JP5359895B2 - Ipmモータ用ロータとipmモータ - Google Patents

Ipmモータ用ロータとipmモータ Download PDF

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Description

本発明は、磁石埋め込み型のIPMモータ用のロータと、該ロータを備えたIPMモータに関するものである。
永久磁石をロータ内部に埋め込んでなる磁石埋め込み型モータ(以下、IPMモータという)は、コイルと永久磁石の吸引力/反発力に起因するマグネットトルクに加えてリラクタンストルクを得ることができるため、永久磁石をロータ外周面に貼着してなる表面磁石型モータ(SPMモータ)に比して高トルクかつ高効率である。したがって、このIPMモータは、高出力性能が要求されるハイブリット車、電気自動車の駆動用モータ等に使用されている。なお、この永久磁石としては、希土類磁石やフェライト磁石、アルニコ磁石等の焼結磁石が一般に用いられている。
上記するIPMモータでは、ロータコアに形成された磁石用スロットへの永久磁石のスムースな挿入とスロットエッジにて永久磁石が損傷するのを回避するために、該スロットの寸法を永久磁石のそれよりも大寸法に設定しておき、非磁性素材の樹脂を磁石用スロット側面の樹脂充填用スロットに充填し、硬化させて永久磁石を固定する方法が一般に用いられている。
しかし、スロットの寸法が永久磁石よりも大きいことにより、仮に永久磁石の側面を上記非磁性素材の樹脂にて固定できたとしても、永久磁石とスロットのステータ側側面とが当接された姿勢で該永久磁石が固定される保障はなく、たとえばスロットの該ステータ側の側面と永久磁石の間に充填樹脂が入り込んで硬化することは往々にしてあり得る。この磁石用スロットのステータ側の側面と永久磁石の間の隙間や、この隙間に入り込んで硬化した樹脂材は磁気抵抗を増加させる要因となり、これらによって、ステータ側からロータ内の永久磁石に入り込むリラクタンストルクに寄与する磁束や、永久磁石からステータ側に流れ出すマグネットトルクに寄与する磁束それぞれの磁束流れが阻害される結果、モータ効率の低下や出力トルクの低下が齎されることとなってしまう。
なお、従来のIPMモータ用ロータに関し、磁石用スロット内にそれよりも小寸法の永久磁石を挿入し、該スロットのロータ中央側にバネ挿入用の溝を設け、これにバネを固定し、このバネによって永久磁石をスロットのステータ側の側面に押圧する技術が特許文献1,2に開示されている。
これらのロータ構成によれば、永久磁石と磁石用スロットのステータ側の側面との間の隙間は解消されるものの、磁石用スロット内にばねを設けることが極めて困難であることは理解に易く、また、一般に小寸法の磁石用スロット内にばねを設けること自体、非現実的であって、これが近時その生産が急拡大しているハイブリッド車の駆動用モータに供される場合には、ロータの増産には到底寄与できるものではないと考えられる。
一方、特許文献3には、相対寸法の大きなスロット内に永久磁石を挿入し、Oリングにてスロット内固定を実施する技術の開示がある。しかし、Oリングを使用することで、永久磁石のステータ側の側面とスロットの側面との間に隙間が形成されることは必至であり、これらの間の磁気抵抗が増加することとなってしまう。
特開2000−175388号公報 特開2000−341920号公報 特開2009−38906号公報
本発明は、上記する問題に鑑みてなされたものであり、ロータに形成された相対的に大寸法の磁石用スロット内に永久磁石が挿入されてなるIPMモータ用ロータに関し、極めて簡易な改良構造により、少なくとも、永久磁石のステータ側の側面と磁石用スロットの側面との間の隙間を効果的に解消することのできるIPMモータ用ロータと、このロータを具備するIPMモータを提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明によるIPMモータ用ロータは、ロータコアに設けられた磁石用スロット内に永久磁石が埋設され、該ロータコアの端部に2つのエンドプレートを具備する、IPMモータ用ロータであって、前記エンドプレートのうち、そのロータコア側の側面における前記スロットに対応する位置には、少なくとも前記永久磁石の一部と当接する当接部が設けてあり、前記当接部が永久磁石の前記一部と当接し、さらに押圧することで、少なくとも永久磁石のステータ側の側面がスロットのステータ側の側面に押し当てられているものである。
本発明のIPMモータ用ロータは、従来構造のものと同様に、永久磁石よりも大きな寸法の磁石用スロットを有するロータの該スロット内に永久磁石を挿入し、特に、永久磁石のステータ側の側面とスロットのステータ側の側面との間に形成され得るエアギャップを完全に閉塞するべく、ロータコアの両端部に配されるエンドプレートのうち、各磁石用スロットおよび永久磁石に対応する位置にそれぞれの永久磁石と当接する当接部を設けておき、この当接部で少なくとも永久磁石のステータ側の側面をスロットのステータ側の側面に押し当てた構成を有するものである。このように、永久磁石のステータ側の側面と磁石用スロットのステータ側の側面の間が完全に密着した構造を呈することで、永久磁石からステータ側に流れるマグネットトルクに寄与する磁束流れの阻害要因であったエアギャップ等を廃し、この磁束流れの促進を図ることができる。
たとえばロータコアに開設された磁石用スロットと永久磁石双方の平面形状が矩形の場合に、双方の平面寸法関係は、一般には、この永久磁石がスムースに該スロット内に挿入されるように、磁石用スロットの縦辺、横辺の各長さが永久磁石のそれらよりも長いものとなっている。そして、通常は、磁石用スロットの側方に漏れ磁束を低減させる形状を呈し、かつ、永久磁石を磁石用スロット内で固定するための樹脂充填用スロットがこの磁石用スロットと連通するようにして設けてある。
しかし、本発明のロータでは、ロータコアの両端にキャップされ、ロータコアの端面や永久磁石の端面を保護するためのエンドプレートにおいて、永久磁石を所望に押し込む当接部が設けてあることで、永久磁石を少なくとも磁石用スロットのステータ側の側面に押し込むことができることに加えて、永久磁石固定用の樹脂をスロット内に充填するのを不要とできるという相乗効果が奏されるものである。
ここで、エンドプレートに形成される当接部の形態として、大きく2つの形態を挙げることができる。
その一つは、当接部が、エンドプレートのロータコア側の平坦な前記側面に設けられた突起からなる形態である。
突起が永久磁石と磁石用スロットの間の隙間に入り込み、より具体的には、永久磁石と磁石用スロットのロータコア中央側の隙間に入り込んでエンドプレートを押圧し、永久磁石をスロットのステータ側の側面に押し当てて双方を密着させるものである。
また、他の一つの形態の当接部は、エンドプレートのロータコア側の前記側面に形成された凹溝を構成する傾斜部からなるものであって、前記永久磁石の端部は前記磁石用スロットの端部から前記凹溝内にはみ出し、このはみ出した箇所が前記傾斜部に当接するものである。
この傾斜部は、平坦な傾斜面であってもよいし、湾曲した傾斜面であってもよい。いずれの形態であっても、ロータコアから突出した永久磁石の端部がこの傾斜部にて当接され、永久磁石がスロットのステータ側の側面に押し当てられるようになっていればよい。
また、ロータ内に配設された永久磁石の配設形態によっては、一つの磁極が一つの永久磁石から形成されるもの、2以上の永久磁石から形成されるものなど、その形態は多様である。たとえば、2つの前記永久磁石が隙間を置いて、平面視で直線状に配されて一つの磁極を形成している形態、2つの前記永久磁石が隙間を置いて、平面視で略Vの字状に配されて一つの磁極を形成している形態、この平面視で略Vの字状の2つの永久磁石のさらにステータ側に一つの永久磁石が配された、3つの永久磁石からなる、いわゆるハルバッハ配置をなす形態、などを挙げることができる。
2つの永久磁石が隙間を置いて、平面視で直線状に配されて一つの磁極を形成している形態は、永久磁石の寸法が大寸法となった際に、ロータ回転時に該永久磁石に作用する遠心力にこの永久磁石やアウターブリッジ強度が耐えられない場合に、大寸法の永久磁石を2つに分断し、双方の間にセンターブリッジを設けることで、双方の永久磁石に作用する遠心力を低減し、アウターブリッジに作用する永久磁石の遠心力も同時に緩和するために適用されるものである。
本発明のロータでは、一つの磁極が一つの永久磁石から形成される形態、平面視で直線状に2つの永久磁石が配されて一つの磁極を形成している形態、のいずれの形態においても、上記のごとく、少なくとも永久磁石のステータ側の側面が磁石用スロットのステータ側の側面にエンドプレートに形成された当接部によって押し当てられた構造を呈していればよい。
しかし、2つの前記永久磁石が隙間を置いて、平面視で略Vの字状に配されて一つの磁極を形成している形態においては、上記基本構成を前提としながらも、モータトルク性能をより一層高めるために以下の構成を適用するのが望ましい。すなわち、磁極を構成する2つの前記永久磁石ごとに、前記エンドプレートには少なくとも2つの前記当接部が設けてあり、少なくとも2つの該当接部によって、前記2つの永久磁石のそれぞれは、そのステータ側の側面がスロットのステータ側の側面に押し当てられるとともに、永久磁石の前記隙間側(センターブリッジ側)の側面がスロットの該隙間側(センターブリッジ側)の側面に押し当てられている形態である。
本発明者等の検証によれば、このVの字状配置の2つの永久磁石から一つの磁極が形成されるロータを具備するモータに関し、永久磁石のステータ側の側面が磁石用スロットのステータ側の側面に密着し、かつ、永久磁石の隙間側(センターブリッジ側)の側面を磁石用スロットのセンターブリッジ側の側面に密着させた形態が、最も高いモータトルクが得られることが実証されている。
また、本発明のロータでは、そのロータコアに開設された磁石用スロットの側方に、これと連通する側方スロット(上記する従来構造のものの樹脂充填用スロットに相当する)をさらに備えていてもよく、この側方スロットを具備することで、上記する突起の一部はこの側方スロットに入り込み、該突起の他部が磁石用スロットに入り込んで、永久磁石を所望に押し込むことができる。なお、側方スロットを具備するものであっても、このスロットへの永久磁石固定用の樹脂材の配設は不要である。
また、この側方スロットを具備する形態においては、この側方スロットに、従来構造のもののように永久磁石固定用の樹脂を充填硬化させることに変えて、放熱性を有する、樹脂材もしくはフィラー含有樹脂材を充填硬化させるものであってもよい。
たとえば、この樹脂材として、エポキシ樹脂やポリプロピレン、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリイミドなどを使用でき、さらに、放熱性を一層高めるために混合されるフィラーとしては、シリカ、アルミナ、窒化ホウ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化マグネシウムなどを挙げることができる。
ここで、上記する本発明のロータに埋設される永久磁石は、希土類磁石やフェライト磁石、アルニコ磁石等を包含するものであり、希土類磁石としては、ネオジムに鉄とボロンを加えた3成分系のネオジム磁石、サマリウムとコバルトとの2成分系の合金からなるサマリウムコバルト磁石、サマリウム鉄窒素磁石、プラセオジム磁石などを挙げることができる。中でも、希土類磁石はフェライト磁石やアルニコ磁石に比して最大エネルギー積(BH)maxが高いことから、高出力が要求されるハイブリッド車等の駆動用モータへの適用に好適である。
また、ロータコアは、電磁鋼板を積層してなる鋼板積層体のほか、鉄、鉄−シリコン系合金、鉄−窒素系合金、鉄−ニッケル系合金、鉄−炭素系合金、鉄−ホウ素系合金、鉄−コバルト系合金、鉄−リン系合金、鉄−ニッケル−コバルト系合金および鉄−アルミニウム−シリコン系合金などの軟磁性金属粉末、もしくは軟磁性金属酸化物粉末がシリコーン樹脂等の樹脂バインダーで被覆された磁性粉末などからなる圧粉磁心、高密度圧粉磁心(HDMC)などから成形できる。
上記する本発明のIPMモータ用ロータは、永久磁石挿入用スロットの内側面と永久磁石との間に高い磁気抵抗となるエアギャップが存在しないことから、トルク性能、回転性能、モータ効率に優れたIPMモータを構成するロータとなる。したがって、このロータを具備するIPMモータは、近時その生産が拡大しており、高性能な駆動用モータの車載が急務の課題となっているハイブリッド車や電気自動車に好適である。
以上の説明から理解できるように、本発明のIPMモータ用ロータによれば、少なくとも、ロータに形成された磁石用スロットのステータ側の側面と永久磁石のステータ側の側面との間の隙間を、極めて簡易な改良構造にて完全に閉塞でき、もってモータ性能(トルク性能、回転性能、モータ効率)に優れたIPMモータを構成するロータを製造することができる。
(a)は、本発明のロータの一実施の形態の斜視図であり、(b)は、図1aのb−b矢視図である。 (a)は、図1aのエンドプレートのロータコア側の側面を示した斜視図であり、(b)は、エンドプレートに設けられた突起によって磁石用スロット内で永久磁石が押し込まれている状態を説明した図である。 (a)、(b)はともに、ロータ内の一つの磁極を構成する永久磁石の他の配設形態を示した平面図である。 ロータ内の一つの磁極を構成する永久磁石の他の配設形態を示した平面図である。 (a)、(b)はともに、ロータ内の一つの磁極を構成する永久磁石の他の配設形態を示した平面図である。 本発明のロータの他の実施の形態の縦断面図である。 (a)〜(b)は、磁場解析で適用した解析モデルのうち、磁石用スロット内における永久磁石の配設位置の相違を説明した模式図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1aは、本発明のロータの一実施の形態の斜視図であり、図1bは、図1aのb−b矢視図であり、図2aは、図1aのエンドプレートのロータコア側の側面を示した斜視図であり、図2bは、エンドプレートに設けられた突起によって磁石用スロット内で永久磁石が押し込まれている状態を説明した図である。
図1で示すIPMモータ用ロータ100は、円盤状の電磁鋼板1,…が積層され、これらがかしめ等されることでロータコア10が形成され、このロータコア10の中央位置には駆動シャフトスロット11が開設されており、その周縁部に開設された磁石用スロット12には、1つの磁極を構成する一つの永久磁石30が挿入固定され、ロータコア10の両端部にエンドプレート20,20が配されてその全体が構成されている。
各磁石用スロット12の平面視形状は横長矩形であり、このスロット12に挿通される永久磁石30は、このスロット12よりも小寸法の平面視横長矩形のものである。したがって、永久磁石30は磁石用スロット12の内部でいずれのスロット側面とも接触することのない姿勢となり得る。
エンドプレート20のロータコア10側の側面20aには、ロータコア10の端部に位置決めされた姿勢において、それぞれの永久磁石30と、それぞれの永久磁石30に固有の磁石用スロット12との間の隙間、より具体的には、双方のロータコア中央側の隙間に嵌り込む位置に、2つの突起41,41からなる当接部ユニット40を磁極の数だけ備えている。なお、この突起41の形状や基数は図示例に限定されるものではない。
そして、図2bで示すように、ロータコア10の端部にエンドプレート20が配設された姿勢において、このロータコア10側の側面20aに設けられた突起41,41が永久磁石30とスロット12の間に嵌り込み(同図のX1方向)、永久磁石30のステータ側の側面30aをスロット12のステータ側の側面12aに押し当てることにより(同図のX2方向)、スロット12のステータ側の側面12aに生じ得るエアギャップが完全に解消される。
このように、スロット12のステータ側の側面12aに永久磁石30のステータ側の側面30aが密着することで、永久磁石30からステータ側に流れるマグネットトルクに寄与する磁束流れの促進に繋がる。
ここで、図示を省略するが、平面視が略環状のヨークと、該ヨークから径方向内側に突出するティースとを備えた電磁鋼板,…が積層されてステータコアが形成され、このステータコアの内側に図示するロータ100が配設され、ロータ100に開設された駆動シャフトスロット11内に不図示の駆動シャフトが挿通固定され、この駆動シャフトがロータの外部でたとえば2つのベアリングギアにて回転自在に固定されて、IPMモータが構成される。なお、図示するロータコア10、不図示のステータコアともに、電磁鋼板を積層した形態以外にも、鉄、鉄−シリコン系合金、鉄−窒素系合金、鉄−ニッケル系合金、鉄−炭素系合金、鉄−ホウ素系合金、鉄−コバルト系合金、鉄−リン系合金、鉄−ニッケル−コバルト系合金および鉄−アルミニウム−シリコン系合金などの軟磁性金属粉末、もしくは軟磁性金属酸化物粉末がシリコーン樹脂等の樹脂バインダーで被覆された磁性粉末などからなる圧粉磁心にて成形されるものであってもよい。
図3a、b、図4、図5a,bはともに、ロータ内の一つの磁極を構成する永久磁石の他の配設形態を示した平面図である。
まず、図3aで示す磁極形態は、2つの永久磁石30,30が平面視で直線状に配されて一つの磁極30Aを構成するものであり、それぞれの永久磁石30はともに、突起41,41にてそのステータ側の側面30aが磁石用スロット12のステータ側の側面12aに押し当てられて双方が密着した姿勢を保持している。
図3aで示す磁極形態は、ロータおよびモータの体格が大きく、したがって永久磁石の体格も大きくなる場合に、ロータ回転時に永久磁石に生じる遠心力と、この遠心力が作用するロータコアのアウターブリッジに関し、永久磁石やアウターブリッジの剛性がこれらに作用する遠心力に耐えられないと判断される際に、大体格の永久磁石を図示例のように2つの相対的に小体格のものに分割し、双方の間にセンターブリッジCBを設けることで、各永久磁石に作用する遠心力を低減するとともに、アウターブリッジおよびセンターブリッジにて遠心力に抗し得るようにしたものである。
また、図3bで示す磁極形態は、2つの永久磁石30,30が隙間(センターブリッジCB)を置いて、平面視で略Vの字状に配されて一つの磁極30Bを構成するものである。
この磁極形態においては、突起41によって永久磁石30のステータ側の側面30aをスロット12のステータ側の側面12aに押し当てることに加えて、スロット12の外側(アウターブリッジCB側)に別途の突起41’が入り込み、永久磁石30のセンターブリッジ側の側面30bがスロット12のセンターブリッジCB側の側面12bに押し当てられた姿勢を保持している。
すなわち、図示を省略するが、この磁極形態のロータコアに配設されるエンドプレートのロータコア側の側面には、図3bのごとく、永久磁石30をVの字のステータ側でかつセンターブリッジCB側に押し込むように、突起41,41’が図2aとは異なる位置に設けられている。
Vの字状配置の永久磁石からなる磁極形態において、図3bで示すようにして永久磁石30,30を位置決め固定することで、モータトルク性能がより一層良好となるという、本発明者等の解析結果に基づくものである(後述)。
また、図4で示す形態の磁極30Cは、図1で示す永久磁石30と図3bで示す永久磁石30,30からなる磁極30Bと、からなる、すなわち、3つの永久磁石30,30,30を組み合わせた磁極形態であり、いわゆるハルバッハ配置をなす磁極形態である。
また、図5a,bで示す磁極形態はいずれも、図3bで示す磁極形態の変形例であり、ともに、磁石用スロット12のセンターブリッジ側およびアウターブリッジ側と、ロータ中央側に側方スロット13a,13bを有するものであり、この側方スロット13a,13bに突起42’、42の一部が嵌り込んで、永久磁石30をスロット12のステータ側の側面12aおよびセンターブリッジ側の側面12bに押し当てるものである。
なお、図5aの形態では、側方スロット13a,13bはエアギャップが形成されたままのものである一方、図5bの形態では、側方スロット13a,13bに、放熱性を有する樹脂材50で閉塞されている。
ここで、樹脂材50の素材としては、エポキシ樹脂やポリプロピレン、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリイミドなどが挙げられ、さらに、放熱性を一層高めるためにフィラーを混合する場合には、シリカ、アルミナ、窒化ホウ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化マグネシウムなどのフィラーが混合された樹脂素材からなる。
図示する磁石用スロット13a,13bの平面視形状は、永久磁石30の両端部からロータコア内へ環状に生じ得る漏れ磁束をより効果的に低減できるような形状に形成されているのがよく、たとえば図示例のように、略台形状、略三角形状の形状が適用できる。
図6は、本発明のロータの他の実施の形態の縦断面図である。図示するロータ100Aでは、エンドプレート20Aの永久磁石30’および磁石用スロット12に対応する位置に傾斜部20Abを有する凹溝20Aaを具備するものであり、永久磁石30’も永久磁石30に比して長尺のものが適用され、磁石用スロット12内に配設された際に、その先端がロータコア10から突出して凹溝20Aa内に収容されるようになっている。
そして、エンドプレート20Aがロータコア10の端部に配され、永久磁石30’の先端が凹溝20Aa内に収容された際に、この永久磁石30'の先端隅角部が凹溝の傾斜部20Abと当接し、永久磁石30’が磁石用スロットのステータ側の側面に押し込まれるようになっている(X3方向)。
[一つの磁極がVの字状の2つの永久磁石から形成されるロータモデルに関し、磁石用スロット内における永久磁石の配設位置とモータトルクの関係を実証した解析とその結果]
本発明者等は、ロータコアに開設された、平面視で相対的に大寸法の磁石用スロット内に相対的に小寸法の永久磁石を配設した際に、永久磁石が磁石用スロットのどの位置にある場合に、この永久磁石およびロータを具備するモータのトルクが最も大きくなるか、に関して、磁極適用頻度の高い平面視Vの字状の磁極形態をモデル化して磁場解析を実施した。
磁極に関する解析モデルの概要を図7a〜図7dに示している。図7aのロータモデルRM1における磁極モデルは、磁石用スロットSL内において、永久磁石モデルMMのステータ側の側面およびセンターブリッジCB側の側面が磁石用スロットのステータ側およびセンターブリッジ側の各側面に密着したものである。また、図7bのロータモデルRM2における磁極モデルは、磁石用スロットSL内において、永久磁石モデルMMが磁石用スロットのどの側面とも密着していないものである。また、図7cのロータモデルRM3における磁極モデルは、磁石用スロットSL内において、永久磁石モデルMMのステータと反対側の側面およびアウターブリッジOB側の側面が磁石用スロットのステータ側と反対側およびアウターブリッジ側の各側面に密着したものである。さらに、図7dのロータモデルRM4における磁極モデルは、磁石用スロットSL内において、永久磁石モデルMMのステータ側の側面およびアウターブリッジOB側の側面が磁石用スロットのステータ側およびアウターブリッジ側の各側面に密着したものである。
各解析モデルとも、図示する各形態の磁極をロータコア内でそれぞれ8極有しており、最大トルク発生時の電流を通電して磁場解析を実施し、求められたトルクの実効値で各モデルのトルク性能の比較を試みた。解析結果を以下の表1に示している。なお、同表においては、図7bのモデルの解析結果を基準として、他の解析モデルのトルク値の増分もしくは減少分を示しており、図7bの解析結果よりも大きくなるものは正の値で、小さくなるものは負の値でそれぞれの増分もしくは減少分を示している。
[表1]
Figure 0005359895
表1より、永久磁石が磁石用スロットのステータ側の側面と密着している解析モデルRM1,RM4のモータトルクが、磁石用スロットのいずれの側面とも永久磁石の側面が密着していない解析モデルRM2に比して0.2〜0.3%程度も増加することが本解析から実証された。さらに、この解析モデルRM1,RM4を比較するに、永久磁石が磁石用スロットのステータ側の側面に密着することに加えて、センターブリッジ側の側面に密着することにより、アウターブリッジ側の側面に密着する場合に対してさらに0.1%程度もトルクが増加することが実証された。
本解析結果より、少なくとも永久磁石のステータ側の側面は磁石用スロットのステータ側の側面に密着していることがモータトルク性能上好ましいこと、特に、一つの磁極がVの字状配置の2つの永久磁石からなる場合には、各永久磁石が磁石用スロットのステータ側の側面およびセンターブリッジ側の側面の双方に密着していることがモータトルク性能上好ましいことが実証された。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
1…電磁鋼板、10…ロータコア、11…駆動シャフトスロット、12…磁石用スロット、12a…磁石用スロットのステータ側の側面、12b…磁石用スロットのセンターブリッジ側の側面、20,20A…エンドプレート、20a…ロータコア側面、20Aa…凹溝、20Ab…当接部(傾斜部)、21…シャフト孔、30,30’…永久磁石、30A,30B,30C…一つの磁極、30a…永久磁石のステータ側の側面、30b…永久磁石のセンターブリッジ側の側面、40…当接部ユニット(突起ユニット)、41…当接部(突起)、41’…別途の当接部(突起)、50…放熱性を有する樹脂材、100,100A…IPMモータ用ロータ

Claims (3)

  1. ロータコアに設けられた磁石用スロット内に永久磁石が埋設され、2つの前記永久磁石が隙間を置いて平面視で直線状に配されて一つの磁極を形成しており、該ロータコアの端部に2つのエンドプレートを具備する、IPMモータ用ロータであって、
    前記エンドプレートのうち、そのロータコア側の側面における前記スロットに対応する位置には、少なくとも前記永久磁石の一部と当接する当接部が設けてあり、
    前記当接部は、前記エンドプレートのロータコア側の平坦な前記側面に設けられた突起であり、
    前記ロータコアは、前記磁石用スロットの少なくともロータ中央側にこれと連通する側方スロットをさらに備え、前記突起の一部が前記側方スロットに入り込み、該突起の他部が前記磁石用スロットに入り込み、
    磁極ごとに、前記突起が永久磁石の前記一部と当接し、さらに押圧することで、少なくとも前記2つの永久磁石のステータ側の側面がそれぞれスロットのステータ側の側面に押し当てられている、IPMモータ用ロータ。
  2. 前記側方スロットに、放熱性を有する、樹脂材もしくはフィラー含有樹脂材のいずれか一種が収容されている、請求項に記載のIPMモータ用ロータ。
  3. 請求項1または2に記載のロータを少なくとも備えている、IPMモータ。
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