反力算出手段と
    上記身体各部位が受けるシート反力の分布に基いて上記乗員が所定の目標着座姿勢となっているか否かを判定する着座姿勢判定手段と、
    上記乗員が目標着座姿勢になっていないときに、該目標着座姿勢となるように上記シート状態変更手段の作動を制御するシート状態制御手段とを備え、
    上記シート状態変更手段は、上記後席シートの少なくとも座面角度を変更するものであり、
    上記シート状態制御手段は、上記後席シートの座面角度の変更によっては上記目標着座姿勢を得ることができないときに、上記前席シートを前方に移動させることを特徴とする車両用シート装置。
  2. 請求項1において、
    上記着座姿勢判定手段は、上記シート状態変更手段の作動頻度が所定値以上であるときに、上記目標着座姿勢の判定基準を高くなる方向に変更することを特徴とする車両用シート装置。
  3. 請求項1において、
    上記シート状態変更手段の作動頻度が所定値以上であるときに、そのことを乗員に知らせる報知手段を備えていることを特徴とする車両用シート装置。
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