JP5365769B2 - 伝達比可変操舵装置及び伝達比可変操舵装置用のモータのロック機構 - Google Patents

伝達比可変操舵装置及び伝達比可変操舵装置用のモータのロック機構 Download PDF

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Description

本発明は、ハンドルから転舵輪への伝達比を変更可能な伝達比可変操舵装置及び、伝達比可変操舵装置用のモータのロック機構に関する。
この種の従来のロック機構は、モータのロータと一体回転するロックリングの外周面に係合凹部を形成し、始端位置と終端位置との間で回動するロックレバーを始端位置で係合凹部と係合させてモータをロックする一方、終端位置で係合凹部から離脱させてロックを解除するようにしてある。また、ロックレバーを始端位置側に回動付勢するトーションばねが備えられ、通常時には、ソレノイドの励磁によりプランジャをソレノイドの奥に引き込むことで、トーションばねに抗してロックレバーを終端位置側に回動させてモータのロックを解除し、車両の異常発生時には、ソレノイドへの通電を停止してトーションばねの付勢力により、ロックレバーを始端位置側に回動させてモータをロックするようになっている(特許文献1参照)。
特開2006−182188号公報(第8図、第11図)
ところで、車両の異常発生時には、できるだけ速やかにモータがロックされることが望ましい。そのために、よりばね係数の大きいトーションばねを用いて終端位置でのロックレバーに対する付勢力を大きくし、これにより、始端位置に向かって回動するロックレバーの回動速度を速めることが考えられるが、このような構成では、以下の問題が生じ得る。
即ち、図6のグラフに示すように、一般的にソレノイドは、プランジャを引き込む吸引力と、プランジャのストロークS(ソレノイドに最も引き込まれた位置からの移動距離)とが反比例する(ストロークSが小さくなるに従って吸引力が加速度的に増大する)という特性を有している。従って、ソレノイドの仕様を変更せずに、トーションばねのばね係数だけを大きくして、終端位置でのロックレバーに対する付勢力Pを、例えば、図6におけるP1からP2(P2>P1)へと変更した場合には、図6において点線で示したグラフのように、ロックレバーに対する付勢力Pがソレノイドの吸引力を超えて、ソレノイドによるモータのロック解除が不可能になる事態が起こる。このような事態を回避するためには、トーションばねのばね係数に応じてソレノイドの吸引力も高める必要があり、これがソレノイドの大型化、ひいては搭載性やコストの悪化を招くという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、ソレノイドを大型化することなく、従来よりも速やかにモータをロックすることが可能な伝達比可変操舵装置及び伝達比可変操舵装置用のモータのロック機構の提供を目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係るモータ(22)のロック機構(30)は、ハンドル(17)から転舵輪(11,11)への伝達比を変更可能な伝達比可変操舵装置(20)用のモータ(22)のロック機構(30)であって、モータ(22)のロータ(22R)と一体回転するロックリング(31)の外周面に係合凹部(31A)を形成し、始端位置と終端位置との間で回動するロックレバー(32)を始端位置で係合凹部(31A)に係合させてロータ(22R)を回転不能にロックする一方、終端位置で係合凹部(31A)から離脱させてロックを解除するようにし、ロックレバー(32)をレバー付勢ばね(34)によって始端位置側に付勢すると共に、ロックレバー(32)に連結されたプランジャ(37)をレバー付勢ばね(34)に抗してソレノイド(36)の奥に引き込むことで、ロックレバー(32)を終端位置に回動させるモータ(22)のロック機構(30)において、プランジャ(37)から側方に向かって張り出したばね受け部(37A)と、プランジャ(37)のばね受け部(37A)とソレノイド(36)の端面との間に設けられ、ロックレバー(32)が始端位置から終端位置に移動する途中の中間位置でプランジャ(37)のばね受け部(37A)と当接し、その中間位置から終端位置に移動する間にプランジャ(37)のばね受け部(37A)とソレノイド(36)の端面とによって圧縮変形されて、プランジャ(37)をソレノイド(36)から突出する方向に付勢するプランジャ付勢ばね(38)を備えたところに特徴を有する。
請求項2の発明は、請求項1に記載のモータ(22)のロック機構(30)において、ロックレバー(32)が始端位置から中間位置に移動するまでの間に、ロックレバー(32)が係合凹部(31A)から離脱するように構成したところに特徴を有する。
請求項3の発明に係る伝達比可変操舵装置(20)は、請求項1又は2に記載のロック機構(30)を有したモータ(22)を駆動源として備えたところに特徴を有する。
[請求項1の発明]
上記のように構成した請求項1に係る発明によれば、ロックレバーが終端位置に位置するとき、プランジャはソレノイドの奥に引き込まれている。このとき、レバー付勢ばねとプランジャ付勢ばねとが共に弾性変形している。そして、ソレノイドへの通電が停止すると、プランジャ付勢ばねの付勢力とレバー付勢ばねの付勢力との合力により、ロックレバーが始端位置側へと回動するので、レバー付勢ばねの付勢力だけで回動させていた従来のものよりも、速やかにモータをロックすることができる。
さて、ロックレバーが始端位置に位置するときにソレノイドが励磁されると、プランジャがソレノイドの奥側に引き込まれて、ロックレバーが始端位置から終端位置へと回動する。このとき、レバー付勢ばねは、ロックレバーが始端位置から終端位置に近づく(ストロークが小さくなる)に従って弾性変形量が大きくなり、ロックレバーを始端位置側に付勢する付勢力が大きくなる。また、プランジャ付勢ばねは、ロックレバーが始端位置から終端位置に移動する途中の中間位置でプランジャのばね受け部と当接し、中間位置から終端位置に移動する間に圧縮変形される。そして、終端位置に近づく(ストロークが小さくなる)に従って圧縮変形量が大きくなり、プランジャをソレノイドから突出させる方向の付勢力、即ち、ロックレバーを始端位置側に付勢する付勢力が大きくなる。
ここで、始端位置と中間位置との間では、プランジャ付勢ばねが圧縮変形されず、レバー付勢ばねだけが弾性変形するので、プランジャのストロークが小さくなるに従ってロックレバーに対する付勢力は比較的緩やかに増大する。一方、中間位置と終端位置との間では、レバー付勢ばねが弾性変形すると同時にプランジャ付勢ばねが圧縮変形されるので、プランジャのストロークが小さくなるに従ってロックレバーに対する付勢力は比較的急激に増大する。そして、ロックレバーが終端位置に位置したときには、トーションばねだけを備えた従来の付勢力(図6におけるP1)よりも大きい付勢力(図6におけるP2)が発生する。
即ち、図6に示すように、プランジャのストロークSが小さくなるに従って吸引力が加速度的に増大するというソレノイドの特性に合わせるように、中間位置を境にして、ロックレバーを始端位置側に付勢する付勢力PとストロークSとの関係(ばね特性)が変化し、中間位置より終端位置側でばね特性の傾き(=P/S)が比較的大きく、中間位置より始端位置側でばね特性の傾きが比較的小さい2段階のばね特性になる。これにより、ソレノイドを大型化しなくとも、ロックレバーを始端位置側に付勢する付勢力Pを、プランジャのストローク範囲の全域で、ソレノイドの吸引力より小さく抑えることができる。
このように、本発明のモータのロック機構によれば、ソレノイドを大型化することなく、従来よりも速やかにモータをロックすることが可能になる。
また、ロックレバーが始端位置に位置した状態(ロックレバーが係合凹部に係合した状態)では、プランジャのばね受け部とプランジャ付勢ばねとが当接していないので、プランジャ付勢ばねの付勢力がロックレバーにかからない。よって、ロックレバーをロックリングに押し付ける力が過大になることを防ぐことができる。
さらに、プランジャがソレノイド内に引き込まれるときの勢いが、プランジャ付勢ばねによって落とされるので、プランジャとソレノイド内の固定鉄芯との衝突音を低減することができる。
[請求項2の発明]
請求項2の発明によれば、始端位置で係合凹部と係合していたロックレバーが係合凹部から離脱するまでは、プランジャのばね受け部とプランジャ付勢ばねとが離間したままでプランジャ付勢ばねが圧縮されることがないので、ロック状態でソレノイドが励磁されたときに、いち早くモータのロック解除を行うことができる。
[請求項3の発明]
請求項3の発明に係る伝達比可変操舵装置は、請求項1又は2に記載のロック機構を有したモータを駆動源として備えているので、伝達比可変操舵装置の信頼性と静粛性が向上する。
以下、本発明に係る一実施形態を図1〜図6に基づいて説明する。
図1に示された車両10における1対の前輪11,11(本発明の「転舵輪」に相当する)の間には、ラック12が設けられ、そのラック12の両端部がタイロッド13,13を介して前輪11,11に連結されている。また、ラック12は筒状のラックケース12Cで覆われ、そのラックケース12Cが車両本体14に固定されている。また、ラック12にはピニオン15が噛合しており、そのピニオン15がラックケース12Cに回転可能に軸支されている。そして、ピニオン15とハンドル17との間が、インタミシャフト18とステアリングシャフト19とによって連結され、それらインタミシャフト18とステアリングシャフト19の間に伝達比可変操舵装置20が連結されている。なお、インタミシャフト18及びステアリングシャフト19における中間部分には、それぞれユニバーサルジョイント18J,19Jが備えられている。
図2に示すように、伝達比可変操舵装置20は、差動式の減速機21の同軸上方にモータ22(以下、「伝達比変更モータ22」という)を配置し、これら減速機21と伝達比変更モータ22とを共通のアッシスリーブ23内に収容して備えている。減速機21は中心部に入力部21Aを備え、その入力部21Aが伝達比変更モータ22のロータ22Rが固定されている。また、減速機21は下端部外面に出力部21Bを備え、その出力部21Bには、インタミシャフト18の上端部に設けた円板18Cが固定されている。そして、伝達比変更モータ22により減速機21の入力部21Aを回転駆動すると、その回転が減速されてインタミシャフト18が回転する。
伝達比変更モータ22の上端寄り位置には回転位置検出部24が設けられている。そして、この回転位置検出部24により、伝達比変更モータ22のステータ22Sに対するロータ22Rの回転位置が検出される。なお、回転位置検出部24は、ロータ22Rと一体回転する磁石24Aと、ステータ22Sに固定されたホール素子24Bとからなる。
伝達比変更モータ22のステータ22S上面には、後述するロック機構部30が備えられ、そのロック機構部30を含む伝達比変更モータ22の上端部が、連結ハウジング25によって覆われている。連結ハウジング25は、伝達比変更モータ22の上面に対向した天板部25Aと、天板部25Aから下方に延びた大径円筒部25Bと、天板部25Aから上方に延びた小径円筒部25Cとを備えてなる。大径円筒部25Bの下端部にアッシスリーブ23が嵌合固定される一方、小径円筒部25Cには、ステアリングシャフト19が嵌合固定されている。また、ステアリングシャフト19の上端部には、ハンドル17(図1参照)が固定されている。これにより、ハンドル17を操舵した際に、伝達比変更モータ22のロータ22Rが回転すれば、ハンドル17及びステアリングシャフト19に対してインタミシャフト18が相対回転し、ロータ22Rが回転しなければ、インタミシャフト18がハンドル17及びステアリングシャフト19と共に一体回転する。即ち、伝達比変更モータ22のロータ22Rを回転させることで、ハンドル17の操舵角に対するインタミシャフト18の回転角を変更することができる。
連結ハウジング25の上部には、ドーナッツ状の収容空間を有するケーブルケース26が組み付けられている。そして、ケーブルケース26の内部に収容されたスパイラルケーブル27を介して伝達比変更モータ22、回転位置検出部24等が操舵制御装置60に接続されている。
さて、本発明に係るロック機構部30は、図3に示すようにロックリング31、ロックレバー32及び直動駆動源35を備えている。伝達比変更モータ22の上面には、ロータ22Rの上端部が突出しており、そのロータ22Rの上端部にロックリング31が一体回転可能に固定されている。ロックリング31はリング状をなし、その外周面には複数(例えば4つ)の係合凹部31Aが形成されている。詳細には、係合凹部31Aは、比較的広角な浅窪部31A1と、浅窪部31A1の一部をさらに段付き状に凹ませた深窪部31A2とで構成されている。
なお、本実施形態では、各浅窪部31A1のうち、図3における時計回り方向の前端部に深窪部31A2が配設されている。従って、ロックレバー32が深窪部31A2ではなく、浅窪部31A1に係合した場合でも、その状態からロックリング31が図3における反時計回り方向に回転すれば、ロックレバー32と深窪部31A2との係合が可能である。
ロックレバー32は、伝達比変更モータ22の上面から起立した支柱33に回動可能に軸支されている。支柱33は、ロックレバー32の一端寄り位置を貫通している。ロックレバー32のうち支柱33の貫通部分から比較的長く延びたアーム32Bの先端には、ロックリング31に向けて係合凸部32Aが突出している。そして、ロックレバー32は、図3及び図4(C)に示す始端位置と、図4(A)に示す終端位置との間で回動可能とし、始端位置では係合凸部32Aがロックリング31の係合凹部31Aと凹凸係合してロータ22Rを回転不能にロックする一方、終端位置では係合凸部32Aが係合凹部31Aから離脱してロックを解除するように構成されている。
図3に示すように、ロックレバー32には、本発明の「レバー付勢ばね」に相当するトーションばね34が取り付けられている。トーションばね34はコイルばね構造をなし、そのコイルばねを構成するばね線材の一端が支柱33の端面に係止され、他端がロックレバー32に係止している。このトーションばね34の付勢力によりロックレバー32は、始端位置側(図3における時計回り方向)に付勢されている。
ロックレバー32は、伝達比変更モータ22の上面に設けられた直動駆動源35(図3参照)により、トーションばね34の付勢力に抗して始端位置から終端位置へと移動する。直動駆動源35は、ソレノイド36の励磁によりプランジャ37を直動させる構成になっており、プランジャ37の先端部が、ロックレバー32のうち支柱33の貫通部分からアーム32Bと反対側に突出した端部に連結されている。そして、ロックレバー32が始端位置に位置した状態から、プランジャ37がソレノイド36の奥に引き込まれると、ロックレバー32が終端位置に向かって(図3における反時計回り方向に)回動して、ロックレバー32が係合凹部31Aから離脱する。
プランジャ37の先端寄りの位置からは、側方に向かってばね受け壁37A(本発明の「ばね受け部」に相当する)が張り出しており、そのばね受け壁37Aと、ソレノイド36の端面との間には、本発明の「プランジャ付勢ばね」に相当する圧縮コイルばね38が備えられている。圧縮コイルばね38は、ロックレバー32が終端位置に位置した状態のときに、ばね受け壁37Aとソレノイド36の端面との間で圧縮変形される。なお、圧縮コイルばね38の一方の端部は、ソレノイド36の端面に固定されている。
車両10が正常な場合には、イグニッションスイッチをオンすることによりソレノイド36が励磁され、プランジャ37がソレノイド36の中空部の奥側に引き込まれた状態になる。このとき、ロックレバー32が終端位置に位置決めされ、係合凸部32Aと係合凹部31Aとの係合が解除されて、ロータ22Rが回転可能な状態になる(図4(A)に示す状態)。また、このとき、トーションばね34が捻れ変形してロックレバー32が始端位置側へと付勢されると共に、ばね受け壁37Aとソレノイド36の端面との間で圧縮コイルばね38が圧縮変形されて(図5(A)参照)、プランジャ37がソレノイド36から突出する方向に付勢される。つまり、ロックレバー32は、従来のトーションばね34のみならず、圧縮コイルばね38によっても始端位置側へと付勢される。そして、終端位置でのロックレバー32に対する付勢力は、図6に示すように従来のP1からP2へと増大する。
イグニッションスイッチがオンの状態でも、車両10に異常(例えば、電気系統の失陥)が発生した場合には、ソレノイド36の励磁が停止され、プランジャ37はソレノイド36内を自由に直動可能となる。すると、ロックレバー32が圧縮コイルばね38の付勢力とトーションばね34の付勢力との合力によって終端位置から始端位置へと移動し、始端位置でロックレバー32の係合凸部32Aがロックリング31の深窪部31A2に突入して凹凸係合する(図3及び図4(C)に示す状態)。このように、ロックレバー32が終端位置から始端位置に向かって回動する場合には、従来のトーションばね34の付勢力に、圧縮コイルばね38の付勢力が加わるので、ロックレバー32を従来よりも素早く始端位置に到達させることができる。即ち、伝達比変更モータ22を従来よりも速やかにロックすることができる。
ところで、ロックレバー32が始端位置で係合凹部31Aに凹凸係合した状態(係合凸部32Aが深窪部31A2の側面に突き当たった状態)では、図4(C)に示すように、ばね受け壁37Aと圧縮コイルばね38とが離間して、それらの間にクリアランス39が形成される。
即ち、図5に示すように、始端位置(同図(C)の状態)と終端位置(同図(A)の状態)との間におけるプランジャ37の移動距離L1が、始端位置と終端位置との間における圧縮コイルばね38の伸縮長L2よりも、所定のギャップ距離Lg分だけ長くなるように構成されている。
図4(C)に示すように、ロックレバー32が始端位置に位置して係合凸部32Aが係合凹部31Aの深窪部31A2の側面に突き当った状態では、圧縮コイルばね38がばね受け壁37Aと離間しているので、圧縮コイルばね38の付勢力がロックレバー32にかからない。よって、ロックレバー32をロックリング31に押し付ける力が過大になることを防ぐことができる。
車両10が異常から復帰すると、再びソレノイド36が励磁され、プランジャ37がソレノイド36の中空部の奥側に引き込まれるように直動する。これにより、ロックレバー32が図3における反時計回り方向に回動する。この結果、ロックレバー32が終端位置に至り、係合凸部32Aと係合凹部31Aとの係合が解除されて、ロータ22Rが回転可能な状態になる(図4(A)に示す状態)。
図5(C)から同図(B)への変化に示すように、ロックレバー32が始端位置に位置した状態から、プランジャ37がギャップ距離Lg分だけ引き込まれた中間位置に至ると、ばね受け壁37Aが圧縮コイルばね38と当接する。そして、ロックレバー32が始端位置から中間位置に至るまでの間に、ロックレバー32とロックリング31との係合が解除(係合凸部32Aがロックリング31の回動領域の側方に退避)される。換言すれば、ギャップ距離Lgは、始端位置に位置して係合凹部31Aと係合したロックレバー32が、少なくとも係合凹部31Aから離脱するまでは、圧縮コイルばね38が圧縮されないような寸法に設定されている(図4(B)参照)。これにより、ロック状態でソレノイド36が励磁されたときに、いち早く伝達比変更モータ22のロック解除を行うことができる。
ロックレバー32が始端位置から終端位置へと回動するとき、トーションばね34は、ロックレバー32が終端位置に近づく(プランジャ37がソレノイド36に引き込まれてストロークSが小さくなる)に従って捻れ変形量が大きくなり、ロックレバー32を始端位置側に付勢する付勢力が大きくなる。また、圧縮コイルばね38は、プランジャ37が所定のギャップ距離Lg分だけ引き込まれてロックレバー32が中間位置に位置したときにばね受け壁37Aと当接し、この中間位置から終端位置に移動する間に圧縮変形される。そして、終端位置に近づく(ストロークSが小さくなる)に従って圧縮変形量が大きくなり、プランジャ37をソレノイド36から突出させる方向の付勢力、即ち、ロックレバー32を始端位置側に付勢する付勢力が大きくなる。
ここで、始端位置と中間位置との間では、圧縮コイルばね38が圧縮変形されることはなく、トーションばね34だけが捻れ変形するので、図6に示すように、プランジャ37のストロークSが小さくなる(図6のS2からS1に向かう)に従って、ロックレバー32を始端位置側に付勢する付勢力Pが比較的緩やかに増大する。一方、中間位置と終端位置との間では、トーションばね34が捻れ変形すると同時に圧縮コイルばね38も圧縮変形されるので、図6に示すように、プランジャ37のストロークSが小さくなる(図6のS1からSminに向かう)に従ってロックレバー32を始端位置側に付勢する付勢力Pが比較的急激に増大する。そして、ロックレバー32が終端位置に位置したときには、トーションばね34だけを備えた従来の付勢力P1よりも大きい付勢力P2が発生する。
即ち、図6に示すように、プランジャ37のストロークSが小さくなるに従って吸引力が加速度的に増大するというソレノイド36の特性に合わせるように、中間位置を境にして、ロックレバー32を始端位置側に付勢する付勢力PとストロークSとの関係(ばね特性)が変化し、中間位置より終端位置側でばね特性の傾き(=P/S)が比較的大きく、中間位置より始端位置側でばね特性の傾きが比較的小さい2段階のばね特性になる。これにより、ソレノイド36を大型化しなくとも、ロックレバー32を始端位置側に付勢する付勢力Pを、プランジャ37のストローク範囲の全域で、ソレノイド36の吸引力より小さく抑えることができる。
また、ロックレバー32を中間位置から終端位置側に移動させるときには、ロックレバー32が始端位置から中間位置まで回動することにより発生したロックレバー32のイナーシャ(慣性力)によっても、プランジャ37をソレノイド36内へと押し込む方向、即ち、ロックレバー32を終端位置側に付勢することができる。
このように本実施形態によれば、ソレノイド36を大型化することなく、従来よりも速やかに伝達比変更モータ22をロックすることが可能になる。また、プランジャ37がソレノイド36内に引き込まれて、ソレノイド36内の固定鉄芯36Aと衝突する前に、圧縮コイルばね38によって勢いが落とされるので、プランジャ37と固定鉄芯36A(図3参照)との衝突音を低減することができる。
さらに、本実施形態の伝達比可変操舵装置20は、上述した効果を奏するロック機構部30を有した伝達比変更モータ22を駆動源として備えているので、信頼性が高まると共に、静粛性が向上する。
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)前記実施形態では、ロックレバー32が始端位置から中間位置に移動するまでの間に、ロックレバー32が係合凹部31Aから離脱するようにギャップ距離Lgが設定されていたが、ギャップ距離Lgを小さくして、ロックレバー32が中間位置に位置するときに、ロックレバー32が係合凹部31Aから離脱しないようにギャップ距離Lgを設定してもよい。
(2)圧縮コイルばね38及びトーションばね34の替わりに、他のばねを用いてもよい。例えば、圧縮コイルばね38の替わりに、プランジャ37の軸方向で伸縮可能なゴム製の蛇腹筒を用いてもよい。
本発明の一実施形態に係る伝達比可変操舵装置を備えた車両の概念図 伝達比可変操舵装置の側断面図 ロック機構部の平面図 (A)終端位置におけるロック機構部の平面図、(B)中間位置と始端位置との間でロック解除された状態のロック機構部の平面図、(C)始端位置におけるロック機構部の平面図 (A)終端位置における直動駆動源の側面図、(B)中間位置における直動駆動源の側面図、(C)始端位置における直動駆動源の側面図 プランジャのストローク、ソレノイドの吸引力及びロックレバーに対する付勢力の関係を示すグラフ
符号の説明
11 前輪(転舵輪)
17 ハンドル
20 伝達比可変操舵装置
22 伝達比変更モータ(伝達比可変操舵装置用のモータ)
22R ロータ
30 ロック機構部
31 ロックリング
31 係合凹部
32 ロックレバー
34 トーションばね(レバー付勢ばね)
36 ソレノイド
37 プランジャ
37A ばね受け壁
38 圧縮コイルばね(プランジャ付勢ばね)

Claims (3)

  1. ハンドルから転舵輪への伝達比を変更可能な伝達比可変操舵装置用のモータのロック機構であって、
    前記モータのロータと一体回転するロックリングの外周面に係合凹部を形成し、始端位置と終端位置との間で回動するロックレバーを前記始端位置で前記係合凹部に係合させて前記ロータを回転不能にロックする一方、前記終端位置で前記係合凹部から離脱させて前記ロックを解除するようにし、前記ロックレバーをレバー付勢ばねによって前記始端位置側に付勢すると共に、前記ロックレバーに連結されたプランジャを前記レバー付勢ばねに抗してソレノイドの奥に引き込むことで、前記ロックレバーを前記終端位置に回動させるモータのロック機構において、
    前記プランジャから側方に向かって張り出したばね受け部と、
    前記プランジャのばね受け部と前記ソレノイドの端面との間に設けられ、前記ロックレバーが前記始端位置から前記終端位置に移動する途中の中間位置で前記プランジャのばね受け部と当接し、その中間位置から前記終端位置に移動する間に前記プランジャのばね受け部と前記ソレノイドの端面とによって圧縮変形されて、前記プランジャを前記ソレノイドから突出する方向に付勢するプランジャ付勢ばねを備えたことを特徴とするモータのロック機構。
  2. 前記ロックレバーが前記始端位置から前記中間位置に移動するまでの間に、前記ロックレバーが前記係合凹部から離脱するように構成したことを特徴とする請求項1に記載のモータのロック機構。
  3. 請求項1又は2に記載のロック機構を有したモータを駆動源として備えたことを特徴とする伝達比可変操舵装置。
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