以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。なお本明細書では、手前側(ユーザ側)を前方向、ユーザから見て遠い側を後方向、ユーザから見て左側を左方向、ユーザから見て右側を右方向、ユーザから見て上方を上方向、ユーザから見て下方を下方向と定義する。さらに、複数の表現が可能な各要素について一つ以上の他の表現の例を付すことがあるが、これは他の表現が付されていない要素について異なる表現がされることを否定するものではないし、例示されていない他の表現がされることを制限するものでもない。
(第1実施形態)
図1乃至図18は、第1実施形態に係るテレビジョン受像機1を開示している。テレビジョン受像機1は、「電子機器」の一例である。なお本実施形態及び下記の実施形態に係る構造は、テレビジョン受像機に限らず、例えばノートブック型ポータブルコンピュータ(ノートPC)やスレート型ポータブルコンピュータ(スレートPC、タブレット)、携帯電話(スマートフォンを含む)、ゲーム機などを含む種々の電子機器に広く適用可能である。
図1に示すように、テレビジョン受像機1は、表示ユニット2(メインユニット)と、該表示ユニット2を支持するスタンド3(支持部)とを有する。表示ユニット2は、筐体4を有する。筐体4には、表示装置5及び回路基板6(図3参照)が収容されている。
表示装置5は、表示画面7を含む第1面5a(表示面)と、該第1面5aとは反対側に位置した第2面5b(背面)とを有する。第1面5aには、タッチセンサ(タッチパネル)が設けられている。タッチセンサは、入力部(入力受付部、操作部)の一例である。
図1乃至図3に示すように、筐体4は、第1壁11(後壁)と、第2壁12(周壁、側壁)と、第3壁13(前壁)とを有した扁平な箱状に形成されている。第1壁11は、表示装置5及び回路基板6と略平行に延びている(略平行に広がる)。第1壁11は、表示装置5の第2面5b及び回路基板6に面する。
第3壁13は、第1壁11とは反対側に位置する。第3壁13は、第1壁11と略平行に延びている(略平行に広がっている)。第3壁13は、表示装置5の第1面5aに面する。表示装置5は、第1壁11と第3壁13との間に位置する。
第3壁13は、表示画面7が露出する開口部13aが設けられている。第3壁13には、例えば透光性のパネル14が設けられている(図5参照)。パネル14は、例えばガラス部材またはプラスチック部材である。パネル14は、第3壁13に支持され、開口部13aを覆う。表示画面7は、パネル14を通して外部に露出されている。
第2壁12は、第1壁11及び第3壁13とは交差した方向に延びている。第2壁12は、筐体4の厚さ方向に延び、第1壁11の端部(周端部、周縁部)と第3壁13の端部(周端部、周縁部)とに亘る。第2壁12は、例えば第1壁11及び第3壁13の全周に設けられている。なお、筐体4の厚さ方向とは、第1壁11から第3壁13(または第3壁13から第1壁11)に向かう方向である。
図3乃至図5に示すように、第3壁13は、第1壁11よりも大きい。このため、第2壁12は、円弧状に形成されて第1壁11の端部と第3壁13の端部との間を繋いでいる。第2壁12は、筐体4の外側に膨らむ曲面(表面、外面)を有する。第2壁12は、第1壁11から第3壁13に向いて進むに従い筐体4の外側に広がる。
図3に示すように、筐体4は、ベース15(下カバー、第1カバー、第1筐体部材、第1部材)と、マスク16(上カバー、第2カバー、第2筐体部材、第2部材)とを有する。ベース15は、第1壁11と第2壁12とを含む。マスク16は、第3壁13を含む。マスク16がベース15に取り付けられることで、筐体4が構成されている。
ベース15は、椀状に形成され、第1壁11と交差した方向(筐体4の厚さ方向、第1壁11とは反対側)に開放されている(開口されている)。第2壁12の内周面(後述の内面12a)は、ベース15の内部を外部に露出させる開口部15aを規定している。
図3に示すように、表示ユニット2の組立てでは、ベース15の第1壁11が外部載置面(例えば組立台)に置かれ、ベース15の内部に部品を取り付けられ、マスク16がベース15に取り付けられる。このため、第1壁11は、「下壁」又は「底壁」と呼称してもよい。第3壁13は、「上壁」と呼称してもよい。なお以下では、説明の便宜上、第1壁11を底壁11、第2壁12を側壁12、及び第3壁13を上壁13、と読み替えて説明する。
本実施形態に係るテレビジョン受像機1は、例えば防水性を有する。このため、テレビジョン受像機1は、防水性を実現するために以下に示す種々の構造を有する。なおこれらの構造は、防水を目的としたものに限らず、他の目的で設けられてもよい。
(筐体のシーリング構造)
まず、筐体4のシーリング構造について説明する。図3に示すように、ベース15とマスク16との間には、シーリング部材17(弾性部、弾性部材、介在部材、閉塞部材、パッキング、部材、部品)が設けられている。シーリング部材17の一例は、ガスケット(ケースガスケット)である。シーリング部材17は、例えばゴム製である。シーリング部材17は、ベース15とマスク16との間に挟まれ(圧縮され、変形され)、ベース15とマスク16との間を液密に塞ぐ。
詳しく述べると、図3乃至図5に示すように、筐体4の側壁12は、内面12a(内周面、第1面)と、外面12b(表面、外周面、第2面)と、取付面12c(接続面、支持面、第3面)とを有する。内面12aは、筐体4の内部に露出する。外面12bは、内面12aとは反対側に位置し、筐体4の外部に露出する。
取付面12cは、内面12a及び外面12bとは交差した方向に延び、内面12aと外面12bとに亘る。取付面12cは、第1壁11と略平行である。取付面12cは、マスク16の端部(周端部、周縁部)に面する。すなわち、取付面12cは、第1壁11と交差した方向(例えば略直交した方向)で、マスク16の端部に面する。取付面12cは、マスク16の端部に接し、マスク16の端部を支持する。
取付面12cは、例えばベース15の全周に設けられている。取付面12cには、シーリング部材17が取り付けられる溝18(取付部、支持部、保持部、収容部、係合部、凹部)が設けられている。溝18は、マスク16の端部に面し、マスク16に覆われる。溝18は、例えばベース15の全周に設けられ、ベース15の周端部(周縁部)に沿う環状(枠状)に形成されている。溝18は、開口部15aの外側に位置し、開口部15aを囲む。
図5に示すように、溝18は、底面18a(支持面、取付面、奥部、第1面)、第1側面18b(第1起立面、第1周面、第2面)、及び第2側面18c(第2起立面、第2周面、第3面)を有する。底面18aは、取付面12cと略平行である。底面18aは、第1端部と、該第1端部とは反対側に位置した第2端部とを有する。第1側面18bは、底面18aの第1端部から起立し、底面18aの第1端部と取付面12cとの間を繋ぐ。第2側面18cは、底面18aの第2端部から起立し、底面18aの第2端部と取付面12cとの間を繋ぐ。
図3及び図4に示すように、シーリング部材17は、溝18に対応した形状を有する。すなわち、シーリング部材17は、ベース15の周端部(周縁部)に沿う環状(枠状)に形成されている。シーリング部材17は、溝18に取り付けられる。シーリング部材17は、開口部15aの外側に位置し、開口部15aを囲む。
図3乃至図5に示すように、シーリング部材17は、パッキング部21(介在部、閉塞部、遮断部、圧縮部、第1部分)と、複数の突出部22(突起、鍔部、張出部、支持部、第2部分)とを有する。パッキング部21は、線状に延びている。パッキング部21は、シーリング部材17の本体部を構成し、ベース15の周端部に沿う環状(枠状)に形成されている。
パッキング部21は、開口部15aの外側に位置し、開口部15aを囲む。パッキング部21は、ベース15とマスク16との間に挟まれて、ベース15とマスク16との間で圧縮(圧縮変形)される。パッキング部21は、ベース15とマスク16との間を液密に塞ぐ。
図5に示すように、パッキング部21は、円形よりも五角形に近い断面を有する。パッキング部21は、該パッキング部21の厚さ方向に、第1端部21aと、第2端部21bとを有する。第1端部21aは、溝18の底面18aに面し、溝18の底面18aに接する。第2端部21bは、第1端部21aとは反対側に位置する。第2端部21bは、マスク16に面し、マスク16に接する。
図5に示すように、第1端部21aは、2つの突起部と、その間に設けられた凹部とを有する。2つの突起部は、溝18の底面18aに接し、溝18の底面18aに支持される。2つの突起部の間に凹部が設けられているため、2つの突起部は、弾性変形しやすい。このため、第1端部21aは、溝18の底面18aに密接(密着)しやすい。これは、テレビジョン受像機1の液密性(防水性)を高める。
第2端部21bは、圧縮変形されていない状態では、楔形(山形)に形成されている。すなわち、第2端部21bは、マスク16に近付く従い細くなる。図6に示すように、第2端部21bは、マスク16に接し、マスク16に支持される。第2端部21bは、マスク16によって押圧され、マスク16の内面に沿って変形(弾性変形)される。これにより、第2端部21bとマスク16との間が確実に液密に塞がれる。ここで、第2端部21bは、楔形に形成されているため弾性変形しやすい。このため、第2端部21bはマスク16に密接(密着)しやすい。これは、テレビジョン受像機1の液密性(防水性)を高める。
図3及び図4に示すように、突出部22は、パッキング部21に部分的に設けられている。複数の突出部22は、パッキング部21が延びた方向(パッキング部21の周方向)に互いに離れている。
図5に示すように、パッキング部21は、第1端部21aと第2端部21bとに亘る側面21c(内周面、内面)を有する。側面21cは、溝18の第1側面18bに面する。突出部22は、側面21cに設けられ、該側面21cからパッキング部21の内側に突出している。突出部22は、溝18の底面18aと略平行な方向に板状に延びている。
ここで、マスク16がベース15に取り付けられる方向(筐体4の厚さ方向)を、第1方向D1と定義する。さらに、第1方向D1とは交差した方向(例えば略直交した方向)を、第2方向D2と定義する。突出部22は、第2方向D2に突出している。
図5に示すように、突出部22は、側面21cの略中央部から突出している。突出部22と第2端部21bとの間には、第1段差部23aが設けられている。このため、突出部22は、第2端部21bよりも、溝18の底面18aの近くに位置する。突出部22は、第2端部21bよりも、第1端部21aの近くに位置する。換言すれば、突出部22は、第2端部21bよりも、取付面12c(マスク16)離れている。
突出部22と第1端部21aとの間には、第2段差部23bが設けられている。このため、突出部22は、第1端部21aよりも、マスク16の近くに位置する。突出部22は、第1端部21aよりも、第2端部21bに近い。換言すれば、突出部22は、第1端部21aよりも、溝18の底面18aから離れている。突出部22と溝18の底面18aとの間には、隙間C1が設けられている。
シーリング部材17が溝18に取り付けられる時にシーリング部材17(パッキング部21)に捩れや倒れが生じると、突出部22が溝18の底面18aに接する。これにより、シーリング部材17(パッキング部21)の大きな捩れや倒れが抑制される。
図4に示すように、溝18は、第1部分25aと、第2部分25bとを有する。第1部分25aは、パッキング部21の外形に合わせて設けられ、パッキング部21が収容される。第2部分25bは、突出部22に対応している。第2部分25bは、突出部22の外形に合わせて設けられ、突出部22が収容される。第2部分25bに位置した溝18の底面18aは、「突出部に面した第1部分」の一例である。
側壁12は、第1領域26a(第1部分)と、第2領域26b(第2部分)とを有する。第1領域26aは、突出部22が設けられていない部分に対応している。第1領域26aは、パッキング部21と略平行に延びている。第2領域26bは、突出部22に対応している。第2領域26bは、第1領域26aに比べて、筐体4の内側に突出した***部27(張出部、突出部)を有する。これにより、第2領域26bの取付面12cは、第1領域26aの取付面12cに比べて広くなっている。溝18の第2部分25bは、上記幅が広くなった第2領域26bの取付面12cに設けられている。
図3に示すように、パッキング部21は、4つのコーナー部28(角部、円弧部、曲線部)と、この4つのコーナー部28の間に延びた4つの直線部29とを有する。また、パッキング部21は、一つの直線部29の途中に、筐体4の内側に折れ曲がった屈折部30を有する。
コーナー部28及び屈折部30は、其々、パッキング部21の形状が直線状から変化した経路変化部(非直線部)の一例である。複数の突出部22は、上記経路変化部の両側に分かれて位置している。換言すれば、上記経路変化部は、複数の突出部22の間に位置する。また、いくつかの突出部22は、直線部29に設けられている。なお、突出部22は、コーナー部28の途中や屈折部30の途中に設けられてもよい。
図4に示すように、側壁12の内面12aには、マスク16が係合する係合部31(受け部、爪部、支持部、取付部)が設けられている。突出部22は、例えば係合部31の近傍に設けられている。係合部31は、側壁12の第1領域26a(すなわち***部27がが存在しない領域)に設けられている。
係合部31は、側壁12の内面12aと略平行な方向(内面12aに沿う方向)で、***部27と直線上に並んでいる。換言すれば、係合部31の一部は、***部27の一部よりも、側壁12の外面12bの近くに位置する。係合部31と***部27とが側壁12の互いに別の領域に設けられていることで、側壁12を薄くすることができる。これは、テレビジョン受像機1の小型化に寄与する。
図5、図6、図9、図10に示すように、マスク16の内面は、平面部32(押圧部、接触部、接続部、第1部分)と、複数の支持部33(突起、突出部、支持部、第2部分)とを有する。平面部32は、マスク16の全周に設けられている。平面部32は、パッキング部21に面し、パッキング部21に接触する。平面部32は、溝18の底面18aに向けてパッキング部21を押圧し、パッキング部21を支持する。これにより、パッキング部21は、平面部32と溝18の底面18aとの間で圧縮される。
支持部33は、シーリング部材17の突出部22に対応した位置に部分的に設けられている。複数の支持部33は、マスク16の周端部の周方向に分かれて設けられている。支持部33は、例えばマスク16の内面に設けられた突起(リブ)である。支持部33は、マスク16から突出部22に向いて突出し、突出部22に面する。支持部33は、溝18の底面18aとは反対側から突出部22に面する。支持部33は、「突出部に向かい合う第2部分」の一例である。支持部33の先端部は、溝18の内部に入り込み、溝18の内部で突出部22に面する。
図5に示すように、支持部33と平面部32との間には、第3段差部33aが設けられている。第3段差部33aの段差幅t1(厚さ)は、シーリング部材17の第1段差部23aの段差幅t2(厚さ)よりも小さい。
図6に示すように、支持部33は、突出部22から僅かに離れるか、または突出部22に軽く接する。支持部33は、突出部22に向かい合うことで、シーリング部材17(パッキング部21)の捩れや倒れを規制する。すなわち、シーリング部材17に捩れや倒れが生じ、溝18の底面18aから離れる方向に突出部22が移動する場合、支持部33は、突出部22を押さえ、シーリング部材17(パッキング部21)の捩れや倒れを抑制する。支持部33は、マスク16がベース15に取り付けられる時にマスク16とベース15との間で生じるシーリング部材17(パッキング部21)の捩れや倒れを抑制する。
このような構成によれば、電子機器の組立性の向上を図ることができる。
ベースとマスクとの間に介在されるシーリング部材は、マスクをベースに取り付ける時に、マスクとベースとの間で潰される(圧縮変形される)。これにより、マスクとベースとの間の液密が確保される。
ここで、マスクがベースに真っ直ぐ上から取り付けられる場合は、シーリング部材に捩れや倒れは生じにくい。しかしながら、組立作業の誤差や作業者の習熟度によって、ベースに対して斜めに傾いた方向からマスクが取り付けられることが想定される。この場合、マスクとベースとの間でシーリング部材に捩れや倒れが生じやすい。シーリング部材に捩れや倒れが生じると、マスクとベースとの間でシーリング部材が適切に潰されず、シーリング部材の機能が十分に発揮できなくなる可能性がある。
そこで本実施形態では、テレビジョン受像機1のシーリング部材17は、パッキング部21と、該パッキング部21に部分的に設けられた突出部22とを有する。ベース15は、突出部22に面した第1部分(例えば溝18の底面18a)を有する。マスク16は、前記第1部分とは反対側から突出部22に面した第2部分(例えば支持部33)を有する。このような構成によれば、ベース15やマスク16によって突出部22が支持され、パッキング部21が回転しにくい。これにより、シーリング部材17の捩れや倒れを抑制し、テレビジョン受像機1の組立性の向上を図ることができる。
さらに言えば、上記のような支持部33を設けることで、パッキング部21の幅W(横幅)(図4参照)を小さくしても(薄くしても)、シーリング部材17に捩れや倒れが生じにくくなる。このため、幅Wが小さなシーリング部材17を採用することができる。これは、テレビジョン受像機1の小型化に寄与する。
本実施形態では、マスク16は、ベース15とは反対側から突出部22に面した支持部33を有する。このような構成によれば、支持部33によって突出部22が支持され、パッキング部21の回転が規制される。これにより、シーリング部材17の捩れや倒れを抑制することができる。
本実施形態では、突出部22は、環状のパッキング部21の内側に設けられている。このため、側壁12の内面12aに沿って、***部27と係合部31とを略直線上に配置することができる。これにより、テレビジョン受像機1の小型化を図ることができる。
本実施形態では、突出部22と溝18の底面18aとの間には、隙間C1が設けられている。このような構成によれば、突出部22がマスク16とベース15との間に挟まれ、この突出部22が邪魔になって、パッキング部21がマスク16とベース15との間で十分に圧縮されないという事態を避けることができる。すなわち、突出部22と溝18の底面18aとの間に隙間C1(遊び、余裕部)を設けることで、パッキング部21がマスク16とベース15との間で適正に圧縮されることを促すことができる。
本実施形態では、突出部22は、パッキング部21の第2端部21bよりも、溝18の底面18aの近くに位置する。すなわち、パッキング部21の第2端部21bと突出部22との間には段差部23aが設けられている。このような構成によれば、突出部22がマスク16の平面部32とベース15との間に挟まれ、この突出部22が邪魔になって、パッキング部21がマスク16とベース15との間で十分に圧縮されないという事態をさらに確実に避けることができる。
本実施形態では、支持部33の先端部は、溝18の内部に入り込み、溝18の内部で突出部22に面する。このような構成によれば、シーリング部材17に捩れや倒れが生じる場合に支持部33が突出部22をさらに確実に押さえることができる。
本実施形態では、パッキング部21の第2端部21bは、マスク16に近付くに従い細くなる楔形である。このような形状によれば、第2端部21bが弾性変形しやすく、第2端部21bとマスク16との接触が密になりやすい。
一方で、第2端部21bが楔形であると、ベース15に対してマスク16が斜めに傾いた方向から取り付けられた場合、シーリング部材17に捩れや倒れが生じやすい。しかしながら、本実施形態の構成によれば、支持部33によって突出部22を支持することでシーリング部材17の捩れや倒れを抑制することができる。換言すれば、突出部22と支持部33とが設けられているため、捩れや倒れを抑制しつつ第2端部21bの形状を楔形にして、マスク16とパッキング部21との接触を密にすることができる。
本実施形態では、複数の突出部22は、パッキング部21の経路変化部の両側に分かれて位置する。このような構成によれば、捩れや倒れが特に生じやすい経路変化部をさらに確実に支持することができる。また、突出部22が経路変化部の途中ではなくその両側に設けられることで、経路変化部(例えばコーナー部28)の近くにボスのような筐体構造を設けることができる。これは、テレビジョン受像機1の小型化に寄与する。
本実施形態では、突出部22及び支持部33は、ベース15の周端部に対して部分的に設けられている。これにより、突出部22及び支持部33が設けられていない領域(例えば領域26a)を利用して、ベース15とマスク16との係合部31(連結部)を設けることができる。このため、本実施形態に係る構成によれば、突出部22及び支持部33がベース15の周端部の全周に設けられる場合に比べて、テレビジョン受像機1の小型化を図ることができる。
なお、テレビジョン受像機1は、上記構成に限定されるものではない。例えば、シーリング部材17は、ベース15に代えて、マスク16に取り付けられてもよい。すなわち、マスク16に溝18が設けられてシーリング部材17が取り付けられ、ベース15に支持部33が設けられてもよい。この場合、マスク16は、「第1部材」の一例である。ベース15は、「第2部材」の一例である。また、シーリング部材17が取り付けられる取付部は、溝でなくてもよい。シーリング部材17は、環状のものに限定されない。
突出部22は、溝18の底面18aと略平行な方向に延びたものに限定されない。突出部22は、例えば底面18aと交差した方向に延びてもよい。突出部22は、パッキング部21の外周面から外側に突出してもよい。パッキング部21や突出部22、支持部33の形状や構造は、上記に限定されるものではない。
(スピーカ取付構造)
次に、スピーカ取付構造について説明する。図11に示すように、筐体4内には、一対のスピーカ41が収容されている。なお、一対のスピーカ41の取付構造は略同じであるので、一方のスピーカ41の取付構造を代表して詳しく説明する。
図2、図12、図13に示すように、筐体4の側壁12には、開口部42が設けられている。開口部42は、スピーカ41からの音が出る放音部(放音口)である。開口部42は、底壁11と略平行に設けられ、側壁12を側方に貫通している。図11乃至図13に示すように、スピーカ41は、筐体4の内部で開口部42に対向している。
筐体4の側壁12の内面12aには、スピーカ41が取り付けられる取付部43(***部)が設けられている。取付部43は、側壁12の内面12aから筐体4の内側に突出している。これにより、取付部43は、筐体4の厚さ方向に延びた取付面43aを有する。すなわち取付面43aは、円弧状の側壁12とは交差した方向に延びている。取付部43は、側壁12と一体に開口部42(放音口)が設けられている。
図12及び図13に示すように、スピーカ41と開口部42(側壁12)との間には、防水シート44、2枚のクッション45,46、及び3枚の両面テープ47,48,49が設けられている。防水シート44(液密シート、防水部、遮断部、遮蔽部、シート、部材)は、取付面43aとスピーカ41との間に位置する。防水シート44には、穴部は設けられていない。防水シート44は、スピーカ41からの振動を外部に伝えるために、例えば比較的硬い素材で構成されている。
防水シート44と取付面43aとの間には、第1クッション45(第1弾性部、第1介在部材)が設けられている。防水シート44とスピーカ41との間には、第2クッション46(第2弾性部、第2介在部材)が設けられている。クッション45,46は、押圧されて変形可能な部材であり、例えばスポンジ部材またはゴム部材である。防水シート44の両側にクッションが其々設けられることで、防水シート44が前後に振動可能になる。第1及び第2クッション45,46は、其々、開口部42(放音口)に対応した開口部が設けられている。
第1クッション45と取付面43aとの間には、防水性の第1両面テープ47が設けられている。第1クッション45と防水シート44との間には、防水性の第2両面テープ48が設けられている。防水シート44と第2クッション46との間には、第3両面テープ49が設けられている。第1乃至第3両面テープ47,48,49は、其々、開口部42(放音口)に対応した開口部が設けられている。
防水シート44、クッション45,46、及び両面テープ47,48,49は、互いに貼り合わされ、スピーカ41が取り付けられる前に、取付面43aに取り付けられて筐体4に支持されている。互いに貼り合わされて一体となった防水シート44、クッション45,46、及び両面テープ47,48,49は、シーリング部50の一例を構成する。シーリング部50は、「弾性部」の一例である。
図14乃至図16に示すように、筐体4は、第1支持部51(第1突起、第1取付部、第1仮留部、第1仮固定部)と、第2支持部52(第2突起、第2取付部、第2仮留部、第2仮固定部)とを有する。第1支持部51及び第2支持部52は、其々、筐体4の内面から突出した突起であり、例えば円柱状のピンである。第1支持部51及び第2支持部52は、例えば取付部43(開口部42)の両側に分かれて位置する。
第1支持部51及び第2支持部52は、底壁11とは交差した方向(例えば略直交した方向)に突出している。第1支持部51及び第2支持部52は、例えば取付面43aと略平行に突出している。本実施形態では、第1支持部51及び第2支持部52は、底壁11とは略直交した方向(すなわち筐体4の厚さ方向)に突出している。なお、第1支持部51及び第2支持部52は、底壁11とは斜めに交差した方向に突出してもよい。第1支持部51は、底壁11とは交差した方向(例えば略直交した方向)から部品(モジュール、ユニット)が係合可能である。
図14乃至図16に示すように、筐体4は、第1固定部53及び第2固定部54を有する。第1固定部53及び第2固定部54は、其々、筐体4の内面から突出した突起部であり、例えばボスである。第1固定部53及び第2固定部54は、其々、穴55が設けられている。穴55は、例えばねじ穴またはねじ挿通穴である。穴55は、有底穴でもよく、貫通穴でもよい。穴55は、底壁11とは交差した方向(例えば略直交した方向)に開口している。
第1固定部53は、第1支持部51の近傍に位置する。第1支持部51は、第1固定部53と取付部43との間に位置する。第2固定部54は、第2支持部52の近傍に位置する。第2支持部52は、第2固定部54と取付部43との間に位置する。なお、第1支持部51は、第1固定部53よりも外側に位置してもよい。第2支持部52は、第2固定部54よりも外側に位置してもよい。
図17に示すように、スピーカ41には、ホルダ56(スピーカホルダ、保持部、ケース、取付部材)が取り付けられている。ホルダ56及びスピーカ41は、スピーカモジュール57(スピーカユニット)として一体である。筐体4(ベース15)は、「第1部材」の一例である。スピーカモジュール57は、「第2部材」、「モジュール」、「ユニット」、「部品」、「部材」の其々一例である。
図14乃至図17に示すように、ホルダ56は、第1部分56a、第2部分56b、及び第3部分56cを有する。第1部分56aは、スピーカ41を保持した保持部(支持部)である。第1部分56aは、スピーカ41の外形を囲む。第1部分56aは、シーリング部50(弾性部)に向かい合う。
第1部分56aは、第1端部と、該第1端部とは反対側に位置した第2端部とを有する。第2部分56bは、第1部分56aの第1端部に設けられ、スピーカ41から離れる方向に延びている。第3部分56cは、第1部分56aの第2端部に設けられ、スピーカ41から離れる方向に延びている。すなわち、第2部分56b及び第3部分56cは、第1部分56aの両側に分かれて位置する。
図14乃至図17に示すように、第2部分56bは、例えば底壁11と略平行な板状に形成されている。第2部分56bは、底壁11とは交差した方向(例えば略直交した方向)で、第1支持部51及び第1固定部53に向かい合う。第2部分56bは、第1係合部61(第1取付部、第1係り部)が設けられている。
第1係合部61は、第1支持部51に係合する。第1係合部61は、例えば第1支持部51が通される穴(丸穴、貫通穴、挿通孔)である。なお、第1係合部61は、穴に限らず、ホルダ56に設けられた凹部(窪み)でもよい。第1係合部61は、底壁11とは交差した方向から第1支持部51に係合される(取り付けられる、通される)。第1係合部61は、例えば取付面43aと略平行な方向から第1支持部51に係合される。第1支持部51は、該第1支持部51に第1係合部61が係合されることで、スピーカモジュール57を支持する。
図15及び図16に示すように、スピーカモジュール57は、第1支持部51に支持された状態で、第1支持部51を軸(中心、回動中心、支点)として、第1位置P1と第2位置P2とに亘り回動可能である。
図15に示すように、第1位置P1(仮固定位置、仮置き位置)は、側壁12から離れた位置である。第1位置P1では、スピーカモジュール57は、側壁12とは交差した方向に向き、側壁12に対して傾いている。第1位置P1では、スピーカモジュール57は、シーリング部50から離れている。スピーカモジュール57とシーリング部50との間には、隙間C2が設けられている。第1位置P1では、シーリング部50は、非圧縮の状態である。
スピーカモジュール57は、第1支持部51に支持された状態で、該第1位置P1から第2位置P2(本固定位置)まで移動可能である。本実施形態では、スピーカモジュール57は、第1係合部61が第1支持部51に係合された状態で第1支持部51を軸として回転されることで、底壁11と略平行な方向で第1位置P1から第2位置P2に移動される。
図16に示すように、第2位置P2は、第1位置P1よりも、側壁12(開口部42、シーリング部50)の近くに位置する。第2位置P2では、スピーカモジュール57は、側壁12と略平行に位置する。スピーカモジュール57は、開口部42の正面に位置し、開口部42に面する。
シーリング部50は、スピーカモジュール57が第1位置P1から第2位置P2に移動する間に、スピーカモジュール57と側壁12との間に挟まれる。第2位置P2では、スピーカモジュール57は、シーリング部50に接しており、シーリング部50を側壁12に向けて押圧する。これにより、シーリング部50は、スピーカモジュール57と側壁12との間で圧縮(圧縮変形)され、スピーカモジュール57と側壁12との間を液密に塞ぐ。シーリング部50は、開口部42の周りを液密に塞ぐ。
図14乃至図17に示すように、第3部分56cは、例えば底壁11と略平行な板状に形成されている。第3部分56cは、底壁11とは交差した方向(例えば略直交した方向)で、第2固定部54に向かい合う。第3部分56cは、第2係合部62(第2取付部、第2係り部)が設けられている。
第2係合部62は、第2位置P2で、第2支持部52に接する(係合する)。これにより、スピーカモジュール57は、第2位置P2で回動が規制され、第2位置P2で位置決めされる。第2支持部52は、「位置決め部」の一例である。
スピーカモジュール57(第2部分56b)は、第2支持部52に面した端部を有する。第2係合部62は、該端部に設けられている。第2係合部62の一例は、第2支持部52に向いて開口したU字形の切欠き部である。第2係合部62は、筐体4の厚さ方向とは交差した方向(例えば底壁11と略平行な方向)で、第2支持部52に係合する(第2支持部52が挿入される)。
第2係合部62の一例は、例えば第2支持部52に掛かる(引っ掛かる)フック63(爪部、係り部、仮留め部)を有する。第2係合部62(フック63)は、第2位置P2で第2支持部52に係合し、第2支持部52に仮固定さえる。これにより、スピーカモジュール57は、第2位置P2に仮固定される。なお、第2係合部62は、フック63に代えて、例えば第2支持部52の直径よりも狭い幅狭部(係り部、仮留め部)を有して第2支持部52に仮固定されてもよい。
図14乃至図17に示すように、ホルダ56の第2部分62bは、第1穴64(第1挿通穴、第1貫通孔、第1固定穴、第1孔、第1取付穴)を有する。第1穴64は、第2位置P2で、第1固定部53の穴55に面する。ホルダ56の第1穴64及び第1固定部53の穴55には、第1固定部材65(第1固定部、第1取付部材、第1支持部材)が取り付けられる。
第1固定部材65は、例えばねじである。第1固定部材65は、底壁11とは交差した方向(例えば略直交した方向)から第1穴64及び第1固定部53の穴55に挿入される。第1固定部材65は、例えば取付面43aと略平行な方向から第1穴64及び第2固定部53の穴55に挿入される。
本実施形態では、マスク16の内面は、第1固定部53に向かい合う第3固定部69(図9、図10参照)を有する。第3固定部69は、ねじ穴55を有する。図16に示すように、第1固定部材65は、例えば筐体4の外側から第1固定部53の穴55(挿通穴)及びホルダ56の第1穴64に通され、マスク16の第3固定部69のねじ穴55に固定(係合、螺合)される。これにより、第2位置P2でスピーカモジュール57が筐体4に固定される。
なお、上記構成に代えて、第1固定部53の穴55は、ねじ穴でもよい。第1固定部材65は、筐体4の内側からホルダ56の第1穴64に通され、第1固定部53の穴55に固定(係合、螺合)されてもよい。
図14乃至図17に示すように、ホルダ56の第3部分56cは、第2穴66(第2挿通穴、第2貫通孔、第2固定穴、第2孔、第2取付穴)を有する。第2穴66は、第2位置P2で、第2固定部54の穴55に面する。ホルダ56の第2穴66及び第2固定部54の穴55には、第2固定部材67(第2固定部、第2取付部材、第2支持部材)が取り付けられる。
第2固定部材67は、例えばねじである。第2固定部材67は、底壁11とは交差した方向(例えば略直交した方向)から第2穴66及び第2固定部54の穴55に挿入される。第2固定部材67は、例えば取付面43aと略平行な方向から第2穴66及び第2固定部54の穴55に挿入される。
本実施形態では、第2固定部54の穴55は、ねじ穴である。第2固定部材67は、筐体4の内側からホルダ56の第2穴66に通され、第2固定部54の穴55に固定(係合、螺合)される。これにより、第2位置P2でスピーカモジュール57が筐体4に固定される。
図16に示すように、本実施形態では、第1固定部材65及び第2固定部材67は、段付きねじである。段付きねじは、ねじ部68aと、非ねじ部68b(胴部、円柱部)とを有する。非ねじ部68bには、ねじ山は設けられていない。このため、非ねじ部68bは、ねじ部68aに比べて、部品公差が小さい。
ホルダ56の第1穴64には、第1固定部材65の非ねじ部68bが挿入される。ホルダ56の第2穴66には、第2固定部材67の非ねじ部68bが挿入される。第1及び第2の固定部材65,67の非ねじ部68bが穴64,66に挿入されることで、ホルダ56の位置が正確に定まる。これにより、シーリング部材17の圧縮量(つぶし量)を、精度良く制御することができる。
スピーカモジュール57は、筐体4の第1位置P1に仮置き(仮固定)され、該第1位置P1から移動された第2位置P2で筐体4に固定(本固定)される。次に、図15、図16、図17を参照して、スピーカモジュール57の取付方法の一例について説明する。
まず、スピーカモジュール57が取り付けられる前に、シーリング部50が側壁12に取り付けられる(図17中のS1)。なお、シーリング部50は、側壁12に代えて、スピーカモジュール57に取り付けられてもよい。
ここで、上記とは別の観点の第1方向X及び第2方向Yを定義する。第1方向Xは、底壁11とは交差した方向である。本実施形態では、第1方向Xは、底壁11と略直交した方向である。なお、第1方向Xは、底壁11とは斜めに交差した方向でもよい。
図15に示すように、スピーカモジュール57は、第1方向Xから第1支持部51に取り付けられる(図17中のS2)。スピーカモジュール57は、側壁12に取り付けられたシーリング部50に接しないように(シーリング部50を剥がさないように)、側壁12から離れた第1位置P1に取り付けられる。スピーカモジュール57は、第1位置P1で第1支持部51に支持される。
スピーカモジュール57は、第1支持部51に支持された状態で、第1位置P1から第2位置P2に移動される(図17中のS3)。本実施形態では、スピーカモジュール57は、第1支持部51を軸として、第2方向Yに回転させられる。第2方向Yは、第1方向Xとは交差した方向である。第2方向Yは、第1位置P1からシーリング部50(側壁12)に近付く方向である。本実施形態では、第2方向Yは、底壁11と略平行な方向である。第2方向Yは、シーリング部50(側壁12)と交差した方向(例えば略直交した方向)である。
シーリング部50は、スピーカモジュール57が第1位置P1から第2位置P2に移動する間に、スピーカモジュール57と側壁12との間で挟まれ、スピーカモジュール57と側壁12との間で圧縮される(図17中のS4)。これにより、開口部42周りが液密に塞がれる。
スピーカモジュール57が第2位置P2まで移動されると、第2係合部62が第2支持部52に接し、スピーカモジュール57の移動が規制される(図17中のS5)。これにより、スピーカモジュール57は、第2位置P2に位置決めされる。本実施形態では、第2係合部62は、第2支持部52に掛かるフック63を有する。このため、第2位置P2に移動されたスピーカモジュール57は、第2位置で第2支持部52に係り、第2位置P2で保持される。
次に、第2固定部材67がホルダ56の第2穴66に通され、第2固定部54の穴55に係合される(図17中のS6)。これにより、スピーカモジュール57は、筐体4に固定(本固定)される。さらに本実施形態では、ベース15とマスク16とが合わされた後、第1固定部材65が第1固定部53の穴55及びホルダ56の第1穴64に通され、マスク16の第3固定部69の穴55に係合される。これにより、ベース15、マスク16、及びスピーカモジュール57が共締めされる。
このような構成によれば、テレビジョン受像機1の組立性の向上を図ることができる。
例えば表示画面を同じ面にスピーカの放音口を設ける場合、該放音口によってデザイン性が制約され、例えば狭額縁の電子機器の実現が困難になる。そのため、筐体の側壁に放音口を設け、側壁の内面にスピーカを取り付けることが考えられる。
比較のため、図18に、側壁71と略平行な方向からスピーカモジュール72が取り付けられる電子機器73を示す。この電子機器73は、側壁71とスピーカモジュール72との間で圧縮されるシーリング部74を有する。この場合、側壁71と略平行な方向からスピーカモジュール72を取り付けようとすると、スピーカモジュール72がシーリング部74の端部に引っ掛かり、シーリング部74が側壁71から剥がれるか、傾いて圧縮される可能性がある。このため、このような構造を有した電子機器73の組立性は、低くなる傾向にある。
一方で、本実施形態では、テレビジョン受像機1は、筐体4と、筐体4の第1位置P1に仮置きされ、該第1位置P1から移動された第2位置P2で筐体4に固定されたスピーカモジュール57を有する。このような構成によれば、2段階による取付けになるため、種々の問題を解決してテレビジョン受像機1の組立性を向上させることができる。
例えば本実施形態では、テレビジョン受像機1は、スピーカモジュール57が第2位置P2から第1位置P1に移動される間に、スピーカモジュール57と側壁12との間に挟まれるシーリング部50を有する。このような構成によれば、シーリング部50を適切な方向から押圧しやすく、シーリング部50の剥がれや捩れなどを抑制することができる。これにより、テレビジョン受像機1の組立性を向上させることができる。
本実施形態では、スピーカモジュール57は、第1方向Xから第1支持部51に係合され、第1方向Xとは交差する第2方向Yで第1位置P1から第2位置P2に移動される。このような構成によれば、スピーカモジュール57がシーリング部50を押圧した方向と、スピーカモジュール57を筐体4に取り付ける方向とを別にすることができる。このため、例えば底壁11と交差した方向から第1支持部51にスピーカモジュール57を取り付けることができる。これは、テレビジョン受像機1の組立性を向上させることができる。
本実施形態では、スピーカモジュール57が第2位置P2に移動された後に筐体4に取り付けられ、スピーカモジュール57を第2位置P2に固定した固定部材65,67をさらに備える。このような構成によれば、スピーカモジュール57を第2位置P2でさらに強固に固定することができる。
本実施形態では、固定部材67は、底壁11とは交差した方向から筐体4に取り付けられる。このような構成によれば、例えば底壁11と交差した方向から固定部材67を筐体4に取り付けることができる。これは、テレビジョン受像機1の組立性をさらに向上させることができる。
本実施形態では、第1支持部51は、底壁11とは交差した方向に突出した第1突起である。スピーカモジュール57は、前記第1突起が係合する第1係合部61が設けられ、第1係合部61が前記第1突起に係合された状態で前記第1突起を軸として回動されることで、底壁11と略平行な方向で第1位置P1から第2位置P2に移動される。このような構成によれば、スピーカモジュール57を、底壁11と略平行な方向に安定して移動させることができる。これは、テレビジョン受像機1の組立性をさらに向上させることができる。
本実施形態では、筐体4は、位置決め部(例えば第2支持部52)を有する。スピーカモジュール57は、第2位置P2で前記位置決め部に係合して仮固定される第2係合部62が設けられている。このような構成によれば、スピーカモジュール57の位置が第2位置で正確に定まる。これは、テレビジョン受像機1の組立性をさらに向上させることができる。
本実施形態では、前記位置決め部は、底壁11とは交差した方向に突出した第2突起である。第2係合部62は、前記第2突起に面したスピーカモジュール57の端部に設けられ、前記第2突起に向いて開口した切欠き部である。このような構成によれば、第2位置P2まで回転移動されたスピーカモジュール57が前記位置決め部に係合しやすい。これは、テレビジョン受像機1の組立性をさらに向上させることができる。
なお、本実施形態は、例えば図20に示すような電子機器81にも適用可能である。電子機器81は、例えばスレートPCである。なお、上述したように、本実施形態及び下記の実施形態は、種々の電子機器に広く適用可能である。
本実施形態では、スピーカの取付構造について説明した。なお、本実施形態に係る取付構造が適用可能な部品は、スピーカに限定されるものではない。上記取付構造は、例えばコネクタやカメラ、スイッチ、LED、マイク、レシーバーなどを含む種々の部品に広く適用可能である。
また、本実施形態は、側壁12に対して部品を取り付ける場合を説明したが、本実施形態に係る取付構造は、これに限定されるものではない。上記取付構造は、底壁11や上壁13、またはその他の部分に対して部品を取り付ける場合にも適用可能である。第1位置P1から第2位置P2への部品の移動方向は、底壁11と略平行な方向に限らない。第1位置P1から第2位置P2への部品の移動は、回転移動に限らず、スライド移動や、その他の移動でもよい。また第2支持部52は、省略可能である。
(第2実施形態)
次に、図21及び図22を参照して、第2実施形態に係るテレビジョン受像機1を説明する。なお、第1実施形態の構成と同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。また、下記に説明する以外の構成は、第1実施形態と同じである。
図21に示すように、筐体4には、支持部51と固定部53とが設けられている。支持部51は、例えば底壁11と略平行に突出した円柱状のピンである。スピーカモジュール57は、係合部61と、穴64とが設けられている。スピーカモジュール57は、底壁11とは交差する第1方向Xから支持部51に取り付けられる。スピーカモジュール57は、側壁12から離れた第1位置P1で、支持部51に支持される。
図22に示すように、スピーカモジュール57は、係合部61が支持部51に支持された状態で、第1位置P1から第2位置P2に移動される。本実施形態では、スピーカモジュール57は、係合部61が支持部51に支持された状態で支持部51を軸として回転されることで、第1位置P1から第2位置P2に移動される。スピーカモジュール57は、第1方向Xとは交差する第2方向Yで、第1位置P1から第2位置P2に移動される。
シーリング部50は、スピーカモジュール57が第1位置P1から第2位置に移動させる間に、スピーカモジュール57と側壁12との間に挟まれて圧縮される。固定部材65は、スピーカモジュール57を第2位置P2で固定する。固定部材65は、底壁11とは交差した方向(例えば側壁12と略平行な方向)から筐体4に取り付けられる。
このような構成によれば、上記第1実施形態と同様に、テレビジョン受像機1の組立性の向上を図ることができる。
(第3実施形態)
次に、図23及び図24を参照して、第3実施形態に係るテレビジョン受像機1を説明する。なお、第1実施形態の構成と同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。また、下記に説明する以外の構成は、第1実施形態と同じである。
図23に示すように、筐体4には、支持部51が設けられている。本実施形態に係る支持部51は、筐体4に設けられた載置面(取付面、仮置き面、スライド面、ガイド)である。スピーカモジュール57は、上記載置面の上に置かれることで、支持部51に支持される。スピーカモジュール57は、底壁11とは交差する第1方向Xから支持部51に置かれる。スピーカモジュール57は、側壁12から離れた第1位置P1で、支持部51に支持される。
図24に示すように、スピーカモジュール57は、支持部51に支持された状態で、第1位置P1から第2位置P2に移動される。本実施形態では、スピーカモジュール57は、支持部51に載せられた状態で、第1位置P1から第2位置P2に向いて(側壁12に向いて)スライド移動される。
本実施形態では、例えばスピーカモジュール57の背後に固定部材65が取り付けられる。固定部材65は、底壁11とは交差した方向(例えば側壁12と略平行な方向)から筐体4に取り付けられる。固定部材65は、例えば楔形の形状を有する。固定部材65が取り付けられることで、スピーカモジュール57は、側壁12に向けて押されて、第2位置P2に移動する。固定部材65は、スピーカモジュール57を第2位置P2で固定する。
このような構成によれば、上記第1実施形態と同様に、テレビジョン受像機1の組立性の向上を図ることができる。
(第4実施形態)
次に、図25を参照して、第4実施形態に係るテレビジョン受像機1を説明する。なお、第1実施形態の構成と同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。また、下記に説明する以外の構成は、第1実施形態と同じである。
図25に示すように、側壁12は、第1開口部83と、蓋84とが設けられている。蓋84は、側壁12に着脱可能に取り付けられ、第1開口部83を覆う。蓋84は、例えば防水性の両面テープ85によって側壁12に固定される。蓋84は、第2開口部42(放音部、放音口)が設けられている。蓋84は、側壁12の一部である。
シーリング部50は、スピーカモジュール57に取り付けられている。スピーカモジュール57は、筐体4の内部に取り付けられる。蓋84は、スピーカモジュール57が取り付けられた後に、側壁12に取り付けられる。蓋84が側壁12に取り付けられることで、シーリング部50は、蓋84とスピーカモジュール57との間に挟まれて圧縮される。
このような構成によれば、シーリング部50が剥がれたり傾いたりすることを抑制することができる。これにより、テレビジョン受像機1の組立性を向上させることができる。
(第5実施形態)
次に、図26を参照して、第5実施形態に係るテレビジョン受像機1を説明する。なお、第1実施形態の構成と同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。また、下記に説明する以外の構成は、第1実施形態と同じである。
上記第1乃至第4の実施形態では、防水性を目的とした部品の取付構造について説明した。なお、上記取付構造は、防水性を目的としたものに限定されるものではなく、種々の目的のものに広く適用可能である。本実施形態では、上記取付構造を例えば発熱部品の押圧部品に適用したものである。
図26に示すように、回路基板6は、発熱部品86を有する。発熱部品86は、例えばCPUやグラフィックチップであるが、これらに限定されるものではない。発熱部品86には、受熱部材87(または放熱部材87)が取り付けられている。発熱部品86と受熱部材87との間には、熱伝導部材88(伝熱部材)が介在されている。熱伝導部材88は、例えば熱伝導シートまたは熱伝導性グリスである。熱伝導部材88は、弾性部の一例である。
テレビジョン受像機1は、押圧部材89(押圧部、押圧部品)を有する。受熱部材87は、発熱部品86と押圧部材89との間に位置する。押圧部材89は、受熱部材87を発熱部品86に向けて押圧する。熱伝導部材88は、受熱部材87と発熱部品86との間に挟まれる。これにより、発熱部品86と受熱部材87との熱接続が強固になる。
図26に示すように、回路基板6は、支持部51と、固定部53とが設けられている。支持部51は、例えば回路基板6と略平行に突出した円柱状のピンである。固定部53は、例えば回路基板6に設けられたスタッドである。押圧部材89は、係合部61と、穴64とが設けられている。
押圧部材89は、受熱部材87から離れた第1位置P1で、支持部51に支持される。押圧部材89は、係合部61が支持部51に支持された状態で、第1位置P1から受熱部材87に近付く第2位置P2に移動される。本実施形態では、押圧部材89は、係合部61が支持部51に支持された状態で支持部51を軸として回転されることで、第1位置P1から第2位置P2に移動される。
熱伝導部材88は、押圧部材89が第1位置P1から第2位置に移動させる間に、受熱部材87と発熱部品86との間(すなわち押圧部材89と発熱部品86との間)に挟まれて圧縮される。固定部材65は、押圧部材89を第2位置P2で固定する。
このような構成によれば、上記第1実施形態と同様に、テレビジョン受像機1の組立性の向上を図ることができる。さらに、本実施形態によれば、ねじのような固定部材の数を減らすことができる。これは、テレビジョン受像機1の低コスト化に寄与する。
また、第1乃至第5実施形態に係る取付構造は、シーリング部50や熱伝導部材88を挟み込むものに限らず、例えばコネクタと筐体4の導体部との間にEMI(Electro Magnet Interference)対策用の導電性部材を挟みこむ構造にも適用可能である。
(第6実施形態)
図27は、第6実施形態に係るテレビジョン受像機110を示す。テレビジョン受像機110は、電子機器の一例である。テレビジョン受像機110は、表示ユニット112と、スタンド113とを備える。表示ユニット112は、筐体115と、該筐体115に収容された表示装置116とを備える。
筐体115は、前面121と、側面122(外面、表面、側壁、壁部、壁)とを有する。前面121には、開口部126が設けられている。開口部126は、画像が表示される表示装置116の表示面を露出させる。
側面122は、前面121と交差した方向に延びている。側面122の一部は、前面121から後方に進むに従って筐体115の中央部に近付く方向に傾斜している。側面122には、インターフェース部127が設けられている。インターフェース部127は、側面122から突出している。インターフェース部127は、前面121とは交差した方向(略直交した方向)に延びた側壁128(外面、表面、壁部、壁)を有する。側壁128は、壁部の一例である。
側壁128には、複数のボタン131(スイッチ、部品、部材、入力部)と、カード開口132(第1開口部)と、複数の端子開口133(第2開口部)とが設けられている。複数のボタン131は、例えば電源ボタン、チャンネル切り替えボタン、及び音量調節ボタンを含む。ボタン131は、操作部(部品、部材)の一例である。カード開口132は、例えばB−CASカードのようなカードが挿入される。端子開口133は、例えばUSB端子またはHDMI端子が挿入される。
筐体115は、前面121の反対側に位置した後面と、前面121と交差した方向に延びた下面とをさらに有する。前記後面は、例えば複数の通気口が設けられるとともに、スタンド113が固定されている。前記下面は、スピーカー用の開口が設けられている。
図28に示すように、筐体115は、フロントカバー135と、リアカバー136とを有する。フロントカバー135は、筐体115の前面121を含む。リアカバー136は、筐体115の側面122、前記後面、及び前記下面を含む。
筐体115の前面121には、透光性のパネル137が取り付けられている。パネル137は、開口部126を覆う。表示装置116は、パネル137越しに外部に露出される。
筐体115の内部には、メイン基板138(第1基板、第1回路基板)と、モジュール基板139(回路板、配線板、部品、ユニット、第2基板、第2回路基板)とが収容されている。メイン基板138は、例えば矩形状のプリント配線板である。メイン基板138は、複数の電子部品を有する。メイン基板138は、例えばスペーサを介して、表示装置116に取り付けられている。
モジュール基板139は、例えばプリント配線板である。モジュール基板139は、側壁128とは交差した方向(例えば略直交した方向)に延びている。モジュール基板139は、前面121と略平行であり、前面121に面する。モジュール基板139は、メイン基板138よりも小さい外形を有する。モジュール基板139は、メイン基板138よりも側壁128に近い。モジュール基板139は、例えばケーブルによってメイン基板138に電気的に接続されている。
図29は、側壁128の周辺を示す。図29に二点鎖線で示すように、モジュール基板139に、例えば複数のスイッチ141A,141B(部品、モジュール、ユニット)、カードスロット、および複数のコネクタがそれぞれ実装されている。スイッチ141Aは、電子部品の一例である。二つのスイッチ141Bは、他の電子部品の一例である。
前記カードスロットは、カード開口132を通じて外部に開口している。該カードスロットには、例えばB−CASカードのようなカードが挿入される。前記コネクタは、端子開口133を介して外部に開口している。該コネクタには、例えばUSB端子やHDMI端子が挿入される。
複数のスイッチ141A,141Bは、複数のボタン131に其々対応して位置する。図28に示すように、スイッチ141A,141Bは、部品本体142(第1部分、固定部、筐体、ケース、固定された部分)と、押込部143(第2部分、移動部、可動部、端部、***作部、感圧部、部分)とを其々有する。部品本体142は、例えば半田付けによってモジュール基板139に固定されている。部品本体142に、側壁128に向いた開口が設けられている。
押込部143は、部品本体142の前記開口から側壁128に向かって突出している。押込部143は、外部から押圧を受けると部品本体142の内部に向いて弾性的に移動する。押込部143の一部が部品本体142の内部に押し込まれることで、スイッチ141A,141Bは操作される。言い換えると、スイッチ141A,141Bは、押込部143に押圧を受けて操作される。押込部143に作用する押圧力が解放されると、押込部143は弾性的に所定の位置に戻る。
インターフェース部127は、側壁128と、この側壁128とは交差した方向(例えば略直交した方向)に延びた底壁136(壁部、壁、底面、固定面、取付面)とを有している。底壁136は、「第1壁」の一例である。底壁146は、フロントカバー135に面する。底壁146は、モジュール基板139の少なくとも一部に面する。
側壁128は、「第2壁」の一例である。側壁128には、複数の開口部147A,147B(開口、孔、穴、挿通部、露出部)が設けられている。開口部147Bは、他の開口部の一例である。開口部147A,147Bの形状は、複数のボタン131の形状に其々対応している。例えば、電源ボタンであるボタン131に対応した開口部147Aは、略正方形状に形成されている。チャンネル切り替えボタンまたは音量調節ボタンであるボタン131に対応した開口部147Bは、略矩形状に形成されている。開口部147A,147Bには、対応したボタン131が其々挿通され、筐体115の外部に露出されている。
ボタン131は、露出部151(操作部、挿通部、第1部分、部分)と、フランジ部152(係合部、係止部、第2部分)と、突部153(押圧部、突出部、嵌入部、操作部、第3部分、部分)とを有する。露出部151は、対応した開口部147A,147Bに挿通され、筐体115の外部に露出されている。
フランジ部152は、筐体115の内部に位置した露出部151の端部に設けられている。フランジ部152は、筐体115の内側から側壁128に面している。フランジ部152は、筐体115の内側から側壁128に係止される。突部153は、露出部151から筐体115の内部に向かって突出している。突部153の先端は、対応したスイッチ141A,141Bの押込部143の先端に面している。突部153の先端は、フランジ部152よりも側壁128から離れている。
筐体の内部には、複数のボタン131に対応して、複数のキーパッド156A,156B(パッキング、シーリング部、閉塞部材、介在部材、弾性部、浸水抑制部材、部材)が其々配置されている。キーパッド156A,156Bは、例えば弾性を有するシリコンゴム製である。なお、キーパッド156A,156Bはこれに限らず、エラストナーや、他の合成ゴムによって構成されてもよい。キーパッド156A,156Bは、接触部157(固定部、介在部、パッキング部、シーリング部、第1部分)と、変位部158(可動部、第2部分)を其々有する。接触部157及び変位部158は、互いに一体に形成されている。
接触部157は、ボタン131のフランジ部152の縁部を囲むとともに、フランジ部152が設けられた露出部151の端部を覆う。接触部157は、対応した開口部147A,147Bの周囲で側壁128に液密(水密)に接する。なお、接触部157はこれに限らず、例えば液密よりも弱く側壁128に接しても良い。接触部157は、ボタン131が挿通された開口部147A,147Bを其々覆う。これにより、図29に示すように、キーパッド156Aは、開口部147Aを塞ぐ。キーパッド156Bは、開口部147Bを塞ぐ。なお、接触部157は、複数の開口部147A,147Bを一体に覆っても良い。
図28に示すように、露出部151の端部を覆う接触部157の一部157aは、フランジ部152の縁部を囲む接触部157の他の一部157bよりも薄い。露出部151の端部を覆う一部157aは、フランジ部152の縁部を囲む一部157bよりも変形しやすい。
変位部158は、接触部157の一部157aに囲まれている。変位部158は、接触部157の一部157aから、筐体115の内部に向かって突出している。変位部158には、ボタン131に向いた凹部158aが設けられている。凹部158aには、ボタン131の突部153の一部が位置する。なお、ボタン131の突部153は、凹部158aの側面と接触して凹部158aに挿入されてもよいし、凹部158aの側面との間に隙間を空けて凹部158aの中に挿入されてもよい。
変位部158は、接触部157の一部157aよりも厚い。変位部158がボタン131の突部153によって押されると、変位部158は弾性的に変位する(移動する)。すなわち、変位部158が突部153に押されることで、変位部158を囲む接触部157の一部157aは弾性的に変形する。これにより、変位部158は、突部153に押された方向に変位する。変位部158は、変位可能(移動可能)な部分である。
変位部158は、ボタン131の突部153と、対応したスイッチ141A,141Bの押込部143との間に位置する。ボタン131の突部153は、変位部158に接し(面し)ている。このため、ボタン131が例えばユーザに押されると、突部153が変位部158を変位させ、変位部158が押込部143を押す。これにより、ボタン131が押されると、変位した変位部158からの押圧を受けてスイッチ141A,141Bが操作される。
図30は、筐体115の内部から側壁128の周辺を示す。図30に示すように、筐体115の内部には、支持部材161(支持部、当接部、押圧部、部品、部材、部分、モジュール、ユニット)が設けられている。本実施形態では、筐体115(または筐体115の一部)は、「第1部材」の一例である。支持部材161は、「第2部材」の一例である。
支持部材161は、例えばL字状に曲げられた金属板である。支持部材161は、其々矩形状に形成された押圧部162(支持部、当接部、壁部、第1部分、部分)と、取付部163(固定部、第2部分、部分)とを有する。
図28に示すように、押圧部162の少なくとも一部は、側壁128とモジュール基板139との間に位置し、側壁128に面している。押圧部162は、複数のキーパッド156A,156Bに接し(面し)、接触部157の一部157bに当接している。このため、図29に示すように、キーパッド156A,156Bの接触部157は、側壁128と押圧部162との間に介在する。言い換えると、押圧部162は、キーパッド156A,156Bの接触部157よりもモジュール基板139に近い。
図28に示すように、押圧部162に、複数のキーパッド156A,156Bの変位部158が其々挿入された複数の挿通口165(開口部、開口、穴、切欠き、凹部)が設けられている。挿通口165は、挿通部の一例である。図30に示すように、複数の挿通口165は、押圧部162の長手方向に並んでいる。挿通口165は、変位部158に対応した部分から取付部163に延びている。変位部158は、挿通口165の中で変位できる。
取付部163は、押圧部162とは交差した方向(略直交した方向)に延びている。取付部163は、側壁128から離れる方向に延びている。取付部163は、底壁146に接している。取付部163には、複数の切欠き部166が設けられている。切欠き部166は、其々挿通口165に連続している。図28に示すように、側壁128に面した切欠き部166の縁部166aは、キーパッド156の変位部158の先端よりも側壁128から離れている。
図30に示すように、取付部163から、延出部168(固定部、係合部)が延びている。延出部168は、取付部163の長手方向の一方の端部から、取付部163の長手方向に延びている。延出部168に、例えば円形状の軸孔171(係合孔、開口部、開口、孔、穴、丸穴、凹部)が設けられている。軸孔171は、「係合部」の一例である。図29に示すように、押圧部162は、延出部168側に位置した端部162aを有する。軸孔171は、押圧部162の端部162aよりも、取付部163の中央部から離れている。
取付部163には、複数の固定孔172(取付部、穴、貫通孔、孔、固定部)が設けられている。複数の固定孔172は、取付部163の長手方向に並んでいる。固定孔172は、例えば押圧部162に向いて延びた長穴である。なお、図30に示すように、固定孔172は、切欠き部166に連続してもよく、また切欠きであっても良い。延出部168に最も近い固定孔172は、延出部168から最も遠い固定孔172よりも短い長穴である。
底壁146には、支持部174(係合部、引掛け部、仮留部、ガイド部)が設けられている。支持部174は、複数の突出部176,177(突起、支持突起、支持部、ピン、凸部、挿通部)を有する。突出部176,177は、底壁146からそれぞれ突出している。一つの突出部176は、軸孔171に挿通される。複数の突出部177は、複数の固定孔172に挿通される。言い換えると、突出部176,177は、軸孔171および固定孔172に係合されて(係って)いる。
軸孔171および固定孔172に挿通された突出部176,177は、取付部163に溶着される。すなわち、突出部176,177の先端部が加熱して潰され、底壁146とは反対側から取付部163に面する。これにより、取付部163は、底壁146に固定される。なお、取付部163はこれに限らず、例えばネジによって底壁146に固定されてもよい。
図30に示すように、側壁128には、固定部181(取付部、押圧部、部分)が設けられている。固定部181は、第1嵌合部182(第1固定部、第1係合部、第1支持部、第1保持部)と、第2嵌合部183(第2固定部、第2係合部、第2支持部、第2保持部)とを有する。第1および第2の嵌合部182,183は、一対の嵌合部の一例である。
図29に示すように、第1嵌合部182は、基部185(第1部分)と、爪部186(第2部分、係り部、係合部、フック、押さえ部、支持部)とを有する。基部185は、側壁128から筐体115の内側に突出している。基部185は、押圧部162の一方の端部162aに接している。爪部186は、基部185の先端から、側壁128に沿って第2嵌合部183に向かって延びている。キーパッド156Aの接触部157および支持部材161の押圧部162は、側壁128と爪部186との間に挟まれる。これにより、キーパッド156Aの接触部157は、側壁128と押圧部162との間で変形(圧縮変形)される。
第2嵌合部178は、基部187と、爪部188とを有している。基部187は、側壁128から筐体115の内側に突出している。基部187は、押圧部162の他方の端部162bに接している。基部187は、弾性変形可能に形成されている。爪部188は、基部187の先端から、側壁128に沿って第1嵌合部182に向かって延びている。キーパッド156Bの接触部157および支持部材161の押圧部162は、側壁128と爪部188との間に挟まれる。これにより、キーパッド156Bの接触部157は、側壁128と押圧部162との間で変形(圧縮変形)される。
押圧部162は、第1および第2の嵌合部182,183の間に挟まれている。キーパッド156A,156Bの接触部157および支持部材161の押圧部162は、側壁128と爪部186,188との間に挟まれる。これにより、固定部181が支持部材161を固定し、押圧部162がキーパッド156A,156Bの接触部157を側壁128に押圧する。
以下に、図31を参照して、支持部材161の取付方法の一例について説明する。なお、支持部材161の取付方法は以下の方法に限らない。
まず、ボタン131に、対応するキーパッド156A,156Bを其々取り付ける。すなわち、ボタン131の突部153を変位部158の凹部158aに挿入し、フランジ部152の縁部を接触部157の一部157bで囲む。
次に、筐体115の内側から、開口部147A,147Bにボタン131を其々取り付ける。ボタン131の露出部151を開口部147A,147Bに挿通すると、フランジ部152が側壁128に接する。ボタン131に取り付けられたキーパッド156A,156Bの接触部157が、側壁128の内面に接する。
キーパッド156Aの接触部157は、側壁128と、第1嵌合部182の爪部186との間に位置する。キーパッド156Bの接触部157は、側壁128と、第2嵌合部183の爪部188との間に位置する。これにより、キーパッド156A,156Bは爪部186,188によって仮留めされる。
次に、支持部材161を筐体115に取り付ける。図31に矢印Dで示すように、支持部材161を底壁146に対して交差した方向(例えば略垂直した方向)に移動させる。言い換えると、リアカバー136が開口する方向から、支持部材161を底壁146に近づける。これにより、支持部材161の軸孔171および固定孔172に、突出部176,177が挿入され、取付部163が底壁146に当接する。このとき、押圧部162の一方の端部162aは第1嵌合部182に係合される。すなわち、押圧部162の一方の端部162aが側壁128と爪部186との間に挿入される。
一方、押圧部162の他方の端部162bは第2の嵌合部183から外れている。言い換えると、支持部材161は、側壁128に対して傾斜した状態で底壁146に近付けられる。このため、押圧部162とキーパッド156A,156Bとの間に隙間がある。
取付部163には、挿通口165に連続する切欠き部166が設けられている。このため、移動する支持部材161は、キーパッド156A,156Bの変位部158を避ける。これにより、支持部材161を底壁146に向かって容易に近付けることができる。以上のように、支持部材161は、側壁128から離れた第1位置P1に仮置き(仮留め)される。
次に、図31の矢印T1で示すように、軸孔171(係合部)に挿通された突出部176(支持部)を軸として、側壁128に向かって支持部材161を回動させる。すなわち、支持部材161を第1位置P1から、該第1位置P1よりも側壁128に近付く第2位置P2に移動させる。突出部177が挿通された固定孔172が、押圧部162に向かって延びる長円状に形成されるため、支持部材161は回動可能である。支持部材161が回動する方向は、側壁128と交差する方向である。すなわち、支持部174は、支持部材161が側壁128と交差する方向に回動可能に支持部材161と係合する。
支持部材161が回動すると、押圧部162の端部162bが第2嵌合部183を乗り越える。例えば、押圧部162の端部162bが第2嵌合部183を押圧することで、第2嵌合部183の基部187が弾性変形する。基部187が弾性変形した第2嵌合部183が押圧部162を避けることで、回動する押圧部162の端部162bがキーパッド156Bに接する。これにより、押圧部162の端部162bがキーパッド156Bの接触部157と第2の嵌合部183の爪部188とに挟まれる。
上記のように押圧部162の端部162bが第2嵌合部183に嵌合することで、押圧部162が固定部181に固定される。これにより、押圧部162がキーパッド156A,156Bの接触部157を側壁128に押圧する。すなわち、支持部材161が第1位置P1から第2位置P2に移動される間に、キーパッド156Bの接触部157は、側壁128と押圧部162との間に挟まれて、側壁128と押圧部162との間で変形(圧縮変形)される。
次に、軸孔171及び固定孔172に挿通された突出部176,177を、取付部163に溶着する。これにより、取付部163が底壁146に固定され、支持部材161が強固に筐体115に固定される。すなわち、支持部材161は、第2位置P2で筐体115に固定(本固定)される。
前記構成のテレビジョン受像機110によれば、上記第1実施形態と同様に、組立性の向上及び小型化を図ることができる。例えば本実施形態では、開口部147A,147Bを覆うキーパッド156A,156Bが、支持部材161によって側壁128に向かって押圧される。これにより、筐体115の内部に水のような液体や、砂塵が侵入することを抑制することができる。
支持部材161がキーパッド156A,156Bを押圧するため、スイッチ141A,141Bが実装されるモジュール基板139の位置は、キーパッド156A,156Bに対して自由となる。これにより、例えばモジュール基板139のような基板によってキーパッド156A,156Bを押さえたり、開口部147A,147Bが設けられる位置で筐体115を分割したりする必要がなくなる。このため、テレビジョン受像機110の設計自由度が向上する。
ボタン131がユーザに押されると、ボタン131にかかる押圧力が支持部材161に作用する。該押圧力が支持部材161に受け止められるため、モジュール基板139が外力を受けて損傷することを抑制できる。
モジュール基板139は、側壁128と交差するように配置される。言い換えると、モジュール基板139は、底壁146に面している。これにより、モジュール基板139を底壁146と略平行に筐体115に取り付けることができ、テレビジョン受像機110の組み立てが容易になる。
押圧部162には、キーパッド156A,156Bの変位部158の一部が挿通される挿通口165が設けられている。これにより、モジュール基板139に実装されたスイッチ141A,141Bとキーパッド156A,156Bの接触部157との間に押圧部162を介在させたとしても、変位部158がスイッチ141A,141Bを押すことができる。
固定部181の嵌合部182,183は、基部185,187と爪部186,188とを有している。これにより、支持部材161の固定にネジが不要となり、テレビ110の部品点数および製造コストを低減できる。さらに、狭いスペースに支持部材161を取り付けることができて設計自由度が向上するとともに、テレビ110の組み立てが容易になる。
支持部174は、支持部材161が側壁128と交差する方向に移動可能に支持部材161と係合する。これにより、支持部材161の取り付けが容易となる。さらに、支持部材161を取り付ける際に、キーパッド156A,156Bが座屈することを抑制できる。
詳しく説明すると、支持部材161を底壁146に対して略垂直に移動させるときに支持部材161がキーパッド156A,156Bに接触していると、キーパッド156A,156Bが支持部材161に押圧されたり、引っ張られたりする。しかし、本実施形態の支持部材161は、押圧部162とキーパッド156A,156Bとの間に隙間が生じるように底壁146に近づけられた後、回動して固定部181に固定できる。このため、キーパッド156A,156Bが支持部材161に押圧されたり、引っ張られたりすることを抑制できる。したがって、キーパッド156A,156Bが座屈することを抑制できる。
支持部材161の延出部168に、軸孔171が設けられている。支持部材161は、軸孔171に挿通された突出部176を軸に回動できる。これにより、支持部材161を固定部181に取り付ける際にぶれることを抑制できる。
固定部181に固定された一つの支持部材161が、複数のキーパッド156A,156Bを側壁128に押圧する。これにより、部品点数および工程を低減でき、製造コストを低減できる。
開口部147A,147Bは、側壁128に設けられている。このように、本実施形態のテレビジョン受像機110によれば、筐体115の側壁であっても、浸水が抑制されたボタン131を設けることができる。なお、開口部147A,147Bは側壁128に限らず、例えば底壁146に設けられてもよい。この場合、支持部材161の押圧部162は底壁146に面し、取付部163は例えば側壁128に取り付けられる。すなわち、開口部147A,147Bの配置が自由であり、テレビ110の設計自由度が向上する。
ボタン131を開口部147A,147Bに取り付ける際、キーパッド156A,156Bは第1および第2の嵌合部182,183の爪部186,188によって仮留めされる。これにより、テレビジョン受像機110の組み立てが容易になる。
以下に、第7乃至第10の実施形態を示す。これらの実施形態でも、支持部材161は、側壁128から離れた第1位置P1に仮置き(仮留め)されて支持部174に支持される。支持部材161は、支持部174に支持された状態で、第1位置P1から、第1位置P1よりも側壁128に近付く第2位置P2に移動され、第2位置P2で筐体115に固定(本固定)される。
(第7実施形態)
次に、図32を参照して、第7実施形態に係るテレビジョン受像機110を説明する。なお、第6実施形態の構成と同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。また、下記に説明する以外の構成は、第6実施形態と同じである。
図32に示すように、第7実施形態に係る支持部材161は、平坦な金属板によって形成されている。底壁146に面した支持部材161の下端部は、凹部191(係合部、切欠き、溝、窪み、スリット)が設けられている。
底壁146には、凹部191に対応する凸部192(ガイド、案内部、突起、リブ、突出部)が設けられている。凸部192は、底壁146から側壁128に亘るリブである。凸部192は、支持部材161が側壁128と交差する方向に回動可能なように、支持部材161の凹部191に係合している。
支持部材161は、例えば以下のように固定部181に取り付けられる。まず、支持部材161の凹部191に凸部192を係合させるとともに、押圧部162の一方の端部162aを第1嵌合部182に係合させる。次に、第1嵌合部182に係合した押圧部162の端部162aを軸に、支持部材161を回動させる。押圧部162の他方の端部162bが第2嵌合部183を乗り越えて、第2嵌合部183の爪部188とキーパッド156Bの接触部157との間に挟まれる。これにより、支持部材161が固定部181に固定される。
前記構成のテレビジョン受像機110によれば、平坦な板状に形成された支持部材161によって、キーパッド156A,156Bを側壁128に押圧することができる。これにより、支持部材161を小型化でき、テレビジョン受像機110の材料費を低減できる。さらに、筐体115の内部の空間を広く確保することができ、設計自由度が向上する。
(第8実施形態)
次に、図33を参照して、第8実施形態に係るテレビジョン受像機110を説明する。なお、第6実施形態の構成と同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。また、下記に説明する以外の構成は、第6実施形態と同じである。
図33に示すように、本実施形態では、一対の支持部174が底壁146に設けられている。一対の支持部174は、底壁146から突出した基部195(第1部分)と、基部195から側壁128に向かって延びた爪部196(第2部分、係り部)とを其々有する。一対の支持部174は、支持部材161の取付部163の長手方向の両端部に其々接している。言い換えると、一対の支持部174の間に、取付部163が挟まれている。
支持部材161の取付部163は、一対の軸部197(係合部)を有している。一対の軸部197は、例えば押圧部162から離れた取付部163の端部に其々設けられる。一対の軸部197は、取付部163の長手方向の両端部から、取付部163の長手方向にそれぞれ延びている。軸部197は、係合部174に係合している。
本実施形態において、第1および第2の嵌合部の基部185,187は、ともに弾性変形可能に形成されている。すなわち、支持部材161の押圧部162は、第1の嵌合部182を乗り越えることができるとともに、第2嵌合部183を乗り越えることもできる。
支持部材161は、例えば以下のように固定部181に取り付けられる。まず、取付部163の軸部197を、係合部174に係合させる。次に、図33の矢印T2に示すように、軸部197を軸として支持部材161を回動させる。支持部材161の押圧部162の両端部162a,162bが、第1および第2の嵌合部182,183を其々乗り越える。これにより、第1嵌合部182の爪部186とキーパッド156Aの接触部157との間に、押圧部162の一方の端部162aが挟まれる。また、第2嵌合部183の爪部188とキーパッド156Bの接触部157との間に、押圧部162の他方の端部162bが挟まれる。したがって、支持部材161が固定部181に固定される。
前記構成のテレビジョン受像機110によれば、底壁146に設けられた係合部174に係合する取付部163の軸部197を軸として、支持部材161が回動する。これにより、支持部材161とキーパッド156A,156Bとが離れた状態で、支持部材161を係合部174に係合させることができる。したがって、支持部材161によってキーパッド156A,156Bが座屈することを抑制できる。
(第9実施形態)
次に、図34を参照して、第9実施形態に係るテレビジョン受像機110を説明する。なお、第6実施形態の構成と同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。また、下記に説明する以外の構成は、第6実施形態と同じである。
図34に示すように、本実施形態では、底壁146に支持部174が設けられている。第9実施形態に係る支持部174は、複数の突出部177を有している。第8の実施形態と同様に、本実施形態において、第1および第2の嵌合部182,183の基部185,187は、ともに弾性変形可能に形成されている。
支持部材161は、例えば以下のように固定部181に取り付けられる。まず、支持部材161をキーパッド156A,156Bから離した状態で、支持部材161を底壁146に対して略垂直に移動させる。これにより、支持部材161の固定孔172に、突出部177が挿入され、取付部163が底壁146に当接する。
次に、図34の矢印Sに示すように、長円状の固定孔172に沿って、支持部材161を側壁128に略直交する方向に移動させる。支持部材161の押圧部162の両端部162a,162bが、第1および第2の嵌合部182,183を其々乗り越える。これにより、第1嵌合部182の爪部186とキーパッド156Aの接触部157との間に、押圧部162の一方の端部162aが挟まれる。また、第2嵌合部183の爪部188とキーパッド156Bの接触部157との間に、押圧部162の他方の端部162bが挟まれる。したがって、支持部材161が固定部181に固定される。
前記構成のテレビジョン受像機110によれば、支持部材161を側壁128に略直交した方向に移動させることで、支持部材161を固定部181に固定できる。これにより、テレビジョン受像機110の構造が簡単になり、製造コストが低減する。
支持部材161は、キーパッド156A,156Bから離れた状態で、底壁146に対して移動できる。これにより、支持部材161がキーパッド156A,156Bを座屈させることを抑制できる。
(第10実施形態)
次に、図35及び図36を参照して、第10実施形態に係る電子機器を説明する。なお、第6実施形態の構成と同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。また、下記に説明する以外の構成は、第6実施形態と同じである。
図35は、第10実施形態に係るスレートコンピュータ(パーソナルコンピュータ、タブレットPC)201を分解して示す。スレートコンピュータ201は、「電子機器」の一例である。
図35に示すように、スレートコンピュータ201は、筐体115を備えている。筐体115は、筐体115の前面121を形成するフロントカバー135と、リアカバー136とを有している。リアカバー136は、筐体115の側面を形成する側壁128と、筐体115の背面を形成する底壁146と、筐体115の他方の側面を形成する他の側壁203とを有している。
図36に示すように、側壁128には、例えば電源ボタンおよび音量調節ボタンのような複数のボタン131が設けられている。第6実施形態と同様に、ボタン131は側壁128に設けられた開口部147A,147Bに挿通されており、該開口部147A,147Bはキーパッド156A,156Bに塞がれている。キーパッド156A,156Bは、支持部材161の押圧部162によって、側壁128に押圧されている。
図35に示すように、他の側壁203は、側壁128の反対側に位置している。他の側壁203に、複数の開口部204が設けられている。開口部204にそれぞれ対応して、筐体115の内部に複数のスピーカー205が収容されている。スピーカー205は、筐体115の内側から他の側壁203に当接し、対応する開口部204を塞いでいる。
前記構成のスレートコンピュータ201によれば、第6実施形態と同様に、開口部147A,147Bを覆うキーパッド156A,156Bが、支持部材161によって側壁128に押圧される。これにより、筐体115の内部に水のような液体や、砂塵が侵入することを抑制できる。
キーパッド156A,156Bの変位部158に押されるスイッチ141A,141Bが実装されるモジュール基板139の位置は、キーパッド156A,156Bに対して自由となる。これにより、例えばモジュール基板139のような基板によってキーパッド156A,156Bを押さえたり、開口部147A,147Bが設けられる位置で筐体115を分割したりする必要がなくなる。したがって、スレートコンピュータ201の設計自由度が向上する。
以上説明した実施形態によれば、電子機器の組立性の向上及び電子機器の小型化を図ることができる。なお、上記説明した全ての実施形態に係る全ての部品や部材(全ての技術思想)は、互いに組み合わせて実施可能である。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具現化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
以下、いくつかのテレビジョン受像機を付記する。
[1]、(i)底面を含む溝が周縁部に設けられた第1部材と、(ii)前記第1部材に取り付けられて前記溝を覆う第2部材と、(iii)前記溝に取り付けられ、前記第1部材の周縁部に沿う環状のパッキング部と、該パッキング部に部分的に設けられて前記溝の底面と略平行に突出した複数の突出部とを有し、該突出部と前記溝の底面との間に隙間が設けられ、前記パッキング部が前記第1部材と前記第2部材との間に挟まれたシーリング部材と、(iv)前記第2部材に設けられ、前記溝の底面とは反対側から前記突出部に面した支持部と、を有したテレビジョン受像機。
[2]、[1]の記載において、前記複数の突出部は、前記パッキング部の内周面から前記パッキング部の内側に突出したテレビジョン受像機。
[3]、[1]または[2]の記載において、前記パッキング部は、前記溝の底面に接する第1端部と、前記第2部材に接する第2端部とを有し、前記突出部は、前記第2端部との間に段差部を有し、前記第2端部よりも前記溝の底面の近くに位置したテレビジョン受像機。
[4]、[3]の記載において、前記支持部は、前記突出部に対応した位置に部分的に設けられて前記第2部材から前記突出部に向いて突出した突起であるテレビジョン受像機。
[5]、[4]の記載において、前記突起の先端部は、前記溝の内部に入り込み、前記溝の内部で前記突出部に面したテレビジョン受像機。
[6]、[5]の記載において、前記パッキング部の第2端部は、前記第2部材に近付くに従い細くなる楔形に設けられたテレビジョン受像機。
[7]、[1]または[6]の記載において、前記パッキング部は、該パッキング部の形状が直線状から変化した経路変化部を有し、前記複数の突出部は、前記経路変化部の両側に分かれて位置したテレビジョン受像機。
[8]、(i)第1部材と、(ii)前記第1部材に第1方向から取り付けられた第2部材と、(iii)線状のパッキング部と、該パッキング部の延びた方向に分かれて設けられて前記第1方向とは交差した第2方向に突出した複数の突出部とを有し、前記パッキング部が前記第1部材と前記第2部材との間に挟まれた弾性部と、(iv)前記第2部材に設けられ、前記第1部材とは反対側から前記突出部に面した支持部と、を有したテレビジョン受像機。
[9]、[8]の記載において、前記突出部と前記第1部材との間には、隙間が設けられたテレビジョン受像機。
[10]、(i)パッキング部と、該パッキング部に部分的に設けられた突出部とを有した弾性部と、(ii)前記突出部に面した第1部分を有した第1部材と、(iii)前記第1部分とは反対側から前記突出部に面した第2部分を有し、前記第1部材との間に前記パッキング部が挟まれた第2部材と、を有したテレビジョン受像機。