以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
まず、図1〜5に基づいて、本発明に係るスロットマシン1の概要について示す。
図1は、本発明に係るスロットマシンの一例を示す外観正面図である。
スロットマシン1は、前面が開放した箱形の筐体の内部に各種の機器が設けられるとともに、この筐体の前面に、前面枠2が片開き形式に開閉可能に設けられることで概略構成されている。
前面枠2の上部には、遊技に応じて様々な演出を提供する演出ユニット7が配設されている。この演出ユニット7は、中央に位置する画像表示装置3、画像表示装置3の左右に配された装飾部材8、画像表示装置3の上部に配された発光装置71、人形やシャッター等からなり画像表示装置3の前面において状態を変換される演出部材72a、演出部材72aの状態を変換させる演出装置72(図2参照)、及び発光装置71の左右に配されたスピーカ4等で構成される。
画像表示装置3は、例えば、液晶表示パネルで構成され、この画像表示装置3において、遊技に関する演出表示のほか、様々な情報などが表示される。演出装置72は、モータやセンサを備えて構成され、演出部材72aの状態を変換することにより演出を行う。また、発光装置71では光による演出が、スピーカ4では音声による演出が行われる。これらを組み合わせることにより様々な態様の演出が可能となっている。なお、演出ユニット7における各種演出は、後述する演出制御装置70によって制御される。
前面枠2の中央部には、後方を視認可能な(例えば透明の)図柄表示窓5が形成されている。この図柄表示窓5を透して、筐体内に配設された変動表示手段としてのリール6の回転により変動表示される図柄を視認可能となっている。リール6は、複数の(例えば3つ)円筒形のリール6a、6b、6c、すなわち、第1リール(左リール)6a、第2リール(中リール)6b、及び、第3リール(右リール)6cが水平方向に並設されて構成されている。これらのリール6a、6b、6cの外周面には、所定の配列に従って複数の図柄が形成されている(図3参照)。また、各リール6a、6b、6cにはそれぞれ、リール用モータ(ステッピングモータ)64a、64b、64c(図3参照)が設けられており、各リール6a、6b、6cを独立して回転駆動ならびに回転停止することが可能となっている。
リール用モータ64によりリール6a、6b、6cを回転させることにより、図柄表示窓5から視認される複数種類の図柄を、例えば上から下へと循環するように変動させる(変動表示)。一方、リール6a、6b、6cが停止している状態では、各リール6a、6b、6cについて、連続する所定数(例えば、3つ)の図柄が図柄表示窓5を介して視認可能となっており、つまり図柄表示窓5には3×3の計9つの図柄が停止表示される。
図柄表示窓5から視認される3×3の図柄行列に対しては、複数の有効化可能ラインが設定されている。すなわち、例えば、各リール6a、6b、6c中段の図柄を横切る有効化可能ライン(中段横ライン)、各リール6a、6b、6c上段の図柄を横切る有効化可能ライン(上段横ライン)、各リール6a、6b、6c下段の図柄を横切る有効化可能ライン(下段横ライン)、第1リール6a下段−第2リール6b中段−第3リール6c上段イン)、及び、第1リール6a上段−第2リール6b中段−第3リール6c下段にかけて各リール6a、6b、6cを斜めに横切る有効化可能ライン(右下がりの斜めライン)の5ラインが、有効化可能ラインとして設定されている。
そして、遊技者によるメダルの投入又はクレジットからの入力(以下、ベット操作と称する)によって設定されたベット数(賭数)に応じて所定の有効化可能ラインが有効化され、この有効ライン上に形成された図柄組合せ態様に基づいて入賞の成立/不成立が判断される。例えば、ベット数1では中段横ラインが有効ラインとなり、ベット数2では中段横ラインに加え、上下段横ラインが有効ラインとなり、ベット数3では上中下段横ラインに加え、右上がり、右下がりの斜めラインが有効ラインとなる。なお、ベット数が3の場合でのみゲームを実行可能な所謂3枚がけ専用としてもよく、この場合は常に5つの有効化可能ラインが有効ラインとなる。また、ベット数には無関係にすべてのラインを有効としてもよい。
図柄表示窓5の下側には、クレジット数表示器11、払出数表示器12、獲得枚数表示器13が設けられている。クレジット数表示器11は、クレジットとして記憶されているメダル数を表示し、払出数表示器12は、ボーナスゲーム時の払出枚数を表示するものである。また、獲得枚数表示器13は役成立時の獲得枚数を表示するものである。これらの表示器11、12、13は、後方を透視可能な透明部材の奥に、例えば、7セグメントのLEDからなる表示器を備えるもので、その点灯状態によって各種情報を表示するようになっている。
図柄表示窓5の右下方には、ベット操作によって設定されたベット数(最高3枚)を表示するベット数表示器17が設けられている。このベット数表示器17は、その奥に配されたランプの点灯状態によりメダルのベット数を表示する。
図柄表示窓5の左下方には、各種遊技状態を表示する遊技状態表示器19が設けられており、その奥に配されたランプの点灯状態により現在の遊技状態を表示する。
遊技状態表示器19は、例えば、ベット操作が行われスタートレバー21によるゲームのスタート操作が有効であることを示すスタート表示部、遊技者がスタートレバー21を操作してからリールが回転するまでに待ち時間(ウエイト時間、前回のゲーム開始から一定時間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)があることを示すウエイト表示部、再遊技入賞(リプレイ入賞)が成立してリプレイゲームが付与されたことを示すリプレイ表示部、スロットマシン1が遊技可能な待機状態であることを示しベット操作を示唆するインサートメダル表示部、で構成される。
図柄表示窓5の下側には、前側に突出する段部が形成されていて、その段部の上面が前面棚14とされている。この前面棚14には、メダル投入口15、1ベットボタン(図示略)、マックスベットボタン16が設けられている。
メダル投入口15は、前面棚14におけるスロットマシン1の前面側から見て右側(前面枠2の開放端側)に配設されている。遊技者がこのメダル投入口15にメダルを投入してベット操作を行うことにより、ゲームが実行可能となる。このメダル投入口15から投入されたメダルが通過する経路には、メダルの通過を検出するメダル投入検出センサ51(図2参照)が設けられており、このメダル投入検出センサ51による検出情報をもとにメダルの投入枚数がカウントされる。
1ベットボタン及びマックスベットボタン16は、前面棚14におけるスロットマシン1の前面側から見て左側に配設されている。1ベットボタンは、押圧操作を一度行う毎にクレジットから1枚ずつ入力でき、マックスベットボタン16は、押圧操作を一度行うことでクレジットからベット数の限度数(例えば、3枚)まで入力できる。
前面棚14の下側には、クレジット選択ボタン20、スタートレバー21、リールストップボタン24、メダル詰まり解消ボタン22、及び鍵穴23が設けられている。
クレジット選択ボタン20は、メダル投入口15から投入されたメダル又は入賞が成立することにより払い出されるメダルをクレジットとして記憶可能なクレジット状態と、記憶不能な非クレジット状態を切り換えるためのものである。例えば、クレジット状態において、メダル投入口15から最大ベット数(例えば、3枚)を超えるメダルが投入された場合は、最大ベット数を超えた分のメダルは、所定数(例えば50枚)までクレジットとしてスロットマシン1に記憶され、以降のゲームで使用できる。また、クレジットとして記憶可能な所定数を超えるメダルが投入された場合は、受け皿27に返却される。一方、非クレジット状態では、最大ベット数を超えた分のメダルは受け皿27に返却される。
スタートレバー21は、一区切りのゲームを開始させるための操作レバーである。メダル詰まり解消ボタン22は、メダル投入口15内でメダル詰まりが発生した場合にこれを解消するためのものである。鍵穴23は、前面枠2を開く際、又はスロットマシン1のエラー(例えば、ホッパーエラー)状態をリセットする際に鍵を差し込むためのものである。
リールストップボタン24は、第1リール6a、第2リール6b、及び第3リール6cとそれぞれ1対1で対応付けられて設けられた第1リールストップボタン24a、第2リールストップボタン24b、及び第3リールストップボタン24cで構成され、停止操作に応じて対応するリール6a、6b、6cの回転をそれぞれ停止させるためのものである。これらのリールストップボタン24a、24b、24cは、例えば、有色半透明の樹脂部材などで形成されている。また、リールストップボタン24a、24b、24cの奥には、該リールストップボタン24a、24b、24cの操作により各リールを停止可能な状態であることを、点灯により報知するためのストップボタンLED66(図2参照)がそれぞれ設けられている。
これらの操作ボタン類が設けられた部分の下側には、前面枠2の下部領域を構成する装飾板25が設けられ、さらに、装飾板25の下側であって前面枠2の最下部には、灰皿26とメダルを貯留するための受け皿27、及び音声を出力するためのスピーカ4が設けられている。
図2は、スロットマシン1の制御系の一部を示すブロック図である。
なお、図1で説明した構成要素(例えば、遊技状態表示器19等)には同一の符号を付し、ここでの説明は省略する。
図2に示すように、スロットマシン1は、遊技を統括的に制御する遊技制御装置(メイン制御装置、メイン制御基板)50と、この遊技制御装置50の制御下で遊技の演出に関する制御を統括的に行う演出制御装置(サブ制御装置、サブ制御基板)70とを備えて、制御系を構成している。また、この制御系の構成要素は、それぞれ筐体の内部に配されている。
遊技制御装置50は、CPU(Central Processing Unit)50a、ROM(Read Only Memory)50b、RAM(Random Access Memory)50c、I/F(Interface)50d等を備えて構成されている。
CPU50aは、制御部、演算部を備え、遊技制御装置50の演算処理装置として各種演算制御を行う。また、内部抽選に用いられる当たり判定用乱数値や、後述する有効待機時間を決定するための有効待機時間決定用乱数、リール停止間演出を決定するためのリール停止間演出決定用乱数、ゲーム待機時間を決定するためのゲーム待機時間決定用乱数などの各種乱数値などを生成する。
ROM50bには、各種処理を実行するための制御プログラムや制御データの他、内部抽選用の判定値(判定テーブル)などが格納されている。また、ROM50bには、各ゲームにおいてリール6の停止制御を行う際に参照される停止制御テーブルが格納されている。例えば、内部当選した各種入賞に対応する停止制御テーブルや、はずれに対応する停止制御テーブル等である。また、後述する有効待機時間の決定テーブル、リール停止間演出の決定テーブル、ゲーム待機時間の決定テーブルなども格納されている。
RAM50cは、CPU50aで生成された内部抽選用の乱数の記憶領域、各種データ(例えば、クレジット数のデータ、ベット数のデータ、各種入賞フラグの状態のデータ、および、所定の図柄組合せ態様が導出されることに基づく払い出しに係るデータ等)を一時的に記憶する記憶領域、ならびに、CPU50aの作業領域を備える。
I/F50dは、図示しないローパスフィルタ及びバッファーゲートを介して、メダル投入検出センサ51、スタートレバーセンサ52、第1リール(左)停止センサ53a、第2リール(中)停止センサ53b、第3リール(右)停止センサ53c、第1リール(左)位置検出センサ54a、第2リール(中)位置検出センサ54b、第3リール(右)位置検出センサ54c、1ベットセンサ56、マックスベットセンサ57、クレジット選択センサ58、払出メダル検出センサ59、設定装置60、リセットセンサ61、前面枠開放センサ62から出力された各種の信号を、CPU50aに対して出力する。
ここで、メダル投入検出センサ51は、メダル投入口15から投入されたメダルの通過を検出するものであり、この検出情報をもとにメダルの投入枚数がカウントされる。スタートレバーセンサ52は、スタートレバー21が操作されたことを検出するためのスイッチである。
第1リール停止センサ53a、第2リール停止センサ53b、第3リール停止センサ53cは、それぞれに対応するリールストップボタン24a、24b、24cが操作されたことを検出するためのセンサである。第1リール位置検出センサ54a、第2リール位置検出センサ54b、第3リール位置検出センサ54cは、それぞれに対応するリール6a、6b、6cの回動位相を検出するためのセンサである。
1ベットセンサ56は1ベットボタンが操作されたことを、マックスベットセンサ57はマックスベットボタン16が操作されたことを、それぞれ検出するためのセンサである。クレジット選択センサ58はクレジット選択ボタン20が操作されたことを検出するためのセンサである。払出メダル検出センサ59はメダル払出装置63から払い出されたメダルを検出するものであり、この検出情報をもとにメダルの払出枚数がカウントされる。
設定装置60は、設定変更操作に基づき、当該スロットマシン1の設定を切り換えるためのものである。例えば、1ゲーム毎の入賞(例えば、ボーナス入賞)の当選確率が異なる複数の設定(例えば、設定1〜6)の何れかに設定する。リセットセンサ61は、例えば、鍵穴23に差し込まれた鍵が前面枠2を開放する時とは逆に回動されたことを検出し、この検出に基づきスロットマシン1をリセットするためのセンサである。なお、遊技制御装置50は、リセットセンサ61からの検出信号に基づき、例えば、当該スロットマシン1のエラー状態を解除する。前面枠開放センサ62は、前面枠2の開放状態を検出するためのセンサである。
また、I/F50dは、CPU50aから入力された制御信号を、図示しない出力ポート及びドライバを介して、演出制御装置70、遊技状態表示器19、ベット数表示器17、クレジット数表示器11、払出数表示器12、獲得枚数表示器13、メダル払出装置63、第1リール用モータ64a、第2リール用モータ64b、第3リール用モータ64c、外部出力端子65、ストップボタンLED66などに出力する。これによって遊技制御装置50による各種構成要素の制御を可能としている。
ここで、メダル払出装置63は、筐体内の下部に配設されていて、有効ライン上に所定の図柄組合せ態様が形成され入賞が成立した場合に、該入賞に対応する枚数のメダル(払出メダル)、又は払出メダルによりクレジットの上限を超えた分のメダルを受け皿27に払い出す。外部出力端子65は、スロットマシン1とは別体で設けられた管理装置等と接続するためのものである。
遊技制御装置50は、上述したように各構成要素とI/F50dを介して電気的に接続されている。遊技制御装置50は、例えば、CPU50aが所定サイクル時間毎に乱数を更新(例えば+1)し、スタートレバーセンサ52による検出タイミングで、その時点の乱数をサンプリングする制御を行い、サンプリングされた乱数を内部抽選用の乱数として用いて内部抽選を行う。
また、遊技制御装置50は、内部抽選結果と、リールストップボタン24a、24b、24cの停止操作タイミングとに基づいて、対応する停止制御テーブルを参照し、リール用モータ64a、64b、64cの動作を制御することにより、図柄表示窓5に所定の図柄が停止表示されるようにリール6a、6b、6cを停止させる。
例えば、内部当選した入賞に対応する図柄組合せ態様を構成する図柄が、有効ラインに到達する前に停止操作が行われた場合には、リール6a、6b、6cを停止させるタイミングを遅らせて当該図柄が有効ライン上に停止表示されるようにする、いわゆる引込停止制御を行う。
また例えば、内部当選していない入賞に対応する図柄組合せ態様が有効ライン上に形成されるタイミングで停止操作が行われた場合に、リール6a、6b、6cを停止させるタイミングを遅らせて有効ライン上に形成されうる図柄組合せ態様を構成する図柄が有効ラインを通り過ぎるようにする、いわゆる蹴飛ばし停止制御を行う。
なお、遊技制御装置50による引込停止制御、蹴飛ばし停止制御において、停止タイミングを変化可能な範囲は、停止操作が行われた位置から所定の図柄数以内(例えば、4コマ以内)とされている。
一方、演出制御装置70は、CPU70a、ROM70b、RAM70c、I/F70d等を備えて構成されている。この演出制御装置70は、遊技制御装置50から出力される遊技に関する情報に基づいて、画像表示装置3における演出表示の制御や、演出装置72の動作の制御、発光装置71やスピーカ4による演出の制御を行う。
ここで、遊技に関する情報とは、スタートレバー16が操作されてゲームが開始された時点で出力されるベット数情報(例えば、ベット数に応じたパルス数を出力し、ベット数とゲーム数を伝達する情報)、内部抽選による抽選結果を示す内部当選情報、現在の遊技状態(通常状態、BB状態、RB状態、RT状態等)を示す遊技状態情報を含む。
I/F70dは、図示しないローパスフィルタ及びバッファーゲートを介して、遊技制御装置50から出力された各種信号をCPU70aに対して出力する。また、I/F70dは、CPU70aから入力された制御信号を、図示しない出力ポート及びドライバを介して、画像表示装置3、スピーカ4、発光装置(ランプ、LED)71、演出装置(モータ、センサ)72に出力する。これによって演出制御装置70による各種装置の制御を可能としている。
具体的には、演出制御装置70は、画像表示装置3において、小役入賞の予告表示や、ボーナス入賞の告知表示、演出表示(1ゲームで完結するものや複数ゲームにわたるもの)などを表示させる(表示制御手段)。
また、演出制御装置70は、演出装置72を制御して演出部材72aを動作させる。また、演出制御装置70は、発光装置71での発光による装飾や、スピーカ4での音声による演出を行う。
本実施形態では、演出制御装置70は、後述する特定遊技状態としてのRT状態においてアシスト情報を報知させるか否かを決定する決定手段を構成する。また、画像表示装置3は、決定手段としての演出制御装置70からの制御信号に基づいて、アシスト情報を報知する報知手段を構成する。
上述した遊技制御装置50と演出制御装置70との通信形態は、遊技制御装置50から演出制御装置70への単方向にのみ制御信号が送信されるようになっていて、遊技制御装置50に不正な信号が入力されるのを防止している。
本実施形態のスロットマシン1においてゲームを行う場合、まず、メダルをメダル投入口15から投入するか、或いはマックスベットボタン16や1ベットボタンを操作してクレジットから賭数を入力する。ベット操作がなされると、ベット数に応じて有効ラインが設定され、スタートレバー21の操作が有効な状態、すなわちゲームを開始可能な状態となる。そして、スタートレバー21を操作(開始操作)すると、遊技制御装置50において内部抽選処理がなされて入賞の当選/非当選が決定されるとともに、リール6の変動が開始される。
所定時間経過後、リールストップボタン24a、24b、24cの操作に基づいて、リール6a、6b、6cの回転が停止されることで、図柄表示窓5に所定の図柄が停止表示される。そして、内部当選した入賞に対応する図柄組合せ態様が有効ライン上に形成された場合に入賞が成立し、当該入賞に対応する遊技価値が付与される(例えば、入賞メダルが払い出される)。
以上で一区切りのゲームが終了し、以降、この操作を繰り返すことによってゲームを進行させるようになっている。
図3は、スロットマシン1が備えるリール6の外周面に形成されている図柄の配列図である。
図3に示すように、リール6a、6b、6cの外周面には、「赤7」(第1リール6aの配列番号2等)、「白7」(第1リール6aの配列番号9等)、「BAR」、「ベル」、「スイカ」、「赤チェリー」、「白チェリー」、「黒チェリー」、「チェリー」、「リプレイ」のそれぞれ識別可能な10種類の図柄、及びブランク(図柄無し)が、所定の順序で配置されている。なお、図3では、「赤7」、「白7」、「BAR」以外の図柄を文字にて表示しているが、実際には所定の外形や色彩を有する図柄が表示されている。
本実施形態では、「ベル」、「リプレイ」は、すべてのリール6a、6b、6cにおいて、連続する5コマ以内に配置されているので、4コマの引込停止制御により必ず有効ライン上に停止表示させることができる。一方、「ベル」、「リプレイ」以外の図柄は、連続する5コマ以内に必ずしも配置されていないので、4コマの引込停止制御を行っても有効ライン上に停止表示できない場合がある。つまり、これらの図柄を有効ライン上に停止表示させるためには、所望の図柄を狙ってリールストップボタン24a、24b、24cを停止操作する必要がある(目押し操作)。
図4は、入賞の種類と各入賞に対応する図柄組合せ態様、及び入賞内容との対応図である。
本実施形態のスロットマシン1では、ボーナス入賞としてビッグボーナス入賞(BB入賞)、レギュラーボーナス入賞(RB入賞)が、小役入賞としてベル入賞、スイカ入賞、チェリー入賞、リプレイ入賞、が定められている。ここで、ボーナス入賞は、遊技者にとって有利にゲームが実行されることとなる特別遊技状態(ビッグボーナス状態,レギュラーボーナス状態)を発生させる特別入賞である。
遊技制御装置50における内部抽選により、上記何れかの入賞に内部当選すると、この内部当選した入賞に対応する図柄組合せ態様が有効ライン上に導出可能とされ、何れの入賞にも内部当選しない場合にははずれとなる。
なお、ボーナス入賞に内部当選した場合は、内部当選したゲームで当該ボーナス入賞を成立できなくても、当選フラグは次ゲームに持ち越され、以降のゲームにおいてボーナス入賞を成立させることができる。一方、小役入賞に内部当選した場合は、内部当選したゲームでのみ当該小役入賞を成立させることができる。例えば、停止操作のタイミングによって小役入賞(例えば、スイカ入賞)を成立させることができなかった場合(いわゆる取りこぼし)、この小役入賞の当選フラグはクリアされ、次ゲームには持ち越されない。
また、通常状態及び後述するリプレイタイム状態(RT状態)では、BB入賞及びRB入賞を含めた上記すべての入賞が内部抽選の対象となり、BB入賞の成立により発生するビッグボーナス状態(BB状態)及びRB入賞の成立により発生するレギュラーボーナス状態(RB状態)においては、BB入賞、RB入賞を除く小役入賞が内部抽選の対象となる。
本実施形態では、BB入賞としてBB1入賞とBB2入賞を設け、RB入賞としてRB1入賞とRB2入賞を設けている。つまり、BB1入賞とBB2入賞の当選フラグは区別して扱われ、同様に、RB1入賞とRB2入賞の当選フラグは区別して扱われる。なお、以下の説明において、BB1入賞とBB2入賞を区別しない場合は単にBB入賞と称し、RB1入賞とRB2入賞を区別しない場合は単にRB入賞と称することとする。
また、チェリー入賞として、赤チェリー入賞、白チェリー入賞、黒チェリー入賞を設けており、これらの当選フラグは区別して扱われる。なお、以下の説明において、3種類のチェリー入賞を区別しない場合は、単にチェリー入賞と称する。
BB1入賞は「赤7−赤7−赤7」のボーナス図柄組合せ態様(特別図柄組合せ態様)が有効ライン上に形成された場合に成立する入賞で、BB2入賞は「白7−白7−白7」のボーナス図柄組合せ態様が有効ライン上に形成された場合に成立する入賞である。BB1入賞とBB2入賞の当選フラグは区別して扱われるので、BB1入賞に内部当選した場合にBB2入賞を成立させることは不可能で、BB2入賞に内部当選した場合にBB1入賞を成立させることは不可能とされる。
BB入賞が成立すると、遊技状態が通常状態又はRT状態からBB状態に移行する。このとき、BB入賞の成立に伴うメダルの払出は0枚である。BB状態では、例えば、通常状態よりも小役入賞の内部当選確率が高確率となるゲーム(いわゆるJACゲーム)が実行され、BB状態において遊技者に払い出したメダルの総数が250枚に達したときに終了する。また、BB状態が終了するとRT状態(最大2000ゲーム)に移行する。すなわち、BB状態の終了がRT状態の発生条件となる。
RB1入賞は「BAR−赤7−赤7」のボーナス図柄組合せ態様が有効ライン上に形成された場合に成立する入賞で、RB2入賞は「BAR−白7−白7」のボーナス図柄組合せ態様が有効ライン上に形成された場合に成立する入賞である。RB1入賞とRB2入賞の当選フラグは区別して扱われるので、RB1入賞に内部当選した場合にRB2入賞を成立させることは不可能で、RB2入賞に内部当選した場合にRB1入賞を成立させることは不可能とされる。
RB入賞が成立すると、遊技状態が通常状態又はRT状態からRB状態に移行する。このとき、RB入賞の成立に伴うメダルの払出は0枚である。RB状態では、例えば、通常状態よりも小役入賞の内部当選確率が高確率となるゲーム(いわゆるJACゲーム)が実行され、12ゲーム消化するか又は小役入賞が8回成立したときに終了する。また、RB状態が終了するとRT状態(最大2000ゲーム)に移行する。すなわち、RB状態の終了がRT状態の発生条件となる。
ベル入賞は、「ベル−ベル−ベル」の図柄組合せ態様が有効ライン上に形成された場合に成立する入賞で、9枚のメダルが払い出される。図3に示す図柄配列により、ベル入賞に内部当選すると、必ずベル入賞は成立することとなる。
スイカ入賞は、「スイカ−スイカ−スイカ」の図柄組合せ態様が有効ライン上に形成された場合に成立する入賞で、6枚のメダルが払い出される。図3に示す図柄配列により、スイカ入賞に内部当選しても、目押し操作を行わなければスイカ入賞を取りこぼす場合がある。
赤チェリー入賞は、「赤チェリー−ANY−ANY」の図柄組合せ態様が有効ライン上に形成された場合に成立する入賞で、1つの有効ラインに対して2枚(つまり、上段又は下段に停止表示された場合は4枚)のメダルが払い出される。ここで、「ANY」は何れの図柄であってもよいことを示す(以下同じ)。白チェリー入賞は、「白チェリー−ANY−ANY」の図柄組合せ態様が有効ライン上に停止表示された場合に形成する入賞で、1つの有効ラインに対して2枚のメダルが払い出される。黒チェリー入賞は、「黒チェリー−ANY−ANY」の図柄組合せ態様が有効ライン上に形成された場合に成立する入賞で、1つの有効ラインに対して2枚のメダルが払い出される。
図3に示すように、第1リール6aにおいて、「赤チェリー」、「白チェリー」、「黒チェリー」の間には、チェリー以外の図柄が6図柄配置されている。すなわち、有効ライン上、又は有効ライン上に引き込み可能な範囲には、常に何れか1種類のチェリー図柄しかないようにしている。これにより、第1リール6aにおいて、同時に2種類のチェリー図柄を狙うことができない。
つまり、第1リール6aを停止させる際に、中段に配列番号3の「ベル」から配列番号9の「白7」があるタイミングで停止操作された場合には図柄表示窓5に「赤チェリー」を停止表示可能で、中段に配列番号10の「ベル」から配列番号16の「BAR」があるタイミングで停止操作された場合には「白チェリー」を停止表示可能で、中段に配列番号17の「ベル」から配列番号2の「赤7」があるタイミングで停止操作された場合には「黒チェリー」を停止表示可能となる。
言い換えると、赤チェリー入賞に内部当選した場合には、中段に配列番号3の「ベル」から配列番号9の「白7」があるタイミング以外で停止操作すれば、すなわち、白チェリー図柄又は黒チェリー図柄を目押し操作できれば、赤チェリー入賞は成立しない。この場合、白チェリー入賞、黒チェリー入賞が成立することもない。白チェリー入賞、黒チェリー入賞についても同様である。
したがって、何れかのチェリー入賞に内部当選した場合に、この内部当選したチェリー入賞の種類を報知されなければ、遊技者がチェリー入賞を成立させることのできる確率は遊技者の技量に関係なく1/3となり、逆に、この内部当選したチェリー入賞が成立するのを回避できる確率は2/3となる。
リプレイ入賞は、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の図柄組合せ態様が有効ライン上に形成された場合に成立する入賞で、改めてベットすることなくゲームを実行できるリプレイゲームが付与される。このとき、リプレイ入賞の成立に伴うメダルの払出は0枚である。図3に示す図柄配列により、リプレイ入賞に内部当選すると、必ずリプレイ入賞は成立することとなる。
また、本実施形態では、同一ゲームにおいて、ボーナス入賞と特定の小役入賞(例えば、チェリー入賞)が同時に内部当選できるようにしている。このような特定の小役入賞が重複小役入賞となり、その他の小役入賞が通常小役入賞となる。ボーナス入賞と特定の小役入賞に重複当選した場合、有効ライン上に導出される入賞の優先順位は、例えば、ボーナス入賞>特定の小役入賞となる。ボーナス入賞に内部当選した以降のゲームにおいて、特定の小役入賞に内部当選した場合も同様とする。
つまり、ボーナス入賞と特定の小役入賞に重複して内部当選している場合は、ボーナス入賞に対応するボーナス図柄を有効ライン上に停止表示可能であれば当該ボーナス図柄が有効ライン上に停止表示され、停止表示不可能であれば内部当選した特定の小役入賞に対応する図柄が有効ライン上に停止表示されることとなる。ただし、停止操作のタイミングによって、ボーナス入賞に対応するボーナス図柄と特定の小役入賞に対応する図柄の何れも有効ライン上に停止表示不可能である場合は、ボーナス入賞も小役入賞も成立しないことがある。
図5は、本実施形態のスロットマシン1における遊技状態を説明するための状態遷移図である。スロットマシン1では、電源を投入した直後は、通常状態ST1でゲームが開始されるものとする。
通常状態ST1では、BB入賞に内部当選し、対応する図柄組合せ態様が導出されて入賞が成立すると、特別遊技状態としてのBB状態ST2に移行する。また、RB入賞に内部当選し、対応する図柄組合せ態様が導出されて入賞が成立すると、特別遊技状態としてのRB状態ST3に移行する。
BB状態ST2では、例えば、通常状態よりも小役入賞の内部当選確率が高確率となるゲームが実行される。遊技者に払い出したメダルの総数が250枚に達するとBB状態ST2は終了し、RT状態ST4に移行する。
RB状態ST3では、例えば、通常状態よりも小役入賞の内部当選確率が高確率となるゲームが実行される。12ゲーム消化するか又は小役入賞が8回成立するとRB状態ST3は終了し、RT状態ST4に移行する。
特定遊技状態としてのRT状態ST4では、通常状態よりもリプレイ入賞の内部当選確率が高確率となるゲーム(RT:リプレイタイム)が実行される。なお、リプレイ入賞以外の入賞(ボーナス入賞を含む)の内部当選確率は、通常状態ST1と同じである。本実施形態では、BB状態ST2又はRB状態ST3の終了後に、規定ゲーム数として2000ゲームのRTが付与され、すなわち、RT状態ST4は最大2000ゲーム継続されることとなる。
RT状態ST4では、リプレイ入賞の内部当選確率が高くなり、メダルの消費量を抑えてゲームを重ねることが可能となるので、小役入賞の成立により得られる遊技価値を増加させながら、ボーナス入賞への当選を期待できる。したがって、このRT状態ST4の継続ゲーム数が増加するほど、遊技者には高い遊技価値が付与されることとなる。
RT状態ST4は、所定の終了条件が成立することにより終了し、通常状態ST1に移行する。例えば、RT状態ST4において、2000ゲームの規定ゲーム数が消化されるとRT状態ST4は終了する。また、BB入賞又はRB入賞に内部当選し、この内部当選したゲームが終了すると、RT状態ST4は終了し通常状態ST1に移行する。ただし、この場合は、RT状態ST4又は移行後の通常状態ST1においてBB入賞又はRB入賞が成立するので、BB状態ST2又はRB状態ST3を経て、再びRT状態ST4が発生することとなる。
また、特定入賞としてのチェリー入賞が成立した場合にRT状態ST4は終了する。本実施形態では、上述したように3種類のチェリー入賞が設定されているので、何れかのチェリー入賞に内部当選した場合でも、この内部当選したチェリー入賞が成立するのを2/3の確率で回避することができる(内部当選したチェリー入賞の取りこぼしとなる)。チェリー入賞の成立が回避されると、そのままRT状態ST4が継続される。
また、内部当選したチェリー入賞の種類を所定の条件下で報知し、所定の停止操作をすればチェリー入賞の成立が確実に回避されるようにすることで、RT状態ST4が継続されるようにしている(アシスト処理)。
図1〜5を参照して説明したように、本実施形態のスロットマシン1は、遊技者により開始操作が行われた場合に複数のリール6a,6b,6cの変動表示を伴うゲームを実行し、各リール6a,6b,6cに対応した停止操作とゲームの実行により抽出した乱数の結果(内部抽選結果)とに基づき、複数のリール6a,6b,6cの停止制御(引込停止制御)を行う。
また、遊技制御装置50は、特定条件の成立としてBB状態又はRB状態が終了した場合に、リプレイ入賞の内部当選確率を通常状態よりも高めた特定遊技状態(RT状態)を発生させる特定遊技状態発生手段を構成するとともに、特定入賞としてのチェリー入賞の成立に基づいてRT状態を終了させる特定遊技状態終了手段を構成する。
なお、BB状態又はRB状態の終了以外にも、特定遊技状態の発生契機を設けるようにしてもよい。例えば、所定の入賞に内部当選した場合に特定遊技状態を発生させる抽選を行うようにしてもよい。
さらに、本実施形態では、開始操作(スタートレバー21の操作)が行われた後、リール6の停止操作(リールストップボタン24)を有効とするまでの待機時間(以下、有効待機時間と称する)を、内部抽選結果に応じて変更可能としている(有効待機時間演出)。この有効待機時間演出では、例えば、有効待機時間の長さや、この有効待機時間中のリール6の回転態様及び/又は画像表示装置3における変動表示ゲームにより、遊技者に内部抽選結果(ボーナス入賞に当選していること、またはボーナス入賞に当選している可能性が高いこと等)を報知する。
また、3つのリールのうちの何れか一つ(例えば、左リール6a)の停止操作が行われた後に、変動表示されているリール(例えば、中、右リール6b,6c)の停止操作を所定期間だけ無効とし、この停止操作無効期間中に内部抽選結果に応じた演出を行うようにしている(リール停止間演出)。このリール停止間演出では、例えば、停止操作無効期間中に変動表示されるリール6の変動表示態様により、遊技者に内部抽選結果を報知する。
また、全てのリール6の停止操作が行われた後、次のゲームを開始するための操作(ベット操作、スタートレバー21の操作)を無効とするゲーム待機時間を、内部抽選結果に応じて設定可能としている(ゲーム待機時間演出)。このゲーム待機時間演出では、例えば、ゲーム待機時間の長さと演出用の表示態様(演出変動表示)により、遊技者に内部抽選結果を報知する。
以下に、有効待機時間中に行われる有効待機時間演出、停止操作無効期間中に行われるリール停止間演出、ゲーム待機時間中に行われるゲーム待機時間演出について説明する。
有効待機時間演出は、上述したように、開始操作が行われた後、リール6の停止操作を有効とするまでの有効待機時間を、内部抽選結果に応じて変更する。
一般に、ゲームの開始操作であるスタートレバー21の操作が行われてから停止操作としてのリールストップボタン24の操作を有効とするまでに待機時間が設けられている。本実施形態のスロットマシン1は、この待機時間のうち、リール6の回転開始からリールストップボタン24を有効としてリール6の停止操作を可能とするときまでの時間を有効待機時間とし、この有効待機時間の長さを延長することで待機時間を遅延させるようになっている。そして、有効待機時間において、遊技に関する演出を実行するようになっている。
図6,7は、スタートレバー21の操作に基づく各リールの動作とリールストップボタン24が有効となるタイミングについて示すタイムチャートである。図6にはウエイト期間がない場合について示し、図7にはウエイト期間がある場合について示している。
図6に示すように、前回のゲーム開始から一定時間が経過していない場合に設定されるウエイト時間(例えば、4.1秒)の経過後にスタートレバー21が操作された場合であれば、スタートレバー21の操作に基づきスタートレバーセンサ52から検出信号が入力されたとき(t1)と略同じタイミングでリール6の回転を開始する。よって、有効待機時間は待機時間(t1〜t2)と略等しくなる。
また、図7に示すように、ウエイト時間の経過前にスタートレバー21が操作された場合は、スタートレバー21の操作に基づくスタートレバーセンサ52からの検出信号の入力(t3)があっても、ウエイト時間が終了するとき(t4)まではリール6の回転を開始しないように制御される。よって、この場合は、待機時間の一部(t4〜t5)が有効待機時間となる。
なお、リール6の回転開始をウエイト時間の経過前に行ってもよく、この場合、有効待機時間は、ウエイト時間が終了するときからリールストップボタン24を有効としてリール6の停止操作を可能とするときまでとなる。
有効待機時間演出に係る有効待機時間を設定する処理として、遊技制御装置50では図8に示す有効待機時間設定処理が行われる。
この有効待機時間設定処理では、まずゲームが開始されたか否かの判定(ステップS1)を行う。具体的には、スタートレバー21の操作に伴いスタートレバーセンサ52から検出信号が入力されたか否かに基づいて判定する。
そして、ステップS1において、ゲームが開始されていないと判定した場合(ステップS1;N)は、有効待機時間設定処理を終了する。また、ステップS1において、ゲームが開始されたと判定した場合(ステップS1;Y)は、有効待機時間決定用乱数を抽出する処理(ステップS2)を行い、有効待機時間を設定する処理(ステップS3)を行って、有効待機時間設定処理を終了する。
ステップS3では、後述する有効待機時間用の決定テーブルを参照し、参照した決定テーブルとステップS2で抽出した乱数に基づいて有効待機時間を設定する。また、設定した有効待機時間に関する情報を含む有効待機時間情報は、演出制御装置70に送信される。このとき使用する決定テーブルは、内部抽選用の乱数の抽出結果や遊技状態に基づき選択されるようになっている。
本実施形態では、有効待機時間として、通常の(遅延なしとなる)有効待機時間である0.3秒と、通常よりも延長された有効待機時間として、1.0秒、3.0秒、5.0秒、10.0秒が設定されており、このうちから一つが選択されるようになっている。なお、0.3秒の待機時間は、開始操作が行われてから停止操作を有効とするまでに最低限必要な所定の時間である。
すなわち、遊技制御装置50が、開始操作が行われてから停止操作を有効とするまでの待機時間を、複数の時間のうちから何れかに決定する有効待機時間決定手段をなすとともに、開始操作が行われてから停止操作を有効とするまでの待機時間を所定の時間よりも遅延させる有効待機時間遅延手段をなす。
図9は、BB入賞当選中のゲームにおいて選択される決定テーブルの内容を示す説明図である。BB入賞当選中のゲームとは、BB入賞に特定の小役入賞との重複当選ではなく単独で内部当選したゲームと、BB入賞に内部当選したゲーム(単独当選と重複当選のどちらでもよい)より後のゲームであって、BB入賞が成立するゲームまでのBB入賞当選フラグが持ち越されることとなるゲームである。
このBB入賞当選中のゲームにおいて選択される決定テーブルでは、有効待機時間として0.3秒が選択される選択率が10%であり、有効待機時間として1.0秒が選択される選択率が20%、有効待機時間として3.0秒が選択される選択率が30%となっている。また、有効待機時間として5.0秒が選択される選択率が35%、有効待機時間として10.0秒が選択される選択率が5%となっている。
BB入賞当選中の決定テーブルでは、BB入賞当選中以外よりも、選択可能な有効待機時間のうち長い有効待機時間の選択率が高くなるようにされ、待機時間の遅延が大きくなるようにされており、遊技者が最も関心を持つ事項であるBB入賞の当選に対する期待感を高めることができるようになっている。
なお、10.0秒の有効待機時間はBB入賞当選中でのみ選択できるようになっており、この10.0秒の有効待機時間が選択されて実行された場合は、遊技者がBB入賞に当選していることを認識可能となる。
図10は、RB入賞当選中のゲームにおいて選択される決定テーブルの内容を示す説明図である。RB入賞当選中のゲームとは、RB入賞に特定の小役入賞との重複当選ではなく単独で内部当選したゲームと、RB入賞に内部当選したゲーム(単独当選と重複当選のどちらでもよい)より後のゲームであって、RB入賞が成立するゲームまでのRB入賞当選フラグが持ち越されることとなるゲームである。
このRB入賞当選中のゲームにおいて選択される決定テーブルでは、有効待機時間として0.3秒が選択される選択率が15%であり、有効待機時間として1.0秒が選択される選択率が25%、有効待機時間として3.0秒が選択される選択率が30%となっている。また、有効待機時間として5.0秒が選択される選択率が30%、有効待機時間として10.0秒が選択される選択率が0%となっている。
RB入賞当選中の決定テーブルでは、BB入賞当選中の場合に次いで、選択可能な有効待機時間のうち長い有効待機時間の選択率が高くなるようにされ、待機時間の遅延が大きくなるようにされており、遊技者がBB入賞と同じく関心を持つ事項であるRB入賞の当選に対する期待感を高めることができるようになっている。
なお、BB入賞当選中のゲームやRB入賞当選中のゲームにおいて、一度有効待機時間として5.0秒もしくは10.0秒が選択された場合には、そのゲームから当選しているボーナス入賞が成立するゲームまでのゲーム(当選したボーナス入賞の当選フラグが持ち越されているゲーム)では、有効待機時間として最も短い0.3秒のみを選択するようにして、待機時間を遅延させないようにしてもよい。
また、BB入賞当選中のゲームやRB入賞当選中のゲームにおいて、有効待機時間として5.0秒もしくは10.0秒が選択された場合には、有効待機時間の経過後に画像表示装置3、スピーカ4、発光装置71、演出装置72などによりボーナス入賞に当選したことを報知(例えば、「ボーナス確定」の表示や当選した入賞の図柄の表示)するようにしてもよい。そして、このような報知を行ったゲームから当選しているボーナス入賞が成立するまでのゲーム(当選したボーナス入賞の当選フラグが持ち越されているゲーム)においては、有効待機時間として最も短い0.3秒のみを選択して、待機時間を遅延させないようにしてもよい。
図11は、重複小役入賞に当選したゲームにおいて選択される決定テーブルの内容を示す説明図である。重複小役入賞に当選したゲームとは、ボーナス入賞と重複して当選する可能性のある特定の小役入賞(例えば、チェリー入賞)が当選したゲームである。なお、ボーナス入賞が重複して当選したか否かを問わず、重複小役入賞に当選したゲームではこの決定テーブルが選択される。
この重複小役入賞に当選したゲームにおいて選択される決定テーブルでは、有効待機時間として0.3秒が選択される選択率が20%であり、有効待機時間として1.0秒が選択される選択率が35%、有効待機時間として3.0秒が選択される選択率が25%となっている。また、有効待機時間として5.0秒が選択される選択率が20%、有効待機時間として10.0秒が選択される選択率が0%となっている。
重複小役入賞に当選したゲームにおいて選択される決定テーブルでは、ボーナス入賞と重複して当選する可能性のない通常小役入賞に当選したゲームにおいて選択される決定テーブル(図12に図示)およびはずれゲームにおいて選択される決定テーブル(図13に図示)よりも、長い有効待機時間の選択率が高くなるようにされ、待機時間の遅延が大きくなるようにされている。これにより、ボーナス入賞が重複して当選している可能性に対する期待感を高めることができるようになっている。
図12は、通常小役入賞に当選したゲームにおいて選択される決定テーブルの内容を示す説明図である。通常小役入賞に当選したゲームとは、ボーナス入賞と重複して当選する可能性のある重複小役入賞以外の小役入賞(例えば、ベル入賞、スイカ入賞、リプレイ入賞)が当選したゲームである。
この通常小役入賞に当選したゲームにおいて選択される決定テーブルでは、有効待機時間として0.3秒が選択される選択率が50%であり、有効待機時間として1.0秒が選択される選択率が30%、有効待機時間として3.0秒が選択される選択率が20%となっている。また、有効待機時間として5.0秒が選択される選択率が0%、有効待機時間として10.0秒が選択される選択率が0%となっている。
通常小役入賞に当選したゲームにおいて選択される決定テーブルでは、いずれの入賞にも当選せず、かつ、ボーナス入賞当選フラグが持ち越されていないはずれゲームにおいて選択される決定テーブル(図13に図示)よりも長い有効待機時間の選択率が高くなるようにされ、待機時間の遅延が大きくなるようにされている。これにより、何らかの入賞に当選していることに対する期待感を高めることができるようになっている。
図13は、はずれゲームにおいて選択される決定テーブルの内容を示す説明図である。はずれゲームとは、いずれの入賞にも当選せず、かつ、ボーナス入賞当選フラグが持ち越されていないゲームである。
このはずれゲームにおいて選択される決定テーブルでは、有効待機時間として0.3秒が選択される選択率が60%であり、有効待機時間として1.0秒が選択される選択率が40%となっている。また、有効待機時間として3.0秒、5.0秒、10.0秒が選択される選択率が0%となっている。
はずれゲームにおいて選択される決定テーブルでは、最も短い有効待機時間である0.3秒の他に、次に長い有効待機時間である1.0秒も選択可能としており、はずれゲームであっても待機時間の遅延が発生するようにされている。これにより、はずれゲームであっても何らかの入賞に当選している可能性に対する期待感を持たせ、遊技の興趣が低下しないようにしている。
図14は、ボーナス中のゲームにおいて選択される決定テーブルの内容を示す説明図である。ボーナス中とは、遊技状態がBB状態ST2もしくはRB状態ST3である状態であり、ボーナス中のゲームとは、例えば、通常状態よりも小役入賞の内部当選確率が高確率となるゲーム(いわゆるJACゲーム)である。
このボーナス中のゲームにおいて選択される決定テーブルでは、有効待機時間として0.3秒が選択される選択率が100%であり、有効待機時間として1.0秒、3.0秒、5.0秒、10.0秒が選択される選択率が0%となっている。
ボーナス中のゲームにおいて選択される決定テーブルでは、最も短い有効待機時間である0.3秒のみを選択するようにしており、待機時間の遅延が発生しないようにされていて、迅速にゲームを消化できるようにしている。
なお、ボーナス中のゲームにおいて当選確率の低い小役入賞(取りこぼしが生じうる小役入賞)に当選した場合に、長い有効待機時間を選択するようにして待機時間を遅延し、当選を報知するようにしてもよい。このようにすれば、当選した小役入賞の取りこぼしを防止することができる。
以上のように複数の有効待機時間から一つの有効待機時間を選択できるようにしたことで、該有効待機時間を含む待機時間の遅延の割合が複数に変化し、それによって内部抽選用の乱数の抽出結果(役の当選の有無や当選した役)を遊技者が様々に予測できるような興趣性の高いスロットマシンとなる。また、複数の時間を設定できるので、比較的短い時間も設定でき遊技の進行を著しく遅らせるといった課題も解決することができる。
また、決定可能な有効待機時間のうち、最も長い10.0秒と次に長い5.0秒の有効待機時間は、ボーナス入賞に当選中のゲームもしくはボーナス入賞に当選した可能性のあるゲームのみに設定されるようになっている。また、各決定テーブルの期待値も、ボーナス入賞に当選中のゲームもしくはボーナス入賞に当選した可能性のあるゲームで選択される決定テーブルの方が、それ以外のゲームで選択される決定テーブルよりも高くなっている(長い有効待機時間となっている)。よって、ボーナス入賞に当選中のゲームでの待機時間の遅延が、それ以外のゲームでの待機時間の遅延よりも大きくなる可能性が高く、遊技者のボーナス入賞の当選に対する期待感を高めることが可能となる。
以上のことから、遊技者により開始操作が行われた場合に複数のリール6の変動表示を伴うゲームを実行し、遊技者による停止操作が行われた場合に、ゲームの実行により抽出した内部抽選用の乱数の結果に基づき該複数のリール6の停止制御を行うようにしたスロットマシン1において、開始操作が行われてから停止操作を有効とするまでの待機時間を複数の時間のうちから何れかに決定する有効待機時間決定手段(遊技制御装置50)を備え、有効待機時間決定手段は、内部抽選用の乱数の抽出結果に基づき待機時間を決定するようにしたこととなる。
また、有効待機時間決定手段(遊技制御装置50)は、待機時間を決定するための決定テーブルを備え、該決定テーブルは、乱数の抽出結果が遊技者にとって有利な特別遊技状態(BB状態、RB状態)を発生させるための特別入賞(BB入賞、RB入賞)であった場合には、該特別入賞でない場合よりも長い待機時間が決定される(待機時間の遅延が大きくなる)可能性が高まるように設定されていることとなる。
また、有効待機時間演出では、有効待機時間内においてリール6の回転態様(変動表示態様)による演出を行うようになっている。リール6の回転態様は複数態様が設定されており、ここでは選択された有効待機時間の長さに応じて決定するようになっている。なお、リール6の回転態様とは、例えば、リールの回転開始、回転停止、再回転、逆方向への回転、リールの振動、回転速度の変更であり、これらを任意に組み合わせてもよい。
遊技制御装置50では、この有効待機時間内におけるリール6の回転態様を選択するリール回転開始処理が行われる。
図15に示すように、このリール回転開始処理では、まず、ゲームの開始条件が成立したか否かの判定(ステップS10)を行う。ゲームの開始条件とは、リール6の回転を開始する条件のことである。すなわち、ステップS10では、図6に示す場合はスタートレバー21の操作に基づきスタートレバーセンサ52からの検出信号が入力されたとき(t1)であるかを、図7に示す場合はウエイト時間が終了したとき(t4)であるかを判定する。
そして、ステップS10において、ゲームの開始条件が成立していないと判定した場合(ステップS10;N)は、リール回転開始処理を終了する。また、ステップS10において、ゲームの開始条件が成立していると判定した場合(ステップS10;Y)は、有効待機時間に応じたリール6の回転処理(ステップS11)を行い、リール回転開始処理を終了する。
ステップS11では、上述の有効待機時間設定処理で決定された有効待機時間に応じてリール6の回転態様を選択し、回転を開始する処理を行う。
選択される有効待機時間に応じたリール6の回転態様として、例えば、有効待機時間として0.3秒が選択された場合、すなわち、待機時間の遅延が行われない通常の場合は、各リール6を同時に回転開始し、徐々に回転速度を高めて有効待機時間の終了までに規定速度にする。また、各リール6は同じ回転速度で回転するようにする。
有効待機時間として1.0秒が選択された場合は、有効待機時間として0.3秒が選択された場合と同じように、各リール6を同時に回転開始し、徐々に回転速度を高めて有効待機時間の終了までに規定速度にする。また、各リール6の回転速度も同じとする。ただし、有効待機時間が0.3秒である場合よりも有効待機時間が長いため、回転速度の増加を緩やかにする。また、有効待機時間が0.3秒である場合とは画像表示装置3、スピーカ4、発光装置71、演出装置72による演出が異なるようにし、通常とは異なる状態であることを遊技者が認識できるようにする。
有効待機時間として3.0秒が選択された場合は、各リール6の回転開始の時期を異ならせて、例えば、左リール6a、中リール6b、右リール6cの順で回転を開始するようにする。そして、回転開始後は徐々に回転速度を高めて規定速度にする。なお、当選した入賞の種類に応じて所定の確率で各リール6の回転開始の順序を決定するようにしてもよく、例えば、ボーナス入賞に当選した場合には、上述の場合とは逆に右リール6c、中リール6b、左リール6aの順で回転開始する確率を高めるようにして、遊技者が当選を認識できるようにしてもよい。
有効待機時間として5.0秒が選択されるのは、BB入賞もしくはRB入賞のボーナス入賞に当選した場合と、チェリー入賞に当選した場合である。また、チェリー入賞はボーナス入賞と重複当選する可能性がある。すなわち、ボーナス入賞の当選の可能性が高い場合であるので、リール6の回転態様によりこのことを報知するようにしている。
有効待機時間として5.0秒が選択された場合は、各リール6を同時に回転開始し、徐々に回転速度を高めてすべてのリール6を規定速度にする前に、左リール6aに配されたチェリー図柄のうち、所定のチェリー図柄が図柄表示窓5の部分を通過するときに、左リール6aの回転速度を中リール6bおよび右リール6cの回転速度よりも遅くして、遊技者が所定のチェリー図柄を認識できるようにする。遊技者が認識できるようにする所定のチェリー図柄とは、当該ゲームでチェリー入賞に当選している場合(ボーナス入賞が重複当選しているか否かに関わらず)は、当該チェリー入賞を構成するチェリー図柄とする。
また、チェリー入賞に当選していない場合、すなわち、ボーナス入賞に単独当選した場合は任意のチェリー図柄とする。この場合、待機時間の経過後に、遊技者が有効待機時間中に認識できるようにされたチェリー図柄を狙っても入賞は成立しないので、報知された内容が矛盾していることから遊技者はボーナス入賞に当選していることを認識できる。また、チェリー入賞が成立しても重複してボーナス入賞に当選している可能性があるため、次のゲームに対して期待感を持つこととなる。
有効待機時間として10.0秒が選択された場合はBB入賞に当選したことが遊技者に報知される場合である。図16には、有効待機時間として10.0秒が選択された場合の回転態様の一例について示している。
この場合は、まず、各リール6を遊技者が図柄を視認できる程度の速度で回転させる。このとき、図16(a)に示すように、中リール6bの回転速度を左リール6aの回転速度よりもやや早くし、また、右リール6cの回転速度を中リール6bの回転速度よりもやや早くする。すなわち、複数のリール6の変動表示速度(回転速度)を異ならせてリール6の変動表示を行うようにしている。
このように各リール6の回転速度が異なることを利用して、図16(b)に示すように、各リール6を回転しながら、当選したBB入賞の図柄(ここでは赤7)が揃うように制御する。すなわち、ボーナス入賞に当選した場合に停止可能となる特別図柄組合せ態様を形成するようにリール6の相対位置を制御する。そして、図16(c)に示すように、当選したBB入賞の図柄が揃ったら、各リール6の回転速度を同一にして当選したBB入賞の図柄が揃った状態で維持し、この状態で回転速度を徐々に高め、有効待機時間の終了までに規定速度にする。
これにより、ボーナス入賞に当選したことをリール6の変動表示態様により報知することが可能となり、報知効果を高めることができるとともに興趣性を高めることが可能となる。なお、有効待機時間において、揃った状態とされた当選したBB入賞の図柄が図柄表示窓5の部分を通過するときだけ回転速度を遅くして、当選したBB入賞の図柄が揃った状態を遊技者が認識できるようにしてもよい。
すなわち、遊技制御装置50が、内部抽選用乱数の抽出結果がボーナス入賞(特別入賞)の当選であった場合に、当該ボーナス入賞に当選したことを識別可能な特定の変動表示態様で複数のリール6の変動表示制御を行う特定変動表示制御手段をなす。
なお、上述したように、決定可能な有効待機時間のうち、最も長い10.0秒と次に長い5.0秒の有効待機時間は、ボーナス入賞に当選中のゲームもしくはボーナス入賞に当選した可能性のあるゲームのみに設定されるようになっている。また、各決定テーブルの期待値も、ボーナス入賞に当選中のゲームもしくはボーナス入賞に当選した可能性のあるゲームで選択される決定テーブルの方が、それ以外のゲームで選択される決定テーブルよりも高くなっている(長い有効待機時間とされ、待機時間の遅延が大きくなるようにされている)。すなわち、乱数の抽出結果と決定される有効待機時間の長さには関連があり、この有効待機時間に応じて決定されるリール6の回転態様と、乱数の抽出結果の間にも関連があることとなり、有効待機時間の長さ及びリール6の回転態様により内部抽選の結果が演出されることとなる。
このように、内部抽選用の乱数の抽出結果に基づき有効待機時間(待機時間)が決定され、複数のリール6の変動表示制御が有効待機時間に応じて複数態様で実行可能であることで、待機時間内において、複数のリール6の変動表示態様で内部抽選結果を演出することができ、興趣性を高めることが可能となる。
なお、有効待機時間として10.0秒が選択される場合はBB入賞に当選した場合のみであるので、乱数の抽出結果から直接リール6の回転態様(変動態様)が決定されていることとなる。すなわち、遊技制御装置50が、内部抽選用の乱数の抽出結果に基づき複数のリール6の変動表示を複数の変動表示態様から一つを選択して制御可能な変動表示制御手段をなす。
また、各有効待機時間におけるリール6の回転態様は、上述の回転態様に限られるものではない。例えば、同じ有効待機時間での回転態様を複数設定し、このうちから一つを選択して実行するようにしてもよい。
以上のことから、遊技者により開始操作が行われた場合に複数のリール6の変動表示を伴うゲームを実行し、遊技者による停止操作が行われた場合に、ゲームの実行により抽出した乱数の結果に基づき該複数のリール6の停止制御を行うようにしたスロットマシン1において、開始操作が行われてから停止操作を有効とするまでの待機時間を所定の時間よりも遅延させる有効待機時間遅延手段(遊技制御装置50)と、有効待機時間遅延手段により遅延された待機時間において、乱数の抽出結果に基づき複数のリール6の変動表示を複数の変動表示態様から一つを選択して制御可能な変動表示制御手段(遊技制御装置50)と、を備え、変動表示制御手段は、乱数の抽出結果が特別入賞の当選であった場合に、当該特別入賞に当選したことを識別可能な特定の変動表示態様で複数のリール6の変動表示制御を行う特定変動表示制御手段(遊技制御装置50)を備えたこととなる。
また、変動表示制御手段(遊技制御装置50)は、複数のリール6の変動表示速度(回転速度)を異ならせて当該リール6の変動表示を行うこととなる。
また、特定変動表示制御手段(遊技制御装置50)は、変動表示中の複数のリール6が、特別入賞(ボーナス入賞)が当選した場合に停止可能となる特別図柄組合せ態様を形成する相対位置となるように複数のリール6の変動表示制御を行うこととなる。
有効待機時間演出では、有効待機時間内において、上述したリール6の回転態様(変動表示態様)による演出とは別に、演出制御装置70による演出を行うようになっている。 すなわち、演出制御装置70では、上述の有効待機時間設定処理で遊技制御装置50から送信された有効待機時間情報に基づき、上述のリール6の回転態様に応じた演出(有効待機時間に応じた演出)を、画像表示装置3、スピーカ4、発光装置71、演出装置72により実行する処理がなされる。
この演出のうち、例えば、決定された有効待機時間が5.0秒もしくは10.0秒の場合には、有効待機期間におけるリールストップボタン24の操作に基づき、画像表示装置3に表示した変動表示ゲームにてゲームの結果を示唆する表示を行うようにする。
このような演出表示を可能とするために、遊技制御装置50では図17に示すように、リールストップボタン24が操作されたことを演出制御装置70に送信するための停止信号送信処理を行い、停止操作を演出に反映できるようにする。
この停止信号送信処理では、まず、停止信号が発生したか否かの判定(ステップS30)を行う。具体的には、リールストップボタン24の操作に基づき第1リール停止センサ53a、第2リール停止センサ53b、第3リール停止センサ53cの何れかから検出信号が入力されたかが判定される。
そして、ステップS30において、停止信号が発生していないと判定した場合(ステップS30;N)は、停止信号送信処理を終了する。また、ステップS30において、停止信号が発生している場合(ステップS30;Y)は、有効待機時間であるか否かの判定(ステップS31)を行う。
ステップS31において、有効待機時間であると判定した場合(ステップS31;Y)は、有効待機時間内での停止信号として演出制御装置70にデータを送信する処理(ステップS32)を行い、停止信号送信処理を終了する。また、ステップS31において、有効待機時間でないと判定した場合(ステップS31;N)は、有効待機時間外での停止信号として演出制御装置70にデータを送信する処理(ステップS33)を行い、停止信号送信処理を終了する。
このような処理により、演出制御装置70において、リールストップボタン24が操作されたことを認識できるとともに、リールストップボタン24の操作が有効待機時間内で行われたものであるか、有効待機時間外で行われたものであるかを識別可能となる。なお、演出制御装置70に送信されるデータには、第1リールストップボタン24a、第2リールストップボタン24b、及び第3リールストップボタン24cの何れが操作されたかのかを識別する情報も含まれる。
そして演出制御装置70では、遊技制御装置50から受信したデータに基づき、画像表示装置3において演出表示を行うようになっている。演出表示として画像表示装置3に表示される変動表示ゲームは、例えば、第1リール6a、第2リール6b、及び第3リール6cとそれぞれ1対1で対応付けられた第1表示領域3a、第2表示領域3b、及び第3表示領域3cで、各リール6の図柄配置と同じ順で複数の識別図柄を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、変動表示ゲームの結果態様は、遊技制御装置50から演出制御装置70に送信される内部抽選の結果に関する情報である内部当選情報により予め決定されるようになっている。また、演出表示に合わせて音声の出力を行うようになっており、例えば、変動表示の停止に合わせて効果音が出力される。この他に演出表示に合わせて演出装置72の作動による演出や、発光装置71による演出を行うようにしてもよい。
図18は、画像表示装置3において行われる変動表示ゲームの一例について示す説明図である。この演出表示としての変動表示ゲームは、有効待機時間内におけるスタートレバー21の操作に基づき開始されるようになっていて、スタートレバー21を操作することで図18(a)に示すように、左右に並ぶ3つの各領域3a,3b,3cで図柄の変動表示が開始されるようになっている。
そして、図18(b)に示すように、有効待機時間内に第1リールストップボタン24aが操作された場合に、この停止操作を演出表示に反映して第1表示領域3aの変動表示を停止する。同様に、第2リールストップボタン24bが操作された場合に第2表示領域3bの変動表示を停止する。また、第3リールストップボタン24cが操作された場合に第3表示領域3cの変動表示を停止する。
これにより画像表示装置3には結果態様が表示される。この結果態様としては、例えばBB入賞に当選している場合は、これを示唆する結果態様として、図18(c)に示すように、当選したBB入賞の図柄が表示されるようにする。また、BB入賞に当選していない場合は、これを示唆する結果態様として、例えば、先に停止した二つの表示領域にはBB入賞の図柄を停止していわゆるリーチ状態とし、最後に停止した表示領域にはBB入賞の図柄を停止しないようにして、BB入賞の図柄が揃わないようにする。
なお、リールストップボタン24の一部もしくは全部が操作されなかった場合には、待機時間の終了により変動している表示領域の変動表示を自動停止する。したがって、待機時間の長さに応じて演出表示が変化することとなる。
すなわち、演出制御装置70が有効待機時間決定手段(遊技制御装置50)により決定された待機時間に応じて演出を行う演出制御手段をなす。また、遊技制御装置50が、待機時間における停止操作により発生した停止信号を演出に反映させる停止信号制御手段をなす。
このような演出を行うようにしたことで、内部当選に関する期待感や遊技の興趣を高めることが可能となる。また、待機時間における停止操作により発生した停止信号を演出に反映させるようにしたので、待機時間内で興趣の高い演出が行え、ゲームが中断してしまうといった印象を防止することができる。また、リール6の停止に対して無効となっている停止操作を有効に活用して専用の操作部を備えなくても演出を操作可能となる。
以上のことから、有効待機時間遅延手段(遊技制御装置50)により遅延された待機時間に応じて演出を行う演出制御手段(演出制御装置70)を備えたこととなる。
また、待機時間における停止操作により発生した停止信号を演出に反映させる停止信号制御手段(遊技制御装置50)を備えたこととなる。
なお、変動表示ゲームの内容は上述のものに限られるものではない。また、決定された有効待機時間が5.0秒もしくは10.0秒の場合に上述のような変動表示ゲームを行うとしたが、その他の有効待機時間の場合にも行うようにしてもよい。ただし、上述のような変動表示ゲームの場合は有効待機時間が長い場合にのみ行うことが望ましい。また、通常小役入賞に当選したゲームやはずれのゲームでも有効待機時間として10.0秒を選択可能とし、有効待機時間が10.0秒の場合にのみ変動表示ゲームを行うようにしてもよい。また、上述したリール6の回転態様による演出と、演出表示としての変動表示ゲームを同時に行うようにしてもよいし、何れか一方のみを選択して実行するようにしてもよい。また、演出表示として変動表示ゲーム以外のゲームや、ゲーム以外の表示を行うようにしてもよく、停止操作によって演出における所定の操作を可能とするものであればよい。
また、リール6の変動表示態様(回転態様)による演出はどのようなものでもよく、例えば、複数のリールのうち、一部(1個もしくは2個)を変動表示(回転)するものでもよい。また、変動表示制御手段が有効待機時間内に行うリール6の回転態様による演出において、一旦所定のリール6を停止(再変動させる場合の一時停止)させる場合に、停止表示される図柄と画像表示装置3での画像表示を関連づけるようにしてもよい。例えば、変動表示制御手段により所定のリール6を変動表示させた後、画像表示装置3に特定の図柄を指示する画像表示(「ベルをだせ」等)を表示した後、ボーナス入賞に当選していた場合には、指示された図柄を一旦停止させ、ボーナス入賞に当選していない場合には、その他の図柄を一旦停止させる。この場合に、一旦停止させる回数は一回でもよいし複数回でもよい。また、ボーナス入賞に当選している場合にはその他の場合よりも一旦停止させる回数が多くなるように確率制御する等、内部抽選の結果に応じて一旦停止回数を制御してもよい。このようにすることにより、待機時間内でのリール6の変動表示態様と画像表示とにより従来にない興趣の高い演出が可能となり、期待感を高めることができる。
リール停止間演出では、3個のリール6a,6b,6cのうちの何れか一つ(例えば、左リール6a)の停止操作が行われた後に、他のリール(例えば、中、右リール6b,6c)の停止操作を所定期間だけ無効とし、この停止操作無効期間中に内部抽選結果に応じた演出を行う。また、本実施形態では、停止操作無効期間中に、リール停止間演出として2つの演出(リール停止間演出1,2)の何れかを選択して実行するようにしている。
ここで、「停止操作を所定期間無効にする」とは、リールの変動表示速度が規定速度に到達していなかったり、他の停止操作が行われていたり等の理由から停止操作を無効にするのではなく、強制的に無効にすることを意味する。また、リールの停止間に規定の無効期間が設けられている場合には、通常の無効期間よりも無効期間を延長するものと捉えることもできる。
以下において、説明を簡略化するため、左リール6aの停止操作が最初に行われたとき(順押し時、はさみ打ち時)、すなわち、左リール6aの停止操作が行われた場合であって中、右リール6b,6cが変動表示されているときに、リール停止間演出が実行されるものとする。
図19は、リール停止間演出1の一例を示すタイムチャートである。
図19に示すように、リール6の回転が開始され、リールストップボタン24の操作が有効化された後、第1リール(左リール6a)の停止操作が行われ、対応する停止センサ53aから停止信号1が入力されると(t20)、第1リール6aが停止される。同時に、回転中の第2,第3リール(中リール6b、右リール6c)の停止操作が無効化され、所定時間経過したt27で停止操作が有効化される。すなわち、図19におけるt20〜t27が停止操作無効期間となる。リール停止間演出1では、この停止操作無効化期間は、例えば5秒に設定されている。
そして、t27において第2,第3リール6b,6cの停止操作が有効化された後、停止操作が行われ、対応する停止センサ53b,53cから停止信号2,3が入力されると、第2,第3リール6b,6cが停止される(t28,t29)。
リール停止間演出1では、停止操作無効期間t20〜t27に、第2,第3リール6b,6cの変動表示速度を変更する(例えば、低速と高速の2段階に交互に切り替える)ことで、内部抽選結果に基づく演出を行うようにしている。
すなわち、t20において第1リールが停止された後、所定時間経過したt21で第2,第3リール6b,6cの変動表示速度は低速に切り替えられ、さらに所定時間経過したt22で元の規定速度に復帰される。図19には、停止操作無効期間t20〜t27中に、変動表示速度の切り替えを3回繰り返す場合について示している。
第2,第3リール6b,6cの変動表示速度が低速とされているとき(t21〜t22,t23〜t24,t25〜t26)は、図柄表示窓5から容易に図柄を視認可能となる。このとき、第2,第3リール6b,6cの変動表示速度は同一とされ、それぞれに配置されている図柄の位置関係が変化しないようにしている。
リール停止間演出1では、停止表示されている第1リール6aの図柄と、低速で変動表示され視認可能となっている第2,第3リール6b,6cの図柄とで形成される図柄組合せ態様により、ユーザに内部抽選結果(ボーナス入賞に当選していること、またはボーナス入賞に当選していない可能性が高いこと)を報知する。例えば、有効ライン上に特別結果態様が形成されればボーナス入賞に当選していることが確定となり、形成されなければボーナス入賞に当選している可能性が低い(0ではない)こととなる。
ここで、本実施形態では、ボーナス入賞に対応する特別図柄組合せ態様を特別結果態様とする。なお、特別図柄組合せ態様の他、各ボーナス図柄の組合せで構成される一般的なリーチ目(一見してボーナス入賞に当選していることを認識可能なものが望ましい)を特別結果態様としてもよい。
リール停止間演出1において、第2,第3リール6b,6cは継続して変動表示されているため、図柄表示窓5から視認される図柄組合せ態様は常に変化することとなる。すなわち、停止表示されている第1リール6aの図柄と、低速で変動表示され視認可能となっている第2,第3リール6b,6cの図柄とで形成される図柄組合せ態様とは、図柄表示窓5から視認される有効ライン上において一瞬形成される図柄組合せ態様である。
リール停止間演出1では、ボーナス入賞に対応する特別図柄組合せ態様を有効ライン上に形成することで、ボーナス入賞に内部当選していることを報知する。したがって、リール停止間演出1は、第1リール6aの停止操作によりボーナス図柄が有効ライン上に停止表示されているときにだけ実行されることとなる。また、後述するリール停止間演出決定処理によりリール停止間演出1の実行が決定されると、第1リール6aにボーナス図柄が極力引き込まれるように停止制御が行われることとなる。
なお、リール停止間演出1では、ボーナス入賞に当選していることを確定的に報知するだけであり、特別図柄組合せ態様が形成されない場合でもボーナス入賞の当選が否定されるわけではない。また、形成された特別図柄組合せ態様が、内部当選しているボーナス入賞(BB1入賞,BB2入賞,RB1入賞,RB2入賞)となるわけでもない。
図20は、リール停止間演出1におけるリールの変動表示態様の一例について示す説明図である。リール停止間演出1の変動パターン(何周目の低速変動表示において特別図柄組合せ態様を形成するか等)は、後述するリール停止間演出決定処理において予め決定され、形成される図柄組合せ態様は第1リール(左リール6a)に停止表示されたボーナス図柄に基づいて決定される。
図20では、左リール6aが停止操作されてボーナス図柄「赤7」が中段に停止表示され、中リール6b、右リール6cが変動表示されている場合について示している。
図19のt21では、図20(a)に示すように、左リール6aの中段に「赤7」が停止表示された状態で、中リール6b、右リール6cの変動表示速度が高速(規定速度)から低速に切り替えられる。
高速での変動表示中(t20〜t21)または高速から低速に変化するとき(t21)に、左リール6aに停止表示されたボーナス図柄(図20では「赤7」)に応じて、中リール6b、右リール6cの位相が調整され、低速での変動表示中に図柄表示窓5から中リール6b、右リール6cに配置されているボーナス図柄(図20では「赤7」)が視認可能となるようにしている。つまり、中リール6b、右リール6cに配置されているボーナス図柄(図20では「赤7」)が図柄表示窓5を通過する前、すなわち上枠外近傍に到達するタイミングで、変動表示速度が高速から低速に切り替えられる。
図19のt21〜t22では、図20(b)に示すように、中リール6b、右リール6cが低速で変動表示される。図20(b)の場合は、中リール6bの「赤7」の位置が右リール6cの「赤7」の位置に対して上に1コマずれているので、中段の有効ライン上に特別図柄組合せ態様は形成されないこととなる。つまり、図20に示すように、左リール6aの中段にボーナス図柄が停止表示されているときは、中リール6b、右リール6cにおいて、対応するボーナス図柄が横並びとなった状態で変動表示されれば、特別図柄組合せ態様(例えば、赤7−赤7−赤7)が形成されることとなる。また、左リール6aのボーナス図柄「赤7」が上段に停止表示された場合に、中リール6b、右リール6cが図20に示す位置関係で変動表示されていれば、右下がりの有効ライン上に特別図柄組合せ態様が形成されることとなる。
1回目の低速での変動表示が終了する図19のt22では、図20(c)に示すように、中リール6b、右リール6cの変動表示速度が低速から高速に切り替えられる。例えば、中リール6b、右リール6cのボーナス図柄が図柄表示窓5の枠外となったときに、変動表示速度が低速から高速に切り替えられる。そして、図19のt22〜t23では、中リール6b、右リール6cは高速で変動表示される。
図19のt23では、再度、中リール6b、右リール6cの変動表示速度が高速から低速に切り替えられる。なお、高速での変動表示中(t22〜t23)又は高速から低速に変化するとき(t23)に、中リール6b、右リール6cの位相を調整することで、次の低速での変動表示中に図柄表示窓5から視認されるボーナス図柄の位置関係を変化させることができるようにしている。つまり、1回目の低速変動表示中に特別図柄組合せ態様が形成されなくても、2回目又は3回目の低速変動表示中に特別図柄組合せ態様が形成される可能性があるようにしている。
図19のt23〜t24では、中リール6b、右リール6cが低速で変動表示される。中リール6b、右リール6cにおいて、左リール6aに停止表示されているボーナス図柄に対応するボーナス図柄が横並びとなった状態で変動表示されていれば、図20(d)に示すように、中段の有効ラインに特別図柄組合せ態様が形成される。これにより、遊技者は、ボーナス入賞に内部当選していることを知得できる。
なお、図20では、2回目の低速での変動表示において特別図柄組合せ態様が形成されてボーナス入賞に内部当選していることが報知されることとなるが、この場合、図19における3回目の低速での変動表示(t25〜t26)においても特別図柄組合せ態様を形成するようにしてもよいし、3回目の低速での変動表示を行わないようにしてもよい。
また、2回目の低速での変動表示において特別図柄組合せ態様が形成されず、3回目の低速での変動表示において特別図柄組合せ態様が形成されるようにしてもよい。
また、低速での変動表示は、特別図柄組合せ態様を構成するボーナス図柄が図柄表示窓5を通過するときだけ行ってもよいし、それ以外の範囲で行ってもよい。また、低速での変動表示を行う1回の演出期間(t21〜t22,t23〜t24,t25〜t26)は、特別図柄組合せ態様を構成するボーナス図柄が図柄表示窓5を1回通過する期間としてもよいし、複数回通過する期間としてもよい。
また、低速での変動表示を行う演出期間を、中リール6b、右リール6cにおけるボーナス図柄の配置で変化させてもよい。例えば、図20(b)のように中リール6bのボーナス図柄が右リール6cに対して上段に1コマずれている場合は、右リール6cのボーナス図柄が図柄表示窓5に出現するタイミングで高速から低速に切り替え、中リール6bのボーナス図柄が図柄表示窓5を通過し終わるタイミングで低速から高速へと切り替えるようにすれば、低速での変動表示が効果的なものとなる。この場合、図20(d)のように中リール6bと右リール6cのボーナス図柄が横並びとなっている場合に比較して、低速での変動表示を行う演出期間は長くなる。
図21は、リール停止間演出2の一例を示すタイムチャートである。
図21に示すように、リール6の回転が開始され、リールストップボタン24の操作が有効化された後、第1リール(左リール6a)の停止操作が行われ、対応する停止センサ53aから停止信号1が入力されると(t30)、第1リール6aが停止される。第1リール6aの停止とほぼ同時に、停止操作されていない第2,第3リール(中リール6b、右リール6c)の停止操作が無効化され、所定時間経過したt32で停止操作が有効化される。すなわち、図21におけるt30〜t32が停止操作無効期間となる。リール停止間演出2では、この停止操作無効化期間は、例えば3秒に設定されている。
そして、t32において第2,第3リール6b,6cの停止操作が有効化された後、停止操作が行われ、対応する停止センサ53b,53cから停止信号2,3が入力されると、第2,第3リール6b,6cが停止される(タイミングt33,t34)。
リール停止間演出2では、停止操作無効期間t30〜t32に、第2,第3リール6b,6cの変動表示を一時的に停止させることで、乱数の抽出結果(内部抽選結果)に基づく演出を行うようにしている。以下において、停止操作の対象となるリールが停止することを本停止、本来変動表示されているべきリールがその後に再度変動表示を開始することを条件に一時的に停止することを仮停止と称する。
すなわち、停止操作無効期間t31〜t32において、第1リール6aが本停止され、第2,第3リール6b,6cが仮停止されることにより、有効ライン上に所定の図柄組合せ態様が形成され、このときの図柄組合せ態様で内部抽選結果(ボーナス入賞に当選していること、またはボーナス入賞に当選している可能性)を報知する。
リール停止間演出2では、1つの有効ライン上にBB入賞に対応する特別図柄組合せ態様が形成されるBB目、1つの有効ライン上にRB入賞に対応する特別図柄組合せ態様が形成されるRB目、1つの有効ライン上に3種類のボーナス図柄(赤7,白7,BAR)の組合せで構成される特定図柄組合せ態様(特別図柄組合せ態様を除く)が形成されるチャンス目、特別図柄組合せ態様又は特定図柄組合せ態様が何れの有効ライン上にも形成されないバラケ目の4種類の仮停止パターンの中から、内部抽選結果に応じて何れかの仮停止パターンが選択される。
各仮停止パターンについて簡単に説明すると、BB目はBB入賞に内部当選しているときにのみ出現する出目で、RB目はBB入賞又はRB入賞の何れかに内部当選しているときにのみ出現する出目である。また、チャンス目は通常時(通常小役入賞時、はずれ時)には出現しにくい、すなわち、出現するとボーナス入賞に内部当選している可能性が高い出目で、バラケ目はボーナス入賞に内部当選している可能性が低い出目である。
図22は、リール停止間演出2におけるリールの変動表示態様の一例について示す説明図である。リール停止間演出2の仮停止パターン(BB目,RB目,チャンス目,バラケ目)は、後述するリール停止間演出決定処理において予め決定される。
図22では、左リール6aが停止操作されてボーナス図柄「赤7」が中段に停止表示され、中リール6b、右リール6cが仮停止される場合について示している。
図21の〜t30は、図22(a)に示すように、左リール6a、中リール6b、右リール6cが高速(規定速度)で変動表示される。このとき、左リール6aに停止表示されたボーナス図柄に基づいて、予め決定された仮停止パターンが停止表示されるように、左リール6a、中リール6b、右リール6cの位相が調整される。
そして、図21のt30で左リール6aの停止操作が行われると、図22(b)〜(d)に示す仮停止パターンが停止表示される。
図22(b)は、仮停止パターンとしてバラケ目が選択されたときに停止表示される図柄組合せ態様について示している。図22(b)に示すように、仮停止パターンとしてバラケ目が選択されると、何れの有効ライン上においても特別図柄組合せ態様又は特定図柄組合せ態様が形成されない。このようにバラケ目が出現することで、BB入賞にもRB入賞にも内部当選している可能性が低い(すなわち、小役入賞に内部当選しているか、はずれである可能性が高い)ことがユーザに報知される。
図22(c)は、仮停止パターンとしてチャンス目が選択されたときに停止表示される図柄組合せ態様について示している。図22(c)に示すように、仮停止パターンとしてチャンス目が選択されると、何れかの有効ライン(図22(c)では中段ライン)上に3種類のボーナス図柄の組合せで構成される特定図柄組合せ態様(図22(c)では、赤7−白7−赤7)が形成される。このようにチャンス目が出現することでBB入賞又はRB入賞に内部当選している可能性がバラケ目出現時よりも高いことがユーザに報知される。 この特定図柄組合せ態様は、いわゆるリーチ目に相当する図柄組合せ態様であるが、リール停止間演出2における特定図柄組合せ態様はボーナス入賞に内部当選していない場合でも出現するので、ボーナス入賞の内部当選を確定的に報知するリーチ目とは区別して、チャンス目と称している。
図22(d)は、仮停止パターンとしてBB目が選択されたときに停止表示される図柄組合せ態様について示している。図22(d)に示すように、仮停止パターンとしてBB目が選択されると、何れかの有効ライン(図22(d)では中段ライン)上にBB入賞に対応する特別図柄組合せ態様(図22(d)では、赤7−赤7−赤7)が形成される。
また、仮停止パターンとしてRB目が選択されたときは、何れかの有効ライン上にRB入賞に対応する特別図柄組合せ態様が形成されることとなる。
このようにBB目が出現することでBB入賞に内部当選していることがユーザに報知され、RB目が出現することでRB入賞又はBB入賞の何れかに内部当選していることがユーザに報知される。
上述したように、リール停止間演出2は、内部抽選結果に応じて予め選択された仮停止パターンに基づいて行われるため、第1リール(左リール6a)において、この仮停止パターンを形成可能なボーナス図柄が有効ライン上に停止表示されたときのみ有効となる。例えば、仮停止パターンとしてBB目(例えば、赤7−赤7−赤7)が選択された場合は、第1リールに「赤7」が停止表示されれば第2,第3リールが仮停止されBB目が形成されるが、第1リールに「赤7」が停止表示されなければリール停止間演出2が実行されなくなる。
そこで、リール停止間演出2を実行しようとする際には、図23に示すように、第1リール(左リール6a)に停止すべき図柄(図23では赤7)を予め報知するようにしている。
上述したように、リール停止間演出1では、停止操作無効期間が5秒に設定され、この間の変動パターンによりボーナス入賞に内部当選していることを報知する。一方、リール停止間演出2では、停止操作無効期間がリール停止間演出1よりも短い3秒に設定され、この間の仮停止パターンによりボーナス入賞に内部当選していること又はボーナス入賞に内部当選している可能性の高低を報知する。
すなわち、リール停止間演出1の方が、リール停止間演出2に比較して停止操作無効期間が長く、特別図柄組合せ態様が形成され得る機会が多く(1回目の低速変動表示時に特別図柄組合せ態様が形成されなくても、2,3回目の低速変動表示時に形成される可能性がある)、遊技者の期待感を持続させる演出となっている。
本実施形態では、ボーナス入賞に内部当選しているときにリール停止間演出1が選択されやすくすることで、リール停止間演出1の方がリール停止間演出2に比較して、演出発生時の信頼度(ボーナス入賞に内部当選している確率)が高くなるようにしている。
上述したリール停止間演出を設定する処理として、遊技制御装置50では図24に示すリール停止間演出決定処理が行われる。このリール停止間演出決定処理は、ゲームの開始時であって、上述した有効待機時間設定処理で有効待機時間が設定された後に行われるようにしている。設定された有効待機時間に応じて、リール停止間演出を決定するためである。
図24に示すリール停止間演出決定処理において、ステップS101ではゲームが開始されたか否かを判定する。具体的には、スタートレバー21の操作に伴いスタートレバーセンサ52から検出信号が入力されたか否かに基づいて判定する。そして、ステップS101において、ゲームが開始されたと判定した場合はステップS102に移行し、ゲームが開始されていないと判定した場合はリール停止間演出決定処理を終了する。
ステップS102では、リール停止間演出決定用の乱数を抽出する。抽出された乱数は、リール停止間演出を実行するか否かを決定するとともに、実行するリール停止間演出の種類を決定する処理(ステップS106,S107)、リール停止間演出1の変動パターンを決定する処理(ステップS109)、及びリール停止間演出2の仮停止パターンを決定する処理(ステップS111)で用いられる。
ステップS103では、有効待機時間設定処理(図8参照)において有効待機時間として10秒が設定されているか否かを判定する。そして、ステップS103において、有効待機時間として10秒が設定されていない(有効待機時間として0.3秒,1.0秒,3.0秒,5.0秒の何れかが設定されている)と判定した場合はステップS104に移行し、有効待機時間として10秒が設定されていると判定した場合はリール停止間演出決定処理を終了する。
有効待機時間演出において10秒の有効待機時間が設定されるのはBB入賞の当選時のみであるため、10秒の有効待機時間演出が行われると、BB入賞に内部当選していることが確定となる。したがって、リール停止間演出が行われるまでもなく遊技者はBB入賞に内部当選していることを認識できることとなり、また、リール停止間演出により矛盾が生じないように(例えば、リール停止間演出1で特別図柄組合せ態様が形成されない、リール停止間演出2でBB目とならない等)、BB入賞の確定報知となる10秒の有効待機時間演出が実行されるときには、リール停止間演出1,2を実行しないようにしている。
ステップS104では、有効待機時間設定処理において有効待機時間として3秒又は5秒が設定されているか否かを判定する。そして、ステップS104において、有効待機時間として3秒又は5秒が設定されていると判定した場合はステップS105に移行し、有効待機時間として3秒又は5秒が設定されていない(すなわち、0.3秒又は1.0秒が設定されている)と判定した場合はステップS107に移行する。
ステップS105では、ボーナス入賞(BB入賞又はRB入賞)に内部当選しているか判定する。そして、ステップS105において、ボーナス入賞に内部当選していると判定した場合はステップS106に移行し、ボーナス入賞に内部当選していないと判定した場合はリール停止間決定処理を終了する。
ここで、有効待機時間演出及びリール停止間演出は、主としてボーナス入賞に内部当選している可能性があることを示唆する演出であることから、期待度の高い演出が重複して行われたにも関わらずボーナス入賞に内部当選していないことになると、遊技者の遊技意欲を減退させかねない。そこで、ボーナス入賞に内部当選していないときに、有効待機時間設定処理においてボーナス入賞への期待度の高い3秒又は5秒の有効待機時間が設定された場合には、リール停止間演出を実行しないようにしている。
また、3秒又は5秒の有効待機時間演出が実行され、さらにリール停止間演出が実行される場合は、ボーナス入賞に内部当選していることを確定的に報知するため、リール停止間演出において矛盾が生じないように制御される(図25の決定テーブルA参照)。
ステップS106,S107では、後述するリール停止間演出用の決定テーブルを参照し、参照した決定テーブルとステップS102で抽出したリール停止間演出決定用乱数に基づいてリール停止間演出を決定する。
このとき使用する決定テーブルは、内部抽選用の乱数の抽出結果や遊技状態に基づき選択される。そして、各決定テーブルに従い、リール停止間演出1,2の何れか、又は演出なしが選択され設定されることとなる。
図25はステップS106で使用される決定テーブルの一例を示す説明図であり、図26〜30はステップS107で使用される決定テーブルの一例を示す説明図である。
図25には、BB入賞又はRB入賞当選中(重複小役入賞当選時を含む)に共通して参照される決定テーブルAの内容について示している。この決定テーブルAでは、リール停止間演出2が選択される選択率が0%で、リール停止間演出1が選択される選択率が100%となっている。
ここで、リール停止間演出2が選択されるようにしてもよいが、リール停止間演出2では第1リール(例えば左リール6a)に停止表示させるべきボーナス図柄を報知するようにしているため(図23参照)、特定小役入賞とボーナス入賞に重複当選している場合に、特定小役入賞の取りこぼしとなる報知がなされると、遊技者にとって不利益となりかねない。例えば、白チェリー入賞とボーナス入賞に重複当選した場合に、仮停止パターンとして「赤7−赤7−赤7」が選択され、左リール6aに「赤7」を停止表示させるように報知されると、白チェリー入賞が獲得されないこととなる。そこで、本実施形態では、有効待機時間演出とリール停止間演出が重複して実行されることによりボーナス入賞に内部当選していることを確定的に報知する場合は、必ずリール停止間演出1が選択されるようにしている。
図26には、BB入賞当選中(重複小役入賞当選時を除く)に参照される決定テーブルBの内容について示している。BB入賞当選中のゲームとは、特定小役入賞との重複当選ではなく単独でBB入賞に内部当選したゲームと、BB入賞に内部当選したゲーム(単独当選と重複当選のどちらでもよい)より後のゲームであって、BB入賞が成立するゲームまでのBB入賞当選フラグが持ち越されることとなるゲームである。
この決定テーブルBでは、演出なしが選択される選択率が30%、リール停止間演出2が選択される選択率が20%、リール停止間演出1が選択される選択率が50%となっている。
決定テーブルBでは、BB入賞に単独当選していないときに参照される決定テーブルC〜F(図27〜30参照)に比較して、リール停止間演出1又は2の何れかが選択される確率が高くなるようにすることで、リール停止間演出1又は2が実行されたときのBB入賞の当選に対する期待感が高まるようにしている。また、リール停止間演出2よりも、リール停止間演出1の選択率が高く設定されているので、リール停止間演出1が実行されたときには、BB入賞の当選に対する期待感がさらに高まることとなる。
また、リール停止間演出1,2が実行されない場合もあるので、リール停止間演出1,2が実行されなかったことで、BB入賞の内部当選が即座に否定されることにはならない。すなわち、リール停止間演出1,2が実行されないときでもBB入賞に内部当選している可能性を残すことで、遊技者の期待感が著しく損なわれないようにしている。
図27には、RB入賞当選中(重複小役入賞当選時を除く)に参照される決定テーブルCの内容について示している。RB入賞当選中のゲームとは、特定小役入賞との重複当選ではなく単独でRB入賞に内部当選したゲームと、RB入賞に内部当選したゲーム(単独当選と重複当選のどちらでもよい)より後のゲームであって、RB入賞が成立するゲームまでのRB入賞当選フラグが持ち越されることとなるゲームである。
この決定テーブルCでは、演出なしが選択される選択率が40%、リール停止間演出2が選択される選択率が30%、リール停止間演出1が選択される選択率が30%となっている。
決定テーブルCでは、BB入賞にもRB入賞にも単独当選していないときに参照される決定テーブルD〜F(図28〜30参照)に比較して、リール停止間演出1又は2の何れかが選択される確率が高くなるようにすることで、リール停止間演出1又は2が実行されたときのRB入賞の当選に対する期待感が高まるようにしている。
また、リール停止間演出1,2が実行されない場合もあるので、リール停止間演出1,2が実行されなかったことで、RB入賞の内部当選が即座に否定されることにはならない。すなわち、リール停止間演出1,2が実行されないときでもRB入賞に内部当選している可能性を残すことで、遊技者の期待感が著しく損なわれないようにしている。
図28には、重複小役入賞当選時(ボーナス入賞のとの重複当選時を含む)に参照される決定テーブルDの内容について示している。重複小役入賞時のゲームとは、ボーナス入賞と重複して当選する可能性のある特定小役入賞(例えば、チェリー入賞)が当選したゲームである。なお、ボーナス入賞が重複当選したか否かを問わず、重複小役入賞に当選したゲームではこの決定テーブルDが選択される。
この決定テーブルDでは、演出なしが選択される選択率が90%、リール停止間演出2が選択される選択率が0%、リール停止間演出1が選択される選択率が10%となっている。
リール停止間演出2では第1リール(例えば左リール6a)に停止表示させるべきボーナス図柄を報知するようにしているため(図23参照)、特定小役入賞とボーナス入賞に重複当選している場合に、特定小役入賞の取りこぼしとなる報知がなされると、遊技者にとって不利益となりかねない。そこで、決定テーブルDでは、リール停止間演出2の選択率は0%とされている。
決定テーブルDでは、ボーナス入賞と重複して当選する可能性のない通常小役入賞当選時に選択される決定テーブルE(図29参照)及びはずれ時に選択される決定テーブルF(図30参照)に比較して、リール停止間演出1が選択される確率が高くなるようにすることで、リール停止間演出1が実行されたときのボーナス入賞の当選(重複当選)に対する期待感が高まるようにしている。
図29には、通常小役入賞当選時に参照される決定テーブルEの内容について示している。通常小役入賞時のゲームとは、ボーナス入賞と重複して当選する可能性のある特定小役入賞以外の小役入賞(例えば、ベル入賞、スイカ入賞、リプレイ入賞)が当選したゲームである。この決定テーブルEでは、演出なしが選択される選択率が95%、リール停止間演出2が選択される選択率が3%、リール停止間演出1が選択される選択率が2%となっている。
図30には、はずれ時に参照される決定テーブルFの内容について示している。はずれ時のゲームとは、何れの入賞にも当選せず、かつ、ボーナス入賞当選フラグが持ち越されていないゲームである。この決定テーブルFでは、演出なしが選択される選択率が98%、リール停止間演出2が選択される選択率が1.5%、リール停止間演出1が選択される選択率が0.5%となっている。
決定テーブルE,Fでは、リール停止間演出1,2が実行されることでボーナス入賞に内部当選していることが確定することとならないように、リール停止間演出1,2も選択されるようにしている。ただし、リール停止間演出1,2の信頼度が著しく低下するのを防止するために、その選択率は決定テーブルB〜Dに比較して極めて小さく設定されている。
図24において、ステップS106では、上述した決定テーブルAに従ってリール停止間演出1が選択され、実行されるリール停止間演出として決定される。ステップS107では、内部抽選結果及び上述した決定テーブルB〜Fに従ってリール停止間演出1,2又は演出なしが選択され、リール停止間演出を実行するか否か、また、実行する場合にはリール停止間演出をリール停止間演出1,2の何れとするかが決定される。なお、演出なしが選択された場合には、リール停止操作は無効にならないこととなる(停止操作無効期間0秒)。
そして、ステップS106又はS107において、リール停止間演出としてリール停止間演出1が決定されるとリール停止間演出1フラグが“オン”に設定され、リール停止間演出2が決定されるとリール停止間演出2フラグが“オン”に設定される。
ステップS108では、リール停止間演出1フラグの状態に基づいて、ステップS106又はS107で決定された演出はリール停止間演出1であるか否かを判定する。そして、決定された演出がリール停止間演出1であると判定した場合はステップS109に移行し、リール停止間演出1でない(すなわち、リール停止間演出2又は演出なしである)と判定した場合はステップS110に移行する。
ステップS109では、後述する変動パターン用の決定テーブルを参照し、参照した決定テーブルとステップS102で抽出したリール停止間演出決定用乱数に基づいてリール停止間演出1を実行するときの変動パターンを決定する。このとき使用する決定テーブルは、内部抽選用の乱数の抽出結果や遊技状態に基づき選択される。
図31,32は、ステップS109で使用される決定テーブルの一例について示す説明図である。
リール停止間演出1では、図19,20に示すように、3回の低速変動表示において特別図柄組合せ態様が形成されるか否かによってボーナス入賞に内部当選していることを報知する。すなわち、図31,32に示す決定テーブルa,bに従って、3回のうち何回目(何周目)の低速変動表示において特別図柄組合せ態様を形成するか又は特別図柄組合せ態様を形成しないかが決定される。
図31には、BB入賞当選中(重複小役入賞当選時を含む)に参照される決定テーブルaの内容について示している。この決定テーブルaでは、ボーナス図柄が揃わない変動パターンが選択される選択率が20%、1周目に特別図柄組合せ態様が形成される変動パターンが選択される選択率が10%、2周目に特別図柄組合せ態様が形成される変動パターンが選択される選択率が20%、3周目に特別図柄組合せ態様が形成される変動パターンが選択される選択率が50%となっている。
図32には、RB入賞当選中(重複小役入賞当選時を含む)に参照される決定テーブルbの内容について示している。この決定テーブルbでは、ボーナス図柄が揃わない変動パターンが選択される選択率が30%、1周目に特別図柄組合せ態様が形成される変動パターンが選択される選択率が20%、2周目に特別図柄組合せ態様が形成される変動パターンが選択される選択率が30%、3周目に特別図柄組合せ態様が形成される変動パターンが選択される選択率が20%となっている。
したがって、BB入賞当選中又はRB入賞当選中のゲームでは、リール停止間演出1において高確率で特別図柄組合せ態様が形成されることとなる。また、BB入賞当選中とRB入賞当選中とで、変動パターンの選択率が異なるようにすることで、リール停止間演出1の変動パターンにより何れのボーナス入賞に内部当選しているかの期待感が変化するようにしている。例えば、3周目に特別図柄組合せ態様が形成された場合には、BB入賞の当選に対する期待感が高まる。
また、リール停止間演出1において特別図柄組合せ態様が形成されない場合もあるので、特別図柄組合せ態様が形成されなかったことで、ボーナス入賞の内部当選が即座に否定されることにはならない。すなわち、リール停止間演出1において特別図柄組合せ態様が形成されないときでもボーナス入賞に内部当選している可能性を残すことで、遊技者の期待感が損なわれないようにしている。
ここで、有効待機時間が3秒又は5秒に設定された信頼度の高い有効待機時間演出と重複してリール停止間演出1が実行される場合、すなわちステップS106でリール停止間演出1が設定された場合には、必ず特別図柄組合せ態様が形成されるようにする。3秒又は5秒の有効待機時間演出とリール停止間演出が重複して実行されることでボーナス入賞に内部当選していることが確定となるにも関わらず、リール停止間演出1において特別図柄組合せ態様が形成されないことにより遊技者が違和感を覚えるのを防止するためである。
図24において、ステップS109では、上述した決定テーブルa,bに従ってリール停止間演出1の変動パターンが決定される。なお、ボーナス入賞当選中のゲーム以外のゲーム、すなわち、重複小役入賞当選時(ボーナス入賞非当選)、通常小役入賞当選時、はずれ時のゲームにおいてリール停止間演出1が選択されている場合は、必ず特別図柄組合せ態様が形成されない変動パターンが選択されるようにしている。
ステップS110では、リール停止間演出2フラグの状態に基づいて、ステップS107で選択された演出はリール停止間演出2であるか否かを判定する。そして、決定された演出はリール停止間演出2であると判定した場合はステップS111に移行し、リール停止間演出2でない(すなわち演出なし)と判定した場合はリール停止間演出決定処理を終了する。
ステップS111では、後述する仮停止パターン用の決定テーブルを参照し、参照した決定テーブルとステップS102で抽出したリール停止間演出決定用乱数に基づいてリール停止間演出2を実行するときの仮停止パターンを決定する。このとき使用する決定テーブルは、内部抽選用の乱数の抽出結果や遊技状態に基づき選択される。
図33〜36は、ステップS111で使用される決定テーブルの一例について示す説明図である。
リール停止間演出2は、図21,22に示すように、どのような図柄組合せ態様(仮停止パターン)が形成されるかによってボーナス入賞に内部当選している可能性を報知する演出である。図33〜36に示す決定テーブル1〜4は、この仮停止パターンを決定するためのテーブルである。
図33には、BB入賞当選中(重複小役入賞当選時を除く)に参照される決定テーブル1の内容について示している。この決定テーブル1では、仮停止パターンとしてバラケ目が選択される選択率が20%、チャンス目が選択される選択率が20%、RB目が選択される選択率が30%、BB目が選択される選択率が30%となっている。
図34には、RB入賞当選中(重複小役入賞当選時を除く)に参照される決定テーブル2の内容について示している。この決定テーブル2では、仮停止パターンとしてバラケ目が選択される選択率が30%、チャンス目が選択される選択率が30%、RB目が選択される選択率が40%、BB目が選択される選択率が0%となっている。
決定テーブル1,2では、ボーナス入賞に内部当選していないときに参照される決定テーブル3,4(図35,36参照)に比較して、チャンス目、RB目、BB目の何れかが選択される確率が高くなるようにすることで、仮停止によりこれらの図柄組合せ態様が形成されたときのボーナス入賞の当選に対する期待感が高まるようにしている。
また、ボーナス入賞に内部当選しているときであっても、リール停止間演出2においてバラケ目が形成される場合もあるので、バラケ目が形成されたことでBB入賞の内部当選が即座に否定されることにはならない。すなわち、リール停止間演出2において特別図柄組合せ態様が形成されないときでもBB入賞に内部当選している可能性を残すことで、遊技者の期待感が損なわれないようにしている。
また、決定テーブル2では、BB目が選択される選択率を0%とすることで、リール停止間演出2でBB目が形成されたのに実際にはBB入賞に内部当選しない(RB入賞に内部当選している)ことに対して、遊技者が違和感又は失望感を覚えるのを防止している。
図35には、通常小役入賞当選時に参照される決定テーブル3の内容について示している。この決定テーブル3では、仮停止パターンとしてバラケ目が選択される選択率が60%、チャンス目が選択される選択率が40%、RB目が選択される選択率が0%、BB目が選択される選択率が0%となっている。
図36には、はずれ時に参照される決定テーブル4の内容について示している。この決定テーブル4では、仮停止パターンとしてバラケ目が選択される選択率が70%、チャンス目が選択される選択率が30%、RB目が選択される選択率が0%、BB目が選択される選択率が0%となっている。
決定テーブル3,4では、BB目、RB目が選択される選択率を0%とすることで、BB目又はRB目が形成されたのにボーナス入賞に当選していないという矛盾が生じるのを防止している。また、遊技者の期待感を持続させるために、ボーナス入賞に内部当選している可能性が高いことを示唆するチャンス目は選択されるようにしている。
図24において、ステップS111では、上述した決定テーブル1〜4に従ってリール停止間演出2の仮変動パターンが決定される。
以上のようにして、リール停止間演出決定処理で決定されたリール停止間演出の種類(リール停止間演出1,2)や演出用の表示態様(変動パターン、仮停止パターン)などのリール停止間演出に関する情報は、リール停止間演出情報として演出制御装置70に送信される。なお、リール停止間演出としてリール停止間演出2が設定された場合には、リール停止間演出情報には左リール6aに停止表示させるべきボーナス図柄の報知コマンドが含まれる。
このように、演出手段としての遊技制御装置50は、有効待機時間決定手段により決定された待機時間(有効待機時間0.3秒,1秒,3秒,5秒,10秒)に応じて、変動表示中のリールにおける変動表示速度の変更態様(リール停止間演出1又は2)を決定する。これにより、さらに多彩な演出となり、興趣性及び期待感を極めて高めることができる。
また、演出手段としての遊技制御装置50は、有効待機時間決定手段によりBB入賞の確定報知となる10秒の有効待機時間が設定されたときには、リール停止間演出を実行しないようにしている。
さらに、演出手段としての遊技制御装置50は、有効待機時間決定手段によりボーナス入賞への期待度が高い3秒、5秒の有効待機時間が設定されたときには、ボーナス入賞に当選している場合にだけ、リール停止間演出を実行するようにしている。
これにより、有効待機時間演出とリール停止間演出が重複して実行されることによる演出間の矛盾や不具合を回避することができる。
図37は、リール停止間演出1を実行するためのリール停止間演出1処理について示すフローチャートである。このリール停止間演出1処理は、停止操作無効手段、演出手段として機能する遊技制御装置50によって実行される。
図37において、ステップS201では、リール停止間演出1フラグが“オン”に設定されているか否かを判定する。そして、リール停止間演出1フラグが“オン”に設定されていると判定した場合はステップS202に移行し、リール停止間演出1フラグが“オン”に設定されていないと判定した場合はリール停止間演出1処理を終了する。
ステップS202では、第1リール(左リール6a)の停止操作が行われたか否かを判定する。具体的には、第1リール6aの停止操作に伴い、対応する停止センサ53aから停止信号が入力されたか否かに基づいて判定する。そして、第1リール6aの停止操作が行われたと判定するとステップS203に移行する。
また、第1リール6aの停止操作が行われたときには、どのリールの停止操作が行われたかを示す停止コマンド、及び停止操作されたリールにおいて停止表示されている停止図柄コマンドが演出制御装置70に送信される。演出制御装置70では、停止コマンド及び停止図柄コマンドに基づいて、リール停止間演出1に関する演出(画像表示装置3における表示や発光装置71における発光)の制御が行われる。
ステップS203では、第1リール6aにおいて有効ライン上にボーナス図柄が停止表示されているか否かを判定する。そして、第1リール6aにおいて有効ライン上にボーナス図柄が停止表示されていると判定した場合はステップS204に移行し、ボーナス図柄が停止表示されていないと判定した場合はステップS209に移行する。
リール停止間演出1は、特別図柄組合せ態様が形成されることによりボーナス入賞に内部当選していることを報知するため、第1リール6aおいて有効ライン上にボーナス図柄が停止表示されている場合(ステップS203で“Y”)にだけ、ステップS204以降の処理により変動パターンによる演出が実行されるようにしている。
ステップS204では、停止無効化処理を行い、第2,第3リール6b,6cの停止操作を無効化する(図19のt20)。
ステップS205では、リール停止間演出決定処理(図24参照)において設定された変動パターン(図31,32参照)に従って、変動表示中の第2,第3リール6b,6cの位相調整処理を行う。具体的には、第1リール6aに停止表示されたボーナス図柄(例えば、赤7)に応じて、第2,第3リール6b,6cに配置されている対応するボーナス図柄(例えば、赤7)がほぼ同じ位置関係(例えば、横並びや前後1コマずれた位置)となるように第2,第3リール6b,6cの位相を調整する(図19のt20〜t21)。
ステップS206では、変動表示中のリールの速度変更処理を行う。具体的には、第2,第3リール6b,6cの変動表示速度を高速(規定速度)から低速に切り替える(図19のt21)。そして、低速での変動表示を所定期間(図19のt21〜t22)保持した後、低速から高速に切り替える(図19のt22)。
低速での変動表示中には、第2,第3リール6b,6cの図柄が視認可能となる。つまり、この低速での変動表示中に、3つのリール6a,6b,6cにおける対応するボーナス図柄(例えば、赤7)が図柄表示窓5からほぼ同時に視認されることとなり、遊技者はボーナス図柄により特別図柄組合せ態様が形成されることを期待してリール6を注視することとなる。
ステップS207では、予め設定された演出時間が終了したか否かを判定する。例えば、図19に示すリール停止間演出1では、t26をもって演出時間の終了とする。そして、演出時間が終了したと判定した場合はステップS208に移行し、演出時間が終了していないと判定した場合はステップS205に移行する。ステップS205,S206が繰り返し実行されることで、2周目、3周目の低速での変動表示が行われることとなる。
ステップS208では、無効化されていた第2,第3リール6b,6cの停止操作を有効化する。この処理は、第2,第3リール6b,6cの変動表示速度が規定速度に復帰した後に行われる(図19のt27)。
ステップS209では、リール停止間演出1フラグを“オフ”に設定する。
なお、本実施形態では、第1リール6aにボーナス図柄が停止表示されない場合(ステップS203で“N”)にリール停止間演出1フラグを“オフ”に設定するようにしているが、リール停止間演出1フラグを“オン”に設定したまま、次ゲームに持ち越すようにしてもよい。この場合、当該ゲームにおいてボーナス入賞が成立したときにはリール停止間演出1フラグは“オフ”に設定される。
リール停止間演出1は以上のようにして実行される。
このように、リール停止間演出1では、演出手段としての遊技制御装置50は、複数のリール6b,6cが変動表示されているときに、少なくともリール6の前方に配設された図柄表示窓5内において、変動表示中のリール6b,6cのボーナス図柄(識別情報)を遊技者視認可能となるように変動表示速度を低めるようにしている(ステップS206)。このとき、既に停止したリール6aの図柄と変動表示中のリール6b,6cの図柄によって、図柄表示窓5内に設定された有効ライン上において予め定められた特別結果態様(特別図柄組合せ態様)が形成されることを視認できるように、変動表示中のリールの変動表示速度を制御する(ステップS205)。
これにより、ボーナス入賞に当選したことを確実に遊技者に知らしめることができる演出となり、遊技者の期待感を極めて高めることができる。
図38は、リール停止間演出2を実行するためのリール停止間演出2処理について示すフローチャートである。このリール停止間演出2処理は、停止操作無効手段、演出手段として機能する遊技制御装置50によって実行される。
図38において、ステップS301では、リール停止間演出2フラグが“オン”に設定されているか否かを判定する。そして、リール停止間演出2フラグが“オン”に設定されていると判定した場合はステップS302に移行し、リール停止間演出2フラグが“オン”に設定されていないと判定した場合はリール停止間演出2処理を終了する。
ステップS302では、リール停止間演出決定処理(図24参照)において設定された仮停止パターン(図33〜36参照)に従って、変動表示中のリール6の位相調整処理を行う。具体的には、第1リール(左リール6a)が停止操作され、設定された仮停止パターンの図柄組合せ態様を形成しうるボーナス図柄が停止表示されたときに、第2,第3リール(中リール6b、右リール6c)をほぼ同時に仮停止させることで、設定された仮停止パターンの図柄組合せ態様が形成されるように、各リール6a,6b,6cの位相を調整する(図21の〜t30)。
このとき、演出制御装置70は、リール停止間演出決定処理により送信された報知コマンドに基づいて、設定された仮停止パターンの図柄組合せ態様を形成する左リール6aのボーナス図柄を画像表示装置3に表示する(図23参照)。
ステップS303では、第1リール(左リール6a)の停止操作が行われたか否かを判定する。具体的には、第1リール6aの停止操作に伴い、対応する停止センサ53aから停止信号が入力されたか否かに基づいて判定する。そして、第1リール6aの停止操作が行われたと判定するとステップS304に移行する。
また、第1リール6aの停止操作が行われたときには、どのリールの停止操作が行われたかを示す停止コマンド、及び停止操作されたリールにおいて停止表示されている停止図柄コマンドが演出制御装置70に送信される。演出制御装置70では、停止コマンド及び停止図柄コマンドに基づいて、リール停止間演出2に関する演出(画像表示装置3における表示や発光装置71における発光)の制御が行われる。
ステップS304では、第1リール6aにおいて有効ライン上に、設定された仮停止パターンの図柄組合せ態様を形成する特定のボーナス図柄(演出制御装置70により報知されたボーナス図柄)が停止表示されているか否かを判定する。そして、第1リール6aにおいて有効ライン上に特定のボーナス図柄が停止表示されていると判定した場合はステップS305に移行し、特定のボーナス図柄が停止表示されていないと判定した場合はステップS309に移行する。
リール停止間演出2は、予め停止表示される仮停止パターンが決定されているため、第1リール6aおいて有効ライン上に特定のボーナス図柄が停止表示されている場合(ステップS304で“Y”)にだけ、ステップS305以降の処理により仮停止パターンによる演出が実行されるようにしている。一方、第1リール6aおいて有効ライン上に特定のボーナス図柄が停止表示されなかった場合(ステップS304で“N”)は、仮停止パターンによる演出は中止されることとなる。
ステップS305では、停止無効化処理を行い、第2,第3リール6b,6cの停止操作を無効化する(図21のt30)。
ステップS306では、リール停止間演出決定処理(図24参照)において設定された仮停止パターン(図33〜36参照)に従って、変動表示中の第2,第3リール6b,6cを仮停止する(図21のt30)。このとき、予め決定された仮停止パターン(BB目,RB目,チャンス目,バラケ目の何れか)が出現することとなる。
なお、変動表示中の第2,第3リール6b,6cを仮停止させるタイミングは、第1リール6aの停止と同時でなく、第1リール6aの停止から所定時間経過後としてもよい。
ステップS307では、予め設定された演出時間が終了したか否かを判定する。例えば、図21に示すリール停止間演出2では、t31をもって演出時間の終了とする(例えば、仮停止から1秒)。そして、演出時間が終了したと判定した場合はステップS308に移行する。
ステップS308では、仮停止されていた第2,第3リール6b,6cの変動表示を再開し(図21のt31)、変動表示速度が規定速度に達した時点で第2,第3リール6b,6cの停止操作を有効化する(図21のt32)。
ステップS309では、リール停止間演出2フラグを“オフ”に設定する。
なお、本実施形態では、第1リール6aに特定のボーナス図柄が停止表示されない場合(ステップS304で“N”)にリール停止間演出2フラグを“オフ”に設定するようにしているが、リール停止間演出2フラグを“オン”に設定したまま、次ゲームに持ち越すようにしてもよい。この場合、当該ゲームにおいてボーナス入賞が成立したときにはリール停止間演出2フラグは“オフ”に設定される。
リール停止間演出2は以上のようにして実行される。
このように、リール停止間演出2では、演出手段としての遊技制御装置50は、停止操作の対象となるリール6aの停止に応じて、変動表示中のリール6b,6cを仮停止させる(ステップS306)。そして、既に停止したリール6aのボーナス図柄(識別情報)と変動表示中のリール6b,6cのボーナス図柄によって、図柄表示窓5内に設定された有効ライン上において予め定められた特別結果態様(特別図柄組合せ態様、特定図柄組合せ態様)が形成されるように、変動表示中のリールの変動表示速度を制御する(ステップS302)。
これにより、ボーナス入賞に当選したことを確実に遊技者に知らしめることができる演出となり、遊技者の期待感を極めて高めることができる。
上述したように、スロットマシン1において、停止操作無効手段としての遊技制御装置50は、第1リール6aに対する停止操作が行われ、第2,第3リール6b,6cが変動表示されているときに、変動表示中の第2,第3リール6b,6cに対する停止操作を所定期間無効にする(図37のステップS204,S208、図38のステップS304,S308)。
また、演出手段としての遊技制御装置50は、停止操作無効期間中に内部抽選用乱数の抽出結果(内部抽選結果)に基づく演出を行う(図37のステップS205〜S207、図38のS306,S307)。
ここで、本実施形態では、左リール6aが1番目に停止操作されたときに、中、右リール6b,6cの停止操作が無効とされ、リール停止間演出が実行される場合について説明したが、1番目に停止操作されるリールは左、中、右リール6a,6b,6cのどれであってもよい。また、2個のリールが停止操作されたときに、残り1個のリールの停止操作が無効とされ、リール停止間演出が実行されるようにしてもよい。
すなわち、スロットマシン1は、一部のリールに対する停止操作が行われた場合であって他のリールが変動表示されているときに、当該変動表示中のリールに対する停止操作を所定期間無効にする停止操作無効手段(遊技制御装置50)と、停止操作無効期間中に乱数の抽出結果に基づく演出を行う演出手段(遊技制御装置50)と、を備えている。
これにより、一部のリール(例えば、左リール6a)に対する停止操作が行われた場合であって他のリール(例えば、中、右リール6b,6c)が変動表示されているときに、当該変動表示中のリールに対する停止操作を所定期間無効にして、その無効期間中に、乱数の抽出結果に基づく演出を行うので、ゲームの実行中に遊技者に対して内部抽選結果に応じた効果的な演出を実行できる。また、通常とは異なるゲームの進行となるのでより斬新な演出となり、遊技に対する期待感及び興趣を高めることができる。
また、演出手段としての遊技制御装置50は、変動表示中のリール(例えば、中、右リール6b,6c)の変動表示速度を変更することで演出を行う。これにより、遊技者に確実に演出の実行を認識させることができ、より効果的な演出となる。
また、内部抽選結果に応じた演出は、上述した変動表示速度の変更の他、例えば、画像表示装置3における表示、発光装置(ランプ、LED)71の発光、スピーカ4による音声出力等によって実現することもできる。
ゲーム待機時間演出では、全てのリール6の停止操作が行われた後、次のゲームを開始するための操作(ベット操作、スタートレバー操作)を無効とするゲーム待機時間を、内部抽選結果に応じて設定可能としている。
すなわち、本実施形態のスロットマシン1は、ゲームの終了から次のゲームの開始に関わる操作を有効とするまでのゲーム待機時間を設定可能であるとともに、その長さを変更できるようになっている。
このゲーム待機時間とは、図39に示すように、前後して実行される2のゲームの間において、前のゲームが終了したとき(t10)からの所定時間(t17まで)であって、このゲーム待機時間中は、ベット操作やスタートレバー21の操作(例えば、t14の操作)などの後のゲームの開始に関わる操作を受け付けないようになっている。よって、次のゲームは、このゲーム待機時間の経過後、ベット操作(メダルの投入又はクレジットからの入力)され、スタートレバー21の操作に基づくスタートレバーセンサ52からの検出信号の入力(t18)があった際に開始される。なお、ゲーム待機時間は、ウエイト時間よりも後に終了するように設定されている。
ゲーム待機時間としては、0秒(ゲーム待機時間なし)、10秒、20秒、30秒があり、後述するように、このうちから一つが内部抽選用の乱数の抽出結果に基づき選択されて設定されるようになっている。そして、ゲーム待機時間として0秒以外が選択された場合に、そのゲーム待機時間において、終了したゲームで当選していた入賞を示唆する演出変動表示が行われるようになっている。
この演出変動表示では、ゲームの終了時(図39のt10)に停止したリール6により図柄表示窓5にゲームの結果態様を表示する状態(図40(a))から、所定のリール6の回転(変動表示)を開始して(図39のt11、図40(b))、所定時間後に停止する(図39のt12)ことで、リール6により図柄表示窓5に演出用の表示態様を表示する状態(図40(c)〜(f))とする。
このとき停止したリール6により図柄表示窓5に形成される演出用の表示態様には、図40(c)に示すようなゲームの結果態様と同じ表示態様、図40(d)に示すような特定結果態様(いわゆるチャンス目)の表示態様、図40(e)に示すようなRB入賞の図柄組合せ態様(ボーナス図柄組合せ態様、特別図柄組合せ態様)の表示態様、図40(f)に示すようなBB入賞の図柄組合せ態様(ボーナス図柄組合せ態様、特別図柄組合せ態様)の表示態様があり、このうちいずれかが表示されるようになっている。
なお、後述するように、演出用の表示態様も内部抽選用の乱数の抽出結果に基づき選択されるようになっており、ゲーム待機時間の長さと演出用の表示態様により、当選した入賞が示唆されるようになっている。
この演出用の表示態様を所定時間表示した後、再び所定のリール6の回転(変動表示)を開始して(図39のt13)、所定時間後に停止する(図39のt16)ことで、リール6により図柄表示窓5に終了したゲームの結果態様を表示する状態(図40(g))に戻すようになっている。また、演出変動表示が行われる場合には、画像表示装置3においても対応した演出表示がなされるようになっている。また、発光装置71による演出や、スピーカ4からの音声による演出、演出装置72による演出なども行うことで、興趣性をより高めるようになっている。
このようなゲーム待機時間の設定や、演出用の表示態様の設定を行う処理として、遊技制御装置50では図41に示すゲーム待機時間設定処理が行われる。このゲーム待機時間設定処理は、ゲームの開始時であって、上述した有効待機時間設定処理で有効待機時間が設定された後に行われるようになっている。
ゲーム待機時間設定処理では、まず、ゲームが開始されたか否かの判定(ステップS40)を行う。具体的には、スタートレバー21の操作に基づきスタートレバーセンサ52から検出信号が入力されたか否かに基づいて判定する。
そして、ステップS40において、ゲームが開始されていないと判定した場合(ステップS40;N)は、ゲーム待機時間設定処理を終了する。また、ステップS40において、ゲームが開始されたと判定した場合(ステップS40;Y)は、設定された有効待機時間が5秒以上(5.0秒もしくは10.0秒)であるか否かの判定(ステップS41)を行う。
ステップS41において、有効待機時間が5秒以上であると判定した場合(ステップS41;Y)は、ゲーム待機時間設定処理を終了する。この場合はゲーム待機時間が設定されない(ゲーム待機時間が0秒となる)。これにより、ゲームの進行が著しく妨げられることを防止できる。なお、5秒以上の有効待機時間が設定されている場合は、ゲーム開始時の有効待機時間において内部抽選用の乱数の抽出結果に関する示唆として、ボーナス入賞に当選している可能性が高いことが示されることとなる。
また、ステップS41において、有効待機時間が5秒以上でないと判定した場合(ステップS41;N)は、ゲーム待機時間決定用乱数を抽出する処理(ステップS42)を行い、内部抽選状態に応じたゲーム待機時間を設定する処理(ステップS43)を行う。
ステップS43では、内部抽選用の乱数の抽出結果に基づいて、後述するゲーム待機時間用の決定テーブルの何れかを参照し、参照した決定テーブルとステップS42で抽出した乱数に基づいて有効待機時間を設定する。
ゲーム待機時間の選択に用いられる決定テーブルには、図42〜45に示すテーブル1からテーブル4の四つが設定されている。このうち、内部抽選用の乱数の抽出結果がBB入賞の当選であった場合は、図42に示すテーブル1が選択される。内部抽選用の乱数の抽出結果がBB入賞の当選であった場合には、BB入賞が重複小役入賞(チェリー入賞)と重複して当選した場合と、BB入賞が単独で当選した場合とがあるが、ここでは両方の場合を含むものとする。
このBB入賞の当選時に選択されるテーブル1では、ゲーム待機時間として0秒(ゲーム待機時間なし)が選択される選択率が30%であり、ゲーム待機時間として10秒が選択される選択率が30%となっている。また、ゲーム待機時間として20秒が選択される選択率が30%、ゲーム待機時間として30秒が選択される選択率が10%となっている。
BB入賞の当選時に選択されるテーブル1では、BB入賞の当選時以外よりも、選択可能なゲーム待機時間のうち長いゲーム待機時間の選択率が高くなるようにされており、遊技者が最も関心を持つ事項であるBB入賞の当選に対する期待感を高めることができるようになっている。なお、30秒のゲーム待機時間はBB入賞の当選時でのみ選択できるようになっており、この30秒のゲーム待機時間が選択されて実行された場合は、遊技者がBB入賞に当選していることを認識可能となる。
内部抽選用の乱数の抽出結果がRB入賞の当選であった場合は、図43に示すテーブル2が選択される。なお、内部抽選用の乱数の抽出結果がRB入賞の当選であった場合には、RB入賞が重複小役入賞(チェリー入賞)と重複して当選した場合と、RB入賞が単独で当選した場合とがあるが、ここでは両方の場合を含むものとする。
このRB入賞の当選時に選択されるテーブル2では、ゲーム待機時間として0秒(ゲーム待機時間なし)が選択される選択率が30%であり、ゲーム待機時間として10秒が選択される選択率が40%となっている。また、ゲーム待機時間として20秒が選択される選択率が30%、ゲーム待機時間として30秒が選択される選択率が0%となっている。
RB入賞の当選時のテーブル2では、BB入賞の当選時の場合に次いで、選択可能なゲーム待機時間のうち長いゲーム待機時間の選択率が高くなるようにされており、遊技者がBB入賞と同じく関心を持つ事項であるRB入賞の当選に対する期待感を高めることができるようになっている。
内部抽選用の乱数の抽出結果が重複小役入賞(チェリー入賞)の当選で、かつ、ボーナス入賞が重複して当選しなかった場合、すなわち重複小役入賞が単独で当選した場合は、図44に示すテーブル3が選択される。
この重複小役入賞が単独で当選した場合に選択されるテーブル3では、ゲーム待機時間として0秒(ゲーム待機時間なし)が選択される選択率が80%であり、ゲーム待機時間として10秒が選択される選択率が15%となっている。また、ゲーム待機時間として20秒が選択される選択率が5%、ゲーム待機時間として30秒が選択される選択率が0%となっている。
重複小役入賞が単独で当選した場合に選択されるテーブル3では、ボーナス入賞と重複して当選する可能性のない通常小役入賞に当選した場合やはずれの場合に選択されるテーブル4(図45に図示)よりも、長いゲーム待機時間の選択率が高くなるようにされている。これにより、ボーナス入賞が重複して当選している可能性に対する期待感を高めることができるようになっている。
内部抽選用の乱数の抽出結果が通常小役入賞に当選した場合やはずれの場合は、図45に示すテーブル4が選択される。ここで、通常小役入賞とは、ボーナス入賞と重複して当選する可能性のある重複小役入賞(チェリー入賞)以外の小役入賞(ベル入賞、スイカ入賞、リプレイ入賞)である。また、はずれとは何れの入賞にも当選しなかった場合である。
この通常小役入賞に当選した場合やはずれの場合に選択されるテーブル4では、ゲーム待機時間として0秒(ゲーム待機時間なし)が選択される選択率が92%であり、ゲーム待機時間として10秒が選択される選択率が5%となっている。また、ゲーム待機時間として20秒が選択される選択率が3%、ゲーム待機時間として30秒が選択される選択率が0%となっている。
通常小役入賞に当選した場合やはずれの場合に選択されるテーブル4では、ゲーム待機時間がなしとなる0秒の他に、10秒、20秒のゲーム待機時間も僅かに選択可能となっており、通常小役入賞に当選した場合やはずれの場合であってもボーナス入賞に当選している可能性に対する期待感を持たせ、遊技の興趣が低下しないようにしている。
なお、重複小役入賞が単独で当選した場合にテーブル3を選択するとしたが、ボーナス入賞に重複して当選した場合にもテーブル3を選択するようにしてもよい。このようにすることで、ボーナス入賞が重複して当選したか否かが遊技者に分かりにくくなり、次ゲームへの期待感を高めることができて、遊技の興趣を高めることができる。
また、BB入賞の当選時にテーブル1を選択し、RB入賞の当選時にテーブル2を選択するとしたが、ボーナス入賞に内部当選したゲームより後のゲームであって、ボーナス入賞が成立するゲームまでのボーナス入賞当選フラグが持ち越されることとなるゲームでも引き続き同じ決定テーブル(テーブル1もしくはテーブル2)を選択するようにしてもよい。この場合、一度ゲーム待機時間として20秒もしくは30秒が選択された場合には、そのゲームから当選しているボーナス入賞が成立するゲームまでのゲーム(当選したボーナス入賞の当選フラグが持ち越されているゲーム)では、ゲーム待機時間を設定しない(ゲーム待機時間として0秒を選択する)ようにしてもよい。
すなわち、特別入賞は、当該入賞に当選した場合に、当該入賞が成立するまで入賞の権利が持ち越されるようにされ、ゲーム待機時間設定手段(遊技制御装置50)は、特別入賞に当選して当該特別入賞が成立するまでのゲームで、所定のゲーム待機時間を設定した場合は、次回以降の特別入賞が成立するまでのゲーム(ボーナス入賞当選フラグが持ち越されることとなるゲーム)についてゲーム待機時間の設定を禁止する禁止手段(遊技制御装置50)を備えるようにしてもよい。
また、一度演出用の表示態様として特定の表示態様(後述するパターン1またはパターン2)が選択された場合には、そのゲームから当選しているボーナス入賞が成立するゲームまでのゲーム(当選したボーナス入賞の当選フラグが持ち越されているゲーム)では、ゲーム待機時間を設定しない(ゲーム待機時間として0秒を選択する、演出変動表示を行わない)ようにしてもよい。
すなわち、特別入賞は、当該入賞に当選した場合に、当該入賞が成立するまで入賞の権利が持ち越されるようにされ、ゲーム待機時間設定手段(遊技制御装置50)は、特別入賞に当選して当該特別入賞が成立するまでのゲームで、特別変動表示制御手段(遊技制御装置50)が当該特別入賞に当選したことを識別可能な特定な表示態様を停止させた場合は、次回以降の特別入賞が成立するまでのゲーム(ボーナス入賞当選フラグが持ち越されることとなるゲーム)についてゲーム待機時間の設定を禁止する禁止手段(遊技制御装置50)を備えるようにしてもよい。
このような禁止手段を備える場合には、画像表示装置3、スピーカ4、発光装置71、演出装置72などによりボーナス入賞に当選したことを報知(例えば、「ボーナス確定」の表示や当選した入賞の図柄を表示)するようにしてもよい。
以上のようなゲーム待機時間用の決定テーブルを参照してゲーム待機時間を決定した後、演出用停止図柄を決定する処理(ステップS44)を行い、ゲーム待機時間設定処理を終了する。ステップS44では、上述のように決定したゲーム待機時間と、内部抽選用の乱数の抽出結果およびこの処理において抽出される演出用停止図柄決定用乱数に基づき、演出用停止図柄(演出用の表示態様)を決定する処理がなされる。
この演出用停止図柄は、図46に示す決定テーブルに基づき決定されるようになっており、この決定テーブルでは、例えば、ゲーム待機時間として10秒が選択され、内部抽選用の乱数の抽出結果がBB入賞の当選であった場合に、演出用の表示態様としてパターン1が選択される選択率が20%、パターン2が選択される選択率が30%、パターン3が選択される選択率が40%、パターン4が選択される選択率が10%となっている。また、ゲーム待機時間として20秒が選択され、内部抽選用の乱数の抽出結果がBB入賞の当選であった場合に、演出用の表示態様としてパターン1が選択される選択率が40%、パターン2が選択される選択率が40%、パターン3が選択される選択率が15%、パターン4が選択される選択率が5%となっている。
ここで、図46に示す演出用の表示態様のうち、パターン1は、図40(f)に示すようなBB入賞の図柄組合せ態様の表示態様である。決定テーブルに示すように、このパターン1が選択されるのは内部抽選用の乱数の抽出結果がBB入賞の当選であった場合のみとなっており、このパターン1の演出用の表示態様が表示された場合は、遊技者がBB入賞に当選したことを認識可能となる。なお、パターン1の演出用の表示態様においては、複数種類あるBB入賞の図柄組合せ態様のうち、当選したBB入賞に対応する図柄組合せ態様が表示されるようになっている。
また、ゲーム待機時間として30秒が選択される場合はBB入賞に当選した場合のみであるので、決定テーブルではその他の入賞やはずれの場合の選択率は設定されていない。さらに、演出用の表示態様としてパターン1が選択される選択率が100%とされ、遊技者にBB入賞の当選を確実に認識させることができるようにされている。
パターン2は、図40(e)に示すようなRB入賞の図柄組合せ態様の表示態様である。決定テーブルに示すように、このパターン2が選択されるのは、内部抽選用の乱数の抽出結果がボーナス入賞の当選の場合のみとなっており、このパターン2の演出用の表示態様が表示された場合も、遊技者がボーナス入賞に当選したことを認識可能となる。なお、RB入賞の当選時にパターン2の演出用の表示態様が表示される場合には、複数種類あるRB入賞の図柄組合せ態様のうち、当選したRB入賞に対応する図柄組合せ態様が表示されるようになっている。また、RB入賞の当選時以外(ここではBB入賞時)でパターン2の演出用の表示態様が表示される場合には、複数種類あるRB入賞の図柄組合せ態様のうち、任意のRB入賞に対応する図柄組合せ態様が表示されるようになっている。
パターン3は、図40(d)に示すような特定結果態様(いわゆるチャンス目)の表示態様である。ここで、特定結果態様は、ボーナス入賞に当選している場合に出現する可能性が高いゲームの結果態様で、例えば、ボーナス図柄が有効ライン上に並ぶパターン(特別図柄組合せ態様を除く)である。
本実施形態のスロットマシン1では、ボーナス入賞に当選しているが当該ボーナス入賞が成立する図柄組合せ態様を停止できなかった場合や、重複小役入賞に当選(ボーナス入賞の重複当選の有無を問わず)しているが当該重複小役入賞が成立する図柄組合せ態様を停止できなかった場合にゲームの結果態様として出現可能とされている。
パターン4は、図40(c)に示すような、ゲーム終了時の結果態様と同じ表示態様である。決定テーブルに示すように、内部抽選用の乱数の抽出結果がボーナス入賞の当選の場合であってもパターン4が選択される可能性があり、パターン4が表示された場合でもボーナス入賞に当選している可能性に対する期待感を失わないようにし、遊技の興趣が低下しないようにしている。
なお、このパターン4の表示態様を表示する場合は、演出用の表示態様を表示する状態からゲームの結果態様に戻す変動表示を行わないようにしてもよい。すなわち、ゲームの結果態様を表示する状態からリール6を回転(変動表示)して、元のゲームの結果態様を表示する状態で停止し、この状態で表示しているゲームの結果態様を演出用の表示態様とするようにしてもよい。また、リール6の回転(変動表示)を行わず、ゲーム待機時間においてゲームの開始に関わる操作を受け付けないようにするだけとしてもよい。
以上のようにゲーム待機時間設定処理で決定されたゲーム待機時間の長さや演出用の表示態様などのゲーム待機時間に関する情報は、ゲーム待機時間情報として演出制御装置70に送信されるようになっている。
すなわち、遊技制御装置50が、ゲーム待機時間を複数の時間のうちから何れかに決定するゲーム待機時間決定手段をなすとともに、前後して実行される2のゲームの間において、後のゲームを開始するための所定の操作を無効とするゲーム待機時間を設定するゲーム待機時間設定手段をなす。また、遊技制御装置50が、ゲーム待機時間に応じて演出用の表示態様を決定する表示態様決定手段をなす。
このように複数のゲーム待機時間の設定があることで、遊技を多彩にすることが可能となる。また、その分、演出変動表示のバリエーションも増やすことができ興趣性を高めることが可能となる。また、ゲーム待機時間の長さに応じて演出用の表示態様を形成できるので、遊技者の期待感を高めることができる。例えば、ゲーム待機時間が長くなるほど特別の当選(ボーナス入賞の当選)の可能性が高い表示態様が停止しやすくなるなどの制御が可能となる。
また、遊技制御装置50では、上述のように設定されたゲーム待機時間や演出用の表示態様を実行するための演出変動表示処理が行われる。
図47に示すように、この演出変動表示処理においては、まず、ゲームが終了したか否かの判定(ステップS50)を行う。ここで、ゲームの終了とは、すべてのリール6が停止してゲームの結果態様が表示されることである。なお、ゲームの結果態様により入賞が成立してメダルの払い出しがある場合には、その払い出しの終了がゲームの終了となる。
そして、ステップS50において、ゲームが終了していないと判定した場合(ステップS50;N)は、演出変動表示処理を終了する。また、ステップS50において、ゲームが終了していると判定した場合(ステップS50;Y)は、ゲーム待機時間が設定されているか否かの判定(ステップS51)を行う。
ステップS51において、ゲーム待機時間が設定されていない(ゲーム待機時間が0秒)と判定した場合(ステップS51;N)は、賭入力を有効化する処理(ステップS55)を行い、演出変動表示処理を終了する。ステップS55では、ベット操作やスタートレバー21の操作などの後のゲームの開始に関わる操作の受け付けを有効にする処理が行われる。なお、ウエイト時間がある場合は、該ウエイト時間が経過した後、賭入力等を有効にする。
また、ステップS51において、ゲーム待機時間が設定されていると判定した場合(ステップS51;Y)は、演出変動表示条件が成立しているか否かの判定(ステップS52)を行う。
ステップS52において、演出変動表示条件が成立していると判定した場合(ステップS52;Y)は、演出変動表示処理(ステップS53)を行い、演出変動表示処理を終了する。また、ステップS52において、演出変動表示条件が成立していないと判定した場合(ステップS52;N)は、決定内容をクリアする処理(ステップS54)を行い、賭入力を有効化する処理(ステップS55)を行って、演出変動表示処理を終了する。
この演出変動表示条件とは、例えば、内部抽選用の乱数の抽出結果がボーナス入賞の当選であった場合に、ゲームの結果態様で当該ボーナス入賞に対応する図柄組合せ態様が形成されていないことである。この演出変動表示条件が成立していない場合、すなわち、ボーナス入賞が成立した場合には演出変動表示を行う必要がないため、ステップS54で設定されていたゲーム待機時間や演出用の表示態様をクリアする処理(ゲーム待機時間を0秒とする)を行い、演出変動表示を行わないようにする。
なお、ボーナス入賞に対応する図柄組合せ態様を狙うような停止操作が行われていないことを演出変動表示条件として加えてもよい。ここで、ボーナス入賞に対応する図柄組合せ態様を狙うような停止操作が行われた場合とは、例えば、ボーナス入賞に対応する図柄組合せ態様が有効ライン上に形成されるタイミング(引込停止制御が可能な範囲(例えば、ボーナス図柄の手前4コマ以内))で停止操作が行われた場合である。また、当選していないボーナス入賞に対応する図柄組合せ態様が有効ライン上に形成されるタイミングで停止操作が行われ、当該図柄組合せ態様を構成する図柄が有効ラインを通り過ぎるようにする、いわゆる蹴飛ばし停止制御が行われた場合としてもよい。また、すべてのリール6を停止する前に、すでに停止したリール6の結果によりボーナス入賞の当否が判定可能(いわゆる1リール確定や2リール確定)な場合は、そのボーナス入賞の当否が判定可能な結果を停止可能な範囲で停止操作が行われた場合や、狙った結果、蹴飛ばし停止制御が行われた場合としてもよい。
このように、遊技者がボーナス入賞に対応する図柄組合せ態様を狙って停止操作を行った場合、内部抽選用の乱数の抽出結果がボーナス入賞の当選でない場合(狙ったボーナス入賞の当選でない場合)は、対応する図柄組合せ態様が形成されないように制御される。よって、その時点で遊技者が当該ボーナス入賞に当選していないことを認識できるので、その後に当該ボーナス入賞に当選している可能性があるような演出変動表示を行っても意味がないため、演出変動表示を行わないようにしてもよい。
また、ステップS53では、ゲーム待機時間内におけるリール6の演出変動表示を制御する処理が行われ、これにより、図40に示すように、ゲームの結果態様を表示する状態から所定のリール6を変動表示して演出用の表示態様を表示する状態とし、所定時間後に再び所定のリール6を変動表示してゲームの結果態様を表示する状態に復帰させる演出変動表示が行われるようになる。
すなわち、遊技制御装置50が、ゲーム待機時間設定手段により設定されたゲーム待機時間において、所定のリール6を変動表示させたのち乱数の抽出結果に基づく演出用の表示態様を停止させる演出変動表示の制御を行う演出変動表示制御手段をなす。また、遊技制御装置50が、遊技者にとって有利なボーナス状態を発生させる特別入賞(ボーナス入賞)が当選した場合に、当該特別入賞に当選したことを識別可能な特定の表示態様(パターン1もしくはパターン2の表示態様)を停止させる特定演出変動表示制御手段をなす。また、遊技制御装置50が、演出用の表示態様を停止させた後、ゲーム終了時に停止されたゲームの結果態様に復帰させるように所定のリール6を変動表示させる復帰変動表示制御手段をなす。
以上のように、ゲーム待機時間を設定するとともに、該ゲーム待機時間において演出変動表示を行うようにしたことで、内部抽選用の乱数の抽出結果を報知したり演出したりすることが可能となり、興趣性を極め高めることが可能となる。特に、ゲームの結果態様を導出するリール6の変動表示で内部抽選結果に応じた演出を行うことで、従来にない斬新且つ興趣性の高い演出が可能となる。
また、ボーナス入賞に当選した場合に、当該ボーナス入賞に当選したことを識別可能な特定な表示態様を停止させることができるので、遊技者に確実に内部抽選結果を報知することができるし、遊技者の喜びを極めて高めることが可能となり、特別入賞の当選に対する期待感や遊技の興趣性を高めることができる。
また、演出変動表示が行われても最終的にはゲーム終了時の結果態様に戻るので、遊技者自らリール6を停止させてゲームの結果態様を導出する、といったスロットマシン本来のゲーム性を損なうことなく興趣性や期待感を高めることが可能となる。また、ゲーム終了時の結果態様に戻すので、例えば、ボーナス入賞が成立する図柄組合せ態様と同一の表示態様となったのにボーナスゲームが開始されないといった遊技者の勘違いを防止することも可能となる。
以上のことから、遊技者により開始操作が行われた場合に複数のリール6の変動表示を伴うゲームを実行し、遊技者による停止操作が行われた場合に、ゲームの実行により抽出した乱数の結果に基づき該複数のリール6の停止制御を行うようにしたスロットマシンにおいて、前後して実行される2のゲームの間において、後のゲームを開始するための所定の操作を無効とするゲーム待機時間を設定するゲーム待機時間設定手段(遊技制御装置50)と、ゲーム待機時間設定手段により設定されたゲーム待機時間において、所定のリール6を変動表示させたのち乱数の抽出結果に基づく演出用の表示態様を停止させる演出変動表示の制御を行う演出変動表示制御手段(遊技制御装置50)と、を備え、演出変動表示制御手段は、遊技者にとって有利なボーナス状態を発生させる特別入賞に当選した場合に、当該特別入賞に当選したことを識別可能な特定な表示態様を停止させる特定演出変動表示制御手段(遊技制御装置50)を含んでいることとなる。
また、ゲーム待機時間設定手段(遊技制御装置50)は、ゲーム待機時間を複数の時間のうちから何れかに決定するゲーム待機時間決定手段(遊技制御装置50)を備え、ゲーム待機時間決定手段は、乱数の抽出結果に基づきゲーム待機時間を決定するようにしたこととなる。
また、演出変動表示制御手段(遊技制御装置50)は、ゲーム待機時間決定手段で決定したゲーム待機時間に応じて演出用の表示態様を決定する表示態様決定手段(遊技制御装置50)を備えたこととなる。
また、演出変動表示制御手段(遊技制御装置50)は、演出用の表示態様を停止させた後、ゲーム終了時に停止されたゲームの結果態様に復帰させるように所定のリール6を変動表示させる復帰変動表示制御手段(遊技制御装置50)を含んでいることとなる。
なお、演出変動表示におけるリール6の回転態様についても、内部抽選用の乱数の抽出結果などに基づき別途決定するようにしてもよい。このリール6の回転態様としては、順方向に等速で回転する場合のほか、例えば、逆方向への回転、回転速度の変化、リール6の一時停止と再回転、回転開始や停止のタイミングの変化などであり、これらを任意に組み合わせてもよい。また、ゲームの結果態様が所定の結果態様になることによってリール6の回転態様を変化させるようにしてもよく、例えば、二つのリール6でボーナス入賞が成立する図柄組合せ態様の一部が形成された結果態様であるいわゆるテンパイ目や、特別入賞に当選している場合に出現する可能性が高い結果態様である特定結果態様(いわゆるチャンス目)である場合に変化させるようにしてもよい。
また、全部のリール6を回転させるのではなく、一部のリール6のみを回転させるようにしてもよい。また、ゲーム待機時間を決定する決定テーブルや、演出用の表示態様を決定する決定テーブルにおける選択率も任意に変更可能であり、例えば、BB入賞に当選した場合にのみゲーム待機時間として30秒が設定されるとしたが、これに加えて、ボーナス入賞に当選した場合にのみゲーム待機時間として20秒が設定されるようにしてもよい。
また、有効待機時間やゲーム待機時間を決定する遊技制御装置50では、ゲームの開始時に設定された有効待機時間が5秒以上であるゲームについては、当該ゲームの終了後にゲーム待機時間を設定しない(ゲーム待機時間として0秒を選択する)ようにしているが、ゲーム待機時間を設定しないようにする有効待機時間の閾値は他の値(3秒、10秒)としてもよい。また、待機時間が遅延されたゲームのすべて、すなわち、有効待機時間が1秒以上であるゲームでゲーム待機時間を設定しないようにしてもよい。このようにすることによって、ゲームの進行が著しく妨げられることを防止できる。すなわち、遊技制御装置50が、1のゲームに対して、待機時間の遅延とゲーム待機時間の両方が設定されることを禁止する設定禁止手段をなす。すなわち、1のゲームに対して、待機時間の遅延とゲーム待機時間の両方が設定されることを禁止する設定禁止手段(遊技制御装置50)を備えるようにしてもよい。
なお、待機時間の遅延を設定する処理を行った後にゲーム待機時間を設定する処理を行うようにしているが、ゲーム待機時間を設定する処理を待機時間の遅延を設定する処理よりも先に行うようにして、ゲーム待機時間の選択結果に応じて待機時間の遅延処理を行うようにしてもよい。そして、ゲーム待機時間が設定される場合(0秒以外のゲーム待機時間が設定される場合)には、待機時間を遅延しないようにして、ゲーム待機時間の設定を優先するようにしてもよい。
次に、ゲーム待機時間演出の第1変形例について図48,49を参照して説明する。本変形例では、ゲームの結果態様が所定の結果態様となったことを条件に演出変動表示を行うようにしている。
図48には、所定の結果態様として、ゲームの結果態様が二つのリール6でBB入賞が成立する特別図柄組合せ態様の一部が形成された結果態様であるいわゆるテンパイ目となった場合に、残りの一つのリール6を変動表示することで演出変動表示を行う例を示している。この例では、図48(a)に示すように、左リール6a、中リール6bの二つのリールによりBB入賞が成立する特別図柄組合せ態様の一部(白7−白7)が中段の横ラインに形成され、右リール6cを変動表示することで演出変動表示を行う場合を示している。この場合、図48(a)に示すゲームの結果態様を表示する状態から、図48(b)に示すように右リール6cを回転(変動表示)して所定時間後に停止することで、リール6により図柄表示窓5に演出用の表示態様を表示する状態(図48(c)から(e))とする。
このとき停止したリール6により図柄表示窓5に形成される演出用の表示態様には、図48(c)に示すようなはずれパターンの表示態様、図48(d)に示すようなチャンス目パターンの表示態様、図48(e)に示すような確定パターンの表示態様があり、このうち何れかが内部抽選用の乱数の抽出結果に基づき選択されるようになっている。この演出用の表示態様を所定時間表示した後、再び右リール6cを回転(変動表示)して所定時間後に停止することで、リール6により図柄表示窓5に終了したゲームの結果態様を表示する状態(図48(f))に戻すようになっている。
図48(c)に示すようなはずれパターンの表示態様は、内部抽選用の乱数の抽出結果が、主にはずれや小役入賞であった場合に選択されるようになっている。なお、ボーナス入賞に当選した場合にも低い確率ではあるが選択可能となっている。このはずれパターンの表示態様は、左リール6a、中リール6bによって形成されたボーナス入賞が成立する特別図柄組合せ態様の一部(白7−白7)に対して、変動表示した右リール6cにある当該特別図柄組合せ態様を構成する図柄(白7)が、図柄表示窓内に停止するが当該特別図柄組合せ態様を形成しない位置(図48に示す場合は中段以外の上段もしくは下段)に停止した状態である。
図48(d)に示すような特定結果態様(いわゆるチャンス目)パターンの表示態様は、上述のはずれパターンの表示態様を表示する場合よりも、ボーナス入賞の可能性が高い場合に表示されるようになっている。なお、特定結果態様は、ゲームの結果態様として、ボーナス入賞に当選している場合に出現する可能性が高い結果態様であって、例えば、ボーナス図柄が有効ライン上に並ぶパターン(特別図柄組合せ態様を除く)である。図48(d)では、チャンス目パターンとして、左リール6a、中リール6bによって形成されたボーナス入賞が成立する特別図柄組合せ態様の一部(白7−白7)に対して、変動表示した右リール6cにある他の特別図柄組合せ態様を構成する図柄(赤7)が、同じ有効ライン上に並ぶ位置(図48に示すの場合は中段)に停止した表示態様を示している。
図48(e)に示すような確定パターンの表示態様は、内部抽選用の乱数の抽出結果がBB入賞の当選であった場合にのみ表示されるようになっており、この確定パターンの表示態様が表示された場合は、遊技者がBB入賞に当選したことを認識可能となる。すなわち、遊技者にとって有利なボーナス状態を発生させる特別入賞に当選したことを識別可能な特定な表示態様である。この確定パターンの表示態様は、左リール6a、中リール6bによって形成されたボーナス入賞が成立する特別図柄組合せ態様の一部(白7−白7)に対して、変動表示した右リール6cにある当該特別図柄組合せ態様を構成する図柄(白7)が、当該特別図柄組合せ態様を形成する位置(図48に示すの場合は中段)に停止し、当該特別図柄組合せ態様が形成された表示態様である。
本変形例のスロットマシンでの演出変動表示に関する制御処理は、上述のスロットマシンと略同様であり、内部抽選用の乱数の抽出結果に基づき、ゲーム待機時間や演出用の表示態様を決定する。また、図47に示す演出変動表示処理における、演出変動表示条件が成立しているか否かの判定(ステップS52)において、ゲームの結果態様がテンパイ目となったかを条件に加えるようにする。そして、少なくともゲームの結果態様がテンパイ目となった場合に条件が成立するものとし、演出変動表示を行うようにする。このように、ゲームの結果態様がテンパイ目となったことを条件として演出変動表示を行うようにしたことで、ゲームの結果態様に無関係に演出変動表示を行う場合よりも遊技者はゲームの結果態様に注目することとなり遊技に対する興趣性が向上する。また所定の結果態様が導出表示された場合に遊技者に期待感を高めることが可能となる。
なお、上述したように、内部抽選用の乱数の抽出結果がボーナス入賞の当選であった場合に、ゲームの結果態様で当該ボーナス入賞に対応する図柄組合せ態様が形成された場合は演出変動表示を行わないようにする。また、上述したように、ボーナス入賞に対応する特別図柄組合せ態様を狙うような停止操作が行われた場合として、例えば、図48に示す場合では、右リール6cで白7を狙った停止操作があった場合には演出変動表示を行わないようにしてもよい。また、ボーナス入賞の当否が判定可能な結果を狙うような停止操作が行われた場合にも演出変動表示を行わないようにしてもよい。また、内部抽選用の乱数の抽出結果がBB入賞の当選である場合には、当該BB入賞に対応する特別図柄組合せ態様のテンパイ目が形成された場合のみ演出変動表示を行うようにしてもよい。この場合、確定パターンの表示態様では、当該BB入賞に対応する特別図柄組合せ態様が表示されることとなる。
また、図49に示すように、演出変動表示を行う条件となる所定の結果態様として、ゲームの結果態様が、ボーナス入賞に当選している場合に出現する可能性が高い結果態様である特定結果態様(いわゆるチャンス目)となった場合としてもよい。この特定結果態様は、例えば図49(a)に示すような、ボーナス図柄が有効ライン上に並ぶパターン(特別図柄組合せ態様を除く)である。この場合は、図49(b)に示すように、すべてのリール6を変動表示して演出変動表示を行うようにする。ただし、チャンス目がテンパイ目である場合は、図48に示すように、残りの一つのリール6を変動表示するようにしてもよい。
また、特定結果態様が導出される場合を、ボーナス入賞に当選しているが当該ボーナス入賞が成立する特別図柄組合せ態様を停止できなかった場合と、重複小役入賞に当選(ボーナス入賞の重複当選の有無を問わず)しているが当該重複小役入賞が成立する特別図柄組合せ態様を停止できなかった場合にのみゲームの結果態様として出現可能とすれば、はずれの場合と通常小役入賞の当選の場合に演出変動表示が行われることがなくなる。これにより、ゲームの進行を著しく遅らせてしまうようなことを防止できるとともに、演出変動表示が行われた場合の期待感を高めることができる。このように、ゲームの結果態様が特定結果態様(チャンス目)となったことを条件として演出変動表示を行うようにしたことで、特定結果態様が導出表示された場合に特別入賞の当選に対する期待感を極めて高めることが可能となる。
なお、特別入賞(ボーナス入賞)に当選して演出変動表示を実行することが決定したにもかかわらず、所定の結果態様(テンパイ目やチャンス目)が成立せずに演出変動表示を実行しなかった場合に、当該演出変動表示を実行する権利を次回以降のゲーム(ボーナス入賞当選フラグが持ち越されることとなるゲーム)に持ち越す持越手段(遊技制御装置50)を設けるようにしてもよい。すなわち、特別入賞は、当該入賞に当選した場合に、当該入賞が成立するまで入賞の権利が持ち越されるようにされ、演出変動表示制御手段(遊技制御装置50)は、ゲームの結果態様が所定の結果態様となったことを条件に演出変動表示を行うようにされ、特別入賞に当選したにもかかわらず、演出変動表示制御手段が、所定の結果態様とならなかったことに基づき演出変動表示を実行しないと決定した場合に、当該演出変動表示を実行する権利を、次回以降の特別入賞が成立するまでのゲーム(ボーナス入賞当選フラグが持ち越されることとなるゲーム)に持ち越す持越手段を設けるようにしてもよい。このようにすれば、演出変動表示の実行頻度が著しく低下してしまうことを防止できる。
また、本変形例を上述の実施形態と組み合わせて適用するようにしてもよく、例えば、上述の実施形態のように、演出変動表示の実行条件として所定の結果態様となることを条件としないスロットマシンにおいて、ゲームの結果態様に応じて演出変動表示させるリール6を選択する変動態様選択手段(遊技制御装置50)を備えるようにしてもよい。例えば、テンパイ目が形成された場合には、図柄が揃っていないリール6(テンパイ目を形成していない残りのリール6)のみを演出変動表示させるようにする。
また、何れの入賞にも当選せず、かつ、テンパイ目でないゲームの結果態様(いわゆるバラケ目)の場合には、全リール6を演出変動表示させる。このようにすれば、ゲームの結果態様を反映した演出変動表示が実行できる上、どのような結果態様でも演出変動表示の実行に対して期待を持つことができる。また、テンパイ目の場合はそのテンパイ目が維持されるので、ゲームの結果態様よりも演出変動表示時の表示態様の方が安い出目となること、すなわち、期待感が低くなるような出目となること(例えば、ゲームの結果態様がテンパイ目であったのに演出用の表示態様がバラケ目になってしまうこと)を防止できる。
以上のことから、演出変動表示制御手段(遊技制御装置50)は、ゲームの結果態様が所定の結果態様となったことを条件に演出変動表示を行うようにしたこととなる。
また、特別入賞(ボーナス入賞)の抽選は、1のゲームにおいて当該特別入賞を単一で当選させる場合と、当該特別入賞と所定の小役入賞(重複小役入賞、チェリー入賞)とを重複して当選させる場合との何れかで制御され、演出変動表示制御手段(遊技制御装置50)は、特別入賞に当選したにもかかわらずゲームの結果態様が当該特別入賞が成立しない結果態様となった場合、或いは所定の小役入賞に当選したにもかかわらずゲームの結果態様が当該所定の小役入賞が成立しない結果態様となった場合に導出される特定結果態様(チャンス目)が停止表示された場合に演出変動表示を行うようにしたこととなる。
次に、ゲーム待機時間演出の第2変形例について図50を参照して説明する。本変形例では、演出変動表示でボーナス入賞の当選を報知する表示態様を表示した後に、次のゲームでリール6を自動停止させることでボーナス入賞に対応する特別図柄組合せ態様が導出されるようなリール6の停止態様である特定停止態様とするようにしている。
本変形例では、ゲームにおいて所定の自動停止時間が経過しても遊技者の停止操作が行われなかった場合には、リール6を自動的に停止させる制御を遊技制御装置50が行うようにしている。このように自動的にリール6が停止される場合に導出されるゲームの結果態様は、前回のゲームの結果態様に基づいて決定するようになっている。すなわち、遊技制御装置50が、前回のゲームの結果態様に基づく結果態様となるようにリール6を自動的に停止させる自動停止制御手段をなす。
そして、演出変動表示において、ゲームの結果態様を表示する状態から図50(a)に示すようにリールを回転(変動表示)し、所定時間後に図50(b)に示すように演出用の表示態様として特定の表示態様を停止表示した場合に、この演出用の表示態様を所定時間表示した後、リール6を回転(変動表示)して所定時間後に、図50(c)に示すような特定停止態様とする制御を遊技制御装置50が行うようになっている。ここで、図50(b)に示す特定の表示態様とは、内部抽選用の乱数の抽出結果がボーナス入賞の当選である場合にのみ表示される表示態様で、例えば、図40(f)や図48(e)に示したような表示態様であり、遊技者にボーナス入賞に当選したことが報知される表示態様である。
また、図50(c)に示す特定停止態様では、具体的なリール6の停止位置は示していないが、制御の態様やリール6における図柄の配置などにより機種ごと決定されることとなる特定のリール6の停止態様となっている。このような特定停止態様となった場合、遊技者はスタートレバー21を操作してゲームを開始した後、停止操作を行わずに自動的にリール6が停止するのを待てば、当選した特別入賞が成立することとなる。すなわち、遊技制御装置50が、自動停止制御手段(遊技制御装置50)による自動停止制御が行われると該特別入賞(ボーナス入賞)を成立させる特別結果態様(特別図柄組合せ態様)が停止される表示態様(特定停止態様)となるように所定のリール6を変動表示させる特定復帰変動表示制御手段をなす。
なお、遊技制御装置50は、リール6の停止位置を特定停止態様とする場合には、演出制御装置70に対してその旨を含む情報を送信し、演出制御装置70では、この情報の受信に基づき、画像表示装置3に、次ゲームでリール6を自動停止させれば、特別図柄組合せ態様が形成されてボーナス入賞が成立する旨を表示するようになっている。
このような機能を備えることにより、ボーナス入賞に当選した場合には、次ゲームでは自動停止制御を利用して特別図柄組合せ態様を停止させることが可能となるので、目押し操作が苦手な遊技者にとって非常に喜ばれる機能を提供できる。また、リールストップボタン24による停止操作は可能であるので、それ以外の遊技者も通常通り目押しにより特別組合せ態様を停止させることも可能であり、遊技の興趣を損なうことはない。なお、本変形例を他の変形例と組み合わせて適用するようにしてもよい。
以上のことから、ゲームにおいて所定の自動停止時間が経過しても遊技者の停止操作が行われなかった場合に、前回のゲームの結果態様に基づく結果態様となるようにリール6を自動的に停止させる自動停止制御手段(遊技制御装置50)を備え、演出変動表示制御手段は、特別入賞(ボーナス入賞)に当選した場合は、演出用の表示態様を停止させた後、自動停止制御手段による自動停止制御が行われると該特別入賞を成立させる特別結果態様(特別図柄組合せ態様)が停止される表示態様(特定停止態様)となるように所定のリール6を変動表示させる特定復帰変動表示制御手段(遊技制御装置50)を含んでいることとなる。
次に、ゲーム待機時間演出の第3変形例について図51を参照して説明する。本変形例では、演出変動表示において、ゲームの結果態様から演出用の表示態様に変動表示する際や、演出用の表示態様からゲームの結果態様に戻すために変動表示する際に、リール6の各々を変動距離の短い方向に変動表示させるようにしている。
リール6の変動表示を制御する遊技制御装置50では、演出変動表示においてリール6を回転させる場合に、順方向(図柄表示窓5の前面側から見て上から下)へ変動表示した場合に必要な変動距離(図柄数や回転角度としてもよい)と、逆方向(図柄表示窓5の前面側から見て下から上)へ変動表示した場合に必要な変動距離とを比較する。そして、いずれか必要な変動距離が少ない方向(図柄数や回転角度が少ない方向)へリール6を回転する制御を行うようになっている。
ここでは、図51(a)に示すように演出用の表示態様を表示した状態から、図51(b)に示すように各リール6を回転(変動表示)して所定時間後に停止し、図51(c)に示すようにゲームの結果態様を表示する状態に戻す場合を例として説明する。図51(a)に示す状態から図51(c)に示す状態にする場合、左リール6aでは、図2に示す図柄の数で見ると、順方向へ変動表示すると14図柄分の変動距離を変動表示する必要があり、逆方向へ変動表示すると7図柄分の変動距離を変動表示する必要がある。また、中リール6bでは、図2に示す図柄の数で見ると、順方向へ変動表示すると14図柄分の変動距離を変動表示する必要があり、逆方向へ変動表示すると7図柄分の変動距離を変動表示する必要がある。また、右リール6cでは、図2に示す図柄の数で見ると、順方向へ変動表示すると8図柄分の変動距離を変動表示する必要があり、逆方向へ変動表示すると13図柄分の変動距離を変動表示する必要がある。よって、図51(b)に示すように、左リール6aでは逆方向へ変動表示するように制御され、中リール6bでは逆方向へ変動表示するように制御され、右リール6cでは順方向へ変動表示するように制御される。
このようにすることで、ゲーム終了時の結果態様に迅速に復帰させることができ、稼働率の低下を極力防止することが可能となる。また、変動表示の方向が変化することで演出変動表示の演出効果を高めることができる。なお、順方向と逆方向の変動距離が同じとなる場合は、任意の方向に変動表示するようにしてもよい。また、ゲームの結果態様を表示する状態から演出用の表示態様を表示する状態にする際にも上述のような変動表示をするようにしてもよい。また、リール6における図柄の間隔や大きさが異なる場合は、必要な回転角度により比較するようにしてもよい。また、本変形例を他の変形例と組み合わせて適用するようにしてもよい。
以上のことから、演出変動表示制御手段(遊技制御装置50)は、現在の表示態様もしくは結果態様から所定の表示態様もしくは結果態様に変動表示するリール6の各々を変動距離の近い方向に変動表示させるようにしたこととなる。
次に、ゲーム待機時間演出の第4変形例について図52,53を参照して説明する。本変形例では、演出変動表示において、予め表示態様を指定して報知し、当該指定した表示態様が表示されるか否かにより内部抽選用の乱数の抽出結果を報知するようになっている。
図52には、画像表示装置3で予め表示態様を指定して報知し、当該指定された表示態様が表示されることでボーナス入賞の当選が報知される場合を示している。遊技制御装置50は、演出変動表示に関する情報として、報知する表示態様に関する情報を演出制御装置70に対して送信するようになっている。そして、演出制御装置70ではこの情報に基づき、演出変動表示において演出用の表示態様が表示される前に、指定する表示態様を報知するための表示である指定表示を画像表示装置3に表示する処理を行うようになっている。これにより、図52(a)に示すように、ゲームの結果態様から変動表示を行っている期間に、画像表示装置3に指定表示(例えば、「リプレイ リプレイ チェリーを出せ!」)が行われるようになる。
そして、遊技制御装置50は、内部抽選用の乱数の抽出結果がボーナス入賞の当選であり、かつ、当該入賞を報知することが決定された場合に、図52(b)に示すように、指定表示に表示された表示態様が形成されるようにリール6を停止する。これにより遊技者にボーナス入賞の当選が報知されるようになる。また、このとき演出制御装置70は、画像表示装置3にボーナス入賞の当選を報知する報知表示(例えば、「見事!ボーナス確定!」)を表示する処理を行う。なお、内部抽選用の乱数の抽出結果がボーナス入賞の当選でない場合や、入賞を報知しないことが決定された場合に指定表示を行うとした場合は、指定表示に表示された表示態様が形成されないようにリール6を停止する。
すなわち、演出変動表示制御手段(遊技制御装置50)は、遊技者にとって有利なボーナス状態を発生させる特別入賞に当選した場合に、当該特別入賞に当選したことを識別可能な特定な表示態様を停止させる特定演出変動表示制御手段(遊技制御装置50)を含み、演出変動表示制御手段は、特定の表示態様をなす所定の表示態様を予め決定して報知する報知手段(遊技制御装置50)を備え、特定演出変動表示制御手段は、遊技者にとって有利なボーナス状態を発生させる特別入賞に当選した場合に、決定された(報知された)特定の表示態様をなす所定の表示態様を停止させるようにしたこととなる。
また、上述のようにリール6を自動的に停止する場合の他、図53に示すように、画像表示装置3に指定表示(例えば、「リプレイ リプレイ チェリーを停止させろ!」)を行うとともに、リールストップボタン24の操作を有効とし、演出変動表示において遊技者がリール6を停止して表示態様を導出できるようにしてもよい。すなわち、演出変動表示をリールストップボタン24の操作で停止させる演出変動表示停止制御手段(遊技制御装置50)を備えるようにしてもよい。
このとき、ゲーム中と同様に、ストップボタンLED66を点灯して、リールストップボタン24a、24b、24cの操作により各リール6を停止可能な状態であることを報知するようにする。また、画像表示装置3に表示することで報知するようにしてもよい。また、ゲームにおけるリール制御と同様に、引込停止制御、蹴飛ばし停止制御も行うようにする。なお、ゲームにおける引込停止制御、蹴飛ばし停止制御で停止タイミングを変化可能な範囲は、停止操作が行われた位置から所定の図柄数以内(例えば、4コマ以内)とされているが、演出変動表示においてはこれ以上の図柄数で停止タイミングを変化できるようにしてもよい。また、リールストップボタン24の一部もしくは全部が操作されなかった場合には、所定時間の経過により変動しているリール6の変動表示を自動停止するようにする。
また、ゲーム待機時間における所定時間以内であれば、リール6を停止して表示態様を導出した後に、再度変動表示を開始して再びリール6の停止操作を行えるようにし、遊技者が表示態様を複数回導出できるようにしてもよい。このとき、自動的に変動表示を開始するようにしてもよいし、スタートレバー21の操作により変動表示を開始するようにしてもよい。このようにすれば、一度で指定された表示態様を導出できなくても再度挑戦できるようになり、遊技者の内部当選に関する期待感や遊技の興趣を高めることが可能となる。また、目押しの苦手な遊技者でも楽しむことができる。また、ゲーム待機時間内で興趣の高い演出が行え、ゲームが中断してしまうといった印象を防止することができる。
なお、図51(b)では、演出用の表示態様として中央の有効ラインに図柄組合せ態様が形成された例を示したが、他のラインに図柄組合せ態様を形成するようにしてもよい。さらに、指定表示で演出用の表示態様をなす図柄組合せ態様を形成する有効ラインを指定するようにしてもよい。また、演出用の表示態様は、図柄組合せ態様でなくてもよく、一つまたは二つのリールの表示態様を指定するのみでもよい。また、内部抽選用の乱数の抽出結果がボーナス入賞の当選であることを報知する場合を示したが、入賞の可能性を報知するようにしてもよい。また、ボーナス入賞以外の入賞(ベルやリプレイなどの入賞)の当選を報知する場合に行うようにしてもよい。この場合、ボーナス入賞に当選しているときにも、演出変動表示でボーナス入賞以外の入賞(ベルやリプレイなどの入賞)の当選を報知するようにして、ゲームにおいて報知された入賞が成立しなかったことに基づき、遊技者がボーナス入賞の当選(または当選の可能性)を推測できるようにしてもよい。また、本変形例を他の変形例と組み合わせて適用するようにしてもよい。
また、上述した実施形態や変形例においても、演出変動表示時に演出変動表示しているリール6に対して、停止操作を可能にして、演出変動表示をリールストップボタン24の操作で停止させる演出変動表示停止制御手段(遊技制御装置50)を備えるようにしてもよい。このようにすれば、遊技性が高まり興趣が向上する。
なお、ここでの停止操作はゲームの結果には影響しない擬似的な停止操作、すなわち演出上の停止操作とする。また、このとき、リール6の引込停止制御および蹴飛ばし停止制御は本ゲームと同様にしてもよいが、少なくとも一部のリール6(例えば、最初に停止させる2個)に関しては引込停止制御を遊技者に有利、すなわち4コマよりも多い引込範囲に設定し、テンパイ目を形成しやすいように制御することが望ましい。もちろん特別入賞に当選していない場合に特定の表示態様が停止することを防止するために蹴飛ばし停止制御は必須である。
以上、本発明に係るスロットマシンについて、実施の形態に基づいて具体的に説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。すなわち、本発明の技術的範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
例えば、リール停止間演出が行われた場合には、ゲーム待機時間演出を禁止することで、単位時間当たりのゲーム実行回数が少なくなることを防止するようにしてもよい。
また、1ゲームにおいてリール停止間演出とゲーム待機時間の設定との両方が行われた場合には、必ず特別入賞に当選しているようにしてもよい。すなわち、特別入賞に当選していない場合には、1ゲームにおいてリール停止間演出とゲーム待機時間の設定との両方が行われないように制御する。このようにすることで、単位時間当たりのゲーム実行回数が少なくなることを防止することもできるし、特別入賞に当選したことを遊技者に効果的に報知できる。
また、1個目のリールの停止後にリール停止間演出を行い、さらに2個目のリールの停止後(2個目と3個目のリール停止間)にもリール停止間演出を行うようにしてもよい。このようにすれば、より演出が多彩になり興趣性および期待感を向上できる。
また、リール停止間演出が行われた場合には、停止操作が無効とされた時間分、自動停止時間(ゲーム開始後にリールの変動表示が自動的に停止される時間)を延長し、遊技者が停止操作できる時間が著しく短縮されるのを回避するのが望ましい。
さらに、リール停止間演出2において、変動表示中のリールの仮停止を行う場合に、図柄表示窓5内の有効ライン以外、すなわち上段ラインと中段ラインの間、又は中段ラインと下段ラインの間の通常は図柄が停止し得ない位置で仮停止を行ってもよい。
また例えば、1の特別入賞に当選した場合に、複数のゲームにわたって有効待機時間を遅延するようにし、それら複数のゲームの待機時間の加算値(トータルの時間)に制限を設ける総合計時間制限手段を設けるようにしてもよい。このようにすれば、複数のゲームで演出や報知が行えるほか、時間に制限が設けられているので遊技の進行を著しく遅くなることも防止できる。また、ゲーム待機時間についても同様の制御を行うようにしてもよいし、待機時間とゲーム待機時間を合算するようにしてもよい。
また、設定装置60の確率設定値に応じて、有効待機時間の決定テーブルを変化させるようにしてもよい。例えば、図9に示したBB入賞当選中の決定テーブルを複数種類設け、設定が高くなる(BB入賞の当選確率が高くなる)ほど、長い有効待機時間が決定されて遅延が大きくなるような決定テーブルを選択するようにする。このようにすれば、長い待機時間の発生頻度により遊技者は確率設定値を予測することがある程度可能となり、遊技者の遊技意欲を高めることができる。また、長期間遊技しなければ確率設定値の予測ができないような選択率にすることにより、確率設定値を予測するための遊技の実行により稼働率を高めることも可能となる。また、ゲーム待機時間についても同様に設定装置60の確率設定値に応じて、ゲーム待機時間の決定テーブルを変化させるようにしてもよい。
また、ゲームの終了から次ゲームの開始までのゲーム待機期間中(例えば、図39では、t10からt18の期間であって、ゲーム待機時間中を含む)に、画像表示装置3にゲーム待機時間の長さに応じた演出表示を行う制御を演出制御手段(演出制御装置70)が行うようにしてもよい。そして、例えばゲーム待機期間中おけるベット操作(マックスベットボタン16の操作に基づくマックスベットセンサ57からの入力信号)を演出に反映させるようにしてもよい。この場合、例えば、上述した有効待機期間における演出と同様に、演出制御装置70が遊技制御装置50から送信されるデータに基づき表示制御を行うようにする。また、遊技制御装置50から演出制御装置70に対してマックスベットボタン16が操作されたことに関する情報を含むデータを送信するようにする。なお、演出制御装置70では表示制御の他、発光装置71やスピーカ4、演出装置72なども併せて制御を行う。
この演出としては、例えば、ゲーム待機期間となった場合に、画像表示装置3に表示ゲーム(例えば、対戦ゲーム)を表示し、ベット操作に応じて自分のキャラクタが攻撃するような演出表示を行うようにする。この場合、表示ゲームの結果は、内部抽選用の乱数の結果がボーナス入賞に当選している場合に特定の結果(例えば、対戦で相手に勝つ結果)を表示するようにする。また、表示ゲームを表示したがベット操作が行われなかった場合には、当該ゲームでは特定の結果を表示しないで、特定の結果の表示を以降のゲームに持ち越すようにしてもよい。なお、ベット操作以外の該当期間で無効となっているその他の開始操作、停止操作等(スタートレバー21の操作、リールストップボタン24の操作等)を表示ゲームに反映するようにしてもよい。また、表示ゲームとゲーム待機時間に行われる演出変動表示とを関連付け、表示ゲームの結果と演出用の表示態様とにより内部抽選用の乱数の抽選結果が推測できるようにしてもよい。
また、待機時間や有効待機時間およびゲーム待機時間の残り時間を表示したり音声出力したりする残り時間報知手段を備えるようにしてもよい。
また、演出制御装置70で作動制御する可動式の演出装置72(可動式の演出部材72aなど)を、有効待機時間に応じて表示される演出表示や、ゲーム待機時間での演出変動表示に合わせて作動させる制御を演出制御手段(演出制御装置70)が行うようにしてもよい。例えば、変動表示ゲームの開始時や停止時、演出変動表示の開始時や停止時に演出装置72を作動させるようにする。これにより、より演出効果を高めることができ、遊技の興趣を向上することができる。なお、演出部材72aは上述したものに限られず、例えば、画像表示装置3を隠蔽するように出現するシャッター装置などなんでもよい。
また、演出制御装置70で作動制御する可動式の演出装置72(可動式の演出部材72aなど)を、有効待機時間演出やゲーム待機時間において所定の回転態様で回転させるリール6に合わせて作動させるようにしてもよい。例えば、リール6の回転開始時に演出装置72を作動させるようにする。また、有効待機時間やゲーム待機時間におけるリール6の回転態様として、回転するリール6を一旦停止した後、再度回転させるような回転態様とした場合に、一旦停止したリール6を演出装置72の作動により再変動表示させるような演出を行うようにしてもよい。このようにすれば、リール6の変動表示態様(回転および停止)をより効果的に演出することが可能となり期待感を高めるとともに興趣を向上することができる。
以上のことから、演出制御手段(演出制御装置70)は、可動式の演出部材72aを動作制御可能とし、変動表示制御手段(遊技制御装置50)による複数のリール6の変動表示態様および演出変動表示制御手段(遊技制御装置50)による所定のリール6を変動表示させたのち乱数の抽出結果に基づく演出用の表示態様を停止させる演出変動表示に対応して演出部材72aの演出動作を行うようにしたこととなる。
また、有効待機時間遅延手段やゲーム待機時間決定手段は、現在停止している複数のリール6の停止表示態様(前回のゲームで停止した停止表示態様)に応じて、待機時間の遅延やゲーム待機時間の決定を行うようにしてもよい。例えば、前回のゲームで所定の図柄組合せ態様(例えば、チェリー入賞の取りこぼし時の組合せ態様、リーチ図柄組合せ態様(7、7、−などのいわゆるテンパイ目))が形成された場合に、所定の有効待機時間やゲーム待機時間を設定し、このときに変動表示制御手段や演出変動表示制御手段が複数のリール6の変動表示態様による演出を実行するようにする。このようにすれば、前回の停止態様を利用して遊技者の期待感をより高めることができるし、特定の重複入賞の取りこぼし時の図柄組合せ態様が形成されたゲームの次のゲームで、待機時間中のリール6の変動表示態様による演出や、ゲーム待機時間中の演出変動表示が行われるようにすれば、遊技者の期待感を極めて高めることができる。
また、演出制御手段により有効待機時間に応じた演出表示が行われている間に、停止操作(リールストップボタン24の操作)を演出に反映させるようにした場合に、待機時間の終了まで演出を行うようにすると、誤って待機時間経過後に停止操作が行われてしまう可能性がある。このような場合には、演出に対して停止操作したつもりが待機期間の終了により回転の停止が有効とされたリール6を停止させてしまうこととなり、目押し操作を行おうとしていた遊技者が不満となってしまう。このような事態を防止するために、待機時間終了前に演出を終了させる事前終了手段を演出制御手段に含ませるようにするとともに、停止信号制御手段は待機時間終了の所定時間前に演出に対する停止操作を無効とするようにしてもよい。このようにすれば上記課題を解決することが可能となる。またこの場合には、演出表示に対する停止操作の有効、無効を報知する報知手段を設けることが望ましい。なお、ゲーム待機時間中の演出変動表示に伴う演出表示で、スタートレバー21の操作とリールストップボタン24の操作を必要とするような演出(例えば、図53に示すような演出)を行った場合は、同様に、ゲーム待機時間の終了に伴い誤った操作を行ってしまう可能性があるが、この場合もゲーム待機時間終了の所定時間前に演出に対するスタート操作や停止操作を無効とするようにしてもよい。
また、ゲームにおけるウエイト時間の発生状況を監視する監視手段を備え、所定のゲーム数内で実行されたウエイト時間の合計時間が所定時間以上となった場合に(すなわち、ゲームを迅速に進めた場合に)、待機時間決定手段が比較的長い待機時間を決定するように決定テーブルの切換制御を行うようにしてもよい。また、ゲーム待機時間決定手段が比較的長いゲーム待機時間を決定するように決定テーブルの切換制御を行うようにしてもよい。このようにすれば、待機時間の挿入により稼働率が著しく低下してしまうことを防止できる。
また、演出変動表示の実行の有無、或いは実行頻度を係員等の外部操作に基づき変更する変更手段(遊技制御装置50)を設けるようにしてもよい。演出変動表示の実行により単位時間当たりのゲームの実行回数が低下してしまう可能性があるが、変更手段を設けることにより、遊技店で自由に演出変動表示の実行頻度を調整できるので、遊技店の営業に対応した演出を行うことが可能となる。
また、上述の実施形態においては、ボーナス入賞が成立した場合(特別図柄組合せ態様が形成された場合)には演出変動表示を禁止するようにしたが、ゲームの実行に際して演出変動表示を実行することが決定していて、ボーナス入賞が成立した場合には、決定していたゲーム待機時間内においてボーナス入賞の成立をリール6の演出変動表示で装飾・報知する確定演出変動表示制御手段(遊技制御装置50)を備えるようにしてもよい。この場合には、演出変動表示のパターンや予め決定した演出用停止図柄は無効として、ボーナス入賞成立時の演出変動表示パターンおよび演出用停止図柄(表示態様)を決定して実行する。例えば、斜めの有効ラインに特別図柄組合せ態様が形成されてボーナス入賞が成立した場合には、再度リール6を変動表示させてその後中央の有効ラインで特別図柄組合せ態様を形成するような演出変動表示を実行する。この場合、リール6の変動表示は適宜速度の切換や一時停止等を織り交ぜて装飾効果を高めるようにすることが望ましい。このような機能を備えることにより、遊技者の興趣性を高めることができる上、直ぐにボーナス図柄が停止した場合としない場合とで単位時間当たりのゲームの実行回数に大きな差が出てしまうことを防止できる。