JP5353883B2 - 鋼の連続鋳造方法およびそれに用いる電磁攪拌装置 - Google Patents

鋼の連続鋳造方法およびそれに用いる電磁攪拌装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5353883B2
JP5353883B2 JP2010510063A JP2010510063A JP5353883B2 JP 5353883 B2 JP5353883 B2 JP 5353883B2 JP 2010510063 A JP2010510063 A JP 2010510063A JP 2010510063 A JP2010510063 A JP 2010510063A JP 5353883 B2 JP5353883 B2 JP 5353883B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slab
molten steel
stirring
width direction
phase
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010510063A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2009133739A1 (ja
Inventor
信宏 岡田
正 平城
幸司 高谷
章裕 山中
秀俊 諏訪
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2010510063A priority Critical patent/JP5353883B2/ja
Publication of JPWO2009133739A1 publication Critical patent/JPWO2009133739A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5353883B2 publication Critical patent/JP5353883B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22DCASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
    • B22D11/00Continuous casting of metals, i.e. casting in indefinite lengths
    • B22D11/12Accessories for subsequent treating or working cast stock in situ
    • B22D11/122Accessories for subsequent treating or working cast stock in situ using magnetic fields
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22DCASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
    • B22D11/00Continuous casting of metals, i.e. casting in indefinite lengths
    • B22D11/10Supplying or treating molten metal
    • B22D11/11Treating the molten metal
    • B22D11/114Treating the molten metal by using agitating or vibrating means
    • B22D11/115Treating the molten metal by using agitating or vibrating means by using magnetic fields
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22DCASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
    • B22D11/00Continuous casting of metals, i.e. casting in indefinite lengths
    • B22D11/12Accessories for subsequent treating or working cast stock in situ
    • B22D11/1206Accessories for subsequent treating or working cast stock in situ for plastic shaping of strands

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Continuous Casting (AREA)
  • Metal Rolling (AREA)

Description

本発明は、撹拌流動パターンを選択して未凝固部の溶鋼を電磁攪拌し、未凝固部を有する鋳片を圧下ロールを用いて、望ましくは溶鋼の過熱度に応じて圧下量を調整しながら圧下することにより中心偏析を軽減する連続鋳造方法に関する。さらに、この連続鋳造方法を実施するにあたり、未凝固部を圧下する際に鋳造方向上流側に排出される濃化溶鋼を効果的に攪拌することができる電磁攪拌装置に関する。
従来、連続鋳造鋳片の内部品質の改善を目的として、湾曲型または垂直曲げ型の連続鋳造機内に配置された圧下ロールを用いて、未凝固部を有する鋳片を圧下する技術(以下、「未凝固圧下技術」とも称する)が多く提案されている。本発明者らも、特許第4218383号公報(以下、「特許文献1」という)において、未凝固部を有する鋳片をバルジングさせた後に、連続鋳造機において、圧下ロール対の下部ロールを鋳片の下側パスラインよりも突出させて鋳片を圧下する鋼の連続鋳造法を提案した。
鋳片の未凝固圧下においては、C、Mn、P、Sなどの偏析しやすい成分の濃化した溶鋼(以下、「偏析成分濃化溶鋼」とも記す)が圧下により液相側に排出され、鋳片の厚さ方向中心部の成分偏析が改善される。
こうした鋳片の未凝固圧下技術では、凝固シェルが鋳片幅方向に不均一に形成された状態で圧下すると、鋳片の幅方向に均一に圧下することができない。このため、出願人は、凝固シェルの均一化のため、溶鋼の流動制御を行う方法を提案した。具体的には、特許第3275835号公報(以下、「特許文献2」という)および特許第3237177号公報(以下、「特許文献3」という)により、クレータエンドにおける鋳片の幅方向の形状制御のため、凝固シェルの形成が開始される鋳型内において、電磁力による溶鋼の流動制御方法を提案した。
特許文献2に提案の方法は、連続鋳造鋳型の内部に静磁場を印加することにより、圧下位置における連続鋳造鋳片の未凝固部の厚さ分布を、鋳片幅方向に均一とするか、または鋳片幅方向端部側を鋳片幅方向中央部よりも小さくする連続鋳造方法である。
特許文献3に提案の方法は、鋳型内に連続的に供給される溶融金属の流動を、圧下ロール対の3〜7m上流に設置した電磁攪拌装置の電磁力により制御することにより、鋳片内の凝固ラインの形状を、スラブ中央部のシェル厚さを薄くするように制御しつつ、未凝固鋳片を連続的に圧下して中心偏析を防止する連続鋳造方法である。
また、本発明者らは、等軸晶の制御を目的として、圧下位置よりも鋳造方向上流側の未凝固溶鋼を電磁攪拌する連続鋳造方法を、特許第3119203号公報(以下、「特許文献4」という)、特開2005−103604号公報(以下、「特許文献5」という)および特開2005−305517号公報(以下、「特許文献6」という)で提案した。
特許文献4に提案の方法は、鋳型内において電磁攪拌を施し、さらに鋳片の中心固相率が0〜0.1となる未凝固域で未凝固溶鋼の電磁攪拌を施し、次いで鋳片の中心固相率が0.1〜0.4となる未凝固域で、少なくとも1対のロールにより未凝固部厚さの50〜90%圧下量を与える鋳片の未凝固圧下方法である。
特許文献5に提案の方法は、連続鋳造機の湾曲部または曲げ部を形成する円弧の接線と水平面とのなす角度が30度以上となる湾曲部または曲げ部の位置において、未凝固溶鋼を電磁攪拌するとともに、電磁攪拌を行う位置よりも下流側で前記連続鋳造機の水平部に圧下ロールを配置し、鋳片の中心部固相率が所定の領域において、圧下量D1と圧下時の未凝固部厚さD2との比を0.2から0.6の範囲に調整して未凝固部を含む鋳片を圧下する連続鋳造方法である。
特許文献6で提案の技術は、未凝固溶鋼を電磁攪拌するとともに、その電磁攪拌位置の下流側の未凝固部を含む鋳片を圧下する連続鋳造方法であって、最上流側の圧下ロール対の3〜7m上流に電磁攪拌装置を配置し、等軸晶率が6%以下となるように未凝固溶鋼に電磁力を印加するとともに、未凝固部を含む鋳片の未凝固部厚さの40%以上を圧下する低炭素鋼の連続鋳造方法、およびそれにより鋳造された鋳片に関するものである。
上述の技術は、鋳片を幅方向に均等に圧下し、偏析成分濃化溶鋼を滞りなく排出させるために、未凝固部の溶鋼を排出する通路に存在する等軸晶の量を電磁攪拌により制御する技術であり、いずれも優れた効果がある。
本発明者らは、さらに未凝固圧下および電磁攪拌を利用した連続鋳造における、鋳片の中心偏析性状の安定化技術について研究を重ねた結果、圧下位置から上流側に排出された偏析成分濃化溶鋼が、鋳造時間が長くなると、それにともなって濃化していき、やがて鋳片の端部に高濃度に偏析するという問題があることを明らかにした。
図1は、前記特許文献2または特許文献5に開示された未凝固圧下を伴う連続鋳造における溶鋼の流れを模式的に示す図である。同図を用い、上述の問題として鋳片の端部に高濃度の偏析が発生する状況を説明する。
鋳型3内に注入された溶鋼は、鋳型3およびその下方の二次冷却スプレーノズル群(図示せず)から噴射されるスプレー水により冷却され、外側表面部から凝固シェルを形成して鋳片8となる。鋳片8は、その内部に未凝固部を有したまま引き抜かれ、電磁攪拌装置9により未凝固部の溶鋼に電磁攪拌を付与された後、圧下ロール7により鋳片厚さ方向に圧下される。通常、電磁攪拌装置9は、等軸晶率を制御するために、メニスカスから9m、圧下位置から鋳造方向上流側に12mの位置に設置されている。
上述の電磁攪拌方法は、鋳片8の一方の短辺側から他方の短辺側に向かって溶鋼を一方向に流動させ、その流動方向を所定の時間間隔で反転させる攪拌方法である。以下では、この電磁攪拌方法によって付与される撹拌流動パターンを「一方向交番流形成型の攪拌」と称する。
上記図1に示すように、一方向交番流形成型の攪拌の場合には、符号X1にて示される鋳片の長辺方向(鋳片の幅方向)に溶鋼が流動し、その流れが鋳片短辺に衝突した後、鋳片短辺近傍を鋳造方向上流側に向かう溶鋼流(図中の符号f3、f4)、鋳片短辺近傍を鋳造方向下流側に向かう溶鋼流(図中の符号f1、f2)、およびそれに伴う溶鋼流が形成される。そして、所定時間後に、鋳片幅方向の溶鋼の攪拌方向が前記符号X1の方向に対して反転する。
通常、上記の電磁攪拌装置9は、等軸晶率を制御し、偏析成分濃化溶鋼の希釈を目的としないことから、圧下位置から離れた位置に設置され、例えば、圧下位置から鋳造方向上流側に12mの位置に設置されることになる。このため、偏析成分濃化溶鋼には、濃化成分を希釈するのに十分な攪拌力が付与されることがなく、鋳造時間の経過とともに徐々に鋳片短辺近傍に偏析成分が濃化することになる。
図2は、鋳片端部の短辺近傍における成分の濃化部の発生状況を模式的に示す図である。この短辺近傍における濃化部の形成は、連続鋳造の操業が長時間に亘るほど顕著になる。このため、さらに成分偏析の管理が厳しい鋼種では、長時間に亘って連続鋳造を継続することが困難になり、鋳片の歩留りが低下するという問題がある。
前述の通り、未凝固溶鋼の電磁攪拌技術は、従来から、連続鋳造における中心偏析の発生を軽減するために実施されてきたが、次のような問題がある。
すなわち、未凝固圧下により排出された偏析成分濃化溶鋼は、一方向交番流形成型の攪拌により、偏析成分をある程度分散させることができるが、電磁攪拌装置が圧下位置から離れた位置に設置されていることから、その分散希釈作用は十分でなく、鋳片の短辺近傍に偏析成分の濃化部が形成され易い。形成された濃化部は、連続鋳造の操業が長時間になる程、顕在化することから、長時間の鋳造操業において偏析性状の良好な鋳片の製造を困難にしている。
本発明は、このような従来技術の問題に鑑みてなされたものであり、その課題は、未凝固圧下により鋳造方向上流側に排出された偏析成分濃化溶鋼を適切に攪拌する技術を開発し、偏析成分の希釈攪拌作用を抜本的に改善するとともに、長時間の連続鋳造操業であっても、偏析性状の安定した鋳片を製造することのできる連続鋳造方法、およびその連続鋳造方法に用いられる電磁攪拌装置を提供することにある。
本発明者らは、上述した課題を解決するため、鋳片の圧下により未凝固溶鋼内へ排出される偏析成分濃化溶鋼の攪拌方法を抜本的に改善でき、長時間の連続鋳造操業に亘り、中心偏析性状の安定した鋳片を製造することのできる連続鋳造方法について研究開発を重ねた。その結果、以下の(a)〜(e)の知見を得ることができた。
〈偏析成分濃化溶鋼の撹拌位置〉
(a)一方向交番流形成型の攪拌による電磁攪拌装置は、通常、等軸晶率を制御するため、鋳片圧下部から鋳造方向上流側に12mの位置に設置される。本発明者らの調査によれば、このような電磁攪拌装置では、鋳片の短辺近傍における偏析成分の濃化部の希釈効果が充分でない。これを改善するには、さらに鋳片の圧下位置に近い位置に電磁攪拌装置を設置する必要がある。
本発明者らは、未凝固圧下の開放鋳片マクロ調査により、未凝固部の鋳片の圧下により排出される偏析成分濃化溶鋼が上流側に遡る長さを検討した。その検討結果によれば、偏析成分濃化溶鋼が上流側に遡る最大長さは9m程度であることから、電磁攪拌装置を圧下位置から鋳造方向上流側に9m以内の位置に配置するのが望ましいことが判明した。
〈撹拌流動パターン〉
(b)未凝固溶鋼内へ排出される偏析成分濃化溶鋼は、圧下位置から上流側に広がって分布しているため、これを鋳造方向に攪拌しても圧下位置へ押し戻すことになり、偏析成分を希釈攪拌する作用は小さい。したがって、偏析成分濃化溶鋼は、鋳片幅方向に攪拌を行うのが効果的である。
鋳片幅方向の攪拌として、一方向交番流形成型の攪拌を採用し、偏析成分濃化溶鋼を希釈するために適切な位置に設置することができる。この場合には、鋳型幅方向の攪拌流により偏析成分濃化溶鋼が希釈されながら鋳片短辺に到達し、次に、短辺に沿った鋳造方向の上流側と下流側に向かう流れに分離する。
上流側への流れは、上流の濃化していない溶鋼と混合し希釈されるが、下流側への流れは圧下位置へ押し戻されることになる。このため、攪拌力が不十分な場合には、下流側への流れは希釈が不十分となり、偏析成分の濃化部を形成することがある。このため、一方向交番流形成型の攪拌を採用する場合では、偏析成分の濃化部の形成を抑制するには、大きな攪拌力が必要になる。
さらに、鋳片短辺に沿った溶鋼の濃化を低減するために、後述する図3に示すように、溶鋼を鋳片の両短辺側からそれぞれ鋳片幅方向中央部に向かって流動させ、鋳片幅方向中央近傍で互いに衝突させる攪拌流動(以下、「衝突流形成型の攪拌」とも記す)を付与することが効果的である。
この衝突流形成型の攪拌においても、鋳片短辺近傍を鋳造方向に流れる溶鋼流が発生するが、その重要な特徴として、鋳片幅方向中央近傍にも鋳造方向上流側および下流側に向かう溶鋼流が形成されることがある。このため、衝突流形成型の攪拌は、一方向交番流形成型の攪拌に比較し、短辺近傍の偏析成分濃化溶鋼の掃き出し効果により、端部での偏析成分の濃化部を低減することができる。
また、一方向交番流形成型の攪拌では2筋であった鋳造方向の溶鋼の上下流を、衝突流形成型の攪拌では3筋にすることができるので、単純計算によっても、偏析成分濃化溶鋼の集積度を2/3に低減することができる。
〈電磁撹拌装置の構成および撹拌流動パターンの選択〉
(c)上記(b)に記載の衝突流形成型の攪拌を実現するには、後述する図8または図9に示すように、未凝固部を有する鋳片を圧下する位置の鋳造方向上流側において、鉄芯の長手方向軸が鋳片幅方向に向けて配置され、その鉄芯には外周を長手方向軸の周りに巻きまわされた複数個の励磁コイルが設けられ、励磁コイルに二相または三相の交流電流が通電されることにより、励磁コイルの電流の位相が鋳片幅方向中央位置に対応する鉄芯位置を中心として鉄芯の長手方向に対称に分布する電磁攪拌装置を用いるのが適切である。
一方、さまざまな鋳造条件や鋼種に対応するためには、衝突流形成型の攪拌に加え、一方向交番流形成型の攪拌も選択可能な電磁攪拌装置を用いる必要がある。この場合、端部の励磁コイルから他方の端部の励磁コイルの電流の位相が順次90度または60度ずつ増加または減少するように分布するのが適切である。これにより、衝突流形成型の攪拌と一方向交番流形成型の攪拌とを同一の電磁撹拌装置で実現することができる。
〈溶鋼の過熱度による未凝固圧下量の調整〉
(d)タンディッシュ内における溶鋼の過熱度(ΔT)に応じて、鋳片未凝固部の圧下量を調整し、凝固シェルを確実に圧着し、かつ濃化溶鋼を確実に排出させるとともに、成分濃度(C)を平均成分濃度(Co)により除した成分偏析比(C/Co)が0.80〜1.20である鋳片幅方向両端部に存在する偏析帯の鋳片幅方向の各長さ(W)を、下記(1A)式および(1B)式により表される関係を満足するようにすることにより、長時間の鋳造操業にわたり中心偏析性状の安定した鋳片を製造することができる。
0 ≦ W ≦ 0.2×W1 ・・・・・(1A)
W1=(Wo−2×d) ・・・・・(1B)
ここで、Woは鋳片幅、W1は鋳片の圧下位置における未凝固部の鋳片幅方向長さ、dは鋳片の圧下位置における鋳片短辺側の凝固シェル厚さを、それぞれ表す。
(e)上記(d)におけるタンディッシュ内での溶鋼の過熱度(ΔT)を25〜60℃とできる。過熱度が25℃未満では鋳片短辺側の凝固シェルを十分に圧下できない場合がある。一方、過熱度が60℃を超えると、鋳型内における凝固シェルが薄くなり、鋳型下端部において凝固シェルが破断する恐れがあり、これを避けるために鋳造速度を低下せざるを得ない。
本発明は、以上の知見に基づいて完成されたものであり、下記の(1)〜(3)に示す鋼の連続鋳造および(4)、(5)に示す電磁攪拌装置を要旨としている。
(1)鋳片の圧下位置から鋳造方向上流側に電磁攪拌装置を設置し、未凝固部を有する鋳片を圧下する連続鋳造方法であって、
前記電磁攪拌装置であり、且つ同一の電磁攪拌装置を用いて、溶鋼を鋳片の両短辺側からそれぞれ鋳片幅方向中央部に向かって流動させ、鋳片幅方向中央近傍で互いに衝突させる攪拌流動と、
溶鋼を鋳片の一方の短辺側から他方の短辺側に向かって一方向に流動させ、その流動方向を所定の時間間隔で反転させる攪拌流動とのいずれかを選択し付与することを特徴とする鋼の連続鋳造方法。
(2)上記(1)の連続鋳造方法では、電磁攪拌装置を鋳片圧下位置から鋳造方向上流側の9m未満までの位置に少なくとも一つ配置するのが望ましい。
(3)上記(1)、(2)の連続鋳造方法では、タンディッシュ内の溶鋼の過熱度(ΔT)に応じて、鋳片の圧下量を調整するとともに、鋳片厚み中心の両端部に存在する成分偏析比が0.80以上、1.20以下である偏析帯の鋳片幅方向の各長さ(W)を、下記(1)式により表される関係を満足する範囲内とするのが、さらに望ましい。
0 ≦ W ≦ 0.2×(Wo−2×d) ・・・・(1)
ここで、Wは鋳片幅方向両端部に存在する偏析帯の鋳片幅方向の各長さ(mm)、Woは鋳片幅(mm)、dは鋳片の圧下位置における鋳片短辺側の凝固シェル厚さ(mm)をそれぞれ表す。
(4)未凝固部を有する鋳片の圧下位置から鋳造方向上流側に配置され、未凝固部の溶鋼を鋳片幅方向に攪拌する電磁攪拌装置であって、
該電磁攪拌装置は、その長手方向軸が鋳片幅方向に向けて配置された鉄芯と、
該鉄芯の外周を長手方向軸の周りに巻きまわされた複数個の励磁コイルとを有し、
該励磁コイルに二相または三相の交流電流を通電し、
溶鋼を鋳片の両短辺側からそれぞれ鋳片幅方向中央部に向かって流動させ、鋳片幅方向中央近傍で互いに衝突させる攪拌流動を付与させる場合には、各励磁コイルの電流位相が鋳片幅方向中央位置に対応する鉄芯位置を中心として鉄芯の長手方向に対称となるように分布させ、
溶鋼を鋳片の一方の短辺側から他方の短辺側に向かって一方向に流動させ、その流動方向を所定の時間間隔で反転させる攪拌流動を付与する場合には、端部の励磁コイルから他方の端部の励磁コイルの電流の位相が順次90度または60度ずつ増加または減少するように分布させることにより、前記攪拌流動を選択的に付与することを特徴とする溶鋼の電磁攪拌装置。
(5)上記(1)の連続鋳造装置では、電磁攪拌装置が鋳片圧下位置から鋳造方向上流側の9m未満までの位置に少なくとも一つ配置される構成にするのが望ましい。
〈定義および用語の意味〉
本発明において、「長手方向軸が鋳片幅方向に向けて配置され」とは、鉄芯の長手方向軸が鋳片幅方向(鋳造方向に直角方向)に対して、±5°の範囲内の角度をなすように配置されることを意味する。
「成分偏析比」とは、鋳片の任意位置におけるC、Mn、P、Sなどの成分濃度C(質量%)を平均成分濃度Co(質量%)により除した比を意味し、質量%を単に%とも表記する。
「溶鋼の過熱度」とは、実際に測定された溶鋼温度から平衡状態図などにより求められる液相線温度を減じた温度差を意味する。
「中心固相率」とは、鋳片の中心部における固相および液相の全体に対して固相の占める分率を意味する。
本願明細書の説明において、「一方向交番流形成型の攪拌」とは、溶鋼を鋳片の一方の短辺側から他方の短辺側に向かって一方向に流動させ、その流動方向を所定の時間間隔で反転させる攪拌流動を意味する。
また、「衝突流形成型の攪拌」とは、溶鋼を鋳片の両短辺側からそれぞれ鋳片幅方向中央部に向かって流動させ、鋳片幅方向中央近傍で互いに衝突させる攪拌流動を意味する。
〈本発明の効果〉
本発明の連続鋳造方法によれば、鋳片の圧下位置から鋳造方向上流側に、望ましくは9m未満の位置に電磁攪拌装置を設置し、複数の撹拌流動パターンを同一の電磁攪拌装置を用いて付与しながら連続鋳造を行う。これにより、衝突流形成型の攪拌と一方向交番流形成型の攪拌とを選択的に付与することができ、偏析成分濃化溶鋼を希釈分散させ、長時間の連続鋳造操業においても中心偏析性状の安定した鋳片を製造できる。
さらに、本発明の連続鋳造方法によれば、溶鋼の過熱度に応じて、鋳片未凝固部の目標圧下量を調整することにより、上記(1)式を満足し、鋳片幅方向両端部に存在する偏析帯の鋳片幅方向の各長さを、未凝固溶鋼の鋳片幅方向長さの20%以下とすることができ、長時間の連続鋳造操業にわたり中心偏析が少なく安定した鋳片を製造することができる。
本発明の電磁攪拌装置が採用する基本構造は、鋳片幅方向に配置された鉄芯と、これに巻きまわされた複数個の励磁コイルを有し、二相または三相の交流電流を通電させることにより、衝突流形成型の攪拌を付与する場合には、各励磁コイルの電流の位相が鋳片幅方向中央位置に対応する鉄芯位置を中心として鉄芯の長手方向に対称になるように分布させ、一方向交番流形成型の攪拌を付与する場合には、各励磁コイルの電流位相が端部の励磁コイルから他方の端部の励磁コイルの電流の位相が順次90度または60度ずつ増加または減少するように分布させることができる。この基本構成により、撹拌流動パターンを選択して使用することができ、設備コストの低減やメンテナンス性の改善に有効である。
本発明の電磁攪拌装置によれば、電磁攪拌装置を複数個設置することにより、一層、強力な攪拌流動による濃化溶鋼の希釈効果を得ることができる。しかも、連続鋳造中に衝突流形成型の攪拌と一方向交番流形成型の攪拌とを自在に付与できることから、鋼種や鋳片サイズに合わせた撹拌流動パターンを選択することができる。
したがって、本発明の連続鋳造方法および電磁攪拌装置を採用することにより、特に、割れ感受性の高い高強度鋼や、板厚が100mm以上の極厚製品用の鋼種を対象とした鋳片の製造に際して優れた効果を発揮することができる。
図1は、従来の未凝固圧下を伴う連続鋳造方法における溶鋼の流れを模式的に示す図である。
図2は、従来技術により鋳造された鋳片の短辺近傍における成分の濃化を模式的に示す図である。
図3は、本発明の鋳造方法における未凝固部の溶鋼の流れを模式的に示す図である。
図4は、電磁攪拌コイルと鋳片横断面との関係を模式的に示す図であり、同図(a)は電磁攪拌コイルを示し、同図(b)は鋳片横断面を示す。
図5は、三相交流電流の位相を模式的に示す図である。
図6は、三相交流における電流値の経時変化を示す図である。
図7は、移動磁界の形成機構を説明するための図であり、同図(a)は時刻t1における励磁コイルの電流値と磁束の分布を模式的に示し、同図(b)は時刻t1における磁束密度の分布を模式的に示し、同図(c)は時刻t2における励磁コイルの電流値と磁束の分布を模式的に示し、同図(d)は時刻t2における磁束密度の分布を模式的に示す。
図8は、一方向交番流形成型の電磁攪拌方法における電磁力の分布を数値シミュレーションにより求めた図であり、同図(a)は電磁攪拌コイルの電流の位相を示し、同図(b)は鋳片横断面内における電磁力の分布を示す。
図9は、本発明の連続鋳造方法で採用した三相交流を用いた電磁攪拌方法により得られる電磁力の分布を数値シミュレーションにより求めた図であり、同図(a)は電磁攪拌コイルの電流の位相を示し、同図(b)は鋳片横断面内における電磁力の分布を示す。
図10は、本発明の連続鋳造方法で採用した二相交流を用いた電磁攪拌方法により得られる電磁力の分布を数値シミュレーションにより求めた図であり、同図(a)は電磁攪拌コイルの電流の位相を示し、同図(b)は鋳片横断面内における電磁力の分布を示す。
図11は、本発明の連続鋳造方法を実施するための垂直曲げ型の連続鋳造機の縦断面の概略を示す図であり、(a)は鋳片をバルジングさせずに実施するための断面概略図であり、(b)は鋳片をバルジングさせながら実施するための断面概略図である。
図12は、鋳片横断面における溶鋼の流速分布およびMn成分の濃度分布を数値シミュレーションにより求め、比較した図であり、同図(a)は一方向交番流形成型の攪拌を適用した鋳造方法における溶鋼の流速分布およびMn成分の濃度分布を示し、同図(b)は衝突流形成型の攪拌を適用した鋳造方法における溶鋼の流速分布およびMn成分の濃度分布を示す。
図13は、一方向交番流形成型の攪拌と衝突流形成型の攪拌について、鋳片横断面の厚さ方向中心部におけるMn成分の濃度分布を数値シミュレーションにより求め、比較した図である。
図14は、タンディッシュ内溶鋼の過熱度と未凝固圧下量との関係を示す図である。
図15は、未凝固圧下により排出された偏析成分濃化溶鋼が圧下位置から上流側へ遡る範囲の一例を示す図である。
図16は、未凝固圧下により排出された偏析成分濃化溶鋼が圧下位置から上流側へ遡る範囲の一例を示す図である。
図17は、偏析成分の濃化溶鋼が十分に排出されずに所々で捕捉され、偏析性状の悪化傾向を呈した鋳片横断面のマクロ的な成分分布状況を示す図である。
図18は、未凝固圧下を行った鋳片横断面における幅方向の偏析状況を模式的に示す図であり、同図(a)は幅方向端部の偏析残存位置を示し、同図(b)は鋳片幅方向における成分偏析比の分布を示す。
本発明は、前記のとおり、鋳片の圧下位置から鋳造方向上流側に電磁攪拌装置を設置し、未凝固部を有する鋳片を圧下する連続鋳造方法であって、衝突流形成型の攪拌と一方向交番流形成型の攪拌とのいずれかを選択し付与する鋼の連続鋳造方法である。そして、電磁攪拌装置を鋳片圧下位置から鋳造方向上流側の9m未満までの位置に少なくとも一つ配置するのが望ましい。
さらに、本発明は、タンディッシュ内の溶鋼の過熱度(ΔT)に応じて、鋳片の圧下量を調整するとともに、鋳片厚み中心の両端部に存在する成分偏析比が0.80以上、1.20以下である偏析帯の鋳片幅方向の各長さ(W)を、所定の関係を満足する範囲内とするのが、さらに望ましい。
また、本発明は、上記の連続鋳造方法を実施するための、衝突流形成型の攪拌と一方向交番流形成型の攪拌とを選択的に付与可能な構成を具備した電磁攪拌装置である。
本発明の実施に際して、従来から慣用される電磁撹拌装置であり、例えば、等軸晶率を制御するために配置された攪拌装置であっても、偏析成分濃化溶鋼の希釈混合をさらに促進させることができる。したがって、本発明の電磁攪拌装置が配置される位置より上流側に、通常の電磁撹拌装置を設置し、偏析成分濃化溶鋼の希釈混合を促進させるために使用するのが望ましい。
以下に、本発明の連続鋳造方法および電磁攪拌装置について詳細に説明する。
1.「衝突流形成型の攪拌」およびその作用
本発明の連続鋳造方法において、重要な作用を発揮するのが溶鋼の攪拌流動パターンである。ここでは、その攪拌流動パターンのうち「衝突流形成型の攪拌」について説明する。
図3は、本発明の鋳造方法における未凝固部の溶鋼の流れを模式的に示す図である。鋳型3内に注入された溶鋼は、冷却されながら外側表面部から凝固シェルを形成して鋳片8となる。鋳片8は、その内部に未凝固部を有したまま下方に引き抜かれ、電磁攪拌装置9により未凝固部の溶鋼に電磁攪拌を付与された後、圧下ロール7により鋳片厚さ方向に圧下される。
本発明の連続鋳造方法では、電磁攪拌装置9により、鋳片の両短辺側から溶鋼を鋳片幅方向中央部に向かう溶鋼流が形成される。すなわち、圧下位置の鋳造方向下流側においては、溶鋼流g2およびg4、ならびにそれに伴う溶鋼流g1およびg3が、また、圧下位置の鋳造方向上流側においては、溶鋼流g6およびg8、ならびにそれに伴う溶鋼流g5およびg7が形成される。そして、鋳片幅方向中央部において、溶鋼流g2およびg6と、溶鋼流g4およびg8とが衝突し、鋳造方向下流側に向かう溶鋼流g9および鋳造方向上流側に向かう溶鋼流g10が形成される。
このような衝突流形成型の攪拌を付与することにより、鋳片の幅方向両端部に集積し易い偏析成分濃化溶鋼を、鋳片幅方向中央近傍に向かって流動させる。次いで、偏析成分濃化溶鋼は、中央部で互いに衝突後、鋳造方向下流側および鋳造方向上流側に向かって流動し、効果的に希釈分散される。したがって、上記の衝突流形成型攪拌を付与することにより、鋳片の両短辺部近傍における成分の濃化部(成分偏析)の形成を抜本的に低減することができる。
2.電磁攪拌方法
本発明者らは、衝突流形成型の攪拌を実現するため、数値解析による電磁場シミュレーションを行い、具体的な攪拌方法を検討した。ここでは、まず「一方向交番流形成型の攪拌」について説明し、次いで本発明が対象とする「衝突流形成型の攪拌」、さらに同一の電磁撹拌装置で、優れた撹拌能力を発揮する一方向交番流形成型の攪拌を実現する構造について説明する。
2−1.「一方向交番流形成型の攪拌」および移動磁界形成の機構
図4は、電磁攪拌コイルと鋳片横断面との関係を模式的に示す図である。同図(a)は電磁攪拌コイルを示し、同図(b)は鋳片横断面を示す。電磁攪拌コイル91は、積層された電磁鋼板からなる鉄芯92の長手方向軸の周りに複数個の励磁コイル93を巻いた構造を有する。この電磁攪拌装置に位相が相違する二相または三相の交流電流を印加(通電)する。
図5は、三相交流電流の位相を模式的に示す図である。一方向交番流形成型の攪拌を実施するには、鋳片の長辺方向に移動する磁界を発生させればよい。具体的には、前記図4に示す励磁コイルに、左から順に、図5に示す位相を時計周りの方向に有する電流を印加すればよい。すなわち、+U相、−W相、+V相、−U相、+W相そして−V相の順に印加すればよい。また、攪拌方向を反転させたい場合には、図4に示す励磁コイルに、左から順に、図5に示す位相を反時計回りの方向に有する電流を印加すればよい。すなわち、+U相、−V相、+W相、−U相などの順に印加すればよい。
ここで、上記のような位相を有する電流を印加することにより移動磁界が発生する機構について、以下に説明する。
図6は、三相交流における電流値の経時変化を示す図である。また、図7は、移動磁界の形成機構を説明するための図であり、同図(a)は時刻t1における各励磁コイルの電流値とその周辺の磁束分布を模式的に示し、同図(b)は、時刻t=t1において、電磁コイルからある距離だけ離れた位置(同図(a)中のA−A’線上)における磁束密度の分布を模式的に示す。同図(c)は、時刻t=t2における各励磁コイルの電流値とその周辺の磁束分布を模式的に示し、同図(d)は、時刻t=t2において、同図(c)中のA−A’線上における磁束密度の分布を模式的に示す。同図(a)と(c)は、図4に示されたように6個の励磁コイルが鉄芯に巻かれた電磁コイルを簡略化したものであり、鋳片側のコイル周辺のみを示している。
前記図6は、電流値の経時変化を示しており、交流電流の振幅値はImである。三相交流は、+U相、+V相、および+W相の位相がそれずれ順に120°ずれた交流電流であり、電流の向きを反転させた−U相、−V相、および−W相も考慮すると、図5および図6に示すように位相差が60°毎の交流電流を利用することができる。
電流の流れる方向は、紙面の表から裏に流れる方向を正とする。電流が正方向に流れる場合は、励磁コイルを中心として時計回りの磁束が発生し、電流が逆方向に流れる場合は、反時計回りの磁束が発生する。また、磁束密度の大きさは励磁コイルの電流値の増加にともなって大きくなる。
時刻t=t1においては、図7(a)に示すように、最も左側の励磁コイルである+U相には+1.0×Imの電流が流れ、その右側の励磁コイルである−W相には+0.5×Imの電流が流れ、ついで+V相、−U相、+W相、および−V相の励磁コイルには、それぞれ−0.5×Im、−1.0×Im、−0.5×Im、および+0.5×Imの電流が流れる。その結果、それぞれの巻き線付近には同図中に示されるような磁束が発生する。
その結果、時刻t=t1において、電磁コイルからある距離だけ離れた位置(図7(a)中のA−A’線上)では、図7(b)に模式的に示したとおりの磁束密度の分布が形成される。同図は、それぞれの励磁コイルが発生する磁束密度分布とそれらが合成された磁束密度分布とを模式的に示している。また、同図では、励磁コイルの電流値が+1.0×Imの時にA−A’線上に発生する磁束密度の最大値を+Bmとして表示した。
同様にして、時刻t=t2において、各励磁コイルに流れる電流に基づいてそれぞれの励磁コイルが発生する磁束密度およびそれらが合成された磁束密度分布を模式的に図7(c)および図7(d)に示す。時刻t=t2は、時刻t=t1から位相が120°進んだ時刻である。位相差の120°は、時間に換算すると、(1/f)×(120/360)秒(但し、fは電流の周波数(Hz))である。
したがって、図7(b)と同図(d)とを比較すると、時刻がt1からt2まで経過する間に、磁束密度分布は励磁コイル2つ分だけ、左から右に移動していることがわかる。すなわち、鉄芯の長手方向に沿って左から右に移動する移動磁界が形成されたことが説明された。
上記のように、磁界が鉄芯の長手方向に沿って左から右の方向に移動する(すなわち、磁界が、鋳片の一方の短辺側から他方の短辺側に向かって移動する)ことにより、溶鋼には誘導電流が発生し、この誘導電流が磁界から受ける力(ローレンツ力)により、溶鋼は磁界の移動方向に追随して流動する駆動力を与えられ、前記図1中の矢印X1にて示される方向に流動する。その後、所定時間後に磁界の移動方向を反転させることにより、溶鋼は同矢印X1にて示される方向とは逆方向に流動し、一方向交番流が形成される。
2−2.本発明の「衝突流形成型の攪拌」と「一方向交番流形成型の攪拌」の選択
前記2−1.にて説明した移動磁界の形成機構を踏まえて、本発明者らはさらに研究開発を重ね、下記の知見を得るに至った。
前記図4において、鉄芯の長手方向左半分の励磁コイルには、左から順に、+U相、−W相および+V相の電流を印加し、鉄芯の右半分の励磁コイルには、右から順に、+U相、−W相および+V相の電流を印加することにより、鉄芯の左半分には左から右に向かう移動磁界を形成させるとともに、鉄芯の右半分には右から左に向かう移動磁界を形成させることができるとの知見を得た。
すなわち、電磁攪拌装置の鉄芯をその長手方向軸を鋳片幅方向に向けて配置したとき、各励磁コイルに印加される電流の位相を、鋳片幅方向中央位置に対応する鉄芯位置を中心として、鉄芯の長手方向に対称に分布させることにより、衝突流形成型の攪拌を実現することができる。
前述した知見(c)は、上記の検討結果から得られたものである。
2−3.数値シミュレーションによる電磁力分布の解析
〈本発明における一方向流形成型の攪拌〉
まず、溶鋼の一方向流形成型の攪拌を行うための電磁力の分布を解析した。解析にあたっては、位相差が120°の三相交流を励磁コイルに印加し、励磁コイルの電流値は75600A・Turn、周波数は1.3Hzの条件とした。
図8に、数値シミュレーションにより求めた一方向流形成型の攪拌における電磁力の分布を示す。同図(a)に示すとおり、励磁コイルに、左から順に+U相、−W相、+V相、−U相、+W相および−V相の電流を印加した結果、同図(b)に示されるとおり、鋳片の左側短辺から右側短辺に向かう一方向流形成型の攪拌を実現するための電磁力の方向および大きさの分布が得られた。
〈本発明における衝突流形成型の攪拌>
次に、衝突流形成型の攪拌を実現するための電磁力の分布を求めた。シミュレーションの条件は、位相差が120°の三相交流を励磁コイルに印加するものとし、励磁コイルの電流値は75600A・Turn、そして電流の周波数は1.3Hzとした。
図9は、本発明の連続鋳造方法で採用した衝突流形成型の攪拌における電磁力の分布を示す図であり、同図(a)は電磁攪拌コイルの電流の位相を示し、同図(b)は鋳片横断面内における電磁力の方向および大きさの分布を示す。
同図に示すように、各励磁コイルに印加される電流の位相を、鋳片幅方向中央位置に対応する鉄芯位置を中心として、鉄芯の長手方向に対称に分布させることにより、衝突流形成型の攪拌を実現するための電磁力の分布、すなわち、鋳片短辺近傍から鋳片幅方向中央部に向かう電磁力分布が得られることが明らかとなった。
図10は、本発明の連続鋳造方法で採用した衝突流形成型の電磁攪拌を、二相交流を用いて実現する場合の電磁力の分布を示す図である。同図(a)は電磁攪拌コイルの電流の位相の分布を示し、同図(b)は鋳片横断面内における電磁力の分布を示す。同図の数値シミュレーションでは、お互いに90°の位相差を有するA相およびB相からなる二相交流電流を印加した。
同図に示すように、各励磁コイルに印加される二相交流の電流の位相を、鋳片幅方向中央位置に対応する鉄芯位置を中心とし、鉄芯の長手方向に対称に分布させることにより、衝突流形成型の攪拌を実現するための電磁力分布を得ることができた。
図9および図10の結果を比較すると、三相交流を用いた場合(図9に示す分布)は、二相交流を用いた場合(図10に示す分布)に比較し、電磁力が大きくなることから、三相交流を用いることにより、溶鋼に強力な攪拌流動を付与できることが分かる。
同様に、一方向流形成型の攪拌においても、三相交流を用いた場合は、二相交流を用いた場合に比較して電磁力が大きく、溶鋼に強力な攪拌流動を付与できることを確認した。
3.本発明の望ましい態様
3−1.電磁攪拌条件
励磁コイルに印加できる電流値が大きいほど攪拌力が大きくなるため、励磁コイルの巻数が多く、その断面積も大きい方が好ましい。しかし、例えば6個の励磁コイルを設置する場合について説明すると、励磁コイル間は50mm程度離す必要があるので、コイルの巻き幅は鉄芯長さにより制限される。
すなわち、励磁コイルの間隔を50mmとすると、鉄芯長さをL(mm)とした場合に、一つの励磁コイルを巻ける幅の最大値は(L−50×5)/6(mm)となる。最適な鉄芯幅は、電磁コイル設置位置における未凝固部の幅と同程度と考えられるので、鋳片幅よりも若干短い程度が好ましい。鋳片幅が2260mmの場合では、鉄芯幅を2000mmとし、この場合のコイルの巻き幅は、(2000−50×5)/6=292mmとなる。
励磁コイルの巻き幅が制限されるので、コイルの巻き数を確保するには、鉄芯の周方向への巻き数を増加する必要がある。しかし、鉄芯の周方向への巻き数を増加すると、コイルの巻き厚さの分だけ鉄芯と鋳片との距離が離れるため、これも無制限に増加することはできない。
以上を考慮し、数値シミュレーションから適切な励磁コイルの巻線の幅と厚みを検討した結果、好ましい励磁コイルの巻線の幅は200〜300mm程度であり、厚みは40〜100mm程度であった。
励磁コイルに印加する交流電流の精度は、電流の位相差60°の前後関係が反転しない範囲、すなわち、位相差の精度が±20°の範囲内であれば問題はない。また、電流の波形は一般的な正弦波でよいが、方形や三角形のパルス波であっても問題はない。
交流電流の周波数の望ましい範囲について説明する。交流電流の周波数が高いほどローレンツ力は大きくなるが、その浸透深さは小さくなる。したがって、浸透深さが鋳片の厚みの250〜300mm程度となる周波数が望ましいと考えられる。浸透深さδ(m)は、導電率をσ、透磁率をμ、周波数をfとして、下記(2)式により表される。
δ={1/(πσμf)}1/2 ・・・・(2)
ここで、鋼の凝固点付近において、溶鋼と鋼とでは導電率および透磁率は同程度の値、すなわち、σ=7.14×10S/m、μ=4π×10−7N/Aとし、浸透深さδ(m)が上記の鋳片厚み以上となる周波数fを求めると、4〜5Hz以下となる。しかし、周波数が高くなるほど大きな電源容量が必要となるため、実用的には1〜4Hz程度の範囲とするのが望ましい。
3−2.本発明の好適な実施態様
本発明は、前記のとおり、任意の位置での成分濃度(C)を平均成分濃度(Co)により除した成分偏析比(C/Co)が0.80〜1.20である鋳片厚み中心の各両端部に残存する偏析の鋳片幅方向の各長さ(W)を、下記(1A)式および(1B)式により表される関係を満足する範囲内に調整するのが好適である。
0 ≦ W ≦ 0.2×W1 ・・・・・(1A)
W1=(Wo−2×d) ・・・・・(1B)
ここで、Wは鋳片幅方向両端部に存在する偏析帯の鋳片幅方向の各長さ(mm)、Woは鋳片幅(mm)、dは鋳片の圧下位置における鋳片短辺側の凝固シェル厚さ(mm)をそれぞれ表す。
鋳片端部の偏析部の各長さ(W)を、成分偏析比(C/Co)が0.80〜1.20とする理由は下記のとおりである。本発明者らは偏析比をMn成分のMA分析で評価しているが、Mnの平衡分配係数が約0.8程度であり、圧下時の中心固相率の範囲では平衡分配係数以下になることは理論的にありえないので、これを下限とした。そこで、成分偏析比(C/Co)が0.80以上の領域を規定対象とした。
また、通常、(C/Co)の値が1.20を超えて高くなると、圧延製品の機械的特性などに好ましくない影響が大きくなるので、(C/Co)の値は1.20よりも小さいほど好ましい。
後述する実施例の表1に示すように、二相電磁撹拌を適用することにより、最大偏析度(C/Co)が1.20まで低減する効果があることから、成分偏析比(C/Co)が1.20以下の領域を規定対象とした。
また、上記(1A)式の右辺において係数を0.2とする理由は下記の通りである。すなわち、本発明者らが行った試験によれば、鋳片圧下位置の鋳造方向上流側において電磁撹拌による偏析成分濃化溶鋼の希釈を行わない場合は、未凝固部の鋳片幅方向両端部に現れる偏析帯の鋳片幅方向の各長さ(W)が、鋳片の圧下位置における未凝固部の鋳片幅方向長さ(W1)の約20%を超えて大きくなると、成分偏析比(C/Co)の値も増大する傾向があることから、Wの上限をW1の0.2倍とした。
本発明で規定する(1)式は、上記(1B)式を(1A)式に代入することより得られる。
本発明の効果を確認するため、下記に示すとおりの連続鋳造時の熱および流動に関する数値シミュレーションと鋳造試験を行って、その結果を検証した。
1.対象プロセスおよび数値シミュレーションの条件
〈数値シミュレーションの対象プロセス〉
図11は、本発明の連続鋳造方法を実施するための垂直曲げ型の連続鋳造機の縦断面の概略を示す図であり、(a)は鋳片をバルジングさせずに実施するための断面概略図であり、(b)は鋳片をバルジングさせながら実施するための断面概略図である。図11では、鋳片8の圧下を効果的に行うため、圧下ロール対7の下側ロールを鋳片の下側パスライン11よりも上方に突出させる断面構成を示している。
浸漬ノズル1を経て鋳型3内に注入された溶鋼4は、鋳型3およびその下方の二次冷却スプレーノズル群(図示せず)から噴射されるスプレー水により冷却され、凝固シェル5を形成して鋳片8となる。鋳片8は、その内部に未凝固部10を有したまま、ガイドロール群6により支持されながら下方に引き抜かれ、圧下ロール対7により圧下される。
このとき、鋳型3の下方でかつ圧下ロール対7の鋳造方向上流側において、電磁攪拌装置9により電磁力を付与し、未凝固溶鋼10を鋳片8の両短辺側から鋳片幅方向中央部に向かわせつつ、溶鋼の流れを鋳片幅方向中央部で互いに衝突させる攪拌流動を付与する。
図11(a)、(b)に示す断面構成では、1段目電磁攪拌94および2段目電磁攪拌95を配置しており、さらに鋳型3の内部に形成される溶鋼湯面(メニスカス)2から圧下ロール対7までの長さ、電磁攪拌装置の設置位置などについては後述する。
〈数値シミュレーションの条件〉
数値シミュレーションの条件は下記のとおりとした。すなわち、圧下ロール対7は鋳型3内の溶鋼のメニスカス2から21.5m下流に1対設置されており、圧下ロール7の直径は470mmとし、その圧下力は最大5.88×10N(600tf)とした。また、電磁攪拌装置は、圧下ロール対7から鋳造方向上流側6mの位置に一基(電磁攪拌95)設置されているものとした。
連続鋳造条件は、鋳片幅が2260mm、鋳片厚さが270mmの鋳片を、鋳造速度が1.0m/minの条件で鋳造するものとし、その時のタンディッシュ内における溶鋼の過熱度(すなわち、溶鋼温度から液相線温度を減じた温度差)は25℃とした。
数値計算の対象とした鋼種は、鋼成分組成が、C:0.02〜0.20%、Si:0.04〜0.60%、Mn:0.50〜2.00%、P:0.020%以下、およびS:0.006%以下のものである。
電磁攪拌装置は、鉄芯の長手方向に6個の励磁コイルを有する装置を対象とし、通電条件は、各励磁コイルに、前記図8に示す方法と同様に、位相差が120°の三相交流を印加するものとし、励磁コイルの電流値は75600A・Turn、そして電流の周波数は1.3Hzとした。攪拌パターンは、一方向交番流形成型の攪拌と衝突流形成型の攪拌の2種類の比較を行った。
成分濃度偏析の評価は、下記の方法により行った。すなわち、電磁攪拌装置の設置位置から鋳造方向下流側に10cmの範囲内に存在する鋳片横断面内の未凝固溶鋼にMn成分が均一な1%の濃度で分布している状態を初期条件として、伝熱および流動解析を行うことにより、120秒後におけるMnの濃度分布を求め、その濃度分布から濃度偏析を評価した。
2.数値シミュレーション結果の評価
図12は、鋳片横断面における溶鋼の流速分布およびMn成分の濃度分布を数値シミュレーションにより求め、比較した図である。同図(a)は、励磁コイルの電流値を75600A・Turnとし、電流の周波数を1.3Hzとして、30秒毎に磁界の移動方向を反転させ、一方向交番流形成型の攪拌を付与しながら連続鋳造を行った場合における溶鋼の流速分布およびMn成分の濃度分布を示している。
また、同図(b)は、同様の電流値および周波数の条件で、衝突流形成型の攪拌を付与しながら連続鋳造を行った場合における溶鋼の流速分布およびMn成分の濃度分布を示している。ここで、同図の結果は、電磁攪拌装置から3m下流の位置における鋳片横断面内におけるMnの濃度分布を示したものである。
図13に、一方向交番流形成型の攪拌および衝突流形成型の攪拌を適用した連続鋳造方法について、数値シミュレーションにより求めた鋳片横断面の厚さ方向中心部におけるMn成分の濃度分布を比較した図である。
図12および図13の結果から、一方向交番流形成型の攪拌を適用する連続鋳造方法では、鋳片の短辺近傍に偏析成分であるMnの濃化がみられるが、衝突流形成型の攪拌を適用する連続鋳造方法では、鋳片短辺近傍におけるMn濃度は低下していることが確認された。
また、図12(b)から、衝突流形成型の攪拌を付与しながら連続鋳造を行った場合には、溶鋼の攪拌流が鋳片幅方向中央部(長辺中央部)において互いに衝突していることが確認された。このように、溶鋼流同士を互いに衝突させることにより流れの乱れが生じるために攪拌効果が向上し、Mnなどの偏析し易い成分の希釈攪拌性能を向上させることができた。
具体的には、図12および図13の結果から、一方向交番流形成型の攪拌を適用する連続鋳造方法では、Mnの最大濃度が0.27%であったのに対して、衝突流形成型の攪拌を適用する連続鋳造方法を採用することにより、Mnの最大濃度は0.13%まで低減することができた。
上記の結果は、本発明の連続鋳造方法および電磁攪拌装置を適用することにより、単に一方向交番流形成型の攪拌を適用した場合に比べ、Mnの偏析比(偏析部分におけるMnの質量濃度を平均Mn質量濃度により除した値)を約1/2にまで低減できたことを示すものである。これにより、本発明の連続鋳造方法は、中心偏析性状を長時間にわたり安定して確保することのできる連続鋳造技術として十分に使用可能な技術であること、を数値解析シミュレーションにより検証することができた。
3.鋳造試験条件
数値解析シミュレーションの結果を受けて、前記図11(a)に示す垂直曲げ型の連続鋳造機を用いて鋳造試験を行った。鋳造試験条件として、鋼成分組成をC:0.02〜0.20%、Si:0.04〜0.60%、Mn:0.50〜2.00%、P:0.020%以下、およびS:0.006%以下とし、鋳片厚さを数値解析シミュレーションより若干厚い300mmとし、鋳片幅を2250mmとして鋳造試験で行った。鋳造速度は、0.70m/minとし、二次冷却水量は、0.38〜0.58リットル(L)/kg−steelとした。
前記図11(a)に示す垂直曲げ型の連続鋳造機は、鋳片のバルジングなしで圧下する構成である。前記図11(b)に示すように、バルジングさせることにより鋳片厚さが変化する場合であっても、鋳片8の幅方向中央部の厚さに合わせて、鋳造速度を種々に変化させた条件で伝熱計算および凝固計算を行うことにより、所定の固相率分布となる鋳造速度条件を求め、この鋳造速度条件で試験を行うことができる。
したがって、ここでは、前記図11(a)に示す垂直曲げ型の連続鋳造機を用いる鋳造試験について説明する。
鋳造試験では、圧下ロール対の位置に、未凝固溶鋼を含み、目的とする中心固相率を有する鋳片の定常凝固部が圧下位置に到達した時点で、圧下ロール対による未凝固圧下を開始した。圧下開始後は、鋳片の下側パスラインから上方への下側圧下ロールの突出量が下側圧下ロールによる鋳片の圧下量となる。
4.鋳造試験による鋳片内成分の評価方法
鋳片の成分偏析の評価方法は、各鋳造試験により得られた鋳片から鋳造方向に長さ150mmの鋳片サンプルを切り出し、そのマクロ組織を観察調査した。その後、後述する図17に示すような鋳片断面を含む各板サンプルから、EPMAによるマッピング分析(以下、「MA分析」とも記す)用のサンプルを切り出した。
切り出したサンプルは、鋳片厚さ方向長さ100mm×鋳造方向長さ40mm×厚さ(鋳片幅方向長さ)9mmのサイズとし、鋳片の幅方向の1/4、1/2および3/4の位置、ならびに両端辺側の偏析成分濃化部分の計5箇所から切り出し、MA分析に供した。
MA分析は、MAサンプルの鋳片厚さ中心部を含む鋳片厚さ方向に50mm×鋳片幅方向に20mmの範囲内の視野について行った。ビーム径を50μmとしてMn成分分布を求めた後、鋳片厚さ方向に2mm幅で線分析を行い、鋳片厚さ方向中心部におけるMn濃度(C)を求め、この値を鋳込み時のMnの平均濃度Coにより除して成分偏析比(C/Co)を求めた。
ここで、成分偏析比(C/Co)が1よりも大きい場合を正偏析と称し、これは母材の平均濃度よりも成分濃度が高いことを示す。また、成分偏析比(C/Co)が1よりも小さい場合を負偏析と称し、これは母材の平均濃度よりも成分濃度が低いことを意味する。
5.溶鋼の過熱度に応じた好ましい未凝固圧下量
本発明者らは、鋳片の未凝固圧下に関する試験を重ねた結果、未凝固圧下量(d)は、主として、対象とする鋼種の変形抵抗により支配されるが、さらに、実際の鋳造操業においては、タンディッシュ内溶鋼の過熱度(ΔT)によっても影響が受けることを見出した。
図14は、タンディッシュ内溶鋼の過熱度と未凝固圧下量との関係を示す図である。同図の結果は、最大圧下荷重において天側、地側(上下)の凝固シェルが圧着する条件で行った試験結果である。図14の結果に見られるように、未凝固圧下量は、タンディッシュ内溶鋼の過熱度が増加するにつれて増加し、両者の関係は、下記(3)式により近似的に表される。
R=0.183×ΔT+19.4 ・・・・・(3)
ここで、Rは未凝固圧下量(mm)、ΔTはタンディッシュ内溶鋼の過熱度(℃)を表す。
上記(3)式の関係から、タンディッシュ内溶鋼の過熱度(ΔT)が5℃減少すると、未凝固圧下量(R)は、約1mm減少することがわかる。したがって、鋼種が変更された場合においても、鋼種毎に上記(3)式の関係を把握しておくことにより、好ましい未凝固圧下量を与え、確実に天側、地側(上下)の凝固シェルを圧着させることができる。
溶鋼の過熱度(ΔT)が25℃未満となると、鋳片短辺側の凝固シェルを十分に圧下しきれなくなるので好ましくない。一方、溶鋼の過熱度(ΔT)が60℃を超えて高すぎると、鋳型内における凝固シェルが薄くなり、鋳型下端付近において鋳片がブレークアウトし易くなり、鋳造速度を低下せざるを得なくなるので好ましくない。
ここで、ブレークアウトとは、凝固シェルが破断して内部の溶鋼が飛散し、鋳造操業を継続できなるトラブルを意味する。鋳造速度を低下させると、これにより鋳片の未凝固圧下位置における未凝固層厚さや中心固相率の分布が変化し、鋳片の適正な圧下を行うことができない。
具体的な操作としては、後述する実施例(表1)の各試験で示すように、タンディッシュ内の溶鋼の過熱度(ΔT)に応じて、鋳片の圧下量を調整し確実に天側、地側(上下)の凝固シェルを圧着させるが、未凝固圧下量としては24mm(ΔTが25℃の場合に相当)〜30mm(ΔTが60℃の場合に相当)の範囲になる。
6.電磁撹拌装置の配置位置
本発明による偏析成分濃化溶鋼の希釈攪拌を行うため、望ましい電磁撹拌装置の配置範囲の根拠について説明する。本発明者らは、未凝固圧下条件下において、鋳片の圧下位置の鋳造方向上流側の未凝固溶鋼内の偏析成分濃化溶鋼の分布状況を以下の方法で調査した。
鋳造の末期に、圧下ロールの鋳片厚さ方向のキャビティ(間隔)を未凝固圧下前の鋳片厚さの間隔まで戻して(以下、「圧下を開放する」とも記す)、それまで未凝固圧下により排出し続けていた偏析成分濃化溶鋼を一挙に開放し、偏析成分濃化溶鋼を補足させたまま凝固を完了させた。
凝固を完了させた開放鋳片について、圧下を開放した位置から、鋳込みの上流方向に長さ150mmの横断サンプルを鋳造方向に2〜3mピッチで採取し、鋳片横断面のマクロエッチング処理を実施して、偏析成分の濃化部分の位置を記録した。偏析部分の濃化部分は、肉眼で観察すると薄墨状に黒く観察される。
これらの偏析成分濃化部分の各位置を順に結ぶことにより、未凝固圧下位置の鋳造方向上流側における偏析成分濃化領域の分布状況を把握した。ここで、偏析成分濃化領域は、成分偏析比(C/Co)が1.0以上の領域であり、上記のとおり肉眼観察により判別できる。また、(C/Co)の正確な偏析比の値はMA分析により測定し、確認した。
図15は、未凝固圧下により排出された偏析成分濃化溶鋼が、圧下位置から上流側へ遡る範囲の調査結果の一例を示す図である。図16は、別の調査結果の例を示す図である。図15の結果によれば、偏析成分濃化溶鋼は、圧下位置から鋳造方向上流側に最大9mの位置まで遡っている。図16から、鋳造方向上流側に最大で4〜6mの位置まで遡っていることが分かる。これらの結果から、偏析成分濃化溶鋼は、未凝固圧下位置から鋳造方向上流側に約4〜9mの位置まで遡ることが明らかになる。
そこで、本発明者らは、上記の偏析成分濃化溶鋼の遡る距離を勘案し、未凝固圧下により排出された偏析成分濃化溶鋼の希釈攪拌を目的として開発した前記の電磁撹拌装置を未凝固圧下位置から鋳造方向上流側に5.0〜6.8mの位置にあるセグメントに設置した。
7.鋳造試験条件および実施例
前記の図11(a)に示す連続鋳造機を用いて、試験番号1〜4に区分して鋳造試験を行った。同図に示す連続鋳造機には、等軸晶の性状改善などを目的として使用される電磁攪拌装置94(以下、「1段目電磁攪拌」と表記)と成分濃化溶鋼の希釈攪拌を目的として使用される電磁攪拌装置95(以下、「2段目電磁攪拌」と表記)が示されている。
1段目電磁攪拌は、溶鋼に鋳片幅方向の一方向交番流を形成させるものである。例えば、互いに位相が90°相違する二つの交流からなる二相交流を電磁攪拌コイルに通電することにより鋳片幅方向に移動磁界を発生させ、一定時間毎に磁界の移動方向を反転させる方式であり、一方向交番流形成型の攪拌を付与している。
1段目電磁攪拌は、鋳片の圧下位置から12m上流側に設置し、上流側の希釈に寄与するためそのまま併用した。この電磁撹拌コイルの電流値は、周波数を1.3Hzとし、電流値を75600A・Turnとした(装置電流:900A)。
2段目電磁攪拌は、本発明の電磁攪拌装置であり、リニア誘導電動機の一次鉄芯と同様の機能を有する移動磁場方式であり、一方向交番流形成型の攪拌と衝突流形成型の攪拌とを選択的に付与できる構成である。
2段目電磁攪拌は、鋳片の圧下位置から5.0〜6.8mの位置にあるセグメントに設置し、その電流値は、一方向交番流形成型の攪拌および衝突流形成型の攪拌ともに、周波数を1.5Hzとし、電流値を75600A・Turnとした(装置電流:900A)。
試験番号1〜4においては、タンディッシュ内溶鋼の過熱度ΔTに応じて未凝固圧下量を適切に確保した。具体的には、溶鋼の過熱度ΔTは25〜60℃であり、これに応じて未凝固圧下量Rを下記(3)式により設定した。
R=0.183×ΔT+19.4 ・・・・・(3)
その他の試験条件および試験結果を表1に示す。表1中において、試験番号1は比較例であり、2段目電磁攪拌を設置しない場合である。試験番号2〜4は本発明例であり、2段目電磁攪拌により、一方向交番流形成型の攪拌または衝突流形成型の攪拌を選択して付与した。
Figure 0005353883
試験番号1では、鋳造時に測定されたタンディッシュ内の溶鋼の過熱度ΔTに応じて、前記(3)式の関係に基づいて未凝固圧下を行ったが、偏析成分濃化溶鋼を十分に排出しきれなかった。
図17は、偏析成分の濃化溶鋼が十分に排出されずに捕捉され、偏析性状の悪化傾向を呈した鋳片横断面のマクロ的な成分分布状況を示す図である。同図に見られるように、試験番号1では、成分偏析比(C/Co)が1を超える正偏析の領域が存在し、鋳片横断面におけるマクロ偏析性状は悪化した。
図18は、前記図14の関係に基づいて未凝固圧下を行った鋳片横断面における幅方向の偏析状況を示す図であり、同図(a)は幅方向端部の偏析残存位置を示し、同図(b)は鋳片幅方向における成分偏析比の分布を示す。試験番号1は、未凝固圧下を行った鋳片横断面における幅方向の偏析状況は図18に示すようになる。
さらに、試験番号1では、2段目電磁攪拌による希釈がないため、成分偏析比が0.80〜1.20である鋳片幅方向両端部に存在する偏析帯の鋳片幅方向の各長さ(W)は、幅方向400mm以上に亘って残存し、圧下位置における鋳片未凝固部の鋳片幅方向長さ(W1)の20%を超え、前記(1)式により表される関係を満足しなかった。その結果、Mn成分偏析比の最大値は1.40に達し、中心偏析性状が悪化するとともに、鋳片横断面には中心ポロシティも散在する内部品質の劣った鋳片となった。
試験番号2では、2段目電磁攪拌において二相の電磁攪拌装置による一方向交番流形成型の攪拌を付与することにより、希釈作用が改善され、Mn成分偏析比の最大値は1.20まで低下し、鋳片厚み中心端部の濃化幅も100〜200mmへ減少した。この場合に、本発明で規定する(1)式を上限範囲であるが、満足することができた。
さらに、試験番号3では、2段目電磁攪拌において三相の電磁攪拌装置による一方向交番流形成型の攪拌を付与することにより、撹拌力の増大が図れ、希釈効果が改善されMn成分偏析比の最大値は1.15まで低下し、鋳片厚み中心端部の濃化幅も100mm以下に減少した。
また、試験番号4では、2段目電磁攪拌において三相の電磁攪拌装置による衝突流形成型の攪拌を付与することにより、鋳片厚み中心端部の濃化幅は、試験番号3と同様の100mm以下であったが、Mn成分偏析比の最大値は1.10以下まで改善された。
以上の説明の通り、本発明例である試験番号2〜4では、鋳片幅方向両端部に存在する正偏析帯の鋳片幅方向の各長さ(W)を、圧下位置における鋳片未凝固部の鋳片幅方向長さ(W1=Wo−2d)の20%以下に抑制でき、本発明で規定する(1)式の関係を満足させることができた。
これにより、本発明例である試験番号2〜4は、中心偏析性状は改善されるとともに、偏析成分濃化溶鋼の希釈効果が極めて優れており、連連鋳数(連続鋳造を連続して実施できる数)が2連、さらに3連以上と長時間の連続鋳造が可能であり、極めて良好な結果が得られた。
さらに、本発明の電磁攪拌装置は、衝突流形成型の攪拌と一方向交番流形成型の攪拌とを、同一の電磁攪拌装置を用いて実現することができる。このように構成することにより、設備コストの低減やメンテナンス性の改善に有効であり、攪拌方法を選択できることから種々の鋳造条件に対応可能となる。
もちろん、一方向交番流形成型の攪拌を付与する電磁撹拌装置、また衝突流形成型の攪拌を付与する電磁撹拌装置を個別に設置しても、同じ効果を実現できることは言うまでもないが、個別に設置する場合は、設備コストとメンテナンス上、非効率であることは否めないし、対応できる鋳造条件に制限が加えられる。本発明は、これらの問題も解消することができる。
産業上の利用の可能性
本発明の連続鋳造方法および電磁攪拌装置によれば、鋳片の圧下位置から鋳造方向上流側に電磁攪拌装置を設置し、未凝固部を有する鋳片を圧下する連続鋳造において、衝突流形成型の攪拌と一方向交番流形成型の攪拌とを付与することから、偏析成分の濃化した溶鋼を鋳片の幅方向に攪拌し拡散させ、長時間の鋳造操業にわたり中心偏析性状の安定した鋳片を製造することができる。
さらに、同一の電磁攪拌装置を用いて、衝突流形成型の攪拌と一方向交番流形成型の攪拌とを選択的に付与することから、設備コストの低減やメンテナンス性の改善に有効であり、種々の鋳造条件に幅広く対応可能となる。
したがって、本発明の連続鋳造方法および電磁攪拌装置は、割れ感受性の高い高強度鋼や極厚製品用の鋼種の鋳造において、優れた中心偏析性状を長時間にわたり安定して確保することのできる連続鋳造方法として広範に適用できる技術である。

Claims (5)

  1. 鋳片の圧下位置から鋳造方向上流側に電磁攪拌装置を設置し、未凝固部を有する鋳片を圧下する連続鋳造方法であって、
    前記電磁攪拌装置であり、且つ同一の電磁攪拌装置を用いて、
    溶鋼を鋳片の両短辺側からそれぞれ鋳片幅方向中央部に向かって流動させ、鋳片幅方向中央近傍で互いに衝突させる攪拌流動と、
    溶鋼を鋳片の一方の短辺側から他方の短辺側に向かって一方向に流動させ、その流動方向を所定の時間間隔で反転させる攪拌流動とのいずれかを選択し付与することを特徴とする鋼の連続鋳造方法。
  2. 前記電磁攪拌装置を、前記鋳片圧下位置から鋳造方向上流側の9m未満までの位置に少なくとも一つ配置していることを特徴とする請求項1に記載の鋼の連続鋳造方法。
  3. タンディッシュ内の溶鋼の過熱度(ΔT)に応じて、鋳片の圧下量を調整するとともに、鋳片厚み中心の両端部に存在する成分偏析比が0.80以上、1.20以下である偏析帯の鋳片幅方向の各長さ(W)を、下記(1)式により表される関係を満足する範囲内とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の鋼の連続鋳造方法。
    0 ≦ W ≦ 0.2×(Wo−2×d) ・・・・(1)
    ここで、Wは鋳片幅方向両端部に存在する偏析帯の鋳片幅方向の各長さ(mm)、Woは鋳片幅(mm)、dは鋳片の圧下位置における鋳片短辺側の凝固シェル厚さ(mm)をそれぞれ表す。
  4. 未凝固部を有する鋳片の圧下位置から鋳造方向上流側に配置され、未凝固部の溶鋼を鋳片幅方向に攪拌する電磁攪拌装置であって、
    該電磁攪拌装置は、その長手方向軸が鋳片幅方向に向けて配置された鉄芯と、
    該鉄芯の外周を長手方向軸の周りに巻きまわされた複数個の励磁コイルとを有し、
    該励磁コイルに二相または三相の交流電流を通電し、
    溶鋼を鋳片の両短辺側からそれぞれ鋳片幅方向中央部に向かって流動させ、鋳片幅方向中央近傍で互いに衝突させる攪拌流動を付与させる場合には、各励磁コイルの電流位相が鋳片幅方向中央位置に対応する鉄芯位置を中心として鉄芯の長手方向に対称となるように分布させ、
    溶鋼を鋳片の一方の短辺側から他方の短辺側に向かって一方向に流動させ、その流動方向を所定の時間間隔で反転させる攪拌流動を付与する場合には、端部の励磁コイルから他方の端部の励磁コイルの電流の位相が順次90度または60度ずつ増加または減少するように分布させることにより、前記攪拌流動を選択的に付与することを特徴とする溶鋼の電磁攪拌装置。
  5. 前記電磁攪拌装置が、前記鋳片圧下位置から鋳造方向上流側の9m未満までの位置に少なくとも一つ配置されていることを特徴とする請求項4に記載の溶鋼の電磁攪拌装置。
JP2010510063A 2008-04-28 2009-03-25 鋼の連続鋳造方法およびそれに用いる電磁攪拌装置 Active JP5353883B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010510063A JP5353883B2 (ja) 2008-04-28 2009-03-25 鋼の連続鋳造方法およびそれに用いる電磁攪拌装置

Applications Claiming Priority (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008116548 2008-04-28
JP2008116646 2008-04-28
JP2008116548 2008-04-28
JP2008116646 2008-04-28
JP2010510063A JP5353883B2 (ja) 2008-04-28 2009-03-25 鋼の連続鋳造方法およびそれに用いる電磁攪拌装置
PCT/JP2009/055925 WO2009133739A1 (ja) 2008-04-28 2009-03-25 鋼の連続鋳造方法およびそれに用いる電磁攪拌装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2009133739A1 JPWO2009133739A1 (ja) 2011-09-01
JP5353883B2 true JP5353883B2 (ja) 2013-11-27

Family

ID=41254962

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010510063A Active JP5353883B2 (ja) 2008-04-28 2009-03-25 鋼の連続鋳造方法およびそれに用いる電磁攪拌装置

Country Status (6)

Country Link
US (2) US8033319B2 (ja)
EP (1) EP2269750B1 (ja)
JP (1) JP5353883B2 (ja)
KR (1) KR101261691B1 (ja)
CN (1) CN102015157B (ja)
WO (1) WO2009133739A1 (ja)

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5429139B2 (ja) * 2010-11-11 2014-02-26 新日鐵住金株式会社 鋼の連続鋳造方法
CN102211161B (zh) * 2011-05-27 2012-10-03 青岛理工大学 一种改善连铸大口径空心金属管坯质量的方法及装置
EP2808103B1 (en) * 2012-08-29 2018-01-03 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation Electromagnetic stirring apparatus, and continuous casting method
DE102014105870A1 (de) * 2014-04-25 2015-10-29 Thyssenkrupp Ag Verfahren und Vorrichtung zum Dünnbrammen-Stranggießen
JP6558218B2 (ja) * 2015-11-09 2019-08-14 日本製鉄株式会社 鋼スラブ鋳片の連続鋳造方法
KR101957594B1 (ko) * 2017-09-26 2019-06-19 현대제철 주식회사 전자기교반 장치를 이용한 연속주조방법
WO2019172142A1 (ja) * 2018-03-08 2019-09-12 日本製鉄株式会社 連続鋳造方法、スラブ鋳片、及び連続鋳造機
CN108465792B (zh) * 2018-03-29 2019-09-03 东北大学 一种差相位脉冲磁场电磁连铸方法
IT201800006635A1 (it) 2018-06-25 2019-12-25 Metodo di contenimento di una bramma durante la colata
EP3766600B1 (de) * 2019-07-17 2022-09-07 Primetals Technologies Austria GmbH Elektromagnetische spulenanordnung für eine elektromagnetische rührrolle einer stranggussanlage
CN112974749A (zh) * 2021-02-09 2021-06-18 东北大学 提高铸坯液芯补缩能力和中心质量的电磁搅拌装置与方法
CN117259705B (zh) * 2023-11-23 2024-03-05 北京科技大学 一种板坯白亮带的监控方法及***

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5234007B2 (ja) * 1973-04-18 1977-09-01
JPS5379732A (en) * 1976-12-24 1978-07-14 Sumitomo Metal Ind Stirring of uncoagulated molten metal in continuous casting
US4158380A (en) * 1978-02-27 1979-06-19 Sumitomo Metal Industries Limited Continuously casting machine
DE3322891A1 (de) * 1983-06-23 1985-01-03 Licentia Patent-Verwaltungs-Gmbh, 6000 Frankfurt Einrichtung zum elektrodynamischen ruehren des sumpfes einer metallbramme
JP2004074233A (ja) * 2002-08-20 2004-03-11 Jfe Steel Kk 連鋳片の中心偏析軽減方法
JP2005305517A (ja) * 2004-04-22 2005-11-04 Sumitomo Metal Ind Ltd 連続鋳造方法および連続鋳造鋳片

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03119203A (ja) 1989-10-02 1991-05-21 Kubota Corp 金属製枕木
JPH03237177A (ja) 1990-02-13 1991-10-23 Daimatsu Kagaku Kogyo Kk 貼着材
JP2681408B2 (ja) 1990-03-23 1997-11-26 清水建設株式会社 柱梁接合構造
JPH04218383A (ja) 1990-05-14 1992-08-07 Green Cross Corp:The プラスミド、形質転換された動物細胞及び異種蛋白質の製造方法
JPH05234007A (ja) 1992-02-18 1993-09-10 Ricoh Co Ltd 磁気ヘッド駆動回路
JP3237177B2 (ja) 1992-02-28 2001-12-10 住友金属工業株式会社 連続鋳造方法
US5746268A (en) * 1994-03-07 1998-05-05 Nippon Steel Corporation Continuous casting method and apparatus
JPH07246445A (ja) * 1994-03-11 1995-09-26 Nippon Steel Corp 溶融金属の流動制御装置
JP3119203B2 (ja) 1997-06-27 2000-12-18 住友金属工業株式会社 鋳片の未凝固圧下方法
JP3275835B2 (ja) * 1998-06-12 2002-04-22 住友金属工業株式会社 連続鋳造方法および連続鋳造機
JP4218383B2 (ja) * 2002-04-08 2009-02-04 住友金属工業株式会社 連続鋳造方法、連続鋳造装置および連続鋳造鋳片
EP1589124B1 (en) * 2003-01-27 2010-05-05 Nippon Steel Corporation High strength high toughness high carbon steel wire rod and process for producing the same
JP4055689B2 (ja) 2003-09-30 2008-03-05 住友金属工業株式会社 連続鋳造方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5234007B2 (ja) * 1973-04-18 1977-09-01
JPS5379732A (en) * 1976-12-24 1978-07-14 Sumitomo Metal Ind Stirring of uncoagulated molten metal in continuous casting
US4158380A (en) * 1978-02-27 1979-06-19 Sumitomo Metal Industries Limited Continuously casting machine
DE3322891A1 (de) * 1983-06-23 1985-01-03 Licentia Patent-Verwaltungs-Gmbh, 6000 Frankfurt Einrichtung zum elektrodynamischen ruehren des sumpfes einer metallbramme
JP2004074233A (ja) * 2002-08-20 2004-03-11 Jfe Steel Kk 連鋳片の中心偏析軽減方法
JP2005305517A (ja) * 2004-04-22 2005-11-04 Sumitomo Metal Ind Ltd 連続鋳造方法および連続鋳造鋳片

Also Published As

Publication number Publication date
CN102015157A (zh) 2011-04-13
KR101261691B1 (ko) 2013-05-06
KR20100129795A (ko) 2010-12-09
US20110036533A1 (en) 2011-02-17
US8191611B2 (en) 2012-06-05
EP2269750B1 (en) 2016-07-20
WO2009133739A1 (ja) 2009-11-05
EP2269750A4 (en) 2014-01-15
US20120012274A1 (en) 2012-01-19
CN102015157B (zh) 2013-06-12
EP2269750A1 (en) 2011-01-05
JPWO2009133739A1 (ja) 2011-09-01
US8033319B2 (en) 2011-10-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5353883B2 (ja) 鋼の連続鋳造方法およびそれに用いる電磁攪拌装置
CN106536087B (zh) 用于薄扁坯连铸的方法和设备
JP6129435B1 (ja) 連続鋳造法
JP2008149379A (ja) 優れた凝固組織を有する鋳片
JP3904226B2 (ja) 電磁場を用いる金属垂直連続鋳造方法とその実施のための鋳造設備
JP5929872B2 (ja) 鋼の連続鋳造方法
JP4591156B2 (ja) 鋼の連続鋳造方法
JP5429139B2 (ja) 鋼の連続鋳造方法
JP2015080792A (ja) 鋼の連続鋳造方法
JP4352838B2 (ja) 鋼の連続鋳造方法
KR102324300B1 (ko) 강의 연속 주조 방법
JP5772767B2 (ja) 鋼の連続鋳造方法
JP2005238276A (ja) 電磁攪拌鋳造装置
WO2022138002A1 (ja) 鋼の連続鋳造方法
JP2020078814A (ja) 連続鋳造方法
JP2019162658A (ja) Dc鋳造法によるアルミニウム合金の鋳造方法及びアルミニウム合金鋳塊
JP7256386B2 (ja) 連続鋳造方法
JP2018047480A (ja) 鋼の連続鋳造方法
JP7200722B2 (ja) 湾曲型連続鋳造装置における鋳型内流動制御方法
JP2000225449A (ja) ステンレス鋼スラブの連続鋳造装置
JP4569320B2 (ja) 極低炭素鋼スラブ鋳片の連続鋳造方法
JP2018103238A (ja) 鋼の連続鋳造方法及び装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121011

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20121011

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130423

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20130604

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130607

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130730

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130812

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5353883

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350