JP5350623B2 - シリコンウエハの熱処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、シリコンウエハの高温熱処理において、表面が平坦なシリコンウエハを得るための熱処理方法に関する。
チョクラルスキー(CZ)法により引き上げられたシリコン単結晶インゴットからシリコンウエハを製造する工程においては、ウエハの表層の結晶欠陥の低減、表面粗さ(マイクロラフネス)の改善等を目的として、1100℃以上での熱処理が施される。
例えば、特許文献1には、シリコンウエハを還元性ガスまたは不活性ガスの雰囲気中で、1100℃以上での高温熱処理を所定時間行った後、850℃以下に降温し、前記雰囲気を窒素ガスに置換する熱処理方法が記載されている。このような熱処理方法によれば、ウエハの表面に窒化膜が形成されることによって、ウエハの表面粗さを増大させることなく、ウエハに起因する酸化膜の欠陥の発生を抑制することができるとされている。
シリコンウエハの表面のシリコン原子は、還元性ガスまたは不活性ガスの雰囲気の下での1100℃以上の高温熱処理により、安定化のために再配列し、ウエハの表面は原子レベルまで平坦化された構造となる。前記再配列において、ウエハの表面には、原子1〜2個程度の原子レベルのステップを表面に有するステップ・テラス構造が形成される。
熱処理前のシリコンウエハを研磨加工した後、原子間力顕微鏡(AFM)により測定した微細表面粗さ(マイクロラフネス)は、3μm×3μm当たりのRms(2乗平均粗さ)が0.15〜0.2nmであるのに対して、上記のようにして平坦化されたシリコンウエハの表面のAFMにより測定したRmsは0.1nm程度となる。
このことから、上記のような熱処理によって、表面粗さの低減化が図られることが分かる。
前記ステップ・テラス構造のテラス幅は、シリコン結晶のオフ角を小さくすることによって大きくなり、熱処理後のAFM観察においては、より明瞭なステップ・テラス構造が確認される。
例えば、特許文献2には、面方位(100)の単結晶シリコンウエハを(001)面の垂線〈110〉方向に、0.01〜0.2°の角度に傾斜してスライスし、洗浄処理した後、アルゴン雰囲気中、600〜1300℃で熱処理することにより、ステップ・テラス構造を形成することができることが記載されている。
特許第3292545号公報 特開平8−264401公報
しかしながら、上記のような熱処理においては、雰囲気によって、熱処理後のシリコンウエハの表面粗さが異なることが分かっている。例えば、アルゴンガス雰囲気下で熱処理した後、700℃まで降温してからアルゴンを窒素に置換して窒素ガス雰囲気で炉出しした場合、3μm×3μm当たりのRmsは約0.07nmであった。これに対して、水素ガス雰囲気下で熱処理した後、700℃まで降温してから水素を窒素に置換して窒素ガス雰囲気で炉出しした場合は、Rmsは約0.1nmとなった。
本発明者らは、このような表面粗さの違いが生じる原因を検討した結果、これは、1100℃以上での高温熱処理時のガス雰囲気の影響によるものではなく、前記高温処理後の降温時または降温後に置換するガス雰囲気の影響によるものであることを見出した。
本発明は、上記検討結果に基づいて、さらに改良を加えてなされたものであり、1100℃以上の高温熱処理によって原子レベルで平坦化されたシリコンウエハの表面について、高温熱処理後、シリコンウエハを炉出しするまでの降温段階における炉内雰囲気の適正化を図ることにより、前記ウエハの表面のステップ・テラス構造を保持したまま、ウエハの表面粗さ(マイクロラフネス)を従来よりも低減化させ、かつ、このようなウエハの表面を安定的に形成することができるシリコンウエハの熱処理方法を提供することを目的とするものである。
本発明に係るシリコンウエハの熱処理方法は、シリコンウエハの表面にステップ・テラス構造を形成するシリコンウエハの熱処理方法において、シリコンウエハを、不活性ガス雰囲気の熱処理炉内に装填し、炉内を還元性ガス雰囲気へ置換し、昇温し、1100℃以上で熱処理した後、降温し、炉内温度が500℃以上の段階で炉内雰囲気をアルゴンガスとし、シリコンウエハを炉出しするまでの降温時にアルゴンガスを炉内に導入し続けることにより、前記シリコンウエハの表面のステップ・テラス構造を保持し、かつ、3μm×3μm当たりの2乗平均粗さRmsが0.06nm以下となるようにすることを特徴とする。
このように、1100℃以上の高温熱処理によって原子レベルで平坦化されたシリコンウエハの表面について、高温熱処理後の降温段階から炉出しまでの炉内雰囲気をアルゴンガスとすることにより、前記ウエハの表面のステップ・テラス構造を保持したまま、ウエハの表面粗さを従来よりも低減化させることができる。
前記熱処理方法においては、少なくとも前記シリコンウエハを載置したウエハボートのウエハ載置部全体が炉外に出るまで、アルゴンガスを炉内に導入し続けることが好ましい。
500℃からシリコンウエハが炉出しされるまでの降温時に、シリコンウエハ表面がアルゴンガスで包み込まれるように保持することにより、シリコンウエハ表面のステップ・テラス構造を崩すことなく、高い平坦度を維持することができる。
また、前記ウエハボートの炉出しの際、該ウエハボート全体が炉内から流出するアルゴンガスによって包囲されていることが好ましい。
このようにすることにより、上記のシリコンウエハの表面の平坦度を維持する効果をより高めることができる。
さらに、前記ウエハボートが炉底部から炉出しされる際、炉底部の開口部から流出するアルゴンガスの流速は、0.0192m/s以上0.190m/s以下であることが好ましい。
炉出ししたシリコンウエハの表面をアルゴンガスによって保護する観点から、上記範囲内のガス流速とすることが好ましい。
上述したとおり、本発明によれば、1100℃以上の高温熱処理によって原子レベルで平坦化されたシリコンウエハの表面について、高温熱処理後の降温段階における炉内雰囲気の置換のみによって、ウエハ表面のステップ・テラス構造を炉出し後においても十分保持することができ、結果的に、ウエハの表面粗さを従来よりも低減化させることができ、かつ、このようなウエハの表面を安定的に形成することができる。
以下、本発明について、より詳細に説明する。
本発明に係るシリコンウエハの熱処理方法においては、まず、シリコンウエハを、不活性ガス雰囲気の熱処理炉内に装填し、炉内を還元性ガス雰囲気へ置換し、昇温し、1100℃以上で熱処理する。前記高温熱処理工程後降温、炉内温度が500℃以上の段階で炉内雰囲気をアルゴンガスとする。そして、シリコンウエハを炉出しするまでアルゴンガスを炉内に導入し続ける。
本発明は、このような熱処理工程を経て、シリコンウエハの表面のステップ・テラス構造を保持し、かつ、3μm×3μm当たりのRmsが0.06nm以下となるようにすることを特徴とするものである。
すなわち、本発明は、このような所定の降温段階における炉内雰囲気の置換が、シリコンウエハの表面粗さを低減化し、より平坦化された表面を安定的に形成する上で効率的な手段であることを見出したことに基づくものである。
本発明において熱処理するシリコンウエハは、特に限定されるものではなく、例えば、チョクラルスキー(CZ)法、フローティングゾーン(FZ)法等により得られたシリコン単結晶をスライスした後、鏡面加工したシリコンウエハ基板、エピタキシャルウエハ、SOIウエハ等のいずれであってもよい。
上記のように、本発明における高温熱処理工程においては、シリコンウエハを、還元性ガス雰囲気の下で、1100℃以上で熱処理する。
このような高温熱処理は、シリコンウエハの表層の結晶欠陥の低減、表面粗さの改善等を図り、ステップ・テラス構造を形成することを目的して行われる処理である。
前記熱処理においては、シリコンウエハを清浄に保つために、還元性ガス雰囲気とする。
なお、前記高温熱処理前においては、シリコンウエハを清浄に保つ観点から、シリコンウエハは、不活性ガスの雰囲気内に保持しておくことが好ましい。
還元性ガスとしては、水素、アンモニア等が挙げられ、また、不活性ガスとしては、ヘリウム、ネオン、アルゴン等が挙げられる。これらのガスは、1種または2種以上の混合ガスとして用いることができる。通常は、水素ガスまたはアルゴンガスが用いられる。
また、前記熱処理温度は、ウエハの結晶欠陥の低減、表面粗さの改善等の観点から、高温であることが好ましく、上記のように、1100℃以上の高温で行うことが好ましい。この高温熱処理時間は0.5〜24時間程度であることが好ましい。
本発明に係る熱処理方法においては、前記高温熱処理工程の後、降温し、炉内温度が500℃以上の段階で、炉内雰囲気を還元性ガスからアルゴンガスに置換する。
アルゴンガスにすることにより、従来の降温時に平坦度が悪化するという問題が解決される
なお、100%アルゴンガス雰囲気であることが最も好ましいが、熱処理時に他の効果を得る目的で、少量のアルゴンガス以外のガス種を導入してもよい。
前記高温熱処理後、アルゴンガスに置換する温度は500℃以上とする。
前記置換時の温度が500℃未満である場合は、表面の平坦化を図ることが困難である。
したがって、500℃以上の温度で雰囲気をアルゴンガスに置換することが好ましく、これにより、前記高温熱処理により原子レベルで平坦化されたウエハの表面粗さの悪化をより低減させることができる。
上記のような熱処理後のシリコンウエハは、炉内雰囲気をアルゴンガスとした後、炉出し可能な温度にまで降温してから炉出しされるが、炉出しが終わるまで、アルゴンガスを炉内に導入し続けることが好ましい。
前記シリコンウエハをウエハボートに載置している場合には、少なくとも前記ウエハボートのウエハ載置部全体が炉外に出るまで、アルゴンガスを炉内に導入し続けることが好ましい。
このように、500℃からシリコンウエハが炉出しされるまでの降温時に、シリコンウエハ表面がアルゴンガスで包み込まれるように保持することにより、前記高温熱処理時に形成されたシリコンウエハ表面のステップ・テラス構造を崩すことなく、高い平坦度を維持することができる。
さらに、前記ウエハボートの炉出しの際、該ウエハボート全体が炉内から流出するアルゴンガスによって包囲されている状態であることが好ましい。
アルゴンガスは、他のガスと比べてシリコンウエハにまとわりつきやすく、前記ウエハボートが炉の開口部から出るまで、アルゴンガスを炉内に導入し続けることにより、炉出し後、しばらくの間は、シリコンウエハの表面を覆うように残留する。
このため、前記ウエハボートが完全に炉外に出るまで、アルゴンガスを炉内に導入し続けることにより、炉内から流出するアルゴンガスによって、ウエハボート全体を包囲させることができ、上記のシリコンウエハの表面の平坦度を維持する効果を高めることができる。
前記ウエハボートが炉底部から炉出しされる際、炉底部の開口部から流出するアルゴンガスの流速は0.0192m/s以上0.190m/s以下であることが好ましい。
このような範囲のガス流速が、炉出ししたシリコンウエハの表面をアルゴンガスによって保護する上で好適である。
前記ガス流速が0.0192m/s未満では、アルゴンガスによるシリコンウエハの表面の十分な保護効果が得られない。
一方、前記ガス流速が0.190m/sを超える場合、ガス流速が大きくなっても、それ以上の効果は認められず、また、発塵を招くおそれがある。
以下、本発明を実施例に基づき、さらに具体的に説明するが、本発明は下記の実施例により制限されるものではない。
[実施例1]
まず、直径8インチのシリコン(100)結晶インゴットを<100>方向へオフ角0.03°でスライスして得られたシリコンウエハに鏡面加工を施した。
このシリコンウエハをウエハボートに載置し、アルゴンガス雰囲気の熱処理炉内に装填した。700℃で炉内をアルゴンガス雰囲気から水素ガス雰囲気へ置換し、昇温し、1100℃で1時間保持し、熱処理を行った。
その後、降温し、700℃で炉内を水素ガス雰囲気からアルゴンガス雰囲気へ置換した後、さらに降温し、シリコンウエハを炉出しするまで、アルゴンガスを炉内に導入し続けた。
そして、シリコンウエハを載置したウエハボートを炉底部の開口部から炉出しするとき、前記開口部とウエハボートの間におけるアルゴンガスの流速が0.1m/sとなるようにして、シリコンウエハを炉出しした。
参考のため、図9に、上記熱処理工程における雰囲気ガスと温度の状態の流れを示す。
熱処理後のシリコンウエハの表面について、AFMにより3μm×3μm領域の表面の凹凸像および表面粗さRmsを測定した。
図1に、AFM観察によるシリコンウエハの表面凹凸像を示す。
[実施例2]
熱処理温度1100℃を1200℃に変えて、それ以外については、実施例1と同様の条件にて、シリコンウエハの熱処理を行った。
熱処理後のシリコンウエハの表面について、AFMにより3μm×3μm領域の表面の凹凸像および表面粗さRmsを測定した。
図2に、AFM観察によるシリコンウエハの表面凹凸像を示す。
[比較例1]
熱処理温度1100℃を1000℃に変えて、それ以外については、実施例1と同様の条件にて、シリコンウエハの熱処理を行った。
熱処理後のシリコンウエハの表面について、AFMにより3μm×3μm領域の表面の凹凸像および表面粗さRmsを測定した。
図3に、AFM観察によるシリコンウエハの表面凹凸像を示す。
図1〜3の写真から、熱処理温度が1000℃の場合(比較例1)は、シリコンウエハ表面にはステップ・テラス構造が形成されていなかったが、熱処理温度が1100℃または1200℃の場合(実施例1,2)は、ステップ・テラス構造が明瞭に確認された。
表面粗さRmsは、熱処理温度が1000℃の場合(比較例1)は0.158nmであるのに対して、1100℃の場合(実施例1)は0.047nm、1200℃の場合(実施例2)は0.049nmであり、1100℃以上の場合に表面粗さが低減することが認められた。
なお、図2の写真においては、熱処理温度が1100℃の場合(実施例1)、ステップ・テラス構造のステップのラインが右肩上がりであり、一方、図3の写真においては、熱処理温度が1200℃の場合(実施例2)、ステップ・テラス構造のステップのラインが左肩上がりとなっているが、これは、オフ角を傾ける方向がウエハによってわずかに相違したことによるものである。
[実施例3]
実施例2と同様にして熱処理したシリコンウエハの表面について、AFMにより3μm×3μm領域の表面の凹凸像および表面粗さRmsを測定した。
図4に、AFM観察によるシリコンウエハの表面凹凸像を示す。
なお、実施例2と結果に差異があるのは、単なるウエハの個体差によるものと思われる。
参考例1
雰囲気を常時アルゴンガスとし、それ以外は実施例3と同様の条件にて、熱処理を行った。 熱処理後のシリコンウエハの表面について、AFMにより3μm×3μm領域の表面の凹凸像および表面粗さRmsを測定した。
図5に、AFM観察によるシリコンウエハの表面凹凸像を示す。
[比較例2]
昇温前700℃で炉内を窒素ガス雰囲気から水素ガス雰囲気へ置換して熱処理し、降温後700℃で炉内を水素ガス雰囲気から窒素ガス雰囲気へ置換し、それ以外は実施例3と同様の条件にて、熱処理を行った。
熱処理後のシリコンウエハの表面について、AFMにより3μm×3μm領域の表面の凹凸像および表面粗さRmsを測定した。
図6に、AFM観察によるシリコンウエハの表面凹凸像を示す。
[比較例3]
昇温前700℃で炉内を窒素ガス雰囲気からアルゴンガス雰囲気へ置換して熱処理し、降温後700℃で炉内をアルゴンガス雰囲気から窒素ガス雰囲気へ置換し、それ以外は実施例3と同様の条件にて、熱処理を行った。
熱処理後のシリコンウエハの表面について、AFMにより3μm×3μm領域の表面の凹凸像および表面粗さRmsを測定した。
図7に、AFM観察によるシリコンウエハの表面凹凸像を示す。
図4〜7の写真から、水素ガス雰囲気下での熱処理において、置換ガスにより表面のステップ・テラス構造が大きく異なり、置換ガスをアルゴンとした場合(実施例3)、ステップラインは波状となり、置換ガスを窒素とした場合(比較例2)、ステップラインはくし歯状であった。
また、アルゴンガス雰囲気下での熱処理において、置換ガスをアルゴン(常時アルゴン)とした場合(参考例1)、ステップラインは波状となり、窒素とした場合(比較例3)、ステップラインがくし歯状と波状の中間の形状を有するステップ・テラス構造が観察された。
また、図8に、図4〜7の写真から測定した表面粗さRmsの比較のグラフを示す。
表面粗さRmsは、水素ガス雰囲気下での熱処理において、窒素ガス置換の場合(比較例2)は0.071nm、アルゴンガス置換の場合(実施例3)は0.054nmであり、また、アルゴンガス雰囲気下での熱処理において、窒素ガス置換の場合(比較例3)は0.062nm、アルゴンガス置換(常時アルゴンガス)の場合(参考例1)は0.054nmであった。
ステップ・テラスの形状が置換ガスによって異なることから、表面粗さも異なり、所定温度における置換ガスをアルゴンとすることによって、表面粗さRmsを0.06nm以下に低減することができることが認められた。
なお、降温時における炉内雰囲気を置換する際の温度は、上記の実施例および比較例では、いずれも700℃としたが、500℃とした場合においても、同等の効果が得られることが確認された。
[実施例
実施例3と同様の条件にて、熱処理を行った後、降温し、700℃で炉内を水素ガス雰囲気からアルゴンガス雰囲気に置換した。
置換完了後、ウエハボートの炉出し時に炉底部の開口部における流出ガス流速を変化させ、各ガス速度で炉出ししたシリコンウエハの表面粗さRmsをそれぞれ測定した。
図10に炉底部の開口部における流出ガス流速とシリコンウエハの表面粗さの関係をグラフで示す。
なお、上述の実施例1〜で示した表面粗さの値との差異は、単なるウエハの個体差によるものと思われる。
[比較例4]
実施例3と同様の条件にて、熱処理を行った後、降温し、700℃で炉内を水素ガス雰囲気から窒素ガス雰囲気へ置換した。
置換完了後、ウエハボートの炉出し時に炉底部の開口部における流出ガス流速を変化させ、各ガス速度で炉出ししたシリコンウエハの表面粗さRmsをそれぞれ測定した。
図10に、炉底部の開口部における流出ガス流速とシリコンウエハの表面粗さの関係を実施例と併せて、グラフで示す。
図10に示したグラフから、シリコンウエハの炉出し時の炉内雰囲気は、窒素ガス(比較例4)よりもアルゴンガス(実施例)の方が、シリコンウエハの表面の平坦度が維持され、また、シリコンウエハが炉から出るまでアルゴンガスを炉内に導入し続けることが好ましいことが認められた。
上記実施例および比較例においては、表面粗さの低減の効果と表面構造の相違をより明瞭に示すために、0.03°と小さいオフ角でスライスしたシリコンウエハを用いたが、本発明は、オフ角の大きさに制限されるものではなく、オフ角を大きくした場合においても、シリコンウエハの表面粗さの低減効果が得られるものである。
実施例1に係るシリコンウエハの表面(3μm×3μm)のAFM像写真である。 実施例2に係るシリコンウエハの表面(3μm×3μm)のAFM像写真である。 比較例1に係るシリコンウエハの表面(3μm×3μm)のAFM像写真である。 実施例3に係るシリコンウエハの表面(3μm×3μm)のAFM像写真である。 参考例1に係るシリコンウエハの表面(3μm×3μm)のAFM像写真である。 比較例2に係るシリコンウエハの表面(3μm×3μm)のAFM像写真である。 比較例3に係るシリコンウエハの表面(3μm×3μm)のAFM像写真である。 図4〜7のAFM像写真における各表面粗さRmsのグラフである。 実施例における熱処理工程を説明するための流れ図である。 シリコンウエハの炉出し時の炉内雰囲気がアルゴンガスの場合(実施例)と窒素ガスの場合(比較例4)について、炉底部の開口部における流出ガス流速とシリコンウエハの表面粗さの関係を示したグラフである。

Claims (4)

  1. シリコンウエハの表面にステップ・テラス構造を形成するシリコンウエハの熱処理方法において、シリコンウエハを、不活性ガス雰囲気の熱処理炉内に装填し、炉内を還元性ガス雰囲気へ置換し、昇温し、1100℃以上で熱処理した後、降温し、炉内温度が500℃以上の段階で炉内雰囲気をアルゴンガスとし、シリコンウエハを炉出しするまでの降温時にアルゴンガスを炉内に導入し続けることにより、前記シリコンウエハの表面のステップ・テラス構造を保持し、かつ、3μm×3μm当たりの2乗平均粗さRmsが0.06nm以下となるようにすることを特徴とするシリコンウエハの熱処理方法。
  2. 少なくとも前記シリコンウエハを載置したウエハボートのウエハ載置部全体が炉外に出るまで、アルゴンガスを炉内に導入し続けることを特徴とする請求項1記載のシリコンウエハの熱処理方法。
  3. 前記ウエハボートの炉出しの際、該ウエハボート全体が炉内から流出するアルゴンガスによって包囲されていることを特徴とする請求項2記載のシリコンウエハの熱処理方法。
  4. 前記ウエハボートが炉底部から炉出しされる際、炉底部の開口部から流出するアルゴンガスの流速が0.0192m/s以上0.190m/s以下であることを特徴とする請求項3記載のシリコンウエハの熱処理方法。
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