JP5344864B2 - 成膜装置および成膜方法 - Google Patents

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Description

本発明は、成膜装置および成膜方法に関するものであり、特に、プラズマを用いる気相成長法により成膜を行う成膜装置および成膜方法に関するものである。
圧電膜等の薄膜の成膜方法として、スパッタリング法等の気相成長法が知られている。スパッタリング法は、高真空中でプラズマ放電により生成される高エネルギーのArイオン等のプラズマイオンをターゲットに衝突させて、ターゲットの構成元素を放出させ、放出されたターゲットの構成元素を基板の表面に蒸着させる方法である。
通常、このようなスパッタリング法を実施する成膜装置においては、高い成膜速度を得ようとすると、成膜を行う真空容器内に印加する投入電力を大きくする必要がある。
しかしながら、成膜装置において、例えば、ターゲットを保持するバッキングプレート(ターゲットホルダ)の熱膨張係数が、ターゲットの熱膨張係数より大きい場合には、真空容器内に印加する投入電力が大きくなれば大きくなるほど、ターゲットに比べて、バッキングプレートが膨張し、ターゲットに割れやクラックが発生するという問題があった。
特に、銅で形成されたバッキングプレートを有する成膜装置で、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)のターゲットを用いた場合には、上記の問題が顕著であった。
すなわち、スパッタリング法を実施する成膜装置において、高い成膜速度で、良質の膜を形成することは、極めて難しい。
これに対して、特許文献1には、良質の膜を得るために、通常のバッキングプレートよりも厚みを増すことなく強度を向上させ、かつ、十分な冷却効率を得ることができるように、内部に水路を配した中空構造で一体成形されたバッキングプレートを用いることが開示されている。
また、特許文献2には、Pb含有量のばらつきが極めて小さい強誘電体膜、すなわち、良質の膜を形成するために、ターゲットの素地を金属Pbとし、この金属Pb素地に最大粒径が50μm以下の金属Ti粒子、金属Zr粒子、金属La粒子、酸化Ti粒子、酸化Zr粒子および酸化La粒子の内の1種類以上が均一分散している組織を有するターゲットを用いることが開示されている。
また、特許文献3には、Pb量のばらつきが極めて小さい強誘電体薄膜、すなわち、良質の膜を形成するために、チタン酸ジルコン酸鉛中のPb,Zr,TiがPb/(Zr+Ti)のモル比で1.01〜1.30の範囲で、かつ、Pbを主体とする酸化鉛で構成されているPbが過剰の焼結体からなる強誘電体薄膜用ターゲットを用いることが開示されている。
特開平9−78233号公報 特開平10−317131号公報 特開平11−001367号公報
しかしながら、特許文献1に開示されているバッキングプレートは、高い強度と冷却効率を達成し、良質な膜の形成を実現できるものの、バッキングプレート自身の構造が非常に複雑であり、製造コストが増大してしまう。
また、特許文献2に開示されているターゲットは、Pb含有量のばらつきおよびパーティクルの発生を抑制し、良質な膜を形成できるものの、高い成膜速度で良質の膜を形成することについては、一切、着目していない。
また、特許文献3に開示されるターゲットも、良質の膜(誘電体薄膜)を安定に製造することができるものの、高い成膜速度で良質の膜を形成することについては、一切、着目していない。
そこで、本発明の目的は、前記従来技術に基づく問題点を解消し、装置コストを増大されることや、バッキングプレートが保持するターゲットを割れやクラック等により破損させることなく、良質な薄膜を、高い成膜速度で形成することのできる成膜装置および成膜方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、ガスの導入と排気が可能な真空容器と、この真空容器内に配置され、かつ、成膜の材料となるターゲットを保持するバッキングプレートと、前記真空容器内に前記バッキングプレートに対向して配置され、かつ、前記成膜材料の薄膜が形成される成膜用基板を保持する基板ホルダと、を有し、前記バッキングプレートは、板状の形状を有し、前記ターゲットは、焼結により生成する理論上の重さに対する焼結後の実際の重さの比重を表す焼結密度が98%以上であるジルコン酸チタン酸鉛であり、前記バッキングプレートは、モリブデンを主成分とし、さらに、前記ターゲットよりも熱膨張係数が小さいことを特徴とする成膜装置を提供するものである。
また、本発明においては、前記バッキングプレートは、5mm以上30mm以下の厚みを有するのが好ましい。
また、本発明においては、前記ターゲットが、圧電体素子に用いる圧電膜の材料であるのが好ましい。
また、本発明においては、前記ターゲットは、5mm以上の厚みを有するのが好ましい。
本発明においては、さらに、前記真空容器内に印加する高周波電力を前記バッキングプレートに供給する高周波電源を有し、前記高周波電源によって前記真空容器内の前記バッキングプレートに印加される前記高周波電力は、4W/cm 以上の電荷であり、前記薄膜の形成と同時に生じる、形成された前記薄膜をスパッタリングする逆スパッタリングを抑制するために、前記薄膜の成膜速度が常に3μm/h以上となるように前記高周波電源によって前記真空容器内に印加されて前記バッキングプレートに供給される前記高周波電力を制御して優れた膜特性を有する前記薄膜を形成するのが好ましい。
本発明の成膜装置および成膜方法によれば、バッキングプレートが保持するターゲットを、割れやクラック等により破損させることなく、高い成膜速度で良質な薄膜を成膜することができる。
以下に、本発明の成膜装置、および、成膜方法について、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の成膜方法を実施する成膜装置の一実施形態を概念的に示す概略構成図である。
以下では、薄膜として圧電膜を成膜し、この薄膜を用いた薄膜デバイスとして圧電素子を製造する成膜装置を代表例として説明するが、本発明は、これに限定されないのはいうまでもない。
本発明の成膜装置は、絶縁膜、誘電体膜、強誘電体膜等の薄膜、特に、圧電膜を、プラズマを用いた気相成長法(スパッタリング)により、基板上に成膜し、圧電素子などの薄膜デバイスを製造する成膜装置である。
図1に示すように、本発明の成膜装置10は、ガス導入管12aおよびガス排出管12bを備える真空容器12と、この真空容器12の天井に配置され、スパッタリング用のターゲット材TGを保持し、かつ、カソードの役割を果たし、プラズマを発生させるバッキングプレート(ターゲット保持部材)14と、このバッキングプレート14に接続され、バッキングプレート14に高周波を印加する高周波電源16と、真空容器12内の、バッキングプレート14と対向する位置に配置され、ターゲット材TGの成分による薄膜が成膜される基板SBを載置する載置台(基板ホルダ)18とを有する。
真空容器12は、スパッタリングを行うために所定の真空度を維持する、鉄、ステンレス、アルミニウム等で形成される気密性の高い容器であって、図示例においては、接地され、その内部に、成膜に必要なガスを導入するガス導入管12aおよび真空容器12内のガスの排気を行うガス排出管12bが取り付けられている。
真空容器12としては、スパッタ装置で利用される真空チャンバ、ベルジャー、真空槽などの種々の真空容器を用いることができる。
真空容器12において、ガス導入管12aから真空容器12内に導入されるガスとしては、アルゴン(Ar)、または、アルゴン(Ar)と酸素(O)の混合ガス等を用いることができる。
ガス導入管12aは、これらのガスの供給源(図示せず)に接続されている。
一方、ガス排出管12bは、真空容器12内を所定の真空度にすると共に、成膜中にこの所定の真空度に維持するために、真空容器12内のガスを排気するため、真空ポンプ等の排気手段に接続されている。
高周波電源16は、真空容器12内に導入されたArなどのガスをプラズマ化させるための高周波電力(負の高周波)をバッキングプレート14に供給するためのものであり、その一方の端部がバッキングプレート14に接続され、他方の端部が図示していないが接地されている。
なお、高周波電源16がバッキングプレート14に印加する高周波電力は、特に制限的ではなく、例えば13.65MHz、最大5kW、あるいは、最大1kWの高周波電力などを挙げることができるが、例えば50kHz〜2MHz、27.12MHz、40.68MHz、60MHz、1kW〜10kWの高周波電力を用いるのが好ましい。
載置台18は、真空容器12の内部の下方に、バッキングプレート14と対向する位置に離間して配置され、バッキングプレート14に保持されたターゲット材TGの構成元素(成分)が蒸着され、圧電膜などの薄膜が成膜される基板SBを保持、すなわち図中下面から支持するためのものである。
なお、載置台18は、図示しないが、基板SBの成膜中に、基板SBを所定温度に、加熱しかつ維持するためのヒータ(図示せず)を備えている。
また、載置台18に装着される基板SBのサイズは、特に制限的ではなく、通常の6インチサイズの基板であっても、5インチや、8インチのサイズの基板であってもよいし、5cm角のサイズの基板であってもよい。
なお、本実施形態においては、基板SBは電気的に絶縁され、かつ、所定の電圧が印加される。
バッキングプレート14は、本発明の特徴部分であり、図1に示すように、板状の形状をしたカソード電極である。さらに、バッキングプレート14は、表面上に、成膜する薄膜の組成に応じた組成のターゲット材TGを保持するものであり、真空容器12のその他の部分とは絶縁された状態で、真空容器12内部の上方に配置され、高周波電源16に接続されている。
バッキングプレート14は、高周波電源16からの高周波電力(負の高周波)の印加により放電して、真空容器12内に導入されたArなどのガスをプラズマ化し、Arイオン等のプラスイオンを生成させる。したがって、バッキングプレート14は、プラズマ電極とも呼ぶこともできる。
このようにして生成されたプラスイオンは、バッキングプレート14に保持されたターゲット材TGをスパッタする。このスパッタされたターゲット材TGの構成元素は、ターゲット材TGから放出され、中性あるいはイオン化された状態で、対向離間配置された載置台18に保持された基板SB上に蒸着される。このように、真空容器12の内部のバッキングプレート14と載置台18との間に、Arイオン等のプラスイオンやターゲット材TGの構成元素やそのイオンなどを含むプラズマ空間が形成される。
また、バッキングプレート14は、焼結密度が95%以上、好ましくは、98%以上のターゲット材TGよりも熱膨張係数が小さい。ターゲットの焼結密度が、95%未満であると、自身が疎密なため、スパッタ速度が低下したり、自身が空隙を含むため、熱伝導が悪くなり、さらに、バッキングプレート側からの冷却が不十分となり、この状態で、ターゲット表面が加熱されることにより、アーキングが発生したりする。そのため、本発明に用いるターゲットの焼結密度は、好ましくは、95%以上、特に好ましくは98%以上である。また100%を越える密度であってもかまわない。
なお、本発明において、焼結密度とは、ターゲット材TGを焼結により生成する際の理論上の重さに対する焼結後の実際の重さの比重を表す数値である。以下の説明における焼結密度も全て同義であるものとする。
上述の通り、バッキングプレート14は、焼結密度が95%以上のターゲット材よりも熱膨張係数が小さいため、特に、割れにくくハンドリングし易い焼結密度が95%以上のターゲット材TGを用いて成膜を行う場合に、成膜速度を向上させるために真空容器内に印加する投入電力を大きくしても、従来のように、ターゲット材に比べてバッキングプレートが著しく膨張し、ターゲット材が割れやクラックにより破損することを防止することができる。
なお、本発明においては、バッキングプレート14は、モリブデンを主成分とするものが好ましく、さらに、厚みは、十分な剛性を有し、かつ、冷却効率が良いという観点から、5mm以上30mm以下が好ましい。
本発明の成膜装置は、基本的に以上のように構成されるものであり、以下に、その作用および本発明の成膜方法について説明する。
まず、図1に示す成膜装置10において、真空容器12内に設けられた焼結密度が95%以上のターゲット材TGよりも熱膨張係数が小さいバッキングプレート14に、スパッタリング用のターゲット材TGを装着して保持するとともに、真空容器内において、バッキングプレート14と対向する位置に離間して配置された載置台18に圧電膜などの薄膜を成膜する基板SBを装着して保持させる。
ここで、本発明においては、ターゲット材TGには、特に限定はないが、割れにくくかつハンドリングがしやすいため、焼結密度が95%以上、好ましくは、98%以上のターゲット材TGを用いるのが好ましい。
本発明の成膜方法において用いるバッキングプレート14は、焼結密度が95%以上のターゲット材よりも熱膨張係数が小さいため、特に、割れにくくハンドリングし易い焼結密度が95%以上のターゲット材TGを用いて成膜を行う場合に、成膜速度を向上させるために真空容器内に印加する投入電力を大きくしても、従来のように、ターゲット材に比べてバッキングプレートが著しく膨張し、ターゲット材が割れやクラック等により破損することを防止することができる。
さらに、本発明においては、ターゲット材TGは、一般的な圧電体素子に用いる圧電膜の材料であるのが好ましく、その中でも特に、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)であるのが好ましい。また、ターゲット材TGの厚みは、ハンドリングがし易いという点と、スパッタリングにより、ターゲット材TGの表面にエロージョンが発生し、ターゲット材TGが磨耗することを抑制でき、頻繁に新品と交換する必要がない点で、5mm以上であるのが好ましい。
次いで、真空容器12内が所定に真空度になるまでガス排出管12bから排気し、所定の真空度を維持するように排気し続けながら、ガス導入管12aからアルゴンガス(Ar)などのプラズマ用ガスを所定量づつ供給し続ける。これと同時に、高周波電源16からバッキングプレート14に、4W/cm以上、好ましくは、4.5W/cm以上の電荷を印加してRF電力を投入して、バッキングプレート14を放電させて、真空容器12内に導入されたArなどのガスをプラズマ化し、Arイオン等のプラズマイオンを生成させ、プラズマ空間が形成される。
この後、形成されたプラズマ空間内のプラスイオンは、バッキングプレート14に保持されたターゲット材TGをスパッタし、スパッタされたターゲット材TGの構成元素は、ターゲット材TGから放出され、中性あるいはイオン化された状態で、対向離間配置された載置台18に保持された基板SB上に蒸着され、成膜が開始される。
本発明の成膜方法においては、上記のようにして、高周波電源16からバッキングプレート14(真空容器12内)に、4W/cm以上、好ましくは、4.5W/cm以上の電荷を印加することにより、高い成膜速度で薄膜を形成することができ、特に、薄膜の成膜速度を3μm/h以上、好ましくは、3.5μm/h以上に制御するのが好ましい。
上記のようにして、薄膜の成膜速度を、好ましくは、3μm/h以上、さらに好ましくは、3.5μm/h以上に制御すると、スパッタによる薄膜の形成と同時に生じる、成膜した薄膜をスパッタリングする逆スパッタリングを大幅に抑制することができる。これにより、特に、PZT膜を形成する場合には、逆スパッタリングにより、成膜した膜からPbが抜け、膜組成が変化することがなくなり、また、成膜した膜の応力が強すぎたりすることがなくなる。すなわち、優れた膜特性を有する薄膜を形成することができる。
以上、本発明に係る成膜方法および成膜装置について種々の実施形態および実施例を挙げて詳細に説明したが、本発明は、上記実施形態および実施例には限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や設計の変更を行ってもよいのは、勿論であ
る。
以下、本発明の具体的実施例を挙げ、さらに、添付の図を用いて、本発明をより詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されないのは言うまでもない。
(実施例1)
図1に示す成膜装置10として、市販の成膜装置(Oerlikon社製CLN2000型)を用いた。
ターゲット材TGには、厚さ5mm、300mmφ、焼結密度97.5%のPb1.1(Zr0.46Ti0.42Nb0.12)O)組成の焼結体を用いた。
このターゲット材TGを、Mo(モリブデン)で形成された厚さ15mmの平板形状のバッキングプレートに、In(インジウム)を用いて貼り付けた。このターゲット材TGを形成するMo(モリブデン)の熱膨張係数は、4.0×10−6/℃、ターゲット材TGの熱膨張係数は、8.0×10−6/℃であった。
ターゲット材TGと基板SBとの間の距離は、80mmとした。
上記のような真空容器12内のガス圧が0.8PaとなるまでArを80sccm、Oを1sccm供給し、高周波電源16に1000Wを印加して、5時間のプレスパッタリングを行った。
次いで、載置台18に、シリコンウェハ上にイリジウム電極を形成した基板SBを載置し、475℃に加熱した後、真空装置12内に、Ar+O(2.5%)のガスを導入し、0.8Paにて、高周波電源16に3000W(4.2W/cm)を印加して、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)膜の成膜を1時間連続で行った。
得られた膜の膜の膜厚を、触針式表面段差計を用いて測定した結果、3.5μmであった。さらに、この膜の配向性を、XRD(X-ray diffraction)を用いて調べた。
また、得られた膜に上部電極を形成し、圧電性能を片持ち梁によるd31測定で調べたところd31=250pm/Vあり、製品として用いるのに問題ないものであることがわかった。
また、成膜後に、成膜装置10に具備されるバッキングプレート14およびターゲット材TGを調べたところ、ターゲット材TGには、クラックなどの損傷がなく、バッキングプレート14にも剥離等の損傷がなかった。
(比較例1)
Cuで形成され、熱膨張係数が16×10−6/℃のバッキングプレート14を用いた以外は、実施例1と全く同様にして、PZT+Nb(チタン酸ジルコン酸鉛)膜を成膜した。
得られた膜の膜厚を、実施例1と同様にして測定すると、3.5μmであった。さらに、この膜の配向性および圧電性能を、実施例1と同様にして調べたところ、製品として用いるのに問題ないものであることがわかった。
しかしながら、成膜後に、成膜装置に具備されるバッキングプレート14およびターゲット材TGを調べたところ、ターゲット材TGに微少なクラックが発生していた。
なお、このターゲットに関しては2000Wでの成膜においては、クラックの発生はなかった。
以上の結果から、焼結密度が95%以上であるターゲット材よりも熱膨張係数の小さいバッキングプレートを用いた成膜装置で、RF電力が4W/cm2以上の投入電力で成膜を行うと、ターゲット材を破損させることなく、良質な薄膜を形成することができることがわかった。一方で、焼結密度が95%以上であるターゲット材よりも熱膨張係数の小さいバッキングプレートを用いた成膜装置では、RF電力4W/cm2の投入電力において、ターゲットにクラックが発生しており、このような高い電力密度では成膜できないことがわかり、高速成膜に適さないとわかった。
本発明の成膜装置および成膜方法は、スパッタリングなどのプラズマを用いる気相成長法により、圧電膜、絶縁膜、誘電体膜などの薄膜を成膜する場合に適用することができ、インクジェット式記録ヘッド、強誘電体メモリ(FRAM(登録商標))、および圧力センサ等に用いられる圧電膜等の成膜に適用することができる。
本発明の成膜方法を実施する成膜装置の一実施形態を概念的に示す概略構成図である。
符号の説明
10 成膜装置
12 真空容器
12a ガス導入管
12b ガス排出管
14 バッキングプレート
16 高周波電源
18 載置台
TG ターゲット材
SB 基板

Claims (5)

  1. ガスの導入と排気が可能な真空容器と、
    この真空容器内に配置され、かつ、成膜の材料となるターゲットを保持するバッキングプレートと、
    前記真空容器内に前記バッキングプレートに対向して配置され、かつ、前記成膜材料の薄膜が形成される成膜用基板を保持する基板ホルダと、
    を有し、
    前記バッキングプレートは、板状の形状を有し、
    前記ターゲットは、焼結により生成する理論上の重さに対する焼結後の実際の重さの比重を表す焼結密度が98%以上であるジルコン酸チタン酸鉛であり、
    前記バッキングプレートは、モリブデンを主成分とし、さらに、前記ターゲットよりも熱膨張係数が小さいことを特徴とする成膜装置。
  2. 前記バッキングプレートは、5mm以上30mm以下の厚みを有する請求項1に記載の成膜装置。
  3. 前記ターゲットが、圧電体素子に用いる圧電膜の材料である請求項1または2に記載の成膜装置。
  4. 前記ターゲットは、5mm以上の厚みを有する請求項1〜3のいずれかに記載の成膜装置。
  5. さらに、前記真空容器内に印加する高周波電力を前記バッキングプレートに供給する高周波電源を有し、
    前記高周波電源によって前記真空容器内の前記バッキングプレートに印加される前記高周波電力は、4W/cm以上の電荷であり、
    前記薄膜の形成と同時に生じる、形成された前記薄膜をスパッタリングする逆スパッタリングを抑制するために、前記薄膜の成膜速度が常に3μm/h以上となるように前記高周波電源によって前記真空容器内に印加されて前記バッキングプレートに供給される前記高周波電力を制御して優れた膜特性を有する前記薄膜を形成することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の成膜装置。
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