JP5346503B2 - 累進屈折力レンズ及びその製造方法 - Google Patents

累進屈折力レンズ及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5346503B2
JP5346503B2 JP2008161700A JP2008161700A JP5346503B2 JP 5346503 B2 JP5346503 B2 JP 5346503B2 JP 2008161700 A JP2008161700 A JP 2008161700A JP 2008161700 A JP2008161700 A JP 2008161700A JP 5346503 B2 JP5346503 B2 JP 5346503B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
power
lens
addition
progressive
wearer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008161700A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010002713A (ja
Inventor
好徳 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikon Essilor Co Ltd
Original Assignee
Nikon Essilor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikon Essilor Co Ltd filed Critical Nikon Essilor Co Ltd
Priority to JP2008161700A priority Critical patent/JP5346503B2/ja
Publication of JP2010002713A publication Critical patent/JP2010002713A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5346503B2 publication Critical patent/JP5346503B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Eyeglasses (AREA)

Description

本発明は、累進屈折力レンズ及びその製造方法に関する。
老視などの視力の補正機能を備えた眼鏡用レンズとしては、単焦点レンズや多焦点レンズ、累進屈折力レンズなどがある。そのレンズの中でも、累進屈折力レンズは、1つのレンズで異なる度数の視野が得られるだけでなく、多焦点レンズのような境目がないため、外観に優れた眼鏡用レンズとしてその需要が高まっている。
従来の眼鏡用レンズは、装用者毎に処方されるレンズのデータ(例えば、球面度数や、乱視度数、加入度など。)によって屈折面の形状が異なるために、受注生産が一般的である。このため、累進屈折力レンズを製造する際は、製造工程の簡略化とコストダウンの必要性から、所定のピッチ(一般的には0.25D刻み)で加入度を異ならせた半製品のレンズ(以下、セミフィニッシュレンズという。)を予め用意しておき、この中から装用者に処方された加入度を有するセミフィニッシュレンズを選択し、選択されたセミフィニッシュレンズの何れかの屈折面(処方面という。)を装用者の処方に合わせて加工し、完成品の眼鏡レンズを得るようにしている。(例えば、特許文献1〜3を参照。)。
また、セミフィニッシュレンズは、予めレンズの一方の屈折面(通常は外面)を加入度に応じて非球面(累進面という。)に加工したものであり、加入度はこの段階で固定されている。そして、セミフィニッシュレンズでは、この加工済みの累進面とは反対側の処方面(通常は内面)を球面又はトーリック面に加工することが行われている。このように、セミフィニッシュレンズは、一定の度数範囲で同じレンズを共用することになるため、加エコストや在庫の減少などのコストダウンに大きな役割を果たしている。
特開平10−175149号公報 特開2004−133024号公報 特許第3845251号公報
ところで、眼鏡等を装用して近視や遠視などに対する屈折矯正を行った人の場合、その矯正度数によって、屈折矯正により生じる見かけ上の調節力と、実際の目の調節力との間に差が生じることがわかっている。
しかしながら、従来の累進屈折力レンズでは、このような屈折矯正を行った人に対して処方加入度を有するセミフィニッシュレンズを使用しても、適正な矯正加入度数が得られなくなるという問題があった。
そこで、本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、装用者の屈折矯正により生じる見かけ上の調節力に応じた適正な矯正加入度数を得ることが可能な累進屈折力レンズ及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る累進屈折力レンズは、遠用度数の入った遠用部と、近用度数の入った近用部と、遠用部と近用部との間で加入度に応じて屈折力が累進的に変化する中間部とを備える累進屈折力レンズであって、装用者の実際の目の調節力と、装用者の屈折矯正により生じる見かけ上の調節力との差に基づいて、加入度が装用者の矯正度数に応じて調整されてなることを特徴とする。
また、本発明に係る累進屈折力レンズの製造方法は、遠用度数の入った遠用部と、近用度数の入った近用部と、遠用部と近用部との間で加入度に応じて屈折力が累進的に変化する中間部とを備える累進屈折力レンズの製造方法であって、所定のピッチで加入度を異ならせてなるセミフィニッシュレンズの中から一のセミフィニッシュレンズを選択し、当該セミフィニッシュレンズの何れか一方の面又は両面に、装用者の実際の目の調節力と、装用者の屈折矯正により生じる見かけ上の調節力との差に基づいて、加入度を装用者の矯正度数に応じて調整する加工を施すことを特徴とする。
以上のように、本発明によれば、装用者の屈折矯正により生じる見かけ上の調節力に応じた適正な矯正加入度数を累進屈折力レンズに与えることが可能であり、このような累進屈折力レンズを製造工程の簡略化を図りつつ、低コストで製造することが可能である。
以下、本発明を適用した累進屈折力レンズ及びその製造方法について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。また、以下の説明において例示される数値等は一例であって、本発明はそれらに必ずしも限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
また、以下の説明において、レンズの「上方」、「下方」、「上下方向」「水平方向」等といった場合は、眼鏡を装用したときのレンズの位置関係に基づくものとし、図面においても、レンズの位置関係(上下左右)は、紙面に対する位置関係(上下左右)と一致するものとする。また、レンズを構成する2つの屈折面のうち、物体側の面を「外面」とし、眼球側の面を「内面」として表すものとする。
本発明が適用される累進屈折力レンズ100は、例えば図1に示すように、遠くを見るときの度数(遠用度数という。)が入った遠用部101が上方に配置され、近くを見るときの度数(近用度数という。)が入った近用部102が下方に配置され、これら遠用部101と近用部102との間で累進的に屈折力が変化する中間部103が配置された構造を有している。なお、この累進焦点レンズ100を眼鏡用レンズ100a(図中実線で示す。)に加工する前(玉摺り加工前の状態)は、図中二点鎖線で示すように平面視で円形状を為している。
累進屈折力レンズ100を製造する際は、製造工程の簡略化とコストダウンの必要性から、所定のピッチ(一般的には0.25D刻み)で加入度を異ならせたセミフィニッシュレンズを予め用意しておき、この中から装用者に処方された加入度を有する一のセミフィニッシュレンズを選択し、この選択された一のセミフィニッシュレンズの何れかの屈折面(処方面という。)を装用者の処方に合わせて加工し、最終的に眼鏡レンズ100aを得ている。
セミフィニッシュレンズは、予めレンズの一方の屈折面(通常は外面)を加入度に応じて非球面(累進面という。)に加工したものであり、加入度はこの段階で固定されている。そして、セミフィニッシュレンズでは、この加工済みの累進面とは反対側の処方面(通常は内面)を球面又はトーリック面に加工することが行われている。
ここで、加入度とは、遠用度数に対して近用部へ加入した度数のことであり、遠用度数と近用度数との差で表される値である。また、セミフィニッシュレンズの加入度は、「最低加入度〜最高加入度」(例えば、0.50D〜4.00D)で表記され、この範囲で加入度を0.25D刻みで異ならせたセミフィニッシュレンズが予め用意されている。
また、加入度は、表面屈折力により定義される値を用いることができる。又は、装用者が装用した状態での屈折力により定義される値を用いることができる。
本発明を適用した累進屈折力レンズ100は、このような加入度を所定のピッチで異ならせてなる複数のセミフィニッシュレンズの中から一のセミフィニッシュレンズを選択した後に、この選択されたセミフィニッシュレンズの何れか一方の面又は両面に、装用者の矯正度数に応じて加入度を調整する加工が施されてなることを特徴とする。
具体的に、加入度が装用者の矯正度数に応じて調整されてなる累進屈折力レンズ100には、装用者の屈折矯正により生じる見かけ上の調節力に基づいて加入度を調整する加工が施されている。
上述したように、眼鏡等を装用して近視や遠視などに対する屈折矯正を行った人の場合、その矯正度数によって、屈折矯正により生じる見かけ上の調節力と、実際の目の調節力との間に差が生じることがわかっている。
ここで、装用者の屈折矯正により生じる見かけ上の調節力(Acc)[D]は、実際の目の調節力をAc[D]、目とレンズとの距離をL[m]と、装用者の矯正度数をR[D]としたときに、下記式(1)又は(2)により求まる値である。
Acc=Ac(1−L・R) …(1)
Acc=Ac(1−2L・R) …(2)
本発明を適用した累進屈折力レンズ100では、この屈折矯正により生じる見かけ上の調節力Accに基づいて、加入度を下記[1],[2]のように調整する。すなわち、
[1] 装用者の矯正度数が遠用部101においてプラス(+)となる場合は、実際の調節力よりも見かけ上の調節力が小さくなる(Acc<Ac)ことから、加入度が増す方向に調整する。
[2] 装用者の矯正度数が遠用部においてマイナス(−)となる場合は、実際の調節力よりも見かけ上の調節力が大きくなる(Acc>Ac)ことから、加入度が減じる方向に調整する。
又は、加入度を下記[3],[4]のように調整する。
[3] 装用者の矯正度数が近用部においてプラス(+)となる場合は、実際の調節力よりも見かけ上の調節力が小さくなる(Acc<Ac)ことから、加入度が増す方向に調整する。
[4] 装用者の矯正度数が近用部においてマイナス(−)となる場合は、実際の調節力よりも見かけ上の調節力(Acc>Ac)が大きくなることから、加入度が減じる方向に調整する。
このように、矯正度数がマイナス度数(近視眼)であれば、実際の調節力よりも見かけの調節力が大きくなるため、これを考慮して加入度を減ずる方向に調整する。これにより、累進屈折カレンズ特有のゆれや歪みを軽減することが可能である。一方、矯正度数がプラス度数(遠視眼)であれば、実際の調節力よりも見かけの調節力が小さくなるため、これを考慮して加入度を増す方向に調整する。これにより、正しく近用度数が矯正され、矯正不足から、近くが見にくくなることを防ぐことが可能である。
また、装用者の矯正度数に応じて調整される加入度のピッチは、上述したセミフィニッシュレンズの加入度のピッチ(0.25D刻み)よりも小さいことが好ましく、具体的には0.01D刻みとすることが好ましい。これにより、装用者の屈折矯正により生じる見かけ上の調節力Accに応じた適正な矯正加入度数を得ることが可能である。
また、このような加工を施す一のセミフィニッシュレンズについては、装用者に処方された加入度を有するセミフィニッシュレンズを選択する場合と、装用者の屈折矯正により生じる見かけ上の調節力に基づいた加入度に最も近い加入度を有するセミフィニッシュレンズを選択する場合がある。
前者の場合は、装用者に処方された加入度と、セミフィニッシュレンズに記入された加入度とが一致するため、装用者の矯正度数に応じて加入度を調整した後に、処方された加入度が異なるといった誤解を処方者や装用者に与えることがない。
一方、後者の場合は、後述するセミフィニッシュレンズの処方面に対する調整量を小さくすることができる。なお、この場合は、セミフィニッシュレンズに加入度を彫刻していないもの使用し、装用者の矯正度数に応じて加入度を調整した後に、処方された加入度をレンズに彫刻するようにすれば、上述した誤解の発生を未然に防ぐことができる。
上述した累進屈折力レンズに対する加入度を調整するための加工については、NC加工を用いることができる。具体的には、数値制御で制御するNC加工装置を用いることで、装用者の矯正度数に応じて加入度を調整(増減)するための加工を累進屈折力レンズに対して精度良く行うことが可能である。
以上のように、本発明によれば、装用者の屈折矯正により生じる見かけ上の調節力に応じた適正な矯正加入度数を累進屈折力レンズに与えることが可能である。また、本発明によれば、このような累進屈折力レンズを製造工程の簡略化を図りつつ、低コストで製造することが可能である。
なお、本発明は、外面を累進面、内面を処方面とした外面累進屈折力レンズに限らず、内面を累進面と処方面とを合成した面とした内面累進屈折力レンズや、内面を累進面、外面を処方面としたレンズにも適用可能である。また、これらレンズの累進面側に、上述した加入度を調整するための加工を施すことも可能である。
さらに、本発明は、両面を累進面とした両面累進屈折力レンズにも適用可能である。両面累進屈折力レンズは、外面に付与された縦方向/横方向の屈折力と、内面に付与された縦方向/横方向の屈折力との合成により加入度を与えるものである。この場合も、上述した加入度を調整するための加工を施すことが可能である。
以下、実施例により本発明の効果をより明らかなものとする。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することができる。
(実施例1)
実施例1では、装用者が矯正度数S−6.00D、加入度2.00Dの処方を受けた場合の本発明を適用した累進屈折力レンズについて説明する。
実施例1では、先ず、0.25D単位で加入度を異ならせてなるセミフィニッシュレンズの中から、加入度2.00Dのセミフィニッシュレンズを選択した。このセミフィニッシュレンズは、図2(a)に示すように、外面が累進面(非球面)、内面が処方面(球面)とされ、図2(a)中には、各面の遠用部及び近用部における具体的な屈折力(遠用度数及び近用度数)を例示している。
次に、装用者の屈折矯正により生じる見かけ上の調節力を上記式(1)により求めた。
すなわち、近方作業距離を例えば0.25mとすると、必要な調節力は4.00Dであり、処方された加入度は2.00Dであるから、装用者の目の調節力は2.00D(=4.00D−2.00D)である。このように、装用者は、目の調節力2.00Dと、レンズの加入度2.00Dとを合わせて、近方0.25mを見るための調節力4.00Dを得ている。
この場合、目とレンズとの距離Lを例えば0.012mとすると、実際の目の調節力Acが2.00D、装用者の矯正度数Rが−6.00Dであることから、装用者の屈折矯正により生じる見かけ上の調節力Accは、上記式(1)により求めると、
Acc=2.00(1−0.012×−6.00)=2.30D
となっている。
ここで、近方0.25mを見るために必要な調節力は4.00Dであるから、不足分は1.70D(=4.00D−2.30D)となり、レンズの加入度は1.70Dが適正値であることがわかる。したがって、セミフィニッシュッレンズには、加入度2.00Dが与えられているため、この加入度を0.30D(=2.00D−1.70D)だけ減じる方向に調整する必要がある。
そこで、セミフィニッシュレンズの処方面に、加入度を0.30Dだけ減じるためのNC加工を施すことによって、図2(b)に示すような両面が非球面となる累進屈折力レンズを得た。
以上のようにして、本発明によれば、装用者の屈折矯正により生じる見かけ上の調節力に応じた適正な矯正加入度数を有する累進屈折力レンズを得ることが可能である。
(実施例2)
実施例2では、装用者が矯正度数S+6.00D、加入度2.00Dの処方を受けた場合の本発明を適用した累進屈折力レンズについて説明する。
実施例2では、先ず、異なる外面ベースカーブを有するセミフィニッシュレンズの中から、矯正度数S+6.00D、加入度2.00Dに適したセミフィニッシュレンズを選択した。このレンズは、図3(a)に示すように、外面が球面、内面が累進面と処方面とが合成された面(非球面)とされ、図3(a)中には、各面の遠用部及び近用部における具体的な屈折力(遠用度数及び近用度数)を例示している。
次に、装用者の屈折矯正により生じる見かけ上の調節力を上記式(1)により求めた。
すなわち、近方作業距離を例えば0.25mとすると、必要な調節力は4.00Dであり、処方された加入度は2.00Dであるから、装用者の目の調節力は2.00D(=4.00D−2.00D)である。このように、装用者は、目の調節力2.00Dと、レンズの加入度2.00Dとを合わせて、近方0.25mを見るための調節力4.00Dを得ている。
この場合、目とレンズとの距離Lを例えば0.012mとすると、実際の目の調節力Acが2.00D、装用者の矯正度数Rが+6.00Dであることから、装用者の屈折矯正により生じる見かけ上の調節力Accは、上記式(1)により求めると、
Acc=2.00(1−0.012×6.00)=1.72D
となっている。
ここで、近方0.25mを見るために必要な調節力は4.00Dであるから、不足分は2.28D(=4.00D−1.72D)となり、レンズの加入度は2.28Dが適正値であることがわかる。したがって、内面に調整された加入度2.28Dを与える必要がある。
そこで、セミフィニッシュレンズの処方面(内面)に、加入度2.28Dを与えるためのNC加工を施すことによって、図3(b)に示すような累進屈折力レンズを得た。
以上のようにして、本発明によれば、装用者の屈折矯正により生じる見かけ上の調節力に応じた適正な矯正加入度数を有する累進屈折力レンズを得ることが可能である。
(実施例3)
実施例3では、実施例1と同様に、装用者が矯正度数S−6.00D、加入度2.00Dの処方を受けた場合であるが、上述した装用者の屈折矯正により生じる見かけ上の調節力が2.30Dであることを考慮して、図4(a)に示すように、加入度1.75Dのセミフィニッシュレンズを選択した。
この場合、レンズの加入度は1.70Dが適正値であることから、加入度を0.05D(=1.75D−1.70D)だけ減じる方向に調整すればよい。
そこで、セミフィニッシュレンズの処方面に、加入度を0.05Dだけ減じるためのNC加工を施すことによって、図4(b)に示すような両面が非球面となる累進屈折力レンズを得た。
以上のようにして、本発明によれば、装用者の屈折矯正により生じる見かけ上の調節力に応じた適正な矯正加入度数を有する累進屈折力レンズを得ることが可能である。
(実施例4)
実施例4では、実施例2と同様に、装用者が矯正度数S+6.00D、加入度2.00Dの処方を受けた場合であるが、上述した装用者の屈折矯正により生じる見かけ上の調節力が1.72Dであることを考慮して、図5(a)に示すように、加入度2.25Dを内面に与えた。
この場合、レンズの加入度は2.28Dが適正値であることから、外面で加入度を0.03D(=2.28D−2.25D)だけ増す方向に調整すればよい。
そこで、内面に加入度2.25Dを与えたレンズの外面に、加入度を0.03Dだけ増すためのNC加工を施すことによって、図5(b)に示すような両面が非球面となる累進屈折力レンズを得た。
以上のようにして、本発明によれば、装用者の屈折矯正により生じる見かけ上の調節力に応じた適正な矯正加入度数を有する累進屈折力レンズを得ることが可能である。
(実施例5)
実施例5では、実施例1と同様に、装用者が矯正度数S−6.00D、加入度2.00Dの処方を受けた場合であるが、両面累進屈折力レンズとして、図4(a)に示すように、外面に付与された縦方向/横方向の屈折力と、内面に付与された縦方向/横方向の屈折力との合成により加入度を与えるレンズとした。このレンズは、図6(a)に示すように、外面及び内面が累進面(非球面)とされ、図6(a)中には、各面の遠用部及び近用部における具体的な屈折力(縦方向成分/横方向成分)を例示している。
この場合、上述した装用者の屈折矯正により生じる見かけ上の調節力が縦横それぞれの方向において2.30Dであることから、レンズの加入度は縦横それぞれの方向において1.70Dが適正値である。したがって、縦横それぞれの方向の加入度を0.30D(=2.00D−1.70D)だけ減じる方向に調整すればよい。
そこで、外面が完成されているセミフィニッシュレンズの内面に、加入度を縦横それぞれの方向において0.30Dだけ減じるためのNC加工を施すことによって、図6(b)に示すような両面累進屈折力レンズを得た。
以上のようにして、本発明によれば、装用者の屈折矯正により生じる見かけ上の調節力に応じた適正な矯正加入度数を有する累進屈折力レンズを得ることが可能である。
なお、上記実施例1〜5では、標準的な値として、近方作業距離を0.25m、目とレンズの距離を0.012mとして使用したが、これらの数値が変わると加入度の増減量が変化する。このため、これらの数値に実際の装用者に合わせた値を使用することにより、より厳密な加入度調整を行うことが可能である。また、上記実施例1〜5では、装用者の屈折矯正により生じる見かけ上の調節力を上記式(1)により求めたが、上記式(2)により求めることも可能である。
図1は、本発明が適用される累進屈折力レンズの一例を示す平面図である。 図2は、実施例1の場合であり、(a)は従来のレンズ、(b)は本発明が適用された累進屈折力レンズを示す断面図である。 図3は、実施例2の場合であり、(a)は従来のレンズ、(b)は本発明が適用された累進屈折力レンズを示す断面図である。 図4は、実施例3の場合であり、(a)は従来のレンズ、(b)は本発明が適用された累進屈折力レンズを示す断面図である。 図5は、実施例4の場合であり、(a)は従来のレンズ、(b)は本発明が適用された累進屈折力レンズを示す断面図である。 図6は、実施例5の場合であり、(a)は従来のレンズ、(b)は本発明が適用された累進屈折力レンズを示す断面図である。
符号の説明
100…累進屈折力レンズ 100a…眼鏡用レンズ 101…遠用部 102…近用部 103…中間部

Claims (15)

  1. 遠用度数の入った遠用部と、近用度数の入った近用部と、前記遠用部と前記近用部との間で加入度に応じて屈折力が累進的に変化する中間部とを備える累進屈折力レンズであって、
    装用者の実際の目の調節力と、装用者の屈折矯正により生じる見かけ上の調節力との差に基づいて、前記加入度が装用者の矯正度数に応じて調整されてなることを特徴とする累進屈折力レンズ。
  2. 前記装用者の屈折矯正により生じる見かけ上の調節力(Acc)[D]は、実際の目の調節力をAc[D]、目とレンズとの距離をL[m]と、装用者の矯正度数をR[D]としたときに、
    Acc=Ac(1−L・R)
    又は
    Acc=Ac(1−2L・R)
    により求まる値であることを特徴とする請求項1に記載の累進屈折力レンズ。
  3. 当該レンズの何れか一方の面又は両面に、前記装用者の矯正度数に応じて加入度を調整する加工が施されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の累進屈折力レンズ。
  4. 当該レンズの何れか一方の面又は両面が、前記装用者に処方された加入度を付与する累進面を構成していることを特徴とする請求項3に記載の累進屈折力レンズ。
  5. 前記装用者の矯正度数に応じて調整される加入度のピッチが、所定のピッチで加入度を異ならせてなるセミフィニッシュレンズの加入度のピッチよりも小さいことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の累進屈折力レンズ。
  6. 前記加入度は、表面屈折力により定義される値であることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の累進屈折力レンズ。
  7. 前記加入度は、前記装用者が装用した状態での屈折力により定義される値であることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の累進屈折力レンズ。
  8. 遠用度数の入った遠用部と、近用度数の入った近用部と、前記遠用部と前記近用部との間で加入度に応じて屈折力が累進的に変化する中間部とを備える累進屈折力レンズの製造方法であって、
    所定のピッチで加入度を異ならせてなるセミフィニッシュレンズの中から一のセミフィニッシュレンズを選択し、当該セミフィニッシュレンズの何れか一方の面又は両面に、装用者の実際の目の調節力と、装用者の屈折矯正により生じる見かけ上の調節力との差に基づいて、前記加入度を装用者の矯正度数に応じて調整する加工を施すことを特徴とする累進屈折力レンズの製造方法。
  9. 前記装用者の屈折矯正により生じる見かけ上の調節力(Acc)[D]として、実際の目の調節力をAc[D]、目とレンズとの距離をL[m]と、装用者の矯正度数をR[D]としたときに、
    Acc=Ac(1−L・R)
    又は
    Acc=Ac(1−2L・R)
    により求まる値を用いることを特徴とする請求項8に記載の累進屈折力レンズの製造方法。
  10. 前記加工を施す際に、
    前記装用者の矯正度数が前記遠用部においてプラスとなる場合は、前記加入度が増す方向に調整し、
    前記装用者の矯正度数が前記遠用部においてマイナスとなる場合は、前記加入度が減じる方向に調整することを特徴とする請求項8又は9に記載の累進屈折力レンズの製造方法。
  11. 前記加工を施す際に、
    前記装用者の矯正度数が前記近用部においてプラスとなる場合は、前記加入度が増す方向に調整し、
    前記装用者の矯正度数が前記近用部においてマイナスとなる場合は、前記加入度が減じる方向に調整することを特徴とする請求項8又は9に記載の累進屈折力レンズの製造方法。
  12. 前記加入度の調整する量を、装用時に想定される近方距離又は目とレンズとの距離のうち少なくとも一方の情報に基づいて決定することを特徴とする請求項8〜11の何れか一項に記載の累進屈折力レンズの製造方法。
  13. 前記装用者の矯正度数に応じて調整される加入度のピッチを、前記セミフィニッシュレンズの加入度のピッチよりも小さくすることを特徴とする請求項8〜12の何れか一項に記載の累進屈折力レンズの製造方法。
  14. 前記一のセミフィニッシュレンズとして、前記装用者に処方された加入度を有するセミフィニッシュレンズを選択することを特徴とする請求項8〜13の何れか一項に記載の累進屈折力レンズの製造方法。
  15. 前記一のセミフィニッシュレンズとして、前記装用者の屈折矯正により生じる見かけ上の調節力に基づいた加入度に最も近い加入度を有するセミフィニッシュレンズを選択することを特徴とする請求項8〜13の何れか一項に記載の累進屈折力レンズの製造方法。
JP2008161700A 2008-06-20 2008-06-20 累進屈折力レンズ及びその製造方法 Active JP5346503B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008161700A JP5346503B2 (ja) 2008-06-20 2008-06-20 累進屈折力レンズ及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008161700A JP5346503B2 (ja) 2008-06-20 2008-06-20 累進屈折力レンズ及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010002713A JP2010002713A (ja) 2010-01-07
JP5346503B2 true JP5346503B2 (ja) 2013-11-20

Family

ID=41584488

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008161700A Active JP5346503B2 (ja) 2008-06-20 2008-06-20 累進屈折力レンズ及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5346503B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2149812B1 (en) * 2008-07-31 2021-08-25 Hoya Corporation Progressive-addition lens, method for preparing shape data thereof, method for manufacturing the lens, and apparatus and computer program product for preparing such shape data
JP2012103312A (ja) * 2010-11-08 2012-05-31 Seiko Epson Corp 累進屈折力レンズ及びその設計方法
EP2506063A1 (en) * 2011-03-31 2012-10-03 ESSILOR INTERNATIONAL (Compagnie Générale d'Optique) Progressive ophthalmic lens
JP6095271B2 (ja) 2012-03-05 2017-03-15 イーエイチエス レンズ フィリピン インク レンズセット、レンズ設計方法及びレンズ製造方法
JP5948150B2 (ja) * 2012-05-25 2016-07-06 Hoya株式会社 累進屈折力レンズの製造方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3829435B2 (ja) * 1996-10-14 2006-10-04 セイコーエプソン株式会社 眼鏡レンズの製造方法
JP3845251B2 (ja) * 2000-07-05 2006-11-15 ペンタックス株式会社 眼鏡レンズの製造方法および供給方法
JP3896079B2 (ja) * 2002-12-27 2007-03-22 東海光学株式会社 累進屈折力レンズ及び同レンズの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010002713A (ja) 2010-01-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101790464B1 (ko) 노안 치료 시스템
CN102460273B (zh) 基于模糊认知感定制的渐变眼镜片的制造
US8807746B2 (en) Spectacle lens, spectacles, and method for manufacturing spectacle lens
JP2007241276A (ja) 累進焦点眼鏡レンズの決定方法
TW201621403A (zh) 用於預防及/或減緩近視加深之自由形式鏡片設計及方法
JP2007233388A (ja) 累進焦点眼鏡レンズの決定方法
US20080231800A1 (en) Glasses Lens Comprising a Carrying Edge
JP5346503B2 (ja) 累進屈折力レンズ及びその製造方法
CN111065960A (zh) 渐进式多焦点镜片及其制造方法
US10928655B2 (en) Reduced distortion spectacle lens
JP2004045633A (ja) 多焦点眼鏡レンズおよびその製造方法
JP5948150B2 (ja) 累進屈折力レンズの製造方法
KR101859009B1 (ko) 누진 안과용 렌즈 및 반가공 렌즈 블랭크 세트를 결정하는 방법
JP6522512B2 (ja) 多焦点眼科用レンズ
US20180307058A1 (en) Computer implemented method of determining a base curve for a spectacle lens and method of manufacturing a spectacle lens
EP2095174B1 (en) Improved single vision spectacle lens
WO2013141160A1 (ja) 眼鏡レンズ、並びに眼鏡レンズの設計方法、製造方法及び製造システム
JP2016057324A (ja) レンズ用材料ブロックの加工方法
CN113557468B (zh) 用于在特定配戴条件下优化渐进式眼科镜片的光学功能的方法和***
JP7126842B2 (ja) 一対の眼鏡レンズの設計方法、製造方法、および一対の眼鏡レンズ
EP3276399A1 (en) Method for determining a progressive ophthalmic lens for myopic wearers
JP6109872B2 (ja) 眼鏡用レンズ、眼鏡、及び眼鏡用レンズの製造方法
JP2009103795A (ja) 眼鏡、眼鏡の製造方法、及び眼鏡の製造システム

Legal Events

Date Code Title Description
A625 Written request for application examination (by other person)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A625

Effective date: 20110422

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111214

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111220

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120220

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20120220

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121016

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121213

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130723

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130819

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5346503

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250