JP5369408B2 - 光学素子被覆用ガラス、ガラス被覆発光素子及びガラス被覆発光装置 - Google Patents

光学素子被覆用ガラス、ガラス被覆発光素子及びガラス被覆発光装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5369408B2
JP5369408B2 JP2007224211A JP2007224211A JP5369408B2 JP 5369408 B2 JP5369408 B2 JP 5369408B2 JP 2007224211 A JP2007224211 A JP 2007224211A JP 2007224211 A JP2007224211 A JP 2007224211A JP 5369408 B2 JP5369408 B2 JP 5369408B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass
emitting device
optical element
main surface
cao
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007224211A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009018981A (ja
Inventor
修治 松本
康子 大崎
伸宏 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP2007224211A priority Critical patent/JP5369408B2/ja
Application filed by Asahi Glass Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
Priority to CN200880018040A priority patent/CN101681965A/zh
Priority to KR1020097017489A priority patent/KR20100014822A/ko
Priority to PCT/JP2008/059937 priority patent/WO2008146886A1/ja
Priority to EP08776999A priority patent/EP2151872A4/en
Priority to TW097120256A priority patent/TW200916429A/zh
Publication of JP2009018981A publication Critical patent/JP2009018981A/ja
Priority to US12/621,572 priority patent/US8174045B2/en
Application granted granted Critical
Publication of JP5369408B2 publication Critical patent/JP5369408B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Glass Compositions (AREA)
  • Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)
  • Led Device Packages (AREA)
  • Led Devices (AREA)

Description

本発明はガラス、特に、半導体発光素子(発光ダイオード)の被覆に用いられるガラス、そのガラスを用いて被覆されたガラス被覆発光素子及びガラス被覆発光装置に関する。
近年、半導体発光素子を被覆する部材として、TeOを主組成物とするTeO系ガラスが提案されている。しかし、被覆部材として用いられるTeO系ガラスは、400nm以下での透過率が悪く、短波長(365〜405nm)用LED(UV−LED)の封止材としては適していなかった。
なお、短波長用LEDの封止材として、P−ZnO系のガラスを用いることを記載している文献がある(特許文献1)。
国際公開番号 WO2004/082036号
しかしながら、特許文献1は、ガラスの組成物の含有量が記載されておらず、実施できるほどの開示はない。また、特許文献1のガラスは、その熱膨張係数が11.4×10−6/℃であり、半導体発光素子(典型的にはGaN)の積層基板として主に用いられるサファイアの熱膨張係数(約80×10−7/℃)との差が大きく、封止材として実用的ではないという問題点がある。さらに、特許文献1のガラスは、組成物としてSnを本質的に含有していない。そのため、特許文献1のガラスのガラス転移点は、高くなるという問題点がある。
また、ガラス転移温度と結晶化ピーク温度との差が少ないと、封止時に結晶化してしまうという問題点がある。
本発明の一態様の光学素子被覆用ガラスは、酸化物基準のモル%表示で、P 27〜35%、ZnO 25〜45%、SnO 25〜40%、 0.5〜5%、CaO 0〜10%、B及びCaOから選ばれる少なくとも1種0.5〜10%から本質的になり、結晶化ピーク温度とガラス転移温度との差が150℃以上であることを特徴とする。
本発明の一態様のガラス被覆発光素子は、主表面を有する半導体発光素子と、半導体発光素子の主表面を被覆し、酸化物基準のモル%表示で、P 27〜35%、ZnO 25〜45%、SnO 25〜40%、 0.1〜5%、CaO 0〜10%、B及びCaOから選ばれる少なくとも1種0.5〜10%から本質的になり、結晶化ピーク温度とガラス転移温度との差が150℃以上であるガラスとを含むことを特徴とする。
また、本発明の一態様のガラス被覆発光装置は、主表面を有する基板と、主表面と主表面と対向する裏表面とを有し裏表面が基板の主表面と対向するように基板の主表面上に設けられる半導体発光素子と、半導体発光素子の主表面を被覆し、酸化物基準のモル%表示で、P 27〜35%、ZnO 25〜45%、SnO 25〜40%、 0.1〜5%、CaO 0〜10%、B及びCaOから選ばれる少なくとも1種0.5〜10%から本質的になり、結晶化ピーク温度とガラス転移温度との差が150℃以上であるガラスとを含むことを特徴とする。
本発明によれば、半導体発光素子との熱膨張率の差が小さく、ガラス転移点が低く、封止時の結晶化が抑えられた光学素子被覆用ガラス及びそのガラスによって被覆されるガラス被覆発光素子及びガラス被覆発光装置を提供することができる。
本発明の実施形態を、添付した図面を参照して以下に詳細に説明する。図では、対応する部分は、対応する参照符号で示している。下記の実施形態は、一例として示されたもので、本発明の精神から逸脱しない範囲で種々の変形をして実施することが可能である。
初めに、図面を用いて、ガラス被覆発光装置について説明する。
図1は、本発明のガラス被覆発光装置の断面図である。本発明のガラス被覆発光装置は、被接着部材である半導体発光素子(例えば、発光ダイオード)100と、半導体発光素子100を被覆する被覆部材であるガラス110と、半導体発光素子100が搭載される配線130が形成された基板120とを有する。
半導体発光素子100は、基板101と、LED102と、プラス電極103と、マイナス電極104とを有する。LED102は、波長が360〜480nmの紫外光または青色光を放出するLEDであり、GaNにInを添加したInGaNを発光層とする量子井戸構造のLED(InGaN系LED)である。基板101の熱膨張係数(α)は、70×10−7〜90×10−7/℃である。通常、基板101として熱膨張係数(α)が約80×10−7/℃であるサファイア基板が使用される。
次に、本発明の光学素子被覆用ガラスについて説明する。
本発明の光学素子被覆用ガラスのガラス転移点(Tg)は、好ましくは290℃以上、より好ましくは300℃以上、特に好ましくは320℃以上である。なお、ガラス転移点(Tg)が290℃未満では、ZnOの含有が少なくなり、および/またはPを多く含有することになり、耐水性が悪くなるおそれがある。好ましくは400℃以下、より好ましくは360℃以下である。Tgが高くなると封止温度も高くなる。
本発明の光学素子被覆用ガラスの結晶化ピーク温度(Tc)は、好ましくは480℃以上、より好ましくは500℃以上、特に好ましくは520℃以上である。なお、結晶化ピーク温度(Tc)が480℃未満では、封止時にガラスが結晶化して透明にならないおそれがある。
結晶化ピーク温度とガラス転移温度との差<Tc−Tg>は、好ましくは150℃以上、より好ましくは185℃以上、特に好ましくは200℃以上である。なお、結晶化ピーク温度とガラス転移温度との差が150℃未満であると、封止時に結晶化されてしまうおそれがある。なお、差<Tc−Tg>が∞である、つまりTcのピークが観察されないことは、完全混和液相になるまでに結晶化が起こらないことである。ただし、Tc測定時の昇温速度がピーク強度に影響する。ここで想定しているのはTc測定の昇温速度を1〜10℃/分を想定している。
本発明の光学素子被覆用ガラスの熱膨張係数(α)は、105×10−7/℃以下、より好ましくは95×10−7/℃以下、特に好ましくは90×10−7/℃以下である。なお、熱膨張係数(α)は、70×10−7/℃未満では、ガラス転移点を上昇させる。好ましくは、70×10−7/℃以上、より好ましくは75×10−7/℃以上、特に好ましくは80×10−7/℃以上である。また、熱膨張係数(α)は、105×10−7/℃超の場合、ガラスを軟化させて半導体発光素子を封止し、室温まで冷却する過程またはそれ以降に、ガラスの半導体発光素子に接する部分を起点とした割れが発生し、光の取り出し効率を低下させるまたは半導体発光素子が大気の湿分に晒されるおそれがある。
以下、本発明のガラス被覆発光素子及びガラス被覆発光装置で用いられるガラス組成をモル%を単に%と表記して説明する。
は、ガラスを安定化させる成分であり、必須である。27%未満ではTgが高くなるおそれがある。好ましくは30%以上である。一方、35%超では、装着部の耐水性が低下するおそれがある。好ましくは33%以下、より好ましくは31%以下である。
ZnOは、耐水性を向上させ、熱膨張係数を低下させる等、ガラスを安定化させる成分であり、必須である。25%未満では熱膨張係数が大きくなりすぎ、ガラス板の熱膨張係数との整合性が得られなくなり、割れやすくなるおそれがある。好ましくは、28%以上、より好ましくは30%以上、特に好ましくは32%以上である。一方、45%超では失透が析出しやすくなり、さらにTgが高くなりすぎる。好ましくは40%以下、より好ましくは38%以下、特に好ましくは36%以下である。
SnOは、流動性を増す効果があり、25%未満では軟化点が高くなりすぎ、流動性が悪くなるため、装着部の強度と気密性が低下するおそれがある。好ましくは28%以上、より好ましくは30%以上、特に好ましくは32%以上である。一方、40%超ではガラス化が困難になる。好ましくは38%以下、より好ましくは35%以下である。
は必須である。ガラスを安定化させるために、または差<Tc−Tg>を大きくするために5%まで含有する。5%超ではTgが高くなりすぎる、または屈折率が小さくなる、さらに耐水性等の化学的耐久性が低下するおそれがある。好ましくは4%以下、より好ましくは3%以下、特に好ましくは2%以下である。Bを含有する場合その含有量は、0.1%以上、特に好ましくは0.5%以上である。
CaOは必須ではないが、耐水性を向上させ、熱膨張係数を低下させるために、または差<Tc−Tg>を大きくするために10%まで含有しても良い。10%超ではガラスが不安定になる、またはTgが高くなりすぎる。好ましくは5%以下、より好ましくは3%以下、特に好ましくは2%以下である。CaOを含有する場合その含有量は、好ましくは0.1%以上、特に好ましくは0.5%以上である。
Alは必須ではないが、耐水性を向上させ、ガラスを安定化させるために、3%まで含有しても良い。3%超ではTgが高くなりすぎる、または溶融ガラスの粘度が高くなり、液相温度が高くなる。つまり、半導体光学素子を封止することが困難となる。好ましくは2%以下、より好ましくは1%以下である。Alを含有する場合その含有量は、好ましくは0.1%以上、特に好ましくは0.5%以上である。
Inは必須ではないが耐水性を向上させ、ガラスを安定化させるために、3%まで含有しても良い。3%超ではTgが高くなりすぎる、または溶融ガラスの粘度が高くなり、液相温度が高くなる。つまり、半導体光学素子を封止することが困難となる。好ましくは2%以下、より好ましくは1%以下である。Inを含有する場合その含有量は、好ましくは0.1%以上、特に好ましくは0.5%以上である。
Laは必須ではないが耐水性を向上させ、ガラスを安定化させるために、3%まで含有しても良い。3%超ではTgが高くなりすぎる、または溶融ガラスの粘度が高くなり、液相温度が高くなる。つまり、半導体光学素子を封止することが困難となる。好ましくは2%以下、より好ましくは1%以下である。Laを含有する場合その含有量は、好ましくは0.1%以上、特に好ましくは0.5%以上である。
及びCaOから選ばれる少なくとも1種は、差<Tc−Tg>を大きくさせる成分であり、必須である。ここで、いずれか1種若しくはいずれか2種以上の組み合わせによる成分は、含量で0.1%以上である。好ましくは0.5%以上、特に好ましくは1%以上である。また、10%超ではTgが高くなりすぎる。好ましくは、5%以下である。
Al、In及びLaから選ばれる少なくとも1種は、必須ではないが、ガラスを安定化させる成分である。ここで、いずれか1種若しくはいずれか2種以上の組み合わせによる成分は、含量で0.1%以上である。特に好ましくは0.5%以上である。また、7%超ではTgが高くなりすぎる。好ましくは、5%以下である。
本発明のガラス被覆光学素子及びガラス被覆発光装置で用いられるガラスは本質的に上記成分からなるが、本発明の目的を損なわない範囲でその他の成分、例えば、MgO、SrO、Bi、Y、Gd、Ce、CeO、TiO、TeO、SiO、Ta、WO等を添加しても良い。なお、本発明のガラスは、PbOを実質的に含有しないことが好ましい。
基板120は、例えば、純度98.0%〜99.5%、厚さ0.5mm〜1.2mmの矩形のアルミナ基板である。純度99.0%〜99.5%、厚さ0.7mm〜1.0mmの正方形のアルミナ基板が好ましい。なお、基板120の表面に形成される配線130は、金ペーストにより製造された金配線である。
(実施例1)
例1〜例18については、表中のモル%で示される組成となるように、正リン酸水溶液(85% HPO)とZnO及びSnO粉末原料を調合して、脱水後に正リン酸がPになった状態で全成分の合計が100gになる量を用意する。次に、前記の粉末原料と約1gのサッカロースを混合し、テフロン(登録商標)容器で約200mlのイオン交換水と混合し、スラリーを作成する。スラリーをテフロン(登録商標)製スターラーで攪拌しながら、正リン酸水溶液を混入する。その際に反応による発熱があるため、水分の突沸が起きないように、注意深くゆっくりと正リン酸水溶液を注ぐ必要がある。続いて、混合物をテフロン(登録商標)シートを引いたステンレス製バットに流しだした後に、換気しながら200℃で3時間乾燥させ、クッキー状の固形物を得た。
前記固形物を石英製るつぼに入れ、石英製ふたを置き、1100℃で40分間溶解した。この際、石英棒で数回攪拌して溶融ガラスを均質化した。均質化した溶融ガラスは、カーボン型に流し出して板状に成形した。この板状のガラスは直ちに380℃の別の電気炉に入れその温度に1時間保持後12時間かけて室温まで冷却した。
なお、原料に正リン酸を用いずに、リン酸スズ、リン酸カルシウム、リン酸アルミニウム等の粉末原料を用いることもできる。この場合は粉末の混合以降の乾燥工程は省略することができる。
ここで、例2、例4〜例12及び例15、例17は実施例であり、例13〜例14は比較例である。また、例1、例3、例16及び例18は参考例である。
得られたガラスについて、ガラス転移点Tg(単位:℃)、結晶化ピーク温度Tc(単位:℃)、熱膨張係数α(単位:10−7/℃)、封止温度(単位:℃)、封止時の結晶化、失透を以下の測定法によって、測定した。
Tg:粉末状に加工したサンプル250mgを白金パンに充填し、リガク社製示差熱分析装置Thermo Plus TG8110(商品名)により、10℃/分の昇温速度で測定した。
Tc:上記で示した示差熱分析装置により、Tg測定と同時に測定した。
α:直径5mm、長さ20mmの円柱状に加工したサンプルを、熱膨張計(ブルカーエイエックスエス社製水平示差検出式熱膨張計TD5010)を用いて、10℃/分の昇温速度で測定した。25〜250℃での膨張係数を25℃刻みで求め、その平均値をαとした。
封止温度:流動が始まり、ガラス融液が(半)球形になる温度。Tg+155±10℃。
封止時の結晶化:差<Tc−Tg>が150℃以下を○とした。
失透:ガラスをカーボン方に流しだし、固化するまでの間に、目視でガラス内部に結晶析出が確認できないものを○とした。
結果を表1〜表3に示す。
Figure 0005369408
Figure 0005369408
Figure 0005369408
例12のガラスを厚みが約1.5mmになるように加工し、その両面を鏡面研磨した。その後、ガラス板を厚みが約1.5mm、大きさが約3mm×約3mmであるガラス板に切断加工した。
一方、金の配線パターンを形成したアルミナ基板(厚み:1mm、大きさ:14mm×14mm)と豊田合成社製LED(商品名:E1C60−0B011−03)に接続バンプを形成したものとを用意し、アルミナ基板にこのLEDをフリップチップ実装した。そして、ガラスと基板との界面に発生する気泡を抑制するために、LEDを実装したアルミナ基板を電気炉(IR加熱装置)に入れ、600℃で加熱処理をした。昇温速度は300℃/分、600℃での保持時間は2分、降温速度は300℃/分に設定した。なお、ガラスと基板との界面に発生する気泡は、ガラスを軟化させる場合、ガラスが基板表面に付着している有機汚染物質に反応して発生する。そして、この発生した気泡は、半導体発光素子から発した光を屈折させるので、発光装置の輝度を低下させたり、発光装置の配光分布を変化させるおそれがある。そのため、ガラスでLEDを被覆する前に、LEDを搭載した基板を加熱し、基板表面に付着している有機汚染物質を減少させ、気泡の発生を抑制している。数々の実験によれば、加熱温度は、600℃前後が好ましい。また、加熱時間は、LEDに対する熱の影響を考慮すると、2分間前後が好ましい。
このフリップチップ実装したLEDの上に蛍光体分散ガラス板を載置したものを電気炉に入れ、毎分100℃の速度で490℃まで昇温しその温度に2分間保持し、ガラス板を軟化流動させてLEDを被覆した。その後、毎分100℃の速度で冷却を行った。
LEDを被覆しているガラスを目視観察したところその表面付近には泡は認められなかった。
このようにして得られたガラス被覆光学素子に直流電圧を印加したところ、青色の発光が確認できた。発光開始電圧は2.2〜2.4Vであり、ベアチップに対するものとほぼ同じであった。また、表4に示すように、封止前後の電流−電圧測定の結果も有意な差は無かった。このことからLED素子発光層に損傷がないことがわかる。
Figure 0005369408
(実施例2)
例12において、正リン酸水溶液ではなく、リン酸亜鉛の粉末原料を用い、他は実施例1と同様な原料で調合した。また、石英棒で攪拌するのではなく、Nの不活性ガスでバブリングをした。なお、不活性ガスとしてNではなく、Arでも良いことは言うまでもない。
得られたガラスについて、脱水効果、Sn価数、ガラス転移点Tg(単位:℃)の分析を下記の手法で行った。なお、ガラス転移点Tgについては上述した手法と同様であるため、その手法についての説明は割愛する。
Sn価数:Sn−メスバウアー分光の測定方法により、Sn−レドックスの値を測定した。
ここで、Sn−メスバウアー分光の測定方法について説明する。
119mSnから119Snへのエネルギー遷移に伴って発生するγ線(23.8keV)をプローブにして、透過法(ガラス試料を透過したγ線を計測)により、試料中のSnの2価と4価の存在割合(Sn−レドックス)を測定した。具体的には、以下の通りである。
放射線源のγ線出射口、ガラス試料、Pdフィルター、気体増幅比例計数管(LND社製、型番45431)の受光部を300〜800mm長の直線上に配置した。
放射線源は、10mCiの119mSnを用い、光学系の軸方向に対して放射線源を運動させ、ドップラー効果によるγ線のエネルギー変化を起こさせた。放射線源の速度はトランスデューサー(東陽リサーチ社製)を用いて、光学系の軸方向に−10〜+10mm/秒の速度で振動するように調整した。
ガラス試料は、1〜2mmの厚さのガラス平板を用いた。
Pdフィルターは、気体増幅比例計数管によるγ線の計測精度を向上させるためのものであり、γ線がガラス試料に照射された際にガラス試料から発生する特性X線を除去する厚さ50μmのPd箔である。
気体増幅比例計数管は、受光したγ線を検出するものである。気体増幅比例計数管からのγ線量を示す電気信号を増幅装置(関西電子社製)で増幅して受光信号を検出した。マルチチャンネルアナライザー(Wissel社CMCA550)で上記の速度情報と連動させた。
気体増幅比例計数管からの検出信号を縦軸に、運動している放射線源の速度を横軸に表記することで、スペクトルが得られる(メスバウアー分光学の基礎と応用 45〜64頁 佐藤博敏・片田元己共著 学会出版)。評価可能な信号/雑音比が得られるまでに、積算時間は5時間から2日を必要とした。
0mm/秒 付近に出現するピークがSnの4価の存在を示し、2.5mm/秒と4.5mm/秒 付近に出現する2つに***したピークが2価の存在を示す。それぞれのピーク面積に補正係数(Journal of Non−Crystaline Solids 337(2004年) 232−240頁 「The effect of alumina on the Sn2+/Sn4+ redox equilibrium and the incorporation of tin in NaO/Al/SiO melts」 Darija Benner、他共著)(Snの4価:0.22、Snの2価:0.49)を乗じたものの割合を計算し、2価のSn割合をSn−レドックス値とした。
分析により得られた評価結果を、表5及び表6に示す。表5はSn原子の全量に対する2価のSnの割合を示す結果を、表6はガラス転移点Tgの測定結果を示す。
Figure 0005369408
Figure 0005369408
表5からわかるように、実施例1及び実施例2のいずれもSn2+の存在率が90%を超えることがわかった。特に、実施例2の場合は、Sn2+の存在率が99%超となった。つまり、Sn4+はほとんど存在していないことなる。ガラスの中のSn4+は、Sn2+に比べ、ガラスの骨格構造を強く安定化させる効果がある。そのため、Sn4+は、Sn2+に比べ、骨格構造が安定しているので、ガラス転移温度等が高くなる。Sn原子の全量中のSn4+の存在割合が少ないほど、言い換えればSn2+の存在割合が多いほどガラス転移温度は低くなる。そのため、表6に示すように、本件発明は、ガラス転移点Tgが10℃ぐらい低くなるという効果を得た。
本発明の光学素子被覆用ガラスは、液晶パネル用バックライト光源、一般照明や自動車用ヘッドライドなどに用いられるLED素子の封止に利用できる。
本発明のガラス被覆発光装置の断面図である。
符号の説明
100:半導体発光素子
110:ガラス
120:基板

Claims (8)

  1. 酸化物基準のモル%表示で、
    27〜35%、
    ZnO 25〜45%、
    SnO 25〜40%、
    0.5〜5%、
    CaO 0〜10%、
    及びCaOから選ばれる少なくとも1種0.5〜10%から本質的になり、結晶化ピーク温度とガラス転移温度との差が150℃以上であることを特徴とする光学素子被覆用ガラス。
  2. Sn原子の全量に対するSn2+の存在率が90%以上であることを特徴とする請求項1に記載の光学素子被覆用ガラス。
  3. 酸化物基準のモル%表示で、
    Al 0〜3%、
    In 0〜3%、
    La 0〜3%、
    とを含み、Al、In及びLaから選ばれる少なくとも1種が0.1%〜7%であることを特徴とする請求項1または2に記載の光学素子被覆用ガラス。
  4. 膨張係数が70×10−7〜100×10−7/℃であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の光学素子被覆用ガラス。
  5. 前記ガラス転移温度は400℃以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の光学素子被覆用ガラス。
  6. 前記結晶化ピーク温度と前記ガラス転移温度との差が180℃以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の光学素子被覆用ガラス。
  7. 熱膨張係数が70×10 −7 〜90×10 −7 /℃の主表面を有する半導体発光素子と、
    前記半導体発光素子の前記主表面を被覆し、酸化物基準のモル%表示で、P 27〜35%、ZnO 25〜45%、SnO 25〜40%、 0.5〜5%、CaO 0〜10%、及びCaOから選ばれる少なくとも1種0.5〜10%から本質的になり、結晶化ピーク温度とガラス転移温度との差が150℃以上であるガラスとを含むことを特徴とするガラス被覆発光素子。
  8. 主表面を有する基板と、
    熱膨張係数が70×10 −7 〜90×10 −7 /℃の主表面と前記主表面と対向する裏表面とを有し、前記裏表面が前記基板の前記主表面と対向するように前記基板の前記主表面上に設けられる半導体発光素子と、
    前記半導体発光素子の前記主表面を被覆し、酸化物基準のモル%表示で、P 27〜35%、ZnO 25〜45%、SnO 25〜40%、 0.5〜5%、CaO 0〜10%、及びCaOから選ばれる少なくとも1種0.5〜10%から本質的になり、結晶化ピーク温度とガラス転移温度との差が150℃以上であるガラスとを含むことを特徴とするガラス被覆発光装置。
JP2007224211A 2007-05-30 2007-08-30 光学素子被覆用ガラス、ガラス被覆発光素子及びガラス被覆発光装置 Expired - Fee Related JP5369408B2 (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007224211A JP5369408B2 (ja) 2007-06-14 2007-08-30 光学素子被覆用ガラス、ガラス被覆発光素子及びガラス被覆発光装置
KR1020097017489A KR20100014822A (ko) 2007-05-30 2008-05-29 광학 소자 피복용 유리, 유리 피복 발광 소자 및 유리 피복 발광 장치
PCT/JP2008/059937 WO2008146886A1 (ja) 2007-05-30 2008-05-29 光学素子被覆用ガラス、ガラス被覆発光素子及びガラス被覆発光装置
EP08776999A EP2151872A4 (en) 2007-05-30 2008-05-29 Glass for covering an optical device, glass-sheathed light-emitting element and glass-sheathed light-emitting device
CN200880018040A CN101681965A (zh) 2007-05-30 2008-05-29 光学元件覆盖用玻璃、覆盖有玻璃的发光元件及覆盖有玻璃的发光装置
TW097120256A TW200916429A (en) 2007-05-30 2008-05-30 Glass for optical device covering, glass-covered light-emitting element, and glass-covered light-emitting device
US12/621,572 US8174045B2 (en) 2007-05-30 2009-11-19 Glass for covering optical element, glass-covered light-emitting element and glass-covered light-emitting device

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007157900 2007-06-14
JP2007157900 2007-06-14
JP2007224211A JP5369408B2 (ja) 2007-06-14 2007-08-30 光学素子被覆用ガラス、ガラス被覆発光素子及びガラス被覆発光装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009018981A JP2009018981A (ja) 2009-01-29
JP5369408B2 true JP5369408B2 (ja) 2013-12-18

Family

ID=40358952

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007224211A Expired - Fee Related JP5369408B2 (ja) 2007-05-30 2007-08-30 光学素子被覆用ガラス、ガラス被覆発光素子及びガラス被覆発光装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5369408B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011213569A (ja) * 2010-03-15 2011-10-27 Tohoku Univ 発光ガラス、ガラス被覆発光素子及び発光装置
US8433380B1 (en) * 2011-12-28 2013-04-30 Kookmin University Industry Academic Cooperation Foundation Mössbauer spectroscopy system for applying external magnetic field at cryogenic temperature using refrigerator
JP2015227252A (ja) * 2012-09-25 2015-12-17 旭硝子株式会社 蛍光体分散ガラスシート用ガラス組成物およびそれを用いたガラスシート
KR102322335B1 (ko) * 2015-02-10 2021-11-05 쑤저우 레킨 세미컨덕터 컴퍼니 리미티드 웨이퍼 레벨 패키지
KR102512806B1 (ko) * 2020-09-09 2023-03-23 대주전자재료 주식회사 발광 장치 및 발광 장치의 제조방법

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001302279A (ja) * 2000-04-21 2001-10-31 Asahi Glass Co Ltd 無鉛低融点ガラスおよびガラスフリット
JP4465989B2 (ja) * 2003-06-18 2010-05-26 旭硝子株式会社 発光ダイオード素子
JP4263051B2 (ja) * 2003-07-31 2009-05-13 俊信 横尾 発光ダイオード
JP4480407B2 (ja) * 2004-01-29 2010-06-16 京セラ株式会社 発光素子収納用パッケージおよび発光装置
JP2007096257A (ja) * 2005-04-15 2007-04-12 Asahi Glass Co Ltd ガラス被覆発光ダイオード素子および発光ダイオード素子被覆用ガラス

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009018981A (ja) 2009-01-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8174045B2 (en) Glass for covering optical element, glass-covered light-emitting element and glass-covered light-emitting device
JP5458893B2 (ja) ガラス、発光装置用の被覆材および発光装置
US10759691B2 (en) Glass substrate, laminated substrate, and production method for glass substrate
JP6891807B2 (ja) 紫外線透過ガラス
JP2005011933A (ja) 発光ダイオード素子
JP6907941B2 (ja) 紫外線透過ガラス
JP5369408B2 (ja) 光学素子被覆用ガラス、ガラス被覆発光素子及びガラス被覆発光装置
JPWO2008096796A1 (ja) 光学素子被覆用ガラス及びガラス被覆発光装置
WO2012002174A1 (ja) 無鉛半導体封入用ガラス
JP2010184816A (ja) 固体撮像素子パッケージ用窓ガラス
JP2008300536A (ja) ガラス被覆発光素子及びガラス被覆発光装置
JPS6265954A (ja) アルミナ封着用硼珪酸ガラス
JP5348598B2 (ja) 半導体素子用ガラス基板およびそれを用いたチップスケールパッケージ
JP5585467B2 (ja) ガラス、発光装置用のガラス被覆材および発光装置
JP2007123410A (ja) ガラス被覆発光ダイオード素子
US20220388893A1 (en) Ultraviolet transmission glass
JP2007096257A (ja) ガラス被覆発光ダイオード素子および発光ダイオード素子被覆用ガラス
JP2011213569A (ja) 発光ガラス、ガラス被覆発光素子及び発光装置
JP5471095B2 (ja) 封着用ガラス
WO2012060337A1 (ja) 半導体封入用無鉛ガラス及び半導体封入用外套管
JP2009224790A (ja) 発光ダイオード素子
JP2011126725A (ja) 無鉛低融点ガラス
JP2010265135A (ja) ガラス、発光装置用のガラス被覆材および発光装置
JP5467538B2 (ja) 半導体素子用ガラス基板およびそれを用いたチップスケールパッケージ
JP2010235408A (ja) 封着用無鉛着色ガラス

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100310

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121113

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130820

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130902

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5369408

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees