JP5350668B2 - 燃料電池システムおよび輸送機器 - Google Patents

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Description

この発明は燃料電池システムおよび輸送機器に関し、より特定的には、燃料電池の温度を上昇させる昇温動作を行う燃料電池システムおよび輸送機器に関する。
一般に、燃料電池システムでは、燃料電池が所定温度になることによって定常的に発電可能な通常運転に移行することが知られている。従来、通常運転に迅速に移行することが望まれており、燃料電池の温度を迅速に上昇させるための昇温動作を行う燃料電池システムが種々提案されている。たとえば、ヒータを用いて昇温動作を行う燃料電池システムや、システム内を循環する燃料水溶液の量を少なくすることによって昇温動作を行う燃料電池システムがある。この他にも特許文献1には、燃料水溶液の濃度を通常運転時よりも大きくすることによって昇温動作を行う燃料電池システムが開示されている。また、特許文献2には、燃料電池の温度と目標温度との差に基づいて燃料水溶液の濃度および燃料電池の電圧を調整することによって、昇温動作を行いつつ電気機器に安定して電力を供給する燃料電池システムが開示されている。
特開昭61−269865号公報 特開2006−286239号公報
これらの技術は、燃料電池の温度が所定温度以上になれば昇温動作を終了するものである。燃料電池の冷却性能は外気温度(雰囲気温度)の影響を受けるので、外気温度が高い場合は、昇温動作後も燃料電池の温度が上昇し続け、燃料電池の温度が目標とする所定温度よりも大きくなりすぎてしまう。その結果、燃料電池の劣化が進むという問題があった。特に、液体の燃料を用いる燃料電池システムでは、気体の燃料を用いるシステムより熱容量が大きいため、過度に上昇した温度が下がりにくく燃料電池の劣化が進みやすい。
それゆえに、この発明の主たる目的は、燃料電池の温度を迅速にかつ安定して所定温度に上昇させることができる、燃料電池システムおよび輸送機器を提供することである。
上述の目的を達成するために、燃料電池を含み、燃料電池の温度が所定温度になることによって定常的に発電可能な通常運転に移行する燃料電池システムであって、外気温度に関する温度情報を検出する第1温度検出手段、燃料電池の温度を所定温度に上昇させるための昇温動作を行う昇温手段、および昇温手段を制御する制御手段を備え、制御手段は、通常運転に移行する前の昇温動作において、外気温度が高くなるにつれて昇温動作の終了時期が早くなるように、第1温度検出手段の検出結果に基づいて昇温手段による昇温動作の終了時期を設定する、燃料電池システムが提供される。
また、燃料電池の温度が所定温度になることによって定常的に発電可能な通常運転に移行する燃料電池システムを備える輸送機器であって、燃料電池システムは、燃料電池、外気温度に関する温度情報を検出する第1温度検出手段、燃料電池の温度に関する温度情報を検出する第2温度検出手段、燃料電池の温度を所定温度に上昇させるための昇温動作を行う昇温手段、および昇温手段を制御する制御手段を備え、制御手段は、通常運転に移行する前の昇温動作において、外気温度が高くなるにつれて昇温動作の終了時期が早くなるように、第1温度検出手段の検出結果に基づいて昇温手段による昇温動作の終了時期を設定し、制御手段は、第2温度検出手段の検出結果に基づいて昇温動作の要否を判定する、輸送機器が提供される。
この発明では、外気温度に関する温度情報に基づいて昇温動作の終了条件が設定される。これにより、外気温度が高い場合は昇温動作の終了時期を早くし、外気温度が低い場合は昇温動作の終了時期を遅くする。外気温度が高い場合は昇温動作の終了時期を早くすることによって、燃料電池の温度が通常運転に移行可能な所定温度よりも大きくなりすぎることを防止できる。つまり、外気温度が高くても燃料電池の温度を迅速にかつ安定して所定温度に上昇させることができ、燃料電池の劣化を抑制できる。また、外気温度が低い場合は昇温動作の終了時期を遅くできるので、昇温動作によって燃料電池の温度を迅速にかつ確実に所定温度に上昇させることができる。このように外気温度にかかわらず燃料電池の温度を迅速にかつ安定して所定温度に上昇させることができる。
また、燃料電池の温度に関する温度情報を検出する第2温度検出手段を含み、制御手段は、第2温度検出手段の検出結果に基づいて昇温動作の要否を判定する場では、たとえば前回の通常運転からの経過時間が短い場合等、燃料電池の温度が所定温度に近い場合は昇温動作を行わない。このように燃料電池の温度が所定温度に近い場合は、昇温動作を省くことによって、より確実に燃料電池の劣化を抑制できる。
また好ましくは、燃料電池は燃料水溶液を用いて発電し、昇温手段は燃料水溶液の濃度を調整する調整手段を含み、制御手段は、燃料水溶液の濃度を通常運転時よりも大きくするように調整手段を制御することによって調整手段に昇温動作を行わせる。一般に、燃料を含む燃料水溶液がアノード(燃料極)に供給されるとともに酸素(酸化剤)を含む空気がカソード(空気極)に供給されることによって発電する燃料電池が知られている。このような燃料電池の温度は、発電に伴うジュール熱のみならず、固体高分子膜等の電解質膜を介してアノードからカソードにクロスオーバーした燃料が、空気に含まれる酸素と反応することによっても上昇する。上述のように、通常運転時よりも高濃度に調整された燃料水溶液を燃料電池に供給することによって、アノードからカソードにクロスオーバーする燃料が多くなり、カソードにおける燃料と酸素との反応が活発になる。したがって、ヒータ等の加熱手段を別に準備せずとも燃料電池の温度を簡単にかつ迅速に上昇させることができる。
さらに好ましくは、燃料電池は燃料水溶液を用いて発電し、昇温手段は燃料水溶液を燃料電池に供給する水溶液供給手段を含み、制御手段は、水溶液供給手段の出力が通常運転時よりも大きくなるように水溶液供給手段を制御することによって水溶液供給手段に昇温動作を行わせる。このように水溶液供給手段の出力を大きくすることによって、アノードの内圧が大きくなり、より多くの燃料をアノードからカソードにクロスオーバーさせることができる。したがって、燃料電池の温度をより迅速に上昇させることができる。
好ましくは、制御手段は、昇温動作を終了させるべき燃料電池の温度を第1温度検出手段の検出結果に基づいて設定する。このように外気温度に関する温度情報に基づいて昇温動作を終了させるべき燃料電池の温度を設定することによって、外気温度に応じた昇温動作の終了時期を簡単に設定できる。
また好ましくは、制御手段は、第1温度検出手段の検出結果に基づいて昇温動作の実行時間を設定する。このように検出した外気温度に関する温度情報に基づいて昇温動作の実行時間を設定することによって、外気温度に応じた昇温動作の終了時期を簡単に設定できる。
さらに好ましくは、燃料電池の温度に関する温度情報を検出する第2温度検出手段、および外気温度に関する温度情報と燃料電池の温度に関する温度情報と昇温動作の実行時間との対応関係を示す情報を記憶する記憶手段をさらに含み、制御手段は、第1温度検出手段の検出結果と第2温度検出手段の検出結果と記憶手段に記憶される情報とを用いて昇温動作の実行時間を設定する。このように、外気温度に関する温度情報と燃料電池の温度に関する温度情報と昇温動作の実行時間との対応関係を示す情報を予め準備しておき、検出した外気温度に関する温度情報および燃料電池の温度に関する温度情報に対応する実行時間を当該情報から取得する。これによって、適切な実行時間を簡単に設定できる。
液体の燃料を用いる燃料電池システムは過度に上昇した温度が下がりにくく燃料電池の劣化が進みやすい。この発明は、燃料電池の温度を迅速にかつ安定して所定温度に上昇させることができるので、燃料として液体を用いる燃料電池システムに好適に用いられる。
一般に、輸送機器に搭載される燃料電池システムは、外部電源によって二次電池を充電することが困難な場合が多く、特に通常運転に迅速に移行する必要があり、燃料電池の温度が必要以上に上昇しやすかった。この発明によれば燃料電池の温度を迅速にかつ安定して所定温度に上昇させることができるので、この発明は輸送機器に好適に用いられる。
この発明によれば、燃料電池の温度を迅速にかつ安定して所定温度に上昇させることができる。
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態について説明する。
ここでは、この発明の燃料電池システム100を、輸送機器の一例である自動二輪車10に搭載した場合について説明する。
まず、自動二輪車10について説明する。この発明の実施の形態における左右、前後、上下とは、自動二輪車10のシートにドライバがそのハンドル24に向かって着座した状態を基準とした左右、前後、上下を意味する。
図1を参照して、自動二輪車10は車体フレーム12を有する。車体フレーム12は、ヘッドパイプ14、ヘッドパイプ14から後方へ斜め下方に延びる縦断面I字型のフロントフレーム16、およびフロントフレーム16の後端部に連結されかつ後方へ斜め上方に立ち上がるリヤフレーム18を備えている。
フロントフレーム16は、上下方向に幅を有して後方へ斜め下方に延びかつ左右方向に対して直交する板状部材16aと、それぞれ板状部材16aの上端縁および下端縁に形成されかつ左右方向に幅を有して後方へ斜め下方に延びるフランジ部16bおよび16cと、板状部材16aの両表面に突設される補強リブ16dとを備えている。補強リブ16dは、フランジ部16bおよび16cとともに板状部材16aの両表面を区画して、後述する燃料電池システム100の構成部材を収納する収納スペースを形成している。
一方、リヤフレーム18は、それぞれ前後方向に幅を有して後方へ斜め上方に延びかつフロントフレーム16の後端部を挟むように左右に配置される一対の板状部材を含む。リヤフレーム18の一対の板状部材の上端部には、図示しないシートを設けるためのシートレール20が固設されている。なお、図1には、リヤフレーム18の左側の板状部材が示されている。
ヘッドパイプ14内には、ステアリング軸22が回動自在に挿通されている。ステアリング軸22の上端にはハンドル24が固定されたハンドル支持部26が取り付けられている。ハンドル支持部26の上端には表示操作部28が配置されている。
図3をも参照して、表示操作部28は、電動モータ38(後述)の各種データを計測表示するためのメータ28a、各種情報提供用のたとえば液晶ディスプレイ等で構成される表示部28b、および各種指示や各種情報入力用の入力部28cを一体的に設けたものである。
また、図1に示すように、ステアリング軸22の下端には左右一対のフロントフォーク30が取り付けられており、フロントフォーク30それぞれの下端には前輪32が回転自在に取り付けられている。
また、リヤフレーム18の下端部には、スイングアーム(リヤアーム)34が揺動自在に取り付けられている。スイングアーム34の後端部34aには、後輪36に連結されかつ後輪36を回転駆動させるためのたとえばアキシャルギャップ型の電動モータ38が内蔵されている。また、スイングアーム34には、電動モータ38に電気的に接続される駆動ユニット40が内蔵されている。駆動ユニット40は、電動モータ38の回転駆動を制御するためのモータコントローラ42、および二次電池126(後述)の蓄電量を検出する蓄電量検出器44を含む。
このような自動二輪車10には、車体フレーム12に沿って燃料電池システム100の構成部材が配置されている。燃料電池システム100は、電動モータ38や補機類等を駆動するための電気エネルギを生成する。
以下、図1および図2を参照して、燃料電池システム100について説明する。
燃料電池システム100は、メタノール(メタノール水溶液)を改質せずにダイレクトに電気エネルギの生成(発電)に利用する直接メタノール型燃料電池システムである。
燃料電池システム100は、燃料電池セルスタック(以下、単にセルスタックという)102を含む。図1に示すように、セルスタック102は、フランジ部16cから吊るされ、フロントフレーム16の下方に配置されている。
図2に示すように、セルスタック102は、メタノールに基づく水素イオンと酸素(酸化剤)との電気化学反応によって発電できる燃料電池(燃料電池セル)104を、セパレータ106を挟んで複数個積層(スタック)して構成されている。セルスタック102を構成する各燃料電池104は、固体高分子膜からなる電解質膜104aと、電解質膜104aを挟んで互いに対向するアノード(燃料極)104bおよびカソード(空気極)104cとを含む。電解質膜104aとしてはパーフルオロスルホン酸系高分子電解質膜の一例であるNAFION(登録商標:デュポン社製)が用いられ、電解質膜104aの耐用温度は80℃程度である。アノード104bおよびカソード104cはそれぞれ、電解質膜104a側に設けられる白金触媒層を含む。
また、図1に示すように、フロントフレーム16の下方でありかつセルスタック102の上方には、ラジエータユニット108が配置されている。
図2に示すように、ラジエータユニット108は、水溶液用のラジエータ108aと気液分離用のラジエータ108bとを一体的に設けたものである。ラジエータユニット108の裏面側には、ラジエータ108aを冷却するためのファン110と、ラジエータ108bを冷却するためのファン112(図3参照)とが設けられている。なお、図1においては、ラジエータ108aと108bとが左右に配置されているものとし、左側のラジエータ108aを冷却するためのファン110が示されている。
また、リヤフレーム18の一対の板状部材の間には、上方から順に燃料タンク114、水溶液タンク116および水タンク118が配置されている。
燃料タンク114は、セルスタック102の電気化学反応の燃料となる高濃度(たとえば、メタノールを約50wt%含む)のメタノール燃料(高濃度メタノール水溶液)を収容している。水溶液タンク116は、燃料タンク114からのメタノール燃料をセルスタック102の電気化学反応に適した濃度(たとえば、メタノールを約3wt%含む)に希釈したメタノール水溶液を収容している。水タンク118は、セルスタック102の電気化学反応に伴って生成される水を収容している。
燃料タンク114にはレベルセンサ120が装着され、水溶液タンク116にはレベルセンサ122が装着され、水タンク118にはレベルセンサ124が装着されている。レベルセンサ120,122および124は、それぞれたとえばフロートセンサであり、タンク内の液面の高さ(液位)を検出する。
燃料タンク114の前側でありかつフロントフレーム16の上側には、二次電池126が配置されている。二次電池126は、セルスタック102からの電力を蓄え、コントローラ138(後述)の指示に応じて電気構成部材に電力を供給する。二次電池126の上側には、燃料ポンプ128が配置されている。また、燃料タンク114の前側かつ二次電池126の後方斜め上側には、キャッチタンク130が配置されている。
また、フロントフレーム16の左側の収納スペースには、水溶液ポンプ132およびエアポンプ134が収納されている。エアポンプ134の左側にはエアチャンバ136が配置されている。また、フロントフレーム16の右側の収納スペースには、コントローラ138および水ポンプ140が配置されている。
さらに、フロントフレーム16には、フロントフレーム16の収納スペースを右側から左側に貫通するようにメインスイッチ142が設けられている。メインスイッチ142がオンされることによってコントローラ138に運転開始指示が与えられ、メインスイッチ142がオフされることによってコントローラ138に運転停止指示が与えられる。
図2に示すように、燃料タンク114と燃料ポンプ128とはパイプP1によって連通され、燃料ポンプ128と水溶液タンク116とはパイプP2によって連通され、水溶液タンク116と水溶液ポンプ132とはパイプP3によって連通され、水溶液ポンプ132とセルスタック102とはパイプP4によって連通されている。パイプP4はセルスタック102のアノード入口I1に接続されている。水溶液ポンプ132を駆動させることによってセルスタック102にメタノール水溶液が供給される。
セルスタック102のアノード入口I1付近には、セルスタック102に供給されたメタノール水溶液の濃度(メタノール水溶液におけるメタノールの割合)に対応する濃度情報をメタノール水溶液の電気化学的特性を利用して検出する電圧センサ144が設けられている。電圧センサ144は、燃料電池104の開回路電圧(Open Circuit Voltage)を検出し、その電圧値を電気化学的な濃度情報とする。コントローラ138は、その濃度情報に基づいて、セルスタック102に供給されたメタノール水溶液の濃度を検出する。
また、セルスタック102のアノード入口I1付近には、セルスタック102に供給されたメタノール水溶液の温度をセルスタック102の温度として検出する温度センサ146が設けられている。
セルスタック102と水溶液用のラジエータ108aとはパイプP5によって連通され、ラジエータ108aと水溶液タンク116とはパイプP6によって連通されている。パイプP5はセルスタック102のアノード出口I2に接続されている。
上述したパイプP1〜P6は主として燃料の流路となる。
また、エアチャンバ136にはパイプP7が接続され、エアチャンバ136とエアポンプ134とはパイプP8によって連通され、エアポンプ134とセルスタック102とはパイプP9によって連通されている。パイプP9はセルスタック102のカソード入口I3に接続されている。エアポンプ134を駆動させることによってセルスタック102に外部からの酸素(酸化剤)を含む空気が供給される。パイプP7の入口近傍には、外気温度(雰囲気温度)を検出する外気温度センサ148が設けられている。
セルスタック102と気液分離用のラジエータ108bとはパイプP10によって連通され、ラジエータ108bと水タンク118とはパイプP11によって連通され、水タンク118にはパイプ(排気管)P12が設けられている。パイプP10はセルスタック102のカソード出口I4に接続されている。パイプP12は水タンク118の排気口に設けられ、セルスタック102からの排気を外部に排出する。
上述したパイプP7〜P12は主として酸化剤の流路となる。
また、水タンク118と水ポンプ140とはパイプP13によって連通され、水ポンプ140と水溶液タンク116とはパイプP14によって連通されている。
上述したパイプP13,P14は水の流路となる。
また、パイプP4の分岐部Aには、パイプP4を流れるメタノール水溶液の一部が流入するようにパイプP15が接続されている。パイプP15には超音波センサ150が取り付けられている。超音波センサ150は、濃度に応じてメタノール水溶液における超音波の伝播時間(伝播速度)が変化することを利用して、メタノール水溶液の濃度を検出するために用いられる。超音波センサ150は、発信部150aと受信部150bとを含み、発信部150aから発信した超音波を受信部150bで受信してパイプP15内での超音波伝播時間を検出し、その伝播時間に対応する電圧値を物理的な濃度情報とする。コントローラ138は、その濃度情報に基づいて、パイプP15内のメタノール水溶液の濃度を検出する。
パイプP15には検出用バルブ152が接続され、検出用バルブ152と水溶液タンク116とはパイプP16によって連通されている。濃度の検出時には検出用バルブ152が閉じられ、パイプP15内でのメタノール水溶液の流れが止められる。濃度の検出後、検出用バルブ152が開けられ、濃度検出済みのメタノール水溶液が水溶液タンク116に戻される。
上述したパイプP15,P16は濃度検出用の流路となる。
さらに、水溶液タンク116とキャッチタンク130とはパイプP17,P18によって連通され、キャッチタンク130とエアチャンバ136とはパイプP19によって連通されている。
上述したパイプP17〜P19は燃料処理用の流路となる。
ついで、図3を参照して、燃料電池システム100の電気的構成について説明する。
燃料電池システム100のコントローラ138は、必要な演算を行い燃料電池システム100の動作を制御するCPU154、CPU154にクロック信号を与えるクロック回路156、燃料電池システム100の動作を制御するためのプログラムやテーブルデータおよび演算データ等を記憶(格納)する、たとえばEEPROMからなるメモリ158、電動モータ38にセルスタック102を接続する電気回路160における電圧を検出するための電圧検出回路162、セルスタック102を流れる電流を検出するための電流検出回路164、電気回路160を開閉するためのON/OFF回路166、ならびに電気回路160に所定の電圧を供給するための電源回路168を含む。
このようなコントローラ138のCPU154には、メインスイッチ142および入力部28cからの入力信号が入力される。また、CPU154には、レベルセンサ120,122,124、電圧センサ144、温度センサ146、外気温度センサ148および超音波センサ150からの検出信号が入力される。さらに、CPU154には、電圧検出回路162からの電圧検出値および電流検出回路164からの電流検出値が入力される。CPU154は、入力された電圧検出値と電流検出値とを用いてセルスタック102の出力を算出する。
CPU154によって、燃料ポンプ128、水溶液ポンプ132、エアポンプ134、水ポンプ140、ファン110,112および検出用バルブ152等の補機類が制御される。また、ドライバに各種情報を報知するための表示部28bがCPU154によって制御される。さらに、セルスタック102と、二次電池126および駆動ユニット40とを接続しまた非接続にするON/OFF回路166がCPU154によって制御される。
二次電池126は、セルスタック102の出力を補完するものであり、セルスタック102からの電力によって充電され、その放電によって電動モータ38や補機類等に電力を供給する。
電動モータ38には、電動モータ38の各種データを計測するためのメータ28aが接続される。メータ28aによって計測された各種データは、インターフェイス回路170を介してCPU154に与えられる。また、CPU154には、インターフェイス回路170を介して蓄電量検出器44からの蓄電量検出値が入力される。CPU154は、入力された蓄電量検出値と二次電池126の容量とを用いて二次電池126の蓄電率を算出する。
メモリ158には、図4および図9に示す動作を実行するためのプログラム、電圧センサ144および超音波センサ150によって得られた濃度情報をそれぞれ濃度に変換するための変換情報、昇温動作の実行時間を設定するための情報である実行時間設定テーブル、昇温動作を終了させるべきセルスタック102の温度を設定するための情報である目標温度設定テーブル、ならびに演算データ等が記憶されている。
この実施形態では、外気温度センサ148が第1温度検出手段に相当し、CPU154が制御手段に相当し、温度センサ146が第2温度検出手段に相当し、メモリ158が記憶手段に相当する。調整手段は、燃料保持手段である燃料タンク114、および燃料供給手段である燃料ポンプ128を含む。水溶液供給手段は、水溶液ポンプ132を含む。
ついで、燃料電池システム100の基本的な動作について説明する。
燃料電池システム100は、メインスイッチ142がオンされることを契機として、コントローラ138を起動し、運転を開始する。運転開始後、二次電池126の蓄電率が所定値(たとえば40%)未満になれば、ON/OFF回路166をオンにしてセルスタック102と二次電池126とを接続する。そして、二次電池126からの電力によって水溶液ポンプ132やエアポンプ134等の補機類の駆動を開始し、セルスタック102に発電を開始させる。
図2を参照して、水溶液タンク116内のメタノール水溶液は、水溶液ポンプ132の駆動によってパイプP3,P4およびアノード入口I1を介してセルスタック102を構成する各燃料電池104のアノード104bにダイレクトに供給される。セルスタック102が定常的に発電可能な通常運転時の水溶液ポンプ132の出力(以下、通常出力という)は、CPU154によって2.0L/m(リットル/分)に制御される。
また、水溶液タンク116内にある気体(主に、二酸化炭素、気化したメタノールおよび水蒸気)は、パイプP17を介してキャッチタンク130に与えられる。キャッチタンク130内では気化したメタノールと水蒸気とが冷却される。そして、キャッチタンク130内で得られたメタノール水溶液は、パイプP18を介して水溶液タンク116に戻される。また、キャッチタンク130内の気体(二酸化炭素、液化されなかったメタノールおよび水蒸気)は、パイプP19を介してエアチャンバ136に与えられる。
一方、エアポンプ134の駆動によってパイプP7を介して吸入された空気は、エアチャンバ136に流入することによって消音される。そして、エアチャンバ136に与えられた空気およびキャッチタンク130からの気体が、パイプP8を介してエアポンプ134に流入し、さらに、パイプP9およびカソード入口I3を介してセルスタック102を構成する各燃料電池104のカソード104cに供給される。
各燃料電池104のアノード104bでは、供給されたメタノール水溶液におけるメタノールと水とが化学反応し、二酸化炭素および水素イオンが生成される。生成された水素イオンは、電解質膜104aを介してカソード104cに流入し、そのカソード104c側に供給された空気中の酸素と電気化学反応して水(水蒸気)および電気エネルギが生成される。つまり、セルスタック102において発電が行われる。セルスタック102からの電力は、二次電池126の充電や自動二輪車10の走行駆動等に利用される。
セルスタック102の温度は、各種反応に伴って生じる熱およびセルスタック102を電流が流れることによって生じるジュール熱によって上昇する。各燃料電池104のアノード104bで生成された二酸化炭素および未反応メタノールを含むメタノール水溶液は、セルスタック102で熱せられる。当該二酸化炭素およびメタノール水溶液は、セルスタック102のアノード出口I2およびパイプP5を介してラジエータ108aに与えられ冷却される。ファン110の駆動によってその冷却動作が促進される。ラジエータ108aからのメタノール水溶液は、パイプP6を介して水溶液タンク116に還流される。
このようにラジエータ108aでメタノール水溶液を冷却することによって、通常運転時に水溶液タンク116内のメタノール水溶液の温度ひいてはセルスタック102の温度が所定範囲(60℃〜70℃)に保たれる。この実施形態では、各燃料電池104の電解質膜104aの耐用温度は80℃程度であるので、セルスタック102の温度を所定範囲に保つことで電解質膜104aの劣化が抑制される。
一方、各燃料電池104のカソード104cで生成された水蒸気の大部分は液化して水となってセルスタック102のカソード出口I4から排出されるが、飽和水蒸気分はガス状態で排出される。カソード出口I4から排出された水蒸気は、パイプP10を介してラジエータ108bに与えられラジエータ108bで冷却される。その一部は温度が露点以下になることによって液化される。ラジエータ108bによる水蒸気の液化動作は、ファン112を動作させることによって促進される。水分(水および水蒸気)、二酸化炭素および未反応の空気を含むカソード出口I4からの排気は、パイプP10、ラジエータ108bおよびパイプP11を介して水タンク118に与えられ、水タンク118に水が回収された後にパイプP12を介して外部に排出される。
また、各燃料電池104のカソード104cでは、キャッチタンク130からの気化したメタノールおよびクロスオーバーによってカソード104cに移動したメタノールが白金触媒層で酸素と化学反応して無害な水分と二酸化炭素とに分解される。メタノールから分解された水分と二酸化炭素とは、カソード出口I4から排出されラジエータ108bを介して水タンク118に与えられる。さらに、水のクロスオーバーによって各燃料電池104のカソード104cに移動した水分が、カソード出口I4から排出されラジエータ108bを介して水タンク118に与えられる。
水保持手段である水タンク118内の水は、水ポンプ140の駆動によってパイプP13,P14を介して水溶液保持手段である水溶液タンク116に適宜供給される。CPU154は、レベルセンサ122からの検出信号に基づいて、水溶液タンク116内のメタノール水溶液を所定液位(所定液量)に保つように水ポンプ140を制御する。
また、燃料タンク114内のメタノール燃料は、燃料ポンプ128の駆動によってパイプP1,P2を介して水溶液タンク116に適宜供給される。CPU154は、電圧センサ144または超音波センサ150を用いて検出した濃度に基づいて、水溶液タンク116内のメタノール水溶液を所定濃度に保つように燃料ポンプ128を制御する。燃料電池104における電気化学反応はメタノール水溶液の温度が高いほど活発になるので、メタノール水溶液の温度が高いほど異なる濃度毎の開回路電圧の差は大きくなる。したがって、セルスタック102の温度が比較的高ければ電圧センサ144を用いることによってメタノール水溶液の濃度を精度よく検出できる。一方、メタノールと水との超音波伝播速度の差はメタノール水溶液の温度が低いほど大きくなるのでセルスタック102の温度が比較的低ければ超音波センサ150を用いることによってメタノール水溶液の濃度を精度よく検出できる。CPU154は、セルスタック102の温度が45℃以上であれば電圧センサ144を用いてメタノール水溶液の濃度を検出し、セルスタック102の温度が45℃未満であれば超音波センサ150を用いてメタノール水溶液の濃度を検出する。たとえば通常運転時には、電圧センサ144を用いて検出した濃度に基づいてCPU154が燃料ポンプ128を駆動させることによって、水溶液タンク116内のメタノール水溶液の濃度が3wt%に保たれる。
このような燃料電池システム100では、その温度上昇に伴ってセルスタック102の出力が大きくなり、セルスタック102が所定温度(ここでは60℃)になることによって定常的に発電可能な通常運転に移行する。通常運転では、セルスタック102の出力によって補機類および電動モータ38等の消費電力を賄いつつ二次電池126を充電できる。したがって、通常運転に迅速に移行することが望まれ、燃料電池システム100では、セルスタック102の温度を迅速に上昇させる昇温動作が必要に応じて行われる。
燃料電池システム100では、水溶液タンク116内のメタノール水溶液を通常運転時の濃度(3wt%:以下、通常濃度という)よりも大きな濃度(5wt%:以下、昇温濃度という)に保ちつつ水溶液ポンプ132を通常出力(2.0L/m)よりも大きな出力(3.0L/m:以下、昇温出力という)で駆動させることによって昇温動作が行われる。
セルスタック102に供給するメタノール水溶液の濃度を昇温濃度(5wt%)に保つことによって、通常運転時よりもカソード104cにクロスオーバーするメタノールが多くなる。同様に、水溶液ポンプ132を昇温出力(3.0L/m)で駆動させることによって、通常運転時よりも、アノード104bの内圧が大きくなり、カソード104cにクロスオーバーするメタノールが多くなる。このようにカソード104cにクロスオーバーさせるメタノールを多くすることによって、カソード104cにおけるメタノールと酸素との化学反応を活発にでき、セルスタック102の温度を迅速に上昇させることができる。
このような昇温動作の終了時期(終了タイミング)を設定するために、外気温度とセルスタック102の温度と昇温動作の実行時間との対応関係を示す情報として実行時間設定テーブルがメモリ158に予め記憶されている。表1に実行時間設定テーブルの一例を示す。
Figure 0005350668
CPU154は、外気温度センサ148によって検出された外気温度と温度センサ146によって検出されたセルスタック102の温度とに対応する実行時間を実行時間設定テーブルから取得し、これを今回の昇温動作の実行時間に設定する。たとえば、外気温度が20℃以上30℃未満でありかつセルスタック102が20℃以上30℃未満であれば、昇温動作の実行時間は6分に設定される。
表1に示す実行時間設定テーブルで注目すべきは、外気温度が高くなるにつれて実行時間が短くなっていることである。ラジエータ108aの冷却性能は外気温度の影響を受けるので、外気温度が高い場合に昇温動作を長時間行うと昇温動作後にセルスタック102の温度が電解質膜104aの耐用温度(80℃)を超えてしまうおそれがある。外気温度をも考慮した実行時間設定テーブルを用いて実行時間を設定することで、昇温動作によってセルスタック102を迅速に所定温度(60℃)にでき、昇温動作後にセルスタック102の温度が電解質膜104aの耐用温度(80℃)を超える(オーバーシュートする)ことを防止できる。
なお、実行時間が0分である場合は、セルスタック102の温度が高く、昇温動作を行う必要がないことを意味している。
ついで、図4を参照して、実行時間設定テーブルを用いて昇温動作の実行時間を設定する場合の燃料電池システム100の動作について説明する。
まず、ステップS1で二次電池126の蓄電率が所定値(40%)未満になれば、外気温度センサ148によって外気温度を検出するとともに温度センサ146によってセルスタック102の温度を検出する(ステップS3)。CPU154は、検出した外気温度とセルスタック102の温度とに対応する実行時間をメモリ158に予め記憶されている実行時間設定テーブル(表1参照)から取得し、これを今回の昇温動作の実行時間に設定する(ステップS5)。
つづいて、CPU154は、実行時間が0分か否かを判定する(ステップS7)。つまり、昇温動作の要否を判定する。実行時間が0分でなければ、CPU154は、セルスタック102に供給されるメタノール水溶液を昇温濃度(5wt%)に保つように、燃料ポンプ128の制御を開始する。つまり、昇温濃度調整を開始する(ステップS9)。
ステップS9では、電圧センサ144または超音波センサ150を用いて検出した濃度に基づいてCPU154が燃料ポンプ128を駆動させることによって、水溶液タンク116内のメタノール水溶液を昇温濃度(5wt%)に調整する。その後、所定間隔で濃度検出結果に基づいてCPU154が燃料ポンプ128を駆動させることによって、水溶液タンク116内のメタノール水溶液が昇温濃度に保たれる。
つづいて、CPU154は、昇温出力(3.0L/m)で水溶液ポンプ132に駆動を開始させかつエアポンプ134に駆動を開始させ、セルスタック102に発電を開始させる。このように昇温濃度(5wt%)かつ昇温出力(3.0L/m)で発電させることによって、通常濃度(3wt%)かつ通常出力(2.0L/m)で発電させるよりも、セルスタック102の温度を迅速に上昇させることができる。また、これと同時にCPU154は、クロック回路156からのクロック信号に基づいて実行時間の計測を開始する。つまり、昇温出力でセルスタック102に発電を開始させるとともに実行時間の計測を開始する(ステップS11)。
そして、ステップS5で設定した実行時間を経過するまで待機し(ステップS13)、実行時間を経過すれば、CPU154は、水溶液タンク116内のメタノール水溶液を通常濃度(3wt%)に保つように、燃料ポンプ128の制御を開始する。つまり、昇温濃度調整から通常濃度調整に切り替える(ステップS15)。つづいて、CPU154は、水溶液ポンプ132の出力を昇温出力(3.0L/m)から通常出力(2.0L/m)に切り替える(ステップS17)。つまり、ステップS5で設定した実行時間を経過すれば昇温動作を終了させ、通常濃度かつ通常出力でセルスタック102に発電させる。
その後、通常運転に移行し、ステップS19で二次電池126が満充電(蓄電率98%)になれば、セルスタック102の発電を停止させ、終了する。
一方、ステップS7で実行時間が0分であれば、通常濃度調整を開始し(ステップS21)、通常出力(2.0L/m)で水溶液ポンプ132に駆動を開始させかつエアポンプ134に駆動を開始させる(ステップS23)。つまり、昇温動作を行う必要がない場合は、通常濃度かつ通常出力でセルスタック102に発電を開始させる。その後、ステップS19で二次電池126が満充電になれば発電を停止させ、終了する。
なお、ステップS9とS11とは、その順番を入れ替えてもよいし、同時に行ってもよい。ステップS15とS17とについても同様である。
また、図4の動作では、検出したメタノール水溶液の濃度に基づいて濃度調整を行う場合について説明したが、メタノール水溶液の濃度検出は必ずしも必要ではない。たとえば前回の通常運転からの時間が短い場合は水溶液タンク116内のメタノール水溶液の濃度が3wt%であると推定できるので、濃度検出を行うことなく所定間隔で所定量のメタノール燃料を水溶液タンク116に供給することによって昇温濃度調整または通常濃度調整を行ってもよい。
さらに、図4の動作では、発電開始とともに実行時間の計測を開始する場合について説明したが、実行時間の計測開始時期はこれに限定されない。たとえば昇温濃度調整の開始とともに実行時間の計測を開始するようにしてもよい。この場合、表1の実行時間設定テーブルの各実行時間に昇温濃度調整開始から発電開始までの時間を加算しておけばよい。
なお、図4の動作では、実行時間が0分であるか否かによって昇温動作の要否を判定する場合について説明したが、セルスタック102の温度に基づいて昇温動作の要否を判定するようにしてもよい。
また、図4の動作では、発電開始前に昇温動作の実行時間を設定する場合について説明したが、実行時間の設定時期および昇温動作の開始時期は任意に設定できる。たとえば、通常濃度かつ通常出力で発電を開始した後に外気温度とセルスタック102の温度とを検出して昇温動作の実行時間を設定し、昇温動作を開始するようにしてもよい。また、昇温動作を開始してから昇温動作の実行時間を設定するようにしてもよい。
このような燃料電池システム100では、外気温度が高い場合は昇温動作の実行時間を短く設定できるので、セルスタック102の温度が電解質膜104aの耐用温度(80℃)を超えることを防止できる。つまり、外気温度が高くてもセルスタック102の温度を迅速にかつ安定して所定温度(60℃)に上昇させることができ、セルスタック102の劣化を抑制できる。また、外気温度が低い場合は昇温動作の実行時間を長く設定できるので、昇温動作によってセルスタック102の温度を迅速にかつ確実に所定温度に上昇させることができる。このように外気温度にかかわらずセルスタック102の温度を迅速にかつ安定して所定温度に上昇させることができる。
セルスタック102の温度が所定温度(60℃)に近く、昇温動作の実行時間が0分である場合は昇温動作を行わないことによって、より確実にセルスタック102の劣化を抑制できる。
昇温動作として昇温濃度(5wt%)かつ昇温出力(3.0L/m)でセルスタック102に発電させることによって、ヒータ等を別に準備せずともセルスタック102の温度を簡単にかつ迅速に上昇させることができる。
検出した外気温度およびセルスタック102の温度に対応する実行時間をメモリ158に予め記憶されている実行時間設定テーブルから取得することによって、昇温動作の適切な終了時期を簡単に設定できる。
燃料電池システム100によればセルスタック102の温度を迅速にかつ安定して所定温度に上昇させることができるので、燃料電池システム100は通常運転に迅速に移行することが特に望まれる自動二輪車10に好適に用いられる。
ついで、図5〜図8を参照して、燃料電池システム100と従来技術の燃料電池システムとにおけるセルスタックの温度推移について説明する。
燃料電池システム100では上述のように昇温動作の実行時間を設定し、従来技術の燃料電池システムでは外気温度にかかわらずセルスタックの温度が50℃になることによって昇温動作を終了させた。
図5に燃料電池システム100におけるセルスタックの温度推移を示し、図6に従来技術の燃料電池システムにおけるセルスタックの温度推移を示す。図5および図6にはそれぞれ、外気温度が0℃でありかつセルスタックが20℃であるときに昇温動作を開始した場合、外気温度が20℃でありかつセルスタックが20℃であるときに昇温動作を開始した場合、および外気温度が40℃でありかつセルスタックが20℃であるときに昇温動作を開始した場合のセルスタックの温度推移が示されている。
図5に示すように、燃料電池システム100では、外気温度が0℃である場合には昇温動作の実行時間が7分に設定され、セルスタックの温度が55℃で昇温動作が終了された(T1参照)。また、外気温度が20℃である場合には昇温動作の実行時間が6分に設定され、セルスタックの温度が50℃で昇温動作が終了された(T2参照)。さらに、外気温度が40℃の場合には昇温動作の実行時間が5分に設定され、セルスタックの温度が45℃で昇温動作が終了された(T3参照)。このように燃料電池システム100では、外気温度に応じて昇温動作終了時のセルスタックの温度を異ならせることができ、昇温動作後にセルスタックが達する最も高い温度(以下、最高温度という)をいずれの場合であっても略同じにできた。
一方、図6に示すように、従来技術の燃料電池システムでは、いずれの場合であってもセルスタックが50℃になったときに昇温動作を終了させた(T4参照)。ラジエータによるセルスタックの冷却性能は外気温度の影響を受けるので、従来技術の燃料電池システムでは昇温動作後のセルスタックの最高温度にばらつきが生じた。
図7に示すように、外気温度が高い場合(ここでは40℃の場合)、従来技術の燃料電池システムでは、昇温動作後のセルスタックの温度上昇を80℃未満で止めることができなかった。これに対して、燃料電池システム100では、外気温度が高ければ昇温動作の実行時間を短く設定し、セルスタックの温度が45℃で昇温動作を終了させるので(T3参照)、セルスタックの温度が80℃を超えることがなかった。
また、図8に示すように、外気温度が低い場合(ここでは0℃の場合)、従来技術の燃料電池システムでは、昇温動作後にセルスタックの温度上昇が急激に緩やかになり、セルスタックの温度が60℃になるまでの時間が長くなった。これに対して、燃料電池システム100では、外気温度が低ければ昇温動作の実行時間を長く設定し、セルスタックの温度が55℃になるまで昇温動作を継続させるので(T1参照)、セルスタックの温度を迅速に60℃にできた。
このように、燃料電池システム100では、外気温度が高くてもセルスタックを安定して所定温度に昇温でき、外気温度が低くてもセルスタックを迅速に所定温度にできた。
なお、上述の実施形態では、実行時間設定テーブルを用いて昇温動作の実行時間を設定する場合について説明したが、昇温動作の終了時期の設定方法はこれに限定されない。
たとえば、外気温度と昇温動作を終了させるべきセルスタック102の温度(以下、目標温度という)との対応関係を示す情報である目標温度設定テーブルを用いて、外気温度に対応する目標温度を設定するようにしてもよい。表2にメモリ158に予め記憶されている目標温度設定テーブルの一例を示す。
Figure 0005350668
目標温度設定テーブルで注目すべきは、外気温度が高くなるにつれて目標温度が小さくなっていることである。外気温度にかかわらず同じ温度で昇温動作を終了させれば、外気温度が高い場合はセルスタックの温度が電解質膜の耐用温度を超えてしまい、外気温度が低い場合は所定温度になるまでの時間が長くなってしまう(図6〜図8参照)。CPU154は、外気温度センサ148によって検出された外気温度に対応する目標温度を目標温度設定テーブルから取得し、これを今回の昇温動作の目標温度に設定する。このように目標温度を設定することによって、実行時間設定テーブルを用いて実行時間を設定する場合と同様に、セルスタック102を迅速に所定温度(60℃)にでき、昇温動作後にセルスタック102の温度が電解質膜104aの耐用温度(80℃)を超えることを防止できる。
ついで、図9を参照して、目標温度設定テーブルを用いて昇温動作の目標温度を設定する場合の燃料電池システム100の動作について説明する。なお、図4と図9とにおいて同一の処理には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
まず、CPU154は、ステップS3で検出された外気温度に対応する目標温度をメモリ158に予め記憶されている目標温度設定テーブル(表2参照)から取得し、これを今回の昇温動作における目標温度に設定する(ステップS5a)。
つづいて、CPU154は、ステップS3で検出されたセルスタック102の温度がステップS5aで設定した目標温度未満か否かを判定する(ステップS7a)。目標温度未満であれば、ステップS9で昇温濃度調整を開始する。
つづいて、CPU154は、昇温濃度かつ昇温出力でセルスタック102に発電を開始させるとともに温度センサ146によって検出されるセルスタック102の温度の監視(モニタリング)を開始する(ステップS11a)。
そして、セルスタック102がステップS5aで設定した目標温度になるまで待機し(ステップS13a)、目標温度になれば、ステップS15で昇温濃度調整から通常濃度調整に切り替え、ステップS17で水溶液ポンプ132の出力を昇温出力から通常出力に切り替える。その後、通常運転に移行し、ステップS19で二次電池126が満充電になればセルスタック102の発電を停止させ、終了する。
一方、ステップS7aでセルスタック102の温度が目標温度以上であれば、ステップS21で通常濃度調整を開始し、ステップS23で通常濃度かつ通常出力でセルスタック102に発電を開始させる。
このように、検出した外気温度に対応する目標温度をメモリ158に予め記憶されている目標温度設定テーブルから取得することによっても、昇温動作の適切な終了時期を簡単に設定でき、図5に示すようにセルスタック102の温度を推移させることができる。
なお、上述の図4および図9に示す動作では、昇温濃度調整から通常濃度調整に切り替えることによって、図10にC1で示すように昇温濃度から通常濃度にメタノール水溶液の目標濃度を変更する場合について説明したが、この発明はこれに限定されない。通常運転時よりもメタノール水溶液の目標濃度を大きく設定するのであれば、昇温動作時のメタノール水溶液の目標濃度は任意に制御できる。たとえば、実行時間の経過(セルスタックの温度上昇)に応じてメタノール水溶液の目標濃度を、図10にC2で示すように段階的に小さくしてもよいし、図10にC3で示すように連続的かつ曲線的に小さくしてもよいし、図10にC4で示すように連続的かつ直線的に小さくしてもよい。
上述の実施形態では、外気温度センサ148はパイプP7の入口近傍に設けられたが、外気温度を検出できるならば任意の箇所に設けることができる。外気温度センサ148は雨や走行風が当たらない場所に設けられることが好ましく、たとえば、ハンドル24の下側かつハンドル支持部26内(図1に破線X1で示す位置)やシートレール20の下側(図1に破線X2で示す位置)に設けられてもよい。
また、発電停止から時間が経過している場合には、セルスタック温度やメタノール水溶液温度を外気温度として用いてもよい。
上述の実施形態では、第2温度検出手段としてセルスタック102に供給されたメタノール水溶液の温度を検出する温度センサ146を用いる場合について説明したが、第2温度検出手段はこれに限定されない。たとえば、セルスタック102からの排気の温度を燃料電池の温度として検出する第2温度検出手段をセルスタック102に取り付けるようにしてもよい。また、第2温度検出手段は、燃料水溶液や排気から燃料電池温度を検出できるならば、セルスタック102から離れた位置に設けられていてもよい。
以上より、言い換えれば、外気温度に関する温度情報としては、外気温度だけではなく、セルスタック温度やメタノール水溶液温度を用いることができる。
また、燃料電池の温度に関する情報としては、セルスタック102に供給されたメタノール水溶液の温度やセルスタック102からの排気温度を用いることができる。
なお、上述の実施形態において、表1の実行時間設定テーブルでは、外気温度に関する温度情報として外気温度が、燃料電池の温度に関する情報としてセルスタック102の温度が用いられている。表2の目標温度設定テーブルでは、外気温度に関する情報として外気温度が用いられている。上述のように外気温度としてセルスタック温度やメタノール水溶液温度を用いる場合であっても、得られた温度を外気温度とみなすことによって表1および表2のテーブルをそのまま用いることができる。また、燃料電池温度としてセルスタック102からの排気の温度を用いる場合であっても、得られた排気温度を燃料電池温度とみなすことによって表1のテーブルをそのまま用いることができる。但し、用いる外気温度に関する温度情報および燃料電池の温度に関する情報に応じて、表1および表2のデータを差し替えてもよいことはいうまでもない。
さらに、上述の実施形態では、燃料タンク114と燃料ポンプ128とを有する調整手段、および水溶液ポンプ132を有する水溶液供給手段を含んで昇温手段を構成する場合について説明したが、昇温手段はこれに限定されない。たとえばヒータ等の加熱手段を含む昇温手段を用いてもよい。また、ラジエータ108aをバイパスさせることによって水溶液タンク116に還流させるメタノール水溶液を高温に保ち、当該メタノール水溶液をセルスタック102に供給することによって昇温動作を行うようにしてもよい。この場合、セルスタック102からのメタノール水溶液を直接的に水溶液タンク116に還流させるための流路(パイプ)や弁(バルブ)等によって昇温手段が構成される。システム内を循環するメタノール水溶液の量を少なくすることによっても、セルスタック102の温度を迅速に上昇させることができる。また、ラジエータ108aを冷却するためのファン110を制御することによって冷却性能を変化させるようにしてもよい。さらに、これらを組み合わせてもよい。
上述の実施形態では、昇温動作として昇温濃度かつ昇温出力でセルスタック102に発電させる場合について説明したが、これに限定されない。昇温動作として、昇温濃度および昇温出力のいずれか一方のみを採用してセルスタック102に発電させるようにしてもよい。
なお、上述の実施形態では、耐用温度が80℃である電解質膜104aを用いる場合について説明したが、電解質膜はこれに限定されず、所望の耐用温度の電解質膜を用いることができる。実行時間設定テーブルや目標温度設定テーブルの値は、用いる電解質膜の耐用温度に応じて適宜変更すればよい。
この発明は、外気温度に基づいて昇温動作の実行時間を設定するようにしてもよい。
上述の実施形態では、燃料としてメタノールを、燃料水溶液としてメタノール水溶液を用いたが、これに限定されず、燃料としてエタノール等のアルコール系燃料、燃料水溶液としてエタノール水溶液等のアルコール系水溶液を用いてもよい。
この発明は、燃料電池104ひいてはセルスタック102の温度を迅速にかつ安定して所定温度に上昇させることができるので、燃料として液体を用いる燃料電池システムに好適に用いられる。
この発明は、水素ガスを燃料として燃料電池に供給する水素型燃料電池システムや改質器搭載型燃料電池システムにも適用できる。
なお、この発明の燃料電池システムは、自動二輪車だけではなく、自動車、船舶等の任意の輸送機器に好適に用いることができる。
また、この発明は、据え付けタイプの燃料電池システムにも適用でき、さらに、パーソナルコンピュータ、携帯機器等の電子機器に搭載される可搬型の燃料電池システムにも適用できる。
この発明の一実施形態の自動二輪車を示す左側面図である。 この発明の一実施形態の燃料電池システムの配管を示すシステム図である。 この発明の一実施形態の燃料電池システムの電気的構成を示すブロック図である。 この発明の一実施形態の燃料電池システムの主要動作の一例を示すフロー図である。 この発明の一実施形態の燃料電池システムにおけるセルスタックの温度推移を示すグラフである。 従来技術の燃料電池システムにおけるセルスタックの温度推移を示すグラフである。 この発明の一実施形態の燃料電池システムと従来技術の燃料電池システムとにおける外気温度が高い場合のセルスタックの温度推移を示すグラフである。 この発明の一実施形態の燃料電池システムと従来技術の燃料電池システムとにおける外気温度が低い場合のセルスタックの温度推移を示すグラフである。 この発明の一実施形態の燃料電池システムの主要動作の他の例を示すフロー図である。 昇温動作におけるメタノール水溶液の目標濃度推移を示すグラフである。
符号の説明
10 自動二輪車
100 燃料電池システム
102 燃料電池セルスタック
104 燃料電池(燃料電池セル)
138 コントローラ
114 燃料タンク
116 水溶液タンク
118 水タンク
128 燃料ポンプ
132 水溶液ポンプ
146 温度センサ
148 外気温度センサ
154 CPU
158 メモリ

Claims (8)

  1. 燃料電池の温度が所定温度になることによって定常的に発電可能な通常運転に移行する燃料電池システムを備える輸送機器であって、
    前記燃料電池システムは、
    前記燃料電池、
    外気温度に関する温度情報を検出する第1温度検出手段、
    前記燃料電池の温度に関する温度情報を検出する第2温度検出手段、
    前記燃料電池の温度を前記所定温度に上昇させるための昇温動作を行う昇温手段、および
    前記昇温手段を制御する制御手段を備え、
    前記制御手段は、前記通常運転に移行する前の前記昇温動作において、前記外気温度が高くなるにつれて前記昇温動作の終了時期が早くなるように、前記第1温度検出手段の検出結果に基づいて前記昇温手段による前記昇温動作の終了時期を設定し、
    前記制御手段は、前記第2温度検出手段の検出結果に基づいて前記昇温動作の要否を判定する、輸送機器
  2. 前記燃料電池は、燃料水溶液を用いて発電し、
    前記昇温手段は、前記燃料水溶液の濃度を調整する調整手段を含み、
    前記制御手段は、前記燃料水溶液の濃度を前記通常運転時よりも大きくするように前記調整手段を制御することによって前記調整手段に前記昇温動作を行わせる、請求項1に記載の輸送機器
  3. 前記燃料電池は、燃料水溶液を用いて発電し、
    前記昇温手段は、前記燃料水溶液を前記燃料電池に供給する水溶液供給手段を含み、
    前記制御手段は、前記水溶液供給手段の出力が前記通常運転時よりも大きくなるように前記水溶液供給手段を制御することによって前記水溶液供給手段に前記昇温動作を行わせる、請求項1または2に記載の輸送機器
  4. 前記制御手段は、前記外気温度が高くなるにつれて前記昇温動作の実行時間が短くなるように、前記第1温度検出手段の検出結果に基づいて前記昇温動作の実行時間を設定する、請求項1から3のいずれかに記載の輸送機器
  5. 前記制御手段は、前記外気温度が高くなるにつれて前記昇温動作を終了させるべき前記燃料電池の温度が小さくなるように、前記昇温動作を終了させるべき前記燃料電池の温度を前記第1温度検出手段の検出結果に基づいて設定する、請求項1から3のいずれかに記載の輸送機器
  6. 前記外気温度に関する温度情報と前記燃料電池の温度に関する温度情報と前記昇温動作の実行時間との対応関係を示す情報を記憶する記憶手段をさらに含み、
    前記制御手段は、前記第1温度検出手段の検出結果と前記第2温度検出手段の検出結果と前記記憶手段に記憶される前記情報とを用いて前記昇温動作の実行時間を設定する、請求項に記載の輸送機器
  7. 燃料として液体を用いる、請求項1から6のいずれかに記載の輸送機器
  8. 燃料電池を含み、前記燃料電池の温度が所定温度になることによって定常的に発電可能な通常運転に移行する燃料電池システムであって、
    外気温度に関する温度情報を検出する第1温度検出手段、
    前記燃料電池の温度を前記所定温度に上昇させるための昇温動作を行う昇温手段、および
    前記昇温手段を制御する制御手段を備え、
    前記制御手段は、前記通常運転に移行する前の前記昇温動作において、前記外気温度が高くなるにつれて前記昇温動作の終了時期が早くなるように、前記第1温度検出手段の検出結果に基づいて前記昇温手段による前記昇温動作の終了時期を設定する、燃料電池システム。
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