JP5349259B2 - 遠心ブレーキ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、遠心ブレーキ装置に関する。
従来、内周面を固定側ブレーキ面とする非回転に固定されたブレーキドラムと、このブレーキドラム内に2個〜6個程度が放射状に配置された、前記固定側ブレーキ面に当接するシュー側ブレーキ面を外周面とする回転子などにより回転するブレーキシューと、ブレーキシューを前記固定側ブレーキ面から内側に付勢力により引き寄せるバネなどの付勢手段とからなる遠心ブレーキ装置が知られている。
この遠心ブレーキ装置は、付勢手段の付勢力を超える遠心力がブレーキシューに生じると、該ブレーキシューのシュー側ブレーキ面はブレーキドラムの固定側ブレーキ面に当たり押しつけられてブレーキ利き状態となり、ブレーキシューの回転は停止ないし回転速度が低下させられ、よってその回転元である回転子等も強制停止ないし回転速度が低下させられる、が、ブレーキシューの回転速度が低下し遠心力が付勢手段の付勢力より小さいものになると、該付勢力によってブレーキシューは内側に強制的に可動させられてシュー側ブレーキ面は固定側ブレーキ面から離れブレーキ解除状態となり、そうなるとブレーキシューの回転速度は付勢手段の付勢力を超えるところまで増加し、該付勢力を超えたところでブレーキが利き状態になるというものである。(例えば特許文献1)
実用新案登録第3111885号公報
上述した従来技術は、ブレーキシューをブレーキドラムの固定側ブレーキ面から離し付勢力状態としている付勢手段の付勢力によって、ブレーキの利きと解除という利き解除の交互動作が規定されてしまうという欠点を有するものである。
このため例えば、従来技術の遠心ブレーキ装置を、垂直に立て固定されたねじ棒に駆動回転されるナットを螺合させ、このナットの駆動回転による昇降動作によってかごを昇降させるというエレベータのブレーキ装置として使用した場合は、例えば、かごの定速昇降であるナットの定速回転を350回転とし、ナットの回転数が420回転を超えたら該ナットと一体的に回転するようにされているブレーキシューの遠心力が付勢手段の付勢力より大きくなって、ブレーキ利き状態となる設定の場合では、ナットが制動できないフリー状態となったときは、ナットはかごの重さで一気に420回転まで回転速度を上げ、ブレーキが利いてナットの回転数は0となりかごは長い距離急速降下し停止ないし低速降下になり、ナットの回転が落ちると一気に420回転まで回転してかごは長い距離急速降下するという、付勢力に規定されたナットの回転数の高い値での動作であり、よって降下速度および降下距離の長いブレーキの利きと解除の利き解除交互動作になるという欠点を有するものである。このため、ブレーキの利きが無くなってから次のブレーキの利き状態までの時間が長い、降下距離が長い、高回転なので下降速度が速いという、ブレーキ制動時はかごに大きな衝撃を与える危険なブレーキ装置であり、人が搭乗するエレベータ装置には使用でき難いものであった。
本発明は以上のような従来技術の欠点に鑑み、ブレーキシューに所定の遠心力が生じるまではブレーキ動作せず、ブレーキ動作状態では前記所定の遠心力より小さい遠心力によってブレーキ動作が行われる遠心ブレーキを提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は次に述べるような構成としている。
<請求項1記載の発明>
固定側ブレーキ面を有する固定ブレーキと、
前記固定側ブレーキ面に遠心力により当接してブレーキ利き状態とするシュー側ブレーキ面を有する該遠心力により可動するブレーキシュートと、
このブレーキシューを前記遠心力により可動するように放射状に2個以上支持してなる駆動回転されるブレーキボス部と、
このブレーキボス部に設けられた、該ブレーキボス部の回転とともに一体的に回転して生じる前記遠心力が所定の遠心力に達するまで、前記固定側ブレーキ面に前記シュー側ブレーキ面が当接しないシュー規制状態とし、かつ、前記所定の遠心力に達したら前記シュー規制状態を解除したシュー無規制状態として前記ブレーキ利き状態を実現させるとともに、前記シュー無規制状態となった後は該シュー無規制状態でのブレーキ動作である無規制ブレーキ動作が継続することを妨げないシュー規制部とからなることを特徴とする遠心ブレーキ装置である。
<請求項2記載の発明>
シュー規制部が、ブレーキボス部あるいはブレーキシューに固定した先端に掛顎を有する顎付係止部材と、前記掛顎が掛かる前記ブレーキシューあるいは前記ブレーキボス部に設けられた顎掛部とからなる前記シュー規制部であることを特徴とする請求項1記載の遠心ブレーキ装置である。
<請求項3記載の発明>
フック掛部が溝、穴あるいは段差であることを特徴とする請求項2記載の遠心ブレーキ装置である。
<請求項4記載の発明>
ブレーキボス部にブレーキシューに向けて支持部材が突設され、前記ブレーキシューに該ブレーキシューが遠心力により固定側ブレーキ面に向かって可動可能に前記支持部材が挿入された支持部材挿入孔が設けられ、前記ブレーキシューが前記支持部材によって周囲面から浮き形態に支持されてなることを特徴とする請求項1、2のいずれか1項に記載の遠心ブレーキ装置である。
<請求項5記載の発明>
一つのブレーキシューについて複数の支持部材および複数の支持部材挿入孔が設けられ、前記支持部材が前支持部材挿入孔壁との当接部位が略線接触あるいは幅細面接触となる丸棒部材であることを特徴とする請求項4記載の遠心ブレーキ装置である。
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
<請求項1記載の発明の効果>
ブレーキボス部に設けられた、該ブレーキボス部の回転とともに一体的に回転して生じる遠心力が所定の遠心力に達するまで、固定側ブレーキ面にシュー側ブレーキ面が当接しないシュー規制状態とし、かつ、前記所定の遠心力に達したら前記シュー規制状態を解除したシュー無規制状態として前記ブレーキ利き状態を実現させるとともに、前記シュー無規制状態となった後は該シュー無規制状態でのブレーキ動作である無規制ブレーキ動作が継続することを妨げないシュー規制部とからなることを特徴とする遠心ブレーキ装置であるので、次に述べるような効果を奏する。
すなわち例えば、ねじ棒上をナットが駆動回転してかごを昇降させるエレベータ装置に使用した場合にあっては、ナットの定速回転を380回転/分とし、ブレーキシューに所定遠心力が生じるナットの回転数を400回転/分とした設定した条件では次のようになる。
通常運転ではナットは常に定速回転である380回転/分で動作するので、ブレーキシューはシュー規制部によるシュー規制状態が常に維持され、ブレーキが解除された状態(ブレーキが利いていない状態)での運転が行われる。
しかるに、モータが破損する、モータとナットを連絡するベルトやチェーンが切断するなどの何らかの原因で、ナットの制動が利かなくなった場合はつぎのようになる。
かごの重みでナットは回転速度を急速に上昇しながら急降下を始め、回転数が所定回転数である400回転/分に達するとブレーキシューにかかる遠心力は所定遠心力に達してシュー規制部によるブレーキシューの規制が解除され、ブレーキシューはシュー無規制状態となり、遠心力によって可動して固定側ブレーキ面にシュー側ブレーキ面を当接押しつけてブレーキ利き状態として、ナットの回転を停止させるないし低速回転に減速させる。ナットの回転が止まるとかごの荷重によって降下力が働きナットは回転するが、シュー規制部の規制のないシュー無規制状態であるので、ナットの回転が例えば数回から数十回転程度の低速回転でブレーキ利き状態となり、ナットの回転と下降に制動がかかるので、低速回転による低速降下および短い距離での制動となって、制動と制動解除動作を低速回転で小刻みに繰り返しながら低衝撃降下の、降下と低速あるいは停止状態を繰り返しながら自然に低速降下してゆく。
すなわち、いったんシュー規制部の規制が解除されるシュー規制部の規制が無いシュー無規制状態が継続するので、ブレーキシューは例えば数回転から数十回転というような低速回転でブレーキ制動状態を形成するので、かごが所定の降下停止位置(例えば一階のドア位置)に到達するまで、低速回転による低速降下および短い距離での制動となって、制動と制動解除動作を低速回転で小刻みに繰り返しながら、中の人に不安を与えない低衝撃で安全に自然に低速降下して行くというエレベータ装置を実現する。
以上のような効果を奏する本発明の技術的思想は、所定の遠心力(回転数)に達するまではブレーキシューはシュー規制部によって所定の規制位置に止められたシュー規制状態とされ、前記所定の遠心力に達したらブレーキシューの前記シュー規制状態は解除されたシュー無規制状態となってブレーキ制動状態となるとともに、前記シュー無規制状態(シュー規制部による規制に戻らない)となったブレーキシューは前記所定の遠心力よりもはるかに小さい遠心力(回転数)でブレーキ制動が行われるというところにある。
<請求項2記載の発明の効果>
シュー規制部が、ブレーキボス部あるいはブレーキシューに固定した先端に掛顎を有する顎付係止部材と、前記掛顎が掛かる前記ブレーキシューあるいは前記ブレーキボス部に設けられた顎掛部とからなる前記シュー規制部であることを特徴とする請求項1記載の遠心ブレーキ装置であるので、このような構成としても前記請求項1記載の発明と同様な効果を奏するとともに、例えば、ナット回転式のエレベータ装置においては、かごが安全な一階のドアまで降下停止した後は、強制的にブレーキシューを内側に移動させて、再び顎付係止部材の顎をフック掛部に掛け状態としたシュー規制部によるブレーキシューのシュー規制状態にできるという効果を奏する。
<請求項3記載の発明の効果>
フック掛部が溝、穴あるいは段差であることを特徴とする請求項2記載の遠心ブレーキ装置であるので、このような構成としても前記請求項2記載の発明と同様な効果を奏する。
<請求項4記載の発明の効果>
ブレーキボス部にブレーキシューに向けて支持部材が突設され、前記ブレーキシューに該ブレーキシューが遠心力により固定側ブレーキ面に向かって可動可能に前記支持部材が挿入された支持部材挿入孔が設けられ、前記ブレーキシューが前記支持部材によって周囲面から浮き形態に支持されてなることを特徴とする請求項1、2のいずれか1項に記載の遠心ブレーキ装置であるので、請求項1、2いずれかに記載の発明と同様な効果を奏するとともに、ブレーキシューを浮き状態に支持した形態によって、シュー無規制状態でのブレーキシューの動きを摩擦少ない滑らかな動きとすることが可能となり、よって、例えば、ナット回転式のエレベータ装置においては、駆動側の制動が利かなくなったナットにあっては、該ナットの低速回転による弱い遠心力によっても俊敏に可動して、細かいブレーキ制動を利かせながら、衝撃弱く速度遅くかごを安全に一階のドアまで降下させて行くという効果を奏する。
<請求項5記載の発明の効果>
一つのブレーキシューについて複数の支持部材および複数の支持部材挿入孔が設けられ、前記支持部材が前支持部材挿入孔壁との当接部位が略線接触あるいは幅細面接触となる丸棒部材であることを特徴とする請求項4記載の遠心ブレーキ装置であるので、請求項4記載の発明と同様な効果を奏するとともに、丸棒部材である支持部材によってブレーキシューが線接触形態での浮き支持形態とされているので、シュー無規制状態でのブレーキシューの動きが摩擦の少ない滑らかな動作となるので、例えば、ナット回転式のエレベータ装置においては、駆動側の制動が利かなくなったナットにあっては、該ナットの低速回転による弱い遠心力によってもより俊敏に可動して、より細かいブレーキ制動を利かせながら、より衝撃弱くより速度遅くかごを安全に一階のドアまで降下させて行くという効果を奏する。
本発明の実施例1の遠心ブレーキ装置を使用したエレベータ装置の正面図。 本発明の実施例1の遠心ブレーキ装置を使用したエレベータ装置のかご上方の平面図。 本発明の実施例1の遠心ブレーキ装置のシュー規制状態を示す断面図。 本発明の実施例1の遠心ブレーキ装置のブレーキ利き状態を示す断面図。 本発明の実施例1の遠心ブレーキ装置のシュー規制状態を示す平面。 本発明の実施例1の遠心ブレーキ装置のブレーキ利き状態を示す平面。 本発明の実施例1の遠心ブレーキ装置の動作図。 本発明の実施例2の遠心ブレーキ装置のシュー規制状態を示す断面図。 本発明の実施例2の遠心ブレーキ装置のシュー規制状態を示す平面。 本発明の実施例3の遠心ブレーキ装置の動作図。
以下、本発明の実施例を説明する。但し、本発明はそれらに限定されるものではない。
図1ないし図7に示す本発明の実施例1において1はエレベータ装置であって、図1に示すように、このエレベータ装置1は4本の支柱2a〜2dからなる四角体の枠体3と、この枠体3の右側の支柱2a、2bの間に回転しないように吊り状態で垂直に固定されたねじ棒4aと、枠体3の左側の支柱2c、2dの間で回転しないように吊り状態で垂直に固定されたねじ棒4bと、ねじ棒4aに螺合して回転昇降するナット5aと、ねじ棒4bに螺合して回転昇降するナット5bと、ナット5aとナット5bを所定間隔に連結状態としているナット連結ガイド6と、ナット5aと一体化されたプーリ7aと、ナット5bと一体化されたプーリ7bと、ナット5aおよびプーリ7a側に設けられた遠心ブレーキ装置8aと、ナット5bおよびプーリ7b側に設けられた遠心ブレーキ装置8bと、ナット連結ガイド6の上方に固定板9a、9bによって固定され、両端にねじ棒4a、4bを通し移動可能としたねじ棒支持部11a、11bを有して、ねじ棒4a、4bのピッチを所定ピッチに規制するガイドピッチ10と、このガイドピッチ10に取り付けられた駆動モータ12と、この駆動モータ12の駆動軸(回転子)に固定された二溝プーリ13と、この二溝プーリ13とプーリ7a、7bを連絡する歯付ベルト14a、14b(図ではテンションは省略)と、ナット連結ガイド6から4本のワイヤ15によって4箇所(四隅)を吊られるように設けられたかご16とからなっている。
遠心ブレーキ装置8a(遠心ブレーキ装置8bも同じ構造であるので説明を省略する)について、図3ないし図7によって説明する。
ねじ棒4aに螺合してなるナット5aの上部にはプーリ7aが位置され下部にはブレーキボス部20が位置され、プーリ7a、ナット5a、ブレーキボス部20は複数本のボルト21によって一体化されている。
ブレーキボス部20の側面には丸棒部材(楕円丸棒、多角形棒でもよい)からなる8本の支持部材22が、ブレーキボス部20の下降回転向き(下降動作をするときには右回転=時計の針の回転方向)から逃げる傾き(下降回転向きに対して左向き=時計針の逆回転向き)で突出するように設けられている。
支持部材22のブレーキボス部20への取り付けは、ブレーキボス部20に設けた雌ねじが螺刻されたねじ穴23に支持部材22に螺刻した雄ねじを螺合するねじ止め形態としている。この他に溶接によるもの、ねじ穴23をねじの無い単なる通し孔とし、この通し孔に挿入する支持部材22の根本側に該通し孔より拡径のストッパーを設けて抜けないようにしてなるものなどもよい。
ブレーキボス部20の外側には扇形態の金属塊製(合成樹脂製、ゴム製などの他の部材でもよい)のブレーキシュー本体24の外周面にブレーキライニング25を設けたブレーキシュー26が3個、ブレーキボス部20と一体的に回転動作する形態で、1個のブレーキシュー26が2本の支持部材22によって浮かせ形態で放射状に支持されている。ブレーキライニング25の外周面はシュー側ブレーキ面27となっている。
2本の支持部材22によるブレーキシュー26の支持形態は、1個のブレーキシュー26にあってはその内側面から外側面に貫通する支持部材挿入孔28(止まり穴でもよい)が2つ設けられ、この支持部材挿入孔28に支持部材22が挿入され浮き状態に支持する形態となっている。すなわち、ブレーキシュー26の支持形態は丸棒部材からなる二本の支持部材22の上部面による略線接触支持形態であるので、ブレーキシュー26の移動摩擦が小さい形態を実現して、弱い遠心力(少ない回転数)でもブレーキシュー26の移動動作を実現させることを可能としている。
ブレーキシュー26の外側には円筒形態の固定ブレーキ29がナット連結ガイド6に固定形態で設けられ、その内側面を固定側ブレーキ面30としている。固定側ブレーキ面30にはシュー側ブレーキ面27が当接してブレーキ制動状態を形成する。
一部材によりナット5aとブレーキボス部20が一体形成されてなるもの、また、プーリ7a、ナット5a、ブレーキボス部20が一部材により一体形成されてなるものも本願発明の技術的範疇のものである。
ブレーキボス部20の側面には先端に掛顎32を有する平板棒形態の顎付係止部材33がブレーキシュー26の底部に突設され、ブレーキシュー26の底面には掛顎32が掛かる凹(凸でもよい)により形成された顎掛部位34が設けられていて、顎付係止部材33と顎掛部位34とによってシュー規制部35を形成している。
顎掛部位は凸形態のものでもよいし、この場合は、凸形態の顎掛部位に掛かる掛顎32でもよいし、あるいは掛顎3に替えて凸形態を嵌める環形態でもよいなど多様な形態のものがある。
シュー規制部35は次のように機能するものである。
すなわち、ブレーキボス部20の回転とともに一体的に回転して生じる遠心力(回転数)が所定の遠心力(回転数:例えば400回転)に達するまで、顎付係止部材33が顎掛部位34から外れない掛状態である固定側ブレーキ面30にシュー側ブレーキ面27が当接しないシュー規制状態(図3、図5、図7の(a)図の状態)とし、かつ、所定の遠心力(回転数:例えば400回転)に達したら、顎付係止部材33が顎掛部位34から外れた外れ状態である前記シュー規制状態を解除したシュー無規制状態(図4、図6、図7の(b)図の状態)として、固定側ブレーキ面30にシュー側ブレーキ面27が当接するブレーキ利き状態を実現させるとともに、前記シュー無規制状態となった後は該シュー無規制状態でのブレーキ動作である無規制ブレーキ制動動作が継続することを妨げないものである。
駆動モータ9によるナット5a、5bの定速回転数を例えば380回転としてなる場合、定速回転の380回転ではシュー規制部35によるブレーキシュー26へのシュー規制状態は維持されてブレーキ装置が動作することはない。
歯付ベルト14a、14bが破断する、駆動モータ12の制動が利かなくなるなどの何らかの原因で、ナット5a、5bの制動が利かない状態となった場合には、かご16の重量でナット5a、5bは回転数を急激に上げ急速降下状態となり、ナット5a、5bが所定の遠心力(回転数:例えば400回転)に達したら、シュー規制状態が解除されたシュー無規制状態となり、固定側ブレーキ面30にシュー側ブレーキ面27が当接するブレーキ利き状態を実現させるとともに、前記シュー無規制状態となった後は該シュー無規制状態でのブレーキ動作である無規制ブレーキ動作(無規制ブレーキ制動)が継続する状態となる。
このシュー無規制状態でのブレーキ動作である無規制ブレーキ動作では、ナット5a、5bが例えば数回から数十回転に達するとブレーキ利き状態となりナットの回転および下降が制動され、ナットの回転および下降が制動されると再びナットが回転して下降動作となり数回から数十回転になるとブレーキ利き状態になるという、数回から数十回転でのブレーキ利き制動→数回から数十回転までの回転下降動作→数回から数十回転でのブレーキ利き制動とう動作を繰り返しながら、少しずつ小刻みに安全な所定降下場所まで自動的にかご16を降下させて行く低衝撃の遅い低速降下を実現するものである。
ブレーキシュー26にかかる遠心力は該ブレーキシュー26の重さ、ブレーキシュー26と接する部位の摩擦抵抗などによっても異なるものであり、このことは、シュー無規制状態でのブレーキシュー26の動作も同様な影響を受けそれらにその動作が規制されることは言うまでもない。
図8ないし図9に示す実施例2おいて前記実施例1と主に異なる点は、プーリ7a、ナット5a、ブレーキボス部20が一部材により一体形成されてなる形態とし、支持部材を半楕円板形態とし且つその上部面と底面に転がし玉40を複数有する支持部材41とし、支持部材挿入孔も支持部材41と略同形状の支持部材挿入孔42とした遠心ブレーキ装置43aを形成した点にある。
実施例1、2以外のブレーキシュー26の支持方法として、ブレーキボス20に放射状に羽形態である3枚の支持部材によって行う形態とし、この支持部材の間にブレーキシュー26を収め、固定ブレーキ29の天井部を板部材で塞ぐ構成の遠心ブレーキ装置とするのもよい。この場合、ブレーキシュー26底部と天井部に複数個の転がし玉40を設けるのがよい。
シュー規制部は所定の遠心力あるいは回転数に到達したら該シュー規制部によるブレーキシューの規制が解除されたシュー無規制状態となり、該規制解除後は該シュー無規制状態でのブレーキ制動が機能することを技術的思想としているものであるから、このような機能を実現する構成、形態、方法であるならどのような方法でもよいことはいうまでもない。例えてあげるなら、所定の遠心力あるいは回転数に到達したら切断するものによるもの、掛部が破断するもの、一方が雌嵌合で他方が該雌嵌合部に嵌る雄嵌合からなる着脱嵌合形態によるものなどが考えられる。
図10に示す実施例3おいて前記実施例1と主に異なる点は、支持部材挿入孔28にカールベアリング(金属板(SUS316)にピラフロンの薄いフィルムを特殊な方法で強固に接合した原板を巻き、ブッシュ状にカールした無給油軸受)、リニアベアリング、無給油滑り軸受、無給油潤滑性ベアリングなどの滑り軸受50を挿入し、この滑り軸受50に支持部材22を通した構成とした点にある。
支持部材挿入孔28と滑り軸受50の間にはガタツつきを生じるような隙間はなく、且つ、滑り軸受50と支持部材22の間にもガタツつきが生じるような隙間はない。これによって、ブレーキシュー26は定速回転中は確りと支持されたた状態によってガタツつきを(ガタガタという音)生じることがなく、よってガタツつきによるガタツつき音が生じない構成を実現するとともに、シュー無規制状態になると、ブレーキシュー26は滑り軸受50はわずかな遠心力でもブレーキ制動状態を形成して、より滑らかでゆっくりとしたかご16の下降を実現する。
本願発明はエレベータ装置など遠心ブレーキを使用する産業で利用される。
1:エレベータ装置、
2a〜2d:支柱、
3:枠体、
4a、4b:ねじ棒、
5a、5b:ナット、
6:ナット連結ガイド、
7a、7b:プーリ、
8a、8b:遠心ブレーキ装置、
9a、9b:固定板、
10:ガイドピッチ、
11a、11b:ねじ棒支持部、
12:駆動モータ、
13:二溝プーリ、
14a、14b:歯付ベルト、
15:ワイヤ、
16:かご、
20:ブレーキボス部、
21:ボルト、
22:支持部材、
23:ねじ穴、
24:ブレーキシュー本体、
25:ブレーキライニング、
26:ブレーキシュー、
27:シュー側ブレーキ面、
28:支持部材挿入孔、
29:定ブレーキ、
30:固定側ブレーキ面、
32:掛顎、
33:顎付係止部材、
34:顎掛部位、
35:シュー規制部、
40:転がし玉、
41:支持部材、
42:支持部材挿入孔、
43:遠心ブレーキ装置、
50:滑り軸受。

Claims (5)

  1. 固定側ブレーキ面を有する固定ブレーキと、
    前記固定側ブレーキ面に遠心力により当接してブレーキ利き状態とするシュー側ブレーキ面を有する該遠心力により可動するブレーキシュートと、
    このブレーキシューを前記遠心力により可動するように放射状に2個以上支持してなる駆動回転されるブレーキボス部と、
    このブレーキボス部に設けられた、該ブレーキボス部の回転とともに一体的に回転して生じる前記遠心力が所定の遠心力に達するまで、前記固定側ブレーキ面に前記シュー側ブレーキ面が当接しないシュー規制状態とし、かつ、前記所定の遠心力に達したら前記シュー規制状態を解除したシュー無規制状態として前記ブレーキ利き状態を実現させるとともに、前記シュー無規制状態となった後は該シュー無規制状態でのブレーキ動作である無規制ブレーキ動作が継続することを妨げないシュー規制部とからなることを特徴とする遠心ブレーキ装置。
  2. シュー規制部が、ブレーキボス部あるいはブレーキシューに固定した先端に掛顎を有する顎付係止部材と、前記掛顎が掛かる前記ブレーキシューあるいは前記ブレーキボス部に設けられた顎掛部とからなる前記シュー規制部であることを特徴とする請求項1記載の遠心ブレーキ装置。
  3. フック掛部が溝、穴あるいは段差であることを特徴とする請求項2記載の遠心ブレーキ装置。
  4. ブレーキボス部にブレーキシューに向けて支持部材が突設され、前記ブレーキシューに該ブレーキシューが遠心力により固定側ブレーキ面に向かって可動可能に前記支持部材が挿入された支持部材挿入孔が設けられ、前記ブレーキシューが前記支持部材によって周囲面から浮き形態に支持されてなることを特徴とする請求項1、2のいずれか1項に記載の遠心ブレーキ装置。
  5. 一つのブレーキシューについて複数の支持部材および複数の支持部材挿入孔が設けられ、前記支持部材が前支持部材挿入孔壁との当接部位が略線接触あるいは幅細面接触となる丸棒部材であることを特徴とする請求項4記載の遠心ブレーキ装置。
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