図1を参照して、実施例1に係る通信システムの構成を説明する。図1は実施例1に係る通信システムのブロック図である。通信システム10は、ローカルユニット20とリモートユニット40とが光ケーブル60により複数の信号を送受信する。ローカルユニット20及びリモートユニット40は、複数の電気信号をそれぞれ異なる波長の光信号に変換して、光ケーブル60により相互に通信を行う。実施例1において、複数の電気信号は、DVI(Digital Visual Interface)信号、USB信号、EDID(Extended Display Identification Data)信号及びリモート電源制御信号である。光ケーブル60は、6つの異なる波長の光信号を多重して伝送可能な光ケーブルである。USB信号は、最大転送レートが約12Mbps(Mega bit per second)の高周波信号である。EDID信号は、データサイズが256ByteであるEDIDを伝送するための信号である。リモート電源制御信号は、リモート電源装置30のオンオフを制御するための信号であって、後述するリモート電源スイッチ41のオンオフに基づく信号である。EDID信号及びリモート電源制御信号はシリアル信号である。シリアル信号は、転送レートが例えば9600bps程度の低周波信号である。DVI信号は、USB信号よりもさらに高周波の信号であって、転送レートは数G(Giga)bpsである。複数の電気信号の6つの光信号への割り当て方については後述する。ローカルユニット20はPC/サーバ24及びリモート電源装置30と接続される。PC/サーバ24はUSBマウス26及びUSBキーボード28と接続される。リモートユニット40はディスプレイ装置46、USBマウス50、USBキーボード52及びプリンタ54と接続される。USBマウス50及びUSBキーボード52は、ローカルユニット20に接続されたPC/サーバ24への入力操作を受け付けるコンソールである。ディスプレイ装置46は、PC/サーバ24が出力するDVI信号を表示する。例えば、ローカルユニット20とリモートユニット40とは、互いに離れた場所に設置される。リモートユニット40が設置された場所にいるユーザは、USBマウス50及びUSBキーボード52によりPC/サーバ24を制御したり、ディスプレイ装置46によりPC/サーバ24が出力する映像を確認したり、リモート電源スイッチ41のオンオフによりPC/サーバ24の電源のオンオフをしたりすることができる。
ローカルユニット20は、DVIケーブル58によりPC/サーバ24とDVI信号及びEDID信号の通信を行う。ローカルユニット20は、USBケーブルによりPC/サーバ24とUSB信号の通信を行う。USB信号は、PC/サーバ24と接続されたUSBデバイスとの間で送受信される信号である。ローカルユニット20は、RS−485等のシリアルケーブルによりリモート電源装置30と接続される。ローカルユニット20は、リモート電源装置30へリモート電源制御信号を送信する。リモート電源装置30は、リモート電源制御信号によりオンオフされる。ローカルユニット20は、電源プラグ22を介して家庭用100V電源等から電源の供給を受ける。
PC/サーバ24はUSBマウス26、USBキーボード28及びUSBメモリ29と接続され、USB信号を送受信する。なお、USBマウス26、USBキーボード28及びUSBメモリ29はPC/サーバ24に接続されるUSBデバイスの一例である。PC/サーバ24は、リモート電源装置30及び電源プラグ32を介して家庭用100V電源等から電源の供給を受ける。PC/サーバ24の電源供給のオンオフは、先述したリモート電源装置30のオンオフと連動する。
リモートユニット40は、DVIケーブルによりディスプレイ装置46とDVI信号及びEDID信号の通信を行う。リモートユニット40は、USBマウス50、USBキーボード52及びプリンタ54とUSB信号の送受信を行う。なお、USBマウス50、USBキーボード52及びプリンタ54はリモートユニット40と接続されるUSBデバイスの一例である。リモートユニット40、ディスプレイ装置46及びプリンタ54はそれぞれ電源プラグ42、48及び56を介して家庭用100V電源等から電源の供給を受ける。リモートユニット40は、リモート電源スイッチ41及びEDIDスイッチ43を有する。リモート電源スイッチ41は、ローカルユニット20と接続されたPC/サーバ24に電源を供給するリモート電源装置30の電源の供給をオンオフするスイッチである。EDIDスイッチ43は、EDIDによりPC/サーバ24にディスプレイ装置46を正しく認識させるために使用するスイッチである。例えば、PC/サーバ24を起動した後や、ディスプレイ装置46を別のディスプレイ装置に交換した後に、ユーザはEDIDスイッチ43をオンする。PC/サーバ24は、ディスプレイ装置46を認識してディスプレイ装置46に適正な映像信号を出力する。ディスプレイ装置46に適正な映像信号とは、例えば、ディスプレイ装置46が表示可能な解像度をもつ映像信号である。リモート電源スイッチ41及びEDIDスイッチ43を切り替えたときの信号の流れの詳細は後述する。
図2を参照して、通信システム10における電気信号の光信号への割り当てについて説明する。図2は、光ケーブル60の各ピンへの電気信号の割り当ての一例を示す図である。ローカルユニット20及びリモートユニット40の有する光ユニットにおいて、各ピンに割り当てられた電気信号は、それぞれ異なる波長の光信号に変換される。
図2のように、ピン番号1から4には、TMDS(Transition Minimized Differential Signaling)方式で伝送されるDVI信号が割り当てられる。TMDS方式では、3つの映像信号と1つのクロック信号とが伝送される。ピン番号1、2及び3には、それぞれ映像信号であるTMDS0、TMDS1及びTMDS2が割り当てられる。ピン番号4には、クロック信号であるTMDS CLKが割り当てられる。以下、特に断らない限り、TMDS0、TMDS1、TMDS2及びTMDS CLKの4つの信号をまとめてDVI信号と記す。DVI信号は、ローカルユニット20からリモートユニット40へ送信される信号である。ピン番号5には、USB信号(TX USB)が割り当てられる。USB信号(TX USB)は、ローカルユニット20からリモートユニット40へ送信される信号である。
ピン番号6には、USB信号(RX USB)と、EDID信号及びリモート電源制御信号の少なくとも一方が集約された信号(以下、信号Aと記す)が割り当てられる。信号Aにおいて、USB信号が途絶える区間に、EDID信号及びリモート電源制御信号の少なくとも一方が割り当てられている。信号Aは、リモートユニット40からローカルユニット20へ送信される信号である。このように、ピン番号1から5にはそれぞれ1つの信号が割り当てられ、ピン番号6には3つの信号が集約された1つの信号が割り当てられる。よって、ローカルユニット20及びリモートユニット40は、6つの異なる波長の光信号を多重可能なケーブルを用いて、8つの信号を延長することができるため、通信のコストを低減することができる。
図3を参照して、ローカルユニット20及び周辺の装置について説明する。図3は、ローカルユニット20及び周辺の装置の構成を示すブロック図である。図2において、図1に示す構成と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。ローカルユニット20はDVI I/F(Interface)100、USB I/F102、USBコア104、セレクタ106、光ユニットTOSA(Transmitter Optical Sub Assembly)108、マイコン112、セレクタ110、EDID格納ROM(Read Only Memory)114、リモート電源制御部116及び電源部118を有する。ローカルユニット20はPC/サーバ24及びリモート電源装置30と接続される。ローカルユニット20は、リモートユニット40と光信号124、136及び138の送受信を行う。光信号124は、図2に示すピン番号1から4に割り当てられたDVI信号に対応する。光信号136は、図2に示すピン番号5に割り当てられたUSB信号に対応する。光信号138は、図2に示すピン番号6に割り当てられた信号Aに対応する。
図3のように、マイコン112は、DVI I/F100、USB I/F102、USBコア104、セレクタ106、光ユニットTOSA108、セレクタ110及びリモート電源制御部116の制御を行い、各制御信号は図3中に破線矢印で示す経路164、166、162、160、170、168及び156を流れる。DVI I/F100は、DVI信号のインターフェース回路である。USB I/F102は、USB信号のインターフェース回路である。USBコア104は、リモートユニット40の有するUSBコア204とのUSB信号の送受信及び通信の確立に必要なネゴシエーションのための信号の送受信を行う回路である。セレクタ106は、信号Aの内容を判定したマイコン112からの経路160による制御信号により、光ユニットTOSA108からUSBコア104へ信号Aが流れる経路140及び142と、光ユニットTOSA108からマイコン112へ信号Aが流れる経路140及び148と、を切り替える回路である。EDID格納ROM114は、ローカルユニット20がリモートユニット40から受信したディスプレイ装置46のEDIDを格納するメモリである。セレクタ110は、マイコン112からEDID格納ROM114へEDIDを格納する場合のEDID信号の経路150及び172と、PC/サーバ24がEDID格納ROM114からEDIDを読み出す場合のEDID信号の経路172及び154とを切り替える回路である。光ユニットTOSA108は、光ユニットROSA208と6つの信号の送受信を行う光トランシーバであって、電気信号と光信号との変換を行う。光ユニットTOSA108は、入力されたDVI信号及びUSB信号を光信号124及び136に変換して出力する。光ユニットTOSA108は、入力された光信号138を信号Aに変換して出力する。電源部118は、電源プラグ22を介して電源の供給を受ける。PC/サーバ24は電源プラグ32及びリモート電源装置30を介して電源の供給を受ける。リモート電源制御部116は、経路158によりリモート電源制御信号をリモート電源装置30へ送信する。リモート電源装置30はリモート電源制御信号に基づいてオンオフされる。
図3を参照して、DVI信号の流れを説明する。DVI信号は、経路120によりPC/サーバ24からDVI I/F100へ流れる。DVI信号は、経路122によりDVI I/F100から光ユニットTOSA108へ流れる。光ユニットTOSA108は、DVI信号を光信号124に変換して光ケーブル60に出力する。
図3を参照して、USB信号の流れを説明する。PC/サーバ24は、経路126によりUSB信号をUSB I/F102へ出力する。USB信号は、経路128によりUSB I/F102からUSBコア104へ流れる。USBコア104は、経路130によりUSB信号及びネゴシエーションのための信号を光ユニットTOSA108へ出力する。光ユニットTOSA108は、USB信号及びネゴシエーションのための信号を光信号136に変換して光ケーブル60に出力する。
図3を参照して、信号Aに集約されたUSB信号の流れを説明する。光ユニットTOSA108は、光信号138を受信して、信号Aに変換する。信号Aは、経路140により光ユニットTOSA108からセレクタ106へ流れる。セレクタ106のスイッチは、マイコン112により通常、図3中に示す下側に設定されており、信号Aは経路140から経路148を経由してマイコン112へ流れる。マイコン112は、信号Aを例えばUART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)等のシリアルI/F113により受信する。シリアルI/F113は、受信した信号AがUSB信号である場合、USB信号が高周波信号であるために正常に処理することができないため、エラーを出力する。マイコン112はシリアルI/F113からのエラーを検出した場合、信号Aが経路140から経路142へ流れるように、経路160の制御信号によりセレクタ106のスイッチを図3中に示す上側に設定する。USBコア104は、USB信号である信号Aを経路144によりUSB I/F102へ出力する。USB I/F102は、USBケーブル等の経路146によりUSB信号をPC/サーバ24へ出力する。
図3を参照して、信号Aに集約されたEDID信号の流れを順に説明する。マイコン112までの信号Aの流れは先述の信号Aに集約されたUSB信号の流れと同様であるため、説明を省略する。マイコン112の有するシリアルI/F113は、EDID信号はシリアル信号であるため、受信する信号AがEDID信号である場合、正常に受信することができる。マイコン112は、受信したデータのパリティーチェックによる誤り検出やEDIDであるか否かの判定を行う。マイコン112は、受信したデータがEDIDである場合に、経路168の制御信号によりセレクタ110のスイッチを図3中に示す右側に設定する。これにより、経路150と経路172とが接続される。マイコン112は、経路150及び172により、EDIDをEDID格納ROM114に格納する。その後、マイコン112は、経路168の制御信号によりセレクタ110のスイッチを図3中に示す左側に設定する。これにより、経路154と経路172とが接続される。PC/サーバ24は、必要に応じて、経路154及び172により、EDIDをEDID格納ROM114から読み出す。これにより、PC/サーバ24は、リモートユニット40に接続されたディスプレイ装置46を認識して、ディスプレイ装置46に適正な信号を出力することができる。
図3を参照して、信号Aに集約されたリモート電源制御信号の流れを説明する。マイコン112までの信号Aの流れは先述の信号Aに集約されたUSB信号及びEDID信号の流れと同様であるため、説明を省略する。マイコン112の有するシリアルI/F113は、受信する信号Aがリモート電源制御信号である場合、リモート電源制御信号がシリアル信号であるために正常に受信することができる。マイコン112は、受信したデータのパリティーチェックによる誤り検出やリモート電源制御信号であるか否かの判定を行う。マイコン112は、受信したデータがリモート電源制御信号である場合に、経路156によりリモート電源制御信号をリモート電源制御部116に出力する。リモート電源制御部116は、経路158によりリモート電源制御信号をリモート電源装置30に出力する。リモート電源装置30は、リモート電源制御信号に基づいて、電源のオンオフを行う。リモート電源装置30と、リモート電源装置30に接続されたPC/サーバ24の電源のオンオフは連動する。リモート電源制御信号は、先述したように図1のリモート電源スイッチ41をオンオフした場合に流れる。したがって、リモート電源スイッチ41のオンオフを切り替えることにより、PC/サーバ24の電源のオンオフを切り替えることができる。
図4を参照して、リモートユニット40及び周辺の装置について説明する。図4は、リモートユニット40及び周辺の装置の構成を示すブロック図である。図4において、図1と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。リモートユニット40は光ユニットROSA(Receiver Optical Sub Assembly)208、DVI I/F200、セレクタ206、USBコア204、USBハブ202、マイコン212、電源部118、リモート電源スイッチ41及びEDIDスイッチ43を有する。リモートユニット40はディスプレイ装置46、USBマウス50、USBキーボード52及びプリンタ54と接続される。リモートユニット40は、ローカルユニット20と光信号124、136及び138の送受信を行う。
図4のように、マイコン212は、DVI I/F200、USBハブ202、USBコア204、セレクタ206及び光ユニットROSA208の制御を行い、各制御信号は図4中に破線矢印で示す経路256、258、254、252、250及び208を流れる。光ユニットROSA208は、光ユニットTOSA108と6つの信号の送受信を行う光トランシーバであって、電気信号と光信号との変換を行う。DVI I/F200は、DVI信号のインターフェース回路である。USBハブ202は、複数のUSBデバイスと接続され複数のUSB信号の送受信が可能なインターフェース回路である。セレクタ206は、マイコン112からの経路244を通る制御信号によるスイッチの切り替えにより、経路236及び238の接続と、経路244及び238の接続と、を選択する回路である。セレクタ206は、スイッチの切り替えにより、経路236及び経路238を流れるUSB信号に、経路244を流れるEDID信号及びリモート電源制御信号を集約する。集約されて経路238を流れる信号は、先述した信号Aに対応する。なお、セレクタ206のスイッチは通常、図4中の上側に設定され、経路236及び238の接続が選択されているとする。USBコア204は、ローカルユニット20の有するUSBコア104とのUSB信号の送受信及び通信の確立に必要なネゴシエーションのための信号の送受信を行う回路である。電源部218は、電源プラグ42を介して電源の供給を受ける。リモート電源スイッチ41、EDIDスイッチ43、ディスプレイ装置46、USBマウス50、USBキーボード52及びプリンタ54については図1と同様のため説明を省略する。
図4を参照して、DVI信号の流れを説明する。光ユニットROSA208は、ローカルユニットからの光信号124を電気信号へ変換する。電気信号に変換されたDVI信号は、経路220により光ユニットROSA208からDVI I/F200へ流れる。DVI信号は、経路222によりDVI I/F200からディスプレイ装置46へ流れる。ディスプレイ装置46は、受信したDVI信号を画面に表示する。
図4を参照して、ローカルユニット20から受信するUSB信号及びネゴシエーションに必要な信号の流れを説明する。光ユニットROSA208は、ローカルユニットからの光信号136を電気信号へ変換する。電気信号に変換されたUSB信号及びネゴシエーションに必要な信号は、経路224、セレクタ206及び経路226を介して、USBコア204に入力される。USB信号は経路228によりUSBハブ202へ出力される。ネゴシエーションに必要な信号は、USBコア204の内部の制御に使用される。USB信号は、USBハブ202に接続されたUSBデバイスに出力される。例えば、プリンタ54の制御用のUSB信号は、経路232によりプリンタ54へ出力される。
図4を参照して、ローカルユニット20へ送信するUSB信号及びネゴシエーションに必要な信号の流れを説明する。USBマウス50、USBキーボード52及びプリンタ54がUSB信号をUSBハブ202へ出力する。USB信号は、経路234によりUSBハブ202からUSBコア204へ流れる。USBコア204は、経路236によりセレクタ206へ出力する。セレクタ206は、経路236を流れるUSB信号と、後述する経路244を流れるEDID信号及びリモート電源制御信号とを集約した信号Aを経路238から出力する。光ユニットROSA208は、信号Aを光信号に変換して、光信号138を光ケーブル60に出力する。
図4を参照して、EDID信号の流れを説明する。ユーザがEDIDスイッチ43をオンした場合、マイコン212は経路240によりディスプレイ装置46からEDIDを読み出す。マイコン212は、経路254の制御信号により、USBコア204がUSB信号をセレクタ206に出力している状態であるか否かを確認する。USBコア204がUSB信号をセレクタ206に出力している状態である場合、マイコン212はUSB信号の出力が完了するまで待つ。USBコア204がUSB信号をセレクタ206に出力していない状態の場合、マイコン212は経路252の制御信号によりセレクタ206のスイッチを図4中の下側に設定する。これにより、経路244及び238の接続が選択される。マイコン212は、経路244にEDID信号を出力する。EDID信号は、経路238を流れる信号AのUSB信号が途絶えた区間に割り当てられる。信号Aは、光ユニットROSA208に入力される。光ユニットROSA208は、信号Aを光信号に変換して、光信号138を光ケーブル60に出力する。
図4を参照して、リモート電源制御信号の流れを説明する。ユーザがリモート電源スイッチ41をオンオフした場合、マイコン212は、経路254の制御信号により、USBコア204がUSB信号をセレクタ206に出力している状態であるか否かを確認する。USBコア204がUSB信号をセレクタ206に出力している状態である場合、マイコン212はUSBコア204がUSB信号の出力を完了するまで待つ。USBコア204がUSB信号をセレクタ206に出力していない状態の場合、マイコン212は経路252の制御信号によりセレクタ206のスイッチは図4中の下側に設定する。これにより、経路244及び238の接続が選択される。マイコン212は、リモート電源スイッチ41のオンオフに基づいてリモート電源制御信号を生成して、経路244にリモート電源制御信号を出力する。リモート電源制御信号は、経路238を流れる信号AのUSB信号が流れていない区間に割り当てられる。信号Aは、光ユニットROSA208に入力される。光ユニットROSA208は、信号Aを光信号に変換して、光信号138を光ケーブル60に出力する。
図5を参照して、リモートユニット40がローカルユニット20へUSB信号、EDID信号及びリモート電源制御信号の少なくとも一方を集約した信号Aを送信する場合のマイコン212の動作を説明する。図5は、信号Aを送信する場合のマイコン212の動作のフローチャートである。図5のフローチャートの処理は、マイコン212において所定の周期で繰り返し実行される。
まず、マイコン212は、リモート電源スイッチ41のオンオフの切り替えがあるか否かを判定する(ステップS10)。リモート電源スイッチ41のオンオフが切り替えられた場合に、マイコン212はYesと判定する。ステップS10がYesの場合、マイコン212は、USBコア204がUSBデータを通信中であるか否かをUSBコア204に問い合わせる(ステップS11)。マイコン212は、ステップS11の結果に基づいて、USBコア204がUSBデータを通信中であるか否かを判定する(ステップS12)。マイコン212は、USBコア204がUSBデータの通信中である場合にYesと判定する。ステップS12がYesの場合、マイコン212はステップS11に戻る。ステップS12がNoの場合、マイコン212は、セレクタ206に指示して、図4に示すセレクタ206のスイッチを上側から下側に切り替える(ステップS13)。マイコン212は、リモート電源スイッチ41のオンオフに基づいて、リモート電源制御信号を生成して、セレクタ206に出力する(ステップS14)。これにより、USB信号が途絶えた区間にリモート電源制御信号が集約されて、ローカルユニット20へ送信される。その後、マイコン212は、セレクタ206のスイッチを下側から上側に切り替えて(ステップS15)、終了する。
ステップS10がNoの場合、マイコン212は、EDIDスイッチ43がオンであるか否かを判定する(ステップS16)。EDIDスイッチ43がオンされた場合に、マイコン212はYesと判定する。ステップS16がNoの場合、終了する。ステップS16がYesの場合、マイコン212は、USBコア204がUSBデータを通信中であるか否かをUSBコア204に問い合わせる(ステップS17)。マイコン212は、ステップS17の結果に基づいて、USBコア204がUSBデータを通信中であるか否かを判定する(ステップS18)。USBデータを通信中である場合にマイコン212はYesと判定する。ステップS18がYesの場合、マイコン212はステップS17に戻る。ステップS18がNoの場合、マイコン212は、セレクタ206に指示して、図4に示すセレクタ206のスイッチを上側から下側に切り替える(ステップS19)。マイコン212は、ディスプレイ装置46からEDIDを読み出して(ステップS20)、EDID信号をセレクタ206に出力する(ステップS21)。これにより、USB信号が途絶えた区間にEDID信号が集約されて、ローカルユニット20へ送信される。その後、マイコン212は、セレクタ206のスイッチを下側から上側に切り替えて(ステップS22)、終了する。
図6を参照して、ローカルユニット20がリモートユニット40からUSB信号、EDID信号及びリモート電源制御信号の少なくとも一方が集約された信号Aを受信する場合のマイコン112の動作を説明する。図6は、信号Aを受信する場合のマイコン112の動作のフローチャートである。図6のフローチャートの処理は、所定の周期で繰り返し実行される。
まず、マイコン112は、シリアルI/F113により信号Aを受信する(ステップS50)。マイコン112は、信号AがUSB信号であるか否かを判定する(ステップS52)。マイコン112は、シリアルI/F113からのエラーを検出した場合、Yesと判定する。ステップS52がNoの場合、低周波信号を受信するサブ処理を実行して(ステップS60)、終了する。低周波信号を受信するサブ処理の詳細は後述する。
ステップS52がYesの場合、マイコン112はセレクタ106のスイッチを上側に切り替える。これにより、USB信号はUSBコア104で受信される。マイコン112は、USBコア104へ問い合わせた結果に基づいて、USBコア104がUSBデータの通信中であるか否かを判定する(ステップS56)。マイコン112は、USBコア104がUSBデータの受信中である場合にYesと判定する。ステップS56がYesの場合、マイコン112はステップS56がNoとなるまでステップS56を繰り返す。ステップS56がNoの場合、USBコア104がUSBデータの受信を終了するので、マイコン112は、セレクタ106に指示して、図3に示すセレクタ106のスイッチを下側に切り替えて(ステップS58)、終了する。
図7を参照して、図6のステップS60に対応する低周波信号を受信するサブ処理を説明する。図7は、マイコン112の低周波信号を受信するサブ処理のフローチャートである。
マイコン112は、リモート電源制御信号を受信したか否かを判定する(ステップS32)。マイコン112は、リモート電源制御信号を受信した場合にYesと判定する。ステップS32がYesの場合に、マイコン112は、リモート電源制御部116にリモート電源制御信号に基づく信号を通知して(ステップS34)、終了する。このとき、リモート電源制御部116は、通知された信号に応じて、リモート電源装置30の電源のオンオフを切り替える。
ステップS32がNoの場合、マイコン112はEDID信号を受信したか否かを判定する(ステップS36)。マイコン112は、EDID信号を受信した場合にYesと判定する。ステップS36がYesの場合に、マイコン112は、セレクタ110のスイッチを右側に切り替えて(ステップS37)、経路150と経路172とを接続する。マイコン112は、経路150及び経路172により、EDIDをEDID格納ROM114に書き込む(ステップS38)。マイコン112は、セレクタ110のスイッチを左側に切り替えて(ステップS39)、終了する。これにより、経路152と経路172とが接続され、PC/サーバ24は、EDID格納ROM114からEDIDを読み出すことができる。
図8を参照して、リモートユニット40がローカルユニット20へ信号Aを送信する場合のマイコン212の動作の一例を説明する。図8は、リモートユニット40がローカルユニット20へ信号Aを送信する場合のUSB信号、EDIDスイッチ43のオンの信号、EDID信号及び信号Aのタイミング図である。図8に示す各信号は、上から順に、経路236を流れるUSB信号、経路248を流れるEDIDスイッチのオンの信号、経路244を流れるEDID信号及び経路238を流れる信号Aである。図8では、USB信号が途絶えた区間でEDIDスイッチ43がオンされる場合を示している。このような場合、図8のように、マイコン212は、EDIDスイッチ43がオンされたとき、USB信号が途絶えた区間にEDID信号を集約する。
図9を参照して、リモートユニット40がローカルユニット20へ信号Aを送信する場合のマイコン212の動作について図8と異なる例を説明する。図9は、リモートユニット40がローカルユニット20へ信号Aを送信する場合のUSB信号、EDIDスイッチ43のオンの信号、EDID信号及び信号Aのタイミング図である。図9に示す各信号は、図8と同様である。図9では、USB信号が通信中の区間でEDIDスイッチ43がオンされる場合を示している。このような場合、図9のように、マイコン212は、USB信号の通信が完了するまで待つ。USB信号の通信の完了後、マイコン212は、信号Aにおいて、EDID信号をUSB信号が途絶えた区間に集約させるように、EDIDスイッチがオンされたタイミングから遅らせて送信する。
図10を参照して、ローカルユニット20がリモートユニット40から信号Aを受信する場合のマイコン112の動作の一例を説明する。図10は、ローカルユニット20がリモートユニット40から信号Aを受信する場合の信号A、EDID信号及びUSB信号のタイミング図である。図10に示す各信号は、上から順に、経路140及び148を流れる信号A、経路142を流れるUSB信号及び経路148を流れるEDID信号である。図10を参照して、マイコン112は信号Aを受信すると、まずUSB信号を受信する。そのとき、マイコン112は、シリアルI/F113のエラーを検知して、セレクタ106のスイッチを図3中の上側に切り替える。これにより、USBコア104は経路142を流れるUSB信号を受信する。その後、マイコン112はセレクタ106のスイッチを図3中の上側に切り替える。マイコン112は信号AにおいてUSB信号に続いて集約されたEDID信号を受信して、経路150に出力する。
実施例1によれば、リモートユニット40は、ローカルユニット20に接続されたPC/サーバ24への入力操作を受け付けるUSBマウス50及びUSBキーボード52と、PC/サーバ24が出力する映像信号を表示するディスプレイ装置46と、が接続され、光ケーブル60によりUSBマウス50及びUSBキーボード52の出力信号であるUSB信号及び映像信号を含む複数の信号をローカルユニット20と送受信する。セレクタ206は、USB信号と、PC/サーバ24及びPC/サーバ24の制御に用いられるEDID信号と、を一つの信号Aに集約して、光ユニットROSA208は信号Aを一つの波長の光信号に変換して送信する。マイコン212は、USB信号の送信中に、図5のステップS16及び図9のようにEDIDスイッチ43が切り替えられてEDID信号を送信する場合、USB信号の後にEDID信号を集約するように、ステップS17及びS18のようにUSBコア204のUSB信号の通信が完了するまで待った後、ステップS19のようにセレクタ206のスイッチを切り替える。マイコン212は、USBマウス50及びUSBキーボード52の出力信号の送信中に、図5のステップS10のようにリモート電源スイッチ41が切り替えられてリモート電源制御信号を送信する場合、USB信号の後にリモート電源制御信号を集約するように、ステップS11及びS12のようにUSBコア204のUSB信号の通信が完了するまで待った後、ステップS13のようにセレクタ206のスイッチを切り替える。
これにより、USB信号とEDID信号及びリモート電源制御信号の少なくとも一方とを一つの信号Aに集約して送信することができるため、通信ケーブルで通信可能な信号数を増やすことができる。実施例1では、6つの信号が通信可能な光ケーブルを利用して最大8つの信号の通信を行うことができる。したがって、通信ケーブルを変更することなくより多くの信号の通信を行うことができる。よって、より多くの信号を通信可能な高価な通信ケーブルや複数の通信ケーブルを用いる場合に比べて、コストを抑えて通信を行うことができる。USB信号の送信とEDID信号及びリモート電源制御信号の少なくとも一方の送信とが重なった場合であっても、いずれか一方を無効にすることなく、EDID信号及びリモート電源制御信号の少なくとも一方の送信のタイミングを遅らせて集約して送信することができる。コンソールのUSB信号はユーザの入力操作に基づくため、送信頻度は非常に高く、応答の即時性が求められる。一方、EDIDスイッチの切り替えは、PC/サーバ24の起動時やディスプレイ装置46を交換した場合等に行われる。そのため、EDIDスイッチの切り替えの頻度は低い。また、EDID信号は一旦PC/サーバ24のEDID格納ROM114に格納されるため、EDID信号の応答の即時性は、コンソールのUSB信号に比べて求められない。また、リモート電源スイッチの切り替えは、PC/サーバ24の電源オンオフ時に行われる。そのため、リモート電源スイッチの切り替えの頻度は、EDIDスイッチの場合と同様に低い。また、リモート電源制御信号の応答の即時性もEDID信号の場合と同様にコンソールのUSB信号ほど求められない。したがって、USB信号の送信よりもEDID信号及びリモート電源制御信号の少なくとも一方の送信を遅らせて集約する方が、ユーザの利便性を損なわずに通信を行うことができる。
実施例1において、USBマウス50及びUSBキーボード52の出力信号の後にEDID信号を集約する例を説明した。USBマウス50及びUSBキーボード52は、ローカルユニット20に接続されたPC/サーバ24への入力操作を受け付けるコンソールの一例であって、他のコンソールでもよい。また、コンソールの代わりに、例えば、図1のプリンタ54のようにコンソールの出力信号と同じ信号を通信に使用する装置などでもよい。
実施例1において、図2のように、ローカルユニット20とリモートユニット40とで通信する複数の信号のうち、DVI信号とDVI信号を除く信号とは集約されない構成を説明した。映像信号の一例としてDVI信号を説明したが、他の映像信号でもよい。DVI信号は数Gbps程度の高周波信号であり、映像信号であるため常時通信される。したがって、DVI信号に他の信号を集約する場合、高価な専用の装置が必要である。実施例1によれば、DVI信号とDVI信号を除く信号とを集約しないようにすることにより、コストを抑えることができる。
実施例1において、PC/サーバ24がディスプレイ装置46を識別してディスプレイ装置46に適正な映像信号を出力するための制御に用いられる信号であるEDID信号をUSBマウス50及びUSBキーボード52の出力信号に集約する例を説明した。また、実施例1において、PC/サーバ24に接続される装置の一例として、PC/サーバ24に電源を供給するリモート電源装置30を説明した。リモート電源装置30がPC/サーバ24に電源を供給するための制御に用いられるリモート電源制御信号をUSBマウス50及びUSBキーボード52の出力信号に集約する例を説明した。EDID信号やリモート電源制御信号は、シリアル通信で伝送可能な低周波信号であるため、間欠的なUSBマウス50及びUSBキーボード52の出力信号に容易に集約することができる。よって、通信ケーブルで通信可能な信号数を増やすことができるため、コストを抑えて通信を行うことができる。
実施例1において、コンソールの出力信号の一例として、USBマウス50及びUSBキーボード52のUSB信号を説明した。コンソールの出力信号は間欠的な信号である。また、USB信号は数十Mbps程度の高周波信号である。よって、コンソールの出力信号をUSB信号とすることにより、コンソールの出力信号が途絶える区間に容易に制御信号などの信号を集約することができる。よって、通信ケーブルで通信可能な信号数を増やすことができるため、コストを抑えて通信を行うことができる。
実施例1において、ローカルユニット20とリモートユニット40とで通信する複数の信号のうち、少なくともDVI信号とDVI信号を除く信号とに異なる波長を割り当て、波長分割多重通信により送受信を行う構成を説明した。これにより、通信ケーブルで複数の信号を送信することができる。また、映像信号と映像信号を除く信号とに異なる波長を割り当てることにより、映像信号に他の信号を集約する場合に必要な高価な専用装置が不要となるため、コストを抑えることができる。波長分割多重通信の一例として光ケーブルによる光通信を説明した。波長分割多重通信の代わりに、他の方式の通信でもよい。光ケーブルの代わりに他の通信ケーブルを用いて、光ユニットTOSA108、光ユニットROSA208の代わりに他の通信ユニットを用いて、光通信以外の通信を行うようにしてもよい。映像信号の一例として、DVI信号を説明したが、他の映像信号でもよい。一つの光ケーブル60を用いる例を説明した。複数の光ケーブルを用いて、集約した信号を少なくとも一つの光ケーブルに割り当てて通信を行うようにしてもよい。複数の光ケーブルを用いて、それぞれに一つの信号を割り当てて通信を行う場合に比べて、光ケーブルの数を減らすことができるため、コストを抑えて通信を行うことができる。
実施例1によれば、ローカルユニット20は、DVI信号を出力するPC/サーバ24と接続され、入力操作を受け付けるUSBマウス50及びUSBキーボード52とPC/サーバ24が出力するDVI信号を表示するディスプレイ装置46とが接続されたリモートユニット40と、一つの光ケーブル60によりUSBマウス50及びUSBキーボード52の出力信号であるUSB信号及びDVI信号を含む複数の信号を送受信する。マイコン112は、受信した複数の信号が含む一つの信号Aが、USB信号並びにEDID信号及びリモート電源制御信号の少なくとも一方が集約された信号である場合、ステップS52のように、USB信号の周波数とEDID信号及びリモート電源制御信号の少なくとも一方の周波数との違いに基づいて、信号AがUSB信号か否かを判断する。ステップS54のように、マイコン112は、セレクタ106により、一つの信号AをUSB信号とEDID信号及びリモート電源制御信号の少なくとも一方とに分離する。これにより、USB信号とEDID信号及びリモート電源制御信号の少なくとも一方とが集約された一つの信号Aを分離して受信することができるため、通信ケーブルで通信可能な信号数を増やすことができる。したがって、通信ケーブルのコストを維持したままより多くの信号の通信を行うことができる。よって、より多くの信号を通信可能な高価な通信ケーブルや複数の通信ケーブルを用いる場合に比べて、コストを抑えて通信を行うことができる。
実施例1において、光ユニットTOSA20は、DVI信号を含む複数の信号をリモートユニット40へ送信するとき、DVI信号及び複数の信号のうちDVI信号を除く信号を一つの信号に集約しないで送信する例を説明した。DVI信号は数Gbps程度の高周波信号であって常時通信される映像信号であるため、DVI信号に他の信号を集約する場合、高価な専用の装置が必要である。実施例1のように、DVI信号とDVI信号を除く信号とを集約しないようにすることにより、高価な専用の装置は不要となるため、コストを抑えることができる。
実施例1において、ローカルユニット20及びリモートユニット40を有する通信システム10は、6つの異なる波長の光信号を多重可能な光ケーブルを用いて、高周波信号及び低周波信号を含む8つの信号を延長する例を説明した。図2において、電気信号の光信号への割り当ての一例を示した。これに対して、従来の電気信号の光信号への割り当ては、例えば、図12のようになる。図12は、従来の電気信号の光信号への割り当ての一例を示す図である。図12のように、ピン番号1、2、3及び4には、それぞれDVI信号のTMDS0、TMDS1、TMDS2及びTMDS CLKを割り当てる。ピン番号5、6、7及び8には、それぞれEDID信号、USB信号(TX USB)、USB信号(RX USB)及びリモート電源制御信号を割り当てる。このように、従来は、図12のように高価な8ピンの光ケーブルが必要であったが、実施例1により、安価な6ピンの光ケーブルを利用して8つの信号の通信を行うことができるため、コストを抑えて通信を行うことができる。
実施例1において、ローカルユニット20とリモートユニット40との通信に遅延が発生する場合がある。そこで、通信遅延を低減するため、ローカルユニット20とリモートユニット40とは、送信側でUSB信号を高い転送レートの信号に変換して、受信側で元のUSB信号に変換するようにしてもよい。すなわち、USBコア104は、経路128から入力されたUSB信号の転送レートをUSB規格上の転送レートよりも高い転送レートに変換して経路130から出力するようにしてもよい。ローカルユニット20は、USBコア104にて変換した信号を、光ユニットTOSA108により光信号に変換してリモートユニット40へ送信するようにしてもよい。リモートユニット40は、光ユニットROSA208により受信した光信号を電気信号に変換し、経路224によりUSBコア204へ出力するようにしてもよい。USBコア204は、経路226から入力された電気信号を元のUSB信号に変換して経路228へ出力するようにしてもよい。
以上、本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。