JP5364814B2 - 磁気素子制御装置、磁気素子制御方法及び磁気検出装置 - Google Patents

磁気素子制御装置、磁気素子制御方法及び磁気検出装置 Download PDF

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Description

本発明は、信号処理用回路、それを用いた物理量計測装置に係わり、特に、時間分解型フラックスゲート方式(以下、FG方式と示す。)の磁気素子を駆動する磁気素子制御装置、磁気素子制御方法及びそれを用いて磁界を検出する磁気検出装置に関する。
一般に、FG方式の磁気素子は、同様の磁気を検出する磁気素子であるホール素子や磁気抵抗素子に比較すると、磁界を検出する感度が高く、小型化が可能であるため、携帯電子機器などの方位検出装置などに用いられている。
図10は、時間分解型FG方式の磁気素子(磁界比例式測定)の構成例を示す図である。この図10が示すように、FG方式の磁気素子は、高透磁率材からなる磁性体コアの外周面に対し、励磁巻線と検知巻線とが巻かれている。励磁巻線の巻かれている領域は励磁コイルとして励磁信号により駆動され、検知巻線の巻かれている領域は検出コイルとして検知信号を出力する。
図11は、時間分解型FG方式の磁気素子を用いて磁界比例式における磁界検出の原理を説明する波形図である。図11(a)は、磁気素子の励磁コイルに供給される励磁電流を示し、縦軸が励磁電流の電流値を示し、横軸が時刻を示している。図11(b)は、磁気素子の励磁コイルが磁性体コア内に発生させる磁界の磁束密度を示し、縦軸が磁束密度を示し、横軸が時刻を示している。図11(c)は、磁気素子の検出コイルが誘導起電力により発生するパルスの電圧値を示し、横軸が時刻を示している。
この図11において励磁コイルを駆動させるため、励磁コイルの端子TI1と端子TI2との間に励磁電流Idの信号(以下、励磁信号とする)を、一定周期の交番する電流の励磁信号、すなわち図11(b)に示すように三角波形状の励磁信号(すなわち、三角波電流信号)として印加する。
これにより、励磁電流の向きが変化する時間(励磁電流の正負の交番時間帯)において、図11(c)の場合には、時刻t1及び時刻t2において、検出コイルが誘導起電力による正負のパルスを発生し、このパルスの電圧Vpを検知信号とする。この検知信号は、三角波電流信号の周期に対応して、連続的に正負の極性の電圧を有するパルスとして、検出コイルの端子間に発生する。
磁性体コアの励磁巻線及び検知巻線の作る円筒空間を貫通する定常磁界Hexが、この磁気素子に印加された場合、励磁巻線においてこの定常磁界に対応した定常電流が流れる。すなわち、励磁巻線に印加される励磁信号の励磁電流Idに対して、上述した定常電流がオフセットとして重畳されることになる。
その結果、このオフセットによって、交番する励磁信号による励磁コイルの駆動状態が変化し、すなわち、励磁電流Idの流れる向きが変化する時刻が、定常磁界Hexが印加されている場合と、定常磁界Hexが印加されていない場合とで変化することになる。
このとき、図11(a)に示すように、定常磁界Hexが印加されていない(Hex=0)場合に比較し、励磁コイルの発生する磁界と同様の方向の定常磁界Hexが印加されている(Hex>0)場合、励磁電流Idの流れる向きの変化する横軸L1が、横軸L2の位置に変化する。一方、定常磁界Hexが印加されていない場合に比較し、励磁コイルの発生する磁界と反対の方向の定常磁界Hexが印加されている(Hex<0)場合、励磁電流Idの流れる向きの変化する横軸L1が、横軸L3の位置に変化する。
これにより、この励磁電流Idの流れる方向の変わるタイミングに応じて変化する、磁性体コア内における磁束密度φの変化も、励磁電流Idに重畳される定常電流に対応して変化することになる。
そして、磁束の方向が変化した際、検出コイルに対して磁束の変化を打ち消す方向に誘導起電力が発生し、すなわち励磁電流Idが正から負に変化するタイミングにおいて検知信号が負電圧のパルスとして発生する。一方、励磁電流Idが負から正に変化するタイミングにおいて検知信号が正電圧のパルスとして発生する。
したがって、FG型の磁気素子は、定常電流Hexの印加されていない場合の検知信号の出力されるタイミングと、定常電流Hexが印加されている場合の検知信号の出力されるタイミングとを比較することにより、定常磁界Hexの大きさを間接的に測定することができる。すなわち、定常磁界Hexが印加された場合、駆動用コイルに特定の定常電流が流れるため、励磁信号に一定のオフセットが重畳し、負電圧及び正電圧のパルス状の検知信号の時間間隔が変化する。
したがって、FG型の磁気素子を用いた磁界検出装置は、負電圧及び正電圧のパルス状の検知信号の発生する時間間隔を測定することにより、外部から印加された定常磁界Hexの強度を測定している(例えば、特許文献1、特許文献2及び特許文献3参照)。
ここで、励磁コイルに印加する励磁電流Idの最大値を、磁性体コアの飽和磁束密度以上となる磁界が発生する値に設定する。これにより、磁気素子の測定磁界範囲は、励磁信号の一周期の時間と、定常磁界Hexを印加することによるオフセットとしての定常電流の電流値に対応した時間変化(以下、励磁効率とする)とから決定される。
すなわち、時刻t0から時刻t3までが、励磁信号の一周期であり、この周期幅は時間Tである。定常磁界Hexが印加されていない場合(Hex=0)、負電圧の検知信号(以下、第1検知信号とする)が出力される時刻t1から、正の電圧の検知信号(以下、第2検知信号とする)が検出される時刻t2までの時間は、励磁信号の半周期となるため、時間T/2となる。
また、定常磁界Hexが印加されている場合、この第1検知信号が出力されてから第2検知信号が検出されるまでの時間幅(以下、計測時間幅)が時間T/2に対して変化する。ここで、図11に示すように、定常磁界Hexの磁束方向が実線の矢印の場合(Hex>0)、励磁コイルの生成する磁束方向と同一方向のため、時間幅Tmが時間T/2より短いものとなり(T0>Tm)、一方、定常磁界Hexの磁束方向が破線の矢印の場合(Hex<0)、励磁コイルの生成する磁束方向と逆方向のため、時間幅Tpが時間T/2より長くなる(Tp>T0)。ここで、T0=T/2である。
次に、図12は、時間分解型FG方式の磁気素子(磁界平衡式測定)の構成例を示す図である。この図12が示すように、磁界平衡式測定におけるFG方式の磁気素子は、図10の磁気素子と異なり、高透磁率材からなる磁性体コアの外周面に対し、励磁巻線と検知巻線とに加えて、フィードバック(以下、FB)巻線コイルが巻かれている。励磁巻線の巻かれている領域は励磁コイルとして励磁信号により駆動され、検知巻線の巻かれている領域は検出コイルとして検知信号を出力し、フィードバック巻線の巻かれている領域はフィードバックコイルとしてフィードバック信号により駆動される。
次に、図13は、時間分解型FG方式の磁気素子を用いて磁界平衡式における磁界検出の原理を説明する波形図である。
図13(a)は、磁気素子の励磁コイルに供給される励磁電流を示し、縦軸が励磁電流の電流値を示し、横軸が時刻を示している。励磁電流は、基準電流値0A(ゼロアンペア)を境にした正負の交番信号である。図13(b)は、磁気素子のFBコイルに印可する電流によりFB信号(すなわち帰還信号)を示し、縦軸がFB信号の電流値を示し、横軸が時刻を示している。図13(c)は、磁気素子の検出コイルが誘導起電力により発生するパルスの電圧値を示し、横軸が時刻を示している。
この図13に示すように、磁界平衡式測定の場合、磁気素子に印加される定常磁界(磁性体コア内を通過する定常磁界)を打ち消す磁界を、上記FBコイルにより発生させる。そして、定常磁界を打ち消す磁界をFBコイルに発生させる際の電流値から、磁気素子に印加されている定常磁界を測定している。
磁界平衡式においては、磁性体コア内における定常磁界を打ち消すための磁界を発生するコイルとして、励磁コイル及び検出コイルに加えて、上記FBコイルが磁気素子に設けられている。
以下、本明細書においては、FB信号を印加して磁性体コア内の定常磁界を打ち消し、磁界の測定を行う方式をFBコイルFB制御とする。
また、磁界平衡式測定の場合、すでに説明した磁界比例式と同様に、励磁コイルに印加される励磁信号の正負の交番時間帯に、検出コイルが発生するパルスの時間間隔を測定する。そして、測定した負電圧の検知信号が出力される時刻t1から、正の電圧の検知信号が検出される時刻t2までの時間が、T/2となるように、FBコイルに対してFB信号を印加する。
例えば、図13(c)において、時刻t1と時刻t2との時間幅が、T/2より広くなると、図13(a)に示すように負の方向の定常磁界が印加され、実質的に励磁信号の曲線が曲線L0から曲線L2へと変化したこととなる。このため、励磁信号の曲線L2を、時刻t1と時刻t2との時間幅が、T/2となる曲線L0の位置に戻すため、FBコイルに対して図13(b)における線FB2の電流値のFB信号を印加する。
一方、図13(c)において、時刻t1と時刻t2との時間幅が、T/2より狭くなると、図13(a)に示すように正の方向の定常磁界が印加され、実質的に励磁信号の曲線が曲線L0から曲線L1へと変化したこととなる。このため、励磁信号の曲線L1を曲線L0の位置に戻すため、FBコイルに対して図13(b)における線FB1の電流値のFB信号を印加する。
そして、時刻t1と時刻t2との時間幅が、T/2となるようにFBコイルに印加したFB信号の電流値から、磁気素子に印加される定常磁界の強度を求めることになる。
なお、上述の説明では、図13(a)における縦軸成分を電流として励磁コイルに印加される励磁信号を電流信号の場合について説明したが、縦軸成分を励磁コイルの端子の両端の電圧値として表現しても良い。この場合は、図13(a)においては、横軸と交差する縦軸の電圧が基準参照電圧としてVref(電流表記では0Aである)と表される。
次に、図14は、FBコイルFB制御における磁気素子制御装置を用いた磁気検出装置の構成例を示すブロック図である。図14において、磁気素子100は、検出コイル、励磁コイル、FBコイルから構成されている。
磁気素子制御装置200は、磁気素子制御部201とクロック信号生成部202とクロック信号調整部203とから構成されている。
クロック信号生成部202は、周期Tのクロックを生成して、クロック信号調整部203に対して出力する。
クロック信号調整部203は、供給されるクロックの信号レベルを調整して、調整されたクロックを磁気素子制御部201へ出力する。
磁気素子制御部201は、検出信号増幅部2012、検出信号比較部2013、帰還信号調整部2014、帰還信号変換部2015、データ信号変換部2016、励磁信号調整部2017、励磁信号生成部2018を備えている。
励磁信号生成部2018は、クロック信号調整部203から供給されるクロックから、図13(a)に示す励磁信号としての三角波を生成する。
励磁信号調整部2017は、励磁信号生成部2018から供給される励磁信号の電圧レベルを調整して、励磁信号として励磁コイルに対して供給する。
励磁コイルは、三角波に対応した磁界を、磁気素子100の磁性体コア内に生成する。
検出コイルは、磁性体コア内における励磁信号の正負の交番時間帯に、パルスを発生する。
検出信号増幅部2012は、検出コイルから供給されるパルスの電圧レベルを増幅し、検出信号として検出信号比較部2013へ出力する。
検出信号比較部2013は、パルス(検出信号)の時刻t1と時刻t2との時間幅と、T/2との差分を求め、この差分を帰還信号変換部2015へ出力する。
帰還信号変換部2015は、供給される差分から、FBコイルに供給するFB信号の電流値を求める。
ここで、帰還信号変換部2015は、内部記憶部に予め書き込まれて記憶されているFB電流値テーブルから、差分に対応する電流値を読み出してFB信号の電流値を求める。FB電流値テーブルは、上記差分と磁性体コア内における定常磁界を打ち消す電流値(デジタル値)との対応を示すテーブルである。
帰還信号調整部2014は、帰還信号変換部2015から供給されるFB信号の電流値を、D/A(Digital/Analog)変換して、生成されたFB信号としての電流を、FBコイルに対して出力する。また、帰還信号調整部2014は、帰還信号変換部2015から供給されるFB信号の電流値を、帰還信号調整部2014へ出力する。
帰還信号調整部2014は、供給されるFB信号の電流値から、磁性体コア内において打ち消した定常磁界の強度、すなわち磁気素子100に印加されている定常磁界の強度を求める。ここで、帰還信号調整部2014は、内部記憶部に予め書き込まれて記憶されている電流値磁界テーブルから、FB信号の電流値に対応する磁界強度を読み出して、磁気素子100に印加されている磁界の強度を求める。電流値磁界テーブルは、上記FB信号の電流値と印加された定常磁界の強度とが対応を示すテーブルである。
上述した時間分解型FG方式の磁気素子を用いて磁界比例式における磁界検出を行う場合、磁気素子100の磁性体コアの材料と構造とに起因するコイルに印加する電流あたりの発生磁界量(以下、励磁効率とする)と、励磁信号の強度とにより、測定可能な磁界範囲が決定される。
一方、時間分解型FG方式の磁気素子を用いて磁界平衡式における磁界検出を行う場合、磁気素子100に対して印加される定常磁界によらず、一定の時間間隔(T/2)で検出信号が出力されるように、磁性体コア内の磁界を平衡状態として維持している。このため、磁気素子100全体の電源電圧により制限、すなわちFB信号の電流値が供給可能な範囲で磁界の測定が行える。
また、時間分解型FG方式の磁気素子を用いて磁界比例式における磁界検出を行う場合、検出信号の出力される時間間隔が磁界に応じて変化するため、磁気感度の線形性が磁気素子100の特性に直接に反映することになる。
一方、時間分解型FG方式の磁気素子を用いて磁界平衡式における磁界検出を行う場合、磁気素子の特性として、励磁効率の磁界依存性が小さいため、検出信号の波形と、検出信号の発生する時間間隔の定常性とが維持され易い。
そのため、測定対象として、数百A(アンペア)程度の電流により発生する磁界を全測定電流範囲において線形性を維持した状態で測定する磁気素子に適用する場合、従来、磁界比例式に比較して、磁界平衡式における磁界検出が主に用いられている。
特開2008−292325号公報 特開2007−078423号公報 特開2007−078422号公報
上述した時間分解型FG方式の磁気素子を用いて磁界比例式によって磁界検出を行う際、すでに述べたように、測定可能な磁界範囲が磁気素子100の励磁効率と励磁信号とにより制限される。
このため、最大測定電流が数百A程度の電流センサとして、磁界比例式の磁気素子を適用する場合、磁気素子単体の出力の線形性の磁界の強度に対する依存性に加え、磁気素子を駆動する電源電圧や許容最大電流値の制限により、高い精度の出力の線形性が得られる磁界の測定範囲が制限される問題がある。
また、検出コイルが発生する検出信号の波形が、定常磁界Hexの強度及び磁性体コアの温度に依存して変化する場合、検出信号の波形の立ち上がりの時間微分値と、検出信号の出力変動とに相関がある。このため、検出信号の出力の時間変動値が磁界の強度に依存して変化することにより、磁界の強度の測定において、特に磁界の強度が高くなるにつれて、時間変動値が増加し、高い精度によって磁界の検出ができなくなる。
一方、時間分解型FG方式の磁気素子を用いて磁界平衡式によって磁界検出を行う際、FBコイルFB制御において、FB信号は一般的に電流制御により行われている。
すでに述べたように、FB制御信号における電流値と、この電流値により発生する磁界の強度とが比例関係にあり、FB信号の電流値の違いに起因して、温度に対応してFBコイルの抵抗が変化したとしても、FB信号の電流値が定電流で制御されている。このため、FB信号の電流値が大きくなる高い強度の磁界においても、磁気素子の感度の線形性を維持することができる。
また、磁気素子の特性の個体偏差によって、励磁コイル及びFBコイルの各々の励磁効率が変化した場合においても、FB信号による磁界と定常磁界との磁界平衡の収束状態は、FB信号を出力する制御回路の特性により制限され、収束における残差(誤差)は変化しない。
さらに、励磁コイルの励磁効率とFBコイルの励磁効率との比が一定に保持されている場合、励磁コイルとFBコイルとの磁気感度の比が変化しないため、FB信号による磁界と定常磁界とが磁界平衡となるまでの収束時間も変化しない。
したがって、半導体プロセスなどにより、磁気素子における励磁コイル及びFBコイルを同時に形成する場合、励磁コイル及びFBコイルの各々の抵抗が変化しても、コイル抵抗の比が維持されるため、磁界平衡の収束の指標である平衡状態における残差及び平衡状態に至る時間が変化しない。
しかしながら、時間分解型FG方式の磁気素子を用いて磁界平衡式によって磁界検出を行う際、FB信号が電流値でFBコイルの発生する磁界の強度の制御を行う場合、磁界の強度に対応する電流値を定電流制御行う必要がある。このため、定電流制御を行う電圧電流変換回路を搭載しなければならず、FBコイルに印加する電流を制御する制御部の回路規模が大きくなり、消費電流も増加することになる。
また、電圧電流変換回路内の定電流を発生する際の内部の基準電位が、FB信号の電流値の増加にともない時間的に変動し、不安定となるため、出力される定電流が変動することになる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、励磁コイル及び検出コイルのみからなる磁気素子を用いて、時間分解型FG方式の磁気素子を用いた磁界平衡式の磁界検出を行い、FBコイルに定電流を供給する電圧電流変換回路を設ける必要のない磁気素子制御装置、磁気素子制御方法及び磁気検出装置を提供することを目的とする。
この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、本発明の磁気素子制御装置は、励磁コイル及び検出コイルからなるフラックスゲート型の磁気素子に印加される定常磁界の強度を、時間分解型の磁気平衡式により検出する際、当該磁気素子の制御を行う磁気素子制御装置であり、交番信号を生成する励磁信号生成部と、前記交番信号から交番電圧信号を生成し、当該交番電圧信号に基づいて前記励磁コイルに印加する励磁信号を生成する励磁信号調整部と、前記励磁信号の電流方向が切替る際の誘導起電力で発生する正又は負電圧の検出信号を検出する検出信号比較部と、正電圧及び負電圧の検出信号間の時間幅を電圧情報に変換する帰還信号変換部と、前記電圧情報から前記磁気素子に印加されている定常磁界をキャンセルする磁界を発生するための帰還信号を生成する帰還信号調整部と、前記帰還信号を磁界強度を示すデータ信号として出力するデータ信号変換部とを有し、前記励磁信号調整部が、前記交番電圧信号に対して前記帰還信号を重畳して前記励磁信号を生成し、生成された当該励磁信号を前記励磁コイルに印加し、前記データ信号変換部が、前記帰還信号を予め設定された、前記帰還信号の電圧値と当該帰還信号の電圧値によって生成される磁界強度が線形性を有する前記帰還信号の電圧範囲外の電圧値が飽和する増幅率により増幅して出力することを特徴とする。
本発明の磁気素子制御装置は、定常磁界を測定する周囲環境による磁界に対応するオフセット電圧を前記帰還信号に重畳させ、このオフセット電圧が重畳された当該帰還信号を前記励磁信号調整部に対して出力するオフセット電圧調整部をさらに有することを特徴とす。
本発明の磁気素子制御装置は、前記磁気素子の温度を測定する温度センサを有し、前記励磁信号調整部が、前記温度に対応した係数を前記交番電圧信号に乗じて補正し、補正後の前記交番電圧信号に前記帰還信号を重畳して、前記励磁信号として前記励磁コイルに供給することを特徴とする。
本発明の磁気素子制御装置は、前記磁気素子の温度を測定する温度センサを有し、前記励磁信号生成部が、前記温度に対応した係数に対応して前記交番信号の周期を調整し、調整後の前記交番電圧信号に前記帰還信号を重畳して、前記励磁信号として前記励磁コイルに供給することを特徴とする。
本発明の磁気素子制御装置は、前記帰還信号変換部が、前記電圧情報として、前記時間幅から前記帰還信号の電圧値を示すデューティ比を求め、前記帰還信号の電圧値を示すデューティ比の矩形波を前記帰還信号調整部に対して出力し、当該帰還信号調整部が、前記矩形波をデーティに応じた直流電圧である前記帰還信号を生成することを特徴とする。
本発明の磁気素子制御装置は、前記帰還信号変換部が、前記時間幅と予め設定されている基準時間幅との差分を求め、前記電圧情報として、前記差分から前記帰還信号の電圧値を示すデジタル値を求め、当該デジタル値を前記帰還信号調整部に対して出力し、当該帰還信号調整部が、前記デジタル値の示す直流電圧である帰還信号を生成することを特徴とする。
本発明の磁気素子制御装置は、時間分解型の磁気比例方式により磁界の強度を検出するモードが選択された際、前記帰還信号調整部が、前記帰還信号の電圧値を0Vとして前記励磁信号調整部に対して供給し、前記帰還信号変換部が、前記時間幅を前記定常磁界の測定データとして出力することを特徴とする。
本発明の磁気素子制御装置は、周期的なクロック信号を発生するクロック信号生成部をさらに有し、前記クロック信号に同期した前記交番信号として三角波信号を生成する励磁信号生成部とをさらに有することを特徴とする。
本発明の磁気素子制御方法は、励磁コイル及び検出コイルからなるフラックスゲート型の磁気素子に印加される定常磁界の強度を、時間分解型の磁気平衡式により検出する際、当該磁気素子の制御を行う磁気素子制御方法であり、交番信号を生成する励磁信号生成過程と、前記交番信号から交番電圧信号を生成し、当該交番電圧信号に基づいて前記励磁コイルに印加する励磁信号を生成する励磁信号調整過程と、前記励磁信号の電流方向が切替る際の誘導起電力で発生する正又は負電圧の検出信号を検出する検出信号比較過程と、正電圧及び負電圧の検出信号間の時間幅を電圧情報に変換する帰還信号変換過程と、前記電圧情報から前記磁気素子に印加されている定常磁界をキャンセルする磁界を発生するための帰還信号を生成する帰還信号調整過程と、前記帰還信号を磁界強度を示すデータ信号として出力するデータ信号変換過程とを有し、前記励磁信号調整過程において、前記交番電圧信号に対して前記帰還信号を重畳して前記励磁信号を生成し、生成された当該励磁信号を前記励磁コイルに印加し、前記データ信号変換過程において、前記帰還信号を予め設定された、前記帰還信号の電圧値と当該帰還信号の電圧値によって生成される磁界強度が線形性を有する前記帰還信号の電圧範囲外の電圧値が飽和する増幅率により増幅して出力することを含むことを特徴とする。
本発明の磁気検出装置は、印加される定常磁界の強度を検出する磁界平衡方式による磁界検出装置であり、励磁コイル及び検出コイルからなるフラックスゲート型の磁気素子と、交番信号を生成する励磁信号生成部と、前記交番信号から交番電圧信号を生成し、当該交番電圧信号に基づいて前記励磁コイルに印加する励磁信号を生成する励磁信号調整部と、前記励磁信号の電流方向が切替る際の誘導起電力で発生する正又は負電圧の検出信号を検出する検出信号比較部と、正電圧及び負電圧の検出信号間の時間幅を電圧情報に変換する帰還信号変換部と、前記電圧情報から前記磁気素子に印加されている定常磁界をキャンセルする磁界を発生するための帰還信号を生成する帰還信号調整部と、前記帰還信号を磁界強度を示すデータ信号として出力するデータ信号変換部とを有し、前記励磁信号調整部が、前記交番電圧信号に対して前記帰還信号を重畳して前記励磁信号を生成し、生成された当該励磁信号を前記励磁コイルに印加し、前記データ信号変換部が、前記帰還信号を予め設定された、前記帰還信号の電圧値と当該帰還信号の電圧値によって生成される磁界強度が線形性を有する前記帰還信号の電圧範囲外の電圧値が飽和する増幅率により増幅して出力することを特徴とする。
この発明によれば、励磁信号に対し、定常磁界をキャンセルする磁界を発生する電圧値の帰還信号を重畳させ、定常磁界がキャンセルされた(磁気強度が0となった)際の帰還信号を、磁界強度を示す測定データトして用いるため、磁気比例式と同様の構造の磁気素子(FBコイルがなく励磁コイル及び検出コイルからなる磁気素子)を用いて、磁気平衡式の磁界強度の測定が行える。
したがって、この発明によれば、磁気検出装置に用いる磁気素子を小型化することが可能となり、磁気検出装置の小型化を実現でき、かつ小型化することにより製造価格を低下させることができる。
本発明の原理を説明する図である。 フラックスゲート型磁気素子である磁気素子50の構成例を示す図である。 フラックスゲート型磁気素子の動作原理を示すグラフである。 第1の実施形態による磁気素子制御装置110の構成例を示す図である。 第1の実施形態における磁気素子制御装置110の動作例を示すフローチャートである。 第2の実施形態による磁気素子制御装置120の構成例を示す図である。 第3の実施形態による磁気素子制御装置130の構成例を示す図である。 第3の実施形態における磁気素子制御装置130が行う磁気素子制御処理(デジタル値による帰還信号の電圧の生成処理)の動作例を説明するフローチャートである。 第3の実施形態における磁気素子制御装置130が行う磁気素子制御処理(アナログ値による帰還信号の電圧の生成処理)の動作例を説明するフローチャートである。 時間分解型FG方式の磁気素子(磁界比例式測定)の構成例を示す図である。 時間分解型FG方式の磁気素子を用いて磁界比例式における磁界検出の原理を説明する波形図である。 時間分解型FG方式の磁気素子(磁界平衡式測定)の構成例を示す図である。 時間分解型FG方式の磁気素子を用いて磁界平衡式における磁界検出の原理を説明する波形図である。 FBコイルFB制御における磁気素子制御装置を用いた磁気検出装置の構成例を示すブロック図である。
<本発明の原理>
以下、図面を参照して、本発明の原理を説明する。図1は本発明の原理を説明する図である。磁気素子制御装置100は、磁気素子制御部101と、クロック信号生成部102と、クロック信号調整部103とを備えている。本発明の磁気素子制御装置100は、検出コイル51及び励磁コイル52からなるフラックスゲート型の磁気素子50に印加される定常磁界の強度を、時間分解型の磁気平衡式により検出する際、励磁コイル52に対して印加する励磁信号を制御する。
磁気素子制御部101は、検出信号増幅部1011、検出信号比較部1012、帰還信号調整部1013、帰還信号変換部1014、データ信号変換部1015、励磁信号調整部1016及び励磁信号生成部1017を備えている。
クロック信号生成部102は、所定の周期のクロック信号を生成する発振器から構成され、生成したクロック信号をクロック信号調整部103に対して出力する。
クロック信号調整部103は、供給されるクロック信号の信号レベルを増幅したり、クロック信号の周期の変更などの処理を行い、処理結果のクロック信号を励磁信号生成部1017に対して出力する。
励磁信号生成部1017は、クロック信号調整部103から供給されるクロック信号にに基づいて、交番信号、例えば0Vを基準電位として交番する交番電圧信号としての三角波信号を生成する。
励磁信号調整部1016は、励磁信号生成部1017の生成した三角波信号を所定の増幅率にて増幅し、三角波電圧信号を生成して、励磁コイル52対して印加する。
次に、図2は、フラックスゲート型磁気素子である磁気素子50の構成例を示す図である。
磁気素子50は、磁性体コア53に対して2系統の巻線が巻かれており、一系統の巻線で構成された検出コイル51と、他系統の巻線で構成された励磁コイル52とからなる。
次に、図3は、フラックスゲート型磁気素子の動作原理を示すグラフである。図3(a)は、縦軸が電圧を示し、横軸が時間を示しており、励磁コイル52に供給する三角波電圧信号の時間変化を示すグラフである。この図3(a)において、励磁コイル52に供給される三角波電圧信号は、基準参照電圧Vref(本実施形態においては一例として0V)を境にした正負の交番信号である。図3(b)は、縦軸が電圧を示し、横軸が時間を示しており、図3(a)の三角波電圧信号による励磁コイル52に流れる励磁電流の方向の変化する(三角波電圧信号の電圧値の極性が変化し、これにより励磁電流の電流値の極性が変化する)際に、誘導起電力によって検出コイル51に生じる検出信号(時刻t1の第1検出信号、時刻t2の第2検出信号)の時間変化を示すグラフである。
ここで、図3(a)は、定常磁界(Hex)が磁気素子50に印加されたことにより、励磁コイル52に印加される三角波電圧信号の基準電位が、印加されている定常磁界を発生するDC電圧分、基準参照電圧Vrefからずれることを示している。また、この三角波電圧信号の基準参照電圧Vrefからの、定常磁界(Hex)によるずれに対応し、第1検出信号(時刻t1)及び第2検出信号(時刻t2)の発生タイミングが時間的にずれることを示している。
ここで、図3(b)から解るように、第1検出信号の時刻t1及び第2検出信号の時刻t2間の時間幅Twと、三角波の周期Tの1/2である時間T/2との差分Tdが0であれば、磁気素子50に対して定常磁界(Hex)は印加されておらず、差分Tdが正であれば負の定常磁界(Hex<0)が印加され、差分Tdが負であれば正の定常磁界(Hex>0)が印加されている。
図1に戻り、検出信号増幅部1011は、磁気素子50の検出コイル51の両端の電圧を、予め設定された増幅度によって増幅する。
検出信号比較部1012は、検出信号増幅部1011から供給される増幅された検出信号の電圧値と、予め定められた閾値電圧値とを比較し、第1検出信号及び第2検出信号(図3(b)参照)を検出する。
ここで、図3に示すように、第1検出信号は、負極性のパルスであり、励磁コイル52に対して印加される電圧の極性が正から負に変化する電圧領域で誘導起電力により発生する。一方、第2検出信号は、正極性のパルスであり、励磁コイル52に対して印加される電圧の極性が負(負電圧)から正(正電圧)に変化する電圧領域で誘導起電力により発生する。
なお、上述の説明では、励磁コイル52に印加される励磁信号が電圧信号の場合について説明したが、電流信号であってもよい。つまり、図3(a)における縦軸成分が、電流値であってもよい。この場合は、図3(a)における交番信号の基準電流値は、0A(ゼロアンペア)となる。なお、上述の説明では、図3(a)における縦軸成分を電圧として励磁コイルに印加される励磁信号を電圧信号の場合について説明したが、縦軸成分を励磁コイル52に流れる励磁信号の電流値として表現しても良い。この場合は、図3(a)においては、横軸と交差する縦軸の電流が0A(ゼロアンペア)と表される(電圧表記では基準参照電圧Vrefである)。
本発明の原理においては、FB信号である帰還信号の電圧を生成する構成として、デジタル値を用いた演算によるデジタル処理で行う構成と、アナログ値を用いた演算によるアナログ処理で行う構成とのいずれでも、磁気素子制御装置100を構成することができる。以下、デジタル処理で帰還信号の電圧を生成する構成とアナログ処理で期間電圧を生成する構成とを順番に説明する。
・デジタル処理で帰還信号の電圧を生成する構成
検出信号比較部1012は、第1検出信号から第2検出信号までの時間幅を計測し、この時間幅Twと三角波の周期Tの半分の時間、すなわちT/2との差分Td(=Tw−(T/2))を求め、帰還信号変換部1014に対して出力する。
帰還信号変換部1014は、検出信号比較部1012から時間情報である差分Tdが供給されると、この差分Tdから、FB信号としての帰還信号の電圧を生成する電圧情報を生成する。
ここで、帰還信号変換部1014には、差分Tdとこの差分Tdに対応したデジタル値の電圧情報との対応を示す時間電圧情報テーブルが内部の記憶部に予め書き込まれて記憶されている。
そして、帰還信号変換部1014は、この内部の記憶部に記憶されている時間電圧情報テーブルから、供給される差分Tdに対応する電圧情報を読み出し、帰還信号調整部1013に対して出力する。例えば、電圧情報は、帰還信号の電圧値を示すデジタル値のデータである。また、電圧情報は、差分Tdの極性が付され、すなわち差分Tdが正の場合に正の極性を有し、差分tdが負の場合に負の極性を有している。したがって、磁気素子50に対して、正の極性の定常磁界(Hex)が印加されている場合、励磁信号の電圧に対して負の極性の電圧の帰還信号を重畳し、一方、負の極性の定常磁界(Hex)が印加されている場合、励磁信号の電圧に対して正の極性の電圧の帰還信号を重畳する。
帰還信号調整部1013は、帰還信号変換部1014から供給される電圧情報に基づき、電圧情報の示す電圧値の帰還信号を生成し、FB信号として励磁信号調整部1016に対して出力する。
ここで、帰還信号調整部1013は、電圧情報がデジタル値であるので、例えば内部にD/A変換器を備え、供給されるデジタル値である電圧情報をD/A変換器に入力して直流電圧を得て、帰還信号として励磁信号調整部1016に対して出力する。
励磁信号調整部1016は、帰還信号調整部1013から供給されるFB信号である帰還信号を、内部で生成した三角波電圧信号に重畳させ、励磁信号として励磁コイル52に対して印加する。
また、励磁信号に帰還信号が重畳されている場合、検出信号比較部1012が検出する第1検出信号及び第2検出信号の時間間隔はT/2近傍にある。
このため、検出信号比較部1012は、すでに励磁信号に帰還信号が重畳されている場合、出力する時間情報として、T/2とする帰還信号と現在印加している帰還信号との誤差を示す誤差電圧となる。したがって、検出信号比較部1012は、励磁信号が印加されている場合、上述した誤差電圧を示す時間情報として差分Tdを帰還信号変換部1014に対して出力する。
また、帰還信号変換部1014は、誤差電圧を示す時間情報である差分Tdが供給されると、すでに述べたように、この差分Tdに対応する電圧情報を、内部の記憶部に記憶されている時間電圧情報テーブルから読み出し、帰還信号調整部1013に対して出力する。
また、帰還信号調整部1013は、内部に記憶部を有し、この記憶部に電圧情報が積算されて記憶され、この積算された電圧情報を用いて帰還信号の生成を行う。
ここで、帰還信号調整部1013は、差分Tdに対応する電圧情報が予め設定された設定電圧範囲内に含まれるか否かの判定を行う。
そして、帰還信号調整部1013は、この設定電圧範囲内に電圧情報が含まれていない場合、磁気素子50に対して印加されている定常磁界をキャンセルに影響ない電圧と判定する。
すなわち、帰還信号調整部1013は、制御の精度の誤差となり、ほぼ第1検出信号及び第2検出信号の時間幅がT/2であると判定する。このとき、帰還信号調整部1013は、この誤差範囲とされた電圧情報を、内部の記憶部の直前までの時間情報に積算せず、破棄する。
データ信号変換部1015は、帰還信号調整部1013から供給される電圧情報を、予め設定された増幅度により増幅し、外部に対して出力する。
このデータ信号変換部1015における増幅度は、予め線形的に測定可能な範囲の帰還信号の電圧値の範囲のみをデータ信号として出力する値に設定されている。すなわち、この増幅度は、定常磁界をキャンセルする磁界と、この磁界を発生する電圧値の帰還信号とが線形性を保つ範囲のみが増幅された電圧となり、範囲外の電圧を飽和させて一定電圧とするものである。すなわち、データ信号変換部1015は、、帰還信号の電圧値とこの電圧値によって生成される磁界強度が線形性を有する帰還信号の電圧範囲外の帰還信号の電圧値が飽和する予め設定された増幅率により、帰還信号を増幅して出力する。
したがって、このデータ信号は、定常磁界をキャンセルする磁界の強度を求める磁界電圧、すなわち定常磁界の強度を示すものである。外部にある磁界強度検出装置(不図示)は、このデータ信号示す磁界電圧の電圧値を磁界の強度に変換して、変換した磁界の強度を出力する。
ここで、磁界強度検出装置には、磁界電圧の電圧値と、この磁界電圧の電圧値に対応する磁界の強度との対応を示す磁界強度テーブルが、内部の記憶部に予め書き込まれて記憶されている。
磁界強度検出装置は、磁気素子制御装置100から供給される、データ信号の示す磁界電圧の電圧値に対応する磁界強度を、磁界強度テーブルから読み出し、定常磁界(Hex)の強度の数値とし、例えば、自身に設けられた表示部に表示する。本発明は、磁気素子制御装置100と上述した図示しない磁界強度検出装置とにより、磁気検出装置を構成する。
・アナログ処理で帰還信号の電圧を生成する構成
検出信号比較部1012は、第1検出信号と第2検出信号とを、帰還信号変換部1014に対して出力する。
帰還信号変換部1014は、第1検出信号及び第2検出信号の出力される周期(時刻t1と時刻t2との間隔、すなわち時間幅)に基づき、電圧情報としてのデューティ比を有するパルスを生成し、このパルスを電圧情報として帰還信号調整部1013に対して出力する。すなわち、帰還信号変換部1014は、電圧情報として、上記時間幅から帰還信号の電圧値を示すデューティ比を求め、この帰還信号の電圧値を示すデューティ比の矩形波を帰還信号調整部1013に対して出力する。
帰還信号調整部1013は、情報が矩形波信号で示されている場合、デューティ比に対応した直流電圧をPWM(Pulse Width Modulation)回路等により発生し、帰還信号として出力する。
例えば、第1検出信号から第2検出信号までの時間幅が、第2検出信号から第1検出信号までの時間幅に対して長い場合、定常磁界が負である必要がある。このため、帰還信号調整部1013は、定常磁界をキャンセルする正の磁界を発生させる直流電圧の帰還信号を発生する。
一方、第2検出信号から第1検出信号までの時間幅が、第1検出信号から第2検出信号までの時間幅に対して長い場合、定常磁界が正であるため、帰還信号調整部1013は、定常磁界をキャンセルする負の磁界を発生させる直流電圧の帰還信号を発生する。
すなわち、帰還信号調整部1013は、電圧情報であるパルスが供給されると、このパルスのデューティ比に対応した電圧値の帰還信号を生成し、生成した帰還信号を励磁信号調整部1016に対して出力する。
ここで、帰還信号調整部1013は、例えば、オペアンプを用いて構成された電圧電流変換回路が設けられている。この電圧電流変換回路において、オペアンプ機能のアンプを用い、正入力と負入力の電位差がゼロに維持されるようにこのアンプが機能するため、アンプの出力から正入力への電流信号は、外部磁界と比例関係となる。そして、この電流信号に比例する信号を帰還信号として、励磁コイル52に印加することで、この帰還信号による磁界が発生し、磁気素子50内の磁性体コアに印加される磁界が一定になるように調整する。結果として、外部の定常磁界に依存せず、第1検出信号と第2検出信号の時間間隔を一定に保持することができる。
励磁信号調整部1016は、デジタル処理の場合と同様に、帰還信号調整部1013から供給される帰還信号を、制御回路内部で生成した三角波電圧信号に重畳させ、この帰還信号が重畳された三角波電圧信号を励磁信号として励磁コイル52に対して印加する。
データ信号変換部1015の動作は、アナログ値を増幅する以外、デジタル処理と同様であるため、説明を省略する。
また、外部の磁界強度検出装置は、磁気素子制御装置100から供給されるアナログ値のデータ信号をA/D(Analog/Digital)変換によりデジタル値に変換し、デジタル処理で説明した動作と同様に磁界強度を求める。
上述した構成により、本発明によれば、帰還信号を励磁信号に重畳させ、この励磁信号を励磁コイル52に印加するため、磁気比例式で一般的に用いる磁気素子を利用することができ、従来の時間分解型の磁気平衡式による磁界強度の測定で使用するFBコイルが設けられた磁気素子に比較して安価かつ小型の磁気検出装置を構成することが可能となる。
ここで、磁気素子を小型化するのみでなく、磁気素子のサイズが磁気平衡式と同等の場合、FBコイルの領域を用い、励磁コイルや検出コイルの巻数を増加させることにより、励磁効率の増加によって、さらに定常磁界の測定範囲を広げたり、検出コイルにおける検出信号のS/N(Signal/Noise)比を向上させることができる。
また、本発明によれば、磁気比例式で一般的に用いる磁気素子を利用しているが、磁気比例式による磁界検出の場合に比較して、磁気素子に印加される定常磁界の強度の範囲を広くとることが可能となる。
また、本発明によれば、三角波電圧信号に対してFB信号として帰還信号を重畳しているため、従来のFBコイルに対して電流としてFB信号を印加する場合に比較して、定電流(FB信号)を生成する際の差動信号の基準電圧の時間変動を安定化させることができ、出力されるデータ信号の時間変動を抑制することができる。
また、本発明によれば、励磁信号生成部1017が三角波を生成する際、生成に用いるオペアンプの特性に起因し、基準電位近傍の非線形領域(以下、クロスオーバー歪みとする)を回避するために、検出信号(第1検出信号、第2検出信号)の時間間隔をFB制御により補正することが可能である。
例えば、磁気平衡となったタイミングを正確に判定するため、予め三角波電圧信号にオフセットを与え、基準電位がクロスオーバー歪みを有さない三角波の領域と交差するように調整する。FBコイルを用いた磁気平衡式においても、上述したクロスオーバー歪みを回避する制御を行うことは可能であるが、FB信号として用いる帰還電流を、一旦、電圧信号である帰還信号に変換する必要があるため、定電流制御ではなくなる。結果として、磁気素子50の温度により磁界強度の検出の精度が劣化することになる。
<第1の実施形態>
次に、図4を参照して、本発明の第1の実施形態による磁気素子制御装置110の説明を行う。図4は、本第1の実施形態による磁気素子制御装置110の構成例を示す図である。
本発明の原理で説明した図1の磁気素子制御装置100と同様の構成については同一の符号を付してある。図4において、磁気素子制御装置110は、磁気素子制御部111と、クロック信号生成部102と、クロック信号調整部103と、データ信号判定部104とを備えている。
以下、図1の磁気素子制御装置100の構成及び動作と異なる点のみを説明する。
磁気素子制御部111におけるオフセット電圧調整部1018は、磁気素子50に対して測定対象の定常磁界(Hex)が印加されていない状態において、第1検出信号及び第2検出信号の時間幅が基準の時間幅、例えば三角波の周期Tの半分であるT/2とからずれている場合、このずれを補正するためのオフセット電圧を発生する。このオフセット電圧は、定常磁界が0であり、磁気素子50の設置位置の周囲の環境により発生している磁界の強度に対応して、この環境による磁界をキャンセルする電圧として設定されている。
そして、オフセット電圧調整部1018は、帰還信号調整部1013から供給される帰還信号に対して、自身の発生するオフセット電圧を加算し、加算結果を新たな帰還信号として励磁信号調整部1016に対して出力する。
データ信号判定部104は、データ信号変換部1015から供給されるデータ信号の電圧値が予め設定したデータ範囲(出力データ指定範囲)に含まれているか否かの判定を行う。データ信号判定部104は、内部の記憶部に上記データ範囲が予め書き込まれて記憶されている。このデータ範囲は、データ信号変換部1015で増幅されて出力されるデータ信号の示す電圧値が、磁界とこの磁界を示す電圧値とが線形関係にある領域に含まれているか否かを判定する電圧値の範囲である。
ここで、データ信号判定部104は、データ信号の電圧値がデータ範囲に含まれていない場合、エラーを示すデータ信号(エラー信号)を、外部の磁界強度検出装置に対して出力する。また、データ信号判定部104は、データ信号の電圧値がデータ範囲に含まれている場合、電圧値を示すデータ信号を、外部の磁界強度検出装置に対して出力する。
次に、図4及び図5を用いて、本実施形態における磁気素子制御装置110の動作の説明を行う。図5は、本第1の実施形態における磁気素子制御装置110の動作例を示すフローチャートである。第1の実施形態においては、デジタル処理により帰還信号を生成する構成の場合で説明する。また、アナログ処理により帰還信号を生成する構成についても、図5のフローチャートの動作により同様に行うことができる。
ステップS1:
検出信号増幅部1011は、検出コイル51の両端の電圧を増幅し、検出信号比較部1012へ出力する。
そして、検出信号比較部1012は、第1検出信号の検出された時刻t1及び第2検出信号が検出された時刻t2間の時間幅Twから、基準の時間幅であるT/2を減算し、減算結果の差分Tdを帰還信号変換部1014に対して時間情報として出力する。また、この時間情報をデジタル値に変換する場合、TDC(Time to Digital Converter)等を用いることが望ましい。
ステップS2:
次に、帰還信号変換部1014は、供給される時間情報である差分Tdに対応した帰還信号の電圧値を示す電圧情報を、記憶部に記憶されている時間電圧情報テーブルから読み出す。
そして、帰還信号変換部1014は、読み出した電圧情報を、帰還信号調整部1013に対して出力する。
ステップS3:
次に、帰還信号変換部1014は、内部の記憶部に記憶されている、現在の三角波電圧信号に重畳させている帰還信号を示す直前の電圧情報を読み出す。
そして、帰還信号変換部1014は、記憶部から読み出した電圧情報に対して、検出信号から供給される電圧情報を加算する。
帰還信号変換部1014は、加算結果の電圧情報に基づいて、この電圧情報の示す電圧値を有する帰還信号を生成し、オフセット電圧調整部1018に対して出力する。
また、帰還信号変換部1014は、加算結果の電圧情報を新たな直前の電圧情報として、内部の記憶部に書き込んで記憶させ、かつこの電圧情報(デジタル値)をデータ信号変換部1015に対して出力する。
ステップS4:
次に、オフセット電圧調整部1018は、供給される帰還信号に対して、自身の生成したオフセット電圧を加算し、新たな帰還信号として励磁信号調整部1016に対して出力する。
また、オフセット電圧調整部1018は、内部の記憶部に記憶されている、オフセット電圧を示すデジタル値であるオフセット情報を、データ信号変換部1015に対して出力する。
そして、励磁信号調整部1016は、クロック信号調整部103の出力するクロック信号に同期した三角波電圧信号に対して、オフセット電圧調整部1018から供給される期間電圧を重畳し、励磁信号として励磁コイル52に対して印加する。
ステップS5:
次に、データ信号変換部1015は、帰還信号調整部1013より供給される電圧情報から、オフセット電圧調整部1018より供給されるオフセット情報を減算し、減算結果を新たな電圧情報とする。
そして、データ信号変換部1015は、減算結果の電圧情報を予め設定した増幅度により増幅し、増幅結果をデータ信号としてデータ信号判定部104に対して出力する。
ステップS6:
次に、データ信号判定部104は、データ信号の示す電圧値が予め設定されているデータ範囲に含まれているか否かの判定を行う。
このとき、データ信号判定部104は、データ信号の示す電圧値がデータ範囲に含まれている場合、処理をステップS7へ進め、一方、データ信号の示す電圧値がデータ範囲に含まれていない場合、処理をステップS8へ進める。
ステップS7:
次に、データ信号判定部104は、データ信号がデータ範囲に含まれているため、このデータ信号をそのまま、外部に配置された磁界強度検出装置に対して出力する。
そして、外部の磁界強度検出装置は、供給されたデータ信号の示す電圧値に対応した磁界強度を、内部の記憶部に記憶された磁界強度テーブルから読み出し、自身の表示部に読み出した磁界強度を表示する。
ステップS8:
一方、データ信号判定部104は、データ信号がデータ範囲に含まれていないため、このデータ信号を破棄し、エラー信号を外部に配置された磁界強度検出装置に対して出力する。
このとき、この磁界強度検出装置は、例えば、エラー信号が供給されると自身の表示部に、測定範囲を超えていることをユーザに対して通知する情報を表示する。
電源が供給されると、磁気素子制御装置110は、上述した図5に示すフローチャートに従い、ステップS1からステップS8の処理を行う。
ここで、測定対象の磁界強度を測定する際、測定対象の磁界が無い状態において、上述したステップS1からステップS8の測定を行い、得られた測定値をオフセット電圧調整部1018に対して設定する。
そして、オフセット電圧をオフセット電圧調整部1018に設定した後、測定対象の磁界強度の測定を、ステップS1からステップS8の処理により行う。
また、磁気素子制御装置110に対して電源が投入された際、帰還信号調整部1013は、内部の記憶部にある電圧情報の積算されたデータをリセットし、初期値として0を書き込む。
本実施形態によれば、FB信号である帰還信号を励磁信号に重畳させ、この励磁信号を励磁コイル52に印加するため、磁気比例式で一般的に用いる磁気素子を利用することができ、従来の磁気平衡型で使用するFBコイルが設けられた磁気素子に比較して安価かつ小型の磁気検出装置を構成することが可能となる。
ここで、磁気素子を小型化するのみでなく、磁気素子のサイズが磁気平衡式と同等の場合、FBコイルの領域を用い、励磁コイルや検出コイルの巻数を増加させることにより、励磁効率の増加によって、さらに定常磁界の測定範囲を広げたり、検出コイルにおける検出信号のS/N(Signal/Noise)比を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、オフセット電圧とともに帰還信号を励磁信号に重畳させるため、周囲の環境による磁界強度に対応したオフセット電圧をオフセット電圧調整部1018に設定しておくことにより、精度良く容易に測定対象の磁界強度を測定することができる。
<第2の実施形態>
次に、図6を参照して、本発明の第2の実施形態による磁気素子制御装置120の説明を行う。図6は、第2の実施形態による磁気素子制御装置120の構成例を示す図である。
本発明の第1の実施形態で説明した図4の磁気素子制御装置110と同様の構成については同一の符号を付してある。図6において、磁気素子制御装置120は、磁気素子制御部121と、クロック信号生成部102と、クロック信号調整部103と、データ信号判定部104とを備えている。
磁気素子制御部121は、検出信号増幅部1011と、検出信号比較部1012と、帰還信号調整部1013、帰還信号変換部1014と、データ信号変換部1015と、励磁信号調整部1016と、励磁信号生成部1017と、オフセット電圧調整部1018と、温度センサ1019とを備えている。
以下、図4の磁気素子制御装置110の構成及び動作と異なる点のみを説明する。
温度センサ1019は、磁気素子50の温度を測定し、測定した温度示す温度データをデータ信号変換部1015、オフセット電圧調整部1018、励磁信号調整部1016の各々に対して出力する。
これにより、オフセット電圧調整部1018は、温度とオフセット電圧に乗ずるオフセット補正係数との対応を示すオフセット補正テーブルが、内部の記憶部に予め書き込まれて記憶されている。
次に、オフセット電圧調整部1018は、温度センサ1019から供給される温度データに対応したオフセット補正係数を読み出す。
そして、オフセット電圧調整部1018は、内部の記憶部から読み出したオフセット情報に対して、読み出したオフセット補正係数を乗算し、乗算結果のオフセット情報に対応したオフセット電圧を生成する。
また、データ信号変換部1015は、温度と、帰還信号調整部1013から供給される電圧情報の温度による影響を補正するための電圧情報補正係数との対応を示す電圧情報補正テーブルが、内部の記憶部に予め書き込まれて記憶されている。
そして、データ信号変換部1015は、温度センサ1019から供給される温度データに対応する電圧情報補正係数を、電圧情報補正テーブルから読み出す。
データ信号変換部1015は、読み出した電圧情報補正係数を、帰還信号調整部1013から供給させる電圧情報に乗じて、乗算結果の電圧情報と補正されたオフセット情報とにより、データ信号を生成する。
また、励磁信号調整部1016は、温度と、三角波電圧信号に帰還信号を重畳した励磁信号の電圧値の温度による影響を補正するための電圧値補正係数との対応を示す電圧値補正テーブルが、内部の記憶部に予め書き込まれて記憶されている。
そして、励磁信号調整部1016は、温度センサ1019から供給される温度データに対応する電圧値補正係数を、電圧値補正テーブルから読み出す。
励磁信号調整部1016は、読み出した電圧値補正係数を、自身が生成した励磁信号の電圧に乗じて、乗算結果の励磁信号を励磁コイル52に対して印加する。
また、励磁信号調整部1016は、温度と、励磁信号の周期の温度による影響を補正するための周期補正係数との対応を示す周期補正テーブルが、内部の記憶部に予め書き込まれて記憶されている。
そして、励磁信号調整部1016は、温度センサ1019から供給される温度データに対応する周期補正係数を、周期補正テーブルから読み出す。
励磁信号調整部1016は、読み出した周期補正係数により、励磁信号生成部1017から供給される三角波の周期を補正し、補正結果の三角波から三角波電圧信号を生成する。
また、すでに説明した第1の実施形態及び本実施形態においては、オフセット電圧調整部1018までの処理をデジタル値を用いた演算処理で行い、すなわち励磁信号調整部1016に対して、帰還信号調整部1013からは、帰還信号として、この帰還信号の電圧値を示すデジタル値の電圧情報が供給されるように構成しても良い。
この場合、励磁信号生成部1017は、三角波をデジタル値にて励磁信号調整部1016に対して出力する。
また、励磁信号調整部1016は、クロック信号調整部103の出力するクロック信号に同期させて、三角波電圧信号に対して帰還信号を加算して重畳させ、加算結果をD/A変換することにより励磁信号を生成するようにしても良い。
ここで、任意の時間幅の測定周期をクロック信号に同期させて生成し、励磁コイル52に対して励磁信号を印加して測定処理を行う期間と、励磁コイル52に対しての励磁信号の印加を停止して測定を行わない期間を交互に設け、励磁コイル52を間欠動作させる。
これにより、磁気素子50自体の発熱が抑制され、温度変化を低減することにより、より精度の高い磁界強度の測定が行える。
さらに、この間欠動作の機能を用いて、複数の磁気素子の励磁コイルを順番に駆動することにより、1つの磁気素子制御装置により、複数の磁気素子により定常磁界を測定することが可能である。
例えば、3個の磁気素子の各々の測定軸、すなわちx軸、y軸及びz軸の3軸のそれぞれを直交するように磁気素子を設け、3次元空間における磁界強度及び磁界の方向を測定する他軸の磁気素子の制御に用いることができる。
また、第2の実施形態は、上述したように、電圧情報、オフセット情報及び励磁信号の温度補償を行っている。
励磁信号調整部1016における励磁信号の温度補償を行わない場合、励磁コイル52の温度変化により、励磁コイル52の抵抗値が変化し、励磁信号により流れる電流値が変動することになる。また、励磁信号調整部1016を構成する回路の温度特性により、励磁信号の周期や波高値(例えば、三角波電圧信号の波高値)が変動する場合がある。
ここで、FB制御の場合、FB信号の1回の帰還時間に対して温度測定により検出される温度の変化が十分に遅いため、磁気素子50に対して印加される定常磁界をキャンセルするFB信号を生成する際の収束性にはほとんど影響を及ぼすことはない。
しかしながら、上述したように、温度変化に伴う励磁コイル52の抵抗値の変動により、励磁信号によって励磁コイル52に流れる電流(励磁電流)が変化し、磁気素子50に印加されている定常磁界の磁気感度が変動することになる。
また、磁気感度の変動に対応し、検出コイル51から出力される検知信号(第1検知信号及び第2検知信号)の時間幅から求めた電圧情報を、データ信号変換部1015における温度補償により補正することは可能である。結果として、電流制御の励磁信号と同等の磁気感度の温度依存性を実現することが可能となる。
しかしながら、検知信号(第1検知信号及び第2検知信号)の信号波形が変化する(例えば、信号の幅が広がるなど)ことにより、この測定される差分Td自体が変動する場合がある。このため、測定される時間幅を補正するためには、本実施形態のように、励磁信号の周期自体を温度補償することが、磁気感度の変動を抑制するためには有効である。
また、この励磁信号の周期を補正することに加え、本実施形態のように、オフセット電圧調整部1018において、温度変化に対応させてオフセット電圧を補正することも、差分Tdを補償するためには有効となる。
<第3の実施形態>
次に、図7を参照して、本発明の第3の実施形態による磁気素子制御装置130の説明を行う。図7は、第3の実施形態による磁気素子制御装置130の構成例を示す図である。
本発明の第2の実施形態で説明した図6の磁気素子制御装置120と同様の構成については同一の符号を付してある。図7において、磁気素子制御装置130は、磁気素子制御部131と、クロック信号生成部102と、クロック信号調整部103と、データ信号判定部104とを備えている。
磁気素子制御部131は、検出信号増幅部1011と、検出信号比較部1012と、帰還信号調整部1013、帰還信号変換部1014と、データ信号変換部1015と、励磁信号調整部1016と、励磁信号生成部1017と、オフセット電圧調整部1018と、温度センサ1019と、第1アナログスイッチ1020と、第2アナログスイッチ1021とを備えている。
以下、図6の磁気素子制御装置120の構成及び動作と異なる点のみを説明する。
第3の実施形態と第2の実施形態と異なる構成は、磁気平衡式の磁界測定と磁気比例式の磁界測定とのいずれにも対応することができる点である。
すなわち、第3の実施形態は、第2の実施形態における磁気平衡式の磁界測定の構成を、磁気比例式の磁界測定の構成に、利用者が任意に切り換えることができる。以下、帰還電圧を生成する処理をデジタル値によって行う場合で説明するが、帰還電圧の生成をアナログ処理で行う場合も同様である。
図7において、第1アナログスイッチ1020及び第2アナログスイッチの各々は、磁気平衡式の構成とするか、あるいは磁気比例式の構成とするかの切替を行っている。
すなわち、磁気素子制御部131は、磁気素子制御装置130の図示しない切替スイッチが、磁気平衡式の構成とする制御を示す状態であることを検出すると、第1アナログスイッチ1020を導通状態(ON)とし、第2アナログスイッチ1021を非導通状態(OFF)とする。
これにより、帰還信号変換部1014で、時間を示す差分Tdが帰還信号調整部1013へ出力され、第2の実施形態と同様の磁界の測定処理が行われる。
一方、磁気素子制御部131は、磁気素子制御装置130の図示しない切替スイッチが、磁気比例式の構成とする制御を示す状態であることを検出すると、第1アナログスイッチ1020を非導通状態(OFF)とし、第2アナログスイッチ1021を導通状態(ON)とする。
これにより、帰還信号変換部1014は、時間を示す差分Tdに対応する電圧情報を求めた後、この電圧情報を帰還信号調整部1013へ出力せず、データ信号変換部1015に対して出力することになる。
そして、帰還信号変換部1014は、上記切替スイッチが磁気比例式の構成とする制御を示す状態である場合、帰還信号比較部1012から供給される差分Tdに基づいて磁界強度を示す電圧値を出力する。
ここで、帰還信号変換部1014には、差分Tdとこの差分Tdに対応する磁気強度を示す電圧値との対応を示す磁気比例式電圧テーブルが、内部の記憶部に予め書き込まれて記憶されている。
そして、帰還信号変換回路1014は、検出信号比較部1012から供給される差分Tdに対応する電圧値を、磁気比例式電圧テーブルから読み出し、磁気比例式の場合に対応して設定された増幅率によりこの電圧値を増幅し、データ信号判定部104に対して出力する。この磁気比例式の場合の増幅率も、磁気比例式の場合の増幅率と同様に、電圧値と磁気強度とが線形関係にある領域のみを取り出すためのリミッタとなる値に設定されている。
したがって、帰還信号変換回路1014は、磁気平衡式の構成である場合、磁気平衡式の場合に対応して設定された増幅率により帰還信号調整部1013から供給される電圧情報を増幅し、データ信号の電圧値として、データ信号判定部104に対して出力する。
また、データ信号判定部104は、磁気比例式の場合も、磁気平衡式の場合と同様に、予め設定された線形関係が維持されている範囲内であるか否かの判定を行う。
次に、図7及び図8を用いて第3の実施形態における磁気素子制御装置130の磁気素子制御処理を説明する。図8は、第3の実施形態における磁気素子制御装置130が行う磁気素子制御処理(デジタル値による帰還電圧の生成処理)の動作例を説明するフローチャートである。
ステップS11:
検出信号増幅部1011は、検出コイル51の両端の電圧を増幅し、検出信号比較部1012へ出力する。
検出信号比較部1012は、第1検出信号の検出された時刻t1及び第2検出信号が検出された時刻t2間の時間幅Twから、基準の時間幅であるT/2を減算し、減算結果の差分Tdを帰還信号変換部1014に対して、測定された時間情報として出力する。
ステップS12:
磁気素子制御部131は、切替スイッチが磁気平衡式の構成として磁気素子制御装置130を使用すること示す帰還制御の状態(磁気平衡式モード)、あるいは磁気比例式の構成として磁気素子制御装置130を使用することを示す帰還制御でないことを示す状態(磁気比例式モード)のいずれであるかの検出を行う。
ここで、磁気素子制御部131は、切替スイッチが磁気平衡式モードである場合、処理をステップS13へ進め、一方、切替スイッチが磁気比例式モードである場合、処理をステップS23へ進める。
ステップS13:
次に、磁気素子制御部131は、切替スイッチが磁気平衡モードである場合、第1アナログスイッチ1020を導通状態とし、第2アナログスイッチ1021を非導通状態とする。
これにより、帰還信号変換部1014は、検出信号比較部1012から供給される差分Tdから、この差分Tdに対応する電圧値を求め、この求めた電圧値を電圧情報として、帰還信号調整部1013に対して出力する。この差分Tdから電圧値を求める処理は、第1の実施形態及び第2の実施形態と同様である。
ステップS14:
次に、帰還信号変換部1014は、検出信号比較部1012から供給される差分Tdから、この差分Tdに対応する電圧値を求め、この電圧値を電圧情報として帰還信号調整部1013に対して出力する。
電圧情報が供給されると、帰還信号調整部1013は、自身の記憶部に書き込まれている直前の帰還電圧の電圧値に対して、この電圧情報の示す電圧値を加算し、加算結果を新たな帰還電圧の電圧値とする。
ステップS15:
次に、帰還信号調整部1013は、加算結果の新たな帰還電圧の電圧値が予め設定した最大電圧以下(指定範囲内)であるか否かの判定を行う。この最大電圧は、励磁コイル52に対して印加する帰還電圧の電圧値の範囲を規定する第1電圧閾値範囲(−から+の極性を有する電圧値の範囲)であり、例えば、印加すると励磁コイルが破損する絶対最大定格の電圧値の90%程度の電圧に設定されている。
このとき、帰還信号調整部1013は、この第1電圧閾値範囲に含まれる場合、処理をステップS16へ進め、この第1電圧閾値範囲に含まれない場合、処理をステップS18へ進める。
また、帰還信号調整部1013は、帰還電圧が第1電圧閾値範囲に含まれると判定された場合、内部に設けられたカウンタのカウント処理、すなわちカウント値をインクリメント(カウント値に1を加算)する。
ステップS16:
次に、帰還信号調整部1013は、内部に設けられたカウンタのカウント値が、内部の記憶部に予め書き込まれて記憶され(内部の記憶部に設定され)ているカウント閾値未満か否かの判定を行う。
このとき、帰還信号調整部1013は、カウンタのカウント値がカウント閾値未満である場合、処理をステップS17へ進め、一方、カウント値がカウント閾値以上である場合、処理をステップS18へ進める。
上記カウント閾値は、帰還電圧を求める際に収束しない場合を考えて設定したものである。したがって、カウント閾値は、一定の定常磁界を磁気素子50に印加し、この定常磁界の磁界強度を誤差範囲内で測定できる、すなわち定常磁界をキャンセルする帰還電圧を算出することができた帰還電圧の算出の繰り返し回数を求める。そして、この繰り返し回数に基づき、例えばこの繰り返し回数に任意の倍数(2等の任意の数値)を乗じた数値をカウント閾値として、帰還信号調整部1013が内部に有する記憶部に書き込んで記憶させておく。
ステップS17:
次に、帰還信号調整部1013は、差分Tdから求められた電圧情報の電圧値の絶対値が、予め設定された第2電圧閾値未満か否かの判定を行う。
このとき、帰還信号調整部1013は、差分Tdから求められた電圧情報の電圧値が第2電圧閾値以上である場合、処理をステップS20へ進め、一方、電圧情報の電圧値が第2閾値未満である場合、処理をステップS19へ進める。
ここで、第2電圧閾値範囲は、現在の帰還電圧に加算しても、測定誤差を超える磁界強度を変化させる電圧値か否かを判定するものである。したがって、帰還信号調整部1013は、第2電圧閾値範囲に含まれる電圧値を、測定における誤差内の磁界強度の変化しか与えない電圧値と判定し、この電圧情報の示す電圧値を、内部の記憶部に積算されている帰還電圧に対して加算する処理をおこなわない。また、第2電圧閾値範囲は、実験などにより求め、帰還信号調整部1013の内部の記憶部に予め書き込まれて記憶されている。
ステップS18:
帰還信号調整部1013は、磁気素子50に対して現在印加されている定常磁界が測定不能として、データ信号判定部104を介し、外部の磁界強度検出装置に対してエラー信号を出力する。
エラー信号が供給されることにより、磁界強度検出装置は、磁気素子50に対して現在印加されている定常磁界が測定不能であることを示す通知を、自身の表示部に対して表示する。
ステップS19:
次に、帰還信号調整部1013は、新たに求めた帰還電圧を内部の記憶部に対し、直前の帰還電圧として書き込んで記憶させる。
また、帰還信号調整部1013は、この新たに求めた帰還電圧の電圧値に対応する電圧を生成し、FB信号としてオフセット電圧調整部1018に対して出力する。このとき、帰還信号調整部1013は、帰還電圧の電圧値が求まらない場合、直前の帰還電圧の電圧値をオフセット電圧調整部1018に対して継続して出力している。
次に、オフセット電圧調整部1018は、内部の記憶部に記憶されているオフセット情報の電圧値のオフセット電圧を生成する。
また、オフセット電圧調整部1018は、帰還信号調整部1013から供給されるFB信号に対し、生成したオフセット電圧を重畳して、重畳した結果を新たなFB信号として、励磁信号調整部1016に対して出力する。
そして、励磁信号調整部1016は、励磁信号生成部1017から供給される三角波から三角波電圧信号を生成する。
励磁信号調整部1016は、生成した三角波電圧信号に対して、オフセット電圧調整部1018から供給されるFB信号を重畳させ、励磁信号を生成して励磁コイル52に対して印加する。この後、励磁信号調整部1016は、処理をステップS11へ戻す。
ステップS20:
次に、帰還信号調整部1013は、内部の記憶部に記憶されている帰還電圧の電圧値を読み出し、データ信号変換部1015に対して出力する。
また、オフセット電圧調整部1018は、内部の記憶部に記憶されているオフセット情報を、データ信号変換部1015に対して出力する。
そして、データ信号変換部1015は、帰還信号調整部1013から供給された帰還電圧の電圧値から、オフセット電圧調整部1018から供給されたオフセット情報の電圧値を減算し、この減算結果の電圧値を予め設定された増幅率により増幅し、データ信号としてデータ信号判定部に対して出力する。
ステップS21:
次に、データ信号判定部104は、データ信号変換部1015から供給されるデータ信号の示す電圧値が、内部の記憶部に記憶されているデータ範囲に含まれているか否かの判定をおこなう。このとき、データ信号判定部104は、データ信号の示す電圧値がデータ範囲に含まれている場合、処理をステップS22へ進める。一方、データ信号判定部104は、データ信号の示す電圧値がデータ範囲に含まれていない場合、処理をステップS23へ進める。
ステップS22:
次に、データ信号判定部104は、データ信号変換部1015から供給されたデータ信号を、外部の磁界検出装置に対して出力する。
この磁界検出装置は、すでに述べたように、内部の記憶部に記憶されている磁界強度テーブルから、磁気素子制御装置130から供給されたデータ信号の示す電圧値に対応する磁界強度を読み出し、自身の表示部に対して表示する。
ステップS23:
次に、データ信号判定部104は、データ信号変換部1015から供給されたデータ信号を破棄し、エラー信号を外部の磁界検出装置に対して出力する。
この磁界検出装置は、すでに述べたように、磁気素子制御装置130からエラー信号が供給されると、印加されている定常磁界が測定不能であることを示す通知を、自身の表示部に対して表示する。
ステップS24:
次に、磁気素子制御部131は、切替スイッチが磁気比例モードである場合、第1アナログスイッチ1020を非導通状態とし、第2アナログスイッチ1021を導通状態とする。
これにより、帰還信号変換部1014は、上記切替スイッチが磁気比例式の構成とする制御を示す構成であるため、検出信号比較部1012から供給される差分Tdに基づいて磁界強度を示す電圧値を、データ信号変換部1015に対して出力する。
ステップS25:
次に、帰還信号変換部1014は、検出信号比較部1012から供給される差分Tdに基づいて磁界強度を示す電圧値を求め、求めた電圧値をデータ信号変換部1015に対して出力する。
この磁界比例式による磁界強度の検出は、すでに述べた従来例の場合と同様である。
次に、図7及び図9を用いて第3の実施形態における磁気素子制御装置130の他の磁気素子制御処理を説明する。図9は、第3の実施形態における磁気素子制御装置130が行う磁気素子制御処理(アナログ値による帰還電圧の生成処理)の動作例を説明するフローチャートである。
ステップS31:
磁気素子制御部131は、切替スイッチが磁気平衡式の構成として磁気素子制御装置130を使用すること示す状態(磁気平衡式モード)、あるいは磁気比例式の構成として磁気素子制御装置130を使用することを示す状態(磁気比例式モード)のいずれであるかの検出を行う。
ここで、磁気素子制御部131は、切替スイッチが磁気平衡式モードである場合、処理をステップS32へ進め、一方、切替スイッチが磁気比例式モードである場合、処理をステップS41へ進める。
ステップS32:
次に、磁気素子制御部131は、切替スイッチが磁気平衡モードである場合、第1アナログスイッチ1020を導通状態とし、第2アナログスイッチ1021を非導通状態とする。
これにより、磁気素子制御装置130は、磁気平衡式による磁界強度の検出をおこなう構成となる。
ステップS33:
次に、検出信号増幅部1011は、検出コイル51の両端の電圧を増幅し、検出信号比較部1012へ出力する。
そして、検出信号比較部1012は、検出された第1検出信号及び第2検出信号を時間情報として、帰還信号変換部1014に対して出力する。
ステップS34:
検出信号が供給されると、帰還信号変換部1014は、第1検出信号及び第2検出信号の出力される周期(時間情報)に基づき、電圧情報としてのデューティ比を有するパルスの列(以下パルス列)を生成し、このデューティ比を有するパルス列を電圧情報として帰還信号調整部1013に対して出力する。
ステップS35:
帰還信号調整部1013は、供給されるデューティ比を有するパルス列により、PWM回路などにより、直流電圧を生成して帰還信号として、オフセット電圧調整部1018に対して出力する。
すなわち、帰還信号調整部1013は、電圧情報であるパルスが供給されると、このパルスのデューティ比に対応した電圧値の帰還信号を生成し、生成した帰還信号をオフセット電圧調整部1018に対して出力する。
ここで、帰還信号調整部1013は、例えば、オペアンプを用いて構成された電圧電流変換回路が設けられている。この電圧電流変換回路において、オペアンプ機能のアンプを用い、正入力と負入力の電位差がゼロに維持されるようにこのアンプが機能するため、アンプの出力から正入力への電流信号は、外部磁界と比例関係となる。そして、この電流信号に比例する信号を帰還信号として、励磁コイル52に印加することで、この帰還信号による磁界が発生し、磁気素子50内の磁性体コアに印加される磁界が一定になるように調整する。結果として、外部の定常磁界に依存せず、第1検出信号と第2検出信号の時間間隔を一定に保持することができる。
ステップS36:
次に、励磁信号調整部1016は、オフセット電圧調整部1018から供給される帰還信号を、三角波から生成した三角波電圧信号に対して重畳し、励磁信号を作成して励磁コイル52に対して印加する。
ステップS37:
次に、オフセット電圧調整部1018は、内部の定電圧源が発生するオフセット電圧をデータ信号変換部1015に対して出力する。
これにより、データ信号変換部1015は、帰還信号調整部1013から供給された帰還信号から、オフセット電圧調整部1018から供給されたオフセット電圧を減算し、この減算結果の電圧値を予め設定された増幅率により増幅し、データ信号としてデータ信号判定部に対して出力する。
ステップS38:
次に、データ信号判定部104は、データ信号変換部1015から供給されるデータ信号の示す電圧値が、内部の判定回路に設定されている2個の閾値電圧で規定されるデータ範囲に含まれているか否かの判定をおこなう。このとき、データ信号判定部104は、データ信号の示す電圧値がデータ範囲に含まれている場合、処理をステップS39へ進める。一方、データ信号判定部104は、データ信号の示す電圧値がデータ範囲に含まれていない場合、処理をステップS40へ進める。
ステップS39:
次に、データ信号判定部104は、データ信号変換部1015から供給されたデータ信号を、外部の磁界検出装置に対して出力する。
この磁界検出装置は、すでに述べたように、A/D変換によりデータ信号の電圧をデジタル値に変換し、変換したデジタル値により内部の記憶部に記憶されている磁界強度テーブルから、磁気素子制御装置130から供給されたデータ信号の示す電圧値に対応する磁界強度を読み出し、自身の表示部に対して表示する。
ステップS40:
次に、データ信号判定部104は、データ信号変換部1015から供給されたデータ信号を破棄し、エラー信号を外部の磁界検出装置に対して出力する。
この磁界検出装置は、すでに述べたように、磁気素子制御装置130からエラー信号が供給されると、印加されている定常磁界が測定不能であることを示す通知を、自身の表示部に対して表示する。
ステップS41:
次に、磁気素子制御部131は、切替スイッチが磁気比例モードである場合、第1アナログスイッチ1020を非導通状態とし、第2アナログスイッチ1021を導通状態とする。
これにより、帰還信号変換部1014は、上記切替スイッチが磁気比例式の構成とする制御を示す構成であるため、検出信号比較部1012から供給される差分Tdに基づいて磁界強度を示す電圧値を、データ信号変換部1015に対して出力する。
ステップS42:
次に、検出信号増幅部1011は、検出コイル51の両端の電圧を増幅し、検出信号比較部1012へ出力する。
そして、検出信号比較部1012は、検出された第1検出信号及び第2検出信号を時間情報として、帰還信号変換部1014に対して出力する。
ステップS43:
検出信号が供給されると、帰還信号変換部1014は、第1検出信号及び第2検出信号の出力される周期(時間情報)に基づき、電圧情報としてのデューティ比を有するパルスの列(以下パルス列)を生成し、このデューティ比を有するパルス列を電圧情報としてデータ信号変換部1015に対して出力する。
データ信号変換部1015は、供給されるデューティ比を有するパルス列により、PWM回路などにより、直流電圧を生成して測定電圧とする。
そして、データ信号変換部1015は、生成した測定電圧から、オフセット電圧調整部1018から供給されるオフセット電圧を減算し、減算結果をオフセット電圧を補正した測定電圧とする。後段のステップS37においては、測定電圧を帰還信号として処理が行われる。
上述した第3の実施形態は、第1アナログスイッチ1020及び第2アナログスイッチ1021の各々の導通状態を制御することにより、磁気素子制御装置130を磁気平衡式による磁界測定の構成、あるいは磁気比例式による磁界測定の構成のいずれかに切り換えて用いることができる。
第3の実施形態は、第1アナログスイッチ1020を非導通状態とすることにより、帰還信号を三角波電圧信号に重畳させず、すなわち励磁信号に対して、磁気素子50に印加されている定常磁界をキャンセルする帰還信号を重畳させることをせずに、定常磁界をキャンセルする電圧を、測定電圧として直接に磁界強度に変換する構成を簡易な回路により実現している。
磁気比例式による磁界測定の場合、励磁電流と励磁効率とに制限される測定磁界範囲に対応して、測定対象の定常磁界の測定を考慮することにより、磁界と測定された測定電圧との間に良好な線形性が得られる。さらに、この磁気比例式における測定磁界範囲内の定常磁界を測定する際、FB信号の生成を行う必要がないため、消費電流を抑制することが可能となる。
一方、測定磁界範囲が広い、すなわち磁気比例式における測定磁界範囲より磁界強度の大きい範囲における磁界測定を行う場合、第1の実施形態及び第2の実施形態と同様に、磁気平衡式による磁界測定を行う必要がある。この磁気平衡式により、広い磁界強度の範囲で磁界と帰還信号との線形性を得ることができる。
また、すでに説明した第1の実施形態及び第2の実施形態と同様に、オフセット電圧調整部1018までの処理をデジタル値を用いた演算処理で行い、すなわち励磁信号調整部1016に対して、帰還信号調整部1013からは、帰還信号として、この帰還信号の電圧値を示すデジタル値の電圧情報が供給されるように構成しても良い。
この場合、励磁信号生成部1017は、三角波をデジタル値にて励磁信号調整部1016に対して出力する。
この構成とすることにより、第2の実施形態と同様に、励磁信号調整部1016は、クロック信号調整部103の出力するクロック信号に同期させて、三角波電圧信号に対して帰還信号を加算して重畳させ、加算結果をD/A変換することにより励磁信号を生成するようにしても良い。
ここで、任意の時間幅の測定周期をクロック信号に同期させて生成し、励磁コイル52に対して励磁信号を印加して測定処理を行う期間と、励磁コイル52に対しての励磁信号の印加を停止して測定を行わない期間を交互に設け、励磁コイル52を間欠動作させる。
これにより、磁気素子50自体の発熱が抑制され、温度変化を低減することにより、より精度の高い磁界強度の測定が行える。
さらに、第2の実施形態と同様に、この間欠動作の機能を用いて、複数の磁気素子の励磁コイルを順番に駆動することにより、1つの磁気素子制御装置により、複数の磁気素子により定常磁界を測定することが可能である。
例えば、3個の磁気素子の各々の測定軸、すなわちx軸、y軸及びz軸の3軸のそれぞれを直交するように磁気素子を設け、3次元空間における磁界強度及び磁界の方向を測定する他軸の磁気素子の制御に用いることができる。
また、図1の磁気素子制御部101、図4の磁気素子制御部111、図6の磁気素子制御部121及び図7の磁気素子制御部131各々の機能(デジタル値による帰還信号の生成を行う演算処理)を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより磁気素子制御の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
50…磁気素子 51…検出コイル 52…励磁コイル 100,110,120,130…磁気素子制御装置 101,111,121,131…磁気素子制御部 102…クロック信号発生部 103…クロック信号調整部 104…データ信号判定部 1011…検出信号増幅部 1012…検出信号比較部 1013…帰還信号調整部 1014…帰還信号変換部 1015…データ信号変換部 1016…励磁信号調整部 1017…励磁信号生成部 1018…オフセット電圧調整部 1019…温度センサ 1020…第1アナログスイッチ 1021…第2アナログスイッチ

Claims (10)

  1. 励磁コイル及び検出コイルからなるフラックスゲート型の磁気素子に印加される定常磁界の強度を、時間分解型の磁気平衡式により検出する際、当該磁気素子の制御を行う磁気素子制御装置であり、
    交番信号を生成する励磁信号生成部と、
    前記交番信号から交番電圧信号を生成し、当該交番電圧信号に基づいて前記励磁コイルに印加する励磁信号を生成する励磁信号調整部と、
    前記励磁信号の電流方向が切替る際の誘導起電力で発生する正又は負電圧の検出信号を検出する検出信号比較部と、
    正電圧及び負電圧の検出信号間の時間幅を電圧情報に変換する帰還信号変換部と、
    前記電圧情報から前記磁気素子に印加されている定常磁界をキャンセルする磁界を発生するための帰還信号を生成する帰還信号調整部と、
    前記帰還信号を磁界強度を示すデータ信号として出力するデータ信号変換部と
    を有し、
    前記励磁信号調整部が、前記交番電圧信号に対して前記帰還信号を重畳して前記励磁信号を生成し、生成された当該励磁信号を前記励磁コイルに印加し、
    前記データ信号変換部が、前記帰還信号を予め設定された、前記帰還信号の電圧値と当該帰還信号の電圧値によって生成される磁界強度が線形性を有する前記帰還信号の電圧範囲外の電圧値が飽和する増幅率により増幅して出力する
    とを特徴とする磁気素子制御装置。
  2. 定常磁界を測定する周囲環境による磁界に対応するオフセット電圧を前記帰還信号に重畳させ、このオフセット電圧が重畳された当該帰還信号を前記励磁信号調整部に対して出力するオフセット電圧調整部をさらに有することを特徴とする請求項に記載の磁気素子制御装置。
  3. 前記磁気素子の温度を測定する温度センサを有し、
    前記励磁信号調整部が、
    前記温度に対応した係数を前記交番電圧信号に乗じて補正し、補正後の前記交番電圧信号に前記帰還信号を重畳して、前記励磁信号として前記励磁コイルに供給する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の磁気素子制御装置。
  4. 前記磁気素子の温度を測定する温度センサを有し、
    前記励磁信号生成部が、
    前記温度に対応した係数に対応して前記交番信号の周期を調整し、調整後の前記交番電圧信号に前記帰還信号を重畳して、前記励磁信号として前記励磁コイルに供給する
    ことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載の磁気素子制御装置。
  5. 前記帰還信号変換部が、前記電圧情報として、前記時間幅から前記帰還信号の電圧値を示すデューティ比を求め、前記帰還信号の電圧値を示すデューティ比の矩形波を前記帰還信号調整部に対して出力し、
    当該帰還信号調整部が、前記矩形波をデーティに応じた直流電圧である前記帰還信号を生成する
    ことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載の磁気素子制御装置。
  6. 前記帰還信号変換部が、前記時間幅と予め設定されている基準時間幅との差分を求め、前記電圧情報として、前記差分から前記帰還信号の電圧値を示すデジタル値を求め、当該デジタル値を前記帰還信号調整部に対して出力し、
    当該帰還信号調整部が、前記デジタル値の示す直流電圧である帰還信号を生成する
    ことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載の磁気素子制御装置。
  7. 時間分解型の磁気比例方式により磁界の強度を検出するモードが選択された際、
    前記帰還信号調整部が、前記帰還信号の電圧値を0Vとして前記励磁信号調整部に対して供給し、
    前記帰還信号変換部が、前記時間幅を前記定常磁界の測定データとして出力する
    ことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載の磁気素子制御装置。
  8. 周期的なクロック信号を発生するクロック信号生成部をさらに有し、
    前記クロック信号に同期した前記交番信号として三角波信号を生成する励磁信号生成部と
    をさらに有することを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載の磁気素子制御装置。
  9. 励磁コイル及び検出コイルからなるフラックスゲート型の磁気素子に印加される定常磁界の強度を、時間分解型の磁気平衡式により検出する際、当該磁気素子の制御を行う磁気素子制御方法であり、
    交番信号を生成する励磁信号生成過程と、
    前記交番信号から交番電圧信号を生成し、当該交番電圧信号に基づいて前記励磁コイルに印加する励磁信号を生成する励磁信号調整過程と、
    前記励磁信号の電流方向が切替る際の誘導起電力で発生する正又は負電圧の検出信号を検出する検出信号比較過程と、
    正電圧及び負電圧の検出信号間の時間幅を電圧情報に変換する帰還信号変換過程と、
    前記電圧情報から前記磁気素子に印加されている定常磁界をキャンセルする磁界を発生するための帰還信号を生成する帰還信号調整過程と、
    前記帰還信号を磁界強度を示すデータ信号として出力するデータ信号変換過程と
    を有し、
    前記励磁信号調整過程において、前記交番電圧信号に対して前記帰還信号を重畳して前記励磁信号を生成し、生成された当該励磁信号を前記励磁コイルに印加し、
    前記データ信号変換過程において、前記帰還信号を予め設定された、前記帰還信号の電圧値と当該帰還信号の電圧値によって生成される磁界強度が線形性を有する前記帰還信号の電圧範囲外の電圧値が飽和する増幅率により増幅して出力する
    とを含むことを特徴とする磁気素子制御方法。
  10. 印加される定常磁界の強度を検出する磁界平衡方式による磁界検出装置であり、
    励磁コイル及び検出コイルからなるフラックスゲート型の磁気素子と、
    交番信号を生成する励磁信号生成部と、
    前記交番信号から交番電圧信号を生成し、当該交番電圧信号に基づいて前記励磁コイルに印加する励磁信号を生成する励磁信号調整部と、
    前記励磁信号の電流方向が切替る際の誘導起電力で発生する正又は負電圧の検出信号を検出する検出信号比較部と、
    正電圧及び負電圧の検出信号間の時間幅を電圧情報に変換する帰還信号変換部と、
    前記電圧情報から前記磁気素子に印加されている定常磁界をキャンセルする磁界を発生するための帰還信号を生成する帰還信号調整部と、
    前記帰還信号を磁界強度を示すデータ信号として出力するデータ信号変換部と
    を有し、
    前記励磁信号調整部が、前記交番電圧信号に対して前記帰還信号を重畳して前記励磁信号を生成し、生成された当該励磁信号を前記励磁コイルに印加し、
    前記データ信号変換部が、前記帰還信号を予め設定された、前記帰還信号の電圧値と当該帰還信号の電圧値によって生成される磁界強度が線形性を有する前記帰還信号の電圧範囲外の電圧値が飽和する増幅率により増幅して出力する
    とを特徴とする磁気検出装置。
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