JP5362632B2 - 膜−電極接合体及びその製造方法ならびに固体高分子型燃料電池 - Google Patents

膜−電極接合体及びその製造方法ならびに固体高分子型燃料電池 Download PDF

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Description

本発明は、膜−電極接合体及びその製造方法、ならびに該膜−電極接合体を備える固体高分子型燃料電池に関する。
近年、燃料電池技術は新エネルギー技術の柱の1つとして注目されている。特に固体高分子型燃料電池(PEFC;Polymer Electrolyte Fuel Cell)は、小型軽量化も期待できることから、電気自動車用の駆動電源や携帯機器用の電源、さらに家庭用コージェネレーションシステムなど幅広い用途への適用が検討されている。
固体高分子型燃料電池は、一般に次のように構成される。まず、プロトン伝導性を有する高分子電解質膜の両側に、白金属の金属触媒を担持したカーボン粉末と高分子電解質からなるイオン伝導性バインダーとを含む触媒層がそれぞれ形成される。各触媒層の外側には、燃料ガス及び酸化剤ガスをそれぞれ通気する多孔性材料であるガス拡散層がそれぞれ形成される。ガス拡散層としてはカーボンペーパー、カーボンクロスなどが用いられる。触媒層とガス拡散層を一体化したものはガス拡散電極と呼ばれ、また一対のガス拡散電極をそれぞれ触媒層が高分子電解質膜と向かい合うように高分子電解質膜に接合した構造体は膜−電極接合体(MEA;Membrane Electrode Assembly)と呼ばれている。この膜−電極接合体の両側には、導電性と気密性を備えたセパレータが配置される。膜−電極接合体とセパレータの接触部分又はセパレータ内には、各ガス拡散電極にガスを供給するためのガス流路が形成されており、一方のガス拡散電極(燃料極)に燃料ガスを供給し、他方のガス拡散電極(酸素極)に空気などの酸素を含有する酸化剤ガスを供給して発電する。すなわち、燃料極では燃料がイオン化されてプロトンと電子が生じ、プロトンは高分子電解質膜を通り、電子は両極をつなぐことによって形成される外部電気回路を移動して酸素極へ送られ、酸化剤と反応することで水が生成する。このようにして、燃料の化学エネルギーを電気エネルギーに直接変換して取り出すことができる。
膜−電極接合体の作製方法としては例えば、白金属の金属触媒を担持したカーボン粉末と、イオン伝導性バインダーとしての高分子電解質および水またはアルコールなどの溶媒を混合して触媒インクを調製し、この触媒インクをスプレー塗工法、スクリーン印刷法、ドクターブレード法などを用いてガス拡散層に塗布して触媒層を形成した後、更に高分子電解質膜を積層して加熱プレスにより熱圧着する方法が挙げられる。同様に触媒インクを高分子電解質膜上に塗布して触媒層を形成した後、更にガス拡散層を積層する方法も知られている。
膜−電極接合体を作製する場合、ガス拡散電極と高分子電解質膜とを、比較的高温高圧(例えば120〜130℃、6MPa)で素早く(例えば60秒間)熱処理する(例えば特許文献1参照)。これによってガス拡散電極中の高分子電解質が速やかに結晶化し、使用時の溶出などを抑制できる。
特開平3-208260号公報 WO2006/70929号公報 WO2007/86309号公報 WO2007/94185号公報
しかしながら、従来の膜−電極接合体は、電流密度と電圧の関係で評価される発電特性が十分とは言えなかった。特に近年要求が高まっている高電流密度域でのセル電圧が低いため最大出力密度が低く、燃料電池の性能としては不十分であった。
そこで本発明は、上記課題を解決し、高い発電特性を安定的に発現することのできる膜−電極接合体を提供することを目的とする。また、該膜−電極接合体を備える固体高分子型燃料電池を提供することを別の目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ね、2つのガス拡散電極と、この間に配置される高分子電解質膜とを備える膜−電極接合体であって、該高分子電解質の広角X線回折によって測定される結晶ピークの非晶ピークに対する強度比が1.09〜1.19の範囲であることを特徴とする固体高分子型燃料電池用膜−電極接合体、及び該膜−電極接合体を備える固体高分子型燃料電池を提供することで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
[1] 2つのガス拡散電極と、この間に配置される高分子電解質膜とを備える膜−電極接合体であって、前記ガス拡散電極は、触媒と高分子電解質とを含む触媒層を少なくとも有しており、該高分子電解質の広角X線回折によって測定される結晶ピークの非晶ピークに対する強度比が1.09〜1.19の範囲であることを特徴とする膜−電極接合体及び
[2] 前記[1]に記載の膜−電極接合体を備えることを特徴とする固体高分子型燃料電池を提供する。
本発明では、膜−電極接合体作製時に用いられる高分子電解質(バインダー)の結晶化状態に着目し、熱処理条件の調整により、該高分子電解質の結晶ピークと非晶ピークの比をある範囲内に調整することにより、高い発電特性を発揮することが可能であることを見出した。特に高電流密度域でのセル電圧が高いため最大出力密度が高く、高い発電特性を安定的に発現することが可能である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の膜−電極接合体を構成するガス拡散電極は、触媒層とガス拡散層とからなり、触媒層は導電性触媒担体としての炭素材料と、電極反応を促進する触媒金属、及びイオン伝導体としての高分子電解質とからなる。
上記触媒層中に用いられる炭素材料としては特に制限はなく、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック、活性炭、黒鉛が挙げられ、これら単独であるいは2種以上混合して使用される。
触媒金属としては、水素やメタノールなどの燃料の酸化反応及び酸素の還元反応を促進する金属であればいずれのものでもよく、例えば、白金、金、銀、パラジウム、イリジウム、ロジウム、ルテニウム、鉄、コバルト、ニッケル、クロム、タングステン、マンガン、パラジウム等、あるいはそれらの合金、例えば白金−ルテニウム合金が挙げられる。中でも白金や白金合金が多くの場合用いられる。触媒となる金属の粒径は、通常は、10〜300オングストロームである。これら触媒はカーボン等の導電性触媒担体に担持させた方が触媒使用量は少なくコスト的に有利である。また、触媒層には、必要に応じて撥水剤が含まれていてもよい。撥水剤としては例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、スチレンブタジエン共重合体、ポリエーテルエーテルケトン等の各種熱可塑性樹脂が挙げられる。
上記触媒層中に用いられる高分子電解質としては、例えば、「ナフィオン」(登録商標、デュポン社製)や「Gore−select」(登録商標、ゴア社製)などの既存のパーフルオロスルホン酸系ポリマーからなる高分子電解質、スルホン化ポリエーテルスルホンやスルホン化ポリエーテルケトンからなる高分子電解質、リン酸や硫酸を含浸したポリベンズイミダゾール、イオン伝導性基を有する重合体ブロック及びイオン伝導性基を有しない重合体ブロックを構成成分とするブロック共重合体からなる高分子電解質を用いることができる。これらは、本発明中の高分子電解質膜の材料と同じ、あるいは類似の高分子電解質であってもよく、その場合、高分子電解質膜と触媒層との接合性を高めることができる。
上記触媒層中に用いられる高分子電解質の炭素材料に対する重量比率は、触媒層中の反応場での水素イオン伝導性とガス拡散性、水排出性と触媒層の安定性の観点から、0.3〜3.0の範囲が好ましく、0.5〜2.0の範囲がより好ましい。
上記ガス拡散電極中のガス拡散層は、導電性及びガス透過性を備えた材料から構成され、かかる材料として例えばカーボンペーパーやカーボンクロス等の炭素繊維よりなる多孔性材料が挙げられる。また、かかる材料には、撥水性を向上させるために、撥水化処理を施してもよい。
膜−電極接合体の作製方法としては例えば、上記金属触媒を担持した炭素材料と、上記高分子電解質および水またはアルコールなどの溶媒を混合して触媒インクを調製し、この触媒インクをスプレー塗工法、スクリーン印刷法、ドクターブレード法などを用いてガス拡散層に塗布して触媒層を形成した後、更に高分子電解質膜を積層する方法が挙げられる。同様に触媒インクを高分子電解質膜上に塗布して触媒層を形成した後、更にガス拡散層を積層する方法を用いることもできる。さらに他の製造法として、まず、上記触媒インクをポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製などの基材フィルムに塗布し、乾燥して触媒層を形成させ、ついで、1対のこの基材フィルム上の触媒層を高分子電解質膜の両側に転写し、基材フィルムを剥離することで高分子電解質膜と触媒層との接合体を得、さらにガス拡散層を積層する方法がある。
上記塗布法により形成された触媒層中の、単位面積当たりの触媒金属量は、触媒層中の反応場での反応効率ひいては発電特性の観点から、0.01〜10mg/cmの範囲が好ましく、0.1〜5.0mg/cmの範囲がより好ましい。
本発明では、上記触媒層中の、高分子電解質の広角X線回折によって測定される結晶ピークの非晶ピークに対する強度比が1.09〜1.19の範囲である点に特徴を有する。高分子電解質の結晶状態を前記に規定される範囲内とすることで、ガス拡散電極への燃料ガス及び酸化剤ガスの導入が容易になる上、触媒層中にて触媒金属・ガス・高分子電解質が互いに接触する領域(いわゆる「三相界面」)が効率的に形成され、燃料極及び酸素極での反応が促進されるため、発電中のセル電圧を高く保つことができる。更に、酸素極で生成する水の排出が有効になされるため、酸素極中での水分過多に伴うガス拡散の低下を防ぎ、酸素極での反応阻害(特に高電流密度域での性能低下)を抑制する。また、本結晶状態の高分子電解質は経時的な安定性に優れるため、長時間高性能を維持する固体高分子型燃料電池を実現することができる。
触媒層中の高分子電解質を上述のような結晶状態で得る方法としては、触媒層への加熱処理による方法が挙げられる。加熱処理は加圧しながら行っても良い。このとき好ましい圧力は2.0MPa以下であり、より好ましくは1.5MPa以下であり、更に好ましくは1.0MPa以下である。また加熱温度は好ましくは100〜120℃であって、さらに好ましくは105〜115℃である。加熱時間は好ましくは5〜120分であって、より好ましくは10〜60分であって、さらに好ましくは15〜30分である。該加熱処理は触媒層をガス拡散層、高分子電解質膜、または転写用基材フィルムいずれかに塗布した後に行うのが好ましい。
該加熱処理は、複数回に分けて実施しても良い。この場合、加熱処理時間は、各加熱処理工程を合わせたものである。加熱処理を2回に分けて行う場合、まず加圧せずに120℃以下、100分以内で第一の加熱処理を行い、次に2.0MPa以下で加圧して120℃以下、20分以内で第二の加熱処理を行うことで、不必要な結晶化を促進することなく、膜−電極接合体の接合が可能となる。このような方法を取る場合、第二の加熱処理時の結晶化の進行は無視出来るので、第一の加熱処理後の高分子電解質における広角X線回折によって測定される結晶ピークの非晶ピークに対する強度比が本発明の範囲(1.09〜1.19)となり、本発明の膜−電極接合体を得ることができる。この場合、触媒層の第一の加熱処理は、加圧せず、適切な結晶化度を調節する。好ましい加熱温度は100〜120℃であって、さらに好ましくは105〜115℃である。好ましい加熱時間は3〜100分であって、より好ましくは6〜45分であって、さらに好ましくは10〜30分である。また、第二の加熱処理は、膜−電極接合体を構成する、触媒層、ガス拡散層、高分子電解質膜を積層し加圧しながら行うことで各層の接合を促す。このとき好ましい圧力は0.1〜2.0MPaであり、より好ましくは0.3〜1.5MPaであり、更に好ましくは0.5〜1.2MPaである。加圧せず、適切な結晶化度を調節する。加熱温度は好ましくは100〜120℃であって、さらに好ましくは105〜115℃である。加熱時間は好ましくは2〜20分であって、より好ましくは4〜15分であって、さらに好ましくは5〜10分である。
本発明では、膜−電極接合体を構成する高分子電解質膜には特に制限はない。例えば、「ナフィオン」(登録商標、デュポン社製)や「Gore−select」(登録商標、ゴア社製)などの既存のパーフルオロスルホン酸系ポリマーからなる高分子電解質膜、スルホン化ポリエーテルスルホンやスルホン化ポリエーテルケトンからなる高分子電解質膜、リン酸や硫酸を含浸したポリベンズイミダゾールからなる高分子電解質膜等が挙げられる。ガス拡散電極との接合性から、高分子電解質膜は軟化温度またはガラス転移温度(Tg)が20℃以下であることが好ましい。一方、膜の強度を高める上では軟化温度またはガラス転移温度(Tg)が80℃以上であることが好ましい。膜の強度とガス拡散電極との接合性を両立するために、Tgが20℃以下である重合体ブロック(ゴム状重合体ブロック)とTgが80℃以上である重合体ブロック(非ゴム状重合体ブロック)からなるブロック共重合体を用いても良い。例えばイオン伝導性基を有する重合体ブロック(A)及びイオン伝導性基を有しないゴム状重合体ブロック(B)を構成成分とするブロック共重合体(I)からなる公知のブロック共重合体を用いることができる(特許文献2〜4参照)。また、上記高分子電解質膜の上に、更に高分子電解質膜を積層させて、複層の高分子電解質膜としてもよい。
本発明の膜−電極接合体を、集電極及び極室分離と電極へのガス供給流路の役割を兼ねた導電性のセパレータ材の間に挿入することにより、固体高分子型燃料電池が得られる。本発明の膜−電極接合体は、燃料ガスとして水素を使用した純水素型、メタノールを改質して得られる水素を使用したメタノール改質型、天然ガスを改質して得られる水素を使用した天然ガス改質型、ガソリンを改質して得られる水素を使用したガソリン改質型、メタノールを直接使用する直接メタノール型等の固体高分子型燃料電池用膜−電極接合体として使用可能である。
本発明の膜−電極接合体は、膜−電極接合体作製時に用いられる高分子電解質(バインダー)の熱処理条件を特定の範囲にすることで、該高分子電解質の結晶ピークと非晶ピークの比を一定の範囲内に制御でき、高い発電特性を発揮することが可能である。特に高電流密度域でのセル電圧が高いため最大出力密度が高く、高い発電特性を発現することが可能である。また、膜−電極接合体は、経時的な安定性に優れるため、長時間高性能を維持する固体高分子型燃料電池を実現することができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
<参考例1>
(ポリスチレン(重合体ブロック(A))、水添ポリイソプレン(重合体ブロック(B))及びポリ(4−tert−ブチルスチレン)(重合体ブロック(C))からなるブロック共重合体の製造)
1400mLオートクレーブに、脱水シクロヘキサン865ml及びsec−ブチルリチウム(1.25M−シクロヘキサン溶液)3.27mlを仕込んだ後、4−tert−ブチルスチレン36.1ml、スチレン51.0mlを逐次添加し、50℃で逐次重合させ、次いでイソプレン149ml、スチレン49.4ml、及び4−tert−ブチルスチレン33.7mlを逐次添加し、60℃で逐次重合させることにより、ポリ(4−tert−ブチルスチレン)−b−ポリスチレン−b−ポリイソプレン−b−ポリスチレン−b−ポリ(4−tert−ブチルスチレン)(以下、tBSSIStBSと略記する)を合成した。得られたtBSSIStBSの数平均分子量(GPC測定(装置:TOSOH製 HLC-8220GPC、溶離液:THF、カラム:TOSOH製TSK-GEL、送液量:0.35ml/分、ポリスチレン換算))は99010であり、H−NMR測定から求めた1,4−結合量は94.0%、スチレン単位の含有量は34.8質量%、4−tert−ブチルスチレン単位の含有量は24.8質量%であった。
合成したtBSSIStBSのシクロヘキサン溶液を調製し、十分に窒素置換を行った耐圧容器に仕込んだ後、Ni/Al系のチーグラー系水素添加触媒を用いて、0.5〜1.0MPaの水素圧下において70℃で8時間水素添加反応を行い、ポリ(4−tert−ブチルスチレン)−b−ポリスチレン−b−水添ポリイソプレン−b−ポリスチレン−b−ポリ(4−tert−ブチルスチレン)(以下、tBSSEPStBSと略記する)を得た。得られたtBSSEPStBSの水素添加率をH−NMRスペクトル測定により算出したところ、ポリイソプレンの二重結合に由来するピークは検出されなかった。
<参考例2>
(ポリスチレン(重合体ブロック(A))、水添ポリイソプレン(重合体ブロック(B))及びポリ(4−tert−ブチルスチレン)(重合体ブロック(C))からなるブロック共重合体の製造)
1000mLオートクレーブに、脱水シクロヘキサン578ml及びsec−ブチルリチウム(1.15M−シクロヘキサン溶液)1.78mlを仕込んだ後、4−tert−ブチルスチレン32.2ml、スチレン13.5mlを逐次添加し、50℃で逐次重合させ、次いでイソプレン81.6ml、スチレン13.5ml、及び4−tert−ブチルスチレン32.2mlを逐次添加し、50℃で逐次重合させることにより、ポリ(4−tert−ブチルスチレン)−b−ポリスチレン−b−ポリイソプレン−b−ポリスチレン−b−ポリ(4−tert−ブチルスチレン)(以下、tBSSIStBSと略記する)を合成した。得られたtBSSIStBSの数平均分子量(GPC測定(装置:TOSOH製 HLC-8220GPC、溶離液:THF、カラム:TOSOH製TSK-GEL、送液量:0.35ml/分、ポリスチレン換算))は103600であり、H−NMR測定から求めた1,4−結合量は94.0%、スチレン単位の含有量は17.0質量%、4−tert−ブチルスチレン単位の含有量は41.0質量%であった。
合成したtBSSIStBSのシクロヘキサン溶液を調製し、十分に窒素置換を行った耐圧容器に仕込んだ後、Ni/Al系のチーグラー系水素添加触媒を用いて、0.5〜1.0MPaの水素圧下において50℃で8時間水素添加反応を行い、ポリ(4−tert−ブチルスチレン)−b−ポリスチレン−b−水添ポリイソプレン−b−ポリスチレン−b−ポリ(4−tert−ブチルスチレン)(以下、tBSSEPStBSと略記する)を得た。得られたtBSSEPStBSの水素添加率をH−NMRスペクトル測定により算出したところ、ポリイソプレンの二重結合に由来するピークは検出されなかった。
<製造例1>
(スルホン化tBSSEPStBS(1)の合成)
参考例1で得られたブロック共重合体(tBSSEPStBS)40gを、攪拌機付きのガラス製反応容器中にて1時間真空乾燥し、ついで窒素置換した後、塩化メチレン500mlを加え、室温にて攪拌して溶解させた。溶解後、塩化メチレン147.5ml中、0℃にて無水酢酸73.7mlと硫酸33.0mlとを反応させて得られたスルホン化試薬を、5分かけて徐々に滴下した。室温にて72時間攪拌後、停止剤の蒸留水を20ml添加した。その後、0.7Lの蒸留水を重合体溶液にゆっくり注ぎ、重合体を凝固析出させた。塩化メチレンを常圧留去にて除去した後、ろ過した。ろ過により得られた固形分をビーカーに移し、蒸留水を1.3L添加して、攪拌下で洗浄を行った後、ろ過により固形分を回収した。この洗浄及びろ過の操作を洗浄水のpHに変化がなくなるまで繰り返し、最後に回収した重合体を真空乾燥してスルホン化tBSSEPStBS(1)を得た。得られたスルホン化tBSSEPStBS(1)のスチレン単位のベンゼン環のスルホン化率はH−NMR分析から100mol%、滴定の結果、イオン交換容量は2.64meq/gであった。
(スルホン化tBSSEPStBS(2)の合成)
参考例2で得られたブロック共重合体(tBSSEPStBS)50gを、攪拌機付きのガラス製反応容器中にて1時間真空乾燥し、ついで窒素置換した後、塩化メチレン500mlを加え、室温25℃にて2時間攪拌して溶解させた。溶解後、塩化メチレン63.7ml中、0℃にて無水酢酸31.9mlと硫酸14.2mlとを反応させて得られたスルホン化試薬を5分かけて徐々に滴下した。室温にて72時間攪拌後、停止剤の蒸留水を10ml添加した。その後、1.0Lの蒸留水を重合体溶液にゆっくり注ぎ、重合体を凝固析出させた。塩化メチレンを常圧留去にて除去した後、ろ過した。ろ過により得られた固形分をビーカーに移し、蒸留水を1.0L添加して、攪拌下で洗浄を行った後、ろ過回収を行った。この洗浄及びろ過の操作を洗浄水のpHに変化がなくなるまで繰り返し、最後にろ集した重合体を真空乾燥してスルホン化tBSSEPStBS(2)を得た。得られたスルホン化tBSSEPStBS(2)のスチレン単位のベンゼン環のスルホン化率はH−NMR分析から99mol%、滴定の結果、イオン交換容量は1.47meq/gであった。
(高分子電解質膜(3層複層タイプ)の作製)
スルホン化tBSSEPStBS(1)(イオン交換容量2.64meq/g)の16質量%のトルエン/イソプロピルアルコール(質量比5/5)溶液を調製し、離形処理済みPETフィルム[(株)東洋紡製「東洋紡エステルフィルムK1504」]上に約150μmの厚みでコートし、熱風乾燥機にて、100℃、4分間乾燥させることで、厚さ13μmの高分子電解質膜を得た。ついで、スルホン化tBSSEPStBS(2)(イオン交換容量1.47meq/g)の14質量%のトルエン/イソブチルアルコール(質量比75/25)溶液を調製し、前記膜の上に約200μmの厚みでコートし、熱風乾燥機にて、100℃、4分間乾燥させることで、2層からなる厚さ27μmの高分子電解質膜を得た。ついで、スルホン化tBSSEPStBS(1)(イオン交換容量2.64meq/g)の16質量%のトルエン/イソプロピルアルコール(質量比5/5)溶液を調製し、前記膜の上に約150μmの厚みでコートし、熱風乾燥機にて、100℃、4分間乾燥させることで、3層からなる厚さ44μmの高分子電解質膜を得た。
<実施例1>
(膜−電極接合体、及び固体高分子型燃料電池単セルの作製)
Pt−Ru合金触媒担持カーボンに、ナフィオン(10質量%)分散溶液D1021(デュポン社製(商品名))を、カーボンとナフィオンとの質量比が1:1になるように添加混合し、ついでn−プロピルアルコールを、水/n−プロピルアルコールの質量比が1/1になるまで添加混合し、均一に分散されたペーストを調製した。このペーストをスプレー法にて、カーボンペーパーの片面に、Pt重量が5.0mg/cmとなるように均一に塗布して触媒層を形成した後、115℃で30分間、第一の加熱処理を施し、アノード用のガス拡散電極を作製した。また、Pt触媒担持カーボンに、ナフィオンの10質量%溶液を、カーボンとナフィオンとの質量比が1:0.75になるように添加混合し、ついでn−プロピルアルコールを、水/n−プロピルアルコールの質量比が1/1になるまで添加混合し、均一に分散されたペーストを調製した。このペーストをスプレー法にて、カーボンペーパーの片面に、Pt重量が3.0mg/cmとなるように均一に塗布して触媒層を形成した後、115℃で30分間、第一の加熱処理を施し、カソード用のガス拡散電極を作製した。製造例1で作製した高分子電解質膜を、上記2種類のガス拡散電極でそれぞれ高分子電解質膜と触媒層とが向かい合うように挟み、その外側を2枚の耐熱性フィルム及び2枚のステンレス板で順に挟み、ホットプレスにより第二の加熱処理(115℃、1.0MPa、8分)を施すことで膜−電極接合体を作製した
ついで作製した膜−電極接合体を、2枚の集電板で挟み筐体に組み込んで固体高分子型燃料電池単セルを作製した。
<実施例2>
実施例1のアノード用触媒層及びカソード用触媒層の第一の加熱処理条件を、いずれも115℃、15分とする以外は、実施例1と同様にして膜−電極接合体、及び固体高分子型燃料電池単セルを作製した。
<比較例1>
実施例1のアノード用触媒層及びカソード用触媒層の第一の加熱処理を行わない以外は、実施例1と同様にして膜−電極接合体、及び固体高分子型燃料電池単セルを作製した。
<比較例2>
実施例1のアノード用触媒層及びカソード用触媒層の第一の加熱処理を、いずれも130℃で30分としたのち115℃まで降温してさらに30分加熱した以外は、実施例1と同様にして膜−電極接合体、及び固体高分子型燃料電池単セルを作製した。

(膜−電極接合体の性能試験及びその結果)
以下の1)〜2)の試験によって各実施例、比較例で得られた膜−電極接合体に用いられる高分子電解質、及び固体高分子型燃料電池用単セルを評価した。
1)広角X線回折測定
ガス拡散電極に用いられる高分子電解質材料に対して、膜−電極接合体を製造する際の第一の加熱処理と同じ加熱温度、加熱時間で熱処理を行い、広角X線回折測定(X線回折装置:ブルカーD8 Discover with GADDS、X線:Cu−Kα、X線出力:45kV−110mA、光学系:平行ビーム(コリメータ径=0.5mm)、スキャン方法:透過式・2θ/θ、スキャン範囲:2θ=5〜70°)を行い結晶ピークの非晶ピークに対する強度比を算出した。
2)燃料電池用単セルの発電特性
得られた固体高分子型燃料電池用単セルについて、出力性能を評価した。燃料として5M−メタノールを用い、酸化剤として空気(湿度50%)を用いた。メタノール、空気いずれも自然吸気での供給条件とした。セル温度を40℃に設定して、実施例、比較例で作成した評価セルをセットした後、発電試験を実施し、最大出力密度、及び電流密度0.3A/cm時のセル電圧を評価した。
Figure 0005362632
実施例1及び2と、比較例1との比較からわかるように、比較例1においては、最大出力密度が低い上、高電流密度域までの発電を行うことが困難であり、発電特性は非常に低いものであった。また、実施例1及び2と、比較例2との比較からわかるように、比較例2においても、最高出力密度及び高電流密度域でのセル電圧が低く、発電特性としては不十分であった。これに対して、実施例1及び2の膜−電極接合体は、最大出力密度・高電流密度域セル電圧ともに高く、更にこのような発電特性を安定的に発現することが確認された。
上記各種性能試験の結果から、本発明の膜−電極接合体は、ガス拡散電極中の高分子電解質の結晶状態を請求項に規定される範囲内とすることで、ガス拡散電極への燃料ガス及び酸化剤ガスの導入が容易になり、触媒層中での燃料極及び酸素極での反応が促進されるため、発電中のセル電圧を高く保つことができる。更に、酸素極で生成する水の排出が有効になされるため、酸素極での反応阻害(特に高電流密度域での性能低下)を抑制する。また、本結晶状態の高分子電解質は経時的な安定性に優れるため、長時間高性能を維持する固体高分子型燃料電池を実現することができる。

Claims (2)

  1. 2つのガス拡散電極と、この間に配置される高分子電解質膜とを備える膜−電極接合体であって、前記ガス拡散電極は、触媒と高分子電解質とを含む触媒層を少なくとも有しており、該高分子電解質の広角X線回折によって測定される結晶ピークの非晶ピークに対する強度比が1.09〜1.19の範囲であることを特徴とする膜−電極接合体。
  2. 請求項1に記載の膜−電極接合体を備えることを特徴とする固体高分子型燃料電池。
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