JP5353418B2 - ラムヘッド - Google Patents

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Description

本発明は、厚鋼板に発生した小波や反り等の形状不良を矯正するプレス矯正機に取り付けられるラムヘッドに関する。より詳しくは、強度が600MPa以上、且つ、厚さが100mm以上の高強度極厚鋼板を矯正するプレス矯正機等に取り付けられるラムヘッドに関する。
厚鋼板の製造では、スラブを熱間で圧延することにより所定厚の鋼板とした後、冷間でレベラーにより形状不良の矯正が行われる。冷間レベラーでも修正できなかった腰折れ、幅反り、又は小波等の形状不良は、さらにオフライン作業によりプレス矯正機にて矯正される。
特に、高強度の極厚鋼板では、鋼板の反プレス力が大きくなることから、プレスのための荷重を大きくする必要があると共に、プレス回数を大きくしなければならない。また、極厚鋼板には、局所的な歪みが生じやすいため、特殊なプレス矯正が必要とされる。
このようなプレス矯正に関する技術として、例えば特許文献1には、プレス矯正機自体を改良した発明、すなわち、プレス矯正機の下部に均等に吊り下げられた複数の鋼板加圧手段(ラムヘッド)を有するプレス矯正機が記載されている。
一方、プレス矯正機の改良ではなく、従来のプレス矯正機で矯正の方法を工夫することで、局部的な歪みを解消することも可能である。例えば、図5に示すように、ラムヘッドの端部を用いる(図5(a))、又は、シム板と呼ばれる補助板を用いる(図5(b))ことによっても、局部的な歪みを解消することが可能になると考えられる。
特開2007−229753号公報
特許文献1に記載されたプレス矯正機を用いれば、歪みを有する位置と接触するラムヘッドを介して鋼板を加圧することで、局所的な歪みを解消することが可能になると考えられる。しかしながら、このようなプレス矯正機では、プレス矯正機自体が複雑な構造であるため、厚鋼板の製造コストが大幅に上昇しやすいという問題があった。
一方、矯正の方法を工夫する場合、図5(a)に示すようにラムヘッドの端部を用いて局所的なひずみを解消すると、ラムヘッドが変形しやすい。変形したラムヘッドは交換する必要があるため、厚鋼板の製造効率が低下しやすいという問題があった。また、図5(b)に示すように歪み部にシム板を敷設すると、ラムヘッドが変形しやすいほか、シム板の位置合わせを行う時間が必要になるため厚鋼板の製造効率が低下しやすいという問題があった。さらに、図5(a)や図5(b)に示す方法で厚鋼板をプレス矯正すると、鋼板へと加えられる圧力にばらつきが生じやすい。したがって、このような方法では、形状不良の矯正が完了するまでの圧下回数が増大するため、厚鋼板の形状を効率的に矯正することが困難になり、その結果、厚鋼板の製造効率が低下しやすいという問題があった。
そこで本発明は、製造コストの上昇を抑制すること、及び、厚鋼板の製造効率を向上させることが可能な、プレス矯正機に用いるラムヘッドを提供することを課題とする。
発明者らは高強度の極厚鋼板の歪み矯正にあたりプレス矯正機に用いるラムヘッドに着目した。ラムヘッドは厚鋼板に直接接触し、鋼板の歪みを解消する。ここで、図5(a)に示す方法ではラムヘッドの端部を使用するため、ラムヘッドの端部が変形しやすい。本発明者らは、ラムヘッドがその中央部(すなわち、ラムヘッドの長辺側から見た場合(例えば、図1(a)、図2、図3(a)、及び、図4の方向から見た場合)の長辺方向(例えば、図1(a)、図2、図3(a)、及び、図4の紙面左右方向)を「横長方向」とするとき、ラムヘッドの横長方向の中央部)で厚鋼板に接触すれば、ラムヘッドの変形を抑制しやすいことを知見した。さらに、本発明者らは、図5(b)に示す方法で用いられるシム板とラムヘッドとを一体化し、ラムヘッドにシム板の機能を付与すれば、シム板を敷設する必要がなくなることを知見した。シム板を敷設する必要が無くなれば、シム板の位置合わせを行う時間が不要になるため、厚鋼板の製造効率を向上させることが可能になる。加えて、本発明者らは、シム板の機能を付与されたラムヘッドが、その横長方向の中央部で厚鋼板と接触する形態とすることにより、厚鋼板の製造コストの上昇を抑制しつつ、厚鋼板へと加えられる圧力を均一化することが容易になることを知見した。厚鋼板へと加えられる圧力を均一化することにより、形状不良の矯正が完了するまでの圧下回数を低減することが容易になり、厚鋼板の効率的な形状矯正が容易になる結果、厚鋼板の製造効率を向上させることが容易になる。本発明は、このような知見に基づいてなされたものである。
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするため、添付図面の参照符号を括弧書きにて付記することがあるが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
本発明の第1の態様は、鋼板(1)の形状を矯正するプレス矯正機(100)に取り付けられるラムヘッド(10)であって、鋼板と接触する接触面(10a)の面積が、プレス矯正機に対向する面(10b)の面積よりも小さく、鋼板に対向する面は、接触面、及び、鋼板に接触しない非接触面(10d、10d、…)からなり、非接触面は接触面に対して傾斜しており、非接触面と接触面とが直接接続されていることを特徴とする、引張強度が600MPa以上、且つ、厚さが100mm以上の高強度極厚鋼板を矯正するラムヘッド(10)である。
また、上記本発明の第1の態様において、ラムヘッドが取り付けられるプレス矯正機の取り付け面の外周面に対峙して見た場合の、鋼板に面する部位(10c)の形状に、台形形状が含まれることが好ましい。
ここに、「ラムヘッドが取り付けられるプレス矯正機の取り付け面の外周面に対峙して見た場合の、鋼板に面する部位(10c)の形状に、台形形状が含まれる」とは、ラムヘッドが取り付けられるプレス矯正機の取り付け面の外周面に対峙して、ラムヘッドの側面を見ると、鋼板に面する部位(10c)の形状が台形形状に見える方向があることをいう。すなわち、例えば、ラムヘッドが取り付けられるプレス矯正機の取り付け面の形状が四角形である場合、当該取り付け面の外周面(4つの面)に対峙して、4方向から鋼板に面する部位(10c)をそれぞれ見ると、鋼板に面する部位(10c)が台形に見える方向があることをいう。ここで、例えば、プレス矯正機の取り付け面の形状が四角形である場合、鋼板に面する部位(10c)が台形に見える方向は、1方向以上であれば良く、台形に見える方向が2方向である場合や4方向である場合も、本発明の思想に含まれる。
また、上記本発明の第1の態様において、上記台形形状が、等脚台形形状であることが好ましい。
本発明の第2の態様は、鋼板(1)の形状を矯正するプレス矯正機(100)に取り付けられるラムヘッド(20)であって、鋼板と接触する接触面(20a)の面積が、プレス矯正機に対向する面(20b)の面積よりも小さく、鋼板に対向する面は、接触面、及び、鋼板に接触しない非接触面(20d、20d、…)からなり、接触面と非接触面とが、接触面及び非接触面に対して傾斜した傾斜面(20e、20e、…)を介して接続されていることを特徴とする、引張強度が600MPa以上、且つ、厚さが100mm以上の高強度極厚鋼板を矯正するラムヘッド(20)である。
本発明によれば、複雑な装置を導入することなく、高強度の極厚鋼板であっても簡易な方法で容易に局所的な歪みを解消することが可能な、ラムヘッドを提供することができる。すなわち、本発明のラムヘッドによれば、製造コストの上昇を抑制すること、及び、厚鋼板の製造効率を向上させることが可能になる。
図1(a)は、本発明のラムヘッド10、該ラムヘッド10が取り付けられたプレス矯正機100の一部、及び、該プレス矯正機100によって形状を矯正される鋼板1の一部を示す図である。図1(a)は、ラムヘッド10の長辺側から見た図(すなわち、ラムヘッド10が取り付けられる、プレス矯正機100の矩形の取り付け面の長辺を一辺とする、プレス矯正機100の取り付け面の外周面に対峙して見た図。以下において、単に「ラムヘッド10の長辺側から見た図」ということがある。)である。図1(b)は、プレス矯正機100の一部及びラムヘッド10を示す断面図である。 ラムヘッド10を示す正面図である。 図3(a)は、本発明のラムヘッド20、該ラムヘッド20が取り付けられたプレス矯正機100の一部、及び、該プレス矯正機100によって形状を矯正される鋼板1の一部を示す図である。図3(a)は、ラムヘッド20の長辺側から見た図(すなわち、ラムヘッド20が取り付けられる、プレス矯正機100の矩形の取り付け面の長辺を一辺とする、プレス矯正機100の取り付け面の外周面に対峙して見た図。以下において、単に「ラムヘッド20の長辺側から見た図」ということがある。)である。図3(b)は、プレス矯正機100の一部及びラムヘッド20を示す断面図である。 ラムヘッド20を示す正面図である。 従来のプレス矯正機を用いた矯正方法を示す図である。図5(a)は、鋼板に接触しないラムヘッドの側面の形状が矩形であるラムヘッドの端部を用いて鋼板の形状不良を矯正する形態を示す図である。図5(b)は、鋼板に接触しないラムヘッドの側面の形状が矩形であるラムヘッド及びシム板を用いて鋼板の形状不良を矯正する形態を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
1.第1実施形態
図1(a)は、第1実施形態にかかる本発明のラムヘッド10、該ラムヘッド10が取り付けられたプレス矯正機100の一部、及び、該プレス矯正機100によって形状を矯正される鋼板1の一部を示す図である。図1(a)は、ラムヘッド10の長辺側から見た図である。図1(a)では、一部符号の記載を省略している。図1(b)は、プレス矯正機100の一部及びラムヘッド10を示す断面図である。また、図2は、図1(a)からラムヘッド10のみを抽出して示す図である。
図1(a)及び図1(b)に示すように、ラムヘッド10は、鋼板1の形状を矯正するプレス矯正機100に取り付けられ、ラムヘッド10を介して鋼板1へと圧力が付与されることにより、鋼板1の形状不良が矯正される。図1(a)及び図2に示すように、ラムヘッド10は、鋼板1と接触する接触面10aの面積が、プレス矯正機100に対向する面10bの面積よりも小さく、鋼板1に対向する面が、接触面10a、及び、鋼板1に接触しない非接触面10d、10d、…からなる。非接触面10d、10d、…は、接触面10aに対して傾斜しており、接触面10aと非接触面10d、10d、…とは直接接続されている。そして、ラムヘッド10は、ラムヘッド10が取り付けられるプレス矯正機100の取り付け面の外周面に対峙してみた場合の、鋼板1に面する部位10cの形状が、等脚台形形状とされている。接触面10a及び部位10cをこのように構成することにより、ラムヘッド10の左端部10x及び右端部10yへ圧力を均等に分散することが可能になる。そのため、ラムヘッド10によれば、ラムヘッド10自体の非対称的な変形を抑制することが可能になる。
プレス矯正機100にラムヘッド10を取り付けて鋼板1の形状不良を矯正する際には、ラムヘッド10を鋼板1の上側で移動させることにより、形状不良部位の真上にラムヘッド10を配置する。そして、形状不良部位の真上に配置されたラムヘッド10の接触面10aを鋼板1の形状不良部位へと接触させた後、接触面10aを介して鋼板1へ圧力を付与することにより、鋼板1の形状不良を矯正する。ラムヘッド10を用いることにより、接触面10aへ加圧力を集中させることができるので、鋼板1の形状不良を効率的に矯正することが可能になる。したがって、ラムヘッド10を用いることにより、鋼板1の製造効率を向上させることが可能になる。このように、ラムヘッド10は、接触面10a及び部位10cの形状を工夫することによって、鋼板1の製造効率を向上させている。そのため、ラムヘッド10によれば、従来技術のような製造コストの上昇を抑制することが可能になる。
ラムヘッド10の大きさは、プレス矯正機100の仕様や鋼板1の組成等に応じて適宜変更することができる。ラムヘッド10の大きさは、例えば、横長方向の長さ(図1(a)及び図2の10w)を1000〜2000mm程度、奥行き方向の長さ(図1(b)の10t)を150〜300mm程度、及び、高さ(図1(a)、図1(b)、及び、図2の10h)を100〜300mm程度、部位10cの高さ(図1(a)及び図2の10ch)を1〜50mm程度とすることができる。また、接触面10aの横長方向の長さ(図1(a)及び図2の10aw)は、ラムヘッド10の横長方向の長さ10wに対し、1/4〜1/2程度であれば、十分にその機能を果たすことが可能である。
また、ラムヘッド10が取り付けられるプレス矯正機100は、鋼板1の形状不良を矯正できるものであれば、その形態は特に限定されるものではなく、例えば、油圧等により厚鋼板に加圧する形態のプレス矯正機とすることができる。また、プレス矯正機100から鋼板1へと付与される圧力も、鋼板1の形状不良を矯正できる圧力であれば特に限定されるものではなく、例えば、4.9×10〜44.1×10N等の圧力を例示することができる。また、ラムヘッド10をプレス矯正機100へと取り付ける際の方法は、ラムヘッド10を用いて鋼板1の形状不良を矯正できるように取り付けることができれば、特に限定されるものではない。ラムヘッド10の取り付け方法としては、図1(a)及び図1(b)に示すように、ボルト2、2、…及び取り付け部材3を用いてラムヘッド10をプレス矯正機100へ取り付ける形態等を例示することができる。
ラムヘッド10に関する上記説明では、部位10cの形状(部位10cの上底及び下底以外の辺)が、ラムヘッド10の長辺側から見た場合に、プレス矯正機100側から接触面10aに向かって連続的に変化している例として、直線状に変化している形態(部位10cの上底及び下底以外の辺が直線である形態)を示したが、第1実施形態にかかる本発明のラムヘッドは、当該形態に限定されるものではない。第1実施形態にかかる本発明のラムヘッドは、ラムヘッドの長辺側から見た場合に、鋼板に面する部位の形状が、プレス矯正機側から鋼板と接触する接触面に向かって、曲線状に変化することによって、連続的に変化している形態とすることも可能である。
また、ラムヘッド10に関する上記説明では、部位10cの形状が、ラムヘッド10の長辺側から見た場合に、等脚台形形状である形態(接触面10aが中央部10zに配置される形態)を例示したが、第1実施形態にかかる本発明のラムヘッドは、当該形態に限定されるものではない。ラムヘッドの長辺側から見た場合の、鋼板に面する部位のラムヘッドの形状を、等脚台形以外の台形形状とし、鋼板と接触する接触面がラムヘッドの横長方向の中央部以外に配置される形態とすることも可能である。ただし、鋼板と接触する接触面へ圧力を効果的に集中させて鋼板の効率的な形状矯正を可能にするという観点、及び、ラムヘッド自体の非対称的な変形を抑制しやすい形態にするという観点からは、部位10cの形状が、ラムヘッド10の長辺側から見た場合に、等脚台形形状である形態とすることが好ましい。
2.第2実施形態
図3(a)は、第2実施形態にかかる本発明のラムヘッド20、該ラムヘッド20が取り付けられたプレス矯正機100の一部、及び、該プレス矯正機100によって形状を矯正される鋼板1の一部を示す図である。図3(a)は、ラムヘッド20の長辺側から見た図である。図3(a)では、一部符号の記載を省略している。図3(b)は、プレス矯正機100の一部及びラムヘッド20を示す断面図である。図3(a)及び図3(b)において、図1(a)及び図1(b)と同様の構成を採るものには、図1(a)及び図1(b)で使用した符号と同一の符号を付し、その説明を適宜省略する。また、図4は、図3(a)からラムヘッド20のみを抽出して示す図である。
図3(a)及び図3(b)に示すように、ラムヘッド20は、鋼板1の形状を矯正するプレス矯正機100に取り付けられ、ラムヘッド20を介して鋼板1へと圧力が付与されることにより、鋼板1の形状不良が矯正される。図3(a)及び図4に示すように、ラムヘッド20は、鋼板1と接触する接触面20aの面積が、プレス矯正機100に対向する面20bの面積よりも小さく、鋼板1に対向する面が、接触面20a、及び、鋼板1に接触しない非接触面20d、20d、…からなる。接触面20a及び非接触面20d、20d、…は、接触面20a及び非接触面20d、20d、…に対して傾斜した傾斜面20e、20e、…を介して接続されており、ラムヘッド20は、ラムヘッド20の長辺側から見ると、鋼板1側に凸の形状とされている。そして、接触面20aは、ラムヘッド20の横長方向の中央部20zに配置されている。鋼板1に対向するラムヘッド20の面をこのように構成しても、ラムヘッド20の左端部20x及び右端部20yへ圧力を分散することが可能になる。そのため、ラムヘッド20によれば、ラムヘッド20自体の非対称的な変形を抑制することが可能になる。したがって、ラムヘッド20を用いることにより、鋼板1の製造効率を向上させることが可能になる。このように、ラムヘッド20は、鋼板1に対向する側の形状を工夫することによって、鋼板1の製造効率を向上させている。そのため、ラムヘッド20によれば、従来技術のような製造コストの上昇を抑制することが可能になる。
プレス矯正機100にラムヘッド20を取り付けて鋼板1の形状不良を矯正する際には、ラムヘッド20を鋼板1の上側で移動させることにより、形状不良部位の真上にラムヘッド20を配置する。そして、形状不良部位の真上に配置されたラムヘッド20の接触面20aを鋼板1の形状不良部位へと接触させた後、接触面20aを介して鋼板1へ圧力を付与することにより、鋼板1の形状不良を矯正する。ラムヘッド20を用いることにより、接触面20aへ加圧力を集中させることができるので、鋼板1の形状不良を効率的に矯正することが可能になる。
ラムヘッド20の大きさは、プレス矯正機100の仕様や鋼板1の組成等に応じて適宜変更することができる。ラムヘッド20の大きさは、例えば、横長方向の長さ(図3(a)及び図4の20w)を1000〜2000mm程度、奥行き方向の長さ(図3(b)の20t)を150〜300mm程度、及び、高さ(図3(a)、図3(b)、及び、図4の20h)を100〜300mm程度、部位20cの高さ(図3(a)及び図4の20ch)を1〜50mm程度とすることができる。また、接触面20aの横長方向の長さ(図3(a)及び図4の20aw)は、ラムヘッド20の横長方向の長さ20wに対し、1/4〜1/2程度であれば、十分にその機能を果たすことが可能である。
ラムヘッド20に関する上記説明では、ラムヘッド20の長辺側から見た場合におけるラムヘッド20の側面形状が、左端部20xと中央部20zとの境界、及び、右端部20yと中央部20zとの境界で、それぞれ不連続に変化している形態を例示したが、第2実施形態にかかる本発明のラムヘッドは、当該形態に限定されるものではない。第2実施形態にかかる本発明のラムヘッドは、(1)左端部から中央部へ向けて複数の箇所で形状が不連続に変化した形態、(2)右端部から中央部へ向けて複数の箇所で形状が不連続に変化した形態、又は、(3)左端部から中央部へ向けて複数の箇所で形状が不連続に変化し、且つ、右端部から中央部へ向けて複数の箇所で形状が不連続に変化した形態、とすることも可能である。
また、ラムヘッド20に関する上記説明では、接触面20aが、ラムヘッド20の横長方向の中央部20zに配置される形態を例示したが、第2実施形態にかかる本発明のラムヘッドは、当該形態に限定されるものではない。第2実施形態にかかる本発明のラムヘッドは、鋼板と接触する接触面が、ラムヘッドの横長方向の中央部以外に配置される形態とすることも可能である。ただし、鋼板と接触する接触面へ圧力を効果的に集中させて鋼板の効率的な形状矯正を可能にするという観点、及び、ラムヘッド自体の非対称的な変形を抑制しやすい形態にするという観点からは、鋼板と接触する接触面が、ラムヘッドの横長方向の中央部に配置される形態とすることが好ましい。
以上、説明したように、ラムヘッド20によっても、ラムヘッド20自体の非対称的な変形を抑制することが可能になる。ところが、ラムヘッド20の場合には、左端部20xや右端部20yへと付与された圧力によって、ラムヘッド20の側面形状が不連続に変化している箇所(図4に丸で囲んだ領域)が破損する虞がある。したがって、かかる事態を回避する等の観点からは、ラムヘッドの長辺側から見た場合に、鋼板に面する部位の形状が、プレス矯正機側から鋼板と接触する面に向かって連続的に変化している形態のラムヘッド(例えば、上記ラムヘッド10)とすることが好ましい。
以下、実施例を参照しつつ、本発明をさらに説明する。
プレス矯正機に、本発明のラムヘッド10、本発明のラムヘッド20、及び、従来のラムヘッド(長辺側から見た場合の形状が長方形であるラムヘッド)のそれぞれを適用し、厚鋼板の形状を矯正する形状矯正試験を実施した。形状を矯正される厚鋼板としては、引張強度が800MPaである厚み165mm×幅1150mm×長さ7000mmの厚鋼板を使用した。また、プレス矯正機は、油圧圧下式のものを用い、ラムヘッド以外の条件は同様にして、形状矯正試験を実施した。形状不良の矯正が完了するまでに要した圧下回数の結果を表1に併せて示す。表1の「実施例1」は本発明のラムヘッド10を用いた形状矯正試験、表1の「実施例2」は本発明のラムヘッド20を用いた形状矯正試験、及び、表1の「比較例」は従来のラムヘッドを用いた形状矯正試験であることを意味する。
Figure 0005353418
表1に示すように、従来のラムヘッドを用いた比較例では、形状不良の矯正が完了するまでの圧下回数が45回であった。これに対し、ラムヘッド10を用いた実施例1では、形状不良の矯正が完了するまでの圧下回数が18回であり、ラムヘッド20を用いた実施例2では、形状不良の矯正が完了するまでの圧下回数が20回であった。このように、本発明のラムヘッドを用いることにより、形状不良の矯正が完了するまでに要する圧下回数を従来の圧下回数の半分以下に低減することができた。以上より、本発明のラムヘッドを使用すれば、プレス矯正機にて効率的な厚鋼板の矯正が可能になることは明らかである。
本発明のラムヘッドは、厚鋼板の形状不良を矯正するプレス矯正機に用いることができる。
1…鋼板
2…ボルト
3…取り付け部材
10…ラムヘッド
10a…接触面
10b…プレス矯正機に対向する面
10c…鋼板に面する部位
10d…非接触面
10x…左端部
10y…右端部
10z…中央部
20…ラムヘッド
20a…接触面
20b…プレス矯正機に対向する面
20c…鋼板に面する部位
20d…非接触面
20e…傾斜面
20x…左端部
20y…右端部
20z…中央部
100…プレス矯正機

Claims (4)

  1. 鋼板の形状を矯正するプレス矯正機に取り付けられるラムヘッドであって、
    前記鋼板と接触する接触面の面積が、前記プレス矯正機に対向する面の面積よりも小さく、
    前記鋼板に対向する面は、前記接触面、及び、前記鋼板に接触しない非接触面からなり、
    前記非接触面は前記接触面に対して傾斜しており、前記非接触面と前記接触面とが直接接続されていることを特徴とする、引張強度が600MPa以上、且つ、厚さが100mm以上の高強度極厚鋼板を矯正するラムヘッド。
  2. 前記ラムヘッドが取り付けられる前記プレス矯正機の取り付け面の外周面に対峙して見た場合の、前記鋼板に面する部位の形状に、台形形状が含まれることを特徴とする、請求項1に記載のラムヘッド。
  3. 前記台形形状が、等脚台形形状であることを特徴とする、請求項2に記載のラムヘッド。
  4. 鋼板の形状を矯正するプレス矯正機に取り付けられるラムヘッドであって、
    前記鋼板と接触する接触面の面積が、前記プレス矯正機に対向する面の面積よりも小さく、
    前記鋼板に対向する面は、前記接触面、及び、前記鋼板に接触しない非接触面からなり、
    前記接触面と前記非接触面とが、前記接触面及び前記非接触面に対して傾斜した傾斜面を介して接続されていることを特徴とする、引張強度が600MPa以上、且つ、厚さが100mm以上の高強度極厚鋼板を矯正するラムヘッド。
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