以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。以下においては、文字入力装置の一例である携帯電子機器として携帯電話機を例として説明するが、本発明の適用対象は携帯電話機に限定されるものではなく、例えば、PHS(Personal Handyphone System)、PDA、ポータブルナビゲーション装置、ゲーム機等に対しても本発明は適用できる。
図1は、本発明の文字入力装置の一例である携帯電子機器の一実施形態の概略構成を示す正面図である。図2は、図1に示す携帯電子機器の側面図である。まず、携帯電子機器の構成を説明する。携帯電子機器1は、無線通信機能を備えた携帯電話機である。携帯電子機器1は、筐体1Cが第1筐体1CAと第2筐体1CBとで開閉可能に構成された、折り畳み式の携帯電話機である。なお、図1、図2は、携帯電子機器1を開いた状態である。
第1筐体1CAには、表示部として、図1に示すメインディスプレイ2Mが設けられる。メインディスプレイ2Mは、所定の画像として、携帯電子機器1が受信を待機している状態のときに待ち受け画像を表示したり、携帯電子機器1の操作を補助するために用いられるメニュー画像を表示したりする。また、図1に示すように、第1筐体1CAには、携帯電子機器1の通話時に音声を発するレシーバ6が設けられている。
第2筐体1CBには、通話相手の電話番号や、メール作成時等に文字を入力するための操作キー3が複数設けられ、また、メインディスプレイ2Mに表示されるメニューの選択及び決定や画面のスクロール等を容易に実行するための方向及び決定キー4が設けられる。なお、操作キー3及び方向及び決定キー4は、携帯電子機器1の操作部28(図3参照)を構成する。また、第2筐体1CBには、携帯電子機器1の通話時に音声を受け取るマイク5が設けられる。
また、第1筐体1CAと第2筐体1CBとは、ヒンジ18で連結されている。これによって、第1筐体1CA及び第2筐体1CBは、ヒンジ18を中心としてともに回動して、互いに遠ざかる方向及び互いに接近する方向(図2の矢印Rで示す方向)に回動できるように構成される。第1筐体1CAと第2筐体1CBとが互いに遠ざかる方向に回動すると携帯電子機器1が開き、第1筐体1CAと第2筐体1CBとが互いに接近する方向に回動すると携帯電子機器1が閉じる。
次に、携帯電子機器1の機能と制御部との関係を説明する。図3は、図1に示す携帯電子機器の機能の概略構成を示すブロック図である。図3に示すように携帯電子機器1は、主制御部22と、記憶部24と、通信部26と、操作部28と、入力データ取得部29と、音声処理部30と、表示部32と、表示制御部33と、を有する。
主制御部22は、携帯電子機器1の全体的な動作を統括的に制御する処理部、例えばCPU(Central Processing Unit)である。すなわち、携帯電子機器1の各種の処理が、操作部28の操作や携帯電子機器1の記憶部24に保存されるソフトウェアに応じて適切な手順で実行されるように、通信部26、表示部32等の動作を制御する。主制御部22は、記憶部24に保存されているプログラム(例えば、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。記憶部24には、主制御部22での処理に利用されるソフトウェアやデータが保存されている。具体的には、文字変換処理を行うソフトウェアや、メールの送受信を行うソフトウェアや、文字変換の際に変換候補の抽出に用いられる辞書データ等が保存されている。
通信部26は、基地局によって割り当てられるチャネルを介し、基地局との間でCDMA方式などによる無線信号回線を確立し、基地局との間で電話通信及び情報通信を行う。
操作部28は、例えば、電源キー、通話キー、数字キー、文字キー、方向キー、決定キー、発信キーなど、各種の機能が割り当てられた操作キー3と、方向及び決定キー4とで構成され、これらのキーがユーザの操作により入力されると、その操作内容に対応する信号を発生させる。そして、発生した信号は、ユーザの指示として入力データ取得部29へ入力される。
入力データ取得部29は、操作部28から発生した信号と、入力の設定に基づいて、制御信号を生成し、生成した制御信号を主制御部22に入力する。例えば、文字入力の場合は、操作キー3の各キーの操作回数に基づいて、各キーに割り当てられている文字から1つの文字を抽出し、文字情報として主制御部22に出力する。本実施形態では、操作キー3は、15個のキーで構成されており、そのうち10個のキーに、数字を入力するモードのときに、1から9及び0が入力されるように割り振られている。さらに、数字の1から9が割り振られたキーには、文字を入力するモードのときにそれぞれあ行からら行の文字を入力するように割り振られており、数字の0が割り振られたキーに「わ」、「を」、「ん」を入力するように割り振られている。また、各行が割り振られているキーには、その行の拗音や上述の数字も割り振られている。これらのキーに割り振られた文字は、所定の配列順番が設定されている。具体的には、あ行及び1が割り振られている「1あ」キーは、「あ」、「い」、「う」、「え」、「お」、「ぁ」、「ぃ」、「ぅ」、「ぇ」、「ぉ」、「1」という配列順番が設定されている。また、配列順番は、トグルになっている。つまり、キーに割り当てられた文字は、循環するように設定されており、「1」の次は「あ」となり、その後上記の配列順番が繰り返される設定となっている。
また、入力データ取得部29は、操作キーの押下を検出し、押下の回数に基づいて配列順番の文字の中で表示させる(選択する)文字を決定する。入力データ取得部29は、同じ操作キー3が連続して押下された場合、つまり、直前と同じ操作キー3(正確には、操作キー3の中の1つのキー)が押下された場合は、押下回数に基づいて配列順番の中で表示させる文字(入力候補文字)を選択する。また、入力データ取得部29は、異なる操作キー3が押下された場合、つまり、直前に押下された操作キー3とは異なる操作キー3(正確には、操作キー3の中の1つのキー)が押下された場合は、押下された操作キー3の配列順番が先頭の文字を表示させる。
音声処理部30は、マイク5に入力される音声信号やレシーバ6から出力される音声信号の処理を実行する。
表示部32は、液晶ディスプレイ(LCD、Liquid Crystal Display)や、有機EL(Organic Electro−Luminescence)パネルなどで構成された表示パネル(上述したメインディスプレイ2M等)を備え、主制御部22から表示制御部33を介して供給される映像データに応じた映像、画像データに応じた画像を表示パネルに表示させる。
次に、携帯電子機器1の動作、操作部28に入力される操作と、主制御部22における処理について説明する。ここで、図4は、携帯電子機器の処理動作の一例を示すフロー図であり、図5は、携帯電子機器の動作を説明するための説明図である。なお、図4に示すフロー図は、電子メールを作成し、送信する処理の一例を示すフロー図である。また、図6から図8は、それぞれ携帯電子機器の動作を説明するための説明図である。具体的には、図6は、文字列として「ちょうくうき」を入力して変換を行う場合の表示例を示す図であり、図7は、文字列として「ちょうくうきよめない」と入力し、変換を行った後、KY語変換メニューを選択した場合の表示例の一例を示す図である。また、図8は、文字列として「ごめん、俺って超空気読めないからさ」を作成した後、KY語変換メニューを選択した場合の表示例の一例を示す図である。
まず、携帯電子機器1の主制御部22は、ステップS12として、起動操作を検知、つまり、文字入力機能の起動指示を検知したら、ステップS14として、文字入力画面を起動させる。具体的には、主制御部22は、操作者による操作により、メールアプリケーションプログラムを起動させる指示や、テキスト入力を起動する指示を検知したら、文字入力画面を起動させる。また、主制御部22は、記憶部24から文字変換を行うためのソフトウェアのデータを読み出しソフトウェアを起動させる。
次に、主制御部22は、ステップS14で文字入力画面を起動された後、ステップS16として、キー押下動作を検知、つまり、操作者により文字入力操作がされたことを入力データ取得部29で検出したら、ステップS18として、文字表示処理を行う。つまり、主制御部22は、ステップS16とステップS18とで、操作者の文字入力操作を検出し、その入力操作に基づいた文字または文字列(以下「文字列」という。)を表示部32に表示させる。なお、ステップS18で表示される文字列は、変換前の文字列であり、操作者に入力された文字列をそのまま表示する。
主制御部22は、ステップS18で文字表示処理を行ったら、ステップS20として、辞書読み出し処理を行う。具体的には、主制御部22は、文字列を漢字等に変換する変換候補を作成するために記憶部24に記憶されている辞書データを読み出す。なお、主制御部22は、記憶部24から辞書データの全てのデータを読み出してもよいが、ステップS16で入力されて確定していない(処理の対象となる)文字列に応じて、読み出すデータを絞りこんでもよい。
主制御部22は、ステップS20で辞書データの読み出し処理を行ったら、ステップS22として、文字列の単語分割処理を行う。つまり、変換候補を作成するために、変換の対象となる文字列を単語に分割する。ここで文字列を単語に分割する方法は特に限定されないが、例えば、文字列と辞書データの単語との比較を行いながら、文字列中の単語を抽出することで分割することができる。また、文字列を異なる文字位置で分割し、複数の異なるパターンに分割するようにしてもよい。
主制御部22は、ステップS22で変換の対象となる文字列を単語に分割したら、ステップS24として、KY語変換候補を作成する。ここで、KY語とは、文字列を構成する各単語の頭文字をローマ字化し、その先頭のアルファベットのみを繋げたもので、頭文字略語の一種である。図5に示すように単語の頭文字の入力かなとアルファベットとが対応している。具体的には、「あ」には「A」が対応しており、「い」には「I」が対応しており、「か」「き」「く」「け」「こ」には、「K」が対応している。また、拗音には、それぞれアルファベットの小文字が対応している。具体的には、「ぁ」には、「a」が対応しており、「ぃ」には、「i」が対応しており、「ゃ」には、「y」が対応している。主制御部22は、分割した各単語の頭文字をローマ字化し、各単語の先頭のアルファベットを繋げることでKY語を生成する。また、主制御部22は、文字列が、複数パターンの単語に分割されている場合は、各パターンをそれぞれKY語に変換する。
主制御部22は、ステップS24でKY語変換候補を作成したら、ステップS26として、変換候補文字の表示処理を行う。つまり、変換候補となる文字列を表示部32に表示させる。具体的には、ステップS24で作成したKY語変換候補と、ステップS22で分割した単語と辞書データとに基づいて作成される変換候補(例えば少なくとも一部を漢字変換した文字列や、カタカナに変換した文字列)とを表示部32に表示させる。なお、表示させる変換候補の数は特に限定されず、任意の数とすればよい。また、操作者によるスクロール操作等で、表示させる変換候補を変更するようにしてもよい。
主制御部22は、ステップS26で変換候補文字を表示部32に表示させたら、ステップS28として、選択操作が入力されたかを判定する。つまり、操作者により複数の変換候補の中の1つを選択する操作が入力されたかを判定する。なお変換候補を選択する動作としては、十字キー等の入力に対応させて選択している変換候補を変化させる動作が例示される。
主制御部22は、ステップS28で選択操作の入力がない(No)と判定したら、ステップS29として文節変更処理が入力されたかを検知する。ここで、文節変更処理とは、変換候補の文字列を単語に分割する位置を変化させる処理であり、操作者が十字キー等を操作することで、文節位置を変化させる指示が入力される。主制御部22は、ステップS29で文節変更処理を検知したら(Yes)、ステップS20に進む。なお、主制御部22は、ステップS29でYesと判定された後、ステップS22に進んだ場合は、ステップS29で入力された文節に基づいて、変換の対照となる文字列を単語に分割する。
主制御部22は、ステップS29で文節変更処理を検知していない(No)場合、ステップS16に進む。つまり、主制御部22は、変換候補の選択操作の入力がなく、文節変更処理もない場合は、変換の対象となる文字列の入力が終了していないと判定して、操作者による文字入力操作の検知を行う。その後、新たに追加された文字も加えた文字列を変換の対象としてステップS18からステップS28までの処理を行う。
例えば、図6に示すように、主制御部22は、操作キー3の操作により文字列「ちょう」と入力されると、辞書データに基づいて「超」、「長」、「帳」、「蝶」、「ちょう」、「チョウ」を変換候補として作成して表示部32に表示し、さらに、「C」、「CU」をKY語変換候補として作成して表示部32に表示する。ここで、KY語変換候補「C」は、「ちょう」を1つの単語として作成し、KY語変換候補「CU」は、「ちょ」と「う」をそれぞれ単語に分割することで作成している。
その後、確定処理を行わず文字入力を継続して「くうき」と入力すると、文字列が「ちょうくうき」となる。文字列が「ちょうくうき」となると、辞書データに基づいて「超空気」、「長句右記」、「ちょうくうき」、「チョウクウキ」を作成して変換候補として表示し、「CK」、「CUU」をKY語変換候補として作成し表示部32に表示する。なお、このとき、KY語変換候補「CK」は、「ちょう」と「くうき」をそれぞれ単語に分割することで作成し、KY語変換候補「CUU」は、「ちょ」と「うく」と「うき」をそれぞれ単語に分割することで作成している。
次に、主制御部22は、ステップS28で選択候補の入力あり(Yes)と判定したら、ステップS30として、変換候補としてKY語が選択されたかを判定する。つまり、変換候補のうち、ステップS24で作成したKY語変換候補が選択されたかを判定する。主制御部22は、ステップS30でKY語が選択された(Yes)と判定したら、ステップS32として、分割単語上にドット表示処理を行う。具体的には、選択されたKY語変換候補で頭文字として判定されている文字、つまり分節した単語の先頭の文字でアルファベット表示の基礎となっている文字の上部にドットを表示させる。なお、ドットの表示位置は特に限定されず、単語の先頭の文字を認識できればよい。
具体的には、図6に示すように、文字列「ちょうくうき」の変換候補の中から変換する文字列を選択するときに、選択候補としてKY語変換候補「CK」を選択すると、「ちょう」の頭文字である「ち」と、「くうき」の頭文字である「く」の上部にドットが表示される。また、選択候補としてKY語変換候補「CUU」を選択すると、「ちょ」の頭文字である「ち」と、「う」の頭文字である「うく」と、「うき」の頭文字である「う」の上部にドットが表示される。
主制御部22は、ステップS30で変換候補としてKY語が選択されていない(No)と判定したら、または、ステップS32で分割単語上にドット表示処理を行ったら、ステップS34として、単語確定操作が入力を判定する。確定させる操作としては、決定キーを押下する動作や、次の文字を入力する動作等が例示される。主制御部22は、ステップS34で単語確定操作が入力されていない(No)と判定したら、ステップS28に進み、上記操作を繰り返す。
また、主制御部22は、ステップS34で単語確定操作が入力された(Yes)と判定したら、変換の対象となる文字列を選択された文字列で確定させ、さらに、ステップS36として、文字入力が継続されているかを判定する。ここで、主制御部22は、文字キーが押下され次の文字の入力操作を検出したら、文字入力が継続されていると判定する。主制御部22は、ステップS36で文字入力が継続している(Yes)と判定したら、ステップS16に進み、上記操作を繰り返す。また、主制御部22は、ステップS36で文字入力が継続していない(No)と判定したら、ステップS38として、メニューキーが押下されているかを検知する。ここで、メニューキーは、操作キー3及び方向及び決定キー4のいずれかのキーであり、押下されたらメニュー画面を表示させる指示を出力するキーである。主制御部22は、ステップS38でメニューキーの押下を検知しなかったら(No)、ステップS54に進む。
また、主制御部22は、ステップS38でメニューキーの押下を検知したら(Yes)、ステップS40として、表示部32の表示を更新する。具体的にはメニュー画面を表示させる。次に、主制御部22は、ステップS42として、KY語変換候補メニューが選択されたことを検知したら、ステップS44に進む。ここで、KY語変換候補メニューとは、メニュー画面で選択可能な機能であり、変換の確定処理がされている文字列をKY語に変換する機能である。また、文字列は、ユーザによって選択できるようにしても、メニュー選択時の状態等に応じて主制御部22で自動的に抽出するようにしてもよい。なお、本制御例では、メニューを画面に表示した後、KY語変換候補メニューを選択する場合として説明するが、ステップS40で表示されるメニュー画面に複数の機能を表示させ、KY語変換候補メニュー以外の種々の機能も実行できるようにしてもよい。
また、主制御部22は、ステップS44として、文字列の単語分割処理を行う。なお、主制御部22は、ステップS34で確定した変換に基づいて文字列を単語に分割する。次に、主制御部22は、ステップS44で文字列を単語に分割したら、ステップS46として、KY語変換候補を作成する。なお、このとき各単語の頭文字は、変換前のかな入力に基づいて決定しても、辞書データに入力されている読みに基づいて決定してもよい。なお、操作者により選択可能とすることが好ましい。主制御部22は、ステップS46でKY語変換候補を作成したら、ステップS48として、変換候補文字の表示処理を行う。つまり、ステップS46で作成したKY語変換候補を表示部32に表示させる。
主制御部22は、ステップS48で変換候補を表示部32に表示させたら、ステップS50として、分割単語の下線表示処理を行う。つまり、変換の対象となっている単語に下線を表示させる。なお、このとき下線は、分割した単語に対応して表示させる。つまり、単語毎に別々の下線を表示させる。
具体的には、まず、図7に示すように、主制御部22は、文字列として「ちょうくうきよめない」と入力されると、辞書データに基づいて「超空気読めない」、「長句右記読めない」、「ちょうくうきよめない」を変換候補として作成し表示部32に表示し、「CKY」と「CUY」とをKY語変換候補として作成し表示部32に表示する。なお、このとき、KY語変換候補「CKY」は、「ちょう」と「くうき」と「よめない」をそれぞれ単語に分割することで作成し、KY語変換候補「CUY」は、「ちょうく」と「うき」と「よめない」をそれぞれ単語に分割することで作成している。
次に、変換候補文字として、「超空気読めない」が選択され、確定されると、表示部32に「超空気読めない」が表示される。なお、上記処理は、ステップS34で単語の確定が行われた場合の例である。その後、メニューキーが押下されるとKY語変換候補メニューが表示され、KY語変換候補メニューが選択されると、変換候補として「CKY」が表示される。また、このとき、単語の分割にあわせて、「超」と「空気」と「読めない」のそれぞれに下線が引かれる。
主制御部22は、ステップS50で分割した単語に下線を引いたら、ステップS52として確定入力(処理を確定する入力)があるかを判定する。つまり、ステップS46で作成したKY語や、変換前の文字で確定する指示が入力されたかを判定する。主制御部22は、ステップS52で処理確定の入力がない(No)と判定したら、ステップS53として、文節変更処理が入力されたかを検知する。主制御部22は、ステップS53で文節変更処理を検知したら(Yes)、ステップS44に進む。なお、主制御部22は、ステップS53でYesと判定された後、ステップS44に進んだ場合は、ステップS53で入力された文節に基づいて変換の対象となっている文字列を単語に分割する。
具体的には、図7に示すように変更された文節に基づいて「ちょうくうきよめない」を単語に分節し、変換候補として「著浮く浮世目無い」を作成し、表示する。さらに、その単語に合わせて、KY語変換候補「CUUMN」を作成し表示する。なお、KY語変換候補「CUUMN」は、「著浮く浮世目無い」を「著」「浮く」「浮世」「目」「無い」の5つの単語に分割することで作成している。また、5つの単語には、別々の下線を引いて表示する。
また、他の例として、操作者により操作され、文字入力と変換とが行われ、図8に示すように、文字列として「ごめん、俺って超空気読めないからさ」が作成された後、ステップS38からステップS42でメニュー選択が行われ「KY語変換候補」が選択されたことを検知したら、KY語に変換する部分の始点を選択させる画面を表示させる。この画面を表示させた後、操作者により方向及び決定キー4の操作が入力されると、その入力に合わせて表示部のカーソルを移動させ、操作者の決定に基づいて、始点を決定する。
次に、始点を決定したら、KY語に変換する部分の終点を選択させる画面を表示させる。この画面を表示させた後、操作者により方向及び決定キー4の操作が入力されると、その入力に合わせて表示部のカーソルを移動させ、操作者の決定に基づいて、終点を決定する。始点と終点を決定したら、変換する文字列を単語に分割し、KY語を作成する。本実施例では文字列として「超空気読めない」が選択されているので、KY語として「CKY」と「CUUMN」とを作成する。
その後、「CKY」を選択し確定する処理が入力されたら「超空気読めない」を「CKY」に変換し、「ごめん、俺ってCKYからさ」として、KY語変換を完了させる。このように、KY語に変換する文字列の始点と終点を操作者の操作に基づいて決定するようにしてもよい。
主制御部22は、ステップS53で文節変更処理を検知していない(No)場合、ステップS16に進み、上述した処理を繰り返す。
次に、主制御部22は、ステップS52で確定入力あり(Yes)と判定したら、または、ステップS38でメニューキーが押下されていない(No)と判定したら、ステップS54として、確定文字列データに含まれるKY語と対応する文字とを紐付けして記憶させる。つまり、KY語に、変換の元となった文字を関連付けて記憶させる。
主制御部22は、ステップS56として、入力完了指示、つまり、文章作成終了の指示が入力されたかを判定する。主制御部22は、ステップS56で入力完了指示なし(No)と判定したらステップS16に進み、文字入力および文章作成を継続する。また、主制御部22は、ステップS56で入力完了指示あり(Yes)と判定したら、ステップS58として、メール送信処理を行うかを判定する。ここで、メール送信処理を行うか否かの判定は、操作者による送信指示が入力されているか否かに基づいて判定し、送信指示が入力されていることを検出したら、メール送信処理を行うと判定する。
主制御部22は、ステップS58で送信処理を行う(Yes)と判定したら、ステップS60として、メール送信処理を行い、作成した文章の送信し処理を終了する。なお、メール送信処理は、主制御部22がメールソフトウェアを用い、通信部26を介して他の端末や基地局とデータの通信処理を行うことで行う。また、主制御部22は、ステップS58でメール送信処理を行わない(No)と判定したら、そのまま処理を終了する。なお、メール送信を行わない場合は、作成した文章のデータを記憶部24に保存するようにしてもよい。
このように、変換する文字列を単語に分割し、各単語を、その単語または単語の先頭の文字をローマ字に変換した時の先頭のアルファベットに変換することで、文字列をKY語に変換することができる。これにより、KY語が辞書に記憶されていない単語であってもKY語に変換することが可能となり、操作者が自らアルファベットを入力してKY語を作成する必要がなくなり、かな入力をすることでKY語も作成することができる。これにより、操作者の所望の変換を行うことが可能となり、操作性を高くすることができる。また、辞書機能を用いることなく最新また種々のKY語に変換することが可能となることで、辞書データの作成者の更新の手間を省略することができ、かつ、使用されているKY語を常にリサーチする必要がなくなる。これにより、管理者の負担も軽くすることができる。
また、本実施形態のように、拗音に対して小文字を対応させることで、KY語をより有効に利用することができる。例えば、近年では、メール等の文章で、あ行の文字に拗音を用いる場合があるが、このような場合に、文字列に拗音が用いられていることを認識することができる。例えば「あけましておめでとう」を「ぁけましてぉめでとぅ」とし、この文字列をKY語にしたときに「ao」となる。これにより、「ぁけましてぉめでとぅ」と、元の文字列に拗音が用いられていることを認識することが可能となる。
なお、本実施形態では、単語をそのままKY語にして、文章を繋げるようにしたが、KY語の最後の単語が、名詞以外の品詞、例えば、動詞、副詞、形容詞等の場合は、助詞や助動詞を補うようにすることが好ましい。例えば、「ごめん、俺って超空気読めないからさ」の「超空気読めない」を「CKY」に変換する場合は、「CKY」と「からさ」の間に「だ」を補い、「ごめん、俺ってCKYだからさ」にすることが好ましい。このように、助詞や助動詞を補うことで、KY語に変換した場合の文章をより自然で読みやすい文章とすることが好ましい。
次に、図9及び図10を用いて、KY語変換した文章を表示させる場合について説明する。ここで、図9は、携帯電子機器の処理動作を示すフロー図であり、図10は、携帯電子機器の動作を説明するための説明図である。まず、図9を用いてKY語に変換された文字列を表示させる表示処理の一例について説明する。まず、携帯電子機器1の主制御部22は、基地局等からメールの受信通知が送られていることを検知したら、ステップS70として、メール受信処理を行う。主制御部22は、ステップS70でメールの受信処理を行ったら、ステップS72として受信したメールのデータにKY語変換データがあるかを判定する。つまり、メールのテキストデータに加え、上述のステップS54で作成した紐付けデータがあるかを判定する。主制御部22は、ステップS72でKY語変換データあり(Yes)と判定したら、ステップS74として、KY語変換データ、つまり、KY語に対応つけて送られた紐付けデータをバッファに記憶させた後ステップS76に進む。ここで、バッファは、主制御部22の処理領域を用いても、記憶部24の記憶領域を用いてもよい。また、主制御部22は、ステップS72でKY語変換データなし(No)と判定したら、そのままステップS76に進む。
次に、主制御部22は、ステップS76として、受信したメールデータ、つまり文章のデータをバッファに記憶する。なお、メールに画像等が添付されている場合は、それらのデータもバッファに記憶する。
主制御部22は、ステップS76でメールデータをバッファに記憶したのち、ステップS78として、受信メール表示操作を検知したら、ステップS80として、メールの一覧の表示処理を行う。つまり、主制御部22は、メールをバッファに記憶させたら、受信メール表示操作を検知するまでは、待機状態となる。また、この待機状態のときに、他のメールを受信する場合もある。
主制御部22は、ステップS80でメール一覧を表示させたら、ステップS82として、選択メールプレビュー処理を行う。具体的には、メール一覧の中で、カーソル等により仮選択されたメールの内容の一部や、表題を表示できるようにする。操作者は、メール一覧の中からプレビュー表示されている内容を参考にして、表示させるメールを選択する。操作者がメールを選択すると、主制御部22は、ステップS84として、操作者の選択操作を検知する。
主制御部22は、ステップS84で操作者の選択操作を検知したら、ステップS86として、選択メール(選択されたメール)にKY語変換データがあるかを判定する。主制御部22は、ステップS86で選択メールにKY語変換データなし(No)と判定したら、ステップS88として、メール表示用のレイアウトを呼出す。なお、メール表示のレイアウトとは、KY語変換データがないメールを表示させるためのフレームである。また、レイアウトのデータは、記憶部24に記憶されている。主制御部22は、メール表示用レイアウトを呼出したら、ステップS94に進む。
また、主制御部22は、ステップS86で選択メールにKY語変換データあり(Yes)と判定したら、ステップS90として、KY語表示エリア付きメール表示用レイアウトを呼出す(読み出す)。なお、KY語表示エリア付きメール表示用レイアウトとは、KY語変換データがあるメールを表示させるためのフレームであり、通常の文章を表示させるエリアに加え、KY語に紐付けされたデータを表示させるエリアがある。また、ステップS90のレイアウトのデータも、記憶部24に記憶されている。主制御部22は、ステップS90でKY語表示エリア付きメール表示用レイアウトを呼出したら、ステップS92として、KY語表示エリアにKY語変換データ一覧表示処理を行う。具体的には、必要に応じて、KY語に紐付けされたデータをKY語表示エリアに表示できるように受信データに含まる紐付けデータの処理を行う。
主制御部22は、ステップS88またはステップS92の処理を終えたら、ステップS94として、メール表示エリアにメール表示処理を行う。つまり、選択メールの文章データ等をメール表示エリアに表示するようにデータの処理を行う。これにより、表示部には、選択メールのデータが表示される。
次に、主制御部22は、ステップS96として、選択操作が検知されるかを判定する。具体的には、操作者により選択する操作が入力されているかを検知する。例えば、表示エリアをメール表示エリアからKY語表示エリアに切り替える選択動作や、その逆に切り替える選択動作が入力されているかを判定する。主制御部22は、ステップS96で、選択操作を検知した(Yes)と判定したら、ステップS98として、選択エリアの表示を更新する。例えば、表示部32に表示させるエリアの大きさを切り替えたり、エリア同士の前後関係を切り替えたり、エリア内の表示を切り替えたりする。なお、表示の更新の仕方は操作者の操作や設定により種々のパターンで更新すればよい。
主制御部22は、ステップS96で選択操作を検知していない(No)と判定したら、または、ステップS98の処理を終了したら、ステップS100として、スクロール操作が入力されているかを検知する。本実施形態において、スクロール操作は、方向および決定キー4の方向キーの上下キーが押下される操作である。主制御部22は、ステップS100でスクロール操作を検知したら(Yes)、ステップS102として、選択エリアのスクロール表示処理を行う。具体的には、操作者による上下キーの押下時間、回数に応じて、スクロール量を検知し、そのスクロール量に基づいて表示エリアを移動させる。
主制御部22は、ステップS100でスクロール操作を検知していない(No)と判定したら、または、ステップS102の処理が終了したら、ステップS104として、終了指示があるかを判定する。つまり、メール表示処理を終了する指示が入力されているかを判定する。主制御部22は、ステップS104で終了指示なし(No)と判定したら、ステップS96に進み、上記操作を繰り返し、ステップS104で終了指示あり(Yes)と判定したら、処理を終了する。
次に、図10とともに具体的な一例を説明する。図10に示すように「ちょうくうきよめない」を、「超空気読めない」と変換した後、KY語変換機能で「CKY」と変換したメールを送信する。このメールを受信した受信者が、メールを表示させると、図10の右下の図のように、KY語表示エリアに「CKY」は、「超空気読めない」の略であることを示す情報が記載される。一方、CKYをアルファベットとして入力した場合は、図10の左下の図のように、単にCKYと表示されるのみとなる。
このように、KY語変換機能により、KY語と変換の元となる文字列とを対応させて記憶させ、表示させるようにすることで、KY語の意味が理解できない操作者にメールを送信する場合でも、文章の意味が理解できるようにすることができる。これにより、KY語を利用した場合でも、意味を誤解されることを防止することができ、また、KY語を知らない操作者は、KY語を学習することが可能となる。
なお、本実施形態では、紐付けデータとして、別エリアに表示させるようにしたが、本発明はこれに限定されず、文章データの文末に、KY語と変換前の文字列とを対応させて表示させるようにしてもよい。これにより、KY語変換機能に対応していない端末に送信する場合でも、KY語と元の文字列(単語)との対応を理解することが可能となる。
ここで、上記実施形態では、かな文字やかな漢字混じり文字の文字列をKY語に変換する場合としたが本発明はこれに限定されない。本発明は、文字列を単語に分割し頭文字略語に短縮する種々の場合に用いることができ、英語の文章の場合に各英単語を先頭のアルファベットのみにして連結し、頭文字略語を作成するようにしてもよい。また、英語に限らず種々の言語で頭文字略語を作成することができる。