JP5342471B2 - 静電霧化装置 - Google Patents

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Description

本発明は、帯電微粒子水を発生させる静電霧化装置に関し、詳しくは、装置全体のコンパクト化や省エネルギー化を実現するための技術に関する。
帯電微粒子水を発生させることのできる静電霧化装置として、放電電極を冷却して生成した結露水に電圧を印加することによって帯電微粒子水を生成するものが知られている(特許文献1参照)。この静電霧化装置は図17に示すようなもので、多数の熱電素子23を両側から回路板50で挟み込むことによって熱交換ブロック60を構成している。回路板50は、絶縁基板51の片面に回路パターン52を形成したものであって、一方の回路板50の回路パターン52によって熱電素子23の放熱側の端部同士を電気接続させ、他方の回路板50の回路パターン52によって熱電素子23の吸熱側の端部同士を電気接続させている。
そして、上記熱交換ブロック60の吸熱側の回路板50に熱伝導性の冷却板70を接続させ、この冷却板70上に放電電極1を接続させている。また、上記熱交換ブロック60の放熱側の回路板50に放熱部材71を接続させている。
上記構成の静電霧化装置においては、熱電素子23の吸熱側が回路パターン52、絶縁基板51、冷却板70を経て、放電電極1を冷却させる。冷却によって放電電極1の表面には結露水が生成される。放電電極1には高圧リード線80を接続させており、該高圧リード線80を介して放電電極1表面の結露水に高電圧を印加することで、静電霧化現象によって帯電微粒子水を生成させる。
しかし、熱電素子23と放電電極1の間には多数の界面(熱電素子23と回路パターン52の界面、回路パターン52と絶縁基板51の界面、絶縁基板51と冷却板70の界面、冷却板70と放電電極1の界面)が存在し、この多数の界面が、放電電極1の冷却効率を低下させる要因となっていた。そのため、結露水生成のための十分な冷却能力を確保するには熱電素子23を多数配置する必要があり、装置全体の大型化を招くとともに、省エネルギー化にも限界があるという問題があった。
特開2006−000826号公報
本発明は上記問題点に鑑みて発明したものであって、放電電極に結露水を生成するための十分な冷却能力を保持したうえで、装置全体の小型化や省エネルギー化を実現することができる静電霧化装置を提供することを、課題とする。
上記課題を解決するために本発明を、放電電極1を冷却して生成した結露水に電圧を印加することで帯電微粒子水を生成する静電霧化装置において、放電電極1を冷却するために備えた一対(P型とN型)の熱電素子部2の吸熱側同士を、該放電電極1を介して電気接続させ、且つ、該放電電極1と対向する位置に配される対向電極11と、この対向電極11に高電圧を印加する高電圧印加部7と、一対の熱電素子部2に通電を行う回路とを備え、この回路を接地させて設けることで、対向電極11と放電電極1との関係において、高電圧印加部7を対向電極11側に接続させ、放電電極1側を接地させて設けたものとする。
このように、冷却対象である放電電極1を介して、該放電電極1を冷却するための一対の熱電素子部2間の通電を行うようにしたことで、熱電素子部2と放電電極1との間に多数の界面が介在することがなくなり、放電電極1の冷却効率が向上する。そのため、熱電素子部2を構成するために多数の熱電素子23を配置する必要がなくなり、装置全体の小型化や、省エネルギー化が実現される。そして、対向電極11側に高電圧印加部7を接続させ、放電電極1側を接地させ、高電圧印加部7により対向電極11に高電圧を印加することで、結露水を保持する放電電極1から安定的に帯電微粒子水を生成することが可能となる。
本発明の静電霧化装置においては、上記熱電素子部2の放熱側に、導電性材料から成る放熱用通電部材14を接続させ、該放熱用通電部材14を介して熱電素子部2に通電を行うことが好ましい。このように、放熱用通電部材14によって放熱と通電をともに行う構成とすることで、装置全体をさらに小型化することができる。
上記放熱用通電部材14は、熱電素子部2の通電方向を長手方向とする部材であることが好ましい。このようにすることで、上記放熱用通電部材14を通じて、冷却対象である放電電極1から極力離れた側にまで、熱電素子部2から放出される熱を伝達することができる。したがって、放電電極1の冷却能力を向上させることができる。しかも、放熱用通電部材14自体はコンパクトに配置可能である。また、放熱用通電部材14、熱電素子部2、放電電極1と一連に続く導電体が全体に細長い棒状に形成され、その先端に放電電極1が位置することとなる。したがって、先端の放電電極1における電界集中が安定し、ひいては帯電微粒子水を安定生成することが可能となる。
さらに、上記放熱用通電部材14は、熱電素子部2との接合箇所から離れるほど大径となるように形成した部材であることが好ましい。このようにすることで、放熱用通電部材14、熱電素子部2、放電電極1と一連に続く導電体全体の外形が、放電電極1の位置する先端側を細くした形となる。そのため、先端の放電電極1における電界集中がさらに安定する。加えて、放熱用通電部材14の大径側において放熱面積を増大させ、放熱効率を向上させることにもなる。
また、熱電素子部2が放電電極1に接合する接合箇所と、熱電素子部2が放熱用通電部材14に接合する接合箇所とを、防水性を有する封止部25によって封止してあることも好ましい。このようにすることで、熱電素子部2の各接合箇所で腐食が生じることを防止し、長寿命化を図ることができる。また、封止部25によって熱電素子部2を補強することもできる。
上記封止部25は、熱電素子部2が放電電極1に接合する接合箇所と、熱電素子部2が放熱用通電部材14に接合する接合箇所とを、別々に封止するように分離して形成したものであることが好ましい。このようにすることで、熱電素子部2の放熱側と吸熱側の間で、封止部25を通じて熱が移動することを防止し、冷却能力を確保することができる。
また、上記封止部25は、放電電極1側から熱電素子部2を介して放熱用通電部材14側に至るまでの範囲を被覆するように形成したコーティング層28であることも好ましい。このようにすることで、コーティング層28によって熱電素子部2の強度を確保することができる。また、コーティング層28は薄く形成できるので、該コーティング層28を通じての熱移動を抑制し、冷却能力を確保することができる。
このとき、上記対向電極11を支持する筐体10を備え、該筐体10内に上記放電電極1を収容するこが好ましい。このようにすることで、放電特性に敏感な影響を与える両電極1,11間の位置関係を安定させることができる。加えて、放電電極1での静電霧化現象を、筐体10内で生じさせることができる。したがって、外部環境が及ぼす影響を抑制したうえで、帯電微粒子水を安定生成することができる。
上記筐体10は、熱伝導性の固着体を介して、放熱用通電部材14を所定位置に固定するものであることが好ましい。このようにすることで、放熱用通電部材14から固着体を通じて筐体10側にも放熱を行い、全体の放熱効率を向上させることができる。
また、上記筐体10は、放熱用通電部材14を挿通するための貫通孔17を、周囲よりも厚みを大きくした肉厚部分30に形成したものであることが好ましい。このようにすることで、放熱用通電部材14の姿勢を安定させるとともに、接触面積の増加によって放熱用通電部材14から筐体10への放熱量を増大させることができる。
また、上記筐体10は、放熱用通電部材14を囲む部分に、外気導入用の通風窓31を有するものであることが好ましい。このようにすることで、自然対流や強制対流によって通風窓31から筐体10内に外気を導入し、放熱用通電部材14の放熱効率を向上させることができる。
また、上記筐体10は、放電電極1が収容される静電霧化空間33と放熱用通電部材14が収容される放熱空間34とに内部空間を仕切る仕切り壁32を有するものであることが好ましい。このようにすることで、放熱空間34で暖められた空気が静電霧化空間33に流れることを防止し、冷却効率を向上させることができる。
請求項1に係る発明は、放電電極に結露水を生成するための十分な冷却能力を保持したうえで、装置全体を小型化および省エネルギー化することができ、対向電極側に高電圧印加部を接続させ、放電電極側を接地させ、高電圧印加部により対向電極に高電圧を印加することで、結露水を保持する放電電極から安定的に帯電微粒子水を生成することができるという効果を奏する。
また請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明の効果に加えて、一部材によって放熱と通電を行うコンパクトな構造によって、放熱効率を向上させるという効果を奏する。
また請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明の効果に加えて、放電電極の冷却能力を向上させるとともに、該放電電極での電界集中を安定させることができ、しかも装置全体をコンパクトに形成できるという効果を奏する。
また請求項4に係る発明は、請求項3に係る発明の効果に加えて、放電電極の冷却能力をさらに向上させるとともに、該放電電極への電界集中をさらに安定させるという効果を奏する。
また請求項5に係る発明は、請求項2〜4のいずれか一項に係る発明の効果に加えて、熱電素子部の接合箇所での腐食を防止するとともに該熱電素子部の補強を行い、装置の長寿命化を図るという効果を奏する。
また請求項6に係る発明は、請求項5に係る発明の効果に加えて、封止部を通じての熱移動を防止して冷却能力を確保するという効果を奏する。
また請求項7に係る発明は、請求項5に係る発明の効果に加えて、熱電素子部の強度を確保することができ、しかも、冷却能力は確保するという効果を奏する。
また請求項に係る発明は、請求項1〜7のいずれか一項に係る発明の効果に加えて、帯電微粒子水をさらに安定生成するという効果を奏する。
また請求項に係る発明は、請求項に係る発明の効果に加えて、放熱用通電部材から筐体側への放熱を効率的に行い、全体の放熱効率を向上させるという効果を奏する。
また請求項10に係る発明は、請求項又はに係る発明の効果に加えて、放熱用通電部材の姿勢を安定させるとともに、放熱用通電部材から筐体への放熱量を増大させ、全体の放熱効率を向上させるという効果を奏する。
また請求項11に係る発明は、請求項10のいずれか一項に係る発明の効果に加えて、筐体内に外気を導入し、放熱用通電部材の放熱効率を向上させるという効果を奏する。
また請求項12に係る発明は、請求項11のいずれか一項に係る発明の効果に加えて、放熱空間側の暖められた空気が静電霧化空間側に流れることを防止し、冷却効率を向上させるという効果を奏する。
本発明の実施形態における第1例の静電霧化装置の基本構成を示す説明図である。 本発明の実施形態における第2例の静電霧化装置の基本構成を示す説明図である。 本発明の実施形態における第3例の静電霧化装置の基本構成を示す説明図である。 本発明の実施形態における第4例の静電霧化装置の基本構成を示す説明図である。 本発明の実施形態における第5例の静電霧化装置の基本構成を示す説明図である。 本発明の実施形態における第6例の静電霧化装置の基本構成を示す説明図である。 (a)〜(e)は、放電電極の変形例を示す説明図である。 (a)〜(f)は、放熱用通電部材の変形例を示す説明図である。 (a)、(b)は、放熱用通電部材の他の種変形例を示す説明図である。 (a)〜(d)は、封止部を設けた場合の変形例を示す説明図である。 (a)、(b)は、筐体に肉厚部分を設けた変形例を示す説明図である。 (a)、(b)は、筐体に通風窓を設けた変形例を示す説明図である。 筐体内に静電霧化ブロックを二つ配置した変形例を示す説明図である。 (a)〜(c)は、熱電筐体内に静電霧化ブロックを二つ配置した他の変形例を示す説明図である。 (a)〜(c)は、熱電素子部を二つの熱電素子で構成した変形例を示す説明図である。 (a)〜(c)は、熱電素子部を二つの熱電素子で構成した他の変形例を示す説明図である。 従来の静電霧化装置を示す説明図である。
本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。図1〜図6には、本発明の実施形態における第1例〜第6例の静電霧化装置の基本構成をそれぞれ示している。図7〜図14には、静電霧化装置を構成する各部材の変形例をそれぞれ示している。
以下においては、第1例〜第6例の静電霧化装置の基本構成についてまず詳述する。
図1に示すように、第1例の静電霧化装置は、熱電素子23から成る熱電素子部2をP型とN型で一対備え、両熱電素子部2の吸熱側に、放電電極1を機械的に且つ電気的に直接接合させたものである。熱電素子23としては、BiTe系のペルチェ素子を用いる。ここでは、一つのP型の熱電素子23によってP型の熱電素子部2を形成し、同じく一つのN型の熱電素子23によってN型の熱電素子部2を形成している。
なお、複数のP型の熱電素子23によってP型の熱電素子部2を形成し、複数のN型の熱電素子23によってN型の熱電素子部2を形成してもよい(図15に基づいて後述する変形例を参照)。
放電電極1は、平板状の基台部1aの中央部分から放電部1bを突設した形状であり、真鍮、アルミニウム、銅、タングステン、チタン等の金属から成る。熱電素子部2は、放電電極1の基台部1aにその端部を半田接合させてある。放電電極1の材質は金属に限定されず、電気伝導性の高い材質であれば、導電性の樹脂、カーボン等の他の材質を用いてもよい。また、熱電素子部2との半田接合を良好に行うため、放電電極1の表面にニッケルめっきを施してあってもよいし、耐食性を向上させるために金や白金のめっきを施してあってもよい。
P型とN型で対を成す各熱電素子部2の放熱側の端部は、絶縁板3の片面側に形成してある端子4にそれぞれ接合させている。該絶縁板3のもう片面側には、フィン状の放熱部材5を接合させている。
両端子4にはそれぞれリード線9の一端側を接合させており、該リード線9の他端側同士を、通電路6によって電気接続させている。通電路6には、回路全体に高電圧を印加するための高電圧印加部7を接続させている。また、通電路6中には、両熱電素子部2間にオフセット電圧を印加するためのオフセット電圧印加部として、直流電源8を介在させている。リード線9は、放熱性の観点から、できるだけ太いものや表面積の大きなものを用いることが好ましい。
上記構成から成る第1例の静電霧化装置において、一対の熱電素子部2の吸熱側同士は放電電極1を介して電気接続される。また、一対の熱電素子部2の放熱側同士は、端子4、リード線9、通電路6を介して電気接続される。
帯電微粒子水を発生させるには、高電圧印加部7によって回路全体にマイナスの高電圧を印加するとともに、直流電源8によって両熱電素子部2間に電流を流す。両熱電素子部2間においては、N型からP型にむけて電流が流れ、放電電極1と接合される側の吸熱により該放電電極1を冷却して結露水を生成する。各熱電素子部2の絶縁板3と接合される側の熱は、放熱部材5を介して放熱される。そして、高電圧印加部7により放電電極1に印加した高電圧が、放電電極1表面の結露水に静電霧化現象を生じさせ、ナノメータサイズの粒径の帯電微粒子水を大量に生成する。
第1例の静電霧化装置においては、放電電極1を冷却するために備えた一対の熱電素子部2の吸熱側同士を、該放電電極1を介して電気接続させてある。つまり、熱電素子部2と放電電極1とは、図17に示す回路板50や冷却板70等の部材を介在させることなく、直接的に接合させた構造である。したがって、熱電素子部2を一対のみ配置したコンパクト且つ省エネルギーな構造であっても、高い冷却効率で放電電極1を冷却し、結露水を生成することができる。
また、放電電極1と熱電素子部2との間には絶縁体が介在しないので、水が付着してもマイグレーションが生じることは防止される。ここでのマイグレーションとは、電流、電圧の存在下で、絶縁体の水の吸着に伴って金属材料が絶縁体の内部あるいは表面上を移動する現象のことである。
次に、図2に基づいて第2例の静電霧化装置を説明する。なお、第1例と同様の構成については図中に同一符号を付して詳しい説明を省略し、第2例特有の構成についてのみ以下に詳述する。
第2例の静電霧化装置においては、放熱部材5に筒状の筐体10を接合させて備えている。筐体10は、絶縁性材料を用いて形成したものであり、その内部空間に放電電極1を収容するとともに、該放電電極1と対向する位置に対向電極11を支持している。対向電極11は、中央に放出孔12を貫通形成したリング状のものであり、接地させて設けている。
筐体10の絶縁性材料としては、PBT、PPS、ポリカーボネート、液晶ポリマー、ABS等の樹脂が好適に用いられる。放熱部材5の放熱性を向上させたい場合には、筐体10の樹脂中に熱伝導性フィラーを混入させることも好ましい。なお、筐体10の材質として、SUS、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金等の金属を用いてもよい。この場合、筐体10と対向電極11との間には、絶縁材料(図示せず)を介在させて備える。
対向電極11の材質としては、SUS、銅、白金等の金属や、導電性の樹脂が好適に用いられる。また、導電性材料を用いて樹脂表面に電極をパターニングすることで、対向電極11を形成してもよいし、対向電極11の耐食性を向上させるために、金、白金等の耐食性が高い材料をコーティングさせてもよい。
図示の対向電極11は、平板の中央に放出孔12を開口させた形状であるが、静電霧化現象を安定的に発生させることのできる形状であれば、他の形状であってもよい。例えば、放電電極1を囲むドーム型に対向電極11を形成した場合には、放電電極1に対して電界をさらに集中させやすくなる。
筐体10と対向電極11との接合は、ネジや接着剤を用いることが好適である。筐体10の材質が樹脂である場合には、筐体10と対向電極11との接合をヒートシールにより行ってもよい。
上記構成から成る第2例の静電霧化装置においては、筐体10を介して、放電電極1に対する一定の位置関係で対向電極11を配置してあることで、外部環境に影響されることなく、放電電極1において静電霧化現象を安定的に発生させることができる。また、放熱部材5側での放熱が筐体10を介しても行われるので、放電電極1の冷却効率も向上する。
次に、図3に基づいて第3例の静電霧化装置を説明する。なお、第1例や第2例と同様の構成については図中に同一符号を付して詳しい説明を省略し、第3例特有の構成についてのみ以下に詳述する。
第3例の静電霧化装置においては、筐体10が支持する対向電極11を第2例のように接地させるのではなく、該対向電極11側に高電圧印加部7を接続させ、プラスの高電圧を印加するように設けている。そして、一対の熱電素子部2に通電を行う回路側を接地させて設け、回路中に設けた直流電源8によって、N型の熱電素子部2からP型の熱電素子部2にむけて電流を流すようにしている。
一対の熱電素子部2間に電流が流れることで放電電極1は冷却されて表面に結露水を生成し、この結露水に対して、対向電極11との間で高電圧が印加される。これにより、放電電極1表面の結露水には静電霧化現象が生じ、ナノメータサイズの粒径の帯電微粒子水が大量に生成される。
次に、図4に基づいて第4例の静電霧化装置を説明する。なお、第1例と同様の構成については図中に同一符号を付して詳しい説明を省略し、第4例特有の構成についてのみ以下に詳述する。
第4例の静電霧化装置においては、一対の熱電素子部2のそれぞれの放熱側に、導電性および熱伝導性の材料(真鍮、アルミニウム、銅等)から成る放熱用通電部材14を接続させている。放熱用通電部材14は、熱電素子部2の通電方向(図中の上下方向)を長手方向とした長尺の部材であって、熱電素子部2を成す熱電素子23に対して一対一で接続させている。
図示例では、放熱用通電部材14は棒状部材となっているが、熱電素子部2の通電方向を長手方向とするものであれば、板状、スパイラル状、蛇腹(コルゲート)状等の他の形状であってもよい。また、放熱用通電部材14を棒状部材とする場合において、その断面形状は多様なものが適用可能であり、丸棒状、角棒状等の形態が好適に用いられる。
棒状の放熱用通電部材14は、熱電素子部2との接合箇所から離れるほど大径となるように形成してある。図示例では、熱電素子部2に接合される側の小径部14aと、リード線9に接合される側の大径部14bとの間に、小径部14aから大径部14bにむけて徐々に径を広げるテーパ部14cを設けることで、放熱用通電部材14を形成している。
隣接する一対の放熱用通電部材14間には、両者の絶縁性を確保する保持部材15を配している。保持部材15は、放熱用通電部材14を挿通させるための貫通孔16を一対有するものであり、絶縁性材料から成る。両貫通孔16は、所定距離を隔てたうえで並行に形成してある。
放熱用通電部材14は、その大径部14bを貫通孔16内に挿通した状態で、保持部材15に固定される。上記固定は、放熱用通電部材14の貫通孔16内への圧入固定であってもよいし、放熱用通電部材14を接着剤(図示せず)により貫通孔16内に固定するものであってもよい。固定用の接着剤として熱伝導性フィラーを混入させたものを用いた場合には、放熱用通電部材14の放熱性を向上させることができる。つまり、上記接着剤のような熱伝導性の固着体を介して放熱用通電部材14を保持部材15に固定することで、放熱用通電部材14の放熱性、ひいては熱電素子部2による放電電極1の冷却性を向上させることができる。
保持部材15の絶縁性材料としては、PBT、PPS、ポリカーボネート、液晶ポリマー、ABS等の樹脂が好適に用いられる。放熱用通電部材14の放熱性をさらに向上させたい場合には、保持部材15の樹脂中に熱伝導性フィラーを混入させることも好ましい。なお、保持部材15の材質として、SUS、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金等の金属を用いてもよい。この場合、保持部材15と放熱用通電部材14との間には、絶縁材料(図示せず)を介在させて備える。
放熱用通電部材14の端部にはリード線9の一端側を接合させており、該リード線9の他端側同士を、通電路6によって電気接続させている。上記通電路6に、高電圧印加部7や直流電源8を接続させて回路を形成している点は、第1例と同様である。
上記構成から成る第4例の静電霧化装置において、一対の熱電素子部2の吸熱側同士は放電電極1を介して電気接続される。また、一対の熱電素子部2の放熱側同士は、放熱用通電部材14、リード線9、通電路6を介して電気接続される。
帯電微粒子水を発生させるには、高電圧印加部7によって回路全体にマイナスの高電圧を印加するとともに、直流電源8によって両熱電素子部2間に電流を流す。両熱電素子部2の吸熱によって放電電極1は冷却されて結露水を生成する。両熱電素子部2の放熱側は、棒状の放熱用通電部材14を通じて効率的に放熱される。そして、高電圧印加部7により印加した高電圧が、放電電極1表面の結露水に静電霧化現象を生じさせ、ナノメータサイズの粒径の帯電微粒子水を大量に生成する。
第4例の静電霧化装置においては、放電電極1を冷却するために備えた一対の熱電素子部2の吸熱側同士を、該放電電極1を介して電気接続させてある。加えて、各熱電素子部2の放熱側に、導電性材料から成る棒状の放熱用通電部材14を接続させ、該放熱用通電部材14を介して熱電素子部2への通電を行うようになっている。したがって、一対の熱電素子部2と一対の放熱用通電部材14を電気的且つ機械的に接合させたコンパクト且つ省エネルギーな構造によって、高い冷却効率で放電電極1を冷却し、結露水を生成することができる。
また、第4例の静電霧化装置においては、棒状の放熱用通電部材14、熱電素子部2、放電電極1と一連に続く導電体が全体に細長い棒状に形成され、その先端に放電電極1が位置することとなる。したがって、先端の放電電極1における電界集中が安定し、ひいては帯電微粒子水の生成が安定する。
次に、図5に基づいて第5例の静電霧化装置を説明する。なお、第1例や第4例と同様の構成については図中に同一符号を付して詳しい説明を省略し、第5例特有の構成についてのみ以下に詳述する。
第5例の静電霧化装置においては、一対の放熱用通電部材14に筒状の筐体10を接合させて備えている。有底筒状の筐体10は、その底壁部10aに、放熱用通電部材14を挿通させるための貫通孔17を一対形成したものであり、絶縁性材料から成る。両貫通孔17は、隣接する放熱用通電部材14同士の絶縁性を確保するため、所定距離を隔てて並行に形成してある。
放熱用通電部材14は、その大径部14bを貫通孔17内に挿通した状態で、筐体10に固定される。上記固定は、放熱用通電部材14の貫通孔17内への圧入固定であってもよいし、放熱用通電部材14を接着剤により貫通孔17内に固定するものであってもよい。固定用の接着剤として熱伝導性フィラーを混入させたものを用いた場合には、放熱用通電部材14の放熱性を向上させることができる。つまり、上記接着剤のような熱伝導性の固着体を介して放熱用通電部材14を筐体10に固定することで、放熱用通電部材14の放熱性、ひいては熱電素子部2による放電電極1の冷却性を向上させることができる。
筐体10は、絶縁性材料を用いて形成したものであり、その内部空間に放電電極1を収容するとともに、該放電電極1と対向する位置に対向電極11を支持している。対向電極11は、中央に放出孔12を貫通形成したリング状のものであり、接地させて設けている。
筐体10の材質としては、第2例で示したものと同様のものを用いればよい。また、対向電極11の材質や形状、筐体10と対向電極11との接合手段についても、第2例と同様のものが好適に用いられる。
上記構成から成る第5例の静電霧化装置においては、筐体10を介して、放電電極1に対する一定の位置関係で対向電極11を配置してある。そのため、放電電極1において、外部環境に影響されることなく安定的に静電霧化現象を発生させることができる。また、棒状の放熱用通電部材14を通じての放熱が筐体10を介しても行われるので、放電電極1の冷却効率も向上する。
次に、図6に基づいて第6例の静電霧化装置を説明する。なお、第4例や第5例と同様の構成については図中に同一符号を付して詳しい説明を省略し、第6例特有の構成についてのみ以下に詳述する。
第6例の静電霧化装置においては、筐体10が支持する対向電極11を第5例のように接地させるのではなく、該対向電極11側に高電圧印加部7を接続させて設け、プラスの高電圧を印加するようになっている。また、一対の熱電素子部2に通電を行う回路側を接地させて設け、回路中に設けた直流電源8によって、N型の熱電素子部2からP型の熱電素子部2にむけて電流を流すようになっている。
一対の熱電素子部2間に電流が流れることで放電電極1は冷却されて表面に結露水を生成し、この結露水に対して、対向電極11との間で高電圧が印加される。これにより、放電電極1表面の結露水には静電霧化現象が生じ、ナノメータサイズの粒径の帯電微粒子水を大量に生成させる。
以上、第1例〜第6例の静電霧化装置の基本構成について述べた。以下においては、本発明の静電霧化装置を構成する各部材の変形例について詳述する。
図7には、放電電極1の各種変形例を示している。第1例〜第6例の静電霧化装置においては、放電部1bの先端を球状に膨らませているが、図7(a)のように膨らむことのない球状に放電部1bの先端を設けてあってもよいし、図7(b)のように先鋭形状に放電部1bの先端を設けてあってもよい。平板状の基台部1aの角部分は、電界集中を避けるために凸曲面状に形成してあることが好ましい。
また、第1例〜第6例の静電霧化装置においては、基台部1aと放電部1bを一体に成形していたが、図7(c)〜図7(e)のように基台部1aと放電部1bを別体で構成してもよい。基台部1aと放電部1bとで材質を相違させる場合には、基台部1a側に導電性の材質を用い、放電部1b側に熱伝導性の材質を用いる。基台部1aの材質としては、金属や、導電性材料を被覆した絶縁体を用いることができる。基台部1aに熱電素子部2を半田接合させる場合には、半田接合可能なニッケル、銅、金で基台部1aを形成するか、或いは他の材質の表面にこれらを被覆して基台部1aを形成することが好ましい。放電部1bの材質としては、金属やカーボン等の導電性材料を用いてもよいし、セラミック等の絶縁材料を用いてもよい。
図7(c)は、基台部1aと放電部1bを接着剤又は半田で接合させたものである。上記接着剤としてはエポキシ、ウレタン、アクリル系等のものが用いられるが、熱伝導性フィラーを混入させて熱伝導性を向上させたものであることや、導電性フィラーを混入させて導電性を向上させたものであることも好ましい。
図7(d)は、基台部1aと放電部1bを溶接で接合させたものである。溶接を行う場合には、基台部1aと放電部1bを共に溶接可能な金属とする。品質的に安定した接合を行うには、基台部1aと放電部1bを同一材料で形成することが好ましい。図7(e)は、基台部1aの中央部に凹所18を設けておき、放電部1bの基端面に設けた凸体19を該凹所18に圧入させることで、基台部1aと放電部1bを接合させたものである。
図8と図9には、棒状を成す放熱用通電部材14の各種変形例を示している。第4例〜第6例の静電霧化装置においては、放熱用通電部材14の断面形状を特に限定していないが、放熱用通電部材14の長手方向と直交する面での断面形状については、図8(a)、(b)に示すような円形状であってもよいし、矩形状等の他の形状であってもよい。図8(c)、(d)に示す例では、一対の放熱用通電部材14の断面形状を共に半円形状とし、一対の放熱用通電部材14を並設したときに全体として、円柱を長手方向に沿って半割りにした形状となるように設けている。
また、図8(a)〜(d)の放熱用通電部材14では小径部14aと大径部14bとの間をテーパ状に連続させているが、階段状に連続させてもよいし、図8(e)、(f)に示すように径を一定に設けてもよい。
また、放熱用通電部材14を複数部材の組み合わせにより構成してもよい。図9(a)に示す変形例では、熱伝導性の絶縁部材20と導電性部材21とを組み合わせて棒状の放熱用通電部材14を形成している。図9(b)に示す変形例では、放熱用通電部材14内に、強度保持のための剛性部材22を埋設してある。
図10には、第4例〜第6例の静電霧化装置において、熱電素子部2の周囲に防水用の封止部25を設けた場合の変形例を示している。上記封止部25は、少なくとも、各熱電素子部2が放電電極1に対して接合する接合箇所と、各熱電素子部2が放熱用通電部材14に接合する接合箇所とを封止するものであればよい。
図10(a)、(b)に示す例では、封止部25として、エポキシ、ウレタン、アクリル系等の接着剤26を用いている。接着剤26としては、1液熱硬化タイプ、2液性タイプ、UV硬化タイプ、嫌気性タイプ等の適宜のものが利用可能である。また、熱電素子部2やその接合箇所に過度の応力が働かないように、ガラス転移温度が低い接着剤26を利用することが好ましい。
図10(a)の例では、耐水性および絶縁性を有する接着剤26によって一対の熱電素子部2の周囲を全て埋めてある。つまり、接着剤26によって、各熱電素子部2の放電電極1との接合箇所と、各熱電素子部2の外周面と、両熱電素子部2間の隙間と、各熱電素子部2の放熱用通電部材14との接合箇所とを、全て封止してある。上記接着剤26によって、接合部分の腐食を防止して長寿命化を図るとともに、比較的強度の弱い熱電素子部2を保護することができる。
図10(b)の例では、耐水性および絶縁性を有する接着剤26によって、各熱電素子部2の放電電極1との接合箇所と、各熱電素子部2の放熱用通電部材14との接合箇所だけを、別々に封止してある。つまり、各熱電素子部2の放電電極1との接合箇所を封止する封止部25と、各熱電素子部2の放熱用通電部材14との接合箇所を封止する封止部25とを、分離して別々に形成している。この場合には、封止部25を介しての熱移動を防止し、冷却能力を確保することができる。
図10(c)に示す例では、封止部25として、放電電極1の基台部1aから熱電素子部2を介して放熱用通電部材14の先端部に至るまでの範囲を、耐水性および絶縁性を有する樹脂製の枠体27により囲んで封止してある。枠体27の樹脂としては、PBT、PPS、ポリカーボネート、液晶ポリマー等が利用可能であり、耐加水分解性のものであることが好ましい。
図10(d)に示す例では、封止部25として、耐水性および絶縁性を有するコーティング層28を設けている。上記コーティング層28は、放電電極1の基台部1a側から熱電素子部2を介して放熱用通電部材14の先端部に至るまでの範囲を、全て被覆するように形成したものである。上記コーティング層28によって、接合部分の腐食を防止して長寿命化を図るとともに、比較的強度の弱い熱電素子部2を保護することができる。
コーティング層28は、10〜100μm程度の厚みに設け、熱移動を極力抑制することで冷却能力を確保している。コーティング層28の材質としては、フッ素、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリオレフィン、アクリル、ウレタン、ポリビニル系のものが利用可能である。
図11には、第5例、第6例の静電霧化装置の筐体10において、放熱用通電部材14を挿通するための貫通孔17を、周囲よりも厚みを大きくした肉厚部分30に設けた変形例を示している。図11(a)に示す例では、有底筒状を成す筐体10の底壁部10aに、段差構造を介して肉厚部分30を形成している。図11(b)に示す例では、有底筒状を成す筐体10の底壁部10aに、厚みを漸次増大させるテーパ構造を介して肉厚部分30を形成している。
両貫通孔17を、筐体10において他よりも厚みを大きくした肉厚部分30に設けることで、放熱用通電部材14の姿勢の安定性を向上させるとともに、接触面積の増加によって放熱用通電部材14から筐体10への熱伝達を向上させ、ひいては放電電極1の冷却効率を向上させることができる。
図12には、第5例や第6例の静電霧化装置の筐体10に、外気導入用の通風窓31を形成した変形例を示している。通風窓31は、有底筒状を成す筐体10の周壁部10bに複数開口させたものであり、通風窓31を通じて筐体10内に外気が流入するようになっている。
図12(a)に示す例では、筐体10の通風窓31を、放熱用通電部材14をその径方向外側から囲む部分に形成している。高電圧印加によって放電電極1で帯電微粒子水を生成し、外部にむけて放出させる際には、放電電極1から離れる方向(図中の上方向)にむけて筐体10内でイオン風が発生する。このイオン風により生じる自然対流によって、通風窓31を通じて筐体10内に外気が導入され、放熱用通電部材14の表面近傍を通過して該放熱用通電部材14の放熱効率を向上させる(図中矢印参照)。
図12(b)に示す例では、筐体10内に、該筐体10の内部空間を二分割する仕切り壁32を設けている。仕切り壁32は、筐体10の周壁部10bから内側に延設されるものであり、該仕切り壁32を介して、筐体10の内部空間は静電霧化空間33と放熱空間34とに仕切られる。これにより、放熱空間34で暖められた空気が静電霧化空間33側に流入することが防止されている。
静電霧化空間33は、放電電極1とこれを冷却するための一対の熱電素子部2が収容される側の空間である。放熱空間34は、一対の放熱用通電部材14が収容される側の空間である。外気導入用の通風窓31は、静電霧化空間33側に開口する通風窓31aと、放熱空間34側に開口する通風窓31bとで、別々に備えている。
したがって、高電圧印加によって放電電極1で帯電微粒子水を生成し、外部にむけて放出させる際には、放電電極1から離れる方向に向けて静電霧化空間33内でイオン風が発生し、このイオン風により生じる自然対流によって、通風窓31aを通じて静電霧化空間33内に外気が導入される。つまり、通風窓31aを通じて外気を導入しながらイオン風を勢いよく発生させ、該イオン風に乗せて帯電微粒子水を外部に放出することができる。
また、放熱空間34内においては、自然対流や強制対流によって通風窓31bを通じて外気が導入され、放熱用通電部材14の表面近傍を通過して該放熱用通電部材14の放熱効率を向上させる。図12(b)の例では、筐体10外にファン等の送風装置35を配置し、送風装置35からの強制風によって外気を放熱空間34内に送り込んでいる。送り込まれた外気は、反対側の通風窓31bを通じて外部に吐出される。
図13、図14は、第5例や第6例の静電霧化装置において、単一の筐体10内に、放電電極1を複数配置した変形例を示している。各放電電極1は、これを冷却するための一対の熱電素子部2と、各熱電素子部2に連結される一対の放熱用通電部材14とを組み合わせて一つの静電霧化ブロック40を構成している。つまり、図13、図14に示す変形例は、筐体10内に複数の静電霧化ブロック40を配置した変形例である。なお、図14(b)は(a)のA−A線断面図、(c)は(a)のB−B線断面図である。
図13に示す例では、筐体10内に、2つの静電霧化ブロック40を並設してある。筐体10の底壁部10aには貫通孔17を二対形成しており、各対の貫通孔17に、各静電霧化ブロック40の一対の放熱用通電部材14をそれぞれ貫通固定させている。図13の例では、隣接する静電霧化ブロック40の放熱用通電部材14同士を直列接続させているが、並列接続させてもよい。また、複数の放電電極1用の対向電極11として単一のものを配置しているが、放電電極1ごとに別の対向電極11を配置してあってもよい。図13の例によれば、帯電微粒子水の発生量を増大させることができる。
図14に示す例は、隣接する一対の放電電極1の形状を、一つの放電電極1を半割りにした形状にして近接配置した例である。図14に示す例の他の構成については、図13に示す例と同様である。図14に示す変形例によれば、対を成す放電電極1が一つの放電電極1のように働き、短時間で結露水を生成して静電霧化を開始することができる。
図15、図16は、複数の熱電素子23によって一つの熱電素子部2を形成した変形例である。つまり、複数のP型の熱電素子23によってP型の熱電素子部2を形成し、複数のN型の熱電素子23によってN型の熱電素子部2を形成している。
図15に示す例は、第1〜第3例の静電霧化装置において、二つのP型の熱電素子23によってP型の熱電素子部2を形成し、同じく二つのN型の熱電素子23によってN型の熱電素子部2を形成した例である。二つのP型の熱電素子23の放熱側は、負極側の端子4に接合させる。また、二つのN型の熱電素子23の放熱側は、正極側の端子4に接合させる。両端子4にはそれぞれリード線9の一端側を接合させ、該リード線9の他端側同士を電気接続させて回路を形成する。
図15に示す例では、N型からP型に電流を流すことによって、N型の二つの熱電素子23の放電電極1に接合される側と、P型の二つの熱電素子23の放電電極1に接合される側とが、共に吸熱によって放電電極1を冷却する。そのため、一つの熱電素子23で熱電素子部2を形成する場合に比べて、冷却効率が向上したものになる。
図16に示す例は、第4〜第6例の静電霧化装置において、二つのP型の熱電素子23によってP型の熱電素子部2を形成し、同じく二つのN型の熱電素子23によってN型の熱電素子部2を形成した例である。P型およびN型の熱電素子23の放熱側は、いずれも棒状の放熱用通電部材14に接続させている。
P型とN型の両側の放熱用通電部材14の端部にはともにリード線9の一端側を接合させ、該リード線9の他端側同士を電気接続させて回路を形成する。リード線9を介してN型からP型に電流を流すことによって、図15の例と同様に、N型の二つの熱電素子23とP型の二つの熱電素子23が共に放電電極1を冷却する。
以上、本発明の静電霧化装置を構成する各部材の変形例について、図7〜図16に基づいて詳述した。各変形例の構成は、第1例〜第6例の静電霧化装置のいずれにおいても適用可能である。また、各変形例の構成を適宜組み合わせて適用することも可能である。
1 放電電極
2 熱電素子部
10 筐体
11 対向電極
14 放熱用通電部材
17 貫通孔
20 絶縁部材
25 封止部
28 コーティング層
30 肉厚部分
31 通風窓
32 仕切り壁
33 静電霧化空間
34 放熱空間

Claims (12)

  1. 放電電極を冷却して生成した結露水に電圧を印加することで帯電微粒子水を生成する静電霧化装置において、放電電極を冷却するために備えた一対の熱電素子部の吸熱側同士を、該放電電極を介して電気接続させ、且つ、該放電電極と対向する位置に配される対向電極と、この対向電極に高電圧を印加する高電圧印加部と、一対の熱電素子部に通電を行う回路とを備え、この回路を接地させて設けることで、前記対向電極と前記放電電極との関係において、前記高電圧印加部を前記対向電極側に接続させ、前記放電電極側を接地させて設けたことを特徴とする静電霧化装置。
  2. 上記熱電素子部の放熱側に、導電性材料から成る放熱用通電部材を接続させ、該放熱用通電部材を介して熱電素子部に通電を行うことを特徴とする請求項1に記載の静電霧化装置。
  3. 上記放熱用通電部材は、熱電素子部の通電方向を長手方向とする部材であることを特徴とする請求項2に記載の静電霧化装置。
  4. 上記放熱用通電部材は、熱電素子部との接合箇所から離れるほど大径となるように形成した部材であることを特徴とする請求項3に記載の静電霧化装置。
  5. 熱電素子部が放電電極に接合する接合箇所と、熱電素子部が放熱用通電部材に接合する接合箇所とを、防水性を有する封止部によって封止してあることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の静電霧化装置。
  6. 上記封止部は、熱電素子部が放電電極に接合する接合箇所と、熱電素子部が放熱用通電部材に接合する接合箇所とを、別々に封止するように分離して形成したものであることを特徴とする請求項5に記載の静電霧化装置。
  7. 上記封止部は、放電電極側から熱電素子部を介して放熱用通電部材側に至るまでの範囲を被覆するように形成したコーティング層であることを特徴とする請求項5に記載の静電霧化装置。
  8. 上記対向電極を支持する筐体を備え、該筐体内に上記放電電極を収容することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の静電霧化装置。
  9. 上記筐体は、熱伝導性の固着体を介して、放熱用通電部材を所定位置に固定するものであることを特徴とする請求項8に記載の静電霧化装置。
  10. 上記筐体は、放熱用通電部材を挿通するための貫通孔を、周囲よりも厚みを大きくした肉厚部分に形成したものであることを特徴とする請求項8又は9に記載の静電霧化装置。
  11. 上記筐体は、放熱用通電部材を囲む部分に、外気導入用の通風窓を有するものであることを特徴とする請求項8〜10のいずれか一項に記載の静電霧化装置。
  12. 上記筐体は、放電電極が収容される静電霧化空間と放熱用通電部材が収容される放熱空間とに内部空間を仕切る仕切り壁を有するものであることを特徴とする請求項8〜11のいずれか一項に記載の静電霧化装置。
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