JP5342331B2 - 車両用ブレーキ液圧制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用ブレーキ液圧制御装置に関する。
車両用ブレーキ液圧制御装置では、種々のものが提案されているが、例えば、特許文献1や特許文献2に示すようなものがあった。
特許文献1に記載のブレーキ液圧制御装置は、基体におけるモータ取付面と反対側の面にすべての弁を配置し、配管ポートに近い側から遠い側へ向けて一列目にサクション弁を配置し、二列目に複数の増圧弁を配置し、三列目にレギュレータ弁を配置し、四列目に複数の減圧弁を配置する構成としてある。
このブレーキ液圧制御装置によれば、入口ポートからサクション弁を通じてポンプに至る流路の距離を短くすることができ、ポンプの昇圧性能を改善することが可能である。
また、特許文献2に記載のブレーキ液圧制御装置は、基体の一つの面に、一列4個の小型電磁弁を平行に二列配置するとともに、一列2個の大型電磁弁を平行に二列配置し、各列で相互に隣接する2個の小型電磁弁に対して、4個の大型電磁弁をそれぞれ実質的に当接するように配置した構成としてある。
このブレーキ液圧制御装置によれば、ソレノイドコイルの大きさが異なる場合でも、液圧制御ユニットを全体として小型に形成することが可能である。
特開2005−145239号公報 特開2000−177560号公報
前記した特許文献1では、配管ポートに近い側から遠い側へ向けて一列目にサクションバルブが配置されており、また、略三列目に相当する位置にポンプが配置されており、サクションバルブとポンプとの間は、流路で接続されている。このため、流路抵抗やブレーキ液の粘性等によってポンプにおけるブレーキ液の吸込性が低下し、サクションバルブからポンプまでの流路が負圧空間となるおそれがあった。
このように、サクションバルブからポンプまでの流路が負圧空間になると、ポンプ吐出量の低下を来たし、その結果、昇圧に時間を要するという問題が生じてくる。
このことは、前記した特許文献2のように、サクションバルブとポンプとの間が流路で接続されたものにおいても同様に生じる問題である。
また、前記した特許文献1では、略三列目に相当する位置にポンプが配置されており、三列目に配置されているレギュレータ弁とポンプとが実質的に略同じ位置に配置されている構成であるため、ダンパとの間を結ぶ流路の取り回しが難しくなり、基体が分厚くなる問題や、流路を傾斜させる必要性が生じて加工性に劣るという問題があった。
本発明は、前記従来の問題を解決するものであり、ポンプの好適な昇圧を実現することができ、しかも、小型化を図ることができるとともに加工性に優れた車両用ブレーキ液圧制御装置を提供することを目的とする。
このような課題を解決するために創案された本発明は、複数の入口弁と、複数の出口弁と、一対のリザーバと、一対のサクション弁と、一対のレギュレータ弁と、一対のポンプと、が共通の基体に配置されてなり、前記基体の上部に、液圧源からの入口ポートおよび車輪ブレーキに至る出口ポートが配置されるとともに、前記基体の下部に前記一対のリザーバが配置されてなる車両用ブレーキ液圧制御装置であって、前記ポンプは、前記入口ポートと前記リザーバとの間に配置されており、前記レギュレータ弁は、前記ポンプの前記基体の上部側に配置されたレギュレータ弁装着穴に装着されているとともに、前記サクション弁が装着されるサクション弁装着穴は、前記ポンプが装着されるポンプ穴に直結されており、前記入口ポートから前記レギュレータ弁装着穴を通じて前記ポンプ穴に至る流路を有し、前記流路は、前記レギュレータ弁装着穴を通る直線状の縦孔を備えていることを特徴とする。
かかる車両用ブレーキ液圧制御装置によれば、レギュレータ弁は、ポンプの基体の上部側に配置されているので、この上部側のスペースを有効に利用してレギュレータ弁を配置することができ、入口ポートからレギュレータ弁を通じてポンプに至る流路を直線状とすることができる。これによって簡素な流路の取り回しが可能となり流路の形成(加工)が簡単であるとともに基体の小型化を図ることができる。また、内部流路の設計が簡単になる。
また、サクション弁が装着されるサクション弁装着穴は、ポンプが装着されるポンプ穴に直結されているので、例えば、サクション弁装着穴とポンプ穴とを直に連通したときには、サクション弁装着穴からポンプ穴にブレーキ液が直に流れ、あるいは、ポンプ穴の基体前方にサクション弁装着穴を設けて、サクション弁装着穴とポンプ穴との間を流路で連通したときには、流路の距離を最短とすることができ、ポンプ作動時に、サクション弁とポンプとの間(流路)が負圧空間となるのを最小限に抑制することができる。これによって、ポンプの吸込性が確保されるようになり、ポンプの昇圧時間を短縮することができるようになる。したがって、ポンプの好適な昇圧を実現することができ、応答性の高い車両用ブレーキ液圧制御装置が得られる。
また、ポンプ穴を境として基体の上部と下部とに各弁等をバランスよく配置することができるようになり、基体の略中央部に、ポンプ駆動用のモータに備わるモータ軸を挿入するための挿入孔を形成することができる。したがって、より大型で高出力のモータを基体に取り付けることができる。
また、本発明は、前記流路における前記レギュレータ弁装着穴と前記ポンプ穴との間に前記サクション弁装着穴が配置されており、前記縦孔は、前記レギュレータ弁装着穴と前記サクション弁装着穴とを直結している構成とするのがよい。
また、本発明は、前記入口弁は、前記ポンプと前記レギュレータ弁との間に配置されている構成とするのがよい。
かかる車両用ブレーキ液圧制御装置によれば、入口弁とレギュレータ弁との間を最小限の流路数で結ぶことができる。これによって簡素な流路の取り回しが可能となり基体の小型化を図ることができる。また、流路の形成も簡単になる。
また、本発明は、前記出口弁は、前記ポンプの前記基体の下部側に配置されている構成とするのがよい。
かかる車両用ブレーキ液圧制御装置によれば、出口弁とリザーバとの間を最小限の流路数で結ぶことができる。これによって簡素な流路の取り回しが可能となり、基体の小型化を図ることができる。また、流路の形成も簡単になる。
また、本発明は、ダンパを構成するダンパ穴を備え、前記ダンパ穴は、前記ポンプの前記基体の下部側に配置されている構成とするのがよい。
かかる車両用ブレーキ液圧制御装置によれば、基体の下部側の空いたスペースを有効に利用してダンパを設置することができ、基体の大型化を招くことなくダンパを好適に配置することができる。
また、前記一対のリザーバが装着される一対のリザーバ穴は、前記基体の下面に凹設されており、前記出口弁は、前記一対のリザーバ穴の両側に一つずつ配置されている構成とするのがよい。
かかる車両用ブレーキ液圧制御装置によれば、一対のリザーバ穴は、基体の下面に凹設されているので、基体の下面から上面に向かう方向のスペースを有効に利用して比較的容量の大きいリザーバを好適に配置することができる。これによって、基体の奥行き方向にリザーバ穴を形成したものと比べて、基体の奥行き寸法を小さくすることができる。
また、一対のリザーバ穴の両側の空いたスペースを有効に利用して出口弁を一つずつ配置することができ、レイアウト性を高めることができる。これによって、基体の大型化を防止することができる。
また、本発明は、前記出口ポートが、駆動輪側となる2つの車輪ブレーキ、および従動輪側となる2つの車輪ブレーキに対応して、前記一対のポンプの軸方向に4つ並設されており、これらのうちの内側2つの前記出口ポートが、前記駆動輪側となる2つの車輪ブレーキにそれぞれ対応しており、前記入口弁と前記出口弁との間に前記駆動輪側の車輪ブレーキのブレーキ液圧を検出する液圧センサが配置されている構成とするのがよい。
かかる車両用ブレーキ液圧制御装置によれば、基体の中央寄りの空いたスペースを利用して液圧センサを配置することができ、液圧センサを有する構成でありながら基体の大型化を防止することができる。
また、本発明は、前記駆動輪側の車輪ブレーキが、前輪側の車輪ブレーキである構成とするのがよい。
かかる車両用ブレーキ液圧制御装置によれば、前輪駆動車のトラクション制御に必要な液圧センサを、基体の大型化を招くことなく配置することができる。
また、本発明は、複数の入口弁と、複数の出口弁と、一対のリザーバと、一対のサクション弁と、一対のレギュレータ弁と、一対のポンプと、が共通の基体に配置されてなり、前記基体の上部に、液圧源からの入口ポートおよび車輪ブレーキに至る出口ポートが配置されるとともに、前記基体の下部に前記一対のリザーバが配置されてなる車両用ブレーキ液圧制御装置であって、前記ポンプは、前記入口ポートと前記リザーバとの間に配置されており、前記レギュレータ弁は、前記ポンプの前記基体の上部側に配置されているとともに、前記サクション弁が装着されるサクション弁装着穴は、前記ポンプが装着されるポンプ穴に直結されており、前記出口ポートは、駆動輪側となる2つの車輪ブレーキ、および従動輪側となる2つの車輪ブレーキに対応して、前記一対のポンプの軸方向に4つ並設されており、これらのうちの内側2つの前記出口ポートが、前記駆動輪側となる2つの車輪ブレーキにそれぞれ対応しており、前記入口弁と前記出口弁との間に前記駆動輪側の車輪ブレーキのブレーキ液圧を検出する液圧センサが配置されていることを特徴とする。
また、前記駆動輪側の車輪ブレーキは、前輪側の車輪ブレーキである構成とするのがよい。
本発明によれば、ポンプの好適な昇圧を実現することができ、しかも、小型化を図ることができるとともに加工性に優れた車両用ブレーキ液圧制御装置が得られる。
本発明の一実施形態に係る車両用ブレーキ液圧制御装置の基体の内部を可視化した側断面図である。 本発明の一実施形態に係る車両用ブレーキ液圧制御装置の基体を示す図であり、(a)は平面図、(b)は前面図、(c)は側面図である。 同じく基体を示す図であり、(a)は背面図、(b)は底面図である。 本発明の実施形態に係る車両用ブレーキ液圧制御装置の流路構成部の透視図であって、(a)は前面からみた透視図、(b)は側面からみた透視図である。 本発明の実施形態に係る車両用ブレーキ液圧制御装置の流路構成部の背面からみた透視図である。 本発明の実施形態に係る車両用ブレーキ液圧制御装置の流路構成部に形成された各装着穴および流路の内面を可視化した斜視図であって、(a)は前面側からみた斜視図、(b)は後面側からみた斜視図である。 本発明の実施形態に係る車両用ブレーキ液圧制御装置のポンプに対するサクション弁の配置を説明するための図であり、(a)はポンプ軸に沿う横断面図、(b)はサクション弁の中心を通る縦断面図である。 本発明の実施形態に係る車両用ブレーキ液圧制御装置の流路構成部におけるブレーキ液の流れを示す図であり、(a)は通常ブレーキ時の流れを示す図、(b)はアンチロックブレーキ制御の減圧時のブレーキ液の流れを示す図である。 本発明の実施形態に係る車両用ブレーキ液圧制御装置の流路構成部における挙動安定化制御時のブレーキ液の流れを示す図である。 本発明の実施形態に係る車両用ブレーキ液圧制御装置の液圧回路図である。
以下、図面を参照しながら本発明に係る車両用ブレーキ液圧制御装置の一例について説明する
以下、本発明を実施するための形態を、添付した図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、説明において、同一の要素には同一の符号を用い、重複する説明は省略する。また、以下の説明において、「上下」の語は、基体100の後記する入口ポート21や出口ポート22L等が上となる状態を基準として使用している。
図1に示すように、本実施形態の車両用ブレーキ液圧制御装置(以下、「ブレーキ液圧制御装置」という。)Uは、4輪自動車等に用いられるものであり、基体100と、基体100の後面15に組み付けられるモータ200(電動モータ)と、基体100の前面11に組み付けられるコントロールハウジング300と、コントロールハウジング300に収容される制御装置400とを備えて構成されている。
ブレーキ液圧制御装置Uは、図10に示す液圧回路を具現化したものであり、四つの車輪ブレーキFR,RL,FL,RRのうちの二つの車輪ブレーキFR,RLを制動するためのブレーキ出力系統K1および残り二つの車輪ブレーキFL,RRを制動するためのブレーキ出力系統K2を備えていて、車輪ブレーキFR,RL,FL,RRごとに(すなわち、一つのブレーキ出力系統につき二つ)設けられた制御弁手段Vによって各車輪の独立したアンチロックブレーキ制御が可能となっており、さらに、各ブレーキ出力系統K1,K2に設けられたレギュレータRとサクション弁4とポンプ6とが協働することによって挙動安定化制御が可能になっている。
図10において、ブレーキ出力系統K1は、右前および左後の車輪を制動するためのものであり、入口ポート21から出口ポート22R,22Lに至る系統である。なお、入口ポート21には、液圧源であるマスタシリンダMの出力ポートM2に至る配管H1が接続され、出口ポート22R,22Lには、それぞれ車輪ブレーキFR,RLに至る配管H2,H2が接続される。
ブレーキ出力系統K2は、左前および右後の車輪を制動するためのものであり、入口ポート23から出口ポート24L,24Rに至る系統である。
入口ポート23には、ブレーキ出力系統K1と同一の液圧源であるマスタシリンダMの出力ポートM1に至る配管H3が接続され、出口ポート24L,24Rには、それぞれ車輪ブレーキFL,RRに至る配管H4,H4が接続される。
ここで、ブレーキ出力系統K2は、ブレーキ出力系統K1と同一の構成であるので、以下では、ブレーキ出力系統K1について説明し、適宜、ブレーキ出力系統K2について説明する。
マスタシリンダMはタンデム型であって、このマスタシリンダMには、ブレーキ操作子であるブレーキペダルBPが接続されている。すなわち、1つのブレーキペダルBPに踏力を加えるだけで、4つの車輪ブレーキFR,RL,FL,RRを制動することができる。
ブレーキ出力系統K1には、レギュレータ弁としてのレギュレータR、制御弁手段V,V、サクション弁4、リザーバ5、ポンプ6、オリフィス6a、ダンパ室7、液圧源側ブレーキ液圧センサ8および車輪側ブレーキ液圧センサ9が設けられている。
なお、以下では、入口ポート21からレギュレータRに至る流路(液路)を「出力液圧路A」と称し、レギュレータRから出口ポート22R,22Lに至る流路を「車輪液圧路B」と称する。また、出力液圧路Aからポンプ6に至る流路を「吸入液圧路C」と称し、ポンプ6から車輪液圧路Bに至る流路を「吐出液圧路D」と称し、さらに、車輪液圧路Bから吸入液圧路Cに至る流路を「開放路E」と称する。また、「上流側」とは、マスタシリンダM側のことを意味し、「下流側」とは、車輪ブレーキFR,RL(FL,RR)側のことを意味する。
レギュレータRは、出力液圧路Aにおけるブレーキ液の通流を許容する状態および遮断する状態を切り換える機能と、出力液圧路Aにおけるブレーキ液の通流が遮断されているときに車輪液圧路Bのブレーキ液圧を所定値以下に調節する機能とを有しており、カット弁1およびチェック弁1aを備えて構成されている。
このようなレギュレータRは、後記するように基体100の上部側において、ポンプ6の上部側となるポンプ穴36の上方に設けられたカット弁装着穴31に装着されている(図2(b)(c)参照)。
カット弁1は、出力液圧路Aと車輪液圧路Bとの間に介設された常開型のリニアソレノイド弁であり、出力液圧路Aから車輪液圧路Bへのブレーキ液の通流を許容する状態および遮断する状態を切り換えるものである。すなわち、カット弁1は、ソレノイドへの通電を制御することによって開弁圧を調節することが可能な構成(リリーフ弁としての機能を併せ備えた構成)となっている。カット弁1は、通常時に開いていることで、ポンプ6から吐出液圧路Dへ吐出して車輪液圧路Bへ流入したブレーキ液が、吸入液圧路Cへ戻ること(循環すること)を許容している。また、カット弁1は、ブレーキペダルBPが操作されたときに、言い換えれば、車輪ブレーキFR,RLへブレーキ液圧を作用させるときに、制御装置400(図1参照、以下同じ)の制御により閉塞され、出力液圧路AからレギュレータRにかかるブレーキ液圧と、ソレノイドへの通電によって制御される、弁を閉じようとする力とのバランスによって、車輪液圧路Bのブレーキ液圧を適宜吸入液圧路Cへ開放して調節することができる。
チェック弁1aは、カット弁1に並列に接続されている。このチェック弁1aは、出力液圧路Aから車輪液圧路Bへのブレーキ液の流れを許容する一方向弁である。
制御弁手段Vは、車輪ブレーキFR,RLにそれぞれ1つずつ設けられている。制御弁手段Vは、車輪液圧路Bを開放しつつ開放路Eを遮断する状態、車輪液圧路Bを遮断しつつ開放路Eを開放する状態および車輪液圧路Bおよび開放路Eを遮断する状態を切り換える機能を有しており、入口弁2、チェック弁2aおよび出口弁3を備えて構成されている。
入口弁2は、車輪液圧路Bに設けられた常開型の電磁弁であり、開弁状態にあるときに上流側から下流側へのブレーキ液の流入を許容し、閉弁状態にあるときに遮断する。常開型の電磁弁は、その弁体を駆動させるための電磁コイルが制御装置400と電気的に接続されており、制御装置400からの指令に基づいて電磁コイルを励磁すると閉弁し、電磁コイルを消磁すると開弁する。本実施形態では、各入口弁2としてリニアソレノイド型の電磁弁が採用されており、ソレノイドへの駆動電流が制御装置400によって制御されることによって開弁量を調節することが可能な構成となっている。
このような入口弁2は、後記するように基体100の上部側において、前記したレギュレータRとともにポンプ6の上部側となるポンプ穴36の上方に設けられた内側入口弁装着穴32Aおよび外側入口弁装着穴32Bに装着されている(図2(b)(c)参照)。
チェック弁2aは、その下流側から上流側へのブレーキ液の流入のみを許容する弁であり、各入口弁2と並列に接続されている。
出口弁3は、車輪液圧路Bと開放路Eとの間に介設された常閉型の電磁弁からなり、閉弁状態にあるときに車輪ブレーキFR,RL(FL,RR)側からリザーバ5側へのブレーキ液の流入を遮断し、開弁状態にあるときに許容する。出口弁3を構成する常閉型の電磁弁は、その弁体を駆動させるための電磁コイルが制御装置400と電気的に接続されており、制御装置400からの指令に基づいて電磁コイルを励磁すると開弁し、電磁コイルを消磁すると閉弁する。
このような出口弁3は、後記するように基体100の下部側において、ポンプ6の下部側となるポンプ穴36の下方に設けられた内側出口弁装着穴33Aおよび外側出口弁装着穴33Bに装着されている(図2(b)(c)参照)。
サクション弁4は、吸入液圧路Cを開放する状態および遮断する状態を切り換えるものであり、吸入液圧路Cに設けられた常閉型の電磁弁からなる。サクション弁4を構成する常閉型の電磁弁は、その弁体を駆動させるための電磁コイルが制御装置400と電気的に接続されており、制御装置400からの指令に基づいて電磁コイルを励磁すると開弁し、電磁コイルを消磁すると閉弁する。
このようなサクション弁4は、後記するように基体100において、ポンプ穴36の前方に設けられたサクション弁装着穴34に装着され、ポンプ6に直結されている(図2(b)、図7(a)(b)参照)。
リザーバ5は、開放路Eに設けられており、各出口弁3が開放されることによって逃がされるブレーキ液を一時的に貯留する機能を有している。また、リザーバ5とポンプ6との間には、リザーバ5側からポンプ6側へのブレーキ液の流入のみを許容するチェック弁5aが介設されている。
このようなリザーバ5は、後記するように基体100において、ポンプ穴36の下方となる基体100の下面16に開口して、基体100の下部に設けられている。
ポンプ6は、出力液圧路Aに通じる吸入液圧路Cと車輪液圧路Bに通じる吐出液圧路Dとの間に介設されており、モータ200の回転力によって駆動され、リザーバ5に一時的に貯留されたブレーキ液を吸入して吐出液圧路Dに吐出する。また、カット弁1が閉弁状態にあり、サクション弁4が開弁状態にあるときには、ポンプ6は、マスタシリンダM、出力液圧路A、吸入液圧路Cおよびリザーバ5に貯留されているブレーキ液を吸入して吐出液圧路Dに吐出する。これにより、ブレーキペダルBPの操作によって発生したブレーキ液圧を増圧することが可能となり、さらには、ブレーキペダルBPを操作していない状態でも車輪ブレーキFR,RL(FL,RR)にブレーキ液圧を作用させることが可能となる。
このようなポンプ6は、後記するように基体100において、基体100の左側面13、右側面14から穿設されたポンプ穴36(ポンプ軸Y1)に装着されている(図2(c)等参照)。
ダンパ室7およびオリフィス6aは、その協働作用によってポンプ6から吐出されたブレーキ液の脈動を減衰する役割をなす。
液圧源側ブレーキ液圧センサ8は、出力液圧路Aのブレーキ液圧、すなわち、マスタシリンダMにおけるブレーキ液圧の大きさを計測するものである。液圧源側ブレーキ液圧センサ9は、一方のブレーキ出力系統(本実施形態ではブレーキ出力系統K1)にのみ配置されている。つまり、マスタシリンダMが前記したようにタンデム型であり、ブレーキ出力系統K1,K2におけるブレーキ液圧の大きさは同様であるので、代表して一方のブレーキ出力系統K1にのみ配置されている。
液圧源側ブレーキ液圧センサ8で計測されたブレーキ液圧の値は、制御装置400に随時取り込まれ、制御装置400によりマスタシリンダMからブレーキ液圧が出力されているか否か、すなわち、ブレーキペダルBPが踏まれているか否かが判定され、さらに、液圧源側ブレーキ液圧センサ8で計測されたブレーキ液圧の大きさに基づいて、挙動安定化制御等が行われる。
車輪側ブレーキ液圧センサ9は、車輪ブレーキFR(RL)に作用するブレーキ液圧の大きさを計測するものである。車輪側ブレーキ液圧センサ9で計測されたブレーキ液圧の値は、制御装置400に随時取り込まれ、この計測されたブレーキ液圧の大きさに基づいてアンチロックブレーキ制御や挙動安定化制御などが行われる。
モータ200は、ブレーキ出力系統K1にあるポンプ6およびブレーキ出力系統K2にあるポンプ6の共通の動力源であり、制御装置400からの指令に基づいて作動する。
制御装置400(図1参照)は、液圧源側ブレーキ液圧センサ8、車輪側ブレーキ液圧センサ9、車輪速度を検出する図示しない車輪速度センサからの出力に基づいて、レギュレータRのカット弁1、制御弁手段Vの入口弁2および出口弁3およびサクション弁4の開閉、並びに、モータ200の作動を制御する。
次に、図10の液圧回路を参照しつつ、制御装置400によって実現される通常のブレーキ制御、アンチロックブレーキ制御および挙動安定化制御について説明する。なお、以下に記載する本実施形態では、前輪を駆動輪とする前輪駆動の車両を例に挙げて説明する。
(通常のブレーキ制御)
各車輪がロックする可能性のない通常のブレーキ制御時においては、前記した複数の電磁弁を駆動させる複数の電磁コイルは、いずれも制御装置400によって消磁させられる。つまり、通常のブレーキ制御においては、カット弁1と入口弁2とが開弁状態になっており、出口弁3とサクション弁4とが閉弁状態になっている。
このような状態のときに運転者がブレーキペダルBPを踏み込むと、その踏力に起因して発生したブレーキ液圧は、そのまま車輪ブレーキFR,RL,FL,RRに伝達され、各輪が制動されることとなる。
以上のような通常のブレーキ制御を実行する際に、車輪側ブレーキ液圧センサ9で右前および左前の車輪ブレーキFR,FLに繋がる車輪液圧路B内のブレーキ液圧を実測しているので、車輪ブレーキFR,FLに好適なブレーキ液圧がかかっていることを確認できる。
(アンチロックブレーキ制御)
アンチロックブレーキ制御は、車輪がロック状態に陥りそうになったときに実行されるものであり、ロック状態に陥りそうな車輪の車輪ブレーキFR,RL,FL,RRに対応する制御弁手段Vを制御して、車輪ブレーキFR,RL,FL,RRに作用するブレーキ液圧を減圧、増圧あるいは一定に保持する状態を適宜選択することによって実現される。なお、減圧、増圧および保持のいずれを選択するかは、図示しない車輪速度センサから得られた車輪速度に基づいて、制御装置400によって判断される。
ブレーキペダルBPを踏み込んでいる最中に、車輪がロック状態に入りそうになると、制御装置400によりアンチロックブレーキ制御が開始される。
なお、以下では、右前にある車輪(車輪ブレーキFRより制動される車輪)がロック状態に入りそうになっていると想定してアンチロックブレーキ制御時の動作を説明する。
制御装置400によって、車輪ブレーキFRに作用するブレーキ液圧を減圧すべきであると判断された場合には、車輪ブレーキFRに対応する制御弁手段Vにより車輪液圧路Bが遮断され、開放路Eが開放される。具体的には、制御装置400により入口弁2を励磁して閉弁状態にするとともに、出口弁3を励磁して開弁状態にする。このようにすると、車輪ブレーキFRに通じる車輪液圧路Bのブレーキ液が開放路Eを通ってリザーバ5に流入し、その結果、車輪ブレーキFRに作用していたブレーキ液圧が減圧される。このとき、車輪側ブレーキ液圧センサ9によって車輪液圧路B内のブレーキ液圧が計測され、その計測値は制御装置400に随時取り込まれる。
なお、アンチロックブレーキ制御を実行する場合には、制御装置400によりモータ200を駆動させてポンプ6を作動させ、リザーバ5に貯留されたブレーキ液を、吐出液圧路Dを介して車輪液圧路Bに還流する。
また、制御装置400によって、車輪ブレーキFRに作用するブレーキ液圧を一定に保持すべきであると判断された場合は、車輪ブレーキFRに対応する制御弁手段Vにより車輪液圧路Bおよび開放路Eがそれぞれ遮断される。具体的には、制御装置400により入口弁2を励磁して閉弁状態にするとともに、出口弁3を消磁して閉弁状態にする。このようにすると、車輪ブレーキFR、入口弁2および出口弁3で閉じられた流路内にブレーキ液が閉じ込められることになり、その結果、車輪ブレーキFRに作用していたブレーキ液圧が一定に保持される。
さらに、制御装置400によって、車輪ブレーキFRに作用するブレーキ液圧を増圧すべきであると判断された場合には、車輪ブレーキFRに対応する制御弁手段Vにより車輪液圧路Bが開放され、開放路Eが遮断される。具体的には、制御装置400により入口弁2を消磁して開弁状態にするとともに、出口弁3を消磁して閉弁状態にする。このようにすると、ブレーキペダルBPの踏力に起因して発生したブレーキ液圧が車輪ブレーキFRに直接作用することになり、その結果、車輪ブレーキFRに作用するブレーキ液圧が増圧される。
以上のようなアンチロックブレーキ制御を実行する際に、車輪側ブレーキ液圧センサ9で右前の車輪ブレーキFRに繋がる車輪液圧路B内のブレーキ液圧を実測しているので、制御装置400では、計測されたブレーキ液圧に応じて細かい液圧制御を行うことができる。具体的には、車輪液圧路B内のブレーキ液圧をセンシングしながらその液圧が減圧され過ぎないように出口弁3を開閉する。また、ブレーキ液圧が減圧され過ぎないように出口弁3の開度および開弁時間を設定するようにしてもよい。このようにすれば、車輪側ブレーキ液圧センサ9で計測されたブレーキ液圧の大きさに基づいた精度の高いブレーキ制御を行うことができ、車輪がロックしそうな状態を脱して車輪ブレーキFRに作用するブレーキ液圧を増圧すべきであると判断された場合に、即座にブレーキ液圧を所望の圧力に戻すことができる。また、車輪ブレーキFRに作用するブレーキ液圧を一定に保持すべきであると判断された場合にも、車輪ブレーキFRに作用するブレーキ液圧を実測しながら、入口弁2および出口弁3の開閉を制御することで、車輪ブレーキFRに最も適したブレーキ液圧を確実且つ容易に保持することができる。
(挙動安定化制御)
挙動安定化制御は、特に雨天時や雪道のコーナリング等の走行時に起こる走行状況等の変化によって起こる挙動の乱れを防止するためのものである。
車両の状態に応じて、制御装置400により、横滑り制御やトラクション制御などの挙動安定化制御が開始される。なお、以下では、ブレーキペダルBP(図10参照)を操作していないときに右前の車輪(車輪ブレーキFRにより制動される車輪)を制動させて車両の挙動を安定化させる場合を想定する。
ブレーキペダルBPを操作していない場合において制御装置400により右前の車輪を制動すべきと判断された場合には、制御装置400により、カット弁1を励磁して閉弁状態にするとともに、サクション弁4を励磁して開弁状態にし、さらに、制動したい右前の車輪に対応する制御弁手段V以外の制御弁手段Vにおいて入口弁2を励磁して閉弁状態にし、かかる状態において、ポンプ6を駆動させるべくモータ200を作動させる。このようにすると、マスタシリンダM、出力液圧路Aおよび吸入液圧路Cに貯留されているブレーキ液が、ポンプ6と吐出液圧路Dとを経由して車輪ブレーキFRに通じる車輪液圧路Bのみに流入し、その結果、車輪ブレーキFRにブレーキ液圧が作用し、右前の車輪が制動されることになる。
以上のような挙動安定化制御が行われる際に、後記するようにポンプ6に直結されたサクション弁4を通じてマスタシリンダM、出力液圧路Aおよび吸入液圧路Cに貯留されているブレーキ液がポンプ6にスムーズに吸引され、ポンプ6から吐出液圧路Dに吐出される。
なお、出力液圧路Aのブレーキ液圧と車輪液圧路Bのブレーキ液圧との差が設定値以上になった場合には、カット弁1がリリーフ弁として働き、車輪液圧路B内のブレーキ液が出力液圧路Aに逃がされる。
また、車輪側ブレーキ液圧センサ9で右前の車輪ブレーキFRに繋がる車輪液圧路B内のブレーキ液圧を実測しているので、制御装置400では、車輪液圧路B内のブレーキ液圧が所望の値になるように細かい液圧制御を行うことができ、精度の高いブレーキ制御を行うことができる。
次に、ブレーキ液圧制御装置Uの具体的な構造を、図1から図7を参照して詳細に説明する。
ブレーキ液圧制御装置Uは、前記したように、基体(ボディ)100と、モータ200と、コントロールハウジング300と、制御装置400とを備えて構成されている。
基体100は、略直方体を呈するアルミニウム合金製の押出材または鋳造品からなり、その前面11が実質的に凹凸のない平面に成形されている。基体100には、図2(b)に示すように、二つのブレーキ出力系統K1,K2(図10参照)に対応する二つの流路構成部100A,100Bが形成されている。具体的には、前面11側から見て基体100の右半分(図中に付した中心線Xよりも紙面右側にある領域)にブレーキ出力系統K1に対応する流路構成部100Aが形成されており、基体100の左半分(図中に付した中心線Xより紙面左側にある領域)にブレーキ出力系統K2に対応する流路構成部100Bが形成されている。流路構成部100A,100Bは、本実施形態では、実質的に左右対称に形成されており、その内部構成等も同一であるので、以下では主として流路構成部100Aについて説明する。
図2(a)〜(c)、図3(a)(b)を適宜参照して説明すると、流路構成部100Aは、後面15に開口する入口ポート21、モータ装着穴20、および上面12に開口する二つの出口ポート22R,22Lのほか、右側面14に開口するポンプ穴36およびダンパ穴37を有するとともに、前面11に開口する複数の装着穴を有している。
流路構成部100Aは、前面11の装着穴として、ポンプ軸Y1と略同じ高さに設けられ、サクション弁4が装着されるサクション弁装着穴34と、ポンプ軸Y1よりも基体100の上部側に設けられ、レギュレータRをなすカット弁1が装着されるカット弁装着穴31と、ポンプ軸Y1とカット弁装着穴31との間に設けられ、入口弁2がそれぞれ装着される内側入口弁装着穴32Aおよび外側入口弁装着穴32Bと、ポンプ軸Y1よりも基体100の下部側に設けられ、出口弁3がそれぞれ装着される内側出口弁装着穴33Aおよび外側出口弁装着穴33Bと、を備えている。
また、前面11には、ポンプ軸Y1と内側入口弁装着穴32Aとの間に設けられ、車輪側ブレーキ液圧センサ9が装着される車輪側センサ装着穴39と、内側入口弁装着穴32Aの上方の中心線X上(流路構成部100A、100Bの境界部分)に設けられ、マスタシリンダMのブレーキ液圧を計測する液圧源側ブレーキ液圧センサ8が装着される液圧源側センサ装着穴38が設けられている。さらに、この液圧源側センサ装着穴38の下方にモータ200(図1参照)の電源端子(不図示)が装着される装着孔20Aが基体100の前後に貫通して設けられている。
また、図3(b)に示すように、下面16には、リザーバ5を装着するリザーバ穴35が凹設されている。
なお、図2(b)に示すように、カット弁装着穴31、内側入口弁装着穴32A、外側入口弁装着穴32B、内側出口弁装着穴33A、外側出口弁装着穴33B、サクション弁装着穴34は、流路構成部100Aの前面11の同一面に開口している。また、本実施形態においては、これらの装着穴の口径が総て同一になっている。
なお、本実施形態では、基体100の上部において、内側(図2(a)において基体100の内側)にある出口ポート22Rに、車輪ブレーキFRに至る配管H2(図10参照)が接続され、外側(図2(a)において基体100の外側)にある出口ポート22Lに、車輪ブレーキRLに至る配管H2(図10参照)が接続されるものとする。
図4(a)(b)、図6(b)に示すように、入口ポート21は、有底円筒状の穴であり、図4(a)、図5に示すように、第一流路51を介してカット弁装着穴31およびサクション弁装着穴34と連通している。第一流路51は、入口ポート21の底面から(基体100)流路構成部100Aの前面11(図2(b)参照)に向かって穿設された横孔51aと、流路構成部100Aの上面12(図2(b)参照)から下面16に向かって穿設された縦孔51bとからなる。横孔51aは、その前部が縦孔51bと交差しており、また、縦孔51bは、カット弁装着穴31およびサクション弁装着穴34の側壁を上下方向に貫通している(図5参照)。
また、横孔51aの後部には、流路構成部100Aの右側面14から左側面13に向かって穿設された横孔38aが交差している。横孔38aは、その先端が、液圧源側センサ装着穴38の底面から流路構成部100Aの後面15に向かって穿設された横孔38bに連通している。
ここで、入口ポート21の底部から第一流路51の横孔51a、縦孔51bを通じて、カット弁装着穴31の側部に至る流路が図10に示す出力液圧路Aに相当する。
図4(a)、図5、図6(a)(b)に示すように、内側にある出口ポート22Rは、有底円筒状の穴であり、第二流路52を介して内側入口弁装着穴32Aと連通している。第二流路52は、内側にある出口ポート22Rの底面から流路構成部100Aの下面16に向かって穿設された縦孔からなり、内側入口弁装着穴32Aの側壁と車輪側センサ装着穴39の側壁を上下方向に貫通して内側出口弁装着穴33Aにまで達している。
外側にある出口ポート22Lは、有底円筒状の穴であり、第三流路53を介して外側入口弁装着穴32Bと連通している。第三流路53は、外側にある出口ポート22Lの底面から流路構成部100Aの下面16に向かって穿設された縦孔からなり、外側入口弁装着穴32Bの側壁を上下方向に貫通して外側出口弁装着穴33Bにまで達している。
カット弁装着穴31は、カット弁1(図10参照)となる常開型の電磁弁(不図示、以下同じ)が装着される有底の段付き円筒状の穴であり、図5、図6(b)に示すように、その底部が第四流路54および第五流路55を通じてポンプ穴36の側部(上部側壁)に連通している。第四流路54は、流路構成部100Aの右側面14からカット弁装着穴31の底部に向かって穿設された横孔からなり、内側入口弁装着穴32Aの底部にまで達している。
また、第五流路55は、流路構成部100Aの上面12から外側入口弁装着穴32Bの底部に向かって穿設された縦孔からなり、ポンプ穴36の側部(上壁)にまで達している。
ここで、カット弁装着穴31の底部から第四流路54を介して内側入口弁装着穴32Aに通じ、第二流路52から出口ポート22Rに至る流路、およびカット弁装着穴31の底部から第四流路54および第五流路55を介して外側入口弁装着穴32Bに通じ、第三流路53から出口ポート22Lに至る流路が、図10に示す車輪液圧路Bに相当する。
内側入口弁装着穴32Aは、車輪ブレーキFRに対応する制御弁手段Vの入口弁2(図10参照)となる常開型の電磁弁が装着される有底の段付き円筒状の穴であり、図5、図6(b)に示すように、第二流路52を通じて車輪側センサ装着穴39および内側出口弁装着穴33Aに連通している。また、内側入口弁装着穴32Aは、第四流路54を介してカット弁装着穴31と連通しており、さらに、第四流路54、第五流路55を介してポンプ穴36と連通している。
外側入口弁装着穴32Bは、車輪ブレーキRLに対応する制御弁手段Vの入口弁2(図10参照)となる常開型の電磁弁が装着される有底の段付き円筒状の穴であり、図4(a)、図5、図6(a)に示すように、第三流路53を通じて外側出口弁装着穴33Bに連通している。また、外側入口弁装着穴32Bは、図5に示すように、第五流路55を通じてポンプ穴36に連通しており、さらに、第五流路55、第四流路54を介してカット弁装着穴31および内側入口弁装着穴32Aと連通している。
サクション弁装着穴34は、サクション弁4(図10参照)となる常閉型の電磁弁が装着される有底の段付き円筒状の穴であり、図4(b)、図5、図7(a)(b)に示すように、その底部34bに設けられた短い横孔34aを通じてポンプ穴36の前部に直結されて直に連通している。サクション弁装着穴34は、図5に示すように、第一流路51の縦孔51bを通じてカット弁装着穴31に連通しており、さらに、第一流路51の縦孔51b、横孔51aを通じて入口ポート21に連通している。
なお、第一流路51からサクション弁装着穴34を通じてポンプ穴36に至る流路が図10に示す吸入液圧路Cに相当する。
ここで、サクション弁装着穴34がポンプ穴36に直結されているとは、サクション弁装着穴34とポンプ穴36とが直に接してこれらが連通している構造や、図7(a)(b)に示すように、ポンプ穴36の基体100前方にサクション弁装着穴34を配置して、短い横孔34aを通じて接続している構造が含まれる。短い横孔34aとしては、サクション弁装着穴36の底部34bからサクション弁装着穴34の軸方向に沿って直線状に形成されたものが望ましい。また、ポンプ穴36のポンプ軸Y1に対して上下方向に、サクション弁装着穴34をずらして設けてもよい。この場合には、サクション弁装着穴34の軸方向に沿う直線状の横孔34aがポンプ穴36に当たる範囲内で、サクション弁装着穴34が上下方向にずらして配置されることが望ましい。
内側出口弁装着穴33Aは、車輪ブレーキFRに対応する制御弁手段Vの出口弁3(図10参照)となる常閉型の電磁弁が装着される有底の段付き円筒状の穴であり、図5に示すように、その底部(不図示)から始まる第六流路56を介してリザーバ穴35と連通している。第六流路56は、リザーバ穴35の底面から内側出口弁装着穴33Aの底部に達するように流路構成部100Aの上面12へ向けて穿設された縦孔からなる。
外側出口弁装着穴33Bは、車輪ブレーキRLに対応する制御弁手段Vの出口弁3(図10参照)となる常閉型の電磁弁が装着される有底の段付き円筒状の穴であり、図5、図6(b)に示すように、第七流路57を介してリザーバ穴35と連通している。第七流路57は、流路構成部100Aの右側面14から外側出口弁装着穴33Bの底部に向かって穿設された横孔からなり、リザーバ穴35の底部にまで達している。また、外側出口弁装着穴33Bは、第三流路53を通じて外側入口弁装着穴32Bと出口ポート22Lとに連通している。
ここで、第二流路52から内側出口弁装着穴33Aを通じて第六流路56に至る流路、および第三流路53から外側出口弁装着穴33Bを通じて第七流路57に至る流路が、図10に示す開放路Eに相当する。
ポンプ穴36は、ポンプ6(図10参照)が装着される段付き円筒状の穴であり、そのポンプ軸(中心線)Y1が、図4(a)に示すように、モータ装着穴20の中心を通るように形成されていて、かつ、図5、図6(a)(b)に示すように、第八流路58を介してダンパ穴37と連通している。第八流路58は、流路構成部100Aの下面16からダンパ穴37の底部に向かって穿設された縦孔からなり、ポンプ穴36の吐出側に連通している。
ポンプ穴36は、第五流路55を介して外側入口弁装着穴32Bに連通しており、さらに、第五流路55および第四流路54を介してカット弁装着穴31と内側入口弁装着穴32Aに連通している。また、ポンプ穴36は、これに直結されたサクション弁装着穴34を介して第一流路51の入口ポート21に連通している。さらに、ポンプ穴36の吸込側(モータ装着穴20に近い側)には、後記する第九流路59が連通している。
なお、ポンプ穴36に装着されたポンプ6は、モータ200の図示しない出力軸に取り付けられた偏心カムによって駆動されるようになっている。
ここで、前記した第五流路55および第八流路58が図10に示す吐出液圧路Dに相当する。
本実施形態では、第五流路55中に、オリフィス6a(図10参照)が圧入されている。
ダンパ穴37は、ダンパ室7(図10参照)となる円筒状の穴であり、その開口部は、図示せぬ蓋部材によって密封されている。
リザーバ穴35は、リザーバ5(図10参照)が装着される有底円筒状の穴であり、図5に示すように、第九流路59を通じてポンプ穴36の吸入側と連通している。第九流路59は、リザーバ穴35の底面から流路構成部100Aの上面12へ向けて穿設された縦孔からなり、その上端がポンプ穴36の側壁に達している。第九流路59内には、図10に示すチェック弁5a(一方向弁、図5参照)が装着されている。
液圧源側センサ装着穴38は、液圧源側ブレーキ液圧センサ8(図10参照)が装着される有底円筒状の穴であり、図2(b)に示すように、基体100の中央部分(すなわち、流路構成部100A,100Bの境界部分)に流路構成部100A,100Bを跨ぐように形成されている。液圧源側センサ装着穴38は、図5、図6(a)(b)に示すように、横孔38b、38aを通じて第一流路51の横孔51aに連通して入口ポート21と連通している。
車輪側センサ装着穴39は、車輪ブレーキFRに出力されるブレーキ液圧を計測する車輪側ブレーキ液圧センサ9が装着される有底の段付き円筒状の穴であり、図5、図6(b)に示すように、第二流路52を通じて内側入口弁装着穴32Aおよび入口ポート21と連通している。また、車輪側センサ装着穴39は、第二流路52を通じて内側出口弁装着穴33Aと連通している。
モータ装着穴20は、有底の段付き円筒状を呈しており、図3(a)、図5に示すように、基体100の後面15の略中央部分に開口している。モータ装着穴20には、モータ200の図示しない出力軸が挿入されるようになっている。モータ装着穴20の側壁には、図5に示すように、ポンプ穴36が開口しており、このポンプ穴36の開口部近傍には、出力軸の偏心軸部に嵌め込まれてポンプ6に備わるプランジャを押圧するための図示しないボールベアリングが収容されている。バスバー(不図示)が装着される装着孔20Aは、モータ装着穴20の上方に形成されており、基体100を前後方向に貫通している。
図1に示すモータ200は、ポンプ6、6の動力源となるものであり、基体100の後面15に設けられた取付穴15a(図3(a)参照)に取付ねじ(不図示)によって一体的に取り付けられる。
また、コントロールハウジング300は、前記した電磁弁、液圧源側ブレーキ液圧センサ8および車輪側ブレーキ液圧センサ9を覆うように、基体100の前面11に設けられた取付穴11a(図2(b)参照)に取付ねじ(不図示)によって一体的に固着されている。このようなコントロールハウジング300は、内部に設けられた図示しない支持板部に、基体100に設置された電磁弁を駆動させるための図示しない電磁コイルが取り付けられている。
図1に示す制御装置400は、電子回路がプリントされた基板に半導体チップ等が搭載されてなるものであり、液圧源側ブレーキ液圧センサ8および車輪側ブレーキ液圧センサ9や図示しない車輪速度センサといった各種センサから得られた情報やあらかじめ記憶させておいたプログラム等に基づいて、前記した各電磁弁の開閉やモータ200の作動を制御する。
続いて、通常のブレーキ制御、アンチロックブレーキ制御および挙動安定化制御を行った場合のブレーキ液の実際の流れを詳細に説明する。
(通常のブレーキ制御)
通常のブレーキ制御においては、前記したように、サクション弁4となる常閉型の電磁弁が閉弁状態にあり、カット弁1となる常開型の電磁弁が開弁状態にあるので、図8(a)に示すように、入口ポート21から流入したブレーキ液は、第一流路51を通ってカット弁装着穴31に流入し、開弁状態にある電磁弁の内部を通って第四流路54に流入する。そして、第四流路54に流入したブレーキ液は、第四流路54から内側入口弁装着穴32Aの底部に流入するとともに、第四流路54から第五流路55を介して外側入口弁装着穴32Bの底部に流入する。
内側入口弁装着穴32Aに流入したブレーキ液は、入口弁2となる常開型の電磁弁が開弁状態にあるので、その内部を通って第二流路52に流入し、出口ポート22Rを通って車輪ブレーキFRに至る。同様に、外側入口弁装着穴32Bに流入したブレーキ液は、入口弁2となる常開型の電磁弁が開弁状態にあるので、その内部を通って第三流路53に流入し、出口ポート22Lを通って車輪ブレーキFLに至る。
ここで、入口ポート21から第一流路51に流入したブレーキ液は、第一流路51から横孔38a、38bを通じて液圧源側センサ装着穴38に流入する。そして、液圧源側ブレーキ液圧センサ8によってマスタシリンダMからのブレーキ液圧が計測され、その計測値は制御装置400に随時取り込まれる。
また、右前の車輪ブレーキFRに至る第二流路52に流入したブレーキ液は、車輪側センサ装着穴39に流入する。そして、車輪側ブレーキ液圧センサ9によって車輪液圧路B内のブレーキ液圧が計測され、その計測値は制御装置400に随時取り込まれる。
(アンチロックブレーキ制御)
アンチロックブレーキ制御によって、例えば、車輪ブレーキFRに作用するブレーキ液圧を減圧する場合には、前記したように、制御装置400(図1参照)によって車輪ブレーキFRに対応する入口弁2が閉弁状態にされ、出口弁3が開弁状態にされる。そうすると、車輪ブレーキFRに作用していたブレーキ液は、図8(b)に示すように、出口ポート22Rおよび第二流路52を通って内側入口弁装着穴32Aの側部に流入する。ここで、内側入口弁装着穴32Aの入口弁2となる常開型の電磁弁は、閉弁状態にあるので、ブレーキ液は、第四流路54に流入することなく、内側入口弁装着穴32Aの側壁と電磁弁の外周面との間にある空間を通って下方の第二流路52側へ流出し、第二流路52を通じて内側出口弁装着穴33Aに流入する。
そして、内側出口弁装着穴33Aに流入したブレーキ液は、出口弁3となる常閉型の電磁弁が開弁状態にあるので、その内部を通って第六流路56に流入し、リザーバ穴35に流入する。なお、アンチロックブレーキ制御を実行する場合には、制御装置400によってモータ200が駆動されてポンプ6が作動され、その結果、リザーバ穴35に貯留されていたブレーキ液が第九流路59を介してポンプ穴36に吸入され、第五流路55へ吐出される。
また、車輪ブレーキRL(図10参照)に作用するブレーキ液圧を減圧する場合には、図8(b)に示すように、ブレーキ液は、出口ポート22Lおよび第三流路53を通って外側出口弁装着穴33Bの側部に流入し、開弁状態にある電磁弁(出口弁3)の内部を通って第七流路57に流入し、リザーバ穴35に流入する。
本実施形態では、ポンプ穴36の下方において、一対のリザーバ穴35の直上に内側出口弁装着穴33Aが設けられ、さらに、一対のリザーバ穴35の両側に外側出口弁装着穴33Bが設けられているので、内側出口弁装着穴33Aとリザーバ穴35との間を一本の第六流路56で結ぶことができるとともに、外側出口弁装着穴33Bとリザーバ穴35との間を一本の第七流路57で結ぶことができる。したがって、内側出口弁装着穴33Aおよび外側出口弁装着穴33Bからリザーバ穴35へのブレーキ液の流入がスムーズに行われる。
次に、アンチロックブレーキ制御によって車輪ブレーキFRに作用するブレーキ液圧を一定に保持する場合には、前記したように、制御装置400によって入口弁2および出口弁3が閉弁状態にされるので、第二流路52へのブレーキ液の流入も第二流路52からのブレーキ液の流出も起こらない。
また、アンチロックブレーキ制御によって車輪ブレーキFRに作用するブレーキ液圧を増圧する場合には、前記したように、制御装置400によって入口弁2が開弁状態にされ、出口弁3が閉弁状態にされるので、ブレーキ液の流れは、通常のブレーキ制御の場合と同じになる。
本実施形態では、車輪側ブレーキ液圧センサ9を、右前の車輪ブレーキFRに繋がる出口ポート22Lと第二流路52を介して連通する車輪側センサ装着穴39に装着しているので、以上のようなアンチロックブレーキ制御を実行する際に、車輪ブレーキFRに繋がる車輪液圧路B内のブレーキ液圧を実測できる。これによって、制御装置400で、計測されたブレーキ液圧に応じて細かい液圧制御を行うことができ、車輪ブレーキFRに最も適したブレーキ液圧を確実かつ容易に得ることができる。
特に、本実施形態では、ブレーキ負荷が多くかかる前輪の車輪ブレーキFR,FLに作用するブレーキ液圧を車輪側ブレーキ液圧センサ9で測定することで、制動力制御に重点を置いたブレーキ液圧制御が行えるとともに、さらに、前輪は駆動輪でもあるので、トラクション制御にも重点を置いたブレーキ液圧制御が行える。
(挙動安定化制御)
挙動安定化制御において、例えば、車輪ブレーキFRを制動する場合には、前記したように、制御装置400によってカット弁1が閉弁状態にされ、サクション弁4が開弁状態にされたうえで、モータ200が作動してポンプ6が駆動する(図10参照)。ポンプ6が駆動すると、図9に示すように、ポンプ穴36の内部にあるブレーキ液が第五流路55へ吐出される。第五流路55へ吐出されたブレーキ液は、第四流路54を通って内側入口弁装着穴32Aに流入し、さらに、開弁状態にある入口弁2としての電磁弁の内部を通って第二流路52に流入し、出口ポート22Rを通って車輪ブレーキFRに至る。
ここで、ポンプ6が作動すると、サクション弁4が開弁状態にあるので、第一流路51側にあるブレーキ液(マスタシリンダMにあるブレーキ液を含む)が、サクション弁4の内部を通ってポンプ穴36に流入する。
サクション弁装着穴34は、その底部34bが前記したようにポンプ穴36に直結されているので、ポンプ6の作動時に、サクション弁4とポンプ6との間が負圧空間となることが最小限に抑制され、第一流路51側にあるブレーキ液は、サクション弁4の内部を通ってポンプ穴36にスムーズに流入される。
また、このような挙動安定化制御を実行する際にも、車輪側ブレーキ液圧センサ9で右前の車輪ブレーキFRに繋がる車輪液圧路B内のブレーキ液圧を実測できるので、制御装置400では、車輪液圧路B内のブレーキ液圧が所望の値になるように細かい液圧制御を行うことができ、精度の高いブレーキ制御を行うことができる。
前記したような具体的な位置関係を有するブレーキ液圧制御装置Uによれば、レギュレータR(カット弁1)は、ポンプ6の上方に配置されているので、ポンプ6の基体100の上部側のスペースを有効に利用してレギュレータRを配置することができ、入口ポート21等からレギュレータRを通じてポンプ6に至る第一流路51を直線状とすることができる。これによって簡素な流路の取り回しが可能となり流路の形成(加工)が簡単であるとともに基体100の小型化を図ることができる。また、内部流路の設計が簡単になる。
また、サクション弁4は、ポンプ6に直結されているので、サクション弁4とポンプ6との間の流路の距離を最短とすることができ、ポンプ6の作動時に、サクション弁4とポンプ6との間の流路が負圧空間となるのを最小限に抑制することができる。これによって、ポンプ6の吸込性が確保されるようになり、ポンプ6の昇圧時間を短縮することができるようになる。したがって、応答性の高いブレーキ液圧制御装置Uが得られる。
また、ポンプ穴36を境として基体100の上部と下部とに各電磁弁等をバランスよく配置することができるようになり、基体100の略中央部に、モータ200に備わるモータ軸が挿入されるモータ装着穴20を形成することができる。したがって、より大型で高出力のモータ200を基体100に取り付けることができる。
また、入口弁2が、ポンプ6の基体100の上部側において、ポンプ6とレギュレータRとの間に配置されているので、入口弁2とレギュレータRとの間を最小限の流路数(第四流路54、第五流路55)で結ぶことができる。これによって簡素な流路の取り回しが可能となり基体100の小型化を図ることができる。
また、出口弁3は、ポンプ6の基体100の下部側に配置されているので、出口弁3とリザーバ5との間を最小限の流路数(第六流路56、第七流路57)で結ぶことができる。これによって簡素な流路の取り回しが可能となり、基体100の小型化を図ることができる。
また、ダンパ穴37は、ポンプ6の基体100の下部側に配置されているので、基体100の下部の空いたスペースを有効に利用してダンパ室7を設置することができ、基体100の大型化を招くことなくダンパ室7を好適に配置することができる。
また、一対のリザーバ5、5を装着する一対のリザーバ穴35、35は、下面16に凹設されているので、基体100の下面16から上面12に向かう方向のスペースを有効に利用して比較的容量の大きいリザーバ5、5を好適に配置することができる。これによって、基体100の奥行き方向(例えば、前面11から後面15に向かう方向に)にリザーバ穴35、35を形成したものと比べて、基体100の奥行き寸法を小さくすることができる。
また、一対のリザーバ穴35、35の両側の空いたスペースを有効に利用して出口弁3(外側出口弁装着穴33Bに装着される出口弁3)を一つずつ配置することができ、基体100のレイアウト性を高めることができる。これによって、基体100の大型化を防止することができる。
また、出口ポート22L等が駆動輪側となる2つの車輪ブレーキFR、FLおよび従動輪側となる2つの車輪ブレーキRL、RRに対応して、4つ並設されており、これらのうちの内側2つの出口ポート22R、24Lが、駆動輪側となる2つの車輪ブレーキFR、FLにそれぞれ対応しており、入口弁2と出口弁3との間にこれらの車輪ブレーキFR、FLのブレーキ液圧を検出する車輪側ブレーキ液圧センサ9が配置されている構成であるので、基体100の中央寄りの空いたスペースを利用して車輪側ブレーキ液圧センサ9を好適に配置することができ、車輪側ブレーキ液圧センサ9を有する構成でありながら基体100の大型化を防止することができる。
また、駆動輪側の車輪ブレーキFR、FLが、前輪側の車輪ブレーキであるので、前輪駆動車のトラクション制御に必要な車輪側ブレーキ液圧センサ9を、基体100の大型化を招くことなく配置することができる。
また、車輪側ブレーキ液圧センサ9を、ブレーキ負荷が多くかかる前輪のブレーキ液圧検知に用いることができるので、ブレーキ液圧制御の精度を一層向上させることが可能となる。また、後輪のブレーキ液圧検知のためのブレーキ液圧センサは設けなくてよいので、ブレーキ液圧制御装置Uの小型化が達成され、軽量化も達成することができる。
なお、本実施形態においては、サクション弁装着穴34がポンプ軸Y1と同じ高さ位置に配置されているが、ポンプ穴36に直結される構成であれば、上下方向あるいは左右方向(ポンプ軸Y1方向)にずらして配置してもよい。
また、本実施形態においては、内側入口弁装着穴32Aおよび内側出口弁装着穴33Aは、その中心同士を結ぶ線分が第二流路52と平行になるように配置されているが、これに限定されることはなく、左右方向にずらして配置してもよい。
さらに、本実施形態では、車輪側ブレーキ液圧センサ9,9で、駆動輪である前輪の車輪ブレーキFR,FLに作用するブレーキ液圧を測定するようにしているが、駆動輪の前後位置に関係なく後輪の車輪ブレーキRL,RRに作用するブレーキ液圧を測定する構成としても、ブレーキ液圧制御の精度を向上させることは可能である。
また、本実施形態では、前輪駆動の車両を例に挙げて説明したが、本発明は、後輪駆動の車両や4輪駆動の車両であっても適用できるのは勿論である。後輪駆動の車両の場合は、車輪側ブレーキ液圧センサ9,9で、駆動輪である後輪の車輪ブレーキRL、RRに作用するブレーキ液圧を測定すれば、トラクション制御に重点を置いたブレーキ液圧制御が行え、一方、車輪側ブレーキ液圧センサ9,9で、前輪の車輪ブレーキFR,FLに作用するブレーキ液圧を測定すれば、制動力制御に重点を置いたブレーキ液圧制御が行える。また、4輪駆動の車両の場合は、前輪の車輪ブレーキFR,FLに作用するブレーキ液圧を測定すれば、トラクション制御と制動力制御の両方に重点を置いたブレーキ液圧制御が行える。
U 車両用ブレーキ液圧制御装置(ブレーキ液圧制御装置)
1 カット弁
2 入口弁
3 出口弁
4 サクション弁
5 リザーバ
6 ポンプ
7 ダンパ室(ダンパ)
8 液圧源側ブレーキ液圧センサ
9 車輪側ブレーキ液圧センサ
12 上面
16 下面
21、23 入口ポート
22L、22R 出口ポート
24L、24R 出口ポート
31 カット弁装着穴
32A 内側入口弁装着穴
32B 外側入口弁装着穴
33A 内側出口弁装着穴
33B 外側出口弁装着穴
34 サクション弁装着穴
35 リザーバ穴
36 ポンプ穴
37 ダンパ穴
100 基体
FR、FL 車輪ブレーキ
K1、K2 ブレーキ出力系統
R レギュレータ(レギュレータ弁)
FR,RL,FL,RR 車輪ブレーキ
Y1 ポンプ軸

Claims (10)

  1. 複数の入口弁と、複数の出口弁と、一対のリザーバと、一対のサクション弁と、一対のレギュレータ弁と、一対のポンプと、が共通の基体に配置されてなり、前記基体の上部に、液圧源からの入口ポートおよび車輪ブレーキに至る出口ポートが配置されるとともに、前記基体の下部に前記一対のリザーバが配置されてなる車両用ブレーキ液圧制御装置であって、
    前記ポンプは、前記入口ポートと前記リザーバとの間に配置されており、
    前記レギュレータ弁は、前記ポンプの前記基体の上部側に配置されたレギュレータ弁装着穴に装着されているとともに、
    前記サクション弁が装着されるサクション弁装着穴は、前記ポンプが装着されるポンプ穴に直結されており、
    前記入口ポートから前記レギュレータ弁装着穴を通じて前記ポンプ穴に至る流路を有し、
    前記流路は、前記レギュレータ弁装着穴を通る直線状の縦孔を備えていることを特徴とする車両用ブレーキ液圧制御装置。
  2. 前記流路における前記レギュレータ弁装着穴と前記ポンプ穴との間に前記サクション弁装着穴が配置されており、前記縦孔は、前記レギュレータ弁装着穴と前記サクション弁装着穴とを直結していることを特徴とする請求項1に記載の車両用ブレーキ液圧制御装置。
  3. 前記入口弁は、前記ポンプと前記レギュレータ弁との間に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用ブレーキ液圧制御装置。
  4. 前記出口弁は、前記ポンプの前記基体の下部側に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両用ブレーキ液圧制御装置。
  5. ダンパを構成するダンパ穴を備え、
    前記ダンパ穴は、前記ポンプの前記基体の下部側に配置されていることを特徴とする請求項に記載の車両用ブレーキ液圧制御装置。
  6. 前記一対のリザーバが装着される一対のリザーバ穴は、前記基体の下面に凹設されており、
    前記出口弁は、前記一対のリザーバ穴の両側に一つずつ配置されていることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の車両用ブレーキ液圧制御装置。
  7. 前記出口ポートは、駆動輪側となる2つの車輪ブレーキ、および従動輪側となる2つの車輪ブレーキに対応して、前記一対のポンプの軸方向に4つ並設されており、
    これらのうちの内側2つの前記出口ポートが、前記駆動輪側となる2つの車輪ブレーキにそれぞれ対応しており、
    前記入口弁と前記出口弁との間に前記駆動輪側の車輪ブレーキのブレーキ液圧を検出する液圧センサが配置されていることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の車両用ブレーキ液圧制御装置。
  8. 前記駆動輪側の車輪ブレーキは、前輪側の車輪ブレーキであることを特徴とする請求項に記載の車両用ブレーキ液圧制御装置。
  9. 複数の入口弁と、複数の出口弁と、一対のリザーバと、一対のサクション弁と、一対のレギュレータ弁と、一対のポンプと、が共通の基体に配置されてなり、前記基体の上部に、液圧源からの入口ポートおよび車輪ブレーキに至る出口ポートが配置されるとともに、前記基体の下部に前記一対のリザーバが配置されてなる車両用ブレーキ液圧制御装置であって、
    前記ポンプは、前記入口ポートと前記リザーバとの間に配置されており、
    前記レギュレータ弁は、前記ポンプの前記基体の上部側に配置されているとともに、
    前記サクション弁が装着されるサクション弁装着穴は、前記ポンプが装着されるポンプ穴に直結されており、
    前記出口ポートは、駆動輪側となる2つの車輪ブレーキ、および従動輪側となる2つの車輪ブレーキに対応して、前記一対のポンプの軸方向に4つ並設されており、
    これらのうちの内側2つの前記出口ポートが、前記駆動輪側となる2つの車輪ブレーキにそれぞれ対応しており、
    前記入口弁と前記出口弁との間に前記駆動輪側の車輪ブレーキのブレーキ液圧を検出する液圧センサが配置されていることを特徴とする車両用ブレーキ液圧制御装置。
  10. 前記駆動輪側の車輪ブレーキは、前輪側の車輪ブレーキであることを特徴とする請求項9に記載の車両用ブレーキ液圧制御装置。
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