JP5332400B2 - 電動機のトルク脈動抑制装置および抑制方法 - Google Patents

電動機のトルク脈動抑制装置および抑制方法 Download PDF

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Description

本発明は、回転機械を駆動する電動機(回転電気機械)のトルク制御装置において、電動機パラメータに起因して発生するトルク脈動を抑制する装置および抑制方法に関する。
電動機は、構造的な磁束の歪みやコギングトルクを持つため、回転に応じて振動・騒音の一因となるトルク脈動を発生する。また、電動機と負荷との間で多慣性系が構成される場合、その機械系共振点とトルク脈動周波数成分が一致することで過大な軸ねじれトルクが発生し、運転特性上の悪影響やシステム破損の危険がある。
これらの問題を解決するために、フィードバック制御による軸ねじれ共振抑制手法がある。しかし、フィードバックによる共振抑制方法では、共振周波数とインバータの応答周波数が近い場合、または制御系のサンプリング時間を充分に短くできない場合に共振抑制が困難になる。
これらの課題を解決するため、IPMモータ出力のトルクリップルを打ち消す補償信号をIPMモータのd、q軸電流指令またはトルク指令に加えるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−267466号公報
電動機のトルク脈動は、モータ構造の磁気的な不完全性や、それを駆動するインバータ電源の応答・電流誤差、機械系の特性など、様々な要因が複雑に関連している。特に、埋込磁石式同期電動機(以後、IPMSMと呼ぶ)は、永久磁石によるトルクだけでなく、磁気的異方性を用いたリラクタンストルクも有効活用できる高効率な電動機であるが、反面、トルク脈動の観点からは、マグネットトルク脈動とリラクタンストルク脈動の双方が複合的に発生する問題がある。
IPMSMの制御は、一般に、電動機の回転数に同期した回転座標(直交dq座標)上の電流をベクトル制御する手法が用いられる。d軸およびq軸電流と定常的なトルク式の関係は、以下で求められる。
Figure 0005332400
ただし、Ψ:永久磁石による鎖交磁束数、Ld:d軸インダクタンス、Lq:q軸インダクタンス、id:d軸電流、iq:q軸電流
IPMSMにおいては、用途・目的に応じてd軸電流とq軸電流の割合を制御する必要がある(例えば、最大トルク制御を実現するなど)ため、別途に適切な指令値を与える必要がある。トルク脈動補償信号を重畳する際も、d軸、q軸電流が干渉しないように別途に考える必要がある。
また、上記の式は、Ψ、Ld、Lqが平均値で簡略化された定常トルクであり、電動機パラメータの歪みによるトルク脈動は式に表されていない。そこで、例えば、前記の特許文献1では、磁束Ψには回転子位相θに依存した歪み成分があるとして、それを抑制するような補償信号を各軸の電流指令値id、iqに重畳している。しかしながら、インダクタンスLd、Lqの歪み成分が考慮されていないため、厳密にはトルク脈動補償誤差が生じると考えられる。
本発明の目的は、電動機パラメータ(インダクタンス、永久磁石による鎖交磁束数、構造的な不完全性等)の歪みに起因したトルク脈動を、高い精度で抑制できる電動機のトルク脈動抑制装置および抑制方法を提供することにある。
本発明は、前記の課題を解決するため、電動機のパラメータ(インダクタンス、永久磁石による鎖交磁束数、構造的な不完全性等)に起因して発生するトルク脈動分を導出し、このトルク脈動分を補償する補償電流をインバータの電流指令に重畳することによって発生する新たな脈動成分を導出し、この新たな脈動成分を打ち消す電流補償信号をインバータの電流指令に加えるようにしたもので、以下のトルク脈動抑制装置および抑制方法を特徴とする。
(1)電動機のトルク指令値をd,q軸電流成分に変換するトルク−電流指令変換部と、前記トルク−電流指令変換部の出力をd,q軸電流指令値とし、この電流指令値とインバータの出力電流検出値とから電動機の電流制御を行うインバータとを備えた電動機のトルク制御装置において、
電動機のパラメータに起因して発生するトルク脈動分を導出し、このトルク脈動分を補償する補償電流をインバータの電流指令に重畳することによって発生する新たな脈動成分を導出し、トルク脈動分を補償する補償電流をインバータの電流指令に重畳することによって発生する新たな脈動成分を打ち消す電流補償信号をインバータの電流指令に加える脈動補償部を備えたことを特徴とする。
(2)前記脈動補償部は、電動機のパラメータに起因して発生するトルク脈動分を、電動機の回転位相角θおよびインバータの運転周波数の3の整数倍および6の整数倍の脈動成分として導出し、これらのトルク脈動成分を打ち消す電流補償信号を求め、この電流補償信号をインバータの電流指令に加える手段を備えたことを特徴とする。
(3)前記脈動補償部は、前記6の整数倍の脈動成分について、d軸補償電流を0とし、前記トルク脈動分が「0」となるq軸補償電流iqcを求め、このq軸補償電流iqcを前記q軸電流指令値への加算値とする手段を備えたことを特徴とする。
(4)前記脈動補償部は、前記6の整数倍の脈動成分について、q軸補償電流を0とし、前記トルク脈動分が「0」となるd軸補償電流idcを求め、このd軸補償電流idcを前記d軸電流指令値への加算値とする手段を備えたことを特徴とする。
(5)前記脈動補償部は、前記6の整数倍の脈動成分について、前記トルク脈動分が「0」となるd軸補償電流idcおよびq軸補償電流iqcを求め、d軸補償電流idcを前記d軸電流指令値への加算値とし、q軸補償電流iqcを前記q軸電流指令値への加算値とする手段を備えたことを特徴とする。
(6)前記脈動補償部は、前記3の整数倍の脈動成分について、d軸補償電流を0とし、前記トルク脈動分が「0」となるq軸補償電流iqcを求め、このq軸補償電流iqcを前記q軸電流指令値への加算値とする手段を備えたことを特徴とする。
(7)前記脈動補償部は、前記3の整数倍の脈動成分について、q軸補償電流を0とし、前記トルク脈動分が「0」となるd軸補償電流idcを求め、このd軸補償電流idcを前記d軸電流指令値への加算値とする手段を備えたことを特徴とする。
(8)前記脈動補償部は、前記3の整数倍の脈動成分について、前記トルク脈動分が「0」となるd軸補償電流idcおよびq軸補償電流iqcを求め、d軸補償電流idcを前記d軸電流指令値への加算値とし、q軸補償電流iqcを前記q軸電流指令値への加算値とする手段を備えたことを特徴とする。
(9)前記脈動補償部は、前記6の整数倍及び3の整数倍の脈動成分について、前記トルク脈動分が「0」となるd軸補償電流idc及びq軸補償電流iqcを求め、d軸補償電流idcを前記d軸電流指令値への加算値とし、q軸補償電流iqcを前記q軸電流指令値への加算値とする手段を備えたことを特徴とする。
(10)前記補償電流で補償したdq軸電流指令値を、インバータの応答遅れを表現する伝達関数の逆伝達関数をもつ応答補償部を通してインバータの電流指令値とすることを特徴とする。
(11)電動機のトルク指令値をd,q軸電流成分に変換するトルク−電流指令変換部と、前記トルク−電流指令変換部の出力をd,q軸電流指令値とし、この電流指令値とインバータの出力電流検出値とから電動機の電流制御を行うインバータとを備えた電動機のトルク制御装置において、
電動機のトルク脈動を抑制する脈動補償部は、電動機のパラメータに起因して発生するトルク脈動分を導出し、このトルク脈動分を補償する補償電流をインバータの電流指令に重畳することによって発生する新たな脈動成分を導出し、この新たな脈動成分を打ち消す電流補償信号をインバータの電流指令に加えることを特徴とする。
以上のとおり、本発明によれば、電動機のパラメータ(インダクタンス、永久磁石による鎖交磁束数、構造的な不完全性等)に起因して発生するトルク脈動分を導出し、このトルク脈動分を補償する補償電流をインバータの電流指令に重畳することによって発生する新たな脈動成分を導出し、この新たな脈動成分を打ち消す電流補償信号をインバータの電流指令に加えるようにしたため、電動機パラメータの歪みに起因したトルク脈動を、高い精度で抑制できる。
(実施形態1)
本発明の原理的な説明に続けて、本実施形態の抑制装置および抑制方法を説明する。
(A)原理的な説明
IPMSMの3相電圧方程式は以下のように表すことができる。
Figure 0005332400
ただし、[v]:3相電圧、[i]:3相電流、[L]:インダクタンス行列、[ψ]:永久磁石鎖交磁束、R:巻線抵抗、p:微分演算子
ここで、電動機のパラメータである「Ψ:永久磁石による鎖交磁束数」、「L:インダクタンス」が何らかの歪み成分を持っているとして、以下のように級数展開した式を仮定する。
Figure 0005332400
ただし、l:漏れインダクタンス、θ:回転子位相、n:フーリエ級数の次数
上記を回転座標変換(3相→直交dq軸座標変換)して行列表現で整理すると、以下のようになる。
Figure 0005332400
ただし、[Vdq]:dq軸電圧、[idq]:dq軸電流
入力電力、出力電力、巻線損失、蓄積される磁気エネルギーを考慮し、エネルギー保存則から以下の式を導く。
Figure 0005332400
ただし、Pm:出力電力、Pi:入力電力、Pr:損失電力、PL:蓄積される磁気エネルギー相当の電力
数式4、5から、トルクTを求めると以下となる。
Figure 0005332400
数式2、3で定義した級数展開式を数式6に代入して整理すると、最終的にはトルクTは以下の式で表される。
Figure 0005332400
ここで、数式7の下線部はトルク脈動項ΔTを表しており、各係数は以下のとおりである。
Figure 0005332400
ただし、M:相互インダクタンス、τ:コギングトルク成分
係数のサフィックスは、回転位相θに基づいて級数展開した次数を示している。また、τcogはコギングトルクを示しており、その周波数成分は電動機のスロット数と極数に関連するが、ここでは一般性を考えて「6」の整数倍周波数で表す。(以後、回転基本波のn倍の脈動成分をnfと表現する。例:6倍成分→6f)
このように、電動機に起因したトルク脈動項は、基本的に3の倍数と6の倍数の周波数成分の正弦・余弦多項式で表現できることが分かる。また、数式7の三角関数の係数に着目すると、3f成分の係数は電流の1乗、6f成分の係数は電流の2乗で歪み成分が現れる。さらに、数式8に着目すると、3f成分の係数は永久磁石による鎖交磁束の歪み、6f成分の係数はインダクタンスの歪み、すなわちリラクタンストルク脈動成分に関わる関数であることが分かる。以上から、一般にトルク脈動は3f成分よりも6f成分の方が支配的であることが言えるとともに、回転位相に対して特定の周期性を有することが分かる。
次に、上記のトルク脈動項ΔTに基づいて、ΔT=0とするための補償信号を考える。IPMSMでは、d軸、q軸電流指令値の2つがあるため、補償信号もその両方に与えることができる。そこで、各軸の脈動補償信号をidc:d軸脈動補償電流、iqc:q軸脈動補償電流とし、これらを元の定常的なdq軸電流指令値に重畳するため、ここでは所望する理想の電流指令値をIdo、Iqoとする。すなわち、電流指令値を以下の式で表現する。
Figure 0005332400
これを、数式7の電流部に代入して整理すると、以下の数式10になる。ただし、ここでは例として、トルク脈動の支配的な成分である6f成分についてのみ着目し、補償電流は定常電流よりも十分に小さい条件(Ido>>idc、Iqo>>iqc)を与えてマクローリン展開した1次近似式を用いている。
Figure 0005332400
上記の数式10の下線部がトルク脈動項を示しているが、数式7の元のトルク脈動項と比較すると、補償電流信号idc、iqcを重畳したことによって新たな脈動成分が発生していることが分かる。したがって、補償電流を重畳した影響も予め考慮して総合的に脈動を抑制するには、数式10の下線部のトルク脈動項を0とするように補償式を考えなければならない。
そこで、本実施形態では、簡便のためにidc=0として、iqcのみで脈動を補償する。すなわち、数式10のトルク脈動項にidc=0を代入した上でトルク脈動項が0となるようなiqcを求めると以下の数式11となる。
Figure 0005332400
上記の数式11の電動機パラメータおよび各係数は電動機設計データに基づく電磁界解析や実機計測に基づく手法などにより、予め求めておいたものを代入する。これにより、q軸補償電流信号は回転位相角θと理想電流指令値Ido、Iqoの関数式で表現できるため、この関数式からトルク脈動成分が0となる補償信号を求め、この補償信号をトルク指令に加えることで、負荷運転状態に応じてトルク脈動を抑制することができる。
(B)実施形態の説明
図1は、本実施形態のトルク脈動抑制装置の構成図を示す。トルク−電流指令変換部1は、電動機負荷のトルク指令値Trefをdq軸電流Ido、Iqoに変換する。この変換は、例えばIPMSMの最大トルク制御を行うためのd軸電流、q軸電流に変換する。
脈動補償部2Aは、変換部1で変換したdq軸電流Ido、Iqoと、エンコーダで計測またはオブザーバで推定される回転位相角θと、電動機パラメータおよび各係数とから、前記の数式11の演算を行い、トルク脈動項が0となる電流iqcを求める。
加算器3Aは、変換部1で変換したq軸電流Iqoに、脈動補償部2Aで求めた電流iqcを加算する。
インバータ4は、dq軸に分離した電流指令と負荷電流の検出値(dq軸)を電流制御系で制御するベクトル制御により主回路の出力電圧が制御され、さらにこの制御にPWM制御が併用され、IPMSMになる電動機負荷5を駆動し、その出力トルクをトルク指令値Trefに一致させる。
上記の構成において、インバータ4のq軸電流指令には脈動補償部2Aで求めた電流iqcが加算されており、電動機のパラメータに起因して発生するトルク脈動を負荷運転状態に応じて抑制することができる。
(実施形態2)
本実施形態では、q軸補償電流iqc=0として、d軸補償電流idcのみでトルク脈動を補償する。すなわち、前記の数式10のトルク脈動項にiqc=0を代入した上でトルク脈動項が0となるようなd軸補償電流idcを求めると、以下の数式12となる。これにより、電圧飽和や電動機の運転状況に応じてd軸電流補償値に変更することができる。
Figure 0005332400
図2は、本実施形態のトルク脈動抑制装置の構成図を示す。同図が図1と異なる部分は、脈動補償部2Aに代えて、脈動補償部2Bとし、この出力Idcを加算器3Bでd軸電流Idoに加算してインバータ4のd軸電流指令値とする点にある。
したがって、本実施形態では、電圧飽和や電動機の運転状況に応じてトルクリップルを抑制することができる。
(実施形態3)
実施形態1、2では、どちらかの補償電流信号を0にし、もう一方の補償演算式を導いたが、本実施形態では両方の補償信号を用いてトルク脈動を抑制する。
d軸q軸の双方に脈動補償電流を与える方法は様々であるが、例として数式10における電動機パラメータ係数Kidiqを消去する場合を挙げる。
数式10より、Kidiqに関連する項はKidiq(Id0q0+Id0qc+Idcq0)であるので、以下の数式13に従った関係にする。
Figure 0005332400
上記の如く定義すれば、常にKidiqの値とは無関係にidcとiqcの関係を導くことができるので、予め求解する電動機パラメータ係数をひとつ減らすことができる。
上記ではidcをiqcの式で表したが、逆に以下の数式14のように、q軸補償電流iqcをd軸補償電流idcで表しても良い。
Figure 0005332400
数式13のようにidcとiqcの関係を定義した場合の脈動補償電流は以下のように計算できる。
Figure 0005332400
上記の数式15に従った演算により、Kidiq成分は消去される。これにより、例えば電磁界解析や実機計測から求める際の誤差の影響を低減できる。
図3は、本実施形態のトルク脈動抑制装置の構成図を示す。同図が図1と異なる部分は、脈動補償部2Cにおいては、脈動補償部2Aで求めるiqcおよびトルク−電流指令変換部1からのIdo,Iqoから、数式13の演算でidcを求め、この電流idcを加算器3BでIdoに加算する点にある。
本実施形態は、idcとiqcの両方を用いてKidiqを消去する方法を述べたが、消去対象の係数KidiqからKid2やKiq2などの他の係数に置き換えて同様に処理することも可能である。
(実施形態4)
上述までの実施形態では、トルク脈動の支配的な次数である6の整数倍成分(6nf)を例としていたが、数式7で示したとおり、3の整数倍成分(3nf成分)のトルク脈動も発生する。
そこで、本実施形態では3の倍数であるが6の倍数ではない次数(3f、9f、15f、…)についてもトルク脈動補償を可能とする。数式7および数式9より、6nf成分を除くトルク脈動項は以下となる。
Figure 0005332400
do>>idc、Iqo>>iqcを満たし、かつ実施形態1、2と同様にd軸またはq軸のどちらかの補償電流を0としたときの補償式を考える。この場合、数式16のトルク脈動項が0となるための条件は以下となる。
Figure 0005332400
よって、3の整数倍周波数成分(6の整数倍を除く)については、数式17によりトルク脈動を抑制することができる。
具体的には、図1〜図3の構成において、脈動補償部2A〜2Cによる演算を行い、補償電流iqcまたはidcを求め、もしくは補償電流iqcとidcの両方を求める。
(実施形態5)
数式7、8より、電動機パラメータの歪みに起因するトルク脈動成分は6の整数倍と3の整数倍周波数成分で構成される。
そこで、本実施形態では両者を総合的に抑制する。ここでは、実施形態1と同様にd軸補償電流=0とした場合を例に挙げて説明する。
実施形態1より、6の整数倍周波数成分については数式11で抑制できる。また、3の整数倍成分(6の整数倍を除く)は、数式17の上段の補償式により抑制できる。したがって、これらを重ね合わせてq軸電流指令値に重畳すれば、電動機パラメータの歪みに起因したトルク脈動を総合的に抑制することができる。
図4は、本実施形態のトルク脈動抑制装置の構成図を示す。同図が図1と異なる部分は、脈動補償部2Dでは数式11の演算で6nf成分の脈動電流を補償するiqcを求め、脈動補償部2Eでは数式17の演算で3nf成分の脈動電流を補償するiqcを求め、これらを加算器3Cで加算し、さらに加算器3Dでq軸電流指令値Iqoに加算する点にある。
この構成により、電動機パラメータの歪みに起因した6nf成分および3nf成分のトルク脈動を総合的に抑制することができる。
ここではd軸補償電流を0とし、q軸補償電流のみでトルク脈動を抑制する場合を例に挙げたが、その逆も同様に実現できる。
(実施形態6)
実際の電動機駆動装置は、インバータ等を用いて可変速運転するので、インバータ応答や通信・演算むだ時間等により、理想指令値どおりの電流を電動機負荷に与えることができず、補償誤差を生じる。
そこで、本実施形態では、インバータの応答遅れを一般的なシステム同定などの手段を用いて近似的な伝達関数G(s)で表し、その逆関数G(s)-1を介して電流指令値をインバータに与える。
その構成例を図5に示す。この構成は、例として、q軸のみで補償する場合を示し、図1の構成において、dq軸電流指令値を応答補償部6を通してインバータ4の電流指令値とする。そして、応答補償部6の伝達関数がインバータ4の伝達関数の逆関数になるよう設計する。
本実施形態によれば、インバータ等の駆動装置系の応答遅れを考慮して電流指令値の位相や大きさの補正を行うので、トルク脈動補償誤差を低減することができる。
なお、本実施形態は、図2〜図4の構成にした装置に適用できる。
実施形態1のトルク脈動抑制装置の構成図。 実施形態2のトルク脈動抑制装置の構成図。 実施形態3のトルク脈動抑制装置の構成図。 実施形態5のトルク脈動抑制装置の構成図。 実施形態6のトルク脈動抑制装置の構成図。
符号の説明
1 トルク−電流指令変換部
2A、2B、2C、2D,2E 脈動補償部
3A、3B、3C 加算器
4 インバータ
5 電動機負荷
6 応答補償部

Claims (11)

  1. 電動機のトルク指令値をd,q軸電流成分に変換するトルク−電流指令変換部と、前記トルク−電流指令変換部の出力をd,q軸電流指令値とし、この電流指令値とインバータの出力電流検出値とから電動機の電流制御を行うインバータとを備えた電動機のトルク制御装置において、
    電動機のパラメータに起因して発生するトルク脈動分を導出し、このトルク脈動分を補償する補償電流をインバータの電流指令に重畳することによって発生する新たな脈動成分を導出し、トルク脈動分を補償する補償電流をインバータの電流指令に重畳することによって発生する新たな脈動成分を打ち消す電流補償信号をインバータの電流指令に加える脈動補償部を備えたことを特徴とする電動機のトルク脈動抑制装置。
  2. 前記脈動補償部は、電動機のパラメータに起因して発生するトルク脈動分を、電動機の回転位相角θおよびインバータの運転周波数の3の整数倍および6の整数倍の脈動成分として導出し、これらのトルク脈動成分を打ち消す電流補償信号を求め、この電流補償信号をインバータの電流指令に加える手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の電動機のトルク脈動抑制装置。
  3. 前記脈動補償部は、前記6の整数倍の脈動成分について、d軸補償電流を0とし、前記トルク脈動分が「0」となるq軸補償電流iqcを求め、このq軸補償電流iqcを前記q軸電流指令値への加算値とする手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載の電動機のトルク脈動抑制装置。
  4. 前記脈動補償部は、前記6の整数倍の脈動成分について、q軸補償電流を0とし、前記トルク脈動分が「0」となるd軸補償電流idcを求め、このd軸補償電流idcを前記d軸電流指令値への加算値とする手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載の電動機のトルク脈動抑制装置。
  5. 前記脈動補償部は、前記6の整数倍の脈動成分について、前記トルク脈動分が「0」となるd軸補償電流idcおよびq軸補償電流iqcを求め、d軸補償電流idcを前記d軸電流指令値への加算値とし、q軸補償電流iqcを前記q軸電流指令値への加算値とする手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載の電動機のトルク脈動抑制装置。
  6. 前記脈動補償部は、前記3の整数倍の脈動成分について、d軸補償電流を0とし、前記トルク脈動分が「0」となるq軸補償電流iqcを求め、このq軸補償電流iqcを前記q軸電流指令値への加算値とする手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載の電動機のトルク脈動抑制装置。
  7. 前記脈動補償部は、前記3の整数倍の脈動成分について、q軸補償電流を0とし、前記トルク脈動分が「0」となるd軸補償電流idcを求め、このd軸補償電流idcを前記d軸電流指令値への加算値とする手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載の電動機のトルク脈動抑制装置。
  8. 前記脈動補償部は、前記3の整数倍の脈動成分について、前記トルク脈動分が「0」となるd軸補償電流idcおよびq軸補償電流iqcを求め、d軸補償電流idcを前記d軸電流指令値への加算値とし、q軸補償電流iqcを前記q軸電流指令値への加算値とする手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載の電動機のトルク脈動抑制装置。
  9. 前記脈動補償部は、前記6の整数倍及び3の整数倍の脈動成分について、前記トルク脈動分が「0」となるd軸補償電流idc及びq軸補償電流iqcを求め、d軸補償電流idcを前記d軸電流指令値への加算値とし、q軸補償電流iqcを前記q軸電流指令値への加算値とする手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載の電動機のトルク脈動抑制装置。
  10. 前記補償電流で補償したdq軸電流指令値を、インバータの応答遅れを表現する伝達関数の逆伝達関数をもつ応答補償部を通してインバータの電流指令値とすることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の電動機のトルク脈動抑制装置。
  11. 電動機のトルク指令値をd,q軸電流成分に変換するトルク−電流指令変換部と、前記トルク−電流指令変換部の出力をd,q軸電流指令値とし、この電流指令値とインバータの出力電流検出値とから電動機の電流制御を行うインバータとを備えた電動機のトルク制御装置において、
    電動機のトルク脈動を抑制する脈動補償部は、電動機のパラメータに起因して発生するトルク脈動分を導出し、このトルク脈動分を補償する補償電流をインバータの電流指令に重畳することによって発生する新たな脈動成分を導出し、この新たな脈動成分を打ち消す電流補償信号をインバータの電流指令に加えることを特徴とする電動機のトルク脈動抑制方法。
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