JP5351414B2 - シリビン含有化粧料組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、シリビンを安定に化粧料中に配合する技術に関するものである。
シリビンを主成分として含有するシリマリンは皮膚の老化を防ぐのに有用であり、紅斑、火傷、皮膚又は粘膜のジストロフィー状態、皮膚炎等の治療における治癒を促進し、外部環境からの刺激(放射線、風、太陽等)から皮膚を保護するのに有用であることが知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、シリマリンの皮脂分泌抑制効果(例えば、特許文献2参照。)、表皮透過バリア強化効果(例えば、特許文献3参照。)、乾癬及びアトピー性皮膚炎の治療効果(例えば、特許文献4参照)、表皮の扁平化改善効果(例えば、特許文献5参照。)が知られている。また、本出願人はシリマリンの研究を鋭意継続しており、I型コラーゲン及びエラスチンの産生促進効果について特許出願した(例えば、特許文献6参照)。
一方、シリマリンあるいはシリマリン中の主要な有効成分であるシリビンは、水、油にはほとんど溶解しないため、水系の組成物には配合し難いという課題点を有しており、シリマリンを分散させた飲料の技術(例えば、特許文献7参照。)、シリマリンをリン脂質錯体とすることにより生体適性を有利にする技術(例えば、特許文献1参照。)、マイクロエマルジョン組成物にして生体利用率を向上させる技術(例えば、特許文献8参照。)が開示されている。
肝臓製剤療法のための医薬製剤としてシクロデキストリン誘導体を用いてシリビンの封入錯体を製造する技術(例えば、特許文献9参照。)が開示されている。この封入錯体はシリビンを投与したときの溶解性と吸収性を向上させることを目的としている。液体中の安定性については、シリビンのジメチルβ−シクロデキストリン封入錯体が溶解1日後に沈殿物を生じないこと、10日以上経ても澄明な溶液を留めることが記載されているのみであり、詳細な検討はなされていない。
本出願人はシリマリンを皮膚外用剤に安定に配合する技術開発も鋭意継続しており、多価アルコールと界面活性剤と強塩基を用いてシリマリンを安定に配合する技術(特許文献10参照。)、シリビン等とリン脂質、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリンを含有する皮膚外用剤(特許文献11参照。)を特許出願した。しかしながら、これらの技術を用いても必ずしもシリビンの析出を十分に抑制できない場合があり、シリビンの析出を抑制できたとしても、処方設計上の制約がある。シリビンの生体利用率を高めるため、あるいは、シリビンの析出を防ぐための新たなシリビンの可溶化技術が必要である。
皮膚外用剤、乳化組成物、化粧料中に配合されたシリビンを主成分として含有するシリマリンが、皮膚に有効に作用するためには、シリマリンが溶解しているか、リン脂質等の界面活性剤によって可溶化されていることにより、皮膚に浸透することが重要である。皮膚外用剤、乳化組成物、化粧料中にシリマリンを微小な固体として分散させただけでは、シリマリンは皮膚に浸透せず、シリマリンの効果は望めない。
しかし、このシリマリンは、水にはほとんど溶解せず、エタノールで少量溶解できることは知られているが(例えば、特許文献7参照。)、エタノールでもシリマリンが析出しない程度配合しようとすると、多量に配合しなくてはならなく、皮膚に塗布すると、アルコールによって皮膚刺激を生じる問題がある。さらに、有効成分であるシリビンを精製したものは、エタノールにも殆ど溶解しない。
また、シリビンを特定の多価アルコールに溶解させることはできるが、乳化組成物や化粧料を製造するとシリビンが析出する、あるいは、経時的に変色したり、安定性が損なわれることが問題である。
本発明者は既に出願したシリマリンのI型コラーゲン及びエラスチンの産生促進効果(例えば、特許文献6参照。)を応用した皮膚外用剤、乳化組成物、化粧料の開発を目指しており、有効成分シリビンが水性基剤、油性基材のどちらにも溶け難いという問題に直面した。
従来技術の処方例はシリマリン中のシリビンを極少量可溶化していたり、分散させて配合されていたり、そのような処方ではシリビンの皮膚浸透が期待できず、シリビンの優れた効果が得られない。
特開平1−100132号公報 特開2000−169332号公報 特開2000−169328号公報 特開平5−286864号公報 特開2004−91397号公報 国際特許出願PCT/JP2004/3978 特開2002−34505号公報 特表2003−503441号公報 特開平3−206090号公報 特開2006−89418号公報 特開2006−282568号公報
本発明は、シリビンを安定に可溶化することを課題とする。
本発明者らは、特定のシクロデキストリン誘導体を用いることによりシリビンを安定に可溶化できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の主な構成は、次のとおりである。
(1)シリビン0.05〜1質量%とシクロデキストリン誘導体を含有する化粧料組成物であって、 シクロデキストリンが、ヒドロキシプロピルβシクロデキストリン、メチル化βシクロデキストリンから選択される1又は複数であり、pHが6〜8に調整され、シリビン結晶の析出がないことを特徴とする化粧料組成物。
(2)シクロデキストリン含量が、1.0%以上であることを特徴とする(1)記載の化粧料組成物。
(3)メチル化βシクロデキストリンが、2,6−ジ−O−メチル−β−シクロデキストリンであることを特徴とする(1)又は(2)記載の化粧料組成物。
(4)さらに、グリセリン、ジグリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールから選択される1又は複数の多価アルコールを配合したことを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の化粧料組成物。
本発明によって、シリビンを安定に可溶化できる。したがって、シリビンの皮膚浸透効果の優れた化粧料組成物を提供することができる。
シリビン(Silybin;CAS No.22888−70−6)は、キク科マリアアザミ(学名シリバム・マリアナムSilibum marianum Gaertn、別名オオアザミ、オオヒレアザミ、ミルクアザミ;CAS No.84604−20−6)から抽出されるフラボノリグナンの一種である。マリアアザミから抽出されるフラボノリグナンはシリマリン(Silymarin;CAS No.65666−07−1)の総称で呼ばれ、シリビン以外に、シリジアニン(Silydianin;CAS No.29782−68−1)、シリクリスチン(Silychristin;CAS No.33889−69−9)、イソシリビン(Isosilybin;CAS No.72581−71−6)などが含まれている。
シリビンはシリマリンからクロマトグラフィーを用いて単離することが可能であり、また、試薬を購入して入手することが可能である。例えば、SIGMA社製のSILIBININ(Silybin:2,3−Dihydro−3−[4−hydroxy−3−methoxyphenyl]−2−[hydroxymethyl]−6−[3,5,7−trihydroxy−4−oxobenzopyran−2−yl]benzodioxin)は、HPLC法で測定したシリビン含量が約98.0質量%である。
本発明に用いるシクロデキストリン誘導体はβシクロデキストリン、ヒドロキシプロピルβシクロデキストリンとメチル化βシクロデキストリンである。特に、ヒドロキシプロピルシクロデキストリンとメチル化βシクロデキストリンが好ましい。さらに好ましくは、メチル化βシクロデキストリンである。メチル化βシクロデキストリンの中では、特に、2,6−ジ−O−メチル−β−シクロデキストリンが好ましい。
ヒドロキシプロピルβシクロデキストリンは7個のD−グルコースがα(1→4)結合で環状に結合したシクロデキストリンのヒドロキシプロピルエーテルである。ヒドロキシプロピルβシクロデキストリンとして、日本食品化工(株)製のセルデックス HP-β-CDを用いることができる。
メチル化βシクロデキストリンは7個のD−グルコースがα(1→4)結合で環状に結合したシクロデキストリンのメチルエーテルである。メチル化βシクロデキストリンとしては、WACKER社製のCAVASOL W7Mを使用することができる。CAVASOL W7Mにおいて1グルコース単位に対して、1.6〜1.9個の水酸基がメチルエーテル化されている。また、ナカライテスク株式会社製の2,6−ジ−O−メチル−β−シクロデキストリンが特に好ましく使用できる。
化粧料には、保湿性、抗菌性を高めるために多価アルコールを配合することが好ましい。しかしながら、本発明の化粧料に1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオールを配合するとシリビンの析出が生じ易い。本発明の化粧料に配合する多価アルコールとしては、グリセリン、ジグリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールがシリビンの可溶化を維持する上で好ましく、ジグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールが特に好ましい。
本発明には、市販のエタノールを添加することもできる。
本発明の化粧料には、本発明の効果を損なわない範囲内で、油剤、界面活性剤、防腐剤、糖類、金属イオン封鎖剤、水溶性高分子のような高分子、増粘剤、粉体成分、紫外線吸収剤、紫外線遮断剤、保湿剤、香料、pH調整剤等を含有させることができる。また、ビタミン類、皮膚賦活剤、血行促進剤、常在菌コントロール剤、活性酸素消去剤、抗炎症剤、美白剤、殺菌剤等の他の薬効成分、生理活性成分を含有させることもできる。
本発明は、化粧水、乳液、クリーム、パック等の皮膚化粧料、メイクアップベースローション、メイクアップクリーム、乳液状又はクリーム状のファンデーションといったメイクアップ化粧料、ハンドクリーム、レッグクリーム、ボディローション等の身体用化粧料、入浴剤等とすることができる。
次に実施例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
〔試料の調整方法(包接化)〕
水酸化カリウムでpHを12.0以上にした精製水にシリビンを添加し、攪拌溶解する。その後、0.45μmのメンブランフィルターにて濾過し、シリビン溶解液とする。これに、各シクロデキストリンを添加し、1時間以上スターラーにて攪拌する。最後にクエン酸等でpHを調整する。
〔試験条件〕
シリビン、シクロデキストリン、エタノール又は多価アルコールからなる調整液の状態を観察した。成分や濃度、pHを変化させたり、一定期間経過後の変化を追ったものを実施例1〜4に示す。
〔評価方法〕
得られた調整液の状態を以下のように評価した。
○:透明
△:白濁
×:沈殿析出(靄含む)
シリビンの含量を0.1%に固定して、シクロデキストリンの種類及びpHを変化させて、調整液の状態を観察した。
試験例1〜15の配合を表1に、試験例16〜30の配合を表2に、結果を表3に示す。
(1)シリビン 0.1%と、
(2)α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、プレミックス(全α,β,γ−シクロデキストリンが50%以上(内α−シクロデキストリンが30%以上)、その他デキストリンが50%以下(例えば、メルシャン社製 RINGDEX−PK))、分岐シクロデキストリン(全CD量80%以上、マルトシルCD50%以上)のいずれか1つのシクロデキストリン1.0%と、
(3)水酸化カリウム、クエン酸バッファー 適量
を配合して、pHを6.0、7.0、8.0に変化させて、調整液の状態を観察した。
Figure 0005351414
(1)シリビン 0.1%と、
(2)ヒドロキシプロピルβシクロデキストリン、メチル化βシクロデキストリン、アセチル化βシクロデキストリン、α-グルカン(環状構造を持つ高分子のデキストリン)、環状四糖(4つのブドウ糖(グルコース)が、2つのα−1,4結合と、2つのα−1,6結合とで環状につながった構造で、環状マルトシルマルトース)のいずれか1つのシクロデキストリン 1.0%と、
(3)水酸化カリウム、クエン酸バッファー 適量
を配合して、pHを6.0、7.0、8.0に変化させて、調整液の状態を観察した。
Figure 0005351414
Figure 0005351414
表3より、特に、β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン、又はメチル化βシクロデキストリンを用いた場合には、pHが6.0、7.0、8.0のいずれの場合にも、得られた調整液は透明であった。
また、pH8.0の場合は、シクロデキストリンがα-シクロデキストリンである場合を除いて、沈殿析出は起こらなかった。
濁度は、透過率として、吸光度計(株式会社日立製作所 U-3210形 自記分光光度計)にて、660nmの波長で測定した。
シクロデキストリンの含量を1.0%に固定して、シリビンの含量及びpHを変化させて、調整液の状態を観察した。さらに、シリビン含量が0.1%のものについては調整から20日後の調整液の状態も併せて観察した。
調整液の配合及び結果を、表4に示す。
(1)含量を0.1%、0.3%、0.5%、1.0%としたシリビンと、
(2)β−シクロデキストリン(商品名:セルデックスB-100)、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン(商品名:セルデックスHP-β-CD)、メチル化βシクロデキストリン(商品名:CAVASOL(R)W7 M)のいずれか1つのシクロデキストリン1.0%と、
(3)水酸化カリウム、クエン酸バッファー 適量
(4)フェノキシエタノール0.3%
を配合して、pHを6.0、6.5、7.0に変化させて調整液の状態を観察した。
なお、本実施例で用いたシクロデキストリンは、実施例1において全てのpHで透明であった3種類である。
Figure 0005351414
表4より、メチル化βシクロデキストリンをpH7.0に調整した場合は、シリビン0.3%で白濁が見られた。他は、シリビン含量が0.1%の場合を除いては、調整液中に沈殿が析出した。
また、シクロデキストリンとしてヒドロキシプロピルシクロデキストリンを用いて、かつ、pHが6.0又は6.5の場合と、シクロデキストリンとしてメチル化βシクロデキストリンを用いて、かつ、pHが6.0、6.5又は7.0の場合に、調整時及び20日後でも調整液が透明な状態を維持した。
シリビンの含量を0.1%に固定して、シクロデキストリンの含量及びpHを変化させて、調整液の状態を観察した。さらに、3ヵ月後の調整液の状態も併せて観察した。調整液の配合及び結果を、表5に示す。
(1)シリビン0.1%と、
(2)含量を0.1%、0.5%、1.0%、2.0%とした、β−シクロデキストリン(商品名:セルデックスB-100)、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン(商品名:セルデックスHP-β-CD)、メチル化βシクロデキストリン(商品名:CAVASOL(R)W7 M)のいずれか1つのシクロデキストリンと、
(3)水酸化カリウム、クエン酸バッファー 適量
(4)フェノキシエタノール 0.3%
を配合して、pHを6.0、6.5、7.0に変化させて、調整当日と3ヵ月後に調整液の状態を観察した。
Figure 0005351414
表5より、シクロデキストリンの添加量が増えるに従い、溶解性が向上することが確認できた。特に、メチル化βシクロデキストリンとβ−シクロデキストリンでその傾向が顕著である。低濃度でも溶解性が高いのは、メチル化βシクロデキストリン、β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルシクロデキストリンの順であった。
さらに、メチル化βシクロデキストリン含量が1.0%又は2.0%であってpHが6.5又は7.0の場合と、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン含量が2.0%であってpHが6.5又は7.0の場合は、3ヶ月経過後も調整液は透明状態を維持した。また、メチル化βシクロデキストリン含量が2.0%であってpH6.0の場合も、3ヶ月後も安定した良好な溶解性を示した。
シリビンを特定の多価アルコールに溶解させることはできるが、乳化組成物や化粧料を製造するとシリビンが析出する、あるいは、経時的に変色したり、安定性が損なわれるという問題がある。これは、シリビンが水あるいは油に接触することにより析出するためである。そこで、調整液の安定性(透明性) を評価するため、経時変化に伴う調整液の状態観察・評価を行った。
シリビンの含量を0.1%、シクロデキストリンの含量を1.0%、pH6.0、多価アルコールの含量を5%に固定して、多価アルコールの種類を違えて、調整液の状態を観察した。さらに、4日目及び1ヵ月後の調整液の状態も併せて観察した。調整液の配合及び結果を、表6に示す。
(1)シリビン 0.1%と、
(2)β−シクロデキストリン(商品名:セルデックスB-100)、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン(商品名:セルデックスHP-β-CD)、メチル化βシクロデキストリン(商品名:CAVASOL(R)W7 M)のいずれか1つのシクロデキストリン 1.0% と、(pH6.0)
(3)グリセリン、ジグリセリン、1,3-ブチレングリコール(BG)、プロピレングリコール(PG)、ジプロピレングリコール(DPG)、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオールポリオールのいずれか1つのポリオール 5%
を配合してpH6.0に調整したものを、調整当日と4日目及び1ヵ月後に観察した。
Figure 0005351414
表6より、シクロデキストリンとしてメチル化βシクロデキストリンを用いた場合で、多価アルコールを、グリセリン、ジグリセリン、BG、PG、DPGのいずれかとした場合に、調整当日及び4日目でも透明な状態を維持した。さらに、ジグリセリン、PG、DPGとした場合は、1ヵ月後も透明な状態を維持し、グリセリン又はBGとした場合でも、白濁するにとどまり、結晶や沈殿の析出は起こらなかった。また、シクロデキストリンとしてヒドロキシプロピルシクロデキストリンを用いた場合には、多価アルコールがDPGの場合にのみ、調整当日及び4日目でも透明な状態を維持した。
シリビンの含量を0.1%に固定して、各種メチル化βシクロデキストリンの含量及びpHを変化させて、調製液の状態を観察した。調製方法は実施例1〜4に準じる。調製液の配合及び結果を、表7に示す。
(1)シリビン0.1%と、
(2)含量を0.1%、0.5%、1.0%とした、メチル化βシクロデキストリン(商品名:CAVASOL(R)W7 M)、2,6−ジ−O−メチル−β−シクロデキストリン(ナカライテスク株式会社製)、2,3,6−トリ−O−メチル−β−シクロデキストリン(ナカライテスク株式会社製)のいずれか1つのメチル化βシクロデキストリンと、
(3)水酸化カリウム、クエン酸バッファー 適量
(4)フェノキシエタノール 0.3%
を配合して、pHを6.0、6.5、7.0に変化させて、調製4日目、3ヶ月目に調製液の状態を観察した。評価基準は実施例1〜4に準じる。結果を表7に示す。
Figure 0005351414
メチル化βシクロデキストリンの中でも、2,6−ジ−O−メチル−β−シクロデキストリンが、シリビンの可溶化性能に特に優れる。
シリビンの含量を0.1%に固定して、シクロアミロースの含量及びpHを変化させて、調製液の状態を観察した。調製方法は実施例1〜4に準じる。調製液の配合及び結果を、表8に示す。
(1)シリビン0.1%と、
(2)含量を0.1%、0.5%、1.0%とした、シクロアミロース(江崎グリコ株式会社製の17〜数百個のブドウ糖が環状につながった環状α−1,4−グルカン)と、
(3)水酸化カリウム、クエン酸バッファー 適量
(4)フェノキシエタノール 0.3%
を配合して、pHを6.0、6.5、7.0に変化させて、調製当日と4日目に調製液の状態を観察した。評価基準は実施例1〜4に準じる。結果を表8に示す。
Figure 0005351414
シクロアミロースはシリビンを溶解させる効果が低いことが分かった。
〔処方例1 化粧水〕
質量%
1.シリビン 0.3
2.メチル化βシクロデキストリン 3.0
3.ジグリセリン 5.0
4.1,3−ブチレングリコール 2.0
5.ジプロピレングリコール 3.0
6.水酸化カリウム 適量
7.クエン酸 適量
8.メチルパラベン 適量
9.精製水 残余
(製法)
9に6、8を溶解し、pH12以上とする。1を添加し攪拌溶解後、2を加え約1時間攪拌溶解する。その後、3〜5を添加し、7でpHを調整し、6.5とした。
〔処方例2 乳液〕
質量%
1.シリビン 0.3
2.ヒドロキシプロピルシクロデキストリン 3.0
3.水素添加大豆リン脂質 0.7
4.ステアリン酸デカグリセリル(HLB12) 2.0
5.グリセリン 8.0
6.オリーブ油 8.0
7.ベヘニルアルコール 1.0
8.ジプロピレングリコール 8.0
9.カルボキシビニルポリマー 0.1
10.キサンタンガム 0.2
11.水酸化カリウム 適量
12.クエン酸 適量
13.精製水 残余
(製法)
1、2及び11〜13を攪拌溶解し、8〜10を添加後約80℃に加温溶解する。これに、約80℃に加温した3〜7を加え、30℃まで冷却し、乳液を得た。
〔処方例3 モイスチャー美容液〕
質量%
1.シリビン 0.2
2.メチル化βシクロデキストリン 2.5
3.水素添加大豆リン脂質 0.6
4.モノオレイン酸デカグリセリル(HLB12) 1.5
5.グリセリン 7.0
6.1,3−ブチレングリコール 5.0
7.ポリエチレングリコール4000 0.1
8.スクワラン 5.0
9.シリコーン 0.5
10.ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)
0.2
11.キサンタンガム 0.3
12.水酸化カリウム 適量
13.クエン酸 適量
14.精製水 残余
(製法)
1、2及び12〜14を攪拌溶解し、5〜7、11を添加後約80℃に加温溶解する。これに、約80℃に加温した3、4、8〜10を加え、30℃まで冷却し、モイスチャー美容液を得た。
〔処方例4 エモリエントクリーム〕
質量%
1.シリビン 0.5
2.ヒドロキシプリピルシクロデキストリン 5.0
3.ジグリセリン 10.0
4.ジプロピレングリコール 8.0
5.1,2−ペンタンジオール 0.5
6.L−セリン 0.01
7.ジステアリン酸デカグリセリル(HLB9.5) 0.5
8.モノミリスチン酸デカグリセリル(HLB14) 1.5
9.オリーブ油 10.0
10.マカデミアナッツ油 1.0
11.ベヘニルアルコール 1.5
12.シリコーン 2.0
13.ホホバ油 3.0
14.トコフェロール 0.001
15.SIMULGEL NS(SEPPIC社製) 2.0
16.キサンタンガム 0.1
17.水酸化カリウム 適量
18.クエン酸 適量
19.精製水 残余
(製法)
1、2及び17〜19を攪拌溶解し、3〜6を添加後約80℃に加温溶解する。これに、約80℃に加温した7〜15を加え、30℃まで冷却し、エモリエントクリームを得た。
〔処方例5 ボディ用乳液〕
質量%
1.シリビン 0.2
2.ヒドロキシプロピルシクロデキストリン 3.0
3.PEG-60水添ヒマシ油(HLB14) 1.5
4.グリセリン 9.0
5.ジプロピレングリコール 7.0
6.ヒアルロン酸Na 0.001
7.流動パラフィン 10.0
8.シリコーン 3.0
9.オクチルドデカノール 4.0
10.(アクリル酸/アクリル酸アルキル(C10-30))コポリマー
0.2
11.水酸化カリウム 適量
12.クエン酸 適量
13.精製水 残余
14. エタノール 2.5
(製法)
1、2及び11〜13を攪拌溶解し、3〜6、10を添加後約80℃に加温溶解する。これに、約80℃に加温した7〜9を加え、30℃まで冷却、14を添加し、ボディ用乳液を得た。
〔処方例6 マッサージクリーム〕
質量%
1.シリビン 0.05
2.メチル化βシクロデキストリン 2.0
3.グリセリン 10.0
4.ジグリセリン 2.0
5.プロピレングリコール 7.0
6.モノステアリン酸デカグリセリル(HLB12) 1.0
7.エチルヘキサン酸セチル 12.0
8.ベヘニルアルコール 2.0
9.ステアリン酸 0.5
10.セピノブEMT10(SEPPIC社製) 0.5
11.香料 適量
12.フェノキシエタノール 0.3
13.水酸化カリウム 適量
14.クエン酸 適量
15.精製水 残余
(製法)
1、2及び12〜15を攪拌溶解し、3〜5を添加後約80℃に加温溶解する。これに、約80℃に加温した6〜10を加え、30℃まで冷却、11を添加し、マッサージクリームを得た。
〔処方例7 乳化型ファンデーション〕
質量%
1.シリビン 0.1
2.ヒドロキシプロピルシクロデキストリン 1.0
3.グリセリン 10.0
4.ジプロピレングリコール 8.0
5.1,2−ペンタンジオール 1.0
6.キサンタンガム 0.3
7.トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2 1.0
8.シクロメチコン 8.0
9.シリコーン 5.0
10.ネオペンタン酸イソステアリル 5.0
11.イソステアリン酸 1.5
12.ベヘニルアルコール 0.5
13.パルミチン酸デキストリン 1.0
14.タルク 3.0
15.二酸化チタン 5.0
16.ベンガラ 0.5
17.黄酸化鉄 1.4
18.黒酸化鉄 0.1
19.水酸化カリウム 適量
20.クエン酸 適量
21.精製水 残余
(製法)
1、2及び19〜21を攪拌溶解し、3〜6を添加後約70℃に加温溶解する。次に、よく粉砕した14〜18を添加し、攪拌混合する。これに、約80℃に加温した7〜13を加え、30℃まで冷却し、乳化型ファンデーションを得た。

Claims (4)

  1. シリビン0.05〜1質量%とシクロデキストリン誘導体を含有する化粧料組成物であって、 シクロデキストリンが、ヒドロキシプロピルβシクロデキストリン、メチル化βシクロデキストリンから選択される1又は複数であり、pHが6〜8に調整され、シリビン結晶の析出がないことを特徴とする化粧料組成物。
  2. シクロデキストリン含量が、1.0%以上であることを特徴とする請求項1記載の化粧料組成物。
  3. メチル化βシクロデキストリンが、2,6−ジ−O−メチル−β−シクロデキストリンであることを特徴とする請求項1又は2記載の化粧料組成物。
  4. さらに、グリセリン、ジグリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールから選択される1又は複数の多価アルコールを配合したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の化粧料組成物。
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