JP5356931B2 - 基板割断装置 - Google Patents

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Description

この発明は、基板を割断する基板割断装置に関する。
半導体チップは、半導体ウエハに形成された素子領域を、その領域の境界位置で割断することにより製造される。このように、半導体ウエハ等の基板を割断するときには、基板割断装置が使用される。なお、割断とは、基板において、結晶に対して特定方向に基板を割る劈開の場合と、結晶の方向とは関係なく基板を割る場合とを含む概念である。
このような基板割断装置は、ダイヤモンドカッター等の切削器具により基板表面を線状に削り取ったスクライブ溝、または、レーザ光により基板表面をアブレーションさせて線状に除去したアブレーション加工ライン、或いは、レーザ光により基板表面を局所的に溶融させることで基板の構造を線状に変質させた加工ライン等(本発明では、これらを総称してスクライブラインと称する。)が形成された基板を、当該スクライブラインが形成された面の裏面からブレードによりZ方向に押圧することにより、この基板をスクライブライン上のX方向を向く割断線において割断する構成となっている。そして、基板の割断時には、基板は、受け刃等と呼称される、Y方向に微小距離だけ互いに離隔して配置された一対の受け部材により当接支持される(例えば特許文献1参照)。この受け部材は、一対の支持部材により支持されている。
特開2004−39931号公報
基板の割断時に基板に当接する一対の受け部材と受け部材とが対向する間隔は、割断すべき基板の厚みや硬度及び半導体デバイスのチップサイズに応じて変更する必要がある。このため、一対の受け部材を支持する支持部材は、一対の受け部材が対向して向かい合う前縁の間隔が変更可能なように、支持部材をY方向に移動させる移動機構を介して基台に設置されている。
このような構成を有する基板割断装置においては、基板の割断時に基板をブレードにより押圧した場合、基板は僅かではあるが撓むので、この押圧力は基板を介して受け部材および支持部材の前縁部分に集中する。このように受け部材および支持部材の前縁部分に応力集中すると、受け部材の表面にて前縁が傾斜する。このように受け部材の表面が傾斜した場合には、基板の割断面が基板の表面に対して垂直とならずに不安定に傾斜してしまうという問題が生ずる。このように、割断面が傾斜した場合には、半導体チップの品質等に支障を来すことになる。
もちろん、支持部材に十分な剛性を持たせた場合には、受け部材表面の傾斜を小さくすることができるが、支持部材は移動機構を介して基台に設置されていることもあり、十分な剛性を得るためには、装置が大型化するという問題が生ずる。
請求項1に記載の発明は、スクライブラインが形成された基板に力を加えることによって、この基板を前記スクライブライン上のX方向を向く割断線において割断する基板割断装置であって、前記割断線を挟んで対向するように配置され、各々が、前記基板におけるスクライブラインが形成された側の面に、当接する一対の受け部材と、前記一対の受け部材を、前記基板との当接面とは逆側の面から支持する一対の支持部材と、前記一対の受け部材の対向する前縁が、前記割断線に対応する位置で互いに近づく接近位置と、前記接近位置から離隔した離隔位置との間を移動可能となるように、前記一対の支持部材を、前記一対の受け部材の表面と平行な平面内において前記X方向と直交するY方向に移動させる移動機構と、前記基板のスクライブラインが形成された側の裏面にて、前記スクライブラインの背面に沿って線状に当接するブレードと、前記一対の受け部材と、前記ブレードが接近するようにZ方向へ相対移動させて、基板に力を印加する割断力発生手段と、を備え、前記一対の支持部材による前記一対の受け部材の支持領域をY方向を向く直線により左領域、右領域に分割した場合に、前記一対の各支持部材は、前記左領域と前記右領域の両方において、前記各前縁が、前記割断線よりY方向に退避した後退部分と、前記割断線よりY方向に突出した前出部分とを備え、一方の支持部材の前出部分が他方の支持部材の後退部分へ向けて突出し、一方の支持部材の後退部分へ向けて、他方の支持部材の前出部分が突出するように対向配置していることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記一対の支持部材のうちの一方の支持部材は、前記左領域において第1の後退部分と第1の前出部分とを備えるとともに、前記右領域において第2の後退部分と第2の前出部分とを備え、前記一対の支持部材のうちの他方の支持部材は、前記右領域において第1の後退部分と第1の前出部分とを備えるとともに、前記左領域において第2の後退部分と第2の前出部分とを備え、前記左領域においては、前記一方の支持部材の第1の前出部分が前記他方の支持部材の第2の後退部分へ向けて突出するとともに、前記他方の支持部材の第2の前出部分が前記一方の支持部材の第1の後退部分へ向けて突出し、前記右領域においては、前記一方の支持部材の第2の前出部分が前記他方の支持部材の第1の後退部分へ向けて突出するとともに、前記他方の支持部材の第1の前出部分が前記一方の支持部材の第2の後退部分へ向けて突出する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記一対の支持部材による前記一対の受け部材の支持領域をY方向を向く直線により左領域、右領域に分割した場合に、前記一対の支持部材のうちの一方の支持部材は、前記左領域において第1の後退部分と第1の前出部分とを備えるとともに、前記右領域において第2の後退部分と第2の前出部分とを備え、前記一対の支持部材のうちの他方の支持部材は、前記右領域において第1の後退部分と第1の前出部分とを備えるとともに、前記左領域において第2の後退部分と第2の前出部分とを備え、前記左領域においては、前記一方の支持部材の第1の前出部分が前記他方の支持部材の第2の後退部分へ向けて突出するとともに、前記他方の支持部材の第2の前出部分が前記一方の支持部材の第1の後退部分へ向けて突出し、前記右領域においては、前記一方の支持部材の第2の前出部分が前記他方の支持部材の第1の後退部分へ向けて突出するとともに、前記他方の支持部材の第1の前出部分が前記一方の支持部材の第2の後退部分へ向けて突出する。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記一方の支持部材と前記他方の支持部材とは、同一の形状を有する。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の発明において、前記一対の支持部材には、各々、前記割断線よりY方向に退避した観察用退避部分が形成され、双方の観察用退避部分が対向する。
請求項1に記載の発明によれば、コンパクトな構成でありながら、受け部材の傾斜を防止して、基板を垂直に割断することが可能となる。
請求項2に記載の発明によれば、左領域と右領域に配置された第1前出部分と第2の前出部分の二つの前出部分により支持部材の傾斜を防止することにより、受け部材の傾斜をX方向全域において確実に防止することが可能となる。
請求項3に記載の発明によれば、一対の支持部材の双方が受ける変形力が相似し、一方の支持部材が偏って変形するような不安定なことがなく、基板の表面に対して垂直に割断することが、安定的に行えることが期待できる。
請求項4に記載の発明によれば、観察用退避部分を介して受け部材の対向する前縁部を観察することができることから、受け部材の前縁を好適に位置決めすることが可能となる。
この発明に係る基板割断装置の斜視図である。 この発明に係る基板割断装置の斜視図である。 基板Wを上述した基板割断装置にセットするためのリング部材43を示す平面図である。 サポート機構10の平面図である。 サポート機構10の側断面図である。 一対の支持部材53、54の平面図である。 サポート機構10をブレード14およびCCDカメラ35とともに示す模式図である。 この発明の構成を説明するための説明図である。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1および図2は、この発明に係る基板割断装置の斜視図である。
この基板割断装置は、この発明の特徴部分であるサポート機構10(図1参照)と、このサポート機構10に対して、基板Wに形成されたスクライブラインの向きを所望の方向に合わせるようにリング部材43を支持、回転させる回転テーブル11と、回転テーブル11を支持するYテーブル12と、このYテーブル12を支持する支持テーブル13と、回転テーブル11に対して昇降する昇降テーブル16とを備える。支持テーブル13は、4本のシャフト18、台17および脚部19を介して地面に設置される。
前記支持テーブル13の上面には、回転テーブル11の外に、柱状昇降ガイド24を4つ立設され、これら柱状昇降ガイド24の上端を架け渡すようにして架台21が固定されている。
また、支持テーブル13と架台21の間には、柱状昇降ガイド24によって、上下方向にのみ自在に移動できるように昇降案内された昇降テーブル16が設けられている。
架台21の上には、支持部材22を介してステッピングモータ23が設置されている。そして、このステッピングモータ23の回転軸には、架台21に対しては自在に回転できるようにして貫通するボールネジ25が連結され、このボールネジ25は昇降テーブル16に螺合している。
このため、昇降テーブル16は、ステッピングモータ23の駆動によりZ方向に昇降する。図2に示すように、この昇降テーブル16の下面には、基板の割断時に基板を押圧することにより、基板を割断する力を基板に掛けるためのブレード14が、釣支部材15を介して取り付けられている。
図1に示すように、Yテーブル12は、ステッピングモータ31の駆動により回転するボールねじ32の駆動を受け、支持テーブル13上をY方向に往復移動する。また、回転テーブル11の回転角度位置は、つまみ34を操作して微調ねじ33を回転されることにより、調整することが可能となっている。
図2に示すように、支持テーブル13の下方には、CCDカメラ35が設置されている。このCCDカメラ35は、台17上に設置された支持板39に支持された一対のガイドレール37に沿ってX方向に移動可能となっている。また、CCDカメラ35の支持部41は、ステッピングモータ36の駆動により回転するボールねじ38と螺合している。このため、CCDカメラ35は、ステッピングモータ36の駆動を受け、X方向に往復移動する。なお、このCCDカメラ35は、支持テーブル13に形成された開口部および後述する観察用退避部分を介して、受け刃の前縁部を観察するためのものである。
図3は、基板Wを上述した基板割断装置にセットするためのリング部材43を示す平面図である。
リング部材43の中央に形成された円形の開口部には、ダイシングテープと呼称される粘着性フィルム42が、その粘着面を下にした状態で貼り付けられる。そして、割断される基板Wは、粘着性フィルム42の粘着面に貼り付けられる。粘着性フィルム42を介して基板Wが貼り付けられたリング部材43は、図1に示す回転テーブル11にセットされる。
なお、この基板割断装置で割断される基板としては、サファイア基板やダイヤモンド基板ようなの高硬度の基板の他、シリコン単結晶基板、シリコンカーバイト(SiC)基板、窒化アルミニウム(AlN)基板等の基板である。
次に、この発明の特徴部分であるサポート機構10の構成について説明する。図4は、サポート機構10の平面図であり、図5はその側断面図である。また、図6は、一対の支持部材53、54の平面図である。さらに、図7は、サポート機構10をブレード14およびCCDカメラ35とともに示す模式図である。なお、これらの図において、一点鎖線101は、基板Wが割断される位置である割断線を示している。
このサポート機構10は、基板Wにおけるスクライブラインが形成された側の面に当接する一対の受け刃51、52と、これらの受け刃51、52と各々接続され、これらの受け刃51、52を基板Wとの当接面とは逆側の面から支持する一対の支持部材53、54と、これら一対の支持部材53、54を支持する基台55とを備える。なお、一対の支持部材53、54は、同一の形状を有している。
図4に示すように、一対の支持部材53、54は、バネ61の作用により、互いに近接する方向に付勢される。また一対の支持部材53、54は、各々2本のバネ62の作用により、基台55の表面方向に付勢される。そして、一対の支持部材53、54と基台55との間には、複数のコロ63が配設されている。このため、一対の支持部材53、54は、図4乃至図7に示すY方向に移動可能となっている。
一対の受け刃51、52の側面には、各々、当たり部材56、57が付設されている。そして、これらの当たり部材56、57の間には、一対のピン58が配設されている。このピン58の作用により、当たり部材56、57間の距離が規制され、これにより、一対の受け刃51、52は、その対向する前線が割断線101からY方向に互いに等距離だけ離隔した位置に配置される。そして、一対の受け刃51、52間の距離は、このピン58の直径を変更することにより、任意の値に設定することが可能となる。なお、一対の支持部材53、54のY方向の位置も、このピン58の作用により規制されることになる。
図6に示すように、一対の支持部材53、54による受け刃51、52の支持領域をY方向を向く直線102により左領域Lと右領域Rに分割した場合に、一対の支持部材53、54のうちの一方の支持部材53は、左領域Lにおいて割断線101よりY方向に退避した第1の後退部分201と割断線101よりY方向に突出した第1の前出部分202とを備えるとともに、右領域Rにおいて割断線101よりY方向に退避した第2の後退部分203と割断線101よりY方向に突出した第2の前出部分204とを備える。同様に、一対の支持部材53、54のうちの他方の支持部材54は、右領域Rにおいて割断線101よりY方向に退避した第1の後退部分301と割断線101よりY方向に突出した第1の前出部分302とを備えるとともに、左領域Lにおいて割断線101よりY方向に退避した第2の後退部分303と割断線101よりY方向に突出した第2の前出部分304とを備える。
そして、左領域Lにおいては、一方の支持部材53の第1の前出部分202が他方の支持部材54の第2の後退部分303へ向けて突出するとともに、他方の支持部材54の第2の前出部分304が一方の支持部材53の第1の後退部分201へ向けて突出する。また、右領域Rにおいては、一方の支持部材53の第2の前出部分204が他方の支持部材54の第1の後退部分301内へ向けて突出するとともに、他方の支持部材54の第1の前出部分302が一方の支持部材53の第2の後退部分203へ向けて突出する。
また、一対の支持部材53、54には、各々、割断線101よりY方向に退避した観察用退避部分205、206が、互いに対向する領域において形成されている。これらの観察用退避部分205、206により、一対の支持部材53、54の間には、CCDカメラ35により一対の受け刃51、52の前縁を観察するための空間を形成することができる。これにより、一対の受け刃51、52のその奥にブレード14の先端71を視野に収めた状態で、一対の受け刃51、52の前縁を好適に位置決めすることが可能となる。なお、上述したように、支持テーブル13にはCCDカメラ35による一対の受け刃51、52の観察用の開口部が形成されている。また、同様に、基台55にも、一対の受け刃51、52の観察用の開口部が形成されている。
次に、上述した基板割断装置による基板Wの割断動作について説明する。
基板Wを割断するときには、最初に、一対の受け刃51、52の間の距離を設定する。この距離は、割断すべき基板Wの厚みや硬度及び半導体デバイスのチップサイズに応じて変更される。この距離は、一対のピン58の外形を変更することにより、変更することが可能となる。すなわち、一対のピン58の外形を大きくした場合には、一対の受け刃51、52間の距離が大きくなり、一対のピンの外形を小さくした場合には、一対の受け刃51、52間の距離が小さくなる。
なお、この実施形態においては、一対の受け刃51、52に付設された当たり部材56、57の間に介在させる一対のピン58を、外形が異なるものと取り替えることにより、一対の受け刃51、52の間の距離を変更しているが、アクチュエータの作用によりその外径が変更するピンを利用して、一対の受け刃51、52の間の距離を変更するようにしてもよい。
一対の受け刃51、52間の距離が、割断すべき基板Wに応じたものとなった後には、図7に模式的に示すように、CCDカメラ35により、一対の受け刃51、52の前縁の位置や角度を測定する。この場合には、一対の受け刃51、52の前縁を、一対の支持部材53、54に形成された観察用退避部分205、206により形成される開口部を介して、CCDカメラ35により測定する。なお、この測定時には、CCDカメラ35が図2に示すステッピングモータ36の作用でX方向に移動することにより、一対の受け刃51、52の前縁を広範囲で測定することが可能となる。
次に、図3に示すように、粘着性フィルム42を利用して基板Wをリング部材43に装着する。そして、このリング部材43を、図1に示す回転テーブル11にセットする。しかる後、つまみ34を操作して微調ねじ33を回転されることにより、回転テーブル11の回転角度位置を調整し、基板割断装置の割断線に、基板Wのスクライブラインの位置が合うように、基板Wの角度の位置決めを行う。
しかる後、割断を実行する。この場合には、図7に示すように、スクライブライン100が形成された側の面を下にして一対の受け刃51、52により支持された基板Wを、受け刃51、52の反対側から、スクライブライン100に対応する割断線101においてブレード14により押圧する。このときのブレードのZ方向の移動は、ステッピングモータ23により昇降テーブル16を下降させることにより実行される。
ブレード14が基板Wを押圧すると、基板Wはスクライブラインが割断線101と一致するように置かれているので、ブレード14は基板Wのスクライブラインの形成された側の裏面にて、スクライブラインの基板裏側の部位、すなわち基板Wにてスクライブラインの背面を、押圧する。押圧された基板Wは、一対の受け刃51、52と当接し、受け刃51、52を押圧する。
一対の受け刃51、52は、基板Wに当接する各面が双方とも、平坦に加工されており、Z方向に同じ高さで、Z方向と垂直な平面に位置している。したがって、基板Wに対して受け刃51、52は、面的に広がりを持った領域で基板Wからの押圧力を受け止める。しかし、このことは、基板Wが全く撓まない場合のことで、実際には基板は、僅かではあるが必ず撓む。
そのため、ブレード14が基板Wを押圧すると、基板Wは、ブレード14からは、割断線に位置するスクライブラインの背面に沿った狭い線状の部位が集中的に押し圧力が加えられるとともに、一対の受け刃51、52は、一対のピン58によって割断線101からY方向に互いに隔離しているので、この隙間では、受け刃51、52が押圧力を受け止めることができず、基板Wは撓む。すなわち、基板Wはスクライブラインの背面を押圧されることで、いわゆる背割りするようにして、反り返るように撓む。
このように、基板Wは撓むから、基板Wのスクライブラインの形成されている面は、受け刃51、52とは、面接触できずに、割断線101からY方向に互いに隔離して対向している前縁だけが基板Wと当接する。つまり、割断線101上の任意の1点で見れば、基板Wは、ブレード14の先端部71と、一対の受け刃51、52の対向している各前縁、これらの3点で挟まれるように、基板は力を受ける。
受け刃51、52は、対向する前縁だけが集中的に押圧力を受け、一対の受け刃51、52を支える一対の支持部材53、54は、受け刃51、52の前縁に近い位置に集中して、押圧力を受ける。
このとき、この発明に係る基板割断装置においては、図6に示すように、左領域Lにおいては、一方の支持部材53の第1の前出部分202が割断線101を超えて他方の支持部材54の第2の後退部分303へ向けて突出するとともに、他方の支持部材54の第2の前出部分304が割断線101を超えて一方の支持部材53の第1の後退部分201へ向けて突出しており、また、右領域Rにおいては、一方の支持部材53の第2の前出部分204が割断線101を超えて他方の支持部材54の第1の後退部分301へ向けて突出するとともに、他方の支持部材54の第1の前出部分302が割断線101を超えて一方の支持部材53の第2の後退部分203へ向けて突出している。
このため、支持部材53が受け刃51から受ける押圧力は、支持部材53のY方向の端にはならず、また、支持部材54が受け刃51から受ける押圧力は、支持部材54のY方向の端にはならないので、支持部材53、54は、端部に集中的に力をうけることに起因する変形力や、回転力等の不具合を回避でき、これらの支持部材53、54に傾斜が生ずることはない。
従って、一対の受け刃51、52の傾斜が防止され、これにより、基板Wの割断面が基板の表面に対して垂直とならずに傾斜してしまうという問題の発生を有効に防止することが可能となる。
また、ブレード14が基板Wを押圧し、基板Wを介して一対の受け刃51、52の前縁が押圧されたときに、一対の受け刃51、52が、図4に示すバネ61の付勢力に抗して、互いに離隔する方向に移動する。すなわち一対の受け刃51、52の各々の前縁間に存在する割断線101に加わるブレード14の垂直方向への押圧力が、受け刃51、52の前縁を離隔させる方向への分力を生じさせ、基板Wを確実に割断することが可能となる。
なお、この実施形態においては、ブレード14の先端部71には、120μm程度のアール加工がなされている。このブレード14の先端部71は、基板Wの割断時に、粘着性フィルム42が切断されることを防止するため、従来より10μm乃至60μm程度のアール加工がなされていた。この実施形態においては、これを120μm程度とすることにより、ブレード14の押圧力による粘着性フィルム42の変形を抑えて、基板Wに確実に押圧力を伝達できるようにしている。
すなわち、この実施形態においては、上述したように、ブレード14が基板Wを押圧したときに一対の受け刃51、52が、その先端が互いに離隔する方向に移動する構成を採用するとともに、ブレード14の先端部71に120μm程度のアール加工を行ことにより、ブレード14の押圧力が粘着性フィルム42の変形に消費されることなく、基板Wへ有効に押圧力を印加できるようにしている。なお、このブレード14の先端のアール加工は、100μm乃至150μmとすることが好ましい。
なお、この実施形態においては、一対の受け刃51、52のY方向の位置を規制する規制手段として、一対のピン58を採用している。また、一対の受け刃51、52がピン58により規制された位置から互いにY方向に離隔する方向に移動することを許容する移動手段として、複数のコロ63およびバネ61を備えた移動機構を採用している。すなわち、この実施形態においては、一対の受け刃51、52が規制位置から互いに離隔する方向に移動することは許容するが、互いに近接する方向に移動することは禁止している。しかしながら、必ずしも、一対の受け刃51、52の互いに近接する方向への移動を禁止する必要はない。
すなわち、基板Wの割断時において、上述したように、一対の受け刃51、52が互いに離隔する方向に移動することで、ブレード14の押圧力が比較的小さい場合であっても基板Wを容易に割断することができる。このため、一対の受け刃51、52が互いに近接する方向に移動するための抵抗力が、互いに離隔する方向に移動するための抵抗力より強ければよい。上述した実施形態は、一対の受け刃51、52が互いに近接する方向に移動するための抵抗力を最大とし、互いに離隔する方向に移動するための抵抗力はバネ61の付勢力とした場合のものである。
但し、一対の受け刃51、52の移動を、モータ等による保持力で禁止した場合等においては、一対の受け刃51、52が互いに近接する方向に移動するための抵抗力と、互いに離隔する方向に移動するための抵抗力とがほぼ同一となるので、この実施形態のように比較的小さい押圧力により基板Wを割断する作用は期待できないばかりではなく、基板Wを精度よく割断することは困難となる。
以上の動作により基板Wの割断を行った後は、ステッピングモータ31の作用により、Yテーブル12を半導体チップの幅に相当する距離だけ移動させた後、同様の割断作業を続行する。
なお、上述した実施形態においては、図6に示すように、左領域Lにおいては、一方の支持部材53の第1の前出部分202が割断線101を超えて他方の支持部材54の第2の後退部分303へ向けて突出するとともに、他方の支持部材54の第2の前出部分304が割断線101を超えて一方の支持部材53の第1の後退部分201へ向けて突出しており、また、右領域Rにおいては、一方の支持部材53の第2の前出部分204が割断線101を超えて他方の支持部材54の第1の後退部分301へ向けて突出するとともに、他方の支持部材54の第1の前出部分302が割断線101を超えて一方の支持部材53の第2の後退部分203へ向けて突出している。すなわち、左領域Lと右領域Rの両方において、一対の支持部材53、54の各々が、前出部分と後退部分を有している。このような構成を採用することにより、一対の受け刃51、52の傾斜をX方向全域において確実に防止することができ、基板Wを正確に割断することが可能となる。但し、この発明はこのような構成に限定されるものではない。
図8は、この発明を実施するための別の形態の構成を説明するための説明図である。この図において、符号153、154、253、254は、各々、支持部材を示している。
図8(a)に示すこの発明を実施するための形態に係る構成においては、支持部材153は、左領域Lに前出部分401を、また、右領域Rに前出部分402を備えている。また、支持部材154は、左領域Lに前出部分403を、また、右領域Rに前出部分404を備えている。そして、一方の支持部材の前出部分は、他の方の支持部材の後退部分へ向けて突出している。このような構成であれば、受け部材の傾斜を防止して、基板Wを正確に割断することが可能となる。
これに対して、図8(b)に示すこの発明とは異なる構成においては、支持部材253は、右領域Rに単一の前出部分501を、また、支持部材254は、左領域Lに単一の前出部分502を備えているのみである。このような構成を採用した場合には、一対の受け刃51、52がねじれるような形で傾斜することになり、基板Wを正確に割断することが困難となる。
なお、上述した実施形態においては、ブレード14を昇降させることにより基板Wに押圧力を付与して基板Wを割断する構成を採用しているが、ブレード14を昇降させる代わりに、一対の受け刃51、52を昇降させて基板Wを割断する構成を採用してもよい。
10 サポート機構
11 回転テーブル
12 Yテーブル
14 ブレード
16 昇降テーブル
35 CCDカメラ
42 粘着性フィルム
43 リング部材
51 受け刃
52 受け刃
53 支持部材
54 支持部材
55 基台
56 当たり部材
57 当たり部材
58 ピン
61 バネ
62 バネ
63 コロ
101 割断線
201 第1の後退部分
202 第1の前出部分
203 第2の後退部分
204 第2の前出部分
205 観察用退避部分
206 観察用退避部分
301 第1の後退部分
302 第1の前出部分
303 第2後退部分
304 第2の前出部分
401 前出部分
402 前出部分
403 前出部分
404 前出部分
W 基板

Claims (4)

  1. スクライブラインが形成された基板に力を加えることによって、この基板を前記スクライブライン上のX方向を向く割断線において割断する基板割断装置であって、
    前記割断線を挟んで対向するように配置され、各々が、前記基板におけるスクライブラインが形成された側の面に、当接する一対の受け部材と、
    前記一対の受け部材を、前記基板との当接面とは逆側の面から支持する一対の支持部材と、
    前記一対の受け部材の対向する前縁が、前記割断線に対応する位置で互いに近づく接近位置と、前記接近位置から離隔した離隔位置との間を移動可能となるように、前記一対の支持部材を、前記一対の受け部材の表面と平行な平面内において前記X方向と直交するY方向に移動させる移動機構と、
    前記基板のスクライブラインが形成された側の裏面にて、前記スクライブラインの背面に沿って線状に当接するブレードと、
    前記一対の受け部材と、前記ブレードが接近するようにZ方向へ相対移動させて、基板に力を印加する割断力発生手段と、を備え、
    前記一対の支持部材による前記一対の受け部材の支持領域をY方向を向く直線により左領域、右領域に分割した場合に、前記一対の各支持部材は、前記左領域と前記右領域の両方において、前記各前縁が、前記割断線よりY方向に退避した後退部分と、前記割断線よりY方向に突出した前出部分とを備え、一方の支持部材の前出部分が他方の支持部材の後退部分へ向けて突出し、一方の支持部材の後退部分へ向けて、他方の支持部材の前出部分が突出するように対向配置していることを特徴とする基板割断装置。
  2. 請求項1に記載の基板割断装置において、
    記一対の支持部材のうちの一方の支持部材は、前記左領域において第1の後退部分と第1の前出部分とを備えるとともに、前記右領域において第2の後退部分と第2の前出部分とを備え、
    前記一対の支持部材のうちの他方の支持部材は、前記右領域において第1の後退部分と第1の前出部分とを備えるとともに、前記左領域において第2の後退部分と第2の前出部分とを備え、前記左領域においては、前記一方の支持部材の第1の前出部分が前記他方の支持部材の第2の後退部分へ向けて突出するとともに、前記他方の支持部材の第2の前出部分が前記一方の支持部材の第1の後退部分へ向けて突出し、
    前記右領域においては、前記一方の支持部材の第2の前出部分が前記他方の支持部材の第1の後退部分へ向けて突出するとともに、前記他方の支持部材の第1の前出部分が前記一方の支持部材の第2の後退部分へ向けて突出する基板割断装置。
  3. 請求項2に記載の基板割断装置において、
    前記一方の支持部材と前記他方の支持部材とは、同一の形状を有する基板割断装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の基板割断装置において、
    前記一対の支持部材には、各々、前記割断線よりY方向に退避した観察用退避部分が形成され、双方の観察用退避部分が対向する基板割断装置。
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