JP5367605B2 - 農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムおよびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、透明性や折り目の引裂強度に優れた農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムおよびその製造方法に関するものである。
ハウス栽培やトンネル栽培で使用される温室やトンネルは、金属パイプ等の骨組みに可撓性樹脂フィルムを被覆することによって作られる。温室の被覆に用いられる樹脂フィルムに求められる性能として、透明性、保温性が代表的だが、その両方に優れるものとして、従来塩化ビニル樹脂製軟質フィルムが多く使われてきた。
しかし近年、被覆資材は塩化ビニル樹脂フィルムから多くの性能を改善したポリオレフィン系樹脂フィルムへと急速に入れ代わりつつある。ポリオレフィン系樹脂とは、分子の末端に二重結合を持つα−オレフィン(例えばエチレンやプロピレンなど)の単独重合体、あるいは共重合体である。具体的には、低密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)などが用いられている。
塩化ビニル樹脂フィルムからポリオレフィン系樹脂フィルムへ入れ代わる大きな理由は、フィルムの軽さ、耐候性の向上、可塑剤を含んでいないので耐汚性の向上、保温剤等の開発による保温性の向上等であり、塩化ビニル樹脂フィルムに見劣りしない性能を得るにいたっている。
また、農業用被覆材としての樹脂フィルムには、引裂強度、耐衝撃強度、引張強度等が良好で、成形性、高透明性で、耐候性、防曇性等に優れていることが要求される。そのため、強度に優れたメタロセン触媒で重合された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を内層および外層に用い、柔軟性に優れたEVAや低密度ポリエチレン樹脂を中間層に用いた3層の農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムが提案されている(特許文献1)。
特開平11−254612号公報
しかしながら、特許文献1に示される農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムは、強度に優れた直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を内層および外層に用いているが、厚みの80%を占める中間層がEVAのみであるか、LDPEのみである構成であり、フィルム全体としての強度が不足する。特に、広幅のフィルムを巻芯に巻き回してロール状にする場合、幅方向中央で2つ折りとするか、筒状フィルムを扁平に折りたたんだ二重巻き、幅方向の端部をそれぞれ2重に折り返したガセット巻きとすることが一般的だが、その際の折り目の強度が弱すぎるため、骨組みに被覆した後、元の折り目の線に沿って引き裂かれやすいという問題点があった。
本発明は、上記問題点に鑑み案出されたもので、透明性に優れ、フィルムを二重巻きしたときの折り目の引き裂き強度がきわめて高く、しかも加工性に優れ安定したインフレーション成形加工を行うことができる農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムを提供することを目的としている。
本発明の農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムは、外層、中間層および内層の三層のオレフィン系樹脂フィルムからなり、前記内層に防曇塗膜を形成してなる農業用オレフィン系樹脂フィルムにおいて、
前記外層は、密度0.910〜0.930g/cmの高圧法により重合された低密度ポリエチレンおよび/または密度0.910〜0.930g/cm、かつ、190℃における溶融張力が4.0〜9.0cNであるメタロセン触媒で重合された直鎖状低密度ポリエチレンからなる層であり、
前記中間層は、酢酸ビニル含有量が、10〜20質量%のエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂を主成分とする層であり、
前記内層は、密度0.910〜0.930g/cm、かつ、190℃における溶融張力が0.5〜3.0cNである直鎖状低密度ポリエチレンからなる層であり、
かつ、前記外層、中間層および内層のフィルム全体に対する厚さの比率は、外層10〜25%、中間層30〜50%、内層35〜50%であり、
前記内層には、樹脂エマルジョンとシリカゾルおよび/またはアルミナゾルからなる防曇塗膜が形成されたことを特徴とする農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムである。
また、本発明の農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムの製造方法は、インフレーション成形により筒状フィルムを製造し、扁平に折りたたまれた前記筒状フィルムの外側に防曇塗膜を形成させた農業用オレフィン系樹脂フィルムの製造方法において、
前記筒状の樹脂フィルムの内側層を、密度0.910〜0.930g/cmの高圧法により重合された低密度ポリエチレンおよび/または密度0.910〜0.930g/cm、かつ、190℃における溶融張力が4.0〜9.0cNであるメタロセン触媒で重合された直鎖状低密度ポリエチレンからなる外層とし、
前記筒状の樹脂フィルムの中間層を、酢酸ビニル含有量が10〜20質量%のエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂を主成分とする中間層とし、
前記筒状の樹脂フィルムの外側層を、密度0.910〜0.930g/cm、かつ、190℃における溶融張力が0.5〜3.0cNである直鎖状低密度ポリエチレンからなる内層とし、
かつ、前記外層、中間層および内層のフィルム全体に対する厚さの比率が、外層10〜25%、中間層30〜50%、内層35〜50%となるよう筒状フィルムをインフレーション成形し、
前記筒状フィルムを扁平に折りたたみ、
折りたたまれた前記筒状フィルムの外側層を形成する内層表面に、樹脂エマルジョンとシリカゾルおよび/またはアルミナゾルからなる防曇塗膜を形成し、
前記防曇塗膜が形成された後、扁平に折りたたまれた筒状の樹脂フィルムの幅方向の一方の端部を切断して、または切断せずに、二重巻きに巻き取ることを特徴とする農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムの製造方法である。この一方の端部は、巻き取り後に切断しても良い。
またさらに、本発明の農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムの製造方法は、前記中間層が、酢酸ビニル含有量10〜20質量%のエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂60〜98質量%と前記樹脂フィルムのリサイクル材2〜40質量%からなることを特徴とする農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムの製造方法である。
本発明によれば、フィルム全体として、透明性と、二重巻きの折り目の引裂強度がきわめて高く、優れた加工性を有し、安定したインフレーション成形加工が可能な農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムおよびその製造方法を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
第1の実施形態の農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムは、外層と中間層と内層の三層フィルムからなる。そして、内層には、防曇塗膜が形成される。
前記外層は、インフレーション成形により筒状の樹脂フィルムを成形する際、筒状の樹脂フィルムの内側層として形成される。
前記外層は、密度0.910〜0.930g/cmの高圧法により重合された低密度ポリエチレン(LDPE)および/または密度0.910〜0.930g/cm、かつ、190℃における溶融張力が3.5〜8.0cNであるメタロセン触媒で重合された直鎖状低密度ポリエチレン(特殊LLDPE)からなる層である。この層に使用されるLDPEや特殊LLDPEは、190℃における溶融張力が3.5〜8.0cNと高いため、インフレーション成形性が良く、押出流動性も高いので、インフレーション成形時の筒状の樹脂フィルムの内側層に用いた場合、低温加工ができるため透明性を確保できることを見いだした。この外層のフィルム全体に対する厚さの比率は、10〜25%である。この比率が10%未満であると、インフレーション成形による成形性が低下し、また、25%を超えると、二重巻きの折り目部分の引き裂き強度が低下してしまうこととなるので好ましくない。
前記LDPEは、市販されているものを適宜用いることができ、たとえばダウ・ケミカル製の「NUC8505」、「NUC8160」、東ソー製の「LD176R」、日本ポリエチレン製の「LF423M」が挙げられる。
前記特殊LLDPEは、市販されているものを適宜用いることができ、たとえば住友化学株式会社のポリエチレン商品の「エクセレンGH051」「エクセレンGH030」、または「スミカセンGT−140」等を挙げることができる。
前記中間層は、酢酸ビニル含有量が10〜20質量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)を主成分とする層である。また、規格に外れた同種のフィルムを原料としてリサイクル使用することができる。中間層にリサイクル材を配合する場合、中間層を構成する樹脂成分全体の40質量%以下となるように配合することが好ましく、35質量%以下となるよう配合することがさらに好ましい。リサイクル材の配合量が40質量%以下であれば、樹脂フィルムの強度、透明性などに与える影響が少ない。このリサイクル材は、製造されたフィルムを粉砕した後、押出してペレット化したものを用いることが好ましい。ペレット化することによって、原料の均一化が図れ、かつ、元のフィルムに付着していた埃などの異物を除去することが可能である。
この中間層のフィルム全体に対する厚さの比率は、30〜50%である。この比率が30%未満であると、柔軟性が低下し、また、50%を超えると引っ張り強度が低下し、展張時に強く引っ張られた際に薄くなり、フィルムの劣化が早くなるので好ましくない。
前記EVAは、市販されているものを適宜用いることができ、たとえばダウ・ケミカル社製の「NUC3230」、「NUC3224」、東ソー製の「ウルトラセン630」、宇部丸善ポリエチレン製の「V115」、「V215」等を挙げることができる。
また、中間層には無機フィラーを配合するのが好ましい。当該無機フィラーとしては、たとえば、ハイドロタルサイトや、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム等の酸化物、水酸化物、炭酸塩、ケイ酸塩、および上記した複数の金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、ケイ酸塩、ならびにそれらの複合化合物を適宜に用いることができる。前記無機フィラーは、中間層を構成する樹脂成分100質量部あたり5〜15質量部されるのが好ましく、7〜12質量部配合されるのがさらに好ましい。無機フィラーの配合量が樹脂成分100質量部あたり5質量部以上あれば十分に保温性を高めることができ、15質量部以下であれば、透明性を確保することができる。
前記内層は、インフレーション成形により筒状の樹脂フィルムを成形する際、筒状の樹脂フィルムの外側層として形成される。
前記内層は、密度0.910〜0.930g/cm、かつ、190℃における溶融張力が0.5〜3.0cNである直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)からなる層である。この内層のフィルム全体に対する厚さの比率は、35〜50%である。この比率が35%未満であると、引っ張り強度や折り目の引裂強度が低下し、また、50%を超えると、柔軟性が低下して栽培温室の骨組みに密着が悪くなり展張作業性が悪くなるので好ましくない。
前記LLDPEとしては、市販されているものを適宜用いることができ、たとえば、プライムポリマー製の「モアテック0138NK」,「モアテック0218CN」、「エボリューSP1520」、「エボリューSP2020」、日本ポリエチレン製の「ユメリット1520F」、宇部丸善ポリエチレン製の「UF320」、「UF240」等を挙げることができる。
前記防曇塗膜は、内層の表面に形成する。当該防曇塗膜は、樹脂エマルジョンとシリカゾルおよび/またはアルミナゾルからなる。防曇塗膜を形成することによって、温室等を被覆した際、内外の気温差に起因してフィルム内層表面に発生する水滴が温室等の内部にボタ落ちすることを防止することができる。
また、前記各層には、本発明の目的を逸脱しない範囲で、上記以外の樹脂成分を含有していてもよい。
また、本発明の目的から逸脱しない範囲で、前記各層以外の層を設けることもできる。その場合、前記内層と外層の間に設ければよい。
また、各層には、農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムに配合される各種添加剤を配合することができる。たとえば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系などの紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤、酸化防止剤、着色剤、保温材、アンチブロッキング剤、スリップ剤、帯電防止剤を挙げることができる。
本発明の農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムの厚さは50〜250μmである。当該農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムの厚さが100μmの場合、たとえば外層を40μm、中間層を40μm、外層を20μmとすると、透明性、折り目の引裂強度が高く、インフレーション成形も良好に行うことができる。
次に、本発明の農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムの製造方法について説明する。上記した樹脂と添加剤を配合した各層の樹脂組成物からなる各ペレットを3層インフレーション成形機の各押出機に供給し、多層ダイから積層して押出される溶融樹脂をインフレーション成形して筒状樹脂フィルムを製造する。次いで、当該筒状樹脂フィルムを扁平に折りたたむ。さらに、折りたたまれた筒状の樹脂フィルムの両外面に防曇塗膜を形成する。さらに、扁平に折りたたまれた筒状の樹脂フィルムの幅方向の一方の端部を切断して、または切断せずに二重巻きに巻き取ることで農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムを製造することができる。
インフレーション成形においては、上記のとおり3層インフレーション成形機だけでなく、4層以上のインフレーション成形機を用い、隣接する層を形成するための複数の押出機に同じ樹脂組成物を投入することにより、3層からなる農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムを製造することもできる。
前記筒状樹脂フィルムを扁平に折りたたむ工程においては、たとえば筒状樹脂フィルムを徐々に挟むように配置されたガイドロールの間を通し、最後に一対のピンチロール間で挟んで扁平に折りたたまれた筒状の樹脂フィルムとすることができる。
前記防曇塗膜の形成工程においては、樹脂エマルジョンとシリカゾルおよび/またはアルミナゾルからなる防曇塗料をドクターブレードコート法、ロールコート法、ディップコート法、スプレーコート法、ロッドコート法、バーコート法、ナイフコート法、ハケ塗り等それ自体公知の塗布方法を採用し塗布後乾燥すればよい。塗布後の乾燥方法は、自然乾燥および強制乾燥のいずれの方法を採用してもよく、強制乾燥方法を採用する場合、40〜150℃、好ましくは50〜80℃の温度範囲で乾燥すればよい。乾燥速度、安定性を勘案すれば熱風乾燥法を採用するのが有利である。
また、防曇塗膜の形成の前に、折りたたまれた筒状の樹脂フィルムの両外面を表面処理することもできる。折りたたまれた筒状の樹脂フィルムの両外面を表面処理することによって、樹脂フィルムと防曇塗膜との密着性が向上する。表面処理の手段としては、たとえばコロナ放電処理、プラズマ放電処理、グロー放電処理、プライマー処理があげられる。
扁平に折りたたまれた筒状の樹脂フィルムの幅方向の一方の端部を切断して巻き取る場合、カッター刃、丸刃等を用いることができ、樹脂フィルムの搬送方向に沿って切断する。切断する場所は、扁平に折りたたまれた筒状の樹脂フィルムの折り目の部分でもよいし、折り目近傍の部分を切り落とすように切断してもよい。折り目近傍を切り落とす場合、2枚同時に切断することも、1枚ずつ逐次的に切断することもできる。切断位置を互い違いにすると、折りたたまれた樹脂フィルムを広げるための手がかりとすることができ、好ましい方法である。
以下、本発明の実施例を示してさらに詳しく説明する。実施例中の評価項目およびその評価基準は以下に従って行った。
(透明性)
実施例によって製造された三層構造の農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムからそれぞれ3つのサンプルを取り、HAZEメーター(日本電色社製)を用いてHAZE値を測定し、その平均値を次の基準で評価した。
○:13未満
△:13以上、15未満
×:15以上
(折り目の引裂強度)
実施例によって製造された二重巻きされた三層構造の農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムからそれぞれ二重巻きされた折り目部分のサンプルを5つ取り、折り目部分に2cmのノッチを付け、エレメンドルフ試験機でサンプルの引裂き強さを測定し、その平均値を次の基準で評価した。
○:7N以上
△:5N以上、7N未満
×:5N未満
実施例および比較例で使用した樹脂は、次のとおりである。
LLDPE:プライムポリマー社製、「モアテック0138NK」、メタロセン触媒系の直鎖状低密度ポリエチレン、密度0.916g/cm、MFR1.52g/10min(230℃,21.2N)、溶融張力:3.0cN
LDPE:ダウ・ケミカル社製、「NUC−8160」、高圧法低密度ポリエチレン、密度0.923g/cm、MFR2.4g/10min(230℃,21.2N)、溶融張力5.0cN
特殊LLDPE:住友化学社製、「エクセレンGH030」、メタロセン触媒系の直鎖状低密度ポリエチレン、密度0.912g/cm、MFR0.5g/10min(230℃,21.2N)、溶融張力6.4cN
EVA:ダウ・ケミカル社製、「NUC−3224」、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル含有量15質量%、密度0.940g/cm、MFR1.5g/10min(230℃,21.2N)、溶融張力9.4cN
リサイクル材:実施例1のフィルムを粉砕し、ペレット化したもの
なお、溶融張力は、溶融したポリマーを一定速度で延伸したときの応力を測定することにより決定される。測定には東洋精機製作所製、メルトテンション測定用アタッチメントを付けたキャピログラフを用いた。条件は樹脂温度190℃、溶融時間6分、バレル径9.55mmφ、押し出し速度15mm/分、巻取り速度10〜20m/分、ノズル径2.095mmφ、ノズル長さ8mmで行った。
[実施例1]
外層としてLDPE100質量部、中間層としてEVA100質量部、内層としてLLDPE100質量部を3層インフレーション成形機の各押出機に供給し、多層ダイから積層して押出される溶融樹脂をインフレーション成形して厚さ100μmの筒状樹脂フィルムを製造した。次いで、筒状樹脂フィルムを扁平に折りたたみ、その後扁平に折りたたまれた筒状樹脂フィルムの両面をそれぞれコロナ放電処理し、防曇塗料をディップコート法で塗布し、ワイアバーで余分の防曇塗料を除去し、熱風乾燥炉で乾燥することにより、固形分1g/mの防曇塗膜を形成した後、扁平に折りたたまれた筒状樹脂フィルムの幅方向の一方の端部を切断して、二重巻きに巻き取ることで農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムを製造した。表1に各層の厚さと樹脂組成(数値は全て各層の樹脂成分を質量%で表示)、および各評価、すなわち折り目の引裂強度と透明性の結果を示した。
[実施例2,3及び比較例1〜5]
表1に記載のとおりの各層の厚さと樹脂組成を変えた以外は実施例1と同様に実施例2,3および比較例1〜5の防曇塗膜付き三層構造の筒状樹脂フィルムを製造した。各評価結果は表1に示した。
なお、前記防曇塗料は、シリカゾル(日産化学社製、「スノーテック20」、20%濃度)50質量部と、アクリル変性ウレタン樹脂エマルジョン(アデカ社製、「HUX−401」、20%濃度)40質量部と、シリコーン系界面活性剤(東レダウコーニング社製、「FZ−77」)1質量部と、および水90質量部とを混合攪拌したものを用いた。
また、実施例1〜3および比較例1〜5は、三層構造のいずれの層構成樹脂フィルムにも、樹脂成分100質量部に対して、フェノール、リン系抗酸化剤(チバ・スペシャリティケミカルズ製、IRGANOX B921)を0.1質量部、光安定剤(チバ・スペシャリティケミカルズ製、TINUVIN783)を0.5質量部および紫外線吸収剤(シプロ化成製、SEESORB102)を0.5質量部配合し、また、中間層には、ハイドロタルサイト(協和化学製、DHT−4A)を10質量部配合した。
表1のとおり、実施例は全て、折り目の引裂強度、透明性が良好であるが、比較例は、それぞれ折り目の引裂強度、透明性のどちらかが悪くなっている。本発明の農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムは、施設栽培に使用される農業用樹脂フィルムとして極めて有用である。
本発明の農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムは、フィルム全体として、高透明性と、安定したインフレーション成形性と、折り目の引裂強度が高く、その他、農業用フィルムとして要求される諸特性である、耐衝撃強度、引張強度、耐候性、防曇性、保温性等に優れた農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムとして有用である。また、本発明の農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムの製造方法によって、上記した優れた性能を有する農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム提供することができる。

Claims (3)

  1. 外層、中間層および内層の三層のオレフィン系樹脂フィルムからなり、前記内層に防曇塗膜を形成してなる農業用オレフィン系樹脂フィルムにおいて、
    前記外層は、密度0.910〜0.930g/cmの高圧法により重合された低密度ポリエチレンおよび/または密度0.910〜0.930g/cm、かつ、190℃における溶融張力が4.0〜9.0cNであるメタロセン触媒で重合された直鎖状低密度ポリエチレンからなる層であり、
    前記中間層は、酢酸ビニル含有量が、10〜20質量%のエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂を主成分とする層であり、
    前記内層は、密度0.910〜0.930g/cm、かつ、190℃における溶融張力が0.5〜3.0cNである直鎖状低密度ポリエチレンからなる層であり、
    かつ、前記外層、中間層および内層のフィルム全体に対する厚さの比率は、外層10〜25%、中間層30〜50%、内層35〜50%であり、
    前記内層には、樹脂エマルジョンとシリカゾルおよび/またはアルミナゾルからなる防曇塗膜が形成されたことを特徴とする農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム
  2. インフレーション成形により筒状フィルムを製造し、扁平に折りたたまれた前記筒状フィルムの外側に防曇塗膜を形成させた農業用オレフィン系樹脂フィルムの製造方法において、
    前記筒状の樹脂フィルムの内側層を、密度0.910〜0.930g/cmの高圧法により重合された低密度ポリエチレンおよび/または密度0.910〜0.930g/cm、かつ、190℃における溶融張力が4.0〜9.0cNであるメタロセン触媒で重合された直鎖状低密度ポリエチレンからなる外層とし、
    前記筒状の樹脂フィルムの中間層を、酢酸ビニル含有量が10〜20質量%のエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂を主成分とする中間層とし、
    前記筒状の樹脂フィルムの外側層を、密度0.910〜0.930g/cm、かつ、190℃における溶融張力が0.5〜3.0cNである直鎖状低密度ポリエチレンからなる内層とし、
    かつ、前記外層、中間層および内層のフィルム全体に対する厚さの比率が、外層10〜25%、中間層30〜50%、内層35〜50%となるよう筒状フィルムをインフレーション成形し、
    前記筒状フィルムを扁平に折りたたみ、
    折りたたまれた前記筒状フィルムの外側層を形成する内層表面に、樹脂エマルジョンとシリカゾルおよび/またはアルミナゾルからなる防曇塗膜を形成し、
    前記防曇塗膜が形成された後、扁平に折りたたまれた筒状の樹脂フィルムの幅方向の一方の端部を切断して、または切断せずに、二重巻きに巻き取ることを特徴とする農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムの製造方法
  3. 前記中間層が、酢酸ビニル含有量10〜20質量%のエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂60〜98質量%と請求項2に記載の樹脂フィルムのリサイクル材2〜40質量%からなることを特徴とする請求項2に記載の農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムの製造方法。
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