JP5338054B2 - 画像情報提供装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車室内の乗員から視認できる位置に、画像情報を表示する画面を有する表示装置を設定した画像情報提供装置に関する。
移動中の車両内で車両に固定された画面を見る場合、車両の揺動に伴い画面と乗員との間に相対変位が生じる。一般的に、視覚情報から得られた体の運動情報と前庭器(三半規管、耳石)から得られる運動情報とが一致しないと、動揺に対する違和感や不快感が生じる。
すなわち、乗員が車両内部から外部風景を見ている場合、視覚、前庭器いずれからも空間内での自身の動きに関する情報が得られ、両者が一致するため視覚情報による違和感は生じない。一方、画面を注視した場合、視覚からは画面と乗員との相対変位に関する情報しか得られないため、視覚から判断した自身の動きと、前庭器からの情報から判断した自身の動きとの間に不一致が生じ、違和感や不快感が発生する(感覚矛盾説;Reason, J.T. and Brand, J.J. (1975))。
そこで、車両運動検出手段によって検出された車両の動きを示す情報を用いて、車両に取り付けられた表示装置の車両の動きに伴うピッチ方向の移動量を算出し、また乗員頭部(特に眼球)の動きを推定し、眼球の位置と表示装置の位置に基づき、乗員頭部〜表示装置との並進方向の相対変位を算出する。そして、並進方向の相対変位をキャンセルするように、表示装置に表示されている画像を相対変位方向とは反対方向にリアルタイムで変位させ、画像を空間上に安定して表示するようにした画像情報提供装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このように、乗員頭部と表示装置が相対変位しても、画像を空間上に安定して表示することにより、外部風景(特に、遠方の地平線)と同様に、表示画像が、空間内での乗員運動に関する視覚情報を乗員に与えることができ、この結果、視覚情報と前庭器からの情報の不一致を解消し、違和感や不快感を防ぐことができる。
特開2004-354481号公報
しかしながら、従来の画像情報提供装置の表示装置は、1秒間に複数枚の静止画像を連続して表示することによって動画像を表すもので、1フレーム毎に静止画像の表示位置を制御し、次のフレームによる静止画像に書き換わるまでは、画面上の同じ位置に同じ静止画像が表示される構成になっていた。このため、相対変位をキャンセルする画像変位の動きが速い場合には、1フレームの静止画像表示中に車両や乗員位置が変化することで、空間上の一定方向を見ている乗員の目の網膜上の像にブレが生じ、乗員からは、画像ブレや画像にじみがあるように見えて、画像品質が低下する、という問題があった。
例えば、テレビジョンやDVD(Digital Versatile Diskの略)などの映像方式の場合、1フレーム毎に静止画像の表示位置を制御している。なお、プログレッシブ方式(走査線を1回で全て走査し、1画面分の映像を表示する方式)では、1/30secを1フレーム毎の表示時間とし、インターレース方式(走査線を1本おきに走査し、1画面分の映像を2回に分けて表示する方式)では、1/60secを1フレーム毎の表示時間としている。
また、相対変位をキャンセルする画像変位の動きの速さは、同一周波数の動きの場合には動きの振幅が大きいほど大きくなり、同一変位の動きの場合には周波数が高いほど大きくなる。例えば、振幅5mm(p-p)一定の場合、周波数1Hzでは1/30秒間の移動量は最大約0.5mmであるのに対し、4Hzでは最大約2mmとなり、画面を見ている乗員の網膜に映る像のブレ量が大きくなる。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、乗員と画面が相対変位する場合、空間上に安定して画像表示する画像変位により乗員に与える違和感を防止しながら、相対変位をキャンセルする画像変位の動きが速いときに乗員が感じる画像品質の低下を抑えることができる画像情報提供装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、車室内の乗員から視認できる位置に、画像情報を表示する画面を有する表示装置を設定した画像情報提供装置において、画像表示位置制御手段と、画像表示変更手段と、を備えた手段とした。
前記画像表示位置制御手段は、画像変位量制御部にて計算した画像変位量に基づき、乗員と画面の相対変位をキャンセルするように画像表示位置を変位させて画像表示する。
前記画像表示変更手段は、画像表示位置制御時、静止画像を書き換える1つのフレームを表示変更単位とし、画像表示位置制御により書き換えられる静止画像の移動速度が高いほど、前記静止画像が乗員の網膜上に残像として残ることがないように、乗員の視覚による映像認識度の変更制御要素を、乗員と画面の相対変位速度に応じて1フレーム毎に調整を行って画像表示を変更する。
よって、本発明の画像情報提供装置にあっては、画像表示位置制御手段において、乗員からみて画像が安定するのに必要な画像変位量が計算された場合、乗員と画面の相対変位をキャンセルするように画像を変位する画像表示位置制御が行われ、空間上に安定して画像表示される。このため、視覚情報と前庭器からの情報の不一致が解消され、2つの情報の不一致を原因として乗員が感じる違和感を防止できる。
そして、上記画像表示位置制御時、画像表示変更手段において、静止画像を書き換える1つのフレームを表示変更単位とし、画像表示位置制御により書き換えられる静止画像の移動速度が高いほど、静止画像が乗員の網膜上に残像として残ることがないように、乗員の視覚による映像認識度の変更制御要素を、乗員と画面の相対変位速度に応じて1フレーム毎に調整を行って画像表示が変更される。このため、相対変位をキャンセルする画像変位の動きが速いときでも乗員の網膜上の像ブレが抑えられ、画像ブレや画像にじみがあるように乗員から見えることによる画像品質の低下が抑えられる。
この結果、乗員と画面が相対変位する場合、空間上に安定して画像表示する画像変位により乗員に与える違和感を防止しながら、相対変位をキャンセルする画像変位の動きが速いときに乗員が感じる画像品質の低下を抑えることができる。
以下、本発明の画像情報提供装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1〜実施例3に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は実施例1の画像情報提供装置100を示す全体構成図である。
実施例1の画像情報提供装置100は、乗員と画面の相対変位をキャンセルする画像表示位置制御(画像シフト制御)により違和感を防止すると共に、乗員の視覚による映像認識度の変更制御要素として、液晶ディスプレイ上への画像表示時間、バックライトの点灯時間、バックライトの輝度を用い、これらの変更制御要素を、乗員と画面の相対変位速度に応じて1フレーム毎に調整し、ブレ感の無い画像品質を得るものである。
実施例1の画像情報提供装置100は、図1に示すように、車両運動検出部101と、車両運動推定部102と、乗員運動推定部103と、画像変位量制御部104と、画像入力部105と、視標生成部106と、画像合成部107と、画像変位部108と、画像表示制御部109と、パターンジェネレータ部110と、画像切替部111と、表示装置112と、バックライト113と、画面電源スイッチ114と、を備えている。
前記車両運動検出部101は、車両の並進および回転といった車両運動を検出する。車両運動検出部101としては、例えば、前後方向・横方向・上下方向のGセンサやヨーレイトセンサやジャイロセンサ等が用いられる。
前記車両運動推定部102は、車両運動検出部101により計測された車両運動データに基づき、車両運動(車両の並進および回転)を推定する。
前記乗員運動推定部103は、車両運動推定部102により推定された車両運動に基づき、乗員頭部、特に目の動きを推定する。
前記画像変位量制御部104は、車両運動推定部102により推定された車両運動と、乗員運動推定部103により推定された乗員運動に基づき、必要な画像変位量を算出すると共に、乗員〜画面間の相対速度を算出する。
前記画像入力部105は、表示装置112に表示しようとするテレビジョン画像や映画画像等を入力する外部機器(TVチューナーやDVD再生機等)である。
前記視標生成部106は、表示装置112に表示しようとする画像に合成する視標(可動視標)を生成する。
前記画像合成部107は、画像入力部105からの画像データと、視標生成部106からの視標とを合成する。
前記画像変位部108は、画像変位量制御部104からの画像変位量情報に基づき、画像合成部107からの合成画像を、表示装置112の画面上で変位させた変位画像データを生成する。
前記画像表示制御部109は、画像変位量制御部104からの乗員〜画面間の相対速度情報に基づき、1フレーム毎の画像表示時間と、バックライト113の点灯時間と、バックライト113の輝度を制御する。
前記パターンジェネレータ部110は、合成画像を間欠的に画像表示する際、合成画像と合成画像の間を埋めるパターン画像を生成する。このパターン画像としては、例えば、画面映像として目立たない黒色画像が用いられる。
前記画像切替部111は、画像表示制御部109から1フレーム毎の画像表示時間情報を入力し、1フレームの開始から画像表示時間が経過するまでの間は、画像変位部108からの変位画像データによる合成画像を選択し、画像表示時間経過後から次のフレーム開始までの間は、パターンジェネレータ部110からのパターン画像を選択する。つまり、1フレームの間で合成画像とパターン画像を切り替える。
前記表示装置112は、画像切替部111から入力される合成画像とパターン画像を表示する液晶ディスプレイを備えている。この表示装置112には、画像表示制御部109からの点灯時間および輝度情報に基づき、点灯時間と輝度が制御されるバックライト113を有する。また、表示装置112には、液晶ディスプレイによる映像開始信号を出力する画面電源スイッチ114が設けられている。
なお、実施例1の画像情報提供装置100は、図1に示すように、入出力系を除いた、車両運動推定部102と、乗員運動推定部103と、画像変位量制御部104と、視標生成部106と、画像合成部107と、画像変位部108と、画像表示制御部109と、パターンジェネレータ部110と、画像切替部111によって、画像処理コントローラ115が構成される。
図2は実施例1の画像処理コントローラ115により実行される画像制御処理の流れを示すフローチャートであり、以下、各ステップについて説明する。
ステップS10では、画面電源スイッチ114からのスイッチ信号により画面電源がONであるか否かが判断され、Yesの場合はステップS20へ移行し、Noの場合はステップS10の判断を繰り返す。
ステップS20では、ステップS10あるいはステップS200での画面電源がONとの判断に続き、車両運動検出部101からの検出信号に基づき、車両運動を測定し、ステップS30へ移行する。
ステップS30では、ステップS20での車両運動の測定に続き、車両運動推定部102において、車両運動の測定値に基づき、車両運動を推定し、ステップS40へ移行する。
ステップS40では、ステップS30での車両運動の推定に続き、乗員運動推定部103において、車両運動推定部102からの車両運動情報と人体の頭部揺動の伝達関数情報を用いて乗員の頭部運動を推定し、ステップS50へ移行する。
ステップS50では、ステップS40での頭部運動の推定に続き、画像変位量制御部104において、車両のピッチおよびロール回転運動に伴う画面の上下および左右方向の移動量を算出し、ステップS60へ移行する。
ステップS60では、ステップS50での車両回転による画面移動量算出に続き、画像変位量制御部104において、車両運動の推定値と乗員頭部運動の推定値に基づいて、画面と乗員の眼球との相対変位を算出し、ステップS70へ移行する。
ステップS70では、ステップS60での画面〜眼球の相対変位算出に続き、画像変位量制御部104において、画面上下・左右移動量および画面〜眼球の相対変位に基づき、乗員からみて画像が安定するのに必要な画像変位量と、画面と乗員の眼球との相対速度を算出し、ステップS80へ移行する。
ステップS80では、ステップS70での画像変位量・相対速度算出に続き、画像表示制御部109において、算出された相対速度と予め用意されたルックアップテーブルとから、乗員にブレを感じさせない画像表示時間TVを算出し、ステップS90へ移行する。
ステップS90では、ステップS80での画像表示時間TVの算出に続き、画像表示制御部109において、算出された相対速度と予め用意されたルックアップテーブルとから、乗員にブレを感じさせないバックライト点灯時間TBLと、見た目の明るさを変化させないためのバックライト輝度Bを算出し、ステップS100へ移行する。
ステップS100では、ステップS90でのバックライト点灯時間TBLとバックライト輝度Bの算出に続き、画像合成部107において、表示装置112の画面に表示する元の画像と、元の画像と同期して変位する視標(可動視標)と、元の画像と同期することなく固定した位置に表示される視標(固定視標)を合成(スーパーインポーズ)し、ステップS110へ移行する。
ステップS110では、ステップS100での画像と視標の合成に続き、画像変位部108において、ステップS70にて計算した画像変位量に基づき、合成画像の表示位置をシフトし、ステップS120へ移行する。
ステップS120では、ステップS110での画像のシフトに続き、画像切替部111において、画像表示時間タイマーTMVをリセットし、画像表示制御部109において、バックライト点灯時間タイマーTMBLをリセットし、ステップS130へ移行する。
ステップS130では、ステップS120でのタイマーリセットに続き、画像切替部111と画像表示制御部109において、タイマースタートをし、ステップS140とステップS170に同時へ移行する。
すなわち、画像切替制御(ステップS140〜ステップS160)と、バックライト113の点灯時間および輝度制御(ステップS170〜ステップS190)を併用しながら、1フレーム毎の画像表示変更制御を行う。
ステップS140では、ステップS130でのタイマースタートに続き、画像切替部111において、表示位置をシフトした合成画像を表示装置112に表示し、ステップS150へ移行する。
ステップS150では、ステップS140での合成画像表示に続き、画像切替部111において、画像表示時間タイマーTMVが、ステップS80で算出された画像表示時間TVを超えたか否かを判断し、Yesの場合はステップS160へ移行し、Noの場合はステップS150での判断を繰り返す。
ステップS160では、ステップS150でのTMV>TVであるとの判断に続き、画像切替部111において、パターンジェネレータ部110で生成した黒色画像に切り替え、1フレームが経過するまで黒色画像を維持し、1フレームの所要時間を経過すると、ステップS200へ移行する。
ステップS170では、ステップS130でのタイマースタートに続き、ステップS140での合成画像表示と同時に、画像表示制御部109からの指令により、表示装置112のバックライト113を、ステップS90で算出されたバックライト輝度Bにより点灯させ、ステップS180へ移行する。
ステップS180では、ステップS170でのバックライト点灯に続き、画像表示制御部109において、バックライト点灯時間タイマーTMBLが、ステップS90で算出されたバックライト点灯時間TBLを超えたか否かを判断し、Yesの場合はステップS190へ移行し、Noの場合はステップS180での判断を繰り返す。
ステップS190では、ステップS180でのTMBL>TBLであるとの判断に続き、画像表示制御部109において、バックライト113を1フレームが経過するまで消灯し、1フレームの所要時間を経過するとステップS200へ移行する。
ステップS200では、ステップS160での黒色画像表示とステップS190でのバックライトOFFの状態で1フレーム所要時間の経過待ちに続き、画面電源スイッチ114からのスイッチ信号により画面電源がOFFになったか否かを判断し、Yesの場合(画面電源OFF)は制御を終了し、Noの場合(画面電源ON)であればステップS20に戻り、次のフレームでの画像制御処理を続行する。
なお、ステップS10〜ステップS110は、請求項の画像表示位置制御手段に相当し、ステップS120〜ステップS200は、請求項の画像表示変更手段に相当する。
次に、作用を説明する。
実施例1の画像情報提供装置100における作用を、「画像合成作用」、「画像シフト作用」、「1フレーム毎の画像表示変更作用」に分けて説明する。
[画像合成作用]
図3は実施例1の画像情報提供装置100において外部機器から入力される元の画像から合成画像を生成する過程を示す図で、(a)は元の画像の一例を示し、(b)は可動視標の一例を示し、(c)は固定視標の一例を示し、(d)は合成画像の一例を示す。
まず、画面電源がONとされると、図2に示すフローチャートにおいて、ステップS10→ステップS20→ステップS30→ステップS40→ステップS50→ステップS60→ステップS70→ステップS80→ステップS90→ステップS100へと進む。そして、ステップS100において、表示装置112の画面に表示する元の画像と、元の画像と同期して変位する視標(可動視標)と、元の画像と同期することなく固定した位置に表示される視標(固定視標)が合成(スーパーインポーズ)される。
画像入力部105は、外部機器から入力される表示データを画像合成部107へ送出する。図3(a)は、画像入力部105から画像合成部107に入力される表示データによる元の画像の一例を示す図である。
視標生成部106は、表示装置112に表示する視標(1)を表示するためのデータを生成して画像合成部107へ送出する。図3(b)は、例えば、十字マークで構成された視標(1)を示し、この視標(1)は、図3(a)に示す元の画像の中央部に対応する位置に設定される。なお、視標(1)は、画像シフトによって表示装置112の表示画面内で移動するので、この視標(1)を可動視標と呼ぶ。
視標生成部106は、表示装置112に表示する視標(2)を表示するためのデータを生成して画像合成部107へ送出する。図3(c)は、例えば、水平方向に平行な線で構成された視標(2)を示し、この視標(2)は、表示装置112の表示領域における上下方向の中央位置に設定される。なお、この視標(2)は、画像シフト後の画像データにスーパーインポーズ処理されるので、画像シフトの有無にかかわらず表示装置112の表示画面内で同じ位置に表示される。このため、視標(2)を固定視標と呼ぶ。
表示装置112は、例えば、液晶ディスプレイなどで構成され、入力された表示信号による画像、ならびに視標(1)、視標(2)をそれぞれ表示する。図3(d)は、元の画像に重ねて視標(1)および視標(2)がスーパーインポーズ表示されている表示装置112の表示画面(合成画像)を示す図である。図3(d)において、元の画像の周囲に黒く見える枠は、画像シフト用のシフト代である。図3(d)の例では、画像シフト量が極めて小さいので、元の画像および視標(1)が表示装置112の表示画面の中央部に表示され、左右方向のシフト代、および上下方向のシフト代がそれぞれ同等に示されている。
[画像シフト作用]
図4は実施例1の画像情報提供装置100において画像変位部108による画像シフト作用を説明する図で、(a)は画面上方に変位した場合の一例を示し、(b)は画面下方に変位した場合の一例を示す。
まず、画面電源がONとされると、図2に示すフローチャートにおいて、ステップS10→ステップS20→ステップS30→ステップS40→ステップS50→ステップS60→ステップS70→ステップS80→ステップS90→ステップS100→ステップS110へと進む。そして、ステップS110において、ステップS70にて計算した画像変位量に基づき、合成画像の表示位置がシフトされる。
車両の加減速にともなうピッチ方向の運動について着目する場合、乗員の眼球と表示装置112との相対位置の変位は、
(1)車両側に生じるピッチ動に起因するもの、
(2)乗員側(とくに眼球)に生じるピッチ動に起因するもの、
の2つに大別される。
上記(1)について説明する。一般に、車両が減速すると車両の前部が沈むノーズダイブ現象が生じる。表示装置112による表示画面が乗員に対して車両の進行方向に位置する場合は、ノーズダイブによって表示装置112にピッチ方向(この場合下向き)の回転運動が生じる。このため、乗員の頭部(とくに眼球)の位置が移動しない場合は、乗員には表示装置112が下方に移動するように見える。そこで、画像変位部108は、表示装置112の移動をキャンセルするようにピッチ方向(この場合上向き)に画像の表示位置を変位させるための表示データ加工を行う。
図4(a)は、ノーズダイブ時に車両ピッチ動をキャンセルするため画面を上方に変位する画像シフトが行われた表示装置112の表示画面を示す図である。表示装置112の下方への移動量に応じて、表示装置112に表示される画像を視標(1)と共に上方のシフト代方向へ移動する結果、表示画像および眼球間の相対変位が0になり、乗員にとって表示画像が空間上に停止して見えるようになる。
一般に、画像のコントラストが低い場合や、動きが大きな動画像の場合などには、画像を上方へ移動させたことが乗員にとってわかりにくい。しかしながら、視標(2)を表示装置112の表示画面内で同じ位置に表示しておくことで、視標(2)に対する画像および視標(1)の相対的な移動がわかりやすくなる。
車両減速時のノーズダイブと反対に、車両が加速すると車両の後部が沈むスクワット現象が生じる。表示装置112による表示画面が乗員に対して車両の進行方向に位置する場合は、スクワットによって表示装置112にピッチ方向(この場合上向き)の回転運動が生じる。このため、乗員の頭部(とくに眼球)の位置が移動しない場合は、乗員には表示装置112が上方に移動するように見える。そこで、画像変位部108は、表示装置112の移動をキャンセルするようにピッチ方向(この場合下向き)に画像の表示位置を変位させるための表示データ加工を行う。
図4(b)は、スクワット時に車両ピッチ動をキャンセルするため画面を下方に変位する画像シフトが行われた表示装置112の表示画面を示す図である。表示装置112の上方への移動量に応じて、表示装置112に表示される画像を視標(1)と共に下方のシフト代方向へ移動する結果、表示画像および眼球間の相対変位が0になり、乗員にとって表示画像が空間上に停止して見えるようになる。この場合にも、視標(2)を表示装置112の表示画面内の同じ位置に表示しておくことで、視標(2)に対する画像および視標(1)の相対的な移動がわかりやすい。
上記(2)について説明する。実際の車両減速時・加速時においては、乗員の頭部にもピッチ方向の回転運動がそれぞれ生じる。車両減速時に乗員の頭部が前方に回転すると、表示装置112の位置が移動しない場合は、表示装置112に対して乗員の頭部(とくに眼球)の位置が下方へ移動する。そこで、乗員にとって表示画像が空間上に停止して見えるように表示するためには、乗員の眼球の下方移動量に応じて表示装置112に表示される画像を下方へ移動させる。この場合の画像シフトの向きは、スクワット時に車両ピッチ動をキャンセルする向きと同様である。
車両減速時と反対に、車両加速時に乗員の頭部が後方に回転すると、表示装置112の位置が移動しない場合は表示装置112に対して乗員の頭部(とくに眼球)の位置が上方へ移動する。そこで、乗員にとって表示画像が空間上に停止して見えるように表示するためには、乗員の眼球の上方移動量に応じて、表示装置112に表示される画像を上方へ移動させる。この場合の画像シフトの向きは、ノーズダイブ時に車両ピッチ動をキャンセルする向きと同様である。
上記のように、実施例1では、表示装置112および眼球間の相対変位を求め、この相対変位に応じて画像シフトを行うので、上記(1)および(2)の両ピッチ動による影響をキャンセルするように画像シフトを行うことが可能である。このため、車両の加減速状態であっても表示装置112に表示されている映像が乗員にとって空間上に停止して見えるようにすることができ、視覚情報と前庭器からの情報の不一致が解消され、2つの情報の不一致を原因として乗員が感じる違和感を防止できる。
加えて、視標(1),(2)により、表示装置112の表示画面内で表示画像がシフトされたことを乗員に示すことができる。
[1フレーム毎の画像表示変更作用]
図5は実施例1の画像情報提供装置100において画像切替部111および画像表示制御部109による1フレーム毎の画像表示変更作用を説明するタイムチャートで、(1)は乗員〜画面間の相対速度(=移動速度)の変化特性を示し、(2)は各画像フレームでの画像表示時間の切り替え関係を示し、(3)は各画像フレームでのバックライト113の点灯時間および輝度の関係を示す。
まず、画面電源がONとされると、図2に示すフローチャートにおいて、ステップS10→ステップS20→ステップS30→ステップS40→ステップS50→ステップS60→ステップS70→ステップS80→ステップS90→ステップS100→ステップS110へと進む。そして、ステップS80において、算出された相対速度と予め用意されたルックアップテーブルとから、乗員にブレを感じさせない画像表示時間TVが算出される。また、ステップS90において、算出された相対速度と予め用意されたルックアップテーブルとから、乗員にブレを感じさせないバックライト点灯時間TBLと、見た目の明るさを変化させないためのバックライト輝度Bが算出される。
各画像フレームでの画像表示時間の切り替え制御は、図2に示すフローチャートにおいて、ステップS110から、ステップS120→ステップS130→ステップS140→ステップS150→ステップS160へと進むことで行われる。
すなわち、フレームの開始時点からスタートする画像表示時間タイマーTMVが、相対速度に基づき算出された画像表示時間TVを超えるまでは、表示位置をシフトした合成画像を表示装置112に表示し、画像表示時間TVを超えると、パターンジェネレータ部110で生成した黒色画像に切り替えられ、1フレームが経過するまで黒色画像が維持される。
また、各画像フレームでのバックライト113の点灯時間および輝度の制御は、図2に示すフローチャートにおいて、ステップS110から、ステップS120→ステップS130→ステップS170→ステップS180→ステップS190へと進むことで行われる。
すなわち、フレームの開始時点からスタートするバックライト点灯時間タイマーTMBLが、相対速度に基づき算出されたバックライト点灯時間TBLを超えるまではバックライト113を輝度Bにより点灯し、バックライト点灯時間TBLを超えると、点灯しているバックライト113を1フレームが経過するまで消灯する。
したがって、図5のフレーム1やフレーム5のように、乗員〜画面間の相対速度(移動速度)が大きい場合には、網膜上の像ブレを防止するため、合成画像の表示時間とバックライト113の点灯時間を短くすると共に、バックライト113の点灯時間短縮に伴う画面の輝度低下を防ぐために、バックライト113の輝度レベルを大きくしている。
逆に、図5のフレーム2やフレーム3のように、乗員〜画面間の相対速度(移動速度)が小さい場合には、網膜上の像ブレがほとんど無いため、合成画像の表示時間とバックライト113の点灯時間を長くすると共に、バックライト113の点灯時間が長くなることに伴う画面輝度の変化を抑え、フレーム1やフレーム5と同じ明るさを保つように、バックライト113の輝度レベルを小さくしている。
上記のように、実施例1における1フレーム毎の画像表示変更制御では、画像シフト制御による画像表示位置の移動速度が高いほど、1フレーム毎の画像表示時間を短くしている。このため、1つのフレームの静止画像から次のフレームの静止画像へと大きなブレ量にて乗員の網膜上の像が移動する場合、乗員の視覚による映像認識度が低くなる。
つまり、静止画像の表示が常に明瞭である場合、フレームの静止画像が移動すると、移動前の明瞭な静止画像が乗員の網膜上に残像として残り、これが、画像ブレや画像にじみがあるように乗員から見える原因となる。
これに対し、画像表示時間を制御すると、1フレーム中で合成画像表示と黒色画像表示が行われ、1フレームでの合成画像の表示時間が短いほど瞬間的に乗員の網膜上に像が映ることになる。このため、乗員からは合成画像の表示時間が短いほどフレームの静止画像輪郭等が視覚的にぼやけて見える。したがって、画像シフト制御による画像表示位置の移動速度が高いとき、次のフレームに移動する前のフレームにおける静止画像が乗員の網膜上に残像として殆ど残ることがなく、表示装置112の画像を見ている乗員は、画像ブレや画像にじみを感じないものとなる。
実施例1における1フレーム毎の画像表示変更制御では、画像シフト制御による画像表示位置の移動速度が高いほど、1フレーム毎のバックライト113の点灯時間を短くしている。このため、1つのフレームの静止画像から次のフレームの静止画像へと大きなブレ量にて乗員の網膜上の像が移動する場合、乗員の視覚による映像認識度が低くなる。
このバックライト113の点灯時間についても、1フレーム毎の画像表示時間を短くした場合と同様に、バックライト113の点灯時間が短いほど瞬間的に乗員の網膜上に像が映ることになるため、表示装置112の画像を見ている乗員は、画像ブレや画像にじみを感じないものとなる。
さらに、実施例1における1フレーム毎の画像表示変更制御は、1フレーム毎の画像表示時間とバックライト113の点灯時間の両方を制御している。このため、1フレーム中で合成画像表示と黒色画像表示のうち、黒色画像表示ではバックライト113の消灯により暗く沈んだ黒色表示となり、両者の相乗効果により、表示装置112の画像を見ている乗員からは、画像ブレや画像にじみをほぼ感じないものとすることができる。
なお、1フレーム毎の画像表示変更制御において、画像シフト制御による画像表示位置の移動速度が高いほど、1フレーム毎のバックライト113の輝度を低くした場合も、表示装置112の画像を見ている乗員は、画像ブレや画像にじみを感じないものとなる。
加えて、実施例1では、乗員から見た表示画面の輝度が一定となるように、バックライト113の点灯時間が短い時間であるほど、バックライト113の輝度を高くするようにした。このため、バックライト113の点灯時間の変更によるフレーム毎の画像表示変更制御を行っているにも関わらず、表示装置112の画面輝度を一定に保つことが可能になる。この結果、画面の明るさの変動が抑えられ、表示装置112の画面を見ている乗員に対して違和感を与えることを防止できる。
次に、効果を説明する。
実施例1の画像情報提供装置100にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) 車室内の乗員から視認できる位置に、画像情報を表示する画面を有する表示装置112を設定した画像情報提供装置100において、前記乗員と前記画面が相対変位する場合、乗員と画面の相対変位をキャンセルするように画像表示位置を変位させ、空間上に安定して画像表示する画像表示位置制御手段(ステップS10〜ステップS110)と、画像表示位置制御時、1フレームの静止画像表示中に車両や乗員の位置が変化することで、空間上の一定方向を見ている乗員の目の網膜上の像にブレが生じるとき、この網膜上の像ブレを抑制する画像表示に変更する画像表示変更手段(ステップS120〜ステップS200)と、を備えたため、乗員と画面が相対変位する場合、空間上に安定して画像表示する画像変位により乗員に与える違和感を防止しながら、相対変位をキャンセルする画像変位の動きが速いときに乗員が感じる画像品質の低下を抑えることができる。
(2) 前記画像表示変更手段(ステップS120〜ステップS200)は、静止画像を書き換える1つのフレームを表示変更単位とし、画像表示位置制御による画像表示位置の移動速度が高いほど画面を見ている乗員の目に映る映像認識度が低くなるように、画像表示形態を1フレーム毎に変更するため、静止画像のフレーム数を変えることなく、1フレーム毎の画像表示形態の制御により、乗員から見た映像認識度を変更するだけで、乗員の網膜上の像にブレが生じることを防止することができる。
(3) 前記表示装置112は、画像を表示する表示画面の明るさをバックライト113の輝度により調整するディスプレイであり、前記画像表示変更手段(ステップS120〜ステップS200)は、1フレーム毎の前記表示画面に対する画像表示時間と、1フレーム毎の前記バックライト113の点灯時間と、1フレーム毎の前記バックライト113の輝度のうち、少なくとも一つを変更するため、1フレーム毎に変更する画像表示形態の選択自由度が高いと共に、選択した画像表示形態の一つを変更するだけで、相対変位をキャンセルする画像変位の動きが速いとき、乗員の網膜上の像にブレが生じることを防止することができる。
(4) 前記画像表示変更手段(ステップS120〜ステップS200)は、1フレーム毎の画像表示時間とバックライト113の点灯時間を、画像表示位置制御による画像表示位置の移動速度が高いほど短い時間とするため、画像表示時間と点灯時間の相乗効果により、相対変位をキャンセルする画像変位の動きが速いとき、乗員の網膜上の像にブレが生じることを整然と防止することができる。
(5) 前記画像表示変更手段(ステップS120〜ステップS200)は、乗員から見た表示画面の輝度が一定となるように、バックライト113の点灯時間が短い時間であるほどバックライト113の輝度を高くするため、バックライト113の点灯時間の変更によるフレーム画像表示の変更制御を行っているにも関わらず、表示装置112の画面輝度を一定に保つことができる。
実施例2は、画像表示を1フレーム中で常時表示としながら、バックライトの点灯時間と輝度を用いて乗員の目に映る映像認識度を変更するようにした例である。
まず、構成を説明する。
図6は実施例2の画像情報提供装置200を示す全体構成図である。
実施例2の画像情報提供装置200は、乗員と画面の相対変位をキャンセルする画像表示位置制御(画像シフト制御)により違和感を防止すると共に、乗員の視覚による映像認識度の変更制御要素として、バックライトの点灯時間とバックライトの輝度を用い、これらの変更制御要素を、乗員と画面の相対変位速度に応じて1フレーム毎に調整し、ブレ感の無い画像品質を得るものである。
実施例2の画像情報提供装置200は、図6に示すように、車両運動検出部201と、車両運動推定部202と、乗員運動推定部203と、画像変位量制御部204と、画像入力部205と、視標生成部206と、画像合成部207と、画像変位部208と、バックライト制御部209と、表示装置212と、バックライト213と、画面電源スイッチ214と、を備えている。なお、バックライト制御部209を除き、他の構成は、図1に示す実施例1の画像情報提供装置100に記載された対応構成と同様であるので、説明を省略する。
前記バックライト制御部209は、画像変位量制御部204からの乗員〜画面間の相対速度情報に基づき、1フレーム毎のバックライト213の点灯時間と、点灯中のバックライト213の輝度を制御する。
なお、実施例2の画像情報提供装置200は、図6に示すように、入出力系を除いた、車両運動推定部202と、乗員運動推定部203と、画像変位量制御部204と、視標生成部206と、画像合成部207と、画像変位部208と、バックライト制御部209によって、画像処理コントローラ215が構成される。
図7は実施例2の画像処理コントローラ215により実行される画像制御処理の流れを示すフローチャートであり、以下、各ステップについて説明する。なお、ステップS210〜ステップS310の各ステップは、図2に示すフローチャートのステップS10〜ステップS110の各ステップ(ステップS80を除く)と同様であるので、説明を省略する。
ステップS320では、ステップS310での画像のシフトに続き、バックライト制御部209において、バックライト点灯時間タイマーTMBLをリセットし、ステップS330へ移行する。
ステップS330では、ステップS320でのタイマーリセットに続き、バックライト制御部209において、タイマースタートをし、ステップS340とステップS370に同時へ移行する。
すなわち、合成画像の常時表示を行いながら(ステップS340)、バックライト113の点灯時間および輝度の制御(ステップS370〜ステップS390)により、1フレーム毎の画像表示変更制御を行う。
ステップS340では、ステップS330でのタイマースタートに続き、画像変位部208において、フレームの開始から終了までの間、表示位置をシフトした合成画像を表示装置212に常時表示し、ステップS400へ移行する。
ステップS370では、ステップS330でのタイマースタートに続き、バックライト制御部209において、表示装置212のバックライト213を、ステップS290で算出されたバックライト輝度Bにより点灯させ、ステップS380へ移行する。
ステップS380では、ステップS370でのバックライト点灯に続き、バックライト制御部209において、バックライト点灯時間タイマーTMBLが、ステップS290で算出されたバックライト点灯時間TBLを超えたか否かを判断し、Yesの場合はステップS390へ移行し、Noの場合はステップS380での判断を繰り返す。
ステップS390では、ステップS380でのTMBL>TBLであるとの判断に続き、バックライト制御部209において、バックライト213を1フレームが経過するまで消灯し、1フレームの所要時間を経過するとステップS400へ移行する。
ステップS400では、ステップS340での合成画像表示とステップS390でのバックライトOFFの状態で1フレーム所要時間の経過待ちに続き、画面電源スイッチ214からのスイッチ信号により画面電源がOFFになったか否かを判断し、Yesの場合(画面電源OFF)は制御を終了し、Noの場合(画面電源ON)であればステップS220に戻り、次のフレームでの画像制御処理を続行する。
なお、ステップS210〜ステップS310は、請求項の画像表示位置制御手段に相当し、ステップS320〜ステップS400は、請求項の画像表示変更手段に相当する。
次に、作用を説明する。
実施例2の画像情報提供装置200における1フレーム毎の画像表示変更作用を説明する。
なお、「画像合成作用」、「画像シフト作用」については、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
[1フレーム毎の画像表示変更作用]
図8は実施例2の画像情報提供装置200においてバックライト制御部209による1フレーム毎の画像表示変更作用を説明するタイムチャートで、(1)は乗員〜画面間の相対速度(=移動速度)の変化特性を示し、(2)は各画像フレームでの画像表示時間を示し、(3)は各画像フレームでのバックライト213の点灯時間および輝度の関係を示す。
まず、画面電源がONとされると、図7に示すフローチャートにおいて、ステップS210→ステップS220→ステップS230→ステップS240→ステップS250→ステップS260→ステップS270→ステップS290→ステップS300→ステップS310へと進む。そして、ステップS290において、算出された相対速度と予め用意されたルックアップテーブルとから、乗員にブレを感じさせないバックライト点灯時間TBLと、見た目の明るさを変化させないためのバックライト輝度Bが算出される。
各画像フレームでの画像表示制御は、図7に示すフローチャートにおいて、ステップS310から、ステップS320→ステップS330→ステップS340へと進むことで行われる。
すなわち、フレームの開始時点から1フレームが経過するまで、通常通りに合成画像が表示される。
また、各画像フレームでのバックライト213の点灯時間および輝度の制御は、図7に示すフローチャートにおいて、ステップS310から、ステップS320→ステップS330→ステップS370→ステップS380→ステップS390へと進むことで行われる。
すなわち、フレームの開始時点からスタートするバックライト点灯時間タイマーTMBLが、相対速度に基づき算出されたバックライト点灯時間TBLを超えるまではバックライト213を輝度Bにより点灯し、バックライト点灯時間TBLを超えると、点灯しているバックライト213を1フレームが経過するまで消灯する。
上記のように、実施例2では、通常の表示装置と同様に、画像フレームの表示時間は一定であり、バックライト213のみでブレを防止している。具体的には、図8のフレーム1やフレーム5のように、乗員〜画面間の相対速度(移動速度)が大きい場合には、網膜上のブレを防止するため、バックライト213の点灯時間を短くすると共に、バックライト213の点灯時間短縮に伴う画面の輝度低下を防ぐために、バックライト213の輝度レベルを大きくしている。
逆に、図8のフレーム2やフレーム3のように、乗員〜画面間の相対速度(移動速度)が小さい場合には、網膜上のブレがほとんど無いため、バックライト213の点灯時間を長くすると共に、バックライト213の点灯時間が長くなることに伴う画面輝度の変化を抑え、フレーム1やフレーム5と同じ明るさを保つように、バックライト213の輝度レベルを小さくしている。
このように、実施例2における1フレーム毎の画像表示変更制御では、画像表示は常時表示としたままで、1フレーム毎の表示映像が、画像シフト制御による画像表示位置の移動速度が高いほど、乗員の視覚による映像認識度が低くなるようにバックライト213の点灯時間が短くされる。このため、1フレームでのバックライト213の点灯時間が短いほど、明るく浮き出る合成画像の表示時間が短くなり、瞬間的に乗員の網膜上に像が映ることになり、乗員からは、明るく浮き出る合成画像の表示時間が短いほどフレームの静止画像輪郭等が視覚的にぼやけて見える。したがって、合成画像を常時表示とする簡単な画像表示変更制御でありながら、画像シフト制御による画像表示位置の移動速度が高いとき、次のフレームに移動する前のフレームにおける静止画像が乗員の網膜上に残像として殆ど残ることがなく、表示装置212の画像を見ている乗員は、画像ブレや画像にじみを感じないものとなる。
さらに、実施例2では、乗員から見た表示映像の輝度が一定となるように、バックライト213の点灯時間が短いほど、バックライト213の輝度を高くするようにした。このため、バックライト213の点灯時間の変更による画像表示変更制御を行っているにも関わらず、表示装置212の画面輝度を一定に保つことが可能になる。
図9は実施例2の画像情報提供装置200においてバックライト制御部209による1フレーム毎の画像表示変更作用を説明するタイムチャートで、(1)は乗員〜画面間の相対速度(=移動速度)の変化特性を示し、(2)は各画像フレームでの画像表示時間を示し、(3)の(a)〜(d)は各画像フレームでのバックライト213の点灯時間および輝度によるバックライト制御のバリエーションを示す。
図8と同様に、所定時間だけ所定輝度でバックライト213をONにして、その他の時間はOFFにするという図9(a)のパターンの他に、バックライト213を完全にOFFにする代わりに輝度を大きく低下させる図9(b)のパターンでも表示装置212の画面輝度を一定に保つことが可能である。さらに、画像フレーム表示開始時には所定輝度で点灯して、時間経過と共に輝度を直線的に減衰させる図9(c)のパターンや、時間経過と共に輝度を曲線的に減衰させる図9(d)といったパターンでも表示装置212の画面輝度を一定に保つことが可能である。
次に、効果を説明する。
実施例2の画像情報提供装置200にあっては、実施例1の(1),(2),(3)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(6) 前記画像表示変更手段(ステップS310〜ステップS390)は、画像表示は常時表示としたままで、1フレーム毎のバックライト213の点灯時間を、画像表示位置制御による画像表示位置の移動速度が高いほど短い時間とし、かつ、乗員から見た表示画面の輝度が一定となるように、バックライト213の点灯時間が短い時間であるほど、バックライト213の輝度を高くするため、バックライト213のみに対する簡単な画像表示変更制御としながら、相対変位をキャンセルする画像変位の動きが速いとき、乗員の網膜上の像にブレが生じることを防止することができると共に、バックライト113の点灯時間の変更によるフレーム画像表示の変更制御を行っているにも関わらず、表示装置112の画面輝度を一定に保つことができる。
実施例3は、画像表示変更制御として、静止画像を書き換える1つのフレームを細分化し、細分化した分割フレーム毎に静止画像のシフト位置を制御するようにした例である。
まず、構成を説明する。
図10は実施例3の画像情報提供装置300を示す全体構成図である。
実施例3の画像情報提供装置300は、乗員と画面の相対変位をキャンセルする画像表示位置制御(画像シフト制御)により違和感を防止すると共に、プラズマ・ディスプレイ・パネル(PDP)のように、輝度調整の方法として、各画素の明るさをアナログ的に変化させることができず、発光時間の長さにより表現するディスプレイに対して、サブフレーム毎の静止画像の表示位置をきめ細かく制御することで、ブレ感の無い画像品質を得るものである。
実施例3の画像情報提供装置300は、図10に示すように、車両運動検出部301と、車両運動推定部302と、乗員運動推定部303と、画像変位量制御部304と、画像入力部305と、視標生成部306と、画像合成部307と、画像変位部308と、サブフレーム生成部309と、表示装置312と、画面電源スイッチ314と、を備えている。なお、画像変位量制御部304、画像変位部308、サブフレーム生成部309、表示装置312を除き、他の構成は、図1に示す実施例1の画像情報提供装置100に記載された対応構成と同様であるので、説明を省略する。
前記画像変位量制御部304は、各サブフレームの時間情報、推定された車両運動および乗員運動に基づき、必要な画像変位量および乗員〜画面間の相対速度を算出し、各サブフレームの画像表示位置の制御を行う。
前記サブフレーム生成部309は、1フレームの合成画像に基づき輝度調節用のサブフレームを生成する。
前記表示装置312は、1フレームを複数のサブフレームに分割し、画素毎の輝度を、複数のサブフレームの選択・組み合わせによるデジタル量の発光時間の長さで表現している階調駆動方式のプラズマ・ディスプレイ・パネル(PDP)を有する。
なお、実施例3の画像情報提供装置300は、図10に示すように、入出力系を除いた、車両運動推定部302と、乗員運動推定部303と、画像変位量制御部304と、視標生成部306と、画像合成部307と、画像変位部308と、サブフレーム生成部309によって、画像処理コントローラ315が構成される。
図11は実施例3の画像処理コントローラ315により実行される画像制御処理の流れを示すフローチャートであり、以下、各ステップについて説明する。なお、ステップS410〜ステップS460の各ステップは、図2に示すフローチャートのステップS10〜ステップS60の各ステップと同様であるので、説明を省略する。
ステップS470では、ステップS460での画面〜眼球の相対変位算出に続き、画像合成部307において、表示装置312の画面に表示する元の画像と、元の画像と同期して変位する視標(可動視標)と、元の画像と同期することなく固定した位置に表示される視標(固定視標)を合成(スーパーインポーズ)し、ステップS480へ移行する。
ステップS480では、ステップS470での画像と視標の合成に続き、サブフレーム生成部309において、画像合成部307の合成画像から輝度調整用のサブフレーム画像を生成し、ステップS490へ移行する。
ステップS490では、ステップS480でのサブフレーム画像の生成に続き、サブフレームカウンタNをリセットし、ステップS500へ移行する。
ステップS500では、ステップS490でのサブフレームカウンタNのリセット、あるいは、ステップS540でのサブフレームカウンタNがN≠nとの判断に続き、サブフレームカウンタNに1を加算し(N=N+1)、ステップS510へ移行する。
ステップS510では、ステップS500でのサブフレームカウンタNの加算処理に続き、ステップS450およびステップS460にて求めた画面上下・左右移動量および画面〜眼球の相対変位に基づき、乗員からみて画像が安定するのに必要な各サブフレームの画像変位量と相対速度を算出し、ステップS520へ移行する。
ステップS520では、ステップS510での各サブフレームの画像変位量と相対速度の算出に続き、各サブフレームの画像変位量に基づき、今回のサブフレーム画像の表示位置をシフトし、ステップS530へ移行する。
ステップS530では、ステップS520でのサブフレーム画像の表示位置シフトに続き、サブフレームの合成画像を表示装置312に表示し、ステップS540へ移行する。
ステップS540では、ステップS530でのサブフレームの合成画像表示に続き、サブフレームカウンタNがサブフレーム数n(例えば、n=8)に達した否かを判断し、Yesの場合(N=n)はステップS550へ移行し、Noの場合(N≠n)ステップS500へ戻る。
ステップS550では、ステップS540でのサブフレームカウンタNがサブフレーム数nに達したとの判断に続き、画面電源スイッチ314からのスイッチ信号により画面電源がOFFになったか否かを判断し、Yesの場合(画面電源OFF)は制御を終了し、Noの場合(画面電源ON)であればステップS420に戻り、次のフレームでの画像制御処理を続行する。
なお、図11の1フレーム単位による処理開始から処理終了までの全体流れは、請求項の画像表示位置制御手段に相当し、サブフレーム単位によりステップS500〜ステップS540を繰り返す流れは、請求項の画像表示変更手段に相当する。
次に、作用を説明する。
実施例3の画像情報提供装置300における「プラズマ・ディスプレイ・パネルの階調駆動方式について」、「サブフレーム毎の画像表示位置制御作用」を説明する。なお、「画像合成作用」については、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
[プラズマ・ディスプレイ・パネルの階調駆動方式について]
図12は階調駆動方式による輝度制御方法の原理を説明するためのプラズマ・ディスプレイ・パネル(PDP)におけるオリジナルフレームとサブフレームを示す図である(FUJITSU.49, 3, pp.209-213 (05,1998)「PDPの高画質化技術」(小川ら)より引用)。
図12に示す例では、1/60sec毎の1枚の画像(オリジナルフレーム)を、8つのサブフレームに分割している。各サブフレームは、それぞれどの画素を発光させるかを指定選択するアドレス期間と、選択された画素のみ所定の輝度比に応じた時間長で発光(維持放電)を行う発光期間で構成されている。
すなわち、画素毎に、表示したい輝度に応じてこれらのサブフレームを選択、組み合わせることにより、全体の発光期間を調節し、所定の輝度を得ることができる。例えば、各サブフレームの発光時間の比率を、1:2:4:8:16:32:64:128の2のべき乗にすると、全てのサブフレームが発光しない0から、全て発光する1+2+4+8+16+32+64+128=255までの256階調の表現が可能である。具体的には、輝度の小さい画素Aは(サブフレーム1+サブフレーム4)、輝度の大きい画素Bは(サブフレーム5+サブフレーム6+サブフレーム7+サブフレーム8)、等とする。
[サブフレーム毎の画像表示位置制御作用]
実施例3の画像情報提供装置300は、表示装置312として適用したプラズマ・ディスプレイ・パネルが、複数のサブフレームに分割されていることを利用し、1フレームの静止画像の表示位置を、乗員と画面の相対位置をキャンセルするように、サブフレーム毎に徐々に変更することで、見かけ上、1フレーム時間を短くし静止画像の枚数を増加させたようにし、画像ズレを感じない滑らかな動きの動画像を表示するようにしたものである。
まず、画面電源がONとされると、図11に示すフローチャートにおいて、ステップS410→ステップS420→ステップS430→ステップS440→ステップS450→ステップS460→ステップS470→ステップS480→ステップS490へと進む。そして、ステップS450およびステップS460において、1フレームの画面上下・左右移動量および画面〜眼球の相対変位が算出される。
サブフレーム毎の画像表示位置制御の第1回目は、図11に示すフローチャートにおいて、ステップS490から、ステップS500→ステップS510→ステップS520→ステップS530→ステップS540へと進むことで行われる。
すなわち、フレームの開始時点から最初のサブフレームでは、ステップS510において、1フレームの画面上下・左右移動量および画面〜眼球の相対変位に基づき、乗員からみて画像が安定するのに必要な各サブフレームの画像変位量と相対速度を算出し、ステップS520において、各サブフレームの画像変位量に基づき、今回のサブフレーム画像の表示位置をシフトし、ステップS530において、サブフレームの合成画像を表示装置312に表示する。
そして、図11に示すフローチャートにおいて、ステップS500→ステップS510→ステップS520→ステップS530→ステップS540へと進む流れが、サブフレームカウンタNがサブフレーム数nに達するまで繰り返され、サブフレーム毎に合成画像の表示位置が、乗員と画面の相対位置をキャンセルするように徐々に変更される。
このように、実施例3におけるサブフレーム毎の画像表示位置制御では、静止画像を書き換える1つのフレームを複数に分割したサブフレーム(分割フレーム)を表示変更単位とし、乗員と画面の相対位置をキャンセルするように、静止画像の表示位置がサブフレーム毎に変更される。このため、サブフレームの数が多いほど、画像の表示位置のブレ量が小さくなり、乗員の網膜上に滑らかに変化する動画像が映ることになる。
すなわち、画像シフト制御で、キャンセルする動きが速い場合、乗員から画像がブレたりにじんだりするように見えて、画像品質が低下するのは、網膜に映る像のブレ量が大きくなることに原因がある。
これに対し、実施例3のように、サブフレームの数を8とすると、単純計算しても1フレームの静止画像で生じるブレ量を1/8程度とすることができるというように、1フレームの静止画像の表示中に車両や乗員の位置が変化することで生じる網膜に映る像のブレ量そのものが小さくなる。
したがって、画像シフト制御による画像表示位置の移動速度が高いとき、サブフレーム毎に静止画像の表示位置が徐々に変更されることで、表示装置312の画像を見ている乗員は、滑らかな動画を見ているように、画像ブレや画像にじみを感じないものとなる。加えて、サブフレーム毎のズレ量が小さく抑えられることで、サブフレーム間のズレによるちらつきも減少し、乗員が感じる画像品質の高品質化を達成できる。
次に、効果を説明する。
実施例3の画像情報提供装置にあっては、実施例1の(1)の効果に加え、下記に列挙する効果を得ることができる。
(7) 前記画像表示変更手段(ステップS500〜ステップS540)は、静止画像を書き換える1つのフレームを複数に分割した分割フレームを表示変更単位とし、乗員と画面の相対変位をキャンセルするように、静止画像の表示位置を分割フレーム毎に変更するため、分割フレーム毎の画像表示位置の変更制御により、見かけ上は1秒間でのフレーム数を分割数倍まで増加させた場合と同様にブレ量が小さく抑えられ、乗員の網膜上の像にブレが生じることを防止することができる。
(8) 前記表示装置312は、1フレームを複数のサブフレームに分割し、画素毎の輝度を、前記複数のサブフレームの選択・組み合わせによるデジタル量の発光時間の長さで表現している階調駆動方式のディスプレイであり、前記画像表示変更手段(ステップS500〜ステップS540)は、複数のサブフレームのそれぞれについて乗員と画面の相対変位をキャンセルするように画像変位量を算出し、算出した画像変位量にしたがってサブフレーム毎に静止画像の表示位置を変更するため、1フレームを複数のサブフレームに分割した階調駆動方式のディスプレイのサブフレームを利用し、フレームの分割処理を行うことなく、輝度調整用のサブフレーム毎に画像表示位置の変更制御を行うことができる。
以上、本発明の画像情報提供装置を実施例1〜実施例3に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、合成画像を表示する画像表示時間以外は、パターン画像として黒色画像を表示する例を示したが、明度や彩度が低い無地画面、もしくは、模様が不鮮明な映像であれば、他のパターン画像に切り替えても良い。
実施例1,2では、表示装置として、液晶画面によるディスプレイを示し、バックライトの輝度を変化させているが、画像の輝度を直接変更制御可能な自発光画面(プラズマ・ディスプレイ・パネルや有機ELディスプレイ等)の場合は、画像自体の輝度を1画面毎に変更すれば良い。
実施例1では、画像表示時間の変更、バックライト113の点灯時間の変更、バックライト113の輝度の変更を総合的に行う例を示した。実施例2では、バックライト213の点灯時間と輝度の変更を行う例を示した。しかし、画像表示時間の変更のみを行う例としても、バックライトの点灯時間の変更のみを行う例としても、バックライトの輝度の変更のみを行う例としても、乗員の網膜上の像にブレが生じることを防止できる。さらに、上記3つの映像認識度の変更制御要素のうち、バックライトの点灯時間と輝度の変更以外の2つの変更制御要素の組み合わせによっても、乗員の網膜上の像にブレが生じることを防止できる。
実施例3では、表示装置としてプラズマ・ディスプレイ・パネル(PDP)を示し、そのサブフレームを1フレームの分割フレームとして利用する例を示した。しかし、PDP以外のディスプレイを表示装置として用い、画像処理により1フレームを複数のフレームに分割し、各分割フレームについて、画像表示位置のシフトを行うような例としても良い。
要するに、乗員と画面が相対変位する場合、乗員と画面の相対変位をキャンセルするように画像表示位置を変位させ、空間上に安定して画像表示する画像表示位置制御時、1フレームの静止画像表示中に車両や乗員の位置が変化することで、空間上の一定方向を見ている乗員の目の網膜上の像にブレが生じるとき、この網膜上の像ブレを抑制する画像表示に変更するものであれば、実施例1〜3に限られることはない。
実施例1〜3では、液晶ディスプレイやプラズマ・ディスプレイを表示装置とする画像情報提供装置の例を示したが、有機ELディスプレイ等のように他の表示装置を設定した画像情報提供装置に対しても適用することができる。要するに、車室内の乗員から視認できる位置に、画像情報を表示する画面を有する表示装置を設定した画像情報提供装置であれば適用できる。
実施例1の画像情報提供装置100を示す全体構成図である。 実施例1の画像処理コントローラ115により実行される画像制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の画像情報提供装置100において外部機器から入力される元の画像から合成画像を生成する過程を示す図で、(a)は元の画像の一例を示し、(b)は可動視標の一例を示し、(c)は固定視標の一例を示し、(d)は合成画像の一例を示す。 実施例1の画像情報提供装置100において画像変位部108による画像シフト作用を説明する図で、(a)は画面上方に変位した場合の一例を示し、(b)は画面下方に変位した場合の一例を示す。 実施例1の画像情報提供装置100において画像切替部111および画像表示制御部109による1フレーム毎の画像表示変更作用を説明するタイムチャートで、(1)は乗員〜画面間の相対速度(=移動速度)の変化特性を示し、(2)は各画像フレームでの画像表示時間の切り替え関係を示し、(3)は各画像フレームでのバックライト113の点灯時間および輝度の関係を示す。 実施例2の画像情報提供装置200を示す全体構成図である。 実施例2の画像処理コントローラ215により実行される画像制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施例2の画像情報提供装置200においてバックライト制御部209による1フレーム毎の画像表示変更作用を説明するタイムチャートで、(1)は乗員〜画面間の相対速度(=移動速度)の変化特性を示し、(2)は各画像フレームでの画像表示時間を示し、(3)は各画像フレームでのバックライト213の点灯時間および輝度の関係を示す。 実施例2の画像情報提供装置200においてバックライト制御部209による1フレーム毎の画像表示変更作用を説明するタイムチャートで、(1)は乗員〜画面間の相対速度(=移動速度)の変化特性を示し、(2)は各画像フレームでの画像表示時間を示し、(3)の(a)〜(d)は各画像フレームでのバックライト213の点灯時間および輝度によるバックライト制御のバリエーションを示す。 実施例3の画像情報提供装置300を示す全体構成図である。 実施例3の画像処理コントローラ315により実行される画像制御処理の流れを示すフローチャートである。 階調駆動方式による輝度制御方法の原理を説明するためのプラズマ・ディスプレイ・パネル(PDP)におけるオリジナルフレームとサブフレームを示す図である。
符号の説明
100 画像情報提供装置
101 車両運動検出部
102 車両運動推定部
103 乗員運動推定部
104 画像変位量制御部
105 画像入力部
106 視標生成部
107 画像合成部
108 画像変位部
109 画像表示制御部
110 パターンジェネレータ部
111 画像切替部
112 表示装置
113 バックライト
114 画面電源スイッチ
200 画像情報提供装置
201 車両運動検出部
202 車両運動推定部
203 乗員運動推定部
204 画像変位量制御部
205 画像入力部
206 視標生成部
207 画像合成部
208 画像変位部
209 バックライト制御部
212 表示装置
213 バックライト
214 画面電源スイッチ
300 画像情報提供装置
301 車両運動検出部
302 車両運動推定部
303 乗員運動推定部
304 画像変位量制御部
305 画像入力部
306 視標生成部
307 画像合成部
308 画像変位部
309 サブフレーム生成部
312 表示装置
314 画面電源スイッチ

Claims (7)

  1. 車室内の乗員から視認できる位置に、画像情報を表示する画面を有する表示装置を設定した画像情報提供装置において、
    車両の並進および回転といった車両運動を検出する車両運動検出部と、
    前記車両運動検出部により計測された車両運動データに基づき、車両運動を推定する車両運動推定部と、
    前記車両運動推定部により推定された車両運動に基づき、乗員の頭部運動を推定する乗員運動推定部と、
    前記車両運動推定部からの車両運動と前記乗員運動推定部からの乗員の頭部運動に基づき、画面と乗員の眼球との相対変位を算出する画像変位量制御部と、
    画面上下・左右移動量および画面〜眼球の相対変位に基づき、乗員からみて画像が安定するのに必要な画像変位量を算出する画像変位量制御部と、
    前記画像変位量制御部にて計算した画像変位量に基づき、乗員と画面の相対変位をキャンセルするように画像表示位置を変位させて画像表示する画像表示位置制御手段と、
    画像表示位置制御時、静止画像を書き換える1つのフレームを表示変更単位とし、画像表示位置制御により書き換えられる静止画像の移動速度が高いほど、前記静止画像が乗員の網膜上に残像として残ることがないように、乗員の視覚による映像認識度の変更制御要素を、乗員と画面の相対変位速度に応じて1フレーム毎に調整を行って画像表示を変更する画像表示変更手段と、
    を備えたことを特徴とする画像情報提供装置。
  2. 請求項1に記載された画像情報提供装置において、
    前記表示装置は、画像を表示する表示画面の明るさをバックライトの輝度により調整するディスプレイであり、
    前記画像表示変更手段は、1フレーム毎の前記表示画面に対する画像表示時間と、1フレーム毎の前記バックライトの点灯時間と、1フレーム毎の前記バックライトの輝度のうち、少なくとも一つを変更する
    ことを特徴とする画像情報提供装置。
  3. 請求項2に記載された画像情報提供装置において、
    前記画像表示変更手段は、1フレーム毎の画像表示時間とバックライトの点灯時間を、画像表示位置制御による画像表示位置の移動速度が高いほど短い時間とする
    ことを特徴とする画像情報提供装置。
  4. 請求項3に記載された画像情報提供装置において、
    前記画像表示変更手段は、乗員から見た表示画面の輝度が一定となるように、バックライトの点灯時間が短い時間であるほど、バックライトの輝度を高くする
    ことを特徴とする画像情報提供装置。
  5. 請求項2に記載された画像情報提供装置において、
    前記画像表示変更手段は、画像表示は常時表示としたままで、1フレーム毎のバックライトの点灯時間を、画像表示位置制御による画像表示位置の移動速度が高いほど短い時間とし、かつ、乗員から見た表示画面の輝度が一定となるように、バックライトの点灯時間が短い時間であるほど、バックライトの輝度を高くする
    ことを特徴とする画像情報提供装置。
  6. 請求項1に記載された画像情報提供装置において、
    前記画像表示変更手段は、静止画像を書き換える1つのフレームを複数に分割した分割フレームを表示変更単位とし、乗員と画面の相対変位をキャンセルするように、静止画像の表示位置を分割フレーム毎に変更する
    ことを特徴とする画像情報提供装置。
  7. 請求項6に記載された画像情報提供装置において、
    前記表示装置は、1フレームを複数のサブフレームに分割し、画素毎の輝度を、前記複数のサブフレームの選択・組み合わせによるデジタル量の発光時間の長さで表現している階調駆動方式のディスプレイであり、
    前記画像表示変更手段は、複数のサブフレームのそれぞれについて乗員と画面の相対変位をキャンセルするように画像変位量を算出し、算出した画像変位量にしたがってサブフレーム毎に静止画像の表示位置を変更する
    ことを特徴とする画像情報提供装置。
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