JP5357635B2 - ゴム組成物およびその用途 - Google Patents

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Description

本発明はゴム組成物およびその用途に関し、詳しくは、成形性が良好であり、架橋体、発泡体等を好適に得ることが可能なゴム組成物およびその用途に関する。
エチレン・α‐オレフィン・非共役ポリエン共重合体は、その分子構造の主鎖に不飽和結合を有さないため、汎用の共役ジエンゴムと比べ、耐熱老化性、耐候性、耐オゾン性に優れている。このためエチレン・α‐オレフィン・非共役ポリエン共重合体は、自動車用部品、電線用材料、電気・電子部品、建築土木資材、工業材部品等の用途に広く用いられている。
従来からEPDM等のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体は、一般的にチタン系触媒あるいはバナジウム系触媒と有機アルミニウム化合物の組合せからなる触媒系(いわゆるチーグラー・ナッタ触媒系)を用いて製造されてきた。この触媒系の最大の欠点は、その生産性である。前記触媒系は、重合活性が低く触媒寿命が短いが故に、0〜50℃付近の低い温度で重合を行う必要がある。このような低い温度で重合を行うと、粘度は一般に温度が低い程高くなるため、重合溶液の粘度ネックで重合系内の生成物濃度は制限を受け、また生成物を脱触媒、脱灰処理するプロセスが必須であり、さらには重合熱の除熱に関しても低温重合であるが故に重合コントロールが難しい。以上のような問題があり、生産面・コスト面で改善が望まれていた。
一方、1980年代以降、活発に研究が行われてきたメタロセン触媒系は、チーグラー・ナッタ触媒系に比べ、優れた重合活性とα−オレフィン共重合能を示し、シングルサイト触媒である故に分子量分布、組成分布の狭い新規なオレフィン系共重合体の製造を可能にし、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体に関しても新規な製造方法に関する報告がなされている。
しかしながら、このようなメタロセン触媒系においても商業的実用化を阻む課題も多い。エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体製造に関する課題の例を挙げると、無脱灰プロセスに適応可能な重合活性、高温重合に耐え得る高い分子量、モノマー回収工程に負荷のかからない非共役ポリエン共重合能、良好な低温特性を示すための高いモノマー交互共重合能、良好な加工性を示す適度に広い分子量分布等、生産面、コスト面、物性面における課題が存在する。
例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3および特許文献4等には幾何拘束型触媒を用いた製造方法が開示されているが、α−オレフィンの共重合性に優れ高分子量体を生成するもののモノマーの交互共重合性が低いために、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体中のエチレン平均連鎖長が長く、結果、重要な物性の一つである低温特性が不充分という課題が残る。また、幾何拘束型触媒を用いた製造方法では、重合初期に高い重合活性を示す場合が多いため重合熱の制御が難しいという問題点あった。
また、特許文献5、特許文献6、特許文献7等には、配位子にビスシクロペンタジエニル基、ビスインデニル基を有する架橋型メタロセン触媒が開示されているが、モノマーの交互共重合性は比較的高いものの、いずれも重合活性が低く、得られるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体の分子量が低いという問題点がある。
さらには、上記幾何拘束型触媒および架橋型メタロセン触媒系を用いた場合、シングル
サイト触媒であるが故に、単一触媒系かつ単段重合において、一般的に、生成するエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体の分子量分布は狭く、分子量分布の制御が困難であるため、用途によっては加工性が不良といった不具合も生じることがある。
ところで、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体を含む組成物としては、特許文献8に、エチレン・α‐オレフィン・非共役ポリエン共重合体に加え、充填剤、繊維、可塑剤、油、着色剤、安定化剤、発泡剤、凝固遅延剤、凝固促進剤、および架橋剤からなる群から選択される少なくとも1種の添加物を含むことを特徴とする組成物が開示されている。しかしながら、特許文献8に記載の組成物としては、該共重合体以外の成分についての検討が不充分であり、どのような添加剤を、どの程度添加することにより、所望の効果を有する組成物(例えば成形性に優れる組成物)を得ることができるのかについては、何ら検討されていなかった。
EP0416815A2号公報 WO95/00526号公報 WO98/27103号公報 特表2001−522398号公報 特開2005−344101号公報 特開平9−151205号公報 特表2000−507635号公報 特表2002−528610号公報
本発明は、成形性が良好であり、さらに架橋性、発泡性等に優れ、架橋体、発泡体等を好適に得ることが可能なゴム組成物およびその用途を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定のエチレン・α‐オレフィン・非共役ポリエン共重合体を含有するゴム組成物は、成形性が良好であり、さらに架橋性、発泡性に優れ、架橋体、発泡体等を好適に得ることが可能であることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明のゴム組成物は、メタロセン触媒で合成されるエチレン・炭素原子数3〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体と、軟化剤と、充填剤とを含有するゴム組成物であって、前記エチレン・炭素原子数3〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体の、(1)ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により求められる分子量分布(Mw/Mn)が4以上であり、(2)以下の式(I)で表されるB値が
1.05以上であり、前記エチレン・炭素原子数3〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体100重量部に対して、軟化剤0.1〜300重量部、充填剤1〜300重量部含有することを特徴とする。
B値=([EX]+2[Y])/(2×[E]×([X]+[Y])) ・・・(I)
(ここで、[E]、[X]、[Y]は、それぞれ、エチレン、炭素数3〜20のα−オレフィン、非共役ポリエンのモル分率、[EX]はエチレン−炭素数3〜20のα−オレフィンダイアッド連鎖分率を示す。)
前記エチレン・炭素原子数3〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体の、(3)エチレンから導かれる構成単位の含量が50〜90モル%であり、(4)非共役ポリ
エンから導かれる構成単位の含量が0.1〜5モル%であり、(5)135℃のデカリン中で測定される極限粘度[η]が0.5〜5.0dL/gであることが好ましい。
前記メタロセン触媒は、下記一般式[a]で表される遷移金属化合物であることが好ましい。
Figure 0005357635
〔式[a]において、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15およびR16は、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲンで置換されてい
てもよい炭素数が1〜20の炭化水素基およびケイ素含有基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていてもよく、R1〜R16は、隣接した置換基と互いに結合して環を形成しても
よい。nは1〜3の整数であり、Y1およびY2は第14族原子であり相互に同一でも異なっていてもよい。ただし、nが1の場合、Y1およびY2が共にケイ素原子かつR1〜R12
が同時に水素原子であるときはR13〜R16は同時にフェニル基でなく、また、nが1の場合、Y1およびY2が共に炭素原子かつR1〜R12が同時に水素原子であるときはR13〜R16は同時に水素原子ではない。Mはチタニウム原子、ジルコニウム原子およびハフニウム
原子から選ばれ、Qはハロゲン原子、炭素数が1〜10の炭化水素基、炭素数が10以下の中性、共役または非共役ジエン、アニオン配位子および孤立電子対で配位可能な中性配位子から同一または異なる組合せで選ばれる。jは1〜4の整数である。jが2以上の場合は、Qは互いに同一でも異なってもよい。〕
前記一般式[a]において、Y1およびY2は炭素原子であるか、Y1およびY2はケイ素原子であることが好ましい。
前記一般式[a]において、Mはジルコニウム原子またはハフニウム原子であることが好ましい。
本発明のゴム組成物は、ポリオレフィン樹脂を1〜100重量部含有することが好ましい。
前記非共役ポリエンは、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)および5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)からなる群から選択される少なくとも1種の非共役ポリ
エンであることが好ましい。
前記炭素原子数3〜20のα−オレフィンはプロピレンであることが好ましい。
本発明のゴム組成物は、架橋剤を含有することが好ましい。本発明の架橋体は該ゴム組成物を架橋して得られる。
本発明のゴム組成物は、架橋剤および発泡剤を含有することも好ましい。本発明の発泡体は該ゴム組成物を架橋および発泡して得られる。
本発明の押出成形体は、前記ゴム組成物から形成される。
本発明のゴム組成物は、成形性に優れており、該組成物が架橋剤を含有する場合には架橋性に優れており、該組成物が架橋剤と発泡剤とを含有する場合には、架橋性および発泡性に優れている。このため、本発明のゴム組成物から架橋体、発泡体等を好適に得ることができる。
次に本発明について具体的に説明する。
<ゴム組成物>
本発明のゴム組成物は、メタロセン触媒で合成されるエチレン・炭素原子数3〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体と、軟化剤と、充填剤とを含有するゴム組成物であって、前記エチレン・炭素原子数3〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体の、(1)ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により求められる分子量分布(Mw/Mn)が4以上であり、(2)以下の式(I)で表されるB値が1.05
以上であり、前記エチレン・炭素原子数3〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体100重量部に対して、軟化剤0.1〜300重量部、充填剤1〜300重量部含有することを特徴とする。
B値=([EX]+2[Y])/(2×[E]×([X]+[Y])) ・・・(I)
(ここで、[E]、[X]、[Y]は、それぞれ、エチレン、炭素数3〜20のα−オレフィン、非共役ポリエンのモル分率、[EX]はエチレン−炭素数3〜20のα−オレフィンダイアッド連鎖分率を示す。)
また、本発明のゴム組成物は、前記エチレン・炭素原子数3〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体の、(3)エチレンから導かれる構成単位の含量が50〜90モル%であり、(4)非共役ポリエンから導かれる構成単位の含量が0.1〜5モル%であり、(5)135℃のデカリン中で測定される極限粘度[η]が0.5〜5.0dL/gであることが好ましい。
本明細書において、前記(1)〜(5)をそれぞれ、要件(1)〜(5)とも記す。また、本明細書において、「炭素原子数3〜20のα−オレフィン」を単に「α‐オレフィン」とも記す。
〔エチレン・炭素原子数3〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体〕
本発明のゴム組成物に含有されるエチレン・炭素原子数3〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体は、要件(1)および(2)を満たす共重合体であり、該共重合体はメタロセン触媒存在下で合成される。また、エチレン・炭素原子数3〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体は、要件(3)〜(5)を満たす共重合体であることが好ましい。
エチレン・炭素原子数3〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体は、エチレン、炭素原子数3〜20のα−オレフィン、非共役ポリエンをメタロセン触媒の存在下で重合することにより得られる。
前記炭素原子数3〜20のα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−エイコセンなどが挙げられる。これらのうち、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどの炭素原子数3〜8のα−オレフィンが好ましく、特にプロピレンがより好ましい。このようなα−オレフィンは、原料コストが比較的安価であり、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体が優れた機械的性質を示し、さらにゴム弾性を持った成形体を得ることができるため好ましい。これらのα−オレフィンは一種単独で用いても、二種以上を用いてもよい。すなわち、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体は、少なくとも1種の炭素原子数3〜20のα−オレフィンに由来する構成単位を含んでおり、2種以上の炭素原子数3〜20のα−オレフィンに由来する構成単位を含んでいてもよい。
非共役ポリエンとしては、具体的に、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)、5−プロピリデン−5−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、ノルボルナジエン等の環状ジエン;1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,5−ヘプタジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、6−メチル−1,7−オクタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン等の鎖状の非共役ジエン;2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン等のトリエンなどが挙げられる。これらのうち、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)、1,4−ヘキサジエンおよびジシクロペンタジエン、5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)、5−メチレン−2−ノルボルネンが好ましい。なかでも特に、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)、5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)が好ましい。このような非共役ポリエンは、硫黄によりゴム組成物を架橋する場合には、機械強度が優れるENB、1,4−ヘキサジエンおよびジシクロペンタジエンが好ましく、有機過酸化物によりゴム組成物を架橋する場合には、架橋効率および耐熱老化性に優れるVNB、5−メチレン−2−ノルボルネンが好ましい。なお、これらの非共役ポリエンは一種単独で用いても、二種以上を用いてもよい。
(要件(1))
要件(1)とは、エチレン・炭素原子数3〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体の、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により求められる分子量分布(Mw/Mn)が4以上であり、好ましくは4〜20であり、より好ましくは5〜15であり、さらに好ましくは7〜12であるとするものである。分子量分布が前記範囲であると、ゴム組成物の加工性、特にロール加工性、押出し加工性が向上するため好ましい。
(要件(2))
要件(2)とは、エチレン・炭素原子数3〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体の、以下の式(I)で表されるB値が1.05以上であり、好ましくは1.05〜2.00であるとするものである。前記範囲内であるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体は、B値が1.05未満であるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体と比べ、モノマーの交互共重合性が強く、結果、エチレン平均連鎖長が短く
なり、重要物性の一つである低温特性において良好な特性を示す。
B値=([EX]+2[Y])/(2×[E]×([X]+[Y])) ・・・(I)
(ここで、[E]、[X]、[Y]は、それぞれ、エチレン、炭素数3〜20のα−オレフィン、非共役ポリエンのモル分率、[EX]はエチレン−炭素数3〜20のα−オレフィンダイアッド連鎖分率を示す。)
なお、前記B値は、実施例に記載の方法に従い、13C−NMRにより求めることができる。
このB値が大きいほど、α−オレフィン単位または非共役ポリエン単位のブロック的連鎖が短くなり(交互共重合性が強くなり)、α−オレフィン単位および非共役ポリエン単位の分布が一様であることを示している。なおB値が小さくなるほど非共役ポリエン系共重合体のα−オレフィン単位および非共役ポリエン単位の分布が一様でなく(交互共重合性が弱くなり)、ブロック的連鎖が長くなることを示している。このブロック的連鎖の長さがエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体の物性面における特性に影響を及ぼすことになり、例えば、B値が大きいほどブロック的連鎖が短くなり良好な低温特性を示す。また、B値が1.00よりも小さくなるほどエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体のポリマー鎖中の組成分布は広くなり、このような共重合体は、組成分布の狭い共重合体に比べて、例えば加硫した場合には強度などの物性を充分に発現しないことがある。
なお、本発明において、エチレン・炭素原子数3〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体の上記式(I)で表されるB値は1.05以上を示すが、例えば、チタン系非メタロセン触媒を用いた場合、あるいは特表2001−522398号公報記載の幾何拘束型触媒を用いた場合、得られるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体のB値は1.05未満を示す。
(要件(3))
要件(3)とは、エチレン・炭素原子数3〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体の、エチレンから導かれる構成単位の含量が、好ましくは50〜90モル%であり、より好ましくは60〜80モル%であるとするものである。なお、エチレンから導かれる構成単位と炭素原子数3〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位と非共役ポリエンから導かれる構成単位との合計を100モル%とする。前記範囲内では、ゴム組成物から得られる成形体の強度、柔軟性に優れるため、好ましい。
なお、前記エチレンから導かれる構成単位の含量は、13C−NMRにより求めることができる。
(要件(4))
要件(4)とは、エチレン・炭素原子数3〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体の、非共役ポリエンから導かれる構成単位の含量が、好ましくは0.1〜5モル%であり、より好ましくは0.5〜4モル%であるとするものである。なお、エチレンから導かれる構成単位と炭素原子数3〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位と非共役ポリエンから導かれる構成単位との合計を100モル%とする。前記範囲内では、ゴム組成物から得られる成形体の強度、ゴム弾性、圧縮永久歪みなどが優れ、またゴム組成物が架橋剤および発泡剤を含有する場合には、発泡性、寸法安定性などに優れるため、好ましい。
なお、前記非共役ポリエンから導かれる構成単位の含量は、13C−NMRにより求めることができる。
(要件(5))
要件(5)とは、エチレン・炭素原子数3〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体の、135℃のデカリン中で測定される極限粘度[η]が、好ましくは0.5〜5.0dL/gであり、より好ましくは1.0〜4.0dL/gであるとするものである。前記範囲内では、ゴム組成物の成形性に優れ、さらにゴム組成物の強度、柔軟性にも優れるため、好ましい。
なお、前記極限粘度[η]は、ASTM D 1601に従って測定することにより求めることができる。
また、本発明に用いるエチレン・炭素原子数3〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体のtanδ−Tg(℃)は低いほど好ましく、−42℃以下であることが好ましい。tanδ−Tg(℃)とは、以下のとおり粘弾性測定装置により測定して得られる、共重合体のガラス転移温度のことをいう。エチレン・炭素原子数3〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体のtanδ−Tg(℃)が低いと、得られるゴム組成物の低温特性が良好となる傾向がある。
なお、本発明において、tanδ−Tgは、以下のような方法で測定した値である。
粘弾性測定装置(ARES(TA Instrumens JAPAN Inc.社製))を用いて、下記測定条件で共重合体の粘度の温度依存性を測定する。当該測定で得られる、貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G”)との比(G”/G’:損失正接)をtanδとする。tanδを温度に対してプロットすると、上に凸の曲線となり、凸部の頂点時の温度を、ガラス転移温度、すなわちtanδ―Tgとする。
(測定条件)
Frequency :1.0Hz
Temperature :−70〜50℃
Ramp Rate :4.0℃/分
Strain :0.5%。
(メタロセン触媒)
前記エチレン・炭素原子数3〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体は、メタロセン触媒を用いて合成される。前記メタロセン触媒は、(A)下記一般式[a]で表される遷移金属化合物(以下「架橋メタロセン化合物」とも記す。)であることが好ましく、さらに前記(A)架橋メタロセン化合物と、(B)(B−1)有機金属化合物、(B−2)有機アルミニウムオキシ化合物、および(B−3)遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物と、からなることが好ましい。このような触媒を用いて得られるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体を含有するゴム組成物は、成形性が良好であり、さらに架橋性、発泡性に優れ、架橋体、発泡体等を好適に得ることが可能である。
Figure 0005357635
〔式[a]において、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15およびR16は、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲンで置換されてい
てもよい炭素数が1〜20の炭化水素基およびケイ素含有基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていてもよく、R1〜R16は、隣接した置換基と互いに結合して環を形成しても
よい。nは1〜3の整数であり、Y1およびY2は第14族原子であり相互に同一でも異なっていてもよい。ただし、nが1の場合、Y1およびY2が共にケイ素原子かつR1〜R12
が同時に水素原子であるときはR13〜R16は同時にフェニル基でなく、また、nが1の場合、Y1およびY2が共に炭素原子かつR1〜R12が同時に水素原子であるときはR13〜R16は同時に水素原子ではない。Mはチタニウム原子、ジルコニウム原子およびハフニウム
原子から選ばれ、Qはハロゲン原子、炭素数が1〜10の炭化水素基、炭素数が10以下の中性、共役または非共役ジエン、アニオン配位子および孤立電子対で配位可能な中性配位子から同一または異なる組合せで選ばれる。jは1〜4の整数である。jが2以上の場合は、Qは互いに同一でも異なってもよい。〕
このような触媒を用いて、エチレン、α−オレフィン、および非共役ポリエンを共重合することにより、前記要件(1)および(2)、さらに好ましくは前記要件(3)〜(5)を満たすエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体を得ることができる。
以下、架橋メタロセン化合物、好ましい架橋メタロセン化合物の例示、本発明に用いる架橋メタロセン化合物の製造方法、本発明に用いる架橋メタロセン化合物を他の触媒成分に供する際の好ましい形態、最後にこのメタロセン触媒の存在下でモノマー類を重合する方法について順次説明する。
架橋メタロセン化合物
本発明に用いる架橋メタロセン化合物は、前記一般式[a]で表される。一般式[a]において、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13
14、R15およびR16は水素原子、ハロゲン原子、ハロゲンで置換されていてもよい炭素数が1〜20の炭化水素基およびケイ素含有基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていてもよく、R1〜R16は隣接した置換基と互いに結合して環を形成してもよい。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
炭化水素基としては、炭素数1〜20のアルキル基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基あるいは置換アリール基などが挙げられる。例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、アリル(allyl)基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、アミル基、n−ペン
チル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デカニル基、3−メチルペンチル基、1,1−ジエチルプロピル基、1,1−ジメチルブチル基、1−メチル−1−プロピルブチル基、1,1−プロピルブチル基、1,1−ジメチル−2−メチルプロピル基、1−メチル−1−イソプロピル−2−メチルプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、ノルボルニル基、アダマンチル基、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、キシリル基、イソプロピルフェニル基、t−ブチルフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フェナントリル基、アントラセニル基、ベンジル基、クミル基、1,1−ジフェニルエチル基、トリフェニルメチル基などを挙げることができ、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基などの酸素含有基、ニトロ基、シアノ基、N−メチルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、N−フェニルアミノ基などの窒素含有基、ボラントリイル基、ジボラニル基などのホウ素含有基、スルホニル基、スルフェニル基などのイオウ含有基を含むものも炭化水素基として挙げられる。
上記炭化水素基は、水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよく、そのような炭化水素基としては例えば、トリフルオロメチル基、トリフルオロメチルフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、クロロフェニル基などを挙げることができる。
ケイ素含有基としては、シリル基、シロキシ基、炭化水素置換シリル基、炭化水素置換シロキシ基などを挙げることができる。例えば、メチルシリル基、ジメチルシリル基、トリメチルシリル基、エチルシリル基、ジエチルシリル基、トリエチルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、トリフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、ジメチル−t−ブチルシリル基、ジメチル(ペンタフルオロフェニル)シリル基などを挙げることができる。
前記一般式[a]における置換基R1〜R4を有するシクロペンタジエニル基としては、R1〜R4が水素原子である無置換シクロペンタジエニル基、3−t−ブチルシクロペンタジエニル基、3−メチルシクロペンタジエニル基、3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル基、3−フェニルシクロペンタジエニル基、3−アダマンチルシクロペンタジエニル基、3−アミルシクロペンタジエニル基、3−シクロヘキシルシクロペンタジエニル基などの3位1置換シクロペンタジエニル基、3−t−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル基、3−t−ブチル−5−エチルシクロペンタジエニル基、3−フェニル−5−メチルシクロペンタジエニル基、3,5−ジ−t−ブチルシクロペンタジエニル基、3,5−ジメチルシクロペンタジエニル基、3−フェニル−5−メチルシクロペンタジエニル基、3−トリメチルシリル−5−メチルシクロペンタジエニル基などの3,5位2置換シクロペンタジエニル基などを例示することができる。架橋メタロセン化合物の合成上の容易さ、製造コストおよび非共役ポリエンの共重合能の観点から、無置換、すなわち、R1
4が全て水素原子であるシクロペンタジエニル基が好ましい。
前記一般式[a]における置換基R5〜R12を有するフルオレニル基としては、R5〜R12が水素原子である無置換フルオレニル基、2−メチルフルオレニル基、2−t−ブチルフルオレニル基、2−フェニルフルオレニル基などの2位1置換フルオレニル基、4−メチルフルオレニル基、4−t−ブチルフルオレニル基、4−フェニルフルオレニル基などの4位1置換フルオレニル基、あるいは2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル基、3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル基などの2,7位もしくは3,6位2置換フルオレニル基
、2,7−ジメチル−3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル基、2,7−ジフェニル−3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル基などの2,3,6,7位4置換フルオレニル基、あるいは下記一般式[IV−I]、[IV−II]で表されるようなR6とR7が互いに結合し環を形成し、R10とR11が互いに結合し環を形成している2,3,6,7位4置換フルオレニル基などを例示することができる。
Figure 0005357635
Figure 0005357635
〔式[IV−I]および[IV−II]中、R5、R8、R9およびR12は前記一般式[a]にお
ける定義と同様であり、Ra、Rb、Rc、Rd、Re、Rf、RgおよびRhは、水素原子または炭素数1〜5のアルキル基であり、隣接した置換基と互いに結合して環を形成してもよい。具体的には水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、アミル基、n−ペンチル基を例示できる。また、式[IV−I]中、RxおよびRyはそれぞれ独立に炭素数1〜3の不飽和結合を有してもよい炭化水素基であり、RxがRaまたはRcが結合した炭素と共同して二重結合を形成していてもよく、
yがReまたはRgが結合した炭素と共同して二重結合を形成していてもよく、RxおよびRyがともに炭素数1または2の飽和または不飽和の炭化水素基であることが好ましい。

上記一般式[IV−I]、[IV−II]で表される化合物として、具体的には、式[IV−III]で表されるオクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル基、式[IV−IV]で表さ
れるテトラメチルドデカヒドロジベンゾフルオレニル基、式[IV−V]で表されるオクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル基、式[IV−VI]で表されるヘキサメチルジヒドロジシクロペンタフルオレニル基、式[IV−VII]で表されるb,h−ジベンゾ
フルオレニル基が挙げられる。
Figure 0005357635
Figure 0005357635
Figure 0005357635
Figure 0005357635
Figure 0005357635
これらのフルオレニル基を含む架橋メタロセン化合物はいずれも非共役ポリエンの共重合能に優れる。中でも、置換型フルオレニル基がより好ましく、特に2,7位、あるいは3,6位2置換フルオレニル基、2,3,6,7位4置換フルオレニル基、上記一般式[IV−I]で表される2,3,6,7位4置換フルオレニル基を有する架橋メタロセン化合
物が非共役ポリエン共重合能に優れる。
重合活性についてはいずれも高い重合活性を示すが、2,7位2置換フルオレニル基を有する架橋メタロセン化合物が特に優れる。また、生成するエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体はいずれも高い分子量を示すことから、より高温での重合に好適であり、分子量分布も広く、かつ分子量分布の制御も可能である。
13、R14、R15およびR16は相互に同一でも異なってもよいが、好ましくは水素原子、炭素数1〜5の炭化水素基、フェニル基であり、より好ましくは水素原子、メチル基であり、特に好ましくは水素原子である。
架橋部であるY1およびY2は第14族原子であり相互に同一でも異なっていてもよい。第14族原子としては、炭素原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子およびスズ原子を例示できるが、炭素原子またはケイ素原子が好ましい。合成上の容易さからY1とY2が同一原子であることがより好ましいが、さらに好ましくは、Y1およびY2が炭素原子であるか、Y1およびY2がケイ素原子であり、特に好ましくは、Y1およびY2が炭素原子である。なお、nが1の場合、Y1およびY2が共にケイ素原子かつR1〜R12が同時に水素原子であ
るときはR13〜R16は同時にフェニル基ではなく、また、nが1の場合、Y1およびY2が共に炭素原子かつR1〜R12が同時に水素原子であるときはR13〜R16は同時に水素原子
ではない。
nは1〜3の整数であり、好ましくはnは1または2であり、より好ましくは合成上の容易さからn=1である。nが2あるいは3の場合、それぞれ2個あるいは3個存在するR15、R16はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、R15、R16は互いに結合して環を形成してもよい。R13とR15は互いに結合して環を形成してもよく、R13とR15は互いに結合して環を形成すると同時にR14とR16は互いに結合して環を形成してもよい。R13とR15が環を形成するとは、n=1の場合は、R13と、Y1に隣接する(α位の)Y2上のR15とが環を形成することであり;n=2の場合は、R13と、Y1の隣接位(α位)またはβ
位のY2上のR15とが環形成してもよく;n=3の場合は、R13と、Y1の隣接位(α位)、β位またはγ位のY2上のR15とが環形成していてもよい。R14とR16が環を形成する
場合も同じように、n=1の場合は、R14と、Y1に隣接する(α位の)Y2上のR16とが環を形成することであり;n=2の場合は、R14と、Y1の隣接位(α位)またはβ位の
2上のR16とが環形成してもよく;n=3の場合は、R14とY1の隣接位(α位)、β位またはγ位のY2上のR16とが環形成していてもよい。
Mは、チタニウム原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子である。好ましくはジルコニウム原子またはハフニウム原子である。Mがこのような原子であると、広い分子量分布を示すエチレン・α―オレフィン・非共役ポリエン共重合体を得ることが可能である。特に、Mがハフニウム原子であると、高分子量のエチレン・α―オレフィン・非共役ポリエン共重合体を得ることが可能となり、また、高温で重合することが可能となる。
Qは、ハロゲン原子、炭素数が1〜10の炭化水素基、炭素数が10以下の中性、共役または非共役ジエン、アニオン配位子および孤立電子対で配位可能な中性配位子から選ばれる。
jは1〜4の整数であり、jが2以上の場合は、Qは互いに同一でも異なってもよい。
ハロゲン原子の具体例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、好ましくは塩素原子である。炭素数1〜10の炭化水素基の具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルプロ
ピル、2,2−ジメチルプロピル、1,1−ジエチルプロピル、1−エチル−1−メチルプロピル、1,1,2,2−テトラメチルプロピル、sec−ブチル、t−ブチル、1,1−ジメチルブチル、1,1,3−トリメチルブチル、ネオペンチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシル、1−メチル−1−シクロヘキシル、ベンジル等が挙げられ、好ましくはメチル、エチル、ベンジルである。
炭素数が10以下の中性、共役または非共役ジエンの具体例としては、s−シス−また
はs−トランス−η4−1,3−ブタジエン、s−シス−またはs−トランス−η4−1,4
−ジフェニル−1,3−ブタジエン、s−シス−またはs−トランス−η4−3−メチル−
1,3−ペンタジエン、s−シス−またはs−トランス−η4−1,4−ジベンジル−1,
3−ブタジエン、s−シス−またはs−トランス−η4−2,4−ヘキサジエン、s−シス−またはs−トランス−η4−1,3−ペンタジエン、s−シス−またはs−トランス−η4
1,4−ジトリル−1,3−ブタジエン、s−シス−またはs−トランス−η4−1,4−
ビス(トリメチルシリル)−1,3−ブタジエン等が挙げられる。
アニオン配位子の具体例としては、メトキシ、t−ブトキシ、フェノキシ等のアルコキシ基、アセテート、ベンゾエート等のカルボキシレート基、メシレート、トシレート等のスルホネート基等が挙げられる。
孤立電子対で配位可能な中性配位子の具体例としては、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルメチルホスフィンなどの有機リン化合物、またはテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類が挙げられる。
架橋メタロセン化合物およびその例示
以下に、架橋メタロセン化合物の具体例を示すが、特にこれにより本発明の範囲が限定されるものでもない。
本発明における架橋メタロセン化合物の具体例としては、エチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、エチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、エチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、エチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジフェニル−3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、エチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ハフニウムジクロリド、エチレン(シクロペンタジエニル)(テトラメチルドデカヒドロジベンゾフルオレニル)ハフニウムジクロリド、エチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル)ハフニウムジクロリド、エチレン(シクロペンタジエニル)(ヘキサメチルジヒドロジシクロペンタフルオレニル)ハフニウムジクロリド、エチレン(シクロペンタジエニル)(b,h−ジベンゾフルオレニル)ハフニウムジクロリド、
エチレン(3−t−ブチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ハフニウムジクロリド、エチレン(3−t−ブチルシクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、エチレン(3−t−ブチルシクロペンタジエニル)(3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、エチレン(3−t−ブチルシクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、エチレン(3−t−ブチルシクロペンタジエニル)(2,7−ジフェニル−3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、エチレン(3−t−ブチルシクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル
)ハフニウムジクロリド、エチレン(3−t−ブチルシクロペンタジエニル)(テトラメチルドデカヒドロジベンゾフルオレニル)ハフニウムジクロリド、エチレン(3−t−ブチルシクロペンタジエニル)(オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル)ハフニウムジクロリド、エチレン(3−t−ブチルシクロペンタジエニル)(ヘキサメチルジヒドロジシクロペンタフルオレニル)ハフニウムジクロリド、エチレン(3−t−ブチルシクロペンタジエニル)(b,h−ジベンゾフルオレニル)ハフニウムジクロリド、
エチレン(3−メチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ハフニウムジクロリド、エチレン(3−メチルシクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、エチレン(3−メチルシクロペンタジエニル)(3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、エチレン(3−メチルシクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、エチレン(3−メチルシクロペンタジエニル)(2,7−ジフェニル−3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、エチレン(3−メチルシクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ハフニウムジクロリド、エチレン(3−メチルシクロペンタジエニル)(テトラメチルドデカヒドロジベンゾフルオレニル)ハフニウムジクロリド、エチレン(3−メチルシクロペンタジエニル)(オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル)ハフニウムジクロリド、エチレン(3−メチルシクロペンタジエニル)(ヘキサメチルジヒドロジシクロペンタフルオレニル)ハフニウムジクロリド、エチレン(3−メチルシクロペンタジエニル)(b,h−ジベンゾフルオレニル)ハフニウムジクロリド、
エチレン(3−t−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ハフニウムジクロリド、エチレン(3−t−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、エチレン(3−t−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)(3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、エチレン(3−t−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、エチレン(3−t−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)(2,7−ジフェニル−3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、エチレン(3−t−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ハフニウムジクロリド、エチレン(3−t−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)(テトラメチルドデカヒドロジベンゾフルオレニル)ハフニウムジクロリド、エチレン(3−t−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)(オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル)ハフニウムジクロリド、エチレン(3−t−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)(ヘキサメチルジヒドロジシクロペンタフルオレニル)ハフニウムジクロリド、
エチレン(3−t−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)(b,h−ジベンゾフルオレニル)ハフニウムジクロリド、エチレン(3−t−ブチル−5−エチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ハフニウムジクロリド、エチレン(3−t−ブチル−5−エチルシクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、エチレン(3−t−ブチル−5−エチルシクロペンタジエニル)(3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、エチレン(3−t−ブチル−5−エチルシクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、エチレン(3−t−ブチル−5−エチルシクロペンタジエニル)(2,7−ジフェニル−3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、エチレン(3−t−ブチル−5−エチルシクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ハフニウムジクロリド、エチレン(3−t−ブチル−5−エチルシクロペンタジエニル)(テトラメチルドデカヒドロジベンゾフルオレニル)ハフニ
ウムジクロリド、エチレン(3−t−ブチル−5−エチルシクロペンタジエニル)(オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル)ハフニウムジクロリド、エチレン(3−t−ブチル−5−エチルシクロペンタジエニル)(ヘキサメチルジヒドロジシクロペンタフルオレニル)ハフニウムジクロリド、エチレン(3−t−ブチル−5−エチルシクロペンタジエニル)(b,h−ジベンゾフルオレニル)ハフニウムジクロリド、
エチレン(3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ハフニウムジクロリド、エチレン(3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、エチレン(3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、エチレン(3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、エチレン(3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(2,7−ジフェニル−3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、エチレン(3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ハフニウムジクロリド、エチレン(3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(テトラメチルドデカヒドロジベンゾフルオレニル)ハフニウムジクロリド、エチレン(3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル)ハフニウムジクロリド、エチレン(3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(ヘキサメチルジヒドロジシクロペンタフルオレニル)ハフニウムジクロリド、エチレン(3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(b,h−ジベンゾフルオレニル)ハフニウムジクロリド、
エチレン(3−フェニルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ハフニウムジクロリド、エチレン(3−フェニルシクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、エチレン(3−フェニルシクロペンタジエニル)(3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、エチレン(3−フェニルシクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、エチレン(3−フェニルシクロペンタジエニル)(2,7−ジフェニル−3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、エチレン(3−フェニルシクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ハフニウムジクロリド、エチレン(3−フェニルシクロペンタジエニル)(テトラメチルドデカヒドロジベンゾフルオレニル)ハフニウムジクロリド、エチレン(3−フェニルシクロペンタジエニル)(オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル)ハフニウムジクロリド、エチレン(3−フェニルシクロペンタジエニル)(ヘキサメチルジヒドロジシクロペンタフルオレニル)ハフニウムジクロリド、エチレン(3−フェニルシクロペンタジエニル)(b,h−ジベンゾフルオレニル)ハフニウムジクロリド、
テトラメチルジシリレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ハフニウムジクロリド、テトラメチルジシリレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、テトラメチルジシリレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、テトラメチルジシリレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、テトラメチルジシリレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジフェニル−3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、テトラメチルジシリレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ハフニウムジクロリド、テトラメチルジシリレン(シクロペンタジエニル)(テトラメチルドデカヒドロジベンゾフルオレニル)ハフニウムジクロリド、テトラメチルジシリレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル)ハフニウムジクロリド、テトラメチルジシリレン(シクロペンタジエニル)(ヘキサメチルジヒドロジシクロペンタフルオレニル)ハフニウムジクロリド、テトラメチルジシリレ
ン(ブチルシクロペンタジエニル)(b,h−ジベンゾフルオレニル)ハフニウムジクロリド、および上記化合物の塩素原子をメチル、ベンジル、あるいはハフニウム原子をジルコニウム原子、チタニウム原子に置き換えた化合物等が挙げられるがこれらに限定されるものでもない。
また、ハフニウム原子、ジルコニウム原子、チタニウム原子の中では、ジルコニウム原子、ハフニウム原子が好ましい。特にハフニウム原子を有する化合物は、一般的に高分子量体を生成させる。また、ハフニウム原子を有すると、高温での重合が可能となることから、生産性向上の観点から好ましい。ハフニウム原子がジルコニウム原子やチタニウム原子と比べ高分子量体を生成させるのは、(1)ジルコニウム原子やチタニウム原子と比べて、ハフニウム原子のルイス酸性度が小さく、反応性が低い、(2)ジルコニウム原子やチタニウム原子と比べて、ハフニウム原子−炭素原子間の結合エネルギーが大きいことが、分子量決定因子の一つである生成ポリマー鎖と結合している重合活性種の(β−水素脱離反応を含めた)連鎖移動反応を抑制していることに起因していると考えられる。また、これらの化合物は単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせてもよい。
上記触媒を用いて得られるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体を含有するゴム組成物は、成形性が良好であり、さらに架橋性、発泡性に優れ、架橋体、発泡体等を好適に得ることが可能である。
上記触媒を用いて製造したエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体の分子量分布は重合時間に依存し、重合時間を延長することにより分子量分布は広くなる。これは、重合の経過と共に重合系内に新たな重合活性種(アルキルハフニウムカチオン)(少なくとも1種)が生成し、この重合活性種が生成させるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体の分子量は、重合開始直後に存在している重合活性種(アルキルハフニウムカチオン)が生成させるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体の分子量と大きく異なるためである。
上記現象は、シクロペンタジエニル基およびフルオレニル基間を結ぶ第14族原子が2個以上存在する遷移金属化合物に特有な現象である。これは、シクロペンタジエニル基およびフルオレニル基間を結ぶ第14族原子が1個である触媒に比べ、それが2個以上である触媒は、活性種が種々の配座異性をとることが可能となることに起因していると考えられる。
また、製造されるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体の分子量分布をより広げたい場合は、重合時間を延長するか、上記の触媒を2種以上用いるか、あるいはこの二つの方法を組み合わせて用いればよい。逆に、分子量分布を狭くしたい場合は、上記の触媒1種を用い、重合時間を短縮し調整すればよい。
架橋メタロセン化合物の製造方法
上述した架橋メタロセン化合物は公知の方法によって製造可能であり、特に製造法が限定されるわけではない。製造方法として例えば、J.Organomet.Chem.,
37,561(1998)、本出願人による特開2004−175707号公報に記載
の方法により製造することができる。
架橋メタロセン化合物を他の触媒成分に供する際の好ましい形態
次に上記架橋メタロセン化合物を、他の触媒成分に供する際の好ましい形態について説明する。
本発明に用いるメタロセン触媒は、(A)架橋メタロセン化合物とともに、(B)(B
−1)有機金属化合物、(B−2)有機アルミニウムオキシ化合物、および(B−3)架橋メタロセン化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物、から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有していてもよく、さらに必要に応じて、(C)粒子状担体を含有していてもよい。
以下、各成分について具体的に説明する。
(B−1)有機金属化合物
本発明に用いる(B−1) 有機金属化合物として、具体的には下記一般式[V]〜[VII]のような周期表第1、2族および第12、13族の有機金属化合物が挙げられる。
(B−1a)一般式:Ra mAl(ORbnpq ・・・[V]
〔式[V]中、Ra およびRb は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3の数であり、かつm+n+p+q=3である〕で表される有機アルミニウム化合物。
このような化合物として、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリn−オクチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム、トリシクロアルキルアルミニウム、イソブチルアルミニウムジクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、メチルアルミニウムジクロリド、ジメチルアルミニウムクロリド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドを例示することができる。
(B−1b)一般式:M2AlRa 4 ・・・[VI]
〔式[VI]中、M2 はLi、NaまたはKを示し、Ra は炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基である。〕で表される周期表第1族金属とアルミニウムとの錯アルキル化物。
このような化合物として、LiAl(C254、LiAl(C7154などを例示す
ることができる。
(B−1c)一般式:Rab3 ・・・[VII]
〔式[VII]中、RaおよびRbは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1
〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、M3はMg、ZnまたはCdである。〕
で表される周期表第2族または第12族金属のジアルキル化合物。
上記の有機金属化合物(B−1)の中では、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリn−オクチルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物が好ましい。また、このような有機金属化合物(B−1)は、1種単独で用いてもよいし2種以上組み合わせて用いてもよい。
(B−2)有機アルミニウムオキシ化合物
本発明に用いる(B−2)有機アルミニウムオキシ化合物は、従来公知のアルミノキサンであってもよく、また特開平2−78687号公報に例示されているようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物であってもよい。
従来公知のアルミノキサンは、例えば下記のような方法によって製造することができ、通常、炭化水素溶媒の溶液として得られる。
(1)吸着水を含有する化合物または結晶水を含有する塩類、例えば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物を添加して、吸着水または結晶水と有機アルミニウム化合物とを反応させる方法。
(2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラヒドロフランなどの媒体中で、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に直接水、氷または水蒸気を作用させる方法。
(3)デカン、ベンゼン、トルエンなどの媒体中でトリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に、ジメチルスズオキシド、ジブチルスズオキシドなどの有機スズ酸化物を反応させる方法。
なお、該アルミノキサンは、少量の有機金属成分を含有してもよい。また回収された上記のアルミノキサンの溶液から溶媒または未反応有機アルミニウム化合物を蒸留して除去した後、溶媒に再溶解またはアルミノキサンの貧溶媒に懸濁させてもよい。
アルミノキサンを調製する際に用いられる有機アルミニウム化合物として具体的には、前記(B−1a)に属する有機アルミニウム化合物として例示したものと同様の有機アルミニウム化合物を挙げることができる。
これらのうち、トリアルキルアルミニウム、トリシクロアルキルアルミニウムが好ましく、中でも、トリメチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムが特に好ましい。上記のような有機アルミニウム化合物は、1種単独でまたは2種以上組み合せて用いられる。
またベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物は、60℃のベンゼンに溶解するAl成分がAl原子換算でベンゼン100重量%に対して通常10重量%以下、好ましくは5重量%以下、特に好ましくは2%重量以下であるもの、すなわち、ベンゼンに対して不溶性または難溶性であるものが好ましい。
本発明に用いる有機アルミニウムオキシ化合物としては、下記一般式[VIII]で表されるボロンを含んだ有機アルミニウムオキシ化合物を挙げることもできる。
Figure 0005357635
〔式[VIII]中、R1は炭素原子数が1〜10の炭化水素基を示し、R2〜R5は、互いに
同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜10の炭化水素基を示す〕。
前記一般式[VIII]で表されるボロンを含んだ有機アルミニウムオキシ化合物は、下記一般式[IX]で表されるアルキルボロン酸と、
1−B(OH)2 ・・・[IX]
〔式中、R1は前記一般式[VIII]と同じ基を示す。〕
有機アルミニウム化合物とを、不活性ガス雰囲気下に不活性溶媒中で、−80℃〜室温の温度で1分〜24時間反応させることにより製造できる。
前記一般式[IX]で表されるアルキルボロン酸の具体的なものとしては、メチルボロン酸、エチルボロン酸、イソプロピルボロン酸、n−プロピルボロン酸、n−ブチルボロン酸、イソブチルボロン酸、n−ヘキシルボロン酸、シクロヘキシルボロン酸、フェニルボ
ロン酸、3,5−ジフルオロフェニルボロン酸、ペンタフルオロフェニルボロン酸、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸などが挙げられる。これらの中では、メチルボロン酸、n−ブチルボロン酸、イソブチルボロン酸、3,5−ジフルオロフェニルボロン酸、ペンタフルオロフェニルボロン酸が好ましい。これらは1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
このようなアルキルボロン酸と反応させる有機アルミニウム化合物として具体的には、前記(B−1a)に属する有機アルミニウム化合物として例示したものと同様の有機アルミニウム化合物を挙げることができる。
これらのうち、トリアルキルアルミニウム、トリシクロアルキルアルミニウムが好ましく、特にトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムが好ましい。これらは1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
上記のような(B−2)有機アルミニウムオキシ化合物は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
(B−3) 遷移金属化合物と反応してイオン対を形成する化合物
本発明に用いる、架橋メタロセン化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物(B−3)(以下、「イオン化イオン性化合物」とも記す。)としては、特開平1−501950号公報、特開平1−502036号公報、特開平3−179005号公報、特開平3−179006号公報、特開平3−207703号公報、特開平3−207704号公報、USP−5321106号などに記載されたルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合物およびカルボラン化合物などを挙げることができる。さらに、ヘテロポリ化合物およびイソポリ化合物も挙げることができる。このようなイオン化イオン性化合物(B−3)は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
具体的には、ルイス酸としては、BR3(Rは、フッ素、メチル基、トリフルオロメチ
ル基などの置換基を有していてもよいフェニル基またはフッ素である)で示される化合物が挙げられ、例えばトリフルオロボロン、トリフェニルボロン、トリス(4−フルオロフェニル)ボロン、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)ボロン、トリス(4−フルオロメチルフェニル)ボロン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、トリス(p−トリル)ボロン、トリス(o−トリル)ボロン、トリス(3,5−ジメチルフェニル)ボロンなどが挙げられる。
イオン性化合物としては、例えば下記一般式[X]で表される化合物が挙げられる。
Figure 0005357635
〔式[X]中、R1+としては、H+ 、カルボニウムカチオン、オキソニウムカチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、シクロヘプチルトリエニルカチオン、遷移金属を有するフェロセニウムカチオンなどが挙げられる。〕
2〜R5は、互いに同一でも異なっていてもよく、有機基、好ましくはアリール基または置換アリール基である。
前記カルボニウムカチオンとして具体的には、トリフェニルカルボニウムカチオン、トリ(メチルフェニル)カルボニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)カルボニウムカチオンなどの三置換カルボニウムカチオンなどが挙げられる。
前記アンモニウムカチオンとして具体的には、トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアンモニウムカチオン、トリプロピルアンモニウムカチオン、トリブチルアンモニウムカチオン、トリ(n−ブチル)アンモニウムカチオンなどのトリアルキルアンモニウムカチオン;N,N−ジメチルアニリニウムカチオン、N,N−ジエチルアニリニウムカチオン、N,N,2,4,6−ペンタメチルアニリニウムカチオンなどのN,N−ジアルキルアニリニウムカチオン;ジ(イソプロピル)アンモニウムカチオン、ジシクロヘキシルアンモニウムカチオンなどのジアルキルアンモニウムカチオンなどが挙げられる。
前記ホスホニウムカチオンとして具体的には、トリフェニルホスホニウムカチオン、トリ(メチルフェニル)ホスホニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムカチオンなどのトリアリールホスホニウムカチオンなどが挙げられる。
1+としては、カルボニウムカチオン、アンモニウムカチオンなどが好ましく、特にトリフェニルカルボニウムカチオン、N,N−ジメチルアニリニウムカチオン、N,N−ジエチルアニリニウムカチオンが好ましい。
またイオン性化合物として、トリアルキル置換アンモニウム塩、N,N−ジアルキルアニリニウム塩、ジアルキルアンモニウム塩、トリアリールホスフォニウム塩などを挙げることもできる。
トリアルキル置換アンモニウム塩として具体的には、例えばトリエチルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリプロピルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリメチルアンモニウムテトラ(p−トリル)ホウ素、トリメチルアンモニウムテトラ(o−トリル)ホウ素、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、トリプロピルアンモニウムテトラ(o,p−ジメチルフェニル)ホウ素、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(N,N−ジメチルフェニル)ホウ素、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(p−トリフルオロメチルフェニル)ホウ素、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ホウ素、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(o−トリル)ホウ素などが挙げられる。
N,N−ジアルキルアニリニウム塩として具体的には、例えばN,N−ジメチルアニリニウムテトラ(フェニル)ホウ素、N,N−ジエチルアニリニウムテトラ(フェニル)ホウ素、N,N,2,4,6−ペンタメチルアニリニウムテトラ(フェニル)ホウ素などが挙げられる。
ジアルキルアンモニウム塩として具体的には、例えばジ(1−プロピル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素などが挙げられる。
さらにイオン性化合物として、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、フェロセニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニ
ルカルベニウムペンタフェニルシクロペンタジエニル錯体、N,N−ジエチルアニリニウムペンタフェニルシクロペンタジエニル錯体、下記式[XI]または[XII]で表されるホ
ウ素化合物などを挙げることもできる。
Figure 0005357635
〔式中、Etはエチル基を示す。〕
Figure 0005357635
〔式中、Etはエチル基を示す。〕
ボラン化合物として具体的には、例えば
デカボラン;ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ノナボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕デカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ウンデカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ドデカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕デカクロロデカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ドデカクロロドデカボレートなどのアニオンの塩;トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ドデカハイドライドドデカボレート)コバルト酸塩(III)、ビス〔トリ(n
−ブチル)アンモニウム〕ビス(ドデカハイドライドドデカボレート)ニッケル酸塩(III)などの金属ボランアニオンの塩などが挙げられる。
カルボラン化合物として具体的には、例えば
4−カルバノナボラン、1,3−ジカルバノナボラン、6,9−ジカルバデカボラン、ドデカハイドライド−1−フェニル−1,3−ジカルバノナボラン、ドデカハイドライド−1−メチル−1,3−ジカルバノナボラン、ウンデカハイドライド−1,3−ジメチル−1,3−ジカルバノナボラン、7,8−ジカルバウンデカボラン、2,7−ジカルバウンデカボラン、ウンデカハイドライド−7,8−ジメチル−7,8−ジカルバウンデカボラン、ドデカハイドライド−11−メチル−2,7−ジカルバウンデカボラン、トリ(n−ブチル)アンモニウム1−カルバデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム−1
−カルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム−1−カルバドデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム−1−トリメチルシリル−1−カルバデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムブロモ−1−カルバドデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム−6−カルバデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム−7−カルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム−7,8−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム−2,9−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムドデカハイドライド−8−メチル−7,9−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−8−エチル−7,9
−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−8−ブチル―7,9−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−8−アリル−7,9−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−9−トリメチルシリル−7,8−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−4,6−ジブロモ−7−カルバウンデカボレートなどのアニオンの塩;
トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド−1,3−ジカルバノナボレート)コバルト酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライ
ド−7,8−ジカルバウンデカボレート)鉄酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニ
ウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)コバルト酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカル
バウンデカボレート)ニッケル酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウ
ンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)銅酸塩(III)、トリ(n−
ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)金酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド−7,8−
ジメチル−7,8−ジカルバウンデカボレート)鉄酸塩(III)、トリ(n−ブチル)ア
ンモニウムビス(ノナハイドライド−7,8−ジメチル−7,8−ジカルバウンデカボレート)クロム酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(トリブロモオクタハ
イドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)コバルト酸塩(III)、トリス〔トリ
(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド−7−カルバウンデカボレート)クロム酸塩(III)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイ
ドライド−7−カルバウンデカボレート)マンガン酸塩(IV)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド−7−カルバウンデカボレート)コバルト酸塩(III)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド−
7−カルバウンデカボレート)ニッケル酸塩(IV)などの金属カルボランアニオンの塩などが挙げられる。
ヘテロポリ化合物は、ケイ素、リン、チタン、ゲルマニウム、ヒ素および錫から選ばれる原子と、バナジウム、ニオブ、モリブデンおよびタングステンから選ばれる1種または2種以上の原子とからなっている。具体的には、リンバナジン酸、ゲルマノバナジン酸、ヒ素バナジン酸、リンニオブ酸、ゲルマノニオブ酸、シリコノモリブデン酸、リンモリブデン酸、チタンモリブデン酸、ゲルマノモリブデン酸、ヒ素モリブデン酸、錫モリブデン酸、リンタングステン酸、ゲルマノタングステン酸、錫タングステン酸、リンモリブドバナジン酸、リンタングストバナジンン酸、ゲルマノタングストバナジンン酸、リンモリブドタングストバナジン酸、ゲルマノモリブドタングストバナジン酸、リンモリブドタングステン酸、リンモリブドニオブ酸、およびこれらの酸の塩、例えば周期表第1族または2族の金属、具体的には、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等との塩、トリフェニルエチル塩等との有機塩が使用できるが、この限りではない。
イオン化イオン性化合物(B−3)の中では、上述のイオン性化合物が好ましく、その中でもトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートがより好ましい。
イオン化イオン性化合物(B−3)は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
架橋メタロセン化合物(A)とともに、トリイソブチルアルミニウムなどの有機金属化合物(B−1)、メチルアルミノキサンなどの有機アルミニウムオキシ化合物(B−2)
、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどのイオン化イオン性化合物(B−3)とを併用すると、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体の製造に対して非常に高い重合活性を示す。
また、本発明に用いるメタロセン触媒は、(A)架橋メタロセン化合物と、(B−1)有機金属化合物、(B−2)有機アルミニウムオキシ化合物および(B−3)イオン化イオン性化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物(B)とともに、必要に応じて(C)担体を用いることもできる。
(C)担体
本発明で、必要に応じて用いられる(C)担体は、無機化合物または有機化合物であって、顆粒状ないしは微粒子状の固体である。このうち無機化合物としては、多孔質酸化物、無機ハロゲン化物、粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物が好ましい。
多孔質酸化物として、具体的にはSiO2、Al23、MgO、ZrO、TiO2、B2
3、CaO、ZnO、BaO、ThO2など、またはこれらを含む複合物または混合物を使用、例えば天然または合成ゼオライト、SiO2−MgO、SiO2−Al23、SiO2−TiO2 、SiO2−V25 、SiO2−Cr23、SiO2−TiO2−MgOなどを使用することができる。これらのうち、SiO2および/またはAl23を主成分とする
ものが好ましい。このような多孔質酸化物は、種類および製法によりその性状は異なるが、本発明に好ましく用いられる担体は、粒径が10〜300μm、好ましくは20〜200μmであって、比表面積が50〜1000m2/g、好ましくは100〜700m2/gの範囲にあり、細孔容積が0.3〜3.0cm3/gの範囲にあることが望ましい。この
ような担体は、必要に応じて100〜1000℃、好ましくは150〜700℃で焼成して使用される。
無機ハロゲン化物としては、MgCl2、MgBr2、MnCl2、MnBr2等が用いられる。無機ハロゲン化物は、そのまま用いてもよいし、ボールミル、振動ミルにより粉砕した後に用いてもよい。また、アルコールなどの溶媒に無機ハロゲン化物を溶解させた後、析出剤によって微粒子状に析出させたものを用いることもできる。
粘土は、通常粘土鉱物を主成分として構成される。また、イオン交換性層状化合物は、イオン結合などによって構成される面が互いに弱い結合力で平行に積み重なった結晶構造を有する化合物であり、含有するイオンが交換可能なものである。大部分の粘土鉱物はイオン交換性層状化合物である。また、これらの粘土、粘土鉱物、イオン交換性層状化合物としては、天然産のものに限らず、人工合成物を使用することもできる。
また、粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物として、粘土、粘土鉱物、また、六方細密パッキング型、アンチモン型、CdCl2型、CdI2型などの層状の結晶構造を有するイオン結晶性化合物などを例示することができる。このような粘土、粘土鉱物としては、カオリン、ベントナイト、木節粘土、ガイロメ粘土、アロフェン、ヒシンゲル石、パイロフィライト、ウンモ群、モンモリロナイト群、バーミキュライト、リョクデイ石群、パリゴルスカイト、カオリナイト、ナクライト、ディッカイト、ハロイサイトなどが挙げられ、イオン交換性層状化合物としては、α−Zr(HAsO42・H2O、α−Zr
(HPO42、α−Zr(KPO42・3H2O、α−Ti(HPO42、α−Ti(H
AsO42・H2O、α−Sn(HPO42・H2O、γ−Zr(HPO42、γ−Ti(HPO42、γ−Ti(NH4PO42・H2Oなどの多価金属の結晶性酸性塩などが挙げられる。
このような粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物は、水銀圧入法で測定した半
径20Å以上の細孔容積が0.1cc/g以上のものが好ましく、0.3〜5cc/gのものが特に好ましい。ここで、細孔容積は、水銀ポロシメーターを用いた水銀圧入法により、細孔半径20〜30000Åの範囲について測定される。
半径20Å以上の細孔容積が0.1cc/gより小さいものを担体として用いた場合には、高い重合活性が得られにくい傾向がある。
粘土、粘土鉱物には、化学処理を施すことも好ましい。化学処理としては、表面に付着している不純物を除去する表面処理、粘土の結晶構造に影響を与える処理など、何れも使用できる。化学処理として具体的には、酸処理、アルカリ処理、塩類処理、有機物処理などが挙げられる。酸処理は、表面の不純物を取り除くほか、結晶構造中のAl、Fe、Mgなどの陽イオンを溶出させることによって表面積を増大させる。アルカリ処理では粘土の結晶構造が破壊され、粘土の構造の変化をもたらす。また、塩類処理、有機物処理では、イオン複合体、分子複合体、有機誘導体などを形成し、表面積や層間距離を変えることができる。
イオン交換性層状化合物は、イオン交換性を利用し、層間の交換性イオンを別の大きな嵩高いイオンと交換することにより、層間が拡大した状態の層状化合物であってもよい。このような嵩高いイオンは、層状構造を支える支柱的な役割を担っており、通常、ピラーと呼ばれる。また、このように層状化合物の層間に別の物質を導入することをインターカレーションという。インターカレーションするゲスト化合物としては、TiCl4、Zr
Cl4などの陽イオン性無機化合物、Ti(OR)4、Zr(OR)4、PO(OR)3、B(OR)3などの金属アルコキシド(Rは炭化水素基など)、[Al134(OH)247+、[Zr4(OH)142+、[Fe3O(OCOCH36+などの金属水酸化物イオンな
どが挙げられる。これらの化合物は単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。また、これらの化合物をインターカレーションする際に、Si(OR)4、Al(OR)3、Ge(OR)4などの金属アルコキシド(Rは炭化水素基など)などを加水分解して得た重
合物、SiO2などのコロイド状無機化合物などを共存させることもできる。また、ピラ
ーとしては、上記金属水酸化物イオンを層間にインターカレーションした後に加熱脱水することにより生成する酸化物などが挙げられる。
粘土、粘土鉱物、イオン交換性層状化合物は、そのまま用いてもよく、またボールミル、ふるい分けなどの処理を行った後に用いてもよい。また、新たに水を添加吸着させ、あるいは加熱脱水処理した後に用いてもよい。さらに、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらのうち、好ましいものは粘土または粘土鉱物であり、特に好ましいものはモンモリロナイト、バーミキュライト、ヘクトライト、テニオライトおよび合成雲母である。
有機化合物としては、粒径が10〜300μmの範囲にある顆粒状ないしは微粒子状固体を挙げることができる。具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテンなどの炭素原子数が2〜14のα−オレフィンを主成分として生成される(共)重合体またはビニルシクロヘキサン、スチレンを主成分として生成される(共)重合体、およびそれらの変成体を例示することができる。
本発明に用いるメタロセン触媒は、(A)架橋メタロセン化合物、(B−1)有機金属化合物、(B−2)有機アルミニウムオキシ化合物、および(B−3)イオン化イオン性化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物(B)、必要に応じて担体(C)と共に、必要に応じて後述するような特定の有機化合物成分(D)を含むこともできる。
(D)有機化合物成分
本発明において、(D)有機化合物成分は、必要に応じて重合性能および生成ポリマーの物性を向上させる目的で使用される。このような有機化合物としては、アルコール類、フェノール性化合物、カルボン酸、リン化合物およびスルホン酸塩等が挙げられるが、この限りではない。
メタロセン触媒の存在下でモノマー類を重合する方法
本発明においてエチレン、α−オレフィンおよび非共役ポリエンを共重合させる際、メタロセン触媒を構成する各成分の使用法、添加順序は任意に選ばれるが、以下のような方法が例示される。
(1)成分(A)を単独で重合器に添加する方法。
(2)成分(A)および成分(B)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(3)成分(A)を担体(C)に担持した触媒成分、成分(B)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(4)成分(B)を担体(C)に担持した触媒成分、成分(A)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(5)成分(A)と成分(B)とを担体(C)に担持した触媒成分を重合器に添加する方法。
上記(2)〜(5)の各方法においては、各触媒成分(A)、(B)、(C)の少なくとも2つ以上は予め接触されていてもよい。
成分(B)が担持されている上記(4)、(5)の各方法においては、必要に応じて担持されていない成分(B)を、任意の順序で添加してもよい。この場合成分(B)は、同一でも異なっていてもよい。
また、上記の成分(C)に成分(A)が担持された固体触媒成分、成分(C)に成分(A)および成分(B)が担持された固体触媒成分は、オレフィンが予備重合されていてもよく、予備重合された固体触媒成分上に、さらに、触媒成分が担持されていてもよい。
本発明において、上記のようなメタロセン触媒の存在下に、エチレン、α−オレフィン、非共役ポリエンを共重合することによりエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体を得る。
本発明では、溶液(溶解)重合、懸濁重合などの液相重合法または気相重合法のいずれにおいても実施可能である。
液相重合法において用いられる不活性炭化水素媒体として具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素が挙げられ、1種単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。また、オレフィン自身を溶媒として用いることもできる。
上記のようなメタロセン触媒を用いて、オレフィンの重合を行うに際して、成分(A)は、反応容積1リットル当たり、通常10-12〜10-2モル、好ましくは10-10〜10-8モルになるような量で用いられる。
成分(B−1)は、成分(B−1)と、成分(A)中の全遷移金属原子(M)とのモル
比〔(B−1)/M〕が通常0.01〜50000、好ましくは0.05〜10000となるような量で用いられる。成分(B−2)は、成分(B−2)中のアルミニウム原子と、成分(A)中の全遷移金属(M)とのモル比〔(B−2)/M〕が、通常10〜50000、好ましくは20〜10000となるような量で用いられる。成分(B−3)は、成分(B−3)と、成分(A)中の遷移金属原子(M)とのモル比〔(B−3)/M〕が、通常1〜20、好ましくは1〜15となるような量で用いられる。
また、このようなメタロセン触媒を用いたオレフィンの重合温度は、通常−50〜+200℃、好ましくは0〜+200℃の範囲、より好ましくは、+80〜+200℃の範囲であり、用いるメタロセン触媒系の到達分子量、重合活性によるが、より高温(+80℃以上)であることが生産性の観点から望ましい。重合圧力は、通常常圧〜10MPaゲージ圧、好ましくは常圧〜5MPaゲージ圧の条件下であり、重合反応は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方法においても行うことができる。さらに重合を反応条件の異なる2段以上に分けて行うことも可能である。得られるオレフィン重合体の分子量は、重合系内に水素を存在させるか、または重合温度を変化させることによっても調節することができる。さらに、使用する成分(B)の量により調節することもできる。具体的には、トリイソブチルアルミニウム、メチルアルミノキサン、ジエチル亜鉛等が挙げられる。水素を添加する場合、その量はオレフィン1kgあたり0.001〜100NL程度が適当である。
反応時間(共重合が連続法で実施される場合には平均滞留時間)は、触媒濃度、重合温度などの条件によっても異なるが、通常0.5分間〜5時間、好ましくは5分間〜3時間である。
さらに、共重合に際しては、水素などの分子量調節剤を用いることもできる。
エチレンと上記α−オレフィンとの仕込みのモル比(エチレン/α‐オレフィン)は、好ましくは25/75〜80/20、より好ましくは30/70〜70/30である。
エチレンと非共役ポリエンとの仕込みのモル比(エチレン/非共役ポリエン)は、好ましくは70/30〜99/1、より好ましくは80/20〜98/2である。
上記メタロセン触媒を用いて重合することによって、単一触媒系かつ単段重合でエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体の分子量分布が制御可能で、得られる共重合体は、分子量分布(Mw/Mn)が4以上であり、ゴム組成物の加工性、特にロール加工性、押出し加工性が向上するため好ましい。
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体の物性・性状の測定は後述する実施例のとおりである。
〔軟化剤〕
本発明のゴム組成物には軟化剤が含有される。
軟化剤としては、特に限定はないが、鉱物油や合成油が通常は用いられる。
鉱物油としては、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、アロマ系オイル等が挙げられる。また、合成油としては、ブテン系オリゴマー、エチレン・α‐オレフィンコオリゴマー等が挙げられる。
なお、エチレン・α‐オレフィンコオリゴマーとは、エチレンとα‐オレフィンとを共
重合することにより得られる、GPCで測定される標準ポリスチレン換算の数平均分子量が10,000未満の重合体である。エチレン・α‐オレフィンコオリゴマーとしては、エチレン・炭素原子数3〜8のαオレフィンコオリゴマーが好ましく、液状のエチレン・プロピレンラバー(EPR)がより好ましく、GPCで測定される標準ポリスチレン換算の数平均分子量が2,500〜5,000の液状のエチレン・プロピレンラバー(EPR)が特に好ましい。
なお、軟化剤は一種単独で用いても、二種以上を用いてもよい。
本発明のゴム組成物における軟化剤の含有量は、前述のエチレン・炭素原子数3〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体100重量部に対して、軟化剤が0.1〜300重量部であり、好ましくは、1〜250重量部であり、より好ましくは、5〜200重量部である。前記範囲内では、成形性に優れるため好ましい。
〔充填剤〕
本発明のゴム組成物には充填剤が含有される。
充填剤としては、特に限定はないが、無機充填剤がゴム組成物の引張強度、引裂強度、耐摩耗性などの機械強度を向上させるため好ましい。
無機充填剤としては例えば、カーボンブラック、クレー、炭酸カルシウム(重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム)、タルク等が通常は用いられる。無機充填剤としては、カーボンブラック、重質炭酸カルシウムが好ましい。
なお、充填剤は一種単独で用いても、二種以上を用いてもよい。
本発明のゴム組成物における充填剤の含有量は、前述のエチレン・炭素原子数3〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体100重量部に対して、充填剤が1〜300重量部であり、好ましくは5〜250重量部であり、より好ましくは10〜200重量部である。前記範囲内では、ゴム組成物の混練性、加工性に優れ、ゴム成形体の機械的性質、圧縮永久歪みに優れるため好ましい。
本発明のゴム組成物は、前述のエチレン・炭素原子数3〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体と、軟化剤と、充填剤とを含有するが、さらにその他の成分を含有してもよい。本発明のゴム組成物が含んでいてもよいその他の成分について以下に示す。
〔ポリオレフィン樹脂〕
本発明のゴム組成物は、ポリオレフィン樹脂を含有してもよい。本発明のゴム組成物がポリオレフィン樹脂を含有すると、製品硬度を調整できるとともに、加工温度でのコンパウンド粘度を下げることができるため、加工性をより向上させることができる。また熱可塑性エラストマーとして取り扱いができ、ハンドリング性、混練手法の幅が広がるため好ましい。
ポリオレフィン樹脂としては、GPCで測定される標準ポリスチレン換算の数平均分子量が10,000以上のポリオレフィン樹脂を通常は用いる。
ポリオレフィン樹脂としては、α‐オレフィン単独重合体、α‐オレフィン共重合体が挙げられる。α‐オレフィン単独重合体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられ、α‐オレフィン共重合体としては、エチレン・炭素原子数3〜20のα‐オレフィン共重合体、エチレン・炭素原子数3〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合
体(但し、前述のエチレン・炭素原子数3〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体とは異なる)が挙げられる。エチレン・炭素原子数3〜20のα‐オレフィン共重合体としては、エチレン・プロピレンラバー(EPR)、プロピレン・エチレンラバー(PER)、エチレン・ブテンラバー(EBR)、エチレン・オクテンラバー(EOR)などが挙げられる。
また、エチレン・炭素原子数3〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体としては、エチレン・プロピレンターポリマー(EPT)、エチレン・ブテンターポリマー(EBT)などが挙げられる。
中でも、ポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、エチレン・α−オレフィン共重合体、ポリプロピレンが好ましい。
なお、ポリオレフィン樹脂は一種単独で用いても、二種以上を用いてもよい。
本発明のゴム組成物がポリオレフィン樹脂を含有する場合の、ポリオレフィン樹脂の含有量は、前述のエチレン・炭素原子数3〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体100重量部に対して、ポリオレフィン樹脂が1〜100重量部であり、好ましくは5〜80重量部であり、より好ましくは10〜50重量部である。前記範囲内では、ゴム組成物から形成される成形体の硬度を調整できるとともに、ゴム組成物の加工温度でのコンパウンド粘度を下げることができるため、ゴム組成物の加工性をより向上させることができる。またゴム組成物の熱可塑性エラストマーとして取り扱うことができるため、ハンドリング性、混練手法の幅が広がり好ましい。
〔架橋剤〕
本発明のゴム組成物は、架橋剤を含有してもよい。架橋剤を含有するゴム組成物を用いることにより、ゴム組成物を架橋し、架橋体を得ることができる。
架橋剤としては、硫黄系化合物、有機過酸化物、フェノール樹脂、ヒドロシリコーン系化合物、アミノ樹脂、キノン又はその誘導体、アミン系化合物、アゾ系化合物、エポキシ系化合物、イソシアネート等のゴムを架橋する際に一般に使用される架橋剤が挙げられる。これらの架橋剤の中でも、硫黄系化合物、有機過酸化物、フェノール樹脂が特に好ましい。
なお、架橋剤は一種単独で用いても、二種以上を用いてもよい。
架橋剤が有機過酸化物である場合には、その具体例としては、ジクミルパーオキサイド、ジ-tert-ブチルペルオキシド、2,5-ジ-(tert-ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ-(tert-ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ-(tert-ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、1,3-ビス(tert-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1-ビス(tert-ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、n-ブチル-4,4-ビス(tert-ブチルペルオキシ)バレレート、ベンゾイルペルオキシド、p-クロロベンゾイ
ルペルオキシド、2,4-ジクロロベンゾイルペルオキシド、tert-ブチルペルオキシベンゾ
エート、tert-ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルペルオキシド、
ラウロイルペルオキシド、tert-ブチルクミルペルオキシド等が挙げられる。
これらのうち、反応性、臭気性、スコーチ安定性の点で、2,5-ジ-(tert-ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ-(tert-ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5-ジメ
チル-2,5-ジ-(tert-ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、1,3-ビス(tert-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1-ビス(tert-ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロ
ヘキサン、n-ブチル-4,4-ビス(tert-ブチルペルオキシ)バレレート等の1分子内に2つのペルオキシド結合(−O−O−)を有する2官能性の有機過酸化物が好ましく、中でも、2,5-ジ-(tert-ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ-(tert-ブチルペ
ルオキシ)ヘキサンが最も好ましい。
架橋剤が有機過酸化物である場合には、該有機過酸化物の配合量は、エチレン・炭素原子数3〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体100重量部に対して、通常は0.1〜20重量部、好ましくは0.2〜15重量部、さらに好ましくは0.5〜10重量部である。有機過酸化物の配合量が上記範囲内であると、得られるゴム成形体の表面へのブルームなく、ゴム組成物が優れた架橋特性を示すので好適である。
架橋剤として有機過酸化物を用いる場合には、本発明のゴム組成物は、下記架橋助剤を含有することが好ましい。
例えば、イオウ、p−キノンジオキシム等のキノンジオキシム系架橋助剤;エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等のアクリル系架橋助剤;ジアリルフタレート、トリアリルイソシアヌレート等のアリル系架橋助剤;その他マレイミド系架橋助剤;ジビニルベンゼンなどが挙げられる。架橋助剤の配合量は、有機過酸化物1モルに対して、通常0.5〜10モル、好ましくは0.5〜7モル、より好ましくは1〜5モルである。
架橋剤が硫黄系化合物である場合には、その具体例としては、硫黄、塩化硫黄、二塩化硫黄、モルフォリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、ジチオカルバミン酸セレン等が挙げられる。
架橋剤が硫黄系化合物である場合には、該硫黄系化合物の配合量は、エチレン・炭素原子数3〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体100重量部に対して、通常は0.3〜10重量部、好ましくは0.5〜7.0重量部、さらに好ましくは0.7〜5.0重量部である。硫黄系化合物の配合量が上記範囲内であると、得られるゴム成形体の表面へのブルームなく、ゴム組成物が優れた架橋特性を示すので好適である。
硫黄系化合物として硫黄を使用する場合には、本発明のゴム組成物には加硫促進剤が含有されることが好ましい。
加硫促進剤の具体例としては、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(CBS)(例えば、「ノクセラーNS」(商品名;大内新興(株)社製)など)、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N'−ジイソプ
ロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、2−メルカプトベンゾチアゾール(例えば、「サンセラーM」(商品名;三新化学工業株式会社製)など)、2−(4−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール(例えば、「ノクセラーMDB−P」(商品名;三新化学工業株式会社製)など)、2−(4−モルホリノジチオ)ペンゾチアゾール(例えば、「ノクセラーMDB−P」(商品名;三新化学工業株式会社製)など)、2−(2,4−ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,6−ジエチル−4−モルフォリノチオ)ベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド等のチアゾール系;ジフェニルグアニジン、トリフェニルグアニジン、ジオルソトリルグアニジン等のグアニジン系;アセトアルデヒド−アニリン縮合物、ブチルアルデヒド−アニリン縮合物、アルデヒドアミン系;2−メルカプトイミダゾリン等のイミダゾリン系;ジエチルチオウレア、ジブチルチオウレア等のチオウレア系;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)(例えば、「ノクセラーTT」(商品名;大内新興(株)社製)など)等のチウラム系;ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカ
ルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛(ZnBDC)(例えば、「サンセラーBz」(商品名;三新化学工業社製)など)、ジエチルジチオカルバミン酸テルル等のジチオ酸塩系;エチレンチオ尿素、N,N’−ジエチルチオ尿素、N,N’−ジブチルチオ尿素等のチオウレア系;ジブチルキサトゲン酸亜鉛等のザンテート系;その他亜鉛華(例えば、「META−Z102」(商品名;井上石灰工業株式会社製)などの酸化亜鉛)等が挙げられる。
これらの加硫促進剤の配合量は、炭素原子数3〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体100重量部に対して、通常は0.1〜20重量部、好ましくは0.2〜15重量部、さらに好ましくは0.5〜10重量部である。加硫促進剤の配合量が上記範囲内であると、得られるゴム成形体の表面へのブルームなく、優れた架橋特性を示すので好適である。
加硫助剤は、架橋剤が硫黄系化合物である場合に用いられ、その用途により適宜選択でき、単独でも2種以上混合して用いることができる。加硫助剤の具体的例としては、酸化亜鉛(例えば、ZnO#1・酸化亜鉛2種、ハクスイテック(株)社製)、酸化マグネシウム、亜鉛華(例えば、「META−Z102」(商品名;井上石灰工業株式会社製)などの酸化亜鉛)などが挙げられる。
その配合量は、通常、炭素原子数3〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体100重量部に対して、1〜20重量部である。
〔発泡剤〕
本発明のゴム組成物は、発泡剤を含有してもよい。なお、本発明のゴム組成物が、発泡剤を含有する場合には、通常、前記架橋剤も含有する。架橋剤および発泡剤を含有するゴム組成物を用いることにより、ゴム組成物を架橋および発泡し、発泡体を得ることができる。
発泡剤としては、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム等の無機系発泡剤;N,N'−ジ
ニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N'−ジニトロソテレフタルアミド等のニトロ
ソ化合物;アゾジカルボンアミド(ADCA)、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;ベンゼンスルホニルヒドラジド、p,p'−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒド
ラジド)(OBSH)等のヒドラジド化合物;カルシウムアジド、4,4'−ジフェニル
ジスルホニルアジド等のアジド化合物などの有機発泡剤が挙げられる。発泡剤としては、ADCA、OBSHが好ましい。発泡剤は一種単独で用いても、二種以上を用いてもよい。
本発明のゴム組成物が、発泡剤を含有する場合には、発泡剤の配合量は、エチレン・炭素原子数3〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体100重量部に対して、通常は0.2〜30重量部、好ましくは0.5〜25重量部、より好ましくは0.5〜20重量部である。
〔発泡助剤〕
本発明のゴム組成物が発泡剤を含有する場合には、必要に応じて発泡助剤さらに含有してもよい。発泡助剤は、発泡剤の分解温度の低下、分解促進、気泡の均一化などの作用を示す。
このような発泡助剤としては、例えば、サリチル酸、フタル酸、ステアリン酸、シュウ酸、クエン酸等の有機酸やその塩、尿素またはその誘導体などが挙げられる。
本発明のゴム組成物が、発泡助剤を含有する場合には、発泡助剤の配合量は、エチレン・炭素原子数3〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体100重量部に対して、通常は0.2〜30重量部、好ましくは0.5〜25重量部、より好ましくは0.5〜20重量部である。
〔加工助剤〕
本発明のゴム組成物は、加工助剤を含有してもよい。加工助剤としては、一般に加工助剤としてゴムに配合されるものを広く使用することができる。具体的には、リシノール酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムまたはエステル類等が挙げられる。これらのうち、ステアリン酸が好ましい。
本発明のゴム組成物が、加工助剤を含有する場合には、加工助剤の配合量は、エチレン・炭素原子数3〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体100重量部に対して、通常は0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜8重量部、より好ましくは1〜6重量部である。上記範囲内であると、得られるゴム組成物の表面のブルームがなく、さらにゴム組成物を架橋する際に、架橋阻害が発生しないため好ましい。また、加工助剤を含有するゴム組成物は成形性に優れるため好ましい。
〔界面活性剤〕
本発明のゴム組成物は、界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤としては、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコール等のグリコール類;ジ−n−ブチルアミン、トリエタノールアミン等のアミン類などが挙げられる。
本発明のゴム組成物が、界面活性剤を含有する場合には、界面活性剤の配合量は、エチレン・炭素原子数3〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体100重量部に対して、通常は0.2〜10重量部、好ましくは0.3〜5重量部、さらに好ましくは0.5〜4重量部である。界面活性剤は、その用途により適宜選択でき、単独でも2種類以上混合して用いることができる。
〔老化防止剤〕
本発明のゴム組成物は、老化防止剤を含有してもよい。本発明のゴム組成物が老化防止剤を含有すると、該組成物から得られる製品寿命を長くすることが可能である。老化防止剤としては、従来公知の老化防止剤、例えばアミン系老化防止剤、フェノール系老化防止剤、イオウ系老化防止剤等を用いることができる。
老化防止剤としては、具体的には、フェニルブチルアミン、N,N−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン等の芳香族第2アミン系老化防止剤、ジブチルヒドロキシトルエン、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ)ヒドロシンナメート]メタン等のフェノール系老化防止剤;ビス[2−メチル−4−(3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ)−5−t−ブチルフェニル]スルフィド等のチオエーテル系老化防止剤;ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル等のジチオカルバミン酸塩系老化防止剤;2−メルカプトベンゾイルイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾールの亜鉛塩、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート等のイオウ系老化防止剤等が挙げられる。
本発明のゴム組成物が、老化防止剤を含有する場合には、老化防止剤の配合量は、エチレン・炭素原子数3〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体100重量部に対して、通常は0.01〜10重量部、好ましくは0.01〜7重量部、さらに好ましくは0.01〜5重量部である。上記範囲内であると、本発明のゴム組成物から得られる成形
体が耐熱老化性に優れるため好ましい。
〔擬似ゲル防止剤〕
本発明のゴム組成物は、擬似ゲル防止剤を含有してもよい。擬似ゲル防止剤としては、例えば、「NHM−007」(三井化学社製)が挙げられる。
本発明のゴム組成物が擬似ゲル防止剤を含有する場合、擬似ゲル防止剤の配合量は、エチレン・炭素原子数3〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体100重量部に対して、通常は0.1〜15重量部、好ましくは0.5〜12重量部、さらに好ましくは1.0〜10重量部である。
〔その他の添加剤〕
本発明のゴム組成物には、さらにその他の添加剤が含まれていてもよい。その他の添加剤としては、耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、着色剤、滑剤および増粘剤等が挙げられる。
〔ゴム組成物の調製方法〕
本発明のゴム組成物は、前述のエチレン・炭素原子数3〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体と、軟化剤と、充填剤とを含有するゴム組成物であり、前記エチレン・炭素原子数3〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体100重量部に対して、軟化剤0.1〜300重量部、充填剤1〜300重量部含有するが、その調製方法としては特に限定はない。
ゴム組成物の調製方法としては、例えば、ゴム組成物に含まれる各成分を、例えば、ミキサー、ニーダー、ロール等の従来知られる混練機、さらに二軸押出機のような連続混練機等を用いて混合する方法、ゴム組成物に含まれる各成分が溶解または分散した溶液を調製し、溶媒を除去する方法、等が挙げられる。
成形・加硫に際しては、金型を用いてもよく、また金型を用いないでもよい。金型を用いない場合には、ゴム組成物は通常連続的に成形・加硫される。
本発明のゴム組成物を上記成形法によって予備成形し、電子線を照射する場合は、予備成形されたゴム組成物に、0.1〜10MeVのエネルギーを有する電子線を、吸収線量が0.5〜35Mrad、好ましくは0.5〜20Mrad、さらに好ましくは1〜10Mradになるように照射すればよい。
<架橋体>
本発明の架橋体は、少なくとも前述のエチレン・炭素原子数3〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体と、軟化剤と、充填剤とを含有し、通常はさらに架橋剤を含有するゴム組成物を架橋することにより得られる。
なお、架橋の際には、金型を用いても、用いなくてもよい。金型を用いない場合には、ゴム組成物は、通常連続的に成形、架橋される。
ゴム組成物を架橋させる方法としては、(a)架橋剤を含有するゴム組成物を、通常、押出し成形、プレス成形、インジェクション成形等の成形法や、ロール加工により所望形状に予備成形し、成形と同時にまたは成形物を架橋槽内に導入して加熱する方法や、(b)架橋剤を含有するゴム組成物を、(a)の方法と同様の方法で予備成形し、次いで電子線を照射する方法を例示することができる。
なお、(a)の方法では、加熱によりゴム組成物中の架橋剤による架橋反応が起こり、架橋体が得られる。また、(b)の方法では、電子線により架橋反応が起こり、架橋体が得られる。(b)の方法においては通常、予備成形が施されたゴム組成物に、0.1〜10MeVのエネルギーを有する電子線を、ゴム組成物の吸収線量が通常は0.5〜36Mrad、好ましくは0.5〜20Mrad、さらに好ましくは1〜10Mradになるように照射する。
<発泡体>
本発明の発泡体は、少なくとも前述のエチレン・炭素原子数3〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体と、軟化剤と、充填剤と、架橋剤と、発泡剤とを含有するゴム組成物を架橋および発泡することにより得られる。
前記ゴム組成物は、発泡剤を含むため、ゴム組成物を加熱することによって、架橋剤による架橋反応と共に、発泡剤が分解して炭酸ガスや窒素ガスを発生する。このため、気泡構造を有する発泡体が得られる。
〔用途〕
本発明のゴム組成物は、成形性およびロール加工性に優れており、架橋体、発泡体等を好適に得ることができる。成形方法としては、押出し成形、プレス成形、インジェクション成形等が挙げられる。
特に本発明のゴム組成物は、押出し成形等を行う際の線速の速い用途に好適に用いることができる。これは、ゴム組成物中に含有されるエチレン・α‐オレフィン・非共役ポリエン共重合体が、前記要件(1)を満たすためである。このため、ゴム組成物の用途としては、例えば前記ゴム組成物から形成される押出成形体が挙げられる。押出成形体の例としては、電線被覆材が挙げられる。
また、本発明のゴム組成物は、前述のエチレン・α‐オレフィン・非共役ポリエン共重合体を用いることにより、架橋性、発泡性に優れ、特に加硫速度が速くなる傾向がある。
本発明のゴム組成物、該組成物から得られる架橋体や発泡体は、様々な用途に用いることができる。例えば、自動車部品、建材(窓枠、壁材など)、防振材(緩衝材)などが挙げられる。具体的には、タイヤ用ゴム、O−リング、工業用ロール、パッキン(例えばコンデンサーパッキン)、ガスケット、ベルト(例えば、断熱ベルト、複写機ベルト)、ホース(例えば、ウォーターホース、ブレーキリザーバーホース、ラジエターホース)、防振ゴム、チューブ、スポンジ(例えば、ウェザーストリップスポンジ、断熱スポンジ、プロテクトスポンジ、微発泡スポンジ)、ケーブル(イグニッションケーブル、キャブタイヤケーブル、ハイテンションケーブル)、電線被覆材(高圧電線被覆材、低電圧電線被覆材、舶用電線被覆材)、グラスランチャネル、カラー表皮材、給紙ロール、ルーフィングシート等に好適に用いられる。
次に本発明について実施例を示してさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
なお、実施例および比較例における各特性の評価方法は次の通りである。
〔エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体の組成およびB値〕
B値は、各モノマー由来の構成単位のモル分率およびエチレン・炭素原子数3〜20のα−オレフィンのダイアッド連鎖分率より、下記式(I)で与えられる。
B値=([EX]+2[Y])/{2[E]×([X]+[Y])} …(I)
式(I)中、[E]、[X]および[Y]は、エチレン、炭素原子数3〜20のα−オレフィンおよび非共役ポリエンのモル分率をそれぞれ表し、[EX]は、エチレン・炭素原子数3〜20のα−オレフィンのダイアッド連鎖分率を表す。
エチレン・炭素原子数3〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体が、下記式(III)で表される構造を有するエチレン・プロピレン・ENB共重合体である場合および下記式(IV)で表される構造を有するエチレン・プロピレン・VNB共重合体である場合は、以下に示すような手順により、B値および組成を求めることができる。また、エチレン・プロピレン・ENB・VNB共重合体である場合は、ENBおよびVNBを1種の非共役ポリエン(ENB)として扱い、B値および組成を求めることができる。
まず、下記9種のNMR積分値を求める。なお、NMR積分値は、ECX400P型核磁気共鳴装置(日本電子製)を用いて、測定温度:120℃、測定溶媒:オルトジクロロベンゼン/重水素化ベンゼン=4/1、積算回数:8000回にて、共重合体の13CNMRのスペクトルを測定して得た。
(1)αβ、(2)αγ+αδ、(3)βγ、(4)βδ、(5)γδ、(6)δδ、(7)3E、(8)3Z、(9)αα+1Z+5E+5Z+6E+6Z。
ここで、α、β、γおよびδは、注目しているメチレンシグナルから、メチン炭素(分岐)まで、それぞれ1ボンド、2ボンド、3ボンドおよび4ボンド離れていることを示す。また、上記(7)〜(9)における数字および英字からなるシンボルは、ENBに由来する炭素を表し、数字は下記式(III)および下記式(IV)の位置を表し、英字はそれぞれEがE体を表し、ZがZ体を表す。
Figure 0005357635
上記(2)は37〜39ppmの複数ピークの合計を表し、上記(6)は29〜31ppmの複数ピークの合計からγγとγδとのピークを除いた数値を表し、上記(9)は44〜48ppmの複数ピークの合計を採用する。
また、ααは次の通り算出する。
αα=αα+1Z+5E+5Z+6E+6Z−2×3E−3×3Z
=(9)−2×(7)−3×(8)
ダイアッド連鎖分率は次の通り算出する。
PP(プロピレン・プロピレン連鎖)=αα+αβ/4
PE(プロピレン・エチレン連鎖)=αγ+αδ+αβ/2
EE(エチレン・エチレン連鎖)=(βδ+δδ)/2+(γδ+βγ)/4
NE(ENB・エチレン連鎖)+NP(ENB・プロピレン連鎖)+NN(ENB・
ENB連鎖)=(3E+3Z)×2
したがって、組成は次の通り算出できる。
[E](エチレンモル分率)=(EE+PE/2+3E+3Z)/(PP+PE+EE+3E+3Z)
[X](α−オレフィンモル分率)=(PP+PE/2)/(PP+PE+EE+3E+3Z)
[Y](非共役ポリエンモル分率)=(3E+3Z)/(PP+PE+EE+3E+3Z)
また、ダイアッド連鎖分率[EX]は次のとおり算出する。
[EX]=PE/(PP+PE+EE+3E+3Z)
以上より、B値は次の通り算出することができる。
B値=([EX]+2[Y])/{2[E]×([X]+[Y])} …(I)
なお、B値およびダイアッド分率については、Seger, M. R.および Maciel, G. E.のAnal. Chem. 2004, 76, 5734-5747を参考にすることができる。
〔極限粘度〕
極限粘度[η]は、離合社製 全自動極限粘度計を用いて、温度:135℃、測定溶媒:デカリンにて測定した。
〔重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)〕
重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)は、ゲルパーミエションクロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリスチレン換算の数値である。測定方法は、以下のとおりである。また、分子量は、市販の単分散ポリスチレンを用いて検量線を作成し、換算法に基づいて算出した。
装置:ゲル透過クロマトグラフ Alliance GP2000型(Waters社製)
解析装置:Empower2(Waters社製)
カラム:TSKgel GMH6−HT×2+TSKgel GMH6−HTL×2(7.5mmI.D.×30cm、東ソー社製)
カラム温度:140℃
移動相:o−ジクロロベンゼン(0.025%BHT含有)
検出器:示差屈折計(RI)
流速:1.0mL/min
注入量:400μL
サンプリング時間間隔:1s
カラム較正:単分散ポリスチレン(東ソー社製)
分子量換算:旧法EPR換算/粘度を考慮した較正法。
〔ムーニー粘度[ML1+4(160℃)]〕
ムーニー粘度〔ML1+4(160℃)〕は、JIS K6300に準拠して、160℃
の条件下、ムーニー粘度計((株)島津製作所製SMV202型)を用いて測定した。
〔tanδ−Tg〕
粘弾性測定装置(ARES(TA Instrumens JAPAN Inc.社製))を用いて、以下の測定条件でサンプルの粘度の温度依存性を測定した。当該測定で得られた、貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G”)との比(G”/G’:損失正接)をtanδとした。tanδを温度に対してプロットすると、上に凸の曲線となり、凸部の頂点時の温度を、ガラス転移温度、すなわちtanδ―Tgとした。
(測定条件)
Frequency :1.0Hz
Temperature :−70〜50℃
Ramp Rate :4.0℃/分
Strain :0.5%。
〔製造例1〕
(エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A−1)の製造)
容積1LのSUS製連続重合器の供給口より、脱水精製したヘキサンを2.1L/h、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(4mmol/L)を0.15L/h(0.6mmol/h)、エチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリドのヘキサン溶液(0.1mmol/L)を0.005L/h(0.0005mmol/h)、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのヘキサン溶液(0.2mmol/L)を0.025L/h(0.005mmol/h)で連続的に供給した。同時に連続重合器の別の供給口より、エチレンを103g/h、プロピレンを165g/h、5−エチリデン−2−ノルボルネン(以
下「ENB」とも記す。)を28g/h、水素を1.1NL/hの割合で連続供給し、重
合器内を液相で満たし、重合温度95℃、全圧3.6MPaG、滞留時間1hの条件下で連続溶液重合を行った。重合反応中の発熱制御は極めて容易であった。
重合器で生成したエチレン/プロピレン/ENB共重合体を含む重合溶液は、重合器底部に設けられた排出口を介して連続的に排出させ、重合溶液温度を保持するようジャケット部が10kg/cm2スチームで加熱された連結パイプに導き、連結パイプに至る直前
に触媒失活剤であるメタノールが注入される供給口が付設され、約0.15L/hの速度で注入し該重合溶液に合流させた。
スチームで加熱された連結パイプ内の重合溶液は3.6MPaGを維持するように、連結パイプ終端部に設けられた圧力制御バルブの開度の調整によって連続的にフラッシュ槽に送液された。なお、重合器内の圧力は常時3.6MPaGとなるように圧力調整バルブにて行った。その結果、得られたエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A−1)は、エチレン含量:71.5mol%、ENB含量:1.3mol%、極限粘度[η]:2.00dl/g、B値:1.15、Mw/Mn:8.75、ムーニー粘度〔ML1+4(160℃)〕:22.2であった。
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A−1)は65g/hrの生産スピードで得られた。得られたエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A−1)の物性を表2に示す。
〔製造例2〜6〕
(エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A−2)〜(A−6)の製造)
製造条件を表1に記載の条件にした以外は、製造例1と同様に行い、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A−2)〜(A−6)を得た。得られた共重合体の物性を表2に示す。
〔製造例7〕
(エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A−7)の製造)
触媒としてジクロロエトキシバナジウムオキシド(Vx)を0.0006mmol/h使用し、重合温度を40℃、重合圧力を0.6MPaにした以外は製造例1と同様に行い
、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A−7)を得た。得られた共重合体の物性を表2に示す。
Figure 0005357635
Figure 0005357635
〔ロール加工性〕
表4に記載の配合(但し、架橋剤は配合されない)となるように、各成分をバンバリーミキサー(BB−4型、神戸製鋼所製)で混練してゴム配合物を得た。
なお、本実施例において、架橋剤以外の成分が、表4に記載の配合になるように混練を行うことにより得られた配合物をゴム配合物とも記す。
得られたゴム配合物を使用して、直径8インチの二本ロール(甲高工業所社製)(ロール温度を前ロール/後ロール=50/50℃、ロール周速さを前ロール/後ロール=16rpm/18rpm)の、ロール間隙を1mmから6mmまで順に広げていき、ゴム組成物のロールへの巻き付き状態を観測した。ロールへの巻き付きおよび剥離が問題なく行える状態であれば、その間隙では合格とした。間隙を広げることで、加工性への負荷が高くなり、難しくなる。言い換えれば、広い間隙で合格したゴム配合物ほど、加工性は良いと判断できる(1<2<3<4<5<6)。
〔押出し性〕
表4に記載の配合(但し、架橋剤は配合されない)となるように、各成分をバンバリーミキサー(BB−4型、神戸製鋼所製)で混練してゴム配合物を得た。
得られたゴム配合物に対して、直径8インチの二本ロール(甲高工業所製)(ロール温度を前ロール/後ロール=50/50℃、ロール周速さを前ロール/後ロール=13rpm/11.5rpm)を用いて、架橋剤の練り込みを行い、表4に記載の配合であるゴム組成物を得た。該ゴム組成物をリボン状(3cm幅、2mm厚み)にしたもの(以下、リボン状サンプルとも記す。)を切り出した。
リボン状サンプルを用いて、押出し機を通すことで、ガーベダイの形状に成形した。条件は以下のとおりである。
50mmφの単軸押出機のシリンダー温度およびダイス温度をSC/C1/C2/HD=50/60/70/80℃に設定し、引き取り速度5m/minで行った。得られた成形品を使用して、成形品の外観を観察することで、成形性の良い/悪いを判断した。試料のエッジ部分、コーナー部分、成形品の表面肌の3箇所について、以下に示す基準で評価した。なお、表3においては、3点以上を押出し性に優れると判断した。
Figure 0005357635
〔引張破断点応力(TB)および引張破断点伸び(EB)〕
実施例、比較例で得られた架橋体を長さ方向に、JIS K 6251(1993年)に記載の3号型ダンベルで打ち抜いて試験片を得た。該試験片を用いて同じくJIS K
6251第3項に規定されている方法にしたがい、測定温度25℃、引張速度500mm/分の条件で引張試験を行い、引張破断点応力TB(MPa)および引張破断点伸びEB(%)を測定した。
〔硬度〕
実施例、比較例で得られた架橋体の平らな部分を重ねて12mmとし、JIS K6253に従い硬度(JIS−A)を測定した。
〔圧縮永久歪み(CS)〕
実施例、比較例で得られた架橋体を長さ方向に30mm切断し、圧縮永久歪み測定金型に取り付ける。試験片の高さが荷重をかける前の高さの1/2になるよう圧縮し、金型ごと120℃のギヤーオーブン中にセットして70時間熱処理した。次いで試験片を取出し、30分間放冷後、試験片の高さを測定し以下の計算式で圧縮永久歪み(%)を算出した。
圧縮永久歪み(%)={(t0−t1)/(t0−t2)}×100
0:試験片の試験前の高さ
1:試験片を熱処理し30分間放冷した後の高さ
2:試験片の測定金型に取り付けた状態での高さ。
〔加硫誘導時間〕
測定装置:MDR2000(ALPHA TECHNOLOGIES 社製)を用いて、
加硫誘導時間(TS1)を以下のとおり測定した。
一定温度および一定のせん断速度の条件下で得られるトルク変化を測定した。最小トルク値からトルク1point(1dNm)上がるまでの時間を加硫誘導時間(TS1、単位:分)とした。
測定条件:温度170℃、時間20分。
〔加硫速度〕
測定装置:MDR2000(ALPHA TECHNOLOGIES 社製)を用いて、加硫速度(TC90)を以下のとおり測定した。
一定温度および一定のせん断速度の条件下で得られるトルク変化を測定した。トルクの最大値と最小値との差の90%のトルクに達成するまでの時間を加硫速度(TC90、単位:分)とした。
測定条件:温度170℃、時間20分。
〔実施例1〕
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A−1)を100重量部、加硫助剤として酸化亜鉛(ZnO#1・酸化亜鉛2種、ハクスイテック(株)社製)を5重量部、加工助剤としてステアリン酸(ステアリン酸つばきシリーズ、日本油脂(株)社製)を1重量部、無機充填剤としてFEFカーボンブラック(旭#60G、旭カーボン社製)を165重量部、炭酸カルシウム(ホワイトンSB、白石カルシウム(株)社製)、軟化剤としてパラフィン系オイル(PW−380 出光興産(株)社製)を102重量部、擬似ゲル防止剤(NHM−007;3042E/カーボンブラック/Si−69のマスターバッチ)2重量部、架橋剤として硫黄(微粉硫黄、細井科学社製)0.8重量部、サンフェルR(硫黄、三新化学(株)社製)を1重量部、促進剤としてMBT(サンセラーM、2−メルカプトベンジチアゾール、三新化学工業社製)を0.8重量部、TMTD(ノクセラーTT、テトラメチルチウラムジスルフィド、大内新興(株)社製)を1重量部、ZnBDC(サンセラーBz、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、三新化学工業社製)を2重量部、
CBS(ノクセラーNS、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、大内新興(株)社製)を1重量部、BB−4型バンバリーミキサー(神戸製鋼所製)を用いて混練し、ゴム配合物を得た。
前記混練では、共重合体(A−1)を0.5分素練りし、次いで酸化亜鉛、ステアリン酸、カーボンブラック、パレフィン系オイルを入れて、2分間混練した。その後、ラムを上昇させて掃除を行い、更に1分間混練し、ゴム配合物を得た。
該ゴム配合物に、架橋剤として硫黄、サンフェルRを添加し、得られた混合物を8インチロール(日本ロール(株)社製)を用いて、前ロールの表面温度50℃、後ロールの表面温度50℃、前ロールの回転数16rpm、後ロールの回転数18rpmに巻きつけて混練した。
混練は、架橋剤を添加した混合物に、切り替えし3回、丸め通し6回を行い、厚み2.2〜2.5mmのシートとしてゴム組成物を得ることにより行った。また、押出し性評価用に、ゴム組成物をリボン状(3cm幅、2mm厚み)に切り出した。
得られたシートおよび100tプレス成形機(KMF100−1E、甲高工業所製)を用いて、金型温度160℃、20分間の条件で架橋を行い、厚み2mm、縦15cm、横15cmの架橋体(1)を得た。架橋体(1)を用いて、破断点強度、破断点伸び、硬度を測定した。
また、得られたシートおよび100tプレス成形機(KMF100−1E、甲高工業所製)を用いて、金型温度160℃、25分間の条件で架橋を行い、厚み12.5mm、直径29mmの架橋体(2)を得た。架橋体(2)を用いて、圧縮永久歪みの測定を行った。
ゴム組成物に含まれる各成分の配合量および、架橋体の評価を表4に示す。
〔実施例2および3〕
各成分の配合量を表4に記載した量にした以外は、実施例1と同様に行い、ゴム組成物および、架橋体を得た。
ゴム組成物に含まれる各成分の配合量および、架橋体の評価を表4に示す。
〔比較例1〜4〕
各成分の配合量を表4に記載した量にした以外は、実施例1と同様に行い、ゴム組成物および、架橋体を得た。ゴム組成物に含まれる各成分の配合量および、架橋体の評価を表4に示す。
Figure 0005357635

Claims (11)

  1. メタロセン触媒で合成されるエチレン・炭素原子数3〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体と、軟化剤と、充填剤とを含有するゴム組成物であって、
    前記エチレン・炭素原子数3〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体の、
    (1)ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により求められる分子量分布(Mw/Mn)が4以上であり、
    (2)以下の式(I)で表されるB値が1.05以上であり、
    (3)エチレンから導かれる構成単位の含量が50〜90モル%であり、
    (4)非共役ポリエンから導かれる構成単位の含量が0.1〜5モル%であり、
    (5)135℃のデカリン中で測定される極限粘度[η]が0.5〜5.0dL/gであり、
    前記エチレン・炭素原子数3〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体100重量部に対して、軟化剤0.1〜300重量部、充填剤1〜300重量部含有し、
    前記メタロセン触媒が、下記一般式[a]で表される遷移金属化合物であることを特徴とするゴム組成物。
    B値=([EX]+2[Y])/(2×[E]×([X]+[Y])) ・・・(I)
    (ここで、[E]、[X]、[Y]は、それぞれ、エチレン、炭素数3〜20のα−オレフィン、非共役ポリエンのモル分率、[EX]はエチレン−炭素数3〜20のα−オレフィンダイアッド連鎖分率を示す。)
    Figure 0005357635
    〔式[a]において、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、R 5 、R 6 、R 7 、R 8 、R 9 、R 10 、R 11 、R 12 、R 13 、R 14 、R 15 およびR 16 は、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲンで置換されていてもよい炭素数が1〜20の炭化水素基およびケイ素含有基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていてもよく、R 1 〜R 16 は、隣接した置換基と互いに結合して環を形成してもよい。nは1〜3の整数であり、Y 1 およびY 2 は第14族原子であり相互に同一でも異なっていてもよい。ただし、nが1の場合、Y 1 およびY 2 が共にケイ素原子かつR 1 〜R 12 が同時に水素原子であるときはR 13 〜R 16 は同時にフェニル基でなく、また、nが1の場合、Y 1 およびY 2 が共に炭素原子かつR 1 〜R 12 が同時に水素原子であるときはR 13 〜R 16 は同時に水素原子ではない。Mはチタニウム原子、ジルコニウム原子およびハフニウム原子から選ばれ、Qはハロゲン原子、炭素数が1〜10の炭化水素基、炭素数が10以下の中性、共役または非共役ジエン、アニオン配位子および孤立電子対で配位可能な中性配位子から同一または異なる組合せで選ばれる。jは1〜4の整数である。jが2以上の場合は、Qは互いに同一でも異なってもよい。〕
  2. 前記一般式[a]において、Y1およびY2が炭素原子であるか、Y1およびY2がケイ素原子であることを特徴とする請求項に記載のゴム組成物。
  3. 前記一般式[a]において、Mがジルコニウム原子またはハフニウム原子であることを特徴とする請求項またはに記載のゴム組成物。
  4. ポリオレフィン樹脂を1〜100重量部含有することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のゴム組成物。
  5. 前記非共役ポリエンが、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)および5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)からなる群から選択される少なくとも1種の非共役ポリエンであることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のゴム組成物。
  6. 前記炭素原子数3〜20のα−オレフィンがプロピレンであることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のゴム組成物。
  7. 架橋剤を含有することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のゴム組成物。
  8. 架橋剤および発泡剤を含有することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のゴム組成物。
  9. 請求項に記載のゴム組成物を架橋して得られることを特徴とする架橋体。
  10. 請求項に記載のゴム組成物を架橋および発泡して得られることを特徴とする発泡体。
  11. 請求項1〜のいずれか一項に記載のゴム組成物から形成されることを特徴とする押出成形体。
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