JP5347540B2 - 低温靭性に優れた厚肉高張力熱延鋼板およびその製造方法 - Google Patents
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Description
これら高強度溶接鋼管には、ラインパイプの破壊を防止する観点から、同時に優れた低温靭性を保持することが要求されている。このような強度と靭性とを兼備した鋼管を製造するために、鋼管素材である鋼板では、熱間圧延後の加速冷却を利用した変態強化や、Nb、V、Ti等の合金元素の析出物を利用した析出強化等による高強度化と、制御圧延等を利用した組織の微細化等による高靭性化が図られてきた。
質量%で、0.04〜0.05%C−0.15〜0.25%Si−0.90〜1.20%Mn−0.005〜0.007%P−0.0003〜0.0006%S−0.035〜0.045%Al−0.045〜0.055%Nb−0.010〜0.015%Tiを含む鋼素材に、熱間圧延を施し、熱延板(板厚:15.9mm)としたのち、各種の冷却を施しコイル状に巻き取った。得られた熱延板から、組織観察用試験片と、引張試験片、衝撃試験片を採取し、組織と強度、靭性との関係を調査した。得られた結果を、シャルピー衝撃試験の破面遷移温度Trs50と粒界セメンタイト量との関係で図1に示す。なお、粒界セメンタイト量は全粒界長さに対する粒界セメンタイト長さの割合(%)で表示した。
(1)質量%で、C:0.02〜0.25%、Si:1.0%以下、Mn:0.3〜2.3%、P:0.03%以下、S:0.03%以下、Al:0.1%以下、Nb:0.03〜0.25%、Ti:0.001〜0.10%を含み、かつNb、Ti、Cが次(1)式
(Ti+Nb/2)/C < 4 ‥‥(1)
(ここで、Ti、Nb、C:各元素の含有量(質量%))
を満足するように含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成の鋼素材に、粗圧延、仕上圧延からなる熱間圧延を施し、熱延板とするにあたり、前記仕上圧延終了後に、30℃/s以上の表面平均冷却速度で表面温度が500℃以下となるまで加速冷却する第一の冷却工程と、該第一の冷却工程終了後、10s以内の間、空冷する第二の冷却工程と、さらに、10℃/s以上の板厚中心の平均冷却速度で板厚中心で350℃以上600℃未満の温度域の温度まで加速冷却する第三の冷却工程を施し、該第三の冷却工程後に、巻取温度を板厚中心で350℃以上600℃未満として、コイル状に巻き取り、表面から板厚方向に1mmまでの領域が、体積率で50%を超えるマルテンサイト相を含有する組織を有する厚肉熱延鋼板とすることを特徴とする低温靭性に優れた引張強さ:535MPa以上で、板厚:8.7mm以上35.4mm以下の厚肉高張力熱延鋼板の製造方法。
(2)(1)において、前記第三の冷却工程における加速冷却を、全面核沸騰で、熱流速が1.0Gcal/m2hr以上である冷却とすることを特徴とする厚肉高張力熱延鋼板の製造方法。
(3)(1)または(2)において、前記組成に加えてさらに、質量%で、V:1.0%以下、Mo:1.5%以下、Cr:1.0%以下、Ni:4.0%以下、Cu:2.0%以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する組成とすることを特徴とする厚肉高張力熱延鋼板の製造方法。
(4)(1)ないし(3)のいずれかにおいて、前記組成に加えてさらに、質量%で、Ca:0.01%以下、REM:0.02%以下の1種または2種を含有する組成とすることを特徴とする厚肉高張力熱延鋼板の製造方法。
(5)質量%で、C:0.02〜0.25%、Si:1.0%以下、Mn:0.3〜2.3%、P:0.03%以下、S:0.03%以下、Al:0.1%以下、Nb:0.03〜0.25%、Ti:0.001〜0.10%を含み、かつNb、Ti、Cが次(1)式
(Ti+Nb/2)/C < 4 ‥‥(1)
(ここで、Ti、Nb、C:各元素の含有量(質量%))
を満足するように含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成と、表面から板厚方向に1mmまでの領域が、体積率で50%を超えるマルテンサイト相を含有し、結晶粒界に析出する粒界セメンタイト量が全粒界長さに対する粒界セメンタイト長さの比率で10%以下である組織とを有することを特徴とする低温靭性に優れた引張強さ:535MPa以上で、板厚:8.7mm以上35.4mm以下の厚肉高張力熱延鋼板。
(6)(5)において、前記組成に加えてさらに、質量%で、V:1.0%以下、Mo:1.5%以下、Cr:1.0%以下、Ni:4.0%以下、Cu:2.0%以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する組成とすることを特徴とする厚肉高張力熱延鋼板。
(7)(5)または(6)において、前記組成に加えてさらに、質量%でCa:0.01%以下、REM:0.02%以下の1種または2種を含有する組成とすることを特徴とする厚肉高張力熱延鋼板。
C:0.02〜0.25%
Cは、鋼の強度を上昇させる作用を有する元素であり、本発明では所望の高強度を確保するために、0.02%以上の含有を必要とする。一方、0.25%を超える過剰な含有は、パーライト等の第二相の組織分率を増大させ、母材靭性および溶接熱影響部靭性を低下させる。このため、Cは0.02〜0.25%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.03〜0.10%である。
Siは、脱酸剤として作用するとともに、固溶強化、焼入れ性の向上を介して、鋼の強度を増加させる作用を有する。このような効果は0.01%以上の含有で認められる。一方、1.0%を超える含有は、電縫溶接時にSiを含有する酸化物を形成し、溶接部品質を低下させるとともに、溶接熱影響部靭性を低下させる。このため、Siは1.0%以下に限定した。なお、好ましくは0.2〜0.5%である。
Mnは、焼入性を向上させる作用を有し、焼入性向上を介し鋼板の強度を増加させる。また、Mnは、MnSを形成しSを固定することにより、Sの粒界偏析を防止してスラブ(鋼素材)割れを抑制する。このような効果を得るためには、0.3%以上の含有を必要とする。一方、2.3%を超える含有は、溶接性、耐HIC性を低下させる。また、多量のMn含有は、スラブ鋳造時の凝固偏析を助長し、鋼板にMn濃化部を残存させ、セパレーションの発生を増加させる。このMn濃化部を消失させるには、1300℃を超える温度に加熱する必要があり、このような熱処理を工業的規模で実施することは現実的でない。このため、Mnは0.3〜2.3%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.5〜2.0%である。
Pは、鋼中に不純物として不可避的に含まれるが、鋼の強度を上昇させる作用を有する。しかし、0.03%を超えて過剰に含有すると溶接性が低下する。このため、Pは0.03%以下に限定した。なお、好ましくは0.01%以下である。
S:0.03%以下
Sは、Pと同様に鋼中に不純物として不可避的に含まれるが、0.03%を超えて過剰に含有すると、スラブ割れを生起させるとともに、熱延鋼板においては粗大なMnSを形成し、延性の低下を生じさせる。このため、Sは0.03%以下に限定した。なお、好ましくは0.01%以下である。
Alは、脱酸剤として作用する元素であり、このような効果を得るためには、0.01%以上含有することが望ましい。一方、0.1%を超える含有は、電縫溶接時の、溶接部の清浄性を著しく損なう。このため、Alは0.1%以下に限定した。なお、好ましくは0.08%以下である。
Nbは、オーステナイト粒の粗大化、再結晶を抑制する作用を有する元素であり、熱間仕上圧延におけるオーステナイト未再結晶温度域圧延を可能にするとともに、炭窒化物として微細析出することにより、溶接性を損なうことなく、少ない含有量で熱延鋼板を高強度化する作用を有する。このような効果を得るためには、0.03%以上の含有を必要とする。一方、0.25%を超える過剰な含有は、熱間仕上圧延中の圧延荷重の増大をもたらし、熱間圧延が困難となる場合がある。このため、Nbは0.03〜0.25%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.04〜0.10%である。
Tiは、窒化物を形成しNを固定しスラブ(鋼素材)割れを防止する作用を有するとともに、炭化物として微細析出することにより、鋼板を高強度化させる。このような効果は、0.001%以上の含有で顕著となるが、0.10%を超える含有は析出強化により降伏点が著しく上昇する。このため、Tiは0.001〜0.1%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.01〜0.08%である。
(Ti+(Nb/2))/C<4 ‥‥(1)
を満足するようにNb、Ti、Cの含有量を調整する。
Nb、Tiは、炭化物形成傾向の強い元素で、C含有量が低い場合にはほとんどのCが炭化物となり、フェライト粒内の固溶C量が激減することが想定される。フェライト粒内の固溶C量の激減は、パイプライン施工時の鋼管の円周溶接性に悪影響を及ぼす。フェライト粒内の固溶C量が極度に低減した鋼板を用いて製造された鋼管をラインパイプとして、円周溶接を行った場合には、熱影響部(HAZ)の粒成長が顕著となり、円周溶接部のHAZ靭性が低下する恐れがある。このため、本発明では、Nb、Ti、Cを(1)式を満足するように調整して含有させる。これにより、フェライト粒内の固溶C量を10ppm以上とすることが可能となり、円周溶接部のHAZ靭性の低下を防止できる。また、Nb、Tiは、結晶粒界へのセメンタイトの析出を抑制する作用を有し、これにより低温靭性が著しく改善する。
V:1.0%以下、Mo:1.5%以下、Cr:1.0%以下、Ni:4.0%以下、Cu:2.0%以下のうちから選ばれた1種または2種以上
V、Mo、Cr、Ni、Cuはいずれも、焼入れ性を向上させ、鋼板の強度を増加させる元素であり、必要に応じて1種または2種以上を選択して含有できる。
Moは、焼入性を向上させるとともに、炭窒化物を形成して鋼板を高強度化する作用を有する元素であり、このような効果は0.01%以上の含有で顕著となる。一方、1.5%を超える多量の含有は、溶接性を低下させる。このため、Moは1.5%以下に限定することが好ましい。なお、より好ましくは0.1〜1.0%である。
Niは、焼入性を向上させ、鋼の強度を増加させるとともに、鋼板の靭性をも向上させる作用を有する元素である。このような効果を得るためには、0.01%以上含有することが望ましい。一方、4.0%を超えて含有しても、効果が飽和し含有量に見合う効果が期待できなくなり経済的に不利となる。このため、Niは4.0%以下に限定することが好ましい。なお、より好ましくは0.1〜1.0%である。
Ca:0.01%以下、REM:0.02%以下の1種または2種
Ca、REMはいずれも、展伸した粗大な硫化物を球状の硫化物とする硫化物の形態制御に寄与する元素であり、必要に応じて選択して含有できる。このような効果を得るためには、Ca:0.001%以上、REM:0.001%以上含有することが望ましいが、Ca:0.01%、REM:0.02%を超える多量の含有は、鋼板の清浄度を低下させる。このため、Ca:0.01%以下、REM:0.02%以下に限定することが好ましい。
なお、不可避的不純物としては、O:0.005%以下、N:0.008%以下が許容できる。
O:0.005%以下
Oは、鋼中では各種の酸化物を形成し、熱間加工性、耐食性、靭性等を低下させる。このため、できるだけ低減することが望ましいが、極端な低減は精錬コストの高騰を招くため、0.005%までは許容できる。
Nは、鋼中に不可避的に含まれる元素であるが、過剰な含有はスラブ鋳造時の割れを多発させるため、できるだけ低減することが望ましいが、0.008%までは許容できる。
なお、鋼素材の製造方法としては、上記した組成の溶鋼を転炉等の常用の溶製方法で溶製し、連続鋳造法等の常用の鋳造方法でスラブ等の鋼素材とすることが好ましいが、本発明では、これに限定されることはない。
熱間圧延は、鋼素材を加熱し、シートバーとする粗圧延と、該シートバーを熱延鋼板とする仕上圧延とからなる。
鋼素材の加熱温度は、熱延鋼板に圧延することが可能な温度であればよく、とくに限定する必要はないが、1000〜1300℃の範囲の温度とすることが好ましい。加熱温度が1000℃未満では、変形抵抗が高く圧延負荷が増大し圧延機への負荷が過大となりすぎる。一方、加熱温度が1300℃を超えて高温になると、結晶粒が粗大して低温靭性が低下するうえ、スケール生成量が増大し、歩留りが低下する。このため、熱間圧延における加熱温度は1000〜1300℃とすることが好ましい。なお、より好ましくは1050〜1250℃である。
得られたシートバーに、さらに仕上圧延を施し、熱延鋼板とする。
仕上圧延では、高靭性化の観点から、仕上圧延終了温度を(Ac3−50℃)以下とし、1000℃以下の温度域での全圧下量(%)を60%以上とすることが好ましい。
第一の冷却工程では、仕上圧延終了後直ちに、30℃/s以上の表面平均冷却速度で表面温度が500℃以下となるまで加速冷却を施す。
第一の冷却工程における加速冷却では、表面温度制御とする。表面平均冷却速度が、30℃/s未満では、ポリゴナルフェライトが析出し、所望の高強度化、高靭性化を達成できない。なお、好ましい表面平均冷却速度は100〜300℃/sである。また、第一の冷却工程では、加速冷却の冷却停止温度は表面温度で500℃以下の温度とする。冷却停止温度が500℃を超えると、表層領域での変態が完了しない恐れがあり、その後の冷却工程でさらに低温変態生成物に変態し、所望の高靭性化が期待できなくなる。
この空冷中に、中心部が保有する熱により表層が復熱し、表層が焼戻しされるため、表層の低硬度化を促進できる。また、空冷することにより、その後の冷却で、板厚中心の冷却が促進されるという効果もある。なお、空冷時間を10sを超えて長くしても、効果が飽和するうえ、生産性が低下する。このため、空冷時間は10s以内に限定した。生産性向上の観点からは、好ましくは0.7s以下である。
板厚中心の平均冷却速度が、10℃/s未満では、ポリゴナルフェライト、パーライトが析出しやすくなり、所望の高強度化、高靭性化を達成できない。なお、板厚中心の平均冷却速度の上限は、使用する冷却装置の能力に依存して決定されるが、反り等の鋼板形状の悪化を伴わない100℃/s以下とすることが好ましい。
上記したような加速冷却は、板厚中心の温度が350℃以上600℃未満の温度域の温度(冷却停止温度)となるまで行う。冷却停止温度がこの範囲を外れると、加速冷却後、コイル状に巻き取ったのちに、所定温度域で所定時間以上の保持ができなくなり、所望の高強度、高靭性を確保できなくなる。
上記した冷却停止温度で加速冷却を停止し、上記した巻取温度でコイル状に巻取ることにより、350℃以上600℃未満の温度域で30min以上の保持、滞留が可能となり、板内部では析出強化が促進され、所望の高強度、高靭性を確保できるようになる。
得られた熱延鋼板から、試験片を採取し、組織観察、引張試験、衝撃試験、円周溶接試験を実施し、引張特性、靭性、円周溶接性を評価した。試験方法はつぎのとおりとした。
(1)組織観察
得られた熱延鋼板から組織観察用試験片を採取し、圧延方向断面を研磨し、ナイタール腐食して、光学顕微鏡(倍率:1000倍)または走査型電子顕微鏡(倍率:1000倍)で、表層、板厚中心位置の各位置で、各10視野以上観察し、組織の種類、およびその組織分率を測定した。なお、粒界セメンタイト量は、各視野内で、全粒界長さおよび粒界に析出したセメンタイト長さの合計(全粒界セメンタイト長さ)を測定し、(全粒界セメンタイト長さ)/(全粒界長さ)×100を用いて、粒界セメンタイト量(%)を算出した。
(2)引張試験
得られた熱延鋼板から、圧延方向に直交する方向(C方向)が長手方向となるように、API−5Lの規定に準拠して、室温で引張試験を実施し、降伏強さYS、引張強さTSを求めた。
(3)衝撃試験
得られた熱延鋼板の板厚中央部から、圧延方向に直交する方向(C方向)が長手方向となるようにVノッチ試験片を採取し、JIS Z 2242の規定に準拠してシャルピー衝撃試験を実施し、試験温度:−80℃における吸収エネルギーvE-80(J)を求めた。
(4)円周溶接試験
円周溶接性はy形溶接割れ試験を用いて評価した。得られた熱延鋼板から、試験片を採取し、JIS Z 3158の規定に準拠して室温で試験溶接を実施し、溶接継手を作製し、溶接部の割れ発生の有無を調査した。割れが発生した場合を×、割れの発生が無い場合を○として円周溶接性を評価した。
Claims (7)
- 質量%で、
C:0.02〜0.25%、 Si:1.0%以下、
Mn:0.3〜2.3%、 P:0.03%以下、
S:0.03%以下、 Al:0.1%以下、
Nb:0.03〜0.25%、 Ti:0.001〜0.10%
を含み、かつNb、Ti、Cが下記(1)式を満足するように含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成の鋼素材に、粗圧延、仕上圧延からなる熱間圧延を施し、熱延板とするにあたり、
前記仕上圧延終了後に、30℃/s以上の表面平均冷却速度で表面温度が500℃以下となるまで加速冷却する第一の冷却工程と、該第一の冷却工程終了後、10s以内の間、空冷する第二の冷却工程と、さらに、10℃/s以上の板厚中心の平均冷却速度で板厚中心で350℃以上600℃未満の温度域の温度まで加速冷却する第三の冷却工程を施し、
該第三の冷却工程後に、巻取温度を板厚中心で350℃以上600℃未満として、コイル状に巻き取り、
表面から板厚方向に1mmまでの領域が、体積率で50%を超えるマルテンサイト相を含有する組織を有する厚肉熱延鋼板とする
ことを特徴とする低温靭性に優れた引張強さ:535MPa以上で、板厚:8.7mm以上35.4mm以下の厚肉高張力熱延鋼板の製造方法。
記
(Ti+Nb/2)/C < 4 ‥‥(1)
ここで、Ti、Nb、C:各元素の含有量(質量%) - 前記第三の冷却工程における加速冷却を、全面核沸騰で、熱流速が1.0Gcal/m2hr以上である冷却とすることを特徴とする請求項1に記載の厚肉高張力熱延鋼板の製造方法。
- 前記組成に加えてさらに、質量%で、V:1.0%以下、Mo:1.5%以下、Cr:1.0%以下、Ni:4.0%以下、Cu:2.0%以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する組成とすることを特徴とする請求項1または2に記載の厚肉高張力熱延鋼板の製造方法。
- 前記組成に加えてさらに、質量%で、Ca:0.01%以下、REM:0.02%以下の1種または2種を含有する組成とすることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の厚肉高張力熱延鋼板の製造方法。
- 質量%で、
C:0.02〜0.25%、 Si:1.0%以下、
Mn:0.3〜2.3%、 P:0.03%以下、
S:0.03%以下、 Al:0.1%以下、
Nb:0.03〜0.25%、 Ti:0.001〜0.10%
を含み、かつNb、Ti、Cが下記(1)式を満足するように含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成と、表面から板厚方向に1mmまでの領域が、体積率で50%を超えるマルテンサイト相を含有し、結晶粒界に析出する粒界セメンタイト量が全粒界長さに対する粒界セメンタイト長さの比率で10%以下である組織とを有することを特徴とする低温靭性に優れた引張強さ:535MPa以上で、板厚:8.7mm以上35.4mm以下の厚肉高張力熱延鋼板。
記
(Ti+Nb/2)/C < 4 ‥‥(1)
ここで、Ti、Nb、C:各元素の含有量(質量%) - 前記組成に加えてさらに、質量%で、V:1.0%以下、Mo:1.5%以下、Cr:1.0%以下、Ni:4.0%以下、Cu:2.0%以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する組成とすることを特徴とする請求項5に記載の厚肉高張力熱延鋼板。
- 前記組成に加えてさらに、質量%でCa:0.01%以下、REM:0.02%以下の1種または2種を含有する組成とすることを特徴とする請求項5または6に記載の厚肉高張力熱延鋼板。
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