JP5335601B2 - 栄養組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、乳児の生体リズム形成と発育を促す乳児用調製粉乳などの乳児用栄養組成物に関する。
乳児にとって最良の栄養は母乳であるが、母親の病気や就労、量が不足するなどの理由で母乳が十分に与えられない場合、乳児用調製粉乳が利用されている。乳児用調製粉乳は乳児の発育に必要な栄養が全て含まれている。近年の乳児用調製粉乳は、技術の向上により、究極の目標である母乳に対して、成分面では相当に近似した製品が提供されている。しかしながら、機能的な面では、未だ母乳に比べ多くの問題が残されている。とくに、乳児用調製粉乳の組成は単一で、月齢や体重、昼夜の違いを反映したものは存在しなかった。
海外では、スペインで「睡眠・覚醒周期を調節する乳児用栄養物一式」(特許文献1)が公開され、夜間用としてトリプトファン、ヌクレオチドのうちウリジル酸とアデニル酸、中鎖脂肪酸トリグリセリドを強化配合し、多価不飽和脂肪酸とたんぱく質を低減した乳児用調製粉乳と、昼間用としてヌクレオチドのうちシチジル酸、グアニル酸、イノシン酸、ならびにビタミンA、ビタミンC、ビタミンEを強化した乳児用調製粉乳のセットが発売されている。
他にも「不快を緩和するための医薬組成物」として、葉酸、ビタミンB6、ビタミンB12、トリプトファン、メラトニン、アデノシンを調節した乳児用調製粉乳に関する特許文献(特許文献2)が知られている。
また、ヌクレオチドについては、ウリジン、その代謝前駆体を授乳婦に投与することにより、乳児の脳の発達を増進し、知能を向上させる方法が知られている(特許文献3)。
これらはいずれも、睡眠を促進する物質「睡眠物質」、あるいは阻害する物質として報告されたものを調整したに過ぎなかった。「睡眠物質」とは、睡眠を誘発する要因が特定の体内物質の増減にあるという「睡眠の体液学説」のもと、発見された物質である。睡眠物質を発見するには、眠らせないような処置をした断眠ラットの脳を分析し、増加する成分を調べる方法が採られた。この方法でウリジンが発見された(非特許文献1)。ウリジンにリン酸が結合したものがウリジル酸であり、母乳中にはこの形で存在している。また、アデノシンも断眠ラットの血液から発見された。アデノシンにリン酸が結合したものがアデニル酸であり、母乳中にはこの形で存在している。この他にも、グルタチオン、デルタ睡眠誘発ペプチド、成長ホルモン、メラトニンなどが睡眠物質として知られている。トリプトファンはセロトニンとともに、メラトニンの前駆物質として知られている。また、ビタミンB12の一種であるメチルコバラミンも睡眠物質として知られている(非特許文献2)。このような睡眠物質を強化した乳児用調製粉乳の特許文献が前述のように存在するが、母乳がそのような日内変動をしているか未知であった。
ごく最近、スペインの研究者らによる、母乳をキャピラリー電気泳動で分析して、昼夜のヌクレオチド濃度を比較した論文が掲載された(非特許文献3)。それによると、アデニル酸とグアニル酸は夜に高く、シチジル酸とイノシン酸は昼に高くなるという。また、ウリジル酸には昼夜の差がないと記載されている。その測定値は従来の高速液体クロマトグラフィーによる過去の文献値(非特許文献4、5)とはかけ離れており、また、睡眠物質であるウリジンの前駆物質ともいえるウリジル酸が夜間高くなるということもなかった。これには、測定方法の違い(非特許文献6)、母乳を提供した母親の居住する地域の違い、計画授乳と自律授乳の授乳方法の違い、食習慣の違い、人種の違いなどが影響していると考えられる。また、過去においてタイ人の母乳の昼夜の変動(非特許文献7)も報告されている。そこでは、脂質が午前4時から6時の間に最低となる結果が得られたが、他の国、ガンビア、バングラデシュ、英国、米国、ニュージーランド、ドイツの過去の報告と比較して、必ずしも同様の変動ではなかったことを示している。
母乳の分析値に基づくことなく睡眠促進物質を強化した乳児用調製粉乳に対して、睡眠薬のようだと拒否感を示す養育者もいる。母乳は生体の分泌液であるため、母体の生活環境を反映していると考えられる。つまり、一日の周期、季節の違いなどの長期的周期などに同調した成分の変化があろうと考えられる。しかし、これまでの乳児用調製粉乳は一日を通じて同じ物を与えるように設計されていた。よって、完全人工栄養児では昼夜の変動に合わせることなく、単一の組成の調製乳を2〜4時間毎に飲んで成長する。その一方で、完全人工栄養で育児している養育者の中には、夜間に乳児が頻繁に乳を欲しがることで悩んでいる者も少なくない。
このように、ヒトの自然な生活リズムの中で生まれてくる、母乳の日内変動を反映した乳児用調製粉乳または液体の乳児用調製乳の開発が待たれていた。前述のスペインの報告(非特許文献3)はスペイン人の母乳を分析したものであるため、日本人の乳児の発育のための、日本人の母乳の日内変動を把握し、かつ、その変動に合わせた乳児用調製粉乳または乳児用調製乳の開発が待たれていた。
国際公開第WO2006/034955号パンフレット 特表2002−535277号公報 特表2008−542280号公報
Uridine, a sleep-promoting substance from brainstems of sleep-deprived rats. Komoda Y, Ishikawa M, Nagasaki H, Iriki M, Honda K, Inoue S, Higashi A, Uchizono K. Biomed Res. 1983 4:223-228 Vitamin B12 modulates circadian rhythm of sleep and brain temperature. Inoue S, Honda K, Ikeda M, Sun J. Proc 13th Int Cong Biometeol. 1994 2(2):750-761 The possible role of human milk nucleotides as sleep inducers. Sanchez CL, Cubero J, Sanchez J, Chanclon B, Rivero M, Rodriguez AB, Barriga C. Nutr Neurosci. 2009 Feb;12(1):2-8 The nucleotide profile of human milk. Janas LM, Picciano M. Pediatr Res. 1982 16:154-189 Profile of nucleotides and nucleosides of human milk. Sugawara M, Sato N, Nakano T, Idota T, Nakajima I. J Nutr Sci Vitaminol. 1995 41:409-418 A new analytical technique in capillary electrophoresis: Studying the levels of nucleotides in human breastmilk. Cubero J, Sanchez J, Sanchez C, Narciso D, Barriga C, Rodriguez AB. J Appl Biomed. 2007 5:85-90 Circadian variation in fat concentration of breast-milk in a rural northern Thai population. Jackson DA, Imong SM, Silprasert A, Ruckphaopunt S, Woolridge MW, Baum JD, Amatayakul K. Br J Nutr. 1988 May;59(3):349-63.
本発明は、母乳の日内変動を反映した成分を調節した栄養組成物を与えることで、乳児の生体リズム形成と発育を促すことができる乳児用調製粉乳または乳児用調製乳を配合した乳児用栄養組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、日本人の母乳の日内変動を調べた。具体的には、午前8時から午後8時までの間に採取した母乳を昼間母乳とし、午後8時から翌日午前8時までに採取した母乳を夜間母乳とした。採取に当たっては、生後1か月以上5か月未満の乳児を母乳栄養で養育している女性から母乳の提供を受けて、昼間母乳と夜間母乳を分析した。分析項目は、たんぱく質、脂質、水分、灰分を測定し、更に、ヌクレオチド、脂肪酸組成、タウリン、ラクトフェリン、遊離アミノ酸などを測定した。
得られた昼間母乳と夜間母乳の測定値について統計解析を行った。母乳は個人差の大きい生体成分であるため、各提供者における昼間と夜間の差、すなわち日内変動を見出すために、対応のあるt検定を実施した。
その結果、昼間と比較して夜間では、脂質が減少すること、なかでも不飽和脂肪酸であるオレイン酸とパルミトレイン酸が減少し、飽和脂肪酸であるステアリン酸が増加することを見出した。加えて、夜間では、ヌクレオチドが増加すること、なかでもシチジル酸とウリジル酸が増加することを見出した。更に、夜間では、タウリンが減少すること、ラクトフェリンが減少すること、固形分が減少すること、遊離アミノ酸が減少することを見出した。これらの変動を表1に記す。尚、統計学的に有意に変動した項目のみ表示している。
上記の日本人の母乳の昼夜の変動は、過去に報告されたスペイン人の母乳の変動(非特許文献3)とも、タイ人の母乳の変動(非特許文献7)とも異なった変動であった。報告によって、母乳の分析値が異なることは、人種、食習慣、気候などの違いによるものと考えられる。したがって、本邦で発売する乳児用調製粉乳には、日本人の母乳を分析して、その数値を反映することは、大変有意義である。
そこで発明者らは、これらの日本人の母乳の日内変動を反映するべく、日本人の夜間用、昼間用の乳児用調製粉乳または乳児用調製乳の組成を原材料の選択も含め、鋭意検討した結果、夜間用乳児用調製粉乳または乳児用調製乳として、既存の乳児用調製粉乳と比較して、次のように成分調整することを検討した。
(1)脂質低減
(2)ヌクレオチド強化
(3)シチジル酸強化
(4)ウリジル酸強化
(5)オレイン酸低減
(6)パルミトレイン酸低減
(7)ステアリン酸強化
(8)タウリン低減
(9)ラクトフェリン低減
(10)固形分低減
(11)遊離アミノ酸低減
尚、(11)遊離アミノ酸低減には各種遊離アミノ酸の低減、及び、遊離アミノ酸合計値の低減が関わる。これらの特徴を組み合わせて、夜間用乳児用調製粉乳または乳児用調製乳からなる乳児用栄養組成物として最適の組成を見出した。
本発明者らはまた、昼間用乳児用調製粉乳または乳児用調製乳として、既存の乳児用調製粉乳と比較して、上記調整を踏まえ、次の成分調整も重要であると考えた。
(12)オレイン酸強化
(13)パルミトレイン酸強化
(14)タウリン強化
(15)ラクトフェリン強化
そして、これらの特徴を組み合わせて、昼間用乳児用調製粉乳または乳児用調製乳として最適の組成を見出した。
本発明はまた、これら二種類の調製粉乳または調製乳を組み合わせてなる乳児用栄養組成物を提供することにも関わる。
即ち、本発明は、
[1]以下の組成を特徴とする夜間用の乳児用調製粉乳または乳児用調製乳からなる乳児用栄養組成物。
脂質を調乳液100ミリリットルあたり2.9グラム以上3.5グラム未満、ヌクレオチドを1.95ミリグラム以上、更にシチジル酸を1.5ミリグラム以上、ウリジル酸を0.23ミリグラム以上、タウリンを2.5ミリグラム以上4.4ミリグラム未満含有する調製粉乳または調製乳。
[2]上記[1]記載の夜間用の乳児用調製粉乳または乳児用調製乳と、以下の組成を特徴とする昼間用の乳児用調製粉乳または乳児用調製乳を組み合わせてなる乳児用栄養組成物。
脂質を調乳液100ミリリットルあたり3.5グラム以上、ヌクレオチドを0.7〜2.5ミリグラム、更にシチジル酸を0.5〜1.9ミリグラム、ウリジル酸を0.08〜0.25ミリグラム、タウリンを4.4ミリグラム以上含有する調製粉乳または調製乳。
[3]以下の組成を特徴とする夜間用の乳児用調製粉乳または乳児用調製乳からなる乳児用栄養組成物。
脂質のうち、脂肪酸組成がオレイン酸31%以下、パルミトレイン酸1.5%以下、ステアリン酸3.7%以上である上記[1]記載の調製粉乳または調製乳。
[4]上記[3]記載の夜間用の乳児用調製粉乳または乳児用調製乳と、以下の組成を特徴とする昼間用の乳児用調製粉乳または乳児用調製乳を組み合わせてなる乳児用栄養組成物。
脂質のうち、脂肪酸組成がオレイン酸29%以上、パルミトレイン酸0.05%以上、ステアリン酸3.9%以下である上記[2]記載の調製粉乳または調製乳。
[5]以下の組成を特徴とする夜間用の乳児用調製粉乳または乳児用調製乳からなる乳児用栄養組成物。
調乳液100ミリリットルあたりラクトフェリンを5〜13ミリグラム含有する上記[1]又は[3]記載の調製粉乳または調製乳。
[6]上記[5]記載の夜間用の乳児用調製粉乳または乳児用調製乳と、以下の組成を特徴とする昼間用の乳児用調製粉乳または乳児用調製乳を組み合わせてなる乳児用栄養組成物。
調乳液100ミリリットルあたりラクトフェリンを5.2ミリグラム以上含有する上記[2]又は[4]記載の調製粉乳または調製乳。
以上に述べたことから、本発明により提供される、母乳の日内変動を反映した成分を調節した栄養組成物は、摂取することによって乳児の生体リズム形成と発育を促すことができる。とくに、生体リズムが形成され、夜間の睡眠時間が長くなることは、成長ホルモンの分泌を高めることとなり、乳児の発育を促すこととなる。これは、身体の発育のみならず、精神、神経系の発達をも促すこととなる。加えて、養育者にとっては、夜間に乳児が覚醒する回数が少なくなれば、乳児の泣き声で目を覚まし、調乳・授乳する手間が減ることとなる。
また、本発明で調節する成分は、元来調製粉乳に使用する成分を用いているため、安全性が高いことが確認されており、かつ安定性も高く、原材料の安定的供給についても問題がない。よって、本発明の栄養組成物は使用上の問題がなく、非常に有利である。
本発明による母乳の日内変動を反映した成分を調節した栄養組成物の適用される対象者としては、生後9か月齢までの乳児が想定されるが、これに限定するものではない。
本発明に至る過程で、本発明者らは、昼夜の母乳を分析し、日内変動、つまり昼夜の差が認められる成分について研究した。
昼夜の母乳で差が認められ、夜間用及び昼間用の乳児用調製粉乳で調節した成分の例を以下に列挙するが、本発明はこれらに限定されるものではない。これらは単独で調節して配合してもよく、二種以上を併用してもよい。尚、夜間用及び昼間用の乳児用調製乳は、夜間用及び昼間用の乳児用調製粉乳と同じ成分とすることができる。
具体的には、本発明の夜間用の乳児用調製粉乳または乳児用調製乳は、[A]:成分として下記(1)脂質、(2)ヌクレオチド、(3)シチジル酸、(4)ウリジル酸、(8)タウリンを、従来の乳児用調製粉乳または乳児用調製乳に対してそれぞれ調整した調製粉乳または調製乳であればよく、また、[B]:成分として下記(1)脂質、(2)ヌクレオチド、(3)シチジル酸、(4)ウリジル酸、(5)オレイン酸、(6)パルミトレイン酸、(7)ステアリン酸、(8)タウリンを、従来の乳児用調製粉乳または乳児用調製乳に対してそれぞれ調整した調製粉乳または調製乳であってもよく、更に、[C]:成分として下記(1)脂質、(2)ヌクレオチド、(3)シチジル酸、(4)ウリジル酸、(5)オレイン酸、(6)パルミトレイン酸、(7)ステアリン酸、(8)タウリン、(9)ラクトフェリンを、従来の乳児用調製粉乳または乳児用調製乳に対してそれぞれ調整した調製粉乳または調製乳であってもよい。
同様に、本発明の昼間用の乳児用調製粉乳または乳児用調製乳は、[X]:成分として下記(1)脂質、(2)ヌクレオチド、(3)シチジル酸、(4)ウリジル酸、(8)タウリンを、従来の乳児用調製粉乳または乳児用調製乳に対してそれぞれ調整した調製粉乳または調製乳であればよく、また、[Y]:成分として下記(1)脂質、(2)ヌクレオチド、(3)シチジル酸、(4)ウリジル酸、(5)オレイン酸、(6)パルミトレイン酸、(7)ステアリン酸、(8)タウリンを、従来の乳児用調製粉乳または乳児用調製乳に対してそれぞれ調整した調製粉乳または調製乳であってもよく、更に、[Z]:成分として下記(1)脂質、(2)ヌクレオチド、(3)シチジル酸、(4)ウリジル酸、(5)オレイン酸、(6)パルミトレイン酸、(7)ステアリン酸、(8)タウリン、(9)ラクトフェリンを、従来の乳児用調製粉乳または乳児用調製乳に対してそれぞれ調整した調製粉乳または調製乳であってもよい。
また、本発明は、夜間用の乳児用調製粉乳または乳児用調製乳としての上記[A]からなる乳児用栄養組成物単体のみならず、昼間用の乳児用調製粉乳または乳児用調製乳としての[X]とを組み合わせてなる乳児用栄養組成物、夜間用の乳児用調製粉乳または乳児用調製乳としての[B]からなる乳児用栄養組成物単体、又は夜間用の乳児用調製粉乳または乳児用調製乳としての[C]からなる乳児用栄養組成物単体のみならず、これらのいずれかと、昼間用の乳児用調製粉乳または乳児用調製乳としての[X] 、[Y]、 [Z] のいずれかとを組み合わせてなる乳児用栄養組成物であってもよい。
更に、夜間用の乳児用調製粉乳または乳児用調製乳としての[A]、[B]、又は[C]からなる乳児用栄養組成物は、従来からある昼間用または全日用とを組み合わせても、十分に乳児の生体リズム形成と発育を促すことができる。
本発明において、夜間用とは、午後8時から翌日午前8時までに使用する調製粉乳または調製乳をいい、また、昼間用とは、午前8時から午後8時までの間に使用する調製粉乳または調製乳をいうが、それぞれ開始時間、終了時間は、数時間、例えば1〜3時間の幅をもっていてもよく、上記時間範囲は、夜間用、昼間用の一応の目安である。
また、本発明において、全日用とは、従来の市販品の乳児用調製粉乳または乳児用調製乳のことを意味する。更に、乳児用調製粉乳には、乳児用のみならず、低出生体重児用、牛乳アレルギー疾患用、乳糖不耐症用、フォローアップミルク、医薬用特殊調製粉乳、その他乳児の人工哺育に用いる粉乳類があり、乳児用調製乳には、乳児の人工哺育を目的として調製した液状の調製乳である液体調製乳もある。
(1)脂質
乳児用調製粉乳における脂質は適正な量がコーデックス規格及び特別用途食品の表示許可基準(以下、特別用途食品基準)でいずれも100キロカロリー当たり4.4〜6.0グラムと定められている。よってこの範囲で夜間用の脂質を低減することが必要である。また、100ミリリットルあたりの熱量は60〜70キロカロリーと特別用途食品基準で定められている。よって、仮に100ミリリットルあたり67キロカロリーのものでは、脂質は100ミリリットルあたり2.9〜4.0グラムとしなければならない。本発明では、具体的には夜間用を昼間用および通常の全日用粉乳よりも2〜10%低減し、調乳液100ミリリットルあたり2.9グラム以上3.5グラム未満とする。
昼間用としては、3.5グラム以上とする。好ましくは、3.5グラム以上4.0グラム以下とすることが例示される。
(2)ヌクレオチド
乳児用調製粉乳に用いるヌクレオチドには、シチジル酸ナトリウム、ウリジル酸ナトリウム、グアニル酸ナトリウム、アデニル酸、イノシン酸ナトリウムなどがあるが、母乳中の存在比率に合わせて、シチジル酸ナトリウムが最大となるように配合することが必要である。更に夜間用にはシチジル酸ナトリウムおよびウリジル酸ナトリウムを昼間用および通常の全日用粉乳よりも2〜20%増量し、調乳液100ミリリットルあたりのヌクレオチド合計を1.95ミリグラム以上とする。好ましくは、1.95ミリグラム以上かつ、母乳の分析値の最高値を考慮して4.51ミリグラム以下とすることが例示される。昼間用としては、0.7〜2.5ミリグラムとする。
(3)シチジル酸
乳児用調製粉乳に添加するシチジル酸としては、シチジル酸ナトリウムや5−シチジル酸などが挙げられる。夜間用には昼間用および通常の全日用粉乳よりも多くなるように配合することが必要である。具体的には、夜間用を昼間用よりも2〜20%増量し、調乳液100ミリリットルあたり1.5ミリグラム以上とする。好ましくは、1.5ミリグラム以上かつ、母乳の分析値の最高値を考慮して3.9ミリグラム以下とすることが例示される。昼間用としては、0.5〜1.9ミリグラムとする。
(4)ウリジル酸
乳児用調製粉乳に添加するウリジル酸としては、ウリジル酸ナトリウムなどが挙げられる。夜間用には昼間用および通常の全日用粉乳よりも多くなるように配合することが必要である。具体的には、夜間用を昼間用よりも2〜20%増量し、調乳液100ミリリットルあたり0.23ミリグラム以上とする。好ましくは、0.23ミリグラム以上かつ、母乳の分析値の最高値を考慮して1.24ミリグラム以下とすることが例示される。昼間用としては、0.08〜0.25ミリグラムとする。
(5)オレイン酸
乳児用調製粉乳におけるオレイン酸の含量に基準や指針は存在しないが、本邦での調製粉乳のオレイン酸の組成比率は全脂肪酸組成中の含有率割合として27〜38%となっている。よってこの範囲で夜間用のオレイン酸比率を低減することが望ましい。具体的には31%以下とするのが好ましく、より好ましくは28〜31%とすることが例示される。昼間用としては、好ましくは29%以上、より好ましくは29〜42%とすることが例示される。
(6)パルミトレイン酸
乳児用調製粉乳におけるパルミトレイン酸の含量に基準や指針は存在しないが、本邦での調製粉乳のパルミトレイン酸の組成比率は全脂肪酸組成中の含有率割合として0.1〜2.1%となっている。よってこの範囲で夜間用のパルミトレイン酸比率を低減することが望ましい。具体的には1.5%以下とするのが好ましく、より好ましくは0.08〜1.5%とすることが例示される。昼間用としては、好ましくは0.05%以上、より好ましくは0.05〜3.4%とすることが例示される。
(7)ステアリン酸
乳児用調製粉乳におけるステアリン酸の含量に基準や指針は存在しないが、本邦での調製粉乳のステアリン酸の組成比率は全脂肪酸組成中の含有率割合として3.6〜11.2%となっている。よってこの範囲で夜間用のステアリン酸比率を強化することが望ましい。具体的には3.7%以上とするのが好ましく、より好ましくは3.7〜11.5%とすることが例示される。昼間用としては、好ましくは3.9%以下、より好ましくは3.0〜3.9%以下とすることが例示される。
(8)タウリン
乳児用調製粉乳においては、母乳中の含量を参考に配合することが望ましい。調乳液100ミリリットル当たり2〜6ミリグラム配合するのがよく、更には、昼間用を夜間用より2〜20%高めて配合することが必要である。具体的には、調乳液100ミリリットルあたり、夜間用として2.5ミリグラム以上4.4ミリグラム未満とする。昼間用としては、4.4ミリグラム以上、好ましくは4.4〜6.0ミリグラムとすることが例示される。
(9)ラクトフェリン
昼間用を夜間用より2〜20%高めて配合することが望ましい。好ましくは昼間用としては、5.2ミリグラム以上、夜間用としては、5〜13ミリグラムとすることが例示される。
(10)固形分
乳児用調製粉乳としては、固形分に関する基準や規格はないが、母乳の固形分濃度に合わせて通常設計される。夜間用を昼間用および通常の全日用粉乳よりも2〜20%低減する方法が例示される。好ましくは夜間用としては、10〜14%、昼間用としては、12〜15%が例示できる。
(11)遊離アミノ酸
調製粉乳の遊離アミノ酸としては、特別用途食品基準はないが、夜間用を昼間用および通常の全日用粉乳よりも2〜30%低減する方法が例示される。
以下の実施例をもって、本発明をより詳細に説明するが、これらは単に例示するのみであり、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
夜間用の乳児用調製粉乳として、脱脂乳240kgに、乳清たんぱく質濃縮物(WPC)7.5kgと乳糖45kgを添加溶解し、これに従来の調製法に従って水溶性ビタミン成分(ビタミンB1、B2、B6、B12、C、ナイアシン、葉酸、パントテン酸、ビオチン、コリン、イノシトール)とミネラル成分(炭酸カルシウム、塩化カリウム、硫酸マグネシウム、クエン酸第一鉄ナトリウム、硫酸銅、硫酸亜鉛)をそれぞれ1kgを混合し、シチジル酸ナトリウム14.2g、ウリジル酸ナトリウム2.1g、グアニル酸ナトリウム0.8g、アデニル酸1.0g、イノシン酸ナトリウム0.5g、タウリン35gを混合した。更に、大豆油30%、菜種油13%を含む植物油混合物26.7kgに、従来の調製法に従って脂溶性ビタミン成分(ビタミンA、D、E、K、β−カロテン)20.4gを溶解して、上記の脱脂乳混合物に添加し、均質化した。得られた溶液を殺菌し、常法により濃縮し、乾燥して粉乳100kgを得た。尚、この粉乳を温水に溶解して標準濃度として固形率13%に調整した調乳液には脂質が3.4g/100ml、ヌクレオチド合計が2.0mg/100ml、シチジル酸が1.5mg/100ml、ウリジル酸が0.23mg/100ml、タウリンが4.3mg/100ml含まれていた。なお、水溶性ビタミン、脂溶性ビタミン、ミネラルについては、厚生労働省が定める特別用途食品の乳児用調製粉乳の基準の範囲を満たしていた。
昼間用の乳児用調製粉乳として、脱脂乳240kgに、乳清たんぱく質濃縮物(WPC)7.5kgと乳糖45kgを添加溶解し、これにカゼイン7.0kgを所定量にアルカリで溶解した溶液、先述の水溶性ビタミン成分及びミネラル成分をそれぞれ1kg、シチジル酸ナトリウム13.4g、ウリジル酸ナトリウム2.0g、グアニル酸ナトリウム0.8g、アデニル酸1.0g、イノシン酸ナトリウム0.5g、タウリン40gを混合した。更に、大豆油30%、菜種油13%を含む植物油混合物28.7kgに先述の脂溶性ビタミン成分20.4gを溶解して、上記の脱脂乳混合物に添加し、均質化した。得られた溶液を殺菌し、常法により濃縮し、乾燥して粉乳100kgを得た。尚、この粉乳を温水に溶解して標準濃度として固形率13%に調整した調乳液には脂質が3.6g/100ml、ヌクレオチド合計が1.9mg/100ml、シチジル酸が1.4mg/100ml、ウリジル酸が0.22mg/100ml、タウリンが4.5mg/100ml含まれていた。なお、水溶性ビタミン、脂溶性ビタミン、ミネラルについては、厚生労働省が定める特別用途食品の乳児用調製粉乳の基準の範囲を満たしていた。
夜間用の乳児用調製粉乳として、WPC9.5kgと乳糖56kgを温湯350kgに溶解し、これにカゼイン7.0kgを所定量にアルカリで溶解した溶液、実施例1と同様の水溶性ビタミン成分及びミネラル成分をそれぞれ1kg、シチジル酸ナトリウム14.2g、ウリジル酸ナトリウム2.1g、グアニル酸ナトリウム0.8g、アデニル酸1.0g、イノシン酸ナトリウム0.5g、タウリン35gを混合した。更に、大豆油31%、菜種油12%を含む植物油混合物26.7kgに実施例1同様の脂溶性ビタミン成分4.6gを溶解して、上記のWPC混合物に添加し、均質化した。得られた溶液を殺菌し、常法により濃縮し、乾燥して粉乳100kgを得た。尚、この粉乳を温水に溶解して固形率13%に調整した調乳液には脂質が3.4g/100ml、ヌクレオチド合計が2.0mg/100ml、シチジル酸が1.5mg/100ml、ウリジル酸が0.23mg/100ml、タウリンが4.3mg/100ml含まれていた。また、脂肪酸組成をガスクロマトグラフィーにより分析すると、オレイン酸30.8%、パルミトレイン酸0.096%、ステアリン酸3.7%であった。尚、水溶性ビタミン、脂溶性ビタミン、ミネラルについては、実施例1と同様に特別用途食品基準を満たしていた。
昼間用の乳児用調製粉乳として、WPC9.5kgと乳糖56kgを温湯350kgに溶解し、これにカゼイン7.0kgを所定量にアルカリで溶解した溶液、実施例1と同様の水溶性ビタミン成分及びミネラル成分をそれぞれ1kg、シチジル酸ナトリウム13.4g、ウリジル酸ナトリウム2.0g、グアニル酸ナトリウム0.8g、アデニル酸1.0g、イノシン酸ナトリウム0.5g、タウリン40gを混合した。更に、大豆油30%、菜種油13%を含む植物油混合物28.7kgに実施例1同様の脂溶性ビタミン成分20.4gを溶解して、上記の脱脂乳混合物に添加し、均質化した。得られた溶液を殺菌し、常法により濃縮し、乾燥して粉乳100kgを得た。尚、この粉乳を温水に溶解して固形率13%に調整した調乳液には脂質が3.6g/100ml、ヌクレオチド合計が1.9mg/100ml、シチジル酸が1.4mg/100ml、ウリジル酸が0.22mg/100ml、タウリンが4.5mg/100ml含まれていた。また、脂肪酸組成は、オレイン酸31.1%、パルミトレイン酸0.10%、ステアリン酸3.6%であった。尚、水溶性ビタミン、脂溶性ビタミン、ミネラルについては、実施例1と同様に特別用途食品基準を満たしていた。
夜間用の乳児用調製粉乳として、脱脂乳240kgに、乳清たんぱく質濃縮物(WPC)7.5kgと乳糖45kgを添加溶解し、実施例1と同様の水溶性ビタミン成分及びミネラル成分をそれぞれ1kg、シチジル酸ナトリウム14.2g、ウリジル酸ナトリウム2.1g、グアニル酸ナトリウム0.8g、アデニル酸1.0g、イノシン酸ナトリウム0.5g、タウリン35g、ラクトフェリン48gを混合した。更に、大豆油31%、菜種油12%を含む植物油混合物26.7kgに実施例1と同様に脂溶性ビタミン成分を溶解して、上記の脱脂乳混合物に添加し、均質化した。得られた溶液を殺菌し、常法により濃縮し、乾燥して粉乳100kgを得た。尚、この粉乳を温水に溶解して固形率13%に調整した調乳液には脂質が3.4g/100ml、ヌクレオチド合計が2.0mg/100ml、シチジル酸が1.5mg/100ml、ウリジル酸が0.24mg/100ml、タウリンが4.3mg/100ml、ラクトフェリンが6.1mg/100ml含まれていた。また、脂肪酸組成をガスクロマトグラフィーにより分析すると、オレイン酸30.8%、パルミトレイン酸0.096%、ステアリン酸3.7%であった。尚、水溶性ビタミン、脂溶性ビタミン、ミネラルについては、実施例1と同様に特別用途食品基準を満たしていた。
昼間用の乳児用調製粉乳として、脱脂乳240kgに、乳清たんぱく質濃縮物(WPC)7.5kgと乳糖45kgを添加溶解し、これに先述の水溶性ビタミン成分とミネラル成分をそれぞれ1kg、シチジル酸ナトリウム13.4g、ウリジル酸ナトリウム2.0g、グアニル酸ナトリウム0.8g、アデニル酸1.0g、イノシン酸ナトリウム0.5g、タウリン40g、ラクトフェリン50gを混合した。更に、大豆油30%、菜種油13%を含む植物油混合物28.7kgに先述の脂溶性ビタミン成分を溶解して、先述の脱脂乳混合物に添加し、均質化した。得られた溶液を殺菌し、常法により濃縮し、乾燥して粉乳100kgを得た。尚、この粉乳を温水に溶解して固形率13%に調整した調乳液には脂質が3.6g/100ml、ヌクレオチド合計が1.9mg/100ml、シチジル酸が1.4mg/100ml、ウリジル酸が0.22mg/100ml、タウリンが4.5mg/100ml、ラクトフェリンが6.3mg/100ml含まれていた。また、脂肪酸組成は、オレイン酸31.1%、パルミトレイン酸0.10%、ステアリン酸3.6%であった。尚、水溶性ビタミン、脂溶性ビタミン、ミネラルについては、実施例1と同様に特別用途食品基準を満たしていた。
[試験例]
実施例1〜3で作製した夜間用調製粉乳、ならびに、昼間用調製粉乳、および従来の乳児用調製粉乳(商品名「ネオミルクすこやか」、ビーンスターク・スノー(株)製)を用いて、乳児に与え、夜間の覚醒回数を測定することで、生体リズム形成を評価した。生後3か月齢の満期産の健康な完全人工栄養児40人を10人ずつA群、B群、C群、及びD群に分けた。A群には午前8時から午後8時の間に実施例1で作製した昼間用調製粉乳を標準濃度13%となるように調乳して与え、午後8時から午前8時までの間には実施例1で作製した夜間用調製粉乳を13%となるように調乳して与えた。B群には午前8時から午後8時の間に実施例2で作製した昼間用調製粉乳を標準濃度13%となるように調乳して与え、午後8時から午前8時までの間には実施例2で作製した夜間用調製粉乳を13%となるように調乳して与えた。C群には午前8時から午後8時の間に実施例3で作製した昼間用調製粉乳を標準濃度13%となるように調乳して与え、午後8時から午前8時までの間には実施例3で作製した夜間用調製粉乳を13%となるように調乳して与えた。D群には毎回、従来の調製粉乳を標準濃度13%となるように調乳して与えた。尚、D群に用いた従来の乳児用調製粉乳の組成を表2に示す。哺乳は、乳児が欲しがる時に欲しがる量だけ与える自律哺乳とした。この投与を4か月齢まで30日間継続し、28、29、30日目に、午後8時から午前8時までの覚醒回数を記録した。ここでいう覚醒とは、空腹のために乳を欲しがり泣いた回数を意味する。3日間の覚醒回数の平均を算出し、個人のデータとした。
各群10名の平均覚醒回数は、A群では2.2±0.5回、B群では2.1±0.3回、C群では2.0±0.4回、D群では3.1±0.3回(平均値±標準偏差)であった。この結果についてt検定を用いて有意水準1%で統計解析を行うと、D群に比較して有意にA群の回数が少ない結果が得られた。また、B群とC群についても、D群と比較して有意に回数が少ない結果が得られた。このことより、本発明の夜間用ならびに昼間用調製粉乳を組み合わせて与えることにより、夜間の覚醒回数が減少し、生体リズムの形成が促進されていることが示唆された。
[表1]
日本人の昼夜の母乳分析における各成分の変動
────────────────────────────
昼間母乳を1としたときの
夜間母乳の割合
────────────────────────────
脂質 0.91
ヌクレオチド 1.08
シチジル酸 1.11
ウリジル酸 1.19
タウリン 0.89
ラクトフェリン 0.85
固形分 0.96
脂肪酸組成
ステアリン酸 1.04
オレイン酸 0.97
パルミトレイン酸 0.95
総遊離アミノ酸 0.86
遊離グルタミン酸 0.83
ホスホエタノールアミン 0.90
遊離アスパラギン酸 0.86
遊離セリン 0.88
遊離グリシン 0.85
遊離アラニン 0.74
遊離シスチン 0.88
遊離チロシン 0.63
遊離フェニルアラニン 0.86
モノエタノールアミン 0.86
遊離ヒスチジン 0.85
遊離アルギニン 0.73
────────────────────────────


[表2]

試験例で用いた従来の市販の乳児用調製粉乳の組成
───────────────────────
100mlあたりのグラム数
───────────────────────
たんぱく質 1.60
脂質 3.61
炭水化物 7.14
灰分 0.29
固形分 13.0
タウリン 0.0046
ヌクレオチド 0.0019
───────────────────────
本発明により提供される栄養組成物は、摂取することによって乳児の生体リズム形成と発育を促すことができ、とくに、生体リズムが形成され、夜間の睡眠時間が長くなることは、成長ホルモンの分泌を高めることとなり、乳児の発育を促すこととなる。これは、身体の発育のみならず、精神、神経系の発達をも促すこととなる。本発明の栄養組成物は、乳児用調製粉乳として、乳児用のみならず、低出生体重児用、牛乳アレルギー疾患用、乳糖不耐症用、フォローアップミルク、医薬用特殊調製粉乳、その他乳児の人工哺育に用いる粉乳類として、または乳児用調製乳として、乳児の人工哺育を目的として調製した液状の調製乳である液体調製乳として利用することができる。

Claims (6)

  1. 夜間用の乳児用調製粉乳または乳児用調製乳からなる乳児用栄養組成物であって、乳児用調製粉乳または乳児用調製乳が、脂質を調乳液100ミリリットルあたり2.9グラム以上3.5グラム未満、ヌクレオチドを1.95ミリグラム以上、更にシチジル酸を1.5ミリグラム以上、ウリジル酸を0.23ミリグラム以上、タウリンを2.5ミリグラム以上4.4ミリグラム未満含有する、乳児用栄養組成物。
  2. 請求項1記載の夜間用の乳児用調製粉乳または乳児用調製乳と、昼間用の乳児用調製粉乳または乳児用調製乳を組み合わせてなる乳児用栄養組成物であって、昼間用の乳児用調製粉乳または乳児用調製乳が、脂質を調乳液100ミリリットルあたり3.5グラム以上、ヌクレオチドを0.7〜1.9ミリグラム、更にシチジル酸を0.5〜1.4ミリグラム、ウリジル酸を0.08〜0.22ミリグラム、タウリンを4.4ミリグラム以上含有する、乳児用栄養組成物。
  3. 夜間用の乳児用調製粉乳または乳児用調製乳からなる乳児用栄養組成物であって、乳児用調製粉乳または乳児用調製乳が、脂質のうち、脂肪酸組成がオレイン酸31%以下、パルミトレイン酸1.5%以下、ステアリン酸3.7%以上である請求項1記載の乳児用栄養組成物。
  4. 請求項3記載の夜間用の乳児用調製粉乳または乳児用調製乳と、昼間用の乳児用調製粉乳または乳児用調製乳を組み合わせてなる乳児用栄養組成物であって、昼間用の乳児用調製粉乳または乳児用調製乳が、脂質のうち、脂肪酸組成がオレイン酸29%以上、パルミトレイン酸0.05%以上、ステアリン酸3.9%以下である請求項2記載の乳児用栄養組成物。
  5. 夜間用の乳児用調製粉乳または乳児用調製乳からなる乳児用栄養組成物であって、乳児用調製粉乳または乳児用調製乳が、調乳液100ミリリットルあたりラクトフェリンを5〜13ミリグラム含有する請求項1又は3記載の乳児用栄養組成物。
  6. 請求項5記載の夜間用の乳児用調製粉乳または乳児用調製乳と、昼間用の乳児用調製粉乳または乳児用調製乳を組み合わせてなる乳児用栄養組成物であって、昼間用の乳児用調製粉乳または乳児用調製乳が、調乳液100ミリリットルあたりラクトフェリンを5.2ミリグラム以上含有する請求項2又は4記載の乳児用栄養組成物。

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