JP5366475B2 - 停電補償機能を備えためっき装置 - Google Patents

停電補償機能を備えためっき装置 Download PDF

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Description

本発明は、停電あるいは電圧低下が生じた場合にも、めっき不良を生じることのない、停電補償機能を備えためっき装置に関するものである。
めっき装置はワークを搬送する搬送装置とワークと電極の間にめっき電流を供給するめっき用直流電源装置とから構成されている。近年では、長時間の停電が突然発生することはまれであるが、落雷などによって瞬停と呼ばれる比較的短時間の停電や電圧低下が発生することがある。めっき処理中に停電あるいは電圧低下が生じた場合には、それが短時間であってもワークの搬送が止まり、その間めっき電流が供給されないことになる。めっき電流が中断すると、停電の復旧後に再度めっき電流を供給してもその部分から剥離するめっき不良となるため剥離して再めっきしなければならず、多くの手間を要するという問題があり、剥離して再めっきすることのできないワークでは素材ごと廃棄することになって大きな損失を招くという問題があった。
また、搬送装置は停電により急停止、位置ずれ等を引き起こすことになり、再度自動運転するためには搬送装置を定位置に移動させて位置合わせをする等復旧のために多くの労力と時間を要するという問題があった。こうした問題を解決する手段として考えられるのは、めっき装置に無停電電源装置から電力を供給する方法であるが、めっき用直流電源装置は一般に大容量であるため無停電電源装置も大容量のものとする必要があり、設備の初期費用がかさむため実施されることはまれであった。現在、このようなめっき装置に無停電電源装置から電力を供給する方式以外の、停電時にめっき不良を発生しないめっき装置は考えられておらず、それに関する文献等も存在していない。
本発明は上記の問題点を解決し、大容量の無停電電源を使用する必要がなく、停電あるいは電圧低下が発生した場合にもめっき不良を生じたり、搬送装置の急停止や位置ずれ等を起こしたりすることのない、停電補償機能を備えためっき装置を提供するためになされたものである。
上記の問題を解決するためになされた本発明の停電補償機能を備えためっき装置は、ワークを搬送する搬送装置と、めっき用直流電源装置と、補償用直流電源装置と、無停電電源装置とから構成し、補償用直流電源装置の出力はダイオードを介してめっき用直流電源装置の出力と並列に接続し、搬送装置と補償用直流電源装置には無停電電源装置から電力を供給することを特徴とするものである。ここにおいて、補償用直流電源装置の出力電圧は、ワークと陽極との間の分極電圧にダイオードの電圧降下を加えた電圧を超える電圧で、かつめっき時のワークと陽極との間のめっき電圧未満の電圧とすることが好ましく、これが請求項2の発明である。また、めっき用直流電源装置の交流入力側と商用電源および非常用電源との間にそれぞれ開閉器を設け、該開閉器の一方を選択的に閉とすることにより商用電源または非常用電源のいずれかからめっき用直流電源装置に電力を供給するようにすることができ、これが請求項3の発明である。
さらに、無停電電源装置は、商用電源及び非常用電源にそれぞれ接続される二つの入力部と、負荷が接続される出力部と、半導体開閉器と、双方向性の変換器と、エネルギー蓄積素子とから構成し、前記二つの入力部はそれぞれ選択的に閉とされる開閉器を介して半導体開閉器の一極と接続し、半導体開閉器の他極は出力部に接続し、出力部に双方向性の変換器の交流側を接続するとともに変換器の直流側にエネルギー蓄積素子を接続し、定常運転時には変換器をコンバータ運転してエネルギー蓄積素子に直流電力を蓄積するように制御し、商用電源から非常用電源への切り替え時および非常用電源から商用電源への切り替え時には変換器をインバータ運転してエネルギー蓄積素子に蓄積された直流電力を交流電力に変換するように制御する制御手段を設けたものとすることが好ましく、これが請求項4の発明である。この請求項4の発明において、無停電電源装置を構成する半導体開閉器と並列に開閉器を設け、該開閉器を始動時に閉路するように制御する制御手段を設けることが好ましく、これが請求項5の発明である。
本発明によれば、補償用直流電源装置を設け、該補償用直流電源装置の出力はダイオードを介してめっき用直流電源装置の出力と並列に接続してあり、搬送装置と補償用直流電源装置には無停電電源装置から電力を供給するようにしてあるので、停電時もワークと陽極との間には補償用直流電源装置から電圧が加えられて無電圧になることがなく、搬送装置が停止することもない。ワークと陽極との間に加えられる電圧は分極電圧以上であるのでめっき面に逆電流が流れることはなく、停電復旧後に継続してめっきしてもその部分から剥離することがない利点がある。補償用直流電源装置の出力にはダイオードが設けてあるので、補償用直流電源装置のフィードバック系統がめっき用直流電源装置の出力の影響を受けることはない。
補償用直流電源装置の出力電圧を、ワークと陽極との間の分極電圧にダイオードの電圧降下を加えた電圧を超える電圧で、通常のめっき電圧に比べて低い電圧としておけば、流れる電流も小さいので補償用直流電源装置は小容量のものでよく、無停電電源装置も小容量のものでよいことになる。補償の対象を瞬停に限定した場合には、無停電電源装置に内蔵させるエネルギー蓄積素子も小容量のものでよく、電気二重層コンデンサ等の使用が可能になる。エネルギー蓄積素子に電気二重層コンデンサのようなキャパシタを使用すれば、二次電池を使用した場合のようなメンテナンスが必要なく、信頼性が高くなる利点がある。
さらに、非常用電源装置を設けておき、商用電源または非常用電源のいずれかからめっき用直流電源装置に電力を供給するようにした請求項3の発明によれば、長時間の停電でも非常用電源からめっき用直流電源装置に電力を供給することができるので、めっきを継続することができる利点があり、請求項4の発明によれば定常時はインバータを通さずに商用電源をそのまま使用するので、定常時の効率がよい利点がある。この請求項4の発明では、エネルギー蓄積素子は最長でも非常用電源装置の立ち上がりの間だけのエネルギーを蓄積すればよいので小容量のものでよく、電気二重層コンデンサ等の使用が可能である。請求項5の発明によれば、半導体開閉器と並列に設けられた開閉器が始動時に閉路されるので、補償用直流電源装置等の始動電流が大きい場合にも始動電流は開閉器を流れることになり、半導体開閉器を特に大きな電流容量をものとする必要がない利点がある。
次に、本発明を実施するための最良の形態について、図を参照しながら具体的に説明する。
図1は本発明の停電補償機能を備えためっき装置の構成を示すものであり、めっき用直流電源装置1a、1bと、図示しない搬送装置を駆動する電動機2a、2b、2cと、電動機2a、2b、2cにそれぞれ電力を供給するドライバー3a、3b、3cと、図示しない濾過機、循環ポンプ等の補機を駆動する電動機4a、4bと、電動機4a、4bの運転停止制御をする開閉器5a、5bと、制御装置6とから構成されている。こうした構成は従来の通常のめっき装置と同様であり、めっき用直流電源装置1a、1b、電動機2a、2b、2c、ドライバー3a、3b、3c、電動機4a、4b等はめっきの処理工程に応じて適宜容量、台数等が定められる。
めっき用直流電源装置1a、1bの出力はめっき槽7a、7bに浸漬されるワークと陽極板に接続してあり、めっき用直流電源装置1a、1bの出力にはそれぞれダイオード8a、8bを介して補償用直流電源装置9a、9bの出力が並列に接続してある。めっき用直流電源装置1a、1bには商用電源入力端子10に供給される商用の交流電力を直接供給するようにしてあり、ドライバー3a、3b、3c、開閉器5a、5b、制御装置6及び補償用直流電源装置9a、9bには無停電電源装置11から交流電力を供給するようにしてある。また、無停電電源装置11には商用電源入力端子10に供給される商用の交流電力を供給するようにしてある。
制御装置6は所定の工程にしたがってワークをめっき槽7a、7b等の処理槽に順次浸漬するように搬送装置を制御する機能と、各めっき用直流電源装置1a、1bが接続されるめっき槽7a、7bへのワークの入槽、出槽に応じて当該めっき用直流電源装置1a、1bを運転、停止する機能と、濾過機、循環ポンプ等の運転、停止の操作をする機能とを有するものとしてある。搬送装置は各電動機2a、2b、2cを所定の順序で回転、停止させることによりワークを上昇、移送、下降させて搬送を行うものであり、制御装置6からは各電動機2a、2b、2cが所定の順序で正回転、停止、逆回転等をするように各ドライバー3a、3b、3cに信号を送るようにしてある。搬送装置によりワークをスムーズに搬送するためには各ドライバー3a、3b、3cをインバータ式のものとして速度制御をすることが好ましい。
また、制御装置6は、ワークのめっき槽7a、7bへの入槽、出槽にあわせて当該めっき槽7a、7bにめっき電流を供給するめっき用直流電源装置1a、1bと補償用直流電源装置9a、9bに同時に運転、停止の指令信号を送るようにしてある。このときワークのデータからめっき用直流電源装置1a、1bの電流の設定をするようにすることもできる。補償用直流電源装置9a、9bの出力電圧はワークと陽極との間の分極電圧にダイオード8a、8bの電圧降下を加えた電圧を超える電圧で、かつめっき時のワークと陽極との間のめっき電圧未満の電圧としてあるが、その範囲でなるべく低い電圧とすることが好ましい。
無停電電源装置11としては従来一般に使用されているものを使用することが可能であり、特に常時インバータ給電方式のものを使用し、発電機等の非常用電源装置を設けた場合には、商用電源、二次電池、非常用電源の3系統から常時給電されることから電力供給の安定性は極めて良好である。ところが、常時インバータ給電方式のものは全電力を常にインバータから供給するため定常運転時の損失が大きいという問題がある。図2はこのような問題のない、本発明の停電補償機能を備えためっき装置に使用するのに好適な無停電電源装置の構成を示すものであり、無停電電源装置11をこのような構成としたのが請求項4の発明である。
図2はその主回路の結線図であり、商用電源が接続される商用電源入力端子12と非常用電源が接続される非常用電源入力端子13とが設けてある。商用電源入力端子12は第1のブレーカ14および第1の開閉器15を介して半導体開閉器16の入力側に接続してあり、非常用電源入力端子13は第2のブレーカ17および第2の開閉器18を介して半導体開閉器16の入力側に接続してある。ここで商用電源入力端子12と第1のブレーカ14は商用電源の入力部、非常用電源入力端子13と第2のブレーカ17は非常用電源の入力部をそれぞれ構成している。半導体開閉器16の出力側は出力部である出力端子19に接続してあり、また出力端子19には第3のブレーカ20およびリアクトル21を介して変換器22の交流側が接続してある。
変換器22はコンバータとしてもインバータとしても動作する双方向性のものであり、その主回路は従来から知られる変換器のものと同様IGBT等の半導体素子をブリッジ接続して構成してある。変換器22がコンバータとして動作するときには交流側に入力される交流電力を直流に変換して直流側に供給し、インバータとして動作するときは直流側から供給される直流電力を交流に変換して交流側に供給する。変換器22の直流側はコンデンサ23と双方向性のチョッパ24の一方の入出力端に接続してあり、チョッパ24の他方の入出力端には二次電池等のエネルギー蓄積素子25が接続してある。
チョッパ24は一方の入出力端に変換器22から供給される直流電力を降圧して他方の入出力端に接続されるエネルギー蓄積素子25に直流電力を蓄積する降圧チョッパ、あるいはエネルギー蓄積素子25に蓄積された直流電力を昇圧して変換器22に供給する昇圧チョッパとして動作する。図中26は半導体開閉器16と並列に接続した第3の開閉器であり、27はチョッパ24とエネルギー蓄積素子25の間に挿入されたリアクトルである。なお、第1のブレーカ14、第2のブレーカ17、第3のブレーカ20は回路保護のために設けたものであり、装置の機能、動作に直接関係するものではない。
これらの第1の開閉器15、半導体開閉器16、第2の開閉器18および第3の開閉器26の開閉はそれぞれ図示しない制御装置により行なうようにしてある。また、それら各開閉器の開閉制御に合わせて変換器22およびチョッパ24の制御も同じく図示しない制御装置により行なう。それにより変換器22はコンバータとして動作するときは直流側を一定電圧に保持するとともに交流回路の高調波成分を補償するように制御され、インバータとして動作するときは自立運転する自立運転モードまたは周波数、位相、電圧を同期させる同期モードのいずれかのモードで制御される。また、チョッパ24が降圧チョッパとして動作するときはエネルギー蓄積素子25の充電電流、充電電圧が適正になるように制御され、昇圧チョッパとして動作するときはインバータとして動作する変換器22に適正な電圧を供給できるように制御される。こうした制御を行なうため、必要箇所には電圧、電流を検出して制御装置に取り込むセンサーが設けてある。
図3は請求項3の発明の構成を示すものであり、図1に示す構成のものとは非常用電源入力端子28、定常時用開閉器29、非常時用開閉器30を設けたことだけが異なる。定常時は定常時用開閉器29を閉としてめっき用直流電源装置1a、1bに商用電源入力端子10からの電力を供給するようにしてあり、停電時は非常時用開閉器30を閉としてめっき用直流電源装置1a、1bに非常用電源入力端子28からの電力を供給するようにしてある。また、無停電電源装置11が非常用電源入力端子を備えるものである場合、その非常用電源入力端子は非常用電源入力端子28に接続する。非常用電源装置としてはディーゼルエンジンで駆動される発電機等一般的な非常用電源装置を使用することができるが、無停電電源装置11から発信する信号により運転、停止操作が可能なものが好ましい。
商用電源入力端子10に正常に電力が供給されているとき、めっき用直流電源装置1a、1bには商用電源の電力が、ドライバー3a、3b、3c、開閉器5a、5b、制御装置6および補償用直流電源装置9a、9bには無停電電源装置11からの電力が供給され、めっき装置の運転を開始すると正常に運転が行われる。また、無停電電源装置11にも商用電源の電力が供給され、内蔵されるエネルギー蓄積素子に直流電力が蓄積される。めっき用直流電源装置1a、1bは搬送装置によるワークのめっき槽7a、7bへの入槽、出槽にあわせて制御装置6から与えられる信号により運転、停止し、入槽中はワークにめっき電流が供給される。
このとき、補償用直流電源装置9a、9bも制御装置6から与えられる信号によりめっき用直流電源装置1a、1bと同時に運転、停止するが、補償用直流電源装置9a、9bの出力電圧はめっき用直流電源装置1a、1bより低いので、めっき電流は全てめっき用直流電源装置1a、1bから供給される。また、ダイオード8a、8bが設けてあるのでめっき用直流電源装置1a、1bの出力電圧が補償用直流電源装置9a、9bの出力側に加わることはなく、補償用直流電源装置9a、9bのフィードバック系統がめっき用直流電源装置1a、1bの出力の影響を受けることはない。これにより補償用直流電源装置9a、9bは設定された電圧を出力する無負荷状態で運転される。
停電が発生した場合には、めっき用直流電源装置1a、1bから供給されていためっき電流が断たれることになるが、補償用直流電源装置9a、9bには無停電電源装置11から電力が供給されており、ワークと陽極との間にはダイオード8a、8bを介して補償用直流電源装置9a、9bから電圧が加えられることになる。この補償用直流電源装置9a、9bの出力電圧はワークと陽極との間の分極電圧にダイオード8a、8bの電圧降下を加えた電圧を超える電圧としてあり、ワークと陽極との間には分極電圧以上の電圧が加わるのでめっき面に逆電流が流れることはない。これにより停電復旧後にめっき用直流電源装置1a、1bから供給されるめっき電流により継続してめっきしてもその部分から剥離することはない。
補償用直流電源装置9a、9bの出力電圧は、ワークと陽極との間に分極電圧以上の電圧を加えるのに必要な電圧を超える範囲でなるべく低い電圧とすることが好ましく、電圧を低くすることで流れる電流も電力も小さくなり、補償用直流電源装置9a、9bは小容量のものでよいことになる。この補償用直流電源装置9a、9bから給電されている状態では電流が小さく、めっき皮膜は殆ど成長しないのでめっき皮膜が充分に成長しない状態でワークを次へ搬送するのは適当でない。このため、制御装置6は搬送中のワークが下降した段階でワークの搬送を一時止めるようにドライバー3a3b、3c信号を送り、必要な濾過機、循環ポンプ等を駆動する電動機4a、4bの運転は継続することになる。
補償用直流電源装置9a、9bから供給される電力が小さいので補償用直流電源装置9a、9bの入力電力も小さく、その他のドライバー3a、3b、3c等の電力を合わせても一般的な瞬停を補償の対象として限定した場合には、無停電電源装置11に内蔵するエネルギー蓄積素子に蓄えられた電力だけでその電力を供給することができ、エネルギー蓄積素子も大容量とする必要はない。瞬停が復旧すると残りの時間のめっきが行われて製品が完成し、めっき装置は正常な運転状態に復することになる。請求項3の発明の構成として非常用電源装置を設けておけば、定常時用開閉器29を開路、非常時用開閉器30を閉路することにより非常用電源からめっき用直流電源装置1a、1bに電力が供給され、所定のめっき電流を供給することができるので停電が長時間になってもめっきを継続することができる。
図2に示す構成の無停電電源装置11を使用した場合には、運転開始に先立って第1のブレーカ14、第2のブレーカ17、第3のブレーカ20を投入して無停電電源装置11を運転可能な状態とし、定常時用開閉器29を閉路する。これにより、めっき用直流電源装置1a、1bには商用電源から電力が供給される状態となる。商用電源入力端子10に正常に電力が供給されているとき、めっき装置の運転を開始すると、無停電電源装置11の制御装置により第1の開閉器15と第3の開閉器26が閉路され、補償用直流電源装置9a、9b等には商用電源から電力が供給される。続いて半導体開閉器16が閉路、第3の開閉器26が開路される。
これにより補償用直流電源装置9a、9b等の始動電流は第3の開閉器26を流れ、その後は半導体開閉器16を通して商用電源から引き続き補償用直流電源装置9a、9b等に電力が供給される。この状態で変換器22はコンバータとして動作し、直流側のコンデンサ23を充電するとともにチョッパ24に一定電圧の直流電力を供給するように制御される。チョッパ24は変換器22から供給される直流電力を降圧し、エネルギー蓄積素子25を充電する。このとき必要に応じて変換器22に交流回路の高調波成分を補償するような動作をさせることができる。
停電が発生した場合には、それがセンサーにより検出されてコンバータとして動作していた変換器22は直ちにインバータとして動作し、自立運転するように制御される。また、降圧チョッパとして動作していたチョッパ24は昇圧チョッパとしてエネルギー蓄積素子25の電力を変換器22に供給するように制御される。同時に半導体開閉器16は開路されて商用電源側への逆潮流が防止され、その後第1の開閉器15が開路される。変換器22はそれまで商用電源と同期して動作しており、数ミリ秒というような極めて短時間の内にインバータとして自立運転する状態に移行することができる。それにより補償用直流電源装置9a、9b等の負荷への電力供給の中断が問題になることはない。この状態ではエネルギー蓄積素子25に蓄積された直流電力が変換器22により交流電力に変換されて負荷に供給されることになり、前記のように停電時間が短い場合には、エネルギー蓄積素子25に蓄積された電力だけでその間の電力を賄うことが可能である。
長時間の停電にも対応できるようにするためには非常用電源装置を設けて請求項3の発明の構成としておき、停電時間が長くなることが予想されるときに非常用電源装置を起動する。多くの非常用電源装置は立ち上がるまでに40秒程度必要とするので、エネルギー蓄積素子25はその間供給できるだけの電力を蓄えておく必要がある。非常用電源装置が立ち上がると自立運転モードで制御されていた変換器22は同期モードで制御され、変換器22の出力の周波数、位相、電圧が非常用電源のそれらに合わせ込まれ、その間に第2の開閉器18が閉路される。非常用電源の出力と変換器22の出力との同期が所定の範囲内で合致すると、変換器22が停止させられ、同時に半導体開閉器16が閉路されて補償用直流電源装置9a、9b等の負荷には非常用電源から電力が供給される。
つぎに、定常時用開閉器29を開路、非常時用開閉器30を閉路するとめっき用直流電源装置1a、1bには非常用電源から電力が供給され、所定のめっき電流を供給することができるのでめっき装置は正常な運転を継続することができることになる。その後第3の開閉器26が閉路されると半導体開閉器16に流れる電流は第3の開閉器26に流れ、半導体開閉器16の損失が低減される。また、変換器22は再度コンバータとして動作し、チョッパ24を介してエネルギー蓄積素子25に直流電力が蓄積される。
このようにして非常用電源から電力が供給されている間に商用電源が復旧すると、制御装置により第3の開閉器26が開路、半導体開閉器16が閉路される。そして、コンバータとして動作していた変換器22はインバータとして自立運転するように制御され、降圧チョッパとして動作していたチョッパ24は昇圧チョッパとしてエネルギー蓄積素子25の電力を変換器22に供給するように制御される。同時に半導体開閉器16が開路され、非常用電源側への逆潮流が防止される。その後第2の開閉器18が開路され、非常用電源が停止させられる。
その後自立運転モードで制御されていた変換器22は同期モードで制御され、変換器22の出力の周波数、位相、電圧が商用電源のそれらに合わせ込まれ、その間に第1の開閉器15が閉路される。商用電源と変換器22の出力との同期が所定の範囲内で合致すると、変換器22が停止されると同時に半導体開閉器16が閉路され、補償用直流電源装置9a、9b等の負荷には商用電源から電力が供給される。その後変換器22は再度コンバータとして起動され、無停電電源装置はチョッパ24を介してエネルギー蓄積素子25に直流電力が蓄積される定常運転状態に復帰する。ここで非常時用開閉器30を開路、定常時用開閉器29を閉路すればめっき用直流電源装置1a、1bには商用電源から電力が供給され、通常の運転状態となる。この商用電源への切り替え時にもめっき用直流電源装置1a、1bからの給電が中断することになるが、補償用直流電源装置9a、9bから給電されるのでめっき品質に問題が生じることはない。
以上説明したように、本発明によれば、補償用直流電源装置9a、9bを設け、該補償用直流電源装置9a、9bの出力はダイオード8a、8bを介してめっき用直流電源装置1a、1bの出力と並列に接続してあり、搬送装置と補償用直流電源装置9a、9bには無停電電源装置11から電力を供給するようにしてあるので、停電時もワークと陽極との間には補償用直流電源装置9a、9bから電圧が加えられて無電圧になることがなく、搬送装置が停止することもない。ワークと陽極との間に加えられる電圧は分極電圧以上の電圧としてあるのでめっき面に逆電流が流れることはなく、停電復旧後に継続してめっきしてもその部分から剥離することがない利点がある。補償用直流電源装置9a、9bの出力にはダイオード8a、8bが設けてあるので、補償用直流電源装置9a、9bのフィードバック系統がめっき用直流電源装置1a、1bの出力の影響を受けることはない。
また、補償用直流電源装置9a、9bの出力電圧は通常のめっき電圧に比べて低くしてあるので流れる電流も小さくなり、補償用直流電源装置9a、9bは小容量のものでよく、無停電電源装置11も小容量のものでよい利点がある。補償の対象を瞬停に限定すれば無停電電源装置11に内蔵させるエネルギー蓄積素子も小容量のものでよく、電気二重層コンデンサ等の使用が可能になるので、二次電池を使用した場合のようなメンテナンスが必要なく、信頼性が高くなる利点がある。さらに請求項3の発明によれば、長時間の停電でも非常用電源からめっき用直流電源装置1a、1bに電力を供給することができるのでめっきを継続することができる利点があり、請求項4の発明によれば定常時はインバータを通さずに商用電源をそのまま使用するので、定常時の効率がよい利点がある。
請求項4の発明では、エネルギー蓄積素子25は最長でも非常用電源装置の立ち上がりの間だけのエネルギーを蓄積すればよいので小容量のものでよく、電気二重層コンデンサ等の使用が可能である。請求項5の発明によれば、補償用直流電源装置9a、9b等の始動電流が大きい場合にも、始動電流は半導体開閉器16と並列に設けた第3の開閉器26を流れるので、半導体開閉器16を特に大きな電流容量をものとする必要はない。このように、請求項3の発明によれば商用電源が停電してもめっきを継続することができるのであるが、非常用電源の燃料貯蔵量、運転経費その他の観点からめっきを継続することが得策でないということが考えられる。そうした場合にはワークの新規投入を取りやめる等してめっき装置を停止させることができることは言うまでもない。
本発明の構成を示す結線図である。 無停電電源装置の一例を示す結線図である。 請求項3の発明の構成を示す結線図である。
符号の説明
1a、1b めっき用直流電源装置
2a、2b、2c 電動機
3a、3b、3c ドライバー
4a、4b 電動機
5a、5b 開閉器
6 制御装置
7a、7b めっき槽
8a、8b ダイオード
9a、9b 補償用直流電源装置
10 商用電源入力端子
11 無停電電源装置
12 商用電源入力端子
13 非常用電源入力端子
14 第1のブレーカ
15 第1の開閉器
16 半導体開閉器
17 第2のブレーカ
18 第2の開閉器
19 出力端子
20 第3のブレーカ
21 リアクトル
22 変換器
23 コンデンサ
24 チョッパ
25 エネルギー蓄積素子
26 第3の開閉器
27 リアクトル
28 非常用電源入力端子
29 定常時用開閉器
30 非常時用開閉器

Claims (5)

  1. ワークを搬送する搬送装置と、めっき用直流電源装置と、補償用直流電源装置と、無停電電源装置とから構成し、補償用直流電源装置の出力はダイオードを介してめっき用直流電源装置の出力と並列に接続し、搬送装置と補償用直流電源装置には無停電電源装置から電力を供給することを特徴とする停電補償機能を備えためっき装置。
  2. 補償用直流電源装置の出力電圧を、ワークと陽極との間の分極電圧にダイオードの電圧降下を加えた電圧を超える電圧で、かつめっき時のワークと陽極との間のめっき電圧未満の電圧としたことを特徴とする請求項1に記載の停電補償機能を備えためっき装置。
  3. めっき用直流電源装置の交流入力側と商用電源および非常用電源との間にそれぞれ開閉器を設け、該開閉器の一方を選択的に閉とすることにより商用電源または非常用電源のいずれかからめっき用直流電源装置に電力を供給することを特徴とする請求項1または2に記載の停電補償機能を備えためっき装置。
  4. 無停電電源装置を、商用電源及び非常用電源にそれぞれ接続される二つの入力部と、負荷が接続される出力部と、半導体開閉器と、双方向性の変換器と、エネルギー蓄積素子とから構成し、前記二つの入力部はそれぞれ選択的に閉とされる開閉器を介して半導体開閉器の一極と接続し、半導体開閉器の他極は出力部に接続し、出力部に双方向性の変換器の交流側を接続するとともに変換器の直流側にエネルギー蓄積素子を接続し、定常運転時には変換器をコンバータ運転してエネルギー蓄積素子に直流電力を蓄積するように制御し、商用電源から非常用電源への切り替え時および非常用電源から商用電源への切り替え時には変換器をインバータ運転してエネルギー蓄積素子に蓄積された直流電力を交流電力に変換するように制御する制御手段を設けたものとしたことを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の停電補償機能を備えためっき装置。
  5. 無停電電源装置を構成する半導体開閉器と並列に開閉器を設け、該開閉器を始動時に閉路するように制御する制御手段を設けたことを特徴とする請求項4に記載の停電補償機能を備えためっき装置。
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